目次 目次 1章 序論 研究の目的 MPGD MPGD の応用...6 2章 GEM(Gas Electron Multiplier) GEM とは 加工方法 GEM の増幅過程 光子と

Size: px
Start display at page:

Download "目次 目次 1章 序論 研究の目的 MPGD MPGD の応用...6 2章 GEM(Gas Electron Multiplier) GEM とは 加工方法 GEM の増幅過程 光子と"

Transcription

1 平成 24 年度 卒業論文 Thick-GEMの温度依存性と ガス流量依存性の測定 信州大学 理学部物理科学科 高エネルギー物理学研究室 09S2030A 南山 平成25年3月 仁美

2 目次 目次 1章 序論 研究の目的 MPGD MPGD の応用...6 2章 GEM(Gas Electron Multiplier) GEM とは 加工方法 GEM の増幅過程 光子と物質との相互作用 光電効果 コンプトン散乱 電子対創世 章 GEM の基本性能 測定装置 セットアップ 読み出し原理 GEM からの信号 増幅率の測定 各領域での依存性の測定 ΔV GEM ΔV T GEM に対する依存性 E Drift に対する依存性...24 E Transfer に対する依存性 E Induction に対する依存性 章 GEM の温度,ガス流量依存 実験の説明 温度依存性の測定 温度変化を伴う場合の増幅率の測定 温度一定の場合での増幅率の測定 ガス流量依存性の測定

3 目次 5 章 考察 基本性能の測定の考察 温度 ガス流量依存性の測定の考察 章 まとめと今後の課題...35 参考文献...36 謝辞

4 1章 序論 1章 序論 現在 高エネルギー実験でのガス放射線測定器はワイヤーを用いたものが主流である しかし近年 では ワイヤーを使わない MPGD (Micro Pattern Gas Detector) の研究が盛んに行われるようになっ た MPGD の利点は ワイヤーチェンバーに比べ位置分解性能が優れていることや 高頻度な信号に 耐えられるということである また MPGD の応用として ILC (International Linear Collider) の飛 跡検出器での利用や X 線や中性子の二次元読み出しに利用等が考えられている MPGD にはいくつ かの種類があるが 本研究では MPGD の一種である GEM (Gas Electron Multiplier) を扱い 実験を 行った 1.1 研究の目的 本研究では GEM の中でも絶縁体が厚いものを用いて 増幅率 1個の電子からガス増幅によって 何個の電子ができるかをいう の測定を様々な条件で行い結果を比較 考察をした この通常より厚 い GEM のことを Thick-GEM といい 本研究では一般的な GEM 100μm と Thick-GEM 400μm を多層化させ 実験を行った まずは GEM の基本特性の実験を行った GEM の各パラメータと増幅率の関係性についてを調べ 基本特性を確認し 以降の実験での電圧を決定した ここで GEM のパラメータとして挙げられるのは GEM の両面にかける電位差 ΔV GEM Thick-GEM の両面にかける電位差 ΔV T GEM Drift 領域の電場の強さ E Drift Induction 領域の電場の強さ E Induction Transfer 領域の電場の強 さ E Transfer である 次に 温度やガスの流量を変化させた場合の増幅率の実験を行った 温度に関しては 実験中に温 度の変化が伴う場合と 一定の温度の場合での測定を行い ガスに関しては 測定前にチェンバー内 に送るガスの流量を変化させ 増幅率の測定を行った Thick-GEM には時間依存性があり 安定するまでにある程度の時間が必要であることは分かってい たが 詳しいことは分かっていない そこで今回の研究では これらの実験の結果を比較 考察して 時間による増幅率が変化や その要因を明らかにすることを目的とする 3

5 1章 序論 1.2 MPGD 高エネルギー実験では ワイヤーを用いたガス検出器(MWPC-Multi Wire Proportional Chamber) が主に用いられ 粒子の飛跡検出などで貢献してきた しかし最近の高エネルギー物理学実験では 位置分解能の向上や高頻度入射に対する信号の安定性 などよりよい性能が求められるようになり この要求を満たすために 微細加工技術を用いた MPGD(Micro Pattern GasDetector) の開発が進められるようになった MPGD と MWPC との違いは 陽イオンからガス分子の変換効率がいいことである ガスの電離に よってできた陽イオンは 電場によってカソードから電子を受け取りガス分子へと戻る MPGD はワ イヤーと比べイオンの移動距離が短いため 陽イオンがガス分子に変わる効率が良い そのため高頻 度の信号にも安定して動作するという利点をもつ また ワイヤーの代わりに金属のストリップを 使っていることから ワイヤーが断線することもない MPGD には以下のような数種類があり 本研究ではGEMを用いての実験を行う GEM(Gas Electron Muliplier) 図1.1にGEMの構造を示す GEMは1997年にCERNのF.Sauliらによって発案されたガス増幅器であ る[1] 詳しくは2章で述べる 図1.1 GEM 4

6 1章 序論 MSGC(Micro Strip Gas Chamber) 図1.2にMSGCの構造を示す 比例計数管の限界を越えるため1988年にOedにより提案された[2] ワイヤーの代わりに幅10μmほどの陽極のストリップを基板上に配置し その間に陰極 (Cathode Strip)のストリップを配置した構造をしている 長所として挙げられるのは 電極間が狭いため 時間 分解能 位置分解能が優れていることや 1枚の基板でできているので単純な構造を持つことである しかし 放電が起きやすいなどの短所も多い 図1.2 MSGC μ-pic(micro Pixel Chamber) 図1.3にμ-PICの構造を示す μ-picはマイクロパターンのピクセルの基盤を用いた検出器である [3] ピクセル状のアノードの回りをカソードが取り囲む形をしていて アノードにはプラス電圧 カ ソードにはマイナスの電圧を印加し その間の電場により電子雪崩を起こさせ信号を絶縁体の裏面に あるストリップから読み出す 単体で高いガス増幅率を得ることができる利点をもつ 図1.3 μ-pic 5

7 1章 序論 MicroMEGAS(Micromesh Gaseous Detector) 図 1.4 に MicroMEGAS の構造を示す MicroMEGAS は 1996 年に Giomataris らが考案したもので ある[4] 読み出し基板の間に狭い空間を空けて目の細かい金属メッシュ ( 50μm ピッチ)が平行に張られた構 造をしている 金属メッシュと読み出し基板の間に高電場を形成し そこで電子の増幅を行う 非常 に高頻度な信号にも対応できるが 大面積のものを安定して動作させることは難しいといえる 図 1.4 MicroMEGAS 1.3 MPGD の応用 MPGD の代表的な応用利用のひとつとして ILC(International Linear Collider) 計画[5]に用いられ る TPC(Time Projection Chamber) が挙げられる ILC とは 世界史上最大最高の高エネルギー電子陽電子衝突型線形加速器のことであり ヒッグス粒 子の詳しい性質を調べることや新たな物理の発見のために計画されているものである また TPC と は飛跡検出器の一種で 荷電粒子の通過によってできる電子をドリフトさせ 2 次元平面で通過粒子 の位置を検出し 同時にセンサー部分までの電子の到達時間を測定し 通過粒子の 3 次元飛跡を得る 測定器である TPC では一定方向に磁場をかけることにより 通過粒子の曲率半径を測定し そこか ら粒子の運動量を求めることができる MPGD は TPC 内でガス増幅を行うセンサー部分に採用予定 である また 従来のワイヤーチェンバーよりも電荷の拡がりを抑えることができ 必要な位置分解 能を達成することを可能とする さらに 高頻度な荷電粒子の測定でも安定して動作する また MPGD はほかにも Γ線カメラ 医療診断などに用いられるX線 中性子線画像検出器 プ ラズマ診断 新粒子探索などに用いられる粒子線飛跡検出器など 幅広い応用が期待されている 6

8 2章 GEM(Gas Electron Multiplier) 2章 GEM(Gas Electron Multiplier) この章ではGEMの詳細を説明する 2.1 GEMとは GEM とは MPGD の一種であり 1996 年にCERN のF.Sauli によって発案された電子増幅器のこと である GEM は 薄い絶縁体の両面に薄い銅箔が貼り付けられており そこには無数の細かな孔が開 けられている 典型的なGEM の絶縁体の厚さは50μm で その両面には5μm 厚の銅箔が貼られてお り これらの間に V 程度の電位差を与えることにより孔の内部に高電場を形成し 電子を増 幅させる GEM の両面に電圧をかけることで 孔の内部に高電場をつくり電子が孔を通過するときの み電子増幅が起こる GEM は増幅部分のみでできているので 読み出し部分とは別に設計をすることができる GEM を2 段や3段に重ねることで より高い増幅率を得ることが可能となる 図2.1 はCERN 製GEMの全体写真で 図2.2 はCERN 製GEMの拡大写真である 図2.1 CERN 製 GEMの全体写真 図2.2 CERN 製 GEMの拡大写真 また GEMの中でも 絶縁体の厚さが数100μmあり厚いものを Thick-GEMと呼ぶ Thick-GEM は 通常のGEMよりも増幅領域が大きく 1枚で高い増幅率と安定性が得られる また 電圧をかけ る際に 強い張力をかける必要がないという利点も持つ 50μm 100μmのような一般的なGEMは 十分に研究が行われその特性などが知られているのに対し Thick-GEMは開発の余地があり 今後の 活躍が期待される 7

9 2章 GEM(Gas Electron Multiplier) 2.2 加工方法 GEMの加工方法にはいくつかある 現在 主な加工方法は以下の3つである ①ケミカルエッチング ②プラズマエッチング ③レーザーエッチング ①ケミカルエッチング ケミカルエッチングとは 薬品(塩酸溶液)によって銅と絶縁体を片面づつ溶かすことで孔を作る方法 である 薬品が絶縁体の内部にまで浸透しないため 孔の形状は円錐をくっつけたようなつつみの形 状になる この方法はCERNで用いられている方法である この方法では50μm 70μm程度の孔を 100μm 150μmのピッチで開けることができる 図 2.2にウェットエッチングで作成したGEMの断面図を示す GEMの断面 絶縁体の中央部分は 55μmと孔の縁の部分よりも狭くなっている 図2.2 ウェットエッチング 8

10 2章 GEM(Gas Electoron Multiplier) ②プラズマエッチング プラズマエッチングでは 銅の部分は同様薬品を使って溶かし 絶縁体の部分はアルゴンのプラズ マを当てる事によって削る 短所は プラズマの拡散によって絶縁体の側面を削りすぎてしまうこと があり 放電の要因になってしまうことである 孔の大きさはケミカルエッチングと同程度である 穴の形状は円筒に近い 図 2.3にプラズマエッチングにより作成したGEMの断面図を示す 図2.3 プラズマエッチング ③レーザーエッチング レーザーエッチングでは まずケミカルエッチングで銅に孔を開け 次に片面ずつ炭酸ガスレー ザーで孔を開ける 拡散の小さいレーザーを使うことで プラズマエッチングの際に絶縁体を削 りすぎる問題を解決している しかし レーザー光を絶縁体が吸収することにより 絶縁体の温度が 上昇してしまい 絶縁体が変形し 表面が波打った状態になることもある この方法では非常に微細な加工が可能であり 30μmの孔を50μmピッチでエッチングすることも 可能である この方法では上の2つの方法に比べて精度がよいが 高価である欠点を持つ 図 2.4にレーザーエッチングにより作成したGEMの断面図を示す 図2.4 レーザーエッチング 9

11 2章 GEM(Gas Electron Multiplier ) 2.3 GEMの増幅過程 GEMのチェンバー内での 粒子の増幅過程を説明する 入射粒子が検出器内を通過したとき 検出 器内のガス分子は電離され 入射粒子の飛跡に沿っ て電子と陽イオンの組ができる これを一次電離 という ガス中の電場を強くしたとき 電離によってで きた電子は加速され 高い運動エネルギーを 持つ この運動エネルギーがガス分子の電離 エネルギーよりも大きいと さらにガス分子を電離させ イオン対ができる これを二次電離という 二次電離で生成された電子も高電場により加速されることで ガス分子は電離を起こし これ以 降 同様にイオン対の生成が三次 四次と連鎖的に続いていく このように雪崩的に電子を 増幅させてい くことをアバランシェ増幅またはガス増幅と呼ぶ このとき イオンが増幅に寄与することはない イオンは自身の 移動度が小さいため 次の衝突ま でにガス分子を電離させるエネルギーを得ることができ ないからである また ガス増幅が起こる電場の強さには閾値がある 一次電離によってできた電子は 電場の強さ に比例したエネルギーを持つことになるので その後二次電離を起こすために電子は電離エネルギー よりも高いエネルギーを持つ必要があるので ガス増幅を起こすための条件として 十分な強さの電 場が必要である その閾値の大きさは 1気圧の通常ガスの場合およそ 10kV/cm である ガス増幅において 単位長さあたりに電子が増幅する割合は式 (2.1) で表される dn =αdx N (2.1) ここで α はガスに対する第1タウンセンド係数 (first Townsend coefficient) と呼ばれており 電場 の強さに依存する量である この値は閾値以下の電場に対してはゼロであり 電場を大きくするとと もに増加していく もし 電場が一定であれば第1タウンセンド係数も一定である この条件の下で式 (2.1) を積分すると N (x )=N 0 e αx (2.2) が得られる ここで N 0 は一次電子の数であり N (x ) は 距離 x の間に動いた一次電子によってで きた二 次電子(場合によっては三次電子や四次電子など)の数を表している したがって式 (2.2) からガス増幅 を起こす閾値以上の電場の強さで さらにその値が一定である場所という条件の下で 電子の移動距 離 x に対して電子の数 N (x ) が指数関数的に増加することがわかる 図 2.5は GEMによって形成される電気力線の様子を表したものである GEMの孔の内部は高電場 10

12 2章 GEM(Gas Electron Multiplier) が形成されていることが分かる ここで閾値を超える電場が形成されるのでガ ス増幅が起こる また GEMの電極間の電位差を大きくしていくと 形成される電場が強くなるので増幅率は上がる 図2.5 GEMによって形成される電気力線の様子 ガス検出器では一般的に以下の図 2.6のような電場の変化によるイオン収集数の関係がみられる 図2.6のIの領域はイオン再結合領域と呼ばれ 電場が低い領域である ここでは荷電粒子によって できたイオンと電 子は電極方向に動き始めるが 電場が低すぎるため他ガス分子と衝突 再結合 拡 散をするためほとんど電極に集まることができない 図2.6のIIの領域は電離領域と呼ばれる 電離領域では 電極に1次電離で生成した電子とイオンがほ ぼすべて集められているが 増幅は起こっていない 図2.6中のIIIの領域は 電場が小さい方が比例計数領域 電場が大きい方が限定比例領域と呼ばれる それぞれの領域では電離によって生じた電子が高電場領域で増幅を起こす 比例計数領域で は 1 次電離による電子イオン対の数と増幅後の電子イオン対の数が比例する 限定比例領域では増幅率は 大きくなるが 増幅過程で生じる紫外線による中性ガス分子の電離の効果が無視できなくなるため 比例関係は崩れてくる 図2.6中のIVの範囲の さらに電場が大きい領域は ガイガーミュラー動作領域と呼ばれる この領 域では増幅過程で生じる紫外線がチェンバー全体に広がり ほぼ一定の信号を出すようになる ガイ ガーミュラー計数管を動作させるのはこの領域である ガイガーミュラー動作領域よりも電場を大きくすると連続放電領域となり 放電が止まらなくなっ てしまう 11

13 2章 GEM(Gas Electron Multiplier) 図 2.6 印加電圧に対するイオン収集数の変化 下の曲線はβ線が入射した場合 上の曲線はα線が入射した場合のイオン収集数を表す 2.4 光子と物質との相互作用 GEM は 入射放射性粒子とガスが相互作用を起こし 生じた電子を増幅することによって信号を得 る検出器である ここでは 入射放射性粒子と物質との相互作用について述べる 光(γ 線 X 線)と物質との相互作用は主に光電効果 コンプトン散乱 電子対創生の 3 つである これらの過程は光子のエネルギーを一部またはすべて電子のエネルギーに変換するものである 光子 のエネルギーによりそれぞれの効果の寄与が異なる また γ 線 X 線の透過量は指数関数的に減少 し 厚さ d cm の吸収物質に I 0 個の γ 線もしくは X 線が入射したとすると 透過した量は次式 (2.3)であらわされる I =I 0 e μd (2.3) ここでμは線吸収係数と呼ばれ 光電効果 コンプトン散乱 電子対創生 それぞれの吸収係数 μ 1 μ 2 μ 3 の和になっている 12

14 2章 GEM(Gas Electron Multiplier) μ= μ1+ μ2+ μ 3 (2.4) γ線 X 線の吸収物質内での平均飛程はその透過量が1/e に減少する距離と定義できる この距離は (2.3)式から 1/μとなる 図 2.7 は鉛の場合の線吸収係数を示したものである 図 2.7 鉛に対するγ線の線吸収係数 それぞれの効果が表れるエネルギー領域が限られてくる 光電効果 図 2.8 に光電効果の模式図を示す 光電効果では原子内部に束縛されている電子と相互作用を起こ し 光子がエネルギーをすべて電子に与える現象である 原子から放出される光電子はその束縛エネ ルギーと光子のエネルギーの差だけ運動エネルギーを得ることになる 光子は原子の中でもっとも強 く束縛されている電子すなわち K 殻電子を光電子として放出する可能性が大きい また 光電効果は 光子のエネルギーが束縛エネルギーより少し上でもっとも起こりやすく 光子のエネルギーが増すと 13

15 2章 GEM(Gas Electron Multiplier) 急激に減少する 電子の飛び出した原子は励起状態にあるので 基底状態に戻る際に特性 X 線を放出 する この X 線は原子の外に飛び出すこともある また 特性 X 線の代わりにオージェ電子を放出し て原子の励起エネルギーが失われることもある 光電効果は比較的低エネルギー光子の相互作用の過 程で重要なものである 鉛では 500keV 以下 アルミニウムでは 50keV 以下で大きい効果を示す こ の過程は原子番号 Z が大きな吸収物質で顕著になる 近似的な式として ガンマ線のエネルギー hν 0 を用いると(2.5)式のようにかける 7 (2.5) μ 1 NZ 5 (hν 0) 2 ここで N は単位体積当たりに含まれる原子の数である 図 2.8 光電効果 光子が電子にエネルギーをすべて与え 光電子として電子は原子外に飛び出す コンプトン散乱 図 2.9 にコンプトン散乱の模式図を示す コンプトン散乱はひとつの入射光子と吸収物質中の電子 との間で起こる相互作用である 入射光子の一部のエネルギーを電子に与え 光子は入射方向から で散乱される エネルギー保存則と運動量保存則を適用すると入射した光子のエネルギー hν 0 とし て 散乱された光子のエネルギー hν が求められる hν= hν 0 1+(1+cosθ ) 14 hν0 mc 2 (2.6)

16 2章 GEM(Gas Electron Multiplier) ここで mc 2 は電子の静止質量(0.511MeV)である また反跳電子のエネルギー E は以下のように 表すことができる hν 0 E=hν 0 hν= 1+ mc 2 nν 0 (1 cosθ ) (2.7) コンプトン散乱が重要なエネルギー領域は鉛では 0.6 5MeV アルミニウムでは MeV で ある 近似式としては原子番号 Z 単位体積当たりに含まれる原子の数 N を用いて (2.8)式のように かける μ 2 2hμ 0 1 NZ (log + ) 2 hν 0 2 mc 図 2.9 コンプトン散乱 光子はエネルギーの一部を電子に与え 光電子とエネルギーの低い光子が出ていく 15 (2.8)

17 2章 GEM(Gas Electron Multiplier) 電子対創生 図 2.10 に電子対創生の模式図を示す 電子対創生は γ 線が原子核近傍で消滅して 陽電子と電子 の対が創生される過程である この過程では γ 線のエネルギーが電子対の静止質量よりも大きくなけ 2 ればならない つまり hν 0 2mc =1.02MeV が必要条件である そのため 高エネルギーの γ 線 に限られる また γ 線のエネルギーが 1.02MeV より大きい場合には 1.02MeV を超えた分のエネ ルギーが電子対の運動エネルギーとなる 鉛では 5MeV 以上 アルミニウムでは 15MeV 以上の領域で重要な役割を演じている この近似式 は(2.9)式のようにかける μ 3 NZ (hν 0 2mc ) NZ log hν 0 hμ 0 2mc 2 ( 1MeV), hν 0 2mc2 (2.9) ここで原子番号を Z 単位体積あたりに含まれる原子の数を N とおいた 図 2.10 電子対創生 原子核の近傍で電子と陽電子が作られる 光子のエネルギーが電子 陽電子の質量よりも大きなエネ ルギーを持っていないと許されない 16

18 3章 GEM の基本性能 3章 GEM の基本性能 この章では GEM の実験装置や読み出し原理などの説明と 基本性能の実験結果を示す 3.1 測定装置 本研究で用いた測定装置の概略図を以下の図 3.1 に示す 図 3.1 測定装置の概略図 チェンバー内は 図 3.1 のように 上から カソード GEM(絶縁体の厚さが 100μ mのもの) Thick-GEM(絶縁体の厚さが 400μ mのもの) 読み出しパッドの順でセットする チェンバー上部の カソードから GEM までの領域を Drift 領域 GEM の下面から Thick-GEM の上面までの領域を Transfer 領域 Thick-GEM の下面から読み出しパッドまでの領域を Induction 領域と呼ぶ Drift 領域で荷電粒子によって電離された電子は 電気力線に沿ってドリフトし GEM の孔に到達す る 電子は GEM の孔の内部でガス増幅を起こし 増幅された電子群は Induction 領域を通って 読み 出しパッドから電気信号として読み出される 測定に用いたチェンバーは(図 3.2)厚さ 5.0 mm のアルミ板で囲まれており 容積は 21 cm 19 cm 4 cm である チェンバー上部の 10 cm 10 cm の薄いアルミ製の入射窓より放射線を入射す る 線源は 55 Fe を使用した 17

19 3章 GEM の基本性能 チェンバー内には P10 ガスを充満させた状態で実験を行った P10 ガスとは Ar と CH4 の体積比 率が 90 %と 10 %の混合ガスのことで ワイヤーチェンバーに主に利用されているガスである また 今回用いたチェンバーの底は二重になっており アンプを内蔵することによってノイズを最 小限に抑えることができる 図 3.2 チェンバー 3.2 セットアップ 以下の図 3.3 は 本実験のセットアップ図である このセットアップに従い GEM の裏側からの信号を Inverter で反転させ Discriminator によりデジ タル信号に変換した後 Gate Generator により Gate 信号へと変換して出力する Discriminator で 閾値を設定しておけば 閾値を超えるような 信号が来たときだけゲートが開くようになる このよう にして GEM の裏の信号をゲートトリガーとして使用する ADC については次節 3.5 で説明する なお セットアップの構成上 Gate 信号が読み出しパッドからの信号よりも遅れてしまうので 読み出し パッドからの信号に Delay をかけて遅らせることにより ゲートが開いている間に信号が来るように する Thick-GEM の 下面電極 図 3.3 セットアップ図 18

20 3章 GEM の基本性能 3.3 読み出し原理 GEM で増幅された電子は Induction 領域から読み出しパッドへ到達するが パッドに落ちた電子 が直接検出されているわけではない ここでは信号の読み出し原理について説明する まず GEM で増幅された電子群が読み出しパッドへ移動する際 パッドには正の電荷が 誘起される 電流は電子の移動と逆方向に流れるので この場合アンプ側からパッドに向 かって電流が流れること になる よって読み出される信号は負となる また パッドに正の電荷が誘起されることにより ア ンプ側に負の電荷が誘起されるので結果として負の信号が検出されるとも解釈できる したがって 実際に読み出される信号がパッドに落ちた電子を読み出しているわけではなく 実際はパッドに 誘起 された電荷を利用して アンプ側の誘起電荷を読み出しているということである 3.4 GEM からの信号 以下の図 3.4 は 実際に GEM からの信号の様子をオシロスコープを用いて確認したときの様子であ る 2 つの信号を読み出しており ひとつは読み出しパッドからの信号で 前節 3.3 で説明したように 負の信号を見ることができる もうひとつの信号は GEM の裏側からの正の信号である 電子群はパッ ドに向かって移動しているので GEM の裏側の電極 には負の電荷が誘起される したがって アンプ 側には正の電荷が誘起されているので GEM の裏側からの信号は正の信号として確認することができ る この信号を今後 はトリガーとして使用する GEM の裏側 からの信号 200mV 読み出しパッド からの信号 200nS 図 3.4 GEM からの信号 19

21 3章 GEM の基本性能 3.5 増幅率の測定 増幅率の測定には ADC(Analog to Digital Converter)を用いて 積分電荷量分布のヒストグラムから 決定する ADC で Gate 信号とパッドからの信号を入力し Gate 信号と同時に入力されたときに積分 を行う 図 3.5 に ADC の概略図を示す 図中の色のついた部分の電荷量が結果として出力される 図 3.5 ADC の概略図 また 図中の pedestal と呼ばれる部分だけ分布は大きい値となるので 信号の電荷量を決定する場 合には 元の値から pedestal を引く必要がある pedestal の値を求めるためには Gate 信号をランダ ムにすれば良い 実際の測定での信号は 図 3.6 のように見られる 約 300mV 300ns 図 3.6 パッドからの信号と Gate 信号 20

22 3章 GEM の基本性能 得られた積分電荷量分布のヒストグラムを ADC 分布と呼び これによって増幅率を算出する 図 3.7 は実際の ADC 分布である このグラフには 2 つのピークを確認することができる 右側の大きいピークは光電吸収ピークと呼 ばれるもので 光電 効果とオージェ効果による 左の小さいピークは エスケープピークと呼ばれ オー ジェ効果が起こらず特性 X 線が外へ逃げていったものである 今回の測定で使用したのは右側の 光電吸収ピークである このピークをガウス関数でフィッティングし その頂点の値 (mean 値と呼ぶ) を増幅率の測定に使用する 図 3.7 ADC 分布 増幅率を求めるには ガス増幅前と増幅後の電荷量がそれぞれわかればよい (増幅前の電荷量) (アンプの増幅率) (増幅率 G) = (増幅後の電荷量) (3.1) まず 増幅前の電荷量を計算する Ar の W 値 1 つの分子を電離させるのに必要なエネルギーの 値 は 26eV である オージェ効果に よって 55 Fe による X 線のエネルギー 5.9keV が全て電離に使 われる場合 生成される電 子 イオン対の総数(プライマリーイオン数)は 21

23 3章 GEM の基本性能 である よって 55 2 [個] (3.2) Fe によって生成される総電荷は [pc] (3.3) となる これが増幅前の電荷量である 測定で求める増幅後の電荷量は アンプによって増幅されているので 増幅前の 電荷量もアンプに よって増幅された値を使わなければならない 求める増幅率は式 (3.1) より G= ADC(mean 値 pedestal 値) (1ADC カウント当たりの電荷量) e (プライマリーイオン数) (アンプの増幅率) (3.4) となる 1ADC カウント当りの電荷量は 0.25pC である また アンプの増幅率は測定した結果 倍 であったので その数値を用いる 3.6 各領域での依存性の測定 以下は GEM 間 Thick-GEM 間 Drift 領域 Transfer 領域 Induction 領域の 5 つ領域において 増幅率の 電位差依存性を実験した結果である 実験前に チェンバー内に 100cc/min のガスを約 30 分ほど充満させた後 電圧を印加して 5 時間 程度経過させ 測定器が安定してから イベントのデータを取った ΔV GEM ΔV T GEM に対する依存性 (a) ΔV GEM 電圧を E Drift を 0.055kV/mm ΔV T GEM を 1100V ETransfer を 0.15kV/mm E Induction を 0.027kV/mm となるように印加し これらは固定し ΔV GEM のみを 5V ずつ変化させ 測定した 図 3.8 は ΔV GEM の依存性グラフで 横軸は GEM の上下にかける電位差 縦軸は増幅率 を示す 電位差に対する依存性を確認することができた 22

24 3章 GEM の基本性能 ΔV GEM の依存性 1.6E E E+04 Gain 1.0E E E E E E ΔV GEM[V] 図 3.8 ΔV GEM の依存性グラフ (b) ΔV T GEM (a)と同様の方法で E Drift を 0.055kV/mm ΔV GEM を 420V ETransfer を 0.15kV/mm E Induction を 0.027kV/mm として固定し ΔV T GEM のみを 5V ずつ変化させた 図 3.9 は ΔV T GEM の依存性グラフで 横軸は Thick-GEM の上下にかける電位差 縦軸は増幅率である ΔV GEM と同様に依存性を確認することができた ΔV T-GEM の依存性 1.4E E E+04 Gain 8.0E E E E E ΔV T-GEM[V] 図 3.9 ΔV T GEM の依存性グラフ 1105

25 3章 GEM の基本性能 E Drift に対する依存性 図 3.10 は E Drift の依存性グラフである 初めに ΔV GEM を 420V ΔV T GEM を 1100V ETransfer を 0.15kV/mm E Induction を 0.027kV/mm として固定し E Drift を 5V ずつ変化させ た 図 3.10 は E Drift の依存性グラフで 横軸は Drift 領域の電場の強さ 縦軸は増幅率を示す 電 場を強くすると増幅率も上昇していくが 電場が 0.055kV/mm のところで増幅率は低下し 放電が起 こってしまった E Drift の依存性 1.6E E E+04 Gain 1.0E E E E E E E Drift [kv/mm] 図 3.10 E Drift の依存性グラフ ETransfer に対する依存性 初めに E Drift を 0.15kV/mm ΔV GEM を 425V ΔV T GEM を 0.14V E Induction を 0.27kV/mm と固定し ETransfer のみを 5V ずつ変化させていった 図 3.11 は E Transfer の依存性グ ラフで 横軸は Transfer 領域の電場の強さ 縦軸は増幅率を示す 電場の強さが 0.2kV/mm を越えた あたりから 増幅率は安定し大きな増減はしなくなる 24

26 3章 GEM の基本性能 E Transfer の依存性 1.6E E E+04 Gain 1.0E E E E E E E Transfer[kV/mm] 図 3.11 ETransfer の依存性グラフ E Induction に対する依存性 初めに E Drift を 0.15kV/mm ΔV GEM を 425V ΔV T GEM を 0.14V ETransfer を 0.18kV/mm と固定し E Induction を 5V ずつ変化させていった 図 3.12 は E Induction の依存性グラ フで 横軸は Induction 領域の電場の強さ 縦軸は増幅率を示す 他の領域での実験よりも 増幅率が 急激に増加していく様子が分かる E Induction の依存性 3.5E E E+04 Gain 2.0E E E E E E Induction[kV/mm] 図 3.12 E Induction の依存性グラフ

27 4章 GEM の温度 ガス流量依存 4 章 GEM の温度 ガス流量依存 この章では 色々な条件下での時間依存の実験について説明する 4.1 実験の説明 3章の実験で電圧の決定を行ったあとは GEM の時間依存について詳しく調べた GEM は 電圧を 印加してから約 200 分 300 分ほど経過すると増幅率がほぼ安定することは知られていたが 安定後 の値や 安定までの時間 増幅率の増減する様子などが測定ごとに異なっていた そのため 印加電 圧以外の条件を変化または一定にすることで 増幅率にどう影響を与えているのかを実験した 本研究では 温度依存性と ガス流量依存性についての実験を行った 4.2 温度依存性の測定 温度依存性の測定では 温度と増幅率の関係性について調べた 温度計をチェンバーの入射窓の上 に置き 温度 気圧 湿度を測定しながら実験を行った 温度センサーとチェンバーは直接触れてい ないので チェンバーから約5 mm 上部の温度などを測っていることになる 気圧 湿度については 増幅率との関連性が見られなかったので ここでは温度についての実験結果を示す 温度変化を伴う場合の増幅率の測定 温度変化を伴う実験では エアコンや測定の時間帯などを調整して温度変化を与え 温度と増幅率 の関係を調べた 測定開始前にガスを 100cc/min で 90 分流してから電圧を印加し 30 分毎に測定し た 以下が実験結果で 横軸は測定開始からの時間 縦軸は青が増幅率 赤が温度を示す 図 4.1 図 4.3 に実験結果を示す 7.0E E E E E E Gain 温度 3.5E E 時間 [min] 図 4.1 温度変化を伴う場合の増幅率 1 温度 [ ] Gain 5.5E+03

28 GEM の温度 ガス流量依存 _ 8.00E E E Gain E E+03 温度 [ ] 6.50E E+03 Gain 温度 4.50E E 時間 [min] 図 4.2 温度変化を伴う場合の増幅率 2 1.0E E E E E E E+03 Gain 温度 6.0E E E 時間 [min] 図 4.3 温度変化を伴う場合の増幅率 3 温度 [ ] 8.0E+03 Gain 4章

29 4章 GEM の温度 ガス流量依存 実験結果を見ると どの実験でも温度変化とともに増幅率が変化していくことが分かる 温度一定の場合での増幅率の測定 GEM のチェンバーを恒温槽に入れて チェンバー内にガスを送るチューブの長さを長くし 約10 m にした(図 4.4) チューブの長さを長くしたのは ガスが冷えていることも考えられるので 10m の チューブを恒温槽内に入れておくことで チェンバー内に送られるガスの温度も一定に保つためであ る 図 4.4 恒温槽に入れたチェンバー 恒温槽で温度を設定し 温度一定の場合での温度と増幅率の関係を調べた 測定前にガスを 100cc/min で 90 分間流したあと電圧を印加し 30 分毎に 500 分間測定を行った 実 験結果のグラフ 図 4.5 は 横軸が測定開始からの時間 縦軸は増幅率を示す 28

30 4章 GEM の温度 ガス流量依存 1.2E E+04 Gain 8.0E E E E E 時間 [min] 図 4.5 温度一定の場合での増幅率 図 4.5 の実験結果を見ると 温度が高いほど高い増幅率を得られることが分かる 増幅率は 20 では約 では約 では約 で安定している また 安定までの時間にも温度によって違いが見られる 20 では約 250 分後 25 では約 200 分後 30 では約 100 分後で増幅率が安定していることから 温度が高いほど 安定までの時間が短 いという結果が得られた 4.3 ガス流量依存性の測定 次に 測定前にチェンバー内に流すガスの流量を変えて実験を行った ガスは100cc/min で これ を電圧を印加する測定前に何分流すかを変化させた チェンバーの体積を考えると19(cm) 21(cm) 4(cm) = 1596( cm 3 ) であるので ガスを約15 分流すと 100(cc/min) 15(min) = 1500( cc ) となりチェンバー内の P-10ガスを1回置換すると仮 定した 29

31 4章 GEM の温度 ガス流量依存 以下の図4.6が実験結果で 横軸が測定開始からの時間で 縦軸が増幅率である この実験では温度 は25 で保った状態で行い 測定は30分毎に600分行った 回数というのは 測定前にガスがチェン バー内を置換されたとする回数である 青が1回 15分 緑が2回 30分 赤が6回 90分 紫 が10回 150分 を示す 7.0E E E+03 Gain 4.0E E+03 1回 2回 6回 10 回 2.0E E E 時間 [ 分 ] 図4.6 ガス流量依存性のグラフ 図4.6の結果のグラフを見ると まず ガスがチェンバーを置換した回数が6回 10回のときは測定 開始から終了時までほぼ同じ値をとっている また 置換した回数が1回のとき 最初の一点 測定開 始直後 ではピークが小さすぎてガウスフィットできなかったため増幅率の算出ができなかったが かなり低い増幅率であることは確かである この結果から分かることは 測定開始前のガスの流量が少ないと 安定するまでの増幅率が小さい ことである しかし 安定までの時間 約250分後 や 安定後の増幅率の値はほとんど変わらないの で ガスの量による影響はないと考えられる 30

32 5章 考察 5 章 考察 この章では各実験の考察を述べる 5.1 基本性能の測定の考察 それぞれの領域で 電場の強さに対する増幅率の依存性を確認できた Drift 領域の電場を強くしていくと 増幅率が低下し放電が起こってしまうようになる これは 電 極表面に入る電気力線が増えていくと それに沿って電子が電極に移動し吸収され 増幅に使われな くなるためであると考えられる Induction 領域の依存性の実験では 増幅率の上昇が他の領域よりも急激であった 電場を大きくす ると 増幅された電子が読み出しパッドにいく数も増えていき 増幅率は上がる さらに電場を大き くすると チェンバー全体に増幅された電子が行き渡り Indction 領域での増幅が盛んに行われ 増 幅率が急激に上昇していったものと考えられる 5.2 温度 ガス流量依存性の測定の考察 まずは温度依存性について考察する 4.1 節での温度依存の測定では 増幅率が温度に依存し 高い 温度であるほど高い増幅率が得られることがわかった チェンバー内ではガス増幅が行われており 電界によって加速された電子がガス分子と衝突してガス分子を電離させ 電子が雪崩的に増えていく 2.3 節参照 温度が高い場合 電子の加速やガス分子の動きが熱によって活発になって よりガス 増幅が起こるため 増幅率が高くなったと考えられる 温度係数について考える 図 4.1 の温度変化を伴う場合の増幅率 1 について 横軸を温度 縦軸 を増幅率として 温度係数を算出したものが以下である 図

33 5章 考察 7.0E E E+03 Gain 4.0E E E+03 f(x) = x E E 温度 [ ] 図5.1 温度と増幅率 図5.1を見ると温度による依存関係が見られ 温度1 あたり傾きである約346だけ 増幅率が増加 するものと考えられる また この値をもとに 図4.1を温度補正したものが以下の図5.2である 9.0E E E E+03 Gain 5.0E E E E E E 時間 [ 分後 ] 図5.2 温度補正後のグラフ

34 5章 考察 温度補正後のグラフは 安定までに250分ほどかかっている これはGEMの時間依存性で 測定器 が安定するまでに必要な時間であると考えられる 4.2.1の温度変化を伴う実験で 同じように温度係 数を算出したが 実験によりばらつきが見られた 4.2.2の温度一定の場合での実験でも温度係数を算出してみる 20 と30 のときの安定後の値 そ れぞれ約 を考え また安定後も ± 200程度の増減が見られるのを考慮したとき 温 度係数は (1000 ± ± 200)/10=(4.0 ± 0.3) 10 2 /k 5.1 程度であることが分かる 温度変化を伴う場合の実験では 温度が変化してから増幅率に影響が出る までの時間などを考慮し また 測定器の安定後のみの値を用いるべきなので より正確な温度係数 の算出には 式 5.1 のように温度一定の実験のものを考えた方が良いと思われる 温度依存について 増幅率の時間変化を考察する 温度一定での増幅率の実験では 温度によって 安定までの時間が異なるという結果が得られた 図5.3は 図4.5 の温度一定の増幅率のグラフから 微分係数を算出しその時間変化を見たものである 時間変化 時間 [min] 図5.3 微分係数での時間変化 このグラフを見ても 30 のときに増幅率が100分ほどで急激に上昇することや 逆に20 では時 間によって大きな変化をしないことが分かる 33

35 5章 考察 次に ガス流量依存性について考察する 4.3節の実験で 電圧印加前のガスの量を変化させて増幅 率の測定を行った結果 ガスの量が少ない場合 安定までの増幅率が低いことが分かった これは チェンバー内のガスの圧力や 電荷の溜まり具合が関係していると予想されるが 具体的なことはわ からない ガスの置換回数が6回と10回のときでほぼ同じ数値を示したのは これは測定前のガスが 少ないときのみ影響がでるのであって ある程度の量を流してからの実験の場合 チェンバー内のガ スの成分は安定するためであると思われる 図4.6のガス流量依存性のグラフから 微分係数を算出し時間変化を見たものが以下の図4.5である 50 Gain の時間変化 回 2回 6回 10 回 時間 [min] 図4.5 微分係数での時間変化2 ガスの置換回数が1回 2回など少ないとき 安定する約250分後までの増幅率の上昇は大きいが 安定後は回数によって大きな変化は見られない 34

36 6章 まとめと課題 6章 まとめと課題 基本性能の測定では GEMの性能を確認し 電圧の決定をすることができた この実験によって 以降の実験での印加電圧を決定し GEM の上下にかける電位差 ΔV GEM 425V Thick-GEM の上下にかける電位差 ΔV T GEM 1050V Drift 領域の電場の強さ E Drift 0.146kV/mm Trnsfer 領域の電場の強さ E Transfer 0.18kV/mm Induction 領域の電場の強さ E Induction 0.27kV/mm とした 温度と増幅率の実験では 増幅率が温度に依存し 温度が高いほど高い増幅率が得られることが分 2 かった ばらつきはあるが 温度係数は (4.0 ± 0.3) 10 /k 程度であると考えられる また 温度が高いほど 安定するまでの時間が短いことが分かった しかしこれに関しては原因が わからないため 影響を与える要因を明らかにする必要がある ガス流量依存の実験では 測定前にチェンバー内に流すガスの流量が少ないと 最初の増幅率も小 さくなるということが分かった しかし この流量の変化によって 安定後の増幅率の値や安定まで の時間は変わらないので 測定前にガスを流す時間は チェンバーの体積に対して最小限の量で良い ことが分かった この原因を調べるには チェンバー内のガスの成分や GEMでの電荷の溜まり具合を調べる実験を 行う必要がある 特に 実験を始める時点で チェンバー内には前回の実験のガスが残っているはず なので その点を考慮し条件をより統一にする工夫をしなければならない 本研究ではGEMの時間依存について 変化を与える要因について実験を行ったが どのような条件 でも 安定までに少なくとも100分程度の時間は必要だと考えられる この要因は何なのか より短く するためにはどうしたら良いのか 明らかにする必要がある また 本研究で用いたGEM測定器は チェンバーの蓋をネジやセロテープで留めていたが ガス漏 れを起こす恐れがあるため 確実に密封し より簡単に開閉できる構造を考えるべきである 35

37 参考文献 参考文献 黒石将弘 大孔GEMの制作と動作確認 若林 潤 TGEM の作成と基本測定 信州大学 信州大学 野中淳平 Thick-GEM の基礎特性の測定と シミュレーションによる性能評価 信州大学 2010 藤原拓也 Thick-GEMの硬X線画像検出器への応用に向けての研究 信州大学 2011 [1] F.Sauli GEM: A new concept for electron amplification in gas detectors Nucl. Instr. and Meth. A 386 (1997) [2] Glenn F.Knoll 放射線計測ハンドブック 日刊工業新聞社 2001 [3] 小野健一 ピクセル読み出し型¹-PIC を用いたX 線変更検出器の開発 京都大学 修士学位論文 (2006) [4] 岡村淳一 SLHCに向けた高頻度粒子線検出器MicroMEGASの試作 神戸大学 2008 [5] ILC Project 36

38 謝辞 本研究を進めるにあたり ご指導いただきました指導教員の竹下徹教授に深く感謝いたします 熱 心なご指導本当にありがとうございました また GEMについてたくさんのことを教えていただいた長谷川庸司准教授に感謝いたします 実験 がうまくいかなかったときなどの助言は大変助かりました ありがとうございました 報告会などでお世話になった研究員の小寺克茂氏にも深く感謝いたします 丁寧なご指導ありがと うございました また 物理科やサークルの仲間 家族みんなにも支えられ 楽しい4年間を送ることができました 深く感謝いたします ありがとうございました 2013年 3月 南山仁美 37

Thick-GEM 06S2026A 22 3

Thick-GEM 06S2026A 22 3 Thick-GEM 06S2026A 22 3 (MWPC-Multi Wire Proportional Chamber) MPGD(Micro Pattern Gas Detector) MPGD MPGD MPGD MPGD GEM(Gas Electron Multiplier) GEM GEM GEM Thick-GEM GEM Thick-GEM 10 4 Thick-GEM 1 Introduction

More information

Ws shojia 2016x mini

Ws shojia 2016x mini 16 -Feb 2017 ILC 飛跡測定器における GEM 型ゲート装置の特性評価 Characteristic evaluation of Gating GEM in ILC track measuring instrument 平成 28 年度修士論文審査会 Master's thesis presentation 岩手大学大学院工学研究科電気電子 情報システム工学専攻 博士前期課程 2 年

More information

気体を用いた荷電粒子検出器

気体を用いた荷電粒子検出器 2009/12/7 物理学コロキウム第 2 気体を用いた荷電粒子検出器 内容 : 1. 研究の目的 2. 気体を用いた荷電粒子検出器 3. 霧箱での α 線の観察 4. 今後の予定 5. まとめ 柴田 陣内研究室 寄林侑正 2009/12/7 1 1. 研究の目的 気体の電離作用を利用した荷電粒子検出器の原理を学ぶ 実際に霧箱とスパークチェンバーを作成する 放射線を観察し 荷電粒子と気体粒子の相互作用について学ぶ

More information

diode_revise

diode_revise 2.3 pn 接合の整流作用 c 大豆生田利章 2015 1 2.3 pn 接合の整流作用 2.2 節では外部から電圧を加えないときの pn 接合について述べた. ここでは, 外部か らバイアス電圧を加えるとどのようにして電流が流れるかを電子の移動を中心に説明す る. 2.2 節では熱エネルギーの存在を考慮していなかったが, 実際には半導体のキャリアは 周囲から熱エネルギーを受け取る その結果 半導体のキャリヤのエネルギーは一定でな

More information

大面積Micro Pixel Chamberの開発 9

大面積Micro Pixel Chamberの開発 9 Introduction µ-pic と電場構造 ガス増幅 Simulation 信号波形の再現 まとめと今後 京都大学宇宙線研究室髙田淳史 2 次元ガスイメージング検出器プリント基板技術で製作ピクセル間隔 :4 μm 個々のピクセルでガス増幅大面積 : cm 2 and 3 3 cm 2 大きな増幅率 :max ~15 高い位置分解能 :RMS ~12 μm 均一な応答 :RMS ~5% ( cm

More information

1 演習 :3. 気体の絶縁破壊 (16.11.17) ( レポート課題 3 の解答例 ) ( 問題 3-4) タウンゼントは平行平板電極間に直流電圧を印加し, 陰極に紫外線を照射して電流 I とギ ャップ長 d の関係を調べ, 直線領域 I と直線から外れる領域 II( 図 ) を見出し, 破壊前前駆電流を理論的 に導出した 以下の問いに答えよ (1) 領域 I における電流 I が I I expd

More information

Microsoft Word - プレス原稿_0528【最終版】

Microsoft Word - プレス原稿_0528【最終版】 報道関係各位 2014 年 5 月 28 日 二酸化チタン表面における陽電子消滅誘起イオン脱離の観測に成功 ~ 陽電子を用いた固体最表面の改質に道 ~ 東京理科大学研究戦略 産学連携センター立教大学リサーチ イニシアティブセンター 本研究成果のポイント 二酸化チタン表面での陽電子の対消滅に伴って脱離する酸素正イオンの観測に成功 陽電子を用いた固体最表面の改質に道を拓いた 本研究は 東京理科大学理学部第二部物理学科長嶋泰之教授

More information

2 図微小要素の流体の流入出 方向の断面の流体の流入出の収支断面 Ⅰ から微小要素に流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅰ は 以下のように定式化できる Q 断面 Ⅰ 流量 密度 流速 断面 Ⅰ の面積 微小要素の断面 Ⅰ から だけ移動した断面 Ⅱ を流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅱ は以下のように

2 図微小要素の流体の流入出 方向の断面の流体の流入出の収支断面 Ⅰ から微小要素に流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅰ は 以下のように定式化できる Q 断面 Ⅰ 流量 密度 流速 断面 Ⅰ の面積 微小要素の断面 Ⅰ から だけ移動した断面 Ⅱ を流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅱ は以下のように 3 章 Web に Link 解説 連続式 微分表示 の誘導.64 *4. 連続式連続式は ある領域の内部にある流体の質量の収支が その表面からの流入出の合計と等しくなることを定式化したものであり 流体における質量保存則を示したものである 2. 連続式 微分表示 の誘導図のような微小要素 コントロールボリューム の領域内の流体の増減と外部からの流体の流入出を考えることで定式化できる 微小要素 流入

More information

フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 と

フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 と フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 となるように半固定抵抗器を調整する ( ゼロ点調整のため ) 図 1 非反転増幅器 2010 年度版物理工学実験法

More information

Techniques for Nuclear and Particle Physics Experiments Energy Loss by Radiation : Bremsstrahlung 制動放射によるエネルギー損失は σ r 2 e = (e 2 mc 2 ) 2 で表される為

Techniques for Nuclear and Particle Physics Experiments Energy Loss by Radiation : Bremsstrahlung 制動放射によるエネルギー損失は σ r 2 e = (e 2 mc 2 ) 2 で表される為 Techniques for Nuclear and Particle Physics Experiments.. Energy Loss by Radiation : Bremsstrahlung 制動放射によるエネルギー損失は σ r e = (e mc ) で表される為 質量に大きく依存する Ex) 電子の次に質量の小さいミューオンの制動放射によるエネルギー損失 m e 0.5 MeV, m

More information

物性物理学 I( 平山 ) 補足資料 No.6 ( 量子ポイントコンタクト ) 右図のように 2つ物質が非常に小さな接点を介して接触している状況を考えましょう 物質中の電子の平均自由行程に比べて 接点のサイズが非常に小さな場合 この接点を量子ポイントコンタクトと呼ぶことがあります この系で左右の2つ

物性物理学 I( 平山 ) 補足資料 No.6 ( 量子ポイントコンタクト ) 右図のように 2つ物質が非常に小さな接点を介して接触している状況を考えましょう 物質中の電子の平均自由行程に比べて 接点のサイズが非常に小さな場合 この接点を量子ポイントコンタクトと呼ぶことがあります この系で左右の2つ 物性物理学 I( 平山 ) 補足資料 No.6 ( 量子ポイントコンタクト ) 右図のように つ物質が非常に小さな接点を介して接触している状況を考えましょう 物質中の電子の平均自由行程に比べて 接点のサイズが非常に小さな場合 この接点を量子ポイントコンタクトと呼ぶことがあります この系で左右のつの物質の間に電位差を設けて左から右に向かって電流を流すことを行った場合に接点を通って流れる電流を求めるためには

More information

Problem P5

Problem P5 問題 P5 メンシュトキン反応 三級アミンとハロゲン化アルキルの間の求核置換反応はメンシュトキン反応として知られている この実験では DABCO(1,4 ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン というアミンと臭化ベンジルの間の反応速度式を調べる N N Ph Br N N Br DABCO Ph DABCO 分子に含まれるもう片方の窒素も さらに他の臭化ベンジルと反応する可能性がある しかし この実験では

More information

目次 2 1. イントロダクション 2. 実験原理 3. データ取得 4. データ解析 5. 結果 考察 まとめ

目次 2 1. イントロダクション 2. 実験原理 3. データ取得 4. データ解析 5. 結果 考察 まとめ オルソポジトロニウムの寿命測定による QED の実験的検証 課題演習 A2 2016 年後期 大田力也鯉渕駿龍澤誠之 羽田野真友喜松尾一輝三野裕哉 目次 2 1. イントロダクション 2. 実験原理 3. データ取得 4. データ解析 5. 結果 考察 まとめ 第 1 章イントロダクション 実験の目的 4 ポジトロニウム ( 後述 ) の崩壊を観測 オルソポジトロニウム ( スピン 1 状態 ) の寿命を測定

More information

木村の理論化学小ネタ 緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 共役酸と共役塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と共役酸 共役塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA + H 3 A にお

木村の理論化学小ネタ   緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 共役酸と共役塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と共役酸 共役塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA + H 3 A にお 緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 酸と塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と酸 塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA H 3 A において, O H O ( HA H A ) HA H O H 3O A の反応に注目すれば, HA が放出した H を H O が受け取るから,HA は酸,H O は塩基である HA H O H 3O A

More information

τ-→K-π-π+ν τ崩壊における CP対称性の破れの探索

τ-→K-π-π+ν τ崩壊における CP対称性の破れの探索 τ - K - π - π + ν τ 崩壊における CP 対称性の破れの探索 奈良女子大学大学院人間文化研究科 物理科学専攻高エネルギー物理学研究室 近藤麻由 1 目次 はじめに - τ 粒子の概要 - τ - K - π - π + ν τ 崩壊における CP 対称性の破れ 実験装置 事象選別 τ - K - π - π + ν τ 崩壊の不変質量分布 CP 非対称度の解析 - モンテカルロシミュレーションによるテスト

More information

実験題吊  「加速度センサーを作ってみよう《

実験題吊  「加速度センサーを作ってみよう《 加速度センサーを作ってみよう 茨城工業高等専門学校専攻科 山越好太 1. 加速度センサー? 最近話題のセンサーに 加速度センサー というものがあります これは文字通り 加速度 を測るセンサーで 主に動きの検出に使われたり 地球から受ける重力加速度を測定することで傾きを測ることなどにも使われています 最近ではゲーム機をはじめ携帯電話などにも搭載されるようになってきています 2. 加速度センサーの仕組み加速度センサーにも様々な種類があります

More information

() 実験 Ⅱ. 太陽の寿命を計算する 秒あたりに太陽が放出している全エネルギー量を計測データをもとに求める 太陽の放出エネルギーの起源は, 水素の原子核 4 個が核融合しヘリウムになるときのエネルギーと仮定し, 質量とエネルギーの等価性から 回の核融合で放出される全放射エネルギーを求める 3.から

() 実験 Ⅱ. 太陽の寿命を計算する 秒あたりに太陽が放出している全エネルギー量を計測データをもとに求める 太陽の放出エネルギーの起源は, 水素の原子核 4 個が核融合しヘリウムになるときのエネルギーと仮定し, 質量とエネルギーの等価性から 回の核融合で放出される全放射エネルギーを求める 3.から 55 要旨 水温上昇から太陽の寿命を算出する 53 町野友哉 636 山口裕也 私たちは, 地球環境に大きな影響を与えている太陽がいつまで今のままであり続けるのかと疑問をもちました そこで私たちは太陽の寿命を求めました 太陽がどのように燃えているのかを調べたら水素原子がヘリウム原子に変化する核融合反応によってエネルギーが発生していることが分かった そこで, この反応が終わるのを寿命と考えて算出した

More information

Microsoft PowerPoint - hiei_MasterThesis

Microsoft PowerPoint - hiei_MasterThesis LHC 加速器での鉛鉛衝突における中性 πおよびω 中間子測定の最適化 日栄綾子 M081043 クォーク物理学研究室 目的 概要 目的 LHC 加速器における TeV 領域の鉛鉛衝突実験における中性 π および ω 中間子の測定の実現可能性の検証 および実際の測定へ向けた最適化 何故鉛鉛衝突を利用して 何を知りたいのか中性 πおよびω 中間子測定の魅力 ALICE 実験検出器群 概要予想される統計量およびバックグランドに対するシグナルの有意性を見積もった

More information

Microsoft PowerPoint pptx

Microsoft PowerPoint pptx 4.2 小信号パラメータ 1 電圧利得をどのように求めるか 電圧ー電流変換 入力信号の変化 dv BE I I e 1 v be の振幅から i b を求めるのは難しい? 電流増幅 電流ー電圧変換 di B di C h FE 電流と電圧の関係が指数関数になっているのが問題 (-RC), ただし RL がない場合 dv CE 出力信号の変化 2 pn 接合の非線形性への対処 I B 直流バイアスに対する抵抗

More information

コロイド化学と界面化学

コロイド化学と界面化学 環境表面科学講義 http://res.tagen.tohoku.ac.jp/~liquid/mura/kogi/kaimen/ E-mail: mura@tagen.tohoku.ac.jp 村松淳司 分散と凝集 ( 平衡論的考察! 凝集! van der Waals 力による相互作用! 分散! 静電的反発力 凝集 分散! 粒子表面の電位による反発 分散と凝集 考え方! van der Waals

More information

論文の内容の要旨

論文の内容の要旨 論文の内容の要旨 2 次元陽電子消滅 2 光子角相関の低温そのまま測定による 絶縁性結晶および Si 中の欠陥の研究 武内伴照 絶縁性結晶に陽電子を入射すると 多くの場合 電子との束縛状態であるポジトロニウム (Ps) を生成する Ps は 電子と正孔の束縛状態である励起子の正孔を陽電子で置き換えたものにあたり いわば励起子の 同位体 である Ps は 陽電子消滅 2 光子角相関 (Angular

More information

テレコンバージョンレンズの原理 ( リアコンバーター ) レンズの焦点距離を伸ばす方法として テレコンバージョンレンズ ( テレコンバーター ; 略して テレコン ) を入れる方法があります これには二つのタイプがあって 一つはレンズとカメラ本体の間に入れるタイプ ( リアコンバーター ) もう一つ

テレコンバージョンレンズの原理 ( リアコンバーター ) レンズの焦点距離を伸ばす方法として テレコンバージョンレンズ ( テレコンバーター ; 略して テレコン ) を入れる方法があります これには二つのタイプがあって 一つはレンズとカメラ本体の間に入れるタイプ ( リアコンバーター ) もう一つ テレコンバージョンレンズの原理 ( リアコンバーター ) レンズの焦点距離を伸ばす方法として テレコンバージョンレンズ ( テレコンバーター ; 略して テレコン ) を入れる方法があります これには二つのタイプがあって 一つはレンズとカメラ本体の間に入れるタイプ ( リアコンバーター ) もう一つはレンズの前に取り付けるタイプ ( フロントコンバーター ) です 以前 フロントコンバーターについて書いたことがありました

More information

する距離を一定に保ち温度を変化させた場合のセンサーのカウント ( センサーが計測した距離 ) の変化を調べた ( 図 4) 実験で得られたセンサーの温度変化とカウント変化の一例をグラフ 1 に載せる グラフにおいて赤いデータ点がセンサーのカウント値である 計測距離一定で実験を行ったので理想的にはカウ

する距離を一定に保ち温度を変化させた場合のセンサーのカウント ( センサーが計測した距離 ) の変化を調べた ( 図 4) 実験で得られたセンサーの温度変化とカウント変化の一例をグラフ 1 に載せる グラフにおいて赤いデータ点がセンサーのカウント値である 計測距離一定で実験を行ったので理想的にはカウ 岡山 3.8m 新望遠鏡制御系のための多点温度計開発 京都大学理学研究科宇宙物理学教室 M1 出口和弘 1. 岡山 3.8m 新望遠鏡に使われる分割鏡のメリットと技術的ハードル我々は現在 京都大学を中心として国立天文台 岡山天体物理観測所に新技術を用いた口径 3.8m の可視 近赤外望遠鏡の建設を計画している ( 図 1) 新技術の一つとして望遠鏡の主鏡に一枚鏡ではなく 扇型のセグメントを組み合わせて一枚の円形の鏡にする分割鏡を採用している

More information

データ解析

データ解析 データ解析 ( 前期 ) 最小二乗法 向井厚志 005 年度テキスト 0 データ解析 - 最小二乗法 - 目次 第 回 Σ の計算 第 回ヒストグラム 第 3 回平均と標準偏差 6 第 回誤差の伝播 8 第 5 回正規分布 0 第 6 回最尤性原理 第 7 回正規分布の 分布の幅 第 8 回最小二乗法 6 第 9 回最小二乗法の練習 8 第 0 回最小二乗法の推定誤差 0 第 回推定誤差の計算 第

More information

画像類似度測定の初歩的な手法の検証

画像類似度測定の初歩的な手法の検証 画像類似度測定の初歩的な手法の検証 島根大学総合理工学部数理 情報システム学科 計算機科学講座田中研究室 S539 森瀧昌志 1 目次 第 1 章序論第 章画像間類似度測定の初歩的な手法について.1 A. 画素値の平均を用いる手法.. 画素値のヒストグラムを用いる手法.3 C. 相関係数を用いる手法.4 D. 解像度を合わせる手法.5 E. 振れ幅のヒストグラムを用いる手法.6 F. 周波数ごとの振れ幅を比較する手法第

More information

Kumamoto University Center for Multimedia and Information Technologies Lab. 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI 宮崎県美郷

Kumamoto University Center for Multimedia and Information Technologies Lab. 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI 宮崎県美郷 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI プロジェクト @ 宮崎県美郷町 熊本大学副島慶人川村諒 1 実験の目的 従来 信号の受信電波強度 (RSSI:RecevedSgnal StrengthIndcator) により 対象の位置を推定する手法として 無線 LAN の AP(AccessPont) から受信する信号の減衰量をもとに位置を推定する手法が多く検討されている

More information

ダンゴムシの 交替性転向反応に 関する研究 3A15 今野直輝

ダンゴムシの 交替性転向反応に 関する研究 3A15 今野直輝 ダンゴムシの 交替性転向反応に 関する研究 3A15 今野直輝 1. 研究の動機 ダンゴムシには 右に曲がった後は左に 左に曲がった後は右に曲がる という交替性転向反応という習性がある 数多くの生物において この習性は見受けられるのだが なかでもダンゴムシやその仲間のワラジムシは その行動が特に顕著であるとして有名である そのため図 1のような道をダンゴムシに歩かせると 前の突き当りでどちらの方向に曲がったかを見ることによって

More information

GEMを使った 中性子画像検出器の開発

GEMを使った 中性子画像検出器の開発 GEM を用いた検出器の開発 千葉研究室修士 2 年 杉山史憲 発表の流れ 研究目的 GEMを用いた中性子画像検出器の原理 基本特性 ビームテスト 今後の実験 研究目的 1. 中性子検出の必要性 2. 中性子捕獲 3. 現在の中性子検出器 中性子検出の必要性 中性子の特徴 - スピンが 1/2 - 電荷がゼロ X 線で見た構造 中性子で見た構造 構造解析 窒素 炭素 酸素 水素たんぱく質 ( ミオグロビン

More information

<4D F736F F D2097CA8E718CF889CA F E F E2E646F63>

<4D F736F F D2097CA8E718CF889CA F E F E2E646F63> 量子効果デバイス第 11 回 前澤宏一 トンネル効果とフラッシュメモリ デバイスサイズの縮小縮小とトンネルトンネル効果 Si-CMOS はサイズの縮小を続けることによってその性能を伸ばしてきた チャネル長や ゲート絶縁膜の厚さ ソース ドレイン領域の深さ 電源電圧をあるルール ( これをスケーリング則という ) に従って縮小することで 高速化 低消費電力化が可能となる 集積回路の誕生以来 スケーリング側にしたがって縮小されてきたデバイスサイズは

More information

Microsoft PowerPoint - RPC0308.ppt

Microsoft PowerPoint - RPC0308.ppt RPC( ( 高抵抗板検出器 ) の作成と その性能評価 山中卓研 006 年 3 月 10 日 B4 加藤舞子佐藤和史四宮新也 目的 数 mm の位置分解能を実現できる検出器として RPC(Resistive Plate Chamber: 高抵抗板検出器 ) を作成し 今後の実験に活かす 作成した RPC の動作特性および分解能を測定し その性能を評価する 前期実験 :μ: の寿命測定 μ 図のようなセットを組み

More information

化学結合が推定できる表面分析 X線光電子分光法

化学結合が推定できる表面分析 X線光電子分光法 1/6 ページ ユニケミー技報記事抜粋 No.39 p1 (2004) 化学結合が推定できる表面分析 X 線光電子分光法 加藤鉄也 ( 技術部試験一課主任 ) 1. X 線光電子分光法 (X-ray Photoelectron Spectroscopy:XPS) とは物質に X 線を照射すると 物質からは X 線との相互作用により光電子 オージェ電子 特性 X 線などが発生する X 線光電子分光法ではこのうち物質極表層から発生した光電子

More information

Microsoft PowerPoint - 第5回電磁気学I 

Microsoft PowerPoint - 第5回電磁気学I  1 年 11 月 8 日 ( 月 ) 1:-1: Y 平成 年度工 系 ( 社会環境工学科 ) 第 5 回電磁気学 Ⅰ 天野浩 項目 電界と電束密度 ガウスの発散定理とガウスの法則の積分形と微分形 * ファラデーの電気力線の使い方をマスターします * 電界と電束密度を定義します * ガウスの発散定理を用いて ガウスの法則の積分形から微分形をガウスの法則の積分形から微分形を導出します * ガウスの法則を用いて

More information

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X (

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X ( 第 週ラプラス変換 教科書 p.34~ 目標ラプラス変換の定義と意味を理解する フーリエ変換や Z 変換と並ぶ 信号解析やシステム設計における重要なツール ラプラス変換は波動現象や電気回路など様々な分野で 微分方程式を解くために利用されてきた ラプラス変換を用いることで微分方程式は代数方程式に変換される また 工学上使われる主要な関数のラプラス変換は簡単な形の関数で表されるので これを ラプラス変換表

More information

Microsoft PowerPoint _量子力学短大.pptx

Microsoft PowerPoint _量子力学短大.pptx . エネルギーギャップとrllouゾーン ブリルアン領域,t_8.. 周期ポテンシャル中の電子とエネルギーギャップ 簡単のため 次元に間隔 で原子が並んでいる結晶を考える 右方向に進行している電子の波は 間隔 で規則正しく並んでいる原子が作る格子によって散乱され 左向きに進行する波となる 波長 λ が の時 r の反射条件 式を満たし 両者の波が互いに強め合い 定在波を作る つまり 式 式を満たす波は

More information

1 5 1.1................................ 5 1.2 MPGD.......................................... 6 1.2.1 GEM...................................... 6 1.2.2

1 5 1.1................................ 5 1.2 MPGD.......................................... 6 1.2.1 GEM...................................... 6 1.2.2 19 GEM 2 2008/3/13 1 5 1.1................................ 5 1.2 MPGD.......................................... 6 1.2.1 GEM...................................... 6 1.2.2 MICROMEGAS................................

More information

相対性理論入門 1 Lorentz 変換 光がどのような座標系に対しても同一の速さ c で進むことから導かれる座標の一次変換である. (x, y, z, t ) の座標系が (x, y, z, t) の座標系に対して x 軸方向に w の速度で進んでいる場合, 座標系が一次変換で関係づけられるとする

相対性理論入門 1 Lorentz 変換 光がどのような座標系に対しても同一の速さ c で進むことから導かれる座標の一次変換である. (x, y, z, t ) の座標系が (x, y, z, t) の座標系に対して x 軸方向に w の速度で進んでいる場合, 座標系が一次変換で関係づけられるとする 相対性理論入門 Lorentz 変換 光がどのような座標系に対しても同一の速さ で進むことから導かれる座標の一次変換である. x, y, z, t ) の座標系が x, y, z, t) の座標系に対して x 軸方向に w の速度で進んでいる場合, 座標系が一次変換で関係づけられるとすると, x A x wt) y y z z t Bx + Dt 弨弱弩弨弲弩弨弳弩弨弴弩 が成立する. 図 : 相対速度

More information

構造力学Ⅰ第12回

構造力学Ⅰ第12回 第 回材の座屈 (0 章 ) p.5~ ( 復習 ) モールの定理 ( 手順 ) 座屈とは 荷重により梁に生じた曲げモーメントをで除して仮想荷重と考える 座屈荷重 偏心荷重 ( 曲げと軸力 ) 断面の核 この仮想荷重に対するある点でのせん断力 たわみ角に相当する曲げモーメント たわみに相当する ( 例 ) 単純梁の支点のたわみ角 : は 図 を仮想荷重と考えたときの 点の支点反力 B は 図 を仮想荷重と考えたときのB

More information

東邦大学理学部情報科学科 2014 年度 卒業研究論文 コラッツ予想の変形について 提出日 2015 年 1 月 30 日 ( 金 ) 指導教員白柳潔 提出者 山中陽子

東邦大学理学部情報科学科 2014 年度 卒業研究論文 コラッツ予想の変形について 提出日 2015 年 1 月 30 日 ( 金 ) 指導教員白柳潔 提出者 山中陽子 東邦大学理学部情報科学科 2014 年度 卒業研究論文 コラッツ予想の変形について 提出日 2015 年 1 月 30 日 ( 金 ) 指導教員白柳潔 提出者 山中陽子 2014 年度東邦大学理学部情報科学科卒業研究 コラッツ予想の変形について 学籍番号 5511104 氏名山中陽子 要旨 コラッツ予想というのは 任意の 0 でない自然数 n をとり n が偶数の場合 n を 2 で割り n が奇数の場合

More information

Xamテスト作成用テンプレート

Xamテスト作成用テンプレート 電場と電位 00 年度本試験物理 IB 第 5 問 A A 図 のように,x 軸上の原点に電気量 Q の正の点電荷を, また, x d Q の位置に電気量の正の点電荷を固定した 問 図 の x 軸を含む平面内の等電位線はどのようになるか 最も適当なものを, 次の~のうちから一つ選べ ただし, 図中の左の黒丸 Q は電気量 Q の点電荷の位置を示し, 右の黒丸は電気量の点電荷の 位置を示す 電場と電位

More information

Microsoft Word - planck定数.doc

Microsoft Word - planck定数.doc . 目的 Plck 定数 光電効果についての理解を深める. また光電管を使い実際に光電効果を観察し,Plck 定数および仕事関数を求める.. 課題 Hg- スペクトルランプから出ている何本かの強いスペクトル線のなかから, フィルターを使い, 特定の波長域のスペクトル線を選択し, それぞれの場合について光電効果により飛び出してくる電子の最高エネルギーを測定する. この測定結果から,Plck 定数 h

More information

木村の理論化学小ネタ 理想気体と実在気体 A. 標準状態における気体 1mol の体積 標準状態における気体 1mol の体積は気体の種類に関係なく 22.4L のはずである しかし, 実際には, その体積が 22.4L より明らかに小さい

木村の理論化学小ネタ   理想気体と実在気体 A. 標準状態における気体 1mol の体積 標準状態における気体 1mol の体積は気体の種類に関係なく 22.4L のはずである しかし, 実際には, その体積が 22.4L より明らかに小さい 理想気体と実在気体 A. 標準状態における気体 1mol の体積 標準状態における気体 1mol の体積は気体の種類に関係なく.4L のはずである しかし, 実際には, その体積が.4L より明らかに小さい気体も存在する このような気体には, 気体分子に, 分子量が大きい, 極性が大きいなどの特徴がある そのため, 分子間力が大きく, 体積が.4L より小さくなる.4L とみなせる実在気体 H :.449

More information

2018年度 東京大・理系数学

2018年度 東京大・理系数学 08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ関数 f ( ) = + cos (0 < < ) の増減表をつくり, + 0, 0 のと sin きの極限を調べよ 08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ n+ 数列 a, a, を, Cn a n = ( n =,, ) で定める n! an qn () n とする を既約分数 an p として表したときの分母

More information

QOBU1011_40.pdf

QOBU1011_40.pdf 印字データ名 QOBU1 0 1 1 (1165) コメント 研究紹介 片山 作成日時 07.10.04 19:33 図 2 (a )センサー素子の外観 (b )センサー基板 色の濃い部分が Pt 形電極 幅 50μm, 間隔 50μm (c ),(d )単層ナノ チューブ薄膜の SEM 像 (c )Al O 基板上, (d )Pt 電極との境 界 熱 CVD 条件 触媒金属 Fe(0.5nm)/Al(5nm)

More information

パソコンシミュレータの現状

パソコンシミュレータの現状 第 2 章微分 偏微分, 写像 豊橋技術科学大学森謙一郎 2. 連続関数と微分 工学において物理現象を支配する方程式は微分方程式で表されていることが多く, 有限要素法も微分方程式を解く数値解析法であり, 定式化においては微分 積分が一般的に用いられており. 数学の基礎知識が必要になる. 図 2. に示すように, 微分は連続な関数 f() の傾きを求めることであり, 微小な に対して傾きを表し, を無限に

More information

Microsoft Word - t30_西_修正__ doc

Microsoft Word - t30_西_修正__ doc 反応速度と化学平衡 金沢工業大学基礎教育部西誠 ねらい 化学反応とは分子を構成している原子が組み換り 新しい分子構造を持つことといえます この化学反応がどのように起こるのか どのような速さでどの程度の分子が組み換るのかは 反応の種類や 濃度 温度などの条件で決まってきます そして このような反応の進行方向や速度を正確に予測するために いろいろな数学 物理的な考え方を取り入れて化学反応の理論体系が作られています

More information

0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生

0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生 0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生まれ, コンピューテーショナルフォトグラフィ ( 計算フォトグラフィ ) と呼ばれている.3 次元画像認識技術の計算フォトグラフィへの応用として,

More information

Microsoft PowerPoint - jps11s_karube_ver110422

Microsoft PowerPoint - jps11s_karube_ver110422 CALET プロトタイプの ビーム実験結果と シミュレーションの比較 早大理工研, 神奈川大工 A, 横浜国大工 B, 苅部樹彦, 鳥居祥二, 笠原克昌, 小澤俊介, 清水雄輝, 赤池陽水, 相場俊英, 植山良貴, 奥野祥二 A, 田村忠久 A, 片寄祐作 B 目次 研究目的 実験概要 データ解析方法 解析の流れ 検出器の座標較正, シャワートリガーと混入粒子除去条件 陽電子に関する実験結果とシミュレーションとの比較

More information

31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長 31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長時間発光した 次にルミノール溶液の液温に着目し 0 ~60 にて実験を行ったところ 温度が低いほど強く発光した

More information

CsI(Tl) 2005/03/

CsI(Tl) 2005/03/ CsI(Tl) 2005/03/30 1 2 2 2 3 3 3.1............................................ 3 3.2................................... 4 3.3............................................ 5 4 6 4.1..............................................

More information

(3) E-I 特性の傾きが出力コンダクタンス である 添え字 は utput( 出力 ) を意味する (4) E-BE 特性の傾きが電圧帰還率 r である 添え字 r は rrs( 逆 ) を表す 定数の値は, トランジスタの種類によって異なるばかりでなく, 同一のトランジスタでも,I, E, 周

(3) E-I 特性の傾きが出力コンダクタンス である 添え字 は utput( 出力 ) を意味する (4) E-BE 特性の傾きが電圧帰還率 r である 添え字 r は rrs( 逆 ) を表す 定数の値は, トランジスタの種類によって異なるばかりでなく, 同一のトランジスタでも,I, E, 周 トランジスタ増幅回路設計入門 pyrgt y Km Ksaka 005..06. 等価回路についてトランジスタの動作は図 のように非線形なので, その動作を簡単な数式で表すことができない しかし, アナログ信号を扱う回路では, 特性グラフのの直線部分に動作点を置くので線形のパラメータにより, その動作を簡単な数式 ( 一次式 ) で表すことができる 図. パラメータトランジスタの各静特性の直線部分の傾きを数値として特性を表したものが

More information

25 3 4

25 3 4 25 3 4 1 µ e + ν e +ν µ µ + e + +ν e + ν µ e e + TAC START STOP START veto START (2.04 ± 0.18)µs 1/2 STOP (2.09 ± 0.11)µs 1/8 G F /( c) 3 (1.21±0.09) 5 /GeV 2 (1.19±0.05) 5 /GeV 2 Weinberg θ W sin θ W

More information

8.1 有機シンチレータ 有機物質中のシンチレーション機構 有機物質の蛍光過程 単一分子のエネルギー準位の励起によって生じる 分子の種類にのみよる ( 物理的状態には関係ない 気体でも固体でも 溶液の一部でも同様の蛍光が観測できる * 無機物質では規則的な格子結晶が過程の元になっているの

8.1 有機シンチレータ 有機物質中のシンチレーション機構 有機物質の蛍光過程 単一分子のエネルギー準位の励起によって生じる 分子の種類にのみよる ( 物理的状態には関係ない 気体でも固体でも 溶液の一部でも同様の蛍光が観測できる * 無機物質では規則的な格子結晶が過程の元になっているの 6 月 6 日発表範囲 P227~P232 発表者救仁郷 シンチレーションとは? シンチレーション 蛍光物質に放射線などの荷電粒子が当たると発光する現象 材料 有機の溶液 プラスチック 無機ヨウ化ナトリウム 硫化亜鉛 など 例えば以下のように用いる 電離性放射線 シンチレータ 蛍光 光電子増倍管 電子アンプなど シンチレーションの光によって電離性放射線を検出することは非常に古くから行われてきた放射線測定法で

More information

Microsoft Word - note02.doc

Microsoft Word - note02.doc 年度 物理化学 Ⅱ 講義ノート. 二原子分子の振動. 調和振動子近似 モデル 分子 = 理想的なバネでつながった原子 r : 核間距離, r e : 平衡核間距離, : 変位 ( = r r e ), k f : 力の定数ポテンシャルエネルギー ( ) k V = f (.) 古典運動方程式 [ 振動数 ] 3.3 d kf (.) dt μ : 換算質量 (m, m : 原子, の質量 ) mm

More information

LEDの光度調整について

LEDの光度調整について 光測定と単位について 目次 1. 概要 2. 色とは 3. 放射量と測光量 4. 放射束 5. 視感度 6. 放射束と光束の関係 7. 光度と立体角 8. 照度 9. 照度と光束の関係 10. 各単位の関係 11. まとめ 1/6 1. 概要 LED の性質を表すには 光の強さ 明るさ等が重要となり これらはその LED をどのようなアプリケーションに使用するかを決定するために必須のものになることが殆どです

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション P2 前期の実験発表資料 一光子干渉による干渉縞の測定 今川要, 高橋唯基, 谷真央, 辻川吉明, 冨永貴弘, 中川耕太郎, 中田拓海, 西田森彦 実験の目的 MPPC 回路 LED ドライバ 実験のセットアップ 本実験 解析 まとめ スライドの流れ 実験の目的 量子力学における 光の 粒子と波動の二重性 を検証したい 1 光子による干渉が起こることを確認する LED 光検出器 二重スリットによる光の干渉実験

More information

矢ヶ崎リーフ1.indd

矢ヶ崎リーフ1.indd U 鉱山 0.7% U 235 U 238 U 鉱石 精錬 What is DU? U 235 核兵器 原子力発電濃縮ウラン濃縮工場 2~4% 使用済み核燃料 DU 兵器 U 235 U 236 再処理 0.2~1% 劣化ウラン (DU) 回収劣化ウランという * パーセント表示はウラン235の濃度 電子 原子 10-10 m 10-15 m What is 放射能? 放射線 陽子中性子 原子核 1

More information

学習指導要領

学習指導要領 (1) 数と式 ア数と集合 ( ア ) 実数数を実数まで拡張する意義を理解し 簡単な無理数の四則計算をすること 絶対値の意味を理解し適切な処理することができる 例題 1-3 の絶対値をはずせ 展開公式 ( a + b ) ( a - b ) = a 2 - b 2 を利用して根号を含む分数の分母を有理化することができる 例題 5 5 + 2 の分母を有理化せよ 実数の整数部分と小数部分の表し方を理解している

More information

<4D F736F F D2089FC92E82D D4B CF591AA92E882C CA82C982C282A282C42E727466>

<4D F736F F D2089FC92E82D D4B CF591AA92E882C CA82C982C282A282C42E727466> 11 Application Note 光測定と単位について 1. 概要 LED の性質を表すには 光の強さ 明るさ等が重要となり これらはその LED をどのようなアプリケーションに使用するかを決定するために必須のものになることが殆どです しかし 測定の方法は多種存在し 何をどのような測定器で測定するかにより 測定結果が異なってきます 本書では光測定とその単位について説明していきます 2. 色とは

More information

横浜市環境科学研究所

横浜市環境科学研究所 周期時系列の統計解析 単回帰分析 io 8 年 3 日 周期時系列に季節調整を行わないで単回帰分析を適用すると, 回帰係数には周期成分の影響が加わる. ここでは, 周期時系列をコサイン関数モデルで近似し単回帰分析によりモデルの回帰係数を求め, 周期成分の影響を検討した. また, その結果を気温時系列に当てはめ, 課題等について考察した. 気温時系列とコサイン関数モデル第 報の結果を利用するので, その一部を再掲する.

More information

Chap3.key

Chap3.key 区分求積法. 面積 ( )/ f () > n + n, S 長方形の和集合で近似 n f (n ) リーマン和 f (n ) 区分求積法 リーマン和 S S n n / n n f ()d リーマン積分 ( + ) + S (, f ( )) 微分の心 Zoom In して局所的な性質を調べる 積分の心 Zoom Ou して大域的な性質を調べる 曲線の長さ 領域の面積や体積 ある領域に含まれる物質の質量

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション - = 4 = 4 = - y = x y = x y = x + 4 y = x 比例は y = ax の形であらわすことができる 4 - 秒後 y = 5 y = 0 (m) 5 秒後 y = 5 5 y = 5 (m) 5 0 = 05 (m) 05 5 = 5 (m/ 秒 ) 4 4 秒後 y = 5 4 y = 80 (m) 5-80 5 4 = 45 (m/ 秒 ) 5 v = 0 5

More information

J-PARC E15 K K-pp Missing mass Invariant mass K - 3 He Formation K - pp cluster neutron Mode to decay charged particles p Λ π - Decay p Decay E15 dete

J-PARC E15 K K-pp Missing mass Invariant mass K - 3 He Formation K - pp cluster neutron Mode to decay charged particles p Λ π - Decay p Decay E15 dete J-PARC E15 (TGEM-TPC) TGEM M1 ( ) J-PARC E15 TPC TGEM TGEM J-PARC E15 K K-pp Missing mass Invariant mass K - 3 He Formation K - pp cluster neutron Mode to decay charged particles p Λ π - Decay p Decay

More information

素粒子物理学2 素粒子物理学序論B 2010年度講義第4回

素粒子物理学2 素粒子物理学序論B 2010年度講義第4回 素粒子物理学 素粒子物理学序論B 010年度講義第4回 レプトン数の保存 崩壊モード 寿命(sec) n e ν 890 崩壊比 100% Λ π.6 x 10-10 64% π + µ+ νµ.6 x 10-8 100% π + e+ νe 同上 1. x 10-4 Le +1 for νe, elμ +1 for νμ, μlτ +1 for ντ, τレプトン数はそれぞれの香りで独立に保存

More information

高校電磁気学 ~ 電磁誘導編 ~ 問題演習

高校電磁気学 ~ 電磁誘導編 ~ 問題演習 高校電磁気学 ~ 電磁誘導編 ~ 問題演習 問 1 磁場中を動く導体棒に関する問題 滑車 導体棒の間隔 L m a θ (1) おもりの落下速度が のとき 導体棒 a に生じる誘導起電力の 大きさを求めよ 滑車 導体棒の間隔 L m a θ 導体棒の速度 水平方向の速度 cosθ Δt の時間に回路を貫く磁束の変化 ΔΦ は ΔΦ = ΔS = LcosθΔt ΔΦ ファラデーの法則 V = N より

More information

SPECT(Single Photon Emission Computer Tomography ) SPECT FWHM 3 4mm [] MPPC SPECT MPPC LSO 6mm 67.5 photo electron 78% kev γ 4.6 photo electron SPECT

SPECT(Single Photon Emission Computer Tomography ) SPECT FWHM 3 4mm [] MPPC SPECT MPPC LSO 6mm 67.5 photo electron 78% kev γ 4.6 photo electron SPECT 3 SPECT SJ SPECT(Single Photon Emission Computer Tomography ) SPECT FWHM 3 4mm [] MPPC SPECT MPPC LSO 6mm 67.5 photo electron 78% kev γ 4.6 photo electron SPECT 9ch MPPC array 3 3 9 3 3 9.mm(sigma) . SPECT..................................................................3............

More information

<4D F736F F F696E74202D C CC89C88A B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D C CC89C88A B8CDD8AB B83685D> 断面積 (A) を使わずに, 間隙率を使う透水係数の算定 図に示したような 本の孔を掘って, 上流側から食塩を投入した 食塩を投入してから,7 時間後に下流側に食塩が到達したことが分かった この地盤の透水係数を求めよ 地盤の間隙比は e=0.77, 水位差は 0 cmであった なお, この方法はトレーサ法の中の食塩法と呼ばれている Nacl 計測器 0 cm 0.0 m 断面積 (A) を使わずに,

More information

PowerPoint Presentation

PowerPoint Presentation 半導体電子工学 II 神戸大学工学部電気電子工学科 小川真人 11//'11 1 1. 復習 : 基本方程式 キャリア密度の式フェルミレベルの位置の計算ポアソン方程式電流密度の式 連続の式 ( 再結合 ). 接合. 接合の形成 b. 接合中のキャリア密度分布 c. 拡散電位. 空乏層幅 e. 電流 - 電圧特性 本日の内容 11//'11 基本方程式 ポアソン方程式 x x x 電子 正孔 キャリア密度の式

More information

物理演習問題

物理演習問題 < 物理 > =0 問 ビルの高さを, ある速さ ( 初速 をとおく,において等加速度運動の公式より (- : -= t - t : -=- t - t (-, 式よりを消去すると t - t =- t - t ( + - ( + ( - =0 0 t t t t t t ( t + t - ( t - =0 t=t t=t t - 地面 ( t - t t +t 0 より, = 3 図 問 が最高点では速度が

More information

大阪大学物理 8 を解いてみた Ⅱ. 問 ( g cosq a sin q ) m - 台 B 上の観測者から見ると, 小物体は, 斜面からの垂直抗力 N, 小物体の重力 mg, 水平左向きの慣性力 ma を受け, 台 B の斜面と平行な向きに運動する したがって, 小物体は台 B の斜面に垂直な方

大阪大学物理 8 を解いてみた Ⅱ. 問 ( g cosq a sin q ) m - 台 B 上の観測者から見ると, 小物体は, 斜面からの垂直抗力 N, 小物体の重力 mg, 水平左向きの慣性力 ma を受け, 台 B の斜面と平行な向きに運動する したがって, 小物体は台 B の斜面に垂直な方 大阪大学物理 8 を解いてみた Ⅰ. 問 g 最高点の座標を y max とすると, 力学的エネルギー保存則より \ y m mgy 補足 max g max 小物体の運動方向に対する仕事は重力 ( 保存力 ) の斜面に沿った成分のみであり, 垂直抗力 ( 非保存力 ) の仕事は である よって, 力学的エネルギー保存則が成り立つ これを確かめてみよう 小物体は重力の斜面に沿った外力を受けながらその運動エネルギーを失っていく

More information

AlGaN/GaN HFETにおける 仮想ゲート型電流コラプスのSPICE回路モデル

AlGaN/GaN HFETにおける 仮想ゲート型電流コラプスのSPICE回路モデル AlGaN/GaN HFET 電流コラプスおよびサイドゲート効果に関する研究 徳島大学大学院先端技術科学教育部システム創生工学専攻電気電子創生工学コース大野 敖研究室木尾勇介 1 AlGaN/GaN HFET 研究背景 高絶縁破壊電界 高周波 高出力デバイス 基地局などで実用化 通信機器の発達 スマートフォン タブレットなど LTE LTE エンベロープトラッキング 低消費電力化 電源電圧を信号に応じて変更

More information

Microsoft PowerPoint - 10.pptx

Microsoft PowerPoint - 10.pptx m u. 固有値とその応用 8/7/( 水 ). 固有値とその応用 固有値と固有ベクトル 行列による写像から固有ベクトルへ m m 行列 によって線形写像 f : R R が表せることを見てきた ここでは 次元平面の行列による写像を調べる とし 写像 f : を考える R R まず 単位ベクトルの像 u y y f : R R u u, u この事から 線形写像の性質を用いると 次の格子上の点全ての写像先が求まる

More information

Microsoft Word - 素粒子物理学I.doc

Microsoft Word - 素粒子物理学I.doc 6. 自発的対称性の破れとヒッグス機構 : 素粒子の標準模型 Dc 方程式.5 を導くラグランジアンは ϕ ϕ mϕϕ 6. である [H] Eu-nn 方程式 を使って 6. のラグランジア ンから Dc 方程式が導かれることを示せ 6. ゲージ対称性 6.. U 対称性 :QED ディラック粒子の複素場 ψに対する位相変換 ϕ ϕ 6. に対して ラグランジアンが不変であることを要請する これは簡単に示せる

More information

PEA_24回実装学会a.ppt

PEA_24回実装学会a.ppt 85 85% 環境下での 絶縁体内部電荷分布経時変化の測定技術 ファイブラボ株式会社デバイス部河野唯通 Email: yuimichi@5lab.co.jp 表面実装から部品内蔵基板へ 従来からの表面実装から部品内蔵基板へ 基板は層状構造となり厚さ方向の絶縁性も重要 使用される絶縁層間フィルムはますます薄くなる 低電圧だが, 電界は電力線並み! 高電圧電力ケーブル 機器の絶縁材料評価方法 絶縁材料評価方法として空間電荷の測定が重要とされた理由

More information

経営統計学

経営統計学 5 章基本統計量 3.5 節で量的データの集計方法について簡単に触れ 前章でデータの分布について学びましたが データの特徴をつの数値で示すこともよく行なわれます これは統計量と呼ばれ 主に分布の中心や拡がりなどを表わします この章ではよく利用される分布の統計量を特徴で分類して説明します 数式表示を統一的に行なうために データの個数を 個とし それらを,,, と表わすことにします ここで学ぶ統計量は統計分析の基礎となっており

More information

第 4 週コンボリューションその 2, 正弦波による分解 教科書 p. 16~ 目標コンボリューションの演習. 正弦波による信号の分解の考え方の理解. 正弦波の複素表現を学ぶ. 演習問題 問 1. 以下の図にならって,1 と 2 の δ 関数を図示せよ δ (t) 2

第 4 週コンボリューションその 2, 正弦波による分解 教科書 p. 16~ 目標コンボリューションの演習. 正弦波による信号の分解の考え方の理解. 正弦波の複素表現を学ぶ. 演習問題 問 1. 以下の図にならって,1 と 2 の δ 関数を図示せよ δ (t) 2 第 4 週コンボリューションその, 正弦波による分解 教科書 p. 6~ 目標コンボリューションの演習. 正弦波による信号の分解の考え方の理解. 正弦波の複素表現を学ぶ. 演習問題 問. 以下の図にならって, と の δ 関数を図示せよ. - - - δ () δ ( ) - - - 図 δ 関数の図示の例 δ ( ) δ ( ) δ ( ) δ ( ) δ ( ) - - - - - - - -

More information

Microsoft PowerPoint - 熱力学Ⅱ2FreeEnergy2012HP.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 熱力学Ⅱ2FreeEnergy2012HP.ppt [互換モード] 熱力学 Ⅱ 第 章自由エネルギー システム情報工学研究科 構造エネルギー工学専攻 金子暁子 問題 ( 解答 ). 熱量 Q をある系に与えたところ, 系の体積は膨張し, 温度は上昇した. () 熱量 Q は何に変化したか. () またこのとき系の体積がV よりV に変化した.( 圧力は変化無し.) 内部エネルギーはどのように表されるか. また, このときのp-V 線図を示しなさい.. 不可逆過程の例を

More information

微分方程式による現象記述と解きかた

微分方程式による現象記述と解きかた 微分方程式による現象記述と解きかた 土木工学 : 公共諸施設 構造物の有用目的にむけた合理的な実現をはかる方法 ( 技術 ) に関する学 橋梁 トンネル ダム 道路 港湾 治水利水施設 安全化 利便化 快適化 合法則的 経済的 自然および人口素材によって作られた 質量保存則 構造物の自然的な性質 作用 ( 外力による応答 ) エネルギー則 の解明 社会的諸現象のうち マスとしての移動 流通 運動量則

More information

スライド 1

スライド 1 相対論的プラズマにおける PIC シミュレーションに伴う数値チェレンコフ不安定の特性ついて 宇宙物理学研究室 4 年池谷直樹 研究背景と目的 0 年 Ie Cube 国際共同実験において超高エネルギーニュートリノを検出 780Tev-5.6PeV 890TeV-8.5PeV 相互作用が殆んど起こらないため銀河磁場による軌道の湾曲が無く 正確な到来方向の情報 を得られる可能性がある ニュートリノから高エネルギー宇宙線の起源を追う

More information

ÿþŸb8bn0irt

ÿþŸb8bn0irt 折戸の物理 演習プリント N.15 43. 目的 : 電磁誘導は, 基本を理解すれば問題はそれほど難しくない! ということを学ぶ 問 1 の [ ] に適切な数値または数式を入れ, 問 に答えよ 図 1 のように, 紙面に垂直で一様な磁界が 0 の領域だけにある場合について考える 磁束密度は Wb/m で, 磁界は紙面の表から裏へ向かっている 図のように,1 辺の長さが m の正方形のコイル を,

More information

OCW-iダランベールの原理

OCW-iダランベールの原理 講義名連続体力学配布資料 OCW- 第 2 回ダランベールの原理 無機材料工学科准教授安田公一 1 はじめに今回の講義では, まず, 前半でダランベールの原理について説明する これを用いると, 動力学の問題を静力学の問題として解くことができ, さらに, 前回の仮想仕事の原理を適用すると動力学問題も簡単に解くことができるようになる また, 後半では, ダランベールの原理の応用として ラグランジュ方程式の導出を示す

More information

Mirror Grand Laser Prism Half Wave Plate Femtosecond Laser 150 fs, λ=775 nm Mirror Mechanical Shutter Apperture Focusing Lens Substances Linear Stage

Mirror Grand Laser Prism Half Wave Plate Femtosecond Laser 150 fs, λ=775 nm Mirror Mechanical Shutter Apperture Focusing Lens Substances Linear Stage Mirror Grand Laser Prism Half Wave Plate Femtosecond Laser 150 fs, λ=775 nm Mirror Mechanical Shutter Apperture Focusing Lens Substances Linear Stage NC Unit PC は 同時多軸に制御はできないため 直線加工しかでき 図3は ステージの走査速度を

More information

Microsoft PowerPoint - 第3回2.ppt

Microsoft PowerPoint - 第3回2.ppt 講義内容 講義内容 次元ベクトル 関数の直交性フーリエ級数 次元代表的な対の諸性質コンボリューション たたみこみ積分 サンプリング定理 次元離散 次元空間周波数の概念 次元代表的な 次元対 次元離散 次元ベクトル 関数の直交性フーリエ級数 次元代表的な対の諸性質コンボリューション たたみこみ積分 サンプリング定理 次元離散 次元空間周波数の概念 次元代表的な 次元対 次元離散 ベクトルの直交性 3

More information

JPS2012spring

JPS2012spring BelleII 実験用 TOP カウンターの性能評価 2012.7.7( 土 ) 名古屋大学高エネルギー物理学研究室 (N 研究室 ) 有田義宣 BelleII に搭載する粒子識別装置 TOP カウンター 2 BelleII 実験 もっとも識別の難しい π/k 識別 BelleⅡ 実験は Belle 実験をさらに高輝度化 (40 倍 ) し 大量の B 中間子からの稀崩壊現象を探る電子陽電子コライダー

More information

第1章 様々な運動

第1章 様々な運動 自己誘導と相互誘導 自己誘導 自己誘導起電力 ( 逆起電力 ) 図のように起電力 V V の電池, 抵抗値 R Ω の抵抗, スイッチS, コイルを直列につないだ回路を考える. コイルに電流が流れると, コイル自身が作る磁場による磁束がコイルを貫く. コイルに流れる電流が変化すると, コイルを貫く磁束も変化するのでコイルにはこの変化を妨げる方向に誘導起電力が生じる. この現象を自己誘導という. 自己誘導による起電力は電流変化を妨げる方向に生じるので逆起電力とも呼ばれる.

More information

2011 年度第 41 回天文 天体物理若手夏の学校 2011/8/1( 月 )-4( 木 ) 星間現象 18b 初代星形成における水素分子冷却モデルの影響 平野信吾 ( 東京大学 M2) 1. Introduction 初代星と水素分子冷却ファーストスター ( 初代星, PopIII) は重元素を

2011 年度第 41 回天文 天体物理若手夏の学校 2011/8/1( 月 )-4( 木 ) 星間現象 18b 初代星形成における水素分子冷却モデルの影響 平野信吾 ( 東京大学 M2) 1. Introduction 初代星と水素分子冷却ファーストスター ( 初代星, PopIII) は重元素を 2011 年度第 41 回天文 天体物理若手夏の学校 2011/8/1( 月 )-4( 木 ) 星間現象 18b 初代星形成における水素分子冷却モデルの影響 平野信吾 ( 東京大学 M2) 1. Introduction 初代星と水素分子冷却ファーストスター ( 初代星, PopIII) は重元素を含まない原始ガスから形成される 宇宙で最初に誕生する星である 初代星はその後の星形成や再電離など宇宙初期の天文現象に強く関係し

More information

Microsoft PowerPoint - 1章 [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 1章 [互換モード] 1. 直線運動 キーワード 速さ ( 等速直線運動, 変位 ) 加速度 ( 等加速度直線運動 ) 重力加速度 ( 自由落下 ) 力学 I 内容 1. 直線運動 2. ベクトル 3. 平面運動 4. 運動の法則 5. 摩擦力と抵抗 6. 振動 7. 仕事とエネルギー 8. 運動量と力積, 衝突 9. 角運動量 3 章以降は, 運動の向きを考えなければならない 1. 直線運動 キーワード 速さ ( 等速直線運動,

More information

はじめに

はじめに γ 線 1. はじめに γ 線は α 線 β 線に次いで より透過力の高い放射線としてフランス人 Paul Villard が発見し Ernest Rutherford が命名したとされる γ 線は 励起状態の原子核が他の励起状態を経て基底状態に遷移する過程で放出される電磁波と定義され 原子核のα 壊変 β 壊変 自発核分裂 中性子捕獲 1) などの原子核反応によって励起された原子核を起源とする 元素から放出される電磁波には

More information

s とは何か 2011 年 2 月 5 日目次へ戻る 1 正弦波の微分 y=v m sin ωt を時間 t で微分します V m は正弦波の最大値です 合成関数の微分法を用い y=v m sin u u=ωt と置きますと dy dt dy du du dt d du V m sin u d dt

s とは何か 2011 年 2 月 5 日目次へ戻る 1 正弦波の微分 y=v m sin ωt を時間 t で微分します V m は正弦波の最大値です 合成関数の微分法を用い y=v m sin u u=ωt と置きますと dy dt dy du du dt d du V m sin u d dt とは何か 0 年 月 5 日目次へ戻る 正弦波の微分 y= in を時間 で微分します は正弦波の最大値です 合成関数の微分法を用い y= in u u= と置きますと y y in u in u (co u co になります in u の は定数なので 微分後も残ります 合成関数の微分法ですので 最後に u を に戻しています 0[ra] の co 値は [ra] の in 値と同じです その先の角

More information

Microsoft PowerPoint - ip02_01.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - ip02_01.ppt [互換モード] 空間周波数 周波数領域での処理 空間周波数 (spatial frquncy) とは 単位長さ当たりの正弦波状の濃淡変化の繰り返し回数を表したもの 正弦波 : y sin( t) 周期 : 周波数 : T f / T 角周波数 : f 画像処理 空間周波数 周波数領域での処理 波形が違うと 周波数も違う 画像処理 空間周波数 周波数領域での処理 画像処理 3 周波数領域での処理 周波数は一つしかない?-

More information

目次 1. 目的 2. 原理 2-1オルソポジトロニウムの性質 2-2 寿命の測定 2-3ポジトロニウムの反応 3. 装置と方法 3-1 実験装置 3-2 実験方法 3-3 装置のセットアップ 3-4 回路の配線 3-5TDC による時間測定 3-6 実験環境 4. 結果 解析 4-1ADC キャリ

目次 1. 目的 2. 原理 2-1オルソポジトロニウムの性質 2-2 寿命の測定 2-3ポジトロニウムの反応 3. 装置と方法 3-1 実験装置 3-2 実験方法 3-3 装置のセットアップ 3-4 回路の配線 3-5TDC による時間測定 3-6 実験環境 4. 結果 解析 4-1ADC キャリ オルソポジトロニウムの 寿命測定 京都大学理学部 2009 年度前期課題演習 A2 宇田拓史江川弘行菊地悠栗村朋橋本敏和 目次 1. 目的 2. 原理 2-1オルソポジトロニウムの性質 2-2 寿命の測定 2-3ポジトロニウムの反応 3. 装置と方法 3-1 実験装置 3-2 実験方法 3-3 装置のセットアップ 3-4 回路の配線 3-5TDC による時間測定 3-6 実験環境 4. 結果 解析

More information

03マイクロ波による光速の測定

03マイクロ波による光速の測定 マイクロ波による光速の測定 小河貴博石橋多郎高田翔宮前慧士 指導者 : 仲達修一 要旨本研究では, マイクロ波を用いて光速を測定するための装置を製作し, その装置を用いて, 波長を測定することによって光速を算出する方法の妥当性を検討した また, 複数の測定方法を考案してより良い測定方法を探った その結果, 自作の実験装置とマイクロ波を用いた測定方法の妥当性を明らかにすることができた In our research,

More information

W 1983 W ± Z cm 10 cm 50 MeV TAC - ADC ADC [ (µs)] = [] (2.08 ± 0.36) 10 6 s 3 χ µ + µ 8 = (1.20 ± 0.1) 10 5 (Ge

W 1983 W ± Z cm 10 cm 50 MeV TAC - ADC ADC [ (µs)] = [] (2.08 ± 0.36) 10 6 s 3 χ µ + µ 8 = (1.20 ± 0.1) 10 5 (Ge 22 2 24 W 1983 W ± Z 0 3 10 cm 10 cm 50 MeV TAC - ADC 65000 18 ADC [ (µs)] = 0.0207[] 0.0151 (2.08 ± 0.36) 10 6 s 3 χ 2 2 1 20 µ + µ 8 = (1.20 ± 0.1) 10 5 (GeV) 2 G µ ( hc) 3 1 1 7 1.1.............................

More information

DVIOUT

DVIOUT 3 第 2 章フーリエ級数 23 フーリエ級数展開 これまで 関数 f(x) のフーリエ級数展開に関して 関数の定義区間やフーリエ級数の積分区間を断りなく [, ] に取ってきました これは フーリエ級数を構成する三角関数が基本周期 2 を持つためです すなわち フーリエ級数の各項 cos nx および sin nx (n =1, 2, 3, 4, ) の周期は それぞれ 2, 2 2, 2 3,

More information

学習指導要領

学習指導要領 (1) 数と式 学習指導要領 数と式 (1) 式の計算二次の乗法公式及び因数分解の公式の理解を深め 式を多面的にみたり目的に応じて式を適切に変形したりすること 東京都立町田高等学校学力スタンダード 整式の加法 減法 乗法展開の公式を利用できる 式を1 つの文字におき換えることによって, 式の計算を簡略化することができる 式の形の特徴に着目して変形し, 展開の公式が適用できるようにすることができる 因数分解因数分解の公式を利用できる

More information

Hanako-公式集力学熱編.jhd

Hanako-公式集力学熱編.jhd 熱分野 ================================================= E-mail yamato@my.email.ne.j ホームページ htt://www.ne.j/asahi/hanako/hysics/ ================================================= 公式集力学熱編.jhd < 1 > 気体の法則 気体の状態変化

More information

木村の理論化学小ネタ 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関

木村の理論化学小ネタ   熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関係を扱う化学の一部門を熱化学という 発熱反応反応前の物質のエネルギー 大ネルギ熱エネルギーー小エ反応後の物質のエネルギー 吸熱反応 反応後の物質のエネルギー 大ネルギー熱エネルギー小エ反応前の物質のエネルギー

More information