研究の背景と目的 2

Size: px

Start display at page:

Download "研究の背景と目的 2"

たかとしいせき
5 years ago
Views:

1 アムラ含有健康食品の可能性と安全性確保の方法上馬塲和夫 1,4) 三浦泰雄 2) K. Shyam Prasad 2) 田耕邦子 3) 小川弘子 4) 1) 帝京平成大学東洋医学研究所 2)Vidya Japan 3)TAC21 4) 日本アーユルヴェーダ協会 1

2 研究の背景と目的 2

3 怖い薬草や健康食品の連用

4 健康食品中毒百科スターフルーツ : 腎障害 ( 透析中 ) 患者で痙攣などを惹起漢方薬腎症 : 木通の種類によっては惹起する銀杏葉 : 出血傾向を来たし脳内出血を起こす山梔子 : 長期投与で腸間膜静脈硬化症を惹起ゲルマニウム : 蓄積で腎障害を起こすクロム :6 価も 3 価も生体内に入ると有毒重金属汚染 : 種々の伝統医学製剤が重金属に汚染 (Hg As Pb)

5 薬と一緒に摂取していますか? ( 医師に言わない患者が多い ) 摂取していない 47.9% 摂取している 52.1% 言った 9.6% 医師に言っていない 90.4% 期間 :2000 年 5 月 ~6 月対象 : 筑波大学付属病院外来患者 453 名

6 アーユルヴェーダの食べ合わせ新薬との相互作用=2012/6/8 日本アーユルヴェーダスクール及川史歩 Medical Tribune 2008,12

7 グッグルー Commiphora mukul Indian bdellium tree 欧米で減肥抗関節炎女性ホルモン作用抗凝固作用を期待して頻用されている樹脂を薬用に供す伝統的には種々の関節障害に用いられてきた抗炎症抗高脂血症減肥作用女性ホルモン作用抗血小板作用 ( 抗凝固作用 ) で頻用されている花粉症鼻炎肥満などに欧米では人気がある

8 グッグルノラクトン SJW PXR( プレグナン X 受容体 ) は異物センサーとして機能し異物を代謝するシトクロム P450(CytP450) を誘導する

9 セントジョーンズワートと同じようにグッグルーフォルスコリンに新薬との薬物相互作用がある機序 :1P 糖タンパク質の発現増加 ( 小腸粘膜 ):SJW のみ 2CYP3A4 活性誘導 ( 小腸粘膜 ):PXR に結合して長期服用により免疫抑制剤サイクロスポリン強心剤ジゴキシン抗 HIV 薬インジナビル気管支拡張剤テオフィリン抗凝固剤ワ - ファリン女性ホルモン剤エチニルエストラジオール高脂血症薬シンバスタチンの血中濃度を 25-50% 減少させる = 薬が効かない!!

10 アーユルヴェーダ食品 & 薬草の安全性 1 薬物相互作用 : グッグルーフォルスコリン : 核内 PXR のリガンド Cyp3A4 を誘導種々の薬の効果を減弱させる 2 重金属や農薬による汚染 : ネット販売薬品の 20% が Pb,Hg,As Kd に汚染 (Saper et al.:jama 2004;292: ) 内閣府認証 NPO 法人日本アーユルヴェーダ協会による認証制度の普及が必要

11 アムラはアーユルヴェーダの薬草の中で強力な若返り剤 ( ラサーヤナ ) アムラ, アーマラキー (Emblica officinalis L.) 11 11

12 アムラの特徴 ( 内服 & 外用で有用 ) アムラ (Emblica officinalis L.) は代表的なアーユルヴェーダの薬草且つ食品として時代と場所を超えて利用されてきたアムラは 3 つのドーシャ特にピッタ ( 火のエネルギー ) を鎮静化させ血液骨肝臓心臓に対するラサーヤナとして知られ精力増進 & 強壮疲労回復制吐緩下作用などが期待されている現代医学的にも抗高脂血症作用抗ガン作用肝庇護作用血糖低下作用免疫調節作用消化促進抗酸化作用抗炎症 & 解熱作用抗放射線作用など幅広い活性が報告 12

13 アムラはマウス脳を放射能による生化学的損傷から保護する 5Gy g 線照射前のアムラ抽出物経口投与によるスイスアルビノ系マウス脳における酵素活性及び生化学的活性の変化を調査した照射群では血清酸性ホスファターゼ活性値が通常群に比べ有意に高値を示したしかし照射前にアムラを経口投与した群では投与してない群に比べすべての剖検において血清酸性ホスファターゼ活性が有意に低下し投与から 20 日目までには正常値に達した血清アルカリホスファターゼ活性は照射両群において著しい低下を示したがアムラ投与群では蛋白およびコレステロールレベルの上昇が観察されたさらにアムラ投与により脳における脂質過酸化が抑制されグルタチオンレベルが上昇した Inder S, Abhilasha S, Archana J, Dhanraj S, PK G. Fruit extract of emblica officinalis (amla) protects radiation induced biochemical lesions in the brain of swiss albino mice. Annals of Neurosciences, Vol 13, No 3 (2006) 13

14 アムラエキスによる食中毒菌増殖阻止円 A B E D C D F F C E A B Bacillus Licheniformis Lactobacillus acidophilus D C B A A=3mg/100μl: B= 6mg/100μl: C= 12mg/100μl: D= 24mg/100μl: E & F= negative controls H 2 O & 50% methanol 14 A B E F --ve Control Staphylococcus aureus Bacillus megaterium B C アムラエキス中のポリフェノールが有効成分と推定

15 アムラの外用法 ( エビデンスはない ) 眼疾患などに使用 : 就寝前に実を水につけおき翌朝その水で洗眼するとよいとかアムラと蜂蜜と混ぜて毎日飲めば視力回復を助け緑内障にもよいといわれている頭部のトリートメント : 実を水に浸けてレモン汁を混ぜたりヘナトリートメントに用いて髪と頭皮をマッサージすれば白髪予防になるという外用に用いる場合は品質をあまり問われないが経皮吸収は確実に起きるであろう 15

16 アムラの品質と標準化の必要性アムラにも品質の良し悪しが存在する特に抗酸化成分のポリフェノールやビタミン C 含量の多少や農薬の汚染の有無などのちがいが品質を変えるであろう雑貨として輸入されている物は農薬や重金属の汚染の危険性がある外用であればと安心されているが経皮吸収は大きくヒ素などの重金属が薬用オイルにも含有されていることはイナムラ先生も報告 16

17 研究の方法 17

18 方法アムラ食酢やアムラ入り大人のパンなどに含有されているアムラエキスについて以下を分析ポリフェノール含量 UV 法 (BML 社 ) ビタミン C 含量重金属含量細菌数 HPLC 法原子吸光法プレート培養法 18

19 アムラ食酢 ( 有機アムラ使用 :NPO 日本アーユルヴェーダ協会認証商品 ) 原材料 : リンゴ酢アムラ果汁粉末酸度 :4.2% 昆布甘味の強いふじだけをまるごと使い長期 ( 6 ヶ月以上 ) 熟成しま伝統的な醸造方法で完成した酢です北海道南かやべ町はここの海の環境がおいしい昆布を育てますかごの目に似ていることからがごめ昆布とされ特に粘りが強くアルギン酸フコダインが豊富なぬめりの強い昆布です 19

20 アムラを使った大人のパン ( アムラとレスベラトロール入り )

21 研究の結果 21

22 結果認定有機加工食品アムラエキス ( 日本アーユルヴェーダ協会認定商品 ) [Certification No.7404IN000zle(JP)] 農林省有機認定商品ポリフェノール含量 30.9%W/W 以上 (UV 法 ) ビタミンC 含量 5.2%W/W 以上 (HPLC 法 ) 重金属含量 ( 原子吸光法 ) 重金属全体 <10ppm, 鉛 <1ppm 水銀 <0.5ppm, ヒ素 <0.5ppm, カドニミウム, <1ppm) 総菌数 <1000cfu/gm 酵母 <100cfu/gm 大腸菌検出せずサルモネラ検出せず市場品のアムラ (A 社エキス ) 総ポリフェノール 23.9%W/W(UV 法 ) BML 社アムラ食酢 ( 日本アーユルヴェーダ協会認定商品 ) 総ポリフェノール 0.9%W/W(UV 法 ) BML 社アムラ入りパン ( 大人のパン ) 総ポリフェノール 0.2%W/W(UV 法 ) BML 社レスベラトロール ( ワインのポリフェノール ) 30mg/1 個 (HPLC 法 ) 人体での有効量

23 認定有機加工食品アムラエキスアムラの栽培農場 ( 無農薬 ) 23

24 アムラは 3 つのドーシャ特にピッタを鎮静化ヴァータ (V) ( 風のエネルキー : 運動 ) P,K V 特に P 鎮静アムラ 3 つのバランス ( 健康状態 ) ピッタ (P) ( 火のエネルキー : 代謝 ) カパ (K) ( 水のエネルキー : 構造維持 )

25 アムラ食酢 ( ピッタ鎮静とアグニ増進作用アムラ酢愛用者の体験談 ) による夏バテ予防効果番号性別年齢地域愛飲期間食し方届いた顧客の体験談 1 男 63 神奈川 4 か月 2 女 40 茨城 4 か月酢の物 3 女 38 東京 4 か月サラダ酢のものニンニク酢愛用していたがアムラ酢に切り替え夏バテしないで猛暑が乗り切れたサワートリンクサラダ 4 男 75 東京 4 か月酢の物 5 女 80 東京 3 か月 6 女 72 静岡 3 か月 7 女 32 千葉 3 か月サラダ酢のものリンゴ酢愛用放射能が気になり子供の安全対策に節電の暑さを健康で過ごせた放射能が心配でクッキングフェアで購入家族全員でサワードリンクでさっぱりと味で美味しい子供の寝つきが良くなった孫の放射能対策夏場の体調が良かったまた毎月の検診で血圧が下がる傾向夏バテにならなかった夜良く眠れた味も良かったサラダ酢のものリンゴ酢を愛用していたが夏場の節電による猛暑対策で夏風邪も引かず健康でこの夏が乗り切れたサワートリンクサラダ 8 女 51 山梨 3 か月酢の物 9 男 60 埼玉 3 か月酢の物 10 男 57 栃木 3 か月サラダ酢のもの子供の放射能が心配でクッキングフェアで見つけて購入冷房病が改善された感じ子供の寝つきが良くなったカキ酢愛用夏場対策にアムラ酢を使用香りも良く口当たりもいい体調が良くなった感じと夜良く眠れた退職し健康管理の目的で使っているが血圧が低下傾向体調も良く元気が増した様食し易かった三か月毎の定期検査で中性脂肪の減少傾向が窺われさらに経過を観察したい 25

26 考察と結論 26

27 考察と結論アーユルヴェーダの代表的薬草であるアムラの安全性や有用性を担保するデータを明確にしながらアムラを活用することで日本でのアーユルヴェーダの健全な普及が可能になるであろう NPO 法人日本アーユルヴェーダ協会の目的をご理解ください 27

28 内閣府認証 NPO 法人日本アーユルヴェーダ協会アーユルヴェーダ商品の認定制度商品の安全性を担保 28

アーユルヴェーダの統合的なアプローチ内治食事療法薬剤内服不内外治 ( 運動呼吸ヨーカ気功 ) ツボ外治人体筋肉皮膚消化管粘膜免疫皮膚免疫 1 鍼灸マッサージ 2 オイルマッサージ 3 温泉薬浴 4 滴油療法

アーユルヴェーダの統合的なアプローチ内治食事療法薬剤内服不内外治 ( 運動呼吸ヨーカ気功 ) ツボ外治人体筋肉皮膚消化管粘膜免疫皮膚免疫 1 鍼灸マッサージ 2 オイルマッサージ 3 温泉薬浴 4 滴油療法 K鎮各種ハーブが 3 つのエネルギーをバランスさせるグッグルーVニームP,K鎮P,K V 特に P 鎮静ヴァータ (V) ( 風のエネルキー : 運動 ) ( 健康状態 ) 静トゥルシーグッグルーV, KK鎮鎮静トゥルシー静ニームP3 つのバランス静アムラピッタ (P) ( 火のエネルキー : 代謝 ) カパ (K) ( 水のエネルキー : 構造維持 ) アーユルヴェーダの統合的なアプローチ