副腎皮質ホルモンの副作用

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あきみさかど
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1 ステロイド ( 副腎皮質ホルモン ) の飲み薬についてステロイドは腎臓 ( じんぞう )

で作られるホルモンのうち, 糖質コルチコイドという成分を合成した薬です炎症をしずめ,

注射, 塗り薬, 吸入薬などがありますが, ここでは飲み薬の副作用について説明します

副作用の出方は少しずつことなりますが, 気をつけなくてはいけない副作用はほぼ同じです

1 1 ステロイド ( 副腎皮質ホルモン ) の飲み薬についてステロイドは腎臓 ( じんぞう ) の上にある副腎皮質 ( ふくじんひし腎臓の上に乗っている小さな臓器が副腎ですつ ) で作られるホルモンのうち, 糖質コルチコイドという成分を合成した薬です炎症をしずめ, アレルギーや免疫を抑える効果があり, 膠原病 ( 関節リウマチ, 全身性エリテマトーデスなど ), 気管支喘息, 肺炎, 腎臓病, 皮膚病, アレルギー疾患などさまざまな病気の治療薬として使われていますステロイドには, 飲み薬, 注射, 塗り薬, 吸入薬などがありますが, ここでは飲み薬の副作用について説明しますステロイドの飲み薬にもたくさんの種類があります種類によって, 効果の持続時間や, 副作用の出方は少しずつことなりますが, 気をつけなくてはいけない副作用はほぼ同じです副腎皮質ホルモンの薬 ( 商品名 ) プレドニゾロン=プレドニン=プレドハンメドロール=メチルプレドニゾロンデカドロン=デキサメサゾンリンデロン=リネステロン=ベタメタゾンコートリルコートンフロリネフレダコート代表な薬プレドニゾロン 10 以上の製薬会社から販売されており, プレドニン, プレロンなど商品名は様々です 1 錠に含まれている成分の量が異なる 3 つの製剤 5mg 錠,2.5mg 錠,1mg 錠がありますメチルプレドニゾロン代表的な商品名はメドロールで,4mg 錠と 2mg よく似た血圧の薬がありますご注意下さい錠があります

2 あなたの薬内服開始日年月日薬の名前錠剤の飲み方 1 日量 1 朝 ( ) 昼 ( ) 夕 ( ) mg 2 朝 ( ) 昼 ( ) 夕 ( ) mg 1 日に内服する薬の量少量, 中等量, 大量の 3 つに分けて副作用を考えます少量中等量大量 : 自分の体重と同じ数字 ( 前後 ) プレドニゾロン 10~15 mg以下 15~30 mg体重 50kg の人なら 50 mg メドロール

2 2 あなたの薬内服開始日年月日薬の名前錠剤の飲み方 1 日量 1 朝 ( ) 昼 ( ) 夕 ( ) mg 2 朝 ( ) 昼 ( ) 夕 ( ) mg 1 日に内服する薬の量少量, 中等量, 大量の 3 つに分けて副作用を考えます少量中等量大量 : 自分の体重と同じ数字 ( 前後 ) プレドニゾロン 10~15 mg以下 15~30 mg体重 50kg の人なら 50 mg メドロール 8~12 mg以下 12~24 mg 40 mg ステロイドの主な副作用とその対策副作用は, どの位の量を飲むか, どの位の期間飲むかによって違います少量の場合や短期間の場合はそれほど心配いりませんしかし量が多い場合, 長く飲み続ける場合は副作用に注意が必要です副作用がない薬はありません食べ物や運動, 生活習慣の改善で良くなると一番良いのですが, 病気を良くするために薬が必要なこともしばしばあります薬の効果と副作用を理解して, 病気を良くしていきましょう

3 主な副作用の説明 1) 感染症細菌, ウイルス, 真菌などの感染症は最も重要な副作用の一つです感染症にかかりやすくなったり, 感染が治りにくくなったりします

感染予防のために入院したり, 予防のために薬を飲んだりすることがありますバクタ配合錠熱, 発疹, 頭痛などの副作用が出ることがありますが,

身体の左右どちらか一方にピリピリ刺すような痛みが続き, しばらくすると赤いぽつぽつが出てくる病気ですこのぽつぽつが増えていくと帯状になること,

早期に服用を開始するほど効果が期待できます帯状疱疹かな, と思ったらできる限り早くご相談ください左背中の赤いぽつぽつですかかりやすい人高齢者 (50 歳以上

元気だと思っていてもかかることがあります ) https://deutschlandtomo.wordpress.

3 3 主な副作用の説明 1) 感染症細菌, ウイルス, 真菌などの感染症は最も重要な副作用の一つです感染症にかかりやすくなったり, 感染が治りにくくなったりします日常生活では手洗いとうがい, マスクの着用などを行うとともに, 不必要な人混みへの外出を避け, 感染症を予防しましょう内服量が大量の場合は, 感染予防のために入院したり, 予防のために薬を飲んだりすることがありますバクタ配合錠熱, 発疹, 頭痛などの副作用が出ることがありますが, ニューモシスチス肺炎の予防に有効な薬です 1 日 1 回毎日, または 1 日 1~2 回 1 日毎に内服します帯状疱疹 ( たいじょうほうしん ) に注意! 身体の左右どちらか一方にピリピリ刺すような痛みが続き, しばらくすると赤いぽつぽつが出てくる病気ですこのぽつぽつが増えていくと帯状になること, よく見ると中に水が溜まっていることから帯状疱疹という病名がつけられました原因はヘルペスウイルスの一種水痘帯状疱疹ウイルスです抗ヘルペスウイルス薬は早期に服用を開始するほど効果が期待できます帯状疱疹かな, と思ったらできる限り早くご相談ください左背中の赤いぽつぽつですかかりやすい人高齢者 (50 歳以上 ) 女性過労やストレスなどで体力が低下している人糖尿病 ( 高血糖が続いているとき ) 副腎皮質ホルモンや抗がん剤などを内服中で免疫力が低下している人 ( 元気だと思っていてもかかることがあります ) 6%B9/ 2) 高血糖副腎皮質ホルモンにはインスリンの作用を抑え, 血糖値を上げる作用があります甘いものや果物を食べすぎないようにしてください糖尿病の持病がある方は血糖コントロールが悪くなりやすいので特に注意が必要です

4 3) 高血圧副腎皮質ホルモン開始後 1~4 週間で少しずつ血圧が上昇し, 減量すると元に戻ることが多いです高血圧が続く場合は, 降圧薬を始めたり, 増量したりする必要があります 4) 骨粗しょう症骨粗鬆症は, 骨量が減って骨が弱くなり骨折しやすくなる病気で, 長期間 (3 カ月以上 )

胴体などの脂肪が多くなり, 手足などの四肢の脂肪は少なくなりますこれを中心性肥満といいます肩甲骨の間に脂肪がたまるとこぶのように見えることがありますこれらの症状は薬を減量すれば治ります 6) コレステロールの上昇, 脂質異常症 ( 高脂血症 ) 脂質異常症とは, コレステロールや中性脂肪などの,

4 4 3) 高血圧副腎皮質ホルモン開始後 1~4 週間で少しずつ血圧が上昇し, 減量すると元に戻ることが多いです高血圧が続く場合は, 降圧薬を始めたり, 増量したりする必要があります 4) 骨粗しょう症骨粗鬆症は, 骨量が減って骨が弱くなり骨折しやすくなる病気で, 長期間 (3 カ月以上 ) 副腎皮質ホルモンを服用する場合, 注意すべき副作用の一つです骨粗鬆症の治療予防薬を内服する場合もあります 5) 太りやすい, 肥満, 満月顔貌 ( ムーンフェイス ), 脂肪の沈着食欲を増加させる作用もありますので, 体重が増えないよう食事管理は非常に重要ですホルモンの作用で顔, 首まわり, 肩, 胴体などの脂肪が多くなり, 手足などの四肢の脂肪は少なくなりますこれを中心性肥満といいます肩甲骨の間に脂肪がたまるとこぶのように見えることがありますこれらの症状は薬を減量すれば治ります 6) コレステロールの上昇, 脂質異常症 ( 高脂血症 ) 脂質異常症とは, コレステロールや中性脂肪などの, 血中の脂肪成分が増えてくる状態をいいます程度が軽ければ食事療法をおこない, 重い場合は薬物療法が必要になります 7) 胃腸の症状ステロイド薬を長期間服用すると, 胃や十二指腸に潰瘍ができたり, 以前あった潰瘍を再発したりすることがあります暴飲暴食を避け, 喫煙をしないことなどが大切です便秘気味になることも多いので, 食事を工夫したり, 便を軟らかくする薬を試してみたりして下さい

5 8) 白内障, 緑内障ステロイド薬を長期間に大量に服用すると, ステロイド白内障が起こる場合があります白内障とは, 目の水晶体がくもって, 物が見えにくくなる病気です

目のチェックをしてもらうことをおすすめしますかかりつけの眼科医院がない場合は, 外来でご相談下さい 9) 精神症状ホルモンの影響で精神状態に変化が起こることがあります

睡眠導入薬や向精神薬などを使用することがあります 10) 筋力低下副腎皮質ホルモンのたんぱく異化作用によって, 筋肉の細胞成分が分解され, 筋肉細胞が線維化する病態です

のステロイドを服用している場合に多くみられ, 減量とともに改善するのが一般的です 11) 骨壊死症骨の末端部の細胞が死んで, 組織が壊れてしまうもので,

5 5 8) 白内障, 緑内障ステロイド薬を長期間に大量に服用すると, ステロイド白内障が起こる場合があります白内障とは, 目の水晶体がくもって, 物が見えにくくなる病気です緑内障とは, 眼圧が高くなって視神経を圧迫し, 視野が狭くなって失明に至る危険な病気です副腎皮質ホルモン服用中は, 定期的に眼科を受診して, 目のチェックをしてもらうことをおすすめしますかかりつけの眼科医院がない場合は, 外来でご相談下さい 9) 精神症状ホルモンの影響で精神状態に変化が起こることがあります最も多いのは不眠 ( 寝つきが悪くなる ) ですまた, 気分が高揚したり, 逆に落ち込んだりすることもあります一過性のもので, いずれは消えますが, 睡眠導入薬や向精神薬などを使用することがあります 10) 筋力低下副腎皮質ホルモンのたんぱく異化作用によって, 筋肉の細胞成分が分解され, 筋肉細胞が線維化する病態です腰や脚の筋肉に力が入らず, 階段の上りがつらくなるといった症状が現れます中等量以上 ( プレドニゾロンで 1 日 20mg 以上 ) のステロイドを服用している場合に多くみられ, 減量とともに改善するのが一般的です 11) 骨壊死症骨の末端部の細胞が死んで, 組織が壊れてしまうもので, 治療期間が長いほど起こりやすくなります起こりやすい部位は大腿骨頭, 下腿の両端, 足など体重がかかる部位です大腿骨頭壊死の場合は, 股関節が痛むので気づきやすいといえます一方, ひざの痛みではなかなか気づくことはできません予防は困難ですが, 早期に診断し (MRI 検査により早く, 正確に診断できま

6 す ), できるだけ股関節に体重をかけないようにすることなどが大切です 12) その他にきび, 肌荒れ, 毛深くなる, 頭髪の脱毛, 生理不順副腎不全とステロイド離脱症候群長期間ステロイドを服用していると, 副腎は萎縮してステロイドをつくる力が弱くなってしまいますこの状態でステロイドを急にやめてし

長期に服用中のステロイドを急にやめることは決してしないでください食欲不振や嘔吐などで副腎皮質ホルモンを飲めないときは必ず医療機関に連絡して下さい副腎皮質ホルモンの減量 3 週間以上副腎皮質ホルモンを内服した時は, 離脱症状が起こらないようにゆっくり減量します減量の基本は 2~4 週間で 1 割減らす

6 6 す ), できるだけ股関節に体重をかけないようにすることなどが大切です 12) その他にきび, 肌荒れ, 毛深くなる, 頭髪の脱毛, 生理不順副腎不全とステロイド離脱症候群長期間ステロイドを服用していると, 副腎は萎縮してステロイドをつくる力が弱くなってしまいますこの状態でステロイドを急にやめてし副腎不全ステロイド離脱症候群で起こる症状倦怠感関節痛筋肉痛食欲不振悪心低血圧ショック低血糖, 嘔吐, 下痢, 発熱命に関わる症状が出現しますまうと, 本来, 副腎からつくられるステロイドがないために, 低血糖, ショック, 下痢, 発熱などの命にかかわる症状が起こる可能性があります長期に服用中のステロイドを急にやめることは決してしないでください食欲不振や嘔吐などで副腎皮質ホルモンを飲めないときは必ず医療機関に連絡して下さい副腎皮質ホルモンの減量 3 週間以上副腎皮質ホルモンを内服した時は, 離脱症状が起こらないようにゆっくり減量します減量の基本は 2~4 週間で 1 割減らすですが, 病気の状態や副作用の有無によって異なります副腎皮質ホルモンには注意すべき副作用が多くあり, 避けて通ることができませんしかし, 副作用を少なくすること, 起こったら対策を立てることができます気になることがありましたら, ささいなことでも医師や看護師, 薬剤師にご相談ください説明年月日 2018 年月日

副腎皮質ホルモンの副作用

副腎皮質ホルモンの副作用 1 ステロイド ( 副腎皮質ホルモン ) の飲み薬についてステロイドは腎臓 ( じんぞう ) の上にある副腎皮質 ( ふくじんひし腎臓の上に乗っている小さな臓器が副腎ですつ ) で作られるホルモンのうち, 糖質コルチコイドという成分を合成した薬です炎症やアレルギーを抑える効果があり, 膠原病 ( 関節リウマチ, 全身性エリテマトーデスなど ), 気管支喘息, 肺炎, 腎臓病, 皮膚病, アレルギー疾患などさまざまな病気の治療薬として使われています