感覚細胞 網膜 retina の模式図 光 脳へ 神経節細胞 介在神経 光受容体細胞 人の網膜 薄明では 109個 網膜周辺部に分布 形だけ 6 錐体細胞 色の識別 3x10 個 色は認識 Cone cell 感度は低い 網膜中心部に分布 できない 桿体細胞 明暗のみ Rod cell 感度は高い

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1 10 章分化細胞の機能と構造 2

2 感覚細胞 網膜 retina の模式図 光 脳へ 神経節細胞 介在神経 光受容体細胞 人の網膜 薄明では 109個 網膜周辺部に分布 形だけ 6 錐体細胞 色の識別 3x10 個 色は認識 Cone cell 感度は低い 網膜中心部に分布 できない 桿体細胞 明暗のみ Rod cell 感度は高い 色素上皮細胞

3 光受容細胞 錐体細胞外節 赤緑青 細胞膜と円盤が一つながり興奮するには百光子 (photon) 以上が必要 3 種の錐体細胞がある 3 種類のヨードプシン (Iodopsin) によるレチナール部は共通結合しているオプシンが異なる 色覚 色盲光吸収分子に関連した X 染色体上の遺伝子の劣性突然変異 1 種の光受容体の欠損 変異赤色色盲 = 男性の約 1% 緑色色盲 = 男性の約 2% 桿体細胞外節 約 4000 万分子が 1 桿体中に存在 = 80% はロドプシン 光受容タンパク質ロドプシン rhodopsin レチナール 細胞膜と円盤は離れている興奮するには 1 光子が必要 ビタミン A 欠乏 オプシン + 夜盲症 night blindness ロドプシン オプシン

4 抑制性伝達物質 放出 光受容による抑制性神経伝達 暗所 脱分極 興奮状態 明所 過分極 抑制性伝達物質の放出抑制 Na-K pump Na-K pump 次の細胞の興奮 電気回路 チャンネル開く チャンネル閉じる cgmp 高濃度 cgmp 低濃度

5 咽頭腺胸腺小腸虫垂 首の付け根の静脈 毛細血管 扁桃腺胸管 リンパ節 リンパ管リンパ節脾臓 血しょう 組織液 リンパ系咽頭腺扁桃腺胸腺小腸脾臓虫垂リンパ節 個体 ( 動物 ) 感染 リンパ球 免疫 immunity ウイルス細菌菌類原生動物 血球系 骨髄 外来の粒子化学物質タンパク質炭水化物等 癌細胞 移植された組織 成人では約 2 x 個のリンパ球が存在体重の 1% に相当する

6 リンパ球の名前の由来 B リンパ球は鳥類で良く調べられている 移動 ファブリギウス嚢 bursa of Fabricius B リンパ球 (B 細胞 ) の機能 免疫グロブリン immunoglobulin (Ig) の産生と体液中への放出 免疫系の液性応答 humoral response 骨髄 bone marrow 移動 抗体 antibody 血しょうのタンパク質の約 20% 10 7 種類 ( ヒトの場合 ) 一つの B 細胞は一種類の抗体のみ産生すなわち 10 7 種類の B 細胞が存在する 胸腺 thymus gland T リンパ球 (T 細胞 ) の機能 外来の細菌やウイルスに感染した細胞を直接接触して攻撃し殺す 免疫系の細胞応答 cell-mediated response

7 抗原決定基 epitope B 細胞抗体の構造 軽鎖 可変域不変域 220 残基 重鎖 440 残基 蝶番 可変域 10 7 種類 不変域 Fc 領域 Fc は抗体のクラスによって異なるクラス : 重鎖を構成するタンパク質の種類により分類される クラス 重鎖 軽鎖 IgA α κλ IgD δ κλ IgE ε κλ IgG γ κλ IgM μ κλ

8 Fc 不変部分である Fc 領域はそれぞれの抗体のタイプによって異なり異なった機能を与える 各種抗体の機能 1 マクロファージ樹状細胞 IgG Fc は補体 complement と結合し 樹状細胞やマクロファージに認識される 補体 complement IgG 9 種類 (C1 C9) 相互作用のカスケードが誘導され微生物を崩壊させる IgA Fc は上皮細胞の表面にある受容体によって認識される 受容体媒介エンドサイトーシス 上皮細胞に一旦取込まれる 上皮細胞の分泌物唾液ミルク涙粘液とともに細胞外へ放出

9 各種抗体の機能 2 IgE IgM IgD 抗原が結合好塩基球 basophil 肥満細胞 mast cell 各表面の受容体に結合 アミン類 ( ヒスタミンなど ) を放出させる 血管の膨張 血流が増加 抗原に対する一次応答の初期に産生される ( 胎児期 ) IgM 抗体の産生は 次第に IgG 抗体の産生で置き換えられる Fc 領域で静止 B リンパ球 ( 抗体非産生 ) に結合している 喘息をおこすアレルギー反応 IgD クラスの抗体の機能はまだ良く判っていない 抗体産生の誘導にかかわるとも云われている

10 Bリンパ球の起源 骨髄 増殖と多様化 107種類のクローンの存在 少量の抗体産生 細胞表面に提示 多くは活性化されずに死ぬ 抗原が結合 特異的抗体を持つ細胞が活性化 クローン選択説 Clonal selection theory (Frank M. Burnet, 1957) 特定のクローン が選択された 一次応答 Primary response 細胞増殖 活性形のB細胞 小胞体の発達 抗体産生が盛ん

11 予め準備された細胞の多くは活性化されずに死ぬ 記憶細胞 形質細胞 Plasma cell 記憶細胞 Memory cell 1 次応答の後抗原の除去により死滅する 一次応答器官骨髄胸腺 二次応答器官 増殖大きな細胞集団を形成 リンパ節 2 次応答 脾臓粘膜組織 抗体産生抗体産生抗体産生抗体産生 形質細胞 Plasma cell 多量の活性化 B 細胞 記憶細胞 Memory cell 2 次応答は速やかで強い反応となる

12 抗原 X をマウスに注射 形質転換した B 細胞 モノクローナル抗体 抗原認識は高度特異性をもつ B 細胞を取り出し培養 ( 数日で死んでしまう ) 細胞融合 癌細胞骨髄腫 myeloma 抗体は非常に重要なツール寿命無しただし 選択培地中では死滅する 抗生物質で培養 雑種細胞 hybridoma 寿命無し 雑種細胞だけが生き残る 抗生物質耐性 個別に培養 抗体産生細胞を選別

13 病原体 pathogens 自然免疫 Innate immunity 獲得免疫 Acquired immunity 微生物などの進化的に離れた異質の生物を排除するあらゆる生物がもつしくみ 自然免疫で記憶された 形 ( アミノ酸配列 ) に基づいて免疫応答をすること脊椎動物のみに見られるしくみ 自然免疫と獲得免疫 抗原の情報 = 抗原決定基 橋渡しをする分子 主要組織適合性複合体 Major Histocompatibility Complex T 細胞に伝えられる

14 樹状細胞 dendritic cell 病原体 食作用により病原体を殺傷しその情報を提示する 皮膚 樹状細胞 感染部位 感染 食作用 外来性アミノ酸配列 エンドソームにおいて消化 主要組織適合性複合体 (MHC) 小胞体 小胞輸送 小胞輸送 ゴルジ体 樹状細胞 活性化樹状細胞 リンパ節へ移動し T 細胞に情報を渡す

15 リンパ節 主要組織適合性複合体 外来性配列 T 細胞受容体 (TCR) T Cell Receptor Class I MHC TCR 外来性配列 活性化樹状細胞 主要組織適合性複合体 (MHC) T 細胞 Class II MHC 結合 Class I MHC 活性化 1 細胞傷害性 T 細胞 cytotoxic T cell T 細胞 Class II MHC 活性化 2 ヘルパー T 細胞 helper T cell 3 サプレッサー T 細胞 suppressor T cell

16 1 細胞傷害性 T 細胞 cytotoxic T cell 細胞障害性 T 細胞 = Killer T 感染した細胞を殺す 感染に対する防御 パーフォリン依存性 perforin リング状の重合体を形成 polyperforin 一群のセリンプロテアーゼ 細胞を破壊する Fas 依存性 アポトーシス経路により細胞を破壊

17 2 ヘルパー T 細胞 helper T cell ヘルパー T 細胞 サイトカイン Cytokine を放出 インターロイキン 2 interleukin 2 (IL2) すでに活性化した T 細胞に結合し増殖を促進 T 細胞は無限に増殖する 免疫細胞がお互いに情報を伝えるためのタンパク質 30 種類以上が知られているリンパ球により放出されるものをリンホカイン lymphokine とも呼ぶ 細胞障害性 T 細胞 ヘルパー T 細胞 サプレッサー T 細胞が増えることになる ケモカイン chemokine を放出 分子量がサイトカインよりもやや小さい約 30 種類が知られている細胞の移動の方向性を与える走化性因子また走化性を継続させる マクロファージ遊走阻止因子 macrophage migration inhibition factor (MIF) このケモカインを放出するヘルパー T 細胞の周りにマクロファージが集まるまた マクロファージを活性化する

18 3 サプレッサー T 細胞 suppressor T cell サプレッサー T 細胞および NK 細胞 サプレッサー T 細胞が活性化 B 細胞 T 細胞細胞障害性 T 細胞ヘルパー T 細胞ヘルパー T 細胞に助けられて始めて機能 活動を抑制 ナチュラルキラー細胞 Natural killer cell (NK cell) 癌細胞とウィルス感染細胞に付着して それらを殺す 1970 年代中頃になって同定されたリンパ球 殺傷能力は高く多くの細胞内顆粒を有する NK 新たに生じる癌細胞に対して免疫監視 感染情報の記憶を必要としない生まれつきのキラー細胞 自然免疫 Class I MHC を発現していない細胞を標的とする 癌細胞はこの分子を発現していない自己でありながら非自己の特徴をもつのが癌細胞

19 外来性配列 発生の間 細胞 自身の構成成分 自己と非自己の認識 Class I MHC 強固に結合 TCR 胎児に存在する抗原 内在配列 免疫 自己対非自己の認識 後天的免疫寛容 aquired immunological tolerance 出産時あたりに獲得 自己と認識 この機構は未だ不明である T 細胞側が結合が弱い 寛容が起こらない場合 自己免疫疾患 autoimmune disease 自己免疫反応 autoimmune reaction 重症筋無力症 myasthenia gravis アセチルコリン受容体に対する抗体産生 神経刺激に対する骨格筋細胞が応答できない状態 筋萎縮 麻痺状態 死に至る

20 ヘルパー T 細胞と他の免疫系細胞の連携 B 細胞抗原決定基 自然免疫 B 細胞由来活性化樹状細胞 = 抗原提示細胞 獲得免疫 Th1 細胞 T cell helper1 T 細胞抗原決定基 エンドソームにおいて消化 Class II MHC Th2 細胞 T cell helper2 Th2 Th1 インターロイキン Class I MHC サイトカイン MHC を持たない癌細胞 を殺傷 サイトカイン B 細胞 B NK ウイルス感染細胞癌細胞 サイトカイン Mφ 分裂 活性化 Tc マクロファージ病原体の取り込み病原体の殺傷 B 細胞 B B 細胞 B NK 細胞やキラー T 細胞を活性化 感染細胞を殺傷 IgE アレルギー反応 IgG

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