第一章権利関係 (14 問 : 目標 9 点 ) 1-1 契約の成立 ( ) 契約とは 申込み と 承諾 という 意思表示 が合致することによって成立します 試験で直接問われることは少ないので 基本の基本として覚えておいてください Point 契約の種類 契約各当事者がお互いに債務を負担するか双務契

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1 宅建かんたん合格パック特典 虫食いインプリ ~ 上級者向けですので 通常のインプリである程度の知識を得た後にご活用ください ~ ( プリントアウトしてからのご使用をおすすめします ) 1

2 第一章権利関係 (14 問 : 目標 9 点 ) 1-1 契約の成立 ( ) 契約とは 申込み と 承諾 という 意思表示 が合致することによって成立します 試験で直接問われることは少ないので 基本の基本として覚えておいてください Point 契約の種類 契約各当事者がお互いに債務を負担するか双務契約 : 売買 賃貸借 請負 有償委任など片務契約 : 贈与 無償委任など 契約各当事者がお互いに対価を要するか有償契約 : 売買 賃貸借 請負 有償委任など無償契約 : 贈与 無償委任など 当事者の意思表示のみで成立するか 物の引渡しも要するか諾成契約 : 売買 賃貸借 請負 委任 贈与など要物契約 : 宅建試験では出題はないでしょう ( 消費貸借 使用貸借など ) 1. 売買契約は 売主と買主の契約をしようという [ 意思表示 ] が一致すれば成立する!( 書面不要 ) 2.[ 公序良俗 ] に反する内容の契約は 無効である! 3.[ 意思能力 ] がない状態でした契約は 無効である! 4. 承諾の通知を申込み者に [ 発した ] ときに 契約は成立する! 5. 承諾期間を定めた申込みは [ その期間内 ] は申込みを取り消すことができない! 6. 定められた承諾期間を過ぎた後の承諾は [ 新たな申込み ] とみなされる! 7. 当事者の [ 合意 ] がある場合は 承諾の通知を発しなくても契約は成立する! 8. 契約締結費用は 当事者が [ 平分 ] して負担する! 公序良俗に反する = 反社会性を帯びた行為 ( 賭博 人を殺す契約など ) 意思能力 = 行為の結果を弁識できるだけの精神能力 (7~10 才程度の能力 ) 平成 18 年度出題 : 契約締結交渉中であり 契約締結に至っていない準備段階であっても 当事者の一方が契約交渉を打ち切った場合 具体的な事情によっては損害賠償責任を負うことがあります 2

3 1-2 意思表示 ( ) ものすごく重要です 複数の人物が登場する問題が多いので 混乱しないように図を書いて考えましょう 取消し は主張して初めて契約がなかったことになり 無効 は何も言わなくても当然に契約がなかったことになります Point 詐欺による契約の取消しは 善意の第三者に対抗することができない! 強迫による契約の取消しは 善意の第三者に対抗することができる! 錯誤無効は 善意の第三者に対抗することができる! 1. 詐欺による取消しは 取消前に利害関係をもった [ 善意 ] の第三者に対抗することができない! 2. 強迫による取消しは [ 取消前 ] に利害関係をもった善意の第三者に対抗することができる! 3. 第三者が詐欺をした場合 本人は 相手方が [ 悪意 ] の場合のみ取り消すことができる! 4. 第三者が強迫をした場合 本人は 相手方の [ 善意悪意 ] に関わらず取り消すことができる! 5. 錯誤による無効は [ 善意 ] の第三者にも対抗することができる!(= 通説 ) ( 第三者を保護するべきという有力説もあります 96 条 3 項詐欺の取り消しを類推適用?) 6. 要素の錯誤は無効だが 表意者に [ 重過失 ] があるときは 無効を主張することができない! 7. 錯誤無効を主張することができるのは 原則として [ 表意者 ] のみである! ( 例外 : 表意者が認めているとき ) 8. 動機の錯誤は原則的に無効とはならず その動機が相手方に [ 表示 ] された場合 ( 明示的 黙示的を問わず ) に意思表示の錯誤が成立することがある! 例 ) 新幹線が通ると言われたからこんな田舎の土地を買ったのに ( これを売主に言ったか?) 9. 心裡留保による意思表示は 相手方が [ 善意無過失 ] のときは有効となる! (= 冗談が通じず 信じてしまった ) 10. 心裡留保による意思表示は 相手方の善意悪意に関わらず [ 有過失 ] のときは無効となる! (= 冗談だと分かっていた または誰がどう見ても冗談だと分かる話を信じた ) 11. 心裡留保が無効となった場合 [ 善意 ] の第三者に無効を主張することはできない! 12. 通謀虚偽表示による契約は [ 無効 ] であるが その無効を善意の第三者に対抗することはできない! 13. 通謀虚偽表示による無効は [ 契約当事者 ] 以外の者も主張することができる! ( 過失があっても主張可 ) 14. 契約を取り消した場合 その効果は [ 契約締結時 ] に遡り失効する 3

4 A 所有の土地が A B C と転売され 登記も完了している場合 A は B にだまされて土地を売ったとしても A の取り消しは善意の C には対抗できない! A は B に強迫されて土地を売った場合 A の取り消しは C が善意でも対抗できる! A が C にだまされて B に土地を売却した場合 B が悪意のとき A はその契約を取り消せる! A がその土地を売却した時に未成年者だった場合 C が善意でも 法定代理人の同意を得ていなかったことを理由にその売買契約を取り消すことができる! B が代金を支払わないので A が契約を解除しても 登記済みの C には対抗できない! AB 間の売買契約が公序良俗違反で無効であるときは C は善意悪意にかかわらず A に対抗できない! C の善意悪意にかかわらず C は登記を備えておけば AB 間で契約が解除されても C は A に対抗できる! AB 間の売買契約が既に解除されていたとしても C は善意悪意にかかわらず 登記を備えれば A に対抗できる! A が本心ではなく B に売却の意思表示をしたとき B が A の真意を知っていたときは A はその意思表示の無効を主張できる! A が B にした売却の意思表示につき 法律行為の要素に錯誤があった場合 A に重大な過失があったとき以外は A はその意思表示の無効を主張できる! A と B が通謀して A 所有地の登記を B に移し ( 通謀虚偽表示 ) その土地を B が C に譲渡した場合 虚偽表示は無効なので B が登記を受けていても A は売買契約の無効を主張できる! 登記を受けていなくても C は善意でさえあれば A に対して所有権を主張できる! B は無権利者なので 登記がなくても C は B に対して所有権を主張できる! A が D にも当該土地を譲渡した場合 C と D では先に登記を備えた方が所有権を取得する! C が更に E に土地を譲渡した場合 E は C の善意悪意にかかわらず E が善意であれば A に対して所有権を主張できる! E が悪意であっても C が善意なら E は A に対して所有権を主張できる! 善意 = 知らなかった 悪意 = 知っていた 善意無過失 = そのことを知らず 落ち度も無い状態 錯誤 = 勘違いによる意思表示 要素の錯誤 = 取引の重要な部分に錯誤があること 心裡留保 ( しんりりゅうほ ) = 真意ではないと自覚しながらする意思表示 (= 冗談 ) 通謀虚偽表示 ( つうぼうきょぎひょうじ ) =2 人の者が共謀し ウソの契約をすること 4

5 1-3 制限行為能力者 ( ) 出題ポイントが多く 要注意です 制限行為能力者の意義や 売買契約を結んだ場合の効果など 重要事項満載です まだ社会のことをよく知らない未成年者や 通常の人より精神的能力が低い人を保護するための制度です Point 制限行為能力者の種類 未成年者 : 満 20 歳未満の者 ( 保護者 親権者 未成年後見人 ) 成年被後見人 : 精神上の障害により弁識能力を欠く者 ( 保護者 成年後見人 ) 被保佐人 : 精神上の障害により弁識能力が著しく不十分な者 ( 保護者 保佐人 ) 成年被後見人よりも症状が軽いものが被保佐人で 重度の浪費家などが含まれる場合もあります 1. 未成年後見人は [1 人 ] でなければならない! (cf. 成年後見人 保佐人 補助人は複数でも構わない ) 2. 未成年者が未成年後見人の同意を得ないでした法律行為は 原則として [ 取り消す ] ことができる!( 無効である ) 取消ができない場合 1. 法定代理人の同意を得た契約 2. 営業の許可を受けている行為 3. 処分を許された財産を処分する行為 4. 単に権利を得 ( 贈与等 ) または義務を免れる ( 債務の取消等 ) 契約 3. 成年被後見人が [ 単独 ] で行った法律行為は 原則として取り消すことができる! ( 日常生活に関する行為は取り消すこと不可 ) 4.[ 法人 ] も 成年後見人となることができる! 5. 成年後見人が成年被後見人に代わって建物等の売却 賃貸 抵当権の設定などの行為を行うときは [ 家庭裁判所 ] の許可を得なければならない! 6. 被保佐人が [ 単独 ] で行った法律行為は 原則として取り消すことができない! 取消ができる場合 1. 不動産など 重要な財産の売買 2.5 年を超える土地賃貸借 3.3 年を超える建物賃貸借 4. 建物の新築 改築 増築 大修繕の依頼 7. 被保佐人が 保佐人の同意を得なければならない行為を 同意またはそれに代わる家庭裁判所の許可を得ないでした場合 [ 被保佐人 ] 又は保佐人が共に当該行為を取り消すことができる! 5

6 8. 未成年者と取引した相手方が 未成年後見人に対して 1 月以上の期間内に追認するように催告したが確答がなかった場合 未成年後見人は未成年者の行為を [ 追認 ] したものとみなされる! 9. 未成年者と取引した相手方が 未成年者本人に対してした追認の催告は [ 無効 ] である! 10. 契約締結時に未成年者であった者は 成年に達しても 契約から [20 年 ] 経過するか 追認することができる状態になったときから [5 年 ] 以内は取消権を行使することができる! 11. 契約の相手方が被保佐人に 保佐人の同意を得て追認するように催告したが 確答がなかった場合 当該契約は [ 取り消された ] ものとみなされる! 12. 制限行為能力者が [ 行為能力者 ] であると相手方をだまして契約をした場合 その契約は取り消すことができない! 追認 = 契約後に契約成立を認めること 催告 = 裁判外の請求 平成 20 年度宅建試験問 1-3 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者につき 4 親等内の親族から補助開始の審判の請求があった場合 家庭裁判所はその事実が認められるときは 本人の同意がないときであっても同審判をすることができる 誤り : 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには 本人の同意が必要 ~MEMO~ 6

7 1-4 代理 ( ) 代理とは 他人の行為によって自分が効果を受ける制度をいいます 本人 相手方 代理人の 3 人の人物が登場します 覚えることが多くて大変です 浅くてもよいので 広く正確な知識を習得してください 毎年出題されていますのでどこから出題されても対応できるように! 1. 代理の効力が [ 本人 ] に及ぶためには 代理権があり 相手方に対し本人に代わって行うことを示し ( 顕名 ) 相手方と契約することを要する! 2. 代理人が顕名しないでした契約は [ 代理人 ] 自身のために効力を生ずる! ( 相手方が 代理人であることを知りえた場合は本人に生ずる ) 3. 代理人が [ 制限行為能力者 ] であっても 代理行為は有効である! 4. 代理人が 相手方の詐欺または強迫により代理契約を締結した場合 [ 本人 ] が当該契約を取り消すことができる!( 詐欺の場合は 本人が善意のときに限る ) 5. 代理人が 第三者の詐欺により代理契約を締結した場合 本人は 相手方が詐欺につき [ 悪意 ] のときにのみ当該契約を取り消すことができる!( 強迫は善意悪意を問わない ) 6. 代理人が詐欺または強迫により代理契約を締結した場合 相手方は [ いつでも ] 当該契約を取り消すことができる!( 本人の善意悪意を問わない ) 7. 代理人が錯誤により代理行為をした場合 代理人に [ 重大な過失 ] がないときに限り 本人は代理行為の無効を主張することができる! 8. 代理人が [ 自己の利益 ] のために代理行為をした場合 相手方がその事実を知りえたときに限り 本人は代理行為の無効を主張することができる! 9. 無権代理行為は無効だが 本人が追認すれば [ 契約締結時 ] に遡り有効となる! ( 無権代理人に対して追認した場合は 相手方が追認の事実を知るまで対抗できない ) 10. 無権代理行為の相手方は 追認するかどうか本人に催告でき 確答がなければ [ 追認拒絶 ] とみなされる! 11. 無権代理行為の [ 善意 ] の相手方は 本人が追認する前に 当該契約を取り消して無効とすることができる! 12. 無権代理行為の [ 善意無過失 ] の相手方は 本人の追認が得られなかった場合 無権代理人に対して 代わって契約を履行させるか 損害賠償を請求することができる! ( 無権代理人が制限行為能力者であるときは 責任追及不可 ) 13. 復代理人とは [ 本人 ] の代理人であり 代理行為をすれば その効果は本人に及ぶ! 14. 代理人が復代理人を選任しても 代理人の [ 代理権 ] は消滅しない! 7

8 15. 代理人の代理権が消滅すると [ 復代理人 ] の代理権も消滅する! 16. 法定代理人は [ いつでも ] 復代理人を選任することができる! 17. 任意代理人は [ 本人の承諾 ] があったとき またはやむを得ない事情があるときに限り復代理人を選任することができる! A( 代理人 ) が B( 本人 ) 所有の建物の売却について B から代理権を授与され 買主が C( 相手方 ) である場合 Point こういった図を必ず書く B( 本人 ) A( 代理人 ) C( 相手方 ) A が買主 C から虚偽の事実を告げられて売買契約を締結した場合 善意の B は詐欺を理由に契約を取り消せる! 建物が破損したため B に無断で A が修繕した場合 (= 保存行為 ) B はその修繕代金を負担する! A は B の許諾があるとき またはやむを得ない事情 ( 急病など ) があるときに限り 復代理人を選任することができる! C が A に対して A の権限内と思われる契約を B のためにすることを示して行ったときは 直接 B に対してその効力を生じる! 代理人は行為能力者であることを要しないため B が未成年者である A を代理人に選んだ場合 B は A に親権者の同意がないことを理由に A が締結した契約を取り消すことはできない! A が B に隠れて C からも代理権を与えられていた場合 ( 双方代理 ) は 当該契約は無効である! (B および C の同意があれば有効 = この場合は C も本人 ) B が実は A に代理権を与えていなかった場合 (= 無権代理 ) C がそのことについて善意であり かつ B の追認がないとき C は当該売買契約を取り消すことができる! (cf. 追認するか? との催告権は C は悪意でも行使可能 ) 8

9 以下 無権代理 A の行為が実は無権代理だった場合 C がそのことについて善意無過失であり かつ B の追認がないとき A に対して契約の履行の請求または損害賠償の請求ができる! 実は代理権のなかった A と C の契約は B が直接 C に対して追認の意思表示を行えば その契約は有効となる! B が追認しない場合でも C が A に代理権があると信じ そう信じることに正当な理由があるとき (= 表見代理 ) は C は直接 B に対して契約の成立を主張できる! A の行為が表権代理に該当するとき C は A に対して損害賠償を請求するか B に対して契約の成立を主張するかは自由である! A の無権代理行為を B が追認した場合 A と C が契約した時点から 当該契約は効力を生じていたことになる! 善意悪意を問わず C は期間を定めて 追認するか否かの催告を B に対してすることができ その期間内に B の確答がないときは 追認は拒絶されたものとみなされる! B が死亡して A が B を単独で相続した場合 A は B が売買契約を追認していなくても C に対して当該土地を引き渡さなければならない ( 当該無権代理行為は当然に有効となるため )! A が破産した場合 A の代理権は消滅し 破産後の A の行為は無権代理行為となるが C が A の破産を知らず善意無過失で信頼したときは A の行為は有効となる! (A が死亡して B が単独相続した場合 B は追認拒絶可 C が悪意 or 有過失なら一切責任なし ) 追認まとめ 追認権は B( 本人 ) にのみ認められる! 無権代理行為の取消権は C( 相手方 ) にのみ認められる! 追認するか否かの催告権は C( 相手方 ) にのみ認められる! [ ちょっと注意! 試験に出るかも ] 代理人が本人を代理して自分と契約することを自己契約 契約当事者双方の代理人となって契約することを双方代理といい これらは原則として禁止され もしも行われた場合は無権代理となり基本的に無効となります しかし 本人の同意がある場合および単に債務を履行するだけの場合には自己契約や双方代理も許されます 9

10 1-5 弁済 相殺 ( ) 弁済とは 債務者が約束どおり債務を果たすことによって債権者の債権を消滅させる行為をいいます 相殺とは 債権者と債務者とが相互に同種の債権 債務を有する場合に その債権と債務を対等額で消滅させる行為をいいます 2 年に 1 問の割合で出題されています 1. 債務者は 弁済の提供をすれば [ 債務不履行責任 ] を免れる!(cf. 不法行為責任は免れない ) 2. 弁済費用 (= 弁済をするための費用 交通費など ) は 特約がないときは [ 債務者 ] が負担する! 3. 弁済場所は 特約がないときは [ 債権者 ] の住所地で行う! ( 特定物の場合は 債権発生当時その物があった場所 ) 4. 弁済と [ 受取証書 ] の交付は 同時履行の関係にある! 5. 弁済と [ 借用書 ] の返還は 同時履行の関係にはない!( 弁済が先 ) 6. 弁済金が不足する場合 まずは [ 利息 ] に充当される! 7. 法律上利害関係のない第三者は [ 債務者 ] の意思に反して弁済することはできない! 8. 法律上利害関係のある第三者は [ 債務者 ] の意思に反しても弁済することができる! 9. 弁済につき正当な利益のない者が弁済した場合 [ 債権者 ] の承諾を得て 債権者に代位することができる!( 債務者に対抗するには 債権者から債務者への通知または債務者の承諾が必要 ) 10. 弁済につき正当な利益を有する者が弁済した場合 [ 当然 ] に債権者に代位し 債務者に対抗することができる! 11. 債務者は [ 債権者 ] の承諾を得て 代わりの物をもって弁済とすることができる!( 代物弁済 ) 12. 相殺は 相手方に対する一方的 [ 意思表示 ] によって行われる! 13. 対立する債権債務の [ 履行地 ] が異なる場合でも 相殺することができる! 14. 相殺をなすには 双方の債権が [ 弁済期 ] にあることを要する! ( 受働債権については 期限の利益を放棄すれば弁済期に達している必要はない ) 15. 相殺の意思表示に [ 条件または期限 ] を付けることはできない! 16. 相殺禁止特約があるときは相殺ができないが この特約をもって [ 善意 ] の第三者に対抗することはできない! 17. 相殺適状になった後 [ 自働債権 ] が時効消滅した場合でも 相殺することができる! 10

11 18. 不法行為によって生じた債権を [ 受働債権 ] として相殺することはできない! 19. 相殺によって 対立する債権はその対等額で消滅し その効力は [ 相殺適状時 ] まで遡る! A( 債権者 ) が B( 債務者 ) に金銭を貸し与えた場合 A と B で返済の場所を定めていなかった場合 B は A の住所で弁済をする必要がある! B の親でも B が反対すれば 勝手に A に弁済することはできない! B の保証人が B の承諾なく A に弁済した場合 以後 保証人は A に代位して B に対して弁済の請求をすることができる!(= 法定代位 ) A 名義の領収証を C が持参したため B が C に弁済した場合 B が善意無過失のときは C になされた弁済は有効となる! B が A に対して領収証の発行を要求し A がこれを交付しないときは その交付がされるまで B は弁済を拒むことができる!(cf. 借用書の返還は同時履行の関係に立たず 弁済が先 ) A は B に土地を売却し 一方 B は A に金銭債権を有していた場合 B の金銭債権が時効により消滅していた場合でも 時効完成前に土地の売買契約が成立していた (= 相殺適状 ) 場合には B は A に対して相殺を主張することができる! B の債権について弁済期の定めがなく B から履行の請求がないときでも A は自分の債権の弁済期が到来すれば相殺をなしうる! 相殺の効力は 相殺の意思表示をしたときからではなく 相殺適状のときに遡及して生ずる! B の債権が A の不法行為によって発生した (A が B を車でひいた慰謝料など ) ものである場合 A は自分の債権をもって相殺をすることはできない! 土地代金の支払い場所と 貸金の返済場所が異なっても相殺は認められる! 第三者 C が A の債権を差し押さえた後に B が A に金銭を貸し与えていた場合は B は A に対して相殺はできるが それをもって C に対抗することはできない! 債務不履行 = 債務者が正当な理由なく債務の本旨に従った履行をしないこと 保証人 = 債務者に代わって債務を履行する者 相殺適状 =2 つの債権が有効に存在 対立し 弁済期にあること 自働債権 = 相殺の意思表示を申し込む側の債権 受働債権 = 相殺の意思表示を申し込まれた側の債権 11

12 1-6 時効 ( ) 時効とは 時間の経過によってこれまで持っていなかった権利を取得したり これまで存在していた権利が消滅したりすることをいいます 2~3 年おきに出題されています Point 取得時効 : 従来は持っていなかった権利を時間の経過により取得すること消滅時効 : 従来は存在した権利が時間の経過により消滅すること 1. 不動産を 所有の意思を持ち 平穏かつ公然に [ 占有開始時 ] に善意無過失で 10 年 悪意または善意有過失で 20 年占有すれば 所有権を取得することができる! 2. 他人の土地を [ 不法 ] に占有開始した場合でも 所有の意思があると認められる! 3. 賃貸借契約に基づき [ 賃借人 ] として占有を開始した場合 所有の意思があると認められない! 4. 売買や相続により前の占有者の占有を引き継いだ者は 自己の占有期間のみを主張するほか 前の占有者の占有期間を [ 併せて ] 主張することもできる! 5. 不動産を時効取得した者は 時効完成当時の [ 原所有者 ] には登記なくして所有権を主張することができる! 6. 不動産を時効取得した者と [ 時効完成後 ] に原権利者から権利を取得した者とは 登記の先後によって所有権を決する! 7. 債権は [10 年間 ] 権利を行使しないと消滅時効にかかる! 8. 確定期限ある債権 不確定期限ある債権の消滅時効は ともに [ 期限到来 ] のときから起算する! 9. 期限の定めのない債権の消滅時効は [ 債権成立 ] のときから起算する! 10. 債権の消滅時効は 債務者のほか [ 保証人 ] や物上保証人も援用することができる! 11. 債権の消滅時効が完成したにもかかわらず 債務者が債務を [ 承認 ] した場合 債務者は 後からやはり時効を援用するということはできない! 12. 時効完成前に 時効の利益を [ 放棄 ] することはできない! 13. 債権者が 裁判上の手続きにより債務者に弁済を [ 請求 ] すると 時効は中断される! ( 裁判外で請求した場合でも中断するが 6 ヶ月以内に裁判上の手続き必要 ) 14. 債務者が債務を [ 承認 ] すると 時効は中断される! 15. 債務者が [ 利息 ] を支払うと 時効は中断される! 16.[ 物上保証人 ] が債務を承認しても 時効は中断されない! 物上保証人 = 債務者の債務を担保するため 自己所有の不動産に抵当権を設定した債務者以外の第三者 12

13 A 所有の土地を B が占有している場合 時効が完成した場合 B は占有を開始したときから その所有権を取得したことになる! B は所有の意思を持たず 賃借人のつもりで占有し続けたときは 何十年経っても時効取得することはない! B はその土地を自己のものであると過失なく信じて占有したときは 10 年間占有を継続すれば 土地の所有権を取得できる! B はその土地が A のものであると知って占有したときは 20 年間占有を継続しなければ所有権を取得できない! B は占有開始時に善意無過失ならば 途中でそれが A のものであると知っても 10 年間占有を継続すれば所有権を取得できる! B の父が 15 年間所有の意思を持って占有した場合 相続により占有を継承した B は その後 5 年間占有すれば所有権を取得できる! B が 15 年間自己占有した後 C に 5 年間賃貸した場合でも B は所有権を取得できる! B が 15 年間自己占有した時点で A が D にその土地を売却した場合でも B はその後 5 年間占有を継続すれば所有権を取得し D に対抗できる! 当該土地が農地であっても 時効が完成すれば 農地法に基づく許可を受けずに B は所有権を取得できる!( 平成 22 年度法改正により農業委員会への届出は必要となりましたので注意 ) A が B に金銭を貸し付けている場合 弁済期の定めがない場合 A が相当の期間を定めて B に催告し この相当期間が過ぎたときから時効 (= 消滅時効 ) は進行する!( 金銭貸借の場合は相当期間経過後 前ページ 9 番と比較 ) A の債権の担保として自己所有の土地に抵当権を設定している C は A の債権が時効にかかったときは それを援用して A に抵当権の抹消を求めることができる! A は催告をしても返済をしない B に対し 消滅時効が完成する前に支払いを求める訴えを提起したときは その訴え提起は関係なく 返済を催告したときに時効中断の効力が生じている! AB 間で裁判上の和解が成立したときは 和解成立から 10 年で消滅時効にかかる! A が B に対して訴訟により弁済を求めても その訴えが却下された場合は 時効中断の効力は生じない! 確定判決で確定した権利でも 10 年で時効に服する! 確定期限 = 月 日 不確定期限 =~ が ~ したら 時効中断 = それまで進行していた時効期間が元に戻ること 13

14 1-7 請負 ( ) 請負とは 当事者の一方が報酬を支払うことを約束し 他方が仕事の完成を約束することによって成立する契約をいいます 昔はよく出題されていましたが 最近はあまり見かけません 1. 注文者の報酬支払い義務と請負人の目的物引渡し義務は [ 同時履行 ] の関係に立つ! 2. 注文者が代金の全額をあらかじめ支払っていた場合 仕事の完成と同時にその所有権は [ 注文者 ] に帰属する! 3. 請負人が仕事完成に必要な材料の [ 主要部分 ] を自ら提供した場合 仕事が完成しても 注文者が代金を支払うまでは その所有権はいったん請負人に帰属する! 4. 注文者は [ 仕事が完成 ] する前であれば 請負人の受ける損害を賠償して 一方的に請負契約を解除することができる! 5. 請負人は原則として [ 瑕疵修補義務 ] を負うが 欠陥が重要でなく かつ その欠陥を直すのに多額の費用がかかる場合は 当該義務を負う必要はない! 6. 請負人が請け負った建物が火事により滅失した場合 なお工期内に [ 完成可能 ] ならば 請負人の仕事完成義務は存続する! 7. 請負人が請け負った建物が火事により滅失した場合 工事を再開しても工期内に完成不能であるときは 請負人の仕事完成義務および注文者の報酬支払い義務は [ 消滅 ] する! = 請負契約の目的物たる建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には 注文者は当該建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる 正 ( 平成 18 年出題 ) 8. 注文者と請負人との間で 請負人が [ 担保責任 ] を負わない旨の特約を結ぶことができる! ( 請負人があらかじめ瑕疵を知っていながら注文者に告げなかったときは責任を負う ) 14

15 A( 注文者 ) が建築業者 B( 請負人 ) に請け負わせて住宅を建築した場合 A の報酬支払い義務と B の住宅引渡し義務は 同時履行の関係に立つ! 完成した住宅に建物その他土地の工作物について瑕疵があるとき B は住宅の引渡しから 5 年間は瑕疵担保責任を負うが この期間は当事者間の特約により 10 年まで伸ばせる! 完成した住宅に建物その他土地の工作物について瑕疵があり 契約の目的を達することができなくても A は契約を解除できない!(= 解除ができるのは建物その他の土地工作物以外の瑕疵 ) 完成した住宅に瑕疵があり B が修補可能なものであっても A は瑕疵の修補に代え B に損害賠償の請求ができる! A と B の間で B が瑕疵担保責任を負わないとの特約があった場合でも B がもともと瑕疵の存在を知って A に告げなかったときは B は免責されない! A が代金の全額をあらかじめ支払っていた場合 住宅の完成と同時に所有権は A に帰属する! B が建物の材料の主要部分を自ら提供した場合 住宅が完成しても A が代金を支払うまでは所有権はいったん B に帰属する! 完成した建物を A から譲り受けた C には B に対する瑕疵修補または損害賠償の請求権はない!(B に担保責任を追及できるのは請負を依頼した A のみ ) 住宅完成前ならば A は B に損害を賠償して一方的に請負契約を解除できる! 瑕疵担保責任 ( かしたんぽせきにん ) = 目的物に瑕疵 ( キズ ) があった場合 買主が損害を受けないように 売主に課せられた責任 15

16 1-8 委任 ( ) 委任とは 契約などの法律行為を他人にやってもらうようお願いすることです 請負とともに最近出題が減少傾向ですが 簡単ですので確実に覚えておいてください 委任は無償が原則です 特約がある場合でも報酬は後払い しかし委任事務費用は先払い これは重要です 1. 受任者は 委任者から [ 請求 ] された場合 いつでも委任事務の状況を報告しなければならない! 2. 有償 無償を問わず 受任者は [ 善良なる管理者 ] の注意義務をもって事務を処理しなくてはならない!( 善管注意義務 ) 3. 委任者 受任者ともに 存続を望まないときは [ いつでも ] 委任契約を解除することができる! 4. 委任契約は 委任者の死亡または破産 受任者の死亡または破産および [ 後見開始の審判の開始 ](= 禁治産 ) により当然に終了する! ( 注 : 不動産登記法では特例が定められており 登記申請代理権は本人死亡により消滅しない ) 5. 委任契約は委任者 受任者の死亡により当然に終了するので その相続人はその地位を [ 相続 ] することはない! 6. 受任者は [ 特約 ] がなければ委任者に報酬を請求することができない!( 事務処理費用は可 ) 7. 受任者が委任者に引き渡すはずの金銭を自己のために消費したときは その [ 消費した日 ] 以後の利息も支払わなければならない! 8. 受任者は 委任者の承諾を得た場合 またはやむを得ない事情がある場合には [ 復受任者 ] を選任することができる! 9. 有償委任が その履行の半途で終了した場合 受任者は既にした履行の割合に応じて [ 報酬 ] を請求することができる! 委任者 = 他人に法律行為をすることを頼む者 受任者 = 他人から法律行為をすることを頼まれた者 善管注意義務 = 十分に注意して物事を行う義務 自己のためにすると同一の注意義務 善管注意義務が要求される者 1 留置権者 2 質権者 3 特定物の売主 4 賃借人 5 有償 無償の受任者 6 遺言執行者など 自己のためにすると同一の注意義務が要求される者 1 受領遅滞 2 親権者 3 相続放棄者 4 限定承認者など 16

17 1-9 地役権 ( ) 地役権とは ある土地の便益を上昇させるため 他の土地を利用できる権利をいいます この ある土地 を要役地 ( ようえきち ) 他の土地 を承役地 ( しょうえきち ) と呼びます ほとんど出題されませんので サラッと確認程度に読んでおいてください 1. 地役権は [ 要役地 ] から分離して処分することはできない! 2. 共有者の 1 人が地役権を時効取得すると [ 他の共有者 ] も地役権を取得する! 3. 要役地 承役地の共有者は [ 自己の持分 ] についてのみ 地役権を消滅させることはできない! A が自己所有の甲土地の一部について 通行目的で 隣地乙土地所有者 B のために 乙土地の便益に供する通行地役権設定契約を締結した場合 B は この通行地役権を 乙土地と分離して単独で第三者に売却することはできない! A が甲土地を C に譲渡した場合 C が通行地役権の存在を知っており かつ 通路として継続的に使用されているときは C は B に対して通行地役権を否定することができない! (A C に所有権移転登記あり B は地役権の登記必要なし ) B が乙土地を D に譲渡した場合 D は A に対して通行地役権が自己に移転したことを主張することができる!(B D に所有権移転登記あり B は地役権の登記必要 ) B は 地役権が定められていない部分の甲土地の土地を 継続かつ表現の形で使用を継続した場合 その部分についても通行地役権を時効取得することができる! 継続かつ表現 = 使用を続け それが客観的にも明らかな状態 < 相隣関係 > 囲繞地通行権 ある所有者の土地が 他の所有者の土地又は海岸 崖地等に囲まれて 公道に接していない場合に 囲まれている土地の所有者が公道まで他の土地を通行する権利 このような土地の位置関係にある場合に 囲んでいる側の土地を 囲繞地 といい 囲まれている側の土地を 袋地 という 通行者は 通行のために必要かつ囲繞地にとって最も損害の少ない方法 場所を選ばなければならない 通行権者は 必要があるときは自ら通路を開設することができ 囲繞地所有者の承諾を要しない 通行権者は 囲繞地の損害に対して 原則として 1 年ごとに償金を支払う 袋地の所有権を取得した者は 所有権移転登記を受けていなくても囲繞地通行権を主張できる 隣地との境界付近で建物の修繕等を行うときは 隣地の使用を請求できる ( 立ち入るには承諾必要 ) 隣地の竹木の枝や枝が境界線を越えてきた場合 : 枝 = 切除請求根 = 自ら切除可能土地所有者は 隣地の所有者と共同費用で境界標 ( 境界を表示するもの ) を設置することができる 17

18 1-10 債務不履行 ( ) 債務不履行とは 債務者が 正当な理由もないのに約束どおりの履行をしないことをいいます 売買契約の一連の流れをイメージしながら覚えるようにしてください 1. 履行遅滞とは 債務者の責任により 履行期に [ 正当な理由 ] なく履行しないことである! 2. 履行不能とは 債務者の責任により 履行が [ 不可能 ] になってしまうことである! 3. 不完全履行とは 一応 [ 給付 ] はなされたが それが不完全な場合をいう! 4. 債務者が履行を遅滞しているときは 債権者は相当の期間を定めて履行を [ 催告 ] し その期間内に履行がないときは契約を解除することができる! 5. 履行遅滞により契約を解除する場合 その催告期間が不相当に短くても [ 客観的 ] に相当の期間を経過しているとみられるときは 債権者はその契約を解除することができる! 6. 履行遅滞により契約を解除する場合 債権者は解除とあわせて [ 損害賠償 ] の請求もすることができる! 7. 買主が支払期日に代金を支払わない場合でも 売主が目的物の [ 提供 ] をしてこなければ 買主は履行遅滞とはならない! 8. 債務者の責任により履行が不能となったときは 債権者は催告することなく [ 直ちに ] 契約を解除することができる! 9. 履行不能による損害賠償額は [ 請求者 ] が証明できた額である! ( よく出る問題 : 損害賠償額は手付金の倍額である ) 10. 金銭債務の履行が遅れた場合は [ 不可抗力 ] を抗弁とすることができない! 11. 金銭債務の債務不履行では [ 損害 ] を証明することなく 損害賠償を請求することができる! 12. 確定期限付き債務の履行期は [ 期限到来 ] のときである! 13. 不確定期限付き債務の履行期は 債務者が期限到来を [ 知った ] ときである! 14. 期限の定めのない債務の履行期は 債権者から [ 請求 ] を受けたときである! 15. 不法行為 (P.37) による損害賠償債務は [ 成立 ] と同時に履行期となる! 16. 損害賠償額の予定をしておくと [ 債務不履行 ] の事実さえ証明すれば 損害額を証明することなく 予定された賠償額を請求することができる!( 増減不可 ) 17. 違約金の定めをした場合 [ 賠償額の予定 ] をしたものと推定される!( みなされる ) 18

19 A が B に金銭債権を有している場合 金銭の返済期日が定まっている場合 その期日を過ぎれば A から履行の請求を受けなくても B は履行遅滞の責任を負う! 金銭債権の場合 B が債務の履行をしないとき A はその損害の証明をすることなく B に対して損害賠償の請求ができる! 金銭債権の場合 A が B の債務不履行について損害賠償を請求したとき B は不可抗力を理由に責任を免れることはできない!( 金銭に不可抗力は有り得ないため ) AB 間であらかじめ 損害賠償額を予定していたとき 裁判所はその額を増減することはできない! AB 間で建物の売買契約を締結した場合 当該建物の引渡し期日前に B が A に代金の全額を支払った場合でも A はその引渡し期日から遅滞の責任を負う! A の父が死亡したら当該建物を引き渡す特約があった場合でも A は父の死亡を知ったときから遅滞の責任を負う! 当該建物の引渡し期日を定めていなかった場合 B が A に対し 引渡しの請求をしたときから A は遅滞の責任を負う! 履行遅滞の時期 ( 消滅時効起算点 ) 確定期限 : 期限到来のとき ( 期限到来のとき ) 不確定期限 : 債務者が期限の到来を知ったとき ( 期限到来のとき ) 期限の定めがない場合 : 債務者が履行の請求を受けたとき ( 債権が成立したとき ) 金銭に不可抗力は有り得ない! 世の中どこにでもお金は存在します 例えば平成 年 月 日に出荷された製造番号 番の などまで特定された物でしたら他に代わりの物はありません しかしお金はいくらでも代わりがあります 火事で燃えてしまいました 泥棒に盗まれました と言っても他から調達しろ という話ですね 19

20 1-11 契約の解除 ( ) 解除とは 契約の一方当事者の意思表示によって いったん有効に成立した契約を解消し その契約を初めからなかったこととする制度です 買戻しとは 売主が不動産を売却する際に 後日買主から受け取った代金および契約費用を返還して 売買契約を解除する旨を特約することをいいます 1. 解除権は法定の解除原因以外に 当事者間の [ 契約 ] によっても発生する!( 手付金の交付など ) 2. 解除権を行使しても 損害があれば [ 損害賠償 ] の請求をすることができる! 3. 売主が [ 引渡し ] を行うまでは 買主は金銭を支払う必要はない! 4. 解除原因が発生した場合でも 当事者が解除の [ 意思表示 ] をしなければ契約は解除されない! 5. 一度行使した解除権は その後 [ 撤回 ] することはできない! 6. 買主が [ 履行期 ] 前に金銭を提供して売主に目的物の引渡しを求め 売主がこれを拒否したとしても 買主は契約を解除することはできない! 7. 買主が売主から建物を買い受け入居したが 2 ヶ月後に契約が解除された場合 買主は売主に建物を返還するとともに 2 ヶ月分の使用料を [ 不当利得 ] として支払う必要がある! 8. 解除により金銭を返還するには [ 金銭受領 ] のときからの利息を付けることを要する! 9. 売買契約が解除されると 売主及び買主はお互いに [ 原状回復義務 ] を負う! 10. 催告期間内に履行がない場合は改めて解除の意思表示をしなくても契約を解除できる との [ 条件 ] があるとき 改めて解除の意思表示は必要ない! 11. 解除権の行使期間を決めていない場合で 売主が買主に解除を行うか催告し 返事がないときは 買主の [ 解除権 ] は消滅する! 12. 買主のローン不成立の時は契約を解除できる との定めがある契約においてローンが不成立になった場合でも 買主が解除の [ 意思表示 ] をしない限り契約は解除されない! 13. 解除の当事者が複数の場合 その [ 全員 ] から または全員に対して解除の意思表示をする必要がある!(= 解除権不可分の原則 ) 14. 売買契約において 売主が履行期に引渡しをしない場合でも 買主は金銭を [ 提供 ] しないと契約を解除することはできない!(= 同時履行の原則 ) 15. 買主が金銭を支払った後 売主の [ 過失 ] によりその物が滅失したときは 買主は契約を解除することができる!( 買主は売主に対して 代金の返還 その間の利息 損害賠償を請求できる ) 20

21 16. 初めに損害賠償額が予定されている場合は それ以上の損害額を証明しても [ 予定額 ] 以上の請求はできない! 原状回復義務 = 契約前の状態に戻す義務 17. 買戻し特約は 売買契約と [ 同時 ] にしなければならない! 18. 買戻しの目的物は [ 不動産 ] に限られる! 19. 買戻し期間は [10 年 ] を超えることはできない! (10 年を超える定めをしたときは 10 年に短縮され 定めないときは 5 年 ) 20. 買戻し期間は 後日これを [ 伸長 ] することはできない! 21. 買戻しの対価は 売買代金と [ 契約費用 ] を足した額以内でなければならない! 22. 買戻し特約は 売買契約と同時に [ 登記 ] をすれば第三者に対抗することができる! ~ ちょっと細かいですが 10 番と 12 番の違い ~ 契約のときに これこれの事態が生じたら 意思表示無しで解除だ と決めておいたらどうなる? 解除条件付の契約は 催告も解除の意思表示も無しに自動的に解除の効果を生じる これが原則です 一方 12 番は 解除権留保型のローン特約 と呼ばれるものです この解除権留保型のローン特約があっても 解除するには相手方に対する意思表示によらなければなりません 10 番の 解除条件付き法律行為 の場合は 解除の意思には関係なく 条件成就のときよりその効力が失われます つまり 買主がローンを受けられなかったときは この契約の効力は消滅する という 条件 があるときは解除の意思表示は必要なく 買主のローンが不成立のときは契約を解除することができる旨の定め という 特約 がある場合は意思表示が必要となるわけです 21

22 1-12 手付 ( ) 手付 ( 解約手付 ) とは 買主 売主それぞれが 自分の都合で自由に契約を解除できるとするために 買主が売主に 契約に際して金銭 ( 手付金 ) を支払うことをいいます 1. 手付は特別の意思表示がない場合 [ 解約手付 ] と推定される! 2. 代金等の弁済期前であれば [ 売買契約締結後 ] の手付契約も有効である! 3. 買主自ら履行に着手 ( 中間金の支払い等 ) していても 売主が履行に着手していなければ 買主は手付金を [ 放棄 ] して当該契約を解除することができる!( 中間金は返還される ) 4. 売主が履行に着手していても 買主が履行に着手していなければ 売主は手付金の [ 倍額 ] を現実に買主に提供して当該契約を解除することができる! 5. 買主の債務不履行を理由に契約が解除された場合 買主は売主に違約金を支払わなくてはならないが [ 手付金 ] は返還される! 6. 債務不履行を理由に損害賠償を請求する場合 その額は交付した [ 手付 ] の額とは関係ない! 例 ) 売主の責により履行不能となった場合 損害賠償額は手付の倍額である = 7. 買主が手付を放棄して契約を解除したことにより 売主が手付の額を超える損害を受けたとしても 売主は買主に対して [ 損害賠償 ] を請求することはできない! 8. 手付の額が売買契約の額に比べ [ 僅少 ] であっても 手付は有効である! まとめ 手付解除損害賠償請求 手付と別に請求不可手付金 買主が解除した場合は返還されない ( 手付放棄 ) 売主が解除した場合は返還される ( 手付倍返し ) 債務不履行解除損害賠償請求 手付と別に請求可手付金 買主に返還される ( 原状回復義務 ) 22

23 1-13 保証債務 ( ) 保証債務とは 主たる債務者が債務を履行しない場合に その保証人に主たる債務者に代わって債務を履行させる義務を負わせる制度をいいます 保証 連帯保証 連帯債務と細かい知識は問われませんので 基本的な性質と効果 それぞれの違いを覚えておいてください 1. 保証債務は [ 主たる債務者 ] の意思に反しても締結することができる! 2. 保証債務は [ 主債務 ] が成立しなければ成立せず 主債務が消滅すれば消滅する! 3. 保証債務は [ 主債務 ] より重くてはならない!( 主債務の限度を減らす ) 4. 保証契約は [ 書面 ] でしなければ効力を生じない!( 電磁的記録でも可 ) 5. 保証人は 行為能力および [ 弁済の資力 ] を有する者でなければならない! ( 債権者が資力ない者を指名することは自由 ) 6. 債権者が自ら保証人を指名した場合 [ 制限行為能力者 ] でも保証人となることができる! ( 保証人に選ぶのは自由であって 契約後に制限行為能力者となった場合は取消事由となる ) 7. 保証人は その [ 保証債務 ] についてのみ 違約金または損害賠償の額を約定することができる! 8. 主たる債務者が債権者に対して [ 反対債権 ] を有しているときは 保証人はそれを用いて債権者に対抗 ( 相殺 ) できる!( 主債務者が保証人の反対債権を行使することは不可 ) 例 ) 債務者が債権者に 600 万円の債権を有している場合 債権者が保証人に 1,000 万円の支払いを求めてきても 600 万円の債権による相殺を主張して 400 万円を支払えばよい 9. 主債務が [ 免除 ] された場合 保証債務も免除される! 10. 主債務の [ 期限が猶予 ] された場合 保証債務の期限も猶予される! 11. 主債務が [ 履行の請求 ] により時効が中断した場合 保証債務も時効中断される! 12. 主債務が [ 債務の承認 ] により時効が中断した場合 保証債務も時効中断される! 13. 主債務者が [ 時効の利益 ] を放棄しても 保証人が時効の利益を放棄したことにはならない! 14. 主債務が [ 消滅 ] する場合を除き 保証人に生じた事由は 主債務に影響を与えない! 15. 保証人は 弁済などにより債務を消滅させた場合 主債務者に対し [ 求償 ] することができる! 時効の利益 = 人は皆 時効を援用するかどうかの自由を持つ 23

24 A が B の保証を受け C 銀行から金銭を借り受け B からマンションを購入した場合 B は自己の保証債務についてのみ 違約金または損害賠償額を約定することができる! (A が C 銀行に支払うべき違約金および損害賠償とは別に ) C 銀行が B に債務の履行を請求したとき B は まず A に催告せよ と C 銀行に請求できる! ( 催告の抗弁権 ) C 銀行が B に債務の履行を請求したとき B は まず A の財産について執行せよ と C 銀行に請求できる! ( 検索の抗弁権 ) 催告 ( 検索 ) の抗弁権は保証人の権利なので A は まず B に催告せよ とは言えない! C 銀行が A に債務の履行を請求したときは A の債務の消滅時効とともに B 保証債務の消滅時効も中断される!( 主たる債務に生じた事由はそのまま保証債務にも影響する ) C が B に 1,000 万円を貸し付け A が B の保証人となった場合 A が破産したとき C は B に保証人の変更を請求できるが 最初に C 自ら A を保証人に指名したときは 変更を請求することはできない! BC 間の契約が成立していなかった場合 当然ながら A も C に対して保証債務を負わない! AC 間の保証債務締結後 BC 間の合意で債務が減額された場合 保証債務もそれに応じて軽くなる! AC 間の保証債務締結後 BC 間の合意で債務が増額されても A はその増額部分については保証債務を負わない! 保証債務と連帯保証債務の違い 主従の関係 主債務者に対する付従性 主債務者に対する補充性 保証人間の分別の利益 保証債務 あり あり あり あり 連帯保証債務 あり あり なし なし 付従性 : 主たる債務が成立しなければ 保証債務も成立しない主たる債務が消滅すれば 保証債務も消滅する保証債務の内容は 主たる債務の内容よりも重くてはならない補充性 : 催告の抗弁権検索の抗弁権分別の利益 : 各保証人は 主たる債務の額を保証人の頭数で割った額についてのみ保証債務を負担すればよいとする利益 24

25 1-14 連帯保証債務 ( ) 前ページでお伝えしたように 保証債務は 保証人にとってかなり優しい制度となっています これは債権者にとっては無意味に等しいのです そこで実社会では この連帯保証という制度が多く用いられています 主たる債務者と保証人が連帯して つまり同列で債務を保証するのです 保証債務よりも債権者が安心でき 保証人には厳しい制度です 1. 連帯保証人には [ 催告 検索 ] の抗弁権がない! 2. 連帯保証人は 複数人での共同保証においても [ 債務全額 ] につき保証しなければならない! A が B に 1,000 万円を貸し付け C( および D) が連帯保証人となった場合 A は 1,000 万円全額の請求を BCD いずれに対してもすることができる! 連帯保証人は催告の抗弁権を持たないので C は A に まず B に催告せよ とは言えない! 連帯保証人は検索の抗弁権も持たないので B に豊富な財産があっても C は A に まず B の財産について執行せよ とは言えない! 1,000 万円の請求を受けた C は 500 万円は D に請求せよ とは言えない!( 連帯保証人に分別の利益はない ) 保証人について生じた事由は 弁済など主たる債務を消滅させる事由以外は 主たる債務者に影響を及ぼさない! 例 )Aが Cの連帯保証債務を免除しても Bはその債務を免れない 主たる債務者にも効力を及ぼすもの 5 つ! 弁済 ( 履行 ) 相殺 履行の請求 更改 混同 C が債務の承認をしても B の債務には影響を与えない! C が A に全額弁済した場合 C は A が B に対して有する抵当権を A の承諾を得ることなく代位行使できる! C が A に 1,000 万円を弁済した場合 C は B と D いずれにも求償することができる! A が C に対して請求の訴えを提起すると B の債務の消滅時効も中断する!(cf. 保証債務 ) A が B に対して請求の訴えを提起すると C の債務の消滅時効も中断する!( 保証債務も同様 ) A が B に対して訴訟により弁済を求めても その訴えが却下または取り下げられたときは 時効中断の効力は生じない! B( 債務者 ) の債務の承認により時効は中断するが それは B が被保佐人でも同様である! 25

26 1-15 連帯債務 ( ) 債務者が数人いて 債権者がその中の 1 人に対して債務全額の履行の請求等ができる債務を連帯債務といいます CD 収録文章はありませんので 事例で内容を把握しておいてください A および B が C と C の所有地を買い受ける契約を締結し 連帯して C に代金を支払う債務を負担している場合 A の債務が時効消滅した場合 B も A の負担部分について支払いを免れる! C が A に期限の猶予を与えても B の債務については期限の猶予されない! C が A に支払請求し C の債権の消滅時効が中断した場合 B の債務についても中断される! A が債務承認し C の債権の消滅時効が中断されても B の債務の消滅時効は中断されない! C が A の債務を免除した場合 B は A の負担部分の支払いを免れる! C が当該契約を解除する意思表示を A に対してした場合 その効力は B には及ばない! ( 連帯債務者全員に対して解除の意思表示をしないと契約は解除されない ) 連帯債務は相対的効力 ( 債務者の 1 人に生じた事由は他の債務者に影響を与えない ) が原則 他の連帯債務者にも効力を及ぼすもの ( 絶対効 )7 つ! 弁済 ( 履行 ) 相殺 履行の請求 更改 免除 混同 時効 ( 免除 時効は負担部分のみ ) C は A および B それぞれに代金全額 ( または一部 ) の請求ができる! A および B の負担額が半分ずつと定められていても C から全額請求された場合 A(B) は全額を支払わなくてはならない! B の負担額を超えて C に支払った A は 負担額を超えた額と 支払った日以後のその法定利息分も B に求償することができる! A が C に債権を有している場合 B もこれを援用して相殺することができる! 更改 = 前の債務とは違う新しい債務を成立させること 混同 = 債権と債務が同一人に帰属すること 絶対効 = 連帯債務者の 1 人に生じた事由で他の債務者の債務にも影響を与えるもの 相対効 = 連帯債務者の 1 人に生じた事由で他の債務者の債務に影響を与えないもの 26

27 1-16 売主の担保責任 ( ) 売主の担保責任とは 売買契約の目的物に問題があった場合に買主が損害を受けないよう 売主に課せられた特別の責任をいいます 1. 建物の移転登記後に第三者の放火により建物が [ 半焼 ] した場合でも 買主は代金の全額を払わなくてはならない! 2. 建物の移転登記後に 地震により建物が [ 滅失 ] した場合でも 買主は代金の全額を払わなくてはならない!( 売主が受け取った保険金から償還請求可 ) 3. 契約締結前に建物が滅失していた場合 契約は [ 無効 ] となる! 4. 売主負担で内装工事後に引き渡すことが約定されていた建物売買契約において 内装工事前に建物が滅失した場合 売主は [ 代金請求 ] ができるが 内装工事費用を返還しなければならない (= 損益相殺 ) 5. 目的物に隠れた瑕疵があった場合 善意の買主は [ 損害賠償請求 ] および [ 契約の解除 ]( 契約目的が達成できないとき ) をすることができる! 6. 他人物売買において 売主が買主に権利を移転できなかった場合 買主は 契約を [ 解除 ] することができる!( 善意なら損害賠償も可 ) 7. 他人物売買であることにつき [ 善意だった売主 ] は 契約を解除することができる! ( 買主も善意であった場合は損害賠償を要する ) 8. 一部他人物売買において 売主が買主に権利を移転できなかった場合 買主は 足りない部分の割合に応じて [ 代金減額請求 ] をすることができる!( 善意なら解除 損害賠償も可 ) 9. 目的物に抵当権が付いており 抵当権の実行により所有権を失った場合 買主は [ 契約の解除 ] および [ 損害賠償請求 ] をすることができる! 10. 目的物に抵当権が付いていた場合 買主は [ 抵当権消滅請求 ] の手続きが終わるまで 代金の請求を拒むことができる! 11. 目的物につき権利を主張する者がいて 目的物の全部または一部を失う危険がある場合 買主は その危険の限度に応じて 代金の全部または一部の [ 支払い ] を拒むことができる! 12. 目的物に借地権や借家権が設定されていた場合 善意の買主は [ 損害賠償請求 ] および [ 契約の解除 ]( 契約目的が達成できないとき ) をすることができる! 13. 数量指示売買において 目的物の数量が足りない場合 善意の買主は [ 代金減額請求 ] および [ 損害賠償請求 ] [ 契約の解除 ]( 数量不足なら買わなかった場合 ) をすることができる! 14. 売主は [ 悪意 ] で買主に告げなかった瑕疵については 責任を免れることはできない! 27

28 A が B に 1,000 m2の土地について 数量を指示して売却する契約を締結した場合 その土地を実測したところ 700 m2しかなかった場合 B は善意なら代金減額請求ができる! その土地を実測したところ 著しく面積が足りなかったときは B が善意ならば契約を解除できる! 実はその土地の 300 m2が C の所有地だったために 700 m2しか移転できなかった場合 B は善意悪意に関係なく代金減額請求ができる! 土地について A を売主 B を買主とする売買契約が成立した場合 その土地が C の所有であり C に譲渡の意思がなくても AB 間の契約は有効に成立する! その土地の一部が C の所有であったため その部分の移転ができないときは B は善意悪意に関係なく代金減額請求ができるが 善意であれば 解除 損害賠償請求もできる! その土地の全部が C の所有であったため 所有権を移転することができなかったときでも B は善意でなければ A に対して損害賠償請求ができない!( 善意悪意に関係なく解除はできる ) その土地が C の所有であることを知らなかった A は B が悪意のときは 損害賠償もすることなく契約を解除できる! その土地に抵当権が設定されていたときは B は善意悪意に関係なく 所有権保存登記に費やした費用を A に償還請求することができる! その土地に抵当権が設定されており 抵当権実行の結果 B が所有権を失ったときは B は善意悪意に関係なく契約を解除できる! 抵当権者に債務を弁済した B は もともと抵当権の存在について善意悪意に関係なく A に対して弁済額の償還と損害賠償の請求ができる! その土地に隠れた瑕疵があることを A が知っていた場合には 瑕疵担保責任を負わない旨の特約を予め締結していたとしても A は担保責任を負う!(B が知ったときから 1 年間 ) その土地に瑕疵があることを知らなかった善意無過失の B は その瑕疵によって契約の目的を達成できない場合のみ 契約を解除できる! その土地に瑕疵があることを知った B は A の善意悪意に関係なく A に対して損害賠償の請求ができる!( 瑕疵担保責任の追及は 裁判外でも可能 ) その土地に権利を主張する者がいて B が権利を失うおそれがあるとき B は A が相当の担保を提供しない限り その危険の限度に応じて代金の支払いを拒むことができる! 28

29 < 売主の担保責任早分かり一覧表 > 買主の態様解除代金減額請求損害賠償請求除斥期間 全部他人物 善意悪意 - - なしなし 一部他人物 善意悪意 ( 目的不達成時 ) 知ったときから 1 年 契約のときから 1 年 数量指示 善意悪意 ( 目的不達成時 ) 知ったときから 1 年 - 用益的権利 善意悪意 ( 目的不達成時 ) - - 知ったときから 1 年 - 担保的権利 善意悪意 ( 所有権喪失時 ) ( 所有権喪失時 ) - - ( 所有権喪失時 ) ( 所有権喪失時 ) なしなし 隠れたる瑕疵 善意無過失悪意 ( 目的不達成時 ) - - 知ったときから 1 年 - [ これは絶対に覚える!] 1. まず 買主が悪意でも担保責任を追及できるものを覚えてください 全部他人物の解除 一部他人物の代金減額 担保権が付いていた場合の解除と損害賠償 2. 全部他人物と担保権が付いていた場合に担保責任を追及できる期間制限がないという点に注意 3. 担保権が付いていた場合の 所有権喪失時 の中身に注意 抵当権などが実行され所有権を失った場合だけでなく 抵当権消滅請求などで買主が抵当権を消滅させた場合にも適用される 29

30 1-17 抵当権 ( ) 抵当権とは 債務者が債務を履行しない場合 目的物を競売にかけてお金に換え そのお金から優先的に弁済を受けるための権利をいいます 毎年 1 問は出題され 問題のレベルも低くありません 事例も含めてしっかりと覚えてください 1. 抵当権の目的となるのは [ 不動産 ] [ 地上権 ] [ 永小作権 ] である!( 賃借権 ) 2. 抵当権を第三者に対抗するには [ 登記 ] を要する! ( 抵当権の設定自体は 抵当権者と抵当権設定者の合意だけで成立します ) 3. 抵当権は 被担保債権がなければ [ 成立 ] せず 被担保債権がなくなれば消滅する!( 付従性 ) 4. 抵当権は 被担保債権が移転すると それに随伴して同時に [ 移転 ] する!( 随伴性 ) 5. 抵当権は 一部の被担保債権がなくなっても [ 残りの目的物 ] に対して効力が及ぶ!( 不可分性 ) 6. 抵当権の効力は 目的物に [ 付加 ] して一体となった物 および 抵当権設定当時に存在した [ 従物 ] にも及ぶ! 7. 抵当権の効力は その担保する債権に不履行があった場合 その後に生じた抵当不動産の [ 果実 ] にも及ぶ! 8. 抵当権者は 被担保債権から生じる利息につき 満期となった最後の [2 年分 ] についてのみ優先弁済を受けることができる! 9. 抵当権者は 設定者および第三者が抵当目的物の価値を低下させる行為をした場合 その行為に対して [ 妨害排除請求 ] を行うことができる!( 弁済期の前後を問わない ) 10. 抵当権者は 第三者が抵当目的物を不法に占拠している場合 [ 設定者 ] の妨害排除請求権を代位行使することができる! 11. 抵当権者は 他の債権者のために 自己の有する [ 抵当権 ] を担保として 抵当権に抵当権を設定することができる!(= 転抵当 ) 12. 抵当権の順位の変更は その [ 登記 ] をしなくては効力を生じない! ( 順位変更によって影響を受ける抵当権者全員の合意と 利害関係人の承諾必要 ) 13. 抵当権設定後の対抗要件を備えていない [ 建物賃借人 ] は 抵当物件の競落人に その賃借権を主張することができない!(6 ヶ月の明渡し猶予期間あり ) 14. 抵当権者全員の [ 同意 ] を得た賃貸借であり その同意を登記したときは 賃借権を抵当権者に対抗することができる! 30

31 15.[ 所有権または地上権 ] を買い受けた第三者が 抵当権者の請求に応じて代価を弁済した場合 抵当権はその第三者のために消滅する!( 代価弁済 ) 16.[ 債務者および保証人 ] を除き 所有権を取得した第三者は 抵当権実行前に自分が妥当と思う金額を抵当権者に支払い 抵当権の消滅を請求することができる!( 抵当権消滅請求 ) 抵当権消滅請求の注意点 : 滌除から抵当権消滅請求と名称が変わり 内容も少し変わりました 1. 抵当不動産の地上権 永小作権を取得した第三者は抵当権消滅請求ができない ( 改正前はできた ) 2. 抵当権者は 抵当権実行前に第三取得者にその旨を通知する必要はない ( 改正前は必要だった ) 3. 第三取得者から提示された金額が少ない場合 抵当権者は 2 ヶ月以内に競売が可 ( 改正前は 1 ヶ月 ) 17. 根抵当権は 一定範囲に属する不特定の債権を [ 極度額 ] の限度で担保する! 18. 根抵当権設定契約では [ 債務者 ] [ 極度額 ] [ 債権の範囲 ] を定めなければならない! 19. 根抵当権を譲渡するには [ 設定者 ] の承諾が必要である! 20. 根抵当権者は 元本確定期日の定めがある場合を除き [ いつでも ] 元本確定を請求することができる! 抵当権は 債務額が 300 万円だとしたら 300 万円を担保するための権利です 根抵当権とは 極度額を 300 万円と決めたら 300 万円に達するまで または元本確定期日まで どんどん債務を追加していく権利です ( 他にも元本確定請求などの確定事由はあるのですが ) A が B に対する債務の担保のために A 所有の土地および建物に抵当権を設定した場合 抵当権が実行され C が建物 D が土地を競落した場合 C には法定地上権 ( 次ページ ) が成立し C の権利は守られるので D は C に土地の明け渡しを請求できない! A が建物を毀損したときは B は弁済期前でも妨害排除請求を行うことができる! B の他に後順位抵当権者などがいない場合には B は A に対し 満期のきた最後の 2 年分を越える利息についても抵当権を行うことができる!( 本来は最後の 2 年分のみ ) B の他に後順位抵当権者がいた場合 B の抵当権が消滅すると 後順位の抵当権者の順位が自然に繰り上がる! E の不法行為により建物が焼失し それにより A がその損害賠償金を受領した場合でも その払い渡し前に差し押さえておかなければ B は A の受領した賠償金に物上代位はできない! A の B に対する債務が時効により消滅したときは 抵当権も消滅する! 抵当権者の同意がなくても 設定者は抵当権の目的物を自由に譲渡できる! B は G から借金をするにあたり A に対する抵当権を担保とすることができる!(= 転抵当 ) A から抵当権付の土地 建物を買い取った H は 代価弁済 抵当権消滅請求 第三者弁済 または自ら競落するなどにより 土地と建物の所有権を保持できる! 31

32 A が B の C に対する金銭債権を担保するために A 所有地に B の抵当権を設定し その登記後にその土地を D に売却した場合 B が抵当権を実行した場合 競売人となれるのは D だけである! 抵当不動産について所有権を取得した D は 抵当権消滅請求ができる! B は抵当権を実行すると 元本と最後の 2 年分の利息について 他の債権者に優先して弁済を受けられる! A 所有地に建物を新築し B の抵当権実行に伴い 土地と建物が一括競売された場合でも B は土地の競売代価についてのみ優先弁済を受ける! D は抵当権の実行により所有権を失った場合には もともと抵当権の存在に善意悪意を問わず A との売買契約を解除できる! D は C の反対の意思表示があっても B に債務を弁済して抵当権を消滅させることができる! 一括競売ができる代表的な建物 1 建物所有者が抵当権設定者で 抵当権設定後に築造された建物 2 抵当権設定後に 抵当権者の同意の登記により対抗力を付与されていない土地の賃借人が 抵当権設定者より譲り受けた建物 ( 設定者築造 ) 以下 法定地上権 ( 建物所有者を保護する制度 : 土地所有者からの立ち退き請求を防ぐ ) 抵当権の実行により土地と建物の所有者が異なることになった場合でも 建物の存続を図るために一定の要件を満たすときは 地上権が設定されたものとみなされます これが法定地上権です 法定地上権成立要件 1 抵当権設定時 その土地上に既に建物が存在すること 2 土地と建物が同一所有者に属していたこと 3 抵当権実行により 土地と建物の所有者が別々となったこと 21. 抵当権設定時に建物は存在したが その建物に [ 保存 ] 登記がなされていなかった場合でも 法定地上権は成立する! 22.[ 更地 ] に抵当権を設定した後 その土地に建物を建築した場合 法定地上権は成立しない! 土地に先順位の抵当権が設定された当時に建物が存在しなければ 建物が築造された後に後順位の抵当権者が現れ その者の申立てにより土地の競売が行われても法定地上権は成立しない 23. 抵当権実行前 ( 設定はされている ) に土地が [ 譲渡 ] された場合でも 法定地上権は成立する! 24. 抵当権設定時に存在した建物が火事で焼失し [ 再築 ] された場合でも 法定地上権は成立する! 25. 地上権に基づき建物を所有している者は 建物のほかに [ 地上権 ] に対しても抵当権を設定することができる! 32

33 平成 18 年度の試験において 抵当権の計算問題が肢の 1 つに出題されました 念のためインプリ問題集ではその数年前から既に掲載していましたが 市販の参考書で勉強なさっていた方のほとんどは意味が分からなかったようです 抵当権の計算は 司法試験や司法書士試験など他の法律試験では頻出事項です 宅建試験でも今後多くの出題が予想されます この肢は今後の布石でしょう 1 題まるまる計算問題もあり得ます 慣れれば簡単ですので しっかり練習しておきましょう むしろ得点源です! < 平成 18 年度宅建試験問 5> A は B から借り入れた 2,400 万円の担保として第一順位の抵当権が設定されている甲土地を所有している A は さらに C から 1,600 万円の金銭を借り入れ その借入金全額の担保として甲土地に第二順位の抵当権を設定した この場合に関する次の記述のうち 民法の規定及び判例によれば 正しいものはどれか 1 抵当権の実行により甲土地が競売され 3,000 万円の配当がなされる場合 B が C に抵当権の順位を譲渡していたときは B に 1,400 万円 C に 1,600 万円が配当され B が C に抵当権の順位を放棄していたときは B に 1,800 万円 C に 1,200 万円が配当される 2 A が抵当権によって担保されている 2,400 万円の借入金全額を B に返済しても 第一順位の抵当権を抹消する前であれば C の同意の有無にかかわらず A は B から新たに 2,400 万円を借り入れて 第一順位の抵当権を設定することができる 3 B の抵当権設定後 C の抵当権設定前に甲土地上に乙建物が建築され C が抵当権を実行した場合には 乙建物について法定地上権が成立する 4 B の抵当権設定後 C の抵当権設定前に A との間で期間を 2 年とする甲土地の賃貸借契約を締結した借主 D は B の同意の有無にかかわらず 2 年間の範囲で B に対しても賃借権を対抗することができる < 例題 > 債務者 A に対して 1 番抵当権者 B(1,000 万円 ) 2 番抵当権者 C(1,500 万円 ) 一般債権者 D (3,000 万円 ) がいて 競売代金が 2,000 万円だった場合 B D に抵当権の譲渡 B:0 C: 影響なく 1,000 万円 D:B が受け取るはずだった 1,000 万円 B D に抵当権の放棄 B:D と同位で按分比例 250 万円 C:1,000 万円 D:750 万円 B C に抵当権順位の譲渡 B:500 万円 C:1 番となり 1,500 万円 D: 影響なく 0 B C に抵当権順位の放棄 B:C と同位で按分比例 800 万円 C:1,200 万円 D:0 このように 譲渡とは文字通り抵当権 ( 順位 ) を他の債権者 ( 後順位抵当権者 ) に譲渡して無担保債権者 ( 後順位抵当権者 ) となること 放棄とは同一債務者に対する抵当権を有しない他の債権者 ( 後順位抵当権者 ) のために自己の優先弁済権を放棄して同位となることをいいます 同位とは各自の被担保債権の割合で配当されるということです よって本試験問題では 譲渡 B:1400 万円 C:1600 万円 放棄 B:1800 万円 C:1200 万円で正解の肢となります ちなみに 本試験問題 2 返済をすれば付従性により抵当権も消滅するので誤り 3 先順位の抵当権が設定されたときに建物が存在していないので誤り 4 賃貸借の登記前に登記をした抵当権者全員の同意の登記が必要であり 同意をした者に対抗できるのであって誤り となります 33

34 1-18 共有 ( ) 1 つのものを数人で共同して所有することを共有といいます 簡単だからといって曖昧に覚えず 正しく確実に習得しておいてください 出題されたら絶対に落とすことのできない問題です 1. 各共有者は 共有物の [ 全部 ] につき 各自の持分に応じた使用収益をすることができる! 2. 各共有者は [ 各自の持分 ] に応じて管理費用を払わなければならない! 3. 各自の持分は 他の共有者の同意を得ることなく [ 自由 ] に処分することができる! 4. 共有物の全部を処分するには [ 共有者全員 ] の同意が必要である! 5. 共有地を不法に占拠する者に対する明渡し請求は 各共有者が [ 単独 ] ですることができる! ( 保存行為 ) 6. 共有物を賃貸する場合 [ 持分の過半数 ] の賛成をもって決する!( 管理行為 ) 7. 共有建物を増改築するには [ 共有者全員 ] の同意が必要である!( 変更行為 ) 8. 共有者の一人が相続人なくして死亡した場合や その持分を放棄した場合 当該持分は [ 他の共有者 ] に帰属する! 9. 各共有者は いつでも共有物の [ 分割 ] を請求することができる! (5 年以内は分割しない旨の特約有効 ) 共有まとめ 各共有者が単独で請求できるもの ( 保存行為 : 共有物の現状維持 ) 1 共有物返還請求 2 妨害排除請求 3 共有物の不法行為に対する損害賠償請求 4 持分権確認請求 5 不法登記に対する抹消登記請求 6 目的物の修繕注 :3 自己の持分についてのみ 共有者の持分価格の過半数で決めるもの ( 管理行為 : 共有物の利用改良 ) 1 賃貸借 ( の解除 ) 2 共有宅地の地ならし 共有者全員の同意が必要なもの ( 変更行為 : 共有物を物理的に変化させる ) 1 共有物の所有権確認請求 2 共有物全体についての時効中断 3 売却 4 抵当権設定 34

35 ABC が土地を共有している場合 ABC はその持分に応じて共有物の管理費用を負担するが C がこの負担義務を 1 年内に履行しないとき AB は 相当の償金を支払って C の持分を取得できる! 各共有者は それぞれ自由に自己の持分を他に譲渡できる! C が相続人なくして死亡したときは その持分は AB に帰属する! C が持分を放棄したときは その持分は AB に帰属する! ABC 間で分割の協議が整わないときは それぞれが裁判所に分割請求を行うことができる! 裁判所は A に単独で土地を取得させ A から BC に適正価格で賠償させる方法による共有物の分割を命じることもできる! ABC 間で 5 年を超えない範囲で 共有物を分割しない特約を結ぶことができる! その土地に利害関係を有する D は分割協議に参加することができ D の参加を待たずに分割が行われた場合 その分割の効力は D には対抗できない! A が BC に無断で E に土地を売却した場合 BC の持分についても他人物売買として有効である! その土地の用途を変更する場合には ABC 全員の同意が必要である! その土地について賃貸借契約を締結 ( 管理行為 ) する場合 ABC の持分の価格の過半数の賛成で行う! その土地の不法占拠者に対する明渡請求 ( 保存行為 ) は ABC それぞれ単独ですることができる! C がその持分に基づいて単独でその土地を使用している場合 AB は当然にその明渡しを求めることはできない! C が AB に債務を負っている場合 C が F に持分を譲渡しても AB は F に対してその債務の支払いを請求することができる! 35

36 1-19 その他の物権 ( ) 抵当権以外の担保物権です 出題可能性は低いですが 留置権は要注意です 造作とは 畳や埋め込み式エアコンなど 建物に作りつけ 移動が困難なものをいいます 留置権 1. 留置権者は [ 善良なる管理者 ] の注意義務をもって留置物を保管しなければならない! 2. 留置権を行使しても 被担保債権の [ 消滅時効 ] は中断しない! 3. 借家人は 建物賃貸借契約終了時に [ 必要費償還請求権 ] を有する場合 建物賃貸人が必要費を支払うまで 建物を留置することができる! 4. 借家人が [ 造作買取請求権 ] を行使した場合 建物賃貸人が造作代金を支払うまでの間でも 建物を留置することはできない!( 造作は留置可 ) 5. 借地権者が [ 建物買取請求権 ] を行使した場合 借地権設定者が建物代金を支払うまでの間 建物と敷地を留置することができる! 6. 留置権には [ 物上代位性 ] がない! 先取特権 7. 建物賃貸人は 賃料等につき賃借人がその建物に備え付けた [ 動産 ] の上に先取特権を有する! 8. 他人の不動産を保存した者は 保存費につき [ 登記 ] をしておけば その不動産の上に先取特権を有する! 9. 他人の不動産に工事をする者は [ 事前 ] に工事費用につき登記をしておけば その不動産の上に先取特権を有する! 10.[ 不動産保存および不動産工事 ] の先取特権は 登記の前後を問わず 抵当権に優先する! 11. 先取特権を行使して物上代位により優先弁済を受けるには [ 払渡し前に差押え ] をしておく必要がある! 留置権とは 占有物の返還期限が過ぎても その物を占有し続けられる権利です 例えば 建物を買いそこに住み始めたとします その売買契約が取り消された場合 留置権を行使して売買代金を返還してもらうまで建物も返還する必要がありません 飲み屋さんで他人と傘を取り違えた場合も 相手が傘を返すまで傘を返す必要がありません 先取特権とは 建物を工事した場合などに 他の債権者よりも先に工事費用を請求することができるなどの権利です 留置権などの法定担保物権とは 特に登記をしなくても自然に認められる担保物権です 逆に抵当権などは約定担保物権といい 登記をしなければ認められない担保物権です 36

37 1-20 不法行為 ( ) 一時期は毎年のように出題されていましたが 近年の出題は減少傾向です しかしまだまだ侮れません 使用者責任や工作物責任などの特殊な不法行為の要件は必ず覚えておいてください 1. 不法行為とは [ 故意または過失 ] により 他人に損害を与えることをいう! 2. 裁判所は 被害者にも過失があった場合 損害賠償額の算定においてこれを [ 考慮 ] することができる! 3. 損害賠償債務は [ 損害発生 ] と同時に遅滞に陥り 債権者は 損害発生以後の遅延損害金を請求することができる! 4. 不法行為による損害賠償請求権は 損害および加害者を知ったときから [3 年 ] または不法行為のときから [20 年 ] これを行使しないと消滅する! 5. 使用者は [ 被用者 ] が事業の執行について第三者に加えた損害の賠償責任を負う! 6. 被害者は [ 使用者と被用者 ] の両方に損害賠償を請求することができる! ( 損害を賠償した使用者は 被用者に対して求償すること可 逆は不可 ) 7. 土地工作物の設置 保存の瑕疵によって第三者に損害が生じた場合 その工作物の [ 占有者 ] が損害賠償責任を負う!( 占有者が注意をしていたときは工作物所有者 ) 8. 数人が共同して第三者に損害を与えた場合 それらの者は 被害者に対して [ 連帯 ] して損害賠償責任を負う! C 社の社員 B が A に損害を与えた場合 A は C 社の社員 B の不法行為責任が成立しなければ C 社に対して損害賠償請求をすることはできない! B の不法行為責任が成立した場合 A は BC 同時 あるいは順に損害賠償請求をすることができる! C が A に賠償した場合 C は B に求償することができる! (B に故意または重大な過失があっても構わない ) B が A に賠償した場合でも B は C に求償することができない! 37

38 A 所有の建物を B が無断で占有している場合 当該建物の壁が壊れ 通行人 C が死亡した場合 C の相続人は B に対して損害賠償請求をすることができる!(A にはできない ) B が正規の賃借人である場合 基本的には B が賠償責任を負うが B が十分な注意をしていたときには A が賠償責任を負うことになる 壁の施行業者にも責任があった場合 B は その施行業者に求償権を行使することができる! 不法行為と債務不履行の違い 過失の立証責任 不法行為 債権者債務不履行 債務者 遅滞の時期 不法行為 不法行為時債務不履行 P.19 履行遅滞の時期参照 消滅時効 不法行為 被害者 ( 法定代理人 ) が 損害および加害者を知って 3 年 (20 年の除斥期間あり ) 債務不履行 10 年 社員と賃借人の違い サラリーマン ( 被用者 ) が仕事上で不法行為をした場合 本人だけでなく 会社 ( 使用者 ) も賠償責任を負うことになります 逆に建物の壁が剥がれ落ちて通行人がケガをした場合などは 原則として賃借人が賠償責任を負いますが 賃借人が十分な注意をしていたときは貸主である所有者が賠償責任を負うことになります 平成 20 年度出題問題 即死 被害者の相続人が慰謝料請求権を相続する正当防衛 不法行為に当たらない名誉毀損 このような無形損害でも金銭評価が可能であれば損害賠償請求ができる 38

39 1-21 賃貸借 ( ) 賃貸借契約とは 賃料を支払って物の貸し借りをする契約です そして 賃借人が賃貸人に対して 目的物の使用を請求する権利を賃借権といいます 宅建試験で出題されるのは 建物と土地の賃貸借である借地借家法です よって ここは予備知識として読んでおいてください ちなみに 賃貸借に対し無料で物の貸し借りをする契約を使用貸借契約といいますので 頭の片隅に入れておいてください 1. 賃貸人は 賃借物の [ 修繕義務 ] を負う! 2. 賃借人が [ 必要費 ] を支出した場合 賃貸人に対して直ちに償還請求をすることができる!( 全額 ) 3. 賃借人が [ 有益費 ] を支出した場合 賃貸借契約終了時に賃貸人は 賃貸人の選択により 支出金額または現存する増加額のいずれかを償還する義務を負う! 4. 賃借人は 賃貸人の [ 保存行為 ] を拒むことはできない! ( 賃借人の意思に反し 保存行為により契約の目的を達成できないときは解除可 ) 5. 賃貸借契約の存続期間は [20 年 ] を超えることができない! ( 最短期間の制限はなし 20 年を超える期間を定めたときは 20 年に短縮される 建物は 20 年超可 ) 6. 期間の定めのない賃貸借においては 各当事者は [ いつでも ] 解約を申し入れることができる! ( 解約申入れから 土地 1 年 建物 3 ヶ月経過で賃貸借契約は終了 ) 7. 賃借人は 賃貸人が造作の付加に同意していた場合 賃貸借契約終了時に [ 時価 ] で買い取るよう請求することができる!( 造作買取請求しない旨の特約も有効 ) 8. 賃貸目的物の [ 全部が滅失 ] した場合 賃貸借契約は終了する! 9. 賃借人は [ 賃貸人の承諾 ] がなければ 転貸および賃借権の譲渡をしてはならない! 10. 賃借人が無断で転貸または賃借権の譲渡をした場合 賃貸人は賃貸借契約を [ 解除 ] することができる!( 賃借人の行為が背信的でない場合は解除不可 ) 11. 転貸の場合 賃貸人は [ 賃借人および転借人 ] に対して賃料を請求することができる! 12. 賃借権の譲渡の場合 賃貸人は 賃借権の [ 譲受人 ] に対してのみ賃料を請求することができる! 13. 賃借権が譲渡された場合 譲渡人は 賃貸人に対して [ 敷金 ] の返還を請求することができる! ( 敷金返還請求権は 当然には新賃借人に承継されない 特段の事情必要 ) 必要費 = 目的物の使用に必要な費用 有益費 = 賃借人が目的物の価値を増加させるための費用 39

40 賃貸人が A 賃借人を B とする場合 賃貸借契約に関する費用は AB 双方が平分して負担する! A は B の承諾なしに 自由にその目的物を第三者に譲渡することができる! B が A から土地を賃借し そこに B が建てた建物を第三者に譲渡するには A の承諾を得る必要がある! B からその建物を賃借する者は A の承諾を得る必要はない! A から土地を譲渡されたものは その登記をしなければ 賃貸人の地位を B に対抗できない! B が A の承諾を得てその土地を C に転貸した場合 A は直接 C に賃料を請求できる! B が A の負担すべき必要費を支出したときは B は直ちに A に対してその償還を請求できる! A が目的物を修繕する場合 B はそれを拒むことはできない! B が有益費を支出したときは 賃貸借終了後に A の選択により その費やした額 または目的物の価値の増加額が償還される! B は A の同意を得て賃貸物に造作を付加したときは 賃貸借終了後 A に対して時価でその造作の買取を請求することができる!( 造作買取請求をしない旨の特約がない場合 ) B の相続人は 賃借人の地位を相続する! 目的物が建物で A の賃貸人の地位を承継した者は B に対する敷金返還債務も承継する! ( 敷金返還債務は 特段の事情がない限り当然に承継される cf. 前ページ 13 補足 ) 賃貸借契約期間中は敷金返還請求権は発生していないので B は賃料支払い債務と敷金返還請求権とを相殺することはできない! B は A の承諾があれば 敷金返還請求権を担保の目的物とすることができる! A は 契約終了後 明け渡しまでの期間の賃料相当額についても 敷金から控除することができる! 賃貸借契約が終了する期間を定める特約は 普通の書面ですれば足りる! 40

41 1-22 借地借家法 ( ) 建物と土地の賃貸借契約についての特別な取り決めです 複雑で覚えることも多いですが ものすごく重要ですので しっかりと知識を整理して頭に入れておいてください 借地借家法の意義 民法には賃貸借契約の規定があるのに なぜ建物と土地の賃貸借について特別の規定があるのか? それを考えると 借地借家法はとても理解しやすくなります 経済的に 賃貸人よりも賃借人の方が不利な地位にあるのは明らかです 賃借人は足元を見られ不利な契約を押し付けられることが多くありました そこで 十分な存続期間を法律で定めるなどして 弱い立場にある借家人や借地人を保護するために 民法の規定を修正し 借地借家法が作られたのです こういった背景を知っておけば 理解が高まるとともに 分からない問題が出ても 賃借人に有利かどうかを考えることで正解にたどり着ける確率が上がることでしょう 借家権 1. 建物賃貸借の存続期間は 期間を定める場合と [ 期間の定めのない ] 場合がある! 2. 建物賃貸借において [1 年未満 ] の定めは 期間の定めがない建物賃貸借とみなされる! ( 一時使用が明らかな場合または定期借地権である場合を除く ) 3. 建物賃貸借において [ 最長期間 ] の制限はない!( 何十年でも可 ) 4. 借家権が適用されるのは 建物賃貸借 であり [ 無料 ] で建物を借りる場合 および 賃貸借であっても [ 一時使用 ] のために建物を賃借する場合には適用されない! 5. 賃貸借契約が期間満了により終了した場合でも 賃借人の使用継続に賃貸人が異議を述べないときは [ 期間の定め ] のない賃貸借として更新したものとみなされる! 6. 期間の定めのある建物賃貸借を賃貸人が更新拒絶する場合 期間満了の [1 年前から 6 ヶ月前 ] までの間に 正当事由ある更新拒絶の通知を要する!( 賃借人からの更新拒絶は正当事由不要 ) 7. 賃貸人が 期間の定めのない建物賃貸借の解約申入れをする場合は 正当事由を要し 解約申入れ後 [6 ヶ月 ] 経過で終了する! 8. 賃借人が 期間の定めのない建物賃貸借の解約申入れをする場合は 正当事由は不要で 解約申入れ後 [3 ヶ月 ] 経過で終了する! 9. 期間の定めある建物賃貸借を [ 書面 ] でする場合に限り 期間満了により当該賃貸借は終了し 契約更新ができないとする特約を定めることができる!( 賃借人に書面を交付して説明必要 ) 10. 賃借人は [ 居住用建物 ](200 m2未満 ) において 当該建物を生活本拠とできなくなった場合は解約申入れをすることができる! 41

42 11. 賃貸人の同意を得て賃借人が付加した造作 ( 畳や建具等 ) について 賃借人は 賃貸借契約終了時に賃貸人に対して [ 時価 ] で買い取るよう請求することができる!( 造作買取請求権 ) 12. 造作買取請求権を [ 認めない旨 ] の特約は 有効である! 13. 一定の期間は借賃を [ 増額 ] しない特約がある場合 賃貸人は その期間内は借賃の増額請求をすることはできない!( 減額しない旨の特約は不可 ) 14. 借賃の増額について当事者の協議が整わない場合 賃借人は 増額を正当とする裁判が確定するまでは [ 自分が相当と考える額 ] を支払えばよい! ( 増額を正当とする裁判が確定し 賃借人が支払った額に不足があるときは その不足額に年 1 割の利息を付けて賃貸人に支払わなければならない ) 15. 賃貸人の増額請求に対して 賃借人は相当と考える額を提供したが 賃貸人がそれを拒んだ場合 賃借人はその額を [ 供託 ] すれば借賃不払いを理由に賃貸借契約が解除されることはない! 16. 賃貸借契約が合意解除された場合でも 賃貸人は 特段の事情がない限り [ 転借人 ] に対して合意解除を対抗することができない!( 賃借人の債務不履行があったときなどは当然に終了 ) 17. 賃貸借契約が期間満了により終了する場合でも 賃貸人は 転借人に対して [ その旨の通知 ] をしなければ その終了を対抗することができない! 18. 賃貸人からの解約申入れによって賃貸借契約が終了した場合でも 転借人が [ 建物の使用を継続 ] するときは 賃貸人は遅滞なく異議を述べないと 元来の賃貸借契約が更新される! 賃貸人 A と賃借人 B の間で建物の賃貸借契約が締結された場合 A が B に建物を期間 2 年で賃貸したが B が期間満了後も居住を続け A が異議を述べなかった場合は 期間満了後も前契約と同一の条件で更に賃貸借をしたと推定される! 前ページ 5 番との違い 賃借人が使用継続することに異議を述べない (P41) か すでに使用継続してしまっている (P42) かの違いをイメージしてください しかし結果は同じです どちらも自動的に従前の契約と同一条件で契約が更新されます しかし この同一条件というのは 契約期間 以外の条件なのです どちらも 期間の定めのないもの となります 借家契約の期間が 1 年未満だったときは 当該賃貸借は期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる! 賃貸借に期間の定めがない場合 A が B に解約の申し入れをした 6 ヶ月後に賃貸借契約は終了する!(B が解約を申し入れた場合は その 3 ヶ月後に賃貸借契約は終了する ) その解約申し入れについて必要な正当の事由は 解約申し入れ時から継続して 6 ヶ月経過後にも必要である! 42

43 その解約申し入れについて必要な正当の事由は A の自己使用の必要性のほかに A が B に対し建物の明渡しを条件として金銭を支払う旨の A の申し出をも考慮して判断される! B が相続人なく死亡した場合 その同居人は B の死亡を知った日から 1 ヶ月以内に意義を述べなかったときは B の権利義務を承継する! B が家賃減額請求をしたが AB 間で協議が調わず裁判となった場合 その裁判が確定するまで A は自己が相当と認める家賃の支払いを B に請求できる! ( 減額請求が認められたときは 裁判確定以後ではなく 請求のときからの家賃が減額される ) 賃料は 2 年間の期間中は増額しない との特約がある場合 A は当該期間中は増額請求をすることができない! AB 間で 一定の期間建物の家賃を減額しない旨の特約は無効である! 家賃が不相当に高かった場合 B は将来に向かって家賃の減額を請求できる! その建物が一定期間経過後に取り壊すことが明らかな場合 AB 間で 建物を取り壊す時期に賃貸借は終了する 旨の特約をすることができる! B に家賃を支払う意思があるのに A がこれを拒んだ場合は B は履行遅滞とならない! 建物が滅失した場合でも 借地権は 残存期間中は消滅しない! 建物が滅失し B が新築した場合 その建物が借地権の残存期間を超えて存続するものであるときは A の承諾があれば 借地権の存続期間は延長される! 借地権の存続期間が満了した場合 そのとき建物が存在していなければ A が契約の更新を求めても 借地権は更新されない! B の債務不履行によって借地権が消滅したときは B は建物買取請求権を有しない! B が借地権を第三者に譲渡するには A の承諾が必要である! ( 土地も一緒に譲渡するには裁判所の許可でも可 ) 建物を取得した者は A が賃借権の譲渡を承諾しないときは A に対してその建物を時価で買い取るように請求できる! A は弁済期が到来した最後の 2 年分について B の建物に先取特権を有する! 43

44 以下 転貸借 B が C に建物を転貸していた場合 A が B に契約更新の通知を拒絶するためには C についての事情も考慮に入れた正当の事由がなくてはならない! BC 間の転貸借が A の承諾を得ていない場合でも その転貸借が A に対する背信的行為でないときは A の解除権は発生しない! C が建物に造作を付加した場合 期間満了時 C は直接 A に買取り請求ができる! ( 造作買取請求を認めない特約は有効 ) A は B だけでなく C に対しても賃料を請求できる! A が C に対して請求できる賃料の額は A の B に対する賃料の額の限度である! B が C に賃借権自体を譲渡した場合 A は C に対してのみ賃料を請求できる! 建物賃貸借契約の期間が終了する場合でも 転貸借は A が C にその旨を通知した 6 ヶ月後に終了する! AB 間の賃貸借契約が合意解除されても 転借人である C の権利は 特段の事由がある場合を除き消滅しない! B の債務不履行により A が賃貸借契約を解除しようとする場合 A は C に対して賃料を支払う機会を与える必要はない! A の解約申し入れによって AB 間の賃貸借が終了したが C が建物の使用を継続する場合は A が遅滞なく異議を述べないときは AB 間の賃貸借が更新される! 借地権 19. 借地権を持つ人 ( 借主 ) を [ 借地権者 ] 借地権を設定した人 ( 貸主 ) を [ 借地権設定者 ] という! ( 抵当権では 抵当権を設定した人を抵当権者 土地等を供した人を抵当権設定者といい 意味と呼び方が逆になりますのでご注意ください ) 20. 借地権とは 建物所有を目的とする [ 地上権または土地賃借権 ] をいう! 21. 借地契約の期間を定めなかった場合 期間は [30 年 ] となる! 22. 借地契約の期間を 30 年以下とした場合 期間は [30 年 ] となる! 23. 借地契約の期間を 30 年以上とした場合 期間は [ その期間 ] となる!(40 年 40 年 ) 24. 合意による借地契約の初回更新は 期間 [20 年 ] 以上となる! 44

45 25.2 回目以降の借地契約更新は 期間 [10 年 ] 以上となる! 26. 借地権の存続期間が満了し 借地権者が契約の更新を請求した場合 [ 建物が存在 ] するときに限り 前の契約と同一条件で更新されたものとみなされる!( 借地権更新請求 ) 27. 借地権の存続期間が満了した後 借地権者が土地の [ 使用を継続 ] する場合 建物が存在するときに限り 前の契約と同じ条件で更新されたものとみなされる!( 法定更新 ) 28. 更新請求や土地の使用が継続された場合でも 借地権設定者が 遅滞なく [ 正当事由ある異議 ] を述べたときは 契約の更新はされない! 29. 存続期間満了前に建物が滅失し 借地権者が残存期間を超えて存続する建物を再築した場合 借地権設定者が [ 承諾 ] していたときは借地権の期間は延長される! ( 再築の通知から 2 ヶ月以内に借地権設定者が異議を述べないときも承諾とみなされる ) 30. 契約更新後に建物が滅失し 借地権者が無断で残存期間を超えて存続する建物を再築した場合 借地権設定者は [ 解約申入れ ] をすることができる!( 申入れから 3 ヶ月後に借地権消滅 ) 31. 借地契約の更新がない場合 借地権者は 借地権設定者に対して [ 建物 ] を時価で買い取るよう請求することができる!( 建物買取請求権 ) 32. 借地権者が借地権を第三者に譲渡 ( 又は転貸 ) するには 借地権設定者の [ 承諾 ] が必要である! 33. 借地権が譲渡 ( または転貸 ) されても特に借地権設定者に不利となるおそれがない場合 裁判所は 借地権者の申立てにより 借地権設定者の承諾に代わる [ 許可 ] を与えることができる! ( 注 : 建物の転貸 借家権の譲渡には 賃貸人の承諾に代わる裁判所の許可は不可 ) 34. 借地権者は 借地上の建物を [ 自由 ] に賃貸することができる!( 設定者の承諾不要 ) 35. 借地権設定者は 第三者と共に借地権を有する場合に限り [ 自己借地権 ] の設定をすることができる! 36. 事業の用に供する建物の所有を目的とする場合 存続期間を [10 年以上 50 年未満 ] とする借地権の設定をすることができる!( 公正証書による ) 37. 借地契約の期間を [50 年 ] 以上とした場合 契約更新しない旨の特約または存続期間満了時に建物買取請求を認めない旨の特約などを付けることができる!( 特約は書面による ) 38. 借地契約には 借地権設定後 [30 年 ] 以上を経過したら建物を借地権設定者に譲渡する旨の特約を付けることができる!( 特約は書面不要 ) B( 借主 ) が借地権を譲渡したいが A( 貸主 ) が承諾しない 1.B が借地上の建物をこれから C に譲渡する B は裁判所に A の承諾に代わる許可を求める 2. すでに C が売買等で建物を取得した C は A に対して建物買取請求権を行使できる 3. すでに C が競売で建物を取得した C は裁判所に A の承諾に代わる許可を求める 45

46 A( 貸主 ) が B( 借主 ) のために借地権を設定し B が建物を建築していた場合 借地権の存続期間を当事者の契約で定める場合 その期間は 30 年以上でなければならない! 期間満了の際 A が B に一定額を交付すれば A は更新を拒絶できる との特約は無効である!(B に不利すぎるため ) 地代の増減は AB 間の協議によって定める との特約があっても 経済事情などにより地代が不相当となったときは 当事者は将来に向かってその増減額を請求できる! 借地権設定から 30 年経過後に A が B の建物を時価で買い取り 契約は更新しない との特約は有効である! 土地の使用は木造 3 階建の家屋に限る 旨の借地条件があるとき A および B は裁判所に対して借地条件の変更の申し立てができる! B が再築のため建物を取り壊し 土地の見やすい場所に 1 建物を特定するため必要な事項 2 滅失があった日 3 建物を新たに築造する旨を提示した場合は B はその提示が存続する以上 滅失から 2 年間は借地権を第三者に対抗できる!( 建物に登記は必要 ) B は自己名義で建物の登記があれば C が土地所有権を強制競売で取得した場合でも C に対して借地権を対抗できる!( 実際に住んでいる必要はない ) B が借地権の登記をしておらず B の息子名義で建物に保存登記を設定していた場合でも A が C に土地の所有権移転登記を行った場合には B は C に借地権を対抗できない! 建物が 2 棟に分かれていた場合 片方に B 名義の保存登記があれば C に対して借地権を対抗できる! 当該借地権が 公正証書により締結された定期借地権であっても B は建物に登記がなければ C に借地権を対抗できない! B 建物の登記上の所在の地番が その土地の地番の表示と多少相違していても それが軽微な相違であれば B は C に借地権を対抗できる! A が土地の賃借権を譲渡しないとき 建物を競落した C は 建物の代金を支払った 2 ヶ月以内に限り 裁判所に対し A の承諾に代わる許可をするよう申し立てることができる! B が建物を C に譲渡しても A に不利とならないときは B は C が建物を譲り受ける契約をする前に 裁判所に対し A の承諾に代わる許可をするよう申し立てることができる! 46

47 1-23 不動産登記法 ( ) 不動産登記簿の仕組み 不動産登記簿への記載事項などをまとめた法律です 平成 13 年よりそれまでの 2 問から 1 問に出題数が減り 問題も簡単になりました 平成 17 年に大きな改正があり 今後改正箇所は出題の対象となる可能性が高いので 確実に押さえておいてください 1. 登記とは 登記官が [ 登記記録 ] として登記すべき事項を登記簿に記録することによって行う! 2. 登記記録とは 一筆の土地または 1 個の建物ごとに 表題部および権利部に区分して作成される [ 電磁的記録 ] をいう! 3. 不動産の表示に関する登記 ( 所在地等 ) が記録される部分を [ 表題部 ] という! 4. 所有権に関する事項は 権利部の [ 甲区 ] 事項欄に記載される! 例 ) 所有権移転 買戻し特約等 5. 所有権以外の権利に関する事項は 権利部の [ 乙区 ] 事項欄に記載される! 例 ) 抵当権設定 根抵当権設定 賃借権設定等 6. 登記所に備える地図は 一筆または数筆の [ 土地ごと ] に作成される! 7. 建物所在図は 1 個または数個の [ 建物ごと ] に作成される! 8. 何人も登記官に対し [ 手数料を納付 ] して 登記事項証明書および登記事項要約書の交付を請求することができる! 9. 不動産の表示に関する登記とは 不動産の [ 物理的状況 ] を登記簿に公示する為の登記である! 10. 登記は 原則として [ 当事者の申請 ] または官庁 公署の嘱託をまってなされる!( 申請主義 ) 11. 登記の申請は 原則として登記権利者 ( 買主など登記で利益を受ける者 ) と登記義務者 ( 売主など登記で不利益を被る者 ) が [ 共同 ] して申請する!( 共同申請主義 ) 12. 登記の申請は [ 電子情報処理組織 ] を使用する方法 または [ 申請情報を記載した書面 ]( 磁気ディスクでも可 ) を提出する方法により行わなければならない!( 例外なし!) 13. 表示に関する登記は 所有者等に [ 申請義務 ] が課される!(cf.19 番権利に関する登記 ) 14. 表示に関する登記は [ 登記官の職権 ] でもなされる! ( 他の登記は当事者の申請または官公署の嘱託が必要 ) 15. 建物を新築した時は 所有者は [1 ヶ月 ] 以内に建物の表示の登記を申請しなければならない! 16. 建物が滅失した時は 表題部に記載された所有者または登記名義人は [1 ヶ月 ] 以内に建物の滅失登記を申請しなければならない!( 登記官の職権も可 ) 47

48 17. 建物が二つの登記所の管轄区域にまたがって建っている場合 その建物の表示の登記の申請は [ どちらか一つ ] の登記所に対して行えば足りる! 18.1 つの不動産に 2 つ以上の登記がなされた場合 登記した権利の順位は 原則として [ 登記の前後 ] による! 19. 権利に関する登記には [ 登記申請義務 ] がない! ( 権利に関する登記 : 所有権保存 所有権移転 登記名義人表示変更など ) 20.[ 判決 ] により自己の所有権を証明できる者は 直接自己名義に所有権保存登記を申請することができる! 21.[ 土地収用法による収用 ] により土地所有権を取得した者は 直接自己名義に所有権保存登記を申請することができる! 22.1 棟の建物を [ 区分 ] した建物の登記簿の表題部に記載された者から所有権を取得したことを証明できる者は 直接自己名義に所有権保存登記を申請することができる! 23. 氏名の変更による [ 登記名義人表示変更 ] 登記は 登記名義人が単独ですることができる! 24. 登記権利者は [ 登記の移転 ] を命じる判決に基づき単独で所有権移転登記を申請することができる!( 所有権を確認する確定判決では不可 ) 25. 所有権移転請求権の仮登記の申請は 仮登記義務者の [ 承諾書 ] を添付して 仮登記権利者が単独で申請することができる! 26. 建物の分筆の登記は [ 表題部 ] に記載された所有者または登記名義人の申請によって行う! ( 合筆 登記名義人が相互に異なる持分を有している場合は不可 地目が異なる土地同士も不可 ) 27. 抵当権の登記の設定は 被担保債権の債権者が登記権利者 [ 抵当権設定者 ](= 抵当不動産の所有者 ) が登記義務者となる! 28. 抵当権の付いている建物の滅失登記を行う場合 目的物の滅失により抵当権は [ 当然に消滅 ] するので 抵当権の抹消登記は不要である! 29.A 所有建物を B に売却後 所有権移転登記前に A が死亡し C がこれを相続した場合 C への相続による [ 所有権移転 ] 登記をすることなく B に所有権移転登記を行うことができる! 30. 相続人が C 以外にも複数いる場合 C は自己の持分についてのみ保存登記をすることはできず [ 共同相続人全員 ] 名義の所有権保存登記をすることを要する! 31.A 所有の土地について B へ所有権移転の仮登記がされた後 A から C に所有権移転登記がされた場合 B は [C の承諾書または裁判の謄本 ] を添付して仮登記の本登記を行う! 32. 仮登記は 登記の申請に必要な [ 手続き上の条件 ] が具備しない場合や 権利の設定 移転 変更 消滅を [ 保全 ] しようとする場合に 仮登記権利者が単独で申請することができる! 48

49 33.[ 所有権 ] 以外の権利に関する仮登記の本登記を申請する場合 登記上利害関係を有する第三者がいても その者の承諾書を添付する必要はない! 34.[ 仮登記 ] をした後でも 他の者に所有権移転登記をすることができる! 35. 仮登記の抹消は [ 仮登記権利者 ] が単独で申請することができる! 36. 仮登記がされた所有権移転請求権 ( 甲区 ) と 登記がされた抵当権 ( 乙区 ) の順位は ( 別区なので )[ 受付番号 ]( 受付の順序 ) による! 37. 仮登記をした場合 本登記の順位は [ 仮登記 ] の順位による! 38. 付記登記の順位は [ 主登記 ] の順位による! 抵当権の変更など 39. 表題部に記載されている所有者の氏名 住所は [ 所有権保存 ] の登記をすると抹消される! < 共同申請主義の例外 > 単独申請が可能な登記の一部です 念のため軽く目を通しておいてください 不動産の表示に関する登記 所有権保存登記 相続または合併を原因とする移転登記 登記名義人表示変更登記 嘱託による登記 判決による登記 信託法 14 条により信託財産に属する不動産につき受託者がする信託の登記 収用による所有権移転登記 仮登記に関する特則 混同による権利の抹消登記 代物弁済による担保権の抹消登記 < 平成 17 年度不動産登記法改正点これだけは最低限覚える > 登記名義人になると 登記官から登記識別情報が通知される! 登記名義人は 登記申請に際して登記識別情報を示さなければならない! 正当な理由で登記識別情報を示せない場合 事前通知がなされる! ( 回答がないときは登記できない ) 司法書士や弁護士 公証人が関わる場合 上記の事前通知は不要となる! 所有権の登記に限り 前の住所にも登記識別情報が通知される! ( 司法書士等が関わっても必要 ) 49

50 平成 17 年度不動産登記法重要改正点まとめ 甲区と乙区の区分を登記規則で規定することになり 登記記録は 表題部 と 権利部 に分けて作成される ( 権利部の中で甲区と乙区に分ける ) すべての土地 建物に 不動産番号を付ける ( 不動産番号は 登記事項でもあることに注意 ) 出頭主義が廃止され 不動産登記のオンライン申請 ( または書面による郵送 ) が可能となった すべての登記所でオンライン申請ができるわけではなく オンライン申請ができるのはオンライン指定庁のみ オンラインの未指定庁では 従来の書面による申請となる また オンライン指定庁では オンライン申請または書面申請のいずれの方法も可能 権利の順位は 受付順となり 順位番号は廃止 ( 同じ郵便で届いた場合は 同順位とみなす ) 権利に関する登記を申請する場合 申請書副本による申請が廃止され 別段の定めがある場合を除き 登記原因証明情報を提供しなければならない オンライン指定庁では 従来の登記済証の制度に代わり 登記識別情報の通知の制度になる 保証書の制度が廃止され 以下の制度に変更 事前通知制度登記官は 申請人が登記識別情報を提供することができない場合 登記義務者に対し 当該申請があった旨および当該申請の内容が真実である旨を 法務省令で定める期間内に申し出るよう通知しなければならない この場合登記官は その期間内は 当該申出がない限り当該申請に係る登記をすることができません 資格者代理人による本人確認事前通知がなされるべき場合であっても, 登記申請の代理を業とする代理人 ( 司法書士等 ) によって申請がなされた場合は 当該申請に係る登記をすることができる ただし 登記官が代理人から法務省令で定めるところにより当該申請人が登記義務者であることを確認するために必要な情報の提供を受け かつ その内容を相当と認める場合に限ります 公証人による認証事前通知がなされるべき場合であっても, 当該申請に係る申請情報 ( 代理の権限を証する情報等 ) の記載 または電磁的記録について 公証人から当該申請人が真実の登記義務者であることを確認するために必要な認証がされ かつ 登記官がその内容を相当と認めるときは 当該申請に係る登記をすることができる 登記申請に必要な情報 1. 申請情報不動産を識別するために必要な事項申請人の氏名または名称登記の目的その他登記申請に必要な事項 2. 登記原因証明情報 : 権利に関する登記を申請する場合に提供する 3. 登記識別情報 : 登記義務者が本人である事を証明するために提供する ( 新名義人は通知受取拒絶可 ) 4. 住所証明書 : 登記権利者が本人である事を証明するために提供する 5. 代理権限証書 : 登記権利者 義務者双方の 司法書士などに対する委任状 50

51 1-24 区分所有法 ( ) 本来はすごく重要な科目ですが 今後の出題は微妙です 平成 13 年よりマンション管理士試験が開始されたため 出題をそちらに持っていかれてしまいました ( 複雑な知識が必要ですので嬉しいことなのですが ) 深入り無用ですので 最小限の知識だけを覚えておいてください 決議要件まとめ 区分所有者および議決権の各 5 分の 4 以上の賛成が必要 建替え決議 : 規約で別段の定め ( 定員の増減 ) 不可建替えに賛成の区分所有者は 反対の区分所有者に対して 区分所有権の売渡請求をすることができます 区分所有者および議決権の各 4 分の 3 以上の賛成が必要 共用部分の重大変更 : 規約により区分所有者の定数を過半数まで減らすこと可能議決権の定数を減らすことはできないという点に注意してください 規約の設定 変更 廃止 : 別段の定め不可一部の区分所有者に影響を及ぼすときは その者の承諾が必要です 管理組合の法人化 : 別段の定め不可 専有部分の使用禁止請求 : 別段の定め不可必ず裁判所に訴えるという方法で請求しなければなりません 専有部分等の競売請求 : 別段の定め不可必ず裁判所に訴えるという方法で請求しなければなりません 占有者に対する引渡請求 : 別段の定め不可必ず裁判所に訴えるという方法で請求しなければなりません 大規模滅失の復旧決議 : 別段の定め不可大規模滅失とは 建物の価格の 2 分の 1 を超える部分が滅失した場合をいいます 51

52 区分所有者および議決権の各過半数の賛成が必要 共用部分の軽微変更 : 別段の定め可能 行為の停止請求 : 別段の定め可能騒音や悪臭などの迷惑行為の停止請求は 区分所有者の 1 人または数人 もしくは全員 管理組合法人などが自由にすることができますが 訴訟を提起するには過半数の賛成が必要です 小規模滅失の復旧決議 : 別段の定め可能小規模滅失とは 建物の価格の 2 分の 1 以下の部分が滅失した場合をいいます 区分所有者および議決権の各 5 分の 1 以上の賛成が必要 集会の召集 : 規約により 区分所有者の定数も議決権の定数も減じること可能専有部分を借りている者 ( 占有者 ) は議決権を持たないので決議に参加することはできませんが 集会に出席して意見を述べることはできます そして 決議の効力は占有者に対しても及びます これは覚えておいてください 単独で可能 共用部分の保存行為 : 別段の定め可能 小規模滅失の復旧 : 別段の定め可能 1 人で直して その費用を他の区分所有者に請求することができます 決議により復旧させる場合は過半数の賛成が必要だということと区別しておいてください 行為の停止請求 ( 裁判外 ): 別段の定め不可 以下 分かりやすくするために便宜上 普通決議 : 区分所有者および議決権の各過半数による決議特別決議 : 区分所有者および議決権の各 4 分の 3 以上による決議とさせていただきます 1. マンションは [ 専有部分と共用部分 ] からなる! 2. 専有部分の利用目的は [ 住居 ] に限らない!( 事務所 倉庫等も可 ) 3. もともと皆で共用することが予定されているものを [ 法定共用部分 ] という!( 階段等 ) 4. 一見は専有部分だが 規約により皆で使うとされたものを [ 規約共用部分 ] という!( 集会室等 ) 52

53 5. 法定共用部分は [ 登記 ] をすることができない! 6. 規約共用部分は [ 登記 ] をしなければ共用部分である事を第三者に対抗することができない! 7. 共用部分の各共有者の持分は その有する [ 専有部分の床面積 ] の割合によるが 規約で別段の定めをすることができる! 8. 区分所有者の承諾を得て専有部分を専有する者は 会議の目的につき利害関係を有する場合 その集会に [ 出席 ] することができる! 9. 区分所有法は 建物の区分所有者相互間の関係に加え 区分所有者から専有部分を賃借している者など 占有者の [ 権利および義務 ] についても規定している! 占有者 : 集会に出席し意見を述べることはできるが 議決権はない 集会の決議や規約の効力は及ぶ 他の区分所有者の専有部分の使用請求はできない 10. 区分所有者は [ 全員 ] で管理組合を構成する!( 組合の構成員となるか否かの選択権はない ) 11. 専有が数人の共有であるとき 共有者は [ 議決権 ] を行使すべき 1 人を定めなければならない! 12. 数個の専有部分に通ずる廊下 階段等 構造上区分所有者の全員または一部に共用されるべき [ 法定共用部分 ] は 区分所有権の目的とはならない! 13. 管理者が第三者とした行為につき 各区分所有者が負うべき責任の割合は その [ 共用部分 ] の持分の割合による!( 規約で別段の定め可 ) 14. 管理者は規約に別段の定めがない限り [ 区分所有者 ] 以外の者から選任することもできる! 15. 管理者は 少なくとも [ 年 1 回 ] は集会を招集しなくてはならない! ( 区分所有者全員の同意があるときは招集手続きを経ないで開くこともできる ) 16. 区分所有者から専有部分を賃借している者に対し 賃貸借の解除を行う場合は 集会の決議に基づく [ 訴え ] をもって行う! 17. 規約の変更がある区分所有者の権利に影響を及ぼす場合 その区分所有者の [ 承諾 ] と集会の特別決議により 変更を行う! 18. 最初に建物の専有部分の全部を所有する者は 特定の規約について [ 公正証書 ] により規約を設定することができる!( 共用部分の持分の割合に関する規約等は不可 ) 19. 区分所有者は その有する専有部分とその専有に係る敷地利用権とを [ 分離して処分 ] できると規約で別段の定めをすることができる!(= 定めがないと不可 ) 20. 共用部分の保存行為は各区分所有者が [ 単独 ] ですることができるが 規約で別段の定めをすることもできる! 53

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