年金額の改定について公的年金制度は平成 16 年の法改正により永久に年金財政を均衡させる従来の仕組みからおおむね ( 100 ) 年間で年金財政を均衡させる仕組みへと変わったこの年金財政を均衡させる期間を財政均衡期間というこれにより政府は少なくとも ( 5 ) 年ごとに財政の検証をおこ

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あゆみふしはら
5 years ago
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1 旧法の適用6. 公的年金の概要 65 歳 ~ 60 歳 ~ 公的年金制度の全体像国民年金厚生年金 ( 参考 ) 自営等会社員等労働者対象昭和 19 年 : 厚生年金保険昭和 36 年 : 国民年金制度スタート国民皆年金自営業者等国民年金への加入 ( 会社員の妻などは任意加入 ) 両者を一本化昭和 61 年 4/1: 国民年金を基礎年金に ( 強制加入 ) 65 歳 ~ 厚生年金国民年金自営等会社員等労働者 + 自営業者等 ( これまでの任意加入者も含む ) 1 新法の適用労働者はこれに厚生年金が上乗せ

2 年金額の改定について公的年金制度は平成 16 年の法改正により永久に年金財政を均衡させる従来の仕組みからおおむね ( 100 ) 年間で年金財政を均衡させる仕組みへと変わったこの年金財政を均衡させる期間を財政均衡期間というこれにより政府は少なくとも ( 5 ) 年ごとに財政の検証をおこない必要な場合は年金額の調整を行なうことになった年金額は通常賃金や物価の変動に応じて毎年増減するがこの調整を行なう期間中は少子化による被保険者数の減少と平均余命の延びを年金額に反映させ賃金や物価が上昇する場合は年金額の伸びを抑えるものとなっているこの仕組みを ( マクロ経済スライド ) という本来 ( きんざいパーフェクト FP 技能士 2 級対策問題集実技編 ( 個人資産相談業務 ) P42 第 7 問より抜粋 ) 物価スライド制賃金や物価水準の変動率に合わせて年金額が自動的に調整される ( 改定率の改定 ) 物価水準 H17 年度から物価水準調整期間現在マクロ経済スライド年金給付額年金給付額物価水準以外に少子化の影響によるマイナス要素を改定率に反映させて給付水準を調整 2

3 つまり物価や賃金水準の伸びよりも年金額の伸びを低く抑えている but 実際には現在はまだマクロ経済スライドを実施せず物価スライド特例措置賃金や物価の上昇率=( 本来 ) 年金額の伸び調整率で低くする実際の改定率 H12 H14 H16 H18 H21 物価変動 -1.7% -1.2% -0.3% + 年金額 ( 本来 ) -2.9% 満額 804,200 円 780,900 円 ( 実際 ) -1.2% のみ据置 804,200 円 794, ,100 円加味せず物価は上昇しているが年金額は調整がつくまで上げない物価上昇率のほうが調整率よりも少なければ実際の改定率は変更しないまた物価が下落している場合には調整率は加味しない 3

4 公的年金制度の被保険者と保険料被用者年金国民年金厚生年金保険共済第 1 号第 3 号任意加入第 2 号自営等学生 (H3 年 4 月 ~) 第 2 号の希望による会社員公務員等被扶養配偶者任意加入年齢 20 歳以上 20 歳以上 20 歳以上原則なし要件 60 歳未満 60 歳未満 65 歳未満 (65 歳以上は年金受給権がない場合 ) 国内居住ありなしなしどちらか国籍要件なしなしなし保険料の負担全額自己負担なし全額自己負担厚生年金等の ( 月額 15,100 円 ) 保険料から拠出 ( 労使折半 ) 総報酬制 (H15 年 4 月 ~) 標準報酬月額 + 標準賞与額 % 4

5 厚生年金保険の被保険者適用事業所 ( 国内居住要件なし ) 強制加入被保険者適用事業所以外事業主の同意などが必要任意単独被保険者 70 歳資格喪失以後の保険料負担なし年金給付受給権取得まで老齢年金給付の受給権がない場合のみ高齢任意加入被保険者 ( 保険料負担あり ) 5

6 参考例題 1 ( 問題集 P16 問題 7) 国民年金の被保険者の種別等に関する以下の記述のうち正しいものはどれか 1. A さん ( 専業主婦 56 歳 ) の夫は定年退職により第 2 号被保険者の資格を喪失したため A さんは第 1 号被保険者として月額 15,100 円 ( 平成 22 年度 ) の保険料を負担することとなる 2. 会社の常勤役員に昇格した B さん (54 歳 ) は第 2 号被保険者から第 1 号被保険者へ種別変更しその保険料を全額自己負担することとなる 3. 嘱託社員の C さん (61 歳 ) は第 2 号被保険者であるためその保険料は全額自己負担となる 4. 公務員から会社員に転職した D さん (45 歳 ) は第 3 号被保険者から第 2 号被保険者へ種別変更し保険料を全額自己負担することとなる 6

7 免除本来は納付( 全額猶予 ) 保険料が免除されるケースについて復習どの免除期間も年金加入資格の期間としては算入される (25 年加入要件 ) どのケースにおいても 10 年以内ならば追納できる法定免除申請免除法定免除事由に該当するケース保険料は全額免除申請によって免除される場合 (1~3) 1 多段階免除制度 : 本人と同一世帯の所得により免除 ( 全額 3/4 半額 1/4) 2 学生納付特例制度 : 20 歳以上の学生で本人の前年所得が118 万以下 ( 全額猶予 ) 3 若年者納付猶予制度 : 本人と配偶者の所得が低所得の30 歳未満 (H17 年 ~H27 年まで ) 年金の受給資格期間には入るがもらえる年金額には反映されないつまり年金額に反映させるためには 10 年以内の追納が必要 7

8 7. 老齢給付 ( 国民年金 ) 老齢基礎年金の受給要件 ( 参考問題 : H22 年 1 月 : 学科問題 5) 受給要件を満たしている 65 歳以上受給権発生請求により支給 65 歳に達していること受給資格期間が原則として25 年以上 1 ( 生年月日によっては特例あり ) もらえる年金額からは除外保険料納付済期間 1 第 1 号任意加入期間のうち保険料を納めた期間 2 第 2 号の期間 (40 年が限度 ) 厚生年金共済の期間 3 第 3 号の期間 + 保険料免除期間 + 合算対象期間 ( カラ期間 ) 第 1 号のうちの免除期間 ( 学生特例も含む ) 追納したら納付済へ >25 年 = 任意加入しなかった未加入期間 ( 例 ) 専業主婦で未加入 (S36 年 4 月 ~S61 年 3 月 ) 未加入はカラ期間に入る可能性もあるが未納は H3 年 4 月から学生も強制適用 20 歳以上の学生で未加入だった期間 (S36 年 4 月 ~H3 年 3 月 ) 8

9 ( 参考 ) 1 受給要件 (25 年 ) に関する特例 1 S5 年 4 月 1 日以前生まれの場合生年月日 T15 年 4 月 2 日 ~S2 年 4 月 1 日 S2 年 4 月 2 日 ~S3 年 4 月 1 日 S3 年 4 月 2 日 ~S4 年 4 月 1 日 S4 年 4 月 2 日 ~S5 年 4 月 1 日 25 年なくても要件を満たすことにできる期間 21 年 22 年 23 年 24 年 2 被用者年金制度の加入期間が以下の期間以上の場合 S27 年 4 月 1 日以前生まれ S27 年 4 月 2 日 ~S28 年 4 月 1 日 S28 年 4 月 2 日 ~S29 年 4 月 1 日 S29 年 4 月 2 日 ~S30 年 4 月 1 日 S30 年 4 月 2 日 ~S31 年 4 月 1 日 3 厚生年金の加入期間が以下の期間以上の場合 20 年 21 年 22 年 23 年 24 年 H22 年 1 月問題 5 のケース S22 年 4 月 1 日以前生まれ S22 年 4 月 2 日 ~S23 年 4 月 1 日 S23 年 4 月 2 日 ~S24 年 4 月 1 日 S24 年 4 月 2 日 ~S25 年 4 月 1 日 S25 年 4 月 2 日 ~S26 年 4 月 1 日 15 年 16 年 17 年 18 年 19 年 9

10 老齢基礎年金の年金額保険料を払った分に応じてもらえる 792,100 円 40 年間加入したときの満額 (20 歳 ~60 歳まで ) 復習調整後のい全れて保険料納付済保険料免除ば支+ 満払月数月数って加入可能年数年加入していれば480 月 (S16 年 4 月 2 日以降の人 ) 額全額免除月数 4/8または2/6 学生納付特例や若年者猶予などは含めない合計 4 分の 3 免除月数 5/8 または 3/6 2 分の 1 免除月数 6/8 または 4/6 4 分の 1 免除月数 7/8 または 5/6 計算例 Aさん (S34 年 12 月 5 日生 ) 国民年金加入歴 (P74~P76) 未納 :28 月全額免除 :36 月 (H21 年 3 月前 ) 納付 :294 月納付予定 :122 月 (60 歳まで ) H21 年 4 月以降 3 月まで Aさんが65 歳からもらえる老齢基礎年金額は? 2 792,100 円 416 月 +36 月 2/6 480 = 706,289 円 706,300 円 10

11 2 年金額の裁定改定における端数処理年金給付の額や加算額などに端数が生じた場合 50 円未満の場合切り捨て 50 円以上 100 円未満の場合 100 円に切り上げ参考例題 2 ( テキスト P35) Kさんの公的年金加入状況 (H21 年 4 月に65 歳 ) 20 歳 28 歳 42 歳 60 歳厚生年金専業主婦専業主婦 8 年国民年金未加入国民年金加入 ( 合算対象期間 )14 年 ( 第 3 号被保険者 )18 年 1 受給要件について保険料納付済期間 + 合算対象期間 = ( 2 65 歳から受給できる老齢基礎年金額保険料納付済期間 = ( ) 年よって 792,100 円 ( ) 年 12 月 480 月 ) 年どちらについての問題か混同しないように注意! 11

12 老齢基礎年金の繰上げ繰下げ支給 (S16 年 4 月 2 日以降生まれの場合 ) 繰上げ 1 月ごとに0.5% の減額 65 歳 ( 原則 ) 65 歳から支給 66 歳 1 月ごとに0.7% の増額 70 歳繰下げ 60 歳 70% 減額100% 増額142% 注意点一生変えられない寡婦年金障害基礎年金裁定請求の取消変更はもらい始めたら任意加入被保険者にはなれない 12

13 参考例題 3 (H20 年 5 月学科問題 7) 老齢基礎年金の全部繰り上げの裁定請求をする際の注意事項に関する次の記述のうち最も不適切なものはどれか 1. 昭和 16 年 4 月 2 日以降に生まれた者の場合支給される年金額は本来の老齢基礎年金の額から受給を希望した年齢に応じて月単位で減額されその減額された額が一生続く 2. 繰上げの裁定請求書が受理された後でも裁定請求の取消や受給開始年齢の変更をすることができる 3. 寡婦年金の受給権を有する者の繰上げの裁定請求書が受理されたときはその寡婦年金の受給権は消滅する 4. 繰上げの裁定請求書が受理された後は国民年金の任意加入被保険者となることはできない 13

14 付加年金老齢年金に上乗せして受給できる年金 ( 任意で加入 ) 復習第 1 号被保険者で全額納付の場合第 2 号第 3 号は保険料納付の免除者も国民年金基金との同時加入は保険料 : 400 円 ( 月 ) 老齢基礎年金への上乗せ : 200 円付加保険料納付月数復習振替加算被保険者 : 夫配偶者 : 妻のケースを例にすると妻が 65 歳になるまで夫の老齢厚生年金妻が 65 歳になると妻の老齢基礎年金 + 夫の分 + 妻の分振替加算加給年金として夫に追加加給年金は打ち切り妻に加算 14

15 ( 例 ) 夫厚生年金から加給年金老齢厚生年金老齢基礎年金 65 歳妻 65 歳振替加算老齢基礎年金国民年金から ( 受給要件 ) 夫が 20 年以上厚生年金に加入していて老齢厚生年金を受給妻が 65 歳に達した日において夫によって生計が維持され夫に加給年金がついている妻が S41 年 4 月 2 日以後生まれの場合は S61 年の強制加入スタート時に 20 歳なので 40 年加入して満額もらえるため参考問題解答参考例題 1: 1 参考例題 2:140 年 226 年参考例題 3: 2 配布資料 ( 参考問題 ) 問題 4: 2 問題 5: 3(B と C) 15

16 ( 参考 ) 生年月日との関係誕生日の考え方 : 誕生日の前日に 1 歳新しい歳になる S16 年 4 月 1 日以前生まれの人は 40 年満たせない ( 例 )S16 年 4 月 1 日生まれの人 S36 年 3 月 31 日にはすでに 20 歳になっている S36 年 4 月 1 日から年金加入がスタートしても 60 歳になるまでに 40 年ちょうどは満たせない T15 4/2 4/1 S16 4/2 S36 4/1 任意加入スタート S41 4/2 4/1 S61 4/1 強制加入スタート T15 年 4 月 2 日生の場合 : 35 歳 60 歳までに 40 年分の満額は S16 年 4 月 2 日生の場合 : S41 年 4 月 2 日生の場合 : 20 歳任意で40 年加入して満額もられる可能性もある 16 強制加入から必ず 40 年加入できるので満額もらえる

第14章　国民年金　

第14章　国民年金　第 17 章国民年金国民年金はすべての国民を対象として老齢障害死亡について年金を支給し健全な国民生活の維持向上に寄与することを目的としています - 151 - 国民年金のしくみ 1 被保険者国民年金に必ず加入しなければならない人は日本国内に住所がある 20 歳以上 60 歳未満の人たちです被保険者は次の 3 種類となります ⑴ 第 1 号被保険者日本国内に住所のある 20