Microsoft Word - 虫食い2017

Size: px
Start display at page:

Download "Microsoft Word - 虫食い2017"

Transcription

1 宅建かんたん合格パック特典 虫食いインプリ ~ 中上級者向けですので 通常のインプリである程度の知識を得た後にご活用ください ~ ( プリントアウトしてからのご使用をおすすめします ) 1

2 第一章権利関係 (14 問 : 目標 8 点 ) 単純暗記だけでなく理解も必要で 元々難易度が高めだった権利関係ですが 更に近年の宅建試験では難化が激しくなっています 2016 年のように基本に立ち返る年も年もあるかと思いますが 原則として難易度は高めと考えておいてください 難問対策として補足が多めとなっていますので まずは ( ) 等の補足は無視して重要本文を覚えていってください 基礎ができましたら補足の細かい知識を肉付けしていってください ここでは出題数の半分 7~8 点を目指しましょう! 1-1 契約の成立 ( ) 出題確率と覚える大変さのバランスを考慮した重要度です出題確率が低くても簡単なものは が多め ( 逆もあり ) 契約とは 申込み と 承諾 という 意思表示 が合致することによって成立します 試験で直接問われることは少ないので 基本の基本として覚えておいてください Point 契約の種類 契約各当事者がお互いに債務を負担するか双務契約 : 売買 賃貸借 請負 有償委任など片務契約 : 贈与 無償委任など 契約各当事者がお互いに対価を要するか有償契約 : 売買 賃貸借 請負 有償委任など無償契約 : 贈与 無償委任など 当事者の意思表示のみで成立するか 物の引渡しも要するか諾成契約 : 売買 賃貸借 請負 交換 委任 贈与など要物契約 : 消費貸借 使用貸借 質権 寄託 代物弁済など 1. 売買契約は 売主と買主の契約をしようという [ 意思表示 ] が一致すれば成立する!( 書面不要 ) 2.[ 公序良俗 ] に反する内容の契約は 無効である! 3.[ 意思能力 ] がない状態でした契約は 無効である! 4. 承諾の通知を申込み者に [ 発した ] ときに 契約は成立する! 5. 承諾期間を定めた申込みは [ その期間内 ] は申込みを取り消すことができない! 6. 定められた承諾期間を過ぎた後の承諾は [ 新たな申込み ] とみなされる! 7. 当事者の [ 合意 ] がある場合は 承諾の通知を発しなくても契約は成立する! 8. 契約締結費用は 当事者が [ 平分 ] して負担する! 公序良俗に反する = 反社会性を帯びた行為 ( 賭博 人を殺す契約など ) 意思能力 = 行為の結果を弁識できるだけの精神能力 (7~10 才程度の能力 ) 難問対策 : 契約交渉中であり 契約締結に至っていない準備段階であっても 当事者の一方が契約交渉を打ち切った場合 具体的な事情によっては損害賠償責任を負うことがあります 胎児や成立前の法人のように その時点では実在しない者のために契約を締結させることも認められています 2

3 1-2 意思表示 ( ) ものすごく重要です 複数の人物が登場する問題が多いので 混乱しないように図を書いて考えましょう 取消し は主張して初めて契約がなかったことになり 無効 は何も言わなくても当然に契約がなかったことになります 詐欺 強迫 錯誤 心裡留保 通謀虚偽表示のどれかから ( または複合問題で )10 年で 7~8 問のペースで出題されています Point 善意の第三者に対抗することができるか? 詐欺による取消 強迫による取消 虚偽表示による無効 錯誤による無効 ( 要素の錯誤 + 重過失なし ) ( 相手方が悪意または有過失で ) 心裡留保による無効 1. 詐欺による取消しは 取消前に利害関係をもった [ 善意 ] の第三者に対抗することができない! 2. 強迫による取消しは [ 取消前 ] に利害関係をもった善意の第三者に対抗することができる! 3. 第三者が詐欺をした場合 本人は 相手方が [ 悪意 ] の場合のみ取り消すことができる! 4. 第三者が強迫をした場合 本人は 相手方の [ 善意悪意 ] に関わらず取り消すことができる! 5. 錯誤による無効は [ 善意 ] の第三者にも対抗することができる!(= 通説 ) ( 第三者を保護するべきという有力説もあります 96 条 3 項詐欺の取り消しを類推適用?) 6. 要素の錯誤は無効だが 表意者に [ 重過失 ] があるときは 無効を主張することができない! 7. 錯誤無効を主張することができるのは 原則として [ 表意者 ] のみである! ( 例外 : 表意者に対する債権をを保全する必要があり 表意者が錯誤を認めているとき ) 8. 動機の錯誤は原則的に無効とはならず その動機が相手方に [ 表示 ] された場合 ( 明示的 黙示的を問わず ) に意思表示の錯誤が成立することがある! 例 ) 新幹線が通ると言われたからこんな田舎の土地を買ったのに これを売主に言ったか? 9. 心裡留保による意思表示は 相手方が [ 善意無過失 ] のときは有効となる! (= 冗談が通じず 信じてしまった ) 10. 心裡留保による意思表示は 相手方の善意悪意に関わらず [ 有過失 ] のときは無効となる! (= 冗談だと分かっていた または誰がどう見ても冗談だと分かる話を信じた ) 11. 心裡留保が無効となった場合 [ 善意 ] の第三者に無効を主張することはできない! 12. 通謀虚偽表示による契約は [ 無効 ] であるが その無効を善意の第三者に対抗することはできない!( 第三者に該当する者 次ページ難問対策 ) 13. 通謀虚偽表示による無効は [ 契約当事者 ] 以外の者も主張することができる! ( 過失があっても主張可 ) 14. 契約を取り消した場合 その効果は [ 契約締結時 ] に遡り失効する 3

4 A 所有の土地が A B C と転売され 登記も完了している場合 A は B にだまされて土地を売ったとしても A の取り消しは善意の C には対抗できない! A は B に強迫されて土地を売った場合 A の取り消しは C が善意でも対抗できる! A が C にだまされて B に土地を売却した場合 B が悪意のとき A はその契約を取り消せる! A がその土地を売却した時に未成年者だった場合 C が善意でも 法定代理人の同意を得ていなかったことを理由にその売買契約を取り消すことができる! B が代金を支払わないので A が契約を解除しても 登記済みの C には対抗できない! AB 間の売買契約が公序良俗違反で無効であるときは C は善意悪意にかかわらず A に対抗できない! C の善意悪意にかかわらず C は登記を備えておけば AB 間で契約が解除されても C は A に対抗できる!(= 登記済みなら OK) AB 間の売買契約が既に解除されていたとしても C は善意悪意にかかわらず 登記を備えれば A に対抗できる!(= 後から登記しても OK) A が本心ではなく B に売却の意思表示をしたとき B が A の真意を知っていたときは A はその意思表示の無効を主張できる! A が B にした売却の意思表示につき 法律行為の要素に錯誤があった場合 A に重大な過失があったとき以外は A はその意思表示の無効を主張できる! A と B が通謀して A 所有地の登記を B に移し ( 通謀虚偽表示 ) その土地を B が C に譲渡した場合 虚偽表示は無効なので B が登記を受けていても A は売買契約の無効を主張できる! 登記を受けていなくても C は善意でさえあれば A に対して所有権を主張できる! B は無権利者なので 登記がなくても C は B に対して所有権を主張できる! A が D にも当該土地を譲渡した場合 C と D では先に登記を備えた方が所有権を取得する! C が更に E に土地を譲渡した場合 E は C の善意悪意にかかわらず E が善意であれば A に対して所有権を主張できる! E が悪意であっても C が善意なら E は A に対して所有権を主張できる! 善意 = 知らなかった 悪意 = 知っていた 善意無過失 = そのことを知らず 落ち度も無い状態 錯誤 = 勘違いによる意思表示 要素の錯誤 = 取引の重要な部分に錯誤があること 心裡留保 ( しんりりゅうほ ) = 真意ではないと自覚しながらする意思表示 (= 冗談 ) 通謀虚偽表示 ( つうぼうきょぎひょうじ ) =2 人の者が共謀し ウソの契約をすること 難問対策 ( 判例により第三者に該当するとされた主な例 ) 1 虚偽表示による譲受人からさらにその目的物を譲り受けた者 2 虚偽表示による譲受人からその目的物について抵当権の設定を受けた者 3 発生を仮装された債権の譲受人 難問対策 ( 判例により第三者に該当しないとされた主な例 ) 1 代理人や法人の代表機関が虚偽表示をした場合における本人や法人 2 虚偽の債権譲受人から取立のために債権を譲り受けた者 3 土地が仮装譲渡された場合におけるその土地上の建物賃借人 4

5 1-3 制限行為能力者 ( ) 出題ポイントが多く 要注意です 制限行為能力者の意義や 売買契約を結んだ場合の効果など 重要事項満載です まだ社会のことをよく知らない未成年者や 通常の人より精神的能力が低い人を保護するための制度です 10 年で 8 問のペースで出題されています Point 制限行為能力者の種類 未成年者 : 満 20 歳未満の者 ( 保護者 親権者 未成年後見人 ) 成年被後見人 : 精神上の障害により弁識能力を欠く者 ( 保護者 成年後見人 ) 被保佐人 : 精神上の障害により弁識能力が著しく不十分な者 ( 保護者 保佐人 ) 成年被後見人よりも症状が軽いものが被保佐人です 前は被保佐人とされた重度の浪費家ですが 法改正により被保佐人に含まれなくなった点に注意 1. 未成年後見人は [ 複数 ] を選任することができる!( 法人も可 成年後見人 保佐人 補助人も複数を選任することができます ) 2. 未成年者が未成年後見人の同意を得ないでした法律行為は 原則として [ 取り消す ] ことができる!( 無効である 同意は黙示でもよい 同意は取引の相手方に対してでもよい ) 取消ができない行為 (= 有効に成立する 未成年者が一方的に利益を得るだけの行為 ) 1. 法定代理人の同意を得た契約 2. 営業の許可を受けている行為 3. 処分を許された財産を処分する行為 4. 単に権利を得 ( 贈与等 ) または義務を免れる ( 債務の取消等 ) 契約 3. 成年被後見人が [ 単独 ] で行った法律行為は 原則として取り消すことができる! ( 成年後見人の同意を得ていても取消可 日常生活に関する行為は取消不可 ) 4.[ 法人 ] も 成年後見人となることができる! 5. 成年後見人が成年被後見人に代わって建物等の売却 賃貸 抵当権の設定などの行為を行うときは [ 家庭裁判所 ] の許可を得なければならない! 6. 被保佐人が [ 単独 ] で行った法律行為は 原則として取り消すことができない! 7. 被保佐人が 保佐人の同意を得なければならない行為を 同意またはそれに代わる家庭裁判所の許可を得ないでした場合 [ 被保佐人 ] 又は保佐人が共に当該行為を取り消すことができる! 同意が必要 ( 取消ができる ) な重要な行為 1. 不動産など 重要な財産の売買 2.5 年を超える土地賃貸借 3.3 年を超える建物賃貸借 4. 建物の新築 改築 増築 大修繕の依頼 5

6 8. 未成年者と取引した相手方が 未成年後見人に対して 1 月以上の期間内に追認するように催告したが確答がなかった場合 未成年後見人は未成年者の行為を [ 追認 ] したものとみなされる! 9. 未成年者と取引した相手方が 未成年者本人に対してした追認の催告は [ 無効 ] である! 10. 契約締結時に未成年者であった者は 成年に達しても 契約から [20 年 ] 経過するか 追認することができる状態になったときから [5 年 ] 以内は取消権を行使することができる! 11. 契約の相手方が被保佐人に 保佐人の同意を得て追認するように催告したが 確答がなかった場合 当該契約は [ 取り消された ] ものとみなされる! 12. 制限行為能力者が [ 行為能力者 ] であると相手方をだまして契約をした場合 その契約は取り消すことができない! 追認 = 契約後に契約成立を認めること 催告 = 裁判外の請求 制限行為能力者の相手方の催告権 誰に催告するか? 確答がない場合 未成年者 法定代理人 追認とみなされる 成年被後見人 法定代理人 追認とみなされる 被保佐人 保佐人 ( ) 追認とみなされる 被補助人 補助人 ( ) 追認とみなされる 行為能力者となった後 本人 追認とみなされる 被保佐人または被補助人に催告し確答がなかった場合は取消しとみなされます 成年擬制 未成年者でも 男は満 18 歳 女は満 16 歳で婚姻をすることができ ( 父母どちらかの同意が必要ですが 同意なく婚姻届が受理されても取り消されません 両親ともいない場合は同意不要 未成年後見人の同意も不要と緩い規定です ) 婚姻をすれば民法上成年に達したものとみなされます 未成年のうちに離婚をしても 成年擬制の効果は消滅しません ( 成年者のまま ) また 民法上成年とみなされるだけですので もちろん煙草や飲酒などは認められません 不適齢婚 ( 男 18 歳未満 女 16 歳未満 ) であっても 誤って受理された場合は取り消されるまで成年擬制が働きます 難問対策 ( 胎児の権利能力 ):1 不法行為による損害賠償請求 2 相続 3 遺贈について 胎児はすでに生まれたものとみなされます 出生届けの有無も関係なく 出生しさえすれば権利能力を得ます 難問対策 : 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者につき 4 親等内の親族から補助開始の審判の請求があった場合 家庭裁判所はその事実が認められるときは 本人の同意を得た上で同審判をすることができます 6

7 1-4 代理 ( ) 代理とは 他人の行為によって自分が効果を受ける制度をいいます 本人 相手方 代理人の 3 人の人物が登場します 覚えることが多くて大変です 浅くてもよいので 広く正確な知識を習得してください 9 割方出題されますのでどこから出題されても対応できるように! 1. 代理の効力が [ 本人 ] に及ぶためには 代理権があり 相手方に対し本人に代わって行うことを示し ( 顕名 ) 相手方と契約することを要する! 2. 代理人が顕名しないでした契約は [ 代理人 ] 自身のために効力を生ずる! ( 相手方が 周囲の事情から代理人であることを知りえた場合は本人に生ずる ) 3. 代理人が [ 制限行為能力者 ] であっても 代理行為は有効である! 4. 代理人が 相手方の詐欺または強迫により代理契約を締結した場合 [ 本人 ] が当該契約を取り消すことができる!( 詐欺の場合は 本人が善意のときに限る ) 5. 代理人が 第三者の詐欺により代理契約を締結した場合 本人は 相手方が詐欺につき [ 悪意 ] のときにのみ当該契約を取り消すことができる!( 強迫は善意悪意を問わない ) 6. 代理人が詐欺または強迫により代理契約を締結した場合 相手方は [ いつでも ] 当該契約を取り消すことができる!( 本人の善意悪意を問わない ) 7. 代理人が錯誤により代理行為をした場合 代理人に [ 重大な過失 ] がないときに限り 本人は代理行為の無効を主張することができる! 8. 代理人が [ 自己の利益 ] のために代理行為をした場合 相手方がその事実を知りえたときに限り 本人は代理行為の無効を主張することができる! 9. 無権代理行為は無効だが 本人が追認すれば [ 契約締結時 ] に遡り有効となる!( 無権代理人に対して追認することもできるが 相手方が追認の事実を知らないとその効果を主張できない ) 10. 無権代理行為の相手方は 追認するかどうか本人に催告でき ( 悪意でも可 ) 確答がなければ [ 追認拒絶 ] とみなされる! 11. 無権代理行為の [ 善意 ]( 過失はあってもよい ) の相手方は 本人が追認する前に 当該契約を取り消して無効とすることができる! 12. 無権代理行為の [ 善意無過失 ] の相手方は 本人の追認が得られなかった場合 無権代理人に対して 代わって契約を履行させるか 損害賠償を請求することができる! ( 無権代理人が制限行為能力者であるときは 責任追及不可 ) 13. 復代理人とは [ 本人 ] の代理人であり 代理行為をすれば その効果は本人に及ぶ! 14. 代理人が復代理人を選任しても 代理人の [ 代理権 ] は消滅しない! 7

8 15. 代理人の代理権が消滅すると [ 復代理人 ] の代理権も消滅する! 16. 法定代理人は [ いつでも ] 復代理人を選任することができる! 17. 任意代理人は [ 本人の承諾 ] があったとき またはやむを得ない事情があるときに限り復代理人を選任することができる! A( 代理人 ) が B( 本人 ) 所有の建物の売却について B から代理権を授与され 買主が C( 相手方 ) である場合 Point こういった図を必ず書く B( 本人 ) A( 代理人 ) C( 相手方 ) A が買主 C から虚偽の事実を告げられて売買契約を締結した場合 善意の B は詐欺を理由に契約を取り消せる! 建物が破損したため B に無断で A が修繕した場合 (= 保存行為 ) B はその修繕代金を負担する! A は B の許諾があるとき またはやむを得ない事情 ( 急病など ) があるときに限り 復代理人を選任することができる! C が A に対して A の権限内と思われる契約を B のためにすることを示して行ったときは 直接 B に対してその効力を生じる! 代理人は行為能力者であることを要しないため B が未成年者である A を代理人に選んだ場合 B は A に親権者の同意がないことを理由に A が締結した契約を取り消すことはできない! A が B に隠れて C からも代理権を与えられていた場合 ( 双方代理 ) は 当該契約は無効である! (B および C の同意があれば有効 = この場合は C も本人 ) B が実は A に代理権を与えていなかった場合 (= 無権代理 ) C がそのことについて善意であり かつ B の追認がないとき C は当該売買契約を取り消すことができる!(cf. 追認するか? との催告権は C は悪意でも行使可能 今後も出てくる cf. とは 比較 の意味です ) 8

9 以下 無権代理 A の行為が実は無権代理だった場合 C がそのことについて善意無過失であり かつ B の追認がないとき A に対して契約の履行の請求または損害賠償の請求ができる! 実は代理権のなかった A と C の契約は B が直接 C に対して追認の意思表示を行えば その契約は有効となる! B が追認しない場合でも C が A に代理権があると信じ そう信じることに正当な理由があるとき (= 表見代理 ) は C は直接 B に対して契約の成立を主張できる! A の行為が表権代理に該当するとき C は A に対して損害賠償を請求するか B に対して契約の成立を主張するかは自由である! A の無権代理行為を B が追認した場合 A と C が契約した時点から 当該契約は効力を生じていたことになる!( 本人と相手方の別段の意思表示により遡及しないものとすることも可 ) 善意悪意を問わず C は期間を定めて 追認するか否かの催告を B に対してすることができ その期間内に B の確答がないときは 追認は拒絶されたものとみなされる! B が死亡して A が B を単独で相続した場合 A は B が売買契約を追認していなくても C に対して当該土地を引き渡さなければならない ( 当該無権代理行為は当然に有効となるため )! A が破産した場合 A の代理権は消滅し 破産後の A の行為は無権代理行為となるが C が A の破産を知らず善意無過失で信頼したときは A の行為は有効となる! (A が死亡して B が単独相続した場合 B は追認拒絶可 C が悪意 or 有過失なら一切責任なし ) 追認まとめ 追認権は B( 本人 ) にのみ認められる! 追認は単独行為であり C( 相手方 ) や A( 無権代理人 ) の同意は必要ない! 無権代理行為の取消権は C( 相手方 ) にのみ認められる! 追認するか否かの催告権は C( 相手方 ) にのみ認められる! 無権代理の相手方が 本人または無権代理人に対して主張できること 本人に対して :1 相当期間を定めて催告 ( 悪意でも可 )2 表見代理を主張 ( 善意無過失の場合 ) 無権代理人に対して :1 取消の主張 ( 善意の場合 )2 損害賠償や履行請求 ( 善意無過失の場合 ) 難問対策 : 代理人が本人を代理して自分と契約することを自己契約 契約当事者双方の代理人となって契約することを双方代理といい これらは原則として禁止され もしも行われた場合は無権代理となり基本的に無効となります しかし 本人の承諾がある場合や 単に債務を履行するだけの場合 (= 弁済期の到来した債務の弁済など ) には自己契約や双方代理も許されます 難問対策 : 本人の本質的意思が要求される婚姻や縁組などの純粋身分行為について代理は認められませんが 例外として代諾縁組 ( 親が代わってする 15 歳未満の子の縁組 ) は可能です 9

10 1-5 弁済 相殺 ( ) 弁済とは 債務者が約束どおり債務を果たすことによって債権者の債権を消滅させる行為をいいます 相殺とは 債権者と債務者とが相互に同種の債権 債務を有する場合に その債権と債務を対等額で消滅させる行為をいいます 10 年で 3~4 問の出題ですが簡単です 1. 債務者は 弁済の提供をすれば [ 債務不履行責任 ] を免れる!(cf. 不法行為責任は免れない ) 2. 弁済費用 (= 弁済をするための費用 交通費など ) は 特約がないときは [ 債務者 ] が負担する! 3. 弁済場所は 特約がないときは [ 債権者 ] の住所地で行う! ( 特定物の場合は 債権発生当時その物があった場所 ) 4. 弁済と [ 受取証書 ] の交付は 同時履行の関係にある! 5. 弁済と [ 借用書 ] の返還は 同時履行の関係にはない!( 弁済が先 ) 6. 弁済金が不足する場合 まずは [ 利息 ] に充当される! 7. 法律上利害関係のない第三者は [ 債務者 ] の意思に反して弁済することはできない! 8. 法律上利害関係のある第三者は [ 債務者 ] の意思に反しても弁済することができる! 9. 弁済につき正当な利益のない者が弁済した場合 [ 債権者 ] の承諾を得て 債権者に代位することができる!(= 任意代位 ) 10. 弁済につき正当な利益を有する者が弁済した場合 [ 当然 ] に債権者に代位し 債務者に対抗することができる!(= 法定代位 ) 11. 債務者は [ 債権者 ] の承諾を得て 代わりの物をもって弁済とすることができる!( 代物弁済 ) 12. 相殺は 相手方に対する一方的 [ 意思表示 ] によって行われる! 13. 対立する債権債務の [ 履行地 ] が異なる場合でも 相殺することができる! 14. 相殺をなすには 双方の債権が [ 弁済期 ] にあることを要する! ( 受働債権については 期限の利益を放棄すれば弁済期に達している必要はない ) 15. 相殺の意思表示に [ 条件または期限 ] を付けることはできない! 16. 相殺禁止特約があるときは相殺ができないが この特約をもって [ 善意 ] の第三者に対抗することはできない! 17. 相殺適状になった後 [ 自働債権 ] が時効消滅した場合でも 相殺することができる! 18. 不法行為によって生じた債権を [ 受働債権 ] として相殺することはできない! A が B に対してお金を貸していますが B はお金を返してくれません 不法行為で生じた債権を受働債権として相殺できるとすると お金を返してくれないことを理由に A が B を殴り B に損害賠償請求権を発生させ A の貸金債権と B の損害賠償請求権を相殺する という腹いせが可能となります 暴力の加害者 A にはしっかり賠償させ 被害者 B を保護するため 不法行為で生じた債権を受働債権とはできないということです 被害者 B からの申し出で 自分も金を返さず悪かったしこれでチャラにしましょう というのは OK です (= 不法行為によって生じた損害賠償請求権が自働債権 ) 19. 相殺によって 対立する債権はその対等額で消滅し その効力は [ 相殺適状時 ] まで遡る! 10

11 A( 債権者 ) が B( 債務者 ) に金銭を貸し与えた場合 A と B で弁済の場所を定めていなかった場合 B は A の住所で弁済をする必要がある! A が住所を変更し 弁済場所を変更したため弁済費用が増加したときは その増加額は A の負担となる!( 原則として弁済費用は債務者が負担 ) B の親でも B が反対すれば A に弁済することはできない!( 債権者 A の承諾を得ることで利害関係のない者も弁済して代位可 = 任意代位 ) B の保証人が B の承諾なく A に弁済した場合 以後 保証人は A に代位して B に対して弁済の請求をすることができる!( 弁済に正当な利益を有する者に当然に認められる = 法定代位 正当な利益を有する者の例 : 保証人 連帯保証人 連帯債務者 物上保証人 担保目的物の第三取得者 後順位担保権者 抵当権の実行により覆滅される不動産賃借人など ) B の返済額に多少の不足があった場合でも 事情によっては債務の本旨に従った弁済の提供として認められることがある!(= 全くの同価値である必要がない 土地等で代物弁済をする場合でも 全くの同価値である必要はなし 明らかに価値が異なる場合は無効となることもあり得る ) B が A に対する金銭債務の弁済に代えて B の C に対する金銭債権を譲渡した場合 その金銭債権の弁済期が未到来であっても代物弁済の効力が生じる! A 名義の領収証を C が持参したため B が C に弁済した場合 B が善意無過失のときは C になされた弁済は有効となる!( このような C を債権の準占有者という 準占有者の例 : 預金証書と印鑑を持参する者 表見相続人 詐称代理人など ) B が A に対して領収証の発行を要求し A がこれを交付しないときは その交付がされるまで B は弁済を拒むことができる!(cf. 借用書の返還は同時履行の関係に立たず 弁済が先 ) A は B に土地を売却し 一方 B は A に金銭債権を有していた場合 B の金銭債権が時効により消滅していた場合でも 時効完成前に土地の売買契約が成立していた (= 時効消滅以前に相殺適状 ) 場合には B は A に対して相殺を主張することができる! B の債権について弁済期の定めがなく B から履行の請求がないときでも A は自分の債権の弁済期が到来すれば相殺をなしうる! 相殺の効力は 相殺の意思表示をしたときからではなく 相殺適状のときに遡及して生ずる! B の債権が A の不法行為によって発生した (A が B を車でひいた慰謝料など ) ものである場合 A は自分の債権をもって相殺をすることはできない! 第三者 C が A の債権を差し押さえた後に B が A に金銭を貸し与えていた場合は B は A に対して相殺はできるが それをもって C に対抗することはできない! 債務不履行 = 債務者が正当な理由なく債務の本旨に従った履行をしないこと 相殺適状 =2 つの債権が有効に存在 対立し 弁済期にあること 自働債権 = 相殺の意思表示を申し込む側の債権 受働債権 = 相殺の意思表示を申し込まれた側の債権 11

12 1-6 時効 ( ) 時効とは 時間の経過によってこれまで持っていなかった権利を取得したり これまで存在していた権利が消滅したりすることをいいます 10 年で 2~3 問の出題で やや複雑 Point 取得時効 : 従来は持っていなかった権利を時間の経過により取得すること消滅時効 : 従来は存在した権利が時間の経過により消滅すること 1. 不動産を 所有の意思を持ち 平穏かつ公然に [ 占有開始時 ] に善意無過失で 10 年 悪意または善意有過失で 20 年占有すれば 所有権を取得することができる! 2. 他人の土地を [ 不法 ] に占有開始した場合でも 所有の意思があると認められる! 3. 賃貸借契約に基づき [ 賃借人 ] として占有を開始した場合 所有の意思があると認められない! ( 土地賃貸借は 継続的な用益という外形的かつ客観的事実が存在すれば時効取得が認められる ) 4. 売買や相続により前の占有者の占有を引き継いだ者は 自己の占有期間のみを主張するほか 前の占有者の占有期間を [ 併せて ] 主張することもできる! 5. 不動産を時効取得した者は 時効完成当時の [ 原所有者 ] には登記なくして所有権を主張することができる! 6. 不動産を時効取得した者と [ 時効完成後 ] に原権利者から権利を取得した者とは 登記の先後によって所有権を決する! 7. 債権は [10 年間 ] 権利を行使しないと消滅時効にかかる!(cf. 所有権が消滅時効にかかることはない ) 8. 確定期限ある債権 不確定期限ある債権の消滅時効は ともに [ 期限到来 ] のときから起算する! 9. 期限の定めのない債権の消滅時効は [ 債権成立 ] のときから起算する! 10. 債権の消滅時効は 債務者のほか [ 保証人 ] や物上保証人も援用することができる! 11. 債権の消滅時効が完成したにもかかわらず 債務者が債務を [ 承認 ] した場合 債務者は 後からやはり時効を援用するということはできない! ( 時効完成を知らなかった場合も不可 ) 12. 時効完成前に 時効の利益を [ 放棄 ] することはできない!( 放棄する旨の約定は無効 ) 13. 債権者が 裁判上の手続きにより債務者に弁済を [ 請求 ] すると 時効は中断される! ( 裁判外で請求した場合でも中断するが 6 ヶ月以内に裁判上の手続き必要 ) 14. 債務者が債務を [ 承認 ] すると 時効は中断される! 15. 債務者が [ 利息 ] を支払うと 時効は中断される! 16.[ 物上保証人 ] が債務を承認しても 時効は中断されない! 物上保証人 = 債務者の債務を担保するため 自己所有の不動産に抵当権を設定した債務者以外の第三者 12

13 A 所有の土地を B が占有している場合 時効が完成した場合 B は占有を開始したときから その所有権を取得したことになる! B は所有の意思を持たず 賃借人のつもりで占有し続けたときは 何十年経っても時効取得することはない!( 所有の意思を持ち 土地の継続的な用益という外形的かつ客観的事実が存在すれば時効取得も可能 ) B はその土地を自己のものであると過失なく信じて占有したときは 10 年間占有を継続すれば 土地の所有権を取得できる! B はその土地が A のものであると知って占有したときは 20 年間占有を継続しなければ所有権を取得できない! B は占有開始時に善意無過失ならば 途中でそれが A のものであると知っても 10 年間占有を継続すれば所有権を取得できる! B の父が 15 年間所有の意思を持って占有した場合 相続により占有を継承した B は その後 5 年間占有すれば所有権を取得できる! B が 15 年間自己占有した後 C に 5 年間賃貸した場合でも B は所有権を取得できる! B が 15 年間自己占有した時点で A が D にその土地を売却した場合でも B はその後 5 年間占有を継続すれば所有権を取得し D に対抗できる! 当該土地が農地であっても 時効が完成すれば 農地法に基づく許可を受けずに B は所有権を取得できる!( 農業委員会への届出は必要 ) A が B に金銭を貸し付けている場合 弁済期の定めがない場合 A が相当の期間を定めて B に催告し この相当期間が過ぎたときから時効 (= 消滅時効 ) は進行する!( 金銭貸借の場合は相当期間経過後 前ページ 9 番と比較 ) A の債権の担保として自己所有の土地に抵当権を設定している C は A の債権が時効にかかったときは それを援用して A に抵当権の抹消を求めることができる! A は催告をしても返済をしない B に対し 消滅時効が完成する前に支払いを求める訴えを提起したときは その訴え提起は関係なく 返済を催告したときに時効中断の効力が生じている! AB 間で裁判上の和解が成立したときは 和解成立から 10 年で消滅時効にかかる! A が B に対して訴訟により弁済を求めても その訴えが却下された場合は 時効中断の効力は生じない!( 仮執行の宣言の申立てをしたときは 消滅時効は中断する ) 確定判決で確定した権利でも 10 年で時効に服する! 確定期限 = 月 日 不確定期限 =~ が ~ したら 時効の中断 = それまで進行していた時効期間が元に戻ること 難問対策 : 出題可能性は極めて低いですが 時効の停止 というものも存在します 時効期間満了間近に天災その他の避けることのできない事変のため時効を中断させることができない場合 その障害が消滅したときから 2 週間を経過するまで時効は完成しません 時効期間を元に戻す時効の中断と区別しておいてください 13

14 1-7 請負 ( ) 請負とは 当事者の一方が報酬を支払うことを約束し 他方が仕事の完成を約束することによって成立する契約をいいます 10 年で 3~4 問の出題ですが とても簡単ですので 出題されたら絶対に落とせません 1. 注文者の報酬支払い義務と請負人の目的物引渡し義務は [ 同時履行 ] の関係に立つ! ( 注文者の報酬支払い義務と請負人の損害賠償義務も同時履行の関係に立つ ) 2. 注文者が代金の全額をあらかじめ支払っていた場合 仕事の完成と同時にその所有権は [ 注文者 ] に帰属する! 3. 請負人が仕事完成に必要な材料の [ 主要部分 ] を自ら提供した場合 仕事が完成しても 注文者が代金を支払うまでは その所有権はいったん請負人に帰属する! 4. 注文者は [ 仕事が完成 ] する前であれば 請負人の受ける損害を賠償して 一方的に請負契約を解除することができる! 5. 請負人は原則として [ 瑕疵修補義務 ] を負うが 欠陥が重要でなく かつ その欠陥を直すのに多額の費用がかかる場合は 当該義務を負う必要はない! ( 請負契約の目的物たる建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には 注文者は当該建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる ) 6. 請負人が請け負った建物が火事により滅失した場合 なお工期内に [ 完成可能 ] ならば 請負人の仕事完成義務は存続する! 7. 請負人が請け負った建物が火事により滅失した場合 工事を再開しても工期内に完成不能であるときは 請負人の仕事完成義務および注文者の報酬支払い義務は [ 消滅 ] する! 8. 注文者と請負人との間で 請負人が [ 担保責任 ] を負わない旨の特約を結ぶことができる! ( 請負人があらかじめ瑕疵を知っていながら注文者に告げなかったときは責任を負う ) 請負人の担保責任 瑕疵修補請求 : 原則 請負人に瑕疵修補責任あり例外 欠陥が重要でなく かつ 修補に多額の費用がかかる場合は請求不可損害賠償請求 :1 瑕疵の修補に代えて損害賠償請求をする 2 瑕疵修補請求と併せて損害賠償請求することも可能契約の解除 : 欠陥のため契約の目的を達成できない場合 ( 土地工作物については解除不可 ) ( 仕事完成前ならば 注文者は損害を賠償して一方的に解除可能 ) 注文者の供した材料または注文者の指図により生じた瑕疵 請負人に責任なし ( 請負人が材料や指図の不適当なことを知っていながら告げなかった場合は責任あり ) 14

15 A( 注文者 ) が建築業者 B( 請負人 ) に請け負わせて住宅を建築した場合 報酬の支払時期は後払いが原則で A の報酬支払い義務と B の住宅引渡し義務は 同時履行の関係に立つ! 完成した住宅に建物その他土地の工作物について瑕疵があるとき B は住宅の引渡しから 5 年間は瑕疵担保責任を負うが この期間は当事者間の特約により 10 年まで伸ばせる! ( 責任追及期間は原則として目的物の引渡しから 1 年以内 or 特約で 10 年まで可 例外 :1 建築物 5 年 2 石造 鉄骨造など頑丈な建築物 10 年 3 土地工作物以外 1 年 ) 完成した住宅に建物その他土地の工作物について瑕疵があり 契約の目的を達することができなくても A は契約を解除できない!(= 解除ができるのは建物その他の土地工作物以外の瑕疵 ) 完成した住宅に瑕疵があり B が修補可能なものであっても A は瑕疵の修補に代え B に損害賠償の請求ができる! A と B の間で B が瑕疵担保責任を負わないとの特約があった場合でも B がもともと瑕疵の存在を知って A に告げなかったときは B は免責されない! A が代金の全額をあらかじめ支払っていた場合 住宅の完成と同時に所有権は A に帰属する! B が建物の材料の主要部分を自ら提供した場合 住宅が完成しても A が代金を支払うまでは所有権はいったん B に帰属する! 完成した建物を A から譲り受けた C には B に対する瑕疵修補または損害賠償の請求権はない!(B に担保責任を追及できるのは請負を依頼した A のみ ) 住宅完成前ならば A は B に損害を賠償して一方的に請負契約を解除できる! 瑕疵担保責任 ( かしたんぽせきにん ) = 目的物に瑕疵 ( キズ ) があった場合 買主が損害を受けないように 売主に課せられた責任 難問対策 : 請負契約を締結する際 建設業法上の書面の作成が要求されますが これは後日の紛争を防止するためのものにすぎず 請負契約の成立要件ではありません 難問対策 : 請負人は その仕事を原則として他の者にやらせることもできます (= 下請負 ) この場合 下請負人の故意 過失について請負人が責任を負います 本試験で出る同時履行まる分かり一覧 契約解除による原状回復義務 : 請負における目的物の引渡しと報酬の支払い : 弁済と受取証書 ( 領収書 ) の交付義務 : 建物買取請求権と土地の明渡し : 不動産売買における登記協力義務と代金支払義務 : 弁済と債権証書 ( 契約書など ) の返還 : 被担保債権の弁済と抵当権登記抹消手続 : 敷金返還義務と目的物明渡義務 : 造作買取請求権と建物の明渡し : 15

16 1-8 委任 ( ) 委任とは 契約などの法律行為を他人にやってもらうようお願いすることです 委任は無償が原則です 特約がある場合でも報酬は後払い しかし委任事務費用は先払い これは重要です 10 年で 1~2 問出題されるかどうかですが 簡単ですので確実に覚えておいてください 1. 受任者は 委任者から [ 請求 ] された場合 いつでも委任事務の状況を報告しなければならない! 2. 有償 無償を問わず 受任者は [ 善良なる管理者 ] の注意義務をもって事務を処理しなくてはならない!(= 善管注意義務 ) 3. 委任者 受任者ともに 存続を望まないときは [ いつでも ] 委任契約を解除することができる! ( 相手方に不利な時期でも解除可能ですが やむを得ない事由がある場合を除き損害を賠償する ) 4. 委任契約は 委任者の死亡または破産 受任者の死亡または破産および [ 後見開始の審判の開始 ] により当然に終了する!( 注 : 不動産登記法では特例が定められており 登記申請代理権は本人死亡により消滅しない ) 5. 委任契約は委任者 受任者の死亡により当然に終了するので その相続人はその地位を [ 相続 ] することはない! 6. 受任者は [ 特約 ] がなければ委任者に報酬を請求することができない!( 事務処理費用は可 ) 7. 受任者が委任者に引き渡すはずの金銭を自己のために消費したときは その [ 消費した日 ] 以後の利息も支払わなければならない! 8. 受任者は 委任者の承諾を得た場合 またはやむを得ない事情がある場合には [ 復受任者 ] を選任することができる! 9. 有償委任が その履行の半途で終了した場合 受任者は既にした履行の割合に応じて [ 報酬 ] を請求することができる!(cf. 請負 ) 委任者 = 他人に法律行為をすることを頼む者 受任者 = 他人から法律行為をすることを頼まれた者 善管注意義務 = 十分に注意して物事を行う義務 自己のためにすると同一の注意義務 本試験で出る善管注意義務が要求される者一覧 1 留置権者 2 質権者 3 特定物の売主 4 賃借人 5 有償 無償の受任者 6 遺言執行者 7 贈与者など 本試験で出る自己のためにすると同一の注意義務が要求される者一覧 1 受領遅滞 2 親権者 3 相続放棄者 4 限定承認者など 16

17 1-9 地役権 ( ) 地役権とは ある土地の便益を上昇させるため 他の土地を利用できる権利をいいます この ある土地 を要役地 ( ようえきち ) 他の土地 を承役地 ( しょうえきち ) と呼びます 10 年で 1~2 問の出題ですので サラッと確認程度に読んでおいてください 1. 地役権は [ 要役地 ] から分離して処分することはできない!( 特約不可 ) 2. 共有者の 1 人が地役権を時効取得すると [ 他の共有者 ] も地役権を取得する! 3. 要役地 承役地の共有者は [ 自己の持分 ] についてのみ 地役権を消滅させることはできない! A が自己所有の甲土地の一部について 通行目的で 隣地乙土地所有者 B のために 乙土地の便益に供する通行地役権設定契約を締結した場合 A が甲土地を C に譲渡した場合 C が通行地役権の存在を知っており かつ 通路として継続的に使用されているときは C は B に対して通行地役権を否定することができない!(A C に所有権移転登記あり B は地役権の登記必要なし ) B が乙土地を D に譲渡した場合 D は A に対して通行地役権が自己に移転したことを主張することができる!(B D に所有権移転登記あり B は地役権の登記必要 ) B は 地役権が定められていない部分の甲土地の土地を 継続かつ表現の形で使用を継続した場合 その部分についても通行地役権を時効取得することができる!( 要役地所有者が通路を開設している必要あり 継続かつ表現 = 使用を続け それが客観的にも明らかな状態 ) 難問対策 : 要役地の共有 1 共有者の 1 人が地役権を消滅させることはできない 21 人が地役権を時効取得すると他の共有者全員も時効取得する 3 共有者に対する時効中断は全共有者に対してしなければ効力を生じない 41 人に時効停止の事由があってもその効力は他の共有者に及ばない 相隣関係 囲繞地通行権 ある所有者の土地が 他の所有者の土地又は海岸 崖地等に囲まれて 公道に接していない場合に 囲まれている土地の所有者が公道まで他の土地を通行する権利 このような土地の位置関係にある場合に 囲んでいる側の土地を 囲繞地 といい 囲まれている側の土地を 袋地 という 通行者は 通行のために必要かつ囲繞地にとって最も損害の少ない方法 場所を選ばなければならない 通行権者は 必要があるときは自ら通路を開設することができ 囲繞地所有者の承諾を要しない 通行権者は 囲繞地の損害に対して 原則として 1 年ごとに償金を支払う 袋地の所有権を取得した者は 所有権移転登記を受けていなくても囲繞地通行権を主張できる 土地の分割によって新たに公道に通じない土地が生じた場合 当該土地所有者は 他の分割者の所有地のみを通行することができ この場合は償金が不要となる 異なる慣習がある場合を除き 建物の築造には境界線から 50cm 以上の距離を保たなければならない隣地との境界付近で建物の修繕等を行うときは 隣地の使用を請求できる ( 立ち入るには承諾必要 ) 隣地の竹木の枝や根が境界線を越えてきた場合 : 枝 = 切除請求根 = 自ら切除可能土地所有者は 隣地の所有者と共同費用で境界標 ( 境界を表示するもの ) を設置することができる 17

18 1-10 債務不履行 ( ) 債務不履行とは 債務者が 正当な理由もないのに約束どおりの履行をしないことをいいます 売買契約の一連の流れをイメージしながら覚えるようにしてください 10 年で 5 問のペースで出題され 他の分野の前提知識にもなりますので しっかりと覚えておいてください 1. 履行遅滞とは 債務者の責任により 履行期に [ 正当な理由 ] なく履行しないことである! 2. 履行不能とは 債務者の責任により 履行が [ 不可能 ] になってしまうことである! 3. 不完全履行とは 一応 [ 給付 ] はなされたが それが不完全な場合をいう! 4. 債務者が履行を遅滞しているときは 債権者は相当の期間を定めて履行を [ 催告 ] し その期間内に履行がないときは契約を解除することができる! 5. 履行遅滞により契約を解除する場合 その催告期間が不相当に短くても [ 客観的 ] に相当の期間を経過しているとみられるときは 債権者はその契約を解除することができる! 6. 履行遅滞により契約を解除する場合 債権者は解除とあわせて [ 損害賠償 ] の請求もすることができる! 7. 買主が支払期日に代金を支払わない場合でも 売主が目的物の [ 提供 ] をしてこなければ 買主は履行遅滞とはならない! 8. 債務者の責任により履行が不能となったときは 債権者は催告することなく [ 直ちに ] 契約を解除することができる! 9. 履行不能による損害賠償額は [ 請求者 ] が証明できた額である! ( よく出る問題 : 損害賠償額は手付金の倍額である ) 10. 金銭債務の履行が遅れた場合は [ 不可抗力 ] を抗弁とすることができない! 11. 金銭債務の債務不履行では [ 損害 ] を証明することなく 損害賠償を請求することができる! 12. 確定期限付き債務の履行期は [ 期限到来 ] のときである! 13. 不確定期限付き債務の履行期は 債務者が期限到来を [ 知った ] ときである! 14. 期限の定めのない債務の履行期は 債権者から [ 請求 ] を受けたときである! 15. 不法行為 (P.37) による損害賠償債務は [ 成立 ] と同時に履行期となる! 16. 損害賠償額の予定をしておくと [ 債務不履行 ] の事実さえ証明すれば 損害額を証明することなく 予定された賠償額を請求することができる!( 増減不可 ) 17. 違約金の定めをした場合 [ 賠償額の予定 ] をしたものと推定される!( みなされる ) 18

19 A が B に金銭債権を有している場合 金銭の返済期日が定まっている場合 その期日を過ぎれば A から履行の請求を受けなくても B は履行遅滞の責任を負う! 金銭債権の場合 B が債務の履行をしないとき A はその損害の証明をすることなく B に対して損害賠償の請求ができる! 金銭債権の場合 A が B の債務不履行について損害賠償を請求したとき B は不可抗力を理由に責任を免れることはできない!( 金銭に不可抗力は有り得ないため ) AB 間であらかじめ 損害賠償額を予定していたとき 裁判所はその額を増減することはできない! 売主 A と買主 B で建物の売買契約を締結して A が建物を引き渡さない場合 当該建物の引渡し期日前に B が A に代金の全額を支払った場合 A はその引渡し期日から履行遅滞の責任を負う! A の父が死亡したら当該建物を引き渡す特約があった場合 A は父の死亡を知ったときから履行遅滞の責任を負う! 当該建物の引渡し期日を定めていなかった場合 B が A に対し 引渡しの請求をしたときから A は履行遅滞の責任を負う! 債務者 A は 自己に帰責事由 ( 故意や過失 ) がないことを主張 立証すれば履行遅滞責任を免れる! 履行遅滞の時期 ( 消滅時効起算点 ) 確定期限 : 期限到来のとき ( 期限到来のとき ) 不確定期限 : 債務者が期限の到来を知ったとき ( 期限到来のとき ) 期限の定めがない場合 : 債務者が履行の請求を受けたとき ( 債権が成立したとき ) 金銭に不可抗力は有り得ない! 世の中どこにでもお金は存在します 例えば平成 年 月 日に出荷された製造番号 番の などまで特定された物でしたら他に代わりの物はありません しかしお金はいくらでも代わりがあります 火事で燃えました 泥棒に盗まれました と言っても他から調達しろ という話です 難問対策 ( 催告不要で解除権が発生する履行遅滞 ):1 定期行為の遅滞 ( 月までに送ると約束した売買契約等 ) 2 催告不要の特約がある場合 ( マンションの賃貸借契約等 ) など 19

20 1-11 契約の解除 ( ) 解除とは 契約の一方当事者の意思表示によって いったん有効に成立した契約を解消し その契約を初めからなかったこととする制度です 買戻しとは 売主が不動産を売却する際に 後日買主から受け取った代金および契約費用を返還して 売買契約を解除する旨を特約することをいいます 10 年で 3 問ほどの出題ですが 他の分野にも影響しますので力を入れておきましょう 1. 解除権は法定の解除原因以外に 当事者間の [ 契約 ] によっても発生する!( 手付金の交付など ) 2. 解除権を行使しても 損害があれば [ 損害賠償 ] の請求をすることができる! 3. 売主が [ 引渡し ] を行うまでは 買主は金銭を支払う必要はない! 4. 解除原因が発生した場合でも 当事者が解除の [ 意思表示 ] をしなければ契約は解除されない! 5. 一度行使した解除権は その後 [ 撤回 ] することはできない!( 相手方の承諾あれば撤回可 ) 6. 買主が [ 履行期 ] 前に金銭を提供して売主に目的物の引渡しを求め 売主がこれを拒否したとしても 買主は契約を解除することはできない! 7. 買主が売主から建物を買い受け入居したが 2 ヶ月後に契約が解除された場合 買主は売主に建物を返還するとともに 2 ヶ月分の使用料を [ 不当利得 ] として支払う必要がある! 8. 解除により金銭を返還するには [ 金銭受領 ] のときからの利息を付けることを要する! 9. 売買契約が解除されると 売主及び買主はお互いに [ 原状回復義務 ] を負う! 10. 催告期間内に履行がない場合は改めて解除の意思表示をしなくても契約を解除できる との [ 条件 ] があるとき 改めて解除の意思表示は必要ない! 11. 解除権の行使期間を決めていない場合で 売主が買主に解除を行うか催告し 返事がないときは 買主の [ 解除権 ] は消滅する! 12. 買主のローン不成立の時は契約を解除できる との定めがある契約においてローンが不成立になった場合でも 買主が解除の [ 意思表示 ] をしない限り契約は解除されない! 13. 解除の当事者が複数の場合 その [ 全員 ] から または全員に対して解除の意思表示をする必要がある!(= 解除権不可分の原則 当事者全員の特約で排除可 ) 14. 売買契約において 売主が履行期に引渡しをしない場合でも 買主は金銭を [ 提供 ] しないと契約を解除することはできない!(= 同時履行の原則 ) 15. 買主が金銭を支払った後 売主の [ 過失 ] によりその物が滅失したときは 買主は契約を解除することができる!( 買主は売主に対して 代金の返還 その間の利息 損害賠償を請求できる ) 20

21 16. 初めに損害賠償額が予定されている場合は それ以上の損害額を証明しても [ 予定額 ] 以上の請求はできない! 原状回復義務 = 契約前の状態に戻す義務 17. 買戻し特約は 売買契約と [ 同時 ] にしなければならない! 18. 買戻しの目的物は [ 不動産 ] に限られる! 19. 買戻し期間は [10 年 ] を超えることはできない! (10 年を超える定めをしたときは 10 年に短縮され 定めないときは 5 年以内 ) 20. 買戻し期間は 後日これを [ 伸長 ] することはできない! 21. 買戻しの対価は 売買代金と [ 契約費用 ] を足した額以内でなければならない! 22. 買戻し特約は 売買契約と同時に [ 登記 ] をすれば第三者に対抗することができる! 難問対策 ( 買戻しの対価 ): 必要費 有益費を要求する特約は無効 特約がなくても 買主が必要費を支出していた場合には売主は償還しなければならない 有益費については 売主の請求により裁判所は期限を許与できます 利息を支払う旨の特約は有効だが 買戻しに際して提供する必要はありません ( 利息を払わなければ買戻し不可 ) 難問対策 ( 再売買の予約 ): 出題可能性は極めて低いですが 買戻しと似て非なるものとして 再売買の予約 というものも存在します 売買契約において売主が一旦売却した目的物を将来買主が売主に売り渡す予約をいい 一度行った売買を解除する買戻しとは異なります 他に両者の異なる点を比較しておきます 目的物 : 買戻し 不動産 再売買の予約 制限なし 特約 : 買戻し 売買契約と同時 再売買の予約 制限なし 対抗要件 : 買戻し 登記 再売買の予約 仮登記 権利行使期間 : 買戻し 定めないとき 5 年 再売買の予約 定めないとき 10 年 ちょっと細かいですが 10 番と 12 番の違い 契約のときに これこれの事態が生じたら 意思表示無しで解除だ と決めておいたらどうなる? 解除条件付の契約は 催告も解除の意思表示も無しに自動的に解除の効果を生じる これが原則です 一方 12 番は 解除権留保型のローン特約 と呼ばれるものです この解除権留保型のローン特約があっても 解除するには相手方に対する意思表示によらなければなりません 10 番の 解除条件付き法律行為 の場合は 解除の意思には関係なく 条件成就のときよりその効力が失われます つまり 買主がローンを受けられなかったときは この契約の効力は消滅する という 条件 があるときは解除の意思表示は必要なく 買主のローンが不成立のときは契約を解除することができる旨の定め という 特約 がある場合は意思表示が必要となるわけです 本試験で出る不動産物権変動の対抗要件一覧 登記をしなければ物権変動を対抗できない者 1 二重譲渡の譲受人 ( 善意悪意不問 )2 時効完成後の第三者 3 取消後 解除後の第三者 4 賃借人登記をしなくても物権変動を対抗できる者 1 無権利者 2 背信的悪意者 3 詐欺 強迫により登記を妨げた者 4 不法占拠者 5 相続人 21

22 1-12 手付 ( ) 手付 ( 解約手付 ) とは 買主 売主それぞれが 自分の都合で自由に契約を解除できるとするために 買主が売主に 契約に際して金銭 ( 手付金 ) を支払うことをいいます 分けましたが解除の一部で 解除の 10 年で 3 問に手付も含まれます 1. 手付は特別の意思表示がない場合 [ 解約手付 ] と推定される! 2. 代金等の弁済期前であれば [ 売買契約締結後 ] の手付契約も有効である! 3. 買主自ら履行に着手 ( 中間金の支払い等 ) していても 売主が履行に着手していなければ 買主は手付金を [ 放棄 ] して当該契約を解除することができる!( 中間金は返還される ) 4. 売主が履行に着手していても 買主が履行に着手していなければ 売主は手付金の [ 倍額 ] を現実に買主に提供して当該契約を解除することができる! 5. 買主の債務不履行を理由に契約が解除された場合 買主は売主に違約金を支払わなくてはならないが [ 手付金 ] は返還される! 6. 債務不履行を理由に損害賠償を請求する場合 その額は交付した [ 手付 ] の額とは関係ない! 例 ) 売主の責により履行不能となった場合 損害賠償額は手付の倍額である = 7. 買主が手付を放棄して契約を解除したことにより 売主が手付の額を超える損害を受けたとしても 売主は買主に対して [ 損害賠償 ] を請求することはできない! 8. 手付の額が売買契約の額に比べ [ 僅少 ] であっても 手付は有効である! 手付解除損害賠償請求 手付と別に請求不可手付金 買主が解除した場合は返還されない ( 手付放棄 ) 売主が解除した場合は返還される ( 手付倍返し ) 債務不履行解除損害賠償請求 手付と別に請求可手付金 買主に返還される ( 原状回復義務 ) 手付交付者は手付の放棄により 手付受領者は手付の倍額償還により 債務不履行がなくても契約を解除することができる つまり 買主は意思表示だけで解除でき 売主が解除するには現実の提供が必要となる ( 倍額を償還すると口頭の意思表示だけではダメ ) 民法の条文に規定されているものはどれか 条文なのか 判例なのか ここ数年 本試験の問 1 で出題されている問題です はっきり言って これは捨てです いちいち条文か判例か確認して覚えていられません しかし捨てと言っても 細かい勉強を捨てるだけで 1 点を捨てるわけではありません 記述自体がそもそも誤っているサービスの肢がありますので 残りの 2~3 肢から はっきりと条文に規定されていそうなもの 争いがあり判例で認められたっぽいもの を冷静に判断してみてください 意外と分かります 22

23 1-13 保証債務 ( ) 保証債務とは 主たる債務者が債務を履行しない場合に その保証人に主たる債務者に代わって債務を履行させる義務を負わせる制度をいいます 保証 連帯保証 連帯債務と細かい知識は問われませんので 基本的な性質と効果 それぞれの違いを覚えておいてください 10 年で 5~6 問のペースで 保証をメインに連帯保証 連帯債務との複合問題も出題されます 1. 保証債務は [ 主たる債務者 ] の意思に反しても締結することができる! 2. 保証債務は [ 主債務 ] が成立しなければ成立せず 主債務が消滅すれば消滅する! 3. 保証債務は [ 主債務 ] より重くてはならない!( 主債務の限度を減らす ) 1,000 万円の元本に 100 万円の利息と 100 万円の遅延損害金が発生した場合 保証人はいくら支払う必要があるのか? 答は 1,200 万円です 主たる債務より重くなっているじゃないか! と思われるかもしれませんが 履行すべきときに保証債務を履行しておけば支払う必要がなかったものですので 保証債務が主たる債務が重くなっている 状態とは言えません 4. 保証契約は [ 書面 ] でしなければ効力を生じない!( 電磁的記録でも可 ) 5. 保証人は 行為能力および [ 弁済の資力 ] を有する者でなければならない! ( 債権者が資力ない者を指名することは自由 ) 6. 債権者が自ら保証人を指名した場合 [ 制限行為能力者 ] でも保証人となることができる! ( 保証人に選ぶのは自由であって 契約後に制限行為能力者となった場合は取消事由となる ) 7. 保証人は その [ 保証債務 ] についてのみ 違約金または損害賠償の額を約定することができる! 8. 主たる債務者が債権者に対して [ 反対債権 ] を有しているときは 保証人はそれを用いて債権者に対抗 ( 相殺 ) できる!( 主債務者が保証人の反対債権を行使することは不可 ) 例 ) 債務者が債権者に 600 万円の債権を有している場合 債権者が保証人に 1,000 万円の支払いを求めてきても 600 万円の債権による相殺を主張して 400 万円を支払えばよい 9. 主債務が [ 免除 ] された場合 保証債務も免除される! 10. 主債務の [ 期限が猶予 ] された場合 保証債務の期限も猶予される! 11. 主債務が [ 履行の請求 ] により時効が中断した場合 保証債務も時効中断される! 12. 主債務が [ 債務の承認 ] により時効が中断した場合 保証債務も時効中断される! 13. 主債務者が [ 時効の利益 ] を放棄しても 保証人が時効の利益を放棄したことにはならない! 14. 主債務が [ 消滅 ] する場合を除き 保証人に生じた事由は 主債務に影響を与えない! 15. 保証人は 弁済などにより債務を消滅させた場合 主債務者に対し [ 求償 ] することができる! 時効の利益 = 人は皆 時効を援用するかどうかの自由を持つ 23

24 A が B の保証を受け C 銀行から金銭を借り受け B からマンションを購入した場合 B は自己の保証債務についてのみ 違約金または損害賠償額を約定することができる! (A が C 銀行に支払うべき違約金および損害賠償とは別に ) C 銀行が B に債務の履行を請求したとき B は まず A に催告せよ と C 銀行に請求できる! ( 催告の抗弁権 ) C 銀行が B に債務の履行を請求したとき B は まず A の財産について執行せよ と C 銀行に請求できる! ( 検索の抗弁権 ) 催告 ( 検索 ) の抗弁権は保証人の権利なので A は まず B に催告せよ とは言えない! C 銀行が A に債務の履行を請求したときは A の債務の消滅時効とともに B の保証債務の消滅時効も中断される!( 主たる債務に生じた事由はそのまま保証債務にも影響する ) C が B に 1,000 万円を貸し付け A が B の保証人となった場合 A が破産したとき C は B に保証人の変更を請求できるが 最初に C 自ら A を保証人に指名したときは 変更を請求することはできない! BC 間の契約が成立していなかった場合 当然ながら A も C に対して保証債務を負わない! AC 間の保証債務締結後 BC 間の合意で債務が減額された場合 保証債務もそれに応じて軽くなる! AC 間の保証債務締結後 BC 間の合意で債務が増額されても A はその増額部分については保証債務を負わない! 保証債務と連帯保証債務の違い 主従の関係 主債務者に対する付従性 主債務者に対する補充性 保証人間の分別の利益 保証債務 あり あり あり あり 連帯保証債務 あり あり なし なし 付従性 : 主たる債務が成立しなければ 保証債務も成立しない主たる債務が消滅すれば 保証債務も消滅する保証債務の内容は 主たる債務の内容よりも重くてはならない補充性 : 催告の抗弁権検索の抗弁権分別の利益 : 各保証人は 主たる債務の額を保証人の頭数で割った額についてのみ保証債務を負担すればよいとする利益 24

25 1-14 連帯保証債務 ( ) 前ページでお伝えしたように 保証債務は 保証人にとってかなり優しい制度となっています これは債権者にとっては無意味に等しいのです そこで実社会では この連帯保証という制度が多く用いられています 主たる債務者と保証人が連帯して つまり同列で債務を保証するのです 保証債務よりも債権者が安心でき 保証人には厳しい制度です 1. 連帯保証人には [ 催告 検索 ] の抗弁権がない! 2. 連帯保証人は 複数人での共同保証においても [ 債務全額 ] につき保証しなければならない! A が B に 1,000 万円を貸し付け C( および D) が連帯保証人となった場合 A は 1,000 万円全額の請求を BCD いずれに対してもすることができる! 連帯保証人は催告の抗弁権を持たないので C は A に まず B に催告せよ とは言えない! 連帯保証人は検索の抗弁権を持たないので B に豊富な財産があっても C は A に まず B の財産について執行せよ とは言えない! 1,000 万円の請求を受けた C は 500 万円は D に請求せよ とは言えない!( 連帯保証人に分別の利益はない ) 保証人について生じた事由は 弁済など主たる債務を消滅させる事由以外は 主たる債務者に影響を及ぼさない! 例 )A が C の連帯保証債務を免除しても B はその債務を免れない 主たる債務者にも効力を及ぼすもの 1 弁済 ( 履行 ) 2 相殺 3 履行の請求 4 更改 混同 C が債務の承認をしても B の債務には影響を与えない! C が A に全額弁済した場合 C は A が B に対して有する抵当権を A の承諾を得ることなく代位行使できる! C が A に 1,000 万円を弁済した場合 C は B と D いずれにも求償することができる! A が C に対して請求の訴えを提起すると B の債務の消滅時効も中断する!(cf. 保証債務 ) A が B に対して請求の訴えを提起すると C の債務の消滅時効も中断する!( 保証債務も同様 ) A が B に対して訴訟により弁済を求めても その訴えが却下または取り下げられたときは 時効中断の効力は生じない! B( 債務者 ) の債務の承認により時効は中断するが それは B が被保佐人でも同様である! 25

26 1-15 連帯債務 ( ) 債務者が数人いて 債権者がその中の 1 人に対して債務全額の履行の請求等ができる債務を連帯債務といいます CD 収録文章はありませんので 事例で内容を把握しておいてください A および B が C と C の所有地を買い受ける契約を締結し 連帯して C に代金を支払う債務を負担している場合 A の債務が時効消滅した場合 B も A の負担部分について支払いを免れる! C が A に期限の猶予を与えても B の債務については期限の猶予されない! C が A に支払請求し C の債権の消滅時効が中断した場合 B の債務についても中断される! A が債務承認し C の債権の消滅時効が中断されても B の債務の消滅時効は中断されない! C が A の債務を免除した場合 B は A の負担部分の支払いを免れる! C が当該契約を解除する意思表示を A に対してした場合 その効力は B には及ばない! ( 連帯債務者全員に対して解除の意思表示をしないと契約は解除されない ) 連帯債務は相対的効力 ( 債務者の 1 人に生じた事由は他の債務者に影響を与えない ) が原則 他の連帯債務者にも効力を及ぼすもの ( 絶対効 ) 1 弁済 ( 履行 ) 2 自己の債権で相殺 3 他の連帯債務者の債権で相殺を援用 4 履行の請求 5 更改 混同 6 免除 7 時効 (367 は負担部分のみ ) C は A および B それぞれに代金全額 ( または一部 ) の請求ができる! A および B の負担額が半分ずつと定められていても C から全額請求された場合 A(B) は全額を支払わなくてはならない! B の負担額を超えて C に支払った A は 負担額を超えた額と 支払った日以後のその法定利息分も B に求償することができる! A が C に債権を有している場合 B もこれを援用して相殺することができる! 更改 = 前の債務とは違う新しい債務を成立させること 混同 = 債権と債務が同一人に帰属すること 絶対効 = 連帯債務者の 1 人に生じた事由で他の債務者の債務にも影響を与えるもの 相対効 = 連帯債務者の 1 人に生じた事由で他の債務者の債務に影響を与えないもの 保証 連帯保証 連帯債務のまとめ 主たる債務者に生じた事由は保証人に及び 保証人に生じた事由は主たる債務者に及ばないというのが大原則です その例外として 保証の場合は 履行 と 相殺 連帯保証なら 履行 相殺 請求 更改 混同 は主たる債務者にも効果が及びます 例外はこれだけで 保証人が債務を承認するという概念はなく 主たる債務者に効力が及ぶということはありません これに対して連帯債務の場合は全員が債務者ですので 1 人が債務の承認を行うというケースが問題となりますが この場合も他の債務に影響しません 連帯債務の場合 請求 で他の債務の消滅時効も中断し 履行 相殺 更改 混同 免除 時効 で債務消滅 ( 負担部分のみの場合あり ) ですね 26

27 1-16 売主の担保責任 ( ) 売主の担保責任とは 売買契約の目的物に問題があった場合に買主が損害を受けないよう 売主に課せられた特別の責任をいいます 少し複雑ですが 8 割方出題される頻出分野です 1. 建物の移転登記後に第三者の放火により建物が [ 半焼 ] した場合でも 買主は代金の全額を払わなくてはならない! 2. 建物の移転登記後に 地震により建物が [ 滅失 ] した場合でも 買主は代金の全額を払わなくてはならない!( 売主が受け取った保険金から償還請求可 ) 3. 契約締結前に建物が滅失していた場合 契約は [ 無効 ] となる! 4. 売主負担で内装工事後に引き渡すことが約定されていた建物売買契約において 内装工事前に建物が滅失した場合 売主は [ 代金請求 ] ができるが 内装工事費用を返還しなければならない (= 損益相殺 ) 5. 目的物に隠れた瑕疵があった場合 善意の買主は [ 損害賠償請求 ] および [ 契約の解除 ]( 契約目的が達成できないとき ) をすることができる! 6. 他人物売買において 売主が買主に権利を移転できなかった場合 買主は 契約を [ 解除 ] することができる!( 善意なら損害賠償も可 ) 7. 他人物売買であることにつき [ 善意だった売主 ] は 契約を解除することができる! ( 買主も善意であった場合は損害賠償を要する ) 8. 一部他人物売買において 売主が買主に権利を移転できなかった場合 買主は 足りない部分の割合に応じて [ 代金減額請求 ] をすることができる!( 善意なら解除 損害賠償も可 ) 9. 目的物に抵当権が付いており 抵当権の実行により所有権を失った場合 買主は [ 契約の解除 ] および [ 損害賠償請求 ] をすることができる! 10. 目的物に抵当権が付いていた場合 買主は [ 抵当権消滅請求 ] の手続きが終わるまで 代金の請求を拒むことができる! 11. 目的物につき権利を主張する者がいて 目的物の全部または一部を失う危険がある場合 買主は その危険の限度に応じて 代金の全部または一部の [ 支払い ] を拒むことができる! 12. 目的物に借地権や借家権が設定されていた場合 善意の買主は [ 損害賠償請求 ] および [ 契約の解除 ]( 契約目的が達成できないとき ) をすることができる! 13. 数量指示売買において 目的物の数量が足りない場合 善意の買主は [ 代金減額請求 ] および [ 損害賠償請求 ] [ 契約の解除 ]( 数量不足なら買わなかった場合 ) をすることができる! 14. 売主は [ 悪意 ] で買主に告げなかった瑕疵については 責任を免れることはできない! 27

28 A が B に 1,000 m2の土地について 数量を指示して売却する契約を締結した場合 その土地を実測したところ 700 m2しかなかった場合 B は善意なら代金減額請求ができる! その土地を実測したところ 著しく面積が足りなかった ( 目的が達成できない ) ときは B が善意なら契約を解除できる! 実はその土地の 300 m2が C の所有地だったために 700 m2しか移転できなかった場合 B は善意悪意に関係なく代金減額請求ができる! 土地について A を売主 B を買主とする売買契約が成立した場合 その土地が C の所有であり C に譲渡の意思がなくても AB 間の契約は有効に成立する! その土地の一部が C の所有であったため その部分の移転ができないときは B は善意悪意に関係なく代金減額請求ができるが 善意であれば 解除 損害賠償請求もできる! その土地の全部が C の所有であったため 所有権を移転することができなかったときでも B は善意でなければ A に対して損害賠償請求ができない!( 善意悪意に関係なく解除はできる ) その土地が C の所有であることを知らなかった A は B が悪意のときは 損害賠償もすることなく契約を解除できる! その土地に抵当権が設定されていたときは B は善意悪意に関係なく 所有権保存登記に費やした費用を A に償還請求することができる! その土地に抵当権が設定されており 抵当権実行の結果 B が所有権を失ったときは B は善意悪意に関係なく契約を解除できる! 抵当権者に債務を弁済した B は もともと抵当権の存在について善意悪意に関係なく A に対して弁済額の償還と損害賠償の請求ができる! その土地に隠れた瑕疵があることを A が知っていた場合には 瑕疵担保責任を負わない旨の特約を予め締結していたとしても A は担保責任を負う!(B が知ったときから 1 年間 ) その土地に瑕疵があることを知らなかった善意無過失の B は その瑕疵によって契約の目的を達成できない場合のみ 契約を解除できる! その土地に瑕疵があることを知った B は A の善意悪意に関係なく A に対して損害賠償の請求ができる!( 瑕疵担保責任の追及は 裁判外でも可能 ) 瑕疵担保責任による損害賠償請求権 : 瑕疵担保責任の追求期間は買主が瑕疵を発見したときから 1 年 しかし 買主 が目的物の引渡しを受けたときから 10 年で消滅時効にかかる ( 買主が瑕疵の事実を知らなくても消滅時効にかかる ) その土地に権利を主張する者がいて B が権利を失うおそれがあるとき B は A が相当の担保を提供しない限り その危険の限度に応じて代金の支払いを拒むことができる! 28

29 売主の担保責任早分かり一覧表 買主の態様解除代金減額請求損害賠償請求除斥期間 全部他人物 善意悪意 - - なしなし 一部他人物 善意悪意 ( 目的不達成時 ) 知ったときから 1 年 契約のときから 1 年 数量指示 善意悪意 ( 目的不達成時 ) 知ったときから 1 年 - 用益的権利 善意悪意 ( 目的不達成時 ) - - 知ったときから 1 年 - 担保的権利 善意悪意 ( 所有権喪失時 ) ( 所有権喪失時 ) - - ( 所有権喪失時 ) ( 所有権喪失時 ) なしなし 隠れたる瑕疵 善意無過失悪意 ( 目的不達成時 ) - - 知ったときから 1 年 - これは絶対に覚える! 1. まず 買主が悪意でも担保責任を追及できるものを覚えてください 全部他人物の解除 一部他人物の代金減額 担保権が付いていた場合の解除と損害賠償 2. 全部他人物と担保権が付いていた場合に担保責任を追及できる期間制限がないという点に注意 3. 担保権が付いていた場合の 所有権喪失時 の中身に注意 抵当権などが実行され所有権を失った場合だけでなく 抵当権消滅請求などで買主が抵当権を消滅させた場合にも適用される 難問対策 : 売買契約ではなく一方的な片務契約である 贈与 の場合 贈与の目的物に瑕疵等があっても当然ながら贈与者は責任を負いません タダで貰ったけど壊れてたから金よこせ! など堪りません しかし 贈与者がその瑕疵等を知りながら受贈者に告げなかった場合は責任を負うことがあります 難問対策 : 数量指示売買で 約束よりも数量が不足していた場合 善意の買主は代金減額請求や損害賠償請求 目的が達成できないときは契約の解除ができます では逆に数量が超過していた場合 売主が買主に対して代金増額請求等をできるのでしょうか? 答えは NO です 数量が超過していた場合でも 売主は代金増額請求等をすることはできません 29

30 1-17 抵当権 ( ) 抵当権とは 債務者が債務を履行しない場合 目的物を競売にかけてお金に換え そのお金から優先的に弁済を受けるための権利をいいます 毎年 1 問は出題され 問題のレベルも低くありません 事例も含めてしっかりと覚えてください 1. 抵当権の目的となるのは [ 不動産 ] [ 地上権 ] [ 永小作権 ] である!( 賃借権 ) 2. 抵当権を第三者に対抗するには [ 登記 ] を要する! ( 抵当権の設定自体は 抵当権者と抵当権設定者の合意だけで成立します ) 3. 抵当権は 被担保債権がなければ [ 成立 ] せず 被担保債権がなくなれば消滅する!( 付従性 ) ( 将来発生する可能性のある債権を被担保債権とすることもできます ) 4. 抵当権は 被担保債権が移転すると それに随伴して同時に [ 移転 ] する!( 随伴性 ) 5. 抵当権は 一部の被担保債権がなくなっても [ 残りの目的物 ] に対して効力が及ぶ!( 不可分性 ) 6. 抵当権の効力は 目的物に [ 付加 ] して一体となった物 および 抵当権設定当時に存在した [ 従物 ] にも及ぶ! 7. 抵当権の効力は その担保する債権に不履行があった場合 その後に生じた抵当不動産の [ 果実 ] にも及ぶ!( 果実 = 抵当不動産の家賃収入など ) 8. 抵当権者は 被担保債権から生じる利息につき 満期となった最後の [2 年分 ] についてのみ優先弁済を受けることができる! 9. 抵当権者は 設定者および第三者が抵当目的物の価値を低下させる行為をした場合 その行為に対して [ 妨害排除請求 ] を行うことができる!( 弁済期の前後を問わない ) 10. 抵当権者は 第三者が抵当目的物を不法に占拠している場合 [ 設定者 ] の妨害排除請求権を代位行使することができる! 11. 抵当権者は 他の債権者のために 自己の有する [ 抵当権 ] を担保として 抵当権に抵当権を設定することができる!(= 転抵当 ) 12. 抵当権の順位の変更は その [ 登記 ] をしなくては効力を生じない! ( 順位変更によって影響を受ける抵当権者全員の合意と 利害関係人の承諾必要 ) 13. 抵当権設定後の対抗要件を備えていない [ 建物賃借人 ] は 抵当物件の競落人に その賃借権を主張することができない!(6 ヶ月の明渡し猶予期間あり 土地には猶予制度なし ) 14. 抵当権者全員の [ 同意 ] を得た賃貸借であり その同意を登記したときは 賃借権を抵当権者に対抗することができる! 30

31 15.[ 所有権または地上権 ] を買い受けた第三者が 抵当権者の請求に応じて代価を弁済した場合 抵当権はその第三者のために消滅する!( 代価弁済 ) 16.[ 債務者および保証人 ] を除き 所有権を取得した第三者は 抵当権実行前に自分が妥当と思う金額を抵当権者に支払い 抵当権の消滅を請求することができる!( 抵当権消滅請求 ) 抵当権消滅請求の注意点 1 抵当不動産の地上権 永小作権を取得した第三者は抵当権消滅請求ができない 2 抵当権者は 抵当権実行前に第三取得者にその旨を通知する必要はない 3 第三取得者から提示された金額が少ない場合 抵当権者は 2 ヶ月以内に競売が可 17. 根抵当権は 一定範囲に属する不特定の債権を [ 極度額 ] の限度で担保する! 18. 根抵当権設定契約では [ 債務者 ] [ 極度額 ] [ 債権の範囲 ] を定めなければならない! 19. 根抵当権を譲渡するには [ 設定者 ] の承諾が必要である! 20. 根抵当権者は 元本確定期日の定めがある場合を除き [ いつでも ] 元本確定を請求することができる!( 根抵当権設定者は 根抵当権設定から 3 年経過で確定請求可 ) 被担保債権 : 抵当権 特定の債権根抵当権 一定範囲での不特定債権利息などの範囲 : 抵当権 最後の 2 年分根抵当権 極度額内の元本 利息 損害金の全てを担保被担保債権が消滅すると : 抵当権 消滅する根抵当権 消滅しない順位の譲渡 : 抵当権 可根抵当権 元本確定前は不可 A が B に対する債務の担保のために A 所有の土地および建物に抵当権を設定した場合 抵当権が実行され C が建物 D が土地を競落した場合 C には法定地上権 ( 次ページ ) が成立し C の権利は守られるので D は C に土地の明け渡しを請求できない! A が建物を毀損したときは B は弁済期前でも妨害排除請求を行うことができる! B の他に後順位抵当権者などがいない場合には B は A に対し 満期のきた最後の 2 年分を越える利息についても抵当権を行うことができる!( 本来は最後の 2 年分のみ ) B の他に後順位抵当権者がいた場合 B の抵当権が消滅すると 後順位の抵当権者の順位が自然に繰り上がる! E の不法行為により建物が焼失し それにより A がその損害賠償金を受領した場合でも その払い渡し前に差し押さえておかなければ B は A の受領した賠償金に物上代位はできない! A の B に対する債務が時効により消滅したときは 抵当権も消滅する! 抵当権者の同意がなくても 設定者は抵当権の目的物を自由に譲渡できる! B は G から借金をするにあたり A に対する抵当権を担保とすることができる!(= 転抵当 ) A から抵当権付の土地 建物を買い取った H は 代価弁済 抵当権消滅請求 第三者弁済 または自ら競落するなどにより 土地と建物の所有権を保持できる! 31

32 A が B の C に対する金銭債権を担保するために A 所有地に B の抵当権を設定し その登記後にその土地を D に売却した場合 B が抵当権を実行した場合 競買人 ( 買受人 ) となれるのは債務者 C 以外の ABD である! 抵当不動産について所有権を取得した D は 抵当権消滅請求ができる! B は抵当権を実行すると 元本と最後の 2 年分の利息について 他の債権者に優先して弁済を受けられる! A 所有地に建物を新築し B の抵当権実行に伴い 土地と建物が一括競売された場合でも B は土地の競売代価についてのみ優先弁済を受ける! D は抵当権の実行により所有権を失った場合には もともと抵当権の存在に善意悪意を問わず A との売買契約を解除できる! D は C の反対の意思表示があっても B に債務を弁済して抵当権を消滅させることができる! 一括競売ができる代表的な建物 1 建物所有者が抵当権設定者で 抵当権設定後に築造された建物 2 抵当権設定後に 抵当権者の同意の登記により対抗力を付与されていない土地の賃借人が 抵当権設定者より譲り受けた建物 ( 設定者築造 ) 以下 法定地上権 ( 建物所有者を保護する制度 : 土地所有者からの立ち退き請求を防ぐ ) 抵当権の実行により土地と建物の所有者が異なることになった場合でも 建物の存続を図るために一定の要件を満たすときは 地上権が設定されたものとみなされます これが法定地上権です 法定地上権成立要件 1 抵当権設定時 その土地上に既に建物が存在すること ( 建物の登記がなくても 再築でも ) 2 抵当権設定時 土地と建物が同一所有者に属していたこと ( 設定後に譲渡されても ) 3 抵当権実行により 土地と建物の所有者が別々となったこと 21. 抵当権設定時に建物は存在したが その建物に [ 保存 ] 登記がなされていなかった場合でも 法定地上権は成立する! 22.[ 更地 ] に抵当権を設定した後 その土地に建物を建築した場合 法定地上権は成立しない! 土地に先順位の抵当権が設定された当時に建物が存在しなければ 建物が築造された後に後順位の抵当権者が現れ その者の申立てにより土地の競売が行われても法定地上権は成立しない 23. 抵当権実行前 ( 設定はされている ) に土地が [ 譲渡 ] された場合でも 法定地上権は成立する! 24. 抵当権設定時に存在した建物が火事で焼失し [ 再築 ] された場合でも 法定地上権は成立する! 25. 地上権に基づき建物を所有している者は 建物のほかに [ 地上権 ] に対しても抵当権を設定することができる! 32

33 平成 18 年度および平成 27 年度の試験において 抵当権の計算問題が出題されました 念のためインプリ問題集で平成 18 年以前から問題を掲載していましたが 市販の参考書等で勉強なさっていた方のほとんどは意味が分からなかったようです 抵当権の計算は 司法試験や司法書士試験など他の法律試験では頻出事項です 宅建試験でも今後多くの出題が予想されます しっかり練習しておきましょう! < 例題 > 債務者 A に対して一番抵当権者 B(1,000 万円 ) 二番抵当権者 C(1,500 万円 ) 一般債権者 D (3,000 万円 ) がいて 競売代金が 2,000 万円だった場合 B D に抵当権の譲渡 B:0 C: 影響なく 1,000 万円 D:B が受け取るはずだった 1,000 万円 B D に抵当権の放棄 B:D と同位で按分比例 250 万円 C:1,000 万円 D:750 万円 B C に抵当権順位の譲渡 B:500 万円 C:1 番となり 1,500 万円 D: 影響なく 0 B C に抵当権順位の放棄 B:C と同位で按分比例 800 万円 C:1,200 万円 D:0 このように 譲渡とは文字通り抵当権自体や抵当権の順位を他の債権者や後順位抵当権者に譲渡して無担保債権者や後順位抵当権者となること 放棄とは同一債務者に対する抵当権を有しない他の債権者や後順位抵当権者のために自己の優先弁済権を放棄して同位となることをいいます 同位とは各自の被担保債権の割合で配当されるということです < 平成 18 年度宅建試験問 5> A は B から借り入れた 2,400 万円の担保として第一順位の抵当権が設定されている甲土地を所有している A は さらに C から 1,600 万円の金銭を借り入れ その借入金全額の担保として甲土地に第二順位の抵当権を設定した この場合に関する次の記述のうち 民法の規定及び判例によれば 正しいものはどれか 1 抵当権の実行により甲土地が競売され 3,000 万円の配当がなされる場合 B が C に抵当権の順位を譲渡していたときは B に 1,400 万円 C に 1,600 万円が配当され B が C に抵当権の順位を放棄していたときは B に 1,800 万円 C に 1,200 万円が配当される 順位譲渡 B:1400 万円 C:1600 万円 順位放棄 B:1800 万円 C:1200 万円で正しい肢 < 平成 27 年度宅建試験問 7> 債務者 A が所有する甲土地には 債権者 B が一番抵当権 ( 債権額 2,000 万円 ) 債権者 C が二番抵当権 ( 債権額 2,400 万円 ) 債権者 D が三番抵当権 ( 債権額 4,000 万円 ) をそれぞれ有しており A にはその他に担保権を有しない債権者 E( 債権額 2,000 万円 ) がいる 甲土地の競売に基づく売却代金 5,400 万円を配当する場合に関する次の記述のうち 民法の規定によれば 誤っているものはどれか 1 B が E の利益のため 抵当権を譲渡した場合 B の受ける配当は 0 円である 2 B が D の利益のため 抵当権の順位を譲渡した場合 B の受ける配当は 800 万円である 3 B が E の利益のため 抵当権を放棄した場合 B の受ける配当は 1,000 万円である 4 B が D の利益のため 抵当権の順位を放棄した場合 B の受ける配当は 1,000 万円である 1 E が一番抵当権者となり 2,000 万円 B は 0 円 正 2 D が一番抵当権者となり 3,000 万円 (C は影響なく 2,400 万円 ) B は 0 円 誤 3 B が受け取るはずだった 2,000 万円を案分比例して B1,000 万円 E1,000 万円 正 4 影響のない C の 2,400 万円を引いた 3,000 万円を案分比例して B1,000 万円 D2,000 万円 正 33

34 1-18 共有 ( ) 1 つのものを数人で共同して所有することを共有といいます 簡単だからといって曖昧に覚えず 正しく確実に習得しておいてください 出題されたら絶対に落とすことのできない問題となります 10 年で 4~5 問のペースで出題されています 1. 各共有者は 共有物の [ 全部 ] につき 各自の持分に応じた使用収益をすることができる! 2. 各共有者は [ 各自の持分 ] に応じて管理費用を払わなければならない! (1 年以内に負担義務を履行しない場合 他の共有者は相当の償金を払って持分を取得できる ) 3. 各自の持分は 他の共有者の同意を得ることなく [ 自由 ] に処分することができる! 4. 共有物の全部を処分するには [ 共有者全員 ] の同意が必要である! 5. 共有地を不法に占拠する者に対する明渡し請求は 各共有者が [ 単独 ] ですることができる! (= 保存行為 ) 6. 共有物を賃貸する場合 [ 持分の過半数 ] の賛成をもって決する!(= 管理行為 ) 7. 共有建物を増改築するには [ 共有者全員 ] の同意が必要である!(= 変更行為 ) 8. 共有者の一人が相続人なくして死亡した場合や その持分を放棄した場合 当該持分は [ 他の共有者 ] に帰属する!( 特別縁故者がいて財産分与がなされたときはそちらを優先 ) 9. 各共有者は いつでも共有物の [ 分割 ] を請求することができる! (5 年以内は分割しない旨の特約有効 更新も 5 年以内で可能 ) 分割方法 :1 現物分割 共有物自体をそのまま分割 2 代金分割 共有物を売却してその代金を分割 3 価格賠償 共有者の 1 人が共有物の所有権を取得して他の共有者に金銭を支払う 4 協議が調わないときは裁判所に分割請求も可 この場合は現物分割が原則だが 分割不能 ( 自動車の分割等 ) や分割で著しく価値が下がるおそれがあるときは競売も可 共有まとめ 各共有者が単独で請求できるもの ( 保存行為 : 共有物の現状維持 ) 1 共有物返還請求 2 妨害排除請求 3 共有物の不法行為に対する損害賠償請求 4 持分権確認請求 5 不法登記に対する抹消登記請求 6 目的物の修繕注 :3 自己の持分についてのみ 共有者の持分価格の過半数で決めるもの ( 管理行為 : 共有物の利用改良 ) 1 賃貸借 ( の解除 ) 2 共有宅地の地ならし 共有者全員の同意が必要なもの ( 変更行為 : 共有物を物理的に変化させる ) 1 共有物の所有権確認請求 2 共有物全体についての時効中断 3 売却 4 抵当権設定 34

35 ABC が土地を共有している場合 ABC はその持分に応じて共有物の管理費用を負担するが C がこの負担義務を 1 年内に履行しないとき AB は 相当の償金を支払って C の持分を取得できる! 各共有者は それぞれ自由に自己の持分を他に譲渡できる! C が相続人なくして死亡したとき その持分は AB に帰属する!( 特別縁故者がいない場合 ) C が持分を放棄したとき その持分は AB に帰属する! ABC 間で分割の協議が整わないときは それぞれが裁判所に分割請求を行うことができる! 裁判所は A に単独で土地を取得させ A から BC に適正価格で賠償させる方法による共有物の分割を命じることもできる! ABC 間で 5 年を超えない範囲で 共有物を分割しない特約を結ぶことができる! その土地に利害関係を有する D は分割協議に参加することができ D の参加を待たずに分割が行われた場合 その分割の効力は D には対抗できない!( 協議への参加費用は D が負担する ) A が BC に無断で E に土地を売却した場合 BC の持分についても他人物売買として有効である! その土地が田であり畑にする場合 ( 変更行為 ) は ABC 全員の同意が必要である! その土地について賃貸借契約を締結 ( 管理行為 ) する場合 ABC の持分の価格の過半数の賛成で行う! その土地の不法占拠者に対する明渡請求 ( 保存行為 ) は ABC それぞれ単独ですることができる! その土地が第三者によって侵害された場合 ABC は自己の持分に基づく損害賠償請求をすることができる! C がその持分に基づいて単独でその土地を使用している場合 AB は当然にその明渡しを求めることはできない! C が AB に債務を負っている場合 C が F に持分を譲渡しても AB は F に対してその債務の支払いを請求することができる! 共有者の同意を得ずに行われた変更行為 1 各自の持分権に基づいてその行為の禁止を求める 2 共有物を原状に回復させるよう求める ( 特段の事情がある場合を除く ) 35

36 1-19 その他の物権 ( ) 抵当権以外の担保物権です 出題可能性はとても低いですが 留置権は少し注意です 造作とは 畳や埋め込み式エアコンなど 建物に作りつけ 移動が困難なものをいいます 留置権 1. 留置権者は [ 善良なる管理者 ] の注意義務をもって留置物を保管しなければならない! 2. 留置権を行使しても 被担保債権の [ 消滅時効 ] は中断しない! 3. 借家人は 建物賃貸借契約終了時に [ 必要費償還請求権 ] を有する場合 建物賃貸人が必要費を支払うまで 建物を留置することができる!( 建物所有者と敷地所有者が異なる場合 敷地所有者からの明渡し請求に対して敷地を留置することはできない ) 4. 借家人が [ 造作買取請求権 ] を行使した場合 建物賃貸人が造作代金を支払うまでの間でも 建物を留置することはできない!( 造作は留置可 ) 5. 借地権者が [ 建物買取請求権 ] を行使した場合 借地権設定者が建物代金を支払うまでの間 建物と敷地を留置することができる! 6. 留置権には [ 物上代位性 ] がない! 先取特権 7. 建物賃貸人は 賃料等につき賃借人がその建物に備え付けた [ 動産 ] の上に先取特権を有する! 8. 他人の不動産を保存した者は 保存費につき [ 登記 ] をしておけば その不動産の上に先取特権を有する!(= 不動産を競売して保存費用を取り戻せる ) 9. 他人の不動産に工事をする者は [ 事前 ] に工事費用につき登記をしておけば その不動産の上に先取特権を有する! 10.[ 不動産保存および不動産工事 ] の先取特権は 登記の前後を問わず 抵当権に優先する! 11. 先取特権を行使して物上代位により優先弁済を受けるには [ 払渡し前に差押え ] をしておく必要がある! 留置権とは 占有物の返還期限が過ぎても その物を占有し続けられる権利です 例えば 建物を買いそこに住み始めたとします その売買契約が取り消された場合 留置権を行使して売買代金を返還してもらうまで建物も返還する必要がありません 飲み屋さんで他人と傘を取り違えた場合も 相手が傘を返すまで傘を返す必要がありません 先取特権とは 建物を工事した場合などに 他の債権者よりも先に工事費用を請求することができるなどの権利です 留置権などの法定担保物権とは 特に登記をしなくても自然に認められる担保物権です 逆に抵当権などは約定担保物権といい 登記をしなければ認められない担保物権です 36

37 1-20 不法行為 ( ) 一時期出題は減少傾向でしたが 最近また出題が増え始めた不法行為 使用者責任や工作物責任などの特殊な不法行為の要件は必ず覚えておいてください 7~8 割方出題されます 1. 不法行為とは [ 故意または過失 ] により 他人に損害を与えることをいう! 2. 裁判所は 被害者にも過失があった場合 損害賠償額の算定においてこれを [ 考慮 ] することができる! 3. 損害賠償債務は [ 損害発生 ] と同時に遅滞に陥り 債権者は 損害発生以後の遅延損害金を請求することができる! 4. 不法行為による損害賠償請求権は 損害および加害者を知ったときから [3 年 ] または不法行為のときから [20 年 ] これを行使しないと消滅する! 5. 使用者は [ 被用者 ] が事業の執行について第三者に加えた損害の賠償責任を負う! 6. 被害者は [ 使用者と被用者 ] の両方に損害賠償を請求することができる! ( 損害を賠償した使用者は 被用者に対して求償すること可 逆は不可 ) 7. 土地工作物の設置 保存の瑕疵によって第三者に損害が生じた場合 その工作物の [ 占有者 ] が損害賠償責任を負う!( 占有者が注意をしていたときは工作物所有者 占有者は注意をしていれば不法行為責任を免れるが 所有者が不法行為責任を免れることはできない ) 8. 数人が共同して第三者に損害を与えた場合 それらの者は 被害者に対して [ 連帯 ] して損害賠償責任を負う!( 弁済またはこれに準ずる事由を除き 債務者の 1 人に生じた事由は他の債務者に影響しない ) C 社の社員 B が A に損害を与えた場合 ( 使用者責任 ) A は C 社の社員 B の不法行為責任が成立しなければ C 社に対して損害賠償請求をすることはできない! B の不法行為責任が成立した場合 A は BC 同時 あるいは順に損害賠償請求をすることができる!(B の A に対する損害賠償責任と C 社の A に対する使用者責任は別々に時効が進行する ) C 社が A に賠償した場合 C 社は B に求償することができる!( 信義則上相当と認められる額 B に故意または重大な過失があっても構わない ) B が C 社の自動車に A を乗せ D が運転する自動車と衝突して A が怪我をした場合 C 社が A に賠償した場合 C 社は BD 両者に対して過失割合に従って求償権を行使できる C 社が D に賠償した場合 C 社は信義則上相当と認められる額を B に求償することができる D は B および C 社に対して損害賠償請求をすることができる (BC は過失相殺可 ) B が A に賠償した場合でも B は C 社に求償することができない B が私用で C 社の自動車を運転して事故を起こした場合でも C 社は責任を負う 37

38 A 所有の建物を B が無断で占有している場合 当該建物の壁が壊れ 通行人 C が死亡した場合 C の相続人は B に対して損害賠償請求をすることができる!(A にはできない ) B が正規の賃借人である場合 基本的には B が賠償責任を負うが B が十分な注意をしていたときには A が賠償責任を負うことになる 壁の施工業者にも責任があった場合 B は その施工業者に求償権を行使することができる! ( 以下 特に法令制限で 施行 という言葉がよく出てきます 工事系は 施工 法律の実施系は 施行 と気をつけていますが これはこっちでは? という箇所があったら申し訳ございません ) 不法行為と債務不履行の違い 過失の立証責任 不法行為 債権者債務不履行 債務者 遅滞の時期 不法行為 不法行為時債務不履行 P.19 履行遅滞の時期参照 消滅時効 不法行為 被害者 ( 法定代理人 ) が 損害および加害者を知って 3 年 (20 年の除斥期間あり ) 債務不履行 10 年 社員と賃借人の違い サラリーマン ( 被用者 ) が仕事上で不法行為をした場合 本人だけでなく 会社 ( 使用者 ) も賠償責任を負うことになります 逆に建物の壁が剥がれ落ちて通行人がケガをした場合などは 原則として賃借人が賠償責任を負いますが 賃借人が十分な注意をしていたときは貸主である所有者が賠償責任を負うことになります 特殊な事例 即死 被害者の相続人が慰謝料請求権を相続する正当防衛 不法行為に当たらない被害者にも過失があるが制限行為能力者だった 被害者と身分上または生活関係上 一体をなすとみなされる関係に立つ者と過失相殺可名誉毀損 金銭評価が可能であれば損害賠償請求ができる加害者が海外逃亡 消滅時効は進行する 38

39 1-21 賃貸借 ( ) 賃貸借契約とは 賃料を支払って物の貸し借りをする契約です そして 賃借人が賃貸人に対して 目的物の使用を請求する権利を賃借権といいます 宅建試験で出題されるのは 建物と土地の賃貸借である借地借家法です よって ここは予備知識として読んでおいてください ちなみに 賃貸借に対し無料で物の貸し借りをする契約を使用貸借契約といいますので 頭の片隅に入れておいてください 民法での賃貸借の出題確率は 3 割ほどです 1. 賃貸人は 賃借物の [ 修繕義務 ] を負う!( 賃貸人が修繕義務を履行せず 目的物が使用収益に適する状態に回復しない間は 賃借人は賃料の支払いを拒絶することができる ) 2. 賃借人が [ 必要費 ] を支出した場合 賃貸人に対して直ちに償還請求をすることができる!( 全額 ) 3. 賃借人が [ 有益費 ] を支出した場合 賃貸借契約終了時に賃貸人は 賃貸人の選択により 支出金額または現存する増加額のいずれかを償還する義務を負う! 4. 賃借人は 賃貸人の [ 保存行為 ] を拒むことはできない! ( 賃借人の意思に反し 保存行為により契約の目的を達成できないときは解除可 ) 5. 賃貸借契約の存続期間は [20 年 ] を超えることができない! ( 最短期間の制限はなし 20 年を超える期間を定めたときは 20 年に短縮される 建物は 20 年超可 ) 6. 期間の定めのない賃貸借においては 各当事者は [ いつでも ] 解約を申し入れることができる! ( 解約申入れから 土地 1 年 建物 3 ヶ月経過で賃貸借契約は終了 ) 7. 賃借人は 賃貸人が造作の付加に同意していた場合 賃貸借契約終了時に [ 時価 ] で買い取るよう請求することができる!( 造作買取請求しない旨の特約も有効 ) 8. 賃貸目的物の [ 全部が滅失 ] した場合 賃貸借契約は終了する! 9. 賃借人は [ 賃貸人の承諾 ] がなければ 転貸および賃借権の譲渡をしてはならない! 10. 賃借人が無断で転貸または賃借権の譲渡をした場合 賃貸人は賃貸借契約を [ 解除 ] することができる!( 賃借人の行為が背信的でない場合は解除不可 ) 11. 転貸の場合 賃貸人は [ 賃借人および転借人 ] に対して賃料を請求することができる! 12. 賃借権の譲渡の場合 賃貸人は 賃借権の [ 譲受人 ] に対してのみ賃料を請求することができる! 13. 賃借権が譲渡された場合 譲渡人は 賃貸人に対して [ 敷金 ] の返還を請求することができる! ( 敷金関係の承継 : 賃貸人の交代 当然に承継される賃借人の交代 当然には承継されない ) 必要費 = 目的物の使用に必要な費用 有益費 = 賃借人が目的物の価値を増加させるための費用 39

40 賃貸人が A 賃借人を B とする場合 賃貸借契約に関する費用は AB 双方が平分して負担する! A は B の承諾なしに 自由にその目的物を第三者に譲渡することができる! B が A から土地を賃借し そこに B が建てた建物を第三者に譲渡するには A の承諾を得る必要がある! B からその建物を賃借する者は A の承諾を得る必要はない! A から土地を譲渡されたものは その登記をしなければ 賃貸人の地位を B に対抗できない! B が A の承諾を得てその土地を C に転貸した場合 A は直接 C に賃料を請求できる! B が A の負担すべき必要費を支出したときは B は直ちに A に対してその償還を請求できる! A が目的物を修繕する場合 B はそれを拒むことはできない! B が有益費を支出したときは 賃貸借終了後に A の選択により その費やした額 または目的物の価値の増加額が償還される! B は A の同意を得て賃貸物に造作を付加したときは 賃貸借終了後 A に対して時価でその造作の買取を請求することができる!( 造作買取請求をしない旨の特約がない場合 ) B の相続人は 賃借人の地位を相続する! 目的物が建物で A の賃貸人の地位を承継した者は B に対する敷金返還債務も承継する! ( 敷金返還債務は 特段の事情がない限り当然に承継される cf. 前ページ 13 補足 ) 賃貸借契約期間中は敷金返還請求権は発生していないので B は賃料支払い債務と敷金返還請求権とを相殺することはできない! B は A の承諾があれば 敷金返還請求権を担保の目的物とすることができる! A は 契約終了後 明け渡しまでの期間の賃料相当額についても 敷金から控除することができる! 賃貸借契約が終了する期間を定める特約は 普通の書面ですれば足りる! 賃貸借要点まとめ 無断転貸 : 賃借人に背信的行為があれば契約解除可能賃貸人からの解約申入れ : 正当事由が必要第三者への対抗要件 : 登記または引渡し賃借人の死亡 : 賃借権が相続される 40

41 1-22 借地借家法 ( ) 建物と土地の賃貸借契約についての特別な取り決めです 覚えることも多いですが 毎年丸々 2 問出題されますので 最低でも 1 問は取れるよう最低限の基本は頭に入れておきましょう 借地借家法の意義 民法には賃貸借契約の規定があるのに なぜ建物と土地の賃貸借について特別の規定があるのか? それを考えると 借地借家法はとても理解しやすくなります 経済的に 賃貸人よりも賃借人の方が不利な地位にあるのは明らかです 賃借人は足元を見られ不利な契約を押し付けられることが多くありました そこで 十分な存続期間を法律で定めるなどして 弱い立場にある借家人や借地人を保護するために 民法の規定を修正し 借地借家法が作られたのです こういった背景を知っておけば 理解が高まるとともに 分からない問題が出ても 賃借人に有利かどうかを考えることで正解にたどり着ける確率が上がるでしょう 借家権 1. 建物賃貸借の存続期間は 期間を定める場合と [ 期間の定めのない ] 場合がある! 2. 建物賃貸借において [1 年未満 ] の定めは 期間の定めがない建物賃貸借とみなされる! ( 一時使用が明らかな場合または定期借地権である場合を除く ) 3. 建物賃貸借において [ 最長期間 ] の制限はない!( 何十年でも可 ) 4. 借家権が適用されるのは 建物賃貸借 であり [ 無料 ] で建物を借りる場合 および 賃貸借であっても [ 一時使用 ] のために建物を賃借する場合には適用されない! 5. 賃貸借契約が期間満了により終了した場合でも 賃借人の使用継続に賃貸人が異議を述べないときは [ 期間の定め ] のない賃貸借として更新したものとみなされる! 6. 期間の定めのある建物賃貸借を賃貸人が更新拒絶する場合 期間満了の [1 年前から 6 ヶ月前 ] までの間に 正当事由ある更新拒絶の通知を要する!( 賃借人からの更新拒絶は正当事由不要 ) 7. 賃貸人が 期間の定めのない建物賃貸借の解約申入れをする場合は 正当事由を要し 解約申入れ後 [6 ヶ月 ] 経過で終了する! 8. 賃借人が 期間の定めのない建物賃貸借の解約申入れをする場合は 正当事由は不要で 解約申入れ後 [3 ヶ月 ] 経過で終了する! 9. 期間の定めある建物賃貸借を [ 書面 ] でする場合に限り 期間満了により当該賃貸借は終了し 契約更新ができないとする特約を定めることができる!( 賃借人に書面を交付して説明必要 ) 10. 賃借人は [ 居住用建物 ](200 m2未満 ) において 当該建物を生活本拠とできなくなった場合は解約申入れをすることができる! 41

42 11. 賃貸人の同意を得て賃借人が付加した造作 ( 畳や建具等 ) について 賃借人は 賃貸借契約終了時に賃貸人に対して [ 時価 ] で買い取るよう請求することができる!( 造作買取請求権 ) 12. 造作買取請求権を [ 認めない旨 ] の特約は 有効である! 13. 一定の期間は借賃を [ 増額 ] しない特約がある場合 賃貸人は その期間内は借賃の増額請求をすることはできない!( 減額しない旨の特約は不可 ) 14. 借賃の増額について当事者の協議が整わない場合 賃借人は 増額を正当とする裁判が確定するまでは [ 自分が相当と考える額 ] を支払えばよい! ( 増額を正当とする裁判が確定し 賃借人が支払った額に不足があるときは その不足額に年 1 割の利息を付けて賃貸人に支払わなければならない ) 15. 賃貸人の増額請求に対して 賃借人は相当と考える額を提供したが 賃貸人がそれを拒んだ場合 賃借人はその額を [ 供託 ] すれば借賃不払いを理由に賃貸借契約が解除されることはない! 16. 賃貸借契約が合意解除された場合でも 賃貸人は 特段の事情がない限り [ 転借人 ] に対して合意解除を対抗することができない!( 賃借人の債務不履行があったときなどは当然に終了 ) 17. 賃貸借契約が期間満了により終了する場合でも 賃貸人は 転借人に対して [ その旨の通知 ] をしなければ その終了を対抗することができない! 18. 賃貸人からの解約申入れによって賃貸借契約が終了した場合でも 転借人が [ 建物の使用を継続 ] するときは 賃貸人は遅滞なく異議を述べないと 元来の賃貸借契約が更新される! 賃貸人 A と賃借人 B の間で建物の賃貸借契約が締結された場合 A が B に建物を期間 2 年で賃貸したが B が期間満了後も居住を続け A が異議を述べなかった場合は 期間満了後も前契約と同一の条件で更に賃貸借をしたと推定される! 前ページ 5 番との違い 賃借人が使用継続することに異議を述べない (P41) か すでに使用継続してしまっている (P42) かの違いをイメージしてください しかし結果は同じです どちらも自動的に従前の契約と同一条件で契約が更新されます しかし この同一条件というのは 契約期間 以外の条件なのです どちらも 期間の定めのないもの となります 借家契約の期間が 1 年未満だったときは 当該賃貸借は期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる! 賃貸借に期間の定めがない場合 A が B に解約の申し入れをした 6 ヶ月後に賃貸借契約は終了する!(B が解約を申し入れた場合は その 3 ヶ月後に賃貸借契約は終了する ) その解約申し入れについて必要な正当の事由は 解約申し入れ時から継続して 6 ヶ月経過後にも必要である! 42

43 その解約申し入れについて必要な正当の事由は A の自己使用の必要性のほかに A が B に対し建物の明渡しを条件として金銭を支払う旨の A の申し出をも考慮して判断される! B が相続人なく死亡した場合 その同居人は B の死亡を知った日から 1 ヶ月以内に意義を述べなかったときは B の権利義務を承継する! B が家賃減額請求をしたが AB 間で協議が調わず裁判となった場合 その裁判が確定するまで A は自己が相当と認める家賃の支払いを B に請求できる! ( 減額請求が認められたときは 裁判確定以後ではなく 請求のときからの家賃が減額される ) 賃料は 2 年間の期間中は増額しない との特約がある場合 A は当該期間中は増額請求をすることができない! AB 間で 一定の期間建物の家賃を減額しない旨の特約は無効である! 家賃が不相当に高かった場合 B は将来に向かって家賃の減額を請求できる! その建物が一定期間経過後に取り壊すことが明らかな場合 AB 間で 建物を取り壊す時期に賃貸借は終了する 旨の特約をすることができる! B に家賃を支払う意思があるのに A がこれを拒んだ場合は B は履行遅滞とならない! 建物が滅失した場合でも 借地権は 残存期間中は消滅しない! 建物が滅失し B が新築した場合 その建物が借地権の残存期間を超えて存続するものであるときは A の承諾があれば 借地権の存続期間は延長される! 借地権の存続期間が満了した場合 そのとき建物が存在していなければ A が契約の更新を求めても 借地権は更新されない! B の債務不履行によって借地権が消滅したときは B は建物買取請求権を有しない! B が借地権を第三者に譲渡するには A の承諾が必要である! ( 土地も一緒に譲渡するには裁判所の許可でも可 ) 建物を取得した者は A が賃借権の譲渡を承諾しないときは A に対してその建物を時価で買い取るように請求できる! A は弁済期が到来した最後の 2 年分について B の建物に先取特権を有する! 以下 転貸借 B が C に建物を転貸していた場合 A が B に契約更新の通知を拒絶するためには C についての事情も考慮に入れた正当の事由がなくてはならない! 43

44 BC 間の転貸借が A の承諾を得ていない場合でも その転貸借が A に対する背信的行為でないときは A の解除権は発生しない! C が建物に造作を付加した場合 期間満了時 C は直接 A に買取り請求ができる! ( 造作買取請求を認めない特約は有効 ) A は B だけでなく C に対しても賃料を請求できる! A が C に対して請求できる賃料の額は A の B に対する賃料の額の限度である! B が C に賃借権自体を譲渡した場合 A は C に対してのみ賃料を請求できる! 建物賃貸借契約の期間が終了する場合でも 転貸借は A が C にその旨を通知した 6 ヶ月後に終了する!(= 期間満了や解約申入れにより賃貸借が終了する場合は転借人に通知を要する ) AB 間の賃貸借契約が合意解除されても 転借人である C の権利は 特段の事由がある場合を除き消滅しない!(= 合意解除により賃貸借が終了する場合は転借人に対抗できない ) B の債務不履行により A が賃貸借契約を解除しようとする場合 A は C に対して賃料を支払う機会を与える必要はない!(= 債務不履行により賃貸借が終了する場合は転借人に通知も要せず対抗できる ) A の解約申し入れによって AB 間の賃貸借が終了したが C が建物の使用を継続する場合は A が遅滞なく異議を述べないときは AB 間の賃貸借が更新される! 借地権 転貸借の基本 1 転借人 C は 賃貸人 A に対して直接に義務を負う 2 転借人 C は 賃借人 B が賃貸人 A に対して負担する義務以上の義務を負わない 3 転借人 C は 賃貸人 A に対して修繕請求や有益費の償還請求をすることができない ( 賃借人 B の有する修繕請求に代位はできる ) 19. 借地権を持つ人 ( 借主 ) を [ 借地権者 ] 借地権を設定した人 ( 貸主 ) を [ 借地権設定者 ] という! ( 抵当権では 抵当権を設定した人を抵当権者 土地等を供した人を抵当権設定者といい 意味と呼び方が逆になりますのでご注意ください ) 20. 借地権とは 建物所有を目的とする [ 地上権または土地賃借権 ] をいう! 21. 借地契約の期間を定めなかった場合 期間は [30 年 ] となる! 22. 借地契約の期間を 30 年以下とした場合 期間は [30 年 ] となる! 23. 借地契約の期間を 30 年以上とした場合 期間は [ その期間 ] となる!(40 年 40 年 ) 24. 合意による借地契約の初回更新は 期間 [20 年 ] 以上となる! 44

45 25.2 回目以降の借地契約更新は 期間 [10 年 ] 以上となる! 26. 借地権の存続期間が満了し 借地権者が契約の更新を請求した場合 [ 建物が存在 ] するときに限り 前の契約と同一条件で更新されたものとみなされる!( 借地権更新請求 ) 27. 借地権の存続期間が満了した後 借地権者が土地の [ 使用を継続 ] する場合 建物が存在するときに限り 前の契約と同じ条件で更新されたものとみなされる!( 法定更新 ) 28. 更新請求や土地の使用が継続された場合でも 借地権設定者が 遅滞なく [ 正当事由ある異議 ] を述べたときは 契約の更新はされない! 29. 存続期間満了前に建物が滅失し 借地権者が残存期間を超えて存続する建物を再築した場合 借地権設定者が [ 承諾 ] していたときは借地権の期間は延長される! ( 再築の通知から 2 ヶ月以内に借地権設定者が異議を述べないときも承諾とみなされる ) 30. 契約更新後に建物が滅失し 借地権者が無断で残存期間を超えて存続する建物を再築した場合 借地権設定者は [ 解約申入れ ] をすることができる!( 申入れから 3 ヶ月後に借地権消滅 ) 31. 借地契約の更新がない場合 借地権者は 借地権設定者に対して [ 建物 ] を時価で買い取るよう請求することができる!( 建物買取請求権 ) 32. 借地権者が借地権を第三者に譲渡 ( 又は転貸 ) するには 借地権設定者の [ 承諾 ] が必要である! 33. 借地権が譲渡 ( または転貸 ) されても特に借地権設定者に不利となるおそれがない場合 裁判所は 借地権者の申立てにより 借地権設定者の承諾に代わる [ 許可 ] を与えることができる! ( 注 : 建物の転貸 借家権の譲渡には 賃貸人の承諾に代わる裁判所の許可は不可 ) 34. 借地権者は 借地上の建物を [ 自由 ] に賃貸することができる!( 設定者の承諾不要 ) 35. 借地権設定者は 第三者と共に借地権を有する場合に限り [ 自己借地権 ] の設定をすることができる! 36. 事業の用に供する建物の所有を目的とする場合 存続期間を [10 年以上 50 年未満 ] とする借地権の設定をすることができる!( 公正証書による ) 37. 借地契約の期間を [50 年 ] 以上とした場合 契約更新しない旨の特約または存続期間満了時に建物買取請求を認めない旨の特約などを付けることができる!( 特約は書面による ) 38. 借地契約には 借地権設定後 [30 年 ] 以上を経過したら建物を借地権設定者に譲渡する旨の特約を付けることができる!( 特約は書面不要 ) B( 借主 ) が借地権を譲渡したいが A( 貸主 ) が承諾しない場合 1B が借地上の建物をこれから C に譲渡する B は裁判所に A の承諾に代わる許可を求める 2 既に C が売買等で建物を取得した C は A に対して建物買取請求権を行使できる 3 既に C が競売で建物を取得した C は裁判所に A の承諾に代わる許可を求める 45

〔問 1〕 A所有の土地が,AからB,BからCへと売り渡され,移転登記も完了している

〔問 1〕 A所有の土地が,AからB,BからCへと売り渡され,移転登記も完了している ( 宅建 ) 要点解説講義 要点確認テスト 1 権利関係 1 問題 制限時間 20 分 問 1 意思無能力者又は制限行為能力者に関する次の記述のうち 民法の規定及び判例によれば 正しいものはどれか 1 意思能力を欠いている者が土地を売却する意思表示を行った場合 その者が意思能力を回復した後に その意思表示を取り消すことができる 2 未成年者が土地を売却する意思表示を行った場合 その未成年者が婚姻をしていても

More information

〔問 1〕 抵当権に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか

〔問 1〕 抵当権に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか ( 宅建 ) 要点解説講義 要点確認テスト 2 権利関係 2 問題 制限時間 20 分 問 1 不動産の物権変動の対抗要件に関する次の記述のうち 民法の規定及び判例によれば 誤っているものはどれか なお この問において 第三者とはいわゆる背信的悪意者を含まないものとする 1 甲不動産につき兄と弟が各自 2 分の1の共有持分で共同相続した後に 兄が弟に断ることなく単独で所有権を相続取得した旨の登記をした場合

More information

〔問 1〕 Aは自己所有の建物をBに賃貸した

〔問 1〕 Aは自己所有の建物をBに賃貸した ( 宅建 ) 要点解説講義 要点確認テスト 4 権利関係 4 問題 制限時間 20 分 問 1 Aは 所有する家屋を囲う塀の設置工事を業者 Bに請け負わせたが Bの工事によりこの塀は瑕疵がある状態となった Aがその後この塀を含む家屋全部をCに賃貸し Cが占有使用しているときに この瑕疵により塀が崩れ 脇に駐車中の D 所有の車を破損させた A B 及びCは この瑕疵があることを過失なく知らない

More information

Unit1 権利能力等, 制限行為能力者 ( 未成年 ) 1 未成年者が婚姻をしたときは, その未成年者は, 婚姻後にした法律行為を未成年であることを理由として取り消すことはできない (H エ ) 2 未成年者が法定代理人の同意を得ないで贈与を受けた場合において, その贈与契約が負担付の

Unit1 権利能力等, 制限行為能力者 ( 未成年 ) 1 未成年者が婚姻をしたときは, その未成年者は, 婚姻後にした法律行為を未成年であることを理由として取り消すことはできない (H エ ) 2 未成年者が法定代理人の同意を得ないで贈与を受けた場合において, その贈与契約が負担付の Unit1 権利能力等, 制限行為能力者 ( 未成年 ) 1 未成年者が婚姻をしたときは, その未成年者は, 婚姻後にした法律行為を未成年であることを理由として取り消すことはできない (H27-04- エ ) 2 未成年者が法定代理人の同意を得ないで贈与を受けた場合において, その贈与契約が負担付のものでないときは, その未成年者は, その贈与契約を取り消すことはできない (H27-04- オ )

More information

1 A 所有の土地について A が B に B が C に売り渡し A から B へ B から C へそれぞれ所有権移転登記がなされた C が移転登記を受ける際に AB 間の売買契約が B の詐欺に基づくものであることを知らなかった場合で 当該登記の後に A により AB 間の売買契約が取り消された

1 A 所有の土地について A が B に B が C に売り渡し A から B へ B から C へそれぞれ所有権移転登記がなされた C が移転登記を受ける際に AB 間の売買契約が B の詐欺に基づくものであることを知らなかった場合で 当該登記の後に A により AB 間の売買契約が取り消された 1 A 所有の土地について A が B に B が C に売り渡し A から B へ B から C へそれぞれ所有権移転登記がなされた C が移転登記を受ける際に AB 間の売買契約が B の詐欺に基づくものであることを知らなかった場合で 当該登記の後に A により AB 間の売買契約が取り消されたとき C は A に対して土地の所有権の取得を対抗できる (96-51) 2 A が B の欺罔行為によって

More information

ウ譲渡人について倒産手続の開始決定があった場合エ債務者の債務不履行の場合 (3) 譲渡禁止特約付債権の差押え 転付命令による債権の移転 2 債権譲渡の対抗要件 ( 民法第 467 条 ) (1) 総論及び第三者対抗要件の見直し (2) 債務者対抗要件 ( 権利行使要件 ) の見直し (3) 対抗要件

ウ譲渡人について倒産手続の開始決定があった場合エ債務者の債務不履行の場合 (3) 譲渡禁止特約付債権の差押え 転付命令による債権の移転 2 債権譲渡の対抗要件 ( 民法第 467 条 ) (1) 総論及び第三者対抗要件の見直し (2) 債務者対抗要件 ( 権利行使要件 ) の見直し (3) 対抗要件 民法 ( 債権関係 ) の改正に関する中間的な論点整理に関するパブリックコメント ( 第一東京弁護士会 ) 第 3 債務不履行による損害賠償 1 1 債務の本旨に従った履行をしないとき の具体化 明確化( 民法第 415 条 ) (1) 履行不能による填補賠償における不履行態様の要件 ( 民法第 415 条後 段 ) (2) 履行遅滞に陥った債務者に対する填補賠償の手続的要件 (3) 不確定期限付債務における履行遅滞の要件

More information

目次はじめに... 1 民法総則... 5 第 1 法律行為の主体 制限行為能力者の詐術 取消しと無効の二重効 法律行為の解釈... 6 第 2 意思表示 虚偽表示 (94 条 ) 条 2 項類推適用 錯誤無

目次はじめに... 1 民法総則... 5 第 1 法律行為の主体 制限行為能力者の詐術 取消しと無効の二重効 法律行為の解釈... 6 第 2 意思表示 虚偽表示 (94 条 ) 条 2 項類推適用 錯誤無 目次はじめに... 1 民法総則... 5 第 1 法律行為の主体... 5 1 制限行為能力者の詐術... 5 2 取消しと無効の二重効... 5 3 法律行為の解釈... 6 第 2 意思表示... 7 1 虚偽表示 (94 条 )... 8 2 94 条 2 項類推適用... 10 3 錯誤無効 (95 条 )... 12 4 詐欺 強迫 (96 条 )... 14 第 3 代理... 15

More information

Microsoft Word - 宅建合格インプリンティング2016 pdf

Microsoft Word - 宅建合格インプリンティング2016 pdf 目次 第 1 章権利関係 1-1 契約の成立 2 1-2 意思表示 3 1-3 制限行為能力者 5 1-4 代理 7 1-5 弁済 相殺 10 1-6 時効 12 1-7 請負 14 1-8 委任 16 1-9 地役権 17 1-10 債務不履行 18 1-11 契約の解除 20 1-12 手付 22 1-13 保証債務 23 1-14 連帯保証債務 25 1-15 連帯債務 26 1-16 売主の担保責任

More information

きる ( 改正前民法 436 条 ) 1 改正法と同じ 2 前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者が相殺を援用することができる 本条は 負担部分の限度で 他の連帯債務者が債権者に対して債務の履行を拒むことができると規定したものであり 判

きる ( 改正前民法 436 条 ) 1 改正法と同じ 2 前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者が相殺を援用することができる 本条は 負担部分の限度で 他の連帯債務者が債権者に対して債務の履行を拒むことができると規定したものであり 判 第 17 多数当事者 1 連帯債務 ( 変更 ) 民法第 432 条債務の目的がその性質上可分である場合において 法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは 債権者は その連帯債務者の一人に対し 又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し 全部又は一部の履行を請求することができる ( 改正前民法 432 条 ) 数人が連帯債務を負担するときは 債権者は その連帯債務者の一人に対し

More information

第 1 民法第 536 条第 1 項の削除の是非民法第 536 条第 1 項については 同項を削除するという案が示されているが ( 中間試案第 12 1) 同項を維持すべきであるという考え方もある ( 中間試案第 12 1 の ( 注 ) 参照 ) 同項の削除の是非について どのように考えるか 中間

第 1 民法第 536 条第 1 項の削除の是非民法第 536 条第 1 項については 同項を削除するという案が示されているが ( 中間試案第 12 1) 同項を維持すべきであるという考え方もある ( 中間試案第 12 1 の ( 注 ) 参照 ) 同項の削除の是非について どのように考えるか 中間 民法 ( 債権関係 ) 部会資料 68B 民法 ( 債権関係 ) の改正に関する要綱案の取りまとめに向けた検討 (5) 目次 第 1 民法第 536 条第 1 項の削除の是非... 1 i 第 1 民法第 536 条第 1 項の削除の是非民法第 536 条第 1 項については 同項を削除するという案が示されているが ( 中間試案第 12 1) 同項を維持すべきであるという考え方もある ( 中間試案第

More information

民法 ( 債権関係 ) の改正における経過措置に関して 現段階で検討中の基本的な方針 及び経過措置案の骨子は 概ね以下のとおりである ( 定型約款に関するものを除く ) 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置 民法総則 ( 時効を除く ) における改正後の規定 ( 部会資

民法 ( 債権関係 ) の改正における経過措置に関して 現段階で検討中の基本的な方針 及び経過措置案の骨子は 概ね以下のとおりである ( 定型約款に関するものを除く ) 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置 民法総則 ( 時効を除く ) における改正後の規定 ( 部会資 民法 ( 債権関係 ) 部会資料 85 民法 ( 債権関係 ) の改正に関する要綱案の取りまとめに向けた検討 (18) 目次 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置... 1 第 2 時効の規定の改正に関する経過措置... 1 第 3 債権総則の規定の改正に関する経過措置... 2 第 4 契約総則 各則の規定の改正に関する経過措置... 4 i 民法 ( 債権関係 )

More information

宅地建物取引主任者資格試験対策

宅地建物取引主任者資格試験対策 宅地建物取引主任者資格試験対策 宅建独学堂サブノート権利関係 11 民法担保物権 過去問に進む前の問題演習に 重要なキーワードの正確な暗記に 宅建独学堂サブノートとは 宅建独学堂サブノートは る解説で構成されています を埋められる問題部分と答えと参考条文が書かれてい 宅建独学堂サブノートは以下のように活用してください 1 テキストや講義の該当する単元を勉強しながら に書き込んでいく テキストを黙読する

More information

第一章権利関係 (14 問 : 目標 9 点 ) 1-1 契約の成立 ( ) 契約とは 申込み と 承諾 という 意思表示 が合致することによって成立します 試験で直接問われることは少ないので 基本の基本として覚えておいてください Point 契約の種類 契約各当事者がお互いに債務を負担するか双務契

第一章権利関係 (14 問 : 目標 9 点 ) 1-1 契約の成立 ( ) 契約とは 申込み と 承諾 という 意思表示 が合致することによって成立します 試験で直接問われることは少ないので 基本の基本として覚えておいてください Point 契約の種類 契約各当事者がお互いに債務を負担するか双務契 宅建かんたん合格パック特典 虫食いインプリ ~ 上級者向けですので 通常のインプリである程度の知識を得た後にご活用ください ~ ( プリントアウトしてからのご使用をおすすめします ) 1 第一章権利関係 (14 問 : 目標 9 点 ) 1-1 契約の成立 ( ) 契約とは 申込み と 承諾 という 意思表示 が合致することによって成立します 試験で直接問われることは少ないので 基本の基本として覚えておいてください

More information

Asakura ミニマムテキスト 2 所有権保存登記の抹消 (1) 申請人 所有権登記名義人が単独で申請する (2) 添付情報 a 登記識別情報 所有権登記名義人の登記識別情報が必要 b 印鑑証明書 所有権登記名義人が単独で申請するが, 真意で申請したことを確認するために必要

Asakura ミニマムテキスト 2 所有権保存登記の抹消 (1) 申請人 所有権登記名義人が単独で申請する (2) 添付情報 a 登記識別情報 所有権登記名義人の登記識別情報が必要 b 印鑑証明書 所有権登記名義人が単独で申請するが, 真意で申請したことを確認するために必要 2 所有権保存登記の抹消 (1) 申請人 所有権登記名義人が単独で申請する 8-19 18-20 (2) 添付情報 a 登記識別情報 所有権登記名義人の登記識別情報が必要 b 印鑑証明書 所有権登記名義人が単独で申請するが, 真意で申請したことを確認するために必要 3-23 14-24 17-25 23-26 重要先例等 虚偽の所有権の登記名義人に対して所有権保存登記の抹消手続を命ずる判決を得た真

More information

宅建の民法 法律上の能力 ( 意思能力 行為能力 ) 代理時効物権変動共有担保物権債務不履行連帯 保証債務債権譲渡 債権の消滅債権の消滅契約の効力 契約の解除担保責任賃貸借 使用貸借請負不法行為相続 2

宅建の民法 法律上の能力 ( 意思能力 行為能力 ) 代理時効物権変動共有担保物権債務不履行連帯 保証債務債権譲渡 債権の消滅債権の消滅契約の効力 契約の解除担保責任賃貸借 使用貸借請負不法行為相続 2 宅建試験の出題範囲 1 権利及び権利の変動 民法 借地借家法 不動産登記法 区分所有法 など 2 宅地建物取引業法 宅地建物取引業法 など 3 法令上の制限 国土利用計画法 都市計画法 建築基準法 農地法など 4 その他 ( 税法など ) 各種税法 不当表示防止法など 1 宅建の民法 法律上の能力 ( 意思能力 行為能力 ) 代理時効物権変動共有担保物権債務不履行連帯 保証債務債権譲渡 債権の消滅債権の消滅契約の効力

More information

A は 全ての遺産を社会福祉施設に寄付すると遺言に書き残し死亡した A には 配偶者 B と B との間の子 C と D がある C と D 以外にも A と B との子 E もいたが E は A が死亡する前にすでに死亡しており E の子 F が残されている また A には 内妻 G との子 (

A は 全ての遺産を社会福祉施設に寄付すると遺言に書き残し死亡した A には 配偶者 B と B との間の子 C と D がある C と D 以外にも A と B との子 E もいたが E は A が死亡する前にすでに死亡しており E の子 F が残されている また A には 内妻 G との子 ( 宅建の民法 ( 補足 ) 相続 おしゃれ呪文 相続の計算問題は アナログで切り抜けろ 1 A は 全ての遺産を社会福祉施設に寄付すると遺言に書き残し死亡した A には 配偶者 B と B との間の子 C と D がある C と D 以外にも A と B との子 E もいたが E は A が死亡する前にすでに死亡しており E の子 F が残されている また A には 内妻 G との子 ( 非嫡出子 )H

More information

経 ViewPoint 営相談 借地権の法務に関する基礎知識 堂本隆相談部東京相談室 借地権とは 建物の所有を目的とする土地の賃借権または地上権をいいます 他人が所有する土地に建物を建てる場合 その所有者である地主との間で土地賃貸借契約を締結するとき発生する権利 あるいは 地上権の

経 ViewPoint 営相談 借地権の法務に関する基礎知識 堂本隆相談部東京相談室 借地権とは 建物の所有を目的とする土地の賃借権または地上権をいいます 他人が所有する土地に建物を建てる場合 その所有者である地主との間で土地賃貸借契約を締結するとき発生する権利 あるいは 地上権の ViewPoint 営 借地権の法務に関する基礎知識 堂本隆部東京室 借地権とは 建物の所有を目的とする土地の賃借権または地上権をいいます 他人が所有する土地に建物を建てる場合 その所有者である地主との間で土地賃貸借契約を締結するとき発生する権利 あるいは 地上権の設定を受けるときに発生する権利が借地権です 地上権とは 工作物や竹木を所有するため他人の土地を使用する権利であり 建物所有を目的に地上権の設定を受けると

More information

無効から取消しへ 4 第 1 項の規定による意思表示の 取消しは 善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない 旧法改正法第 96 条第 96 条 2 相手方に対する意思表示につい 2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合におて第三者が詐欺を行った場合においては 相手方がその

無効から取消しへ 4 第 1 項の規定による意思表示の 取消しは 善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない 旧法改正法第 96 条第 96 条 2 相手方に対する意思表示につい 2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合におて第三者が詐欺を行った場合においては 相手方がその どうなる民法改正 講師森山和正 第 1 部改正の内容 1 錯誤無効とその周辺旧法第 95 条意思表示は 法律行為の要素に錯誤があったときは 無効とする ただし 表意者に重大な過失があったときは 表意者は 自らその無効を主張することができない 改正法第 95 条 1 意思表示は 次に掲げる錯誤に基づくものであって その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは 取り消すことができる

More information

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税 不動産を購入したときの税金 契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税文書となる契約書に貼付し 消印をすることで印紙税の納付を行います 同じ契約書を複数作った場合は

More information

12

12 11 12 13 19 21 31 32 37 1 規定されている 信義誠実の原則は 民法に規定あり 権利の行使及び義務の履行は 信義に従い誠実に行わなければならない と 民 法の条文に規定されています 信義誠実の原則 民法1条 1 2 規定されていない 法律行為の一部が無効についての民法の規定なし 法律行為の一部が無効となる場合であっても 法律行為のその余の部分の効力は妨 げられないものとする旨の規定は

More information

の実現が認められているもの意思表示を重要な要素とし 意思に基づいて 意思どおり法律効果が発生するもの 2 法律行為の種類 () 契約対立する 2 個以上の意思表示が合致して成立する法律行為 ex 売買契約など (2) 単独行為ひとつの意思表示だけの法律行為 相手方のある単独行為 ex 取消し 追認

の実現が認められているもの意思表示を重要な要素とし 意思に基づいて 意思どおり法律効果が発生するもの 2 法律行為の種類 () 契約対立する 2 個以上の意思表示が合致して成立する法律行為 ex 売買契約など (2) 単独行為ひとつの意思表示だけの法律行為 相手方のある単独行為 ex 取消し 追認 フラッグ行政書士講座民法第 回目 第 編総則第 章民法の基本原理 私的自治の原則 ( 契約自由の原則 ) 人は 私的な法律関係を自己の意思に基づいて自由に形作ることができるとする原則自己の意思に基づいて自由に法律関係を形成できる例えば 00 億円の土地をただであげていい? それとも もったいないからということで 国家が 売りなさい! と強制する? 損をするヤツがいいと言っているなら 彼の意思どおりに

More information

借地権及び法定地上権の評価 ( 競売編 ) 出典 : 株式会社判例タイムズ出版 別冊判例タイムズ第 30 号 借地権の評価 第 1 意義 借地権とは 建物所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう ( 借地法 1 条 借地 借家法 2 条 1 号 ) 第 2 評価方法 借地権の評価は 建付地価格に

借地権及び法定地上権の評価 ( 競売編 ) 出典 : 株式会社判例タイムズ出版 別冊判例タイムズ第 30 号 借地権の評価 第 1 意義 借地権とは 建物所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう ( 借地法 1 条 借地 借家法 2 条 1 号 ) 第 2 評価方法 借地権の評価は 建付地価格に 借地権及び法定地上権の評価 ( 競売編 ) 出典 : 株式会社判例タイムズ出版 別冊判例タイムズ第 30 号 借地権の評価 第 1 意義 借地権とは 建物所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう ( 借地法 1 条 借地 借家法 2 条 1 号 ) 第 2 評価方法 借地権の評価は 建付地価格に借地権割合を乗じ 名義書換料相当額を控除して ( 地上 権の場合には必要なし ) 求める 1 割合方式

More information

第 2 章契約の成立と有効性 1 契約の成立 赤字は講座紹介コメントです 1, 契約の成立 (1) 契約の成立要件 契約は, 申し込みの意思表示と承諾の意思表示の合致によって成立する (2) 合致の程度実は論文でも重要だったりする論点を再確認できます 内心において合致していれば, 外形において合致し

第 2 章契約の成立と有効性 1 契約の成立 赤字は講座紹介コメントです 1, 契約の成立 (1) 契約の成立要件 契約は, 申し込みの意思表示と承諾の意思表示の合致によって成立する (2) 合致の程度実は論文でも重要だったりする論点を再確認できます 内心において合致していれば, 外形において合致し 第 2 章契約の成立と有効性 1 契約の成立 赤字は講座紹介コメントです 1, 契約の成立 (1) 契約の成立要件 契約は, 申し込みの意思表示と承諾の意思表示の合致によって成立する (2) 合致の程度実は論文でも重要だったりする論点を再確認できます 内心において合致していれば, 外形において合致していなくても契約は成立する 当事者の意思が合致しているから 内心の一致がなくても, 外形において合致していれば契約は成立する

More information

知識を定着 重要チェック問題 問 題 ❶ 理解度を 重要チェック問題 で確認してみよう 宅建業者A 消費税課税事業者 が売主B 消費税課税事業者 からB所有の 土地付建物の媒介依頼を受け 買主Cとの間で売買契約を成立させた場合 Aが Bから受領できる報酬の限度額 消費税を含む は いくらか なお 土

知識を定着 重要チェック問題 問 題 ❶ 理解度を 重要チェック問題 で確認してみよう 宅建業者A 消費税課税事業者 が売主B 消費税課税事業者 からB所有の 土地付建物の媒介依頼を受け 買主Cとの間で売買契約を成立させた場合 Aが Bから受領できる報酬の限度額 消費税を含む は いくらか なお 土 本書の利用法 本書は 日建学院の 合格ノウハウ を凝縮した 宅建受験生のための 基本テキストです 効率よく知識をインプットし 合格ライン にムリ なく到達するための工夫が いたるところになされています ポイントを確実に把握 要点整理 イラスト 図解 イメージをつかもう 優先学習のための 重要度ランク 学習ポイントを指南 アプローチ ひと目でわかる 出題年度 知識を定着 重要チェック問題 問 題 ❶

More information

ある 2 請求の趣旨 被告は, 原告に対し, 金 1800 万円及びこれに対する平成 18 年 9 月 1 日から 支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 請求原因 訴訟費用は被告の負担とする 仮執行の宣言 原被告間の売買契約の成立 原告の被告に対する所有権移転登記 引渡し債務について弁

ある 2 請求の趣旨 被告は, 原告に対し, 金 1800 万円及びこれに対する平成 18 年 9 月 1 日から 支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 請求原因 訴訟費用は被告の負担とする 仮執行の宣言 原被告間の売買契約の成立 原告の被告に対する所有権移転登記 引渡し債務について弁 民事裁判実務 3( 詐欺, 強迫による意思表示 ) 講義のポイント 1 訴状と答弁書の記載事項 2 詐欺, 強迫による意思表示の取消 3 要素の錯誤 4 手付の効力 事例 1 (Aの言い分) 私は, 吹田市内に宅地を所有していますが, これをBに2000 万円で売却しました 平成 18 年 7 月 15 日に売買契約書に署名捺印し, 手付 200 万円を受領しました 残金は, 平成 18 年 8 月

More information

< F2D96AF A88CA081408D C52E6A7464>

< F2D96AF A88CA081408D C52E6A7464> 民法 2 物権 ( 第 3 版 ) (22114-7) 補遺相続法改正と物権法 2019 年 1 月 1 2018 年相続法の改正案が国会を通過し ( 平成 30 年法律 72 号 ), 一部を除き 2019 年 7 月に施行される予定である 相続法の改正により, 配偶者 ( 短期 ) 居住権の創設 (2020 年 4 月施行 ), 自筆証書遺言の簡易化 (2019 年 1 月施行 ), 遺留分を遺留分減殺請求による現物返還から遺留分侵害額請求による金銭請求に変えたことなど重要な改正が幾つか行われている

More information

短答式試験問題集 [ 民法 ] - 1 -

短答式試験問題集 [ 民法 ] - 1 - 短答式試験問題集 [ 民法 ] - 1 - 以下の問題の解答に当たっては, 国際物品売買契約に関する国際連合条約 ( ウィーン売買条約 ) の適用を考慮する必要はない [ 民法 ] 第 1 問 ( 配点 :2) 法律行為に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合わせたものは, 後記 1から5までのうちどれか ( 解答欄は,[ 1]) ア. 代理権を有しない者が本人のためにすることを示して契約を締結した場合,

More information

業務委託基本契約書

業務委託基本契約書 印紙 4,000 円 業務委託基本契約書 契約 ( 以下 甲 といいます ) と ( 選択してください : 株式会社ビーエスピー / 株式会社ビーエスピーソリューションズ )( 以下 乙 といいます ) は 甲が乙に対して各種研修 教育 コンサルティング業務 ( 以下 本件業務 といいます ) を委託することに関し 以下のとおり基本契約 ( 以下 本契約 といいます ) を締結します 第 1 条 (

More information

明確認書 を甲に提出する ( かし担保 ) 第 8 条乙は この契約締結後に かくれたかしがあることを発見しても 売買代金の減免若しくは損害賠償の請求又は契約の解除をすることができないものとする ただし 乙が消費者契約法 ( 平成 12 年法律第 61 号 ) 第 2 条第 1 項に規定する消費者

明確認書 を甲に提出する ( かし担保 ) 第 8 条乙は この契約締結後に かくれたかしがあることを発見しても 売買代金の減免若しくは損害賠償の請求又は契約の解除をすることができないものとする ただし 乙が消費者契約法 ( 平成 12 年法律第 61 号 ) 第 2 条第 1 項に規定する消費者 土地売買契約書 ( 標準契約書 ) 一括払用 売払人財団法人横浜市道路建設事業団 ( 以下 甲 という ) と買受人 ( 氏名 ) ( 以下 乙 という ) とは次の条項により土地売買契約を締結する ( 信義誠実の義務 ) 第 1 条甲及び乙は 信義を重んじ 誠実に本契約を履行しなければならない ( 売買物件 ) 第 2 条売買物件は別紙 物件明細書 のとおりとする 2 甲及び乙は 売買物件の面積が

More information

koku-2.xdw

koku-2.xdw 第 68 回税理士試験 解答速報 国税徴収法 本解答は平成 30 年 8 月 10 日 16 時に学校法人大原学園が独自に作成したもので 予告なしに内容を変更する場合があります また 本解答は学校法人大原学園が独自の見解で作成 / 提供しており 試験機関による本試験の結果等について保証するものではありません 本解答の著作権は学校法人大原学園に帰属します 無断転用 転載を禁じます 本試験模範解答 国税徴収法

More information

陸上自衛隊業務学校

陸上自衛隊業務学校 これで安心! 企業が注意すべき 民法大改正のポイント 仙台市青葉区二日町 1 番 23 号 -10F 官澤綜合法律事務所 :022-214-2424 弁護士官澤里美 近日中に予定されている民法改正は 広範で改正点も多く弁護士は大変だが 判例や現実の運用を明文化したものや 裁判になった際に弁護士が注意すればよいものも多く 一般の方々が注意しなければならない点は そう多くはない しかし 保証人の保護の強化等の重要な改正点もあるので

More information

2. 本サービスの申込者において 本規約に反する事由 本サービスへの申込みが適当でない と当社が判断する事由等がある場合には 当社は 本サービスへの申込みを承諾しないこ とがあります 第 5 条 ( 利用契約の成立時期 ) 1. 当社が当該申込みを承諾したときに利用契約が成立するものとします ネット

2. 本サービスの申込者において 本規約に反する事由 本サービスへの申込みが適当でない と当社が判断する事由等がある場合には 当社は 本サービスへの申込みを承諾しないこ とがあります 第 5 条 ( 利用契約の成立時期 ) 1. 当社が当該申込みを承諾したときに利用契約が成立するものとします ネット お買い物優待サービス (L) 利用規約 第 1 条 ( 規約の適用 ) 1. 株式会社 U-MX( 以下 当社 といいます ) は この お買い物優待サービス (L) 利用規約 ( 以下 本規約 といいます ) を定め お買い物優待サービス (L) ( 以下 本サービス といいます ) を提供します 2. 本サービスの申込者は 第 2 条第 2 号に規定する ネットスーパーサービスに関して株式会社ローソン

More information

民事訴訟法

民事訴訟法 2015 年民事訴訟法 3 関西大学法学部教授栗田隆 第 4 回 ( 目次 ) (42 条 -46 条 ) (42 条 -46 条 ) 債権者 保証債務履行請求 Y 保証人 Z 主債務者 T. Kurita 2 の意義 とは 他人間の訴訟の結果について利害関係を有する第三者が 当事者の一方を勝訴させることによって自己の利益を守るために訴訟に参加することをいう 人は 自らの利益を守るために自らの名と費用において訴訟を追行するが

More information

制限行為能力者 1 マンションの管理組合法人Aが マンション管理業者Bとの間で管理委託契約締結の前に Bが管 理業務主任者をして 重要事項の説明をさせ その後 本件契約を締結した 本件契約を締結した Aを代表する理事Cが本件契約締結後に行為能力を喪失したときは その後 C以外のAの理事に よって本件

制限行為能力者 1 マンションの管理組合法人Aが マンション管理業者Bとの間で管理委託契約締結の前に Bが管 理業務主任者をして 重要事項の説明をさせ その後 本件契約を締結した 本件契約を締結した Aを代表する理事Cが本件契約締結後に行為能力を喪失したときは その後 C以外のAの理事に よって本件 平成 30 年度 (2018 年 ) 受験版 マンション管理士管理業務主任者 一問一答過去問集 本問題集の編集 表記方法について 本問題集は基本的に 一問一答 形式ですが 一つの 問い が全体として統一した内容を持っているような場合に 一問一答形式に分断することは 不自然になりますので 4 つの肢で 1 つの問題としているものがあります 問題により 法令等に 違反する 違反しない という表現の文章も多く見られます

More information

基本問題 1 第 1 問抵当権変更債務者更改による新債務担保 登記記録に次のような登記事項の記録 ( 登記事項一部省略 ) がある甲区分建物について, 平成 28 年 6 月 28 日, 司法書士法務太郎は, 関係する当事者全員から後記事実関係を聴取し, 登記の申請手続に必要なすべての書類を受領する

基本問題 1 第 1 問抵当権変更債務者更改による新債務担保 登記記録に次のような登記事項の記録 ( 登記事項一部省略 ) がある甲区分建物について, 平成 28 年 6 月 28 日, 司法書士法務太郎は, 関係する当事者全員から後記事実関係を聴取し, 登記の申請手続に必要なすべての書類を受領する 1 第 1 問抵当権変更債務者更改による新債務担保 登記記録に次のような登記事項の記録 ( 登記事項一部省略 ) がある甲区分建物について, 平成 28 年 6 月 28 日, 司法書士法務太郎は, 関係する当事者全員から後記事実関係を聴取し, 登記の申請手続に必要なすべての書類を受領するとともに, これらの登記の申請手続について代理することの依頼を受けた 同日, 法務太郎は事実関係の事実に基づく登記の申請を行った

More information

一部解約可能型定期預金(複利型)規定

一部解約可能型定期預金(複利型)規定 一部解約可能型定期預金 ( 複利型 ) 規定 この規定は 一部解約可能型定期預金 ( 複利型 ) についての当行の取扱いを記載したものです なお この預金には 満期時 に 自動継続の取扱いをするもの ( 以下 自動継続型 といいます ) と自動解約の取扱いをするもの ( 以下 満期日自動解 約型 といいます ) の 2 つがあります 1.( 満期時の取扱方法 ) (1) 自動継続型の場合 1 自動継続型のこの預金は

More information

保証契約とは しゅさいむしゃ が 保証契約 とは, 借金の返済や代金の支払などの債務を負う 主債務者 その債務の支払をしない場合に, 主債務者に代わって支払をする義務を負うことを約束する契約をいいます なお, 連帯保証契約 とは, 保証契約の一種ですが, 主債務者に財産があるかどうかにかかわらず,

保証契約とは しゅさいむしゃ が 保証契約 とは, 借金の返済や代金の支払などの債務を負う 主債務者 その債務の支払をしない場合に, 主債務者に代わって支払をする義務を負うことを約束する契約をいいます なお, 連帯保証契約 とは, 保証契約の一種ですが, 主債務者に財産があるかどうかにかかわらず, 2020 年 4 月 1 日から 保証に関する民法のルールが大きく変わります 2017 年 5 月に成立した 民法の一部を改正する法律 が2020 年 4 月 1 日から施行されます この改正では, 保証について新しいルールが導入されています このパンフレットでは, 保証に関する新しいルールについてそのポイントを説明しています 法務省 1 保証契約とは しゅさいむしゃ が 保証契約 とは, 借金の返済や代金の支払などの債務を負う

More information

あおぞらダイレクト定期預金規定

あおぞらダイレクト定期預金規定 1.( 預金の預入れ ) あおぞらダイレクト定期預金規定 この預金は あおぞらテレフォンバンキングを利用するなど 当行所定の手続 方法により 預け入れをする場合に お取扱いいたします なお この預金の預入は日本国内に居住する方に限らせていただきます 2.( 預金の支払時期 方法 ) (1) この預金は 満期日以後に利息とともに支払います (2) 特約によりこの預金は 満期日に自動的に解約し 利息とともに支払います

More information

Microsoft Word - 民法 2012年 七戸

Microsoft Word - 民法 2012年 七戸 民法 2012 年七戸 問責佐藤 時効 一定の事実状態が法定期間継続した場合に その事実状態が真実の権利関 係に合致するかどうかを問わずに 権利の取得や消滅を認める制度 時効制度の存在理由 3つ 1 永続した事実状態の尊重 2 証明の困難性の救済 3 権利の上に眠るものは保護に値せず時効の法的性質 1 実体法説( 通説 ) 実体法上の権利得喪原因と捉える 上記 13の考えに親和的 2 訴訟法説 訴訟法上の法定根拠と捉える

More information

201204shijyo.pdf

201204shijyo.pdf 04 05 CASE 02 08 09 10 11 法律相談 Q& 不動産法律知識 A 押さえておきたい 瑕疵担保責任と宅建業者の責任 Q 仲介した物件 または売主として売買した物件に隠れた瑕疵があった 場 合 宅 建 業 者の調 査 説 明 義 務 違 反が問われるのはどのような 場合ですか A. 1 瑕疵担保責任の内容 目的物に隠れた瑕疵がある場合 売主の過失の有無を問わず 買主は契約を解除でき

More information

<4D F736F F D C5F96F182AA C5979A8D C82C682C882C182BD8FEA8D8782CC95F18F5690BF8B818CA082CC8B4182B782A45F8DC48F4390B3816A834E838A815B83932E646F6378>

<4D F736F F D C5F96F182AA C5979A8D C82C682C882C182BD8FEA8D8782CC95F18F5690BF8B818CA082CC8B4182B782A45F8DC48F4390B3816A834E838A815B83932E646F6378> 法制審議会民法 ( 債権関係 ) 部会第 1 分科会第 6 回会議 12/10/09 中井メモ 契約の履行が途中で不可能となった場合の報酬請求権等について 第 1 請負 ( 部会資料 46 第 1 2(2)) 1 原則完成しないと報酬請求はできない途中で終了した場合 完成していないから報酬請求はできないただし 出来高が可分で 注文者に利益があれば 出来高部分の報酬請求ができる 2 仕事の完成が不可能となった場合の報酬請求権

More information

制限行為能力者 3 高齢のAは 甲マンションの0号室を所有していたところ アルツハイマー症状が見られるように なり Bから このマンションは地震による倒壊の恐れがあり せいぜい00万円の価値しかない と言われて 代金00万円でBに対し売却してしまったが その0号室の売却当時の時価は約,000 万円で

制限行為能力者 3 高齢のAは 甲マンションの0号室を所有していたところ アルツハイマー症状が見られるように なり Bから このマンションは地震による倒壊の恐れがあり せいぜい00万円の価値しかない と言われて 代金00万円でBに対し売却してしまったが その0号室の売却当時の時価は約,000 万円で 平成 30 年度 (08 年 ) 受験版 マンション管理士 一問一答過去問集 本問題集の編集 表記方法について 本問題集は基本的に 一問一答 形式ですが 一つの 問い が全体として統一した内容を持っているような場合に 一問一答形式に分断することは 不自然になりますので 4 つの肢で つの問題としているものがあります 問題により 法令等に 違反する 違反しない という表現の文章も多く見られます そのような問題について

More information

第 5 無効及び取消し 1 法律行為が無効である場合又は取り消された場合の効果法律行為が無効である場合又は取り消された場合の効果について 次のような規律を設けるものとする (1) 無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は 相手方を原状に復させる義務を負う (2) (1) の規定にかかわらず

第 5 無効及び取消し 1 法律行為が無効である場合又は取り消された場合の効果法律行為が無効である場合又は取り消された場合の効果について 次のような規律を設けるものとする (1) 無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は 相手方を原状に復させる義務を負う (2) (1) の規定にかかわらず 民法 ( 債権関係 ) 部会資料 88-2 民法 ( 債権関係 ) の改正に関する要綱案 ( 案 ) 補充説明 目次 第 5 無効及び取消し... 1 1 法律行為が無効である場合又は取り消された場合の効果... 1 第 9 法定利率... 1 2 金銭債務の損害賠償額の算定に関する特則 ( 民法第 419 条第 1 項関係 )... 1 第 15 債権者代位権... 2 7 訴えによる債権者代位権の行使...

More information

3311

3311 土地 建物売買契約書 収入印紙 売主 買主 は 下記の条項に従って土地及び建物の売買契約を締結する 標記 (A) 売買の目的物の表示 ( 登記簿の記載による )( 第 1 条 ) 在地番地目地積 ( 持分 ) 土 地 1 m2 / 2 m2 / 3 m2 / 合計 m2 在 家屋番 番 建 居表示 物 種類 新築 構造 床面積 現況の表示 特記事項に関すること (B) 売買代 手付の額及び支払日 (

More information

jusetsu.doc

jusetsu.doc - 宅地建物取引業者さん きちんと重要事項説明を行っていますか?- 近年増加している取引苦情の中でも 特に重要事項説明に関するものが目立っており 重要事項説明義務違反 ( 宅地建物取引業法第 35 条違反 ) による行政指導 処分の件数は 平成 19 年度から平成 20 年度にかけて倍増しています 違反事例の中には 重要事項説明そのものを行っていないというような違反だけでなく 重要事項説明書に記載すべき内容が一部漏れていたり

More information

宅建 賃貸 2018 年度賃貸過去問から学ぶ 賃貸借 借地借家法 レジュメ VU18404

宅建 賃貸 2018 年度賃貸過去問から学ぶ 賃貸借 借地借家法 レジュメ VU18404 宅建 賃貸 2018 年度賃貸過去問から学ぶ 賃貸借 借地借家法 レジュメ 0 002221 184040 VU18404 賃貸不動産経営管理士過去問 1 (H29 年度 (2017) 問 12) 定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち 適切なものの組合せはどれか ア定期建物賃貸借契約の事前説明において 更新がなく 期間の満了により契約が終了する 旨を記載した書面を交付して口頭で説明したとしても

More information

法学概論11

法学概論11 法学概論第 1 1 回生活の中の法について ( 1 ) 講義資料 民法 = 日常生活の基本原則 民法とは 日常生活の私的な生活全般を対象とする最も基本的な法律である 具体的には 土地や契約などの財産関係と 家族や相続等の問題を規律している 商法や労働法 消費者契約法など さまざまな法律の基礎として位置づけられている ただ 民法は 日常生活の多岐にわたる人間関係をフォローする法律であるため 条文数も多く

More information

日南町定期借地権付

日南町定期借地権付 日南町借地権付 土地募集要項 概要説明 鳥取県日南町 募集要項 募集区画 生山定住促進団地 対象区画数 8 区画の内 4 区画 区画面積 219.29 m2~246.85 m2 (66 坪 ~74 坪 ) 貸付賃料 ( 年額 ) 29,800 円 ~32,900 円 申込み受付 申込受付期間 第 1 次募集期間が終了し随時申込中です ( 土 日曜 祝日は除きます ) 申込受付時間 午前 9 時 00

More information

Webエムアイカード会員規約

Webエムアイカード会員規約 Web エムアイカード会員規約 第 1 条 ( 目的 ) Web エムアイカード会員規約 ( 以下 本規約 といいます ) は 株式会社エムアイカード ( 以下 当社 といいます ) がインターネット上に提供する Web エムアイカード会員サービス ( 以下 本サービス といいます ) を 第 2 条に定める Web エムアイカード会員 ( 以下 Web 会員 といいます ) が利用するための条件を定めたものです

More information

売買, 消費貸借, 定型約款などの契約に関するルールの見直し 2020 年 4 月 1 日から 売買, 消費貸借, 定型約款などの契約に関する民法のルールが変わります 2017 年 5 月に成立した 民法の一部を改正する法律 が 2020 年 4 月 1 日から施行されます この改正では, 契約に関

売買, 消費貸借, 定型約款などの契約に関するルールの見直し 2020 年 4 月 1 日から 売買, 消費貸借, 定型約款などの契約に関する民法のルールが変わります 2017 年 5 月に成立した 民法の一部を改正する法律 が 2020 年 4 月 1 日から施行されます この改正では, 契約に関 売買, 消費貸借, 定型約款などの契約に関するルールの見直し 2020 年 4 月 1 日から 売買, 消費貸借, 定型約款などの契約に関する民法のルールが変わります 2017 年 5 月に成立した 民法の一部を改正する法律 が 2020 年 4 月 1 日から施行されます この改正では, 契約に関するルールを中心に, 民法の債権関係の分野について全般的な見直しがされています このパンフレットでは,

More information

Microsoft Word - 13.業者用解説書.doc

Microsoft Word - 13.業者用解説書.doc 新しい履行保証制度について ( 解説 ) 平成 14 年 4 月 Ⅰ 新しい履行保証制度の導入について 1. 工事完成保証人制度に代わる新しい履行保証制度の導入 の工事請負契約においては 従来 工事完成保証人制度を採用してきました 平成 13 年 4 月に 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律が施行され 適正化指針により工事完成保証人制度の廃止が打ち出されました 2. 新しい履行保証制度導入の時期

More information

外貨定期預金規定(通帳口)

外貨定期預金規定(通帳口) 外貨定期預金規定 1.( 取扱店の範囲 ) この預金は証書記載の店舗に限り預入れまたは払出しができます 2.( 預金の受入 ) (1) この預金に受け入れできるものは次のとおりです なお 通貨の種類によって受け入れられないものもあります 1 円預金口座からの振替 ( 現金での預入れはできません ) 2 他の外貨預金口座からの振替 3 為替による振込金 ( 外国からの振込を含み 他店券による振込を除く

More information

#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF 謝恩YouTube 宅建動画の渋谷会 佐伯竜 登録者数 7500 記念 特別講義 H30 税法対策 登録免許税ほか 優先暗記 30 渋谷会 いつもご視聴いただきありがとうございます 登録者数 7500 人を記念し特別講義を開講いたします 本年度もありがとうございました 最後に 感謝の意を込めて H30 出題予想として 税法対策の動画を一本制作しました 今年は登録免許税が出題される可能性があります ここで

More information

に含まれるノウハウ コンセプト アイディアその他の知的財産権は すべて乙に帰属するに同意する 2 乙は 本契約第 5 条の秘密保持契約および第 6 条の競業避止義務に違反しない限度で 本件成果物 自他およびこれに含まれるノウハウ コンセプトまたはアイディア等を 甲以外の第三者に対する本件業務と同一ま

に含まれるノウハウ コンセプト アイディアその他の知的財産権は すべて乙に帰属するに同意する 2 乙は 本契約第 5 条の秘密保持契約および第 6 条の競業避止義務に違反しない限度で 本件成果物 自他およびこれに含まれるノウハウ コンセプトまたはアイディア等を 甲以外の第三者に対する本件業務と同一ま コンサルティング契約書 ケース設定 : 委託者であるクライアント A 株式会社が 一定の事項に関する専門的なアドバイスや相談を求め これに対して受託者であるコンサルタント B 株式会社が応じる場合を想定しています 東京都 A 株式会社 ( 以下 甲 という ) と東京都 B 株式会社 ( 以下 乙 という ) とは 〇〇に関するコンサルティング業務の提供に関し 以下のとおり契約を締結する 前文にあたる部分は

More information

Taro-土地売買契約書(延納払).j

Taro-土地売買契約書(延納払).j ( 延納払用 ) 公有財産売買契約書 売払人鳥取県 ( 以下 甲 という ) と 買受人 ( 以下 乙 という ) とは 鳥取港分譲地 ( 地区 ) 港湾関連用地の売買に関し 次のとおり契約を締 結する ( 売買物件 ) 第 1 条 売買物件 ( 以下 土地 という ) は 次のとおりとする 所 在 地 及 び 面 積 地 目 備 考 鳥取市 雑 種 地 売買地は別添図面のとおり 平方メートル (

More information

5 根抵当権者の会社分割 61 根抵当権者の会社分割 Ⅰ ケース概要甲野銀行は 乙野商事に対する融資取引の担保として乙野商事所有の土地につき根抵当権の設定を受けていたが その後 丙川銀行を承継会社とする吸収分割が行われた 今般 当該確定前の根抵当権について 他の事由により登記を行うこととなったため

5 根抵当権者の会社分割 61 根抵当権者の会社分割 Ⅰ ケース概要甲野銀行は 乙野商事に対する融資取引の担保として乙野商事所有の土地につき根抵当権の設定を受けていたが その後 丙川銀行を承継会社とする吸収分割が行われた 今般 当該確定前の根抵当権について 他の事由により登記を行うこととなったため 5 根抵当権者の会社分割 61 根抵当権者の会社分割 Ⅰ ケース概要甲野銀行は 乙野商事に対する融資取引の担保として乙野商事所有の土地につき根抵当権の設定を受けていたが その後 丙川銀行を承継会社とする吸収分割が行われた 今般 当該確定前の根抵当権について 他の事由により登記を行うこととなったため 当該登記の前提として 上記会社分割についても登記手続を行う Ⅱ 留意点 1 元本の確定前に根抵当権者について会社分割があった場合に

More information

【PDF】MyJCB利用者規定(セブン銀行用)

【PDF】MyJCB利用者規定(セブン銀行用) MyJCB 利用者規定 ( セブン銀行用 ) 第 1 条 (MyJCBサービス) 株式会社ジェーシービー ( 以下 JCB といいます ) および株式会社セブン銀行 ( 以下 当社 といいます ) が 両社所定のWEBサイトである MyJCB において提供するサービスを MyJCBサービス ( 以下 本サービス といいます ) といいます 第 2 条 ( 利用申込 登録等 ) 1. お客さまは 本規定を承認のうえ

More information

<4D F736F F D AFA93FC96E AF C E32388FCD81408DB791D682A6935C C18D482E646F63>

<4D F736F F D AFA93FC96E AF C E32388FCD81408DB791D682A6935C C18D482E646F63> A16FM1 1 入門講義テキスト民法第 2 分冊 判例変更に伴うテキストの記載の変更について 016.1. 司法試験科 平素 を 利用い 誠 あ う いま 大決平 8.1.19 預貯金債権 共同相 つい 例変更 行わ まめ 入門講義テキト民法第 分冊 記述を一部変更 差 えペー を掲載致 ま 塾生 皆様 まプリントアウト 上 該当ペー を差 え 利用くい 従来 預貯金債権 つい 被相 人 死亡 各相

More information

日本における不動産取引に関連する法律 日本の民法では 契約関係にある当事者同士が対等 公平であることが原則とされている 一方 土地や建物などの不動産を売買するときや賃貸借するときは 事業者と消費者との間に交渉力や情報量などに差が生じる こうしたことがトラブルにつながることを防ぐために 不動産取引の様

日本における不動産取引に関連する法律 日本の民法では 契約関係にある当事者同士が対等 公平であることが原則とされている 一方 土地や建物などの不動産を売買するときや賃貸借するときは 事業者と消費者との間に交渉力や情報量などに差が生じる こうしたことがトラブルにつながることを防ぐために 不動産取引の様 日本の民法では 契約関係にある当事者同士が対等 公平であることが原則とされている 一方 土地や建物などの不動産を売買するときや賃貸借するときは 事業者と消費者との間に交渉力や情報量などに差が生じる こうしたことがトラブルにつながることを防ぐために 不動産取引の様々な場面で それに関連する法律や規制が数多く存在する 代表的な法律や規制は次ページのとおり 1 2 不動産市場全体 ( 土地 建物 ) 3

More information

そこで、X男は、八年前にY女が出した離婚届は民法742条に該当し、無効だと裁判を起こした

そこで、X男は、八年前にY女が出した離婚届は民法742条に該当し、無効だと裁判を起こした 7 届出意思を欠く無効な婚姻の追認 最高裁昭和 47 年 7 月 25 日第三小法廷判決 ( 昭和 45 年 ( オ ) 第 238 号婚姻無効確認請求事件 ) 民集 26 巻 6 号 1263 頁 判時 677 号 53 頁 2010 年 4 月 21 日報告分 婚姻の無効 = 成り立つと婚姻の成立要件 1 当事者間に婚姻をする意思がないとき 742 条 1 号 婚姻は当事者の自由な意思の合致によって成立するので

More information

保証委託契約および抵当権設定契約規定(三井住友トラスト・ローン&ファイナンス株式会社)

保証委託契約および抵当権設定契約規定(三井住友トラスト・ローン&ファイナンス株式会社) 平成 28 年 12 月 1 日現在 保証委託契約および抵当権設定契約規定 ( 三井住友トラスト ローン & ファイナンス株式会社 ) 第一条 ( 保証委託 ) 1 委託者 ( 以下 私 といいます ) および連帯保証人ならびに担保提供者 ( 以下連帯保証人と担保提供者を総称するときは 保証人 といいます ) は 私が 住信 SBI ネット銀行株式会社 ( 以下 銀行 といいます ) との間に締結した金銭消費貸借契約

More information

楽天証券ポイント利用規約

楽天証券ポイント利用規約 楽天証券ポイント利用規約第 1 条 ( 目的 ) 本規約は 楽天証券株式会社 ( 以下 当社 といいます ) が 総合証券取引約款 ( 以下 取引約款 といいます ) に基づき口座開設をしたお客様 ( 以下 お客様 といいます ) に対して 楽天証券ポイントサービス ( 以下 本サービス といいます ) を提供するにあたり その諸条件を定めるものです 2 本サービスに関し本規約に規定のない事項については取引約款が適用されます

More information

とを条件とし かつ本事業譲渡の対価全額の支払と引き換えに 譲渡人の費用負担の下に 譲渡資産を譲受人に引き渡すものとする 2. 前項に基づく譲渡資産の引渡により 当該引渡の時点で 譲渡資産に係る譲渡人の全ての権利 権限 及び地位が譲受人に譲渡され 移転するものとする 第 5 条 ( 譲渡人の善管注意義

とを条件とし かつ本事業譲渡の対価全額の支払と引き換えに 譲渡人の費用負担の下に 譲渡資産を譲受人に引き渡すものとする 2. 前項に基づく譲渡資産の引渡により 当該引渡の時点で 譲渡資産に係る譲渡人の全ての権利 権限 及び地位が譲受人に譲渡され 移転するものとする 第 5 条 ( 譲渡人の善管注意義 事業譲渡契約書 X( 以下 譲渡人 という ) 及び Y( 以下 譲受人 という ) とは 譲渡人から譲受人への事業譲渡に関し 以下のとおり合意する 第 1 条 ( 事業譲渡 ) 譲渡人は 平成 年 月 日 ( 以下 譲渡日 という ) をもって 第 2 条 ( 譲渡資産 ) 以下の条件に従って に関する事業 ( 以下 本事業 という ) を譲受人に譲渡し 譲受人はこれを譲り受ける ( 以下 本事業譲渡

More information

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与 名前 第 1 日目 税 不動産取得税 1. 不動産取得税は 不動産の取得に対して課される税であるので 法人の合併により不動産を取得した場 合にも 不動産取得税は課される 2. 不動産取得税は 不動産の取得に対して 当該不動産の所在する市町村において課する税であり その 徴収は普通徴収の方法によらなければならない 3. 相続による不動産の取得については 不動産取得税が課される 4. 不動産取得税の課税標準となるべき額が

More information

eam0473_補遺.indd

eam0473_補遺.indd 橋本佳幸 = 大久保邦彦 = 小池泰 民法 Ⅴ 事務管理 不当利得 不法行為 (ISBN978 4 641 17916 5) 補遺 2017 年 ( 平成 29 年 )5 月に, 民法の一部を改正する法律が可決成立し, 債権関係の規定が大幅な改正をみた 改正法は, 公布の日 ( 同年 6 月 2 日 ) から 3 年以内の, 政令で定める日から施行されることになる 改正点の大半は, 民法総則, 債権総論,

More information

項目 でんさいの譲渡 ( 手形の裏書に相当 ) でんさいを譲渡する場合は 当該でんさいを保証していただく取扱いになります ( 手形の裏書に相当 ) すなわち 債務者が支払えなかった場合には ( 支払不能 *4) でんさいを譲渡したお客様は 債権者に対して 支払義務を負うことになります 債権者利用限定

項目 でんさいの譲渡 ( 手形の裏書に相当 ) でんさいを譲渡する場合は 当該でんさいを保証していただく取扱いになります ( 手形の裏書に相当 ) すなわち 債務者が支払えなかった場合には ( 支払不能 *4) でんさいを譲渡したお客様は 債権者に対して 支払義務を負うことになります 債権者利用限定 でんさいネットのご利用の際の留意事項について 項目利用料サービスの提供時間 ( 営業日 営業時間 ) 利用者番号でんさい *3 の発生 ( 手形の振出に相当 ) 各窓口金融機関 *1 が定める利用料 ( 手数料 ) を窓口金融機関にお支払いください 全銀電子債権ネットワーク社からお客様に対し 直接 手数料等の費用を請求することは原則としてありません サービスの提供時間は 銀行営業日の午前 9 時から午後

More information

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) について 1 条例制定の趣旨 債権 とは 仙台市が保有する金銭の給付を目的とする権利のことで 市税や国民健康保険料 使用料 手数料 返還金 貸付金など様々なものを含みます そして 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理を 債権管理 といい 具体的には 納付通知書の送付や台帳への記録 収納状況の管理 滞納になった場合の督促や催告 滞納処分 強制執行 徴収の緩和措置等の手続きを指します

More information

定の相続人との間で重畳的債務引受契約を締結して 貸付債権の保全を図っておくことが好ましい措置です 重畳的債務引受は 原債務者が債権者に対して負担していた既存債務を継続させながら 債務引受人が原債務者と同一内容の債務を負担する債務引受のことであり 結果として 原債務及びそれに付着する担保 保証人の効力

定の相続人との間で重畳的債務引受契約を締結して 貸付債権の保全を図っておくことが好ましい措置です 重畳的債務引受は 原債務者が債権者に対して負担していた既存債務を継続させながら 債務引受人が原債務者と同一内容の債務を負担する債務引受のことであり 結果として 原債務及びそれに付着する担保 保証人の効力 業務関連情報 期中管理における貸付債権の保全について 農業第一部 目次 1. はじめに 2. 債務者の変動 3. 担保物件の変動 4. 根抵当権の管理 5. 保証人の管理 6. おわりに 1. はじめに昨今の円高やデフレの進行 異常気象の発生等 経済や農業情勢を巡る環境が激しく変化する中にあっては 貸付先 保証先を取り巻く経営環境や業況も日々変化しています 融資機関の融資審査や保証機関である農業信用基金協会の保証審査が十分に行われ

More information

2006 年度 民事執行 保全法講義 第 4 回 関西大学法学部教授栗田隆

2006 年度 民事執行 保全法講義 第 4 回 関西大学法学部教授栗田隆 2006 年度 民事執行 保全法講義 第 4 回 関西大学法学部教授栗田隆 T. Kurita 2 目 次 1. 執行文に関する争いの解決 ( 民執 32 条 -34 条 ) 2. 請求異議の訴え ( 民執 35 条 ) 3. 執行停止の裁判 ( 民執 36 条 37 条 ) 執行文の付与等に関する異議 (32 条 ) 債権者 執行文付与申立て 執行文付与拒絶 債権者 異議 書記官 事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官

More information

2017 年 ( 平成 29 年 )5 月に成立した 民法の一部を改正する法律 が 2020 年 4 月 1 日から施行されます 民法には契約等に関する最も基本的なルールが定められており, この部分は 債権法 などと呼ばれます この債権法については 1896 年 ( 明治 29 年 ) に制定されて

2017 年 ( 平成 29 年 )5 月に成立した 民法の一部を改正する法律 が 2020 年 4 月 1 日から施行されます 民法には契約等に関する最も基本的なルールが定められており, この部分は 債権法 などと呼ばれます この債権法については 1896 年 ( 明治 29 年 ) に制定されて 民法 ( 債権法 ) 改正 2020 年 4 月 1 日から 債権法 ( 民法の契約等に関する部分 ) が変わります 民法制定以来約 120 年間の社会経済の変化に対応します 民法 民法のルールがより分かりやすいものになります 法務省 1 2017 年 ( 平成 29 年 )5 月に成立した 民法の一部を改正する法律 が 2020 年 4 月 1 日から施行されます 民法には契約等に関する最も基本的なルールが定められており,

More information

LEC 東京リーガルマインド 複製 頒布を禁じます 平成 30 年度不動産鑑定士論文式試験 ズバリ的中 民法 問題 1 (50 点 ) 一戸建て住宅 ( 以下 甲建物 という ) を所有するAは Bとの間で 甲建物を代金 1,000 万円でAがBに売却する旨の契約 ( 以下 本件売買契約 という )

LEC 東京リーガルマインド 複製 頒布を禁じます 平成 30 年度不動産鑑定士論文式試験 ズバリ的中 民法 問題 1 (50 点 ) 一戸建て住宅 ( 以下 甲建物 という ) を所有するAは Bとの間で 甲建物を代金 1,000 万円でAがBに売却する旨の契約 ( 以下 本件売買契約 という ) 平成 30 年度不動産鑑定士論文式試験 ズバリ的中 民法 問題 1 (50 点 ) 一戸建て住宅 ( 以下 甲建物 という ) を所有するAは Bとの間で 甲建物を代金 1,000 万円でAがBに売却する旨の契約 ( 以下 本件売買契約 という ) を締結した 以上の事実を前提として 次の設問 ⑴ 及び⑵のそれぞれに答えなさい なお 各設問は独立した別個の問である ⑴ 本件売買契約の締結後 甲建物の引渡し

More information

< F2D95CA8E86362D B5A8F708E9197BF8DEC90AC8BC696B1>

< F2D95CA8E86362D B5A8F708E9197BF8DEC90AC8BC696B1> 技術資料作成業務委託契約書 ( 案 ) 1. 委託業務の名称 事務所技術資料作成業務 2. 委託業務の場所 A 河川国道事務所内 3. 履行期間平成年月日から 平成年月日まで 4. 委託料 ( うち取引に係わる消費税及び地方消費税の額 ) 上記業務について 発注者 ( 以下 甲 という ) と受注者 ( 以下 乙 という ) は 各々の対等な立場における合意に基づいて 別添の条項によって公正な委託契約を締結し

More information

2 譲渡禁止特約の効力改正前は 譲渡禁止特約を付した場合は債権の譲渡はできない ( ただし 特約の存在を知らない第三者等には対抗できない ) とされていましたが 改正法では このような特約があっても債権の譲渡は効力を妨げられないことを明記しました ( 466Ⅱ 1) ただし 3に記載するとおり 債務

2 譲渡禁止特約の効力改正前は 譲渡禁止特約を付した場合は債権の譲渡はできない ( ただし 特約の存在を知らない第三者等には対抗できない ) とされていましたが 改正法では このような特約があっても債権の譲渡は効力を妨げられないことを明記しました ( 466Ⅱ 1) ただし 3に記載するとおり 債務 LM ニュースレター Vol.29 平成 30 年 2 月 改正債権法の要点解説 (7) 債権譲渡 債務引受 改正債権法の要点解説第 7 回では 債権譲渡 債務引受 の改正点について説明します 債権譲渡については債権の担保化 流動化による企業の資金調達を円滑化する観点から大幅な改正がなされており 実務への影響もありますので 特に留意が必要です 第 1 債権譲渡 1 改正の経緯貸付金 売掛金などの債権は

More information

息は一般に 6 ヵ月分を後払いする取扱いとなっているため 前回の増額返済以降の 4 カ月分の利息が未払利息となり ご清算いただく必要が生じます 2 金利等に関する特約に定める未払利息例えば 借入後一定期間毎回の元利金返済額が一定に保たれるために 適用利率が急激に上昇し毎回の発生利息が元利金返済額を超

息は一般に 6 ヵ月分を後払いする取扱いとなっているため 前回の増額返済以降の 4 カ月分の利息が未払利息となり ご清算いただく必要が生じます 2 金利等に関する特約に定める未払利息例えば 借入後一定期間毎回の元利金返済額が一定に保たれるために 適用利率が急激に上昇し毎回の発生利息が元利金返済額を超 ご利用者各位 用語解説集 ( 住宅ローン 消費者ローン契約書 ) 小松川信用金庫 1. 連帯保証人保証人とは 借主がローン等を返済できない場合に 借主に代って返済する義務を負う人をいいますが 連帯保証人 とは 借主と連帯して返済義務を負う人をいいます 連帯責任を負わない保証人は 債権者から請求された場合でも まず借主に請求するよう求め また借主に返済資力のあることを証明すれば支払を拒むことができます

More information

ロボットショップポイントサービス利用規約

ロボットショップポイントサービス利用規約 ロボットショップポイントサービス利用規約 ヴイストン株式会社 ( 以下 当社 といいます ) は 当社が運営する ロボットシ ョップのショッピングポイント ( 以下 ポイント といいます ) の利用について 以下のとおり本規約を定めます 第 1 条 ( 規約の目的 ) 1. 本規約は 当社が ロボットショップ会員規約 ( 以下 会員規約 といいます ) に基づき会員登録をした会員 ( 以下 会員 といいます

More information

求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする

求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする 平成 27 年 ( 受 ) 第 766 号損害賠償請求事件 平成 28 年 9 月 6 日第三小法廷判決 主 文 1 原判決中, 上告人の被上告人ら各自に対する1 億 6 500 万円及びこれに対する平成 20 年 1 月 23 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員の支払請求に関する部分を破棄する 2 前項の部分につき, 本件を東京高等裁判所に差し戻す 3 上告人のその余の上告を却下する 4

More information

Microsoft Word - (案の1)ニュースレターvol 原稿案

Microsoft Word - (案の1)ニュースレターvol 原稿案 政策法務ニュースレター *.:*: 現場の課題を解決するルールを創造するために : *.:*: :* 2019.3.4 VOL.15-4 千葉県総務部政策法務課本号の内容政策法務班中庁舎 7F 民法改正講習会のエッセンス紹介電話 043-223-2166 FAX 043-201-2612 Eメール houmu35@mz.pref.chiba.lg.jp 2020 年 4 月 1 日に本格施行される改正民法についての知識を習得し

More information

実務家の条文の読み方=六法の使い方の基礎

実務家の条文の読み方=六法の使い方の基礎 実務家の条文の読み方 = 六法の使い方の基礎弁護士柏谷周希第 1 実務家にとっての条文とは 1 実務家は法律を使って事件処理をするのが仕事 2 六法を使いこなす 条文を覚えることではない 六法は手元にあるし いつでも調べられる 求められるのは法的思考能力 法的思考能力とは1 法解釈能力と2 事実認定 ( あてはめ ) 能力 条文を解釈 適用でき 事件を処理できるということが六法を使いこなすということ

More information

物権 物件 ではない 債権 債券 ではない 2

物権 物件 ではない 債権 債券 ではない 2 物権 1 物権 物件 ではない 債権 債券 ではない 2 物権 財産権 債権 物権とは モノを直接 排他的に支配する権利 債権とは 特定の人に 一定の行為を要求できる権利 物権法定主義 3 物権 財産権 債権 物件 占有権 所有権 本権 制限物権 用益物権 地上権 永小作権 地役権 一物一権主義 入会権 担保物権 ( 典型担保 ) 法定担保物権 留置権先取特権 登記できる物権 約定担保物権 質権 抵当権

More information

一般社団法人大分県食品衛生協会食中毒見舞費用保険普通保険約款 第一章総則第 1 条 ( 用語の定義 ) 第二章保険金の支払事由第 2 条 ( 保険金の支払事由 被保険者 保険金額 ) 第 3 条 ( 免責事由 ) 第 4 条 ( 保険金の受取人 ) 第三章保険契約の締結等第 5 条 ( 保険責任の始

一般社団法人大分県食品衛生協会食中毒見舞費用保険普通保険約款 第一章総則第 1 条 ( 用語の定義 ) 第二章保険金の支払事由第 2 条 ( 保険金の支払事由 被保険者 保険金額 ) 第 3 条 ( 免責事由 ) 第 4 条 ( 保険金の受取人 ) 第三章保険契約の締結等第 5 条 ( 保険責任の始 食中毒見舞費用保険普通保険約款 一般社団法人大分県食品衛生協会 一般社団法人大分県食品衛生協会食中毒見舞費用保険普通保険約款 第一章総則第 1 条 ( 用語の定義 ) 第二章保険金の支払事由第 2 条 ( 保険金の支払事由 被保険者 保険金額 ) 第 3 条 ( 免責事由 ) 第 4 条 ( 保険金の受取人 ) 第三章保険契約の締結等第 5 条 ( 保険責任の始期及び終期 ) 第 6 条 ( 保険期間

More information

第 2 条ガイアは 関係法令等及びこれに基づく告示 命令によるほか業務要領に従い 公正 中立の立場で厳正かつ適正に 適合審査業務を行わなければならない 2 ガイアは 引受承諾書に定められた期日までに住宅性能証明書又は増改築等工事証明書 ( 以下 証明書等 という ) を交付し 又は証明書等を交付でき

第 2 条ガイアは 関係法令等及びこれに基づく告示 命令によるほか業務要領に従い 公正 中立の立場で厳正かつ適正に 適合審査業務を行わなければならない 2 ガイアは 引受承諾書に定められた期日までに住宅性能証明書又は増改築等工事証明書 ( 以下 証明書等 という ) を交付し 又は証明書等を交付でき 株式会社ガイア 贈与税の非課税措置に係る住宅性能証明書の発行業務約款 申請者及び株式会社ガイア ( 以下 ガイア という ) は 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置に係る平成 24 年度税制改正 ( 国土交通省住宅局通知平成 24 年 4 月 16 日 ) に関する関係法令並びに告示 命令等を遵守し 住宅性能証明書又は増改築等工事証明書の発行に関する審査 ( 以下 適合審査

More information

土地売買契約書

土地売買契約書 土地売買契約書 ( 見本 ) 土地の売買について 売主徳島県住宅供給公社 ( 以下 甲 という ) と買主 ( 以 下 乙 という ) とは, 停止条件付土地売買契約を次のとおり締結する ( 信義誠実の義務 ) 第 1 条甲乙両当事者は, 信義を重んじ, 誠実に本契約を履行するものとする ( 停止条件 ) 第 2 条この契約は, 第 3 条に定める土地における太陽光発電に関する四国電力株式会社の連系承諾書の発行を停止条件とする

More information

第 1 章 不動産の売却を検討されるお客様へ いらっしゃいませ! 初めての方も安心して お任せください 初めてだから 不安だわ PROFILE 夫 60 歳妻 65 歳 戸建てからマンションに買い換え検討中 子供も独立したし 広すぎるこの家は 売却しようか 売却までの流れ 物件調査 価格査定 媒介契

第 1 章 不動産の売却を検討されるお客様へ いらっしゃいませ! 初めての方も安心して お任せください 初めてだから 不安だわ PROFILE 夫 60 歳妻 65 歳 戸建てからマンションに買い換え検討中 子供も独立したし 広すぎるこの家は 売却しようか 売却までの流れ 物件調査 価格査定 媒介契 第 1 章 不動産の売却を検討されるお客様へ いらっしゃいませ! 初めての方も安心して お任せください 初めてだから 不安だわ PROFILE 夫 60 歳妻 65 歳 戸建てからマンションに買い換え検討中 子供も独立したし 広すぎるこの家は 売却しようか 売却までの流れ 物件調査 価格査定 媒介契約の締結と書面の交付 物件状況等報告書 設備表記入 売却予定不動産の物件調査を行い 価格を査定し提示します

More information

4. 預入方法等 (1) 本定期預金の預入は 当行の円普通預金口座からの振替入金の方法によります (2) 本定期預金の最低預入金額は 一口につき10 万円以上とし 預入単位は10 万円とします なお 当行は お客さまが預入を行うことのできる金額の上限を設ける場合があります また 当行は 一口あたりの

4. 預入方法等 (1) 本定期預金の預入は 当行の円普通預金口座からの振替入金の方法によります (2) 本定期預金の最低預入金額は 一口につき10 万円以上とし 預入単位は10 万円とします なお 当行は お客さまが預入を行うことのできる金額の上限を設ける場合があります また 当行は 一口あたりの 満期特約定期預金 ( 期間延長型 ) 規定 1. 満期特約定期預金 ( 期間延長型 ) (1) 満期特約定期預金( 期間延長型 ) ( 以下 本定期預金 といいます ) とは お客さまの預入日後の最初に到来する満期日 ( 以下 当初満期日 といいます ) 以降 預入日の翌営業日の当行が定める年数経過後の応答日 ( 以下 最終満期日 といいます ) までの期間内に一または複数の満期日が設定され 各満期日

More information

第二章借地 第一節借地権の存続期間等 ( 借地権の存続期間 ) 第三条借地権の存続期間は 三十年とする ただし 契約でこれより長い期間を定めたときは その期間とする ( 借地権の更新後の期間 ) 第四条当事者が借地契約を更新する場合においては その期間は 更新の日から十年 ( 借地権の設定後の最初の

第二章借地 第一節借地権の存続期間等 ( 借地権の存続期間 ) 第三条借地権の存続期間は 三十年とする ただし 契約でこれより長い期間を定めたときは その期間とする ( 借地権の更新後の期間 ) 第四条当事者が借地契約を更新する場合においては その期間は 更新の日から十年 ( 借地権の設定後の最初の 借地借家法 ( 平成三年十月四日法律第九十号 ) 最終改正年月日 : 平成二三年五月二五日法律第五三号第一章総則 ( 第一条 第二条 ) 第二章借地第一節借地権の存続期間等 ( 第三条 第九条 ) 第二節借地権の効力 ( 第十条 第十六条 ) 第三節借地条件の変更等 ( 第十七条 第二十一条 ) 第四節定期借地権等 ( 第二十二条 第二十五条 ) 第三章借家第一節建物賃貸借契約の更新等 ( 第二十六条

More information

おいて 適当と認められないものとします なお 審査の結果 契約を締結できない場合の理由は開示しないものとし お客様は 日証金の審査の結果および理由の不開示につき異議を述べないものとします (1) 申込時においてお客様が満 20 歳以上 70 歳未満であること (2) ( 略 ) (3) お客様が提携

おいて 適当と認められないものとします なお 審査の結果 契約を締結できない場合の理由は開示しないものとし お客様は 日証金の審査の結果および理由の不開示につき異議を述べないものとします (1) 申込時においてお客様が満 20 歳以上 70 歳未満であること (2) ( 略 ) (3) お客様が提携 コムストックローン約款 コムストックローン SBI 証券 一部改正新対照表 日本証券金融株式会社 [ 実施日 :2019 年 2 月 1 日 ] ( 下線箇所は改正部分 ) 新 コムストックローン約款 コムストックローン SBI 証券 コムストックローン約款 コムストックローン SBI 証券 日本証券金融株式会社 日本証券金融株式会社 第 1 条 ( 趣旨 ) 1 この約款は 日本証券金融株式会社

More information

Security Z 利用規約 第 1 条 ( 規約の適用 ) 東京ベイネットワーク株式会社 ( 以下 当社 といいます ) は この Security Z 利用規約 ( 以下 本規約 といいます ) に基づき Security Z サービス ( 以下 本サービス といいます ) を提供します 第

Security Z 利用規約 第 1 条 ( 規約の適用 ) 東京ベイネットワーク株式会社 ( 以下 当社 といいます ) は この Security Z 利用規約 ( 以下 本規約 といいます ) に基づき Security Z サービス ( 以下 本サービス といいます ) を提供します 第 Security Z 利用規約 第 1 条 ( 規約の適用 ) 東京ベイネットワーク株式会社 ( 以下 当社 といいます ) は この Security Z 利用規約 ( 以下 本規約 といいます ) に基づき Security Z サービス ( 以下 本サービス といいます ) を提供します 第 2 条 ( 用語の定義 ) 本規約において 次の用語は 次の各号に定める意味で用いるものとします (1)

More information

平成 30 年度新潟県自殺対策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務委託契約書 ( 案 ) 新潟県 ( 以下 甲 という ) と ( 以下 乙 という ) とは 平成 30 年度新潟県自殺対 策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務について 次の条項により委託契約を締結する ( 目的 ) 第 1 条

平成 30 年度新潟県自殺対策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務委託契約書 ( 案 ) 新潟県 ( 以下 甲 という ) と ( 以下 乙 という ) とは 平成 30 年度新潟県自殺対 策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務について 次の条項により委託契約を締結する ( 目的 ) 第 1 条 平成 30 年度新潟県自殺対策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務委託契約書 ( 案 ) 新潟県 ( 以下 甲 という ) と ( 以下 乙 という ) とは 平成 30 年度新潟県自殺対 策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務について 次の条項により委託契約を締結する ( 目的 ) 第 1 条甲は 次に掲げる業務 ( 以下 業務 という ) を乙に委託し 乙は これを受託する (1) 業務の名称平成

More information

-EM Wi-Fi SPOTサービス規約-

-EM Wi-Fi SPOTサービス規約- EM Wi-Fi SPOT サービス規約 株式会社ノジマ 株式会社ノジマ ( 以下 当社 といいます ) は 以下に定めるEM Wi-Fi SPOTサービス規約 ( 以下 本規約 といいます ) に従い 株式会社エコネクト ( 以下 公衆無線 LAN 事業者 といいます ) がイー モバイル向け公衆無線 LAN サービス契約約款 ( 以下 公衆無線 LAN サービス約款 といいます ) に基づき提供する公衆無線

More information

2. 地主が変わった場合 契約はどうなる? [Q] 地主が土地を処分したのですが 新しい地主から条件を変えて契約を結びなおすよう要求されています 地主が変わると前の地主との契約は無効になってしまうのですか [A] 借地人名義の建物の登記があれば 土地の利用を継続できます 借地人と土地の買主との土地の

2. 地主が変わった場合 契約はどうなる? [Q] 地主が土地を処分したのですが 新しい地主から条件を変えて契約を結びなおすよう要求されています 地主が変わると前の地主との契約は無効になってしまうのですか [A] 借地人名義の建物の登記があれば 土地の利用を継続できます 借地人と土地の買主との土地の 営 ViewPoint 相 談借地上に建物を所有する場合の法律問題 Q&A 篠原徹旨部東京室 土地を借りて家を建てている場合 地主との関係で様々な法律問題が発生します 今回は 借地人にとって特に問題となりやすい場面を紹介し 解決策や基本的な考え方を解説します 1. 契約書がなくても借地権は成立するか? [Q] 父から借地上の家屋を相続しましたが 借地契約書は作成されていなかったようです 家屋には私が住むつもりですが

More information

五有価証券 ( 証券取引法第二条第一項に規定する有価証券又は同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利をいう ) を取得させる行為 ( 代理又は媒介に該当するもの並びに同条第十七項に規定する有価証券先物取引 ( 第十号において 有価証券先物取引 という ) 及び同条第二十一項に規定する有価証券先

五有価証券 ( 証券取引法第二条第一項に規定する有価証券又は同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利をいう ) を取得させる行為 ( 代理又は媒介に該当するもの並びに同条第十七項に規定する有価証券先物取引 ( 第十号において 有価証券先物取引 という ) 及び同条第二十一項に規定する有価証券先 法律第百一号 ( 平一二 五 三一 ) 金融商品の販売等に関する法律 ( 目的 ) 第一条この法律は 金融商品販売業者等が金融商品の販売等に際し顧客に対して説明すべき事項及び金融商品販売業者等が顧客に対して当該事項について説明をしなかったことにより当該顧客に損害が生じた場合における金融商品販売業者等の損害賠償の責任並びに金融商品販売業者等が行う金融商品の販売等に係る勧誘の適正の確保のための措置について定めることにより

More information

( 督促 ) 第 6 条市長等は 市の債権について 履行期限までに履行しない者があるときは 法令 条例又は規則の定めるところにより 期限を指定してこれを督促しなければならない 2 市長等は 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 以下 法 という ) 第 2 31 条の3 第 1 項に規定す

( 督促 ) 第 6 条市長等は 市の債権について 履行期限までに履行しない者があるときは 法令 条例又は規則の定めるところにより 期限を指定してこれを督促しなければならない 2 市長等は 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 以下 法 という ) 第 2 31 条の3 第 1 項に規定す 大阪狭山市債権管理条例 平成 26 年 12 月 22 日 条例第 24 号 ( 目的 ) 第 1 条この条例は 市の債権の管理について必要な事項を定めることにより 当該事務の適正化を図り もって公正かつ円滑な行財政運営に資することを目的とする ( 定義 ) 第 2 条この条例において 次の各号に掲げる用語の意義は 当該各号に定めるところによる (1) 市の債権金銭の給付を目的とする市の権利をいう

More information

-EM Wi-Fi SPOTサービス規約-

-EM Wi-Fi SPOTサービス規約- EM Wi-Fi SPOT サービス規約 株式会社ラネット 株式会社ラネット ( 以下 当社 といいます ) は 以下に定めるEM Wi-Fi SPOTサービス規約 ( 以下 本規約 といいます ) に従い 株式会社エコネクト ( 以下 公衆無線 LAN 事業者 といいます ) がワイモバイル向け公衆無線 LAN サービス契約約款 ( 以下 公衆無線 LAN サービス約款 といいます ) に基づき提供する公衆無線

More information

株式取扱規程

株式取扱規程 株式取扱規程 ソニー株式会社 ソニー株式会社株式取扱規程 第 1 章総 則 ( 目的 ) 第 1 条当会社の株式および新株予約権に関する取扱いについては 定款にもとづきこの規程の定めるところによるほか 振替機関である株式会社証券保管振替機構 ( 以下 機構 という ) および株主が振替口座を開設している証券会社等の口座管理機関 ( 以下 証券会社等 という ) が定めるところによる 2 前項のほか

More information

第 6 条 ( 物件の引渡し ) 1. 賃貸人が賃借人に対して 物件を賃借人の指定する日本国内の場所に着荷することをもって引き渡しとします 2. 賃貸人が賃借人に対して天災 地変 火災 戦争 内乱 その他不可抗力 ( 賃貸人の責によらないものに限る ) により物件の納入を完了できないことが明らかな場

第 6 条 ( 物件の引渡し ) 1. 賃貸人が賃借人に対して 物件を賃借人の指定する日本国内の場所に着荷することをもって引き渡しとします 2. 賃貸人が賃借人に対して天災 地変 火災 戦争 内乱 その他不可抗力 ( 賃貸人の責によらないものに限る ) により物件の納入を完了できないことが明らかな場 機器レンタルサービス利用規約 第 2 版 2014 年 4 月 1 日 第 1 条 ( 総則 ) 本レンタル利用規約は NEC プラットフォームズ株式会社 ( 以下賃貸人という ) とお客様 ( 以下賃借人という ) との間の通信サービス対応機器 ( 付属物 マニュアル等を含む 以下物件という ) のレンタル契約について 別に契約書類または取り決め等による特約がない場合に適用されます なお 賃貸人は賃貸人所定の方法により賃借人に通知することにより

More information

(1) 家賃債務保証業者に対する損害額の調査結果 調査の概要 調査対象 国土交通省の家賃債務保証業者登録制度に登録している家賃債務保証業者 13 社 対象期間 各事業者が保有する平成 28 年又は平成 29 年のデータのうち直近で集計可能な過去 1 年分又は直近の1,000 件ただし 事業者によって

(1) 家賃債務保証業者に対する損害額の調査結果 調査の概要 調査対象 国土交通省の家賃債務保証業者登録制度に登録している家賃債務保証業者 13 社 対象期間 各事業者が保有する平成 28 年又は平成 29 年のデータのうち直近で集計可能な過去 1 年分又は直近の1,000 件ただし 事業者によって 平成 30 年 3 月 30 日 国土交通省住宅局 住宅総合整備課 極度額に関する参考資料 平成 29 年民法改正 ( 平成 32 年 4 月 1 日施行 ) において 個人の根保証は極度額を限度として責任を負うこと ( 改正民法第 465 条の2 第 1 項 ) また 極度額の定めのない保証契約は無効となること ( 同条の2 第 2 項 ) が規定され これらの規定は 住宅の賃貸借契約に基づく賃料や損害賠償債務等を保証する連帯保証人にも適用されることとなります

More information

koku

koku 第 66 回税理士試験 解答速報 国税徴収法 本解答は平成 28 年 8 月 12 日 14 時に学校法人大原学園が独自に作成したもので 予告なしに内容を変更する場合があります また 本解答は学校法人大原学園が独自の見解で作成 / 提供しており 試験機関による本試験の結果等について保証するものではありません 本解答の著作権は学校法人大原学園に帰属します 無断転用 転載を禁じます 本試験模範解答 国税徴収法

More information

手続には 主たる債務者と対象債権者が相対で行う広義の私的整理は含まれないのでしょうか 手続には 保証人と対象債権者が相対で行う広義の私的整理は含まれないのでしょうか A. 利害関係のない中立かつ公正な第三者 とは 中小企業再生支援協議会 事業再生 ADRにおける手続実施者 特定調停における調停委員会

手続には 主たる債務者と対象債権者が相対で行う広義の私的整理は含まれないのでしょうか 手続には 保証人と対象債権者が相対で行う広義の私的整理は含まれないのでしょうか A. 利害関係のない中立かつ公正な第三者 とは 中小企業再生支援協議会 事業再生 ADRにおける手続実施者 特定調停における調停委員会 経営者保証に関するガイドライン Q&A の一部改定について ( 資料 2) ( 下線部分が修正箇所を示す ) 改 定 後 現 行 Q.5-4 保証契約において 5(2) イ ) に記載されているように 保証人の履行請求額は 期限の利益を喪失した日等の一定の基準日における保証人の資産の範囲内 とした場合 基準日の到来条件の解釈により 主たる債務者が期限の利益を早期に喪失する事態が生じる懸念はないのでしょうか

More information

5.( 成年後見人等の届出 ) 6.( 印鑑照合 ) 他の届出事項に変更があったときは 直ちに書面等によって当店に届出てください この届出の前に生じた損害については 当行は責任を負いません (2) 通帳 証書または印章を失った場合のこの預金の元利金の支払いまたは通帳 証書の再発行は 当行所定の手続を

5.( 成年後見人等の届出 ) 6.( 印鑑照合 ) 他の届出事項に変更があったときは 直ちに書面等によって当店に届出てください この届出の前に生じた損害については 当行は責任を負いません (2) 通帳 証書または印章を失った場合のこの預金の元利金の支払いまたは通帳 証書の再発行は 当行所定の手続を 定期預金規定 共通規定 ( 通帳口 証書口 ) 変更後 1.( 取扱店の範囲等 ) 2.( 証券類の受入れ ) 3.( 預金の解約 書替継続 ) 4.( 届出事項の変更 通帳 証書の再発行等 ) 変更前 1.( 取扱店の範囲等 ) 自由金利型定期預金の預入れの一口金額は当行所定の金額以上 自由金利型定期預金 (M 型 ) 期日指定定期預金 変動金利定期預金および新種定期 複利 deフリー の預入れの一口金額は1

More information

2016 宅建スーパー合格講座 権利関係 A 第 1 回 出る順宅建合格テキスト ウォーク問過去問題集 確認テスト 抜粋 1 せ い り つ 第 章 け い や く 契約の成立 1 意思表示 口約束の場合 契約と言えるのか Aさんは 自分の持っている家をBさんに売ってお金を手に入 れたいと考えました Aさんは 僕の家を売ります とBさんに 言ったところBさんは いいよ と言いました

More information