現し Gasc1 発現低下は多動 固執傾向 様々な学習 記憶障害などの行動異常や 樹状突起スパイン密度の増加と長期増強の亢進というシナプスの異常を引き起こすことを発見し これらの表現型がヒト自閉スペクトラム症 (ASD) など神経発達症の病態と一部類することを見出した しかしながら Gasc1 発現

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1 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 須藤元輝 論文審査担当者 主査石野史敏 副査田中光一 西川徹 論文題目 Increase in GFAP-positive astrocytes in histone demethylase GASC1/KDM4C/JMJD2C hypomorphic mutant mice ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > GASC1( 別名 :KDM4C,JMJD2C) はメチル化されたヒストン H3K9 および H3K36 を標的とするヒストン脱メチル化酵素であり 脳での発現が高い 本研究で我々は Gasc1 遺伝子低発現変異マウス ( 以下 Gasc1 変異マウス ) の免疫組織化学により 生後 2-3 ヶ月齢の Gasc1 変異マウスの脳内で GFAP 陽性アストロサイトの顕著な増加を認めた この GFAP 陽性アストロサイトの増加は 前脳部の特に大脳皮質 線条体 扁桃体や視床で認められた 一方 海馬では明瞭な違いを認めなかった これまでの研究で我々は Gasc1 変異マウスの多動や固執傾向 様々な学習 記憶障害などの行動異常や樹状突起スパイン密度の増加や長期増強の亢進といったシナプスの異常を呈することを発見し この表現型がヒト自閉スペクトラム症 (ASD) の病態と一部類することを見出した 近年の アストロサイトの機能異常が ASD の病態発症に重要な役割を担うことを示す報告も併せると 本研究で観察した Gasc1 変異マウスにおける GFAP 陽性アストロサイトの増加は 当該マウスが呈する行動やシナプスの異常といった ASD 様の病態の発症機構を解明する上で重要な示唆を与えると考えられる < 緒言 > 正常な中枢神経系の発生 発達には時間的 空間的な遺伝子発現制御が密接に関与している 遺伝子発現制御は転写因子レベルの制御とエピゲノムレベルの制御があり 後者による遺伝子発現の制御機構としては主に DNA のメチル化修飾やヒストンのアセチル化やメチル化修飾が知られている 我々や 他のグループにより 中枢神経系の細胞分化や発生 さらには行動制御における DNA のメチル化やヒストンのアセチル化の重要性については複数の報告がなされているが ヒストンのメチル化に関しては未解明の部分が多い GASC1(gene amplified in squamous cell carcinoma 1, 別名 :KDM4C,JMJD2C) はメチル化されたヒストン H3K9 および H3K36 を標的とするヒストン脱メチル化酵素である GASC1 が癌の進行に促進的に作用することや 食道扁平上皮癌や乳癌などで GASC1 遺伝子座の重複が報告されている さらに GASC1 は ES 細胞の自己複製や分化の制御に関与することが報告されており 初期発生や幹細胞制御における GASC1 の機能が注目されている これまでに我々は Gasc1 遺伝子低発現変異マウス ( 以下 Gasc1 変異マウス ) を用いた解析から Gasc1 は脳に高発 - 1 -

2 現し Gasc1 発現低下は多動 固執傾向 様々な学習 記憶障害などの行動異常や 樹状突起スパイン密度の増加と長期増強の亢進というシナプスの異常を引き起こすことを発見し これらの表現型がヒト自閉スペクトラム症 (ASD) など神経発達症の病態と一部類することを見出した しかしながら Gasc1 発現低下によるマウス脳内の組織学的な異常については未解明であった 近年 ASD 患者の死後脳解析による GFAP 陽性アストロサイトの異常増加の報告や 自閉症状を主徴とするレット症候群の責任遺伝子である MeCP2 のノックアウトマウスに対するアストロサイト特異的な MeCP2 遺伝子発現の回復実験の結果から アストロサイトの機能異常が ASD の病態発症に重要な役割を担うことが提唱されていることから Gasc1 変異マウスの脳内で GFAP 陽性アストロサイトが異常に増加し これがシナプス機能や行動の異常に寄与していることが推測された そこで本研究では この仮説に基づき Gasc1 変異マウスの脳内の GFAP 陽性アストロサイトの増加を明らかにする目的で 免疫組織化学による詳細な解析を行った < 方法 > ジーントラップベクター法により作製された Gasc1 変異マウス ( 東京医科歯科大学稲澤譲治教授から供与 ) を用い 生後 14 日齢 30 日齢 2-3 ヶ月齢の時点でペントバルビタールを腹腔内投与後 脳を摘出し 凍結包埋を行った さらに 20 m の厚さで脳凍結切片を作製し 抗 GFAP 抗体による蛍光免疫組織化学を行った GFAP 陽性アストロサイトの数の評価のため 蛍光顕微鏡により取得した脳切片蛍光画像の二値化処理を行い 単位面積当たりの GFAP シグナル占有率 ( 以下 GFAP シグナル占有率 ) を測定し 対応のない t 検定による統計学的評価を行った 全ての動物実験は 国立大学法人東京医科歯科大学動物実験規則に基づき実施した < 結果 > 免疫組織化学により 発達段階 ( 生後 14 日齢 30 日齢 2-3 ヶ月齢 ) を追って Gasc1 変異マウスの脳内 GFAP 陽性アストロサイトの染色像を観察したところ 生後 2-3 ヶ月齢の Gasc1 変異マウスの大脳皮質において 野生型マウスに比べ GFAP 陽性アストロサイトの顕著な増加を認めた このような増加は生後 14 日齢 30 日齢では観察されなかった 大脳皮質における GFAP 陽性アストロサイトの数を客観的に評価するため 脳切片の蛍光画像を取得後 GFAP シグナル占有率を測定し 統計学的な評価を行ったところ 生後 2-3 ヶ月齢の Gasc1 変異マウスにおいて 野生型マウスに比べ GFAP シグナル占有率が有意に増加していた 一方で 生後 14 日齢および 30 日齢では GFAP シグナル占有率に有意な差は認められなかった これらの結果から Gasc1 変異マウスの大脳皮質において GFAP 陽性アストロサイトが増加することが結論され この増加は生後 30 日齢から 2-3 ヶ月齢の間に起こることが示唆された さらに 生後 2-3 ヶ月齢の Gasc1 変異マウスの他の前脳領域における GFAP 陽性アストロサイトの染色像を観察したところ 線条体 扁桃体および視床においても 野生型マウスに比べ GFAP 陽性アストロサイトの顕著な増加が観察された 一方 海馬では明瞭な違いは認められなかった 大脳皮質の場合と同様に 各脳領域における GFAP シグナル占有率の統計学的評価により Gasc1 変異マウスの線条体 扁桃体および視床において 野生型マウスに比べ GFAP シグナル占有率の有意な増加が認められた 一方 海馬 CA1 CA3 歯状回では いずれの領域でも有意な差は - 2 -

3 認められなかった これらの結果から 生後 2-3 ヶ月齢の Gasc1 変異マウスの線条体 扁桃体お よび視床においても GFAP 陽性アストロサイトが増加することが結論された < 考察 > 本研究で我々は 免疫組織化学により Gasc1 変異マウスの脳内で GFAP 陽性アストロサイトの増加を認めた この GFAP 陽性アストロサイトの増加は Gasc1 変異マウスの前脳部の特に大脳皮質 線条体 扁桃体および視床で認められ 海馬では認められなかった また 大脳皮質の発達段階を追った GFAP 染色像の観察 評価により この増加は生後 30 日齢から 2-3 ヶ月齢の間に起こることが示唆された 以前に我々は 脳組織を用いた定量的 RT-PCR の結果から Gasc1 変異マウスの脳内で Gasc1 mrna の発現量が 野生型マウスに比べ 80% 減少していることを認めている また ウェスタンブロット法による脳のヒストン H3K9 のメチル化状態の定量的解析から 野生型マウスに比べ Gasc1 変異マウスの大脳皮質の H3K9 のジメチル化およびトリメチル化状態の有意な増加 および脳幹のトリメチル化状態の有意な増加を認めている 近年 初代培養神経幹細胞を用いた Gasc1 と他のヒストン脱メチル化酵素 Kdm4A のダブルノックダウン実験により 神経幹細胞のアストロサイトへの分化亢進が報告されている しかしながら 我々は Gasc1 変異ヘテロマウスの X-gal 染色による間接的な Gasc1 の脳内発現分布の評価から Gasc1 は特にニューロンに高発現し アストロサイトやオリゴデンドロサイト 神経幹細胞ではほとんど発現しないことを確認している これらの結果から Gasc1 変異マウスの脳内の GFAP 陽性アストロサイトの増加は 神経幹細胞の細胞自律的なアストロサイトへの分化の亢進によるものではなく ニューロンにおける Gasc1 発現低下によるヒストンメチル化修飾異常が 二次的に神経幹細胞からアストロサイトへの分化過程やアストロサイトの活性化に影響したものと考えらえた さらに 我々は以前に Gasc1 変異マウスが多動や固執傾向 様々な学習記憶障害といった行動異常や 樹状突起スパイン密度の増加や長期増強の亢進といったシナプスの異常を呈すること認め これらの表現型が ASD など神経発達症の患者の病態と一部類することを見出した 近年 ヒト ASD 患者を対象とした連鎖解析から GASC1 遺伝子座を含む 9p24.1 領域に疾患関連遺伝子の存在を示唆する報告があったことは大変興味深い また ヒト ASD 患者の死後脳解析より 脳内において炎症反応を伴う GFAP 陽性アストロサイトの増加が報告されている 脳におけるアストロサイトの機能はこれまで過小評価されてきたが 近年 アストロサイトが積極的に行動やシナプスの形成 機能を制御していることが報告されており ASD の病態発症の原因としてアストロサイトの機能異常が注目されている 今後 Gasc1 変異マウスの行動異常の発症機構を更に詳細に解析することは ASD を含む神経発達症の発症機構の解明や治療法を開発する上で重要な知見をもたらすことが期待される < 結論 > ヒストン脱メチル化酵素 GASC1/KDM4C/JMJD2C の遺伝子低発現変異マウスの脳において生後 2-3 ヶ月齢に GFAP 陽性アストロサイトの増加を認めた - 3 -

4 論文審査の要旨および担当者 報告番号甲第 4932 号須藤元輝 論文審査担当者 主査石野史敏 副査田中光一 西川徹 論文審査の要旨 1. 論文内容本論文は 自閉症スペクトラム症 (ASD) に似た行動異常を示すヒストン脱メチル化酵素 GASC1 欠損マウスの大脳皮質 尾状核 被殻 扁桃体 および間脳において GFAP 陽性アストロサイトの増加を明らかにしたことである 近年 アストロサイトの機能障害が ASD の病態に重要な役割を果たすことを示唆する報告もあることから 臨床的にも ASD の病態解明に有用な研究成果であると評価できる 2. 論文審査 1) 研究目的の先駆性 独創性 ASD にヒストン脱メチル化酵素である GASC1 が関係していることを 申請者の研究室は明らかにしている 本研究は GASC1 欠損マウスの示す ASD 様行動の原因を解明するための一つとして 大脳各部位における GFAP 陽性アストロサイト数の変化を解析し 大脳皮質 尾状核 被殻 扁桃体 および間脳など複数の部位で増加がみられることを明らかにした この変化と行動異常について 直接的な関係を示すことはできていないが 今後 精神 神経疾患におけるアストロサイトの病態を解析する手がかりになることが期待される 2) 社会的意義ヒストン脱メチル化酵素である GASC1 はもともと食道がんの原因遺伝子として同定された遺伝子であるが これが ASD に関わることがモデルマウスの解析から明らかになった この遺伝子は ASD 発症と関連する染色体部位に存在することから ヒトにおいても原因遺伝子として機能している可能性がある 3) 研究方法 倫理観研究には GASC1 を標的としたノックアウトマウスが用いられているが 実際には新たなプロモータから低レベルの遺伝子発現が起きている この様な GASC1 の低発現マウスが出生後の初期からさまざまな ASD 様行動を起こすことが 申請者の所属する研究室において明らかにされている 申請者は このマウスにおいて GFAP 陽性アストロサイト数が優位に増加することを見ているが GFAP 陽性アストロサイトの細胞分裂により増加したものなのか 静止状態にあるアストロサイトにおいてこの遺伝子の発現が誘導されたものなのかの区別ができる方法論とはなっ ( 1 )

5 ていない しかし 脳の発達において GFAP 陽性アストロサイト数が優位に増加することが ASD 患者のいくつかでは報告があることから この研究は今後の ASD 研究には役立つ可能性があると評価できる 申請者の研究方法に対する知識と技術力が十分に高いことは質疑応答により確認され 同時に 本研究の先にある問題に対しても有効なアプローチを行っていることも評価できる 4) 考察 今後の発展性今回 解析の対象とされた GASC1 はもともと食道がんの原因遺伝子として同定された遺伝子であり ASD に関わることが示された ヒストン脱メチル化酵素とであることは間違いないが 近年 これらのヒストン修飾酵素はヒストン以外のタンパク質の修飾や 修飾とは無関係にみえるスプライシングなど他の生化学反応への関与も知られてきている そのため GASC1 低発現マウスにおける ASD の発症メカニズムの解明は まだまだ非常に難しいことが予想されるが ヒト ASD の原因遺伝子となり得ることから今後の解析の重要性には疑いがない 3. その他論文提出された内容は GASC1 低発現マウスにおいて GFAP 陽性アストロサイト数が優位に増加することを述べたことに留まるため 口頭試問では GASC1 低発現マウス自体の解析への彼の貢献や 現在行われている GASC1 タンパク質の生化学機能に関する研究も対象として質疑応答が行われた その結果 この研究全体に対し十分な貢献が認められることを確認した 4. 審査結果以上を踏まえ 本論文は博士 ( 医学 ) の学位を申請するのに十分な価値があるものと認められた ( 2 )

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