公益社団法人大阪府理学療法士会堺市ブロック 第 9 回堺市ブロック新人症例発表会を開催するにあたって 日本は少子高齢化という大きな課題を背負っており 厚生労働省はではいち早く 地域包括ケアシステム という名称で 予防 医療 介護 生活を一体的に再構築することを提案 推進される中 リハビリテーション医

Size: px
Start display at page:

Download "公益社団法人大阪府理学療法士会堺市ブロック 第 9 回堺市ブロック新人症例発表会を開催するにあたって 日本は少子高齢化という大きな課題を背負っており 厚生労働省はではいち早く 地域包括ケアシステム という名称で 予防 医療 介護 生活を一体的に再構築することを提案 推進される中 リハビリテーション医"

Transcription

1 公益社団法人大阪府理学療法士会 第 9 回堺市ブロック新人症例発表会 大仙公園日本庭園写真提供 : 堺市 日時 : 平成 30 年 1 月 21 日 ( 日 ) 午前 9:50 開演 ( 受付 9:15~) 場所 : 労働者健康安全機構大阪労災病院管理棟 3 階大ホール 主催 : 公益社団法人大阪府理学療法士会堺市ブロック

2 公益社団法人大阪府理学療法士会堺市ブロック 第 9 回堺市ブロック新人症例発表会を開催するにあたって 日本は少子高齢化という大きな課題を背負っており 厚生労働省はではいち早く 地域包括ケアシステム という名称で 予防 医療 介護 生活を一体的に再構築することを提案 推進される中 リハビリテーション医療も入院医療から在宅医療へと大きく舵を切ってきました また 大阪府理学療法士会も地域包括ケアシステムに合わせて活動を展開するために 市町村を単位とした新しいシステムの導入に向けての準備が進んでいる状況かと思われます 我々理学療法士も身体機能の改善や基本動作レベルの改善だけでなく いかに日常生活の中で ADL 能力を向上させて早期に社会復帰されることを意識して 他職種との連携の中で治療プログラムを立案していく必要性が問われています 堺市ブロックの新人症例発表会では 若手会員の皆様が日ごろ臨床の中で どのような治療方法 を用いることで どのような患者の変化 を導き どのように地域に戻られたのかを しっかり伝えていただきたいと思っています 今年度も公益社団法人大阪府理学療法士会堺市ブロックでは 平成 30 年 1 月 21 日 ( 日 ) に第 9 回堺市ブロック新人症例発表会を労働者健康福祉機構大阪労災病院大ホールにて開催する予定となっております 症例発表の分野は 急性期 回復期 維持期 生活期 の分野に分けて症例発表を行っていただきますので 病院やクリニック 老人介護施設 在宅など多岐に亘り理学療法を展開されている方々に症例発表して頂きやすくなっております 是非とも本新人症例発表会での経験を活かし 大阪府理学療法学術大会をはじめとした他の学会での発表へと繋がることを期待しております 最後に 本症例発表会を開催するにあたり 発表者に対してきめ細かなご指導を頂いた査読者 コーディネーターの先生方及び関係スタッフに心より感謝いたします また 本大会が発表者及び参加者の皆様方にとって実り多きものになるように願っており それぞれの症例発表について活発なご討議をお願いしたいと考えております 第 9 回堺市ブロック新人症例発表会 大会長林誠二 ~ 1 ~

3 演者へのお願い < 発表方法 > 1. 全て口述での発表になります プレゼンテーションファイルの操作 ( ページの切り替えなど ) は演者自身で行ってください 2. 一演題あたり発表 7 分 質疑応答 3 分の合計 10 分です 時間厳守でお願いします 質疑応答やセッションの進行は座長の指示に従ってください < 発表用ファイル作成上の注意事項 > 1. 発表用ファイルは Microsoft PowerPoint 2007 以降の形式で かつ Windows の PC で開ける形式 で作成をお願いします その他の形式は使用できません 2. ファイル名は 演題番号 + 演者氏名 としてください 3. 持ち込みのフラッシュメモリー等のウイルスチェックを事前にしておいてください < 発表用ファイルの受付について > 1. 発表用ファイルは当日に受付を行います 演者は下記の時間帯に発表用ファイルを提出し 動作確認を行ってください ( 午前の部の演者は 1 に 午後の部の演者は 2 で行います ) 1 9 : 15 ~ 9 : : 40 ~ 13 : 発表は Windows コンピュータを使用しますので 発表用ファイルは Windows で開ける形式で提出してください コンピュータは大会主催側で準備します 3. 当方のコンピュータに取り込んだ発表用ファイルは 発表終了後責任を持って速やかに削除いたします < ポイント付与について > 発表者のみ新人教育プログラムのポイント C-6 症例発表 が付与されます 座長へのお願い 1. 担当セッションの進行に関して一任いたします 担当セッションが活発な討議と円滑に進行するようにご配慮お願いします 2. 一演題の発表時間は発表 7 分 質疑応答 3 分の 10 分です 時間厳守をお願いします 質問について所属 氏名を確認してください ~ 2 ~

4 参加者へのお願い 1. 演者に対する質疑応答について各演題につき 3 分以内の質疑応答時間を設定しておりますので 座長の指示に従って活発なご討議をお願いします なお 質問をする際には必ず所属と氏名を告げ 簡潔明瞭に行って下さい 2. 参加申し込みについて円滑な受付作業を行うため 参加にあたっては なるべく事前申し込みをお願い致します 申し込み方法は下記をご参照下さい また今回は発表演者のみの新人教育プログラムポイントの付与となります 参加者の皆様へのポイント付与はありませんのでご了承ください 申込方法 :E メールで 1 会員番号 2 氏名 3 施設名 4 経験年数 5 所属ブロック 6E メールアドレスを明記の上 件名に必ず 新人症例発表会参加申し込み とご記入いただき お申し込みくださいますようお願い致します 参加申込締め切り : 平成 30 年 1 月 13 日 ( 土 ) 参加申込み先 : 堺市ブロック事務部 E mail: 堺市ブロック申し込み専用アドレス block.sakai-si@physiotherapist-osk.or.jp ~ 3 ~

5 会場案内 労働者健康安全機構大阪労災病院管理棟 3 階大ホール 堺市北区長曾根町 JR 阪和線 南海高野線三国ヶ丘駅よりバス約 10 分 (1 番のりば 労災病院前 行 ) JR 阪和線堺市駅よりバス約 20 分 ( 系統番号 35 三国ヶ丘駅前 行 ) 南海高野線堺東駅よりバス約 20 分 (10 番のりば 労災病院前 行 ) 地下鉄御堂筋線新金岡駅より徒歩約 10 分バス約 5 分 (1 番のりば 労災病院前 行 ) このエレベーター 階段で 3 階へお越しください 西口 ( 夜間休日入口 ) より入り リハビリテーション科手前の管理棟エレベーター 階段で 3 階へ ~ 4 ~

6 一般演題発表プログラム (10:00~15:05) 第 1 セッション : 急性期関連 (10:00 ~ 10:50) 座長堺市立総合医療センター本庄剛 1. 足部 足関節機能障害を呈した腰椎変性すべり症術後患者に対する理学療法経験社会医療法人清恵会清恵会病院細野雅人 2. 両変形性膝関節症により左 TKA を施行した症例 ~ 非術側アプローチの一検討 ~ 医療法人若葉会堺若葉会病院新開涼斗 3. 腱板広範囲断裂を呈した一症例 - テニス競技復帰に向けて - 医療法人いずみ会阪堺病院奥井美早 4. 左大腿骨転子部骨折術後の一症例 ~ 立ち上がり 歩行動作の構成要素に着目して ~ 医療法人若葉会堺若葉会病院向埜真歩 5. C3-7 椎弓形成術及び C7-Th1 後方固定術後 新たに C4-5 椎間板ヘルニアを呈し C5 運動麻痺を呈した症例 棘下筋賦活による上肢運動能力再獲得を目指して 医療法人荒巻会あらまき整形外科クリニック駒井健司 第 2 セッション : 回復期関連 (11:00 ~ 11:50) 座長ベルランド総合病院 高重治 6. 運動学習障害が原因で歩行獲得に難渋した一症例公益財団法人浅香山病院十川竜太 7. 歩行時の左下肢の支持性低下を認めた THA 後の一症例 - 左膝回旋不安定性に着目して - 医療法人いずみ会阪堺病院小田姫子乃 8. 脳卒中後片麻痺に対する Mirror Therapy: 麻痺側足関節背屈筋に着目して社会医療法人ペガサス馬場記念病院山下美沙子 9. 両側同時脳出血の患者に対し, 免荷式トレッドミル歩行を実施した一例社会医療法人頌徳会日野病院檜垣奨 10. アルツハイマー型認知症を伴う大腿骨転子部骨折術後症例の理学療法公益財団法人浅香山病院坂口英隆 ~ 5 ~

7 第 3 セッション : 回復期関連 (11:50 ~ 12:40) 座長馬場記念病院瑞慶覧誠 11. 片麻痺患者 : 踏み台昇降訓練と歩容変化社会医療法人ペガサスペガサスリハビリテーション病院土生久美子 12. 既往に脊髄小脳変性症を持ち 脳幹梗塞を発症した症例社会医療法人頌徳会日野病院山田祐司 13. 脳出血後片麻痺例の廃用性筋力低下と起立着席訓練 : 筋電図学的考察社会医療法人ペガサス馬場記念病院千住友久 14. 免荷式歩行器を用いた頸椎症性関髄症症例へのアプローチ社会医療法人同仁会耳原総合病院西野遼太 15. 視床出血を発症後 自宅退院に向けた介助量の軽減に難渋した一症例 ~ 重度の運動麻痺 高次脳機能障害を呈した患者を経験して ~ 社会医療法人生長会ベルピアノ病院松下竜也 第 4 セッション : 回復期関連 (13:25 ~ 14:05) 座長大阪労災病院岡本健佑 16. 立ち上がり 歩行中心の訓練 ~ 歩行が改善した症例 ~ 社会医療法人ペガサス馬場記念病院中村輝 17. 肩甲骨体部骨折に対する理学療法の一経験例医療法人いずみ会阪堺病院鈴木克弥 18. 踵骨骨折後の歩行開始時に膝に疼痛が出現し難渋した 1 症例医療法人紀和会正風病院明渡崇之 19. 小脳 橋梗塞により右片麻痺を呈した一症例 - 麻痺側立脚期に着目して - 社会医療法人頌徳会日野病院北村正規 ~ 6 ~

8 第 5 セッション : 維持期関連 (14:05 ~ 15:05) 座長浅香山病院加藤航太 20. 腓骨遠位端骨折後 関節可動域制限により競技復帰困難を呈した症例 ~ 運動器エコーを含めた評価 治療 ~ 医療法人いずみ会阪堺病院長井優貴 21. 精神科病院での若年者大腿骨頸部骨折術後の経験医療法人杏和会阪南病院平河剛史 22. 認知低下により昼夜逆転し自宅復帰困難となった一症例社会医療法人同仁会耳原総合病院山口礼奈 23. 片麻痺患者への肩甲帯へのアプローチにて歩行能力が向上した一症例社会医療法人清恵会清恵会三宝病院酒井悠理子 24. 腰椎圧迫骨折後遅発性麻痺を呈した症例に対する全人的在宅復帰支援医療法人いずみ会阪堺病院渡邊晃紘 25.2 型糖尿病患者に対し 教育入院にて運動療法 運動指導を行いその後血糖コントロールが改善した一症例公益財団法人浅香山病院山口陽平 ~ 7 ~

9 一般演題発表 抄録集 (10:00 ~ 15:05) ~ 8 ~

10 1. 足部 足関節機能障害を呈した腰椎変性すべり症術後患者に対する理学療法経験 細野雅人白川雅仁 社会医療法人清恵会清恵会病院 Key words: 脊椎変性疾患 足部 立位バラ ンス 足部 足関節機能障害を呈した腰椎変性す べり症術後患者を担当した 足部の安定性に 着目した理学療法により 立位バランス能力 ならびに歩行能力が向上した その経過と考 察について報告する 症例紹介 75 歳女性 8 年前より両下肢の痺れと疼痛が 出現 5 ヶ月前から症状の増悪と歩行障害を認 め X 年 Y 月 Z 日第 4 腰椎変性すべり症に対し後 方固定術 (L4/5) を施行 術後 3 日目から理学 療法を開始した 初期評価 (~ 術後 1 週 ) 両側の足部全面に痺れがあり 触圧覚 痛 覚は両足背部で中等度鈍麻 両足底部で重度 鈍麻であった 運動覚は両母趾で中等度鈍麻 振動覚は両踵部で重度鈍麻であった 徒手筋 力検査 ( 以下 MMT) は 股関節外転 ( 右 2/ 左 2) 足関節底屈 ( 右 2/ 左 2-) 足部外がえし ( 右 4/ 左 2-) 足趾屈曲 ( 右 4/ 左 4) 足趾伸展 ( 右 4/ 左 2-) であった 左足部は内反ストレステ スト陽性であり 足部外側の機械的不安定性 を認めた 姿勢 動作について 閉脚立位で は 左後足部が回外し 重心の左足部外側へ の偏位が生じ 左側への動揺を認めた 動揺 は閉眼にて増強し ロンベルグ徴候陽性であ った Berg Balance Scale( 以下 BBS) は 26/56 点であった T 字杖歩行では 後足部の過回外 を伴う左踵接地と左立脚中期にかけての股関 節過内転により 左側への不安定性がみられ た 左立脚後期での股関節伸展がみられず 左遊脚期には左足部外側のクリアランス低下を認めた 視線は常に足部に向けられていた これらにより 転倒予防に軽介助が必要であった 理学療法 立位姿勢における足部内側での支持を可能とするため 長 短腓骨筋と長趾伸筋に対する神経筋再教育を実施した 動作訓練では 下肢のアライメントを確認したなかでの起立訓練 立位バランス訓練と歩行訓練を実施した 運動覚障害の代償として 視覚下でフィードバックしながら実施した また 足部外側の機械的不安定性に対する補償として 後足部の回外を制御する短下肢装具を使用した 最終評価 ( 術後 1ヶ月 ) 感覚障害は変化なし MMTは 股関節外転 ( 右 4/ 左 3+) 足部外がえし ( 右 4/ 左 2) 足趾伸展 ( 右 4/ 左 4) と一部改善した 閉脚立位では ロンベルグ徴候陽性であるが 左足部内側への重心移動が可能となり 左側への動揺は軽減した BBSは37/56 点に改善した T 字杖歩行時は 左立脚期での左側への不安定性と左遊脚期での左足部外側のクリアランスが改善した 屋外 100m 自立レベルで歩行可能となった 考察 足部内側での荷重には 長 短腓骨筋 長趾伸筋の筋活動が必要とされている また 足部外側の機械的 機能的不安定性がある場合 片脚立位時に股関節外転筋に対して要求される筋力も増大するとされている 本症例においては 長 短腓骨筋 長趾伸筋の筋活動の向上により 足部内側での荷重が可能となり 足部外側の機能的不安定性が軽減した 加えて 短下肢装具の使用で後足部が安定し 足部外側の機械的不安定性が軽減した 足部での姿勢調整能の向上と 弱化した股関節外転筋への過負荷の軽減により 立位バランス能力ならびに歩行能力の改善につながったと考えられる ~ 9 ~

11 2. 両変形性膝関節症により左 TKA を施行した症例 ~ 非術側アプローチの一検討 ~ 新開涼斗横山想牟礼直人 医療法人若葉会堺若葉会病院 Key words: 変形性膝関節症 機能的脚長差 膝伸展不全 本症例は両変形性膝関節症 ( 以下, 膝 OA) に対し左 TKA 施行予定であったが転倒し左 大腿骨頸基部骨折受傷後, 左 γ-nail 術施行. 約 5 ヵ月後, 左 TKA を施行された症例を担当. 初 期より術後膝伸展不全に着目し治療を行い, 一定の改善を認めた. しかし右膝 OA による 膝関節痛, 機能的脚長差が生じた. これらの改 善の為, 足部からの運動連鎖を考慮し, インソ ールを用いた結果, 歩行機能の若干の改善が みられた. 症例紹介 80 歳代女性. 現病歴は両膝 OA( 左 TKA). 既往歴は左大腿骨頸基部骨折 (γ nail). 術前 の主訴は左膝が痛く長距離歩行ができないこ とであった. 初期評価術後 7 日 ROM-T ( 右 / 左単位 ) 股伸展 5/0, 膝屈曲 100/90, 伸展 -20/-10, 立位膝伸展 -20/-15, 足背 屈 0/0.MMT ( 右 / 左 ) 股屈曲 4/3, 伸展 3/2, 外転 3/2, 膝伸展 4/3, 足底屈 3/2+.NRS 荷重時に左 術創部と鵞足部 8/10. 下肢長 ( 右 / 左単位 cm) 大腿長 39/39, 下腿長 34/34,SMD70/70. 杖なし 歩行 ( 左 MSt) 体幹右側屈, 骨盤右下制 左回旋, 左股屈曲位, 左膝屈曲位. 治療プログラム 1 疼痛 ( 寒冷療法 リラクゼーション )2 ROMex( 両股伸展 両膝屈伸 )3 筋力増強 運動 ( 左大腿四頭筋 左大殿筋 左中殿筋 ) 最終評価術後 35 日 ROM-T 股伸展 5/5, 膝屈曲 110/95, 伸展 -20/-5, 立位膝伸展 -20/-5, 足背屈 5/5.MMT 股屈曲 4/4, 伸展 3/4, 外転 3/3, 膝伸展 4/4, 足底屈 3/3.NRS 荷重時, 左術創部に 0/10 鵞足部に 7/10 に軽減.SMD70/72. 10m 歩行 ( 速歩単位秒 / 歩数 ) インソールなし 20.7/32, あり 17.9/29. 片脚立位 ( 単位秒 ) インソールなし 10.2, あり 19.7 であった. 考察 初期評価の問題点は手術による左大腿四頭筋筋力低下 左膝伸展 ROM 制限に加え, 両膝 OA から生じた長期不良姿勢による下肢筋力低下 ROM 制限, 左 γ-nail 術施行による左中殿筋筋力低下が跛行の原因と考えアプローチした. 結果, 膝関節機能の改善を認めた. しかし, 立位時の膝伸展不全の改善により SMD に 2cm 差を認め, 非術側の右膝内側に疼痛 (NRS8/10) が出現した. 原因として墜落性跛行と右 IC 時の外側動揺により右膝に内反応力が加わり, 疼痛が出現したのではないかと考えた. その為, 右足部からの運動連鎖の改善を目的に外側ウェッジヒールにて距骨下関節回内誘導と 2cm の補高を挿入. 結果, 墜落性跛行と疼痛の軽減 (NRS7/10) を認めた. また,10m 歩行と片脚立位でもインソールによる効果が見られた. 要因として補高での墜落性跛行の軽減, 距骨下関節回内誘導を行ったことにより下腿内旋, 骨盤の前方回旋が促通. 相対的に膝への内反モーメントが軽減されたことで疼痛軽減, 立脚側の安定性が向上したと考えた. おわりに 機能的脚長差が出現し, 補高のみではなく, 適切なインソールを選択できたことで若干の疼痛軽減, 歩行の安定性 速性の向上を認め, インソールの重要性を経験する事ができた. 本症例は屋外 T 字杖 屋内杖なし歩行にて術後 48 日にて自宅退院となった. しかし, 屋内では裸足である為, インソールの効果は得られない為, 右膝に対し Quad Setting などの自主練習を指導した. 今後, 右膝も手術予定である. ~ 10 ~

12 3. 腱板広範囲断裂を呈した一症例 テニスの競技復帰に向けて 奥井美早 川﨑昌代 医療法人いずみ会阪堺病院 Key words: 腱板断裂 関節可動域 体幹 今回 右肩腱板 上腕二頭筋断裂患者の腱 板縫合術後の治療を経験した 本症例は テ ニスの競技復帰を希望されており 動作中の 肩機能向上に加えて 体幹機能の制御が必要 と考えた そのため 当院プロトコールに沿 い 肩 体幹機能に対して視覚的フィードバ ックを用いた経過を報告する 症例紹介 70 歳代女性 平成 X 年 前方関節唇裂離 棘上筋断裂診断 保存療法にて当院外来 併 設のスポーツジムでのリハビリを経て テニ ス復帰 平成 X+2 年 上腕二頭筋断裂診断 保 存療法にてテニス復帰するも疼痛による競技 能力低下あり 外来リハビリ開始 その後 競技能力向上目的に手術の運びとなる プロトコール 術後 2 日目 ~: 装具装着にて肩関節可動域 ( 以 下 ROM) 訓練他動屈曲 外転運動開始 ( 肩関 節外転 60 以下禁止 ) 術後 6 週後 ~: 装具除去にて自動介助屈曲 外転運動開始 術後 8 週後 ~: 自動運動開始 ( 制限なし ) 術後 12 週後 ~: 抵抗運動開始予定 理学療法評価 初期 :ROM( 術後 2 日目 5 週 +6 日目 ) 屈曲 外転 座位姿勢 では左 < 右荷重 右肩甲帯挙上位 脊柱右凸 腰椎伸展位 骨盤左挙上位 weight shift で も左 < 右 左 shift 不安定による体幹左回旋代 償 pelvic tilt では胸腰椎屈曲 骨盤後傾方 向への可動性低下 腰椎伸展優位の動作がみ られた 疼痛部位は前胸部 創部 肩峰下ス ペース 肩関節後外側部に出現 中間 :ROM(7 週 +6 日目 ) 屈曲 155 外転 155 装具除去直後 座位姿勢では右 < 左荷重 右肩甲帯下制位 脊柱左凸 骨盤右挙上位 weight shift でも右 < 左 右 shift 時 右肩関節前面に疼痛出現 pelvic tiltでは胸腰椎屈曲 骨盤後傾方向への可動性低下の代償として体幹後傾 腰椎伸展優位の動作残存 疼痛部位は創部 肩峰下スペース 肩関節後外側部 上腕後面に出現 最終 :ROM(8 週 +6 日目 ) 屈曲 165 外転 160 伸展 40 1st 外旋 50 MMT3 座位姿勢では 左 < 右荷重 骨盤左挙上位軽度残存 weight shiftでは左右差ほぼ認めず pelvic tiltでは腰椎屈曲 骨盤後傾の可動性向上も胸椎屈曲可動性低下残存 疼痛部位は肩峰下スペース 上腕全面 前腕外側に出現 問題点及びアプローチ ROM 制限 体幹機能低下 疼痛に焦点を当て 以下を問題点として取り上げた 初期 : 装具固定 脱力不良 身体的イメージの歪み 自動でのROMex 禁止 創部 入院による運動量低下 中間 最終 : 装具除去による腱板への負荷増強 筋力低下残存による肩甲骨挙上 肘関節屈曲 頸部右側屈などの代償動作増加 このことから 上肢帯の筋 軟部組織リラクセーション 安静臥位 座位のポジショニング weight shift pelvic tilt 動作学習 自動運動での ROMex 創部 mobilization を行った 考察 本症例は 長期に渡る肩機能低下 ~ 術後の装具固定 ~ 除去という状態の変化によって身体的イメージの歪みが生じていると考えた そのため 身体的イメージの修正を行い 正しい肩関節運動を行う事を目的に姿勢に対して動画や鏡を用い視覚的フィードバックを入れた これにより 姿勢 荷重バランスなどの体幹機能の制御が改善しただけでなく 脱力不良や代償動作といった不要な筋肉の参加を押さえ 二次的な疼痛軽減 ROM 拡大につながり肩機能向上の一助となったと考える ~ 11 ~

13 4. 左大腿骨転子部骨折術後の一症例 ~ 立ち上がり 歩行動作の構成要素に着目して ~ 向埜真歩水谷美和牟礼直人冨林栄作 医療法人若葉会堺若葉会病院 key words: 大腿骨転子部骨折 立ち上がり 歩行 今回 左大腿骨転子部骨折を呈し γ ネイル 術を施行された 転倒歴の多い症例を経験し た 立ち上がり 歩行で共通する股 膝 足 関節の構成要素に着目した治療と 術前から のバランス能力低下に対しアプローチし動作 能力が改善した為 若干の考察を加え報告す る 症例紹介 80 歳代後半の女性 身長 145cm 体重 55kg BMI26.2 躓き転倒し 左大腿骨転子部骨折 後左 γ ネイル術施行 既往歴は左大腿骨顆上 骨折術後 両側 TKA 左小趾亀裂骨折がある 術前の歩行能力は 屋内伝い歩き 屋外ロフ ストランド杖歩行自立もフットクリアランス 低下が生じていた 経過 術後 1 週 立ち上がりは体幹を過度に前傾 し右側荷重優位 足関節背屈不十分のまま殿 部離床 その際 両側 knee in が出現し見守 りレベル ロフストランド杖歩行は MSt で 跛行認め内転筋群に NRS7/10 の疼痛出現し 近位見守りレベル ROM-T( 右 / 左 ) は 股 屈曲 110/90 伸展 10/5 膝屈曲 100/80 足背 屈 5/0 MMT( 右 / 左 痛み :p) は 股伸展 3/2 膝伸展 4/4 股外転 3/2p 10m 歩行は 34.4 秒 38 歩 片脚立位時間は右 1.5 秒 左 実施不可 術後 3 週 立ち上がりは 過度な体幹前傾 の軽減も右側荷重優位は残存 殿部離床時の 両側 knee in は軽減 MSt 時の疼痛は NRS5/10 と改善がみられた ROM-T は股屈 曲 110/100 伸展 10/5 膝屈曲 110/85 足背屈 5/5 MMT は著変なし 10m 歩行は 29.4 秒 32 歩 片脚立位時間は右 1.6 秒 左 1 秒未満と改善が乏しかった 術後 7 週 立ち上がりは体幹前傾と右側荷重優位の改善も殿部離床時の両側 knee in は若干残存 ロフストランド杖歩行自立し MSt 時の疼痛は NRS 0~1/10 と改善 ROM-T は 股屈曲 115/105 伸展 10/5 膝屈曲 110/95 足背屈 5/5 MMT は股外転 3/3 股伸展 3/3 と筋力改善 その他著変なし 10m 歩行は 21.3 秒 27 歩 片脚立位時間は右 18.1 秒 左 6.4 秒と改善 術後 8 週で独居での自宅退院となり その後週 2 回 杖歩行での外来通院となった 考察 術後 1~3 週までは現病歴により生じた左股関節の問題点と 既往歴による膝関節屈曲制限 足関節背屈制限に重点を置き関節可動域運動 筋力増強運動を実施した しかし片脚立位の改善が乏しく 歩行の MSt で内転筋の疼痛も残存した 立ち上がりの殿部離床期と歩行の MSt で股伸展 外転筋筋力低下を腸腰筋 内転筋が代償していた そのため Knee in となり 内転筋群の過活動による疼痛が出現していた そこで術後 3~7 週では立ち上がりと歩行の構成要素と 現病歴から存在する左下肢の支持性低下に対し治療した 治療では姿勢から生じた二次的な体幹機能の低下や アライメントを修正した状態での動作練習を実施 立ち上がり動作の改善が得られたことで MSt の支持性 片脚立位も向上した おわりに 本症例は転倒歴が多く 退院時も左下肢の支持性低下が残存したことから 再転倒予防として左股伸展 外転筋筋力増強練習の指導を行った また現病歴に加え 術前の姿勢や問題点に着目する重要性を再認識した ~ 12 ~

14 5.C3-7 椎弓形成術及び C7-Th1 後方固定術後 新たに C4-5 椎間板ヘルニアを呈し C5 運動麻痺を呈した症例 棘下筋賦活による上肢運動能力再獲得を目指して 駒井健司東條優貴 医療法人荒巻会 あらまき整形外科クリニック Key word :C5 運動麻痺 棘下筋萎縮 筋持久性 棘下筋は上肢挙上動作で主として働き 終 始筋活動の増加が認められるとの報告がある 今回 左 C5 麻痺と左棘下筋萎縮が伺える 頸椎椎間板ヘルニアと診断された症例に対し 棘下筋に着目した治療を行った結果 左上肢 挙上角度が最大域まで改善し 左右差も消失 した症例を経験したため ここに報告する 症例紹介 75 歳男性 H28 年 5 月から左上肢挙上動 作のみが困難となる 他院で左 C4-5 椎間板 ヘルニアと診断後 当院での外来通院となり 当年 9 月から理学療法開始した ( 週 2/ 2 単位 ) また 既往歴として H22 年に C3-7 椎弓形 成術 C7-Th1 後方固定術を施行している 初期評価 (H28.9.7) 両肩甲骨アライメントの比較では 左肩甲 骨挙上位 左棘下筋委縮も強く 左上肢挙上 動作で左肩甲骨挙上代償が観察された 左肩 関節可動域 ( 以下 ROM) は自動屈曲 45 他動屈曲 180 であった 徒手筋力テスト ( 以下 MMT) は 三角筋 2 前鋸筋 3 棘上筋 2 棘下筋 2 上腕二頭 筋 3 で抗重力運動が困難な状態であり 顕著 な筋力低下が生じていたが 巧緻動作に問題 はなかった また 上腕二頭筋腱反射も呈すことから中 枢部障害と判断し リハ期間は運動麻痺の回 復メカニズムから半年と設定した 問題点と理学療法 左上肢挙上動作では 左肩関節周囲の筋力低下により抗重力動作に対して最低限必要な筋収縮力が不足していたため 左僧帽筋上部の過剰収縮を呈し 左肩甲骨挙上代償が顕著であった そのため 左肩甲上腕関節で骨頭軸偏位を呈し 滑らかな左肩関節運動を阻害していた これらが筋力低下をさらに助長している悪循環であると考察した そこで治療としては 左僧帽筋の柔軟性改善 上肢挙上動作に終始必要とされている棘下筋に対しての萎縮改善 左肩関節周囲の粗大筋に対しての筋力増強訓練を徐々に強度を上げて行い 左上肢挙上動作改善を図った 最終評価 (H ) MMT 変化は 三角筋 2 4 前鋸筋 3 4 棘上筋 2 4 棘下筋 2 4 上腕二頭筋 3 5 となった そのため 左肩 ROM も自動屈曲 180 を獲得したが 棘下筋萎縮は左右差が軽度残存していた 日常生活動作 ( 以下 ADL) は 初期は洗髪や洗顔など左上肢挙上が必要である全ての動作が困難だったが 最終では全ての動作が可能となった しかし 左上肢の挙上保持位での反復的動作は持久性が欠如しており 左肩甲骨挙上や左手関節背屈による代償が伺えた 考察 左上肢挙上動作困難の原因として 左肩甲骨挙上代償 麻痺による左肩関節周囲の筋力低下と考察した また 棘下筋萎縮の改善に伴い左上肢挙上角度が向上した 粗大筋力のみでなく 上肢挙上時に終始筋活動の増加が認められる棘下筋の筋力改善が 骨頭の求心性向上に繋がり 左肩関節周囲筋の協調的動作に影響したと考える しかし 左肩関節周囲の筋力は全体的に 4 であり 棘下筋萎縮も左右差が残存していた 本症例のようなケースでは 通常の筋力向上に要する期間よりも長期的な筋力増強訓練が必要と考えられる ~ 13 ~

15 6. 運動学習障害が原因で歩行獲得に難渋した一症例 十川竜太 西野立樹 武内康浩 公益財団法人浅香山病院 Key words: 歩行障害 運動学習 膝折れ 今回 多発性脳梗塞で入院され 横紋筋融解 症を合併し歩行障害が出現した症例を担当し た 幼少期より知的障害を伴っていることも あり 運動学習困難であることから歩行獲得 に難渋したため報告する 症例紹介 経過 女性 40 歳代前半 身長 155 cm 体重 69 kg 20xx 年 x 月 x 日に睡眠薬を多量摂取し自宅に て 2 日間意識消失され救急搬送された 多発 性脳梗塞と診断 合併症として DM HT 横紋 筋融解症を併発 第 2 病日より理学療法開始 急性期ではティルトテーブルを用いて 下肢 筋力増強や様々な動作訓練を試みたが 運動 学習が困難な状態であり効果は得られなかっ た その後第 36 病日より回復期病棟へ転棟 入院前 ADL は全て自立 普段より独歩で買い 物や 自転車の運転もされていた 理学療法評価 ( 初回評価第 90 病日 ~) 意識清明 Brunnstorome recovery stage test( 以下 BRS-t) 下肢 Ⅵ 左頭頂葉に低吸収 域があり 関節可動域は著明な制限はなし 筋力は徒手筋力検査 ( 以下 MMT)( 右 / 左 ) に て大腿四頭筋 2+/3 大殿筋 4/4 ハムストリ ングス 4/4 前脛骨筋 5/5 下腿三頭筋 5/ 未 実施 感覚障害は表在 深部共に正常 膝蓋 腱反射は正常 足クローヌス陰性 左 Extension Lag20 平行棒内歩行臀部引き 上げ軽介助レベル HDS-R26/30 FIM は 102 点 ( うち運動項目は 70 点 ) 10m 歩行 ( 歩 行器 )12 秒 65 であった 基本的動作能力と して起居動作は自立 立ち上がりは軽介助レ ベル 立位保持は見守りレベル 歩行器歩行は両側支柱付きknee brace 装着下にて軽介助レベル 歩行観察 ( 初回評価第 90 病日 ~) 環境 : 歩行器 介助レベル : 左 knee brace 装着 臀部引き上げ + 左腋窩介助 歩容 : 左 IC~LR/ 足関節内反 踵接地となり急速的に下腿前傾し膝折れを認めた 理学療法プログラム 自己意識を伴った運動は運動学習障害による影響で困難な為 第 90 病日より視覚代償を利用したアプローチに変更 歩行時の左 IC~LR に膝折れが出現することから 左大腿前面への促通を促しながらボールを挟んだ立ち上がり 意識的に大腿四頭筋を収縮させることが可能な腹臥位でのパテラセッティングを実施 その後 IC~LR を意識させ 実際の歩行に反映させるため下方視線を制御しながらのランジ動作をプログラムとして実施した 最終評価 ( 第 181 病日 ~) 大腿四頭筋 MMT4/4 前脛骨筋 5/5 下腿三頭筋 5/5 その他左右 4 レベル 左 Extension Lag10 10m 歩行 ( 独歩 )8 秒 30 FIM は 111 点 ( うち運動項目 79 点 ) 基本動作能力全て自立 独歩 Free 考察 本症例は説明理解の困難やボディイメージの形成困難なことによる運動学習が難しい中で 独歩が可能となった要因を以下に述べる LR 時に膝折れが著明に出現 原因として初期評価にて左膝関節伸展時に Extension Lag20 を認めていることから 膝関節最終伸展域での筋力 出力低下が原因と考えた そこで膝関節伸展筋の収縮をより確実にするため 視覚的フィート ハ ックを取り入れながら実施することで大腿四頭筋の筋力向上に繋がったと考える また 同時にハムストリングス 下腿三頭筋の筋出力に伴った機能的膝伸展機構が代償することで Extension Lag が残存する中での歩行効率の上昇に繋がったと考える ~ 14 ~

16 7. 歩行時の左下肢の支持性低下を認めた THA 後の一症例 - 左膝回旋不安定性に着目して - 小田姫子乃 土山秀樹 森洋子 日高彰良 医療法人いずみ会阪堺病院 Key words:tha 膝外反 杖歩行 今回 左変形性股関節症により左全人工骨 頭置換術 ( 以下 THA) を施行し 術後 2 度 脱臼を繰り返し その後術後感染するなど合 計 6 回の手術を経た症例に対し HOPE であ る痛みなく楽に歩きたいという要望について アプローチを行った経過を報告する 症例紹介 70 歳代女性 他院で平成 26 年 12 月に左 THA を施行した しかし 2 度の脱臼を繰り 返し 再度左 THA を施行したが 感染を認 め平成 28 年 2 月に抜去術を施行し 半年の 間免荷その後再再置換術を施行し 平成 29 年 7 月に留置されていたセメントビーズの固 定を抜去 当院では同年 6 月より 週 2 回に よる通所リハビリを開始 理学療法評価 6 月 12 日 ~ ADL は全て自立 疼痛は歩行時の Mst に左 大腿外側 ~ 後面にかけてあり (NRS5) 関節 可動域検査 ( 以下 ROM) 左股関節屈曲 90 伸展 5 外転 10 外旋 35 膝関節伸展 - 10 左足関節背屈 0 回外 10 である 徒手筋力検査 ( 以下 MMT) 左股関節屈曲 2 + 伸展 2 外転 2 左膝関節屈曲 2 伸展 2+ 左足関節背屈 3 底屈 3 である スクワッテ ィングテスト エリーテスト 膝外反ストレ ステスト陽性 左下肢非荷重位での Q-angle は 20 片脚立位困難 Navicular drop test12 mm SMD は 5 cm TMD4.5 cm脚長差が あり 補高靴 (6 cm ) を使用し杖歩行自立 TUG は 秒で歩行速度は 0.39ⅿ/s 2 ステップテストは 0.52 歩容は LR から始 まり左股関節内転 内旋位とともに骨盤は右 下制する Mst では左下腿外旋増強するにつ れ 左膝関節の内側へのスラストが著明である 問題点 Mst での左大腿筋膜張筋 外側広筋 外側ハムストリングスにかけての疼痛の要因としては 外反ストレステストが陽性であることから MCL の大腿骨に対する脛骨内側顆の前方移動を制御する機能不全により 左下肢に対し外反ストレスが生じ 疼痛が発生したと考える また左股関節外転筋力低下のため, 骨盤水平保持による左下肢の支持性低下があると考える 理学療法 Mst での疼痛の要因である 左膝関節外反の減少と 左膝関節伸展可動域改善を目的に 左股関節外転筋力増強訓練 外側ハムストリングスダイレクトストレッチ 内側ハムストリングス筋力増強訓練 左膝関節伸展 ROMex 左後脛骨筋 長母指屈筋ストレッチ 左足関節背屈 ROMex 左下肢への重心移動の反復訓練を行った 結果 6 月 12 日 ~9 月 11 日 今回の介入により ROM 左股関節外転 20 左膝関節伸展 -5 と改善し MMT は左股関節外転 2+~3 左下腿内旋位での左膝関節屈曲 3+ と向上した その結果 Mst 時の左下腿外旋は軽減され 疼痛は NRS1 に改善し 平行棒片手支持により片脚立位保持 3 秒可能となった また TUG は 秒と上昇 2 ステップテストは 0.58 と歩幅は向上した ~ 15 ~

17 8. 脳卒中後片麻痺に対する Mirror Therapy: 麻痺側足関節背屈筋に着目して 足関節背屈 2 であった MT 実施直後では 患 者は ( 麻痺した ) 足関節が動いているように感 じる と述べた 山下美沙子 中村輝社会医療法人ペガサス馬場記念病院 Key words: ミラーセラピー 脳卒中後片麻痺 足関節背屈筋 症例 61 歳 男性 右利き 右椎骨動脈閉塞に伴う右小脳 延髄梗塞 第 2 病日, リハビリ開始 第 23 病日, 回復期リハ病棟転棟 意識清明 左不全片麻痺 (MMT: 上肢 1 手指 2 股関節屈曲 1 膝関節伸展 2 足関節背屈 1 底屈 1) 10m 歩行テスト :15 秒 FIM:87 点 PT が起立訓練 歩行訓練 ( 平行棒 T-cane/AFO 装着 / 軽介助 ~ 監視 ) OT が上肢機能訓練を実施した 考察 過去の研究では MT により脳卒中後の下肢の運動機能や運動回復を高めるとの報告があり 今回 通常の訓練に MT を加えた治療を試みた 麻痺側足関節背屈 MMT は 1 から 2 に改善した この改善に MT がどの程度影響しているかは不明であるが 脳卒中後の足関節背屈重度麻痺に対して MT は治療手段として座位姿勢で行え 転倒リスクも低く簡便であり 自主練習として使用可能と考える ただ ADL への汎化が可能であるかどうかは症例数を増やして検討していく必要がある 第 48 病日 左不全片麻痺は 第 23 病日と比べると MMT で股関節屈曲は 1 3 膝関節伸展は 2 4 足関節背屈は1で変化がなかった そこで 起立練習 歩行練習 (T-cane 独歩/ 装具なし / 自立 ~ 監視 ) 階段昇降練習に加えて 足関節背屈筋力に対して Mirror Therapy(MT) を実施した MT 方法 ベッド上端座位で 肢位は両膝関節屈曲 90 で鏡を両下腿間に設置し 鏡に映った非麻痺側足関節の動きを患者自身がよく観察できるように両側下腿部を露出させた 患者は鏡に映った非麻痺側足関節の反復的な背屈運動を注視した 運動頻度は 非麻痺側の反復背屈運動 50 回 / セットを 4 セット / 日 7 日間実施した 評価とその結果 ( 第 55 病日 ) 下肢の MMT は股関節屈曲 3 膝関節伸展 4 ~ 16 ~

18 9. 両側同時脳出血の患者に対し, 免荷式トレッドミル歩行を実施した一例 檜垣奨 堀奈月 岩本章紀 社会医療法人頌徳会日野病院 Key words: 免荷式トレッドミル歩行, 歩行, 脊髄中枢パターン発生器 脳卒中患者に対する免荷式トレッドミル歩 行 ( 以下 BWSTT) は, 理学療法診療ガイドライ ンにおいてグレード B に位置づけられており, 歩行速度 下肢運動機能 バランス機能が改 善すると報告されている. 今回右被殻, 左視 床 ~ 放線冠の両側同時脳出血を発症した患者 に BWSTT を実施し, 歩行機能の改善を認めた ため報告する. 症例紹介 右被殻出血, 左視床出血 ~ 放線冠の同時出 血を呈した 60 歳代男性である. 合併症に高血 圧症がある.35 病日目に当院へ転院した. BWSTT 実施前 (71 病日目 ) の身体機能は, Brunnstrom stage( 以下 BRS): 右上下肢 Ⅳ, 左上下肢 Ⅴ,Manual Muscle Test(MMT): 両上 肢 3, 両下肢 4, 体幹 3+, 表在感覚 深部感 覚ともに右軽度鈍麻 左中等度鈍麻, Functional Independence Measure( 以下 FIM):61/126 点,Functional Balance Scale( 以 下 FBS):17/56 点, 歩行は歩行車歩行軽介助で あった. 理学療法プログラム 経過 当院転院から 71 病日目は感覚障害に着目 し立位荷重下での左上下肢へ感覚入力, 支持 性の向上を図った. 実動作に左上下肢の参加 を認め, 座位保持見守り, 移乗動作軽介助と なった. しかし, 歩行は常時下方注視 体幹 前傾位 立脚後期での股関節伸展消失を認め, 右内反尖足による右踵接地の消失と右遊脚期 での足尖引っ掛かり, 失調による右下肢接地 位置の不定が生じ, 前方へのふらつきを認め た. また重心偏移の非対称性による両立脚 遊脚時間のばらつきにより両側へふらつきを 認め, 歩行車歩行軽介助を要した. そのため 71 病日目より歩行機能の改善を目的に, BWSTT での歩行練習を約 1 ヵ月間実施した. 方法 トレッドミルと体重免荷装置を使用し, ハーネスで身体を上方に牽引して体重を部分免荷しながらトレッドミル上を歩行した. 頻度 時間は体調に合わせ 1 日 1 回,6 分 ~10 分間, 免荷量は先行研究に基づき,40% から開始し, 能力の向上に伴い免荷量を 20% まで低下した. また右足部内反を認めていたため,Ankle Foot Orthosis( 以下 AFO) を装着して実施した. また感覚障害, 失調に対するプログラム, 平地歩行練習を並行して実施した. 結果 体幹正中位で保持が可能となり, 股関節伸展が出現した. また自動的な振り出しが可能となり, 右足尖の引っ掛かり消失, 重心偏移が対称的に近づき両側へのふらつきが減少したことにより, 歩行車歩行 一本杖歩行見守りとなった. 身体機能は,BRS 左右上下肢 Ⅴ と右下肢の機能向上を認めた. 評価項目としては,FIM81 点,10m 歩行テストは 11 35, 21 歩,Timed Up & Go Test は 24 69,FBS は 32/56 点となった. 考察 今回の症例を通して歩行機能, 麻痺の改善を認めた要因をリハアプローチ面に限局して考えると, まず動作内への左上下肢の参加を図ったこと, 免荷式トレッドミル歩行により積極的な課題指向介入が可能となり, 正常な歩行動作の反復練習ができたこと, 末梢からの感覚入力が脊髄中枢パターン発生器 (CPG) の賦活, 中枢神経の再組織化を促進したことが, 優位に影響を与えたのではないかと推察する.BWSTT は実施条件や対象者も未だ明確に定まっていないのが現状である. より効果的な介入方法として確立するために, 症例数を増やし実施条件や対象者を検討したい. ~ 17 ~

19 10. アルツハイマー型認知症を伴う大腿骨転子部骨折術後症例の理学療法 坂口英隆 西川祐加里 山本晴彦 武内康浩 公益財団法人浅香山病院 Key words: 大腿骨転子部骨折 認知症 長期 記憶 アルツハイマー型認知症を伴う右大腿骨転 子部骨折術後の症例を担当した 持続的な訓 練が困難であり難渋した患者に対し 長期記 憶を利用した治療プログラムを立案 実施し たことで機能改善 移乗動作の介助量軽減に 繋がった症例を報告する 症例紹介 80 歳代後半女性 自宅で転倒し右大腿骨転 子部骨折受傷 4 日後 γ ネイル固定術施行 理学療法開始したが 術後より右大腿内側部 に血腫出現 疼痛が強く 右下肢の自動運動 他動運動は困難 臥床傾向であった 術後 34 日目理学療法中止 転院し翌日血腫除去術施 行 17 日間の臥床期間の後 γ ネイル固定術 術後 51 日目に当院に転院 骨折前の ADL は車 椅子移乗 伝い歩き 5m 見守り 理学療法評価 理学療法再開時 関節可動域検査 ( 以下 ROM-t 単位 ) は右股関節屈曲 90 右膝関節 屈曲 90P 右足関節背屈 0 徒手筋力テスト ( 以 下 MMT 右 / 左 ) では股関節屈曲 2/3 膝関節伸 展 2/3 足関節背屈 1/3 改定長谷川式簡易知 能評価スケール 10/30 機能的自立度評価 ( 以 下 FIM)38 点 ( 運動 18 認知 20) 起居動作は中 等度介助 坐位保持は支持物把持し見守り 移乗動作は重度介助 ステップ出現無し 病 識に欠け 重度の短期記憶障害がある 術後 66 日目まで平行棒両手把持 重度介助で起立 中等度介助で立位保持 1 回あたり約 18 秒 足 踏みや介助歩行は不可能 運動意欲は乏しく 度々動作を止めることがあった 目標と治療場面 目標は移乗動作の介助量軽減とし 治療プログラムは起立動作に必要な右股関節屈曲 右膝関節屈曲 右足関節背屈の関節可動域訓練 下肢に対する筋力増強訓練 坐位訓練 移乗動作訓練 長期記憶は保たれ 繰り返し昔話をされることから 術後 67 日目より 性格 生活歴 家族歴 趣味などの情報を見直し 訓練で利用し 運動意欲を向上させ機能改善 移乗動作の介助量軽減を目指した 例として 歌に合わせて互い手を合わせる 手遊び を利用 リーチ動作で坐位での重心移動を促し動的坐位バランス能力向上 起立時の体幹前傾を促した また 趣味だった社交ダンス のステップを利用し 坐位や平行棒内立位で下肢自動運動を実施し移乗動作時のステップ出現を狙った 声掛けは運動意欲向上を狙い リハビリしましょう などから 教えてください 勝負しましょう など役割 ゲームや遊びの要素を意識し声掛けし 介入した 結果 術後 130 日目 最終評価では ROM-t 右股関節屈曲 100 右膝関節屈曲 110 右足関節背屈 10 MMT 股関節屈曲 2/3 膝関節伸展 3/3 足関節背屈 2/3 FIM55 点 ( 運動 33 認知 22) 起居動作は口頭指示 坐位保持は自立 移乗動作はステップ出現し軽度介助 笑顔も増え 運動意欲は向上 動作に要する時間も短縮した 立位保持時間は軽度介助でコンスタントに 20 秒以上 平行棒内歩行による下肢筋力増強訓練も可能となった 考察 山田はアルツハイマー型認知症は 過去の記憶力は保たれる としている 今回 保たれている長期記憶を活用し 過去に行っていた趣味や遊びの要素を取り入れ 自発性や残存機能を引き出すことができたと考える 結果 持続した訓練が可能となり 機能改善 移乗動作の介助量軽減に繋がったと考える ~ 18 ~

20 11. 片麻痺患者 : 踏み台昇降訓練と歩容変化 社会医療法人ペガサス ペガサスリハビリテーション病院 土生久美子 角城慎一 Key Words: 被殻出血 踏み台昇降 歩行 歩行時に反張膝がおきることにより 右足尖 のひっかかりが生じ 歩行時の転倒リスクに 繋がっていた一症例に対して 反張膝の原因 として右膝関節伸展筋力低下に着目し 大腿 四頭筋の筋力増強運動法に適した CKC 種目と して踏み台昇降訓練が有効である 小山 1) と考え 踏み台昇降訓練を実施し 歩容変化 がみられた為 ここに報告する 症例 60 歳代女性 病前日常生活動作は自立してい た 左被殻出血で 同日 急性期病院入院し 保存的治療 34 病日に当院回復期病棟に転院 当院でのリハビリテーションを開始した 評価 : 第 103 病日 1 神経学的所見 : 右不全片麻痺 (MMT232, 膝関節伸展筋 2, 左下肢筋力 4) 感覚障害 ( 右 上下肢表在 深部共に重度鈍麻 ) Trail Making Test( 以下 :TMT)-A:173 秒 /TMT-B:310 秒 2 理学的所見 : FIM: 運動 72 点 / 認知 19 点 10m 歩行 ( 一本杖軽介助 ):45 秒 /33 歩 歩行の問題点 : 右立脚中期から後期にかけて 反張膝がおき その影響により右立脚後期に 骨盤後方回旋 その結果右足尖ひっかかりが 生じていることにより 歩行での転倒リスク に繋がり 介助が必要となる問題点になって いると考えました 第 103~129 病日 第 34 病日 ~ 第 102 病日までは起立 歩行訓練を中心に行っていたが 運動麻痺による右膝関節伸展筋筋力増強を目的に 踏み台昇降訓練 (15cm 台 前方 後方昇降動作を 30 回 / 日 ) を追加した 評価: 第 129 病日 1 神経学的所見 : 右不全片麻痺 (MMT233, 膝関節伸展筋 3, 左下肢筋力 5) 感覚障害に変化なし TMT-A B 共に大きな変化なし 2 理学的所見 : FIM 運動 75 点 / 認知 19 点 ( 改善項目 : 移動 階段 入浴 ) 10m 歩行 ( 一本杖見守り ):45 秒 /30 歩 右立脚中期 ~ 右立脚後期に生じていた反張膝 骨盤後方回旋が軽減したことにより 右立脚後期に過荷重になっていた重心が左下肢へと移行しやすくなった 右遊脚初期の右足尖ひっかかりが減少した 考察 本症例は 右不全片麻痺 感覚障害 ( 位置覚 運動覚 ) 歩行時の反張膝により転倒リスクがあり 介助が必要であった 今回 反張膝の原因として 右膝関節伸展筋筋力低下に対し 踏み台昇降訓練を実施した 右膝関節伸展筋と左下肢筋力が改善し 反張膝 右足尖ひっかかりが軽減し 歩行は軽介助から見守りレベルへと変化した ~ 19 ~

21 12. 既往に脊髄小脳変性症を持ち 脳幹梗塞を発症した症例 山田祐司阿部直也 社会医療法人頌徳会日野病院 Keywords: 脳幹梗塞 脊髄小脳変性症 今回 既往歴に脊髄小脳変性症 ( 以下 SCD) があり 脳幹梗塞 ( 左橋腹側 ) の症例を担当 した 股関節と体幹機能に着目しアプローチ した結果 歩行動作に改善が見られたため報 告する 症例紹介 60 歳代男性 X 年 Y 月に構音障害 右片麻 痺で発症し A 病院へ搬送 A 病院にてリハを 行い 発症 19 日後に当院へ転院となる 発症 前は入浴以外のセルフケアは自立し 屋内伝 い歩き自立 屋外 T 字杖歩行見守りであった 初期評価 : 入院 1~7 日目 FIM100 点 ( 運動項目 66 点 認知項目 34 点 ) BRS 右上肢 下肢 Ⅴ 右手指 Ⅳ MMT では両側 ともに股関節屈曲 伸展 外転 2 体幹屈曲 立脚期の右大殿筋 右中殿筋 右腹斜筋の筋 緊張の低下を認めた 片脚立位不可 臨床的 体幹機能検査 ( 以下 FACT)6 点 10m 歩行は 1 分 29 秒 (36 歩 ) であった 歩行観察で ➀ 右足底接地 ~ 立脚中期での右股関節の過度な 内転により 左遊脚にて左下肢が右下肢に衝 突する ➁ 右遊脚期に右股関節が内転するこ とがあり 右立脚期を内転位で迎えるため転 倒傾向を示した また 両立脚期で体幹前傾 位を呈していた 問題点の抽出 ➀ の減少に関して 立脚初期 ~ 中期では大 殿筋 中殿筋 内腹斜筋の活動が増大し股関 節 骨盤の安定化を図っているとあり 本症 例では 初期評価より大殿筋 中殿筋 内腹 斜筋の筋力低下 歩行時の筋緊張低下を認め た 上記より 右立脚中期での股関節内転を 制動できず 左遊脚期に左下肢が右下肢に衝突し転倒傾向を示すと考えた 2の現象に関しては 下肢を振り出す際は腹筋群の活動の増加により 骨盤を安定させ 股関節屈筋群を働きやすくすると言われている 腹筋群と殿筋群の筋力低下 筋緊張低下による骨盤の安定性低下により 右遊脚期に股関節が内転し 股関節内転位で右立脚期を迎えるため転倒傾向を示すと考えた 理学療法プログラム ➀の問題点に対して 臥位で両大殿筋 中殿筋の筋力増強運動と臥位 座位で骨盤と下肢の協調的な収縮 立位で重心移動練習 ステップ運動を行った 2の問題点に対して 臥位 座位で腹筋群の筋力増強運動と腹筋群を収縮させながら股関節屈曲運動を行った 最終評価 : 入院 60~66 日目 FIM113 点 ( 運動項目 79 点 認知項目 34 点 ) BRS 右上肢 手指 下肢 Ⅴ MMT では両側ともに股関節屈曲 4 伸展 外転 3 体幹屈曲 回旋 4 と向上した 歩行時の触診において 右立脚期の大殿筋 中殿筋の筋緊張低下に改善を認めた 片脚立位は左右ともに約 4~5 秒程可能となり FACT14 点 10m 歩行は 26 秒 (26 歩 ) と向上した 歩行においては ➀ 右足底接地 ~ 立脚中期での右股関節の過度な内転が減少し 左下肢が右下肢に衝突することがなくなった 2 右遊脚期に右股関節が内転することが減少した 両立脚期での体幹前傾が軽減した これらに伴い 歩行の安全性 安定性 速性が改善した まとめ 発症以前は歩行を自立され 発症後より歩行が困難となったため 右片麻痺による影響が歩行動作に大きく影響を与えていると考えた 歩行時の腹筋群 殿筋群に着目し理学療法を実施した結果 歩行の実用性向上に繋がり 両 T 字杖を使用し歩行が短距離 ( 約 50m) では自立 長距離 ( 約 150m) では見守りで行えるようになった ~ 20 ~

22 13. 脳出血後片麻痺例の廃用性筋力低下と起立着席訓練 : 筋電図学的考察 千住友久瑞慶覧誠 社会医療法人ペガサス馬場記念病院 key words: 廃用性筋力低下 起立着席訓練 表面筋電図 症例 58 歳 男性 右利き 配管工 身長 175cm 体重 78kg BMI 25.5kg/m 2 既往歴 : 高血圧症 糖尿病現病歴 : 自宅で倒れ救急搬送 脳出血 ( 右頭頂後頭葉 ) で緊急開頭血腫除去 外減圧 術 第 3 病日リハビリテーション ( リハ ) 開始 第 14 病日起立着席訓練開始 急性期病棟で の 33 日間の起立着席回数 ( 平均 ± 標準偏 差 )19.3±17.5 回 / 日 第 36 病日回復期リハ病 棟へ 回復期リハ病棟での変化 ( 発症 36 日目 98 日目 ) JCS2 意識清明 左 USN は線分末梢試験 の見落とし数 23 0 個 ( 総線分数 40 個 用紙 A4) 左不全片麻痺は MMT1 1 健側右膝 伸展力は MMT で 3 4 徒手筋力計で 18.6kg 26.6kg 左半身の感覚は重度鈍麻 中等度 鈍麻 大腿周径は ( 右 : cm; 左 : cm) 基本動作は起居 座位保持 立位保持 ( 短下 肢装具 ) は介助 見守り 移乗 歩行 ( 長下肢 装具 ) は介助量が軽減 FIM 体重 no data 57.1kg BMI no data 18.6kg/m 2 回復期リハ病棟での訓練 PT(4 単位 ): 関節可動域訓練 ( 四肢 ) 起立着 席回数 ( 平均 ± 標準偏差 )75.6±22.2 回 / 日 歩 行訓練 ( 長下肢装具 ) OT(3 単位 ):ADL 訓練 ( 食事 整容 排泄 更衣 ) ST(2 単位 ): 視覚 性抹消課題訓練 構音訓練 表面筋電図測定 : 方法と結果 方法: 様々な訓練動作を 10 回反復に左右大腿直筋の活動電位 (mv) を記録した 記録波形から (a) 左大腿直筋の最大活動電位 (b) 右大腿直筋の最大活動電位 (c)a+b を求めた 結果:(a/b/c) 1 起立着席 (0.97/0.85/1.92) 2 臥位殿部挙上 (1.18/0.39/1.57) 3 歩行訓練 (1.23/0.24/1.47) 4 階段降段 (0.68/0.21/0.89) 5 階段昇段 (0.57/0.17/0.74) 6 臥位膝伸展挙上 (0.50/0.17/0.67) 7 座位膝伸展 (0.20/0.06/0.26) 8 立位 (0.19/0.04/0.23) 9 臥位 (0.03/0.03/0.06) 10 座位 (0.03/0.02/0.05) 考察 本症例では急性期よりリハを実施したが廃用性筋力低下を生じていた 回復期リハで起立着席訓練を中心とした三好らの片麻痺訓練プログラムに準じた訓練を行ったが PT 個別訓練内では起立着席 400 回 / 日までにも達しなかった 大腿直筋の表面筋電図からみると起立着席訓練は他の訓練動作に比べて大腿直筋の最大活動電位の和が高く 大腿直筋の廃用性筋力低下に対し他の訓練より起立着席訓練は有用である可能性がある 臥位殿部挙上でも大腿直筋の最大活動電位の和が高く ベッド上で安全に実施可能であり 自主訓練に活用できる なお 本症例の体重減少は 後に診断された併存した悪性疾患によるものである事が判明した ~ 21 ~

23 14. 免荷式歩行器を用いた頸椎症性脊髄症症例へのアプローチ 西野遼太 林直樹 社会医療法人同仁会耳原総合病院 key words: 頸椎症性脊髄症 免荷式歩行器 随意運動 今回 頸椎症性脊髄症により下肢に重度の 麻痺をきたし歩行困難となった症例を担当し た 実用的な歩行獲得を目指し 免荷式歩行 器を用いたアプローチを行った症例について 二ヶ月間 (X+93 日 ) 介入した経過を報告する 症例紹介 70 代前半女性 体重 80kg BMI32.7 と肥満 体形 既往歴は肝硬変 肝性脳症などがある 半月ほど前から徐々に頸部 ~ 左上肢痺れ 下 腿の怠さが増悪し X 日に歩行困難となり当 院救急搬送された X+1 日より急性期 PT が介 入し介助にて起立 移乗が可能となるも再度 麻痺が増悪 X+22 日に椎弓切除術 (C4-6) を施 行され 徐々に筋出力向上 ADL 向上のため X+36 日 回復期病棟へ転入となった 理学療法評価 初回評価では意識レベル JCSⅠ-1 で傾眠傾 向 FIM 運動項目では 13 点とほぼ全介助であ った 上肢機能は比較的良好であり 手指の 屈曲伸展は不完全だが肩 肘関節は MMT で 4 レベル 下肢は急性期で認められていた自動 運動が全く認められず 転入後 4 日目にして GMT1~2 レベルの自動運動が認められた 上 下肢とも筋緊張は亢進しており両側とも足ク ローヌス陽性であった 下肢感覚は表在が大 腿 下腿で中等度鈍麻 足部は重度鈍麻 運 動覚は股関節 膝関節 足関節で重度鈍麻で あり 可動域全体を動かせば判断可能だが細 かい動きは感じられない状態であった 理学療法プログラム 経過 意識障害の改善につれ 下肢自動運動出現 X+44 日には GMT で伸展方向 4 レベル 屈曲方 向は弱く 2 レベルであり 起立は重度介助で あった また肝硬変から腹水が貯留 徐々に腹部膨満感の訴えが強くなるとともに下肢の筋緊張も亢進傾向にあった 感覚は改善してきており 表在 深部共に軽度鈍麻であった 理学療法プログラムとして OKC での神経筋再教育 CKC の動作として起立訓練 筋緊張亢進に対して徒手療法と運動イメージを用いて軽減を図った また脊髄損傷後の歩行に関して伊佐らは 随意的な運動を行うような訓練を行うことによって 皮質脊髄路や網様体脊髄路から脊髄固有ニューロンに至る経路に可塑性を誘導する必要がある としている そのため早期より免荷式歩行器を用いて随意的な歩行訓練を行っていく必要があると考え 起立訓練と並行し X+78 日より開始した 初回は 3m 歩行し右立脚期に膝折れが認められた その後 腹部膨満感の訴えから積極的に行えなかったが訴えに合わせ計 4 回実施した その結果 中間評価では FIM 運動項目 20 点 起居 : 見守り~ 軽介助 起立 : 軽介助 移乗 : 重度介助 ( 右下肢振り出し可も左下肢は困難 ) 歩行 : 免荷式歩行器を用いて 5m となった 考察 回復期病棟転入後 自動運動が認められない状態から徐々に筋出力向上 約 1.5 ヶ月で軽介助にて起立可能となるまで向上した その経過から 実用的な歩行獲得を目標とし 早期より随意的な動作として免荷式歩行器を用いて歩行訓練を実施した 徐々に歩行距離は延長していたが内科疾患の影響もあり積極的な実施はできず また歩行に強い努力性を要するため上下肢共に筋緊張も亢進傾向にあった 随意的な動作として歩行訓練を行ってきたが 内科疾患のコントロール状況も考慮しながら背臥位や端座位などレベルを下げた動作が望ましかった可能性も考えられる 参考文献 伊佐正 脊髄損傷に対する治療戦略 : 皮質脊髄路の可塑性と随意制御の回復 脳 21 Vol.16 No ~ 22 ~

24 15. 視床出血を発症後 自宅退院に向けた介助量の軽減に難渋した一症例 ~ 重度の運動麻痺 高次脳機能障害を呈した患者を経験して ~ 松下竜也小川真司 社会医療法人生長会ベルピアノ病院 Key words: 視床出血 自宅退院 高次脳機能障害 今回 右視床出血を発症し 高次脳機能障 害 左片麻痺を呈した症例を担当した 介入 当初は重度の高次脳機能障害 運動麻痺があ ったが リハビリ加療により基本動作の介助 量が軽減し 自宅退院となった その経過に ついて報告する 症例紹介 70 歳代女性 X 年 Y 月 Z 日に右視床出血 ( 脳 室穿破 ) を発症し A 病院へ入院となり 保存 加療を行った 42 病日にリハビリテーション 目的で当院に転院し 理学療法を開始した 16 年前に脳幹梗塞を発症していたが後遺症 はなく ADL は自立していた 自宅退院に対 し 家族はトイレ動作の自立を希望していた 理学療法評価およびアプローチ 初期評価 (42~54 病日 ) では FIM は 20 点で あった また 意識障害があり JCSⅠ-3 であ った 頸部は常に右回旋しており 左側から の刺激に対する反応が乏しく 左半側空間無 視が疑われた 紙面上の検査は指示理解が乏 しく 実施困難であった 運動麻痺はブルン ストロームステージテスト ( 以下 BRS-T) 上下 肢 手指 Ⅰ であった 開眼はしているものの 口頭指示に対する反応が乏しく 基本動作は 全介助レベルであった プログラム内容とし ては 意識障害の改善を目的として 離床時 間の確保や 長下肢装具を使用しての歩行訓 練など下肢への荷重訓練を中心に実施した 中間評価 (98~112 病日 ) では FIM は 33 点であ った 意識状態は JCSⅠ-1 となり 口頭指示 に対する反応がみられるようになった 基本 動作は寝返り ~ 起き上がり動作が中等度介助レベル 端座位保持は軽介助レベル 移乗動作は重度介助レベルとなり 意識障害の改善がみられたことにより 全体的に介助量が軽減した しかし 運動麻痺 半側空間無視は残存しており 左上下肢に対しての認識が乏しく 介助が必要であった 中間評価後の治療プログラムとしては 左上下肢への感覚入力を目的として 歩行訓練の他に左側への起居動作や端座位での左側へのリーチ動作など 左側への認識を促す訓練などを実施した また 意識障害の改善によって口頭指示に対する反応の向上がみられたため 基本動作練習の際は運動学習を目的として 手順や口頭指示を統一した 結果 最終評価 (138~147 病日 ) では FIM は 39 点であった JCS0 BRS-T 下肢 Ⅱと改善がみられた また 線分抹消試験は 36/36 点と半側空間無視の改善が見られ 頸部もほぼ正中を向いている状態であった 基本動作は寝返り ~ 起き上がり動作が軽介助レベル 端座位保持は見守りレベル 移乗動作は中等度介助レベルとなった 在宅復帰にあたり 全体的に動作の介助が必要な状態であったが 家族に対しての介助指導を行い 自宅退院となった 考察 本症例において 介助量が軽減した要因として 初期から早期離床 端座位 歩行訓練を行い意識状態の改善が見られたこと 中期から左側からの刺激の入力を増やしたことで左半側空間無視の改善が見られたと考えられる また 網本らは 半側空間無視の改善には覚醒状態の改善が必要であり それに対し 早期からの歩行訓練が重要だと述べている さらには 残存している言語野に対し 口頭指示での入力を増やしたことで左下肢への認識や運動学習に繋がり 全体的に介助量軽減につながったと考えられる ~ 23 ~

25 16. 立ち上がり 歩行中心の訓練 ~ 歩行が改善した症例 ~ 中村輝 山下美沙子 社会医療法人ペガサス 馬場記念病院 Key word: 脳卒中 片麻痺 歩行 右片麻痺 感覚障害 非麻痺側下肢の筋力低 下があり歩行に介助を要していた症例に 立 ち上がり 歩行訓練を実施した 症例 45 歳女 病前 ADL 自立 左中大脳動脈領域の 脳梗塞 3 病日に脳浮腫のため減圧開頭術 5 病日リハ開始 5 病日 JCS3 右片麻痺 MMT: 上肢 1 手指 1 下肢 1 左 MMT: 上肢 3 手指 3 下肢 3 感覚障害 : 右上下 肢表在 深部ともに重度鈍麻 平行棒歩行中 等度 ~ 最大介助 立ち上がり訓練 10 回 / 日 AFO+ 膝伸展装具装着し 歩行訓練平行棒 30m/ 日 FIM:18 点 42 病日に頭蓋形成術 52 病 日 回復期病棟へ転院 52 病日 JCS1 右片麻痺 MMT:111 左 MMT:444 感覚 障害 : 右上下肢表在 深部ともに重度鈍麻 平行棒歩行中等度 ~ 最大介助 起居 移乗 座位 立ち上がり 歩行訓練行い 立ち上が り 15 回 / 日 AFO+ 膝伸展装具装着し 歩行訓 練平行棒 60m FIM:36 点 なお 左上下肢に ついては廃用による筋力低下と判断した 68 病日 右片麻痺 MMT:111 左 MMT:444 感覚障害 : 右上下肢表在 深部ともに重度鈍麻 HHD: 左 大腿四頭筋力値 18.2kgf 体重比 31% 平行棒 歩行中等度介助 右膝折れ及び右前足部引っ かかりがある FIM:45 点 非麻痺側下肢の 筋力低下に着目し 立ち上がり 歩行訓練中 心の内容に変更 68 病日 ~98 病日 疲労度確認しながら立ち上がり訓練を 20 回 5/ 日 AFO+ 膝伸展装具装着し 歩行訓練平行棒 100m 5/ 日 98 病日 右片麻痺 MMT:112 左 MMT:555 感覚障害変化なし HHD: 左大腿四頭筋力値 36.2kgf 体重比 61% 四点杖歩行監視 FIM:72 点 考察 本症例は右片麻痺 感覚障害 非麻痺側下肢の筋力低下により歩行に介助が必要な状態であった 非麻痺側下肢の筋力低下に注目して 立ち上がり 歩行を実施した 感覚障害に変化はなかったが右片麻痺の改善 非麻痺側下肢の筋力が増加し歩行能力が改善した ~ 24 ~

26 17. 肩甲骨体部骨折に対する理学療法の一経験例 鈴木克弥 田中直樹 医療法人いずみ会阪堺病院 Key words: 肩甲骨体部骨折 リスク 関節 可動域制限 肩甲骨骨折は全骨折の 1% 程度であり 比較 的稀な骨折である 今回 右肩甲骨骨折を呈 し保存療法を選択した症例を経験したため その経過及び考察を報告する 症例紹介 44 歳男性 平成 X 年 Y 月 転倒右肩を強打し 受傷 約 1 ヵ月の三角巾 バストバンドでの固 定後 外来リハビリテーション開始 疼痛は 軽減していたものの 肩関節に重度の可動域 制限を呈していた 初期評価 受傷後 34 病日 右肩関節の関節可動域は屈曲自動 30 / 他 動 120 内旋 ( 自動 )1 st 70 /2 nd 40 外旋 ( 自 動 )1 st 5 /2 nd 5 と著明な可動域制限を認め た 筋力 MMT(manual muscle testing 以下 MMT) は棘上筋 3(P)(Pain 以下 P) 棘下筋 3(P) 肩甲 下筋 5 小円筋 3(P) であった 疼痛は関節可動 域訓練時や腱板の筋力増強訓練時に 上腕二 頭筋 棘下筋に収縮時痛が NRS(Numerical Rating Scale 以下 NRS)2/10 であった 座位ア ライメントは右肩峰軽度下制 骨頭前方偏移 肩甲骨軽度外転 上方回旋位 肩関節屈曲動 作は肩関節屈曲 肘関節屈曲 肩甲骨挙上 体幹側屈 伸展しており代償動作を認めた 受傷による筋損傷や固定期間による廃用性の 腱板の筋力低下 また固定による広背筋や大 円筋の伸張性低下を引き起こし収縮時痛の出 現を認めたと考えた そのため 腱板の作用 が乏しく 上腕二頭筋が過度に収縮していた ことにより疼痛 可動域制限を引き起こして いる状態と考えた 理学療法 肩甲骨の離開や転位のリスクを考慮し 疼 痛を誘発しない程度での肩甲骨周囲のリラクゼーション 肩甲胸郭関節への可動域訓練を実施した また 腱板の筋力低下により可動域制限 疼痛が出現していると考えたため肩甲上腕関節の可動域訓練 腱板の筋力増強訓練を主に実施した 受傷後 55 病日のCTにて転位がなかったため 肩甲骨周囲へのリラクゼーション 肩甲胸郭関節の可動域訓練に対しての介入時間を増加した 最終評価 受傷後 112 病日右肩関節の関節可動域は屈曲自動 155 / 他動 160 内旋 ( 自動 )1 st 70 /2 nd 60 外旋 ( 自動 )1 st 20 /2 nd 35 と可動域の改善を認めた Speed s test Combined Abduction Test Horizontal Flexion Testは陽性 筋力 (MMT) は棘上筋 4 棘下筋 4(P) 肩甲下筋 5 小円筋 4(P) 大 小菱形筋 4(P) 僧帽筋下部 4 前鋸筋 4であった 疼痛は肩峰下での痛みが NRS1/10 残存していた 座位アライメントは骨頭の前方偏移や肩甲骨外転位が減少 肩関節屈曲動作は肘関節の屈曲 肩甲骨挙上 体幹側屈 伸展の代償動作の減少を認めたが 肩甲骨の外転 上方回旋が少なく 肩甲骨内転 後傾の代償動作が残存した 結果 考察 約 3ヵ月の理学療法実施後 肩関節の関節可動域は改善を認めたが代償動作は残存している状態であった 肩甲骨の離開や転位に注意し肩甲骨周囲のリラクゼーション 腱板の筋力増強訓練を低負荷で実施したため 可動域制限 疼痛が残存したことが代償動作残存の要因と考えられた 信原らは 肩甲骨体部骨折は一般的に転位のリスクが少なく局所の腫脹や運動時痛が主に症状として現れる また 棘上筋 棘下筋 肩甲下筋に血腫形成が起こり 腱板断裂と同様の挙上障害が出現すると述べている そのため 受傷早期から腱板へのリラクゼーションや筋力増強訓練を行い肩甲上腕関節や肩甲胸郭関節の可動域訓練を積極的に行うべきであったと考えられる ~ 25 ~

27 18. 踵骨骨折後の歩行開始時に膝に疼痛が出現し難渋した 1 症例 明渡崇之 村井悟 医療法人紀和会正風病院 Key words: 踵骨骨折 歩行 疼痛 右橈骨遠位端骨折, 左踵骨骨折 ( 保存療法 ) を呈した症例を担当し, 左踵部の荷重時痛が 消失した後, 歩行時に左膝関節内側部に疼痛 が出現し,ADL 再獲得に難渋した一症例につ いて考察を加え報告する 症例紹介 女性,70 歳代後半 身長 147cm, 体重 54kg, BMI 25m 2 /kg 自宅階段で足を滑らせて転落 し右橈骨遠位端骨折, 左踵骨骨折を受傷 受傷 5 日後に近医受診し骨折の診断受けず 鎮痛薬処方のみで帰宅, 受傷 2 週目に疼痛増 悪の為, 他院受診し X-p 検査により骨折確認 され手術目的で入院 糖尿病コントロール不 良により保存療法となり, 受傷 6 週目に当院 転院となる 当院入院時は, 右下肢と左上肢 を使用する事で車イス自走, 起立動作, 移乗 動作が自立 入院前 ADL は自立 X-p 画像 から左足部は Bohler 角 0 に扁平化, 触診に より浮腫, 足底腱膜の硬さを認めた 評価と理学療法 初期評価での関節可動域 (R / L) は, 股関 節伸展 (10 / 5 ), 膝関節伸展 (-15 / -15 ), 足関節背屈 (20 / 10 ), 底屈 (50 / 30 ) 外返し (15 / 5 ), 徒手筋 力検査 (R / L) は, 大殿筋 (3 / 2), ハムス トリングス (4 / 4), 中殿筋 (3 / 2), 前脛骨 筋 (5 / 4), 下腿三頭筋 (4 / 2-) であった 左足部は, シーネ固定による免荷期間 (8 週 ) を経て, ヒールサポート装着で全荷重歩 行練習開始 荷重開始時は, 左下肢の初期接 地 ( 以下,IC) から立脚中期 ( 以下,MSt) にかけて踵部に荷重時痛 (NRS 3/10) が生じ ていたが, 左踵骨の骨癒合進行に伴い踵部の 荷重時痛が消失した 歩行では, 転倒防止の為に T 字杖を使用 右橈骨遠位端骨折による手関節変形癒合の影響で右手関節荷重不可の為, 左手把持とした 左 IC は足部外転, 足関節回内位で足底接地し, 左 MSt で脛骨が内反して外側へ動揺する Lateral thrust が生じていた 左立脚後期 ( 以下,TSt) の踵離地では, 左足関節底屈時に骨盤左後方回旋, 脛骨外反 (knee- in), 左足関節底屈, 回内が生じていた 歩行時に出現する左膝関節内側部の疼痛 (NRS 2~7/10) は, 左 MSt から TSt に移行する際に生じていた X-p 検査の結果, 両側の膝蓋大腿関節の裂隙が狭小化し, 膝蓋骨が外側変位した膝蓋大腿関節症である事が分かった そこで, 歩行練習を控え, 左膝蓋骨の mobilization, 左大腿四頭筋 ( 特に内側広筋 ) に対する OKC training, 左下腿三頭筋に対する CKC training を実施する事とした 結果, 膝関節内側部に生じていた疼痛は, 一時的に消失し, T 字杖での歩行練習を再開した しかし,1 週後に再び疼痛が出現 (NRS 2/10) した為, 積極的に歩行練習を実施することが困難となった 退院時, 左膝関節の疼痛は残存していたが, 屋内歩行は T 字杖自立, 屋外歩行はシルバーカー自立で自宅復帰した 考察 左踵骨骨折による Bohler 角減少に伴う外傷性偏平足を認めた 偏平足に伴う Windlass mechanism 破綻の為, 左 TSt での足関節底屈が困難 ( 構造上の左下腿三頭筋機能不全 ) となり, 踵離地時に骨盤左後方回旋の代償運動が出現したと考える 代償運動の出現に伴う下降性の運動連鎖とは相対する脛骨外反が生じ, 相対的に膝関節が外反する それにより膝関節に内旋ストレスがかかり, 緊張したた腸脛靭帯によって外側広筋が伸長され 膝蓋骨外側変位が増強し, 膝関節内側部にストレスが生じて疼痛が出現したと考えられる ~ 26 ~

28 19. 小脳 橋梗塞により右片麻痺を呈した一症例 - 麻痺側立脚期に着目して - 北村正規 湯川智史 社会医療法人頌徳会日野病院 Key words: 脳梗塞 運動失調 歩行 今回 頸動脈狭窄症の治療において頸動脈 ステント置換術 ( 以下 CAS) を施行され術中に 体幹の失調症状 右片麻痺を呈した患者を担 股関節周囲筋のアプローチにより 歩行動作 の改善がみられたため結果および考察を報告 する 発表にあたり症例に同意を得た 症例紹介 80 歳代男性 入院前 ADL 独歩自立 既往歴は 慢性心不全 狭心症 CAS 術中に呂律困難出 現し右小脳外側部 左橋底部に梗塞が確認さ れた 発症から 20 病日より当院へ転院 リハ ビリテーション開始となる 主訴は 右足が 踏ん張りにくく歩きにくい であった 理学療法評価 20 病日後 運動 FIM45 点 動作全般に軽介助 が必要 BRS Ⅳ-Ⅳ-Ⅳ 表在感覚左右差なし 深部感覚右下肢軽度鈍麻 Gross muscle test( 以下 GMT) 体幹屈曲 回旋 2 右下肢屈 曲 伸展 2 Scale for the Assessment and Rating of Ataxia( 以下 SARA)31/40 点で運動 失調を認め Functional Assessment for Control of Trunk( 以下 FACT)8/20 点 躯幹協 調機能検査体幹機能ステージ Ⅲ 荷重量 ( 体 重 48kg 記載は右 / 左 )18/30 kg 右下肢最大荷 重 30kg 歩行では 10m 歩行 2 分 06 秒 (77 歩 )T 字杖三動作揃え型で軽介助が必要 右立脚初 期で腰椎前弯増強と同時に股関節屈曲の増大 による体幹の前方への崩れがみられ 右立脚 初期 ~ 中期で体幹軽度前傾位での体幹右側屈 右股関節屈曲 内転 内旋し骨盤右後方回旋 の増大がみられ後方のふらつきによる転倒傾 向がみられた 本症例は歩行時右立脚期にお 右小脳 左橋に脳梗塞を発症し 右上下肢 当した 歩行時麻痺側立脚期に着目し 体幹 いて右殿筋群の筋緊張低下 四肢 体幹失調症状に加え右腹斜筋群の筋緊張低下 腰背筋の筋緊張亢進などから右下部体幹 骨盤の不安定性により右下肢の支持性が低下し歩行動作の安定性 安全性を阻害していると考えた 理学療法プログラム それらの事から体幹 股関節周囲筋に対しアプローチを実施 プログラム内容は端座位にて骨盤前後傾運動 坐骨荷重促通 リーチ動作で腹斜筋群 殿筋群の筋収縮 大腿四頭筋 ハムストリングスの同時収縮を促し立ち上がり 立位練習へとつなげ重心移動練習 ステップ練習 歩行練習を行い右腹斜筋群 殿筋群の筋緊張低下の改善を目的とした運動療法を実施した 結果 介入より 69 病日後 運動 FIM63 点 SARA 13/40 点と運動失調の改善を認め FACT 14/20 点 躯幹協調機能検査体幹機能ステージ Ⅱ GMT 体幹 3 右下肢屈曲 伸展 3 荷重量 22/26 kg 最大荷重 47kg と向上を認めた その他変化なし 動作の変化として 右立脚期で股関節伸展運動の出現 骨盤右後方回旋の増大によるふらつき軽減 右殿筋群 腹斜筋群の筋緊張低下は認められたが初期評価時に比べ筋緊張の改善がみられ 腰背筋の筋緊張亢進も軽減していた 結果として 10m 歩行 秒 (47 歩 )T 字杖三動作前型見守りとなった 考察 本症例は右腹斜筋群 殿筋群の筋緊張低下を認め 歩行動作で右下部体幹 骨盤の不安定性が生じていた 渡邊らによると 一側下肢への体重移動において 体重移動側における内腹斜筋および外腹斜筋の働きは骨盤の前後方向の安定性に関与し 体幹を垂直に保持する作用がある と述べている 今回 右腹斜筋群 殿筋群の筋緊張低下の改善を目的としたアプローチを実施した結果 右下部体幹 骨盤の安定性向上に伴い歩行動作の改善に至ったと考える ~ 27 ~

29 20. 腓骨遠位端骨折後 関節可動域制限により競技復帰困難を呈した症例 ~ 運動器エコーを含めた評価 治療 ~ 長井優貴 植田篤史 医療法人いずみ会阪堺病院 関節可動域制限 日頃の臨床で 足関節骨折後の関節可動域 ( 以下 ROM) 制限に難渋するケースをたびた び経験する そこで 今回運動器エコー ( 以下 エコー ) を用いて病態把握から治療アプロー チに反映させることで 早期 ROM 改善し 競技復帰が可能であったため その経過及び 考察をここに報告する 症例紹介 経過 36 歳女性 右腓骨遠位端骨折 5/17 テニスプレー中 着地の際に内反強制 され受傷 その後当院受診し 保存療法とな った 主治医の治療方針は以下参照 5/18 ギプス固定 免荷 6/22 ギプスカット 底背屈 ROM 開始 1/2 荷重開始 6/29 全荷重開始 7/13 内外反 ROM 開始 9/1 内外反方向以外の競技動作が可能 9/28 競技動作が可能 ( 制限なし ) 理学療法評価 エコー所見 ROM( 足関節 ) 右 / 左 ( ) 6/22 8/24 背屈 ( 膝伸展位 ) -10/15 15/15 背屈 ( 膝屈曲位 ) -10/20 20/20 底屈 45/60 60/60 触診より 距骨の脛腓骨に対する後下方へ Key words: 腓骨遠位端骨折 運動器エコー の滑り込みが少なくなっていた また 視診 触診より 右内 外果部周囲の腫脹が認めら れた 徒手筋力検査 (6/22) より 足関節背屈 4 底屈 2+ 以上 足趾屈曲 4 伸展 4 であった 1/2 荷重時に荷重に伴う下腿の前傾により アキレス腱付着部に伸張感が生じていた エコー所見 (6/29) として 足関節他動底背屈運動に伴う Kager s fat pad( 以下 KFP) の移動距離が健側と比較し少なく アキレス腱 踵骨間への移動が制限されていた また 長母趾屈筋 ( 以下 FHL) 遠位の滑走性低下も観察された さらに 視診 触診 エコー所見より Pretalar fad pad( 以下 PFP) の腫脹を確認した 9/1 時点でスクワット動作時に足関節前面 ヒールアップ動作時にアキレス腱付着部の違和感が生じており 競技の類似動作での症状が残存していた 問題点 足関節の背屈 ROM 制限はエコー画像所見から FHL の滑走性低下 KFP の柔軟性低下により距骨の脛腓骨に対する滑り込み不全と考える さらに PFP の腫脹により足関節背屈 ROM 制限 違和感 筋出力低下が生じていると考える アキレス腱付着部の伸張感は 荷重時の下腿前傾に伴う FHL KFP の滑走が障害されたことで生じたと考える また 競技動作時の違和感に対しては KFP PFP の問題が残存しているためと考える 治療アプローチ エコー上問題となっていた部位に対して超音波療法を行った FHL のアプローチは 組織間のリリースとストレッチを行った また KFP のアプローチは 足関節底背屈運動に合わせて 徒手での誘導 圧迫及びストレッチを行った PFP の腫脹に対して 通常の足関節及び足趾の自動運動に加え 足関節背屈位での足趾自動伸展運動を行った 結果 考察 治療介入後 エコー所見から FHL の滑走性及び KFP の柔軟性 PFP の腫脹の改善が観察できた このことから 足関節 ROM 筋出力が改善し 競技動作中の違和感が消失した 競技動作中の違和感に対して エコーを用いて局所的な介入を行うことで 症状が改善し 競技復帰が可能になったと考える ~ 28 ~

30 21. 精神科病院での若年者大腿骨頸部骨折術後の経験 平河剛史 辻畑智広 医療法人杏和会阪南病院 Key words: 自殺企図 精神障害 二次障害 精神疾患を背景に自殺企図による大腿骨頸 部骨折術後の患者を経験する機会を得た 希 死念慮に配慮し 心身機能に着目して理学療 法を行い 一定の効果を得たので報告する 症例紹介 16 歳女性 身長 163cm 体重 51.8kg 本人 の出生前が両親離婚し 12 歳頃母が他界 伯 母との同居後 暴力行為あり 14 歳頃 統合 失調症 自閉症スペクトラム障害と診断され る 独居で高校に通っていたが 生活リズム の乱れが強まり その修正を目的に当院に入 院 しかし 退院前試験外泊の際に将来を悲 観したことから抑うつ気分が高まり 高さ 6m の歩道橋から飛び降りて救急病院に搬送され た 右大腿骨頸部骨折を含む多発外傷と診断 され 右大腿骨頸部骨折に対し Compression Hip Screw を施行した 第 29 病日に当院へ転 院となり 同日より理学療法が開始された 経過 術後のレントゲン正面像では右大腿骨頸部 内側骨皮質の連続性が絶たれ 近位骨片が内 方に位置する不安定型骨折であり 右大腿骨 頸部に 13mm の短縮を認めた 理学療法を 15 単位 / 週の頻度で実施し 第 90 病日頃には疼 痛は Numerical Rating Scale( 以下 NRS) にて右股関節周囲 3 0 点 徒手筋力計 ( モー ビィ MT-100 酒井医療社製 ) による膝関節伸 展筋力は右 kgf 左 kgf ADL は Barthel Index( 以下 BI) にて 点まで改善した ADL 能力向上のため介入頻度を減らす提案 を行うと その時期を同じくして精神状態が 悪化し 不安や右膝関節に NRS4 点の疼痛を訴 えるようになった 投薬もリスパダールが 1mg から 2mg へ増量となる 希死念慮を把握する目的で Patient Health Questionnaire-9 ( 以下 PHQ-9) を使用し 結果は 18 点 ( 中等度 ~ 重度のうつ症状 ) であり 大人になるまで生きていない などの発言があった 本症例の姿勢は顎の突き出しと骨盤後傾 反張膝など発達障害児に特徴的な姿勢の歪みがあり 両膝関節は過伸展及び軽度屈曲位で支持が確保され 両膝関節伸展 0 度や軽度屈曲位では保持が著しく困難であった 歩行では立脚中期から後期にかけての膝関節伸展が不十分となり右立脚中期に体幹右側屈と膝関節屈曲を伴う右膝関節の内側 thrust を認め 右膝関節内側に疼痛が生じていた 体幹右側屈は脚長差による影響も考えられ 右膝関節内側 thrust は右膝関節最終伸展域での支持性低下が原因であると考えた 体幹右側屈と右膝関節内側 thrust により右膝関節内側部の軟部組織に回旋と牽引の複合的な力学的ストレスが発生したことで 二次的な右膝関節内側部の疼痛が生じたと考えた 右膝関節最終伸展域での支持性向上を目的に筋力強化訓練 バランス訓練等を実施し 歩容改善への介入を試みた また精神状態を問診しながら精神科作業療法とも連携し 精神機能の向上を図った 第 145 病日には歩容は体幹右側屈 右膝関節内側 thrust が減少し 右膝関節の疼痛が NRS4 0 点 PHQ-9 は 18 5 点に改善した 考察 膝関節の疼痛に関して身体機能に起因する二次障害によるものか 精神状態の変化による身体機能への影響によるものか判断することは困難であるが 身体面 精神面 生活歴も含めた理学療法の展開が重要であった 自殺企図による身体面への治療には総合的医療が必要であり 再発予防に向けても各診療科との連携や他職種によるチームの介入が必要になる ~ 29 ~

31 22. 認知低下により昼夜逆転し自宅復帰困難となった一症例 山口礼奈西野遼太 社会医療法人同仁会耳原総合病院 Key words: アルツハイマー型認知症 昼夜逆転活動意欲低下 [ はじめに ] 今回認知症症状により昼夜逆転し 歩行能力低 下した症例に対し 在宅復帰するための問題点 を抽出しアプローチを行った それにより 認 知症の周辺症状が減少し 日中の活動量を増や すことができたため以下に報告する [ 症例 ] 82 歳男性要介護 1 診断名はアルツハイマ ー型認知症 妻 息子 2 人と同居している 75 歳頃から認知症症状がみられた 登山 散歩が 趣味であったが 徐々に外出機会が減り 自宅 で過ごす時間が増えていった 本症例の昼夜逆 転が原因で妻が肺炎となり その間ショートス テイを利用するも臥床時間が長く歩行能力が低 下し 老人保健施設への入所となり 短期集中 リハビリを受けることとなった [ 初期評価 ] 性格は怒りっぽく活気 意欲がない状態であっ た 妻からは元は温厚で物静かな性格であった ため 上記の症状は認知症の周辺症状にあたる ものと推測できる 移動は独歩自立だが 歩行 開始時ふらつきがみられた トイレへ頻回に行 き 居室 食堂の場所間違い 臥床傾向で活動 意欲の低下 リハビリ 食事の拒否がみられた 改訂長谷川式簡易知能評価スケール ( 以下 HDS-R)6 点で減点項目は 記銘力 重度の短期 記憶低下であった 認知症老人の日常生活自立 度は Ⅱb 障害認知症高齢者の日常生活自立度は A1 であった 妻は 夜に寝てほしい と希望さ れており 家族からの情報 生活状況から 生 活リズムの改善 日中の活動量を増やすことを 目標とし リハビリ介入した [ 治療プログラム ] 週 5 回の運動療法として応用 屋外歩行訓練 階段昇降訓練を実施した それらの運動療法を実施するにあたり 関わり方の工夫 認知症リハビリと生活リハビリを導入した 関わり方としてユマニチュードの考えをもとに目線は正面 毎回自己紹介することで認識を促し 話す内容は短く 身体に触れることで安心感を与えた 認知症リハビリは回想法と学習療法で記憶力の改善を図った 生活リハビリでは朝に新聞を読むこと 昼食後に計算ドリルをやってもらうことで朝と夜の認識と離床時間延長を目的として実施した [ 考察 ] 介入時の関わり方を工夫した結果 一緒に運動する人 という認識がうまれ 介入拒否なく運動療法を実施することができた 生活リハビリを導入することで日中の活動量が増え 朝と夜の区別ができたことで昼夜逆転の改善に繋がった しかし認知症リハビリの回想法では本人の思い出の写真などを見ながら話を促したがうまく深めていくことができなかった 生活の中での変化はみられるも 認知症老人の日常生活自立度はⅡb 障害認知症高齢者の日常生活自立度は A1 と変化はなく HDS-R は 10 点と改善はみられたが 結果は重度の認知症の判断となった [ おわりに ] 認知症症状と性格を見分けることで その方に最適なアプローチを選択することが必要であると学んだ また家族への関わり方の指導 認知症への理解 認知面が低下しないような生活リズムを他職種と家族と協力して提案していくことが重要であると学んだ ~ 30 ~

32 23. 片麻痺患者への肩甲帯へのアプローチにて歩行能力が向上した一症例 発表者 : 酒井悠理子 近藤佳子 所属 : 社会医療法人清恵会清恵会三宝病院 Key words: 片麻痺 肩甲帯 歩行 今回 脳梗塞を発症し 左片麻痺を呈した 症例を担当した 下肢 体幹部へのアプロー チを中心に行っていたが 歩行動作能力の大 きな改善はみられなかった そこで 1 ヶ月間 肩甲帯へのアプローチを行った アプローチ を行うことで歩行能力が向上した その結果 および考察について報告する 症例紹介 75 歳 男性 X 年 12 月 25 日に右前頭頭頂 葉脳梗塞発症 翌年 2 月 20 日に療養病棟に転 院される 既往歴に慢性腎不全あり 数年前 より週 3 回の透析加療中 病前については独 歩にて ADL IADL ともに自立されていた 第 47 病日 SIAS:63 点 ( 上肢機能 筋緊張 ROM 非麻 痺側機能に減点あり ) MMT: 左上肢 MMT3 左 下肢 MMT4 レベル 可動域 : 左肩関節屈曲 90 外転 90 左股関節伸展 0 左足関節背屈 0 感覚障害 高次機能障害はなし 歩行については独歩見守り ~ 軽介助レベル 左立脚期初期より両肩甲帯屈曲位 ( 左 > 右 ) 体幹屈曲 左回旋位 体幹とともに骨盤は左 回旋しており後傾している 左股関節 膝関 節は屈曲であり そのまま伸展運動が見られ ず 後方重心のままであり 立脚中期から後 期にかけて後方にふらつく場面がみられ 近 位見守りは必須な状態である 10m 歩行では T 字杖見守りにて 秒である 歩行時に体幹が屈曲 左回旋位であり 股 関節 膝関節が軽度屈曲位である そのため 訓練としては立位での股関節 膝関節の伸展 運動を促していたが 殿筋や内側広筋などの 筋活動は乏しい状態であった そこで台など に上肢を置き 上肢を安定させることで下肢筋の出力の向上が見られた このことより上部体幹や肩甲帯に注目し 訓練を行った 訓練内容 左肩甲帯を中心とした可動域訓練を行い 他動運動より肩甲帯周囲筋への感覚入力を行っていく 端座位にて 体幹の抗重力伸展活動を促していき 菱形筋 広背筋の活動を促し肩甲骨セッティング等を行い肩甲帯のアライメント修正を行った また立位でのステップ訓練等においても 弾性包帯や上肢での支持位置を考慮し 肩甲骨軽度内転 下方回旋位でのステップ訓練等を行った 第 77 病日 SIAS:69 点 ( 第 47 病日目に比べ 上肢機能 筋緊張に改善あり ) MMT については変化なし 可動域 : 左肩関節屈曲 100 外転 100 歩行については 4 月 8 日に比較すると 左立脚初期から左の肩甲帯屈曲 体幹屈曲角度軽減見られた 骨盤後傾角度も軽減見られており また立脚中期にかけて股関節 膝関節の伸展方向への動きも見られ 後方重心が軽減し ふらつきが軽減みられ 独歩での安定性向上はみられた 10m 歩行についても T 字杖見守りにて 秒である 考察 本症例は左上肢の筋力低下が著明に見られており 特に左菱形筋の低下が見られていた 安静時より左肩甲骨外転 上方回旋位であり 体幹屈曲位となりやすい状態となっていた そのため 歩行においても肩甲骨外転 上方回旋位であるため 体幹屈曲位となり 股関節 膝関節の伸展運動を阻害していると考えた 左肩甲帯へのアプローチを行った結果 開始時に比べ左肩甲骨外転 上方回旋が軽減し 体幹の抗重力伸展活動も得られた その結果 歩行において股関節 膝関節の伸展運動がみられ 後方重心が軽減し 前方への推進力が得られることで 10m 歩行においても改善がみられたと考えられる ~ 31 ~

33 24. 腰椎圧迫骨折後遅発性麻痺を呈した症例に対する全人的在宅復帰支援 渡邊晃紘 土山秀樹 医療法人いずみ会阪堺病院 Key words: 退院支援 家屋調査 介護保険 サービス調整 今回 第 4 腰椎圧迫骨折後遅発性麻痺を呈し 長期の床上安静期間を経過した症例を通して 在宅への全人的復帰を目指した退院支援を経 験したため 報告する 症例報告 80 代女性 エレベーター付きマンション 9 階にて独居で生活されており 基本的日常生 活活動 ( 以下 ADL) は独歩にて自立 X 年 4 月中 旬に自宅で転倒し 5 月初旬に立位 歩行困難 となり加療目的で当院入院 理学療法開始時点で体幹 両下肢全体的に徒 手筋力テスト 2~3 レベルの著名な筋力低下認 め 立位保持困難 一時は歩行器歩行自立す るも 6 月下旬より臀部痛増強し起立困難とな る その後 第 4 腰椎圧迫骨折後遅発性麻痺 と診断され 主治医より安静度床上安静へ変 更となる 下旬後方除圧固定術施行 経過 評価 6 月下旬に疼痛出現後 坐骨神経痛様の所見 を認め 画像所見上 第 4 腰椎の圧潰 L4 L5 神経根の圧迫を認めた 術後は疼痛消失し 下肢の筋力 ADL は徐々に向上したが改善は緩 徐であり 杖歩行自立時点での Functional reach test( 以下 FRT)10cm Timed up and go test ( 以下 TUG)29 秒 57 であり屋内移動の基準 は満たすも 転倒カットオフ値を大きく下回 る状態であった 家屋調査にて 機能的自立度評価法 ( 以下 FIM)117 点であり 入浴 移動 段差昇降に減 点項目を認め 手段的 ADL は Frenchay Activities Index( 以下 FAI) で 7 点であった 家屋調査時に実施した ロコモ 25 の回答で は退院後の生活について不安な項目が散見さ ~ 32 ~ れた 家屋調査後 自宅環境を想定した段差昇降 独歩 立ち上がり等の介入を行い 退院直前 の FRT では 18cm TUG15 秒 15 となる 静的 動 的共に転倒リスク軽減を認め 入浴 段差昇 降の実用性が向上したことで FIM122 点に向上 する 退院直前に再度実施したロコモ 25 の回 答では主に屋内活動における不安を感じる動 作 活動項目が減少していた 退院支援 理学療法開始時点で娘家族との同居を提案 するも 本人と家族の意向で自宅退院方向と なる 機能改善 ADL 向上には長期間の介入が 必要であると判断し 介護保険サービスの利 用を目的に新規に要介護 3 認定を受ける その後の家屋調査を本人 介護支援専門員 改修業者同伴で行い トイレ補高 浴室戸な どの改修 シャワーチェア ベッド柵などの 福祉用具レンタル 家具配置転換を行い 上 肢支持が得られにくい家事はヘルパーを利用 することを提案した また 退院までの期間で 機能訓練に並行 し 自宅環境を想定した介入を行った 結果 9 月中旬に本人の希望に沿い杖歩行での自宅 退院となる 退院後は当院訪問リハビリ利用 にて 機能的に不十分である部位には引き続 き介入を行い 家事動作の自立 活動範囲の 拡大を支援することとし 1 か月間で FAI にて 23 点まで手段的 ADL の改善を認めた 考察 高齢者の転倒後症候群として精神的トラウマが 活動性の制限要因となり 自信喪失 不安を訴 える症例は転倒者の 50% に及ぶと報告されて おり 高齢になるほど傾向が顕著に出るとされ ている 今回 退院前に本人同伴で家屋調査や サービス調整行い 家屋内障壁の確認や改善を 行った また 自宅を想定した動作訓練や 退 院後も訪問リハビリにて生活支援を行うことが 精神的な負担軽減に至ったと考えられる

34 25. 2 型糖尿病患者に対し 教育入院にて運動療法 運動指導を行いその後血糖コントロールが改善した一症例 山口陽平 田口厚介 武内康浩 公益財団法人浅香山病院 Key words: 糖尿病 行動変容 運動指導 当院では 2015 年より血糖コントロール不 良の糖尿病 ( 以下 DM) 患者に対して教育入院 クリニカルパス ( 以下パス ) に沿って多職種で 食事療法と共に 理学療法士として運動療 法 運動指導を行うことで退院後も血糖コン トロールが改善し 運動の行動変容ステージ ( 以下ステージ ) の変化とともに日常の身体 活動量 (Physical Activity:PA, 歩数 / 日 ) が増 加した症例を担当したので報告する 症例紹介 症例は 40 歳代の女性 診断名は 2 型 DM( 腎 症 1 期 ) 併存症に高コレステロール血症 高 脂血症がある 現病歴として 10 数年前に糖尿 病と診断され 食事療法を行い 血糖コント ロールはできていた しかし 仕事を始めた ことで食生活が乱れて 体重が増加し 血糖 コントロール不良となり教育入院となった の DM 患者教育に取り組んでいる 薬物療法 投薬はアマリール ジャヌビア メトグルコ ランタス 仕事はデスクワーク中心で勤務は 週 6 日 通勤は車 週 1 回は仕事上 4.0Mets 程度の活動を行っている 理学療法評価 身長 163.8cm 体重 90.4kg BMI33.69( 肥 満 Ⅱ 度 ) 身体機能異常なし ADL IADL 自立 初回の運動に対するステージは熟考期であっ た 検査データより空腹時血糖 326mg/dl HbA1c11.3% と血糖コントロール不良が認め られた 運動指導内容 経過 本症例は 2 週間のパスであり 運動指導は 月 水 金曜日の計 6 回行った パス期間中 身体活動量計 (KENZ ライフレコーダー GS) を 終日装着し 歩数 活動量をデータ測定した 熟考期には運動療法の指導 実施 ( レジスタンストレーニングと有酸素運動 ) スモールチェンジアプローチ ( 日常生活内でわずかに行える活動に注目した技法 ) を行った また達成できる目標 ( 普段の歩数の 歩 ) を設定し できる自信をつけていただいた ステージが準備期となり 熟考期のアプローチを継続し 負荷量の増加 症例が希望された仕事場でできるチューブエクササイズを作成し指導した また最終日に身体活動量計のデータを用いてフィードバックを行った 結果 2 週間パスで PA は 1 2 回目の熟考期では平均 3335 歩 3 回目より平均 6106 歩と PA 増加した 4~6 回目の準備期では平均 8206 歩であった パス終了後 3 カ月の PA は 8000~ 歩を維持できた 検査データの変化として 初回 最終 3 ヶ月後の順に記載していく 空腹時血糖 326 mg/dl 104 mg/dl 128 mg/dl HbA1c11.3% 8.8% 6.7% と改善 体重も 90.4kg 88.6kg 87.0kg と減少し 退院後も血糖コントロールが維持できた 考察 今回 パス中とその後 3 ヶ月時点で血糖コントロールが改善 維持できた 症例にステージに合わせ運動指導 生活指導を行ったことで パス後 3 ヶ月に準備期から行動期へと変化した 武井らの研究では 短期間でのステージの変化率は塾考期から準備期への変化が 75% に対し 準備期から行動期への変化は 50% と低くなる傾向がある 行動期の基準は望ましい運動を開始することであり 急激な身体活動の増加による疼痛出現や 達成困難な目標による運動中断が起こる可能性がある 本症例が準備期から行動期に移行できた理由として 準備期で段階的な身体活動の増加が推奨されているので 症例に合った目標設定と生活に合わせた運動指導を行えたことで退院後も改善 維持できたと考えられる ~ 33 ~

35 第 9 回堺市ブロック新人症例発表会運営委員一覧 大会長林誠二 ( 清恵会三宝病院 ) 副大会長射場一寛 ( 清恵会第二医療専門学院 ) 準備委員長北口拓也 ( 大阪労災病院 ) 企画係藤田修平 ( 近畿大学医学部堺病院 ) 松川訓久 ( 堺市立総合医療センター ) 立花慶太 ( 大阪労災病院 ) 千崎大樹 ( 浅香山病院 ) 永井智貴 ( ベルランド総合病院 ) 運営係平岩敏志 ( ペガサスリハビリテーション病院 ) 小川真司 ( ベルピアノ病院 ) 上田雄太 ( 大阪労災病院 ) 吉田湧 ( 阪和第二泉北病院 ) 小池一成 ( 阪和第二泉北病院 ) 堀奈月 ( 日野病院 ) 会場係陶器俊博 ( 清恵会三宝病院 ) 喜多淳 ( まごころ訪問看護ステーション ) 近藤晴彦 ( ベルピアノ病院 ) 永吉昌彦 ( 堺市役所長寿社会部高齢施策推進課 ) 石川麻衣子 ( 阪和第二泉北病院 ) 牧村駿 ( 阪和第二泉北病院 ) 桑山貴好 ( 介護老人保健施設みあ かーさ ) 沖田一晃 ( 正風病院 ) 事務係大谷公人 ( 清恵会三宝病院 ) 村田喜寛 ( 清恵会三宝病院 ) 田端洋貴 ( 近畿大学医学部堺病院 ) 山中悠希 ( 清恵会三宝病院 ) 西川昌利 ( ペガサスリハビリテーション病院 ) 岩本章紀 ( 日野病院 ) ~ 34 ~

36 財務係村上善一 ( ペガサスリハビリテーション病院 ) 上山亜実 ( 清恵会三宝病院 ) 吉年寛士 ( 清恵会病院 ) 白川雅仁 ( 清恵会病院 ) 監事武内康浩 ( 浅香山病院 ) 田中錦三 ( 清恵会第二医療専門学院 ) ( 順不同 ) ~ 35 ~

37 編集後記 今年度も堺市ブロック新人症例発表会を開催でき スタッフ一同大変嬉しく思っております 第 9 回となる今回はこれまでの最多となる 25 演題もの登録を頂き 急性期 回復期 維持期とさまざまな分野で堺市内の多くの施設から発表して頂くかたちとなりました これも 本症例発表会を開催するにあたりご理解 ご協力を頂いた皆様の賜物であると感じております さて 話は変わり今年さまざまな話題があった中で 注目を集めた話題の一つに人工知能 (AI) があげられるかと思います 将棋や囲碁で AI が人間に勝ったことがニュースになりましたが 世界中で AI の研究が盛んに行われ さまざまな分野で導入が試みられる情報はよく耳にするようになってきました ビッグデータを瞬時に解析する情報通信技術の発達で メリットとなる部分も多くなり 今後医療業界でもさまざまなかたちで目にする機会が増えて 共存していく時代になってくるかと思います 理学療法ではリスク管理をしっかりと行ないながら 情報収集 評価 問題点の抽出を行ない 治療を実践し その治療が効果的であるか再評価を行ないながら 目標に向かってプログラムを作成していくことが大切となります 決まりきった手順ではなく その時 その時の全身状態の変化 反応を感じながら AI では補えない理学療法を実践する知識 技術の向上 患者対応が今後必要になってくるのではないかと思います AI は あい とも読めますが 機械ではできない 人間が行える愛をもった理学療法の提供が大切となる時代となってくるのではないでしょうか 今回の新人症例発表会では さまざまな視点から質問 ご意見を頂ける機会になるかと思いますので 発表者のみならず 聴講者にとっても貴重な会になればと思います 今後の堺市ブロック新人症例検討会のさらなる発展のため ブロック運営委員一同 様々な改良に取り組んでまいりますので 皆様の積極的な参加 これからの演題登録をお待ちしています 会誌編集担当永井智貴 ~ 36 ~

2 片脚での体重支持 ( 立脚中期, 立脚終期 ) 60 3 下肢の振り出し ( 前遊脚期, 遊脚初期, 遊脚中期, 遊脚終期 ) 64 第 3 章ケーススタディ ❶ 変形性股関節症ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2 片脚での体重支持 ( 立脚中期, 立脚終期 ) 60 3 下肢の振り出し ( 前遊脚期, 遊脚初期, 遊脚中期, 遊脚終期 ) 64 第 3 章ケーススタディ ❶ 変形性股関節症ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー PT OT ビジュアルテキスト 姿勢 動作 歩行分析 contents 序ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー畠中泰彦 3 本書の使い方ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 症例紹介 脳梗塞を呈した症例の立ち上がりについて 佐藤病院リハビリテーション科理学療法士金子亜未 86 歳男性 脳梗塞 (11 月 16 日発症 ) 既往歴アルツハイマー型認知症糖尿病 高血圧 要介護 3 現病歴 他院へ向かう途中 転倒と同時に呂律障害が出現 脳梗塞 右不全麻痺 呂律障害と診断 CT 所見 (2010 年 11 月 19 日 ) CT 所見 (2011 年 1 月 4 日 ) BrS

More information

6 腰椎用エクササイズパッケージ a. スポーツ選手の筋々膜性腰痛症 ワイパー運動 ワイパー運動 では 股関節の内外旋を繰り返すことにより 大腿骨頭の前後方向への可動範囲を拡大します 1. 基本姿勢から両下肢を伸展します 2. 踵を支店に 両股関節の内旋 外旋を繰り返します 3. 大腿骨頭の前後の移

6 腰椎用エクササイズパッケージ a. スポーツ選手の筋々膜性腰痛症 ワイパー運動 ワイパー運動 では 股関節の内外旋を繰り返すことにより 大腿骨頭の前後方向への可動範囲を拡大します 1. 基本姿勢から両下肢を伸展します 2. 踵を支店に 両股関節の内旋 外旋を繰り返します 3. 大腿骨頭の前後の移 6 腰椎用エクササイズパッケージ a. スポーツ選手の筋々膜性腰痛症 胸郭リアライメント 胸郭リアライメント では 胸郭の可動性を拡大しつつ 胸郭周囲の筋緊張を軽減することを目的とします 2. 上肢と下肢が脱力できたら徐々に深い呼吸を行いま す 呼吸を10 回程度繰り返します 腕の外転運動と深呼吸 肩の外転運動と深呼吸 では 胸郭の最大限の拡張を促します 2. 両肩を適度に外転させます 肘は床から離さないようにします

More information

rihabili_1213.pdf

rihabili_1213.pdf Ⅰ 総 論 A モデル システム開発の研究検証結果より 九州労災病院 勤労者予防医療センター 豊永 敏宏 1 再就労とリハビリテーション 発症前に就業していた障害者の最大の QOL 生活の質 の獲得は再就労である そして それを支援するのが 障害者の QOL 向上を目的とするリハビリテーション医学である 図 1 リハビリテーション医学とは 日本リハビリテーション医学会作成 解説 脳卒中で緊急入院し

More information

選考会実施種目 強化指定標準記録 ( 女子 / 肢体不自由 視覚障がい ) 選考会実施種目 ( 選考会参加標準記録あり ) トラック 100m 200m 400m 800m 1500m T T T T33/34 24

選考会実施種目 強化指定標準記録 ( 女子 / 肢体不自由 視覚障がい ) 選考会実施種目 ( 選考会参加標準記録あり ) トラック 100m 200m 400m 800m 1500m T T T T33/34 24 選考会実施種目 強化指定標準記録 ( 男子 / 肢体不自由 視覚障がい ) 選考会実施種目 ( 選考会参加標準記録あり ) トラック T11 11.66 11.79 T12 11.38 11.48 T13 11.38 11.50 T33 24.93 27.44 T34 17.98 18.96 T35 14.74 15.53 T36 13.47 14.04 100m T37 12.41 12.81 T38

More information

運動療法と電気療法の併用 ~シングルケース~

運動療法と電気療法の併用 ~シングルケース~ はじめに 慢性期脳卒中への試み下肢編 ~ 運動療法と治療的電気刺激の併用効果 ~ 佐藤病院リハビリテーション科理学療法士土岐哲也 H26.5.26( 月 ) 臨床において 運動療法と併用に物理療法を用いることが多くある その中でも電気療法は中枢神経疾患の方に多く用いられている 急性期 回復期脳卒中患者に対して電気との併用効果は報告されているが 慢性期脳卒中患者への下肢への報告は少ない 先行研究 (

More information

背屈遊動 / 部分遊動 装具の良好な適合性 底屈制動 重心移動を容易にするには継手を用いる ただし痙性による可動域に抵抗が無い場合 装具の適合性は筋緊張の抑制に効果がある 出来るだけ正常歩行に近付けるため 痙性が軽度な場合に用いる 重度の痙性では内反を矯正しきれないので不安定感 ( 外 ) や足部外

背屈遊動 / 部分遊動 装具の良好な適合性 底屈制動 重心移動を容易にするには継手を用いる ただし痙性による可動域に抵抗が無い場合 装具の適合性は筋緊張の抑制に効果がある 出来るだけ正常歩行に近付けるため 痙性が軽度な場合に用いる 重度の痙性では内反を矯正しきれないので不安定感 ( 外 ) や足部外 片麻痺の異常歩行と装具の考え方 1 変形の矯正と予防 2 立脚期の安定性 3 爪先を床から離れやすくする 4 正常歩行に近付ける スタティック立脚相前半立脚中期から立脚相後半遊脚期 体幹 : 前傾位上肢 : 屈曲内旋回内掌屈下肢 : 股屈曲 膝伸展 足底屈内反 下腿三頭筋の緊張が強い 膝 股関節伸展筋力が弱い場合には骨盤を後方に引き体幹を前屈 膝を過伸展させた歩容となる 下腿三頭筋 後脛骨筋の痙性

More information

9: 105 116, 2009 A Patient with Post-stroke Left Hemiplegia Showing Pusher s Syndrome with a Fall Risk in Sitting and Standing Positions and on Standing Up Ayano TAJIRI, RPT, Masashi FUJIMOTO, RPT, Keisuke

More information

復習問題

復習問題 脳卒中の リハビリテーション 竹内 復習問題 Q1 大腿骨頸部骨折の手術方法を 決定する大きな基準 ( 分類 ) を述べてください Q2 大腿骨頸部骨折患者の 受傷から在宅療養までの 一般的流れを述べてください Q3 大腿骨頭置換術患者 の各手術法の脱臼肢 位を述べてください 1 後側方アプローチ 2 前側方アプローチ Q4 大腿骨頸部骨折患者の合併症および根本的原因を述べてください Q1 大腿骨頸部骨折の手術方法を

More information

リハビリテーション歩行訓練 片麻痺で歩行困難となった場合 麻痺側の足にしっかりと体重をかけて 適切な刺激を外から与えることで麻痺の回復を促進させていく必要があります 麻痺が重度の場合は体重をかけようとしても膝折れしてしまうため そのままでは適切な荷重訓練ができませんが 膝と足首を固定する長下肢装具を

リハビリテーション歩行訓練 片麻痺で歩行困難となった場合 麻痺側の足にしっかりと体重をかけて 適切な刺激を外から与えることで麻痺の回復を促進させていく必要があります 麻痺が重度の場合は体重をかけようとしても膝折れしてしまうため そのままでは適切な荷重訓練ができませんが 膝と足首を固定する長下肢装具を 歩行訓練 片麻痺で歩行困難となった場合 麻痺側の足にしっかりと体重をかけて 適切な刺激を外から与えることで麻痺の回復を促進させていく必要があります 麻痺が重度の場合は体重をかけようとしても膝折れしてしまうため そのままでは適切な荷重訓練ができませんが 膝と足首を固定する長下肢装具を使用することで適切な荷重訓練を行うことができます ( 図 13) 図 14は重度の右片麻痺を患った患者さんの荷重訓練をしている時の麻痺側下肢の筋活動

More information

80 武凪沙, 他 態で腰椎のわずかな右側屈により 骨盤を右挙上させ下肢を後方へと振り出す これに対し本症例は 立位姿勢から上位胸椎部屈曲位 胸腰椎移行部屈曲 左非麻痺側 ( 以下 左 ) 側屈位を呈し体幹直立位保持が困難となっていた また右股関節 膝関節が左側と比べてより屈曲していることで骨盤右下

80 武凪沙, 他 態で腰椎のわずかな右側屈により 骨盤を右挙上させ下肢を後方へと振り出す これに対し本症例は 立位姿勢から上位胸椎部屈曲位 胸腰椎移行部屈曲 左非麻痺側 ( 以下 左 ) 側屈位を呈し体幹直立位保持が困難となっていた また右股関節 膝関節が左側と比べてより屈曲していることで骨盤右下 症例報告 関西理学 16: 79 86, 2016 第 15 回関西理学療法学会症例研究学術大会大会長賞論文 日本舞踊における右下肢の後方ステップ動作時に転倒の危険性が生じた脳梗塞後右片麻痺患者の理学療法 武凪沙 藤本将志 小松菜生子 大沼俊博 1, 2) 橋谷裕太郎 渡邊裕文 早田恵乃 鈴木俊明 2) Physical therapy for a patient with right hemiplegia

More information

スライド 1

スライド 1 本日の内容 姿勢 動作観察の基本 G 制御 P 制御 関節モーメント 方向制御と瞬間中心 文京学院大学福井勉 本日の内容 姿勢 動作と運動器疾患 G 制御 P 制御 関節モーメント 方向制御と瞬間中心 姿勢 動作が原因である可能性が高いもの 変形性関節症スポーツ障害習慣 姿勢 動作が結果である可能性の高いもの 外傷手術後疼痛を有する どこが ( 最も ) 動いているのか? どこか ( 最も ) 動かないでいるのか?

More information

症例報告 関西理学 12: 87 93, 2012 右膝関節の疼痛により防御性収縮が強く歩行の実用性を低下させていた右人工膝関節全置換術後の一症例 吉田拓真 1) 山下貴之 1) 石濱崇史 2) Physical Therapy for a Patient who Had Difficulty Wa

症例報告 関西理学 12: 87 93, 2012 右膝関節の疼痛により防御性収縮が強く歩行の実用性を低下させていた右人工膝関節全置換術後の一症例 吉田拓真 1) 山下貴之 1) 石濱崇史 2) Physical Therapy for a Patient who Had Difficulty Wa 症例報告 関西理学 12: 87 93, 2012 吉田拓真 1) 山下貴之 1) 石濱崇史 2) Physical Therapy for a Patient who Had Difficulty Walking due to Pain-defense Contraction of the Right Knee Joint after Total Knee Arthroplasty Takuma

More information

000-はじめに.indd

000-はじめに.indd 2 リハビリテーション看護 (1) 概要 ア 看護部の理念 方針 理念 患者様とともにリハビリテーションのゴール 目標 を目指し できるかぎりの自立を支援 し 安全で質の高い看護を提供します 方針 1 人間の生命 人間としての尊厳および権利を尊重した看護サービスを提供します 2 リハビリテーション看護の専門性を発揮し 患者様の日常生活行動の獲得に向けて 見守る 待つ ともに考える 姿勢を持ってかかわり

More information

04_06.indd

04_06.indd 改修のポイント 3 洗面手洗いの選定 洗面手洗いの高さと大きさ車イスでの使用には 立位で使用するよりも低く設置する必要がありますが 高さは個人差が大きいので使用するご本人に模擬動作を行ってもらって決めるのが良いでしょう 洗面のサイズは 小さすぎると洗面の下のスペースも狭くなって足が入らず 洗面に手が届きにくくなります 逆に大きすぎると洗面が上体に当たり 前に手が伸ばしにくい方の場合には水栓のレバーに手が届きにくくなります

More information

2. 投球動作加速期の肘下がりに対して後期コッキング期の肩甲帯に着目した一症例吉田光一郎 ( よしだこういちろう ) つくだ整形外科リハビリテーション科 はじめに 今回, 野球肘と診断された症例を担当した. 投球動作の加速期の肘下がりを認め, 後期コッキング期の肩甲帯に着目し, 改善を認めたのでここ

2. 投球動作加速期の肘下がりに対して後期コッキング期の肩甲帯に着目した一症例吉田光一郎 ( よしだこういちろう ) つくだ整形外科リハビリテーション科 はじめに 今回, 野球肘と診断された症例を担当した. 投球動作の加速期の肘下がりを認め, 後期コッキング期の肩甲帯に着目し, 改善を認めたのでここ 1. 体幹筋に着目することで歩容の改善に繋がった一例白金葵 ( しろがねあおい ) 大西脳神経外科病院 はじめに 今回, 右放線冠ラクナ梗塞を呈した症例を担当させて頂く機会を得たのでここに報告する. 倫理的配慮 ヘルシンキ宣言に基づき, 症例に発表内容, 個人情報保護対策, 同意と撤回について説明した. 右放線冠ラクナ梗塞と診断された 60 代男性である. 検査 測定 初期より Glassgow Coma

More information

untitled

untitled 関節疾患理学療法研究会セミナー 臨床的推論に役立つ 機能解剖学 最新の知見 平成19 年 4月 28日 東京ウィメンズプラザ 主催 関節疾患理学療法研究会 http://jt-disease.hp.infoseek.co.jp/ Knee Rt 脛骨上関節面への半月周縁の固定力の違い 伸展時の半月運動制動 内側 : 半膜様筋 外側 : 膝窩筋 屈曲における半月運動と膝窩筋 膝窩筋は 半月を誘導する!?!?

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション はじめに 両側大腿骨転子部骨折を受傷した症例 ~ 画像から考える ~ 平成 31 年 3 月 18 日 ( 月 ) 佐藤病院リハビリテーション科櫻田良介 今回, 骨粗鬆症に伴う両側大腿骨転子部骨折の症例を担当させて頂いた. まだ年齢も若く, 復職も検討されている方であるため, 早期より予後予測を立てる必要があった. 画像より予後予測を推察し, 段階的に病棟の ADL を上げていく事とし, 免荷期間中でも最大限の運動量の確保を目標とした.

More information

平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2

平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2 平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅱ)(1 単位 ) 200 点 3. 脳血管疾患等リハビリテーション料

More information

Microsoft Word - p docx

Microsoft Word - p docx 12. 段階的な基本動作訓練と早期歩行訓練が重度脳卒中片麻痺患者に及ぼす効果の検証 平野恵健 1 2) 前島伸一郎 3) 大沢愛子 3) 西尾大祐 1 4) 池田誠 2) 平野めぐみ 1) 皆川知也 1) 金子亮太 1) 畑一成 1) 木川浩志 1) 1) 飯能靖和病院リハビリテーションセンター 2) 首都大学東京大学院人間健康科学研究科 3) 埼玉医科大学国際医療センターリハビリテーション科 4)

More information

13:00 第 3 セッション第 3 会場 京都大学医学部附属病院梶本泰志 11 左恥骨骨折を呈した症例について ~ 自宅復帰に向け歩行の安定性向上を目指す ~ 12 脳血管患者における注意障害にアプローチした症例 ~ 課題難易度とフィードバック教示方法に着目して ~ 京都博愛会病院 山田将太郎 和

13:00 第 3 セッション第 3 会場 京都大学医学部附属病院梶本泰志 11 左恥骨骨折を呈した症例について ~ 自宅復帰に向け歩行の安定性向上を目指す ~ 12 脳血管患者における注意障害にアプローチした症例 ~ 課題難易度とフィードバック教示方法に着目して ~ 京都博愛会病院 山田将太郎 和 13:00 第 1 セッション第 1 会場 京都きづ川病院高須梨香子 1 運動パターンの再獲得と足関節の安定化が歩容の改善に繋がり適切な荷重が可能となった症例 竹澤真智子 2 麻痺側の外果骨折を伴った脳梗塞急性期症例の治療アプローチ 京都民医連中央病院 貝瀬有妃 3 自宅における寝室とトイレ間の歩行が困難であった左大腿骨転子部骨折術後の一症例田辺記念病院 4 立位練習により意識レベル改善がみられた心原性脳塞栓症急性期の一例舞鶴医療センター

More information

2012 年度リハビリテーション科勉強会 4/5 ACL 術後 症例検討 高田 5/10 肩関節前方脱臼 症例検討 梅本 5/17 右鼠径部痛症候群 右足関節不安定症 左変形性膝関節症 症例検討 北田 月田 新井 6/7 第 47 回日本理学療法学術大会 運動器シンポジウム投球動作からみ肩関節機能

2012 年度リハビリテーション科勉強会 4/5 ACL 術後 症例検討 高田 5/10 肩関節前方脱臼 症例検討 梅本 5/17 右鼠径部痛症候群 右足関節不安定症 左変形性膝関節症 症例検討 北田 月田 新井 6/7 第 47 回日本理学療法学術大会 運動器シンポジウム投球動作からみ肩関節機能 2013 年度リハビリテーション科勉強会 4/4 接遇研修 リハビリテーション科における患者対応 接遇 勉強会 沼澤 4/11 運動器の10 年日本協会軟式野球指導者講習会 成長期のスポーツ障害 伝達勉強会 北中 4/18 リハビリテーション科定例カンファレンス カンファレンス リハビリテーション科 4/25 高周波治療器の使用方法 勉強会 INDIBA JAPAN 5/2 内側上顆骨端核障害 膝内側側副靭帯損傷

More information

【股関節の機能解剖】

【股関節の機能解剖】 異常歩行 1. 分析の方法 (1) 歩行パラメーターの計測 10m の自由に歩行できる歩行路を ( 最低でも 5~6m) を確保する. 計測の開始位置と終了位置をビニールテープなどでマーキングする. 加速と減速のために計測開始地点の前と終了地点の後にはスペースが必要である. 開始位置を越えた1 回目のイニシャルコンタクトでストップウォッチを押す. 歩数をカウントする. 終了位置のマーキングを越えた1

More information

平成 30 年度北播磨 丹波支部新人発表プログラム 平成 31 年 1 月 27 日 ( 日 ) 西脇市民会館 ( 中ホール ) 8 時 45 分 ~9 時 15 分受付 会員証にて 新人はスライドデータをPCへ移行 9 時 15 分 ~ あいさつ 諸注意等 発表 5 分質疑 2 分 9 時 30

平成 30 年度北播磨 丹波支部新人発表プログラム 平成 31 年 1 月 27 日 ( 日 ) 西脇市民会館 ( 中ホール ) 8 時 45 分 ~9 時 15 分受付 会員証にて 新人はスライドデータをPCへ移行 9 時 15 分 ~ あいさつ 諸注意等 発表 5 分質疑 2 分 9 時 30 平成 30 年度 北播磨 丹波支部 新人発表 平成 31 年 1 月 27 日 ( 日 ) 西脇市民会館 ( 中ホール ) 平成 30 年度北播磨 丹波支部新人発表プログラム 平成 31 年 1 月 27 日 ( 日 ) 西脇市民会館 ( 中ホール ) 8 時 45 分 ~9 時 15 分受付 会員証にて 新人はスライドデータをPCへ移行 9 時 15 分 ~ あいさつ 諸注意等 発表 5 分質疑

More information

9:30 受付開始 10:00 開会式 大会長 : 稲村一浩星ヶ丘医療センター 10:20 第 1セッション中枢神経系第 1セッション中枢神経系第 1セッション整形外科系第 1セッション整形外科系第 1セッション整形外科系 角実咲 : わかくさ竜間リハビリテーション病院 心原性脳塞栓症により失調症状

9:30 受付開始 10:00 開会式 大会長 : 稲村一浩星ヶ丘医療センター 10:20 第 1セッション中枢神経系第 1セッション中枢神経系第 1セッション整形外科系第 1セッション整形外科系第 1セッション整形外科系 角実咲 : わかくさ竜間リハビリテーション病院 心原性脳塞栓症により失調症状 第 9 回 北河内ブロック症例発表大会 抄録集 開催日 :2018 年 1 月 28 日 ( 日 ) 会場 : 阪奈中央リハビリテーション専門学校主催 : 公益社団法人大阪府理学療法士会担当 : 北河内ブロック 9:30 受付開始 10:00 開会式 大会長 : 稲村一浩星ヶ丘医療センター 10:20 第 1セッション中枢神経系第 1セッション中枢神経系第 1セッション整形外科系第 1セッション整形外科系第

More information

教育実践研究第3巻第1号

教育実践研究第3巻第1号 股関節人工骨頭置換術後の疼痛に対する患者教育 1 ) 菅沼惇一 Patient Education for Pain After Bipolar Hip Arthroplasty Junichi SUGANUMA ( 目的 ) 本研究は股関節人工骨頭置換術後に疼痛や恐怖を訴える患者に対して 疼痛の慢性化を防ぐために疼痛に対する教育を実施した ( 対象 ) 左大腿骨頸部骨折後に人工骨頭置換術を施行した70

More information

脊髄損傷を呈した症例 ~必要なことは何か~

脊髄損傷を呈した症例 ~必要なことは何か~ 頚椎症性脊髄症を既往に持つ左大腿骨頚部骨折を呈した症例 佐藤病院リハビリテーション科 理学療法士高麗夏実 はじめに 今回 頚椎症性脊髄症を既往に持つ左大腿骨頚部骨折を呈した症例を担当させていただいた 初めて脊髄疾患の患者さんに介入させていただく機会を 得た 筋力単体ではなく運動学習を中心に介入した 退院後検診 居宅サービス計画書により退院後の生活を 知ることができた 評価 介入方法 サービスの考え方など

More information

公益社団法人大阪府理学療法士会堺市ブロック 第 10 回堺市ブロック新人症例発表会を開催するにあたって 平成 30 年 6 月 18 日に大阪府北部を震源とする地震 また 9 月 3 日の台風 21 号の上陸による大阪湾周辺では記録的な暴風や高潮による浸水のため甚大な被害が発生し 堺市内に勤務されて

公益社団法人大阪府理学療法士会堺市ブロック 第 10 回堺市ブロック新人症例発表会を開催するにあたって 平成 30 年 6 月 18 日に大阪府北部を震源とする地震 また 9 月 3 日の台風 21 号の上陸による大阪湾周辺では記録的な暴風や高潮による浸水のため甚大な被害が発生し 堺市内に勤務されて 公益社団法人大阪府理学療法士会 第 10 回堺市ブロック新人症例発表会 大仙公園日本庭園写真提供 : 堺市 日時 : 平成 31 年 1 月 27 日 ( 日 ) 午前 9:50 開演 ( 受付 9:15~) 場所 : 労働者健康安全機構大阪労災病院管理棟 3 階大ホール 主催 : 公益社団法人大阪府理学療法士会堺市ブロック 公益社団法人大阪府理学療法士会堺市ブロック 第 10 回堺市ブロック新人症例発表会を開催するにあたって

More information

対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復

対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復 石川県立中央病院整形外科 堀井健志高田宗知島貫景都菅沼省吾虎谷達洋引地俊文安竹秀俊 対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復 骨折型 :Pipkin 分類 Pipkin. JBJS 39-A. 1957 Type 1 Type

More information

兵庫県理学療法士会 尼崎支部 平成 30 年度 新人発表会 [ 開催日時 ] 平成 31 年 1 月 27 日 ( 日 )12:45~ [ 会場 ] 関西労災病院

兵庫県理学療法士会 尼崎支部 平成 30 年度 新人発表会 [ 開催日時 ] 平成 31 年 1 月 27 日 ( 日 )12:45~ [ 会場 ] 関西労災病院 兵庫県理学療法士会 尼崎支部 平成 30 年度 新人発表会 [ 開催日時 ] 平成 31 年 1 月 27 日 ( 日 )12:45~ [ 会場 ] 関西労災病院 平成 30 年 阪神南尼崎支部の活動報告 2 月 4 日 ( 日 ) 新人発表会 全 39 演題新年会も開催!! 2 月 13 日 ( 火 ) 支部勉強会 テーマ リハビリテーションにおけるリスク管理 ~ 呼吸循環を中心に ~ 講師 :

More information

図表 リハビリテーション評価 患 者 年 齢 性 別 病 名 A 9 消化管出血 B C 9 脳梗塞 D D' E 外傷性くも幕下出血 E' 外傷性くも幕下出血 F 左中大脳動脈基始部閉塞 排尿 昼夜 コミュニ ケーション 会話困難 自立 自立 理解困難 理解困難 階段昇降 廊下歩行 トイレ歩行 病

図表 リハビリテーション評価 患 者 年 齢 性 別 病 名 A 9 消化管出血 B C 9 脳梗塞 D D' E 外傷性くも幕下出血 E' 外傷性くも幕下出血 F 左中大脳動脈基始部閉塞 排尿 昼夜 コミュニ ケーション 会話困難 自立 自立 理解困難 理解困難 階段昇降 廊下歩行 トイレ歩行 病 大阪 転倒転落の要因と分析 B 福岡メディカル研究会 座長 株式会社メディカルクリエイト表パートナー 遠山 峰輝 : 北山 后子 はじめに 背景と目的 社会の変化とともに医療界の事故がマスコミなどにより大き 今回 転倒 転落 を選択した理由は 患者の自発行 く取りざたされるようになってきた 訴訟も年々増加の傾向に 動による転倒転落が 占めるという理由 そして患者に与え ある 昨年より厚生労働省も各施設に安全管理委員会の設置

More information

人工膝関節置換術後にデュシャンヌ歩行を呈した患者に OKC で 筋力増強訓練を実施した症例 右大腿骨人工骨頭置換術後 股関節痛に対して骨盤 体幹に 介入し疼痛軽減を認めた症例 北川拓弥 三好卓弘 社会医療法人医真会八尾総合病院 金起徹 永井勝 宅間幸祐 八尾はぁとふる病院 Key word: 人工膝

人工膝関節置換術後にデュシャンヌ歩行を呈した患者に OKC で 筋力増強訓練を実施した症例 右大腿骨人工骨頭置換術後 股関節痛に対して骨盤 体幹に 介入し疼痛軽減を認めた症例 北川拓弥 三好卓弘 社会医療法人医真会八尾総合病院 金起徹 永井勝 宅間幸祐 八尾はぁとふる病院 Key word: 人工膝 第 8 回中河内ブロック新人症例発表会平成 30 年 1 月 28 日 ( 日 ) U コミュニティホテル 時間 スケジュール 9:30~ 受付開始 9:50~ ブロック長挨拶 10:00~12:00 症例発表第 1 部 ( 運動器疾患 ) 12:00~13:00 昼休憩 (1 時間程度 ) 13:00~14:00 教育講演 認知症の人の理解と対応の基本 ~ 理学療法士だからこそできる支援 ~ 土井敏之氏

More information

2011ver.γ2.0

2011ver.γ2.0 Rehabilitation after Anterior Cruciate Ligament Reconstruction In any rehabilitation, the important factor is your belief. Without belief there can be no successful outcome. TABLE OF CONTENTS Continued

More information

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ リハビリテーションに関わる 医療 福祉の仕組み NTT 東日本関東病院 総合相談室 ソーシャルワーカー井手宏人 リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように

More information

30 MEP潜時 CMCT 図3 MEP潜時とCMCT MEP潜時では86%で, CMCTでは59%で延長がみられた CMCT)を算出した2) 健常者に同様の検査を行っ 定後に不調や症状の悪化を訴える症例はなく, たデータを正常値(上肢CMCT:8.0±1.Oms, 検査による合併症は認めなかった 下肢CMCT:14.4±1.lms,上肢末梢潜時: 頚髄症の手術症例216例においてJOAスコア 12.9±0.7ms,下肢末梢潜時:23.4±1.0ms)と

More information

脳梗塞により右片麻痺を呈した症例に対し麻痺側遊脚期の改善により杖歩行が獲得できた 症例 発表者中村大悟 ), 藤井良憲 2) ) 医療法人吉栄会吉栄会病院理学療法士 2) 医療法人吉栄会吉栄会病院医師 はじめに 脳梗塞により右片麻痺を呈した症例に対し 非麻痺側への重心移動に伴う右下肢の振り出しの運動学習を行った結果 遊脚前期で振り出しが安定し 杖歩行動作の獲得と ADL 能力向上に繋がったので報告する

More information

6F 80 周年記念ホール 4F 402 教室 2F 202 教室 9:00 受付開始 9:30 開会式 学術局長 : 千葉 一雄 大阪医療福祉専門学校 大会長 : 権藤 要 星ヶ丘医療センター 9:40 第 1セッション 神経系 第 1セッション 神経系 第 1セッション その他 内部障害 1 左

6F 80 周年記念ホール 4F 402 教室 2F 202 教室 9:00 受付開始 9:30 開会式 学術局長 : 千葉 一雄 大阪医療福祉専門学校 大会長 : 権藤 要 星ヶ丘医療センター 9:40 第 1セッション 神経系 第 1セッション 神経系 第 1セッション その他 内部障害 1 左 第 7 回 北河内ブロック症例発表大会 抄録集 開催日 :2016 年 1 月 24 日 ( 日 ) 会場 : 四條畷学園短期大学清風学舎主催 : 公益法人大阪府理学療法士会担当 : 北河内ブロック 6F 80 周年記念ホール 4F 402 教室 2F 202 教室 9:00 受付開始 9:30 開会式 学術局長 : 千葉 一雄 大阪医療福祉専門学校 大会長 : 権藤 要 星ヶ丘医療センター 9:40

More information

摂食嚥下訓練 排泄訓練等を開始します SCU で行うリハビリテーションの様子 ROM 訓練 ( 左 ) と端坐位訓練 ( 右 ) 急性期リハビリテーションプログラムの実際病棟訓練では 病棟において坐位 起立訓練を行い 坐位耐久性が30 分以上となればリハ訓練室へ移行します 訓練室訓練では訓練室におい

摂食嚥下訓練 排泄訓練等を開始します SCU で行うリハビリテーションの様子 ROM 訓練 ( 左 ) と端坐位訓練 ( 右 ) 急性期リハビリテーションプログラムの実際病棟訓練では 病棟において坐位 起立訓練を行い 坐位耐久性が30 分以上となればリハ訓練室へ移行します 訓練室訓練では訓練室におい 急性期リハビリテーションとは 一昔前までは 脳血管障害で片麻痺などの障害を発症した患者さんは まず一般病院に入院し 安静 加療の後リハビリテーション専門病院に転院してから ゆっくりとリハビリテーションをして行くという考え方が一般的でした 最近では 急性期から無理のない範囲で可能な限り体を動かすことがその後の機能回復に大変良いことが医学的に証明され 脳血管障害のリハビリテーションは急性期より開始することが重要であることが認識されるようになりました

More information

脳卒中に関する留意事項 以下は 脳卒中等の脳血管疾患に罹患した労働者に対して治療と職業生活の両立支援を行うにあ たって ガイドラインの内容に加えて 特に留意すべき事項をまとめたものである 1. 脳卒中に関する基礎情報 (1) 脳卒中の発症状況と回復状況脳卒中とは脳の血管に障害がおきることで生じる疾患

脳卒中に関する留意事項 以下は 脳卒中等の脳血管疾患に罹患した労働者に対して治療と職業生活の両立支援を行うにあ たって ガイドラインの内容に加えて 特に留意すべき事項をまとめたものである 1. 脳卒中に関する基礎情報 (1) 脳卒中の発症状況と回復状況脳卒中とは脳の血管に障害がおきることで生じる疾患 事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン参考資料 脳卒中に関する留意事項 脳卒中に関する留意事項 以下は 脳卒中等の脳血管疾患に罹患した労働者に対して治療と職業生活の両立支援を行うにあ たって ガイドラインの内容に加えて 特に留意すべき事項をまとめたものである 1. 脳卒中に関する基礎情報 (1) 脳卒中の発症状況と回復状況脳卒中とは脳の血管に障害がおきることで生じる疾患の総称であり

More information

理学療法科学 22(1):33 38,2007 特集 脳卒中における機能障害と評価 Impairments and their Assessment in Stroke Patients 望月久 1) HISASHI MOCHIZUKI 1) 1) Department of Rehabilitat

理学療法科学 22(1):33 38,2007 特集 脳卒中における機能障害と評価 Impairments and their Assessment in Stroke Patients 望月久 1) HISASHI MOCHIZUKI 1) 1) Department of Rehabilitat 理学療法科学 22(1):33 38,2007 特集 脳卒中における機能障害と評価 Impairments and their Assessment in Stroke Patients 望月久 1) HISASHI MOCHIZUKI 1) 1) Department of Rehabilitation, Tokyo Metropolitan Bokutoh Hospital: 4 23 15,

More information

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に 高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に関節疾患 5 位が骨折 転倒であり 4,5 位はいずれも運動器が関係している 骨粗しょう症のメカニズムの解明

More information

運動器検診マニュアル(表紙~本文)

運動器検診マニュアル(表紙~本文) 学校における運動器検診マニュアル 群馬県教育委員会 群馬県医師会 目 次 Ⅰ 学校における運動器検診の背景 ページ 1 子どもの体力低下とスポーツ障害の現状 1 2 国の動き 1 3 運動器検診の目的 2 Ⅱ 運動器検診の流れ 1 運動器検診の流れ 3 2 問診票 3 3 運動器検診前の事前整理 3 4 学校医による検診 3 5 事後措置 ( 専門医療機関の受診 学校への報告等 ) 8 Ⅲ 様式 1

More information

5 月 22 日 2 手関節の疾患と外傷 GIO: 手関節の疾患と外傷について学ぶ SBO: 1. 手関節の診察法を説明できる 手関節の機能解剖を説明できる 前腕遠位部骨折について説明できる 4. 手根管症候群について説明できる 5 月 29 日 2 肘関節の疾患と外傷 GIO: 肘関節の構成と外側

5 月 22 日 2 手関節の疾患と外傷 GIO: 手関節の疾患と外傷について学ぶ SBO: 1. 手関節の診察法を説明できる 手関節の機能解剖を説明できる 前腕遠位部骨折について説明できる 4. 手根管症候群について説明できる 5 月 29 日 2 肘関節の疾患と外傷 GIO: 肘関節の構成と外側 日付 時限 4 月 10 日 2 変形性関節症 ( 総論 ) GIO: 変形性関節症について学ぶ SBO: 1. 変形性関節症の病態について説明できる 変形性関節症の成因について説明できる 変形性関節症のX 線所見を説明できる 4. 変形性関節症の治療について説明できる 4 月 17 日 2 骨 関節の炎症 (RA 感染症 ) GIO: 骨 関節感染症および関節リウマチを理解する SBO: 1. 化膿性骨髄炎を説明できる

More information

2015年 土浦ブロック新人症例検討会

2015年 土浦ブロック新人症例検討会 土浦ブロックリハビリテーション学術集会 ( 第 4 回新人症例検討会 ) プログラム 抄録集 期日 :2018 年 2 月 2 日 ( 金 ) 会場 : 総合病院土浦協同病院 会議室 (2 階カンファレンス室 ) 主催 公益社団法人茨城県理学療法士会 公益社団法人茨城県理学療法士会土浦ブロック 抄録集に関する資料やデータは 各自責任を持って破棄をお願いします 2017 年度土浦ブロックリハビリテーション学術集会

More information

332 理学療法科学第 22 巻 3 号 I. はじめに脳卒中後遺症者などの中枢神経系障害を持つ患者が示す臨床像は, 環境への適応行動が阻害され, その基盤となる姿勢制御の障害は著しい 理学療法士がその構成要素 (Components) を明確にし, 再構築のために運動療法を行っていくことは必須であ

332 理学療法科学第 22 巻 3 号 I. はじめに脳卒中後遺症者などの中枢神経系障害を持つ患者が示す臨床像は, 環境への適応行動が阻害され, その基盤となる姿勢制御の障害は著しい 理学療法士がその構成要素 (Components) を明確にし, 再構築のために運動療法を行っていくことは必須であ 理学療法科学 22(3):331 339,2007 特集 中枢神経系障害の姿勢制御機構に対するアプローチ Assessment and Treatment for Postural Control Mechanism due to a Lesion of the Central Nervous System 佐藤博志 1) HIROSHI SATO 1) 1) Department of Rehabilitation,

More information

運動学習不良な患者に対し エロンゲーショントレーニングを取り入れた一症例守谷慶友病院リハビリテーション科理学療法士加藤磨美キーワードエロンゲーショントレーニング筋力増強運動学習不良 はじめに 左足関節骨折による両松葉杖歩行時に転倒し 左股関節頚部骨折 人工骨頭置換術を施行した症例を担当した 症例は運

運動学習不良な患者に対し エロンゲーショントレーニングを取り入れた一症例守谷慶友病院リハビリテーション科理学療法士加藤磨美キーワードエロンゲーショントレーニング筋力増強運動学習不良 はじめに 左足関節骨折による両松葉杖歩行時に転倒し 左股関節頚部骨折 人工骨頭置換術を施行した症例を担当した 症例は運 右大腿骨転子部骨折を受傷し, 心因的な影響が大きく, 術後荷重に難渋した症例坂巻勇斗総合守谷第一病院キーワード : 無意識的, 大腿骨転子部骨折, 課題指向型アプローチ はじめに 術後の侵襲で生じる疼痛により, 患側への荷重が困難になるケースも少なくない. また, 既往に骨折等が無い場合, 荷重に対する恐怖感はより大きくなることが考えられる. 今回, 右大腿骨転子部骨折を受傷し, 術後荷重に難渋した症例へ課題指向型アプローチを行ったことにより,

More information

Template

Template 京都在宅リハビリテーション研究会誌第 12 巻 基調講演 平澤泰介 1)2), 木村篤史 1)2) 2), 小西倫太郎 1) 明治国際医療大学医学教育研究センターリハビリテーション科学ユニット 2) 明治国際医療大学附属病院総合リハビリテーションセンター Ⅰ. はじめに 2016 年の厚生労働省の調査では, 日本人の平均寿命は女性 87.14 歳, 男性 80.98 歳となり, いずれも過去最高を更新している.

More information

札幌鉄道病院 地域医療連携室だより           (1)

札幌鉄道病院 地域医療連携室だより           (1) 1 2 リハビリ室 主任理学療法士 夏目 健文 筋力評価は スポーツ外傷や障害の予防 メディカルトレーニングの進歩 状況を把握し スポーツ活動への復帰を判断する上で欠かせません 当院で行っている膝関節の筋力測定評価方法について紹介いたします リハビリテーション室では 整形外科疾患の術前術後の患者さ ん 外来受診の患者さんに対して筋力測定器による筋力評価を行 っています 筋力測定器は CybexNORM(サイベックスノルム)

More information

Clinical Indicator 2016 FUNABASHI MUNICIPAL REHABILITATION HOSPITAL

Clinical Indicator 2016 FUNABASHI MUNICIPAL REHABILITATION HOSPITAL Clinical Indicator 2016 FUNABASHI MUNICIPAL REHABILITATION HOSPITAL 1 入院 4 1- Ⅰ リハビリ実施単位数 単価 4 1 患者 1 人 1 日あたりのリハビリ単位数 年別 4 2 疾患別リハビリ単位数 年別 ( 脳血管 運動器 廃用 ) 4 3 スタッフ配置数 4 1- Ⅱ 退院患者 5 1 疾患別患者数 5 2 年齢 性別構成

More information

のモチベーションを上げ またボールを使用することによって 指導者の理解も得られやすいのではないかと考えています 実施中は必ず 2 人 1 組になって パートナーがジャンプ着地のアライメントをチェックし 不良な場合は 膝が内側に入っているよ! と指摘し うまくいっている場合は よくできているよ! とフ

のモチベーションを上げ またボールを使用することによって 指導者の理解も得られやすいのではないかと考えています 実施中は必ず 2 人 1 組になって パートナーがジャンプ着地のアライメントをチェックし 不良な場合は 膝が内側に入っているよ! と指摘し うまくいっている場合は よくできているよ! とフ 4 大見頼一 スポーツ傷害予防チームリーダー 日本鋼管病院リハビリテーシ ョン科理学療法士 保健医療学修士 これまでの解説を踏まえ 今回はトレーニングをどのように行うかについて 写真を使いながら説明していく ンに考えております 前回は 予防トレーニングのポイ よって予防トレーニングの目的 ントについて解説したので 今回か は 1 正しいジャンプ着地動作の習 らはいよいよトレーニングの実際に 得 2

More information

紀要 Vol 6.indb

紀要 Vol 6.indb 左立脚初期で左側方への転倒傾向を認めた右小脳出血患者の一症例 右立脚中期以降の同側体幹筋の筋収縮の遅延に着目して 症例報告 左立脚初期で左側方への転倒傾向を認めた右小脳出血患者の一症例 右立脚中期以降の同側体幹筋の筋収縮の遅延に着目して - 吉岡芳泰 1) 米田浩久 2) 高田毅 1) 鈴木俊明 2) 1) 玉井整形外科内科病院 2) 関西医療大学保健医療学部臨床理学療法学教室 要旨歩行の左立脚初期に転倒傾向を認め

More information

質疑回答 [ 肢体不自由 ] ( 肢体不自由全般 ) 1. 各関節の機能障害の認定について 関いずれか一方が該当すれば 認定可能で節可動域 (ROM) と 徒手筋力テスト (MMT) ある で具体例が示されているが 両方とも基準に該当する必要があるのか 2. 身体障害者診断書の 肢体不自由の状況 及

質疑回答 [ 肢体不自由 ] ( 肢体不自由全般 ) 1. 各関節の機能障害の認定について 関いずれか一方が該当すれば 認定可能で節可動域 (ROM) と 徒手筋力テスト (MMT) ある で具体例が示されているが 両方とも基準に該当する必要があるのか 2. 身体障害者診断書の 肢体不自由の状況 及 [ 肢体不自由 ] ( 肢体不自由全般 ) 1. 各関節の機能障害の認定について 関いずれか一方が該当すれば 認定可能で節可動域 (ROM) と 徒手筋力テスト (MMT) ある で具体例が示されているが 両方とも基準に該当する必要があるのか 2. 身体障害者診断書の 肢体不自由の状況 及び所見 の中の 動作 活動 評価は 等級判定上 どのように取り扱うべきか 動作 活動 欄は 主として多肢機能障害又は体幹機能障害を認定する際に

More information

行為システムとしての 歩行を治療する 認知神経リハビリテーションの観点

行為システムとしての 歩行を治療する 認知神経リハビリテーションの観点 行為システムとしての歩行を治療する認知神経リハビリテーションの観点 人間はなぜ歩くのか? NPO 法人子どもの発達 学習を支援するリハビリテーション研究所理事長高橋昭彦 アフリカで誕生した我々の祖先は長い月日をかけて世界中に渡っていった 最先端のリハビリテーション? 我々が回復を目指すべきものは 歩行動作か行為としての歩行システムか? 人間は外部刺激によって制御される 操り人形 ではない! この問題に答えられない患者に

More information

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会 第 3 章保健指導対象者の選定と階層化 (1) 保健指導対象者の選定と階層化の基準 1) 基本的考え方生活習慣病の予防を期待できる内臓脂肪症候群 ( メタボリックシンドローム ) の選定及び階層化や 生活習慣病の有病者 予備群を適切に減少させることができたかを的確に評価するために 保健指導対象者の選定及び階層化の標準的な数値基準が必要となる 2) 具体的な選定 階層化の基準 1 内臓脂肪型肥満を伴う場合の選定内臓脂肪蓄積の程度を判定するため

More information

< プログラム > 第一部 座長 : 羽村三慶病院坂本洋介 ( 発表 7 分 質疑 5 分 ) 1) 回覧板に書いても恥ずかしくない文字を書きたい症例 ~ 生活行為向上マネジメントを用いた介入を試み~ 羽村三慶病院作業療法士井上直樹 小笠原一登 2) 調理訓練を拒否する症例に対する調理活動再開に至る

< プログラム > 第一部 座長 : 羽村三慶病院坂本洋介 ( 発表 7 分 質疑 5 分 ) 1) 回覧板に書いても恥ずかしくない文字を書きたい症例 ~ 生活行為向上マネジメントを用いた介入を試み~ 羽村三慶病院作業療法士井上直樹 小笠原一登 2) 調理訓練を拒否する症例に対する調理活動再開に至る 西多摩リハビリテーション研修会主催 2017 年度 症例検討会抄録集 日時 :2018 年 2 月 23 日 ( 金 )18:30~20:30 会場 : 公立福生病院多目的会議室 < プログラム > 第一部 座長 : 羽村三慶病院坂本洋介 ( 発表 7 分 質疑 5 分 ) 1) 回覧板に書いても恥ずかしくない文字を書きたい症例 ~ 生活行為向上マネジメントを用いた介入を試み~ 羽村三慶病院作業療法士井上直樹

More information

姫路市勤労市民会館アクセス概要図 姫路市勤労市民会館 姫路市中地 354 番地 TEL: ( 神姫バスの方は ) 姫路駅北口のりばより 系統に乗車 総合スポーツ会館前下車 ( お車の方は ) 姫路バイパス中地ランプ出口を北へ 300m( 約

姫路市勤労市民会館アクセス概要図 姫路市勤労市民会館 姫路市中地 354 番地 TEL: ( 神姫バスの方は ) 姫路駅北口のりばより 系統に乗車 総合スポーツ会館前下車 ( お車の方は ) 姫路バイパス中地ランプ出口を北へ 300m( 約 平成 29 年度 中播磨ブロック 新人発表会 プログラム 抄録集 日時 : 平成 30 年 1 月 21 日 ( 日 ) 9:45~ 受付開始 10:30~ 新人発表会開始場所 : 姫路市勤労市民会館展示室 姫路市勤労市民会館アクセス概要図 姫路市勤労市民会館 670-0976 姫路市中地 354 番地 TEL:079-298-3331 ( 神姫バスの方は ) 姫路駅北口のりばより 27 28 29

More information

訪問介護事業所の役割 1 訪問介護計画や手順書への記載居宅サービス計画に通院介助及び院内介助の必要性が位置付けられている場合に限り 訪問介護サービスとして 介助が必要な利用者が 自宅から病院 受診手続きから診察 薬の受け取り 帰宅までの一連の行為を円滑に行うために訪問介護員が行うべき援助内容を訪問介

訪問介護事業所の役割 1 訪問介護計画や手順書への記載居宅サービス計画に通院介助及び院内介助の必要性が位置付けられている場合に限り 訪問介護サービスとして 介助が必要な利用者が 自宅から病院 受診手続きから診察 薬の受け取り 帰宅までの一連の行為を円滑に行うために訪問介護員が行うべき援助内容を訪問介 6 訪問介護における通院介助及び院内介助の取扱い 訪問介護サービスは 利用者の 居宅において 提供されるサービスのため 居宅以外の場所だけで行われる介助は介護保険サービスとして認められません 居宅サービスとして認められるには 居宅において行われる外出先へ行くための準備行為を含む一連のサービス行為とみなされることが必要です そのため居宅介護支援事業所や訪問介護事業所の役割として確認すること 記録すること

More information

症例発表する意義について 大阪市北ブロック新人症例発表会大会長 大阪市北ブロックブロック長 山下彰 大阪市北ブロックでは学術技能を研鑽し 区域における理学療法技術の普及向上を図ると共に 区民の保健 医療 福祉の発展に寄与することを大きな目的としております 平成 27 年で理学療法士は 13 万人を越

症例発表する意義について 大阪市北ブロック新人症例発表会大会長 大阪市北ブロックブロック長 山下彰 大阪市北ブロックでは学術技能を研鑽し 区域における理学療法技術の普及向上を図ると共に 区民の保健 医療 福祉の発展に寄与することを大きな目的としております 平成 27 年で理学療法士は 13 万人を越 第 7 回大阪市北ブロック新人症例発表会 会期平成 28 年 1 月 24 日 ( 日 ) 会場大阪コロナホテル 主催公益社団法人大阪府理学療法士会大阪市北ブロック 症例発表する意義について 大阪市北ブロック新人症例発表会大会長 大阪市北ブロックブロック長 山下彰 大阪市北ブロックでは学術技能を研鑽し 区域における理学療法技術の普及向上を図ると共に 区民の保健 医療 福祉の発展に寄与することを大きな目的としております

More information

方向の3 成分を全て合成したもので 対象の体重で除して標準化 (% 体重 ) した 表 1を見ると 体格指数 BMI では変形無しと初期では差はなく 中高等度で高かった しかし 体脂肪率では変形の度合が増加するにつれて高くなっていた この結果から身長と体重だけで評価できる体格指数 BMI では膝 O

方向の3 成分を全て合成したもので 対象の体重で除して標準化 (% 体重 ) した 表 1を見ると 体格指数 BMI では変形無しと初期では差はなく 中高等度で高かった しかし 体脂肪率では変形の度合が増加するにつれて高くなっていた この結果から身長と体重だけで評価できる体格指数 BMI では膝 O 新潟県健康づくり スポーツ医科学センター 動作分析事業の分析例 診療及び健康運動指導 研究編 1 変形性膝関節症患者の歩行分析 ~ 床反力の検討 ~ 変形性膝関節症 ( 膝 OA) は 膝関節面上の軟骨がすり減り 関節面が変形する疾患である 関節面の変形が進行するにつれて痛みが強まり 立ち座りや歩行等の生活動作に支障が生じる 日本国内における膝 OA の人口はX 線による診断でも 1,700 万人

More information

村上 ほか:片 麻痺 に対す る短下肢装具 の適応基準 2-2 反張膝 反張 膝 は立 脚 中期 か ら後期 にみ られ,下 肢 の支 持 性 の コ ン トロー ル が不 十 分 な場 合 に,膝 関節 を 最 大 伸 展 し軟 部 組 織 に よ る支 持 性 を求 め る結 果 と して起 こ

村上 ほか:片 麻痺 に対す る短下肢装具 の適応基準 2-2 反張膝 反張 膝 は立 脚 中期 か ら後期 にみ られ,下 肢 の支 持 性 の コ ン トロー ル が不 十 分 な場 合 に,膝 関節 を 最 大 伸 展 し軟 部 組 織 に よ る支 持 性 を求 め る結 果 と して起 こ 村上 ほか:片 麻痺 に対す る短下肢装具 の適応基準 2-2 反張膝 反張 膝 は立 脚 中期 か ら後期 にみ られ,下 肢 の支 持 性 の コ ン トロー ル が不 十 分 な場 合 に,膝 関節 を 最 大 伸 展 し軟 部 組 織 に よ る支 持 性 を求 め る結 果 と して起 こ る-ま た慢 性 期 で は尖 足 拘 縮 の ま ま歩 行 を行 う こ とに よ って 反張 膝

More information

足部について

足部について はじめに 足部について 2018.1.7( 日 ) 世良田美紀 足部の骨はなぜ多いのか疑問に思ったため 今回は足部について考察したい また 外来患者様に対し インソールを入れることがあるが 正しく理解できていないように思った 骨形態を学習 理解し足部の役割を理解したいと思った 足とは 足関節と足部が含まれ 一般的に 1 つの機能ユニットとして考えられている 足は身体の土台として 地形変化への適合 身体平衡の保持

More information

<4D F736F F D208FE18A B8982CC8C8892E882C982C282A282C45F967B95B65F2E646F63>

<4D F736F F D208FE18A B8982CC8C8892E882C982C282A282C45F967B95B65F2E646F63> 別添 1 労災保険における関節の機能障害の評価方法及び関節可動域の測定要領 第 1 関節の機能障害の評価方法 関節の機能障害は 関節の可動域の制限の程度に応じて評価するものであり 可動域の 測定については 日本整形外科学会及び日本リハビリテーション医学会により決定された 関節可動域表示ならびに測定方法 に準拠して定めた 第 2 関節可動域の測定要領 ( 以下 測定要領 という ) に基づき行うこととする

More information

平成30年度茨城県理学療法士会

平成30年度茨城県理学療法士会 平成 30 年度茨城県理学療法士会古河 坂東ブロック新人症例検討会古河 筑西のリハビリを支える会第 8 回症例検討会プログラム 抄録集 日時 : 平成 31 年 1 月 20 日 ( 日 ) 会場 : 茨城西南医療センター病院リハビリテーション室主催 : 公益社団法人茨城県理学療法士会古河 筑西のリハビリを支える会 はじめに 医療 保健 福祉分野の関係機関の連携により 継続かつ適切なリハビリテーションの体制整備を推進するため

More information

足関節

足関節 一般撮影のおさらいと工夫 ~ 膝関節から足まで ~ 松戸整形外科病院 反町祐司 膝関節 第 24 回東葛放射線画像セミナー 1 正面 坐位で下肢を完全進展し やや内旋して外側顆および内側顆の後縁を結んだ線をフィルムに対して水平にする 膝蓋骨尖 1cm 下に頭足 10 で入射する < ポイント > 膝蓋骨は外側上顆と内側上顆の中央に描出 膝関節腔を描出 膝関節腔中央に顆間隆起を描出 腓骨頭の一部が脛骨と重複して描出

More information

平成28年9月 日

平成28年9月 日 関係各位 平成 29 年 2 月 22 日 取手 龍ケ崎ブロック理学療法士の会 鈴木猛 平成 28 年度茨城県理学療法士会主催新人症例検討会 / 取手 龍ヶ崎ブロック症例検討会 ~ 開催案内 ~ 主催 : 公益社団法人茨城県理学療法士会取手 龍ヶ崎ブロック理学療法士の会日時 : 平成 28 年 3 月 18 日 ( 土曜日 ) 14 : 00 ~ 17 : 30 会場 : 茨城県立医療大学 141

More information

麻痺側 外果骨 を伴 脳梗塞急性期症例 治療 プ チ 貝瀬有妃廣津昂 京都民医連中央病院 回, 脳梗塞発症時 転倒 麻痺側 外果骨 を伴 脳梗塞急性期 一症例を担当させ い い. 麻痺側 肢 荷重制限 あ 中 移乗動作獲得を目指 入 い 報告. 80 歳代女性. 独居. スメ 埋 込 後.X 日自宅

麻痺側 外果骨 を伴 脳梗塞急性期症例 治療 プ チ 貝瀬有妃廣津昂 京都民医連中央病院 回, 脳梗塞発症時 転倒 麻痺側 外果骨 を伴 脳梗塞急性期 一症例を担当させ い い. 麻痺側 肢 荷重制限 あ 中 移乗動作獲得を目指 入 い 報告. 80 歳代女性. 独居. スメ 埋 込 後.X 日自宅 運動パタ ン 再獲得 足関節 安定化 歩容 改善 繋 適切 荷重 可能 った症例竹澤真智子永田 学研都市病院 右 骨近 部骨折受傷後 復 た Lateral thrust っ 形成さ た 関節外旋 腿外旋 運動パタ ン 足関節底屈内 安定性 術後 歩行 影響を え 適切 荷重 困難 あった症例を担当 た 回 運動パタ ン 再獲得 足関節 安定化 歩行時 Lateral thrust 軽減 適切 荷重

More information

演題プログラム 9:45~11:05 第 1 セクション ( 会場 :E703 号室 ) 座長大阪回生病院森憲一 1. 神経系左被殻出血にて重度右片麻痺 重度失語症を呈し 家族介助下で手すり歩行獲得を目標とした一症例ボバース記念病院阪倉麻美 P.3 2. 運動器頚椎症性脊髄症により四肢麻痺を呈し 座

演題プログラム 9:45~11:05 第 1 セクション ( 会場 :E703 号室 ) 座長大阪回生病院森憲一 1. 神経系左被殻出血にて重度右片麻痺 重度失語症を呈し 家族介助下で手すり歩行獲得を目標とした一症例ボバース記念病院阪倉麻美 P.3 2. 運動器頚椎症性脊髄症により四肢麻痺を呈し 座 第 6 回大阪市北ブロック新人症例発表会 会期平成 27 年 1 月 25 日 ( 日 ) 会場会場 CIVI 研修センター新大阪東 主催社団法人大阪府理学療法士会大阪市北ブロック 演題プログラム 9:45~11:05 第 1 セクション ( 会場 :E703 号室 ) 座長大阪回生病院森憲一 1. 神経系左被殻出血にて重度右片麻痺 重度失語症を呈し 家族介助下で手すり歩行獲得を目標とした一症例ボバース記念病院阪倉麻美

More information

平成14年度

平成14年度 平成 29 年度 新人発表会 = プログラム 抄録集 = 社 ) 兵庫県理学療法士会 東播磨ブロック 日時 : 平成 29 年 2 月 4 日 ( 日 ) 午前 9:00~ 午後 3:30 会場 : 加古川中央市民病院 会場周辺図 会場までの交通はなるべく公共交通機関を ご利用ください 徒歩の場合は 加古川駅より 12 分です お車でお越しの場合は 県道 18 号線 小門 口交差点 より進入し 表示に従って駐車

More information

姿勢

姿勢 姿勢と運動 羽島市民病院リハビリテーション科 舟木一夫 平成 19 年国民生活基礎調査の概況自覚症状の状況 病気やけが等で自覚症状のある者 ( 有訴者 ) は人口 1 千人当たり 327.6 人 有訴者率 ( 人口千対 ) を性別にみると 男 289.6 女 363. 2 で女性が高い 隼齢階級別にみると 5~14 歳 の 206.6 人が最も低く 年齢階級が高くなるに従って上昇し 75~84 歳では

More information

1章-1 責了.indd

1章-1 責了.indd 1 エッセンス 3 リハの流れの理解 リハ医療の流れは, 急性期 回復期 維持期の 3 段階に分けられて考えられることが多い. また, 予防期と終末期を加えて 5 段階で表現されることもある 1,2) ( 図 1-1). 脳卒中ガイドライン 2009 3) によれば, 発症直後から, 急性期, 回復期, 維持期に渡って, 一貫した流れでリハビリテーションを行うことが勧められるが, 時期の区分についての科学的な根拠はない

More information

フレイルのみかた

フレイルのみかた 1フレイルとは? POINT OF STUDY フレイルの概念 高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し, 不健康を引き起こしやすい状態は Frailty と表現されており 1), 転倒や日常生活の障害, 要介護の発生, 死亡のリスクを増大させる要因となる. これまでは, 虚弱 や 老衰 などの用語で表現されることが多く, 心身が加齢により老いて衰え, 不可逆的な印象を与えることが懸念されてきた.

More information

和光市高齢福祉センター 介護予防トレーニング

和光市高齢福祉センター 介護予防トレーニング 大田原市介護サービス事業者連絡協議会 ケアマネージャー連絡協議会合同研修会 21-12-1 筋力低下防止に関する講演会 -高齢者に対する簡便な運動療法について- 国際医療福祉大学保健医療学部理学療法学科 下井俊典 自己紹介 理学療法士 認定理学療法士 介護予防 福祉住環境コーディネータ2級 経歴 2001 平成13 年 国際医療福祉大学保健学部 理学療法学科卒業 国際医療福祉大学クリニック デイケアセンター

More information

保発第 号

保発第 号 保発 0 2 0 9 第 1 号 平成 30 年 2 月 9 日 都道府県知事 地方厚生 ( 支 ) 局長 殿 厚生労働省保険局長 ( 公印省略 ) 療養費の支給対象となる既製品の治療用装具について の一部改正について 療養費の支給対象とすることが適当と認められる既製品の治療用装具については 療養費の支給対象となる既製品の治療用装具について ( 平成 28 年 9 月 23 日保発 0923 第 3

More information

A5 定刻に評価するためには その時刻に責任をもって特定の担当者が評価を行うことが必要 となる Q6 正看護師 准看護師 保健師 助産師以外に医師 セラピストなどが評価してもよいか A6 よい ただし 医療職に限られ 評価者は所定の研修を修了した者 あるいはその者が実施した院内研修を受けた者であるこ

A5 定刻に評価するためには その時刻に責任をもって特定の担当者が評価を行うことが必要 となる Q6 正看護師 准看護師 保健師 助産師以外に医師 セラピストなどが評価してもよいか A6 よい ただし 医療職に限られ 評価者は所定の研修を修了した者 あるいはその者が実施した院内研修を受けた者であるこ 日常生活機能評価評価項目についての Q&A 平成 20 年 6 月 10 日 全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会 事務局に寄せられた質問について回答をまとめました 厚生労働省の手引き書に加えて確認をお願いします 1. 評価する項目について Q1 A 項目についても評価しなければならないのか A1 診療報酬上の加算等については関係がないが 当会としては 日常生活機能評価の際に合わせて A 項目についても評価していただくようにお願いをしている

More information

Ø Ø Ø

Ø Ø Ø Ø Ø Ø 脳解剖について 画像 高草木薫公開資料より 小脳 水平面断での動脈支配領域 各葉の角度分類と血管支配領域 穿通動脈の血管支配 各支配動脈 尾状核 前大脳動脈 被殻 中大脳動脈 視床 後大脳動脈 大脳基底核を中心とした穿通動脈 幸田剣 頭部CTおよびMRI等の画像所見の見方.2010 Ø Ø Ø 画像所見の読み取り方 各レベル毎の 水平面断上での 所見の読み取り方と

More information

リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家

リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家 人員基準減算 定員超過減算 点検項目 407 介護予防通所リハビリテーション費 点検事項 点検結果 同一建物減算事業所と同一建物 ( 構造上 外形上一体的な建物をいう ) に居住又は同一建物から通所 若年性認知症利用者受入加算 若年性認知症利用者ごとに個別に担当者定める 利用者に応じた適切なサービス提供 運動器機能向上加算専ら職務に従事する理学療法士等を 1 人以上配置 配置 理学療法士 介護職員等が共同して

More information

Ⅰ 通所リハビリテーション業務基準 通所リハビリテーションのリハビリ部門に関わる介護報酬 1. 基本報酬 ( 通所リハビリテーション費 ) 別紙コード表参照 個別リハビリテーションに関して平成 27 年度の介護報酬改定において 個別リハビリテーション実施加算が本体報酬に包括化された趣旨を踏まえ 利用

Ⅰ 通所リハビリテーション業務基準 通所リハビリテーションのリハビリ部門に関わる介護報酬 1. 基本報酬 ( 通所リハビリテーション費 ) 別紙コード表参照 個別リハビリテーションに関して平成 27 年度の介護報酬改定において 個別リハビリテーション実施加算が本体報酬に包括化された趣旨を踏まえ 利用 通所リハビリテーション事業所における リハ部門の業務手順書 一般社団法人 京都府理学療法士会 社会局保険部 Ⅰ 通所リハビリテーション業務基準 通所リハビリテーションのリハビリ部門に関わる介護報酬 1. 基本報酬 ( 通所リハビリテーション費 ) 別紙コード表参照 個別リハビリテーションに関して平成 27 年度の介護報酬改定において 個別リハビリテーション実施加算が本体報酬に包括化された趣旨を踏まえ

More information

リウマチ診療患者名簿

リウマチ診療患者名簿 ウマチ性疾患理学療法指導患者名簿記載例 番号 患者名 ( イニシャル ) 患者番号 性別年齢診断名実施療法と指導の内容 1 A.B. 整形外科ウマチクニック 01 55 歳関節ウマチ 理学療法実施 疼痛に対する温熱療法 ( ホットパック ), 関節可動域運動生活活動におけるセルフマネージメントの教育指導, 痛みに対する対処法の指導 理学療法実施 疼痛に対する温熱療法 ( パ 2 B.C. 整形外科ウマチクニック

More information

Microsoft PowerPoint - ①濱説明資料.pptx

Microsoft PowerPoint - ①濱説明資料.pptx ( 股関節後方にある ) 殿部外側溝を圧迫する 骨盤帯による体幹 骨盤の安定と促通効果 : スポーツ分野への利用の可能性について 広島大学医学部脳神経外科学研究員 ( 信愛会日比野病院 ) 濱聖司 ( 株 ) 大坪義肢製作所 ( 故 ) 大坪政文 83 研究背景 ( 麻痺患者への使用 1) 脳卒中や各種神経筋疾患の患者 下肢 + 体幹 骨盤の筋力が低下 立つ時に 膝が折れ 腰が引けてしまい バランスが保てない

More information

要旨 [ 目的 ] 歩行中の足部の機能は 正常歩行において重要な役割を担っている プラスチック短下肢装具 (AFO) 装着により足関節の運動が制限されてしまう 本研究は AFO 装着により歩行立脚期における下肢関節運動への衝撃吸収作用や前方への推進作用に対しどのような影響を及ぼすかを検討した [ 対

要旨 [ 目的 ] 歩行中の足部の機能は 正常歩行において重要な役割を担っている プラスチック短下肢装具 (AFO) 装着により足関節の運動が制限されてしまう 本研究は AFO 装着により歩行立脚期における下肢関節運動への衝撃吸収作用や前方への推進作用に対しどのような影響を及ぼすかを検討した [ 対 床反力計による比較 中島早稀 宝田翔吾 松場賢二 目次 はじめに 3 Ⅰ 対象 3 Ⅱ 方法 4 Ⅲ 統計解析 7 Ⅳ 結果 7 Ⅴ 考察 9 Ⅵ 課題 13 1 要旨 [ 目的 ] 歩行中の足部の機能は 正常歩行において重要な役割を担っている プラスチック短下肢装具 (AFO) 装着により足関節の運動が制限されてしまう 本研究は AFO 装着により歩行立脚期における下肢関節運動への衝撃吸収作用や前方への推進作用に対しどのような影響を及ぼすかを検討した

More information

膝関節運動制限による下肢の関節運動と筋活動への影響

膝関節運動制限による下肢の関節運動と筋活動への影響 膝関節運動制限による下肢の関節運動と筋活動への影響 支持面の前後傾斜刺激による検討 山岸祐太 < 要約 > 本研究の目的は, 膝関節装具により膝関節運動を制限し, 支持面の前後回転傾斜刺激を与えた場合の下肢関節や姿勢筋への影響を調べ, 膝関節運動の働きを明確にすること, および股 足関節運動が膝関節運動をどのように補償しているのかを明確にすることである. 被験者は健常若年者 10 名とした. 傾斜刺激は周波数

More information

腰椎後方除 固定術後 症例 ~ 安定し 歩を目指し ~ 竹添朋子的場慎典岸佳緒梨田中裕司中武展子 京都大原記念病院 今回, 腰椎後方除 固定術後 患者様を評価 治療させ 頂く機会を得 ここ 報告す. 氏名 :A 氏性別 : 男性 齢 :50 代後半診断名 : 腰椎後方除 固定術後現病歴 : 成 X

腰椎後方除 固定術後 症例 ~ 安定し 歩を目指し ~ 竹添朋子的場慎典岸佳緒梨田中裕司中武展子 京都大原記念病院 今回, 腰椎後方除 固定術後 患者様を評価 治療させ 頂く機会を得 ここ 報告す. 氏名 :A 氏性別 : 男性 齢 :50 代後半診断名 : 腰椎後方除 固定術後現病歴 : 成 X 立 衣 着脱動作 い 後方へ 不安定性を認 た脳梗塞右片麻痺患者 一症例石原弘隆伊東諒森 実咲 田辺記念病院 立 衣 着脱動作 い 後方へ 不安定性を認 た脳梗塞右片麻痺 患者を経験 た 麻痺側 あ 右 対 アプ チを た結果 動作 安定性向 得 たた 報告 症例 脳梗塞 診断さ た 80 歳代 女性 あ 症例 右片麻痺 あ 主訴 1 人 イ 行 たい ニ を 衣着脱動作 安定性 獲得 た 症例 右手指

More information

第 11 回新人症例発表会巻頭言 大阪府理学療法士協会三島ブロック会員の皆さま 平素より三島ブロックの活動にご協力頂きありがとうございます 本年も三島ブロック新人症例発表会に多くのエントリーを頂きました 本会の運営に際し ご協力を賜りました準備委員の皆さまをはじめ 携わって頂いた皆さまに感謝申し上げ

第 11 回新人症例発表会巻頭言 大阪府理学療法士協会三島ブロック会員の皆さま 平素より三島ブロックの活動にご協力頂きありがとうございます 本年も三島ブロック新人症例発表会に多くのエントリーを頂きました 本会の運営に際し ご協力を賜りました準備委員の皆さまをはじめ 携わって頂いた皆さまに感謝申し上げ 第 11 回 三島ブロック 新人症例発表会 日時 : 平成 30 年 12 月 9 日 ( 日 ) 開始 13:00~ ( 受付 12:30~) 場所 : 愛仁会看護助産専門学校 第 1 会場ナイチンゲールホール (6F) 第 2 会場視聴覚室 (5F) お知らせ : 抄録は大阪府理学療法士会ホームページより各自で事前にダウンロード 印刷していただき 当日会場へご持参くださいますよう 宜しくお願い致します

More information

untitled

untitled Japan Community Health care Organization 神経内科について 神経内科 鈴 木 秀一郎 神経内科が主に診療している病気は れば後遺症なく完治できる病気も少なか 脳 脊髄 末梢神経 筋肉の病気になり らずあります 精神的な問題ではなく手 ますが 近年人口の高齢化と共に患者数 足に力が入らない 思うように動かすこ が増えています 具体的な病気としては とができないなど体が不自由になった場

More information

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム 平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チームの介入による下部尿路機能の回復のための包括的排尿ケアについて評価する ( 新 ) 排尿自立指導料 [

More information

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ 介護職員初任者研修 ほほえみ介護塾 シラバス 研修事業者名 使用教材 一般財団法人宇治市福祉サービス公社 介護職員初任者研修テキスト 公益財団法人介護労働安定センター 科目名 職務の理解 6 時間 研修に先立ち これからの介護が目指すべき その人の生活を支える 在宅におけるケ ア 等の実践について 介護職がどのような環境で どのような形で どのような仕事を 行うのか 具体的イメージを持って実感し 以降の研修に実践的に取り組めるようにす

More information

頭部外傷 高次脳機能障害 呈し 症例 ~ 床 動作定着 目指し ~ 阿比留 嗣益田賢 朗 田新 京都大原記念病院 回 頭部外傷 高次脳機能障害 呈し 症例 対し 主 床 生活 主体 床 動作 着目し自宅生活 い 院後 動作定着 目指し評価 理学療法 行 ここ 報告す 氏名 :A 氏性別 : 男性 齢

頭部外傷 高次脳機能障害 呈し 症例 ~ 床 動作定着 目指し ~ 阿比留 嗣益田賢 朗 田新 京都大原記念病院 回 頭部外傷 高次脳機能障害 呈し 症例 対し 主 床 生活 主体 床 動作 着目し自宅生活 い 院後 動作定着 目指し評価 理学療法 行 ここ 報告す 氏名 :A 氏性別 : 男性 齢 大腿骨頸部骨折を受傷さ た症例荷重早期 外転接地 着目し 吉田奈 西山佑樹 宇治徳洲会病院 回 転倒 大腿骨頸部骨折を受傷した症例を担当した 荷重早期 外転接地 着目し アプ チした結果 歩容改善 たた 報告 70 代後半女性 X 日転倒さ 大腿骨頸部骨折受傷さ Garden 分類 Ⅱ 週 翌日手術施行 ハンソンピン ッ X+2 日 入開始 全荷重 入時 大腿筋 張筋 疼痛 緊張亢 股関節伸展可動域制限

More information

GM アフ タ クター & アタ クター どの年代でも目的に合わせたトレーニングができる機器です 油圧式で負荷を安全に調節できます 中殿筋と内転筋を正確に鍛えることで 骨盤が安定し 立位や歩行時のバランス筋力を向上させます 強化される動き 骨盤 膝の安定性 トリフ ル エクステンサー ニー エクステ

GM アフ タ クター & アタ クター どの年代でも目的に合わせたトレーニングができる機器です 油圧式で負荷を安全に調節できます 中殿筋と内転筋を正確に鍛えることで 骨盤が安定し 立位や歩行時のバランス筋力を向上させます 強化される動き 骨盤 膝の安定性 トリフ ル エクステンサー ニー エクステ SUBARU 総合スポーツセンタートレーニング機器一覧表 有酸素運動機器種類台数説明ラボードLXE200 2 走りやすさと関節負担のかかりにくい有酸素運動器具です 安全性を重視するために 走行範囲センサー および段階式速度上昇を採用し 体力レベルや運動目的に応じてご利用いただけます コードレスバイク V77i 6 体力測定機能を有した V77i は測定結果を基に体力レベルや運動目的に応じた負荷でのトレーニングが容易に行えます

More information

Clinical Indicator 2017 FUNABASHI MUNICIPAL REHABILITATION HOSPITAL

Clinical Indicator 2017 FUNABASHI MUNICIPAL REHABILITATION HOSPITAL Clinical Indicator 2017 FUNABASHI MUNICIPAL REHABILITATION HOSPITAL 1 入院 4 1- Ⅰ リハビリ実施単位数 単価 4 1 患者 1 人 1 日あたりのリハビリ単位数 年別 4 2 疾患別リハビリ単位数 年別 ( 脳血管 運動器 廃用 ) 4 3 スタッフ配置数 4 1- Ⅱ 退院患者 5 1 疾患別患者数 5 2 年齢 性別構成

More information

事業内容

事業内容 1. 事業の名称第一号訪問事業 ( 短期集中予防サービス ) 1. 事業目的 内容要支援者及び第一号事業対象者 ( 以下 要支援者等 という ) に対して 3~6カ月の短期間で専門職がその者の居宅を訪問し 生活上の問題 課題及びその背景 原因を総合的に把握し 必要な相談 指導等を実施し 問題解決 原因の解消を図り 自立した生活を目指すものである 相談 指導内容は以下の通り 運動器機能向上: 歩行 玄関の昇降

More information

<4D F736F F D2091E F18DE98BCA8CA798568C928E7B90DD91E589EF94AD955C8E9697E12E646F6378>

<4D F736F F D2091E F18DE98BCA8CA798568C928E7B90DD91E589EF94AD955C8E9697E12E646F6378> 脳梗塞右片麻痺発症後に反張膝を呈した 60 代男性の介入について ~ホンダアシスト使用した歩行動作の改善 ~ ( 社会福祉法人神流福祉会介護老人保健施設かみかわリハビリテーション課 ) 理学療法士坂田寿史 第 23 回埼玉県介護老人保健施設大会発表演題場所さいたま市大宮ソニックシティ日時平成 30 年 2 月 24 日 ( 土 ) はじめにわが国では食習慣の欧米化及び運動する習慣が希薄となりつつある中

More information

1 訪問リハ導入で, 家族の介護負担の軽減, 自身の活動の広がりが図れた事例 脳梗塞 ( 中程度の右片麻痺 )(60 代女性 ) 経過 脳梗塞と診断され A 病院に入院 1 ヶ月後リハ目的で B 病院に転院し,6 ヶ月後自宅に退院しました 退院後はすぐに訪問リハを導入しています 疾患 : 脳血管疾患

1 訪問リハ導入で, 家族の介護負担の軽減, 自身の活動の広がりが図れた事例 脳梗塞 ( 中程度の右片麻痺 )(60 代女性 ) 経過 脳梗塞と診断され A 病院に入院 1 ヶ月後リハ目的で B 病院に転院し,6 ヶ月後自宅に退院しました 退院後はすぐに訪問リハを導入しています 疾患 : 脳血管疾患 NO 疾患名 年齢 性別 介護度等 1 脳梗塞 6 0 代 女性要介護 3 2 脳梗塞 8 0 代 男性要介護 2 3 脳梗塞 7 0 代 男性要支援 2 4 脳梗塞 ほか 8 0 代 男性要介護 3 5 脳内出血 7 0 代 男性要介護 4 6 脳性麻痺 4 0 代 男性 医療 7 大腿骨頚部骨折 6 0 代 女性要支援 2 8 大腿骨頚部骨折 8 0 代 女性要介護 2 9 大腿切断 5 0 代

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 上腕骨近位端骨折における 治験例 ヒグチ整骨院 樋口正宏 はじめに 上腕骨近位端骨折のほとんどが 大腿骨頸部骨折及び Colle s 骨折と同じ年齡層 すなわち老人が 手をついて転倒した際に介達外力によって発生する 当骨折の 80% には 骨粗鬆症による骨の脆弱化が認められている なぜなら 骨強度が関節包や靭帯の強度に勝っている若年者では 肩関節脱臼をおこし 小 中学生では 上腕骨近位骨端線部が最も弱く

More information

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」 2017 年 2 月 1 日 作成者 : 山田さおり 慢性心不全看護エキスパートナース育成コース 1. 目的江南厚生病院に通院あるいは入院している心不全患者に質の高いケアを提供できるようになるために 看護師が慢性心不全看護分野の知識や技術を習得することを目的とする 2. 対象レベルⅡ 以上で各分野の知識と技術習得を希望する者 ( 今年度は院内スタッフを対象にしています ) 期間中 80% 以上参加できる者

More information

学会名 : 第 71 回体力医学会大会学会日付 : 平成 28 年 9 月演題名 : 高校生サッカー選手におけるボール速度と蹴り足の運動速度との関連 学会名 : 第 75 回日本癌学会学術総会学会日付 : 平成 28 年 10 月 6-8 日演題名 :Effect of sugar intake o

学会名 : 第 71 回体力医学会大会学会日付 : 平成 28 年 9 月演題名 : 高校生サッカー選手におけるボール速度と蹴り足の運動速度との関連 学会名 : 第 75 回日本癌学会学術総会学会日付 : 平成 28 年 10 月 6-8 日演題名 :Effect of sugar intake o 学会発表 ( 平成 28 年度 ) 学会名 : 第 105 回日本病理学会学会日付 : 平成 28 年 5 月 11-14 日演題名 :Effect of glucose and insulin on differentiation of C2C12 myoblastic cells. 学会名 : 第 51 回日本理学療法学術大会学会日付 : 平成 28 年 5 月 27-29 日演題名 : グルコース濃度

More information

高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の

高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の 認定看護師 21 分野 1 万 7,443 人に専門性を発揮し 高齢者や長期療養者の生活を支える 公益社団法人日本看護協会 ( 会長 坂本すが 会員数 70 万人 ) は このたび 第 24 回認定看護師認定審査 を実施しました 審査に合格した 1,626 人が新たに認定され 認定看護師は 1 万 7,443 人となりました (5 ページ参照 ) 認定看護師は 高度化し専門分化が進む医療の現場において

More information

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的 介護予防の推進について 1. 基本的な考え方 介護予防は 高齢者が要介護状態等となることの予防や要介護状態等の軽減 悪化の防止を目的として行うものである 特に 生活機能の低下した高齢者に対しては リハビリテーションの理念を踏まえて 心身機能 活動 参加 のそれぞれの要素にバランスよく働きかけることが重要であり 単に高齢者の運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけを目指すものではなく 日常生活の活動を高め

More information

平成21年度 介護サービス事業者における事故発生状況

平成21年度 介護サービス事業者における事故発生状況 平成 29 年度介護サービス事故発生状況報告 ( まとめ ) 本報告は 平成 29 年度中 (H29.4.1~H30.3.31) に介護保険の事業者において 介護サービスの利用中に発生した利用者等の事故について 事業者から鹿児島市に提出のあった 指定介護サービス事業者事故報告書 ( 以下 事故報告書 という ) の内容に関して集計を行ったものです 事故報告書は 事故が発生した場合に医療機関の受診を要したものなどを

More information

3. 肘関節 屈曲 : 基本軸は上腕骨 移動軸は橈骨 前腕が肩に近づく動き 伸展 : 基本軸は上腕骨 移動軸は橈骨 前腕が肩から遠ざかる動き 前腕は回外位で検査 肘関節伸展位 前腕回外位で前腕が橈側に偏位する ( 生理的外反肘 肘角 ) 他覚所見として外反( 内反 ) ストレス時疼痛 屈曲 ( 伸展

3. 肘関節 屈曲 : 基本軸は上腕骨 移動軸は橈骨 前腕が肩に近づく動き 伸展 : 基本軸は上腕骨 移動軸は橈骨 前腕が肩から遠ざかる動き 前腕は回外位で検査 肘関節伸展位 前腕回外位で前腕が橈側に偏位する ( 生理的外反肘 肘角 ) 他覚所見として外反( 内反 ) ストレス時疼痛 屈曲 ( 伸展 毎回の審査会で 運動方向の表現が適当ではないという指摘があり ほけんぶだより等で何度か正確な記載を呼びかけておりましたが なかなか改善されていないのが現状です 単純に漢字の間違いもありますが 全ての関節に屈伸以外使っていない先生もおられます ( たとえば 手関節 肘関節屈伸や腰部 膝関節屈伸等 ) 今回は 運動方向の表現と題して特集を組んでみました レセプトに限らず カルテの記載 又 医科への紹介状等

More information

中枢神経系の可塑性 中枢神経系障害を持つ患者の不適切な介入は不適切な可塑性適応を起こす 運動コントロールの改善には治療中に行われる運動ができるだけ正常と同じ様に遂行される事や皮膚 関節 筋からの求心的情報を必要とする 中枢神経系が環境と相互作用する為には運動やバランス アライメント トーンの絶え間な

中枢神経系の可塑性 中枢神経系障害を持つ患者の不適切な介入は不適切な可塑性適応を起こす 運動コントロールの改善には治療中に行われる運動ができるだけ正常と同じ様に遂行される事や皮膚 関節 筋からの求心的情報を必要とする 中枢神経系が環境と相互作用する為には運動やバランス アライメント トーンの絶え間な CVA 患者の評価と治療 基本的考え方 誠愛リハビリテーション病院 PT 花田美穂 ボバース概念の定義 中枢神経の損傷による姿勢緊張 運動 機能の障害を持つ人々の評価と治療への問題解決アプローチである 治療目標は促通を通して姿勢コントロールを改善する事により機能を最大限に引き出す事である 1 2 ボバース概念 機能を最大限に引きだすとは 治療によって機能改善をはかり いかに患者さんの生活の質を向上できるかどうかである

More information