スチック その他の化学物質を生産する化学工業ではなく 生命最強のツールである酵素を使って化学反応を触媒し さらには 新しい酵素を設計して作り出すことによって 物質生産を根本的に変えることができると考えていました 当時 世界的なバイオテクノロジーブームが盛り上がる中で アーノルド博士と同様のことを多く

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1 子供たちに聞かせてあげたいノーベル賞 年ノーベル化学賞 酵素機能向上の指向性進化法ファージディスプレイ法 2018 年ノーベル化学賞は生命の進化や 子孫を生み出す精緻な遺伝メカニズムを医薬品などの酵素反応生産に応用した研究に対し授与されます 酵素とは生物の細胞の中で作られる触媒活性を持つタンパク質のことで 酵素に原料を与えると反応を起こし 別の物質に変換します ( 図 1) 有機化学的な合成法と比較して 優れている点も多いため 医薬品や樹脂 食品などの生産に工業利用されています フランシス アーノルド博士は 指向性進化法 と呼ばれる生物の進化を模倣した酵素の触媒能力向上手法を開発しました これによって酵素の機能を目的に応じて改変することに成功し 現在すでに産業利用が進んでいます ジョージ スミス博士は 狙ったタンパク質の遺伝子 をバクテリオファージの感染能力を使って見つけ出す ファージディスプレイ と呼ばれる技術を開発しました グレゴリー ウインター博士はファージディスプレイをヒト抗体の作成に応用し自己免疫疾患治療薬や抗がん剤などの医薬品を作り出すことに成功しました 生命を維持するための最強ツール 酵素 授賞者の一人目 アーノルド博士は 1980 年代 人類が日々の生活の中で必要とする材料や化学物質のほとんどが化学工業で作り出されていた時代において それらを作り出す方法は 工場での化学反応から酵素反応に移り変わっていくと考えていました 環境に有害な強力な溶剤 重金属 腐食性の酸を使用して 医薬品 プラ 酵素の指向性進化法の開発ファージディスプレー技術の開発ファージディスプレー技術を抗体へ応用 フランシス アーノルド博士 1956 年米国出身米国カリフォルニア工科大学 ジョージ スミス博士 1941 年米国出身米国ミズーリ大学 グレゴリー ウインター博士 1951 年英国出身英国医学研究会議 1

2 スチック その他の化学物質を生産する化学工業ではなく 生命最強のツールである酵素を使って化学反応を触媒し さらには 新しい酵素を設計して作り出すことによって 物質生産を根本的に変えることができると考えていました 当時 世界的なバイオテクノロジーブームが盛り上がる中で アーノルド博士と同様のことを多くの研究者が考え 既存の酵素を改造して物質生産に適した酵素を作り出す研究をしていました 酵素は数十から数百個のアミノ酸が鎖状につながり 立体形状に折りたたまれた非常に複雑な分子です 無限に存在するアミノ酸の組み合わせの中から最適解を見つけ出すことに多くの科学者が取り組みましたが 最新の知識とコンピューターをもってしても どこをどう改造すればどのように酵素の性質が変化するかは全くわかりませんでした アーノルド博士もこの取り組みを行っていましたが 人間の知識は生物が地球に誕生して以来 37 億年の歴史を持つ進化の前では役に立たないことを思い知り 謙虚に自然の力 つまり進化を化学に応用することの検討に着手しました は一気に広がります アーノルド博士は サブチリシンの遺伝子に突然変異を発生させ それらの突然変異遺伝子を細菌に組み込み 数千種類の変異したサブチリシンを細菌に生産させました 生産されたサブチリシンのうち DMF の中で最もうまく機能する酵素を見つけ出し さらにその遺伝子にランダムな突然変異を起こさせ より活性の強いサブチリシンを得ることを繰り返しました その結果 3 世代目のサブチリシンにおいて 自然のサブチリシンよりも 256 倍優れた酵素を得ることに成功しました この遺伝子を調べたところ 10 か所で変異が起きており そのような遺伝子変異を人間が予測して設計することは不可能であると思われました アーノルド博士の取った手法はまさに進化そのもの ランダムな遺伝子変異と環境への適合による選択に他ならず ( 図 2 3) それがこの手法が 指向性進化法 と呼ばれる理由です 図 1. 酵素とは生物の細胞の中で作られる触媒活性を持つタンパク質のことで 酵素に原料を与えると反応を起こし 別の物質に変換します サブチリシンの進化アーノルド博士はサブチリシンと呼ばれる酵素の性質を改変して有機溶媒のジメチルホルムアミド (DMF) 中で反応する酵素を作り出す研究に取り組んでいました 多くの酵素は水溶液の中で反応を触媒するようにできており 有機溶媒の中では変質してダメになってしまうことが一般的ですので この研究が成功すれば酵素の応用範囲 図 2. 酵素の指向性進化法の基本パターン 1. 改変しようとする酵素の遺伝子にランダムな突然変異を発生させます 2. 遺伝子を細菌に導入すると 細菌はランダムに突然変異した酵素を生産します 3. 変異した酵素が目的に沿った変化をしているかどうかを実験で確認し 2 世代目の遺伝子を選択します 4. 選択した遺伝子にさらに新たなランダム突然変異を発生させ 細菌に組み込んで活性を調べることを繰り返します 2

3 図 3. 進化 ( ダーウィンフィンチ鳥の場合 ) バイオ燃料の酵素生産アーノルド博士はさらに研究を進め 自然界に存在しない 全く新しい機能を持つ酵素までも作り出しています それらの酵素反応は非常に効率が高いので化学反応に比べてわずかな原料で目的物質を生産可能で 重金属など環境負荷の大きな触媒を使用する化学反応をクリーンな酵素反応に次々に置き換えています 最先端の研究は酵素反応を再生可能エネルギーとして利用しようという試みです ありふれた化学物質である糖を酵素で変換してバイオ燃料と生分解性プラスチックの両方に使用できるイソブタノールという化学物質に変換する酵素を開発しました これによって生成される代替燃料は 車や飛行機の燃料に添加することによって化石燃料の使用量を削減することができます ファージディスプレイの発明二人目の授賞者 ジョージ スミス博士は 1980 年代前半にバクテリアに感染するウイルスであるバクテリオファージの研究をしていました 当時すでに 生物のすべての設計図は遺伝子の中に書き込まれていることはわかっていましたが まだヒトゲノム解読など夢のようだった時代 狙った酵素の遺伝子を特定することはとてつもなく困難なことでした しかし ひとたび目的の遺伝子を見つけることができれば その遺伝子を細菌に組み込み 研究対象のタンパク 質を大量生産できることはわかっていました これらの一連のプロセスのことを科学者は 遺伝子クローニング と呼んでいます スミス博士は遺伝子クローニングにバクテリオファージを使うことを考えていました バクテリオファージは非常に単純な構造のウイルスです 頭のように見える保護タンパク質のカプセル ( 頭部 ) に小さな遺伝子を封入しただけのもので 生物かどうかについても議論が分かれています バクテリオファージは細菌に感染すると頭部から遺伝子を細菌の中に注入し 細菌の代謝を乗っ取り ファージの部品のコピーを細菌に作らせ増殖します スミス博士は 酵素の未知の遺伝子を見つけるためにファージの増殖メカニズムを使用できるはずだと考えました 当時すでに 研究者が使用可能な遺伝子をカタログ化した大規模な遺伝子ライブラリが構築されており そのライブラリの中には 何のタンパク質の設計図であるのか未知の遺伝子断片が大量に含まれていました スミス博士は これらの未知の遺伝子断片を ファージの頭部カプセルを形成するタンパク質の遺伝子と混合しました そうすれば 細菌の中でファージの部品がコピーされたとき 組み込んだ未知の遺伝子由来のタンパク質もコピーされ ファージの頭部に組み込まれるはずです 次のステップとして ファージに組み込んだ遺伝子断片から様々なタンパク質が作り出されますので 自分の期待したタンパク質を持っているファージを選び出さなければなりません そのために タンパク質と結合する性質のある分子 ( 抗体 ) を作成します 抗体はタンパク質の構造を正確に把握し 識別することが役目の免疫に関わるタンパク質です 結合精度が著しく高いので 何万ものタンパク質の中のから狙った 1 つのタンパク質を釣り上げることができます 抗体を使って釣り上げたファージこそが研究者が望んでいる遺伝子を持っているファージだということになります 1985 年 スミス博士は一連の実験に成功し ファージ ディスプレイ として知られるようになった手法の基礎を築きました ( 図 4) 3

4 図 4. ファージディスプレイ法 : スミス博士は 希望するタンパク質の未知遺伝子を見つけるためのこの方法を開発しました 1. ファージ頭部に収められた遺伝子に 未知遺伝子を組み込み 細菌に感染させます 2. 組み込まれた遺伝子から産生されたタンパク質は ファージ頭部の一部として細菌細胞内で大量生産され ファージとして組み立てられます 3. 狙ったタンパク質の断片に結合するように設計された分子 ( 抗体 ) を用いて 該当するタンパク質を持っているファージを釣り上げることができます そのファージが持っている遺伝子こそがまさに 研究者が探し求めている遺伝子です すると抗体がそれら侵入者に結合し 他の免疫細胞に情報が伝達され T 細胞などが集まってきて侵入者を破壊します 抗体を使用すれば病気の原因となるタンパク質をブロックし 治療効果が得られると長い間期待されていました その成果の一つは 2018 年のノーベル生理学 医学賞として結実した抗体医薬品 免疫チェックポイント阻害剤です 1980 年代 抗体医薬品はマウスを使って研究が行われました 治療用抗体を作成するために 人間のがん細胞由来のタンパク質のような 病気の原因となっている分子をマウスに注射しました しかし それらの物質はマウスにとって有害でマウスが死んでしまったり マウスにとって異物と認識されず抗体ができなかったりで研究は進展しませんでした 運よく抗体が得られても マウスの抗体をヒトに投与すると免疫系が異常な反応を示し 患者に致死的な副作用の危険が及びました そのような失敗を踏まえ ヒトの抗体医薬品はヒトで作る必要があると考えられましたが 抗体を作るためにヒトにがん細胞を注射することは倫理上の問題があります そこで ウインター博士は スミス博士のファージディスプレイが使用できるのではないかと考えました 免疫医療への応用 ファージディスプレイによる医薬品の生産 1990 年頃にいくつかの研究グループが 新しい生体分子を開発するためにファージディスプレイを使用し始めました この技術を採用した人々の一人が 3 人目の授賞者グレゴリー ウインター博士でした 免疫 ( 詳しくは 2018 年ノーベル生理学 医学賞を参照してください ) 系のリンパ細胞の中には数十万種類の異なる抗体を産生することができる B 細胞があります それほどの種類の抗体を持つにもかかわらず その中のどれ一つとして 私たちの身体には誤って結合しないようにデザインされています 私たちは雑菌やカビの中で暮らしていますが めったに感染症を発症しないのは 常に私たちを守り続けている抗体が存在することの証拠です 外来異物が体内に侵入 抗体は Y 字型の分子で その左右に開いた腕の先端で外来異物に付着します ウインター博士はファージディスプレイ法で抗体遺伝子を持つファージを作成したところ 都合がよいことに 頭部に抗体の結合部位を外側に向けた状態で抗体が組み込まれることを 1990 年代に発見しました これを利用して この研究では 400 万種類のファージの混じり物の中から狙った遺伝子を持つファージを釣り上げることに成功しました その後 ウインター博士は抗体タンパク質の医薬品としての機能を改良するために 指向性進化とファージディスプレイを併用可能であることを示しました つまり 数十億種類の抗体を表面に持つファージライブラリーを構築し ここから標的タンパク質に結合した抗体を釣り上げます 4

5 釣り上げられた第一世代の抗体タンパク質遺伝子にランダムな変異を起こさせ それらをファージに組み込んで新たな第二世代ライブラリーを作成し 細菌に感染させることを繰り返します ( 図 5) この手法で 標的へのより強い結合性を持つ抗体 つまりより高い効果を持つ医薬品を発見でき 1990 年代に自己免疫疾患治療用ヒト抗体医薬品 アダリムマブ の開発に成功しました この抗体は 多くの自己免疫疾患の原因となるタンパク質 TNF-αの作用を抑え 関節リウマチ 乾癬 炎症性腸疾患の治療にも使用されています 2018 年のノーベル化学賞授賞者が開発した酵素の指向性進化と抗体のファージディスプレイは 環境にやさしい化学工業の時代をもたらし 新素材やバイオ燃料を製造し 病気を緩和し命を救うために 世界各国ですでに応用されています アダリムマブの成功は 製薬産業における重要な発展を促し ファージディスプレイは とりわけ がん抗体を産生するために使用されてきました がん抗体は がん細胞の増殖を遅らせ 転移がん患者で完治例も出るほどの成功を収めています また 炭疽菌の細菌毒素を中和する抗体も同じ手法で開発されました アルツハイマー病治療薬は多くの抗体医薬品が臨床試験中です 図 5. ファージディスプレイを用いた抗体の指向性進化の原理 この方法は新薬の製造に使用されます 1. 多種多様な抗体の遺伝子を含むライブラリを作成し 抗体の結合部位の遺伝情報をファージの DNA に組み込みます 2. 特定の標的に対する強力な結合を有するファージが選択されます 3. 選択された遺伝子にランダム突然変異をおこさせ ファージの DNA に組み込むことを繰り返します 4. 世代を重ねるごとに 抗体は標的タンパク質により強く結合するように進化します 5

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ランゲルハンス細胞の過去まず LC の過去についてお話しします LC は 1868 年に 当時ドイツのベルリン大学の医学生であった Paul Langerhans により発見されました しかしながら 当初は 細胞の形状から神経のように見えたため 神経細胞と勘違いされていました その後 約 100 年 2015 年 10 月 1 日放送 第 64 回日本アレルギー学会 1 教育講演 11 ランゲルハンス細胞 過去 現在 未来 京都大学大学院皮膚科教授椛島健治 はじめに生体は 細菌 ウイルス 真菌といった病原体などの外来異物や刺激に曝露されていますが 主に免疫システムを介して巧妙に防御しています ところが そもそも有害ではない花粉や埃などの外来抗原に対してさえも皮膚が曝露された場合に 過剰な免疫応答を起こすことは

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報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血 報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血管に溜まっていくことが動脈硬化の原因となる 3. マクロファージ内に存在するたんぱく質 MafB は

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2 1 章 免疫とは 免疫系概説 厳密にと非の区別を行う獲得免疫について述べることにする 獲得免疫系にとって非を と区別する目印となる物質のことを antigen という 免疫系はそのようなの出現に対 してそれを排除するような行動を開始するのである その仕事をする免疫系の中心となっている細胞 がリン 免疫とは 免疫系概説 免疫系の生体における役割 われわれを取り巻く環境には無数に近い微生物が存在し そのあるものは生体の中に侵入し 生体 内で増殖する それは生体に重大な危害を及ぼすことになる 異物も粘膜を通して あるいは刺傷に よって生体内に入ってくることがあるが それは毒性を有していて生体を損なう場合がある そうで なくとも 生体内での異物の存在は生体の営みにとってさまざまの支障を与えることになろう

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2. 手法まず Cre 組換え酵素 ( ファージ 2 由来の遺伝子組換え酵素 ) を Emx1 という大脳皮質特異的な遺伝子のプロモーター 3 の制御下に発現させることのできる遺伝子操作マウス (Cre マウス ) を作製しました 詳細な解析により このマウスは 大脳皮質の興奮性神経特異的に 2 個 報道発表資料 2000 年 8 月 17 日 独立行政法人理化学研究所 体性感覚野の正常な発達には NMDA 型グルタミン酸受容体の機能が必須であることを発見 - 大脳皮質の生後発達の基本メカニズムの一端を解明 - 理化学研究所 脳科学総合研究センター ( 伊藤正男所長 ) は マウスの大脳皮質の興奮性神経でのみ目的の遺伝子をノックアウトする技術を開発しました さらにそれを用いて 大脳皮質の体性感覚野

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