水利用と水利権
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- ゆたか つねざき
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1 小水力発電の登録制について 国土交通省九州地方整備局河川部水政課平成 28 年 2 月 25 日
2 はじめに 日本では 古くから豊富な河川水を利用した水力発電が盛んに行われてきた 最近 地球温暖化対策として 再生可能エネルギーの利用推進が図られ 小規模な水力発電が多く計画されるようになった 国土交通省では 小水力発電の導入促進を図るため 水利使用手続きの簡素化 円滑化を進め 従属発電について 許可制に代えて登録制を導入した * 九州地方整備局では制度開始から 16 箇所の登録を行っている 1
3 1. 河川法が一部改正され登録制が導入 河川法の一部改正 ( 平成 25 年 12 月 11 日施行 ) 河川法第 23 条の 2( 流水の占用の登録 ) 前条の許可を受けた水利使用のために取水した流水その他これに類する流水として政令で定めるもののみを利用する発電のために河川の流水を占用しようとする者は 国土交通省令で定めるところにより 河川管理者の登録を受けなければならない 登録制の対象となる流水の占用は以下の 2 種類 1 河川法第 23 条の許可を受けている流水を利用して行う発電 法律で規定 : 河川法 23 条の 2 2 政令で定める流水を利用して行う発電 政令で規定 : 河川法施行令第 14 条の 2 2
4 1.1-1 河川法第 23 条の 2 に基づく登録 1 河川法第 23 条の許可を受けている流水を利用して行う発電 ( 従属発電 ) 河川 かんがい水利権を利用した例 法第 23 条の許可済み 取水口 取水 農業用水路 農業用水路 水 田 取水堰 発電所 ( 登録 ) * 従属元の取水の範囲内で 当該流水を消費することなく利用する 3
5 1. 1 ー 2 河川法施行令第 14 条の 2 に基づく登録 2 政令で定める流水を利用して行う発電 河川法施行令第 14 条の 2 法第 23 条の 2 の政令で定める流水は ダム又は堰から専ら次に掲げる場合に放流される流水とする ただし 魚道その他の魚類の通路となる施設を流下するものを除く 一. 河川の流水の正常な機能を維持するために必要なとき 二. ダム等の洪水調節容量を確保するために必要なとき 三. 法第 23 条の許可を受けた水利使用 ( 発電以外のためにするものに限る ) のために必要なとき 4
6 1. 1 ー 3 以上を図にすると * 正常流量 = 維持流量及び利水流量の両方を満足する流量 項 目 ダムに貯留する水 登録制の対象となる水 河川法第 23 条の許可を受けた水利使用 ( 発電以外 ) のための水 (3 号 ) ダムに貯留しない水 流水の正常な機能を維持するための水 (1 号 ) 洪水調節容量を確保するための水 (2 号 ) (1 号 ) 正常流量 上記以外の流水 ( いわゆる自流 ) 及び魚道その他の魚類の通路となる施設を流下するものは登録対象外 (2 号 ) 洪水調節容量確保 ダム 堰 (3 号 ) かんがい 上水 工水 常満維持 発電所 5
7 を概要図にまとめると 政令の従属発電 法律の従属発電 許可 発電 登録 登録 許可 農業 政令の流水を利用する発電 水道 登録 許可 許可 登録 登録 工業 6
8 2.-1 登録 ( 許可 ) 権者をまとめると 通常の水力発電 従属発電 河川許可権者一直轄区間 国 1,000kW 以上 ( 特定水利使用 ) 国 河川登録権者一直轄区間 国 従属発電の規模に関係なく 発電に利用する流水 (1~3) によって登録権者が決定 級河川指定区間 200kW 以上 1,000kW 未満 ( 準特定水利使用 ) 200kW 未満 ( その他 ) 県又は政令市 県又は政令市 級河川指定区間 従属元水利使用の許可権者 1 既許可水利権 ( 都道府県等が許可した水利使のために貯留又用に係る流水を利用するものはは取水した流水都道府県等が登録権者 ) 2 ダム 堰から放流される正常流量 洪水調節のための流水 3 慣行水利権の流水 県又は政令市 県又は政令市 二級河川 県又は政令市 二級河川 県又は政令市 従属発電は 原則 従属元の水利使用区分に従う 7
9 2.-21 登録の要件 : 河川法に基づくもの 登録の拒否 ( 河川法第 23 条の 4) 次の各号のいずれかに該当する場合には その登録を拒否しなければならない 一. 河川法違反により罰金以上の刑に処せられ 2 年を経過しない者 二. 許可等の取り消しを受け 2 年を経過しない者 三. 法人又は団体の役員が前二号のいずれかに該当する者 四. 従属元の許可受者と申請者が異なるときに 許可受者の同意を得ていない 五. その他 国土交通省令で定める場合 8
10 登録の要件 : 河川法施行規則に基づくもの 登録の拒否 ( 規則第 11 条の 4) 国土交通省令で定める場合は 次に掲げる場合とする 一. ダム等からの放流水を利用する場合で 次の者の同意を得ていない場合 1 ダム等の設置者 2 水利使用のために 23 条の許可を受けて貯留している者 二. 河川に新たに減水区間を生じさせる場合 三. 水利使用に関連した河川法第 24 条又は第 26 条第 1 項の許可を受ける見込みがない場合 四. 申請書等の重要な事項について 記載漏れや虚偽の記載がある場合 9
11 2.-3 登録権利の存続期間 利用する流水の区分 既許可水利権の流水を利用する従属発電 存続期間 従属元水利使用の許可期間 放ダ流ム水等をか利ら用の 正常流量または洪水調節容量確保のための流水を利用する場合 法第 23 条の許可を受けた水利使用のために貯留された流水を利用する場合 正常流量 洪水調節容量確保 水利使用のために貯留された流水が混在する場合 従属元がないため 最長 20 年 ( ただし 利水ダムからの維持流量のみを利用する場合は 維持流量を放流している水利使用の許可期間 ) 当該水利使用の許可期間 ( 複数混在する場合は 最も短い許可期間 ) 許可期間の定めがある水利使用の許可期間 10
12 3. 手続が必要かどうかの確認 1 かんがい用水の場合 河川及び水利の着色は 発電所の設置場所ごとに必要な許可手続きの内容を示しています 色 水利使用の許可又は登録 土地の占用の許可 工事の許可 河川保全区域内での工事の許可 * 九州には河川保全区域設定箇所は無し 11
13 3. 手続が必要かどうかの確認 2 上水 工水等の場合 河川及び水利の着色は 発電所の設置場所ごとに必要な許可手続きの内容を示しています 色 水利使用の許可又は登録 土地の占用の許可 工事の許可 河川保全区域内での工事の許可 * 九州には河川保全区域設定箇所は無し 12
14 4. ー 1 慣行水利を利用した従属発電について 慣行水利権を利用する従属発電については 河川法第 23 条の許可を受けたものとみなされた権利を利用するものであることから 通常の許可を受けた水利権を利用するものと同様に 登録を受けることができる ただし 申請前に慣行水利権の期別の取水量を明確にする必要がある! 13
15 4.-2 取水量の計測方法等 慣行水利権を利用した従属発電 取水堰 取水口 A 水田 B 1 流量計測地点 慣行水利権の取水地点 A となります ( 慣行水利権として取得している量の把握が必要 ) *A と同流量であることが確認できれば B でも可 従属発電地点 C で流量計測を行う場合は C 地点と A 地点との受益面積比 または同時流量計測による換算率等により 慣行水利権の取水量を推定することが可能 河川 A (ha) 水田 B (ha) C 発電所 2 計測期間 少なくとも 1 年間 3 計測頻度 少なくとも半旬毎 (5 日に 1 回 ) ( 地域の環境学習等で活用の場合は月 1 回 ) 4 存続期間 取水量の計測期間と同期間 ( 最長 10 年間 ) 14
16 4.-3 届出書との関係 1 届出書の記載内容と現状 ( 期別 取水量 ) が異なる場合 現在の取水状況が 届出書の記載内容よりはみ出している部分 ( 赤塗り部分 ) は 法 23 条の許可を受けたものと見なされず 従属としては扱えない 最大取水量 届出書の数値 3 月 6 月 9 月 12 月 現在の取水状況 15
17 5. 登録申請に係る河川法手続きの流れ ( 一級河川の直轄管理区間の場合 ) 従属元水利使用者申請者国土交通省関係行政機関 施設利用等の相談 施設利用等の契約 発電の構想 発電計画の作成 事前相談 書面 ( 写 ) 添付同意書添付 登録申請書類の作成提出追加資料の作成 提出 受付 河川事務所 審査 ( 拒否要件の該当の有無 ) 登録書受理 工事着手 登録 ( 水利使用規則 ) 水利台帳への登録 完成検査 取水 ( 運転 ) 開始の報告 運転開始 都道府県知事 確認 必要に応じて行われる手続き等 16
18 6. 登録制導入によるメリット等 水利使用手続きの簡素化 円滑化 1. 審査要件の明確化 ( 一定の要件を満たせば登録 ) 2. 関係行政機関との協議や関係利水者の同意不要 ( 河川法 条は不用 ) 従属元の同意は必要 3. 水利権取得までの標準処理期間の大幅縮減 (5 ヶ月 1 ヶ月 ) 河川区域内の工事等が伴う場合は 3 ヶ月 4. 小水力発電プロジェクト形成支援窓口の設置 ( 許可制も同様 ) 地方整備局及び河川事務所に窓口を設置し 積極的に支援を実施 5. 慣行水利権を利用する従属発電の取水量計測方法の簡素化 6. 取水量報告の簡素化 従属元の取水量と同量の場合は その旨の報告で可など 17
19 7. 登録制に関する注意点 1. 一つの従属発電で従属元水利使用が複数存在する場合 ( ダム等 ) の存続期間は最も短い従属元の許可期間にあわせる 2. 標準処理期間 (1 ヶ月 ) の中に 書類の不備等の補正期間は含まれない なお 従属元水利使用の処理期間 (5 ヶ月 ) 従属発電の処理期間 (1 ヶ月 ) のため 申請時期に注意する ( 従属元の許可がなければ 従属の登録はできない ) 3. 従属発電は 他の水利使用に従属することが前提であるため 発電のために河川からの取水量を操作することはできない また 従属元が変更により取水量が減る場合には 従属発電で使用できる水量も減る ( 登録の変更申請が必要 ) 4. 慣行水利権の取水量が不明な場合の存続期間は 取水量の計測期間と同期間とする その後 新たに計測した場合は 次回の登録申請の際 その計測した期間と合算できる 18
20 8. 九州における設置事例 1 りょうちくえがわ両筑江川発電所 ( 福岡県朝倉市 ) 事業者 : 福岡県 根拠法令等 河川法施行令第 14 条の 2 ( 利水放流 常時満水位保持 ) 19
21 8. 九州における設置事例 2 ひたし おがせいろ 日田市小ヶ瀬井路小水力発電所 ( 大分県日田市 ) 事業者 : 日田市 根拠法令等 河川法第 23 条の 2 ( かんがい用水 : 慣行 ) 20
22 8. 九州における設置事例 3 きばるいろ城原井路発電所 ( 大分県竹田市 ) 事業者 : 城原井路土地改良区 根拠法令等 河川法第 23 条の 2 ( かんがい用水 ) 21
23 小水力発電に関する問合せ先 ( 九州 ) 九州の一級水系 ( 一級河川大臣管理区間 ) のお問い合わせ先 九州地方整備局河川部水政課 福岡県 佐賀県 一級水系 ( 一級河川大臣管理区間 ) のお問い合わせ先 一級水系 ( 一級河川大臣管理区間 ) のお問い合わせ先 筑後川水系 矢部川水系 筑後川水系 嘉瀬川水系 九州地方整備局筑後川河川事務所占用調整課 九州地方整備局筑後川河川事務所占用調整課 遠賀川水系 松浦川水系 六角川水系 九州地方整備局遠賀川河川事務所占用調整課 九州地方整備局武雄河川事務所管理課 山国川水系 一級水系 ( 一級河川指定区間 ) 二級水系のお問い合わせ先 九州地方整備局山国川河川事務所管理課 佐賀県県土づくり本部河川砂防課 一級水系 ( 一級河川指定区間 ) 二級水系のお問い合わせ先 福岡県県土整備部河川課 長崎県 熊本県 一級水系 ( 一級河川大臣管理区間 ) のお問い合わせ先 一級水系 ( 一級河川大臣管理区間 ) のお問い合わせ先 本明川水系 筑後川水系 九州地方整備局長崎河川国道事務所河川管理課 九州地方整備局筑後川河川事務所占用調整課 一級水系 ( 一級河川指定区間 ) 二級水系のお問い合わせ先 菊池川水系 長崎県土木部河川課 九州地方整備局菊池川河川事務所管理課 白川水系 大分県 九州地方整備局熊本河川国道事務所河川管理課 一級水系 ( 一級河川大臣管理区間 ) のお問い合わせ先 九州地方整備局立野ダム工事事務所調査設計課 筑後川水系 緑川水系 九州地方整備局筑後川河川事務所占用調整課 九州地方整備局熊本河川国道事務所河川管理課 九州地方整備局筑後川ダム統合管理事務所管理課 九州地方整備局緑川ダム管理所 山国川水系 球磨川水系 九州地方整備局山国川河川事務所管理課 九州地方整備局八代河川国道事務所河川管理課 大分川水系 九州地方整備局川辺川ダム砂防事務所総務課 九州地方整備局大分河川国道事務所河川管理課 一級水系 ( 一級河川指定区間 ) のお問い合わせ先 九州地方整備局大分川ダム工事事務所調査設計課 熊本県土木部河川港湾局河川課 大野川水系 熊本市都市建設局河川公園課 九州地方整備局大分河川国道事務所河川管理課 ( 一級河川緑川水系加勢川 鶯川 健軍川 藻器堀川 保田窪放水路の 番匠川水系 指定区間で 熊本市域に存する区間に限る ) 九州地方整備局佐伯河川国道事務所河川管理課 二級水系のお問い合わせ先 一級水系 ( 一級河川指定区間 ) 二級水系のお問い合わせ先 熊本県土木部河川港湾局河川課 大分県土木建築部河川課 熊本市都市建設局河川公園課 ( 二級河川坪井川水系万石川 兎谷川 麹川で 熊本市域に存する区間に限る ) 宮崎県 鹿児島県 一級水系 ( 一級河川大臣管理区間 ) のお問い合わせ先 一級水系 ( 一級河川大臣管理区間 ) のお問い合わせ先 五ヶ瀬川水系 川内川水系 九州地方整備局延岡河川国道事務所河川管理課 九州地方整備局川内川河川事務所管理課 川内川水系 九州地方整備局鶴田ダム管理所 九州地方整備局川内川河川事務所管理課 肝属川水系 小丸川水系 大淀川水系 九州地方整備局大隅河川国道事務所河川管理課 九州地方整備局宮崎河川国道事務所占用調整課 一級水系 ( 一級河川指定区間 ) 二級水系のお問い合わせ先 一級水系 ( 一級河川指定区間 ) 二級水系のお問い合わせ先 鹿児島県土木部河川課 宮崎県県土整備部河川課 全国の事例や詳細な内容は国交本省 HP 22
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目的 取水件数 最大取水量 (m 3 /s) 許可 7.573 農業用水 慣行 11 16.413 小計 18 36.986 上水道用水 2.1 工業用水 5 5.969 発電用水 5 21.6 合計 3 253.556 農業用水 15% 上水道用水 1% 未満 工業用水 2% 発電用水 83% 長安口ダム々ダム熊 美谷ダム 平成 17 年 7 月現在 王子製紙第二 ( 工水 ) 1.16m 3 /s
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亀岡市都市計画法施行細則 平成 28 年 12 月 23 日 規則第 39 号 ( 開発行為許可申請書の添付図書 ) 第 1 条都市計画法 ( 昭和 43 年法律第 100 号 以下 法 という ) 第 29 条第 1 項又は第 2 項の規定による許可を受けようとする者は 都市計画法施行規則 ( 昭和 44 年建設省令第 49 号 以下 施行規則 という ) 第 16 条第 1 項に規定する開発行為許可申請書に
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第 5 章許可及び不許可 第 1 節許可及び不許可の処分 ( 許可又は不許可の通知 ) 第 35 条都道府県知事は 開発許可の申請があったときは 遅滞なく 許可又は不許可の処分をしなければならない 2 前項の処分をするには 文書をもって当該申請者に通知しなければならない 福島市行政手続条例 ( 理由の開示 ) 第 8 条行政庁は 申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は 申請者に対し
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