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1 共同研究報告書 整理番号第 392 号 鋼床版橋梁の疲労耐久性向上技術に関する 共同研究 ( その 2) 報告書 -SFRC 舗装した鋼床版実大供試体の静的載荷および移動輪荷重試験 - 分冊 1/2 平成 22 年 1 月 独立行政法人土木研究所 株式会社横河ブリッジ

2 Copyright (2009) by P.W.R.I. All rights reserved. No part of this book may be reproduced by any means, nor transmitted, nor translated into a machine language without the written permission of the Chief Executive of P.W.R.I. この報告書は 独立行政法人土木研究所理事長の承認を得て刊行したものである したがって 本報告書の全部又は一部の転載 複製は 独立行政法人土木研究所理事長の文書による承認を得ずしてこれを行ってはならない

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4 共同研究報告書 第 392 号 2010 年 1 月 鋼床版橋梁の疲労耐久性向上技術に関する 共同研究 ( その 2) 報告書 -SFRC 舗装した鋼床版実大供試体の静的載荷および移動輪荷重試験 - 分冊 1/2 独立行政法人土木研究所 橋梁構造研究グループ 上席研究員 村越 潤 主任研究員 梁取直樹 専門研究員 宇井 崇 株式会社横河ブリッジ 技術本部技術研究所 研究課長 春日井俊博 研究課課長 井口 進 研究課課長 石井博典 橋梁工事本部 工事第二部 西野崇史 要旨既設鋼床版のデッキプレートとUリブとの溶接に発生がみられる疲労き裂に対して 補修補強技術の開発を目的とした 鋼床版橋梁の耐久性向上技術に関する共同研究 ( その2) を平成 16 年度から実施している 当該疲労き裂に対する補修補強策として 本共同研究では鋼繊維補強コンクリート (SFRC) 舗装の適用について検討した 既設のアスファルト舗装を剛性の高いSFRC 舗装に置き換えてデッキプレートと合成させることによって 疲労挙動に係わる鋼床版の局部応力の大幅な低減を図るものである 本報告書は 実大鋼床版供試体を用いた静的載荷試験および移動輪荷重試験の結果をとりまとめたものである 静的載荷試験ではSFRC 舗装前の鋼床版の応力性状を計測するととともに 舗装後の応力低減を確認した また 供試体のSFRC 舗装のデッキプレートへの接合方法として接着材タイプとスタッドタイプを用いて両者の挙動を比較した 移動輪荷重試験による繰返し載荷の結果 供試体の応力等の挙動は若干の変化を生じたが 応力低減効果は保持されることを確認した キーワード : 鋼床版 疲労き裂 補修補強技術 Uリブ 鋼繊維補強コンクリート舗装 SFRC

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6 鋼床版橋梁の疲労耐久性向上技術に関する共同研究 ( その 2) 報告書 -SFRC 舗装した鋼床版実大供試体の静的載荷および移動輪荷重試験 - 分冊 1/2 目次 1. はじめに 1 2. 概要 SFRC 補強工法の構造 鋼床版における実績と既往の研究 標準的な施工工程 工法の特徴 供試体の概要 供試体の種類と構造諸元 供試体の鋼床版鋼部材の製作 SFRC 舗装の施工 静的載荷試験 概要 試験条件 FEM 解析 SFRC 舗装施工前の試験結果 概要 デッキプレートの鉛直変位 Uリブ下面のひずみ デッキプレートとUリブ溶接部のデッキプレート側ひずみ デッキプレートとUリブ溶接部のUリブ側ひずみ 垂直補剛材上端部のひずみ Uリブ 横リブ交差部のひずみ SFRC 舗装施工後の試験結果 概要 デッキプレートの鉛直変位 Uリブ下面のひずみ デッキプレートとUリブ溶接部のデッキプレート側ひずみ 70

7 4.5.5 デッキプレートとUリブ溶接部のUリブ側ひずみ デッキプレートとUリブ溶接部の応力低減の効果 垂直補剛材上端部のひずみ Uリブ 横リブ交差部のひずみ SFRC 舗装とデッキプレートとの接合方法の影響 スタッドおよびスタッド溶接部のひずみ SFRC 舗装表面のひずみ FEM 解析による補強効果の検証 まとめ 移動輪荷重試験 概要 試験条件 試験結果 概要 主要なひずみと変位の履歴 主要なひずみと変位の影響線 まとめ 127 参考文献 128 付属資料 132 供試体製作図 133 計測位置図 136

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9 1. はじめに 鋼床版は 死荷重軽減等の観点から長大橋の床構造や都市内高架橋に広く用いられてきているが 比較的薄い鋼板を溶接により組立てた構造であり 輪荷重を直接支持するため 疲労に対する配慮が必要である これまでにも構造ディテールに関する調査研究 1.1) が行われており 平成 14 年に改訂された道路橋示方書 1.2) では 疲労耐久性向上の観点から 鋼床版の設計 製作規定の充実が図られるとともに 併せて発刊された 鋼道路橋の疲労設計指針 1.3) では構造詳細による鋼床版の疲労設計の考え方 方法が示されている 一方 既設橋では大型車の交通条件の厳しい路線を中心に 1980 年半ば頃より疲労損傷事例が報告されている 特に近年ではU 型の縦リブ ( 以下 Uリブ ) を使用した鋼床版の損傷事例が顕在化しつつあり 中でもUリブとデッキプレート間の片側溶接のルート部から 1デッキプレート内板厚方向に進展しデッキプレート表面に到達するき裂 ( 以下 デッキ進展き裂 ) と 2 溶接ビード内に進展しビードを貫通するき裂 ( 以下 ビード進展き裂 ) の 2タイプのき裂もしくは両者が複合したき裂が報告されている このうち デッキ進展き裂は現在まで数橋において確認されているが 進展すれば走行路面の舗装の損傷や陥没につながるおそれがあること き裂発生部の構造はUリブ鋼床版にほぼ共通の構造ディテールと考えられることから 対応の緊急度の高いき裂と考えられる 独立行政法人土木研究所では 対応の緊急性の高いデッキ進展き裂を始めとする各種き裂に対して 対策工法の開発に向けて 民間各社との共同研究 鋼床版橋梁の疲労耐久性向上技術に関する共同研究 を平成 16 年度より実施しており 6グループの各社と研究を行ってきている このうち共同研究 ( その2) は デッキ進展き裂およびビード進展き裂を主な対象として 剛性の高い鋼繊維補強コンクリート (SFRC:Steel Fiber Reinforced Concrete) 舗装を用いる補強工法に関して 土木研究所と株式会社横河ブリッジが実施しているものである 本補強工法は SFRC 舗装と鋼床版デッキプレートを合成させることにより 着目疲労き裂を生じさせる原因と考えられているデッキプレートの局部変形 応力を低減させる技術である この共同研究 ( その2) では SFRC 舗装が鋼床版の局部変形 応力に与える効果の確認 SFRC 舗装とデッキプレートとの接合方法の検討 SFRC 舗装の耐久性の確認などを行った それらの成果のうち 本報告書では 実大模型供試体を用いた静的載荷試験および移動輪荷重載荷試験の結果をまとめている - 1 -

10 2. 概要 2.1 SFRC 補強工法の構造デッキプレートとUリブ溶接部に発生する疲労損傷の発生メカニズムについては これまでにFEM 解析や輪荷重走行試験 2.1)-2.4) などにより検討されている それらの成果によれば デッキプレート進展き裂やビード進展き裂の発生は 輪荷重の作用によるデッキプレートの局部変形と それに伴うUリブ溶接ルート部での応力集中の影響を受けていると考えられる 本研究で対象とした補強工法は図 に示すように 従来のアスファルト舗装よりも剛性の高いSFRC 舗装をデッキプレートと合成させることにより デッキプレートの局部変形を軽減し Uリブ溶接ルート部での応力集中を軽減してき裂発生を防ぐものである このような鋼床版の疲労耐久性向上を目的としたSFRC 舗装を 以下ではSFRC 補強工法と呼ぶ 本研究で対象としたSFRC 補強工法の標準的な構造を図 に示す 鋼床版デッキプレートに接着材を塗布し SFRC 舗装を1 層舗設する デッキプレート端部には 舗装の反り上がりやそれに伴う水の浸入を防ぐための機械的接合としてスタッドを配置する また主桁ウェブ上など SFRC 舗装に負曲げモーメントが作用して引張ひび割れが発生する恐れのある箇所には 炭素繊維補強グリッド ( 以下 CFRP) をSFRC 舗装内部に設ける 本補強工法においては デッキプレートとSFRC 舗装を強固に接合し 合成挙動を確保することが重要である 図 に示したように 本研究ではエポキシ系接着材による接合方法を標準としているが 既往の鋼床版上のSFRC 舗装の事例としては図 に示す2 種類の接合方法がある 同図 (a) のスタッドタイプはSFRC 舗装をスタッドにより機械的に接合するものである スタッドは鋼床版デッキプレート上の全面に約 300mmの格子間隔に配置し 現場で打設したSFRCを機械的に接合する エポキシ系接着材はデッキプレート端部にのみ用いられ 床版防水を目的にしている この接合方法による鋼床版上のSFRC 舗装は 舗装の高耐久化を主な目的として 1980 年代より研究開発 2.5) が進められた その後 名古屋高速道路において本格的に採用 2.6) され ランプ橋や料金所 非常駐車帯の鋼床版舗装として基準化された 2.7) 名古屋高速道路の鋼床版上のSFRC 舗装は 最も供用期間の長い箇所で20 年間以上経過した区間がある この区間は 大型車交通量は少ないものの 現在においてもその供用性は良好であり これまでに補修等を一切要していない このことから スタッドタイプの接合法は信頼性のある方法の一つと考えられる しかしながら 接合方法は本来鋼床版の疲労耐久性を向上させることを目的としたものではなく さらに既存橋梁の補強に適用する場合 スタッドの設置に要する作業時間の確保が難しい場合も想定される 同図 (b) の接着材タイプは 接着材を鋼床版デッキプレート全面に塗布し SFRC 舗装と鋼床版を接合させるものである スタッドは SFRCの乾燥収縮による反り上がりや接着材の劣化が生じた場合に備えて 施工範囲の端部にのみ約 300mm 間隔で配置する この接合方法は近年開発されたものであり 一般国道 357 号横浜ベイブリッジ下層路 2.8) や 一般国道 134 号湘南大橋 2.9) で適用されている エポキシ系接着材による全面的な接着と スタッドによる端部の機械的接着を組み合わせる本接合方法は 長期的な耐久性の評価は必要なものの 前述した施工時の時間的制約の解決や建設コストの削減が期待されることから 現時点において有力な接合方法の一つである - 2 -

11 変形小 変形大 a アスファルト舗装 b SFRC舗装 図 SFRC舗装によるデッキプレート局部曲げの軽減イメージ 75 程度 単位 mm 図 鋼床版SFRC舗装の構造 (a) スタッドタイプ (b) 接着材タイプ 図 接合タイプ概要図 -3-

12 2.2 鋼床版における実績と既往の研究先述のとおり 鋼床版上のSFRC 舗装は 当初は舗装の耐久性の向上を目的として採用された 古くは 昭和 50 年代に応急工事の仮橋の覆工板 2.10) やロードヒーティングが設けられた可動橋 2.11) への施工事例がある その後 昭和 60 年頃に ( 株 ) 横河橋梁製作所 ( 現 :( 株 ) 横河ブリッジ ) 等による本格的な検討が開始された この検討では 移動輪荷重試験による耐久性評価試験 2.12) やSFRC 舗装と鋼床版の接合方法に関する要素試験 2.13) がなされており それらの成果は SFRC 合成鋼床版の設計施工要領 ( 案 ) 2.14) としてまとめられた 昭和 60 年 3 月には写真 に示すように名古屋高速道路の東別院オフランプ橋において SFRC 舗装が施工 2.15) され これが我が国で初めての本格的な採用事例となった 東別院オフランプ橋では SFRC 舗装の前後での応力測定 2.16)-2.17) が行われており SFRC 舗装が鋼床版や主桁の応力性状や 振動特性に与える影響を調査している その後 名古屋高速道路では写真 の黒川ランプ橋 写真 の清須工区 2.18) など ランプ橋や料金所などを中心にSFRC 舗装が多く採用されており 施工事例の大半を名古屋高速道路の実績が占めている また写真 の福井県雪対策技術研究所 2.19) による城東橋や旧 日本道路公団月浦 I.C. ランプ橋 2.20) での採用事例は 舗装体中に路面の凍結防止装置や融雪装置を設置するためにSFRC 舗装を施工したものである 一方 平成 2 年に 鋼床版デッキプレートとUリブ溶接部の疲労損傷として ビード進展き裂が阪神高速道路の5 径間連続ゲルバー桁において報告 2.21) された その後 都市内高速道路を中心に ビード進展き裂の事例が相次いで報告されている デッキ進展き裂は 平成 11 年に一般国道 134 号湘南大橋で確認されたのが 我が国で最初の報告事例 2.9) である これは 舗装の打ち換え工事の際に デッキプレート上面に疲労き裂が発見されたものである 平成 15 年には 重交通路線の鋼床版においてデッキ進展き裂による路面の陥没 2.22) が発生し さらに名古屋市道 2.23) や首都高速道路 2.24) 阪神高速道路 2.25) においてもデッキ進展き裂が相次いで報告されている このようにデッキプレートとUリブ溶接部での疲労損傷が報告されるなか 一般国道 357 号の横浜ベイブリッジの下層路に鋼床版の新設が計画された 当該路線は大黒ふ頭と本牧ふ頭とを結ぶ重交通路線であるため 鋼床版の疲労損傷が懸念され 疲労耐久性向上策が求められた しかし本橋の製作 架設が既に完了していたことから 鋼床版構造のさらなる改良によるのではなく 従来のアスファルト舗装に代えて SFRC 舗装を採用することによる鋼床版の疲労耐久性向上策が実施されることとなった これにあたっては学識経験者らによる委員会が組織され SFRC 舗装の適用に際しての様々な技術的な検討が行われた その結果に基づき 平成 15 年度に我が国で初めての鋼床版の疲労耐久性向上を目的としたSFRC 舗装が横浜ベイブリッジに採用された 2.8),2.26) 施工状況を写真 に示す さらに 既設鋼床版の恒久補強策として湘南大橋にSFRC 舗装の採用が検討され 事前検討や試験施工 2.27)-2.29) を経て平成 17 年度にSFRC 舗装が施工された 供用状況を写真 に示す また 旧首都高速道路公団においても 古くは写真 に示すように可動橋の鋼床版においてSFRC 舗装が試験的に採用されたが 2.30) 近年では鋼床版の疲労耐久性向上を目的として荷重車載荷試験による鋼床版の応力低減効果の確認 2.31) や移動輪荷重試験による耐久性評価試験 2.32) を行っている これらの成果に基づき 湾岸線東扇島工区における補強対策 2.24) や 写真 に示すように西新宿ジャンクション橋 2.33) において SFRC 舗 - 4 -

13 装が採用されている その他の鋼床版 SFRC 舗装の検討としては 既設鋼床版の合成鋼床版化による耐久性評価を検討した事 例 2.34) が挙げられる 表 に 鋼床版上の SFRC 舗装の主な施工実績の一覧を示す 写真 名古屋高速道路東別院オフランプ橋 ( 大井工区 ) 写真 名古屋高速道路 黒川ランプ工区 写真 名古屋高速道路 清須工区 写真 福井市 城東橋 - 5 -

14 写真 一般国道 357 号 横浜ベイブリッジ 写真 一般国道 134 号 湘南大橋 写真 首都高速道路 BT336 工区 写真 首都高速道路 西新宿ジャンクション - 6 -

15 表 鋼床版 SFRC 舗装の施工実績一覧 ( つづく ) 番号 施工面積舗装厚さ橋梁 ( 床版 ) 使用 SF 種 SF 量膨張剤発注者舗装工事名施工場所施工時期スタッド接着材工事名不明の場合は橋梁名 (m 2 ) (mm) 概要 ( 形状 ) %vol kg/m 3 kg/m 3 1 東京都 東京都 浦安橋 ( 応急橋 ) SFRC 舗装工事 東京都昭和 56 年 応急橋の覆工版住友 I.S ファイバー φ 40 (200mm 間隔 ) 不明 2 富山県 3 名古屋高速道路公社 4 首都高速道路公団 富山県中橋可動橋舗装工事 市道高速分岐 3 号大井工区舗装工事 首都高速道路公団 BT336 工区 ( その 2-2) 富山県黒部市 名古屋市中区 ( 東別院ランプ ) 東京都 昭和 57 年 昭和 60 年 3 月 昭和 60 年 12 月 路肩 :80 中央 :92 グルービング仕上げ 鋼床版単純箱桁可動橋橋長 :38.4m, 幅員 7.0m 2 径間連続鋼床版 1 主箱桁橋橋長 89.8m, 幅員最大 7.4m 鋼床版可動橋橋長 69.5m, 幅員 7.0m 異形せん断ファイバー イゲタ鋼板 イゲタ鋼板 不明不明 アサノシ フ カル 30 デンカ CSA φ 40 ( 標準 250mm 間隔 ) 9.5φ 40 ( mm 間隔 ) エポキシ樹脂 ( タ イトサイサ ー OW-355, 1kg/m 2 ) 不明 5 日本道路公団京滋工事事務所 名神高速道路草津川金勝川床版新設工事 滋賀県栗東町 平成 6 年 3 月平成 7 年 3 月 2, 単純箱桁橋橋長 78.8m, 最大幅員 14.5m シンコーファイバー φ 不明 スタッド使用 ( 詳細不明 ) 不明 名古屋高速道路公社 名古屋高速道路公社 名古屋高速道路公社 名古屋高速道路公社 名古屋高速道路公社 名古屋高速道路公社 名古屋高速道路公社 名古屋高速道路公社 名古屋高速道路公社 市道高速分岐 2 号明道工区舗装工事 市道高速 2 号清水 ( その 2) 工区舗装工事 県道高速名古屋新宝線名駅オンランプ工区ほか 2 工区舗装工事 市道高速分岐 2 号久屋工区舗装工事 市道高速 2 号清水 ( その 1) 工区舗装工事 市道高速 2 号黒川工区舗装工事 市道高速 2 号荻野工区舗装工事 県道高速名古屋新宝線及び市道高速 1 号名駅工区舗装工事 市道高速分岐 2 号本町工区舗装工事 名古屋市中区 ( 丸の内オフランプ ) 名古屋市北区 名古屋市中村区 ( 名駅オンランプ ) 名古屋市中区 平成 6 年 5 月 ~6 月 平成 6 年 12 月 ~ 平成 7 年 8 月 平成 7 年 1 月 ~3 月 平成 7 年 2 月 ~8 月 1,242 路肩 :68 中央 :80 グルービング仕上げ ,129 82~92 グルービング仕上げ 名古屋市北区平成 7 年 3 月 名古屋市北区平成 7 年 3 月 名古屋市北区 名古屋市中村区 ( 錦橋オフランプ ) 平成 7 年 4 月 ~10 月 昭和 62 年 4 月 ~6 月 ,182 82~92 グルービング仕上げ 名古屋市中区平成 7 年 径間連続ラーメン鋼床版箱桁橋施工延長 :208m 連続鋼床版箱桁橋 ( 非常駐車帯部を施工 ) 3 径間連続鋼床版箱桁橋橋長 180m 連続鋼床版箱桁橋 ( 非常駐車帯部を施工 ) 連続鋼床版箱桁橋 ( 非常駐車帯部を施工 ) 連続鋼床版箱桁橋 ( 非常駐車帯部を施工 ) 連続鋼床版箱桁橋 ( 非常駐車帯部を施工 ) 5 径間連続鋼床版箱桁橋施工延長 :205m 連続鋼床版箱桁橋 ( 非常駐車帯部を施工 ) BS ドラミックス BS ドラミックス イゲタ鋼板 BS ドラミックス BS ドラミックス BS ドラミックス BS ドラミックス イゲタ鋼板 BS ドラミックス 小野田エクスハ ン 30 小野田エクスハ ン 30 デンカ CSA 30 小野田エクスハ ン 30 小野田エクスハ ン 30 小野田エクスハ ン 30 小野田エクスハ ン 30 デンカ CSA 30 小野田エクスハ ン φ 40 ( 標準 250mm 間隔 ) 9.5φ φ φ φ φ φ φ φ 40 エポキシ樹脂系 ( タ イトサイサ ー OW-355) エポキシ樹脂系 ( タ イトサイサ ー OW-355) エポキシ樹脂系 ( タ イトサイサ ー OW-355) エポキシ樹脂系 ( タ イトサイサ ー OW-355) エポキシ樹脂系 ( タ イトサイサ ー OW-355) エポキシ樹脂系 ( タ イトサイサ ー OW-355) エポキシ樹脂系 ( タ イトサイサ ー OW-355) エポキシ樹脂系 ( タ イトサイサ ー OW-355) エポキシ樹脂系 ( タ イトサイサ ー OW-355) 15 福井県雪対策技術研究所 城東橋橋梁整備工事福井市 平成 7 年 12 月 表層なし 鋼床版単純桁橋長 42.1m, 最大幅員 31.8m イゲタ鋼板 不明 9.5φ 40 (150mm 間隔 ) 不明 備考 仮橋 覆工版舗装参考文献 2.10) ロードヒーティング埋設参考文献 2.11) 舗装耐久性向上参考文献 2.15) 舗装の耐久性向上死荷重低減参考文献 2.30) 接着材は全面塗布と考えられる 参考文献 2.35) 舗装耐久性向上地覆端部 中間支点に補強金網 蓄熱材封入鋼床版参考文献 2.19) - 7 -

16 表 鋼床版 SFRC 舗装の施工実績一覧 ( つづき ) 番号 発注者 舗装工事名工事名不明の場合は橋梁名 施工面積舗装厚さ橋梁 ( 床版 ) 使用 SF 種 SF 量膨張剤施工場所施工時期スタッド接着材備考 (m 2 ) (mm) 概要 ( 形状 ) %vol kg/m 3 kg/m 3 16 福井県雪対策技術研究所 天菅生橋福井市 平成 7 年度開通 表層 : 薄層樹脂舗装 4+2 径間連続鋼床版 2 主箱桁橋橋長 468.5m, 幅員 11m 不明不明不明 9.5φ 40 (150mm 間隔 ) 不明 蓄熱材封入鋼床版参考文献 2.19) 17 西日本鉄道 ( 株 ) 福岡駅地区開発工事福岡市中央区平成 8 年 2,770 68~80 不明 BS ドラミックス 不明不明不明 名古屋高速道路公社 福井県雪対策技術研究所 名古屋高速道路公社 名古屋高速道路公社 日本道路公団北陸支社 市道高速 2 号黒川ランプ工区舗装工事 名古屋市北区 ( 黒川オン オフランプ ) ( 勝山橋 ) 福井県勝山市 市道高速分岐 2 号丸の内オンランプ舗装工事 県道高速名古屋小牧線豊山 ( その 1) 工区舗装工事 北陸自動車道月浦 IC C ランプ橋 名古屋市中区 愛知県西春日井郡豊山町 石川県金沢市 平成 8 年 11 月 ~ 平成 9 年 5 月 平成 11 年度開通 平成 11 年 3 月 ~4 月 平成 12 年 3 月 ~11 月 平成 13 年 5 月 6,861 約 780 2, グルービング仕上げ 100 ( 薄層表層あり ) 路肩 :68 中央 :80 グルービング仕上げ 3,700 50~80 不明 60(SFRC)+ 50( 表層 ) 連続鋼床版箱桁橋 橋長 335m のローゼ橋のうち鋼床版単純橋部分支間長 :29.1m 3 径間連続鋼床版箱桁橋 : 202m 2 径間連続鋼床版箱桁橋 : 97m 3 径間連続鋼床版箱桁橋施工延長 :184m 5 径間連続鋼床版箱桁橋 (L=243.9m) BS ドラミックス 小野田エクスハ ン φ 30,40 (250mm 間隔 ) エポキシ樹脂系 ( タ イトサイサ ー OW-355) 不明 不明不明 9.5φ 40 不明 BS タフグリップ BS タフグリップ 小野田エクスハ ン 30 小野田エクスハ ン 30 不明 1.0 不明 9.5φ φ 30,40 (250mm 間隔 ) 9.5φ 40 (300mm 間隔 ) エポキシ樹脂系 ( タ イトサイサ ー OW-355) エポキシ樹脂系 ( タ イトサイサ ー OW-355) 不明 参考文献 2.36) 蓄熱材封入鋼床版参考文献 2.19) 参考文献 2.37) 参考文献 2.38) 鋼床版ランプ橋電熱線ヒーター埋設参考文献 2.20) 23 国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所 国道 357 号横浜ベイブリッジ 神奈川県横浜市 平成 16 年 3 月 27, ,7 径間連続鋼床版鈑桁橋 9 連 (3 径間連続鋼トラス橋斜張橋の二層構造の下層 ) シンコーファイバー φ BS タフグリップ 舗装端部に 9.0φ 40 (300mm 間隔 ) エポキシ樹脂系 ( コニシ E-200) 全面塗布 新設鋼床版の疲労耐久性向上参考文献 2.8) 24 神奈川県平塚土木事務所 国道 134 号湘南大橋 神奈川県平塚市 平成 17 年 10 月 ~12 月 3,600 80~90 ( 設計アスファルト厚は 70mm) 3 径間連続鋼床版箱桁橋 2 連橋長 :530.1m ( 鋼床版部分 ) シンコーファイバー φ 不明 舗装端部に 9.0φ 40 (300mm 間隔 ) エポキシ樹脂系 (KS ボンド ) 全面塗布 既設鋼床版の疲労耐久性向上 CFRP グリッド使用参考文献 2.9) 25 首都高速道路株式会社 湾岸線 東扇島工区神奈川県川崎市平成 19 年 1 月不明 (SFRC):50 ( 表層 ):30 3 径間連続鋼床版箱桁橋 不明不明不明使用せず 全面にエポキシ樹脂系 (KS ボンド ) 全面塗布 既設鋼床版の疲労耐久性向上 CFRP グリッド使用参考文献 2.24) 26 国土交通省関東地方整備局宇都宮国道事務所 国道 50 号大平高架橋 栃木県小山市平成 19 年度 1, 径間連続鋼床版箱桁および単純鋼床版鈑桁 2 連 シンコーファイバー φ 舗装端部に 9.0φ 30 (300mm 間隔 ) 全面にエポキシ樹脂系 (KS ボンド ) 全面塗布 既設鋼床版の疲労耐久性向上 CFRP グリッド使用参考文献 2.39) 27 名古屋高速道路公社 県道高速名古屋朝日線清須 ( 下り線 ) 工区舗装工事 名古屋市西区平成 19 年度 3,300 (SFRC):50 ( 表層 ):30 3 径間連続鋼床版箱桁橋橋長 :346m シンコーファイバー φ デンカ CSA φ 30 (300mm 間隔 ) エポキシ樹脂 新設鋼床版の疲労耐久性向上参考文献 2.18) 28 首都高速道路株式会社 SJ32 工区 ~SJ63 工区舗装その他工事 ( 中央環状線西新宿 JCT) 東京都渋谷区平成 19 年度 8,100 (SFRC) (SFRC):50 ( 表層 ):30 連続鋼床版箱桁橋ほか不明 使用せず 全面にエポキシ樹脂系 (KS ボンド ) 1.4kg/m 2 新設鋼床版の疲労耐久性向上 CFRP グリッド使用参考文献 2.33) - 8 -

17 2.3 標準的な施工工程本節では 鋼床版の疲労耐久性向上策として適用されるSFRC 舗装の施工工程の例を示す これまでの実施例から 施工工程としては早強セメントによるコンクリートを用いる場合 超速硬セメントによるコンクリートを用いて夜間規制のみで工事を行う場合 および超速硬セメントによるコンクリートを用いて 24 時間集中工事を行う場合の3 種類が考えられる これら施工工程の選択にあたっては交通規制等の制約条件を考慮したうえで 経済性や施工の確実性にも配慮しなければならない ここでは 早強セメントによるコンクリートを用いる場合のSFRC 舗装の施工工程を図 に示す 早強セメントによるSFRC 舗装の施工は 交通規制日数が多く取れる施工条件においてのみ適用可能であるが 平成 19 年に国道 50 号大平高架橋での適用例がある また 本研究の供試体には早強セメントを用いた 施工工程は 主に既設舗装撤去工 研掃工 スタッド設置工 型枠設置工 接着材塗布工 補強材設置工 SFRC 製造 SFRC 打設工等からなる (1) 既設舗装撤去工既設鋼床版のアスファルト舗装を撤去する工程であり 鋼床版のボルト接合箇所等の突起物に切削傷をつけない深さまで路面切削機により切削し 残された部分についてはブレーカー等を用いて切削する アスファルト舗装撤去後にデッキ貫通き裂の有無を確認するが この時点で対処の必要なき裂を発見した場合 当て板の手配や孔明け等に時間を要し 計画通りの工程進捗はほぼ不可能となる このような事態を避けるため 事前の損傷状況の調査 それに基づくき裂の状況に応じた進展抑制の対策 施工前調査を入念に実施する必要があり 必要な場合は鋼板当て板補強等が迅速にできるように事前準備する必要がある (2) 研掃工研掃工は アスファルト舗装が撤去されたデッキプレート上の錆や付着物を除去し 接着材の接着性を確保するために行う 1 種ケレンに相当する研掃状態が得られることが求められるが 所要の研掃状態に達していることを逐次確認しながら作業を行うことは効率的ではない このため ショットブラストにより研掃を行う場合には 所要の研掃状態が得られる投射密度をあらかじめ確認した上で 施工にあたってはこの投射密度が確保されるよう研掃機の移動速度を管理することが一般的に行われている ケレン処理をしたデッキプレートは発錆しやすいので 研掃工終了後 直ちに接着材を塗布する必要がある 長期間の交通規制が可能であり SFRCの打設を一度に広範囲に行なう場合には 研掃工後のデッキプレートにプライマーを塗布することもある また スタッドタイプでは スタッド設置位置のケレンとスタッドの溶接による損傷部のタッチアップが必要となる (3) スタッド設置工デッキプレート研掃工終了後 スタッドを所定位置に溶接で設置する スタッドの設置位置は 設計図書や現地の鋼床版の構造条件を十分に勘案して決定する また 主桁ウェブ直上は構造上 SFRC 舗装にひび割れが発生しやすい部位であるため 避けるようにする (4) 型枠設置工 SFRC 舗装が所定の形状 寸法で舗設されるよう 所定の位置 高さに堅固な型枠を確実に固定する - 9 -

18 (5) 接着材塗布工鋼床版とSFRCを一体化し 活荷重等による作用力に抵抗する性能と鋼床版の防水性能を確保するため 接着材をデッキプレート表面に塗布し 打込み後のコンクリートの硬化過程において両者を接合する これまでの施工実績では 接着材としてエポキシ系接着材が標準的に用いられている 接着材塗布工にあたっては 使用するエポキシ系接着材の特性を事前に十分に把握したうえで施工計画を策定し 施工中は粘度や塗布量などについて品質 出来型管理を適切に行うことにより 完成後のSFRC 舗装において接着材が要求された性能を十分発揮できるようにする必要がある (6) 補強材設置工車両走行による負曲げを受け ひび割れが発生する可能性の高い主桁ウェブ直上において ひび割れ発生後のSFRC 舗装の一体性を保持し 耐久性を確保することを目的として 耐食性を有する格子状の補強材を舗装内部に設置する 接着防水工の終了後 補強材を所定の位置および高さに速やかに設置する 設置方法および設置タイミングは SFRCコンクリートの締固めの工程を阻害しないよう SFRCの施工方法とあわせて検討する必要がある (7) SFRC 製造 SFRCの製造工程や SFRCを打設する時期は使用するセメントの種類によって異なる 普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントを使用する場合は 生コンプラントにてベースコンクリートを製造し アジテータトラックで打設現場に運搬後 鋼繊維の投入と練混ぜを行う 超速硬セメントを使用する場合は 現場プラント車等にてベースコンクリートを製造し SFの投入練混ぜを行う SFRCは 強度 耐久性 水密性 作業に適するワーカビリティー等の所要の特性を有し かつ 品質のばらつきの少ないものが製造されるようにしなければならない (8)SFRC 打設工コンクリート打込みは デッキプレートとの強固な接着が確保できるよう 接着材の可使時間を考慮して適切な時間内に施工を終了する必要がある コンクリート締固めは確実に行い 密実な舗装コンクリートが得られるようにする 本研究ではSFRC 舗装 1 層による構造を想定しており SFRC 表面は橋面舗装として必要な性能を有するように仕上げる必要がある コンクリート養生は 十分な強度発現が得られるよう 所定量の表面養生剤を散布するなどして行う 表面養生剤の選定にあたってはSFRCとの適合性を事前に検討しておく必要がある 表面養生剤の散布後 シート等でシート養生を行う

19 損傷状況の調査 き裂の状況に応じた進展抑制の対策 施工前調査 交通規制 既設舗装撤去工 デッキ貫通き裂の有無 有 き裂位置 長さの記録 無研掃工プライマー工スタッド設置工型枠設置工 き裂の状況に応じた進展抑制の対策 き裂の進展抑制の対策は 損傷状況を調査した上で 施工前に実施するが 施工時に新たにき裂が見つかる可能性もあるため 対処方法を想定しておく必要がある 接着材塗布工 補強材設置工 SFRC打設工 コンクリート打込み コンクリート締固め 表面の仕上げ コンクリート養生 SFRC製造 ( 早強コンクリート ) 路面表示工 供用 ( 交通開放 ) 図 鋼床版上の SFRC 舗装の標準的な施工工程 ( 早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートによる場合 )

20 2.4 工法の特徴 (1) 設計面の特徴 1) アスファルト舗装に比べて高い剛性が得られるSFRC 舗装とデッキプレートを合成させることにより 輪荷重作用時のデッキプレートの局部変形を軽減できる これにより デッキ進展き裂やビード進展き裂を発生させると考えられるUリブ溶接ルート部の応力を低減できる また Uリブと横リブの交差部など 疲労上の弱点となる他の部位のひずみも低減させることができる 2) 既存のアスファルト舗装を比重がほぼ変わらないSFRC 舗装に換えるので 補強工事による死荷重の増加は少ない SFRC 舗装は主桁上フランジとしての合成作用にも寄与する可能性があるが その程度については 本共同研究にて検討する 3) 接着材を用いてデッキプレートとSFRC 舗装を一体化させる場合は デッキプレートとSFRCは 設計上完全合成挙動を示すものと予想されるが 本研究において確認する ただし 品質が十分に確保されるように接着材を施工することが前提である (2) 施工面の特徴 1) SFRC 舗装の施工は床版上面で行うため交通規制を必要とするが 超速硬セメントの採用など 短時間で所定の強度が得られるコンクリートにより規制時間の短縮を図ることができる 2) 基本的に施工は床版上面からのみであり 桁下からの作業がないため足場を設置する必要がない 3) 場所打ちコンクリートであるため 鋼床版上面の高力ボルト添接部や ハンドホールなどの突起部に対しても施工が可能である また 舗装厚さを調整することよって路面のレベリングを確保することが可能である 4) 既設舗装撤去時にデッキ貫通き裂が発見された場合は 鋼板当て板補強法等で対策できるよう 準備が必要である ただし 現場で当て板補強での即応は難しいため 施工前にき裂発生状況の調査を十分に行っておく必要がある (3) 維持管理上の特徴本工法の施工では 鋼床版への溶接や孔明けなどの加工を行わないため 疲労の弱点を新たに生じさせることがない また 補強後もデッキプレートとUリブの溶接線を下面より目視検査することが可能であり 鋼床版の維持管理上有利である ただし ひび割れたSFRC 舗装の耐久性や接着材の耐久性についてはまだ未解明な点も多いため 変状が生じた場合は早期に発見して必要な対策が施せるように 適切な維持管理が必要である

21 3. 供試体の概要 3.1 供試体の種類と構造諸元 (1) 供試体の種類本研究では SFRC 補強工法による鋼床版の疲労耐久性向上の効果 およびSFRC 舗装自体の耐久性を確認するため 実大鋼床版供試体を用いた静的多点載荷試験および移動輪荷重試験を行った 静的多点載荷試験は SFRC 舗装の前後で鋼床版局部のひずみや変形を計測することによって 施工初期における鋼床版とSFRC 舗装の合成効果や 中間横リブにおけるUリブとの交差部など 鋼床版局部応力に与えるS FRC 舗装の効果を確認するために実施した また 移動輪荷重試験は 荷重の繰返し載荷によるSFRC 舗装の劣化および応力低減効果の低下の有無や その程度を把握するために実施した これらの試験の実施には 図 に示すようにUリブ 1 径間モデルの Type-1 および Type-2 供試体 Uリブ 2 径間モデルの Type-3 供試体の計 3 体の実大供試体を使用した いずれもUリブ 4 本を有し 横リブと主桁に囲まれた鋼床版パネルで構成される Uリブの支間長は 標準的な 2,500mm とした 表 に示すように Type-1 と Type-2 供試体は移動輪荷重試験に使用し Type-3 供試体は静的多点載荷試験に使用した 前章の図 に示したように 本研究ではSFRC 舗装とデッキプレートの接合方法として スタッドタイプと接着材タイプの 2 種類を採用している Type-1 供試体は接着材タイプ Type-2 供試体はスタッドタイプをそれぞれ適用し Type-3 供試体は Uリブ 2 径間のうち 1 径間にスタッドタイプ もう 1 径間に接着材タイプを適用した これら 3 体の供試体によって 移動輪荷重試験および静的多点載荷試験のいずれにおいても2 種類の接合方法の比較ができるようにした (2) 供試体の構造パラメータ供試体の構造パラメータは 鋼床版の構造ディテールとSFRC 舗装の接合方法に大別される 鋼床版の構造ディテールは Type-3 供試体にパラメータとして取り入れ 静的多点載荷試験を実施して比較することとした なお 本研究は既設の鋼床版構造を対象としているため 平成 14 年 3 月発刊の 鋼道路橋の疲労設計指針 ( 日本道路協会 ) 3.1) に示されている構造ディテールよりも それ以前に一般的であったものを供試体に採用している 一方 SFRC 舗装の接合方法についての比較は前述の通り 接着材タイプとスタッドタイプを静的多点載荷試験および疲労試験 ( 移動輪荷重試験 ) の両方で試験できるようにした 具体的な構造パラメータを以下に列挙するとともに これらを図 に模式的に示す 1) デッキプレート厚各供試体ともデッキプレート厚は 既設鋼床版で最も標準的である 12mm とした 2) Uリブ形状と板厚 Uリブ形状は 日本鋼構造協会規格 (JSS II ) に示されるもので 特に採用事例が多い呼び名 U および U を供試体に用いた 近年では 板厚 6mm のUリブの採用がほとんどであるが 疲労損傷が確認されている鋼床版では 現行の道路橋示方書 3.2) に示される 縦リブの最低板厚 (6mm

22 以上 ) の規定以前の最小板厚 すなわち板厚 8mm のUリブを採用していることが多い このため Type-3 供試体では Uリブの板厚がデッキプレートとの溶接部の局部応力に与える影響を把握するために 板厚 6mm のUリブを 2 本 板厚の 8mm のUリブを 2 本づつ用いた Type-1 供試体および Type-2 供試体については Uリブ 4 本とも板厚が 6mm のUリブ (U ) とした 3) デッキプレートとUリブの溶接デッキプレート貫通き裂に関する既往の研究成果では Uリブの板厚や溶接方法が疲労き裂の発生に関係することが指摘されている 3.3)-3.5) 例えば文献 3.3) では デッキプレート厚 12mm に対して相対的にUリブの板厚が大きく 溶け込み量が大きい場合には ビード進展き裂よりもデッキ進展き裂が発生する傾向があると指摘している デッキプレートとUリブの溶接の溶け込み量について 鋼道路橋の疲労設計指針 では 必要なのど厚を確保するとともに リブ板厚の 75% 以上の溶込み量を確保するものとしている 本研究はこの規定以前に建設された鋼床版を対象としているため 忠実に当時の構造を再現するには Uリブ溶接の溶込み量やのど厚の小さい供試体を製作して試験に供することが考えられる この場合 供試体はビード進展き裂の発生につながりやすい要因を有することになる しかし 本研究ではデッキ進展き裂とビード進展き裂をともに対象としており 外観目視で発見できないという点においてはデッキ進展き裂への対応を重要視している そこで ここで用いる供試体はデッキ進展き裂の誘発を意図して 溶接部ののど厚を多く確保することとした したがって デッキプレートとUリブの溶接については のど厚はUリブ同等以上の厚さ程度を確保し 溶込み量はUリブ板厚の 75% 以上確保するようにした 開先形状および溶接条件等は次節 3.2 に記述する 4) Uリブ内部の密閉ダイアフラムの有無重交通路線の鋼床版では 写真 に示すように Uリブと横リブの交差部スリットのUリブ側止端部から疲労き裂が発生している事例が報告されている この損傷の発生原因のひとつとして 輪荷重の偏心載荷によるUリブのねじれが交差部に伝達されることが挙げられている Uリブのウェブ部は横リブに固定されているが Uリブの底面部にはスリットが設けられ 横リブと固定されていない そのため Uリブのねじれ変形がスリット端部のまわし溶接部付近に局部応力を発生させている可能性がある 特に 交差部近傍にUリブ現場継手部が存在すると 継手部に設けられるUリブ内の密閉ダイアフラムが Uリブ断面形状を保持する効果により 図 に示すようにスリット端部での応力集中を起こしやすくなると考えられる このUリブ内ダイアフラムの影響は 大型 Uリブを用いた鋼床版構造に関する検討 3.6) において指摘されたものである そこで Type-3 供試体では Uリブの1つに密閉ダイアフラムを設置し これがUリブと横リブとの交差部の局部応力に与える影響についても比較検討することとした 5) Uリブと横リブ交差部形状 Type-3 供試体の中間横リブにおいて Uリブと横リブ交差部 ( 以下 交差部 ) の局所的な応力を計測することとした 交差部の詳細構造は 公団や公社によって若干の違いが見られるが 交差部に疲労損傷が報告 3.7) されている首都高速道路の構造詳細を供試体に採用した すなわち 交差部の上側スカラップの径を 35mm 下側スカラップの端部の径を 35mm Uリブ底面とスカラップのコバとの間隔を 20mm とした

23 6) 主桁垂直補剛材上端部の形状主桁垂直補剛材上端部とデッキプレート下面の溶接部は 鋼床版の中でも疲労き裂が発生しやすい箇所の一つである まわし溶接のデッキプレート側止端 あるいは垂直補剛材側止端から発生するが 多くはデッキプレートに進展し 放置すればデッキプレートを貫通する場合もある Type-3 供試体では 垂直補剛材上端部ディテールとして デッキプレート下面と溶接する従来型の構造に加え デッキプレート下面と垂直補剛材上端部の間にギャップを設けて溶接しない構造を採用した ギャップ量 D については 既往の研究事例の D=30mm 3.8) や D=35mm 3.9 ) 等を参考にして 40mm とした 7) SFRC 舗装の接合方法 SFRC 舗装とデッキプレートとの接合方法については前述のとおり スタッドタイプと接着材タイプがある 本試験では この2 種類の接合方法の比較を行うために スタッドタイプは名古屋高速道路公社の舗装基準 3.10) に準じ 接着材タイプは横浜ベイブリッジ 3.11 )-3.12) に準じた方法で施工することとした Type-3 供試体はUリブ 1 径間ごとにスタッドタイプと接着材タイプを採用し 静的多点載荷試験により力学的挙動を比較した さらに Type-1 供試体には接着材タイプ Type-2 供試体にはスタッドタイプをそれぞれ採用して 移動輪荷重試験に供することにより疲労耐久性を比較した (a) Type-1 供試体 ( 接着材タイプ ) (b) Type-2 供試体 ( スタッドタイプ ) (c) Type-3 供試体 図 供試体の概要

24 供試体名 表 供試体の種類と試験方法 SFRC 舗装施工前の静的載荷試験 SFRC 舗装施工後の静的載荷試験 SFRC 舗装施工後の移動輪荷重試験 Type Type Type-3 - (a) Type-1 供試体 ( 接着材タイプ ) (b) Type-2 供試体 ( スタッドタイプ ) (c) Type-3 供試体 図 供試体の構造パラメータ

25 (a) まわし溶接 U リブ側止端の疲労き裂 (b) 同左 進展したもの 写真 U リブ横リブ交差部の疲労損傷事例 (U リブの手前に現場継手部あり ) 図 U リブと横リブ交差部における疲労損傷発生メカニズム

26 3.2 供試体の鋼床版鋼部材の製作 (1) 供試体の概略寸法 Type-1 および Type-2 供試体の概略寸法を図 に Type-3 供試体については図 に示す いずれの供試体もUリブ支間は 2,500mm Uリブ間隔は 640mm 主桁間隔は 2,880mm であり 高さ 600mm の横リブと 高さ 1000mm の主桁で囲まれるパネルモデルである 供試体は太平電業 ( 株 ) 埼玉工場において製作した 製作図を付録の図 - 付 -1.1~1.3 に示す (2) Uリブとデッキプレートの溶接 Uリブとデッキプレート溶接部は 十分な溶け込み量としてUリブ板厚の 75% を確保するために 板厚 6mm および 8mm のUリブをともに開先加工を施して溶接した 図 に開先形状を示す Uリブの溶接は 炭酸ガスアークシールド溶接の手溶接とし 溶接材料はフラックス入りワイヤ SF-1 ( 日鐵住金溶接工業社製 ) を使用した 溶接は2パス施工を基本とし 電流は 175A 電圧は 33A とした 写真 に溶接状況を示す 溶接に際しては 事前に溶接施工試験を実施し 十分な溶け込み量が確保できていることを確認した 写真 に溶接部のマクロ写真を示す なお 供試体の各部材の組み立ては 部材全てを組み立てた後に本溶接を行う 総組み によるものとした (3) 密閉ダイアフラムの取り付け Type-3 供試体の密閉ダイアフラムを取り付けるUリブは 密閉ダイアフラムの取り付け位置で 2 分割し 密閉ダイアフラムと Uリブおよびデッキプレートとを溶接してUリブ内部に密閉ダイアフラムを取り付けた後に 残りのUリブを突合せ溶接する方法とした これにより ボルト継手部を設けずに密閉ダイアフラムのみをUリブ内部に取り付けた (4) ハンドホールの設置 Type-3 供試体の Uリブの2 本には Uリブ支間中央にハンドホールを設けた これは 供試体の組み立て溶接完了後 ハンドホールからUリブ内面側にひずみゲージを取り付けるために設けたものである ひずみゲージ設置完了後は カバープレートを溶接することでハンドホールを閉塞した ハンドホールのカバープレートの溶接作業状況を写真 に示す

27 単位 :mm 図 供試体の概略寸法 (Type-1 供試体 Type-2 供試体 ) 単位 :mm 図 供試体の概略寸法 (Type-3 供試体 )

28 図 U リブ溶接部開先形状 写真 U リブ溶接状況 写真 U リブ溶接部のマクロ写真 写真 カバープレートの溶接状況

29 3.3 SFRC 舗装の施工 (1) SFRC 舗装の仕様 Type-3 供試体においてSFRC 舗装施工前の静的多点載荷試験を行った後 全ての供試体に対して同時に SFRC 舗装を敷設した SFRC 舗装の構造パラメータは 3.1 節に示したとおりデッキプレートとの接合方式であり 詳細を表 に示す SFRCに使用するセメントは早強セメントとし 表 に示す横浜ベイブリッジでの配合条件 3.12) を参照して 表 に示す配合仕様とした SFRCの設計基準強度は 29.4N/mm 2 とし 乾燥収縮によるひび割れを防止するために膨張材を混入している 鋼繊維には両端フック型の異形せん断ファイバー タフグリップ ( ブリヂストン社製 図 参照 ) を用い 容積率で 1.5% 混入した 寸法はφ0.6 長さ 30mm である スタッドは 図 に示す呼び径 φ9.0 長さ 40mm の 頭付きスタッド を使用した なお SFRC 舗装の舗装厚は 横浜ベイブリッジでの実績を参照に 75mm とした 本試験で使用した主な材料を表 に示す これらの材料についても 横浜ベイブリッジで採用されたものと同等品を使用することとした (2) SFRC 舗装の施工手順図 に SFRC 舗装施工の手順を示す 一連の作業のうち SFRC 舗装の施工は ( 株 )NIPPO コーポレーション スタッドの施工はオカベストラクト ( 株 ) が担当した なお SFRC 舗装の施工日は 平成 16 年 12 月 24 日である 1) スタッド施工前のレベル測量 ( 写真 ) スタッド溶殖の熱影響が鋼床版のキャンバーに与える影響を調べるため スタッドの施工前に鋼床版デッキプレート面のレベル測量を実施し 初期データを収集した 2) ショットブラスト ( 写真 ) 本試験では 横浜ベイブリッジ ( 一般国道 357 号 ) の実績と同様にショットブラストを実施した ブラストには 遠心バキュームブラスト機を用いることとし グリッドにはスチールグリッド (GDT-140 ( 株 ) IKKショット社製 ) を使用した 目標とする除錆度は ISO 2.5 相当とした 3) プライマーの塗布 ( 写真 ) ショットブラストの施工後すぐに 防錆を目的にプライマーを 0.25kg/m 2 で全面に塗布した プライマーには 既設橋梁への補修工事を想定して ボンドE 補修用プライマー (( 株 ) コニシ社製 ) を使用した 4) スタッド位置のケレン ( 写真 ) スタッドの溶殖に先立ち 溶殖位置におけるプライマーをディスクグラインダで除去した 5) スタッドの溶殖 ( 写真 ) プライマーの塗布の2 日後に スタッドの溶殖を行った 各供試体のスタッドの取付け位置を図 に示す スタッドは基部にカラーを取り付けた後に 溶接銃で溶殖した φ9mm のスタッドに対する溶接電流は 500A アークタイムは 0.4 秒であった 6) スタッド施工後のレベル測量スタッド溶殖前と同様に 鋼床版デッキプレート面のレベル測量を実施し 溶接前後におけるキャンバー

30 の変動を求めた 図 に施工前後におけるデッキプレートのレベル測量結果を示す これらより スタッド溶殖の前後でデッキプレート面に大きな変形は見られず スタッドの溶殖は鋼床版の出来形に影響がないことが明らかとなった 7) 型枠の設置 ( 写真 ) SFRC 舗装の打設準備として L 型鋼材を用いた型枠を設置した 8) スタッドへのプライマー塗布 ( 写真 ) スタッドおよび溶殖部近傍へプライマー ( ボンドE 補修用プライマー ) を塗布した 9) 接着材の塗布 ( 写真 ~ 写真 ) SFRCの打設前に 接着材 ボンドE200(( 株 ) コニシ社製 ) を 1.0kg/m 2 で塗布した 塗布量の管理は 施工面積に応じた体積分を塗布することと 施工時に一様に塗布されたことを目視で確認することによった 接着材の塗布範囲は図 に示す 接着材タイプの Type-1 供試体はデッキプレートのほぼ全面に スタッドタイプの Type-2 供試体は 名古屋高速道路公社の実績を参考に舗装端部より 300mm の範囲とした 10) SFRCの打設 ( 写真 ~ 写真 ) 鋼繊維は アジテータ車へ投入し攪拌することで混入させた SFRCは アジテータ車からホッパーで搬出し 鋼床版上へ打ち込むものとした SFRC 打設後は 敷き均した後に箒目仕上げを行った 11) 養生 ( 写真 ~ 写真 ) SFRC 舗装の施工後は 表面養生剤による被膜養生を行った後 1 週間のマット養生を行った (3) SFRCの材料試験 SFRC 舗装の施工に際して 以下に示すSFRCの受け入れ検査と強度試験を実施した 表 に試験結果を一覧として示す 1) スランプ試験 JIS A 1101 コンクリートのスランプ試験方法 に従って実施した 表 に示す配合上の目標値の範囲内で低めの結果となったが ワーカビリティーに悪影響はなかった 2) 空気量試験 JISA1128 まだ固まらないコンクリートの圧力による試験方法( 空気圧力法 ) によった 配合上の目標値を満足している 3) 圧縮強度試験 JIS A 1108 コンクリートの圧縮強度試験方法 によって実施した 設計基準強度 29.4N/mm 2 を材齢 3 日で越え 材齢 7 日では 40N/mm 2 以上の圧縮強度となった

31 表 SFRC 舗装の接合方式 接合方式施工供試体舗装厚スタッドジベルの施工範囲接着材 接着材タイプ スタッドタイプ Type-1, Type-3 (1/2 部分 ) Type-2, Type-3 (1/2 部分 ) 75mm 舗装端部のみ全面塗布 75mm 全面 ( 最大 300mm 間隔 ) 舗装端部のみ塗布 表 横浜ベイブリッジ ( 一般国道 357 号 ) における SFRC 舗装の配合条件 3.12) 設計基準 粗骨材の セメントの SF 混入後の 水セメント 空気量 SF 混入率 膨張材 圧縮強度 最大寸法 種類 スランプ 比 (N/mm 2 ) (mm) (cm) (%) (%) (%) (kg/m 3 ) 早強セメント 8.0± 以下 5.0± 表 本研究における SFRC 舗装の配合表 図 鋼繊維 ( タフグリップ 右はバラした状態 ) 図 頭付きスタッド ( 単位 : mm )

32 表 主な材料 材料名 仕様等 数量 備考 スタッドジベル φ9.0 40mm オカベ 接着プライマー ボンドEプライマー 0.25kg/m 2 コニシ 接着材 ボンドE kg/m 2 コニシ スチールファイバー タフグリップ (φ0.6 30mm) 120kg/m 3 ブリジストン 膨張材 CSA#20 30kg/m 3 デンカ 養生材 適宜 アオイ化学 図 供試体の SFRC 舗装の施工手順

33 a) Type-1 供試体 ( 接着材タイプ ) b) Type-2 供試体 ( スタッドタイプ ) c) Type-3 供試体 図 スタッドの配置 ( 黒丸印がスタッド ) と接着材の塗布範囲 ( 着色部 )

34 a) A 断面 ( 接着材タイプ U リブ支間中央断面 ) b) C 断面 ( 中間横リブ位置 ) c) D 断面 ( スタッドタイプ U リブ支間中央断面 )) 図 スタッド溶殖前後におけるデッキプレートの変形量

35 写真 レベル測量 写真 ショットブラスト 写真 プライマーの塗布 写真 スタッド位置のケレン 写真 スタッドの溶殖 写真 型枠の設置

36 写真 スタッドへのプライマー塗布 写真 接着材の塗布 写真 接着材の塗布完了 (Type-3 供試体 ) 写真 アジテータ車への鋼繊維投入 写真 SFRC の打ち込み 写真 SFRC の敷き均し

37 写真 SFRC の敷き均し 写真 箒目仕上げ 写真 コンクリート表面養生剤の塗布 写真 マット養生 表 SFRC の各種試験結果

38 4. 静的載荷試験 4.1 概要疲労上問題となる鋼床版各部のひずみがSFRC 舗装後にどの程度低減されるかを確認するため 実大鋼床版供試体を用いてSFRC 舗装の前後で静的載荷試験を実施した 使用した供試体は Type-3 であり 着目した試験パラメータとしては板厚 6mm と 8mm のUリブの比較 密閉ダイヤフラムの有無がUリブと横リブ交差部応力に与える影響 主桁垂直補剛材上端部の形状 SFRC 舗装の接合方法としての接着材タイプとスタッドタイプの違い等である 載荷はゴムタイヤを用いて行い ダブルタイヤにより大型車の後輪 シングルタイヤにより大型車の前輪による載荷を再現できるようにした 影響線形状が得られるよう多点で載荷し ダブルタイヤ載荷を計 88 点 ( 舗装後は 90 点 ) シングルタイヤ載荷を計 13 点で行った また 試験の妥当性を検証し 応力低減効果を確認するため Type-3 供試体をモデル化してFEM 解析を行った 4.2 試験条件 (1) 試験パラメータ Type-3 供試体を用いた静的載荷試験の試験パラメータを図 に示す 1) Uリブ形状 板厚 3.1 に記述したように Type-3 供試体にはJSSC 規格の板厚 6mmUリブ (U )2 本および板厚 8mmUリブ (U )2 本を用いた スタッドタイプの径間を手前 接着材タイプの径間を奥とすると 右側 2 本が板厚 6mmUリブ 左側が板厚 8mmUリブである Uリブ板厚の影響は デッキプレートおよびUリブの鉛直変位 Uリブ下面のひずみ Uリブ溶接近傍のデッキプレート側およびUリブ側のひずみ等に着目し SFRC 舗装の前後における変化も含めて比較する 2) Uリブ密閉ダイヤフラムの有無 Uリブ現場継手部の密閉ダイヤフラムが交差部応力に与える影響を確認するため 外側の板厚 6mmUリブ内にダイヤフラムを設けた 中間横リブとダイヤフラムの間隔は 200mm である ダイヤフラムの有無の影響は 上スカラップ近傍および下スカラップ近傍の横リブウェブひずみ 上スカラップ部および下スカラップ部のUリブのひずみ 等により比較する 3) 主桁垂直補剛材上端部の形状主桁垂直補剛材上端構造を変更した場合の局部応力を確認するため Type-3 供試体で異なる 2 種類の構造を採用した 一つは従来型のデッキプレート下面と垂直補剛材上端部を密着させ すみ肉溶接した構造 ( 以下 溶接構造という ) 他方は垂直補剛材上端とデッキプレートにギャップ量 40mm を設けた構造 ( 以下 ギャップ構造という ) である これらの結果を SFRC 舗装の前後における変化も含めて比較した 4) SFRC 舗装の接合方法 SFRC 舗装後の静的載荷試験において デッキプレートとの接合方法としての接着材タイプ スタッド

39 タイプの比較を行った これらは デッキプレートの変形 Uリブ溶接近傍のひずみ スタッドの軸部のひずみ およびスタッド直下のデッキプレート下面のひずみに着目して比較した (2) 載荷方法静的載荷試験は デッキプレートとSFRC 舗装の合成作用による局部応力の低減効果を確認するため SFRC 舗装施工の前後に行った 載荷方法は 自碇式フレーム内部に供試体を設置し デッキプレート上面に配置した大型車の後輪を想定したダブルタイヤおよびシングルタイヤを油圧式ジャッキにて載荷した ダブルタイヤを用いた時の載荷要領を図 に示す また SFRC 舗装施工前の静的載荷試験状況のうち ダブルタイヤによる載荷状況を写真 シングルタイヤによる載荷状況を写真 に示す 実タイヤによる載荷では 載荷板による載荷と比較してより現実に近い面圧が得られる 58.8kN 載荷時の面圧分布と ダブルタイヤとUリブの関係の一例を図 に示す 載荷荷重は タイヤの最大荷重 (JIS D 4202) を考慮し ダブルタイヤ載荷の場合は 0~58.8kN シングルタイヤ載荷の場合は 0~29.4kN とした 載荷は 着目部における影響面が得られるよう タイヤおよび油圧ジャッキを橋軸方向および橋軸直角方向に移動させながら多点で行った 図 にダブルタイヤ載荷の載荷点 図 にシングルタイヤ載荷の載荷点を示す 図 中に示すように 後輪載荷位置は a~m まで 14 断面 横断方向の載荷位置は 0~18 までの 19 ラインとし 以後 それぞれの載荷位置は載荷断面名と載荷ライン名を合わせて呼ぶこととする ( 例えば c1 c2 など ) 前輪載荷位置は Uリブ支間中央の c 断面のみとし 載荷点は1~13 の 13 点とした また 橋軸方向の載荷位置をA 断面側の横リブウェブからの距離 Lx を用いて 橋軸直角方向の載荷位置をR1 側の主桁ウェブからの距離 Ly を用いて表すものとする 計測は 1 鋼床版一般部の応力 2 鋼床版溶接部の局部応力 (Uリブとデッキプレート溶接部 Uリブと横リブ交差部 垂直補剛材上端部 ) 3デッキプレート Uリブの変位 4SFRC 舗装後のSFRC 表面ひずみ スタッドひずみとした 計測位置は図 に示すようにA~D の4 断面とした AおよびB 断面は SFRC 舗装の接合方法として接着材タイプを用いた支間側であり A 断面は支間中央 B 断面は支間 1/4 点である C 断面は中間横リブ位置とした D 断面はスタッドタイプを用いた支間の支間中央である なお A 断面における垂直補剛材の上端部はギャップ構造であり D 断面では溶接構造としている 計測センサー類の配置の詳細は付属資料の図 - 付 -2.6~2.18 に示す 計測センサー類の設置要領は下記の通りである 鋼部材のひずみゲージのゲージ長は 3mm とした ( 応力集中ゲージを除く ) 溶接部近傍のひずみゲージは止端から 5mm の位置に貼付した 応力集中ゲージのゲージ長は 1mm とし 第一ゲージが止端から 2mm の位置に来るように貼付した SFRC 表面に貼付したひずみゲージのゲージ長は 60mm とした 変位計は容量 25mm の接触式変位計とした

40 図 静的載荷試験のパラメータ 図 静的載荷要領 ( ダブルタイヤ )

41 写真 静的多点載荷状況 ( ダブルタイヤ ) 写真 静的多点載荷状況 ( シングルタイヤ ) (1) 載荷時の面圧分布 (58.8kN 載荷時 舗装なし ) (2) ダブルタイヤと U リブの関係の一例 (U リブウェブを跨ぐ載荷時 ) 図 静的載荷に用いたダブルタイヤの概要

42 (1/4) A c b d (1/8) B e (1/2) C g f h h' i (1/4) D j k l < 載荷点名称 > 載荷点の名称は, レーン数字 + 載荷断面とする ( 例 ) 載荷点名 12C C 12 2@125=250 2@125=250 Turib =6mm 260 Turib =8mm 舗設後のみ a = ' 舗設後のみ m R1 R2 R3 R4 260 = = = A B C D 端横リブ中間横リブ端横リブ < 静的載荷試験要領 > 最大載荷荷重は 58.8kN(6tf) とする 橋軸方向の移動は, ダブルタイヤを移動させる 横断方向の移動は, ダブルタイヤを移動させる < 凡例 > : 載荷点 ( ダブルタイヤの中央位置 ) 全載荷点数 88 点 ( 舗設後 90 点 ) 図 静的多点載荷位置 ( 後輪ダブルタイヤ載荷 ) (1/4) (1/8) A B c (1/2) C < 載荷点名称 > 載荷点の名称は, レーン数字 + 載荷断面とする ( 例 ) 載荷点名 6C C 6 R4 Turib =6mm Turib =8mm 端横リブ 載荷範囲 A B C R1 R2 R3 R @80=160 2@80=160 8@40=320 R3 中間横リブ < 静的載荷試験要領 > 最大載荷荷重は 29.4kN(3tf) とする 橋軸方向の移動は, シングルタイヤを移動させる 横断方向の移動は, シングルタイヤを移動させる < 凡例 > : 載荷点 ( シングルタイヤの中央位置 ) 全載荷点数 13 点 図 静的多点載荷位置 ( 前輪シングルタイヤ載荷 )

43 図 計測位置

44 4.3 FEM 解析 Type-3 供試体を用いた静的多点載荷試験の実施にあたり FEM 解析を実施した 解析モデルは供試体の全体モデルとし シェル要素にて作成した 本解析の目的は下記の 2 点である (ⅰ) 静的多点載荷試験の検証一般部の応力や変位に着目し 補強前の静的載荷試験結果とFEM 解析結果を比較することで 静的多点載荷試験結果を検証する (ⅱ) SFRC 舗装の応力低減効果の検証デッキプレート上の舗装を考慮しない補強前モデルの他 SFRC 舗装を考慮した補強モデルについても FEM 解析を実施する 両者の結果を比較することで 静的多点載荷試験結果で得られた補強効果の妥当性を検証する FEM 解析は 汎用有限要素法解析プログラムMSC MARC2001 を用いて行った 補強前のFEM 解析モデルは 節点数 40,876 要素数 40,758 である 着目部の最小メッシュは 5 5mm とした 鋼部材は全てシェル要素 補強後の SFRC 舗装はソリッド要素でモデル化し SFRC 舗装とデッキプレートは節点を共有することにより完全合成とした また 解析は弾性微小変位解析とした 鋼部材のヤング係数は 205,800N/mm 2 ポアソン比は 0.3 とした SFRCのヤング係数は 供試体の圧縮強度 (41 N/mm 2 ) から 道路橋示方書 同解説 Ⅰ 共通編 4.1) の表 より 31,000N/mm 2 とし ポアソン比は 0.2 とした 載荷荷重は静的載荷試験と同じ 60kN とした 静的載荷試験に用いたダブルタイヤが標準的な諸元であったため ( 図 参照 ) 載荷面積は設計上の面積に基づく の 2 点とし 要素表面に等分布荷重として与えた 載荷位置は 各着目部に最大応力が発生する位置とした FEM 解析モデルを図 に 載荷ケースを図 と表 に 解析結果の一例を図 に示す 図中の矢印は節点拘束を表す 図 FEM 解析モデル (Type-3 供試体 デッキプレートを省略して表示 )

45 A 載荷点 :c12 載荷点 :f15 C 載荷点 :h15 載荷点 :c6 載荷点 :g10 g11 A C 図 FEM 解析の載荷ケース ( 全 6 ケース ) 載荷点 c6 c12 f15 h15 g10 g11 表 FEM 解析の載荷位置パラメータ U リブの板厚 8mm 6mm パラメータ ダイヤフラムの有無 あり なし 交差部 横断方向の載荷位置 U リブウェブ上 U リブ上 図 FEM 解析結果の一例 (U リブ横リブ交差部 )

46 4.4 SFRC 舗装施工前の試験結果 概要 SFRC 舗装を施工する前の Type-3 供試体を用いて静的多点載荷試験を実施した 目的は 補強前のデータ収集のほか 鋼床版の基本的な挙動の確認 前述した試験パラメータが鋼床版の局部応力等に与える影響の確認である 特に デッキ進展き裂およびビード進展き裂と関係があると考えられるデッキプレートと Uリブ溶接部近傍のデッキプレート側ひずみおよびUリブ側のひずみに着目し Uリブ板厚の与える影響を計測 整理した またUリブ 横リブ交差部については Uリブ内部に設けられた密閉ダイヤフラムが交差部の局部ひずみに与える影響を計測 整理した 以下において ダブルタイヤ載荷時は 60kN シングルタイヤ載荷時は 30kN の荷重に換算して表記している デッキプレートの鉛直変位デッキプレートの鉛直変位について 本項ではUリブ支間中央のA 断面に沿って配置した変位計による計測値を示す 橋軸方向にはA 断面上 横断方向には UリブR2 R3のウェブ直上に載荷したときのデッキプレート下面およびUリブ下面の鉛直変位について 実験値と解析値を比較して図 に示す 解析値は 計測点と同位置の節点における鉛直変位である デッキプレートの鉛直変位は 板厚 6mmUリブ上での載荷時に最大 1.23mm が計測され これに対するFEM 解析値は 1.24mm であった その他の載荷位置 計測位置について図に示した中では 解析値と実測値の差は 10% 程度に収まっている 荷重をA 断面上で移動させた時の デッキプレート下面およびUリブ下面の鉛直変位の横断方向影響線を図 に示す デッキプレートの鉛直変位は ダブルタイヤが隣接するUリブウェブを跨ぐ時に大きくなる リブ下面のたわみは 輪荷重がリブ直上付近に載荷される時に大きくなる デッキプレートの鉛直変位をUリブ板厚 8mm 側と 6mm 側で比較すると 6mm 側の方が 15% 程度大きい (1.04mm と 1.23mm) U リブのたわみをUリブ板厚 8mm 側と 6mm 側で比較すると デッキプレート下面同様 6mm 側の方が 13% 程度大きい (0.71mm と 0.81mm) 従って Uリブ 8mm 側とUリブ 6mm 側のたわみ差は 主にUリブ剛性の差の影響が大きいと考えられる 図 に デッキ下面の 3 点の計測値から算出した デッキプレートのUリブウェブ間の局部たわみの横断方向影響線を示す 荷重はA 断面上を移動させた リブ間たわみは 直近のUリブウェブをダブルタイヤが跨ぐ時に大きくなり その隣のUリブウェブ直上を跨ぐ時はわずかながら上方に変位する Uリブ 6mm 側に比べてUリブ 8mm 側のたわみが若干小さいが その差はわずかである Uリブ板厚がデッキプレートのリブ間たわみに与える影響は小さいといえる

47 A 断面 図 デッキプレート U リブ鉛直変位計測結果 Ly Load=60kN Section A 断面 A R1 R2 R3 R4 t=8mm ADS- D2 t=8mm t=6mm ADS-D8 t=6mm ADS-R1 ADS-R2 変位計架台 0.0 Distance Ly (mm) Disp. (mm) ADS-D2 ADS-D8 ADS-R1 ADS-R2 図 デッキプレート U リブ鉛直変位の横断方向影響線

48 Ly Load=60kN Section A 断面 A 20 局部たわみ 局部たわみ 20 R1 R2 R3 R4 t=8mm ADS-D1 ADS-D2 ADS-D3 t=8mm t=6mm ADS-D7 ADS-D8 ADS-D9 t=6mm 0.2 2@140=280 2@140=280 Distance Ly (mm) Disp. (mm) ADS-D2 ADS-D8 図 デッキプレートの局部変位の横断方向影響線

49 4.4.3 Uリブ下面のひずみ Uリブ下面のひずみについて 本項ではUリブ支間中央のD 断面に沿って配置したひずみゲージによる計測値を示す 荷重をD 断面上で移動させた時の Uリブ下面の橋軸方向ひずみの横断方向影響線を図 に示す 同図には 計測点と同位置の節点応力を抽出したFEM 解析結果も示す 実験値と解析値は良く一致していることがわかる 板厚 6mm と 8mm のUリブの比較のため 横断方向に対称な位置の2つのゲージによる横断方向影響線を図 から抽出して図 に示す ダブルタイヤをUリブ直上に載荷した時にひずみは最大となり 板厚 8mm のUリブR2では 板厚 6mm のUリブR3では である 板厚 8mm のR2 が板厚 6mm のR3より 20% 程度小さいひずみとなった 表 に 道路橋示方書 Ⅱ 鋼橋編 4.2) の式 (8.4.2) による有効幅を用いて算出したUリブの断面剛性と単位モーメント (1.0N mm) 当たりの応力を示す 同表によると 板厚 8mm の場合に板厚 6mm に比較して応力が 17% 程度低くなっており 試験におけるひずみ差と同程度となる D 断面 Longitudinal Strain ( 10-6 ) DR1M-L DR1M-R DR2M-L DR2M-R DR3M-L DR3M-R DR4M-L DR4M-R +190 F.E.M ,000 1,500 2,000 2,500 3, C6 C12 F.E.M. Distance from Girder to Center of Load Ly (mm) +247 図 U リブ下面の橋軸方向ひずみの FEM 解析結果との比較 ( 横断方向影響線 ) (U リブ支間中央断面 )

50 Ly Load=60kN D 断面 Section D R1 R2 R3 R4 t=8mm t=8mm t=6mm t=6mm Strain ( 10-6 ) DR2M-R DR3M-L DR2M-R (t=8mm) DR3M-L (t=6mm) Distance Ly (mm) 図 U リブ下面の橋軸方向ひずみの横断方向影響線 (U リブ支間中央断面 ) 表 U リブ断面剛性の算出結果 トラフリブ 項 目 記号 単位 t=6mm t=8mm デッキプレートの板厚 t d mm デッキプレートの有効幅 4 λ mm デッキプレートの有効断面積 A d mm トラフリブの板厚 t u mm 6 8 トラフリブの有効断面積 A u mm トラフリブの剛性 I u mm E E+07 断面剛性 I mm E E+07 中立軸から下縁の距離 y L mm 単位モーメント辺りの応力 σ N/mm E E-06 剛性比 E I (8mm) /E I (6mm) 応力比 σ (8mm) /σ (6mm) 115% 83% 中立軸 λ λ λ λ y L

51 4.4.4 デッキプレートとUリブ溶接部のデッキプレート側ひずみ本項では Uリブ支間中央のA 断面に沿って配置したひずみゲージによる計測値を示す (1) FEM 解析結果との比較 Uリブ溶接ルート近傍のデッキプレート上下面の横断方向ひずみの横断方向影響線を図 に示す 同図にはFEM 解析の結果も4 点ほど示している 荷重はUリブ支間中央のA 断面を移動させた ゲージ位置はUリブR2およびR3の溶接ルート部からUリブ内側に 40mm のデッキプレート上面 ((a),(g)) および下面 ((b),(h)) である デッキプレート上面と下面のひずみは正負反転しており 板曲げひずみが卓越していることがわかる 引張側のひずみ絶対値が圧縮側より大きい傾向が見られるが デッキプレートが薄板であるため膜ひずみ成分の影響が考えられる FEM 解析結果と実測値はよく一致している (2) ダブルタイヤとシングルタイヤの比較ダブルタイヤ載荷とシングルタイヤ載荷の比較のためのひずみの横断方向影響線を図 および図 に示す 荷重はA 断面上を移動させた ゲージは 板厚 6mmUリブR3の内部に位置し Uリブ内面の板面とデッキプレート下側の板面の交点 ( 溶接ルート部 ) から 40mm のデッキプレート下面である 図 は供試体中心寄り ((f)) 図 は主桁寄り ((h)) の横断方向ひずみにより影響線を描いている ひずみはシングルタイヤの荷重を 30kN として換算して示しており 凡例のWはダブルタイヤ Sはシングルタイヤによる載荷を示す 図より シングルタイヤの載荷でもダブルタイヤの載荷と同程度のひずみが発生していることがわかる ただし シングルタイヤとダブルタイヤでは影響線形状が横断方向にずれており シングルタイヤ通過後にダブルタイヤが通過すると ひずみが交番してひずみ範囲がT 荷重によるものより大きくなる可能性がある (3) Uリブ溶接止端近傍のひずみの横断方向影響線 Uリブ溶接止端近傍の横断方向ひずみの横断方向影響線を図 に示す 荷重はA 断面上を移動させた 板厚 8mm のUリブR2および 6mm のUリブR3の溶接線のうち 試験体中央よりの溶接線の止端から 5mm 位置のデッキプレート下面にゲージを添付している ダブルタイヤがUリブウェブを跨ぐ載荷ケースにおいて最も大きな圧縮ひずみが発生しており 程度と大きい これはデッキプレートがUリブウェブを支点として局部的に負曲げを受けるために生じる圧縮ひずみである UリブR2 側とUリブR3 側で差はほとんどなく Uリブ板厚の影響は小さい (4) Uリブ溶接止端近傍のひずみの橋軸方向影響線 (3) と同じゲージによる横断方向ひずみの橋軸方向影響線を図 に示す 横断方向には ダブルタイヤが計測位置直近のUリブウェブを跨ぐように載荷している 計測断面直上に載荷された時 (Lx=1,250mm) は 前述したデッキプレートの局部曲げにより大きな圧縮ひずみを生じている 一方 計測断面から少し離れた位置 (Lx=600mm Lx=1,800mm) では 引張ひずみが発生している これは 横リブと主桁に囲まれたパネル全体のデッキプレートの曲げにより発生するひずみであると考えられる このように 輪荷重の橋軸方向の走行により 正負交番するひずみが発生することが確かめられた 横断方向影響線と同様 板厚 8mm UリブのR2 側と板厚 6mmUリブR3 側の影響線はほぼ一致しており Uリブ板厚の影響は見られない

52 (5) Uリブ溶接近傍のひずみ分布応力集中ゲージで計測した溶接止端および溶接ルート部近傍のひずみ分布を図 と図 に示す 計測位置は図 がR2またはR3の主桁よりのUリブ溶接近傍であり 図 が試験体中心線よりの溶接近傍である ともに着目部のひずみが最大となる直上載荷時の結果を示している ひずみは全て圧縮ひずみであり ばらつきはあるものの 溶接部に近づくにつれひずみ値は大きくなる傾向にある ルート側と止端側を比較すると ルート側のひずみが若干大きい 板厚 8mm のUリブR2 側と板厚 6mm の UリブR3 側を比較すると R2 側のひずみが大きい部位 R3 側のひずみが大きい部位と両方見られるが 全体的に特徴的な傾向は見られず 応力集中ゲージの値からもUリブの板厚の影響は見られなかった A 断面 Transverse Strain ( 10-6 ) 500 FEM (a): AD2U-iL -300 (b): AD2L-iL -400 (g): AD3U-iR FEM (h): AD3L-iR ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 Distance from Girder to Center of Load Ly (mm) 図 デッキプレート横断方向ひずみの横断方向影響線 (U リブ支間中央断面 )

53 A 断面 Transverse Strain ( 10-6 ) (f): AD3L-iL (W) (f): AD3L-iL (S) ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 Distance from Girder to Center of Load Ly (mm) 図 ダブルタイヤとシングルタイヤによるデッキプレート横断方向ひずみの横断方向影響線 (U リブ支間中央断面 ) A 断面 Transverse Strain ( 10-6 ) (h): AD3L-iR (W) 200 (h): AD3L-iR (S) ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 Distance from Girder to Center of Load Ly (mm) 図 ダブルタイヤとシングルタイヤによるデッキプレート横断方向ひずみの横断方向影響線 (Uリブ支間中央断面)

54 Ly Load=60kN A 断面 Section A AD2L-oR AD3L-oL Strain ( 10-6 ) R1 R2 R3 R4 t=8mm t=8mm t=6mm t=6mm AD2L-oR (t=8mm) AD3L-oL (t=6mm) Distance Ly (mm) 図 デッキプレート横断方向ひずみ ( 溶接止端部 ) の横断方向影響線 Lx Load=60kN Trough Rib Strain ( 10-6 ) Lateral Rib- R1 R2 R3 AD2L-oR (t=8mm) AD3L-oL (t=6mm) ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 Distance Lx (mm) 図 デッキプレート横断方向ひずみの橋軸方向影響線

55 Load=60kN Load=60kN R2 着目時の載荷位置 R3 着目時の載荷位置 R1 t=8 R2 R3 t=8 t=6 R4 t=6 止端側 ルート側 A 断面 止端からの距離 [mm] U リブ内面角部からの距離 [mm] R2 (t=8mm) R3 (t=6mm) Strain[ 10-6 ] Strain[ 10-6 ] R2 (t=8mm) R3 (t=6mm) (1) 溶接止端側 (2) 溶接ルート側 図 デッキプレートと U リブ溶接部のデッキプレート側ひずみ計測結果 ( その 1) Load=60kN Load=60kN R2 着目時の載荷位置 R3 着目時の載荷位置 R1 t=8 R2 R3 t=8 t=6 R4 t=6 ルート側 止端側 A 断面 U リブ内面角部からの距離 [mm] 止端からの距離 [mm] R2 (t=8mm) R3 (t=6mm) Strain[ 10-6 ] Strain[ 10-6 ] R2 (t=8mm) R3 (t=6mm) (1) 溶接ルート側 (2) 溶接止端側 図 デッキプレートと U リブ溶接部のデッキプレート側ひずみ計測結果 ( その 2)

56 4.4.5 デッキプレートとUリブ溶接のUリブ側ひずみ本項では Uリブ支間中央のA 断面に沿って配置したひずみゲージによる計測値を示す (1) 溶接止端近傍のUリブひずみの横断方向影響線 Uリブ溶接近傍のUリブ外面および内面におけるUリブ周方向ひずみの横断方向影響線を図 に示す 荷重はA 断面上を移動させた ゲージ位置は 板厚 6mm のUリブR3の供試体中心線側の溶接止端から 5mm のウェブ外面および内面である 最大引張あるいは圧縮ひずみは 計測ウェブの隣のウェブ直上に載荷された時に発生している 表裏のひずみは正負交番しており 板曲げの影響が大きい また 板曲げの方向は着目部の右側に載荷する場合と左側に載荷する場合とで逆転している 輪荷重の位置によって両振りで板曲げ変形するため 横断方向に車輪位置のずれた車軸が連続して通過することにより 実橋では大きな応力範囲が発生する可能性もある 引張側のひずみ値と比較して圧縮側のひずみ値が若干大きいのは 板曲げひずみに加えて 直上載荷によってUリブウェブに面内圧縮ひずみが生じるためである Uリブ溶接近傍のUリブ外面の周方向ひずみについて 板厚 8mm のUリブR2と板厚 6mm のUリブR 3を比較するための横断方向影響線を図 に示す 荷重は A 断面上を移動させた ゲージ位置は R 2R3ともに供試体中心寄りの溶接の止端から 5mm のUリブ外面である 両者の影響線の形状はほぼ一致しており 双方とも着目部の右側に載荷した場合と左側に載荷した場合でひずみが正負交番する ひずみ値は板厚 8mm のUリブR2が若干大きいが その差はわずかであった (2) Uリブ溶接近傍のひずみ分布図 と図 に 応力集中ゲージで計測した Uリブ溶接止端近傍のひずみ分布を示す 着目部のひずみが最大となる 隣接するUリブウェブ直上に載荷した場合の結果である 止端から 10mm と 2mm の位置におけるひずみ値に差が見られないことから それほど大きな応力集中はないものと考えられる 図 では板厚 8mmUリブR2のひずみが若干小さいが 図 ではR2と板厚 6mm のR3は同程度である このように デッキプレート側のひずみ同様 Uリブ側のひずみについてもUリブ板厚の影響は確認できなかった (3) 荷重の橋軸方向移動に伴う主応力の変化橋軸方向にダブルタイヤを移動させたときのUリブウェブの主応力図について 図 に板厚 8mm のUリブR2 図 に板厚 6mm のUリブR3の計測結果を示す 横断方向の載荷位置は R2R3 ともに供試体中心寄りのウェブを跨ぐように載荷している ダブルタイヤが跨ぐ側のUリブウェブおよび跨がない側のウェブの双方の結果を示す 3 軸ゲージの位置はA 断面で デッキプレート下面からUリブウェブに沿った方向に 80mm 離れた位置である 図より Uリブウェブの主応力の方向は輪荷重の移動により回転している ダブルタイヤが跨ぐ側のウェブに着目すると 輪荷重が直上に載荷された時は直上載荷の影響による鉛直方向の圧縮応力が卓越する 着目部前後に載荷された時には斜め方向の圧縮 引張応力が卓越するが その方向が約 45 であること 前後で最大主応力と最小主応力の方向が約 90 回転することなどから せん断力の影響を受けていると考えられる 一方 ダブルタイヤが跨がない側のUリブウェブに着目すると 跨ぐ側よりも大きな主応力が発生しており 特に直上載荷時に最も大きな応力が発生する Uリブへの偏載荷に

57 より U リブ断面が変形し U リブの内側が圧縮 外側が引張の板曲げ応力が生じていることがわかる 板厚 6mm と 8mm の U リブで特に顕著な差は見られなかった Ly Load=60kN A 断面 Section A AR3L-ou AR3L-iu R1 R2 R3 R4 t=8mm t=8mm t=6mm t=6mm Strain ( 10-6 ) AR3L-ou AR3L-iu Distance Ly (mm) 図 デッキプレートと U リブ溶接部の U リブ側ひずみの横断方向影響線 (R3 側表裏 ) Ly Load=60kN A 断面 Section A AR2R-ou AR3L-ou R1 R2 R3 R4 t=8mm t=8mm t=6mm t=6mm Strain ( 10-6 ) AR2R-ou AR3L-ou Distance Ly (mm) 図 デッキプレートと U リブ溶接部の U リブ側ひずみの横断方向影響線 (R2 R3 表側 )

58 Load=60kN A 断面 Load=60kN R1 t=8 R2 R3 t=8 t=6 R4 t=6 R2 着目時の載荷位置 R3 着目時の載荷位置 Strain[ 10-6 ] R2 (t=8mm) R3 (t=6mm) 止端からの距離 [mm] 図 デッキプレートと U リブ溶接部の U リブ側のひずみ分布 ( その 1) Load=60kN Load=60kN A 断面 R2 R3 R2 R3 t=8 t=6 t=8 t=6 R2 着目時の載荷位置 R3 着目時の載荷位置 Strain[ 10-6 ] 止端からの距離 [mm] R2 (t=8mm) R3 (t=6mm) 図 デッキプレートと U リブ溶接部の U リブ側のひずみ分布 ( その 2)

59 (1) 荷重直下側のウェブ (2) 荷重直下と反対側のウェブ 図 U リブウェブの主応力図 ( 橋軸方向影響線載荷 U リブ板厚 8mm)

60 (1) 荷重直下側のウェブ (2) 荷重直下と反対側のウェブ 図 U リブウェブの主応力図 ( 橋軸方向影響線載荷 U リブ板厚 6mm)

61 4.4.6 垂直補剛材上端部のひずみ (1) 溶接構造溶接構造を採用したD 断面の垂直補剛材上端部におけるひずみの横断方向影響線を図 に示す 荷重はD 断面上を移動させた ゲージ位置は溶接の止端から 5mm のデッキプレート下面 その直上のデッキプレート上面 および止端から 10mm の垂直補剛材こば面である デッキプレート上下面のひずみはそれぞれ正負の値になっており まわし溶接部のデッキプレート側に板曲げ変形が生じていることがわかる 垂直補剛材近傍に載荷されたときにひずみは大きくなり まわし溶接直上のデッキプレート上面で の引張ひずみ まわし溶接近傍のデッキプレート下面は の圧縮ひずみとなり 垂直補剛材上端こば面も と高い圧縮ひずみが発生する (2) ギャップ構造ギャップ構造を採用したA 断面の垂直補剛材上端部におけるひずみの横断方向影響線を図 に示す ひずみゲージの設置位置はギャップ距離 40mm の中央である 荷重はA 断面上を移動させた ゲージ位置はデッキプレート下面と垂直補剛材上端こば面との中点の主桁ウェブ左右面である 主桁ウェブの首溶接部と垂直補剛材回し溶接部の隙間に 程度の大きなひずみが発生している ひずみは表裏で正負の値となっており 板曲げひずみである ギャップ構造においても 主桁ウェブとデッキプレートとの首溶接部および垂直補剛材上部回し溶接部の主桁ウェブ側での疲労損傷の発生に注意が必要である (3) 溶接構造とギャップ構造の比較着目部に大きなひずみを発生させる影響範囲は 溶接構造がギャップ構造より やや広い ギャップ構造では高いひずみが発生するのは隣接するUリブに載荷された場合のみであり 直上載荷であっても溶接構造に比較すればひずみは小さくなると考えられる 二つの構造の疲労耐久性を比較検討する際には 輪荷重位置の影響を考慮することも必要である

62 Ly Load=60kN D 断面 Section D R1 R2 R3 DSTR- 1 5 R4 DSTR- 2 DSTR Strain ( 10-6 ) DSTR-1 ( 上側 ) DSTR-2 ( 下側 ) DSTR-3 ( 垂直補剛材側 ) Distance Ly (mm) 図 垂直補剛材上端部ひずみの横断方向影響線 (D 断面 : 溶接構造 ) Ly Load=60kN Section A A 断面 R1 R2 R3 ASTR-W-i R4 ASTR-W- o Strain ( 10-6 ) ASTR-W-o ( 外側 ) ASTR-W-i ( 内側 ) Distance Ly (mm) 図 垂直補剛材取合部ひずみの横断方向影響線 (A 断面 : ギャップ構造 )

63 4.4.7 Uリブ 横リブ交差部のひずみここでは Uリブ内の密閉ダイヤフラムの有無に着目し Uリブ 横リブ交差部の計測結果をまとめる 密閉ダイヤフラムは 2 本ある板厚 6mmUリブのうち主桁寄りのR4の内部に1 箇所設けており 横リブからはD 断面の方向に 200mm の位置である 横リブウェブに貼付した3 軸ひずみゲージの計測結果は主応力値で示し A 断面側を表面 D 断面側を裏面と呼ぶ ( 主応力図は A 断面側から透視して示すものとする ) (1) 横リブウェブの応力 1) 上側スカラップのデッキプレートとのまわし溶接近傍横リブウェブ面の主応力の横断方向影響線を図 に示す 荷重は横リブ位置であるC 断面を移動させた ここでは 横軸の Ly は着目するUリブ中央からダブルタイヤ中心までの距離とした 密閉ダイヤフラムがあるR4と比較して 密閉ダイヤフラムのないR3での応力が大きい R3ではダブルタイヤがUリブウェブを跨ぐ時に最も応力が大きくなる この部位の応力は デッキプレートの局部的な変形および横リブウェブ断面欠損部の横リブウェブの局部的なせん断変形により発生するが 横リブウェブ近傍に密閉ダイヤフラムがある場合は このデッキプレートの局部変形および横リブのせん断変形が抑制されるため 応力が小さくなると考えられる 横断方向には直近のUリブウェブを跨ぎ 橋軸方向には横リブ直上に載荷した時の主応力図を図 に示す 横リブウェブの主応力図においては スカラップの接線方向に引張応力が発生していることがわかる 表裏の応力差は小さいことから 面内応力が支配的であるといえる 密閉ダイヤフラムのあるR4に比べて 密閉ダイヤフラムのないR3 側の応力が大きいことがわかる 2) 上側スカラップのUリブとの回し溶接近傍横リブウェブ面の主応力の横断方向影響線を図 に示す 荷重は横リブ位置であるC 断面を移動させた デッキプレートとの溶接部同様 密閉ダイヤフラムがあるR4と比較して 密閉ダイヤフラムのない R3 側の応力が大きい R3ではダブルタイヤがUリブウェブを跨ぐ時に応力が最も大きくなる 横断方向には直近のUリブウェブを跨ぎ 橋軸方向には横リブ直上に載荷した時の主応力図を図 に示す スカラップの接線方向に引張応力が その直角方向に同程度の圧縮応力が発生しており せん断変形していることがわかる デッキプレート側とは異なり 表裏の応力差も比較的大きく 面内応力に加えて面外応力が発生している 密閉ダイヤフラムのあるR4に比べて 密閉ダイヤフラムのないR3 側の応力が大きい 3) 下側スカラップのUリブとの回し溶接近傍横リブウェブ面の主応力の横断方向影響線を図 に示す 荷重は横リブ位置であるC 断面を移動させた 最小主応力はR3とR4で同程度であり 隣接するUリブと対象 Uリブの中央に載荷された時から直上載荷まで同程度の圧縮応力が発生する 一方 最大主応力はR3と比べて密閉ダイヤフラムのあるR4 側が大きく 載荷位置によらず 10N/mm 2 程度の応力が発生している 直近のUリブウェブを跨ぎ 橋軸方向には横リブ直上に載荷した時の主応力図を図 に示す R3 R4ともスカラップの接線方向に圧縮応力が発生しているが その大きさ 方向ともR3と R4で大きな差はない その直角方向については R3ではほとんど応力は発生していないが R4では比較的大きな引張

64 応力が発生している この原因としてはダイヤフラムが影響していると考えられる Load=60kN Ly R1 R2 YR3LU (R2) (R3) (YR4LU) R3 (R4) C 断面 Section C R3: 密閉ダイヤなし R4: 密閉ダイヤあり Stress (N/mm 2 ) Stress (N/mm 2 ) 50 R3(σ max) 40 R4(σ max) R3(σ min) R4(σ min) Distance Ly (mm) (1) 表面 50 R3(σ max) R4(σ max) R3(σ min) R4(σ min) Distance Ly (mm) (2) 裏面 図 Uリブ 横リブ交差部の横断方向応力影響線 ( 上側スカラップ部 デッキプレートとの溶接部 ) 図 U リブ 横リブ交差部の主応力図 ( 上側スカラップ部 デッキプレートとの溶接部 )

65 Ly Load=60kN R1 R2 YR3LM (R2) (R3) (YR4LM) R3 (R4) C 断面 Section C R3: 密閉ダイヤなし R4: 密閉ダイヤあり Stress (N/mm 2 ) Stress (N/mm 2 ) R3(σ max) R4(σ max) 30 R3(σ min) R4(σ min) Distance Ly (mm) (1) 表面 R3(σ max) R4(σ max) 30 R3(σ min) R4(σ min) Distance Ly (mm) (2) 裏面 図 U リブ 横リブ交差部の横断方向応力影響線 ( 上側スカラップ部 U リブとの溶接部 ) 図 U リブ 横リブ交差部の主応力図 ( 上側スカラップ部 U リブとの溶接部 )

66 Ly Load=60kN R1 R2 YR3LL (R2) (R3) (YR4LL) R3 (R4) C 断面 Section C R3: 密閉ダイヤなし R4: 密閉ダイヤあり Stress (N/mm 2 ) Stress (N/mm 2 ) R3(σ max) R4(σ max) R3(σ min) -40 R4(σ min) Distance Ly (mm) (1) 表面 R3(σ max) R4(σ max) R3(σ min) -40 R4(σ min) Distance Ly (mm) (2) 裏面 図 U リブ 横リブ交差部の横断方向応力影響線 ( 下側スカラップ部 U リブとの溶接部 ) 図 U リブ 横リブ交差部の主応力図 ( 下側スカラップ部 U リブとの溶接部 )

67 (2) 交差部のUリブのひずみ 1) 上側スカラップのデッキプレートとの溶接近傍 Uリブウェブ面のUリブ周方向ひずみの横断方向影響線を図 に示す 荷重は横リブ位置であるC 断面を移動させた 着目 Uリブのウェブをダブルタイヤが跨ぐ時 ひずみが大きくなる R3とR4を比較すると 密閉ダイヤフラムのないR3 側が若干大きい 応力集中ゲージで計測したデッキプレートとUリブの溶接部のUリブ側ひずみの分布を図 に示す 橋軸方向の載荷位置は横リブ直上である 溶接部に向かってひずみ分布の勾配が大きい スカラップ内のU リブウェブが局部的に面外変形していることが原因であると考えられるが 溶接止端部ではさらに大きなひずみが発生しているものと考えられる R3とR4を比較すると 密閉ダイヤフラムのないR3のひずみが若干大きい 2) 下側スカラップの横リブとの回し溶接近傍ウェブの下側スカラップ部 横リブウェブとUリブの溶接部のUリブ側ひずみの横断方向影響線を図 に示す 荷重は横リブ位置であるC 断面を移動させた この計測位置においては 密閉ダイヤフラムのないR3と密閉ダイヤフラムのあるR4でひずみに大きな差が見られ R4 側のひずみが大きい R4 側では R3とR4の中間にダブルタイヤが載荷される時にひずみが最大となるが その影響幅は大きく 着目リブの2つ隣りのR2に載荷された場合においても比較的大きなひずみが発生する R3 側では ダブルタイヤが着目リブ直上に載荷された場合にひずみが最大となり 隣接リブに載荷された時にはひずみの符号が反転する 図 と同じひずみゲージによる橋軸方向影響線を図 に示す 横断方向の載荷位置は 着目リブと隣接リブの中央にダブルタイヤが載荷される位置であり R4 側のひずみが最大となる 密閉ダイヤフラムのないR3では Uリブ支間中央載荷付近で引張ひずみが最大となる これはUリブのたわみを横リブが拘束するためである 一方 密閉ダイヤフラムのあるR4では ダイヤフラムのある側の支間の横リブから 625mm 位置に載荷された時に 最大のひずみ が発生する これはダイヤフラムのない支間側に載荷された時の 2.3 倍にあたる 図 に示したとおり 密閉ダイヤフラムがUリブ断面の変形を拘束し Uリブが剛体回転するためと考えられる R4の溶接部のUリブ側に最大ひずみを発生させる横リブから 625mm 位置 (Uリブ支間 1/4 点 ) に載荷したときのひずみ分布を図 に示す 溶接止端から 10mm のひずみはR3 側とR4 側で同程度であるが 密閉ダイヤフラムのあるR4 側ではひずみ分布の傾きが大きく 溶接止端部から 2mm の位置ではR 4 側のひずみはR3 側の4 倍程度となる その傾きから 溶接止端部ではさらに大きなひずみになると考えられる

68 Ly Load=60kN C 断面 Section C R1 (R2) R2 (R3) CR3LU (CR4LU) R3 (R4) R3: 密閉ダイヤなし R4: 密閉ダイヤあり Strain ( 10-6 ) CR3LU-C1 (R3) CR4LU-C1 (R4) Distance Ly (mm) 図 Uリブ 横リブ交差部の横断方向影響線 ( 上側スカラップ部 デッキプレートとUリブ溶接部のUリブ側のひずみ : 応力集中ゲージの第一ゲージ ) Load=60kN Load=60kN ( 密閉ダイヤ ) CR3LU R3 R4 R3 CR4LU R4 t=6mm 止端からの距離 [mm] R3 R4 Strain [ 10-6 ] 図 Uリブ 横リブ交差部のひずみ分布 ( 上側スカラップ部 デッキプレートとUリブ溶接部のUリブ側のひずみ )

69 Ly Load=60kN C 断面 Section C R1 (R2) R2 (R3) CR3LL (CR4LL) R3 (R4) R3: 密閉ダイヤなし R4: 密閉ダイヤあり Strain ( 10-6 ) CR3LL-C1 (R3) CR4LL-C1 (R4) Distance Ly (mm) 図 Uリブ 横リブ交差部の横断方向影響線 ( 下側スカラップ部 横リブウェブとUリブ溶接部のUリブ側のひずみ : 応力集中ゲージの第一ゲージ ) Lx Load=60kN 200mm 密閉ダイヤフラム Trough Rib Lateral Rib- R1 R2 R3 Strain ( 10-6 ) CR3LL-C1 (R3) CR4LL-C1 (R4) ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 Distance Lx (mm) 図 Uリブ 横リブ交差部の橋軸方向影響線 ( 下側スカラップ部 横リブウェブとUリブ溶接部のUリブ側のひずみ : 応力集中ゲージの第一ゲージ )

70 Load=60kN Load=60kN 橋軸方向位置は横リブから 625mm 橋軸方向位置は横リブから 625mm ( 密閉ダイヤ ) CR3LU R3 R4 R3 CR4LU R4 t=6mm Strain[ 10-6 ] R3 R 止端からの距離 [mm] 図 Uリブ 横リブ交差部のひずみ分布 ( 下側スカラップ部 横リブウェブとUリブ溶接部のUリブ側のひずみ )

71 (3) 密閉ダイヤフラム側載荷時の横リブウェブの応力前述のように 密閉ダイヤフラムがある場合 ダイヤフラムのある支間上に載荷すると下側スカラップ部のUリブ面でひずみが大きくなった 最大ひずみを与えるのは横リブからD 断面方向に 625mm 位置に載荷した時である その載荷位置とした時の横リブウェブの応力を以下に示す 横断方向載荷位置は着目 Uリブと隣接 Uリブの中央である 1) 上側スカラップのデッキプレートとの回し溶接近傍主応力図を図 に示す 横リブ直上載荷と同様に 密閉ダイヤフラムのないR3に比べて密閉ダイヤフラムのあるR4 側の応力が小さい また 横リブより 625mm 離れた位置での載荷であるため 横リブ直上載荷の図 より小さい応力である 2) 上側スカラップのUリブとの回し溶接近傍主応力図を図 に示す これも密閉ダイヤフラムのないR3に比べて密閉ダイヤフラムのあるR4 側の応力が小さくなった また 横リブ直上載荷の図 より小さい応力である 3) 下側スカラップのUリブとの回し溶接近傍主応力図を図 に示す 下側スカラップ近傍については 最小主応力についてはR3と R4で同程度である R3 R4ともに表裏の応力値に差が見られ 面外曲げが発生していることがわかる 載荷は密閉ダイヤフラムのあるD 断面側であるが Uリブたわみによるたわみ角により横リブウェブが面外に変形させられるためである 最大主応力についてはR3 側は小さいが R4 側は 25 N/mm 2 程度の比較的大きな値が見られる 図 に示したダイヤフラムの剛体回転により発生する応力である 表裏の応力値は同程度であり 面内成分が支配的である 図 U リブ 横リブ交差部の主応力図 ( 上側スカラップ部 デッキプレートとの溶接部 ) 密閉ダイヤフラム支間側 (D 断面側 ) 載荷時

72 図 U リブ 横リブ交差部の主応力図 ( 上側スカラップ部 U リブとの溶接部 ) 密閉ダイヤフラム支間側 (D 断面側 ) 載荷時 図 U リブ 横リブ交差部の主応力図 ( 下側スカラップ部 U リブとの溶接部 ) 密閉ダイヤフラム支間側 (D 断面側 ) 載荷時

73 4.5 SFRC 舗装施工後の試験結果 概要 SFRC 舗装が鋼床版の局部応力 変形に与える影響を確認するため Type-3 供試体にSFRC 舗設した後 ( 以下 補強後 ) に静的載荷試験を実施し SFRC 舗設前 ( 以下 補強前 ) の結果と比較した 鋼部材のひずみゲージ 変位計などの計測位置および載荷位置は補強前の試験と同じとしている また SFRC とデッキプレートの接合方法の比較の観点から 計測と載荷は 接着材タイプのA 断面およびスタッドタイプのD 断面を中心に行った 以下において 計測結果は全て載荷荷重を 60kN で換算した変位 ひずみとする また 変位とひずみは舗装死荷重の影響を考慮しない 活荷重のみによるものである デッキプレートの鉛直変位本項では 接着材タイプ適用支間の中央にあたるA 断面でのデッキプレートの鉛直変位を示す 補強前後のデッキプレートのたわみ分布を図 に示す 橋軸方向の載荷位置はUリブ支間中央のA 断面であり 横断方向には試験体中心線上である SFRC 舗装の合成効果により 載荷直下のデッキプレートのたわみが-0.91mm から-0.42mm(46%) に低減される デッキプレートたわみの横断方向の影響線を図 に示す 荷重はA 断面上を移動させた 計測点近傍に載荷された時のデッキプレートたわみが補強後に顕著に減少しており 最大値はUリブ板厚 8mm 側で 1.04mm から 0.36mm(35%) に Uリブ板厚 6mm 側で 1.23mm から 0.35mm(28%) に減少している 影響線の形状に着目すると 補強前は計測点に直近のUリブに載荷された時に顕著に変位が発生するのに対し 補強後は影響線の傾きがなだらかになっており 鋼床版パネル全体が版として挙動していることがわかる Uリブウェブ間でのデッキプレートたわみの一例を図 に示す 載荷位置は Uリブ支間中央である A 断面のUリブR1~R2 間 R3~R4 間である 補強前は 0.4mm 程度のUリブウェブ間たわみが発生していたが 補強後ではほとんど発生しない SFRCの舗設により デッキプレートの剛性が著しく改善されたためであると考えられる リブ間の局部たわみの横断方向影響線を図 に示す 横断方向の載荷位置にかかわらず リブ間たわみが顕著に低減していることが確認できる

74 A 断面 図 補強前後の鋼床版の鉛直変位分布 A 断面 R1 R2 R3 R4 t=8mm ADS-D2 t=8mm t=6mm ADS-D8 t=6mm 変位計架台 Disp. (mm) Distance Ly (mm) 図 補強前後のデッキプレート U リブ鉛直変位の横断方向影響線 ADS-D2( 補強前 ) ADS-D8( 補強前 ) ADS-D2( 補強後 ) ADS-D8( 補強後 )

75 A 断面 図 デッキプレートの U リブウェブ間たわみ ( 補強前後 ) 20 局部たわみ 局部たわみ 20 A 断面 R1 R2 R3 R4 t=8mm ADS-D1 ADS- D2 ADS-D3 t=8mm t=6mm ADS-D7 ADS-D8 ADS-D9 t=6mm 2@140=280 2@140=280 変位計架台 0.2 Distance Ly (mm) Disp. (mm) ADS-D2( 補強前 ) ADS-D8( 補強前 ) ADS-D2( 補強後 ) ADS-D8( 補強後 ) 図 デッキプレートの U リブウェブ間たわみの横断方向影響線

76 4.5.3 Uリブ下面のひずみ本項では スタッドタイプ適用支間の中央にあたるD 断面でのUリブ下面のひずみを示す 補強前後におけるUリブ下面の橋軸方向ひずみの分布を図 に示す 橋軸方向の載荷位置はUリブ支間中央のD 断面で横断方向には供試体中央である SFRC 舗装の合成効果により 荷重直下のR3 R4 リブでは下面の橋軸方向ひずみが 50% 程度に低減され 同一リブ下面の 2 点の差が補強後に小さくなっている 一方 載荷点から離れたR1 R2リブについては補強後にひずみが増加している これは SFRC の舗設により荷重の横分配性能が改善されているためである Uリブ下面の橋軸方向ひずみの横断方向影響線を図 に示す 荷重はD 断面を移動させた 着目リブ上に載荷された時のUリブ下面ひずみは補強により大きく減少しており 最大値はUリブ板厚 8mm 側で から (44%) に Uリブ板厚 6 mm 側で から (40%) に減少している 一方 隣接するリブに載荷された時は補強後が補強前を上回る結果となっているが 前述したように横分配性能が向上したためである SFRCを鋼断面に換算 (n=7 として換算 ) して計算した補強前後における断面剛性と単位モーメント当たりの応力の計算結果を表 に示す 同表のUリブ1 本単位での計算結果によると応力低減量は 20% であるが 実験におけるひずみ低減量はこの計算結果を大きく上回っている SF RC 舗設により 断面剛性が向上することに加え 横分配性能も向上するためであると考えられる D 断面 300 Longitudinal Strain ( 10-6 ) 補強前 補強後 ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 Distance from Girder to Sensor (mm) 図 U リブ下面の橋軸方向ひずみ分布 ( 補強前後 )

77 Ly Load=60kN D 断面 Section D R1 R2 R3 R4 t=8mm t=8mm t=6mm t=6mm Strain ( 10-6 ) DR2M-R 86.9 DR3M-L DR2M-R ( 補強前 ) DR3M-L ( 補強前 ) DR2M-R ( 補強後 ) DR3M-L ( 補強後 ) Distance Ly (mm) 図 U リブ下面の橋軸方向ひずみの横断方向影響線 (U リブ支間中央断面 ) 表 補強前後における U リブ断面剛性計算結果 ( 鋼断面換算 :n=7) (1)Uリブ板厚 6mm トラフリブ (t-6mm) 項 目 記号 単位 SFRC 舗設前 SFRC 舗設後 断面剛性 I mm E E+08 中立軸から下縁の距離 y L mm 単位モーメント辺りの応力 σ N/mm E E-06 剛性比 E I ( 補強後 ) /E I ( 補強前 ) 150% 応力比 σ ( 補強後 )/σ ( 補強前 ) 80% (2)Uリブ板厚 8mm トラフリブ (t=8mm) 項 目 記号 単位 SFRC 舗設前 SFRC 舗設後 断面剛性 I mm E E+08 中立軸から下縁の距離 y L mm 単位モーメント辺りの応力 σ N/mm E E-06 剛性比 E I ( 補強後 ) /E I ( 補強前 ) 152% 応力比 σ ( 補強後 )/σ ( 補強前 ) 80% 中立軸 λ λ λ λ y L

78 4.5.4 デッキプレートとUリブ溶接部のデッキプレート側ひずみ本項では 接着材タイプ適用支間の中央にあたるA 断面でのひずみ計測結果を示す 溶接止端から 5mm 位置に貼付したひずみゲージの横断方向影響線を図 に示す 橋軸方向にはUリブ支間中央のA 断面上に載荷し 横断方向に荷重移動させた 補強前では ダブルタイヤが着目 Uリブウェブを跨ぐ載荷時に 程度のひずみが発生しているが 補強後にはひずみは激減しており 最大で と 10% 以下となっている ダブルタイヤがUリブウェブを跨ぐ載荷ケースにおけるひずみの橋軸方向影響線を図 に示すが この図からも補強によりひずみが著しく低減していることがわかる 図 と図 に 応力集中ゲージで計測した溶接止端および溶接ルート部近傍のひずみ分布を示す それぞれ 着目部のひずみが最大となる直上載荷時の結果である 応力集中ゲージの計測結果からも 溶接部のひずみが大きく低減していることが確認できる 補強前には止端側 ルート側ともに を超える大きな圧縮ひずみが発生しているが 補強後は全て 以下の引張ひずみとなっている 補強前のひずみは ダブルタイヤがUリブウェブを跨ぐことによる局部の負曲げにより発生する圧縮ひずみである 補強後については デッキプレート全体の版としての正曲げ変形により発生するひずみであると考えられ 局部変形はほとんど発生していないものと考えられる Ly Load=60kN A 断面 Section A AD2L-oR AD3L-oL Strain ( 10-6 ) R1 R2 R3 R4 t=8mm t=8mm t=6mm t=6mm AD2L-oR ( 補強前 ) AD3L-oL ( 補強前 ) AD2L-oR ( 補強後 ) AD3L-oL ( 補強後 ) Distance Ly (mm) 図 デッキプレート裏面 U リブ溶接部近傍の橋軸直角方向ひずみの横断方向影響線

79 Lx Load=60kN Trough Rib Strain (10-6 ) Lateral Rib- R1 R2 R3 AD2L-oR ( 補強前 ) AD3L-oL ( 補強前 ) AD2L-oR ( 補強後 ) AD3L-oL ( 補強後 ) ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 Distance Lx (mm) 図 デッキプレート裏面 U リブ溶接部近傍の橋軸直角方向ひずみの橋軸方向影響線 Load=60kN Load=60kN R2 着目時の載荷位置 R3 着目時の載荷位置 R1 R2 R3 R4 t=8 t=8 t=6 t=6 止端側 ルート側 A 断面 止端からの距離 [mm] U リブ内面角部からの距離 [mm] R2 ( 補強前 ) R3 ( 補強前 ) R2 ( 補強後 ) R3 ( 補強後 ) Strain[ 10-6 ] Strain[ 10-6 ] R2 ( 補強前 ) R3 ( 補強前 ) R2 ( 補強後 ) R3 ( 補強後 ) (1) 溶接止端側 (2) 溶接ルート側 図 デッキプレートと U リブ溶接部のデッキプレート側ひずみ計測結果 ( その 1)

80 Load=60kN Load=60kN R2 着目時の載荷位置 R3 着目時の載荷位置 R1 t=8 R2 R3 t=8 t=6 R4 t=6 ルート側 止端側 A 断面 U リブ内面角部からの距離 [mm] 止端からの距離 [mm] R2 ( 補強前 ) -100 R3 ( 補強前 ) -200 R2 ( 補強後 ) -300 R3 ( 補強後 ) Strain[ 10-6 ] Strain[ 10-6 ] R2 ( 補強前 ) R3 ( 補強前 ) R2 ( 補強後 ) R3 ( 補強後 ) (1) 溶接ルート側 (2) 溶接止端側 図 デッキプレートと U リブ溶接部のデッキプレート側ひずみ計測結果 ( その 2)

81 4.5.5 デッキプレートとUリブ溶接部のUリブ側ひずみ本項では 接着材タイプ適用支間の中央にあたるA 断面でのひずみ計測結果を示す Uリブ溶接のUリブ側止端近傍ひずみの横断方向影響線を図 に示す R3リブに着目し ウェブの表裏面のひずみを示した 補強前後とも ひずみはダブルタイヤが着目部の右側と左側にある場合で正負逆転しており 同方向の板曲げ変形が発生している ひずみは補強により大きく低減しているが デッキプレート側のひずみ同様 影響線長は補強後の方が長くなっている 表面のひずみに着目し R2とR3を比較した横断方向影響線を図 に示す 補強前の最大ひずみ値は Uリブ板厚 6mm 8mm ともに圧縮側で 程度 引張側で 弱であるが 補強後は Uリブ板厚にかかわらずひずみは大きく低減しており 引張側は 以下 圧縮側でも 程度まで低減している 対象部は着目ウェブの右側に載荷された場合と左側に載荷された場合でひずみが正負交番するため 輪荷重の横断方向の載荷位置のばらつきを考慮すれば 補強前には を超えるひずみ範囲が発生することが考えられるが 補強によりひずみ範囲は大きく低減するものと考えられる 図 と図 に 応力集中ゲージで計測した溶接止端部近傍のひずみ分布を示す 横断方向の載荷位置は 着目部のひずみが最大となる 隣接するUリブウェブ直上である 橋軸方向の載荷位置は着目断面直上である 応力集中ゲージの計測結果からも 溶接部のひずみが大きく低減していることが確認できる 補強前のひずみは 前後であったのに対し 補強後はUリブ板厚にかかわらず 程度に低減している Ly Load=60kN A 断面 Section A AR3L-ou AR3L-iu R1 R2 R3 R4 t=8mm t=8mm t=6mm t=6mm Strain ( 10-6 ) AR3L-ou( 補強前 ) AR3L-iu( 補強前 ) AR3L-ou( 補強後 ) AR3L-iu( 補強後 ) Distance Ly (mm) 図 デッキプレートと U リブ溶接部の U リブ側ひずみの横断方向影響線 (R3 側表裏 )

82 Ly Load=60kN A 断面 Section A AR2R-ou AR3L-ou R1 R2 R3 R4 t=8mm t=8mm t=6mm t=6mm Strain ( 10-6 ) AR2R-ou( 補強前 ) AR3L-ou( 補強前 ) AR2R-ou( 補強後 ) AR3L-ou( 補強後 ) Distance Ly (mm) 図 デッキプレートと U リブ溶接部の U リブ側ひずみの横断方向影響線 (R2 R3 表側 ) Load=60kN A 断面 Load=60kN R1 t=8 R2 R3 t=8 t=6 R4 t=6 R2 着目時の載荷位置 R3 着目時の載荷位置 Strain[ 10-6 ] R2 ( 補強前 ) R3 ( 補強前 ) R2 ( 補強後 ) R3 ( 補強後 ) 止端からの距離 [mm] 図 デッキプレートと U リブ溶接部の U リブ側のひずみ分布 ( その 1)

83 Load=60kN Load=60kN A 断面 R2 R3 t=8 t=6 R2 R3 t=8 t=6 R2 着目時の載荷位置 R3 着目時の載荷位置 Strain[ 10-6 ] 止端からの距離 [mm] R2 ( 補強前 ) R3 ( 補強前 ) R2 ( 補強後 ) R3 ( 補強後 ) 図 デッキプレートと U リブ溶接部の U リブ側のひずみ分布 ( その 2)

84 4.5.6 デッキプレートとUリブ溶接部の応力低減の効果 および に示した Uリブとデッキプレートの溶接部近傍における応力に対して SFRC 舗装がどの程度の低減効果を有するかについて検討した 具体的には 次の手順により行った 1 着目部 ( ひずみゲージ ) 毎の応力を補強前後において算出する 2 Uリブとデッキプレート溶接部近傍の応力は 着目部直上載荷による局部曲げによるものと考えられるため 車輪 1 軸通過時の応力範囲は直上載荷時の応力の絶対値に近い そこで ここでは着目部直上載荷時に発生する応力の絶対値を車軸通過時の応力範囲と考える 3 輪荷重の橋軸直角方向の載荷位置の影響を考慮できるように 着目部断面載荷時の横断方向影響線を求める 図 に示すように 補強前後における影響線の面積を求める 4 補強効果を定量的に把握するためには 横断方向の走行位置や走行位置のばらつきを考慮する必要があるが それらを一義的に設定することは出来ない ここでは 影響線の面積を橋軸直角方向の走行位置のばらつきを考慮した応力範囲の一指標と仮定し 面積を比較することで 補強による応力範囲の低減率を求めることとした 表 に Uリブとデッキプレート溶接部近傍応力のSFRC 舗装による低減効果を一覧として示す SFRC 舗装の応力低減効果は デッキプレート側の応力に対して効果的であり 応力はSFRC 舗装施工前の 10% 程度まで低減されている Uリブ側についても 応力は 40% 程度まで低減している 図 応力低減率の算出方法

85 表 応力低減効果一覧表 Uリブとデッキプレート溶接部近傍応力

86 4.5.7 垂直補剛材上端部のひずみ (1) 溶接構造溶接構造を採用したD 断面の垂直補剛材上端部におけるひずみの横断方向影響線を図 に示す 荷重はD 断面上を移動させた 回し溶接近傍のデッキプレート下面のひずみに着目すると 補強前は の圧縮ひずみが発生しているが 補強後は 弱の引張ひずみとなり 絶対値で 30% 程度に低減している ひずみの符号が逆転するのは 補強前のひずみがデッキプレートの局部的な負曲げにより発生するひずみであるのに対し 補強後のひずみはデッキプレート全体の版としての正曲げ変形により発生していることが原因である このため ひずみの絶対値の最大値は補強により低減されるものの 補強前に比べ 補強後は影響範囲が拡がっている 回し溶接近傍の垂直補剛材こば面でもひずみが補強によりほぼ半減しているが 補強後も 程度の比較的大きな圧縮ひずみが発生している (2) ギャップ構造ギャップ構造を採用したA 断面の垂直補剛材上端部におけるひずみの横断方向影響線を図 に示す 荷重はA 断面上を移動させた 補強前は 主桁ウェブの首溶接部と垂直補剛材まわし溶接部の間の主桁面に 程度の大きなひずみが発生しているが 補強後は 補強前の 40% 程度にまで低減している 補強前後ともひずみは表裏で正負逆転しており 板曲げひずみであることがわかる このギャップ構造においても ひずみの絶対値の最大値は補強により低減されるものの 補強前に比べ 補強後は影響範囲が拡がっている D 断面 Ly Load=60kN 最大応力発生位置 R1 R2 R3 DSTR- 1 5 R4 DSTR- 2 DSTR Strain ( 10-6 ) DSTR-2 ( 補強前 ) DSTR-3 ( 補強前 ) DSTR-2 ( 補強後 ) DSTR-3 ( 補強後 ) Distance Ly (mm) 図 垂直補剛材上端部ひずみの横断方向影響線 (D 断面 : 溶接構造 )

87 A 断面 Ly Load=60kN 最大応力発生位置 R1 R2 R3 ASTR-W-i R4 ASTR-W- o Strain ( 10-6 ) ASTR-W-o ( 外側 ) ASTR-W-i ( 内側 ) ASTR-W-o ( 外側 ) ASTR-W-i ( 内側 ) Distance Ly (mm) 図 垂直補剛材上端部ひずみの横断方向影響線 (A 断面 : ギャップ構造 )

88 4.5.8 Uリブ 横リブ交差部のひずみ (1) 交差部の横リブウェブの応力 1) 上側スカラップのデッキプレートとの回し溶接近傍橋軸方向には横リブ位置のC 断面 横断方向には直近のUリブウェブをダブルタイヤが跨ぐ位置とした時の横リブウェブの主応力を図 に示す 補強前にスカラップの接線方向に生じていた大きな引張主応力は 引張から圧縮に逆転しており 絶対値として 1/4 程度に減少し 向きも鉛直方向になっている 2) 上側スカラップのUリブとの回し溶接近傍 Uリブとの回し溶接近傍の横リブの主応力を図 に示す 載荷位置は 1) と同じである 補強前にスカラップの接線方向に生じていた大きな引張主応力およびそれに直角に生じていた圧縮主応力は 大幅に小さくなる 引張と圧縮の向きについては補強前後でさほど変わっていない 3) 下側スカラップのUリブとの回し溶接近傍 Uリブとの回し溶接近傍の横リブの主応力を図 に示す 載荷位置は 1) と同じである 同図はUリブ内密閉ダイヤフラムのないR3について描いたものであり 最小主応力は-20 N/mm 2 から-10 N/mm 2 に低減している 主応力方向に変化は見られなかった Uリブ内部に密閉ダイヤフラムがあると 下側スカラップ近傍の応力が大きくなることが確認されているので 密閉ダイヤフラムがあるR4の結果を図 に示した R4も最小主応力についてはR3と同様にほぼ半減したが 最大主応力については 10N/mm 2 程度から 7N/mm 2 程度と 補強前と比べての応力低減率は若干小さなものであった (1) 補強前 (2) 補強後 図 U リブ 横リブ交差部の主応力図 : 横リブ直上載荷時 ( 上側スカラップ部 デッキプレートとの溶接部 : 密閉ダイヤフラムなし )

89 (1) 補強前 (2) 補強後 図 U リブ 横リブ交差部の主応力図 : 横リブ直上載荷時 ( 上側スカラップ部 U リブとの溶接部 : 密閉ダイヤフラムなし ) (1) 補強前 (2) 補強後 図 U リブ 横リブ交差部の主応力図 : 横リブ直上載荷時 ( 下側スカラップ部 U リブとの溶接部 : 密閉ダイヤフラムなし )

90 (1) 補強前 (2) 補強後 図 U リブ 横リブ交差部の主応力図 : 横リブ直上載荷時 ( 下側スカラップ部 U リブとの溶接部 : 密閉ダイヤフラムあり )

91 (2) 交差部のUリブのひずみ 1) 上側スカラップのデッキプレートとの溶接近傍上側スカラップ内部のUリブ周方向ひずみの横断方向影響線を図 に示す 荷重は横リブ位置であるC 断面を移動させた 補強前は着目 Uリブのウェブをダブルタイヤが跨ぐときに大きな引張ひずみが発生していたが 補強後は大きく低減して圧縮ひずみとなる 補強前はデッキプレート Uリブウェブの局部変形に起因してひずみが発生するのに対し 補強後は直上載荷による圧縮ひずみのみが発生するためであると考えられる 上側スカラップ内部の Uリブ周方向ひずみの分布を図 に示す 橋軸方向の載荷位置は横リブ直上である 補強後のひずみは密閉ダイヤフラムのないR3と密閉ダイヤフラムのあるR4ともに 以下と小さい 補強前については溶接部に向かってひずみ分布の勾配が大きく 溶接止端部には大きなひずみが発生していると推測されるが 補強後はそれが見られず 溶接止端部のひずみ低減はさらに大きいものと考えられる 2) 下側スカラップの横リブとのまわし溶接近傍下側スカラップにおけるUリブ側のUリブ周方向ひずみの横断方向影響線を図 に示す 荷重は横リブ位置であるC 断面を移動させた 補強により 密閉ダイヤフラムのないR3では引張ひずみの最大値 が に 密閉ダイヤフラムのあるR4でも引張ひずみの最大値 が に低減している 図 と同じひずみゲージによる橋軸方向影響線を図 に示す 横断方向の載荷位置は R4 側のひずみが最大となる 着目リブと隣接リブの中央にダブルタイヤが載荷される位置である R3 側 R 4 側とも影響線形状は補強前後で相似している 密閉ダイヤフラムのないR3では Uリブ支間中央載荷付近で引張ひずみが最大となり 密閉ダイヤフラムのあるR4では 密閉ダイヤフラムのある側の支間に載荷された時にひずみが最大となる ひずみは 40% 程度に低減するものの R4では補強後も 程度の比較的大きなひずみが発生する R4の下側スカラップのまわし溶接 Uリブ側に最大ひずみを発生させるのは ダイヤフラムを設けたUリブ支間上で横リブから 625mm の位置に載荷したときであり そのときのひずみ分布を図 に示す 補強前後とも溶接止端に向かう勾配が大きく 溶接止端部ではさらに大きなひずみが発生しているものと推測される 特に密閉ダイヤフラムのあるR4では 補強後も溶接止端部に比較的大きなひずみが発生すると予想される

92 Ly Load=60kN C 断面 Section C R1 (R2) R2 (R3) CR3LU (CR4LU) R3 (R4) R3: 密閉ダイヤなし R4: 密閉ダイヤあり Strain ( 10-6 ) CR3LU-C1 ( 補強前 ) CR4LU-C1 ( 補強前 ) CR3LU-C1 ( 補強後 ) 50 CR4LU-C1 ( 補強後 ) Distance Ly (mm) 図 Uリブ 横リブ交差部の横断方向影響線 ( 上側スカラップ部 デッキプレートと U リブ溶接部の U リブ側のひずみ : 応力集中ゲージの第一ゲージ ) Load=60kN Load=60kN ( 密閉ダイヤ ) CR3LU R3 R4 R3 CR4LU R4 t=6mm 止端からの距離 [mm] Strain[ 10-6 ] R3( 補強前 ) R4( 補強前 ) R3( 補強後 ) R4( 補強後 ) 図 U リブ 横リブ交差部のひずみ分布 ( 上側スカラップ部 デッキプレートと U リブ溶接部の U リブ側のひずみ )

93 Ly Load=60kN C 断面 Section C R1 (R2) R2 (R3) CR3LL (CR4LL) R3 (R4) R3: 密閉ダイヤなし R4: 密閉ダイヤあり Strain ( 10-6 ) Distance Ly (mm) 図 U リブ 横リブ交差部の横断方向影響線 CR3LL-C1 ( 補強前 ) CR4LL-C1 ( 補強前 ) CR3LL-C1 ( 補強後 ) CR4LL-C1 ( 補強後 ) ( 下側スカラップ部 横リブウェブと U リブ溶接部の U リブ側のひずみ : 応力集中ゲージの第一ゲージ ) Lx Load=60kN Trough Rib Lateral Rib- R1 R2 R3 Strain ( 10-6 ) CR3LL-C1 ( 補強前 ) CR4LL-C1 ( 補強前 ) CR3LL-C1 ( 補強後 ) CR4LL-C1 ( 補強後 ) ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 Distance Lx (mm) 39.3 図 U リブ 横リブ交差部の橋軸方向影響線 ( 下側スカラップ部 横リブウェブと U リブ溶接部の U リブ側のひずみ : 応力集中ゲージの第一ゲージ )

94 Load=60kN 橋軸方向位置は横リブから密閉ダイアフラム側に 625mm Load=60kN 橋軸方向位置は横リブから密閉ダイアフラム側に 625mm ( 密閉ダイヤ ) CR3LU R3 R4 R3 CR4LU R4 t=6mm Strain[ 10-6 ] R3( 補強前 ) R4( 補強前 ) R3( 補強後 ) R4( 補強後 ) 止端からの距離 [mm] 図 U リブ 横リブ交差部のひずみ分布 ( 下側スカラップ部 横リブウェブと U リブ溶接部の U リブ側のひずみ ) (3) 密閉ダイヤフラム側載荷時の横リブウェブ応力 Uリブ 横リブ交差部に大きな応力を生じさせる載荷状態として ダイヤフラムを設けたUリブ支間上で横リブから 625mm の位置にダブルタイヤを載荷した時の横リブウェブの応力を以下に示す 密閉ダイヤフラムのないR3の下側スカラップ部の主応力図を図 に 密閉ダイヤフラムのあるR4の下側スカラップ部の主応力図を図 に示す R3では 主応力方向や分布性状は補強前後で同程度であるが その応力は平均して 30% 程度となっている R4についても補強前後で主応力方向や分布性状はかわらず 応力が 40% 程度に低減されている

95 (1) 補強前 (2) 補強後 図 U リブ 横リブ交差部の主応力図 ( 下側スカラップ部 U リブとの溶接部 ) (D 断面側載荷時 : 密閉ダイヤフラムなし ) (1) 補強前 (2) 補強後 図 U リブ 横リブ交差部の主応力図 ( 下側スカラップ部 U リブとの溶接部 ) 密閉ダイヤフラム支間側 (D 断面側 ) 載荷時

96 4.5.9 SFRC 舗装とデッキプレートとの接合方法の影響図 (c) に示したように Type-3 供試体ではSFRC 舗装とデッキプレートとの接合方法としてスタッドタイプ 接着タイプの2 種類を適用している この違いが鋼床版各部の変位や応力に与える影響について確認する (1) デッキプレートの変形デッキプレートの鉛直変位の横断方向影響線を図 に示す 荷重は接着材タイプが適用されている A 断面上 およびスタッドタイプが適用されているD 断面上を移動させた 同図によれば 接合方法の違いによる差は見られない 図 には 隣接する3つの変位計から算出した Uリブウェブ間のデッキプレートの局部変形の横断方向影響線を示す 載荷方法は図 と同じである 計測位置直上載荷では デッキプレートの局部たわみ量は接合方法によらず 0.015mm 程度であり 接合方法の違いによる差は見られない しかし 載荷位置が着目部から離れると 接合方法による差が見られる スタッドタイプでは 着目するUリブウェブ間以外に載荷された場合 上方へ変位していることがわかる 一方 接着材タイプでは その上方への変位は見られなかった (2) デッキプレートとUリブ溶接部のひずみ Uリブ溶接近傍のデッキプレート下面の横断方向ひずみの横断方向影響線を図 および図 に示す 前者は R3 R4Uリブの試験体中心側の溶接線 後者はR3 R4Uリブの主桁側の溶接線の止端から 5mm 位置のひずみである 荷重は接着材タイプが適用されているA 断面上 およびスタッドタイプが適用されているD 断面上を移動させた ひずみは最大で と小さく 接合方法の違いによる差は見られない Uリブ溶接近傍のUリブウェブ面の周方向ひずみの横断方向影響線を図 と図 に示す 前者はR3 後者はR4のUリブウェブ外面であり 止端から 5mm 位置のゲージを用いている 載荷方法は以上と同じく A 断面あるいはD 断面を移動させた ひずみは引張が最大 程度 圧縮側が最大 程度であり 溶接近傍のデッキプレート側と同様 接合方法の違いによる差は見られなかった

97 R1 t=8mm R2 t=8mm R3 t=6mm ADS- D8 ( 接着材 ) DDS-D3 ( スタッド ) R4 t=6mm 変位計架台 Disp. (mm) Distance Ly (mm) ,000 1,500 2,000 2,500 ADS-D8( 接着材 ) DDS-D3( スタッド ) 図 デッキプレートの鉛直変位の影響線 (SFRC 舗装とデッキプレートの接合方法の影響 ) 局部たわみ 20 R1 R2 R3 R4 t=8mm t=8mm t=6mm t=6mm ADS-D7 ADS- D8 ADS-D9 ( 接着材 ) DDS-D2 DDS-D3 DDS-D4 ( スタッド ) 変位計架台 2@140=280 Disp. (mm) Distance Ly (mm) ,000 1,500 2,000 2,500 ADS-D8( 接着材 ) DDS-D3( スタッド ) 図 デッキプレートの局部変形の影響線 (SFRC 舗装とデッキプレートの接合方法の影響 )

98 Ly Load=60kN A 断面 : 接着材タイプ D 断面 : スタッドタイプ Strain ( 10-6 ) AD3L-oL AD4L-oL R1 R2 ( 接着材 ) R3 ( 接着材 ) R4 t=8mm t=8mm DD3L-oL t=6mm DD4L-oL ( スタッド ) ( スタッド ) t=6mm AD3L-oL ( 接着材 ) AD4L-oL ( 接着材 ) DD3L-oL ( スタッド ) DD4L-oL ( スタッド ) ,000 1,500 2,000 2,500 Distance Ly (mm) 図 デッキプレートと U リブ溶接部 ( デッキプレート側 ) の横断方向影響線 ( その 1) Ly Load=60kN A 断面 : 接着材タイプ D 断面 : スタッドタイプ Strain ( 10-6 ) AD3L-oR R1 R2 R3 ( 接着材 ) R4 t=8mm t=8mm t=6mm DD3L-oR ( スタッド ) t=6mm AD3L-oR ( 接着材 ) AD4L-oR ( 接着材 ) DD3L-oR ( スタッド ) DD4L-oR ( スタッド ) ,000 1,500 2,000 2,500 Distance Ly (mm) AD4L-oR ( 接着材 ) DD4L-oR ( スタッド ) 図 デッキプレートと U リブ溶接部 ( デッキプレート側 ) の横断方向影響線 ( その 2)

99 Ly Load=60kN A 断面 : 接着材タイプ D 断面 : スタッドタイプ Strain ( 10-6 ) AR3L-ou AR3R-ou R1 R2 ( 接着材 ) R3 ( 接着材 ) R4 t=8mm t=8mm DR3L-ou t=6mm DR3R-ou t=6mm ( スタッド ) ( スタッド ) AR3L-ou ( 接着材 ) AR3R-ou ( 接着材 ) DR3L-ou ( スタッド ) DR3R-ou ( スタッド ) ,000 1,500 2,000 2,500 Distance Ly (mm) 図 デッキプレートと U リブ溶接部 (U リブ側 ) の横断方向影響線 ( その 1) Ly Load=60kN A 断面 : 接着材タイプ D 断面 : スタッドタイプ Strain ( 10-6 ) AR4L-ou R1 R2 R3 ( 接着材 ) R4 t=8mm t=8mm t=6mm DR4L-ou t=6mm ( スタッド ) AR4L-ou ( 接着材 ) AR4R-ou ( 接着材 ) DR4L-ou ( スタッド ) DR4R-ou ( スタッド ) ,000 1,500 2,000 2,500 Distance Ly (mm) AR4R-ou ( 接着材 ) DR4R-ou ( スタッド ) 図 デッキプレートと U リブ溶接部 (U リブ側 ) の横断方向影響線 ( その 2)

100 スタッドおよびスタッド溶接部のひずみダブルタイヤの多点載荷により得られたスタッドひずみ およびスタッド溶接近傍のデッキプレート上下面のひずみの最大 最小値の一覧を表 に示す ひずみゲージの位置は図 に示す スタッドに比較的大きなひずみが発生するのは接着材タイプ スタッドタイプともに橋軸方向ではUリブ支間中央付近 横断方向では主桁ウェブ付近に位置するS2 S3であり その他のスタッドには顕著なひずみは発生していないことがわかる そのため 以下ではS2 S3のひずみを中心にまとめる (1) スタッドのひずみ接着材タイプ箇所のスタッドひずみの横断方向影響線を図 に示す 荷重は S2スタッドで最も大きなひずみの観察された載荷 a~l 断面のうちの e 断面 (Uリブ支間 1/4 点 図 中に併記 ) を横断方向に移動させた 載荷位置が着目スタッドのS2に近づくほど発生ひずみが大きくなり 端部のR4 上載荷時に大きなひずみが発生している 端横リブ側のS1と比較して Uリブ支間中央付近のS2のひずみが大きく S2では の軸方向ひずみのほか 曲げひずみも発生している 以下では 曲げひずみは表 下図の上側が引張となる方向を正とする スタッドS2の曲げひずみの符号は正なので 試験体中央方向に曲げられていることになる また 曲げひずみについては 計測位置 ( スタッドの高さ方向の位置 ) の影響もあり 溶接部では計測したひずみよりもさらに大きなひずみが発生している可能性があることに注意が必要である スタッドタイプ箇所のスタッドひずみの横断方向影響線を図 に示す 荷重は着目スタッドのある載荷 a~l 断面のうちの k 断面 ( 図 中に併記 Uリブ支間中央のD 断面 ) を移動させた S5 S7 ではほとんどひずみは発生していないが S3では の軸方向ひずみおよび の曲げひずみが発生している 曲げひずみの符号は正なので スタッドS2 同様 試験体中央方向に曲げられている 溶接部には比較的大きなひずみが作用しているものと考えられる 接着材タイプ同様 端部のR4リブ載荷時にひずみが大きくなる 接着材タイプ箇所で大きなひずみが確認されたS2 スタッドタイプで大きなひずみが確認されたS3の橋軸方向影響線を図 に示す 横断方向の載荷位置は いずれも大きなひずみが発生することが確認されたR4 直上載荷とした 橋軸方向についても 着目スタッドの直上断面に載荷されたときにひずみが最も大きくなる 接着材タイプ箇所にあるS2と比較して スタッドタイプ箇所にあるS3のひずみが大きいことが確認された このように 補強後においては スタッドに比較的大きな応力が発生することが確認された 補強後ではスタッドの疲労損傷に注意が必要である (2) スタッド溶接部のデッキプレート側のひずみ接着材タイプ箇所にあるS1とS2のスタッド接合部のデッキプレート側ひずみの横断方向影響線を 図 に示す 荷重は図 の載荷 a~l 断面のうちの e 断面を移動させた また スタッドタイプ箇所にあるS3,S5, およびS7のスタッド接合部のデッキプレート側ひずみの横断方向影響線を図 に示す 荷重は図 の載荷 a~l 断面のうちの k 断面を移動させた 接着材タイプ箇所と比較して スタッドタイプ箇所でのひずみが大きい また 接着材タイプおよびスタットタイプともに スタッド近傍の

101 デッキプレート面に添付したひずみゲージによる影響線形状は スタッドに添付したひずみゲージによる影 響線形状 ( 図 図 ) と似ており 端部の R4 上載荷時にひずみが大きくなる 表 スタッド発生ひずみ一覧 : 後輪多点載荷 ( 図 参照 ) の最大最小値 接着材タイプ スタッドタイプ 名称 最大ひずみ最小ひずみ最大ひずみ最小ひずみ最大ひずみ最小ひずみ最大ひずみ最小ひずみ [ 10-6 ] [ 10-6 名称 ] [ 10-6 ] [ 10-6 名称 ] [ 10-6 ] [ 10-6 名称 ] [ 10-6 ] [ 10-6 ] SS1-F SS3-F SS5-F SS7-F SS1-L SS3-L SS5-L SS7-L SS1-B - - SS3-B SS5-B SS7-B SS1-R SS3-R SS5-R SS7-R SD1-L SD3-L SD5-L SD7-L SD1-B SD3-B SD5-B - - SD7-B SS2-F - - SS4-F SS6-F SS8-F SS2-L SS4-L SS6-L SS8-L SS2-B SS4-B SS6-B SS8-B SS2-R SS4-R SS6-R SS8-R SS2-R SD4-L SD6-L SD8-L SD2-B SD4-B SD6-B SD8-B DD2-LU : 測定不能 以上 DD3-BU 図 スタッドに対するひずみゲージの配置

102 Ly Load=60kN 載荷断面は e 断面 S1( 端横リブから 320mm) S2(U リブ支間中央付近 ) Strain ( 10-6 ) R1 R2 R3 R s1( 軸方向応力 ) s1( 曲げ応力 ) s2( 軸方向応力 ) s2( 曲げ応力 ) ,000 1,500 2,000 2,500 Distance Ly (mm) 図 スタッドひずみの横断方向影響線 ( 接着材タイプ ) Ly Load=60kN 載荷断面は k 断面 S7 S5 S Strain ( 10-6 ) R1 R2 R3 R s3( 軸方向応力 ) s3( 曲げ応力 ) s4( 軸方向応力 ) s4( 曲げ応力 ) s5( 軸方向応力 ) s5( 曲げ応力 ) ,000 1,500 2,000 2,500 Distance Ly (mm) 図 スタッドひずみの横断方向影響線 ( スタッドタイプ )

103 2400 Load=60kN 横断方向載荷位置 S3 S2: 接着材タイプ S3: スタッドタイプ R1 R2 R3 R4 Lx Load=60kN S2 S 接着材タイプ スタッドタイプ Strain ( 10-6 ) Lateral Rib-R1 R2 R s2( 軸方向 ) s2( 曲げ ) s3( 軸方向 ) s3( 曲げ ) ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 Distance Ly (mm) Distance Lx (mm) 図 スタッドひずみの橋軸方向影響線 ( 接着材タイプとスタッドタイプの比較 ) Ly Load=60kN A A SD -L SD -B DECK A-A S1( 端横リブから 320mm) S2(U リブ支間中央付近 ) Strain ( 10-6 ) R1 R2 R3 R4 SD1-L SD1-B SD2-B ,000 1,500 2,000 2,500 Distance Ly (mm) 図 スタッド溶接部のデッキプレート側ひずみの横断方向影響線 ( 接着材タイプ )

104 Ly Load=60kN A A SD -L SD -B S7 S5 DECK A-A S Strain ( 10-6 ) R1 R2 R3 R SD3-L SD3-B SD5-L SD5-B SD7-L SD7-B ,000 1,500 2,000 2,500 Distance Ly (mm) 図 スタッド溶接部のデッキプレート側ひずみの横断方向影響線 ( スタッドタイプ )

105 SFRC 舗装表面のひずみ静的載荷試験で得られたSFRC 表面ひずみの最大 最小値の一覧を表 に示す ひずみゲージの位置は図 に示す 圧縮ひずみの最大値は 引張ひずみの最大値は であった 大きな引張ひずみが発生したのは 横リブ上の橋軸方向ひずみを計測したゲージ番号 CC-1X CC-2X であった SFRCのひび割れ発生ひずみである 200~ と比較してそれほど大きな値ではないものの 4.3) ~4.4) この計算は輪荷重 60kN に対するものであり 実態交通軸重の最大値であるT 荷重 1 輪の 1.5 倍程度 4.5)( ダブルタイヤ1 輪あたり 150kN) を考慮すれば 横リブ上のひび割れの発生についてさらに検討する必要がある ゲージ番号 CC1-1X CC1-2X の橋軸方向影響線を図 に示す 横断方向の載荷位置はそれぞれ着目部直上とした 影響線の分布形状により このひずみが横リブを支点とした負曲げモーメントによるものであることがわかる 最大ひずみを発生させる Lx=1920mm の位置の横断方向影響線を図 に示すが 横断方向では直上に載荷されたときのひずみが大きくなることがわかる 表 SFRC 表面のひずみ値 引張ひずみ [ 10-6 ] 圧縮ひずみ [ 10-6 ] AC AC AC-3X - - AC-3Y 9-79 AC CC-1X CC-1Y CC-2X 32-3 CC-2Y DC DC A 1250 C 1250 D AC-3X AC-3Y AC-1 AC-4 AC-2 CC-1X CC-1Y CC-2X CC-2Y DC-2 DC U r ib t = 6 m m U r ib t= 8 m m R 1 R 2 R 3 R 4 A C D Xは橋軸方向,Yは橋直方向図 SFRC 舗装表面のひずみゲージの配置

106 Lx Load=60kN CC1-X CC2-X 接着材タイプ スタッドタイプ Strain ( 10-6 ) CC-1X CC-2X ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 Distance Ly (mm) 図 SFRC 表面橋軸方向ひずみの橋軸方向影響線 ( 横断方向載荷位置はそれぞれ着目ひずみゲージ直上載荷時 ) Ly Load=60kN CC2-X CC1-X C 断面 R1 t=8mm R2 t=8mm R3 t=6mm R4 t=6mm Strain ( 10-6 ) CC-1X CC-2X ,000 1,500 2,000 2,500 Distance Ly (mm) 図 SFRC 表面橋軸方向ひずみの横断方向影響線 ( 橋軸方向の載荷位置は中間横リブから 580mm)

107 FEM 解析による補強効果の検証実験で得られたSFRC 舗装による鋼床版の鉛直変位低減効果 デッキプレートの応力低減効果を検証するため ここでは補強前後の実験値とFEM 解析値を比較する ダブルタイヤ荷重の載荷位置は図 に示したA 断面上の c6 および c12 に加え 同じくA 断面上で試験体中心線上の c9 とした A 断面は接着材タイプが適用されたUリブ支間の中央にあたる (1) デッキプレートの鉛直変位載荷位置 c6 c9 c12 としたときのA 断面でのデッキプレートの鉛直変位をそれぞれ図 ~ 図 に示す 補強の前後ともに 実験値とFEM 解析値は非常に良く一致している 補強後では 補強前に見られた輪荷重直下の局部変形が見られなくなっている (2) デッキプレート下面のひずみ載荷位置 c6 c9 c12 としたときのA 断面でのデッキプレート下面のひずみをそれぞれ図 ~ 図 に示す ここで FEM 解析モデルは溶接細部のディテールを再現したモデルではないため FEM 解析では溶接部近傍の応力は再現できていない可能性が大きい そのため傾向を比較することを目的に デッキプレートとUリブとの溶接線から 40mm 離れた位置のひずみで実験値とFEM 解析値を比較することとした 鉛直変位と同様に 実験値と解析値は良く一致している Uリブウェブをダブルタイヤが跨ぐ c6 c12 載荷に着目すると 補強前においては局部曲げによる圧縮ひずみが観察されているが 補強により圧縮ひずみから引張ひずみに反転している これは補強により局部曲げが発生しなくなり 版全体の変形が顕著になるためである FEM 解析においても これらの挙動を確認することができた なお FEM 解析では SFRCとデッキプレートを完全合成と仮定しているが 全体的に実測値とFEM 解析結果はよく一致しており 供試体においてもSFRCとデッキプレートは完全合成として挙動していたものと推測される

108 A 断面 実験値 ( 補強前 ) FEM 値 ( 補強前 ) 実験値 ( 補強後 ) FEM 値 ( 補強後 ) Displacement (mm) ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 Distance from Girder (mm) 図 補強前後のデッキプレート鉛直変位の実験値と FEM 値の比較 (A 断面 載荷位置 c6) A 断面 Displacement (mm) 実験値 ( 補強前 ) FEM 値 ( 補強前 ) 実験値 ( 補強後 ) FEM 値 ( 補強後 ) ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 Distance from Girder (mm) 図 補強前後のデッキプレート鉛直変位の実験値とFEM 値の比較 (A 断面 載荷位置 c9)

109 A 断面 実験値 ( 補強前 ) FEM 値 ( 補強前 ) 実験値 ( 補強後 ) FEM 値 ( 補強後 ) Displacement (mm) ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 Distance from Girder (mm) 図 補強前後のデッキプレート鉛直変位の実験値と FEM 値の比較 (A 断面 載荷位置 c12) A 断面 AD2L-iL AD2L-iR AD3L-iL AD3L-iR Transverse Strain ( 10-6 ) 実験値 ( 補強前 ) FEM 値 ( 補強前 ) 実験値 ( 補強後 ) FEM 値 ( 補強後 ) ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 Distance from Girder (mm) 図 補強前後のデッキプレート下面橋軸直角方向ひずみの実験値と FEM 値の比較 (A 断面 載荷位置 c6)

110 A 断面 AD2L-iL AD2L-iR AD3L-iL AD3L-iR 200 Transverse Strain ( 10-6 ) 実験値 ( 補強前 ) FEM 値 ( 補強前 ) 実験値 ( 補強後 ) FEM 値 ( 補強後 ) ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 Distance from Girder (mm) 図 補強前後のデッキプレート下面橋軸直角方向ひずみの実験値と FEM 値の比較 (A 断面 載荷位置 c9) A 断面 AD2L-iL AD2L-iR AD3L-iL AD3L-iR 200 Transverse Strain ( 10-6 ) 実験値 ( 補強前 ) FEM 値 ( 補強前 ) 実験値 ( 補強後 ) FEM 値 ( 補強後 ) ,000 1,500 2,000 2,500 3,000 Distance from Girder (mm) 図 補強前後のデッキプレート下面橋軸直角方向ひずみの実験値と FEM 値の比較 (A 断面 載荷位置 c12)

111 4.6 まとめ主桁 2 本に囲まれたUリブ4 本および横リブ3 本からなる2 径間鋼床版パネルの実大供試体を用いて S FRC 舗装の舗設前後で静的多点載荷を行った 舗設前には 鋼床版の構造詳細が鋼部材局部のひずみに与える影響を確認した 舗設後には SFRC 舗装によるひずみ低減効果 舗装の接合方法による違い およびSFRC 舗装表面ひずみを検証した 得られた主な結果をまとめると以下の通りである (1) 鋼床版の構造詳細の影響 ( 舗装施工前 ) 1) 舗装のない状態では Uリブとデッキプレートの溶接部の局部ひずみが大きな値となった 溶接止端から 5mm 位置のデッキプレート下面の横断方向ひずみは 60kN のダブルタイヤが着目溶接線を跨ぐように載荷したときに最大となり 圧縮で 程度となった これをヤング率 で換算すると 98N/mm 2 になり 実測で記録されている輪荷重 150kN 程度を考慮すれば 非常に大きな応力である 2) 板厚 8mm のUリブを適用した箇所では 板厚 6mm のUリブと比較して 剛性の向上に伴って鋼床版のたわみおよびUリブ下面のひずみが小さくなる傾向が見られた ただし デッキプレートの局部変形や Uリブとデッキプレートの溶接部近傍の局部ひずみにUリブの板厚が与える影響は小さいことが確認された 3) 垂直補剛材上端部をデッキプレートに溶接する構造では 溶接近傍のデッキプレートと垂直補剛材の双方に大きなひずみが発生する 疲労損傷の防止を目的とし 垂直補剛材上部とデッキプレート上部に隙間を空けた構造でも その隙間部分の主桁ウェブに面外曲げによるひずみが発生することが確認された 4) Uリブ 横リブ交差部付近に密閉ダイヤフラムがある場合 横リブの上側スカラップ近傍については 応力は密閉ダイヤフラムがない場合と比較して小さくなることが確認された 一方 下側スカラップ近傍 特に回し溶接部のUリブ側については 密閉ダイヤフラムの剛体回転により高い応力が発生することが確認された (2) SFRC 舗装によるひずみ低減効果 1) SFRC 舗装により デッキプレートとUリブとの溶接部の局部ひずみは著しく低減することが確認された 溶接止端から 5mm 位置のデッキプレート下面の横断方向ひずみは 60kN のダブルタイヤ載荷時の最大値が引張で 程度であり 絶対値として舗設前の1 割程度に低減されている これはデッキプレートの面外剛性が向上し Uリブウェブ上でのデッキプレートの局部曲げが起こりにくくなっているためと考えられる 2) 上記のように デッキプレートの局部曲げが起こりにくくなるとともに 横リブおよび主桁に囲まれた版として剛性が向上するため 荷重の横分配性能も向上し 鋼床版のたわみやUリブ下面のひずみも大きく低減することが確認された 3) 垂直補剛材上端部を従来の溶接構造とした場合 また垂直補剛材上部とデッキプレート上部に隙間を空けた構造にした場合とも SFRC 舗装によりひずみの最大値が低減されるが 影響範囲は拡がることが分かった ひずみの低減は大きいが 溶接構造の垂直補剛材側の止端近傍のこば面では比較的大きなひずみが残った 4) Uリブと横リブの交差部についても 上スカラップ近傍では応力が半分以下となることが確認された

112 ただし 密閉ダイヤフラムを有する Uリブの横リブとの交差部については SFRC 舗設後も比較的大きな応力が発生する 応力はデッキプレートと補剛材の隙間の長さ 構造と輪荷重位置との距離などの構造の詳細により大きく変わると予想されるため 交差部におけるSFRC 舗装の補強効果については今後更なる検討が必要である (3) 舗装の接合方法による違い 1) SFRC 舗装とデッキプレートをスタッドで接合するタイプでは 一部のスタッドで比較的大きなひずみが確認された スタッドの配置方法 接着材が剥離した場合の影響など 今後の検討が必要である 2) 接着材で接合するタイプでは スタッドに生じるひずみはスタッドタイプと比較して小さいことが確認された (4) SFRC 舗装表面ひずみ横リブ上のSFRC 表面に 比較的大きな橋軸方向の引張ひずみが発生することが確認された

113 5. 移動輪荷重試験 5.1 概要移動輪荷重試験は Uリブ単支間の実大供試体である Type-1 供試体と Type-2 供試体を使用し 移動輪荷重を繰り返し載荷させることによって実施した 二つの供試体はSFRC 舗装とデッキプレートの接合方法が異なっており Type-1 供試体は接着材を主体とした方法 Type-2 供試体はスタッドによる方法を用いている 本試験の目的は以下の三点である 1 SFRC 舗装の耐久性の評価を行う 2 鋼床版との合成作用の持続性について評価する 3 1および2について 接合方法の違いによる差が認められるか明らかにする移動輪荷重試験に先立ち 前章の Type-3 供試体を用いた静的載荷試験と同様にSFRC 舗装前と舗装後の静的載荷試験を実施して 両者の結果を比較した また移動輪荷重の繰返し載荷においては SFRC 舗装にダメージが累積する過程でのひずみ等の変化を記録するために 定期的に静的載荷試験を行った 5.2 試験条件 (1) 供試体供試体は 3 章の図 に示す接着材タイプの Type-1 供試体およびスタッドタイプの Type-2 供試体である 二つの供試体はSFRC 舗装の接合方法が異なるのみで 鋼床版鋼部材の諸元は全く同じである したがって 本試験での主要なパラメータはSFRC 舗装のデッキプレートへの接合方法である (2) 載荷方法移動輪荷重の繰返し載荷には ( 株 ) 横河ブリッジ所有の移動輪荷重試験装置 5.1) を用いた 装置への供試体の設置状況 載荷範囲等を図 に示す 輪荷重の載荷位置の決定にあたっては 1 中央寄りのUリブに載荷すること 2SFRC 舗装施工前の静的載荷試験でUリブ溶接近傍のデッキプレート側で最大ひずみが確認されたUリブウェブ直上載荷とすることとした 載荷はSFRC 舗装表面に設置した載荷版上で鉄輪を走行させることにより行った 本試験で用いた載荷版および載荷ブロックを図 に示す 下層の載荷版は 厚さ 5mm のネオプレンゴム2 層構造となっており 最下層は 大型車の後輪ダブルタイヤの接地形状を模擬するため幅 200mm のネオプレンゴムを 100mm の間隔を設けて並べている 上層の載荷ブロックは 板厚 22mm の鋼板を立てた状態で橋軸方向に並べ これを上下から板厚 9mm および 12mm の鋼板で挟み込んだものとなっている この載荷ブロックは 幅 170mm の鉄輪から伝わる荷重をT 荷重面積 (200mm 500mm) に相当する分布幅に分散させる役目をもっている 移動輪荷重試験の実施に先だち この載荷版を用いた場合の面圧分布を測定し ゴムタイヤによる面圧分布と比較した 測定には 発色感度が 0.5~2.5MPa の感圧紙を用いた 移動輪荷重試験の載荷ラインと同一ライン上のUリブ支間中央断面において 静的に 98kN で載荷した際の面圧分布を図 (a) に示す また

114 図 (b) には ゴム製のダブルタイヤを用いて静的に 60kN で載荷した際の面圧分布をあわせて示している 移動輪荷重試験の載荷版による面圧分布は大型車の後輪ダブルタイヤの面圧分布と同様に 2 つの領域に分割された形状となっていることが分かる 静的載荷試験では 橋軸方向の影響線を得るために 100mm ピッチ 1 ライン合計 21 測点で載荷試験を行った 一方 移動輪荷重試験は 載荷ライン上でUリブ支間中央を中心に前後 ±1,000mm で鉄輪を往復運動させた 移動輪荷重試験の実施状況を写真 に示す なお SFRC 舗装施工前の静的載荷試験は 移動輪荷重試験機の鉄輪ではなく 前章で記した Type-3 供試体を用いた試験と同様にゴムタイヤを用いて載荷した (3) 荷重条件移動輪荷重試験における載荷荷重は SFRC 舗装を施した鋼床版供試体による移動輪荷重試験の事例 5.2)-5.3) や鋼 コンクリート合成床版を対象とした移動輪荷重試験の事例 5.4) を参考に決定した すなわち 当初の 10 万回はT 荷重相当である 98kN を予備的に載荷し 初期の不具合やSFRC 舗装のひび割れなどの有無を確認した 次のステップとして 載荷荷重 157kN で 100 万回を載荷した この載荷荷重 157kN は 実路線で測定された過積載車の輪荷重の最大値 5.5)-5.6) や 土木学会道路橋床版の調査研究小委員会の報告書 5.7) で提案されている性能照査型設計法における照査荷重 150kN と同程度である 載荷荷重 157kN での載荷試験終了後 SFRC 舗装表面を観察し ひび割れ等の顕著な損傷が確認されなかった場合は さらに最終ステップとして 載荷荷重 196kN で 100 万回を載荷した 図 に載荷荷重のステップを示す なお 載荷回数は 台車 1 往復につき 2 回として数える (4) 計測方法繰り返し載荷に伴うひずみ等の変化を検出するため 移動輪荷重試験中は静的載荷試験を定期的に実施した 実施時期は載荷回数 1 回 1 万回 5 万回 10 万回 以降 10 万回毎である 載荷は荷重走行線上の多点で行い 橋軸方向の影響線が得られるようにした デッキプレートの鉛直変位 鋼床版鋼部材およびSF RC 舗装表面のひずみを計測するとともに SFRC 舗装表面でのひび割れの有無などを目視により観察した なお 移動輪荷重試験中の動的計測は行わず 静的載荷試験による計測データのみを収集した 計測センサー類は 4 章までの静的載荷試験に用いた Type-3 供試体と同様な箇所に取付けた Type-1 供試体および Type-2 供試体の計測センサー設置位置図を 付録の図 - 付 -2.1~ 図 - 付 -2.5 に示す 主な計測項目は以下のとおりである 1) 鋼床版一般部のひずみ鋼床版の一般部のひずみを計測するために Type-3 供試体と同様な部位にひずみゲージを貼付した 例えば Uリブ支間中央断面におけるUリブの底面の橋軸方向のひずみを計測した 2) デッキプレートとUリブ溶接部近傍のひずみデッキプレートとUリブとの溶接部のひずみを計測するために Uリブ支間中央断面で溶接近傍にひずみゲージを貼付した 貼付位置は Type-3 供試体に準じるが Type-1 供試体および Type-2 供試体にはUリブ内側のゲージを貼付しなかった 3) 鋼床版の鉛直変位

115 Uリブ支間中央断面における鋼床版の鉛直変位を変位計により計測した 変位計の設置位置は Type-3 供試体に準じた 4) SFRC 舗装の表面ひずみ SFRC 舗装の表面ひずみを測定するため Uリブ支間中央断面において 着目するUリブの溶接部直上と走行レールの載荷版近傍において 橋軸方向および橋軸直角方向にひずみゲージを貼付した 5) スタッド取付け部のデッキプレート下面ひずみ鋼床版とSFRC 舗装との機械的な接合状態に変動がないかを知るために スタッドの溶殖部直下のデッキプレート下面側に 橋軸方向および橋軸直角方向にひずみゲージを貼付した これは デッキ下面におけるひずみの変動によって 鋼床版とSFRC 舗装との接合状態をモニタリングし スタッドが疲労破断した場合には その破断時期を推定することを目的としている

116 図 移動輪荷重試験の載荷要領と荷重載荷位置 図 載荷版と載荷ブロック形状 ( 単位 :mm) (a) 移動輪荷重試験の載荷版 (b) 大型車後輪のダブルタイヤ 図 面圧分布測定結果

117 写真 移動輪荷重試験状況 図 移動輪荷重試験の載荷荷重ステップ

118 5.3 試験結果 概要本節では 移動輪荷重試験中に実施した静的載荷試験の結果のうち 代表的なものを抜粋して示す ひずみや変位は 試験開始時の輪荷重無載荷時を 0 とし 各走行回数において輪荷重走行時のひずみの絶対値が最大となる値を 載荷荷重 98kN 相当に換算して整理した また 接着材タイプとスタッドタイプの比較が可能なようにした 着目ひずみや変位について では載荷位置を同一として 10 万回ごとの変化をプロットした では載荷位置を移動させて影響線を描き 40~60 万回ごとに示している 主要なひずみと変位の履歴 Uリブ溶接近傍など 主要な位置のひずみ等を 10 万回ごとに計測した結果をプロットした 橋軸方向の載荷位置はUリブ支間中央である また 計測位置も橋軸方向にはUリブ支間中央であるが 横断方向には Uリブ溶接近傍やUリブウェブ間など主要な位置としている (1) デッキプレートの鉛直変位デッキプレートの鉛直変位の輪荷重載荷回数にともなう履歴を図 および図 に示す 横断方向の計測位置は 図 は輪荷重直下となるUリブ溶接線の止端から 20mm 位置のデッキプレート下面であり 図 は試験体中心となるUリブウェブ間のデッキプレート下面である 接着材タイプ供試体とスタッドタイプ供試体の鉛直変位に 大きな差は見られない いずれの計測点においても 鉛直変位は載荷回数 10 万回までは安定しているが 20 万回載荷以降は載荷回数の増加にともなって緩やかに増加している (2) Uリブ溶接近傍のデッキプレート下面のひずみ Uリブ溶接線の止端から5mm 位置のデッキプレート下面における横断方向ひずみの履歴を図 および図 に示す 横断方向の計測位置は 図 は輪荷重直下となるUリブ溶接近傍であり 図 は輪荷重位置から外れた隣のU リブ溶接線近傍である 図より いずれも接着材タイプと比較してスタッドタイプの方が大きなひずみを発生していることがわかる また 接着材タイプとスタッドタイプともに輪荷重載荷回数の増加に伴い発生ひずみは引張側から次第に圧縮側に移行している 特に スタッドタイプは載荷回数 20 万回の比較的早い段階から圧縮側に移行している これは 着目部付近の鋼床版とSFRC 舗装の付着が失われたため 局部的に合成挙動から重ね版的な挙動に移行したためと考えられる (3) Uリブ溶接近傍のUリブウェブ面のひずみ Uリブ溶接の止端から 5mm 位置のUリブ外面におけるUリブ周方向ひずみの履歴を図 および図 に示す 横断方向の計測位置は 図 は輪荷重直下となるUリブウェブ面であり 図 は輪荷重位置から外れた隣のUリブウェブ面である 図より いずれも載荷初期に圧縮ひずみが減少する しかし 20 万回以降 徐々に圧縮ひずみが増え スタッドタイプの輪荷重直下の着目ひずみおよび接着材タイプの輪荷重から外れた着目ひずみは その後もやや増加傾向にある 接着材タイプの輪荷重直下およびスタッドタイプの輪荷重から外れた場合はほぼ一定と

119 なっている (4) SFRC 舗装表面の載荷点直下のひずみダブルタイヤを模した2 枚のゴム板の間に設置されたゲージによる SFRC 舗装表面の横断方向ひずみの履歴を図 に示す この部位については スタッドタイプ供試体のみ計測している 図より 載荷初期段階では圧縮ひずみが生じていたが 載荷回数の増加に伴って発生ひずみは僅かながら引張側へと移行している これは SFRC 舗装と鋼床版が次第に重ね版的な挙動へと移行したため 僅かではあるがUリブウェブ直上におけるSFRC 舗装の局部曲げの要因が増大してきたためと考えられる (5) SFRC 舗装表面の載荷版近傍のひずみ載荷版近傍における SFRC 舗装表面の横断方向ひずみの履歴を図 および図 に示す 図より いずれの計測点および供試体においても 載荷回数の増加にともなってひずみが徐々に増加している また 接着材タイプと比較してスタッドタイプの発生ひずみが圧縮側に大きくなっていることが分かる 最大荷重 (196kN) 載荷時において SFRC 舗装表面には一般的なひび割れ発生ひずみと同程度の約 200 μのひずみが発生していたが 移動輪荷重試験終了後の両供試体のSFRC 舗装表面にはひび割れ等の変状は見られなかった

120 図 デッキプレートの鉛直変位の履歴 図 デッキプレートの鉛直変位の履歴

121 図 デッキプレート側溶接部近傍の橋軸直角方向ひずみの履歴 ( その 1) 図 デッキプレート側溶接部近傍の橋軸直角方向ひずみの履歴 ( その 2)

122 図 U リブ側溶接部近傍の橋軸直角方向ひずみの履歴 ( その 1) 図 U リブ側溶接部近傍の橋軸直角方向ひずみの履歴 ( その 2)

123 図 載荷点直下 ( 着目溶接線上 ) における SFRC 舗装表面の橋軸直角方向ひずみの履歴 図 載荷版近傍における SFRC 舗装表面の橋軸直角方向ひずみの履歴 ( その 1) 図 載荷版近傍における SFRC 舗装表面の橋軸直角方向ひずみの履歴 ( その 2)

124 5.3.3 主要なひずみと変位の影響線以下では主要なひずみと変位の橋軸方向影響線を 40~60 万回ごとに描いて 挙動とその変化を整理する 計測位置はスタッドに関するものを除き Uリブ支間中央である (1) デッキプレートの鉛直変位デッキプレート鉛直変位の影響線の推移を図 および図 に示す 前者は接着材タイプ供試体 後者はスタッドタイプ供試体の影響線である 横断方向計測位置はUリブウェブ間であり ダブルタイヤを模した輪荷重の片輪の直下にあたる 図より いずれの供試体とも載荷回数の初期に鉛直変位の増加がみられ 試験終了時には最大で-1.3mm 弱となるが 舗装前の鉛直たわみが最大で-2.0mm であったことを考慮すると SFRC 舗装の補強効果や車両の走行性を損なうような大きな変状ではないと考えられる (2) Uリブ溶接近傍のデッキプレート下面のひずみ Uリブ溶接近傍のデッキプレート下面の横断方向ひずみについて 影響線の推移を図 および図 に示す 前者は接着材タイプ供試体 後者はスタッドタイプ供試体の影響線である 計測位置はダブルタイヤが跨ぐUリブ溶接線の止端から 5mm 位置のデッキプレート下面である 図より いずれの供試体も載荷回数の増加にともない 直上載荷での最大ひずみが圧縮側に増加している 特にスタッドタイプ供試体では最大で約 -100μの圧縮ひずみとなっているが これは SFRC 舗装と鋼床版の付着が局部的に失われたことによるものと推測される しかし いずれの供試体も舗装前の圧縮ひずみの最大値が-779μであったことを考慮すると SFRC 舗装による補強効果は持続していると考えられる (3) Uリブ溶接近傍のUリブウェブ面のひずみ載荷点直下のUリブウェブの デッキプレートとの溶接部近傍におけるUリブ周方向ひずみについて 影響線の推移を図 および図 に示す 前者は接着材タイプ供試体 後者はスタッドタイプ供試体の影響線である 計測位置はダブルタイヤが跨ぐUリブ溶接線の止端から 5mm 位置のUリブ外面である 接着材タイプ供試体では 載荷回数によるひずみの大きな変化は見られない 一方 スタッドタイプ供試体では 繰り返し回数の増大にともなって徐々にひずみが増加しており 試験終了後には 直上載荷時の圧縮ひずみが試験開始時の 2 倍の-200μ 程度になっている これは SFRC 舗装と鋼板の付着が局部的に失われたことによるものと考えられる Uリブ側の応力については 前章で示したとおり 載荷点直下のUリブウェブよりも載荷点に隣接するU リブウェブの応力が大きくなる 載荷点に隣接するUリブウェブの デッキプレートとの溶接部近傍におけるUリブ周方向ひずみについて 影響線の推移を図 および図 に示す 前者は接着材タイプ供試体 後者はスタッドタイプ供試体の影響線である 計測位置はUリブ溶接線の止端から 5mm 位置のU リブ外面である 舗装前の圧縮ひずみの最大値 -492μに対し 舗装後の最大ひずみは-200μ 程度である 接着材タイプ供試体 スタッド供試体ともに載荷回数によるひずみの大きな変化は見られないことから SF RC 舗装による補強効果は持続していると考えられる (4) SFRC 舗装表面の載荷点直下のひずみダブルタイヤを模した2 枚のゴム板の間に設置されたSFRC 舗装表面のゲージによる横断方向ひずみについて 影響線の推移を図 に示す スタッドタイプ供試体のみ計測している 図より 着目部断面

125 の前後 200mm 付近から圧縮ひずみが急激に低下し 着目部位付近ではほぼゼロとなる形状になっていることが分かる これは デッキプレートの版作用による正曲げ作用が Uリブウェブ上における負曲げ作用によって相殺されているためであると考えられる また 載荷回数 N=1 回から 50 万回載荷時までの間でひずみが全般的に大きくなるが その後はあまり変化していない (5) SFRC 舗装表面の載荷版近傍のひずみ載荷版近傍におけるSFRC 舗装表面の横断方向ひずみについて 影響線の推移を図 および図 に示す 前者は接着材タイプ供試体 後者はスタッドタイプ供試体の影響線である 図より 接着材タイプ供試体と比較してスタッドタイプ供試体の発生ひずみが大きく 試験終了時には引張ひずみの最大値が 100μに近くなった 試験終了後のSFRC 舗装表面の観察によれば ひび割れは発生していなかった (6) スタッド直下のデッキプレート下面ひずみ ( 接着材タイプ供試体 ) 接着材タイプ供試体には 図 に示すように 端部のスタッド (S1) 直下のデッキプレート下面にひずみゲージ ( 名称 SD-1 Bが橋軸方向 Lが横断方向を表す ) を取り付けた このゲージによる橋軸および横断方向ひずみの橋軸方向影響線の推移を図 に示す 図より 横断方向の圧縮ひずみが載荷回数にしたがって減少しており 最終的には 10μ 以下にまで低下している スタッド (S1) に何らかの変状が生じた可能性がある (7) スタッド直下のデッキプレート下面ひずみ ( スタッドタイプ供試体 ) スタッドタイプ供試体には 図 に示すように 端部のスタッド (S1) 直下や 輪荷重載荷位置近傍のスタッド (S2~S5) 直下のデッキプレート下面に ひずみゲージ ( 名称 SD-1~SD5 Bが橋軸方向 Lが横断方向を表す ) を取り付けた 図 は 端部のスタッド (S1) 直下のひずみの橋軸方向影響線の推移を示したものであり 載荷回数の増加に伴うひずみの変動は小さく 移動輪荷重試験の実施範囲ではスタッド (S1) は破断していないと予想される 図 は 輪荷重載荷位置近傍のスタッド (S5) 直下のひずみの橋軸方向影響線の推移を示したものであり スタッド位置に荷重が近いほど大きくなる傾向が分かる この部位に最大の橋軸方向圧縮ひずみを与える-800mm 位置載荷でのひずみは 載荷回数が増えるにしたがって徐々に増加し その後載荷回数 210 万回で減少していることから このスタッド (S5) の周辺のスタッドが破断している可能性が考えられる

126 図 デッキプレートの鉛直変位の橋軸方向影響線 ( 接着材タイプ供試体 ) 図 デッキプレートの鉛直変位の橋軸方向影響線 ( スタッドタイプ供試体 )

127 図 デッキプレート側溶接部近傍の橋軸直角方向ひずみの橋軸方向影響線 接着材タイプ供試体 図 デッキプレート側溶接部近傍の橋軸直角方向ひずみの橋軸方向影響線 スタッドタイプ供試体

128 舗装施工前最大-160μ 図 Uリブ側溶接部 載荷点直下のUリブウェブ 近傍の鉛直方向ひずみの橋軸方向影響線 接着材タイプ供試体 舗装施工前最大-160μ 図 Uリブ側溶接部 載荷点直下のUリブウェブ 近傍の橋軸直角方向ひずみの橋軸方向影響線 スタッドタイプ供試体

129 図 U リブ側溶接部 ( 載荷点の外側の U リブウェブ ) 近傍の橋軸直角方向ひずみの橋軸方向影響線 ( 接着材タイプ供試体 ) 図 U リブ側溶接部 ( 載荷点の外側の U リブウェブ ) 近傍の橋軸直角方向ひずみの橋軸方向影響線 ( スタッドタイプ供試体 )

130 図 載荷点直下における SFRC 舗装表面の橋軸直角方向ひずみの橋軸方向影響線 ( スタッドタイプ供試体 )

131 図 載荷点近傍における SFRC 舗装表面の橋軸直角方向ひずみの橋軸方向影響線 ( 接着材タイプ供試体 ) 図 載荷点近傍における SFRC 舗装表面の橋軸直角方向ひずみの橋軸方向影響線 ( スタッドタイプ供試体 )

132 図 スタッド直下のデッキプレート下面ひずみ計測位置 ( 接着材タイプ供試体 ) 図 スタッド直下のデッキプレート下面ひずみの影響線 ( 計測位置接着材タイプ供試体 :S1)

133 図 スタッド直下のデッキプレート下面ひずみ計測位置 ( スタッドタイプ供試体 ) 図 スタッド直下のデッキプレート下面ひずみの影響線 ( 計測位置スタッドタイプ供試体 :S1)

134 図 スタッド直下のデッキプレート下面ひずみの影響線 ( 計測位置スタッドタイプ供試体 :S5)

135 5.4 まとめ本章で示した 接着材タイプ供試体とスタッドタイプ供試体による移動輪荷重試験の結果をまとめると以下のとおりである (1) 実測最大級およびT 荷重の2 倍相当の荷重を累計 210 万回繰返して移動輪荷重試験を実施したが SF RC 舗装の表面にはひび割れなどの損傷は認められず 舗装としての供用性に問題はなかった (2) 移動輪荷重試験開始当初の鋼床版の応力低減効果は スタッドタイプ供試体と比較して接着材タイプ供試体が若干大きい傾向が見られたが その差は小さく 両者の応力低減効果に有意な差はないと考えられる (3) 移動輪荷重試験中のデッキプレートの鉛直変位や鋼床版のひずみに着目すると 接着材タイプ供試体とスタッドタイプ供試体のいずれも載荷回数 20 万回までは安定した挙動を示したが 20 万回以降にその値が増加するなど次第に変化が認められた (4) スタッドタイプ供試体の場合 SFRC 舗装と鋼床版との付着が失われ 重ね版的な挙動へと移行したために (3) の挙動が現れたものと推測される 接着材タイプ供試体の場合 スタッドタイプほどの変化はなかったものの 部分的にSFRC 舗装と鋼床版との付着が失われている可能性がある (5) スタッドの直下に取り付けたひずみゲージの値から 接着材タイプ供試体とスタッドタイプ供試体のいずれも 部分的にスタッドに変状が生じたものと考えられる 本研究においては 上記 (4) および (5) を確認するため SFRC 舗装を除去して状況調査を行った 調査結 果は分冊 2/2 で報告する

136 < 参考文献 > 第 1 章 1.1) ( 社 ) 土木学会 : 鋼構造シリーズ 4 鋼床版の疲労 ) ( 社 ) 日本道路協会 : 道路橋示方書 同解説 II 鋼橋編 ) ( 社 ) 日本道路協会 : 鋼道路橋の疲労設計指針 第 2 章 2.1) 例えば 有馬敬育 村越潤 : 鋼床版縦リブ溶接ルート部応力に着目したFEM 解析 土木学会第 59 回年次学術講演会概要集 pp ) 例えば 川畑篤敬 江崎正浩 加藤靖 杉村誠 鈴木大也 原直人 矢ヶ部彰 横山薫 : 鋼床版のデッキ貫通亀裂に関する一考察 土木学会第 4 回道路橋床版シンポジウム論文集 pp ) 例えば 森猛 鴫原志保 中村宏 : 溶接溶け込み深さを考慮した鋼床版デッキプレート トラフリブ溶接部の疲労試験 土木学会論文集 A Vol.62 No.3 pp ) 例えば 川畑篤敬 井口進 廣中修 鈴木統 齋藤史朗 : 鋼床版のデッキプレートと縦リブ溶接部を対象とした移動輪荷重試験 土木学会第 5 回道路橋床版シンポジウム論文集 pp ) 寺田博昌 : 鋼繊維補強コンクリートを用いた合成鋼床版の開発研究 名古屋大学博士論文 ) 前野裕文 鈴木教義 梅原秀哲 吉田弥智 : 鋼繊維補強コンクリートを用いた鋼床版の舗装 コンクリート工学 Vol.24 No.5 pp ) 名古屋高速道路公社 : 舗装設計基準 ) 加形護 児玉孝善 中丸貢 西川隆晴 石田稔 栗原和彦 :SFRC 舗装による鋼床版の疲労損傷対策 - 一般国道 357 号横浜ベイブリッジ舗装工事 - 橋梁と基礎 pp ) 菊池孝雄 児玉孝喜 後藤和満 : 湘南大橋における鋼床版の疲労対策 土木学会第 10 回鋼構造と橋に関するシンポジウム論文報告書 pp ) ( 株 ) 横河橋梁製作所 :( 研究所報告 81-29) 浦安橋 ( 応急橋 ) のSFRC 覆工板調査報告書 ) ( 株 ) 横河橋梁製作所 :( 研究所報告 81-18) 富山県中橋可動橋舗装検討書 ) 寺田博昌 松本好生 有原隆雄 :SFRC 合成鋼床版の実験 - 実大試験橋載荷試験報告 - 横河橋梁技報 No.11 pp ) 松本好生 寺田博昌 : 合成鋼床版のずれ止めの実験 - 機械的接合および接着接合について - 横河橋梁技報 No.14 pp ) 横河橋梁製作所 住友金属工業株式会社 :SFRC 合成鋼床版設計施工要領 ( 案 ) ) 名古屋高速道路公社 日本鋪道 : 市道高速分岐 3 号大井工区舗装工事繊維補強コンクリート舗装工事報告 ) 名古屋高速道路公社 住友重機械工業 :SFRC 舗装を有する鋼床版桁の力学的挙動に関する実験的研究

137 2.17) 佐藤章次 前野裕文 北原俊男 中村幸 寺田博昌 : 鋼繊維補強コンクリート舗装を施した鋼床版の合成効果 橋梁と基礎 86-2 pp ) 石黒修一 佐藤和彦 : 鋼床版上におけるSFRC 舗装の施工事例 第 28 回日本道路会議論文集 ) ( 社 ) 日本鋼構造協会 : 鋼床版の凍結抑制に関する調査研究 JSSC テクニカルレポート No ) 川岡靖司 堀田徹 荒木伸夫 國分尚司 中松裕 堂本康彦 綱本将 原田康弘 : 月浦インターチェンジCランプ橋 ( 鋼床版箱桁 ) の施工 日本橋梁技報 2003 pp ) 米倉徹 柳瀬保 丸山悟 : 鋼床版トラフリブ疲労き裂補修前後の応力測定 阪神高速道路技報第 13 号 ) 西川和廣 :SFRCによる鋼床版舗装- 鋼とコンクリートの新しい関係 - 橋梁と基礎 pp ) 山田健太郎 : 重交通下における鋼床版の疲労損傷 - 名古屋周辺での事例 - 土木学会第 10 回鋼構造と橋に関するシンポジウム論文報告書 pp ) 平林泰明 牛越裕幸 木ノ本剛 : 首都高速道路における鋼床版疲労損傷 土木学会第 10 回鋼構造と橋に関するシンポジウム論文報告書 pp ) 藤林美早 田畑晶子 西岡勉 木代穣 : 鋼床版デッキ貫通き裂損傷に関する報告 土木学会第 61 回年次学術講演会概要集 pp ) 三木千壽 鈴木啓悟 加納隆史 佐々木栄一 石田稔 高森博之 : 鋼床版の疲労へのSFRC 舗装による. 予防補強とその健全性モニタリング 土木学会論文集 Vol. 62 No. 4 pp ) 毎熊宏則 小林朗 三浦真司 古中仁 児玉孝喜 :FRP グリッド材で補強した鋼床版上 SFRC 版の曲げ補強効果に関する一検討 土木学会第 60 回年次学術講演会概要集 pp ) 加形護 児玉孝喜 近藤充志 岩下幸生 千葉浩幸 : 鋼床版上 SFRC 舗装の疲労に関する一検討 土木学会第 60 回年次学術講演会概要集 pp ) 後藤和満 古中仁 近藤充志 児玉孝喜 毎熊宏則 : 鋼床版上 SFRC 舗装による補強効果確認計測 土木学会第 60 回年次学術講演会概要集 pp ) 横河橋梁製作所 :( 研究所報告 86-06) 京浜運河可動橋試運転時応力 たわみ計測結果 -SFRC 舗装 ) 小野秀一 :Retrofit for Orthotropic Steel Bridge Decks 東京工業大学博士論文 ) 下里哲弘 神木剛 稲葉尚文 富田芳男 小野秀一 鈴木健之 : 鋼繊維補強コンクリート敷設により補強された鋼床版の輪荷重疲労試験 土木学会第 61 回年次学術講演会概要集 pp ) 並川賢治 蔵治賢太郎 高瀬龍二 川崎昭一 : 首都高速中央環状線の舗装 舗装 43-1 pp ) 服部雅史 的場栄孝 松井繁之 古市亨 伊藤正一 : 既設鋼床版の合成鋼床版化による疲労耐久性向上に関する研究 土木学会第 5 回道路橋床版シンポジウム論文集 pp ) 名古屋高速道路公社 : 市道高速分岐 2 号明道工区舗装工事早強 SFコンクリート (SFRC) 舗装の工事

138 2.36) 高木寛 浅井隆徳 浜口匡 鋼床版上の薄層鋼繊維補強コンクリート舗装の施工 -スリップフォームペーパによる急勾配 急カーブ区間での施工 - 第 22 回日本道路会議論文集 pp ) 名古屋高速道路公社 : 市道高速分岐 2 号丸の内オンランプ工区舗装工事工事報告書 ) 名古屋高速道路公社 : 県道高速名古屋小牧線豊山 ( その1) 工区舗装工事工事報告書 ) 児玉孝喜 緑川和由 玉越隆史 村越潤 山本洋司 一瀬八洋 大田孝二 : 大平高架橋の鋼床版におけるSFRC 舗装によるひずみ低減効果 土木学会第 6 回道路橋床版シンポジウム論文集 pp 第 3 章 3.1) ( 社 ) 日本道路協会 : 鋼道路橋の疲労設計指針 ) ( 社 ) 日本道路協会 : 道路橋示方書 同解説 Ⅱ 鋼橋編 ) 森猛 鴫原志保 中村宏 : 溶接溶け込み深さを考慮した鋼床版デッキプレート トラフリブ溶接部の疲労試験 土木学会論文集 A Vol.62 No.3 pp ) 有馬敬育 村越潤 : 鋼床版縦リブ溶接ルート部応力に着目したFEM 解析 第 59 回土木学会年次学術講演会講演集 pp ) 川畑篤敬 鈴木大也 杉村誠 矢ヶ部彰 江崎正浩 横山薫 : 鋼床版疲労損傷へのデッキプレート厚 Uリブ厚 溶接溶け込み量の影響 pp.255-pp ) 勝俣盛 小笠原照夫 町田文孝 川瀬篤志 溝江慶久 : 合理化鋼床版のUリブ 横桁交差部の局部応力について 構造工学論文集 Vol.45A pp ) 神木剛 下里哲弘 増井隆 町田文孝 澁谷敦 弓削太郎 : 鋼床版の疲労き裂発生パターンに関する分析 第 59 回土木学会年次学術講演会講演集 pp ) 鈴木巌 加賀山泰一 岩崎雅紀 : 鋼床版における疲労損傷の防止検討 第 18 回日本道路会議論文集 ) 程小華 西川和廣 村越潤 福地友博 大橋治一 : 鋼床版デッキプレートと主桁垂直補剛材の溶接部の疲労に関する検討 土木学会第 52 回年次学術講演会講演集 pp ) 名古屋高速道路公社 : 舗装設計基準 ) 細谷悦雄 川端道雄 : 鋼床版のSFRC 舗装 舗装 39-9 pp ) 加形護 中丸貢 石田稔 児玉孝喜 西川隆晴 栗原和彦 :SFRC 舗装による鋼床版の疲労対策 - 一般国道 357 号横浜ベイブリッジ舗装工事 - 橋梁と基礎 pp 第 4 章 4.1) ( 社 ) 日本道路協会 : 道路橋示方書 同解説 I 共通編 ) ( 社 ) 日本道路協会 : 道路橋示方書 同解説 Ⅱ 鋼橋編 ) 宇井崇 梁取直樹 村越潤 石井博典 西野崇史 春日井俊博 石垣勉 : 鋼床版 SFRC 舗装の負曲げモーメント発生部を対象とした実験 ( その1) 土木学会第 62 回年次学術講演会講演集 pp

139 4.4) 石井博典 西野崇史 春日井俊博 宇井崇 梁取直樹 石垣勉 : 鋼床版 SFRC 舗装の負曲げモーメント発生部を対象とした実験 ( その2) 土木学会第 62 回年次学術講演会講演集 pp ) 藤原稔 岩崎泰彦 田中良樹 : 限界状態設計法における設計活荷重に関する検討 土木研究所資料第 2539 号 橋梁研究室 第 5 章 5.1) 永田淳 大間知良晃 高田和彦 清田錬次 : 移動輪荷重試験機によるパワースラブの疲労性能確認試験 横河ブリッジグループ技報 No.27 pp.103~ ) 福井県雪対策 建設技術研究所ほか :NED 技術融合による地中熱融合システムのコスト縮減と省エネ化の研究開発 報告書 ) 服部雅史 的場栄孝 松井繁之 古市亨 伊東正一 : 既設鋼床版の合成床版化による疲労耐久性向上に関する研究 土木学会第 5 回道路橋床版シンポジウム講演論文集 pp.259~ ) 例えば 春日井俊博 水越秀和 村上修司 井上武 : 連続合成桁支点上の合成床版疲労試験 土木学会第 59 回年次学術講演会講演集 ) 藤原稔 岩崎泰彦 田中良樹 : 限界状態設計法における設計活荷重に関する検討 土木研究所資料第 2539 号 橋梁研究室 ) 藤原稔 岩崎泰彦 田中良樹 : 限界状態設計法における設計活荷重に関する検討 Ⅱ 土木研究所資料第 2700 号 橋梁研究室 ) ( 社 ) 土木学会鋼構造委員会鋼橋床版の調査研究小委員会 : 道路橋床版の新技術と性能照査型設計

140 付属資料 1. 試験体製作図面 2. 計測位置図

141 図 - 付 -1.1 供試体製作図 (Type-1 供試体,Type-2 供試体 )

142 図 - 付 -1.2 供試体の製作図 (Type-3 供試体 )

143 図 - 付 -1.3 供試体製作図 ( 構造詳細 各供試体共通 )

144 図 付 2.1 計測センサー類の取付け位置 Type-1 Type-2 供試体 その1-136 -

145 図 - 付 -2.2 計測センサー類の取付け位置 ~Type-1 Type-2 供試体 ( その 2)

146 図 - 付 -2.3 計測センサー類の取付け位置 ~Type-1 Type-2 供試体 ( その 3)

147 図 - 付 -2.4 計測センサー類の取付け位置 ~Type-1 Type-2 供試体 ( その 4)

148 図 - 付 -2.5 計測センサー類の取付け位置 ~Type-1 Type-2 供試体 ( その 5)

149 図 - 付 -2.6 計測センサー類の取付け位置 ~Type-3 供試体 ( その 1)

150 図 - 付 -2.7 計測センサー類の取付け位置 ~Type-3 供試体 ( その 2)

151 図 - 付 -2.8 計測センサー類の取付け位置 ~Type-3 供試体 ( その 3)

152 図 - 付 -2.9 計測センサー類の取付け位置 ~Type-3 供試体 ( その 4)

153 図 - 付 計測センサー類の取付け位置 ~Type-3 供試体 ( その 5)

154 図 - 付 計測センサー類の取付け位置 ~Type-3 供試体 ( その 6)

155 図 - 付 計測センサー類の取付け位置 ~Type-3 供試体 ( その 7)

156 図 - 付 計測センサー類の取付け位置 ~Type-3 供試体 ( その 8)

157 図 - 付 計測センサー類の取付け位置 ~Type-3 供試体 ( その 9)

158 図 - 付 計測センサー類の取付け位置 ~Type-3 供試体 ( その 10)

159 図 - 付 計測センサー類の取付け位置 ~Type-3 供試体 ( その 11)

160 図 - 付 計測センサー類の取付け位置 ~Type-3 供試体 ( その 12)

161 図 - 付 計測センサー類の取付け位置 ~Type-3 供試体 ( その 13)

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