Info:Telnet Telnet=Telecommunication network の略 Telnet の機能 Telnet は遠隔地にあるホストの遠隔操作機能を提供 Telnet はほとんどすべての OS で利用可能で 異種混合のネットワーク環境での統合を容易にします 下位プロトコルとして

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1 Telnet 発表者 : 花里将史 1

2 Info:Telnet Telnet=Telecommunication network の略 Telnet の機能 Telnet は遠隔地にあるホストの遠隔操作機能を提供 Telnet はほとんどすべての OS で利用可能で 異種混合のネットワーク環境での統合を容易にします 下位プロトコルとして TCP を利用 ポート番号は 23 - 適宜設定も可能 - 例 : ポート番号 80 番に telnet で接続して HTTP コマンドの送信 問題点 -Telnet の仕様上 認証も含めたメッセージはすべて平文で送信 - 代替プロトコル :SSH(Secure Shell) -- 認証を含めたすべてのメッセージは暗号化される Application -PuTTY Simon Tatham による Telnet クライアント -- その他に SSH,rlogin,raw TCP に対応している 2

3 TELNET に関係する RFC の一部 TELNET に関するプロトコル例 #RFC 15 - Network Subsystem for Time Sharing Hosts # RFC 736 TELNET SUPDUP Option # RFC TELNET PROTOCOL SPECIFICATIONS # RFC TELNET PROTOCOL Specification # RFC TELNET OPTION SPECIFICATIONS # RFC TELNET TERMINAL TYPE OPTION # RFC Telnet Interface # RFC Telnet Remote Flow Control Option # RFC Telnet Environment Option # RFC Telnet Authentication:SPX # RFC Telnet Authentication Option TELNET プロトコルすべてを理解 / 解説するのは困難 3

4 Telnet(1): 1 文字単位の伝送 リモートホスト ローカルホスト 入力 :cd 改行 データは一文字づつ伝送 内部処理 L2 ヘッダ IP ヘッダ TCP ヘッダ c L2 ヘッダ IP ヘッダ TCP ヘッダ d 出力 : 演算結果 L2 ヘッダ IP ヘッダ TCP ヘッダ Telnet はヘッダを持たない 通知 : 演算結果 4

5 疑問 (1) : 文字コードの不一致性 リモートホスト L2 ヘッダ IP ヘッダ TCP ヘッダ ローカルホスト JIS 2) 扱う文字コードが異なるので 'c' として認識されない ASCII 1)'c' を入力 リモートホストへ伝送 c すでに流布している OS/ ハードが扱う文字コードを単一のものに強制させる方法は非現実的 Telnet では ネットワーク仮想端末 (VNT) を用いて文字コードの不一致性を回避している 5

6 解決策 (1): ネットワーク仮想端末 :NVT NVT のキーコード : ASCII を用いた通信 異なるホスト間の仕様の違いを吸収 ASCII ASCII NVT Telnet クライアントフ ロク ラム OS/ ハード 文字コード変換機能 NVT Telnet サーハ ーフ ロク ラム OS/ ハード 異なる文字コードで良い Telnet クライアント側 Telnet サーハ ー側 6

7 Telnet(2): 制御 リモートホスト ローカルホスト c(ascii:0x63) b(ascii:0x62) バッファ Case: 'd' と入力するべきところを誤って 'b' と入力 要求 : BS キーを押して入力を取り消したい リモートホストにバッファに格納された最後の文字を消去するよう命令を送る必要がある 上のケースでは ASCII コードで BS に対応する 0x08 を送れば良い 上記のように リモートホストに特別な動作をさせる文字を制御文字と呼ぶ 7

8 制御文字 制御文字とは? 文字コードの規格で定義される文字のうちディスプレイ プリンタ 通信装置などに対して 特別な動作をさせる文字 具体的な制御例 BELL ベル音を鳴らす BS バックスペース LF(Line Feed) 改行 Telnet NVT における制御文字 Telnet では 8 つの制御文字が利用できる ( 詳細はテキスト p350) 例えばリモートホストに改行を伝える場合は 改行に対応する制御文字 " " を送れば良い この 8 つの制御文字は ASCII の制御文字と対応している Telnet はこの 8 つの制御の他にも制御機能をもつ 8

9 Telnet の制御文字 文字 10 進数 16 表記 意味 NUL 0 0x00 Null 文字 BEL 7 0x07 ビープ音を鳴らす BS8 8 0x08 バックスペース HT 9 0x09 水平タブ LF 10 0x0A 改行 VT 11 0x0B 垂直タブ FF 12 0x0C フォームフィート ( 改ヘ ーシ ) CR 13 0x0D 復帰 ( カーソルを先頭に ) 9

10 ここまでの要点 (1) リモートホストの遠隔操作を実現する Telnet RFC の数は膨大で 機能は年々拡張される Telnet は TCP を用いて 1 文字単位で情報を伝送 他のプロトコルと異なりヘッダをもたない OS/ ハード / 文字コードの違いを吸収する NVT NVT 間通信では ASCII コードを用いた通信 リモートホストに特別な動作をさせる 制御文字 NVT 制御文字は ASCII の制御文字の一部 制御文字とは別に Telnet 固有の制御機能がある ( 次頁 ) 10

11 Telnet の制御機能 1) 制御文字とは別に Telnet が持つ制御機能 AO(Abort Output) 出力中止 AYT(are you there?) サーバー or プロセスの起動状況確認 IP(Interrupt Process) 操作の割り込み 中止 EL(Erase Line) 最後に入力された行をすべて消去 EC(Erase Character) 最後に入力された文字を削除 QUIT Telnet セッションの終了 SYNCH クライアントから送信されたデータの緊急破棄 2)Telnet の制御機能は RFC 854 に規定されている 3) 制御機能の利用に関して... サーバー側に制御機能を利用することを明示する必要がある ex) 単に "AO" と入力しても... NVT は "AO" なる文字列が入力されたとしか認識しない 11

12 Telnet の制御機能 (2) 3) 制御機能の利用に関して... サーバー側に制御機能を利用することを明示する必要がある ex) 単に "AO" と入力しても... NVT は "AO" なる文字列が入力されたとしか認識しない 4) そこで AO の前に これは ASCII コードではありません と通知するためのエスケープシーケンスを付加する必要がある ex)html では "&" c 言語では "\" がエスケープシーケンス 5)Telnet では制御機能を実現するためにエスケープシーケンス "0xFF" を用いる 例 : プロセスの中止制御信号を伝送する L2 ヘッダ IP ヘッダ TCP ヘッダ 0xFF IP 12

13 Telnet 制御コマンド一覧 前頁までは制御機能を文字で表現したが 実は一つの制御機能を実現する文字コードが割り当てられている 機能コート 意味 DM:Data Mark 0xF2 データ消去 IP:Interrut Process 0xF4 プロセス中断 AO:Abort Output 0xF5 出力中止 AYT:Are You There 0xF6 相手の生存確認 EC:Erase Character 0xF7 文字消去 EL:Etase Line 0xF8 行消去 IAC:Interpret as command 0xFF telnet エスケープシーケンス WILL 0xFB オプション希望 WON'T 0xFC オプション拒絶 DO 0xFD オプション実行要求 DON'T 0xFE オプション使用中止 13

14 ここまでの要点 (2) Telnet では ASCII コードの制御文字 " に規定される制御機能以外の制御機能を利用できる Telnet 制御機能は RFC 854 に規定される Telnet 制御機能を利用するにはエスケープシーケンスを利用 制御機能を意味するコードが割り当てられているので これとエスケープシーケンス 0xFF を組み合わせることで制御機能を実現できる 例 : 0xFF IP(0xF4) 端末のモードを切り替える制御機能 WILL,WON'T,DO,DON'T については後述 14

15 Telnet オプション Telnet ではオプション機能を用いて仮想端末の設定を変更できる 使用可能なオプションは複数の RFC で規定される 以下 主要なオプション 機能コート 意味 TB:Transmit Binary 0x00 すべての文字列をバイナリとして解釈 Echo 0x01 データのエコー Telenet Status Option 0x05 リモートホストのオプションの状態を確認 Telnet Line Mode 0x22 行単位の転送を可能にする EC:Erase Character 0xF7 文字消去 15

16 Telnet オプション - オプションの設定過程 ローカルホストがオプションを利用する場合 ローカルホスト リモートホスト 1) 特定のオプションを使うことを意味する制御文字 0xFB"(WILL) を送信 2) オプションの許可 :DO ( オプションの拒絶 :DON'T) オフ ションコート 0x0D(DO) 0xFF( エスケーフ シーケンス ) 0xFF( エスケーフ シーケンス ) 0xFB(WILL) オフ ションコート 3)DO 信号を受け取ったホストはオプションを有効にする 16

17 Telnet オプション - オプションの設定過程 リモートホストにオプション使用を要求する場合 リモートホスト 2) 要求の認可 :WILL ( オプションの拒絶 :WON'T) オフ ションコート 0x0B(WILL) 0xFF( エスケーフ シーケンス ) ローカルホスト 1) 特定のオプションを使うことを要求する制御文字 0xFD"(DO) を送信 0xFF( エスケーフ シーケンス ) 0xFD(DO) オフ ションコート 3)WILL 信号を送ったホストはオプションを有効にする 17

18 WILL-WON'T-DO-DON'T まとめ オプション同期パターンは以下の 4 通り 送信側 受信側 1 相手に通信オプション使用を要求 DO 要求オプションを使用 WILL 要求オプションを拒絶 WON'T 2 自分にオプション使用を宣言 WILL 宣言オプションを許可 DO 宣言オプションを許可しない DON'T 3 相手にオフ ション使用を停止させる WON'T 自分のオプションを無効にする WON'T 4 自分のオプションの無効化を宣言 DON'T 相手の宣言を了承する DON'T 18

19 Rlogin Rlogin は UNIX でネットワーク経由で遠隔のサーバにログインする機能を提供するソフトウェア ユーティリティ TCP ポート番号 513 を利用する 4.2BSD で初めて実装される Rlogin は Unix 以外の端末にログインできない Telnet 同様に 認証を含めたすべてのメッセージを平文で送信 セキュリティの観点から Rlogin 単一の通信は避けるべき Telnet 同様 SSH に取って代わられつつある Telnet との違い Telnet: リモートホストにユーザー名は通知されない Rlogin: リモートホストにユーザー名が通知される Telnet:NVT の導入により相互 OS/ ベンダー間の接続が可能 Rlogin:Unix 間の接続しかサポートされない 19

20 Rlogin における制御 Rlogin では TCP 緊急フラグを用いて制御命令を明示する Telnet ではエスケープシーケンスを利用していた TCP 緊急ポインタを用いて制御の具体的内容を示す 以下は緊急ポインタが指す値と 制御命令の対応 コード (10 進表記 ) 制御内容 2 クライアントのバッファにあるデータを削除させる 16 RAW モード切り替え ( ローカルホストはデータが関与しないモード ) 32 調理モード切り替え ( ローカルホストがデータを処理する ) 128 クライアントが利用しているウインドウサイズを送信させる 20

21 ここまでの要点 (3) WILL,WON'T,DO,DON'T を利用したオプションの認証について説明 主要なオプションを簡単に説明した 利用できるオプションの数は非常に多いので全ては説明していない Rlogin: 以下の点を簡潔に説明した Rlogin の要点 Telnet との違い Rlogin の制御方式 21