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1 温暖化により将来台風や豪雨がどうなる のかが分かる 世界でも類のない大規模データセット (d4pdf) 高薮出 ( 気象研究所 ) 国立オリンピック記念青少年総合センター 2016/09/30 V6 2016/09/28

2 東北の太平洋岸に上陸する台風はどの程度あるのか? ここで数えているのは 単に東北の太平洋岸から上陸した台風であり 決して東北地方に大雨災害をもたらした台風という数え方はしていない 降水量のチェックもなされていない d4pdf で見つかった 東北の太平洋岸に上陸する台風すべての経路 過去実験 60 年の 100 アンサンブルで 熱帯低気圧総数 :507,626 うち日本 ( 沖縄以外の ) に上陸 :8,380 ( 総数の 1.65% 1.4 回 / 年程度 ) その中で東北太平洋側からの上陸 : 102 ( 日本上陸台風の 1.22% 59 年に 1 回程度 ) 観測平年値で規格化した東北上陸頻度は 31 年に 1 回 このような統計量を取り出すことも d4pdf データからなら可能である

3 d4pdf のねらい 地球温暖化への適応策を考えるに当たって 気候変動の予測結果にどのくらいの不確実性があるのか評価すること また 温暖化に伴う自然災害がいかなる頻度で生じるのかを知ることが必要になります そのためには 従来より大幅に実験アンサンブル数を増やし サンプルの数を確保する必要がありました 今回 テーマ間連携により 世界で類例のない最大 100 アンサンブル実験を行い 自然災害を及ぼす豪雨 台風といった稀な気象現象の変化についての情報の提供に成功しました

4 気候会リスク評価に必要な気候ハザード評価 気候モデルで寄与できる部分はハザード評価 脆弱性 社ハザード気候ハザード( 災害外力 ) リスク評価 暴露 社会が求めているのはリスク評価 気候変動 2014 IPCC 第 5 次評価報告書政策決定者向け要約より IPCC 第二作業部会 影響 適応および脆弱性 第 5 次報告において中核となる概念図

5 細密度をある程度犠牲にしても例数をかせいだ実験 細密度の高い高解像度のモデルを用いて再現した気象学的特定事例 生活への影響などを見積もるのに必要な情報 2 防災 1 減災 どれだけ起こるの? 一番ひどい場合は? アンサンブル実験から確率的に示すことが必要になる 最悪の一例を見つけ出すことが必要になる 保険 防災対策が打てる ( 資産を救う ) ハザードマップ 避難策が打てる ( 人命を救う )

6 実験のデザイン

7 実験デザイン 全球平均地上気温偏差 RCP 年産業革命前の気温 60km AGCM 100 メンバー会議場 会議場 90 メンバー (6 T 15δT) NHRCM 20 km ( 日本周辺のみ ) 50 メンバー 1951 過去実験 メンバー 60 年間 +4 上昇 TCCIP workshop March 11, 2016

8 気候モデルを用いた地球温暖化予測における様々な不確実性要因 計算の流れ 単一の数値モデル RCP の 1 シナリオ 海面水温 1 排出シナリオ (RCP 等 ) 2 数値モデル 様々な不確実性要因 d4pdf 3 自然変動 単一の実験 アンサンブル計算 将来予測の振れ幅 ( 予測の不確実性 ) 自然変動を考慮しないと 発生頻度の低い異常天候や極端気象の変化の不確実性を十分に評価できていない

9 将来実験 : 産業革命前から 4 昇温した状態を延べ 5400 年間 観測不確実性を表す 15 摂動 (δt) 6 種の温暖化パターン (CMIP5) (ΔT) 温暖化トレンドを除いた過去 60 年の時間変動 ( 青線 ;COBE SST2)

10 日本を対象としたダウンスケーリング AGCM ( 水平解像度約 60km) NHRCM ( 水平格子間隔 20km) ( 画像 : 気象庁提供 )

11 パフォーマンス

12 アンサンブル実験の御利益 多アンサンブル実験 平均状態をより正確に推定する 平均からはみ出した事例のサンプルが十分に採取できる 極端な事例の統計がとれる

13 中国南部で平均した年最大降水量の頻度分布 実験メンバー数が増すに従い 頻度分布の凸凹が減っていく 変化の確からしさが増していく 塩竈作成

14 東京での 再起確率降水量の将来変動 青 : 現在の結果赤 : 4 上昇の将来の結果 確率降水量 (mm) 再起年 1 メンバー実験の結果 100 メンバー実験の結果 日比野作成

15 相対頻度(%東京の極端な降水の変化 東京での年最大日降水量 過去 +4 多数メンバーによって年最大日降水量の確率分布が得られる )日比野作成 年最大日降水量 (mm)

16 稀に起こる短期間の大雪については 既存の気候シミュレーションでは精度の良い予測は困難 1 日で降る大雪の例富山市で 54cm の降雪 (2012 年 2 月 17 日 ) (2012 年 2 月 19 日富山市内撮影 : 川瀬宏明 ) 気温上昇により減少するのか? 大気中の水蒸気量の増加とともに増加するのか? 川瀬他 2016

17 日本海側で雪が多い理由 冬型の気圧配置 筋状の雲 気団変質 雪雲発達 冷たい空気 空っ風 暖かい海 雪 雪 高い山 松江地方気象台より引用

18 総降雪量 (11 月 ~3 月 ) の将来変化 全国的に減少 増加 減少 10 年に一度の大雪 (24 時間降雪 ) 増加 減少 川瀬他 2016 中部地方の内陸部で増加

19 高頻度 中部日本内陸部における日降雪量の頻度分布 弱い降雪は減少 灰色 : 現在気候赤色 : 将来気候 頻度 ( 日 /5 か月 ) 現在気候 強い降雪が増加 将来気候 低頻度 川瀬他 2016 弱い降雪 降雪量 ( 水換算 ) [mm] 強い降雪

20 熱帯低気圧の全球年発生数の確率分布 発生確率 [%] 将来 観測 [1] N=84.3 (32 年 ) 過去実験 [100] N=84.6 (60 年 ) 過去実験 [1] N=84.9 (60 年 ) 将来実験 [90] N=54.7 (60 年 ) 将来実験 [1] N=55.7 (60 年 ) [ ] はメンバー数 過去 年々変動の標準偏差 HPB( ): (±0.90) HPB( ): 9.74 (±1.24) 観測 ( ): 8.91 HFB( ): 8.76 (±0.88) 熱帯低気圧の 1 年あたりの発生数 吉田提供

21 害評価に重要な台 の評価は難しい 本への年平均上陸数 2.7 個 ( 気象庁 ) 30 年の気候ランによる台 経路 d4pdf 現在再現計算 (6,000 年 ) 森提供

22 適応事例

23 背景 : 災害防御施設の考え d4pdf 河川 海岸堤防の さの決め 1. 重要度の決定 1. 最 で何年に 1 回 ( 再現期間 ) という規模の災害を防御するのかを決める 2. 最 外 ( 位 ) の推定 1. 期間の 量 ( 潮 波浪 ) 観測データから X 年に 1 回の確率規模の 量 ( 位 ) を求める. 河川の場合 : 降 の時空間分布を与え, 計画 位を求める. 3. 外 に対応した防災施設の外 条件の決定 外 ( 位 ) とその再現期間 ( 確率値 ) の推定が重要 Disaster Prevention Research Institute, Kyoto University

24 顕著な 災害の発 頻度は極端に低く観測データも圧倒的に不 している 気象庁報告書 : 比屋定ら (2011) 伊勢湾台風 3.5 m 過去の顕著な高潮偏差の再現年数の評価ができなかった Disaster Prevention Research Institute, Kyoto University

25 再現年数 : 潮偏差 ( 阪 ) 最大クラス 第 2 室戸台風 2.4m d4pdf 潮偏差 阪湾の奥で評価 現在気候将来気候 作成 : 志村 再現年数 Disaster Prevention Research Institute, Kyoto University

26 将来変化割合 :50 年確率 潮 / 速 d4pdf 高潮 風速 作成 : 志村 Disaster Prevention Research Institute, Kyoto University

27 気候変動影響評価が可能な豪雨は? 集中豪雨 気象庁 HP 間スケール時間スケール 範囲 :100km 継続時間 :6 時間から半日程度 中 小河川での洪水 内水氾濫 土砂災害 2010/10/20 in 奄美 5km 格子モデル (NHRCM05) 南日本新聞 OFFICIAL SITE 台風範囲 :1000km 継続時間 :1 日から数日 大河川での洪水 大規模水害 土砂災害 2009/08/08 in 台湾 20/60km 格子モデル (AGCM20/60) ゲリラ豪雨 ( 局地的豪雨 ) 範囲 : 数 km 継続時間 :1 時間程度 台湾中央気象局 台湾国家災害防救科技中心 小河川や下水道内での鉄砲水 都市内水氾濫 2008/07/28 at 都賀川 2008/08/05 at 雑司ヶ谷 2km 格子モデル (NHRCM02) 都賀川モニタリング映像 共同通信 創生 D 提供資料に一部改変空

28 梅雨期集中豪雨発生の大気場の将来予測 台風よりも小さいシステムで起きる集中豪雨の将来変化は? この間をつなぐために天気図パターン (SLP, WVFL) を見る 集中豪雨そのものを見つけるには 5km 格子モデルが必要である 梅雨期集中豪雨をもたら天気図は 60km 格子モデルでも検出可能 計算コストがかかるため事例数を多くとることができない 創生 C 60km 格子モデルの結果なら d4pdf から十分な事例数が得られる d4pdf

29 気場と降 量 : 豪 が じる 気場の出現頻度 2013 年夏は この 気場の影響で 本海側で集中豪 が多発した 2013 年 7/1 8/25 で平均した 蒸気フラックスの平年差 RCM5km のアップスケーリング結果の地上気圧 蒸気流のパターン図 類似

30 気場と降 量 : 豪 が じる 気場の出現頻度 過去気候 60 年 ( ) 100 摂動 (6000 アンサンブル ) と将来気候 60 年 ( ) 15 摂動 6 温暖化トレンド (5400 アンサンブル ) の SLP,WVFL の 6 8 平均値を マップ中の最も類似したユニットにプロットした 各ユニットにプロットされたアンサンブル数の過去気候と将来気候の差. 暖 のユニットは過去気候と 較して将来気候でプロットされる数が増加 [ 個 ] ユニット (1,1) (1,10) にプロットされたアンサンブル数. 棒が過去気候の数 棒が将来気候の数を表す HPB678 HFB678 草野 中北 峠 (2015) あるユニットにプロットされる数が将来気候で増加する そのユニットが す特徴の 気場の出現頻度が増加する 1000 ユニット (10,1) (10,10) にプロットされたアンサンブル数. 800 HPB HFB 中北 草野 峠 Kim 2016 京 防災研究所年報 59B ( 印刷中 )

31 まとめ

32 まとめ 気候ハザードをリスク評価に活用する方法は 1 減災の観点 細密モデルによる現象再現 2 防災の観点 適切な解像度によるアンサンブル実験がある アンサンブル実験の御利益は 1 平均状態のより正確な推定 2 極端事象の確率評価にある 大規模アンサンブル実験としてd4PDFを実施した

33 謝辞 d4pdf の計算は 海洋研究開発機構 地球シミュレータ特別推進課題において 地球シミュレータを用いて実施しています また地球環境情報統融合プログラムの協力を得て データ統合 解析システム DIAS 上でデータを公開しています 関係諸機関に感謝いたします

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