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ゆみかうみのなか
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1 声楽グループカンテリーノ第 12 回設立 10 周年記念演奏会モーツァルト作曲全 4 幕日本語上演フィガロの結婚主催 : 声楽グループカンテリーノ後援 : 兵庫県兵庫県教育委員会 ( 財 ) 兵庫県芸術文化協会ニューオペラシアター神戸

2 声楽グループカンテリーノ第 12 回設立 10 周年記念演奏会 W.A モーツァルト作曲歌劇フィガロの結婚全 4 幕日本語上演 W.A.Mozart : Le nozze di Figaro 2006 年 9 月 17 日 ( 日 )15:00 ピッコロシアター大ホール Staff 指揮富岡健演照出八百川敏幸明津守芳輝音楽指導八百川敏幸稽古ピアノ岡元優子外山彩豊永佳子満多野志野舞台助手木村洋子小林朋子米田絢子大道具声楽グループカンテリーノ衣装協力ニューオペラシアター神戸美術協力近藤京子印刷物門上大一朗制作近藤修平主催声楽グループカンテリーノ後援兵庫県兵庫県教育委員会 ( 財 ) 兵庫県芸術文化協会ニューオペラシアター神戸協力ニューオペラシアター神戸 Cast アルマヴィーヴァ伯爵近藤修平伯爵夫人西尾正子フィガロ三舩司郎スザンナ門上恵利ケルビーノ小島百合子 ( 客演 ) マルチェリーナ三輪裕美子ドンバルトロ門上大一朗ドンバジリオ津守芳輝ドンクルツィオ堀端洋一 ( 客演 ) バルバリーナ長崎政枝 ( 客演 ) アントニオ長野博志 ( 客演 ) 花娘 A 大石真 ( 客演 ) 花娘 B 芦田麻里 ( 客演 ) Chorus カンテリーノ 10 周年記念合唱団 Soprano 佐藤ひでこ白井明美船津さおり西田じゅん子 Alto 大塚美保子塚本裕子橋本貴子深澤恵 Tenor 天野充之輔小島基阪西敏鈴木秀雄宮腰研司 Bass 平井秀明松王希祐 Piano 岡元優子開演 15:00 終演予定 18:40 演奏時間 Ⅰ Ⅱ 幕 105 分休憩 20 分 Ⅲ Ⅳ 幕 95 分 Strings MU 楽団 Violin I 山本綾 Violin II 中野千瑛 Viola 岡本名那子 Cello 片山英摩 Contrabass 瀬泰幸

ごあいさつ声楽グループカンテリーノ代表近藤修平本日は声楽グループカンテリーノ設立 10 周年記念演奏会にご来場いただきありがとうございます声楽グループカンテリーノは 1996 年神戸オペラ協会 ( 現 : ニューオペラシアター神戸 ) の公演に合唱メンバーとして出演した男声メンバー有志が発起人となり一度ソリスト気分で歌える機会を持ちたいということから

無事にフィガロとスザンナは結婚伯爵夫人も伯爵の愛を取り戻すことができますよう是非温かい拍手で応援していただければと思います最後になりましたが本公演に助成ご支援頂いた皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます声楽グループカンテリーノはこれからもわかりやすく楽しいコンサートを低額の入場料で開催できるよう頑張っていきたいと考えていますので引き続きご支援の程よろしくお願いします

3 ごあいさつ声楽グループカンテリーノ代表近藤修平本日は声楽グループカンテリーノ設立 10 周年記念演奏会にご来場いただきありがとうございます声楽グループカンテリーノは 1996 年神戸オペラ協会 ( 現 : ニューオペラシアター神戸 ) の公演に合唱メンバーとして出演した男声メンバー有志が発起人となり一度ソリスト気分で歌える機会を持ちたいということからメンバーを募り結成されたアマチュアを中心とした声楽グループです第一回のコンサートはオペラアリアや歌曲を順番に歌う発表会形式で開催しましたが回を重ねるごとに挑戦意欲が増し今回はアマチュア団体としては冒険ですがモーツァルトの名作フィガロの結婚を上演する運びとなりました指揮を快く引き受けて頂いた富岡健先生演出の八百川敏幸先生のご指導のもと練習を重ねてまいりました無事にフィガロとスザンナは結婚伯爵夫人も伯爵の愛を取り戻すことができますよう是非温かい拍手で応援していただければと思います最後になりましたが本公演に助成ご支援頂いた皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます声楽グループカンテリーノはこれからもわかりやすく楽しいコンサートを低額の入場料で開催できるよう頑張っていきたいと考えていますので引き続きご支援の程よろしくお願いしますプロフィール指揮富岡健同志社大学法学部在学中から指揮法を故福永陽一郎若杉弘の各氏に師事卒業と同時に渡米しミシガン州立ウエーン大学音楽学部指揮科に学ぶ帰国後はNHK 大阪放送合唱団などのプロ合唱団の客演京都フラワーコーラスの全国大会第一位グランプリ受賞に導くなど希少なプロ合唱指揮者として活動を始めるその後活動の場をオペラに広げ関西二期会関西歌劇団の副指揮者合唱指揮者として研鑽を積んだのち各地のオペラ公演を次々と成功に導いている 01 年大阪室内歌劇場を発足安藤忠雄設計光の教会での設立公演アマールと夜の訪問者は朝日新聞が第一面においてカラー写真とともに全国に報じるなど各方面に鮮烈なインパクトを与えた大阪室内歌劇場シンフォニエッタアルスノヴァ音楽監督大阪芸術大学講師演出八百川敏幸大阪音楽大学音楽学部声楽科卒業同専攻科修了故広岡隆正阪上和夫川下登横田浩和の各氏に師事 '95~'96 年ウィーンに留学宮廷歌手 O. ミリャコヴィッチ女史のもとで研鑽を積むオペラではワーグナーの楽劇パルジファル ( 関西初演 ) のタイトルロールをはじめ後宮からの誘拐フィガロの結婚魔笛カルメントスカパリアッチばらの騎士他多くの舞台に出演また天国と地獄こうもりウィーン気質ヴェネツィアの一夜では主役を演じるなどオペレッタでの経験も多い毎年関西の各プロダクションや市民オペラに客演を重ねるほか近年はオペラだけでなくドイツリートを中心とした歌曲の分野にも積極的に取り組むなどテノール歌手として意欲的な演奏活動を行っている歌手としての演奏活動の傍らヘンゼルとグレーテルアマールと夜の訪問者等のオペラの指揮をはじめ多くの合唱団の指導指揮を行い神戸大阪では初心者のためのオペラ教室を主宰またザシンフォニーホール兵庫県立芸術文化センター等におけるガラコンサートでは企画舞台構成を手掛けるなど幅広い活動を展開している平成 13 年度大阪府舞台芸術奨励新人賞受賞現在女声合唱団カンティアーモ指揮者アンサンブルベルテンポ主宰加古川音楽家協会会員日本演奏連盟会員関西二期会会員ホームページ :

4 プログラムノート八百川敏幸作品の成立背景 W.A モーツァルト (1756~1791) の数多くの作品の中でも特に有名なこのオペラは当時のすぐれた台本作家ロレンツォダポンテ (1749~1838) とのコンビによるものでドンジョヴァンニコシファントゥッテと続くいわゆるダポンテ3 部作の第 1 作目にあたる原作はフランスの劇作家ボーマルシェによる喜劇ばかげた一日あるいはフィガロの結婚でこれは全 3 部作からなる劇の第 2 部にあたる第 1 部はセヴィリアの理髪師で多くの作曲家がオペラ化したがパイジェルロ (1760~1816) とロッシーニ (1792~1868) の作品が特によく知られているボーマルシェのフィガロの結婚をオペラ化しようという着想はモーツァルト自身によるもので当然パイジェルロによるセヴィリアの成功は知っていたであろうしその続編の内容が大いに創作意欲を刺激したことは間違いないただイタリアオペラでの成功を急いでいた当時の彼にとって原作自体が世間から注目を浴びるものでなくてはならなかったのも確かであるその点で 1784 年にパリで初演されヨーロッパ全土に評判が広まっていたフィガロの結婚を取り上げるのはまさにうってつけのタイミングであり 1785 年にウィーンでこの劇の上演が禁止されるというセンセーショナルな事件もモーツァルトダポンテの2 人にとっては格好の宣伝材料であったダポンテはイタリア語への台本化にあたり原作のもつ社会風刺的側面はっきり言えば封建制度への批判を慎重に取り除きモーツァルトはダポンテによれば約 6 週間でほぼ全曲を書き上げたというさらにダポンテは皇帝ヨーゼフ2 世に直訴しモーツァルトによる御前演奏を実現させて皇帝自身から上演の許可を得ることに成功するこうした直接交渉は一部の宮廷及び劇場の関係者に反感を抱かせてしまいさまざまな妨害を受けることになったが 1786 年 5 月 1 日ウィーンのブルグ劇場で作曲者自身の指揮によってオペラは初演された初演は聴衆が多くの曲のアンコールを要求するなど成功を収めたものの結局 9 回の上演を重ねたところで打ち切りとなるこの作品がより脚光を浴びたのはウィーン初演から半年後のプラハでの上演においてでありこの地での熱狂的な成功がモーツァルトにヨーロッパ全土での名声をもたらすきっかけとなった内容についてフィガロの結婚はオペラブッファ( 喜劇 ) の慣習に従い1 日つまり 24 時間の中でドラマは進行する物語の詳細についてはあらすじを参考にして頂きたいが内容は大幅なカットはあるもののボーマルシェの原作にほぼ沿うかたちで書かれている前述のようにダポンテは上演許可を得るため封建制度への批判貴族や領主への攻撃ととられる箇所を注意深く削除したが 1 幕のフィガロのカヴァティーナや3 幕の伯爵のアリアのテキストをみればボーマルシェの革命精神を完全に放棄したわけではないことが分かるウィーンに来る以前ザルツブルグの大司教のもとで屈辱的な経験をしたモーツァルトとて同様であったろうしかし2 人はこの作品においてはそうした政治思想的要素よりも人間の感情を描くことにより重点を置いているとりわけモーツァルト独自の手法とも相まってフィガロを始めとする登場人物たちに生き生きとした魅力を与え現代においてもそれはいまだに色あせることがないフィガロが第 1 幕幕切れに歌うもう飛ぶまいぞこの蝶々やケルビーノが第 2 幕で歌う恋の悩みを知る君よはフィガロの結婚を知らない人でも一度はメロディーを聴いたことがあるほど有名であるがこのほかにも作品中には聴きどころが多いそれぞれのアリアももちろん魅力的だがやはりアンサンブルの美しさが際立っている伯爵とスザンナが逢引の約束をする場面で歌われる2 重唱スザンナと夫人による手紙の2 重唱あるいは音楽的構成が素晴らしく見事な第 2 幕フィナーレなど挙げればきりがないがなかでも作曲家自身もこの場面が一番気にいっていたという第 3 幕の6 重唱はこのオペラの白眉といえるだろうフィガロの両親が判明するという場面はこっけいではあるが 4 幕のクライマックスでの和解の瞬間に匹敵するほどまた感動的でもある登場人物アルマヴィーヴァ伯爵バリトン若き貴族領主ドンバルトロバス侍医伯爵夫人ソプラノ名はロジーナドンバジリオテノール音楽教師フィガロバリトン伯爵の従僕ドンクルツィオテノール裁判官スザンナソプラノ伯爵夫人の小間使いアントニオバス庭師スザンナの叔父ケルビーノメゾソプラノ伯爵の小姓バルバリーナソプラノアントニオの娘マルチェリーナメゾソプラノ女中頭

5 あらすじ第 1 幕アルマヴィーヴァ伯爵邸内の部屋幕が上がると伯爵の従僕フィガロが部屋の寸法を計っているそばで伯爵夫人の小間使いスザンナが花嫁の花飾りを試している今日はいよいよ二人の婚礼の日フィガロは伯爵から婚礼祝いとして二人のための部屋をもらって有頂天だが実はスザンナに気のある伯爵がフィガロの留守の間に彼女との火遊びをもくろんで場所的に好都合なこの部屋を与えたのである伯爵の意図を明かしてスザンナが去った後憤慨するフィガロは伯爵が一度は廃止した初夜権を復活させようという企みを自らの策略によって必ず阻止してやると決意するフィガロと入れ替わりに女中頭マルチェリーナとバルトロが入ってくるがこの2 人はフィガロたちの結婚を邪魔しようと企んでいる年下の若いフィガロに思いを寄せるマルチェリーナは以前借金が返せなければ自分と結婚するという契約をフィガロと交わしていた一方バルトロの方も自分が後見しながらいずれ妻にと考えていたロジーナがフィガロの策略によって伯爵と結婚してしまったという苦い経験がありなんとか積年の恨みを晴らそうと考えているバルトロと入れ替わりにスザンナが戻って来る若く美しい恋敵を見たマルチェリーナは慇懃無礼に相手をあてこするがスザンナも負けてはいない結局年増! という言葉にマルチェリーナが憤然と部屋を出て行く 1 人になったスザンナのところへ伯爵の小姓ケルビーノがやってくる若きドンファンともいうべき彼は昨日バルバリーナと一緒のところを伯爵に見つかり暇を出されてしまう今日スザンナのもとへ来たのも伯爵夫人にそのとりなしを頼むためだったがそこへ突然伯爵が登場! 慌てたケルビーノは椅子の陰に隠れるそうとは気づかず伯爵はスザンナを口説きだすが間の悪いことに今度はバジリオの声が聞こえてきた今度は伯爵が大慌てスザンナが止めるのも聞かず椅子の後ろに隠れてしまう部屋に入ってきたバジリオがケルビーノが夫人に夢中でそのことは屋敷中のみんなが知っていると口をすべらしてしまい激怒して思わず飛び出す伯爵すると続いてケルビーノも見つかり今度はスザンナが疑われるそれをみたバジリオはバルバリーナにしろスザンナにしろ女性とはみんなこうしたものさ! としたり顔でほくそ笑むそこへフィガロが村人たちを連れてやってきて婚礼の許しを乞うこれに対し伯爵は出来るだけ盛大に式を執り行うためと婚礼を引き伸ばすが実はマルチェリーナの企てに時間を与えるためである村人たちが去ったあと伯爵はケルビーノに暇を出すのを取り消すがそのかわり連隊仕官に任命しすぐさまセヴィリアに立つように言い渡すがっくりと肩を落とすケルビーノにフィガロはあとで話があると彼にそっと耳打ちしたあと軍隊に入るケルビーノを皮肉たっぷりに励ます第 2 幕邸内の伯爵夫人の部屋自分の部屋で伯爵夫人が夫の愛が冷めてしまったことを嘆いているそこへスザンナとフィガロがやって来て伯爵を懲らしめる相談が始まるフィガロの計画はまず夫人が浮気をしているという手紙をバジリオに持たせ狩に出ている伯爵に渡す次にスザンナが伯爵と夜の庭園での逢引を約束するが実際にそこに行くのは女装したケルビーノであるそして伯爵夫人がその現場を押さえて伯爵に反省を促すというものであったフィガロがケルビーノを呼びに行き入れ違いに当の小姓が部屋に入ってくるケルビーノは入隊のために夫人から遠く離れなければならないことを嘆き自作の歌を披露するスザンナがケルビーノの腕をまくりあげると擦りむいた傷の上に今朝スザンナから奪った夫人のリボンが巻いてあった夫人はスザンナに新しいリボンを取りにやらせるがタイミングの悪いことにそこへ狩に行ったはずの伯爵が帰ってくる慌てた夫人はケルビーノを衣裳部屋に隠れさせ鍵をかけるがもう気が気ではないおびえた様子の夫人に伯爵が疑念をつのらせていると衣裳部屋から大きな物音がするしどろもどろの夫人に更に問い詰める伯爵そこへスザンナが戻ってくるがただならぬ事態を察して物陰に隠れる夫人がどうしても衣裳部屋を開けようとしないので伯爵は部屋に鍵をかけ衣裳部屋の扉を壊す道具を取りに夫人と一緒に部屋を出て行くその隙にスザンナはケルビーノを呼び出し唯一開いていた窓から彼を逃がすスザンナがケルビーノの身代わりに衣裳部屋へ入ると同時に伯爵たちが戻ってくる夫のあまりの剣幕に観念した夫人は中にいるのはスザンナではなく小姓だと白状してしまうがまたしてもケルビーノかと伯爵の怒りが爆発する夫人から受け取った鍵で扉を開けようとするがなんと中から現れたスザンナに伯爵は呆然夫人も驚いたがスザンナから事情を聞いてホっとひと安心面目を失い謝罪する伯爵を許してひとまず和解するそこへフィガロが婚礼の準備が整ったことを知らせに入ってくるなおも結婚を引き伸ばしたい伯爵が例の手紙の件をフィガロに問いただしているところに今度はアントニオが飛び込んできて誰かが窓から飛び降りて花をメチャクチャにしたと伯爵に訴えるすかさずフィガロは飛び降りたのは自分だと誤魔化すがアントニオが現場に落ちていたケルビーノの仕官任命辞令を伯爵に渡すのでまたもや窮地にしかし先刻小姓から辞令を見せられていた夫人がフィガロにこっそり耳打ちする実は辞令には伯爵の印が抜けていたのであるフィガロは小姓に頼まれ伯爵から印をもらうために辞令を持っていたと言い伯爵も確かに自分の印がないのでそれ以上追求のしようがないそこへマルチェリーナが借金の証文を手にバルトロバジリオを伴って現れ契約の実行を伯爵に願いでる思わぬ援軍の登場に勢いづいた伯爵はこの件は法律に従って裁判の場ではっきりさせようと言いフィガロたちの結婚をまたもや延期する

6 第 3 幕邸内の大広間フィガロの計画が失敗したため伯爵夫人はスザンナと 2 人で新たな計画を進めることにした当初の計画通りスザンナに伯爵との逢引を約束させるがそこへは女装したケルビーノではなくスザンナの格好をした夫人が現れるというものである伯爵が部屋に 1 人でいるところへスザンナが入ってきて伯爵の望み通りに逢引の約束を交わす有頂天の伯爵だったが部屋の外でスザンナがフィガロにこっそりもう裁判は勝ったわ! と言うのを耳にはさみ逢引はフィガロの策略ではないかと疑いを強める裁判に向かった伯爵と入れ違いに物思いに沈んだ伯爵夫人が入ってくる夫の浮気を懲らしめるためとはいえこんな芝居を打たねばならない我が身の辛さを嘆き過ぎ去った幸せの日々を懐かしむ夫人が去ると裁判を終えた人々が入ってくる借金を返すか結婚するかである! と判決を繰り返す裁判官ドンクルツィオにフィガロは自分は貴族の出身だから結婚には親の承諾が必要だとなおも抵抗も試みる一笑に付す一同だったが幼い頃セヴィリアでさらわれたと言うフィガロにマルチェリーナの顔色が変わるさらにフィガロの腕にあざがあると聞いてラファエッロ! と叫ぶ彼女このフィガロこそ昔マルチェリーナとバルトロの間に出来た子であったなんという大ドンデン返し!! 裁判は無効となり苦虫を噛みつぶす伯爵のかたわらでそれまでのことを忘れ喜び合う親子 3 人そこへ金を工面したスザンナが入ってきて抱き合うフィガロとマルチェリーナを見て自分は裏切られたと思い込むがすぐに誤解も解け喜びを分かち合うバルトロとマルチェリーナはとっくにあきらめていた自分たちの息子と再びめぐり会えたことに感謝し昔のよりを戻してフィガロたちと一緒に結婚式を挙げることにする一同が部屋を出ていくとアントニオが伯爵にケルビーノがまだ出発せず邸内でうろうろしていると報告し 2 人は小姓を探しに行く伯爵夫人とスザンナが現れ夫人は今宵伯爵をおびき出すため逢引の場所を指定する手紙をスザンナに書き取らせるそこへ夫人に花を捧げにバルバリーナと村娘たちがやってくる娘の中には女装したケルビーノがまぎれ込んでいたが伯爵とアントニオに見つかってしまうそこへフィガロが現れるので伯爵は先ほどのケルビーノの辞令の件をむしかえすがフィガロも負けずにとぼけてみせるやがて結婚式のマーチが聞こえてきて 2 組の結婚式を祝うために人々が入場してくるスザンナは伯爵に白いヴェールを掛けてもらう際例の手紙をこっそりと渡す主君の徳をたたえて 2 人の花娘による 2 重唱農民たちによる合唱スペインの民族舞踊と続くがその間にさきほどの手紙の内容を確認した伯爵は上機嫌の様子そして伯爵によって盛大な祝宴の開会が宣言され一同は再び主君の徳をたたえる第 4 幕邸内の庭園あたりはすっかり夜バルバリーナが伯爵からスザンナへの返事に預かったピンを探しながら途方にくれているそこへフィガロとマルチェリーナがやってくるフィガロはマルチェリーナの髪からピンを取りそれを拾ったふりをしてバルバリーナに渡し彼女を行かせるが女性たちの計略を知らないフィガロはスザンナが逢引すると思い憤慨し復讐してやると飛び出していくマルチェリーナはスザンナの潔白を信じ同じ女性として男性の不当な扱いから守ってやらねばと思う入れ違いにバルトロとバジリオが登場彼らは伯爵とスザンナの逢引の現場を押さえるために証人としてフィガロに呼ばれてきたのであるフィガロはあたりに隠れているようにと2 人に言い残し姿を消すが驚くバルトロにお偉方と争っても無駄なことさとバジリオは自らの人生哲学を披露する 2 人が言われた通り物陰に隠れるとフィガロが再び現れ女を信じるなんて愚かなことだ! と復讐に燃える思いをぶちまけるそこへ互いの衣装を交換した伯爵夫人とスザンナがやってくるスザンナはフィガロがくだらぬ嫉妬心を抱いていることをマルチェリーナから聞いていてまた当のフィガロがすでにあたりに身をひそめていることに気づいているそこで自分を疑ったフィガロを少し懲らしめるために伯爵への見せかけの愛を小唄にのせて歌うそうとは知らず逆上するフィガロをよそにいよいよ女たちの復讐劇の幕開きである物陰に隠れたスザンナと入れ替わりにスザンナに扮した伯爵夫人が夫の登場を待っているところへケルビーノが現れる夫人をスザンナと思い込んだケルビーノはチャンスとばかりに言い寄るがキスを迫ろうとした瞬間伯爵が現れたので慌てて逃げ出す一方伯爵も目の前のスザンナが自分の妻とも知らずここぞとばかりに甘い言葉を重ねダイヤの指輪を与える 2 人があずまやの方へ消えていったあとフィガロはそこに現れた伯爵夫人に伯爵の浮気の件を訴えるが声色から相手が実はスザンナだと気づくそこでだまされたふりをしていとしの奥様よと大げさに口説くとスザンナはこの女たらし! と平手打ちを連発最後には泣き出してしまう彼女だったがお前の声だと分かっていたよというフィガロの言葉で仲直りするそこへ逢引相手を見失った伯爵が現れるが 2 人を見て妻の不倫の現場だと思い込む怒りに燃える伯爵はフィガロを捕らえ皆を呼び集めるこの 2 人は決して許さぬと息まく伯爵だがそこへ現れた夫人に愕然とする自分の行いが皆の知るところだったこと口説いた相手が妻だったこと今やすべてを悟った伯爵は夫人に許しを乞う夫人も夫の行いを許し一同は和解の雰囲気に包まれるすべてを水に流しフィガロの結婚を祝うため一同は晴れやかに宴へ向かうところで幕となる

7 出演者プロフィール近藤修平バリトン = アルマヴィーヴァ伯爵同志社大学法学部卒業古山浩也米田哲二の各氏に師事コーラス経験も無かったサラリーマンが 30 才を過ぎてオペラに出会うカルメンエスカミーリョメリーウィドーツェータ男爵ジプシー男爵ホモナイこうもりファルケウィーン気質ギンデルバッハ侯爵などニューオペラシアター神戸喜歌劇楽友協会を中心に活躍現在声楽グループカンテリーノ代表ニューオペラシアター神戸正会員神戸オペラカンパニー会員大阪ガス合唱部所属大阪ガスセキュリティサービス勤務三舩司郎バリトン = フィガロ第 2 回公演 ( 魔笛 ) からカンテリーノに参加ザラストロからアイゼンシュタインまで幅広い役柄にチャレンジしてきたがバスブッフォの役柄を演じることが多い 99 年第 5 回記念公演 ( フィガロの結婚 ) の際もフィガロを演じた体を張った熱演は今も当時の出演者の脳裏に焼きついている ( らしい ) また東京での単身赴任中 ( 約 5 年間 ) に 100 演目を優に超えるオペラを鑑賞し家計を苦しめたオペラ以外では歌舞伎とまずはこのエアロにはまっているなおフィガロを演じるのは本公演が最後となる西尾正子ソプラノ = 伯爵夫人頌栄短期大学保育科卒業その後神戸オペラ協会で研修を受ける 1996 年フィガロの結婚の花娘役でデビュー各種コンサートオペラハイライトに出演 2001 年神戸芸術文化会議主催 KACC コンサートに合格鈴木文江垣花洋子川辺甲子郎の各氏に師事ニューオペラシアター神戸正会員神戸オペラカンパニー所属門上恵利ソプラノ = スザンナ福岡教育大学中学校教員養成課程音楽科卒業卒業演奏会新人演奏会等に出演オペラは 95 年の天国と地獄のキューピット役でデビューその後フィガロの結婚のスザンナケルビーノこうもりアデーレアマールと夜の訪問者アマールヘンゼルとグレーテルグレーテル電話ルーシー等に出演垣花洋子澤井宏仁両氏に師事ニューオペラシアター神戸神戸音楽家協会神戸オペラカンパニーカンテリーノ各会員小島百合子メゾソプラノ = ケルビーノ三輪裕美子ソプラノ = マルチェリーナ大阪女学院短期大学英語科卒業古山浩也田村かよ子天野加代子児玉祐子の各氏に師事 3 歳よりピアノを始め中学時代より合唱団で歌う傍ら伴奏を務めるトスカ蝶々夫人 ( 母親 ) タンホイザーなどに合唱出演本年 8 月ロシアサンクトペテルブルグにてマリインスキー劇場ソリストスラヴァルハーニン氏のレッスンを受けるカルメンメルセデス役でオペラデビュー昨年 12 月こうもりオルロフスキー役で出演大阪ガス合唱部所属大阪ガス勤務神戸女子薬科大学卒大学時代友人と行った朝日カルチャーのオペラを歌おうという教室でカンテリーノのメンバーと出会い現在に至る合唱団アムサティーク所属合唱を川辺甲子郎足立尚樹氏に師事声楽を苅谷哲郎牧子両氏に師事門上大一朗バリトン = ドンバルトロ津守芳輝テノール = ドンバジリオ関西大学大学院工学研究科修了大阪ガス合唱部で近藤修平氏と知り合ったことが人生の大きな転機となるカンテリーノのすべての公演に参加ドンジョヴァンニのタイトルロール魔笛モノスタトスフィガロの結婚伯爵アントニオコジファントゥッテドンアルフォンゾこうもりフランクアマールと夜の訪問者メルヒオール王などに出演どちらかというと悪役やクセのある役を好むが歌唱も演技も我流である株式会社オージス総研勤務本職はシステムエンジニア堀端洋一テノール = ドンクルツィオ関西学院大学経済学部卒業カンテリーノではフィガロの結婚バジリオクルツィオコジファントゥッテフェランドアマールと夜の訪問者カスパールこうもりアルフレード等に出演したほか Nessun Dorma! やもののけ姫にも挑戦他のオペラ団体等ではラボエームカルメン椿姫魔笛ドンジョヴァンニこうもりおさん茂兵衛丹波歌暦等に合唱助演で出演こうもりフロッシュでは吉本新喜劇池乃めだか氏の練習アンダーを務めた来年 2 月にはフィガロの結婚クルツィオに出演予定長野博志バリトン = アントニオ同志社大学卒在学中は混声合唱団こまくさに所属全日本合唱コンクール全国大会にも出場卒業後神戸オペラ協会公演ウィンザーの陽気な女房たちの合唱出演をきっかけにオペラに目覚め関西歌劇団に入団以後関西歌劇団及び市民オペラ等を中心に活動キャストでは関西歌劇団公演卒塔婆小町ゆく河の福井オペラ研究会コシファントゥッテ香芝市民オペラカルメンメリーウィドウジプシー男爵芦屋市民オペラ魔笛こうもりなどに出演声楽を油井昌行氏小餅谷哲男氏音楽全般を青島広志氏に師事大学入学後間もなく男声合唱にはまり卒業後ものめりこんでいたがオペラにも関心を持ち始め喜歌劇楽友協会公演ウィーン気質こうもりメリーウィドウカルメン関西二期会公演タンホイザーに合唱メンバーとして参加本日カンテリーノ初参加ソリスト初体験コンタクトレンズ初装着と初めてづくしの登場となる!

8 長崎政枝ソプラノ = バルバリーナ大石真ソプラノ = 花娘 A 京都府立大学生活科学部卒業在学中は合唱団に在籍声楽を古山浩也氏に師事現在大阪ガス合唱部所属大阪ガスグループ ( 株 ) アプリーティセサモ勤務大手前女子大学文学部史学科卒業在学中大手前女子大学合唱団 Per Maria に所属し歌う楽しさを実感する卒業後神戸中央合唱団に入団現代音楽や北欧の合唱曲ポリフォニー等を中心に歌っている一方オペラでは川西市民オペラ第 6 回カルメン ~ 第 14 回ドンパスクワーレに合唱として参加今年 2 月ニューオペラシアター神戸フィガロの結婚花娘役でオペラソリストデビューを果たす他にもオペラや各種演奏会に数多く出演している芦田麻里ソプラノ = 花娘 B 大阪音楽大学音楽学部声楽学科卒業伊藤富次郎関定子坂口尚平の各氏に師事川西市民オペラ魔笛第 2 の童子ニューオペラシアター神戸フィガロの結婚花娘の他兵庫県主催新進音楽家シリーズ大東市主催大東ミュージックフェスタなど出演 KAYOKO&MARI ジョイントリサイタルを行う福光 IOX-AROSA 声楽サマーセミナー 2002 奨励賞第 6 回万里の長城杯国際コンクール第 3 位受賞岡元優子ピアノ M U 楽団弦楽アンサンブル大阪音楽大学音楽学部ピアノ専攻卒業八田惇故武田邦夫の両氏に師事卒業後 4 年間大阪音楽大学に於いて伴奏助手をつとめる在学中より多数のコンサートに出演大阪音楽大学ザカレッジオペラハウスニューオペラシアター神戸川西市民オペラ喜歌劇楽友協会などでコレペティートルとして研鑽を積む 2000 年 9 月結成室内楽をメインにした企画演奏会にはじまりバレエステージでのバック演奏大学の入学式での室内オーケストラ演奏などクラシックに限らない依頼演奏を行っている MU とはミュージック / ユニットの略ソロからオーケストラまであらゆる編成によるユニットを作成していろいろな場所 = 社会と音楽をつないでいるこれまでの企画と依頼演奏の情報はウェブサイトにて公表中 MU 楽団ウェブサイト主宰 / 代表植田浩徳フィガロの結婚を成功させる会発起人長井誠様のお声がけによりご寄付いただいた皆様 ( 敬称略 ) 関西の今後を考える会近藤宏東急リバブル ( 株 ) 賃貸事業部長井誠 Hassel House 声楽グループカンテリーノ声楽グループカンテリーノは関西在住のアマチュア声楽愛好家を中心に 1996 年に結成されオペラ上演などの演奏活動を行っています今年で設立 10 周年を迎えました主な活動実績 1995 年 11 月発起人 7 名が西宮市内で会合し準備会発足会の名称をカンテリーノと決定 1996 年 4 月第 1 回演奏会 PRIMAVERA CONCERTO を夙川公民館( 西宮市 ) で開催 1996 年 12 月第 2 回演奏会 DICEMBRE CONCERTO を夙川公民館で開催オペラ魔笛ハイライトに挑戦 1999 年 9 月第 5 回記念演奏会フィガロの結婚ハイライトをピッコロシアター ( 尼崎市 ) で開催 2002 年 9 月第 8 回演奏会コジファントゥッテをピッコロシアターで開催 2004 年 9 月第 10 回記念演奏会こうもりをマリーホール ( 神戸市灘区 ) で開催 2006 年 9 月第 12 回設立 10 周年記念演奏会フィガロの結婚をピッコロシアターで開催公式ホームページモバイルホームページメールアドレス yahoo.co.jp 第 5 回記念演奏会フィガロの結婚第 10 回記念演奏会こうもり

!オペラ2012.indb

!オペラ2012.indb 日本のオペラ年鑑 2 0 12 日本のオペラ年鑑2012 編集発行学校法人東成学園昭和音楽大学オペラ研究所発行 2013年12月20日関西地域のオペラ活動 2012 白石裕史 2012 年の関西音楽界はいま時代の節目関西歌劇団とも新しい胎動とも取れる分岐点に立ってい春の公演はビゼーのカルメン 6 月るという手応えがあったそれは大阪の音楽の殿堂である二つのホールの動向が