Peer to Peer (P2P) 調査資料 FUJI SYSTEMS, INC. Y.Shibuya

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1 Peer to Peer (P2P) 調査資料 FUJI SYSTEMS, INC. Y.Shibuya

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3 Peer to Peer とは 広義では 定まったクライアント サーハ ーを持たないネットワーク形態を指す狭義では 最近話題のファイル共有ソフト ( Gnutella, WinMX, Winny, Napstar ) やVoIPソフトのSkype コラホ レーションソフトのGrooveなどが使用する接続方式を指す ( 本調査資料で指すP2Pの意 ) 主にP2PやPtoP( 日本に多い ) と略称表記される通信方式は定まっておらず 複数の方式や独自の方式が使われている次世代分散環境技術の最有力候補として学会等でも注目されているすべてのクライアントが協力しあい 動的にルーティンク を行ったり 情報を格納するネットワークを生みだすのが真のPtoPソフトであり ユーサ ーが増えるほ ど強力になる (CNET Japan の取材において Skype 開発者 Janus Frijis 氏の発言 ) FUJI SYSTEMS, INC. 3

4 P2P メリット / デメリット C/S システムのメリット Clientの処理が小さい 管理 監視が容易 テ ータの一括管理が可能 課金システムが組める C/S システムのテ メリット サーハ の設備投資が必要 回線アクセスが集中する 管理者が必要 相対する P2P システムのメリット 処理負荷が分散される 設備投資が少ない 隠匿性が高い 事業者のサーヒ スを必要としない P2P システムのテ メリット 管理 監視が難しい 課金システムが組めない 個人のモラルが求められる FUJI SYSTEMS, INC. 4

5 P2P 方式 従来のサーハ ーを介した通信方式 サーヒ ス例 HTTP Windows Messenger(Msg 送信 ) 管理情報 (IP 等 ) を取得し 直接通信 サーヒ ス例 Napstar, Groove Windows Messenger(Voice Chat) Yahoo! Messenger 何らかの方式で通信相手 (IP 等 ) を特定し 直接通信 サーヒ ス例 Gnutella, WinMX, Winny Skype ClientはTree 構造をとることもある FUJI SYSTEMS, INC. 5

6 P2P 事例 1 Napster < ナプスター > 米 Napster 社が 1991 年 1 月に発表した P2P 技術を用いた初めてのファイル共有ソフト 各自が所有する PC 内の音楽向け MP3 ファイルを共有する Napster は Hybrid-P2P 形式で サーハ ーでは音楽ファイルのリストのみを扱い コンテンツは直接ユーサ ー間接続でやり取りが行われる また Napster で流通しているファイルには違法コヒ ーのものが多く 全米レコード工業会 (RIAA) に事実上の運営差し止めを求めて提訴されるなど 社会現象化した 音楽業界は P2P によって CD の売上げ減少を主張しているが P2P 以外にも CD-RW の普及により不正コヒ ーによる影響が大きいとする説も有力である この為業界では 不正アクセス防止や DRM に注力している FUJI SYSTEMS, INC. 6

7 P2P 事例 2 Gnutella < グヌーテラ > 米 AOL 社から 2000 年 3 月に 24 時間だけ公開されたがその後閉鎖され 現在の普及しているものは その間に DL されたユーサ ーによって再構築されたもの 共有するファイルには MP3 等の規制が無く あらゆるテ ータを共有しあえるのが特徴 Gnutella は pure-p2p 形式で サーハ ーは存在せず Gnutella ネットワークは各 PC により階層的に構築される その為 ネットワークに接続する PC を特定できないため 秘匿性が高く この点が社会的問題となっている Gnutella では コンテンツを検索する際に 要求をネットワークにフ ロート キャストする為 大人数でネットワークが構築されると その帯域を著しく消耗し Gnutella のみならず その他の通信も正常に行えなくなる欠点がある FUJI SYSTEMS, INC. 7

8 P2P 事例 3 Winny < ウィニー > 東大助手により開発され 2002 年 5 月に公開された日本発のファイル共有ソフト 2 ちゃんねる ユーサ ーの力を借りて開発が進められた 独自の技術を盛り込む事により 高い匿名性と高速な DL を可能にしている Winny は Gnutella と同様に pure-p2p 形式を採用しており Gnutella よりも更に強固な匿名性を追及し 誰から DL されたかが分からなくなっている その中心技術として コンテンツキャッシュ * の機能を実装し Proxy サーハ ーのキャッシュ機能を PC にて応用している また暗号化を行ったり キー情報をネットワーク内に分散させたり クラスタ * と呼ばれる独自の技術を用いて ファイル検索 タ ウンロート 効率を高めている Winny では ユーサ ー 作成者共に逮捕者が出ており ファイル共有ソフトの開発者の逮捕は 世界的にも稀な事例である * 詳細は後述 FUJI SYSTEMS, INC. 8

9 P2P 事例 4 Skype < スカイプ > ルクセンフ ルク の Skype Technologies 社が開発した P2P 技術を用いた VoIP ソフト P2P ファイル共有ソフトの KaZaa 創立者が 同ソフトの技術を応用して開発された ホ イスチャットを主機能としており IM 機能も補助的に備える Skype は pure-p2p 形式で 通話時には直接ユーサ ー間で接続される NAT やファイヤーウォールを介した P2P 接続を行うために Skype は様々な仕組みを組込んでいる (UDP Hole puching 分散ハッシュテーフ ル (DHT) スーハ ーノート )* Skype のフ ロトコルは独自フ ロトコルを採用しており 暗号化され 情報が公開されていないことから Skype の仕組みについては 不明な点が多い しかし 最近では Skype の仕組みも各社で徐々に解析が進んでおり クライアントの Skype を統合的に管理できるソフトも発表されている * 詳細は後述 FUJI SYSTEMS, INC. 9

10 P2P 接続手順 以下は Pure-P2P の Gnutella の例 1. Gnutellaに加入しているノート に接続する (TCP/IP 接続 ) 2. 検索コンテンツをフ ロート キャストで検索 (Ping / Queryの送信 ) 3. 検索コンテンツを所持しているPCが結果を応答 (Query Hitの受信 ) 4. 要求者 - 保持者間で直接通信を行いタ ウンロート を行う (HTTP) FUJI SYSTEMS, INC. 10

11 P2P 技術紹介 (Winny) コンテンツキャッシュ C/S 型 Proxy の Cache 機能を P2P で応用した技術で 匿名性 と レスホ ンスの向上 が実現できる 仕組みは コンテンツの DL 者と所有者の間のユーサ に コンテンツを Cache しておき 他のユーサ ーが DL するときには コンテンツの所有者にアクセスしなくとも Cache からコンテンツを取得できる仕組み この様にコンテンツ所有者以外からもコンテンツを入手できるために 匿名性 が高められる クラスタ化 ファイルを共有するそれぞれのメンハ ーは ある特定分野のシ ャンルに集中する との考えから 共有したファイルのキーワート からク ルーフ 分けを行い ファイルの検索時に 検索ヒット率の向上 レスホ ンスの向上 を図ることが出来る FUJI SYSTEMS, INC. 11

12 P2P 技術紹介 (Skype) UDP Hole puching NAT / ファイアウォール間通信を有効とする技術 NAT 越しに P2P 通信を行う際には 相手の IP アドレスが分からない ( 隠蔽されている ) ために通信できない問題がある そこで 外部にあるサーハ ーを介して NAT の特性を応用する事により相互の P2P 接続を可能とするもの この UDP hole puching は RFC3489(STUN) でも採用されている スーパーノード ノート とはコンヒ ュータ単体のことを指し スーハ ーノート とは Skype ネットワークの中で VoIP の電話帳テ ータを管理する特殊なノート のことを言う 常時接続 高性能で 広帯域等が条件になると言われており 参加ノート の 1% ほどを占める スーハ ーノート は 上記のように電話帳テ ータを保持していることから 前述した UDP Hole puching のサーハ ー的役割を果たし NAT 越えの為の補助的な役割を果たす FUJI SYSTEMS, INC. 12

13 P2P 技術紹介 (Skype) 分散ハッシュテーブル (DHT) P2P では通信相手の情報をどこからか入手しなければならない そこで前述したようにサーハ ーを介したり (Hybrid-P2P) フ ロート キャストで検索したり (Pure-P2P) しているが どちらにせよ サーハ ーもしくはネットワークの負荷が高くなってしまう Pure-P2P の場合 10 万ノート が限界と言われている そこで Skype は ユニークなユーサ ー ID を用いてハッシュ化し その値毎に分割して スーハ ーノート で管理する DHT 方式をとる事によって 3000 万とも言われる巨大な Skype ネットワークを可能としている サーハ ーを介した Hybrid-P2P 型と異なる点は スーハ ーノート はあくまでノート であり シャットタ ウンされることも考慮に入れられている点である FUJI SYSTEMS, INC. 13

14 P2P のモハ イルへの展開 現在ワイヤレスの分野で P2P 技術を活用できないかを各研究機関で盛んに研究されている その中の技術の一つとして マルチホッフ について説明する マルチホッフ 多数の端末をアクセスホ イントなしに 相互に接続する形態で 無線 LAN での アト ホックモート に使用される方式 個々の端末同士がメッシュ状に接続することから 通信設備を必要としない その為 課金等の無い無料の NW が構築できる だが NW 負荷や端末のリソースの限界など課題は多く 現在も研究が続けられている FUJI SYSTEMS, INC. 14

15 P2P の課題 P2P 技術を用いたファイル共有ソフトでは エンターテイメント業界の著作権を巡る訴訟が相次ぎ 逮捕者も多数摘出されている 現状の P2P 技術を取巻く環境に置ける課題を以下にまとめる コヒ ーフ ロテクト対策 トラフィック量の低減 フ ライハ シー保護対策 相互接続可能な標準フ ロトコルの確立新たな課金 / コンテンツ配信システムの構築 著作権に対するユーサ ーの意識 モラル育成 セキュリティ対応 FUJI SYSTEMS, INC. 15

16 P2P の市場動向 概況 Napstar や Gnutella などのファイル共有ソフトで 良くも悪くも一躍脚光を浴びる事になった P2P 技術であるが 以前から学術団体や研究機関からの 次世代分散コンヒ ューティンク 技術としての注目度は非常に高い その背景としては 近年のフ ロート ハ ント 化が大きく影響している ADSL や FTTH などの通信の高速化に加え 個々の PC が高性能 大容量化してきていることから 従来の高価なサーハ ーに処理を集中させる C/S システムから 個々の PC で分散処理する分散コンヒ ューティンク に移行する事は 自然な流れと言える P2P 技術の応用として ファイル共有ばかり注目されているが それ以外にも Skype に代表される VoIP や コラホ レーションソフト ( ク ルーフ ウェア ) テ シ タルコンテンツ配信 広告配信 情報検索など多岐にわたるサーヒ スへの応用が進められている FUJI SYSTEMS, INC. 16

17 P2P の市場動向 企業動向 各種大手ヘ ンタ ーの動きも活発になってきている Microsoft は.NET 戦略の一環として 2005 年 3 月に P2P 技術を用いたコラホ レーションソフトを開発する米 Groove Networks を買収した Groove 創業者の Ray Ozzie 氏は Lotus Notes の開発者であり またこの分野のビジョナリーとしてもよく知られる また Intel も P2PWG で P2P の標準化を進める理由には PC の処理量を増加させ 更なる MPU の高性能化へ導きたい考えととれる groove NETWORKSの Groove Virtual Office ク ルーフ ウェア的な使い方が出来る Sun では 自社開発した JXTA をオーフ ンソースとして P2P でのテ ファクトスタンタ ート を狙う 2001 年 3 月には InfraSearch を買収し P2P を用いた検索技術を推進している FUJI SYSTEMS, INC. 17

18 P2P の市場動向 企業動向 国内では NTT が開発した P2P 技術 SIONet や NTT コミュニケーションス が開発したコンテンツ流通ソリューション NetLeader などがあり 実際に NTT コミュニケーションス は ショートコンテンツの無料配信サーヒ ス わざアリ をサーヒ ス開始した NTT コミュニケーションズの わざアリ サイト ことわざや豆知識等をク ラヒ アアイト ルが紹介する 当初はユーサ ーのうけもよく 訴訟の影響は無いとしていたが 現在ではサーヒ ス及び技術の公開サイトを停止している FUJI SYSTEMS, INC. 18

19 P2P の市場動向 訴訟に対する動き このような中 ファイル交換ソフトを発端とした P2P 訴訟問題を皮切りに 各企業では盲目的に P2P 技術を用いたソフトを排除する傾向にある 学術研究用の Internet2 の i2hub ネットワークもこの影響で停止に追い込まれた 前述した NTT の SIONet のように セキュリティやネットワーク負荷等の問題を改善した技術が多数出てきてはいるが いずれもエンターテイメント業界の圧力や世論の目に怯える形となっている P2P 関連企業には厳しい状況ではあるが 新たな技術の芽を このような問題で摘み取ることはよろしくない との意見も根強い その中で合法的なサーヒ スや P2P による各種弊害を監視 制御できるシステムも ( 本末転倒のような気もするが ) 徐々に開発されてきている また 7 月には SONY BMG 社とイスラエルのiMesh 社が合法的 PtoP 音楽配信で提携している FUJI SYSTEMS, INC. 19

20 P2P の市場動向 P2P 制御機器 オフィステ for Skype < セ ッタテクノロシ ー > Skype のファイルの送受信 コンタクトリスト 通話ログなどをサーハ ーで一元管理出来る Ariel AirOne < アリエルネットワークス > Pure-P2P 型のク ルーフ ウェア フ ロシ ェクト中心の利用に最適で 社外との情報共有に効果を発揮する Cache Switch <Cache Logic 社 > P2P ソフトが原因で発生するパケットをアプリケーション層レベルでスキャニングしてスイッチングする P2P トラフィックの増加は ISP の大きな問題となっている FUJI SYSTEMS, INC. 20

21 総括 P2P は 中央集権 (C/S) システムに対向する 対照的なネットワークの仕組みであり 今後の IT 環境を大きく変える要素を多分に秘めていると感じた 当初のインターネット (ARPAnet) が 一部のネットワークが分断されても機能する分散システムであったことから 個々のコンヒ ュータが直接繋がり インフラに左右されない分散システムは その流れを汲むものであり 個の存在がクロース アッフ される現代では より時代にあったシステムではないかと感じる 著作権等の問題が技術的にクリアされれば P2P 技術は世の中に急速に溶け込んでいくのではないかと強く感じる その時には 従来の C/S サーヒ スの仕組みは一変し 新たなサーヒ ス形態が構築されていくのではないかと感じさせる FUJI SYSTEMS, INC. 21

22 参考資料 P2P とは何か?~ 基礎から研究紹介まで ~ P2P 技術の事例と今後の展開 Skype( スカイプ ) FUJI SYSTEMS, INC. 22