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なごみあさぶき
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Adolescents Experience Negative Emotions on Resilience) 松木, 太郎 / 齊藤, 誠一神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要,9(2):125-128 2016-03 Departmental

1 Kobe University Repository : Kernel タイトル Title 著者 Author(s) 掲載誌巻号ページ Citation 刊行日 Issue date 資源タイプ Resource Type 版区分 Resource Version 権利 Rights DOI ネガティブな情動を経験した際に重要な他者からのサポートが青年のに与える影響の検討 (A Study on Influence of Support of Significant Others when Adolescents Experience Negative Emotions on Resilience) 松木, 太郎 / 齊藤, 誠一神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要,9(2): Departmental Bulletin Paper / 紀要論文 publisher JaLCDOI / URL PDF issue:

2 125 神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要第９巻第２号 2016 Bulletin of Graduate School of Human Development and Environment, Kobe University, Vol.9 No 研究報告ネガティブな情動を経験した際に重要な他者からのサポートが青年のに与える影響の検討 A Study on Influence of Support of Significant Others when Adolescents Experience Negative Emotions on Resilience 松木太郎 * Taro ATSUKI* 齊藤誠一 ** Seiichi SAITO** 要約本研究はネガティブな情動を経験した際に重要な他者から得られたサポートが青年のに対してどのような影響を及ぼすかについて検討することを目的とするまず中学生高校生専門学校生大学生53名を対象として自由記述およびインタビューによる予備調査から項目収集を行い 12項目を候補項目としたつぎに大学生140名を対象とした本調査を行い 12項目について行った因子分析の結果受容的サポート気分転換的サポートの２因子を抽出しこれらを下位尺度とする青年用不快情動サポート尺度を作成したこれらについておよび気分転換的サポートおよび気分転換的サポートととの関連について検討したところの問題解決志向には家族およびが同じく自己理解には友人からの気分転換的サポートが同じく他者心理の理解にはとがそれぞれ有意な貢献をしていることが示された得るかが課題といえる問題と目的思春期青年期は生物学的影響により発達段階の中でもとこうした状況の克服にとって重要な心理学的変数としてこれりわけ問題行動が生じやすい時期であるとされる Steinberg までソーシャルサポートやそれまでの養育態度といった重要な 2010 その背景の一因としてストレス反応に関連する視床下部他者からの働きかけが取り上げられ青年のレジリエンス形成と下垂体副腎軸 HPA 軸の発達による心理社会的なストレッの関連が明らかにされてきた石毛無藤 2005 葛西藤井サーに対する敏感さが挙げられる Johnson Dariotis & Wang 2013 しかしながらの形成において家族 2012 しかしながらすべての青年が心理社会的ストレッサーをや友人など青年を取り巻く周囲の他者がどのような働きかけをす経験したからといって必ずしも問題行動や心理的な不適応を起ることが重要であるかについては十分に明らかにされてはいないこすわけではないこのようにストレスフルな状況であってもまた青年期は発達的な危機が増大する時期であると同時に健精神的健康を維持するあるいは回復へと導く心理特性をレジリ康増進につながるスキルを獲得する時期でもある Call, Riedel, エンスと呼ぶ石毛無藤 2005 Hein, cloyd, Petersen, & Kipke 2002 ことから青年が困平野 2012 によるとレジリエンスは獲得可能性の観点から難状況に直面した際に重要な他者からの時宜を得たサポートを持って生まれた気質と関連が強い資質的レジリエンスと発達的受け新たなレジリエンス経験をもつことはこうしたスキルをに身につけることができるに分けることがで獲得する上で重要であるといえるきるとされる後者のレジリエンスは後天的に身につけることがそこで本研究はまず青年がネガティブな情動を経験した際に比較的容易であるとされるためとりわけストレスに脆弱な青年重要な他者から受けるサポートを測定する尺度を作成しこれにに対する臨床的介入を講じるにあたって重要であるといえるたより測定される不快情動サポートととの関連とえば齊藤ら 2014 が東日本大震災の経験により獲得的レジを検討しどのようなサポートが形成においリエンスを高く有する者の方がその後の精神的健康度が高かったて有効であるかを明らかにすることを目的とすることを示しているようにストレスフルな困難状況を克服する経験により獲得するレジリエンスがその後の精神的健康のあり方に関連しておりいかに困難状況を克服しを * 神戸大学大学院人間発達環境学研究科博士課程後期課程 ** 神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授 2015年９月30日 2015年10月９日受付受理

3 126 方結果と考察法１青年用不快情動サポート尺度の因子構造予備調査 2014年５月７月に中学生高校生専門学校生大学生53 青年の不快情動サポートを測定する項目12項目に対して因子分名男性22名女性31名平均年齢17.79歳 =.90 を対象に析を行ったなお青年の不快情動サポートを測定する項目は家して自由記述調査およびインタビュー調査によって青年用不族と友人に分けたが因子分析の際は家族と友人を分けずに分快情動サポート尺度作成のために項目を収集したとても悲し析を行った因子構造を検討し固有値の減衰状況と解釈可能性いことやとても腹が立つことを経験した時あなたは家族友から２因子を抽出し因子負荷量の絶対値が.40未満かつ複数の因人に対してどのようなサポートを求めますかという教示により子に.35以上で重複をしている項目を除外して９項目を選定し得られた項目のうち内容の重複しているものなどを整理し 12 たこの９項目について再度因子分析主因子法 Promax 回項目を青年用不快情動サポート尺度の候補項目とした転を行い２因子を抽出した第１因子はなぐさめてもらうはげましてもらうなどの項目から成るため受容的サポート調査時期とした第２因子は気分転換をさせてもらうスポーツや遊 2014年９月 2014年12月びなどでストレスの発散に付き合ってもらうなどの項目から調査対象者大学生140名男性78名女性62名平均年齢19.44歳 = 気分転換的サポートとしたこの因子分析結果をもとに受容 1.11 的サポート R 度５項目気分転換的サポート R 度４項目調査内容を下位 R 度とする青年不快情動サポート R 度９項目を作成した信頼性につ青年の不快情動サポートを測定する項目予備調査で作成した12項目について家族友人についてといて Cronbach のα係数を算出した結果受容的サポートはα てもつらいことや嫌なことがあった時あなたはふだんあなた =.92 気分転換的サポートはα =.90という満足できる値が得られの家族や友人からどのようなサポートを受けていますかと教示たなお下位尺度相関は.53であった因子分析の結果各項目し全くあてはまらない１点とてもよくあてはまる５の平均値および標準偏差 Cronbach のα係数は Table1に点の５件法で回答を求めた示したソーシャルサポート Table1 青年用不快情動サポート尺度の因子分析結果主因子法 Promax 回転塩澤 2008 によって作成された大学生用ソーシャルサポート尺度の下位尺度である情緒的サポートふだんからあなたの項目気持ちをよく理解してくれるなど５項目を用いた全くあて Ⅰ 受容的サポート α =.92 なぐさめてもらうはげましてもらう大丈夫と言ってもらう共感してもらう気持ちを理解してもらう Ⅱ 気分転換的サポート α =.90 気分転換をさせてもらうスポーツや遊びなどでストレスの発散に付き合ってもらう嫌なことを忘れさせてもらう冗談などで笑わせてもらうはまらない１点とてもよくあてはまる５点の５件法で回答を求めた援助の欲求と態度田村石隈 2001 によって作成された被援助志向性尺度の下位尺度である援助の欲求と態度困っていることを解決するために他者からの助言や援助が欲しいなど７項目を用いた家族友人についてそれぞれ尋ねた全くあてはまらない１ Ⅰ Ⅱ 点とてもよくあてはまる５点の５件法で回答を求めた２青年用不快情動サポート尺度の併存的妥当性の検討青年用不快情動サポート尺度の基準関連妥当性を検討するため平野 2010 によって作成された二次元レジリエンス要因尺度受容的サポート気分転換的サポートソーシャルサポート BRS の下位尺度であるを用いた問援助の欲求と態度との相関係数を算出した Table2 なおソー題解決志向人と誤解が生じたときには積極的に話をしようとシャルサポートについては家族のソーシャルサポート得点するなど３項目自己理解自分の性格についてよく理解しと友人のソーシャルサポート得点の合計得点を分析に用いたているなど３項目他者心理の理解人の気持ちや微妙なその結果受容的サポートおよび気分転換的サポートはソーシャ表情の変化を読み取るのが上手だなど３項目の３下位尺度計ルサポートおよび援助の欲求と態度と比較的高い正の相関を示９項目から成る全くあてはまらない１点とてもよくした不快情動サポートとソーシャルサポート被援助欲求あてはまる５点の５件法で回答を求めたが正の関連をもつことから青年用不快情動サポート尺度の併存的倫理的配慮妥当性は満たされているといえる本研究で用いられたアンケートの表紙において調査の中止お Table2 不快情動サポートと各変数との相関よび協力の辞退はいつでもできること個人情報に十分に配慮した上で研究目的のみに使用されることなどについての記載がなされ回答を行った者はそれらの記載に対して同意したものとみな受容的サポート気分転換的サポートソーシャルサポート援助の欲求と態度.64**.64**.46**.47** **p <.01 し調査を行った

4 127 Table3 不快情動サポートとの基礎統計および t 検定項目男性その結果問題解決志向においては家族からの気分転換的サポートとが有意な貢献を示した女性また自己理解においてはが有 t 意な貢献を示したさらに他者心理の理解においては家族か不快情動サポートらの受容的サポートとが有意な貢献を示した決定係数はそれぞれ問題解決志向において R 2=.11 p <.01 自己理解において R 2=.06 p <.01 他者心理の理解において R 2=.09 p <.01 であったなお VIF は問題解決志向問題解決志向自己理解他者心理の理解において1.06 自己理解において1.00 他者心理の理解において 1.04と小さい値を示していたことから多重共線性の問題はないと判断した以上の結果から ①不快な出来事を経験した際に解決策を積極的に得ようとする傾向である問題解決志向は家族および友人３不快情動サポートとの基礎的分析不快情動サポートとの下位尺度についてからの気分転換的サポートを得る経験によって高められる可能性性別に平均値と標準偏差を算出し各変数の性差について検討しがあること ②自身の性格や不快な出来事が自身にどのような影たところ有意な差はみられなかった Table3 響を及ぼすかといった自己理解は友人からの気分転換的サポートを受けることによって促されること ③他者心理の理解については家族からの共感的理解やはげましといった受容的なサポー４不快情動サポートととの関連の検討まず不快情動サポートとの関連についてトやを受けることによって育ま検討するため青年用不快情動サポート尺度の下位尺度である受れることが示唆されたいずれの決定係数も必ずしも高いといえ容的サポートと気分転換的サポートとの下ないが家族および友人の不快情動サポートは青年の獲得的レ位尺度である問題解決志向自己理解他者心理の理解との相関ジリエンスの形成に寄与することが示された係数を算出した Table4 なお受容的サポートおよび気分転総合的考察換的サポートは家族と友人に分けて分析を行ったその結果家族からの受容的サポートは他者心理の理解と有意な正の弱い相関本研究の目的は青年がネガティブな情動を経験した際に家をは問題解決志向と有意な正の族や友人からどのようなサポートを受けることがレジリエンスの弱い相関を示したまたは獲得的レ形成を促すかについて検討することであったそのために受容ジリエンスのいずれの下位尺度とも有意な相関を示さなかったが的サポート気分転換的サポートからなる青年用不快情動サはのすべてのポート尺度を作成しとの関連について検討下位尺度と有意な正の弱い相関を示したした Table4 その結果問題解決志向には家族および友人からの気分転換的不快情動サポートととの相関問題解決志向自己理解他者心理の理解.12.24** *.06.28**.02.28**.23** サポートが自己理解にはが他者心理の理解にはと友人からの気分転換的サポートがそれぞれ関連していることが示されたとりわけ他者心理の理解の促進において家族から受けるサポートの中では受容的な関わりが有効であるのに対し友人から受けるサポー *p <.05 **p <.01 つぎに不快情動サポートがに与える影響について検討するため青年用不快情動サポート尺度の各下位尺度を独立変数の各下位尺度を従属変数とすトの中では受容的なサポートではなく気分転換につながる関わりが有効であるという結果は青年のレジリエンス形成に関わる家族と友人の役割の違いを示す重要なものであるといえるこれまでレジリエンスは発達過程の中で育まれていくものでるステップワイズ法による重回帰分析を行った Table5 あるため家族や友人といったサポート資源の存在はかねてより Table5 における不快情動サポートの標準偏回帰係数重要視されてきたがストレスが生じる場面で具体的にどのよう問題解決志向自己理解他者心理の理解なサポートを得ることが青年のレジリエンス形成において重要であるかという点については十分に検討されてこなかったそのため誰からのどのようなサポートがどのようなレジリエンスを.24*.25** えるただし重回帰分析における決定係数が必ずしも高くない R2.11**.06**.09** は注意を要するといえる今後は十分な調査対象者数を得た上で形成するかについて具体的に示した本研究の結果は意義深いといことや調査対象者の人数が十分ではないことなどから解釈に *p <.05 **p <.01 青年のレジリエンスの形成に関連する他の要因についても検討す

5 128 る必要がある引用文献 Call,K.T., Riedel,A.A., Hein,K., cloyd,v., Petersen,A., & Kipke,.(2002). Adolescent health and well-being in the twenty-first century: A global perspective. Journal of Research on Adolescence, 12, 平野真理 2010 レジリエンスの資質的要因獲得的要因の分類の試み二次元レジリエンス要因尺度 BRS の作成パーソナリティ研究平野真理 2012 心理的敏感さに対するレジリエンスの緩衝効果の検討もともとの弱さを後天的に捕えるか教育心理学研究石毛みどり無藤隆 2005 中学生における精神的健康とレジリエンスおよびソーシャルサポートとの関連受験期の学業場面に着目して教育心理学研究 Johnson,S.B., Dariotis,J.K., & Wang,C.(2012). Adolescent risk taking under stressed and nonstressed conditions: conservative, calculating, and impulsive types. Journal of Adolescent Health, 51, s34-s40. 葛西真記子藤井美沙子 2013 レジリエンスの形成過程回想された両親像に注目して鳴門教育大学研究紀要齊藤誠一岡本英生則定百合子日潟淳子松木太郎 2014 東日本大震災の心理的影響に関する研究２震災ストレスとレジリエンスが主観的幸福感に及ぼす影響について日本発達心理学会第25回大会論文集 605. 塩澤聖子 2008 大学新入生を調査対象とした大学生用ソーシャルサポート尺度の作成学校メンタルヘルス Steinberg,L.(2010). A dual systems model of adolescent risktaking. Developmental Psychobiology, 52, 田村修一石隅利紀 2001 指導援助サービス上の悩みにおける中学校教師の被援助志向性に関する研究バーンアウトとの関連に焦点をあてて教育心理学研究謝辞本論文を作成するにあたり調査にご協力くださった奈良女子大学教授岡本英生先生に心から感謝申し上げます

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~ ~ ~ Title Author(s) Kobe University Repository : Kernel 特別講義自己と他者の授業記録 : 学生の気づきと学び米谷, 淳 Citation 大學教育研究別冊,10( 別冊 ):1-49 Issue date 2001-03 Resource Type Resource Version URL Departmental Bulletin Paper

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