細胞損傷タンパク質パラスポリンを通して見るCryタンパク質の可能性

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1 細胞損傷タンパク質パラスポリンを通して見る C タンパク質 の可能性 誌名 蚕糸 昆虫バイオテック = S- b ISSN 8855 著者 巻 / 号 早川, 徹 酒井, 裕 77 巻 3 号 掲載ページ 25-2 発行年月 28 年 2 月 農林水産省農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tb B-Adm C S C, A, F d F R C S

2 蚕糸昆虫バイオテック 7 7 3) ) SANSHI-KONCHUBIOTEC 特 集 :dj; 究の最前蜘 細胞損傷タンパク質パラスポリンを通して見る Cタンパク質の可能性 早 川 徹* 酒 井 裕 岡山大学大学院自然科学研究科 が明らかになっている 特に興味深いのは 最近殺虫 はじめに スペク トルの明らかでない Cタンパク質の中から人の B / は芽胞形成期にタンパク 質結晶 ガン細胞に対して特異的な細胞損傷活性を示すパラスポ レ)を産生するが図 )クリスタルの主成 クリスタ リンが見つか っているこ とである 様々な活性を示す 分である Cタンパク 質の 中には様々な細胞損傷活性を Cタンパク 質が存在 することは B w が ) は B 示 す も の がある パ ラ ス ポ リ ン タンパク質がどのように進化してきたのかっ そして C 及び近縁の細菌が産生する Cタンパク質 という難解な疑問をさらに複雑化するものであるが同 のうち 溶血活性を待たないがガン細胞に選択的な細 タンパク質が持つ潜在的な可能 性を示唆するも 時に C 胞損傷活性を示すものと定義され Cタンパク 質の中 のでもある でも特に新しいタイプのものとして注目されている Cタンパク 質の命名 と分類はトキシン命名委員会 J タンパク質の中でも新しいタイプである 本稿では C パラスポリンについて紹介するとともに Cタンパク :/ /www f x /m/ N _Cm/ B ) 質が潜在的に持つ可能性について 考察する なおC が担っており リ ス トには現時点でも 4以上もの C タンパク質の構造や機能に関しては詳しい解説を部分 トキシンが 55種のグループ C ~ 5 5 ) に分類されて B 的に省略するがそれらについては他の解説書I いる また非特異的な活性を示す 3近い Cトキシ J 大庭道夫堀秀隆酒 殺虫蛋 白質の科学j ンも加わっておりこれからもその数は増えていくと考 井裕編アイピーシー)を参照されたい えられる リストに記載されている Cタンパク 質の半 分近くは鱗題目毘虫蝶や蛾など)に活性老示す殺虫毒 素である とれは農薬の標的となる重要な畑作害虫の多 ガン細胞損傷活性を持つ Cタンパク質パ ラスポリン 一般的に C タンパク質は生物学的 生化学的な性質 の違いから大きく 2種に分類できそれぞれ C トキシ 受容体の同定などを含む作用機構に関する研究は鱗麹目 トキシンは高 ン及び C トキシンと呼ばれている C 等在中心に強力に推し進め 毘虫特異的な殺虫毒素 C い殺虫特異性を示す毒素でありプロトキシンの大きさ タンパク 質の活性は多岐に渡り られている 一方 C で 7D型と 3D型に細分さ れるが活性化され ゆ のプロテアーゼ耐性を示 ると何れも大きさ約 6 ハムシなどの鞘題目毘虫さ す活性化ペプチドとなる図 2 ) この活性ペプチドは らには線虫に活性を示すものなど様々な標的を持つこと 分子内切断によってセグメントに分かれている場合もあ 3D程度の毒素 る 一方 C トキシンは大きさ 25- 連絡先: m j であり C トキシンとは全く 異なる構造を持っている C トキシンの標的は C トキシンと異なり哨乳類宅E 25 く O 吋 吋 Zω *干 岡山市津島中 3 JW い 山川 中には鱗題目毘虫以外にも蚊ハエなどの衛生害虫が属 する双題目やコガネムシ 酬米 岡田二 斗 くが鱗麹目昆虫に属するためそれを対象とする毒素の 研究が精力的になされたことによると考えられる 実際

3 SANSHIKONCHUBI OTEC V 7 7N 3 含む脊椎動物や毘虫などの無脊椎動物を問わず非特異的 ポ リン一般に共通する構造的な特徴は見つか っていな 998) な活性を示す Cm トキシンや C い むしろアミノ酸配列上では他の C パラスポ リンは B 及び近縁の細菌が産 トキシンどころか異なるグルー プのパラスポ リンとも 生する C γ タンパク質の中で溶血活性を待たないがガ 低い相向性しか示さず活性化のパタ ーンにも類似性が ン細胞に選択的な細胞損傷活性を 示すもの と定義され 3I AI ) のプ ない図 2) 例えばパラスポ リン IC る Cタンパク質の中で は Cトキシンも晴乳類由来 ロトキ シンは 8Dでありプロテアーゼによるプロ の培養細胞に毒性を示すがガン細胞に対する特異性と セッシングを受けて部分分解されさらに分子内切断を いう点で パラスポ リンとは異なるため同じグループとは 受けて 5D S9 4_ M232S723) のサブユ R23) と 56ゆ M z 2) パラスポ リン 考えられていない 5ゆ と 56Dのペプチ ドは活 ニットが形成される タンパク質はこれまでに 4種類 としての活性を示す C こするととからヘテロダイ 性分子の精製過程で挙動を共 L : / / 白 f f j / 仕 加 ) が報告され マー を形成すると考えられている K パラスポリン ~4 と命名さ れているが同時にパラス 25) 一方パラスポリン 2 C46A )は 3 7Dの ポ リン :C3パラスポ リン 2:C46パラスポリ プロ トキシンを持ちプロテア ーゼによるプロセッシン パラスポリン 4:C 45として Cタンパ ン 3:C4 グを受けると N 末端と C末端両方のペプチ ドが除かれ ク質としての命名もされている K d 26) て 3Dの活性化ペプチ ドに なる パラスポリン 3 C4IA) の場合プロ トキ シンはパラ 2 パラスポリンー構造の多様性と類似点一 活性化さ れると N末端 スポリン と類似の 88Dで 4種類のパラスポリンはガン細胞損傷活性というあ 側のペプチドが除かれて 64Dの活性化ペプチドにな る意味で類似した活性を共有するにも関わらずパラス Y 25) パラスポリン 4 C 45A) る のプロ トキシンはパラスポリン 2と類似の 3Dであ るが活性化され ると C末端側のペプチ ドが 除かれて 27ゆ の活性化ペプチドになる O 25 ) クリスタル プロ トキシン及び活性化ペプチドの大きさから考える とパラスポリン 及び 3は Cトキシン型となる アミ 芽胞 ノ酸配列上の相向性 自体は低いものの C トキシン聞 5) に類 で高度に保存されているブ ロック配列 B 似する配列がパラスポリンの 及び 3でも見つかるため 図 B b T84A Iが産生する芽胞と 図2 )C トキシンと同様な 3つの ドメイジI~ I I I) クリス タル 2D 45D C4A 3 D) - CA 7 D) ι 56D 36D 2 37D) II 3D 64D 聞 4 3 D) 27D 図 2 パラスポリンの活性化ペプチド 日 活性化ペプチ ド 日:プロセッシングによって除かれる領域 26 32D 5D 8 D) 3 8 8D) :分子内切断が起こるサイ ト :ブロック配列

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