H29年報 12 組織恒常性MO

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1 組織恒常性研究プロジェクトチーム (1) 構成員プロジェクトリーダー赤木一考流動研究員 Lucas Trindade 研究補助員田口真弓本田美佐緒 (2) 平成 29 年度研究活動の概要本プロジェクトチームは 平成 28 年 5 月に新設され 同年 10 月より流動研究員 1 名を採用し 研究補助員 2 名を含む計 4 人で研究を行っている 研究室のセットアップに時間を要したものの 本年度からは本格的に研究を開始することができた 本研究室では 腸管恒常性における食餌制限 (Dietary restriction: DR) の作用機序と寿命延伸効果の分子機構を解明することを目的とし モデル生物であるキイロショウジョウバエを用いて研究を行っている ショウジョウバエは 哺乳類と機能的に相同な腸管を有しており 哺乳類と同様に 細胞死と腸幹細胞増殖のバランスによって恒常性が保たれている 腸管恒常性は 加齢や腸疾患 または糖尿病などの代謝疾患等によって損なわれることが知られており 近年 腸管恒常性の破綻が個体の寿命に大きく影 響することが明らかにされてきた 一方 DR は 酵母 線虫 ショウジョウバエ 哺乳類を含む様々な動物で寿命を延伸させることが知られている もちろん 飢餓状態や栄養失調症に陥るほどの DR は寿命を短縮させるが 適切なレベルで行えば寿命の延伸だけに限らず がん 肥満 糖尿病 神経変性疾患などの予防に繋がることが示されている しかし DR と腸管の機能性 恒常性との関係およびその分子機構はほとんど明らかにされていない 本研究室では これまでに DR によるアポトーシスの抑制が腸管恒常性維持に寄与することを明らかにしている また DR による腸管恒常性維持機構について解析していく過程において 細胞競合の重要性が明らかになってきている 前年度の研究によって 腸管における dmyc 発現低下細胞 (loser cell) の除去が 若い個体では栄養状態に関わらず観察されることが明らかとなった そこで本年度は 腸管における loser cell 除去能力が加齢に伴い変化するのかどうかを明らかにするため研究を行った そして 加齢により腸管での loser cell 除去能力が低下することと その低下が DR によって抑制できることを示唆する結果を得た

2 赤木一考 Lucas Trindade 田口真弓 本田美佐緒 細胞競合による栄養依存的な腸上皮恒常性と寿命の維持に関する研究 研究目的と背景我々は ショウジョウバエ腸管において転写因子 dmyc の発現を抑制すると アポトーシスの増加 腸透過性の上昇によって 寿命が短縮することを明らかにしている また 腸管恒常性の維持に細胞競合の機構が関与していることを示唆する結果を得ている 細胞競合とは 遺伝的な変異を持つなどの適応度の低い細胞 (loser cell) が 正常な細胞 (winner cell) と隣接した際に組織から除去される機構で 組織恒常性維持に重要な役割を持つと考えられている 細胞競合に関する研究は 主に発生段階のショウジョウバエを用いて行われてきたが 近年では 哺乳類においても同様の機構が報告されており 進化的に保存されたシステムであると考えられている さらに ショウジョウバエにおいては 効率的な loser cell の除去によって個体寿命が延伸するという報告もなされている しかし 細胞競合と老化 または栄養シグナルとの関係は ほとんど明らかにされていない よって 本研究では 腸管における細胞競合の機能と役割を解析することにより 腸管恒常性の維持と寿 命との関係を分子レベルで解明することを目指している 研究結果と考察我々は 遺伝学的モザイク解析を用いて 若いショウジョウバエ個体の腸管に dmyc 発現低下細胞 (loser cell) を作成すると その細胞は細胞死によって除去されることを明らかにしていた また その dmyc 発現低下細胞の除去は 栄養状態非依存的に観察された そこで 腸管における細胞競合能力が加齢に伴い変化するのかどうかを明らかにするため 同様の実験を加齢させた個体を用いて行った その結果 DR および高栄養条件ともに加齢に伴う dmyc 発現低下細胞の除去効率の低下が観察された 一方で DR 条件で飼育した個体では 高栄養条件で飼育した個体と比べて dmyc 発現低下細胞の除去効率の低下に明らかな遅延が観察された これらのことから 加齢により腸管での細胞競合能力が低下することと その低下が DR によって抑制できることが示唆された 今後は 加齢により細胞競合能力が低下する分子機構について詳細に解析を進める

3 研究業績 ( 組織恒常性研究プロジェクトチーム ) I. 論文発表 1. 原著 2. 総説赤木一考 ショウジョウバエ腸管研究から解き明かす老化のメカニズム 老年医学 Geriat. Med. 55(5): , 著書 Chapters 4. その他 5. 新聞 報道, 等 6. 特許申請 取得状況 II. 学会 研究会等発表 1. シンポジウム 特別講演 2. 国際学会発表 Trindade LS, Akagi K A Drosophila approach to assess the r/k system and the evolution of lifespan The 4 th Asia-Pacific Drosophila Research Conference, May 10, 2017, Osaka

4 Nishida H, Akagi K, Ueda H The advantages of repressor usage for a precise time measurement system in the development of Drosophila melanogaster The 4 th Asia-Pacific Drosophila Research Conference, May 10, 2017, Osaka Akagi K, Katewa SD, Wilson KA, Ortega M, Simmons J, Kapuria S, Jasper H, Kapahi P Dietary restriction improves intestinal cellular fitness to enhance gut barrier function and lifespan in D. melanogaster The 3 rd International Insect Hormone Workshop, July 9-14, 2017, Tochigi Aly H, Akagi K, Ueda H Degradation mechanism of a transcriptional repressor Blimp-1, which regulate the pupation timing in Drosophila The 3 rd International Insect Hormone Workshop, July 9-14, 2017, Tochigi Akagi K, Katewa SD, Wilson KA, Ortega M, Simmons J, Kapuria S, Jasper H, Kapahi P Dietary restriction improves intestinal cellular fitness to enhance gut barrier function and lifespan in D. melanogaster The 3 rd International Symposium on Cell Competition, Aug 29, 2017, Hokkaido 3. 国内学会発表赤木一考 Regulation of intestinal homeostasis and lifespan upon dietary restriction in Drosophila The 2 nd MORPHOMEOSTASIS Meeting, 2017 年 6 月 10 日, 仙台市 Trindade LS, Aigaki T, Akagi K A Drosophila approach to assess the r/k system and the evolution of lifespan 第 40 回日本基礎老化学会大会, 2017 年 6 月 15 日, 名古屋 Trindade L, Aigaki T, Akagi K Long-term adaptation to a specific food condition may be sufficient to explain the major changes of life-history evolution 2017 年度生命科学系学会合同年次大会, 2017 年 12 月 6 日 9 日, 神戸市

5 Aly H, Akagi K, Kageyama Y, Ueda H ショウジョウバエの蛹化タイミングを決める生物タイマーシステムに影響を及ぼす分子 2017 年度生命科学系学会合同年次大会, 2017 年 12 月 6 日 9 日, 神戸市 4. その他 セミナー等赤木一考食餌制限による腸管上皮恒常性維持機構と寿命の制御第 428 回生物科学セミナー, 岡山大学, 2018 年 3 月 2 日, 岡山 赤木一考 博士課程終了後のキャリア形成 生物科学特別セミナー, 岡山大学, 2018 年 3 月 2 日, 岡山 III. 競争的資金獲得実績 1. 日本医療研究開発機構 2. 厚生労働省 3. 文部科学省赤木一考 ( 代表 ) 200 万円 ( 総額 500 万円 ) 挑戦的研究 ( 萌芽 ) 食事制限に適応した 長寿バエ の解析による新規長寿遺伝子および腸内細菌叢の同定 4. 財団 その他

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