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- しげのぶ なぐも
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1 移動体観測を活用した交通 NW の リアルタイムマネジメントに向けて : プローブカーデータを用いた動的 OD 交通量のリアルタイム推定 名古屋大学山本俊行
2 背景 : マルチモード経路案内システム PRONAVI 2
3 プローブカーデータの概要 プローブカー : タクシー 157 台 蓄積用データ収集期間 : 22 年 1 月 ~3 月,1 月 ~23 年 3 月 データ送信はイベントベース : 車両発進 停止 3m 走行 蓄積 DB 各リンクごとの時刻別平均旅行時間 リンク A リンク B リンク C h:mm~h:mm h:mm ~h:mm h:mm ~h:mm
4 技術的特長 2 蓄積情報とリアルタイム情報の融合 リアルタイムプローブデータによる更新 5 分毎に更新されるリアルタイムプローブデータ ( リンク旅行時間 ) ARモデルにより以降のリンク旅行時間を予測 3 分前までのリアルタイムデータを基に直近 3 分を予測 旅行時間 リアルタイム旅行時間 リアルタイム予測旅行時間 旅行時間テーブル予測時間 時刻 4
5 目標 : 中期所要時間予測 ある日の朝のプローブデータを蓄積した日々のプローブデータと比較することで, ある日の午後のリンク所要時間を予測できるか? 日々のプローブデータ OD 推計 ある日の朝のプローブデータ OD 推計 データマイニング的手法だけ ( 何の先験的知識も用いない ) より, 理論的モデル ( 交通工学的知識の活用 ) を組み入れた方が予測精度が向上するか? 日々の動的 OD 交通量 ある日の朝の動的 OD 交通量 最も近い動的 OD 交通量を見つける 日々の動的 OD 交通量の変動に関する知見自体も面白い? ある日の昼の所要時間予測 5
6 目的 : プローブカーデータを用いた 動的 OD 交通量のリアルタイム推定 従来の研究 : プローブカーデータから, 経路選択確率 を用いる 問題点 : 目的地に到着するまで使えない タクシー等は母集団を代表しない プローブデータから リンク所要時間 を用いる 6
7 リンク所要時間をリンク交通量に変換 k-v 曲線 ( リンク交通量とリンク旅行速度の関係 ) 追従理論における非線形モデル (Gazis ら ) から導出 v = f ( k) = v f exp α k C n 1 1 v v f α,n k C : 旅行速度 : 自由走行時の旅行速度 : 定数 : 交通密度 : 設計交通容量 名古屋市で収集されたプローブカーデータ ( 旅行速度 ) とトラカンデータ ( 交通量 ) より n v,, を推定 f α 速度 v(km/h) v (km/h) 観測旅行速度推定リンクコスト関数 k/c ポイント : 同一の交通量でも個々の車両の速度はバラツク 7
8 ポイント : 同一の交通量でも個々の車両の速度はバラツク 観測の信頼性を考慮した OD 交通量推定 vi = v + e = f ( k) = v f exp α vi: 個々の車両の速度 v: 平均速度 e: 個々の車両の速度のばらつき v リンク所要時間からリンク交通量への変換方法 k C n 1 第 1 手法 : 個々の車両のばらつきを考慮しない第 2 手法 : ばらつきは一定の分散を持つ正規分布にしたがう第 3 手法 : ばらつきは速度が速いほど分散が大きい 8
9 リンクコスト関数の推定結果 1) 高速道路 (Drake 式に近い ) v = ( v v =.922 exp.443 ) exp. max 282 k C.94 v (km/h) 速度 v(km/h) 1 2) 一般多車線道路 (Underwood 式に近い ) 3) 一般 2 車線道路 (Underwood 式に近い ) k C 2.37 k-v 曲線 ( 一般多車線道路の場合 ) 観測旅行速度推定リンクコスト関数 v =.81 exp.2 k C k/c 9
10 第 1 手法 : プローブカーの旅行速度のみからリンク交通量を推定 速度 v プローブカー ˆv 1 ˆv 2 q q2 = k2 ˆv 1 = k1 ˆv 1 q i = k i vˆ i 2 q の平均 推定リンク交通量 vˆi k1 k 2 ki 交通密度 k 抽出されたサンプル数 : 観測データの信頼性を表す指標 1
11 第 2 手法 : ベイズの定理より, プローブカー観測時におけるリンクの速度分布を考慮 速度 観測データに基づく旅行速度の事前分布 N 2 ( µ,σ ) 観測旅行速度推定リンクコスト関数 観測された速度が従う分布: 標本分布 N ベイズの定理 速度の事後分布 µ N 2 ( µ,σ 1 1 ) + ( vˆ ) P v i ( vi ) P( vˆ vi ) ( v ) P( vˆ v ) 2 ( µ,σ ) 2 2 σ µ nσ µ = 2 2, σ 1 = σ + nσ σ + nσ = v i P P i i k-v 曲線と乱数シミュレーションより交通密度の分布を求め, 推定リンク交通量の事後分布を計算 ˆv 1 vˆi 平均 : 推定リンク交通量標準偏差 : 信頼性を表す指標 交通密度 11
12 第 3 手法 : ベイズの定理より, プローブカー観測時におけるリンクの交通密度分布を考慮 速度が大きいときほど, 観測される速度のデータのばらつきが観測旅行速度大きくなると仮定し,k-v 曲線を推定 交通密度が ki である確率とその時 vˆ 観測データに基づく i が観測推定リンクコスト関数交通密度 k の分布を考慮される確率を計算 P( ki ) P ( ) ( vˆ ki ) ベイズの定理 P ki vˆ = P k P vˆ k 速度 ˆv 1 vˆi ( ˆ k ) P v 1 1 P( vˆ i k 1 ) P( vˆ 1 k i ) ( ) P vˆ i k i k 交通密度の事後分布 k i ( ) ( ) k-v 曲線と乱数シミュレーションより速度の分布を求め, 推定リンク交通量の事後分布を計算 平均 : 推定リンク交通量標準偏差 : 信頼性を表す指標 i i k1 P( k 1 ) P( k i ) ki 交通密度 12
13 動的 OD 交通量の推定方法 -Willumsen(1984), 加藤ら (23) を改良 - 初期 OD 交通量 シミュレーション リンク利用率 : ある時刻 hr に起点 i を出発して終点 jに向かう交通量のうち時刻 hにリンク l を通過した割合 リンク利用率 OD 交通量 観測リンク交通量 プローブ情報の信頼性 各 OD 交通量の修正量を計算 推定 OD 交通量 13
14 プローブ情報の信頼性の考慮 Adj( i, j, ts) = l, t ErrLink( l, i, j, t, ts) l, t δ TSimQ δ TSimQ ObsQ( l, t) 1 ProbeQ _ sd( l, t) ObsQ( l, t) 1 ProbeQ _ sd( l, t) Adj:OD(i,j) の時間帯 ts に出発した交通量の補正量 ErrLink: リンク l の観測リンク交通量と再現リンク交通量の差分を OD 別出発時間帯別交通量で重み付けしたもの ObsQ: 観測リンク交通量 ProbeQ_sd: プローブ情報の信頼性 14
15 動的交通シミュレータの開発 1 メソシミュレータ : 複数の車両から構成される車両群を一つのパケット パケットサイズ :1( 台 / パケット ) ドライバーの経路選択行動 : ロジットモデル Dial 法 + モンテカルロシミュレーション 累積台数 累積流入台数 ポイントキューだが流入可能交通量を設定し, 渋滞延長を考慮 f (x) T 累積流出台数 x t 時刻 累積交通量曲線 15
16 動的交通シミュレータの開発 2 吉祥寺 BM データ 対象エリア : 吉祥寺 三鷹エリア ( 約 2km 1km) 対象時間帯 : 約 2 時間 ( 平成 8 年 1 月 3 日 ( 水 ) 7:5~1:) ネットワーク :138リンク 57ノード ( セントロイド数 27 観測リンク数 7) 真の OD 交通量 (1 分間隔 ) 観測リンク交通量 (1 分間隔 ) 16 相関係数 :.82 RMS 誤差 :15.1( 台 ) 再現リンク交通量 (veh/1min.) 観測リンク交通量 (veh/1min.) 16
17 速度情報からの交通量推定手法の開発 4 リンク交通量の推定精度 - 第 1 手法 - プローブ推定リンク交通量 (veh/1min.) R=.575 RMSE= 3.5( 台 ) 再現リンク交通量 (veh/1min.) 2 車線 4 車線 プローブ推定リンク交通量 (veh/1min.) サンプル 1~ サンプル 1~ サンプル 2~ サンプル 3~ 再現リンク交通量 (veh/1min.) 5 で除した値が概ねサンプル数 サンプル数が大きいほど推定リンク交通量は 45 度線に近づく傾向 サンプル数で推定精度をある程度表現可能 17
18 速度情報からの交通量推定手法の開発 5 リンク交通量の推定精度 - 第 2 手法 - プローブ推定リンク交通量 (veh/1min.) R=.486 RMSE= 34.8( 台 ) 再現リンク交通量 (veh/1min.) 2 車線 4 車線 プローブ推定リンク交通量 (veh/1min.) 標準偏差 ~ 標準偏差 2~ 再現リンク交通量 (veh/1min.) 5 で除した値が概ねサンプル数 サンプル数 : 少ない ばらつき : 大きい 標準偏差が大きい推定リンク交通量ほど 45 度線から離れる傾向 標準偏差で推定精度をある程度表現可能 18
19 速度情報からの交通量推定手法の開発 6 リンク交通量の推定精度 - 第 3 手法 - プローブ推定リンク交通量 (veh/1min.) R=.57 RMSE= 31.8( 台 ) 再現リンク交通量 (veh/1min.) 2 車線 4 車線 プローブ推定リンク交通量 (veh/1min.) 標準偏差 ~ 標準偏差 2~ 再現リンク交通量 (veh/1min.) 5 で除した値が概ねサンプル数 サンプル数 : 少ない ばらつき : 大きい 標準偏差が大きい推定リンク交通量ほど 45 度線から離れる傾向 標準偏差で推定精度をある程度表現可能 19
20 真 OD 交通量との相関係数 プローブカーデータを用いた動的 OD 交通量の推定 2 動的 OD 交通量の推定結果 -OD 交通量 手法 case1 case2 case3 case4 case5 case6 観測リンク交通量の重み付け case1 第 1 手法なし case2 第 1 手法通過台数 case3 第 2 手法なし case4 第 2 手法 1/ 標準偏差 case5 第 3 手法なし case6 第 3 手法 1/ 標準偏差 case1: 最も相関が良い 標準偏差で重み付けを行う方が精度が良い 通過台数は重み付けの方法が適切でない 標準偏差で重み付けしたケースで比較すると第 3 手法の精度が良い 2
21 再現リンク交通量との相関係数 プローブカーデータを用いた動的 OD 交通量の推定 3 動的 OD 交通量の推定結果 - リンク交通量 手法 case1 case2 case3 case4 case5 case6 観測リンク交通量の重み付け case1 第 1 手法なし case2 第 1 手法通過台数 case3 第 2 手法なし case4 第 2 手法 1/ 標準偏差 case5 第 3 手法なし case6 第 3 手法 1/ 標準偏差 case6: 最も相関が良い 標準偏差で重み付けを行う方が精度が良い 通過台数は重み付けの方法が適切でない 標準偏差で重み付けしたケースで比較すると第 3 手法の精度が良い 21
22 結論と今後の課題 結論 プローブカーから旅行時間情報を取得し,OD 交通量を推定する手法を開発 ベイズの定理を用いてプローブカーから取得されるデータの信頼性を考慮すると, その信頼性を考慮しない場合より高い現況再現性が得られる 今後の課題 より理論的な整合性の高いエントロピー最大化法への適用 大規模ネットワークに適用しプローブカーデータを利用した動的な OD 交通量推定の検証 22
23 23 拡張型エントロピー最大化法 (Willumsen, 1984) 総 OD 交通量は一定 変動需要型の式に出来る? 全ての車両の選択確率は同じ 個人間異質性を考慮できる? リンク交通量の信頼性を表す r をリンク別にできる? 第 2 項を平均リンク交通量が v の時, プローブカーの個々のリンク所要時間が観測される確率を表す式で置き換えられる? ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) r h v h a h a a a h a a h q w h w h r w r w w h r w a r w r r h v h v h v v h q h q h q q P =,,,,,, ˆ ˆ!! ˆ ˆ!!
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目次 参考文献安達著 : 通信システム工学, 朝倉書店,7 年. ディジタル変調. ディジタル伝送系モデル 3. 符号判定誤り確率 4. 元対称通信路 安達 : コミュニケーション符号理論 安達 : コミュニケーション符号理論 変調とは?. ディジタル変調 基底帯域 ( ベースバンド ) 伝送の信号波形は零周波数付近のスペクトルを持っている. しかし, 現実の大部分の通信路は零周波数付近を殆ど伝送することができない帯域通信路とみなされる.
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平成 24 年度 SCOPE 研究発表会平成 24 年 7 月 13 日 TKP 天神シティセンター 中都市圏におけるマルチエレメント GA を用いた交通制御の研究開発 (102310001) 熊本大学大学院内村圭一熊本大学大学院上瀧剛 ( 株 ) ネットワーク応用技術研究所石垣信一 ( 株 ) ネットワーク応用技術研究所杉谷浩 1 研究目的 車両の円滑な運行によって観光や商業を盛んにし 地域に経済的な効用をもたらすことを目的
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遠地 波の変位波形の作成 遠地 波の変位波形 ( 変位の時間関数 ) は 波線理論をもとに U () t S() t E() t () t で近似的に計算できる は畳み込み積分 (convolution) を表す ( 付録 参照 ) ここで St () は地震の断層運動によって決まる時間関数 1 E() t は地下構造によって生じる種々の波の到着を与える時間関数 ( ここでは 直達 波とともに 震源そばの地表での反射波や変換波を与える時間関数
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第 6 回基礎ゼミ資料 Practice NL&MXL from R 平成 30 年 5 月 18 日 ( 金 ) 朝倉研究室修士 1 年小池卓武 使用データ 1 ~ 横浜プローブパーソンデータ ~ 主なデータの中身 トリップ ID 目的 出発, 到着時刻 総所要時間 移動距離 交通機関別の時間, 距離 アクセス, イグレス時間, 距離 費用 代表交通手段 代替手段生成可否 性別, 年齢等の個人属性
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