<4D F736F F F696E74202D208D758B C381458EFC8E598AFA B8CDD8AB B83685D>

Size: px
Start display at page:

Download "<4D F736F F F696E74202D208D758B C381458EFC8E598AFA B8CDD8AB B83685D>"

Transcription

1 周産期病とその予防 1 京都大学大学院農学研究科 久米新一

2 周産期病の発生要因は? 動物は分娩時にさまざまなリスクが発生するが 体内代謝などを適応させてリスクを回避するしくみがある 高泌乳牛では遺伝的能力が向上したため 分娩時のリスクが高まっている (NEFA 増加 低 Ca 血症など ) 不適切な栄養管理などが加わると代謝機能が阻害され 周産期病が多発する

3 周産期病の予防は? 周産期病の発生にはさまざまな要因が複雑に関与している 高泌乳牛の体内代謝を正常化する栄養管理を実践し 周産期病を予防する 周産期病の予防 ( 優先順位 ): エネルギー不足と低 Ca 血症を改善することが重要

4 分娩前後の DMI 減少 ビタミン 微量ミネラル 抗酸化物質の不足 高 DCAD 低 Mg 飼料 免疫能低下 低 Ca 血症筋収縮減退 負のエネルギー タンハ ク質バランス NEFA 増加 跛行 ケトーシス 脂肪肝 乳房炎 ルーメン胎盤停滞アシドーシス 子宮炎 周産期病の発生要因 飼料中有効繊維の不足 乳熱第四胃変位 Goff(2006)

5 乳牛の除籍理由 ( 牛群検定成績 : 平成 22 年 ) % 北海道都府県 5 0 乳用売却低能力繁殖障害 疾病 乳器障害 死亡 北海道 都府県 肢蹄故障 消化器病 起立不能 乳房炎

6 乳量 (kg) 図 乳量増加と乳牛の生体機能 ( 牛群検定 : 北海道 ( ) と都府県 ( )) 年 乳牛 : 摂取した栄養素を乳生産に優先的に利用する 乳牛の乳量が急増したが 遺伝子 細胞 組織 器官の何が変わったか?( 体内代謝が活発になり 酸素消費量 血流量が増加 ) 動物の細胞 ( 約 60 兆 ) は 1 年で 90% % 以上入れ替わるが 生体機能に変化は生じるか? 後継牛の遺伝的能力は母牛より高い ( 栄養管理の改善が常に必要 )

7 図 分娩直後の乳牛の特徴 : 乳量の急増 乾物摂取量 (kg/ 日 ) 体重 (kg) と不十分な乾物摂取量による栄養不足 分娩前後 ( 日 ) 分娩前後 ( 日 ) 乳量 (kg/ 日 ) 血漿中遊離脂肪酸 (meq/l) 分娩後 ( 日 ) 分娩前後 ( 日 )

8 移行期 ( 周産期 ) の栄養管理の重要性 -- 乳牛の栄養管理のFinal Frontier 移行期 (Transition Period) とは分娩前 3 週間と分娩後 3 週間の期間 : 栄養管理の最も難しい時期 (1995 年の J.Animal Science の 3 編の論文を契機 ) 移行期の栄養管理が不十分だと -- 代謝障害の増加 乳生産 繁殖成績の低下

9 高泌乳牛の代謝特性と周産期病 体内代謝の急激な変動 : リスク要因 栄養管理などの不備 : 周産期病の増加 周産期の免疫機能の低下

10 表, 分娩 1 週間前 (3 日間 ) と分娩 2 ー 4 日後 (3 日間 ) の乾物摂取量 (n=4) 分娩前ク ラスアルファルファ 分娩後ク ラスアルファルファ 体重, kg 増体, kg/ 日 DMI,kg/ 日 乳量, kg/ 日 乾物消化率, % CP 消化率,% N 蓄積量, g/ 日 分娩直後 : 消化率は高いが DMI が極度に少ない

11 エネルギー摂取 ( 炭水化物 脂肪 蛋白質 ) 糞 (VFA) エネルギー基質 +O 2 肺 O 2 CO 2 CO 2 +H 2 O+N 化合物 尿 糞 乳成分 貯蔵 ( グリコーゲン 体脂肪 アミノ酸 ) 61 ATP :39 ( エネルギー源 ) 体内代謝 ( 乳生産 ) 図 分娩直後の乳牛のエネルギー代謝 熱

12 乳牛のエネルギー利用 ルーメン粘膜肝臓末梢血末梢組織 酢酸 酢酸 プロピオン酸糖新生ク ルコースク ルコース 酪酸 β- ヒト ロ β- ヒト ロ オキシ酪酸 オキシ酪酸 酢酸の 78% は骨格筋 心筋 乳腺などで消費 ( 末梢血 VFA の 95% は酢酸 : エネルギー源 ) 分娩前後には筋肉のアミノ酸などから 糖新生でグルコースを産生することが必要になる ( タンパク質をエネルギーとして使いたくない )

13 図 乳牛の乳量と乳糖の関係 ( グルコースの必要性 ) 乳量 (k g / 日 ) 乳成分 (%) 脂肪率蛋白質乳糖 泌乳期 ( 月 ) 泌乳期 ( 月 ) 乳量増加は乳糖 ( グルコース ) の増加が重要 : 浸透圧の関係 ( 乳糖が多いと乳腺に水の移行が増加する )

14 ケトーシス 脂肪肝の発生 ケトーシス : 分娩直後の体脂肪の大量動員により血中遊離脂肪酸が急増して脂肪酸代謝障害が生じると, 体内にアセト酢酸などのケトン体が増加し, 痙攣, 麻痺などの脳 神経障害を起こす ( 糖質不足 : 血漿ク ルコースの低下 ) 脂肪肝 : 肝臓に大量に動員された脂肪を処理できなくなると大量のケトン体の生成による重度の中毒症状と肝機能の減退を示す 分娩直後 ~10 日頃までのエネルギー代謝異常 ( 不足 ) によるケトーシス 脂肪肝が問題 (1980 年代 : 分娩 2~4 週後に多発 )

15 図 初乳中への免疫 栄養成分の分泌 -- 子牛の健康維持と乳房炎の予防 乳成成分 (%) タンパク質脂肪乳糖 乳成分 (mg/dl mg/dl) Ca P K 分娩後 ( 日 ) 分娩後 ( 日 ) 初乳量の急増による乳中への栄養素の多量分泌が周産期病の一因になる : カルシウムとリン

16 飼料 乳牛の分娩直後の Ca 出納 (g/ 日 ) 腸 細胞外液 Ca 貯蔵量 (8-10g) 血漿中 Ca 貯蔵量 ( g) 骨 (Ca の 99%) 糞 尿 ( g) 乳 (20-30g) 胎児 (0) 初乳中への急激な Ca 分泌量への対応が遅れる

17 表, 分娩 1 週間前 (3 日間 ) と分娩 2 ー 4 日 後 (3 日間 ) のミネラル出納 (n=4) 分娩前分娩後ク ラスアルファルファク ラスアルファルファ DCAD, meq/kg 尿量, kg/ 日 尿中 ph Ca 摂取量,g/ 日 蓄積量 K 摂取量,g/ 日 蓄積量 分娩直後はミネラルの蓄積もマイナスになる

18 NRC2001 の乳熱発生要因 1)K あるいは Na 過剰摂取による代謝性アルカローシス 副甲状腺ホルモン (PTH) 受容体の機能低下 活性型ヒ タミン D 低下による Ca 吸収量減少 骨吸収減少 2) 妊娠牛の低 Mg 血症 PTH 分泌量減少と PTH 受容体の機能低下

19 表 飼料のミネラル含量 ( 乾物当たり %) と イオンバランス (DCAD) Na K Cl S DCAD 配合飼料 大豆粕 イタリアンライク ラス アルファルファ オーチャート ク ラス コーンサイレーシ 注 )DCAD=((Na/23.0+K/39.1)-(Cl/35.5+S/16.0)) 10,000( ミリ当量 /kg) わが国では牧草のカリウム含量が非常に高い

20 図 ク ラス区 ( ) アルファルファ - 正常 ( ) アルファファ - 乳熱 ( ) の血液成分 血漿中 Ca (mg/dl) 分娩前後 ( 日 ) 血漿中 PT TH (pg/ml) 分娩前後 ( 日 ) アルファルファ給与による乳熱発生 :K 含量の高いこと (3.4%) が一因である

21 図 DCAD((Na+K)-(Cl+0.6S)) 給与 による乾物摂取量の減少 ( 人為的 ) (Charbonneau ら 2006)

22 乳牛の妊娠期間の血漿 乳中エストロゲンの上昇 ( 乳腺の発達などに必須 )(Pape- Zembito ら 2008) 分娩前のDMI の減少と免疫機能の低下 : 妊娠末期の血漿中エストロン (E1) とエストラジオール (E2) の上昇が影響する

23 骨粗鬆症とエストロゲン ( 閉経後 ) エストロゲン受容体 : 骨芽細胞と破骨細胞 卵巣機能低下によるエストロゲン不足 ( エストロゲンは骨のCa の保持に重要 ) 骨吸収が増加して 骨から Ca が損失する ー乳牛の分娩前の高エストロゲンは骨 吸収を抑制する

24 乳腺と免疫機能 乳牛の分娩前後は免疫能が低下する 1) 乳腺には栄養素が豊富に含まれていること 2) 泌乳開始で乳頭口が開くことなどにより 有害病原菌が乳房に侵入しやすい 乳腺の分娩前後の免疫機能 1) 子牛の受動免疫を高めるために免疫成分 (IgG IgA など ) を乳腺で多量生成 2) 乳線の免疫成分の生成が高まることは 乳腺への細菌感染 ( 乳房炎 ) も予防する

25 表 牛とヒトの血清 乳の免疫ク ロフ リン濃度 初乳常乳血清 ウシ IgG IgG IgA IgM ヒト IgG IgA IgM (mg/ml) (Weeler 2007) 牛は妊娠中に胎盤を介して IgG が子牛に移行しない

26 周産期病発生のリスク要因 1. 分娩前後の体内代謝 内分泌機能の急激な変動 ( 乳生産の増加が影響 ) -- 代謝障害 繁殖障害の増加 2. 分娩前後の免疫機能の低下 -- 病原菌の体内侵入による乳房炎などの疾病増加 ( 乳腺に IgG が多いことは細菌感染から乳腺を保護している ) 高泌乳牛は分娩に伴うリスクが高く 精密な栄養管理による周産期病の予防が必要

27 移行期の課題と飼料給与 栄養管理の改善が乳量増加に追いつかない 粗飼料( イネ科 ) の品質が改善されない 1) 分娩直後の乾物摂取量の早期増加を図る 2) 飼料から栄養素を過不足なく摂取する 3) ルーメン環境の適正維持と絨毛の発達促進 良質粗飼料を活用して TMRで給与する 分娩前の濃厚飼料の給与比率を3 割程度 移行期はほぼ同じ粗飼料構成にする

28 栄養管理による周産期病の予防 周産期病が予防できると 酪農家の収益が増加する : 周産期病が発生すると 治療の経費 乳量減少 淘汰などによる減収が大きい 生理機能に基づいた栄養管理の改善 乾物摂取量と飲水量の増加による栄養生理機能の改善

29 動物の恒常性と適応 1) 動物の恒常性維持機能 : 動物は常に変動する体外からの情報を受け取り それに適切に対応しながら 体内の生理機能を常に一定の範囲内に維持して 健康を保っている 2) 適応の重要性 : 外部環境あるいは体内の変化に対して 神経系 内分泌系 免疫系などの機能を高めて 体内の変化を最小限にする

30 図 環境の変化に対する動物の適応 環境ー動物 -- 分娩時の生理的適応は? 環境の変化 体内平衡の乱れ センサー 神経系など 体内の変化 体内平衡の回復 体内代謝の反応 中枢神経系神経 内分泌 免疫系 適応栄養素

31 図 アルファルファ区 ( ) とク ラス区 ( ) の血漿中 Ca 濃度と副甲状腺ホルモン (PTH) 血漿中 Ca(mg/dl) Alfalfa Grass H(pg/ml) 血漿中 PT Alfalfa Grass 分娩前後 ( 日 ) 分娩前後 ( 日 ) 乳牛は分娩前後の生理的危機を常に正常化するように機能する ( 栄養管理はそれを助けることが重要 )

32 良質粗飼料を活用した エネルギー代謝の改善 良質粗飼料は消化率が高く 乾物摂取量が増加する 高泌乳牛は飼料の利用効率 ( 吸収率 代謝率 ) が向上 -- 乳量増加につながる

33 給与飼料 ( サイレージ ) の成分含量 (DM%) : トウモロコシサイレーシ は大豆粕を添加 イネ科牧草アルファルファトウモロコシ CP NDF ADF NDICP ADICP ADL EE Ash

34 図 サイレージの TDN と飼料中 ADF ADL 含量の関係 TD (% %) y = -0.76x R² = 0.57 TD (% %) y = -2.61x R² = ADL(%) ADF(%) 良質粗飼料は TDN が高い (70% 以上 )

35 図 乾乳牛と泌乳牛 ( 粗濃比 :60:40 乳量 : 30.1kg) のエネルギー代謝 (HP; 熱発生量 ) エネルギー (M MJ/ 日 ) 蓄積 HP メタン 300 尿糞 (MJ/ 日 ) エネルギー ( 蓄積乳 HP メタン尿糞 0 0 オーチャート ク ラスアルファルファコーン泌乳牛 TDN(%) 代謝率 (%) HP(MJ/ 日 )

36 図 アルファルファ給与区 ( ;n=4) とコーン + アルファルファ給与区 ( ;n=4) の乾物摂取量と乳量 乾物摂摂取量 (kg/ 日 ) 乳量 (kg/ 日 ) 分娩前後 ( 日 ) 分娩前後 ( 日 ) 高泌乳牛 : 分娩直後の乳量の急増が特徴

37 図 アルファルファ給与区 ( :n=4) とコーン + アルファルファ給与区 ( :n=4) の血液成分 血漿グルココース (mg/dl) 分娩前後 ( 日 ) 血漿 NEFA (meq/l) 分娩後の血漿中遊離脂肪酸の急増とその後の回復 分娩前後 ( 日 )

38 周産期の乳牛の飼養管理 : グラス区は遺伝的能力を満たしていない飼い方 DMI (kg/ 日 ) 分娩後 ( 週 ) 乳量 (kg/ 日 ) 分娩後 ( 週 ) 図 アルファルファ給与区 ( ;n=7) グラス給与区 ( ;n=6) コーン + アルファルファ給与区 ( ;n=4) の乾物摂取量と乳量分娩後の粗濃比 : 50:50( グラス アルファルファ ) 60:40( コーン ). 分娩前の粗濃比 :70:30( 各給与区とも )

39 泌乳牛の体重と DMI/ 体重 : 目標 : 泌乳前期の DMI/ 体重を 4% 以上 体重 (kg kg) DMI/ 体重 (%) 分娩前後 ( 週 ) 分娩前後 ( 週 ) 図 グラス給与区 ( ) アルファルファ給与区 ( ) コーン + アルファルファ給与区 ( )

40 アルファルファとグラスサイレージ給与牛の乾物摂取量と反芻胃内滞留時間の関係 ( 上田ら 2004) OG AL 反芻胃内滞留留時間 (h) サイレージ大飼料片小飼料片 乾物摂取量 (kg/day) アルファルファは消化管通過速度が速い :DMI が多いサイレージ ( 約 2cm), 大飼料片 (5mm), 小飼料片 (1mm)

41 T D N 充足率 ( % ) 泌乳牛のエネルギーとタンパク質 の充足率 ( 日本飼養標準 ) 分娩後 ( 週 ) C P 充足率 ( % ) 図 アルファルファ給与区 ( ;n=7) グラス給与区 ( ;n=6) コーン + アルファルファ給与区 ( ;n=4) の TDN と CP 充足率 分娩後 ( 週 ) グラス給与区では乳量が少なく TDN の充足率も低い : 周産期の栄養管理でもっとも問題の多い飼養法

42 泌乳牛の Ca と P の充足率 ( 日本飼養標準 ) C a 充足率 (% ) 分娩後 ( 週 ) P 充足率 (% ) 分娩後 ( 週 ) 図 アルファルファ区 ( ;n=7) グラス区 ( ;n=6) コーン + アルファルファ区 ( ;n=4) の TDN と CP 充足率 ミネラルでは P の充足率が低い

43 表, アルファルファ給与牛の 繁殖成績 ( 山田ら ) ク ラス区アルファルファ区 例数 初回排卵 日 35±18 37±19 受胎までの日数 94±33 102±30 受精回数 回 1.4± ±0.9 受胎頭数 13/14 12/13

44 図 乾乳牛と泌乳牛 ( 乳量 :29.5kg) の水摂取量と水損失量 日 ) 乳尿糞 日 ) 代謝水代謝水代謝水代謝水飼料水飼料水飼料水飼料水飲料水飲料水飲料水飲料水 乾乳牛乾乳牛乾乳牛乾乳牛泌乳牛泌乳牛泌乳牛泌乳牛水損失水損失水損失水損失 (kg/ (kg/ (kg/ (kg/ 日糞蒸発蒸発蒸発蒸発 乾乳牛乾乳牛乾乳牛乾乳牛泌乳牛泌乳牛泌乳牛泌乳牛水摂取水摂取水摂取水摂取 (kg/ (kg/ (kg/ (kg/ 日乳牛は分娩直後に大量の飲料水を必要とする

45 表 乾物摂取量 (DMI) 水摂取量 (TWI) と 飲水量 (DWI) の比較 (kg/ 日 ) 乾乳牛泌乳牛泌乳牛 / 乾乳牛 DMI TWI DWI 分娩前と比較して 泌乳牛では乾物摂取 量の増加率よりも飲水量の増加率が高 い : 水が飲めないと代謝異常になる

46 ミネラル栄養の改善による 乳熱の予防 カリウム摂取量の低減による乳熱予防 イオンバランスによる乳熱予防

47 NRC2001 の乳熱予防法 1) 飼料中のKあるいはNaの低減 飼料配合 コーンサイレーシ 利用によるK 低減 2) 陰イオン塩の給与 (Na+K)-(Cl+S) の式で0ミリ当量 /kg 程度 3)Mg 剤の給与 分娩前の飼料中 Mg 含量 : % 4)CaとPの給与 適正なCa 給与量は未定 P 給与量は40-50g ( 分娩前のDMIが増加したため Caの低減はほとんど不可能 )

48 図 アルファルファ給与区 ( ) とコーン + アルファルファ給与区 ( ) の血漿 Ca と Pi 濃度 11 (mg/dl) 血漿中 Ca 血漿 Pi (mg/dl) 分娩前後 ( 日 ) 分娩前後 ( 日 ) 血漿 Ca と Pi 濃度を正常に維持して 乳熱を予防する

49 図 アルファルファ給与区 ( ) とコーン + アルファルファ給与区 ( ) の血漿 PTH と活性型ビタミン D 濃度 血漿中 PTH (pg/ml) 血漿 1,25( (OH)2D (pg/ml) 分娩前後 ( 日 ) 分娩前後 ( 日 ) 血漿中副甲状腺ホルモンと活性型ビタミン D は分娩直後に急増して 乳熱を予防する

50 乳牛の分娩前後の Ca 代謝 ( 乳熱予防に対する適応反応 ) 副甲状腺ホルモン分泌 腎臓 :Ca 再吸収 (PTH) 活性型 VD 分泌 骨吸収の増加小腸のCa 吸収増加 (PTH 受容体 ) ( ビタミンD 受容体 ) 分娩時における Ca 代謝の正常化

51 表 乳牛のCa K 摂取量と乳熱発生 低 Ca 血症 (7.5mg/dl 以下 ) の関係 (Goff,1997) 飼料中 K 1.1% 2.1% 3.1% Caの影響 Ca, 0.5%( 発生頭数 / 供試頭数 ) 乳熱発生 0/10 4/11 8/10 12/31 低 Ca 血症 9/10 11/11 10/10 30/31 Ca, 1.5% 乳熱発生 2/10 6/9 3/13 11/32 低 Ca 血症 9/10 9/9 12/13 30/32 Kの影響 (K 含量が2.1% 以上で乳熱増加 ) 乳熱発生 2/20 10/20 11/23 低 Ca 血症 18/20 20/20 22/23

52 図 乳牛のカリウム摂取量と尿量の関係 400 乳尿糞 30 y = x R² = K 出納 (g/ 日 ) 蓄積 尿量 (k kg/ 日 ) 乾乳牛 泌乳牛 尿中 K 排泄量 (g/ 日 ) カリウム排泄のために大量の飲料水が必要になる : 水が不足するとカリウムを排泄できない

53 表. 乾乳牛の K 出納 牧草牧草 + トウモロコシ トウモロコシ (n=24) (n=4) (n=6) DMI kg/ 日 7.9a b 水摂取量 kg/ 日 34.0a 24.8b 18.1b 尿量 kg/ 日 13.7a b 飼料中 K % 2.7a 1.8b 1.3b K 摂取量 g/ 日 210a 132b 86b K 尿中排泄量 165a b K 蓄積量 a,b P<0.05

54 (Charbonneau ら 2006) 図 DCAD(5 種類の式 ) 給与と乳熱の関係

55 移行期の栄養管理のポイント 1. 分娩後の乾物摂取量を早期に高め て エネルギーや栄養素の充足を早め るための精密な栄養管理 ( 飼料設計 ) 2. 乳牛の健康を維持し 分娩前後の代 謝障害 繁殖障害を減らすための適切 な栄養管理 ( イオンバランスなど ) 高品質粗飼料を活用した乳量増加 疾 病予防 繁殖成績改善

スライド タイトルなし

スライド タイトルなし 高泌乳牛の移行期の栄養管理 と周産期病の予防 1 京都大学大学院農学研究科 久米新一 移行期の栄養管理の重要性 -- 乳牛の栄養管理の Final Frontier 移行期 (Transition Period) とは 分娩前 3 週間と分娩後 3 週間の期間 : 栄養管理の最も難しい時期 (1995 年の J.Animal Science の 3 編の論文を契機 ) 移行期の栄養管理が不十分だと

More information

スライド タイトルなし

スライド タイトルなし 高泌乳牛の移行期の栄養管理 と周産期病の予防 2 京都大学大学院農学研究科 久米新一 動物の恒常性と適応 1) 動物の恒常性維持機能 : 動物は常に変動する体外からの情報を受け取り それに適切に対応しながら 体内の生理機能を常に一定の範囲内に維持して 健康を保っている 2) 適応の重要性 : 外部環境あるいは体内の変化に対して 神経系 内分泌系 免疫系などの機能を高めて 体内の変化を最小限にする 図

More information

スライド タイトルなし

スライド タイトルなし 牧場実習 2012 ( 生体機構学 ) 京都大学大学院農学研究科 久米新一 牛の体温 牛では温度が変化しにくい深部温 ( 直腸温 ) を利用 ( 皮膚温は変わりやすい ) 体温は熱発生量と熱放散量の関係 体温は変動要因 ( 個体差 環境温度 飼料 日内変動など ) が多いが 健康状態を反映 簡易な分娩予知法 : 分娩前の体温の低下 (0.5 程度 ) を利用 ( 発情時には上昇 ) マイクロロボットで膣温が測定できないか

More information

報告書

報告書 高泌乳牛の周産期病の発生要因と栄養管理によるその予防久米新一 ( 京都大学大学院農学研究科 ) 1. はじめに乳牛の周産期病は従来から日常的に発生している疾病であるが, 高泌乳牛では分娩前後にケトーシス, 脂肪肝, 乳熱などの周産期病が多発するため, 高泌乳牛の飼養管理では周産期病の予防が重要なテーマとなっている 特に, 高泌乳牛が周産期病にかかると治療に要する経費やその後の乳量低下だけでなく, 最悪の場合には淘汰が必要になり,

More information

報告書

報告書 高泌乳牛の移行期の特徴と移行期におけるミネラル代謝の改善久米新一 ( 京都大学大学院農学研究科 ) 1. はじめに近年, 乳牛の生産性向上は非常に著しく, わが国では牛群の個体乳量が急激に増加している それと同時に, メガファームにみられるような酪農家の規模拡大が急速に進んでいることも最近の大きな特徴である このような状況下で, 現在, わが国の乳牛の飼養管理における最大の問題点は分娩前後における疾病

More information

<4D F736F F F696E74202D2093FB97708B8D82C982A882AF82E994C AC90D18CFC8FE382CC82BD82DF82CC8E94977B8AC7979D2E >

<4D F736F F F696E74202D2093FB97708B8D82C982A882AF82E994C AC90D18CFC8FE382CC82BD82DF82CC8E94977B8AC7979D2E > 乳用牛ベストパフォーマンス実現セミナー 乳用牛における繁殖成績向上のための飼養管理 濃厚飼料の急激な増給や粗飼料の品質低下が繁殖成績を悪化させている 帯広畜産大学畜産フィールド科学センター木田克弥 年間乳量 (kg/ 頭 ) 年間乳量と分娩間隔の推移 ( 北海道 ) 95 9 85 8 年間乳量分娩間隔 75 7 1989 1992 1995 1998 21 24 27 21 213 45 44 43

More information

研究の中間報告

研究の中間報告 免疫とビタミン 京都大学大学院農学研究科 久米新一 移行期の栄養管理のポイント 1. 分娩後の乾物摂取量を早期に高めて エネルギーや栄養素の充足を早めるための精密な栄養管理 ( 飼料設計 ) 2. 乳牛の健康を維持し 分娩前後の代謝障害 繁殖障害を減らすための適切な栄養管理 ( イオンバランス 抗酸化作用など ) 高品質粗飼料を活用した乳量増加 疾 病予防 繁殖成績改善 乳腺と免疫機能 乳牛の分娩前後は免疫能が低下する

More information

ふくしまからはじめよう 農業技術情報 ( 第 39 号 ) 平成 25 年 4 月 22 日 カリウム濃度の高い牧草の利用技術 1 牧草のカリウム含量の変化について 2 乳用牛の飼養管理について 3 肉用牛の飼養管理について 福島県農林水産部 牧草の放射性セシウムの吸収抑制対策として 早春および刈取

ふくしまからはじめよう 農業技術情報 ( 第 39 号 ) 平成 25 年 4 月 22 日 カリウム濃度の高い牧草の利用技術 1 牧草のカリウム含量の変化について 2 乳用牛の飼養管理について 3 肉用牛の飼養管理について 福島県農林水産部 牧草の放射性セシウムの吸収抑制対策として 早春および刈取 ふくしまからはじめよう 農業技術情報 ( 第 39 号 ) 平成 25 年 4 月 22 日 カリウム濃度の高い牧草の利用技術 1 牧草のカリウム含量の変化について 2 乳用牛の飼養管理について 3 肉用牛の飼養管理について 福島県農林水産部 牧草の放射性セシウムの吸収抑制対策として 早春および刈取り後のカリ肥料の増肥を行うことの効果について 平成 25 年 2 月 8 日に ふくしまからはじめよう

More information

(2) 牛群として利活用 MUNを利用することで 牛群全体の飼料設計を検討することができます ( 図 2) 上述したようにMUN は 乳蛋白質率と大きな関係があるため 一般に乳蛋白質率とあわせて利用します ただし MUNは地域の粗飼料基盤によって大きく変化します 例えば グラスサイレージとトウモコシ

(2) 牛群として利活用 MUNを利用することで 牛群全体の飼料設計を検討することができます ( 図 2) 上述したようにMUN は 乳蛋白質率と大きな関係があるため 一般に乳蛋白質率とあわせて利用します ただし MUNは地域の粗飼料基盤によって大きく変化します 例えば グラスサイレージとトウモコシ 解説 新しい牛群検定成績表について ( その 16) ー乳牛の健康管理について 2 ー (MUN P/F 比 周産期病 ) 電子計算センター電算課長相原光夫 乳牛の健康管理は 本誌 No.128(2011.5.25) において乳脂率と蛋白質率を取り上げました 今回は その続編としてMUN P / F 比などによる健康管理をとりあげたいと思います とりわけMUNは独立行政法人農畜産業振興機構の本年度の牛群検定システム高度化支援事業において

More information

報告書

報告書 高泌乳牛の代謝特性と暑熱ストレスの影響久米新一 ( 京都大学大学院農学研究科 ) 1. はじめにわが国では乳牛の遺伝的能力の改良と飼養管理の改善により, 乳牛の乳量と乳成分が急速に向上し, 現在では多くの酪農家で 1 万 kg 以上の高泌乳牛が飼養されている 高泌乳牛の特徴は, 遺伝子 細胞 組織 器官などを含めて体内代謝にさまざまな改善が図られ, 摂取した栄養素を乳生産に効率的 優先的に利用していることといえる

More information

(1) 乳脂肪と乳糖の生成反芻動物である乳牛にとって最も重要なのはしっかりしたルーメンマットを形成することです そのためには 粗飼料 ( 繊維 ) を充分に与えることが重要です また 充分なルーメンマットが形成され微生物が活発に活躍するには 充分な濃厚飼料 ( でんぷん 糖 ) によりエネルギーを微

(1) 乳脂肪と乳糖の生成反芻動物である乳牛にとって最も重要なのはしっかりしたルーメンマットを形成することです そのためには 粗飼料 ( 繊維 ) を充分に与えることが重要です また 充分なルーメンマットが形成され微生物が活発に活躍するには 充分な濃厚飼料 ( でんぷん 糖 ) によりエネルギーを微 解説 新しい牛群検定成績表について ( その 14) 乳牛の健康管理について 1 ( 乳脂肪率と蛋白質率 ) 電子計算センター電算課長相原光夫 牛群検定の機能には 1) 飼養 ( 健康 ) 管理 2) 繁殖管理 3) 乳質 衛生管理 4) 遺伝的改良の 4 つの機能 があります 今回は 飼養 ( 健康 ) 管理を 検定日の乳成分から読みとく方法を紹介します 健康と乳成分と聞 くと一見なんの関係もないように感じられる方もいると思います

More information

< F31312D93FB8B8D82CC95AA95D8914F8CE382CC8E94977B8AC7979D>

< F31312D93FB8B8D82CC95AA95D8914F8CE382CC8E94977B8AC7979D> 乳牛の分娩前後分娩前後の飼養管理技術飼養管理技術マニュアル ( 乳牛の分娩前後分娩前後の栄養管理技術栄養管理技術の確立試験 ) 畜産試験場飼養管理研究 G 近年 乳牛は泌乳能力が著しく向上し 特に分娩前後に疾病 事故が多く 乳量や繁殖成 績等を低下させ 酪農経営に大きな損失を与えています 分娩前後の代謝障害や繁殖障害は 乾乳期の栄養管理との関連が強く 当場で実施した 乳牛の分娩前後の栄養管理技術の確立

More information

スライド 1

スライド 1 1. 血液の中に存在する脂質 脂質異常症で重要となる物質トリグリセリド ( 中性脂肪 :TG) 動脈硬化に深く関与する 脂質の種類 トリグリセリド :TG ( 中性脂肪 ) リン脂質 遊離脂肪酸 特徴 細胞の構成成分 ホルモンやビタミン 胆汁酸の原料 動脈硬化の原因となる 体や心臓を動かすエネルギーとして利用 皮下脂肪として貯蔵 動脈硬化の原因となる 細胞膜の構成成分 トリグリセリド ( 中性脂肪

More information

スライド タイトルなし

スライド タイトルなし 反芻動物とルーメン ( 第一胃 ) 久米新一 京都大学大学院農学研究科 帯広の酪農家 飼養頭数 :900 頭 出荷乳量 :6,000t 牧草の利用 ロールベールの調製 バンカーサイレージ トウモロコシ 牛のルーメンの特異性 エネルギー獲得の特異性無酸素によるエネルギー生成微生物による繊維の分解 利用 微生物タンパク質の合成栄養価の高いアミノ酸組成 メタン菌によるメタンの生成有害物質である水素の除去

More information

25 岡山農総セ畜研報 4: 25 ~ 29 (2014) イネ WCS を主体とした乾乳期飼料の給与が分娩前後の乳牛に与える影響 水上智秋 長尾伸一郎 Effects of feeding rice whole crop silage during the dry period which exp

25 岡山農総セ畜研報 4: 25 ~ 29 (2014) イネ WCS を主体とした乾乳期飼料の給与が分娩前後の乳牛に与える影響 水上智秋 長尾伸一郎 Effects of feeding rice whole crop silage during the dry period which exp 25 岡山農総セ畜研報 4: 25 ~ 29 (2014) イネ WCS を主体とした乾乳期飼料の給与が分娩前後の乳牛に与える影響 水上智秋 長尾伸一郎 Effects of feeding rice whole crop silage during the dry period which express on dairy cows before and after calving. Chiaki

More information

徳島県畜試研報 No.14(2015) 乾乳後期における硫酸マグネシウム添加による飼料 DCAD 調整が血液性状と乳生産に及ぼす影響 田渕雅彦 竹縄徹也 西村公寿 北田寛治 森川繁樹 笠井裕明 要 約 乳牛の分娩前後の管理は産後の生産性に影響を及ぼすとされるが, 疾病が多発しやすい時期である この時

徳島県畜試研報 No.14(2015) 乾乳後期における硫酸マグネシウム添加による飼料 DCAD 調整が血液性状と乳生産に及ぼす影響 田渕雅彦 竹縄徹也 西村公寿 北田寛治 森川繁樹 笠井裕明 要 約 乳牛の分娩前後の管理は産後の生産性に影響を及ぼすとされるが, 疾病が多発しやすい時期である この時 乾乳後期における硫酸マグネシウム添加による飼料 DCAD 調整が血液性状と乳生産に及ぼす影響 田渕雅彦 竹縄徹也 西村公寿 北田寛治 森川繁樹 笠井裕明 要 約 乳牛の分娩前後の管理は産後の生産性に影響を及ぼすとされるが, 疾病が多発しやすい時期である この時期に多発する疾病のうち低カルシウム血症は様々な疾病と関わりがあり, より簡素な予防方法が求められている 分娩後の低カルシウム血症を防ぐ方法として提唱されているのが,

More information

BUN(mg/dl) 分娩後日数 生産性の良い牛群の血液データを回収 ( 上図は血中尿素窒素の例 ) 各プロットが個々の牛のデータ BUN(mg/dl) BUN(mg/dl)

BUN(mg/dl) 分娩後日数 生産性の良い牛群の血液データを回収 ( 上図は血中尿素窒素の例 ) 各プロットが個々の牛のデータ BUN(mg/dl) BUN(mg/dl) C.MPT 検査結果の読み方血液検査値やBCS RS の検査結果が出たら 5-B の各 MPT 項目の適正範囲グラフに 得られた MPT 検査結果をプロットしていきます ( 図 5-C) 適正範囲グラフの上下限値から逸脱している項目 あるいは逸脱しそうな項目をチェックしていきます 前回の検査があれば それに比べてプロットの動きがどのように変化したかも調べます この場合は値が適正範囲内にあってもその変化の状況を把握しておきます

More information

報告書

報告書 < もとのホームページに戻るには 閲覧ソフトの戻るボタンをご利用ください > 動物をとりまく環境と私たちの生活 動物と環境にやさしい科学をめざして 京都大学大学院農学研究科 久米新一 畜産学教育協議会のシンポジウムのテーマは 畜産学における環境教育 であるが 畜産に関わる環境教育は非常に多岐にわたっている 京都大学では平成 18 年 9 月 日に日本畜産学会 関西畜産学会主催による公開講演会を開催し

More information

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 (1734) 1-3. 細胞膜について正しい記述はどれか 1 糖脂質分子が規則正しく配列している 2 イオンに対して選択的な透過性をもつ 3 タンパク質分子の二重層膜からなる 4

More information

( 図 2-A-2-1) ( 図 2-A-2-2) 18

( 図 2-A-2-1) ( 図 2-A-2-2) 18 第 2 章ルーメン ( 第 1 胃 ) について 具体的な飼養管理の改善を検討する前に基本となるル - メンについて考えます A. ルーメンを考える 1) ルーメン発酵を意識した飼養管理 牛はルーメン微生物が繊維を分解し その発酵産物をエネルギーとして利用しています ルーメン微生物の体を構成するタンパク質は牛にとって非常に良いタンパク源です 黒毛和種繁殖雌牛の場合 必要な栄養のほとんどをルーメンの発酵産物でまかなっています

More information

島根畜技セ研報 44:1~5(2016) 乳牛の低カルシウム血症予防のためのイネ発酵粗飼料における DCAD 調整手法の検討 1) 安田康明松浦真紀岩成文子 布野秀忠 要約飼料用イネのイオンバランスに着目し 無機成分および DCAD から陰イオン性について分析評価した 結果は 品種として リーフスタ

島根畜技セ研報 44:1~5(2016) 乳牛の低カルシウム血症予防のためのイネ発酵粗飼料における DCAD 調整手法の検討 1) 安田康明松浦真紀岩成文子 布野秀忠 要約飼料用イネのイオンバランスに着目し 無機成分および DCAD から陰イオン性について分析評価した 結果は 品種として リーフスタ 島根畜技セ研報 44:1~5(2016) 乳牛の低カルシウム血症予防のためのイネ発酵粗飼料における DCAD 調整手法の検討 1) 安田康明松浦真紀岩成文子 布野秀忠 要約飼料用イネのイオンバランスに着目し 無機成分および DCAD から陰イオン性について分析評価した 結果は 品種として リーフスター 収穫時期は黄熟期 ( 出穂後 30 日 ) の DCAD が最も低値となった また イネ発酵粗飼料

More information

あなたの農場に、妊娠牛は何頭いますか?

あなたの農場に、妊娠牛は何頭いますか? 乳牛の新しい栄養設計ソフト AMTS の紹介 ~ 米国 AMTS 社訪問 ~ この夏 乳牛の新しい栄養設計ソフト AMTS についての理解を深めるため アメリカ ニューヨーク州の AMTS 社を訪問してきました AMTS は日本でも馴染みの深い CPM-Dairy の後継に当たる栄養設計ソフトです 開発の背景には CPM-Dairy が今後これ以上更新されず 新しい世代の栄養設計ソフトが必要とされてきていることがあります

More information

農研機構畜産草地研究所シンポジウム|世界的なルーメンバイパスアミノ酸の利用

農研機構畜産草地研究所シンポジウム|世界的なルーメンバイパスアミノ酸の利用 世界的なルーメンバイパスアミノ酸の利用 - アミノ酸バランスを整える エボニックジャパン株式会社 蛋白質の機能 からだの組織などをつくる コラーゲン ( 骨 皮 ) ケラチン ( 毛 爪 ) アクチン ミオシン ( 筋肉 ) カゼイン アルブミン からだの働きを助ける 酵素 抗体 ( 免疫グロブリン ) ホルモン 蛋白質の構造 蛋白質とアミノ酸 アミノ酸は蛋白質を構成するブロック アミノ酸の配列によって蛋白質の形状

More information

保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用

保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用 資料 1 食品の機能性表示に関する制度 平成 25 年 4 月 4 日 消費者庁 保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用食品 保健の機能の表示ができる

More information

乳牛用の飼料給与診断ソフトウエア「DAIRY ver4.1」は乳牛の飼料給与診断・設計に

乳牛用の飼料給与診断ソフトウエア「DAIRY ver4.1」は乳牛の飼料給与診断・設計に 平成 25 年度普及に移す農業技術 ( 第 2 回 ) [ 分類 ] 普及技術 [ 成果名 ] 乳牛用の飼料給与診断ソフトウエア DAIRY ver4.1 は乳牛の飼料給与診断 設計に活用できる [ 要約 ] 新たな機能を追加した乳牛用の飼料給与診断ソフトウエア DAIRY ver4.1 は適正な飼料給与診断 設計が迅速にでき 酪農における指導手段としての有効である [ 担当 ] 農業技術課 [ 部会

More information

スライド タイトルなし

スライド タイトルなし 体温調節機構と エネルギーの利用 エネルギーの利用と評価 生命現象を正常に維持するためには エネルギーによるホメオスタシスを保つことがもっとも重要である 呼吸 : 動物の呼吸器官では 気体が環境と生物体の間で拡散し 酸素が体にはいって 二酸化炭素が体から離れる ( 細胞への酸素の移動でも拡散が重要 ) 家畜では飼料中のエネルギーを正確に評価し 生産に効率的に利用することが重要 エネルギーの代謝 異化作用

More information

相模女子大学 2017( 平成 29) 年度第 3 年次編入学試験 学力試験問題 ( 食品学分野 栄養学分野 ) 栄養科学部健康栄養学科 2016 年 7 月 2 日 ( 土 )11 時 30 分 ~13 時 00 分 注意事項 1. 監督の指示があるまで 問題用紙を開いてはいけません 2. 開始の

相模女子大学 2017( 平成 29) 年度第 3 年次編入学試験 学力試験問題 ( 食品学分野 栄養学分野 ) 栄養科学部健康栄養学科 2016 年 7 月 2 日 ( 土 )11 時 30 分 ~13 時 00 分 注意事項 1. 監督の指示があるまで 問題用紙を開いてはいけません 2. 開始の 相模女子大学 学力試験問題 ( 食品学分野 栄養学分野 ) 2016 年 7 月 2 日 ( 土 )11 時 30 分 ~13 時 00 分 注意事項 1. 監督の指示があるまで 問題用紙を開いてはいけません 2. 開始の合図があったら 問題用紙 解答用紙の指定の箇所に受験番号 氏名を必ず記入してください 3. これは 学力試験の問題用紙です 問題の本文は 食品学分野は 2ページ (4 題 ) 栄養学分野は2ページ

More information

<4D F736F F D AA95D8914F82CC B8AC7979D8E B8B5A8CA4816A817989FC92F994C5817A2E646F63>

<4D F736F F D AA95D8914F82CC B8AC7979D8E B8B5A8CA4816A817989FC92F994C5817A2E646F63> あたらしい 農業技術 No.576 分娩前の栄養管理指標による 乳牛の生産性向上管理技術の確立 平成 24 年度 - 静岡県経済産業部 - 要旨 1 技術 情報の内容及び特徴 (1) 近年 乳牛の受胎率が著しく低下しており 酪農家の経営を圧迫しています 品種改良による生産乳量の増加に伴い 分娩後に生理的に起きるエネルギー不足が大きくなっており これが繁殖成績の低下に結びついているのではないかと考え

More information

2017 年度茨城キリスト教大学入学試験問題 生物基礎 (A 日程 ) ( 解答は解答用紙に記入すること ) Ⅰ ヒトの肝臓とその働きに関する記述である 以下の設問に答えなさい 肝臓は ( ア ) という構造単位が集まってできている器官である 肝臓に入る血管には, 酸素を 運ぶ肝動脈と栄養素を運ぶ

2017 年度茨城キリスト教大学入学試験問題 生物基礎 (A 日程 ) ( 解答は解答用紙に記入すること ) Ⅰ ヒトの肝臓とその働きに関する記述である 以下の設問に答えなさい 肝臓は ( ア ) という構造単位が集まってできている器官である 肝臓に入る血管には, 酸素を 運ぶ肝動脈と栄養素を運ぶ 207 年度茨城リスト教大学入学試験問題 生物基礎 (A 日程 ) ( 解答は解答用紙に記入すること ) Ⅰ ヒトの肝臓とその働きに関する記述である 以下の設問に答えなさい 肝臓は ( ) という構造単位が集まってできている器官である 肝臓に入る血管には, 酸素を 運ぶ肝動脈と栄養素を運ぶ ( ) の 2 つの血管系がある 肝臓はこれらの血管系から入ってくる 酸素や栄養素等を用いて, 次のような様々な化学反応を行う

More information

毎回紙と電卓で計算するより パソコンの表計算ソフトを利用して計算されることをすすめます パソコンは計算と記録が同時にできますから 経営だけでなく飼養管理や繁殖の記録にも利用できます 2) 飼料設計項目ア.DMI TDN CP NFC a.dmi( 乾物摂取量 ) 水分を除いた飼料摂取量のことです 飼

毎回紙と電卓で計算するより パソコンの表計算ソフトを利用して計算されることをすすめます パソコンは計算と記録が同時にできますから 経営だけでなく飼養管理や繁殖の記録にも利用できます 2) 飼料設計項目ア.DMI TDN CP NFC a.dmi( 乾物摂取量 ) 水分を除いた飼料摂取量のことです 飼 第 4 章繁殖雌牛の飼料設計方法と飼料給与 飼養管理の問題点を是正するには給与する飼料の飼料設計を適正に行い 決められ た給与量をきちんと給与し 牛がその給与量をきちんと摂取することが必要です A. 飼料設計方法 1) 飼料設計の基準と項目ア自場の記録 a. 日本飼養標準 肉用牛 ( 以下 飼養標準 ) 黒毛和種繁殖雌牛に飼料を給与する場合の基準となるものです 繁殖雌牛だけでなく子牛や肥育牛等に必要な栄養量が体重毎に記載されています

More information

The Journal of Farm Animal in Infectious Disease Vol.2 No NUTRITION AND METABOLISM IN CALF 総 説 子牛の栄養 代謝の特異性 久米新一 京都大学大学院農学研究科 ( 京都市左京区

The Journal of Farm Animal in Infectious Disease Vol.2 No NUTRITION AND METABOLISM IN CALF 総 説 子牛の栄養 代謝の特異性 久米新一 京都大学大学院農学研究科 ( 京都市左京区 The Journal of Farm Animal in Infectious Disease Vol.2 No.2 213 NUTRITION AND METABOLISM IN CALF 総 説 久米新一 京都大学大学院農学研究科 ( 66-852 京都市左京区北白川追分町 ) 受理 :213 年 3 月 15 日 [ はじめに ] 子牛の栄養と代謝は成牛と比較すると特異性が大きいが 子牛の栄養管理では発育の改善とともに下痢などの疾病予防が欠かせない

More information

~ 135-143~ 養賢堂. しかし, その後, 特にこの 4~5 年, 馬に関する研究 に莫大で, わが国の国家予算の 4~5% 弱に匹敵して は, およそ 20~30% 程度であり, 明らかに NRC の狙 この 4~5 年の傾向であるが, 業界最大手の生産者 ~ 重は遺伝的な限界値に近い1. 0~ 1. 4 ~12 カ月齢で 400~500 飼料としては良質粗飼に穀類 40~60%

More information

シトリン欠損症説明簡単患者用

シトリン欠損症説明簡単患者用 シトリン欠損症の治療 患者さんへの解説 2016-3-11 病因 人は 健康を維持するために食物をとり 特に炭水化物 米 パンなど 蛋白質 肉 魚 豆など 脂肪 動物脂肪 植物油など は重要な栄養素です 栄養は 身体の形 成に また身体機能を維持するエネルギーとして利用されます 図1に 食物からのエ ネルギー産生経路を示していますが いずれも最終的にはクエン酸回路を介してエネル ギー ATP を産生します

More information

学位論文要旨 牛白血病ウイルス感染牛における臨床免疫学的研究 - 細胞性免疫低下が及ぼす他の疾病発生について - C linical immunological studies on cows infected with bovine leukemia virus: Occurrence of ot

学位論文要旨 牛白血病ウイルス感染牛における臨床免疫学的研究 - 細胞性免疫低下が及ぼす他の疾病発生について - C linical immunological studies on cows infected with bovine leukemia virus: Occurrence of ot 学位論文要旨 牛白血病ウイルス感染牛における臨床免疫学的研究 - 細胞性免疫低下が及ぼす他の疾病発生について - C linical immunological studies on cows infected with bovine leukemia virus: Occurrence of other disea s e a f f e c t e d b y cellular immune depression.

More information

低カルシウム/低リン血症の成因

低カルシウム/低リン血症の成因 東京都立小児総合医療センター内分泌 代謝科宮井健太郎 49 th Meeting of Japanese Society of Pediatric Endocrinology 日本小児内分泌学会の定める利益相反に関する開示事項はありません 49 th Meeting of JSPE 副甲状腺によるカルシウム代謝制御 副甲状腺ホルモン作用不足 骨のはなし くる病 骨を中心に考えたいと思います 副甲状腺によるカルシウム代謝制御

More information

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2 11 1 長期にわたる大量飲酒が 引き起こす影響 脳への影響 アルコールは 脳の神経細胞に影響を及ぼし その結果 脳が縮んでいきます 脳に対 するアルコールの影響は 未成年者で特に強いことが知られています 写真B 写真A 正常な脳のCT 写真C 写真D アルコール 依 存 症 患者の脳の 正常な脳のCT Aに比べてやや CT Aとほぼ同じ高さの位置の 低い位置の断面 断面 脳の外側に溝ができ 中央

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 酵素 : タンパク質の触媒 タンパク質 Protein 酵素 Enzyme 触媒 Catalyst 触媒 Cataylst: 特定の化学反応の反応速度を速める物質 自身は反応の前後で変化しない 酵素 Enzyme: タンパク質の触媒 触媒作用を持つタンパク質 第 3 回 : タンパク質はアミノ酸からなるポリペプチドである 第 4 回 : タンパク質は様々な立体構造を持つ 第 5 回 : タンパク質の立体構造と酵素活性の関係

More information

系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学

系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学 母性看護学 母性看護学 目標 Ⅰ. 母性看護の対象となる人々 関連する保健医療の仕組み 倫理的問題 人間の性と生殖のしくみについての理解を問う 1 母性看護の概念 母性看護の主な概念 a 母性の概念 母性の発達 母性看護学 [1]( 母性看護学概論 ): 第 1 章 母性とは (p.2 12) 公衆衛生 : 第 5 章 C リプロダクティヴ ヘルス / ライツ (p.115 130) 家族論 家族関係論

More information

加工デンプン(栄養学的観点からの検討)

加工デンプン(栄養学的観点からの検討) 加工デンプン ( 栄養学的観点からの検討 ) 加工デンプンは 未加工デンプンが有する物理化学的性状を変化させ 利便性の拡大を図るために加工処理を施したものであり 通常 未加工デンプンに代わるものとして用いられる デンプンは三大栄養素の一つである炭水化物の摂取源であることから 炭水化物の摂取量 加工デンプンの摂取量 加工デンプンの体内動態 ( 消化酵素分解率 ) から 加工デンプンの食品への使用について栄養学的観点からの検討を行う

More information

解 説 一方 乳成分にも違いが見られた 分娩後30日以内 産牛100頭規模の農場としている 損失額の計算は で乳脂肪率が5 を超える場合は栄養不足で体脂肪の ①雄子牛の出生頭数減少 雄子牛の売却減 ②雌子 過剰な動員が起こっていると判断できる この時期に 牛の出生頭数減少 更新牛購入コスト ③出荷乳

解 説 一方 乳成分にも違いが見られた 分娩後30日以内 産牛100頭規模の農場としている 損失額の計算は で乳脂肪率が5 を超える場合は栄養不足で体脂肪の ①雄子牛の出生頭数減少 雄子牛の売却減 ②雌子 過剰な動員が起こっていると判断できる この時期に 牛の出生頭数減少 更新牛購入コスト ③出荷乳 6 解 説 一方 乳成分にも違いが見られた 分娩後30日以内 産牛100頭規模の農場としている 損失額の計算は で乳脂肪率が5 を超える場合は栄養不足で体脂肪の ①雄子牛の出生頭数減少 雄子牛の売却減 ②雌子 過剰な動員が起こっていると判断できる この時期に 牛の出生頭数減少 更新牛購入コスト ③出荷乳量 乳脂率5 を超える牛の割合は 繁殖良好群に比べて の減少による収入減 ④授精回数増加に伴うコストを

More information

スライド タイトルなし

スライド タイトルなし 資源循環型畜産 (Ⅱ) 久米新一 京都大学大学院農学研究科 資源循環型畜産 1. 人と競合しない草 副産物等の利用 2. 糞尿の利用と環境保全 3. 牛の健康な飼養法と安全な畜産物 土ー草ー牛ー糞尿の資源循環系環境にやさしい家畜管理 未利用資源の有効利用 1. 農産 水産未利用資源 ( 廃棄物 ) 2. 安全性を考慮した利用 耕畜連携による資源循環型畜産 畜産をとりまく情勢とエコフィード 輸入飼料の価格高騰

More information

第6回 糖新生とグリコーゲン分解

第6回 糖新生とグリコーゲン分解 第 6 回糖新生とグリコーゲン分解 日紫喜光良 基礎生化学講義 2014.06.3 1 主な項目 I. 糖新生と解糖系とで異なる酵素 II. 糖新生とグリコーゲン分解の調節 III. アミノ酸代謝と糖新生の関係 IV. 乳酸 脂質代謝と糖新生の関係 2 糖新生とは グルコースを新たに作るプロセス グルコースが栄養源として必要な臓器にグルコースを供給するため 脳 赤血球 腎髄質 レンズ 角膜 精巣 運動時の筋肉

More information

第6回 糖新生とグリコーゲン分解

第6回 糖新生とグリコーゲン分解 第 6 回糖新生とグリコーゲン分解 日紫喜光良 基礎生化学講義 2018.5.15 1 主な項目 I. 糖新生と解糖系とで異なる酵素 II. 糖新生とグリコーゲン分解の調節 III. アミノ酸代謝と糖新生の関係 IV. 乳酸 脂質代謝と糖新生の関係 2 糖新生とは グルコースを新たに作るプロセス グルコースが栄養源として必要な臓器にグルコースを供給するため 脳 赤血球 腎髄質 レンズ 角膜 精巣 運動時の筋肉

More information

2006 PKDFCJ

2006 PKDFCJ 多発性嚢胞腎の最新情報 水を積極的に飲むと PKD の進行を抑制できる? 今日のお話は 水を積極的に飲むと PKD の進行を抑制できる? 動物実験で科学的に証明されている? 藤田保健衛生大学疾患モデル教育研究センター 1 はい PKD モデル動物である PCK ラットで科学的に証明されています 2 PKD モデル動物とは? 偶然見つけられた PKD 自然発症動物とヒトの PKD の原因となる遺伝子を人工的に操作した動物があります

More information

卵管の自然免疫による感染防御機能 Toll 様受容体 (TLR) は微生物成分を認識して サイトカインを発現させて自然免疫応答を誘導し また適応免疫応答にも寄与すると考えられています ニワトリでは TLR-1(type1 と 2) -2(type1 と 2) -3~ の 10

卵管の自然免疫による感染防御機能 Toll 様受容体 (TLR) は微生物成分を認識して サイトカインを発現させて自然免疫応答を誘導し また適応免疫応答にも寄与すると考えられています ニワトリでは TLR-1(type1 と 2) -2(type1 と 2) -3~ の 10 健康な家畜から安全な生産物を 安全な家畜生産物を生産するためには家畜を衛生的に飼育し健康を保つことが必要です そのためには 病原体が侵入してきても感染 発症しないような強靭な免疫機能を有していることが大事です このような家畜を生産するためには動物の免疫機能の詳細なメカニズムを理解することが重要となります 我々の研究室では ニワトリが生産する卵およびウシ ヤギが生産する乳を安全に生産するために 家禽

More information

2. 看護に必要な栄養と代謝について説明できる 栄養素としての糖質 脂質 蛋白質 核酸 ビタミンなどの性質と役割 およびこれらの栄養素に関連する生命活動について具体例を挙げて説明できる 生体内では常に物質が交代していることを説明できる 代謝とは エネルギーを生み出し 生体成分を作り出す反応であること

2. 看護に必要な栄養と代謝について説明できる 栄養素としての糖質 脂質 蛋白質 核酸 ビタミンなどの性質と役割 およびこれらの栄養素に関連する生命活動について具体例を挙げて説明できる 生体内では常に物質が交代していることを説明できる 代謝とは エネルギーを生み出し 生体成分を作り出す反応であること 生化学 責任者 コーディネーター 看護専門基礎講座塚本恭正准教授 担当講座 学科 ( 分野 ) 看護専門基礎講座 対象学年 1 期間後期 区分 時間数 講義 22.5 時間 単位数 2 単位 学習方針 ( 講義概要等 ) 生化学反応の場となる細胞と細胞小器官の構造と機能を理解する エネルギー ATP を産生し 生体成分を作り出す代謝反応が生命活動で果たす役割を理解し 代謝反応での酵素の働きを学ぶ からだを構成する蛋白質

More information

参考1中酪(H23.11)

参考1中酪(H23.11) - 1- 参考 1 - 2- - 3- - 4- - 5- - 6- - 7- - 8- 別添 1 牛乳の比重増加要因の解析 国立大学法人帯広畜産大学畜産フィールド科学センター准教授木田克弥 背景 乳および乳製品の成分規格等に関する省令 ( 乳等省令 ) において 生乳の比重は 1.28-1.34 に規定されている 一方 乳牛の遺伝的改良 ( 乳量および乳成分率の向上 ) に成果として 昨今の生乳の比重は増加傾向にあり

More information

32 100 34 51 16,300

32 100 34 51 16,300 32 100 34 51 16,300 - 7 - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 1 3 3 5 5 B 6 2 2 4 4 6 10 - - 8 - - - 9 - 20 80 1/3 - - 10 - 0.7 0.9kg 21 147 70-11 - - 50 10cm 50 100 30cm kg 100

More information

栄養成分表示ハンドブック-本文.indd

栄養成分表示ハンドブック-本文.indd 5 栄養機能食品 栄養機能食品とは 特定の栄養成分の補給のために利用される食品で 栄養成分の機能を表示するものをいいます 栄養機能食品として栄養成分の機能の表示を行うには 1 日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が 国が定めた下限値 上限値の基準に適合していることが必要です 定められた栄養成分の機能の表示のほか 摂取する上での注意事項や消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない旨等 表示しなければならない事項が定められていますが

More information

<88E389C88A7790EA96E588CF88F589EF838C837C815B >

<88E389C88A7790EA96E588CF88F589EF838C837C815B > 北海道バスケットボール協会強化普及委員会医科学専門委員会レポート3 筋肉づくり 札幌医科大学医学部運動科学教室准教授岡野五郎氏 医科学専門委員会 スポーツ栄養学第 3 回目は筋肉づくりがテーマです 筋肉をつくるための大切な栄養素はタンパク質です タンパク質の必要量 効果的な取り方や時々ブームになるサプリメント ( アミノ酸製剤 ) の是非について述べられています 特にサプリメントについては食事の補助として使用することが基本ですが使用に際しドーピング禁止薬物が含まれているものや健康被害が報告されているものなどがありますので服用には十分注意していただきたいと思います

More information

輸液製剤

輸液製剤 体液の区分 人体を構成する最大の要素は水分であり 体重の 60% を占める そのうちの 2/3( 体重の 40%) は細胞内液であり 残りの 1/3( 体重の 20%) は細胞外液として存在する 細胞外液の 3/4( 体重の 15%) は細胞の周囲を満たす液体であり この液体を間質液と呼ぶ 残りの 1/4( 体重の 5%) の大半は血液の液体成分である血漿である 体液にはさまざまな物質がとけており

More information

薬膳食材一覧_xlsx

薬膳食材一覧_xlsx 温 カロリー 244 kcal 12% -24 タンハ ク質 19.5 g 26% 26 10 26 21 血液や筋肉の主原料 酵素の主原料 マク ネシウム 20 mg 6% 6 6 骨生成促進 精神安定作用 手足震え予防 高血圧改善 鶏肉肌筋生成 ( むね ) リン 120 mg 12% 10 骨生成 疲労回復 ( 過剰摂取は動脈硬化の原因に目標 :900mg) ヒ タミンA 72 μg 14%

More information

研究成果報告書

研究成果報告書 様式 C-9 科学研究費補助金研究成果報告書 平成 年 3 月 3 日現在 研究種目 : 若手研究 ( スタートアップ ) 研究期間 :7-8 課題番号 :98836 研究課題名 ( 和文 ) ケトジェネシスの鶏酸化ストレス 免疫応答制御機構の解析研究課題名 ( 英文 ) Modulation of the redox status and immune function by ketone body

More information

13 2, ,

13 2, , 1 1 () () 13 2,338 50 13 381 96.7 149 94.9 130 94.2 52 88.1 47 123.6 14 33,600 50.9 10 280 120.0 14 57 1. 50 18 32 50100 9 16 101200 13 23 201 17 30 50 201 2. 43 75 3. 65 4. 5. 90 6. 7. 8. 9. 30 2526 27

More information

1986~ 1972~ 10~20% の乳量増加 )J が上げられている. その他, 海 ている酪農家の搾乳頭数は 80~100 頭が多い. 生乳生産量を基準として 6~8 月の月生産量を割合で ~ ~20oC で, 生産環境限 7 月までは 52~53% であったものが, とに両年 7~9 月の気象条件を比較してみると, ~11 月は 2.0 固となり, 前年に比べて 0.1 ~7

More information

Microsoft Word - 02肉牛研究室

Microsoft Word - 02肉牛研究室 6 黒毛和種繁殖雌牛における分娩前後の適正な栄養水準の解明 担当部署名 : 肉牛研究室担当者名 : 大島藤太 高崎久子 阿久津麗 櫻井由美連絡先 : 電話番号 0287-36-0230 研究期間 : 平成 26 年度 ~30 年度 ( 継続 ) 予算区分 : 県単 ------------------------------------------- 1. 目的黒毛和種繁殖 ( 和牛 ) 農家の経営効率の向上のためには

More information

負荷試験 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 検体ラベル ( 単項目オーダー時 )

負荷試験 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) 1081000 8. その他の検体検査 >> 8A. 負荷試験 機能検査 >> 負荷試験 parathyroid hormone intact 連絡先 : 3495 基本情報 4C025 PTH-I(PTH-INTACT) 分析物 JLAC10 診療報酬 識別材料 023 血清 測定法 052 化学 生物発光イムノアッセイ (CLEIA) 結果識別 第 2 章 特掲診療料 D287 内分泌負荷試験

More information

メディカルスタッフのための腎臓病学2版

メディカルスタッフのための腎臓病学2版 1 章 腎臓の構造 structure of kidney 腎臓 (kidney) は背中側にある臓器で, 1 胸椎から 1 腰椎のあたりに脊柱を挟んで左右に 1 個ずつ ( 計 個 ) あります. 腎臓 1 個の大きさは, 長径約 1 cm, 短径約 6 cm, 幅 ( 厚み ) 約 3 cm で, 握りこぶしよりやや大きめです (1 6 3 cm). 重量は個人差がありますが,10~150 g

More information

スライド 1

スライド 1 ミトコンドリア電子伝達系 酸化的リン酸化 (2) 平成 24 年 5 月 21 日第 2 生化学 ( 病態生化学分野 ) 教授 山縣和也 本日の学習の目標 電子伝達系を阻害する薬物を理解する ミトコンドリアに NADH を輸送するシャトルについて理解する ATP の産生量について理解する 脱共役タンパク質について理解する 複合体 I III IV を電子が移動するとプロトンが内膜の内側 ( マトリックス側

More information

Ⅰ. ヒトの遺伝情報に関する次の記述を読み, ~ に答えなさい 個体の形成や生命活動を営むのに必要な ( a ) は, 真核生物の細胞では主に核 の中で染色体を形成している 通常, ₁ 個の体細胞には同じ大きさと形の染色体が 一対ずつあり, この対になっている染色体を ( b ) といい, 片方の染

Ⅰ. ヒトの遺伝情報に関する次の記述を読み, ~ に答えなさい 個体の形成や生命活動を営むのに必要な ( a ) は, 真核生物の細胞では主に核 の中で染色体を形成している 通常, ₁ 個の体細胞には同じ大きさと形の染色体が 一対ずつあり, この対になっている染色体を ( b ) といい, 片方の染 KV A 生物 (60 分 ) 1.,Ⅰ~Ⅳ( ~ ) 2. 解答する科目, 受験番号, 解答が正しくマークされていない場合は, 採点でき ないことがあります ( 15 ) ( 1 30 生物 ) Ⅰ. ヒトの遺伝情報に関する次の記述を読み, ~ に答えなさい 個体の形成や生命活動を営むのに必要な ( a ) は, 真核生物の細胞では主に核 の中で染色体を形成している 通常, ₁ 個の体細胞には同じ大きさと形の染色体が

More information

カルシウムの吸収 ヘム鉄はタンニンなどの影響を受けない血液ではトランスフェリンと結合する 体液のイオン組成 上の円グラフの単位は % 下の円グラフの単位は meq/l が不足するとくる病 骨粗鬆症 筋肉の痙攣が起きるただし を摂取し過ぎると吸収量が下がる 小腸内腔 フィチン酸 分解できない シュウ酸

カルシウムの吸収 ヘム鉄はタンニンなどの影響を受けない血液ではトランスフェリンと結合する 体液のイオン組成 上の円グラフの単位は % 下の円グラフの単位は meq/l が不足するとくる病 骨粗鬆症 筋肉の痙攣が起きるただし を摂取し過ぎると吸収量が下がる 小腸内腔 フィチン酸 分解できない シュウ酸 ミネラル 生体内の構成成分のうち 酸素 炭素 水素 窒素を除くすべての元素の総称 マクロミネラル ( 多量元素 ) 体内に多く含まれており 所要量が mg/ 日以上のものカルシウム リン カリウム ナトリウム 塩素 硫黄 マグネシウム ミクロミネラル ( 微量元素 ) 体内の濃度が低く 所要量が mg/ 日未満のもの鉄 亜鉛 銅 モリブデン セレン ヨウ素 マンガン コバルト クロム 動物体内のミネラル濃度

More information

Microsoft Word 村田.doc

Microsoft Word 村田.doc 豊浦獣医科クリニック村田知 離乳日齢に応じた母豚の栄養管理 はじめに 母豚の栄養管理を行う目的は どこにあるのでしょうか 母豚のサイクルは 候補豚 ( 育成 ) 期 妊娠期 授乳期 離乳期 妊娠期という流れになっています このうち 授乳期の母豚の栄養状態を左右する要因として大きいのが 授乳日数の問題です この授乳日数の長短により 母豚の消耗度合いと回復度合いに差が生じます そして次回の繁殖成績だけでなく

More information

Microsoft PowerPoint - 100826上西説明PPT.ppt

Microsoft PowerPoint - 100826上西説明PPT.ppt 牛乳 乳製品摂取とメタボリックシンドローム に関する横断的研究結果発表 説明資料 2010.8.26 調査 研究概要 1 1. 乳業メーカー 4 社の協力で大規模調査を実施 2 牛乳 乳製品とメタボリックシンドロームとの関係を大規模調査で研究 食生活 生活習慣と健康に関する調査研究 概要 調査対象者 20 代 ~60 代の乳業メーカー ( 日本ミルクコミュニティ 明治乳業 森永乳業 雪印乳業 ) 勤務者および家族

More information

検査項目情報 トータルHCG-β ( インタクトHCG+ フリー HCG-βサブユニット ) ( 緊急検査室 ) chorionic gonadotropin 連絡先 : 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10)

検査項目情報 トータルHCG-β ( インタクトHCG+ フリー HCG-βサブユニット ) ( 緊急検査室 ) chorionic gonadotropin 連絡先 : 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) chorionic gonadotropin 連絡先 : 3479 2-2908 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) 診療報酬 分析物 9186 4. 内分泌学的検査 >> 4F. 性腺 胎盤ホルモンおよび結合蛋白 >> 4F090. Ver.2 4F090 HCGβ サブユニット (β-hcg) 特掲診療料 >> 検査 >> 検体検査料

More information

研究の中間報告

研究の中間報告 家畜と繁殖機能 久米新一 京都大学大学院農学研究科 家畜の生産性向上とシグナル伝達 家畜は体内の恒常性維持よりも生産性向上に重点をおいて改良したため 情報伝達などに不備が生じやすくなっている 環境ホルモンと栄養素の不足 ( タンパク質 カルシウム リンなど ) 生理機能の変化( 生産性重視 ) 免疫能の低下によるシグナル伝達の不備が高まる危険性 研究の背景 : 肉用牛の受胎率低下 資料 : 農林水産省畜産部

More information

核内受容体遺伝子の分子生物学

核内受容体遺伝子の分子生物学 核内受容体遺伝子の分子生物学 佐賀大学農学部 助教授和田康彦 本講義のねらい 核内受容体を例として脊椎動物における分子生物学的な思考方法を体得する 核内受容体遺伝子を例として脊椎動物における遺伝子解析手法を概観する 脊椎動物における核内受容体遺伝子の役割について理解する ヒトや家畜における核内受容体遺伝子研究の応用について理解する セントラルドグマ ゲノム DNA から相補的な m RNA( メッセンシ

More information

研究報告本文.indd

研究報告本文.indd 周産期におけるビタミン C 製剤の補給が黒毛和種母牛および子牛に及ぼす影響 白井幸路 1) 堀井美那 ) 阿久津友紀子 蓼沼亜矢子 ) 川田智弘 3) 松井徹 ) 1) 県央家畜保健衛生所 ) 県南家畜保健衛生所 3) 那須農業振興事務所 ) 京都大学大学院農学研究科応用生物科学専攻 要約子牛の発育性向上と疾病などによる事故低減を目的とした 栄養飼養管理に基づくほ育育成技術の開発が求められている 免疫力増強作用やストレス低減作用をもつビタミン

More information

(Microsoft Word -

(Microsoft Word - 自然哺育におけるにおける黒毛和種子牛黒毛和種子牛の早期離乳試験 上村圭一 谷原礼諭 山下洋治 高橋和裕 Early weaning examination of the black-haired Japanese cow calf in Natural nursing Keiichi UEMURA, Ayatsugu TANIHARA, Youji YAMASHITA, Kazuhiro TAKAHASHI

More information

甲状腺機能が亢進して体内に甲状腺ホルモンが増えた状態になります TSH レセプター抗体は胎盤を通過して胎児の甲状腺にも影響します 母体の TSH レセプター抗体の量が多いと胎児に甲状腺機能亢進症を引き起こす可能性が高まります その場合 胎児の心拍数が上昇しひどい時には胎児が心不全となったり 胎児の成

甲状腺機能が亢進して体内に甲状腺ホルモンが増えた状態になります TSH レセプター抗体は胎盤を通過して胎児の甲状腺にも影響します 母体の TSH レセプター抗体の量が多いと胎児に甲状腺機能亢進症を引き起こす可能性が高まります その場合 胎児の心拍数が上昇しひどい時には胎児が心不全となったり 胎児の成 甲状腺機能亢進症が女性に与える影響 1) バセドウ病と生理 ( 月経 ) バセドウ病になると生理の周期が短くなったり 生理の量が少なくなったりします バセドウ病では 甲状腺機能亢進症の状態となります 甲状腺ホルモンは卵胞の成長にも影響しますので 甲状腺機能亢進症の状態では 卵胞の成長が早くなり生理の周期が短くなることがあります そのため生理が頻回に生じる頻発月経になったりしますが 逆に全身状態が悪くなったり

More information

検査の重要性 分娩前後は 乳房炎リスクが高まる時期 乾乳軟膏の効果が低下する分娩前後は 乳房炎感染のリスクが高まる時期です この時期をどう乗り越えるかが 乳房炎になるかどうか重要なポイントです 乾乳期に分娩前乳房炎検査を実施して 乳房炎の有無を確認 治療を行い泌乳期に備えます 分娩前後いかに乗り切る

検査の重要性 分娩前後は 乳房炎リスクが高まる時期 乾乳軟膏の効果が低下する分娩前後は 乳房炎感染のリスクが高まる時期です この時期をどう乗り越えるかが 乳房炎になるかどうか重要なポイントです 乾乳期に分娩前乳房炎検査を実施して 乳房炎の有無を確認 治療を行い泌乳期に備えます 分娩前後いかに乗り切る 分娩前乳房炎検査とは 泌乳期における 乳房炎罹患による生産量の損失を防ぐための早期発見 早期治療法 分娩予定日の 7~10 日前に乾乳牛から乳汁を搾取し PL テストを行い 乳房炎の罹患を確認し 早期発見早期治療を行うというもの 7~10 日前の乳汁性状は 正常であれば 水あめ状や練乳状になります 初乳状や 牛乳状 水状であれば異常と判断し PL テストを行い判定します PL テストでは凝集反応のみで判定し

More information

2. 馬の栄養 1) エネルギーエネルギーとは 生命を維持し運動する燃料である 炭水化物 脂肪 タンパク質の 3 つがエネルギー源となる ただし タンパク質がエネルギーとして利用されるのは 炭水化物の供給不足のときでありあまり好ましい状態ではない 1 炭水化物すぐにエネルギーとして利用できる 穀類に

2. 馬の栄養 1) エネルギーエネルギーとは 生命を維持し運動する燃料である 炭水化物 脂肪 タンパク質の 3 つがエネルギー源となる ただし タンパク質がエネルギーとして利用されるのは 炭水化物の供給不足のときでありあまり好ましい状態ではない 1 炭水化物すぐにエネルギーとして利用できる 穀類に 馬の飼養管理について 1. 馬の消化生理 馬がエネルギー源として利用できる栄養素には 炭水化物 脂肪 タンパク質がある 炭水化物には 穀物に多く含まれるデンプンなどの消化性の高いものと 乾草などの消化性の低い繊維成分がある デンプンなどは小腸において消化吸収される 一方繊維成分は 馬の場合大腸で微生物による分解を受け 体内で利用できる脂肪酸になり吸収されエネルギー源として利用される このように馬はエネルギー源として繊維を利用できる草食動物の一種である

More information

Microsoft Word - 周産期の管理_(最終)_16.11.docx

Microsoft Word - 周産期の管理_(最終)_16.11.docx 平成 28 年度 営農技術資料 分娩後の心配をへらす乾乳管理 宗谷農業改良普及センター 宗谷地区農協生産事業専門委員会 ホクレン農業協同組合連合会稚内支所 目次 周産期は全ての縮図... 1 周産期疾病は廃用につながる... 1 周産期疾病からの脱却... 2 改善事例 1 飼料給与と環境改善は効果有り... 2 改善事例 2 カルシウムとリン酸バランスの改善... 4 改善事例 3 ケトーシスの早期診断は役立つ...

More information

平成18年度「普及に移す技術」策定に当たって

平成18年度「普及に移す技術」策定に当たって 夏場のグリセリン補給による乳牛の体温上昇抑制 1 はじめに 暑熱による乳牛の生産性の低下は酪農経営における大きな損失であり 地球規模で温暖化が 進む今日 暑熱対策は極めて重要な課題です 乳牛の体温を下げる暑熱対策には 熱放散の促 進と むだな熱発生の抑制の 2 通りの方法が考えられます ( 図 1) 様々な方法がありますが いずれも単独では決定的な効果を示すことはなく 複数の方法を上手に組み合わせることが大

More information

14栄養・食事アセスメント(2)

14栄養・食事アセスメント(2) 14 5. 栄養 食事アセスメント 2 ④成果 アウトカム outcome の予測 合併症 死亡 5. 栄養 食事 アセスメント 2 率 ケア必要度 平均在院日数などの成果が予測出来 るかどうか 疾患別に検討されている 一般病棟の高 齢患者では総蛋白質 血清アルブミン リンパ球数と 1. 栄養状態の評価 判定の定義と目標 術後合併症併発 一般病棟内科疾患患者ではアルブミ ① 栄養状態の評価 判定 栄養状態が過剰あるいは欠乏

More information

乳牛の繁殖技術と生産性向上

乳牛の繁殖技術と生産性向上 東海地域家畜生産性向上技術検討会 (2007.10.31) 乳牛の繁殖技術と生産性向上 山本動物診療所山本広憲 ( 愛知県常滑市 ) 当診療所の業務 ( 大動物部門 ) 定期繁殖検診業務 (12 農家 600 頭 ) 月 2 回の巡回検診 牛群検定指導 フレッシュチェック 妊娠診断 繁殖治療牛受精卵移植業務 ( 年間 800 頭 ) 受精卵の移植 ( 体内 体外 ) 採卵へのアプローチ ( 県 ET

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 基本的事項 脂 質 脂質 (lipids) 水に不溶で 有機溶媒に溶解する化合物栄養学的に重要な脂質脂肪酸 中性脂肪 リン脂質 糖脂質 ステロール類 機能エネルギー産生の主要な基質脂溶性ビタミンの吸収ステロイドホルモン ビタミン D の前駆体 消化 吸収 代謝 トリアシルグリセロール 膵リパーゼ 消化 吸収リン脂質 膵ホスホリパーゼA2 消化 吸収コレステロールエステル コレステロールエステラーゼ

More information

児に対する母体の甲状腺機能低下症の影響を小さくするためにも 甲状腺機能低下症を甲状腺ホル モン薬の補充でしっかりとコントロールしておくのが無難と考えられます 3) 胎児 新生児の甲状腺機能低下症 胎児の甲状腺が生まれながらに ( 先天的に ) 欠損してしまう病気があります 通常 妊娠 8-10 週頃

児に対する母体の甲状腺機能低下症の影響を小さくするためにも 甲状腺機能低下症を甲状腺ホル モン薬の補充でしっかりとコントロールしておくのが無難と考えられます 3) 胎児 新生児の甲状腺機能低下症 胎児の甲状腺が生まれながらに ( 先天的に ) 欠損してしまう病気があります 通常 妊娠 8-10 週頃 甲状腺機能低下症の妊娠に対する影響 1) 甲状腺機能低下症が母体に与える影響 甲状腺機能低下症があると流産 早産 胎盤早期剥離 産後甲状腺炎の頻度が増えると考えられています ただし流産や早産に関しては甲状腺機能低下症とはほとんど関連がなく甲状腺抗体陽性 ( 橋本病 ) と関連が深いとの考え方もあります 子癇前症や妊娠性高血圧 ( 妊娠中毒症 ) 児の出生時体重の異常 周産期死亡率は甲状腺機能低下症で頻度が上がるという報告とそうでない報告があり

More information

血糖値 (mg/dl) 血中インスリン濃度 (μu/ml) パラチノースガイドブック Ver.4. また 2 型糖尿病のボランティア 1 名を対象として 健康なボランティアの場合と同様の試験が行われています その結果 図 5 に示すように 摂取後 6 分までの血糖値および摂取後 9 分までのインスリ

血糖値 (mg/dl) 血中インスリン濃度 (μu/ml) パラチノースガイドブック Ver.4. また 2 型糖尿病のボランティア 1 名を対象として 健康なボランティアの場合と同様の試験が行われています その結果 図 5 に示すように 摂取後 6 分までの血糖値および摂取後 9 分までのインスリ 血糖値 (mg/dl) 血中インスリン濃度 (μu/ml) パラチノースガイドブック Ver.4. 7. 摂取後の血糖値変化 パラチノースは小腸のイソマルターゼにより グルコースとフルクトースに分解され消化吸収されます この酵素反応はゆっくり進むため パラチノースの消化吸収速度は遅く スクロースの約 1/5 とされています 18) パラチノースは摂取した際の血液中へのグルコースの流入が穏やかであり

More information

P-CM 藤浦(印刷用) [互換モード]

P-CM 藤浦(印刷用) [互換モード] プレビジョンカルマジン 本資料はです 販売時にお客様への説明用として使用したり 内容を抜粋して消費者向け販促物への使用は行わないでください 栄養素の種類と働き 食品 栄養素 エネルギーをつくる 消化 分解 ( 異化作用 ) 吸収 合成 ( 同化作用 ) 体の構成成分をつくる 体の調子を整える 栄養の基本がわかる図解事典成美堂出版 をつくる五大栄養素の役割エネルギー五大栄養素の役割 炭水化物 ( 糖質

More information

分析にあたり 血統情報については 導入市場が 北海道 東北および九州と離れ 繁殖牛の母集団の血統情報に大きな差異が予測されるため 種雄牛のみを取り入れることとした ただし 遺伝的要因として取り上げた種雄牛に関して 後代産子牛が 2 頭以下の種雄牛については 本分析からは除外した すなわち 血液成分お

分析にあたり 血統情報については 導入市場が 北海道 東北および九州と離れ 繁殖牛の母集団の血統情報に大きな差異が予測されるため 種雄牛のみを取り入れることとした ただし 遺伝的要因として取り上げた種雄牛に関して 後代産子牛が 2 頭以下の種雄牛については 本分析からは除外した すなわち 血液成分お 国産の飼料米を使用した肉用牛の生産が 肉質に及ぼす影響等に関する調査報告書 要約 平成 24 年 6 月 全国畜産農業協同組合連合会 平成 21 年度から平成 23 年度事業として ( 社 ) 日本食肉協議会よりご支援をいただき 国産の飼料米を使用した肉用牛の生産が肉質に及ぼす影響等の調査事業 として 全国畜産農業協同組合連合会研修牧場 ( 栃木県那須塩原市 ) にて配合飼料の一部を国産飼料米 (

More information

日本スポーツ栄養研究誌 vol 目次 総説 原著 11 短報 19 実践報告 資料 45 抄録

日本スポーツ栄養研究誌 vol 目次 総説 原著 11 短報 19 実践報告 資料 45 抄録 日本スポーツ栄養研究誌 vol. 8 2015 目次 総説 2015 2 原著 11 短報 19 実践報告 30 37 資料 45 抄録 50 2 1 日本スポーツ栄養研究誌 vol. 8 2015 総説髙田和子 総 説 日本人の食事摂取基準 (2015 年版 ) とスポーツ栄養 2014 3 282015 2014 3 28 2015 1 302 2015 5 2015 2015 1 1 2010

More information

研究の中間報告

研究の中間報告 新生子牛と免疫 久米新一 京都大学大学院農学研究科 肉用子牛の疾病増加 哺乳ロボットによる 人工哺乳 多頭化等により 肉用子牛の下痢 肺炎などによる損失が増加 平成 19 年度の肉用牛の胎児 出生子牛の死廃事故は 2 万 7918 頭 ( 共済金 :20.7 億円 ) 子牛の損耗防止 発育改善が必要 表 和牛の家畜共済事業実績 ( 平成 17 年度 ) 引受頭数死廃頭数病傷頭数支払共済金 ( 円 )

More information

第三問 : 次の認知症に関する基礎知識について正しいものには を 間違っているものには を ( ) 内に記入してください 1( ) インスリン以外にも血糖値を下げるホルモンはいくつもある 2( ) ホルモンは ppm( 百万分の一 ) など微量で作用する 3( ) ホルモンによる作用を内分泌と呼ぶ

第三問 : 次の認知症に関する基礎知識について正しいものには を 間違っているものには を ( ) 内に記入してください 1( ) インスリン以外にも血糖値を下げるホルモンはいくつもある 2( ) ホルモンは ppm( 百万分の一 ) など微量で作用する 3( ) ホルモンによる作用を内分泌と呼ぶ 糖尿病 ( テスト ) テストは難しめに作成しています テキストや講義 解答と照らし合わせて復習していただけれ ばと思います なお 採点を目的としていないので点数は設定していません また 記述式の解答は答えが一つとは限りません 私の答案よりも良い解答があることは十分に 考えられますので 参考解答として認識していただければと思います 第一章. 糖尿病の生理学 第一問 : 次の問いに対して 下枠に解答を記入してください

More information

解糖系でへ 解糖系でへ - リン酸 - リン酸 1,-2 リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 - リン酸 - リン酸 1,-2 リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 AT AT リン酸化で細胞外に AT 出られなくなる 異性化して炭素数 AT の分子に分解される AT 2 ホスホエノール AT 2 1

解糖系でへ 解糖系でへ - リン酸 - リン酸 1,-2 リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 - リン酸 - リン酸 1,-2 リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 AT AT リン酸化で細胞外に AT 出られなくなる 異性化して炭素数 AT の分子に分解される AT 2 ホスホエノール AT 2 1 糖質の代謝 消化管 デンプン 小腸 肝門脈 AT 中性脂肪コレステロール アミノ酸 血管 各組織 筋肉 ムコ多糖プリンヌクレオチド AT 糖質の代謝 糖質からの AT 合成 の分解 : 解糖系 と酸化的リン酸化嫌気条件下の糖質の分解 : 発酵の合成 : 糖新生 糖質からの物質の合成 の合成プリンヌクレオチドの合成 : ペントースリン酸回路グルクロン酸の合成 : ウロン酸回路 糖質の代謝 体内のエネルギー源

More information

(Taro-09\221S\225\ \221S\225\266\217\274\226{.jtd)

(Taro-09\221S\225\ \221S\225\266\217\274\226{.jtd) 9 管内二農場における牛ウイルス性下痢 粘膜病対策の検討 湘南家畜保健衛生所 松本哲阿部美樹 小嶋信雄稲垣靖子 はじめに 牛ウイルス性下痢 粘膜病 ( 以下 BVD-MD) は 牛ウイルス性下痢ウイルス ( 以下 BVDウイルス ) によって引き起こされる BVDウイルスはフラビウイルス科ペスチウイルス属のウイルス で 遺伝子型は 1 型と 2 型があり 近年では 2 型の発生事例が増加している [1,2]

More information

ドリル No.6 Class No. Name 6.1 タンパク質と核酸を構成するおもな元素について述べ, 比較しなさい 6.2 糖質と脂質を構成するおもな元素について, 比較しなさい 6.3 リン (P) の生体内での役割について述べなさい 6.4 生物には, 表 1 に記した微量元素の他に, ど

ドリル No.6 Class No. Name 6.1 タンパク質と核酸を構成するおもな元素について述べ, 比較しなさい 6.2 糖質と脂質を構成するおもな元素について, 比較しなさい 6.3 リン (P) の生体内での役割について述べなさい 6.4 生物には, 表 1 に記した微量元素の他に, ど 1 微視的生物学 生化学 1.1 生物を構成する元素 (element) 生物を構成する主要元素の種類と, おもな微量元素とその役割の概略について説明できる 地球上には 100 種類以上の元素があり, そのうち生体を構成する元素の種類は限られていて, 約 20 種類である 主要元素としては水素 (H), 炭素 (C), 窒素 (N), 酸素 (O) の 4 元素で, これらで, 生体を構成するタンパク質や核酸,

More information

解説 新しい牛群検定成績表について ( その 26) ボディコンディションスコアの判定 電子計算センター次長相原光夫 牛群検定におけるボディコンディションスコア (BCS) は 平成 23 年度から開始した最も新しい検定項目です その活用法は 牛群検定の 4 つの機能 (1 飼養 ( 健康 ) 管理

解説 新しい牛群検定成績表について ( その 26) ボディコンディションスコアの判定 電子計算センター次長相原光夫 牛群検定におけるボディコンディションスコア (BCS) は 平成 23 年度から開始した最も新しい検定項目です その活用法は 牛群検定の 4 つの機能 (1 飼養 ( 健康 ) 管理 解説 新しい牛群検定成績表について ( その 26) 電子計算センター次長相原光夫 牛群検定におけるボディコンディションスコア (BCS) は 平成 23 年度から開始した最も新しい検定項目です その活用法は 牛群検定の 4 つの機能 (1 飼養 ( 健康 ) 管理 2 繁殖管理 3 乳質 衛生管理 4 遺伝的改良 ) のいずれにも密接な関係をもち 非常に応用性の高い活用が可能です しかし まだ検定項目として日が浅いため

More information

第12回 代謝統合の破綻 (糖尿病と肥満)

第12回 代謝統合の破綻 (糖尿病と肥満) 第 12 回代謝統合の破綻 ( 糖尿病と肥満 ) 日紫喜光良 基礎生化学講義 2018.6.26 1 糖尿病とは インスリンの相対的 もしくは絶対的な不足に起因する 空腹時の血糖値上昇で さまざまな疾患からなる症候群 2 図 25.1 より 1 型糖尿病と 2 型糖尿病 1 型糖尿病 2 型糖尿病 発症年齢 通常 小児期や思春期 症状の急性的進行 通常 35 歳以降 症状の慢性的進行 発症時の栄養状況栄養不足が多い肥満のことが多い

More information

3 特集夏場の乳成分維持顧みて 広酪では二〇十四年三月に みわ 庄原両TMRセンター を統合し老朽化した施設を整備して新生 みわTMRセンター を操業しました この施設では 広酪において初めて飼料用稲WCSを原料に用い 良質で一円でも安いTMR飼料の供給を通じて 酪農家の利益向上への貢献を目的に 年

3 特集夏場の乳成分維持顧みて 広酪では二〇十四年三月に みわ 庄原両TMRセンター を統合し老朽化した施設を整備して新生 みわTMRセンター を操業しました この施設では 広酪において初めて飼料用稲WCSを原料に用い 良質で一円でも安いTMR飼料の供給を通じて 酪農家の利益向上への貢献を目的に 年 夏こそ広酪発酵TMRを 乳脂肪率改善 発見があるものですね まもなく7 月を迎えます 県内のあちらこちらでは 稲の植え付けから 1か月乃至 3カ月が経過しました 植え付け時の小さな稲も 株わかれし本数が増す分けつ期に入り出穂の息吹すら感じとれます この様な時期 表紙写真は 桑の実 ( この写真はドクダミ草の花 ) とカエルの卵が寄り添い美しく光沢を放つコントラストが目にとまり スマホで撮影したものです

More information

脂質の分解小腸 脂肪分解とカルニチン < 胆汁 > 脂肪の乳化 < 膵液 膵液リパーゼ ( ステアプシン )> 脂肪酸 グリセリン 小腸より吸収吸収された脂肪酸は エステル結合により中性脂肪として蓄積されます 脂肪酸は 体内で分解されエネルギーを産生したり 糖質や余剰のエネルギー産生物質から合成され

脂質の分解小腸 脂肪分解とカルニチン < 胆汁 > 脂肪の乳化 < 膵液 膵液リパーゼ ( ステアプシン )> 脂肪酸 グリセリン 小腸より吸収吸収された脂肪酸は エステル結合により中性脂肪として蓄積されます 脂肪酸は 体内で分解されエネルギーを産生したり 糖質や余剰のエネルギー産生物質から合成され 脂質の分解小腸 脂肪分解とカルニチン < 胆汁 > 脂肪の乳化 < 膵液 膵液リパーゼ ( ステアプシン )> 脂肪酸 グリセリン 小腸より吸収吸収された脂肪酸は エステル結合により中性脂肪として蓄積されます 脂肪酸は 体内で分解されエネルギーを産生したり 糖質や余剰のエネルギー産生物質から合成されたりします それに関わるのがカルニチンです 1. カルニチンとは? カルニチン (carnitine)

More information

平成 30 年度アグリ技術シーズセミナー in 沖縄 沖縄産資源を活用したヤギ用飼料の開発と 沖縄肉用ヤギのブランド化へ向けた研究 取組 琉球大学農学部長嶺樹

平成 30 年度アグリ技術シーズセミナー in 沖縄 沖縄産資源を活用したヤギ用飼料の開発と 沖縄肉用ヤギのブランド化へ向けた研究 取組 琉球大学農学部長嶺樹 沖縄産資源を活用したヤギ用飼料の開発と 沖縄肉用ヤギのブランド化へ向けた研究 取組 琉球大学農学部長嶺樹 本日の講演内容 ヤギについて 豆腐粕サイレージは子ヤギ育成用飼料となり得るか 現在取り組んでいる研究プロジェクト 消化管構造の比較 ( イヌ ウマ ウシ ) ウマ ( 後腸発酵動物 ) イヌ ( 肉食動物 ) ヤギ ( 前胃発酵動物 ) 大きい 長い 小さい 短い 1: 胃 2: 小腸 3: 盲腸

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 日本人の食事摂取基準と運動指針 日本人の食事摂取基準 (2010 年版 ) とは? (Dietary reference intakes; DRIs) 平成 22 年度 ~ 平成 26 年度の 5 年間 国民の健康の維持 増進 生活習慣病の予防を目的とし エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すもの 対象者 : 健康な個人または集団 ただし 何らかの軽度な疾患 ( 例えば 高血圧 高脂血症 高血糖

More information

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1 3 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 性別 年齢別人数 性別 年齢 集計 男性 40 歳代 1 50 歳代 5 男性計 37 女性 40 歳代 15 50 歳代 6 女性計 77 総計 114 女性 50 歳代 54% 性別 年齢別調査人数 男性 50 歳代 % 男性 40

More information

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル 60 秒でわかるプレスリリース 2007 年 12 月 17 日 独立行政法人理化学研究所 免疫の要 NF-κB の活性化シグナルを増幅する機構を発見 - リン酸化酵素 IKK が正のフィーッドバックを担当 - 身体に病原菌などの異物 ( 抗原 ) が侵入すると 誰にでも備わっている免疫システムが働いて 異物を認識し 排除するために さまざまな反応を起こします その一つに 免疫細胞である B 細胞が

More information

通常 繁殖成績はなかなか乳量という生産性と結びつけて考えることが困難なのですが この平均搾乳日数という概念は このように素直に生産性 ( 儲け ) と結びつけて考えることができます 牛群検定だけでなく色々な場面で非常に良く使われている数値になりますので覚えておくと便利です 注 1: 平均搾乳日数平均

通常 繁殖成績はなかなか乳量という生産性と結びつけて考えることが困難なのですが この平均搾乳日数という概念は このように素直に生産性 ( 儲け ) と結びつけて考えることができます 牛群検定だけでなく色々な場面で非常に良く使われている数値になりますので覚えておくと便利です 注 1: 平均搾乳日数平均 解説 新しい牛群検定成績表について ( その 28) ビデオ通信講座 ( 第 2 回繁殖編 ) 電子計算センター次長相原光夫 畜産経営支援協議会が提供する畜産経営活性化 e ラーニングにおいて 牛群検定の活用方法を動画で学習できるようになりました 内容は Step1 体細胞数 Step2 繁殖 Step3 ボディコンディションスコアの 3 編 ( 各々 20 分程度 ) で構成されています 今回はそのうち

More information

(Microsoft PowerPoint - ASC-WTQ[\223\307\202\335\216\346\202\350\220\352\227p] [\214\335\212\267\203\202\201[\203h])

(Microsoft PowerPoint - ASC-WTQ[\223\307\202\335\216\346\202\350\220\352\227p] [\214\335\212\267\203\202\201[\203h]) (Smith EKM: Fluids and electrolytes, A Conceptual Approach Second Edition, Churchill Livingstone Inc. 1991) 呼吸 汗 Input = 経口摂取 I C F 24 L K 140mEq/L Na ECF 12L Na 140mEq/L K 4mEq/L K 細胞 便 Output = 尿 人間の体のほとんどは水分である

More information

共済だより.indd

共済だより.indd 新 年 明 けましておめでとうございます 第 1 区 第 2 区 人間ドック 受けっぱなしになっていませんか 共済組合では 組合員の皆様が 健康で充実した生活を過ごしていただくための疾病予防対策とし て 人間ドック受に要した費用の助成事業を行っています 今回 平成21年4月から平成22年3月までの1年間の間に人間ドックを受された組合員の方を 対象として どのような異常を発見されたかなどを調しました

More information

< F31312D E837E C18B8B975E8B8D93F72E6A>

< F31312D E837E C18B8B975E8B8D93F72E6A> 福井県畜産試験場研究報告第 9 号 (26) ビタミン C 添加剤給与が黒毛和種去勢肥育牛の肉質に及ぼす影響 明間基生 吉田靖 Effect of dietary VitaminC on fleshy substance in Japanese Black fattening steers. Motoo AKEMA, Yasushi YOSHIDA 現福井県家畜保健衛生所 要 約 黒毛和種去勢肥育牛に対して肥育中期から出荷時まで

More information

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル 1mg は 1 カプセル中ロペラミド塩酸塩 1 mg を含有し消化管から吸収されて作用を発現する このことから

More information

平成 30 年度 試験研究の概要 平成 30 年 4 月 地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部根釧農業試験場 0

平成 30 年度 試験研究の概要 平成 30 年 4 月 地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部根釧農業試験場 0 平成 30 年度 試験研究の概要 平成 30 年 4 月 地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部根釧農業試験場 0 平成 30 年度に実施する研究課題名について 北海道立総合研究機構 根釧農業試験場 1 平成 30 年度実施研究課題の概要 北海道立総合研究機構 根釧農業試験場 < 乳牛の飼養管理 > 1. 乳量および体格の向上を目指した初産牛の飼養技術の開発 (H27~30 年度 ) 根釧乳牛

More information