Mol. Sci. 2, A0019 (2008)

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1 MOLECULARSCIENCE 2003 年分子構造総合討論会奨励賞受賞記念解説記事 過渡赤外分光法を用いた分子内電荷移動反応における分子内構造変形と溶媒再配向過程の直接観測 DirectObservationoftheIntramolecularStructuralChangeand thesolventreorientationprocessintheintramolecular Charge-TransferReaction 石川春樹 HarukiIshikawa Theintramolecularcharge-transfer(ICT)reactionischaracterizedbyintra-andinter-molecularstructuralchanges. Awel-knownexampleoftheformerisatwistaroundthesinglebondbetweenthechargeacceptinganddonating groupsofthereactantitself.thelaterisareorientationofsolventmoleculesagainstthereactanttostabilizethe energyofthesystem.detailedinformationaboutsuchstructuralchangeshouldprovideuswithaninsightforawel understandingoftheictreaction.thus,wehavecariedouttransientinfrared(ir)absorptionspectroscopyofjetcooled(p-cyanophenyl)pentamethyldisilane(cpds)anditssolvatedclusters.wehavesucceededinobserving transientirspectraofthectstate,exhibitingverydistinctpaternscomparedwiththoseoftheelectronicground state.combinedwithresultsofquantum chemicalcalculations,wedeterminedtheequilibrium structureofthectstate ofcpdsmonomer.ourresultisclearevidencethatthetwistoccursintheictproces,asexpected.inaddition,we foundastep-wiseprocesinthecaseofsolvatedclustersbasedonourtransientirspectra.thisproceswasrelated tothesolventreorientationintheictreaction.theobservedspectraenabledustodetermineverypreciseinformation aboutthereorientationprocesssuchastheinitialandfinalorientationsofthesolventmolecule(s).thesefindings shouldprovideuswithadeepinsightforunderstandingtheictreaction. Keywords:solvatedclusters,transientIRspectroscopy,intramolecularcharge-transferreaction,phenyldisilane,solvent reorientation 1. はじめに 光誘起分子内電荷移動 (IntramolecularCharge-Transfer; ICT) 反応は種々の化学反応の初期過程として重要な反応の 1 一つであり,Lippert による研究以来非常に多くの研究が 行われてきた 2 ICT 反応を示す分子の代表として p- ジメチ ルアミノベンゾニトリル (DMABN) が知られている DMABN を無極性の n- ヘキサン中,266nm の光で励起する と 29000cm 1 付近に極大を持つ蛍光が観測される 一方, 極性の高いアセトニトリル中で励起すると 29000cm 1 付近 に極大を持つ蛍光と大きく Stokes シフトした蛍光の二重蛍 光が観測される 29000cm 1 付近に極大を持つ蛍光はベン ゼンの S 1 状態に対応する pp* 状態からの蛍光である も う一方の蛍光は溶媒の極性が高いほどその Stokes シフトが 増大することから, 分子内での電荷移動の結果生じた大きな電気双極子を持つ電子励起状態からの蛍光であると帰属された この電子励起状態を電荷移動 (ChargeTransfer; CT) 状態と呼ぶ 高波数側の pp* 状態のように電荷が分離していない励起状態は局所励起 (LocalExcited;LE) 状態と呼 JapanSocietyforMolecularScience ばれている このような二重蛍光が ICT 反応の特徴である これまでに ICT 反応機構について多くのモデルが提唱されてきた その中でも広く受け入れられているものに, 反応に伴い電荷受容部と供与部の間のねじれ型構造変化が起こるとする Twisted-ICT(TICT) 機構がある Figure1(a) に模式的に示したように,LE 状態でジメチルアミノ基の N 原子の非結合軌道にある電子がシアノフェニル基に移動し CT 状態を生成する その際にジメチルアミノ基がシアノ Figure1. Schematicrepresentationofproposedmechanismsofthe ICTreactionsof(a)p-dimethylaminobenzonitrileand(b)(p-cyanophenyl) pentamethyldisilane. Page1of8 (pagenumbernotforcitationpurpose)

2 フェニル基に対して 90 回転する機構である 3 この機構ではジメチルアミノ基が 90 ねじれることによって電荷供与するジメチルアミノ基の N 原子の非結合軌道と電荷受容するシアノフェニル基の p 軌道の空間的重なりをなくし逆電荷移動を押さえることが安定化につながると考えられていた CT 状態についての分光学的研究は数多く行われてきたが, 明確にねじれ型構造を結論した例はなく, 議論が続いていた TICT 機構以外にもシアノフェニル基のシアノ基部位の C-C-N が折れ曲がり混成軌道の再構築が起こるとする RehybridizedICT(RICT) 機構 4 や単にフェニル部位がキノイド型構造をとるとする機構 5 などジメチルアミノ基のねじれを必要としない機構も提案され議論が続いている しかしながらどの機構においても分子内の構造変化を伴っているので, 分子内の構造変化は ICT 反応の特徴の一つであると言える さらに, 初めに光励起した LE 状態と CT 状態では溶質分子の電荷分布が大きく異なるため, 生成した CT 状態を安定化するように極性溶媒が再配向する この再配向過程が ICT 反応を特徴づけるもう一つの過程である つまり,ICT 反応を理解するためには分子内及び分子間の構造変化を明らかにすることが不可欠である このような ICT 反応を示す化合物としてフェニルジシラン類がある 6 14 吉良らは Figure1(b) に示したように, 光励起で生成した局所励起 (LE;pp*) 状態においてジシラニル基の s Si-Si 軌道からフェニル基の p 軌道に電子が移動した電荷移動 (CT) 状態 (s Si-Si p* 状態 ) が生成する機構を提案した 6,7 彼らの機構でも電荷供与部と受容部間の単結合まわりのねじれ型構造変化が起こると考えられていた 分子構造を見ると DMABN とは逆の方向へねじれているように見えるために OrthogonalICT 機構と名付けられた しかしながら, フェニルジシランにおけるジシラニル基の s Si-Si 軌道と DMABN におけるジメチルアミノ基の N 原子の非結合軌道の役割と立体的配置に着目すると TICT と同様の機構であると言える 我々は ICT 反応機構の解明のために, ジェット冷却したフェニルジシラン類に対する種々のレーザー分光を行ってきた 超音速ジェット中では極低温気相孤立系にある分子の分光測定が可能となる このような状態では溶媒和の影響を排除した反応分子そのものの CT 状態の構造や性質を明らかにすることができるため, 溶媒和を議論する際に基礎となる重要な情報を得ることができる さらにジェット中に生成する溶媒和型クラスターを用いると反応分子に溶媒分子が 1 個,2 個と配位していくときの CT 状態の安定化の情報が得られるので, 微視的な溶媒和の効果を調べることができる 本研究では, 液相の研究結果から最も ICT 反応が起こりやすいと考えられる (p- シアノフェニル ) ペンタメチルジシラン (CPDS) を対象とした 我々はこれまでに主に CT 蛍光の観測に基づいた種々の分光研究を行い,CT 状態が予想通り s Si-Si p* 型の電子配置をとっている ことや微視的溶媒和についての情報を得てきた 16,18 先に述べたように,ICT 反応の理解には構造に関する情報が必要である しかしながら,CT 蛍光は非常にバンド幅が広く構造も示さないため,CT 状態の構造についての詳細な情報を得ることはできなかった そこで我々は過渡赤外分光法を用いて CPDS 及びその溶媒和型クラスターの CT 状態の構造を明らかにし,ICT 反応の理解を深めることを目的とした研究に着手した 本稿では我々の CPDS 及びその溶媒和型クラスターに対する過渡赤外分光法を用いた ICT 反応の研究の成果を紹介する 19,20 2. CPDS 及び溶媒和型 CPDS クラスターの ICT 反応過渡赤外分光の結果を述べる前に,CPDS 単量体及びその溶媒和型クラスターの ICT 反応について簡単にまとめておく 15,16, CPDS 単量体超音速ジェット中の CPDS 単量体及び CPDS と H 2 Oの溶媒和型クラスターの全蛍光をモニターした蛍光励起スペクトルを Figure2(a) に示す 超音速ジェット中では分子振動や回転などの内部運動が数 K 程度まで冷却されているので, 図に現れたシャープなバンドの一つ一つが振電遷移に対応する 図中に示した帰属のように CPDS 単量体の 0-0 バンドは 35519cm 1 に現れる 0-0 バンドから続く低波数 (25cm 1 ) のプログレッションはフェニル基に対するジシ Figure2. Fluorescenceexcitation(a)anddispersedfluorescencespectra(b)-(e)ofCPDSandCPDS-watercluster.Labels(b)-(e)intrace(a) indicatetheexcitationwavenumbersusedinthedispersedfluorescence measurementsbelow. Page2of8

3 ラニル基のねじれ振動 (t) である 16 CPDS-H 2 Oクラスターの 0-0 バンドは CPDS 単量体に対し約 62cm 1 の低波数シフトを示す Figure2(b) に CPDS 単量体の 0-0 バンドを励起して得られた分散蛍光スペクトルを示した 高波数側の構造のあるバンドは紫外光で励起した LE(pp*) 状態からの蛍光と帰属された 一方, 大きく Stokes シフト ( 6800cm 1 ) した構造のない幅広いバンドは液相中の蛍光スペクトルとの比較から CT 状態からの蛍光 (CT 蛍光 ) と帰属した これはジェット冷却した孤立分子における CT 蛍光の初めての観測である 15,16 さらに,Figure2(c) に示したようにねじれ振動が励起されると CT 蛍光の相対強度が劇的に変化することがわかった これはねじれ振動が ICT 反応の促進モードになっていることを意味している 0-0 バンドから約 140 cm 1 高波数側のバンド (d) を励起すると,Figure2(d) の分散蛍光スペクトルが示唆するように,ICT 反応がより促進されていることがわかる この領域ではねじれ振動の励起による反応の促進と振動エネルギーの増加による反応の促進の両方の効果が見られる CPDS は多数のメチル基を有するため低波数振動の帰属が困難で, この (d) に対応する振動準位は, 未同定の準位 ( ここでは aとする ) にねじれ振動がのった準位 (a 1 t 2 ) である 以下に述べる赤外スペクトルの測定では ICT 反応速度の速いこのバンド (d) を励起に用いた ある そこで本研究では蛍光検出二重共鳴分光法を用いて基底状態の赤外スペクトル及び励起状態の過渡赤外スペクトルの測定を行った ここでは, 本研究で用いた赤外分光法の説明を行う 実験装置等の詳細は文献を参照して頂きたい 19 Figure3(a) に赤外 - 紫外 (IR-UV) 二重共鳴分光法のスキームを示す 一般にポピュレーションラベル分光 21 と呼ばれている方法の一つである 紫外レーザー光の波長を分子あるいはクラスターの特定の振電バンドに固定し, 蛍光強度を測定する その強度は振電遷移で選択した特定の化学種の分布数を反映している 紫外レーザー光の入射約 20 ns 前に赤外レーザー光を入射する 赤外光の吸収による振動遷移が起こると基底状態の分布数が減少し, この変化は紫外レーザー光による蛍光強度の減少として検出される このように赤外光の吸収を蛍光の減少として検出し赤外スペクトルを測定する方法が IR-UV 二重共鳴分光法である 溶媒和型 CPDS クラスター Figure2(e) には CPDS-H 2 Oクラスターの分散蛍光スペクトルを示した 単量体のスペクトルに比べて LE 強度が大きく減少し,CT 蛍光の相対強度が増加していることがわかる Stokes シフトの大きさは単量体から 1100cm 1 増加しており, H 2 O 一分子でも CT 状態が安定化されていることがわかる H 2 O 分子の他にも無極性溶媒の Ar, 四塩化炭素, 極性の高いアセトニトリルや水素結合性のメタノールなど種々の溶媒分子とのクラスターについての測定を行った 18 その結果 CT 状態のエネルギーについては溶媒分子の極性が大きくなるほど安定化が大きくなることがわかった これは大きな電気双極子モーメントを持つ CT 状態と極性溶媒の間の双極子 - 双極子相互作用による安定化と考えられ, 言わば予想通りの結果である 一方,ICT 状態の生成速度は無極性溶媒ほど速いという結果が得られた これは ICT 反応に伴う溶媒分子の再配向過程と関係があるのではないかと考えられ,CT 状態における CPDS 自身の構造及び溶媒分子の配向について研究を進める一因となった 3. 実験と量子化学計算 3.1 実験超音速ジェット中では試料分子の濃度が著しく小さいため, 通常の直接吸収による振動スペクトルの測定は困難で Figure3. ExperimentalschemesfortheIRspectroscopiesinthe supersonicjetcondition.(a)ir-uvand(b)uv-irdoubleresonance spectroscopies.(c)uv-irpump-probespectroscopyusedinthe presentstudy. 上述の IR-UV 二重共鳴分光において, 赤外レーザー光の入射を紫外レーザー光の入射よりも遅らせると, 電子励起状態における赤外スペクトルの測定が可能となる (Figure 3(b) 参照 ) 23 一般に電子励起状態では振動励起すると, 内部転換や項間交差, クラスターの場合には解離などの無輻射過程速度が大きくなるために, 蛍光収率が振動基底状態よりも小さくなる 紫外レーザーによる蛍光強度は電子励起状態の振動基底状態の分布数も反映しているので, 赤外レーザー光による振動励起が起こると, やはり蛍光強度の減少として赤外遷移を観測することができる ここで紫外レーザー光による電子励起後に ICT 反応などの電子遷移が起こった場合について考える (Figure3(c) 参照 ) ICT 反応ではレーザー励起後に LE 状態から CT 状態への遷移が生じる 紫外レーザーと赤外レーザーの間の遅延時間が小さいときには主に LE 状態における赤外遷移が起 Page3of8

4 こるが,CT 状態はすべて LE 状態から生成するので, 結果として CT 蛍光強度が減少する 遅延時間を大きくすると CT 状態で赤外遷移が起こるが, この場合は先に述べたように無輻射過程によって CT 蛍光強度が減少する 従って, CT 蛍光をモニターしておくと,LE 状態,CT 状態どちらの状態における赤外遷移も検出が出来ることになる 赤外レーザー波長を固定して, 遅延時間を掃引すると,LE 状態, CT 状態の時間発展を観測することが可能である またこの方法では, 信号強度が CT 状態のみの分布数を反映するので, 速度論的解析も簡単になる 3.2 量子化学計算 計算は Gausian03 プログラム 24 を用いた 今回は主に電 子励起状態の計算を行ったが, まず比較的簡単な CIS 計算 により各電子状態の最適化構造を求め, それを初期値として CASSCF 計算を行った CASSCF 計算ではアクティブな軌道を選択する必要がある CPDS は S 0 状態ではジシラニル基がベンゼン環に対して垂直に立った構造 ( 垂直型配座 ) をしている ジシラニル基の s Si-Si 軌道はフェニル基の p 軌道とエネルギーが近くどちらもベンゼン環に対して面外方向に向いているので混合が起こり, フェニルジシラン類の特徴でもある s Si-Si - p 共役が起こる LE 状態はベンゼンの S 1 S 0 遷移に対応するため,HOMO-1 から LUMO への励起と HOMO から LUMO+1 への励起の線形結合で表される 一方, ジシラニル基がフェニル基と同じ平面内にある平面型配置では, 垂直型配座の場合と異なり s Si-Si 軌道と p 軌道の共役がなくなる ここでは, シアノフェニル基の p 軌道,p* 軌道, ジシラニル基の s Si-Si 軌道,d p 軌道から 8 軌道を選択し, そこに 8 電子を入れる配置を用いた 最適化で得られた構造が安定構造かどうかの判定と実験結果との比較のために振動数計算を行った CPDS 単量体 : ねじれ型構造変化 Figure4(a) に CPDS の基底状態の赤外スペクトルを示す CT 状態の赤外スペクトルを測定するために ICT 速度の速 いバンド (a 1 t 2 ) を電子遷移に用いた 以前の研究から CPDS の CT 状態における構造変化は主にジシラニル基部位 に現れることが予想されていたので, まず CH 伸縮振動領域 の測定を行った 量子化学計算および他の化合物との比較から,2960cm 1 に現れた強いバンドはメチル基の縮重 CH 伸縮振動,2902cm 1 に観測されるバンドはメチル基の対称 CH 伸縮振動であると帰属した 基底状態ではスペクトルから明らかなように 5つのメチル基はほぼ等価であると考えられる 3000cm 1 よりも高波数側に観測されるバンドはフェニル基の CH 伸縮振動である Figure4(b),(c) に紫外レーザー光と赤外レーザー光の遅延時間 Dt が 0ns,8ns の過渡赤外スペクトルをそれぞれ Figure4. TransientIRspectraofCPDS.(a)IRspectrum ofthes 0 stateofcpds.(b)and(c)transientirspectra.delaytimebetween theuvandirlaserpulsesareindicatedinthefigure.arowsinthe trace(c)indicatetheirbandsofthectstateofcpds. 示した 紫外光と赤外光のパルスが時間的に重なっている Dt=0ns では基底状態に加えて少なくとも LE 状態の過渡赤外信号が含まれているはずである しかしながらスペクトルの形状, バンドパターンに大きな変化は見られない これは LE 状態では CH 伸縮振動がほとんどシフトしておらず, ジシラニル基部位の構造が S 0 状態と LE 状態であまり変化していないことを示唆している Dt=8ns ではスペクトルのパターンが大きく変化し, 図中に矢印で示した 4 本の励起状態のバンド (2886,2950, 2982,3065cm 1 ) が現れた これらのバンドの強度は初め Dt に伴って増大し,CT 蛍光の減衰と同じ時定数で減衰した Dt=8ns 以降はスペクトルのバンドパターンに変化は見られなかった 以上から図中の Dt=8ns の過渡赤外スペクトルは CT 状態の振動スペクトルであると帰属した CT 状態の振動スペクトルは S 0 状態のものと大きく異なっている 特にメチル基の縮重 CH 伸縮振動は CT 状態で 2 本に分裂している (2950cm 1 と 2982cm 1 ) また CT 状態のメチル基の対称 CH 伸縮振動は基底状態から 16cm 1 低波数シフトし 2886cm 1 に観測された さらにフェニル基の CH 伸縮振動にも変化が見られ,CT 状態では 3065cm 1 に強いバンドが観測された 以上のようなスペクトルの変化は CT 状態の構造や電荷分布が基底状態と大きく異なっていることを示している CPDS の S 0 状態,LE 状態,CT 状態の情報を得るために量子化学計算を行った まず CIS 計算を行って得られた構造を初期構造として CASSCF 計算による構造最適化を行った 基底には cc-pvdz を用いた Page4of8

5 Figure5. OptimizedstructuresofCPDSin(a)theS 0,(b)theLE,(c) therictand(d)thectstatesobtainedbythetheoreticalcalculation. Figure5(a),(b) に CASSCF 計算で得られた S 0,LE 各 状態の構造を示した 通常のベンゼン誘導体の pp* 状態に 見られるように LE 状態では S 0 状態に比べてフェニル基の C-C 結合距離が伸びているが, ジシラニル基については大 きな変化は見られなかった この結果は過渡赤外スペクトルによる予測と一致している 予想されるいくつかの CT 状態の構造について計算を行った ジシラニル基とフェニル基が垂直になっている構造では,CIS 計算では pp* 状態 (Plat の分類による L a 状態 25 ) と DMABN の RICT 機構に対応する状態の 2つの状態が得られたが,CASSCF 計算では RICT 型の計算だけが収束し最適化構造が得られた (Figure5(c) 参照 ) 一方ジシラニル基とフェニル基が同一平面内にある平面型の構造では,Figure5(d) に示したような s Si-Si p* 型の電子配置をとる構造が得られた 我々の計算では RICT 型構造に比べて平面型構造は 1.2eV 程エネルギー的に安定であった 平面型の CT 状態は s Si-Si 軌道から p* 軌道への一電子励起配置で良く記述されている この状態では結合性の s Si-Si 軌道から電子が抜けていることから予想されるように,Si-Si 結合距離が S 0 状態 (2.38Å) に比べてかなり長く (2.81Å) なっている これは, 以前の我々の研究 16 で予想していた通りである さらに, ケイ素原子周りの結合が sp 3 型から sp 2 型に近づいていることがわかった このようなジシラニル基の局所的な構造変化の結果, 実測のようにメチル基の赤外スペクトルに影響が現れたものと考えられる 計算結果の詳細は文献 19 を参照されたい 次に量子化学計算で得られた各状態について振動数計算を行い実測と比較した Figure6 にその結果を示した 計算から得られた S 0 状態,LE 状態の CH 伸縮振動領域の赤外スペクトルはバンドのパターンやシフトに大きな違いは見られなかった これは実測の結果を良く再現していると言える RICT 型構造と平面型構造について振動数計算を行ったところ, 実測で明らかとなった縮重 CH 伸縮振動バンドの分裂が平面型構造において良く再現されることがわかった また, 対称 CH 伸縮バンドの低波数シフトも再現されている 従って, 本研究で測定に成功した CPDS の CT 状態の赤外スペクトルから CT 状態が平面型の s Si-Si p* 型の電子励起状態であることが結論された つまり本研究の結果は ICT 反応に伴う垂直型から平面型へのねじれ型の構造 Figure6. TransientIRspectraofCPDS.(a)ObservedIRspectrum ofthes 0 stateofcpds,(b)calculatedirspectrum ofthes 0 state,(c) calculatedirspectrum ofthelestate,(d)calculatedirspectrum of therictstate,(e)calculatedirspectrum ofthectstate,and(f) observedirspectrum ofthectstate,respectively. 変化が起こっていることを明確に示したものと言える 3.4 CPDS-H 2 O クラスターの CT 状態の構造と H 2 O 分子 20 の再配向過程 凝集相中の ICT 反応では溶媒分子の再配向が CT 状態の 安定化に大きく寄与している 溶媒和型クラスターでは溶媒が安定に配位する場所 ( 配向 ) が限られるため溶媒の配向に関する具体的な情報を得ることができる 特に水素結合を形成する溶媒分子の OH 伸縮振動は溶媒分子間の結合や溶質分子の配向による水素結合の状況の変化を鋭敏に反映することが知られている そこで CPDS-H 2 Oクラスターの過渡赤外分光を行うことで ICT 反応に溶媒 (H 2 O) が及ぼす影響について研究を行った Figure7(a) に CPDS-H 2 Oクラスターの S 0 状態の OH 伸縮振動領域の赤外スペクトルを示す 3730cm 1 と 3617 cm 1 に溶媒である H 2 O 分子の OH 伸縮振動のバンドが現れる 既に報告されているベンゾニトリル-H 2 Oクラスター 26 と類似の結果であるので CPDS-H 2 Oは CN 基の横に H 2 Oが配位した side 型の構造をとると考えられる このとき赤外スペクトルの 3730cm 1 のバンドが水素結合していない OH,3617cm 1 のバンドが CN 基に水素結合した OH の伸縮振動に対応している 以下それぞれ自由 OH, 水素結合 OH 伸縮振動バンドと呼ぶ Figure7(b) (d) に CPDS-H 2 Oクラスターの OH 伸縮振動領域の過渡赤外スペクトルを示す Dt=0ns で測定した過渡赤外スペクトルでは S 0 状態の 2つの OH 伸縮振動バンドそれぞれの付近にシャープなバンドが現れた (3728cm 1, 3612cm 1 ) これらのバンドは S 0 状態のバンドからの低波 Page5of8

6 Figure8. (a)timeprofileofthepopulationineachelectronicstateof CPDS-H 2 O clusterintheictreaction. Opensymbolsindicate observeddata,whereassolidlinesindicatesimulatedtimeprofiles asumingtheschemepresentedin(b).non-radiativedecaypathsare indicatedas nr inthescheme. Figure7. TransientIRspectraofCPDS-H 2 Ocluster.(a)IRspectrum ofthes 0 state.(b)-(d)transientirspectra.thedelaytimes betweentheuvandirlaserpulsesareindicatedinthefigure.the electronicstatestowhichthetransientirbandsbelongarealso indicatedinthetrace(b). 数シフトが小さく, バンド強度が Dt を大きくするとすぐに 減少することから LE 状態の OH 伸縮振動バンドと帰属し た LE 状態のバンドに加えて自由 OH 領域, 水素結合 OH 領域それぞれにさらに 2 つのバンドが現れた (3721,3703, 3562,3539cm 1 ) 水素結合 OH 伸縮バンドの低波数シフト が大きいことは,CT 状態ではシアノフェニル基が電荷受容 体となり電荷が増し水素結合が強くなったためと考えられる Dt=4ns のスペクトルを見ると S 0,LE 状態のバンドが消失し,CT 状態のバンドのみが残っているが, それらの間の相対強度に変化が見られる さらに Dt を大きくすると自由 OH, 水素結合 OH 伸縮のそれぞれの領域に1 本ずつのバンドが残ることがわかった 相対強度の時間変化から 3721cm 1 と 3539cm 1 バンドの組が一つの状態に対応し, 3703cm 1 と 3562cm 1 バンドの組がもう一つの状態に対応する つまり,CPDS-H 2 Oクラスターの CT 状態には 2つの異なる状態が存在していることが見出された 以降, 前者を CT1, 後者を CT2 状態と呼ぶ Figure8(a) に過渡赤外信号の時間発展を示す バンドの重なりを避けるため CT1,CT2 は自由 OH 伸縮,LE は水素結合 OH の過渡赤外信号を測定した CT2 が CT1 よりも明らかに遅く立ち上がっていることがわかる 図中の実線は Figure8(b) に示したスキームに従ったシミュレーションの結果であるが, 実測をよく再現している つまり CPDS- H 2 Oクラスターの ICT 反応は,LE 状態からまず 0.6ns の時定数で CT1 状態を生成し, さらに 2.0ns の時定数で CT2 状態を生成する 2 段階の反応であることが明らかとなった この結果は CT 蛍光の寿命解析では得られなかった新しい知見である 本稿では省略するが, 他の溶媒和型クラスターでも同様の 2 段階の反応が観測されている 本研究で見出された 2つの CT 状態の違いについて調べるために CN 伸縮振動についても測定を行った その結果, CT1,CT2 状態の CN 伸縮振動数はそれぞれ 2160,2155 cm 1 であり, その違いはわずか 5cm 1 であった 理論計算によると CPDS の場合垂直構造の L a 型や RICT 型の電子状態では CN 伸縮振動数は平面型状態に比べて 100cm 1 以上低下すると予想されることから,CT1 と CT2 は異なる電子状態ではなく, 同じ電子状態で CPDS に対する H 2 Oの配向が異なる異性体の関係にあると結論した つまり,CT1 から CT2 への変化は ICT 反応における溶媒分子の再配向過程であり, またクラスターの異性化反応であるとも言える 次に CPDS-H 2 Oクラスターの CT 状態について計算を行った CPDS 単量体と同様に CASSCF(8,8) 計算を行い, 基底は cc-pvdz を用いた S 0 及び LE 状態については, 電子スペクトル, 赤外スペクトルの類似からシアノ基の横から H 2 Oが配位した side 型の構造であると考えられる 実際に量子化学計算を行ったところ,S 0 状態については side 型のみが安定構造として得られた LE 状態と S 0 状態では H 2 Oの配位の仕方がほとんど変わらないことは, 実測の電子スペクトルに分子間振動のバンドが現れないことが強く支持している CT 状態では Figure9 に示したような 5つの最適化構造 ( 異性体 ) が得られた 図に示したように各異性体を side 型, linear 型,disilanyl-side 型,on-ring1 型,on-ring2 型と呼ぶことにする 計算結果の詳細は文献 20 を参照されたい 5つの異性体の中では disilanyl-side 型構造だけが他の異性体に比べてエネルギー的に不安定である 他の異性体間のエネルギー差については今回の計算ではその差を議論できるほどの有意の差ではないと考えられる そこで, 振動数計算を行い実測との比較を行った 振動数計算は系が大きいので基底には 6-31G(d) を用いた ただし水素結合をより良く記述するために水分子の H Page6of8

7 Figure9. PossibleisomersofCPDS-H 2 OclustersintheCTstate obtainedbythecasscfcalculation. 原子のみ 6-31G(d,p) 基底を用いた 振動数のスケーリング は同じ計算手法での S 0 状態の振動数を再現するように とした Figure10 に CPDS-H 2 O クラスターの過渡赤 外スペクトルと量子化学計算で求めた各異性体の赤外スペクトルを示す S 0,LE 状態の結果を見ると, 水素結合による低波数シフトの大きさはやや過小評価されていると思われる CT 状態についての結果を見ると, 実測の低波数シフトに比べるとやはり計算で得られた振動数の低波数シフトは小さめに出ていると考えられる その点を考慮して実測のスペクトルと比較し,CT1 状態は linear 型,CT2 状態は on-ring1 型と帰属した linear 型の帰属は,X H-O-H 型の linear 型配置をとる溶質 Xと H 2 Oの 1:1 クラスターにおける自由 OH と水素結合 OH 伸縮振動数の間の相関からも確かめることができた 詳細は文献 20 に述べてあるが,H 2 Oとの 1:1 クラスターが linear 型配置をとることが実験的に示さ れているハロゲン原子負イオン 27,28, ベンゾニトリルアニオン 29, 中性 p- アミノベンゾニトリル 30 では H 2 O 分子の自由 OH と水素結合 OH 伸縮振動数の間に良い相関が見られる これは, 水素結合による片方の OH 伸縮振動数の低下と H 2 O 分子の 2つの OH 伸縮振動の間の相互作用によって説明される CT1 の結果がこの相関に良く一致することから, ここで行った帰属が正しいことが確認された 20 CT2 状態は linear 型を除く異性体の中から最も良く赤外スペクトルを再現するものとして on-ring1 型構造とした 以上の結果から CPDS-H 2 Oクラスターの ICT 反応では side 型の LE 状態から linear 型の CT1 状態へと遷移し,on-ring 型の CT2 状態へ H 2 O 分子が再配向していることを明らかにすることができた このように再配向過程における溶媒分子の配向を明らかにすることは溶媒和型クラスターの利点を活かした成果である 4. まとめ本研究では過渡赤外分光を用いて CPDS 単量体及び CPDS-H 2 Oクラスターの ICT 反応についての詳細な知見を得ることに成功した Figure11 にその結果を模式的にまとめたが,CPDS 単量体ではこれまで TICT 機構で提案されていたねじれ型の分子構造変化が起こっていることを明確に示すことができた さらに CPDS-H 2 Oクラスターでは,LE 状態から 0.6ns の時定数で side 型構造から linear 型の CT1 状態へと遷移し, さらに 2ns の時定数で on-ring 型の CT2 状態へ遷移する 2 段階の ICT 反応であることを見出した 2 段階目の H 2 O 分子の再配向過程は, 双極子 - 双極子相互作用で極性溶媒分子が CT 状態を安定化するという液相における溶媒再配向過程に対応する過程と位置づけることができる 本研究で得られた知見は従来の液相中の研究では得ることが困難な詳細な情報であり, 一般の ICT 反応研究に対 Figure10. SimulatedIRspectraoftheCTstatesofCPDS-H 2 Ocluster.ObservedIRspectrum isshownintrace(a)forcomparison,simulated IRspectraoftheS 0 andthelestatesofthesideisomerare shownintraces(b)and(c),respectively. SimulatedIRspectraofthe CTstateofisomersinFigure9areshownintraces(d) (h),respectively. Figure11. SchematicfigureofthestructuralchangesintheICT ractionof(a)cpdsand(b)cpds-h 2 Oclusterrevealedinthepresent study. Page7of8

8 しても重要な知見であると言える 本研究は, 東北大学大学院理学研究科化学専攻三上直彦教授, 吉良満夫教授, 瀬高渉博士, 杉山益之博士, 田島裕子博士, 島貫洋一君, 岸崇史君, 馬場逸平君との共同研究として行われました 引用文献 (1) Lippert,E.Z.Naturforsch.1955,10a, (2) Grabowski,Z.R.;RotkiewiczK.;Retig,W.Chem.Rev.2003, 103, (3) Rotkiewicz,K.;Grelmann,K.H.;Grabowski,Z.R.Chem. Phys.Let.1973,19, (4) Sobolewski,A.L.;Domcke,W.Chem.Phys.Let.1996,259, (5) Waren,J.A.;Bernstein,E.R.;Seeman,J.I.J.Chem.Phys. 1988,88, (6) Sakurai,H.;Sugiyama,H.;Kira,M.J.Phys.Chem.1990,94, (7) Kira,M.;Miyazawa,T.;Sugiyama,H.;Yamaguchi,M.;Sakurai, H.J.Am.Chem.Soc.1993,115, (8) Shizuka,H.;Obuchi,H.;Ishikawa,M.;Kumada,M.J.Chem. Soc.,Chem.Commun.1981, (9) Shizuka,H.;Sato,Y.;Ishikawa,M.;Kumada,M.J.Chem.Soc., Chem.Commun.1982, (10) Shizuka,H.;Sato,Y.;Ueki,Y.;Ishikawa,M.;Kumada,M.J. Chem.Soc.,FaradayTrans.11984,80, (11) Shizuka,H.;Obuchi,H.;Ishikawa,M.;Kumada,M.J.Chem. Soc.,FaradayTrans.11984,80, (12) Shizuka,H.;Okazaki,K.;Tanaka,M.;Ishikawa,M.;Sumitani, M.;Yoshihara,K.Chem.Phys.Let.1985,113, (13) Hiratsuka,H.;Mori,Y.;Ishikawa,M.;Okazaki,K.;Shizuka,H. J.Chem.Soc.,FaradayTrans.21985,81, (14) Yamamoto,M.;Kudo,T.;Ishikawa,M.Tobita,S.;Shizuka,H. J.Phys.Chem.A1999,103, (15) Tajima,Y.;Ishikawa,H.;Miyazawa,T.;Kira,M.;Mikami,N. J.Am.Chem.Soc.1997,119, (16) Ishikawa,H.;Shimanuki,Y.;Sugiyama,M.;Tajima,Y.;Kira, M.;Mikami,N.J.Am.Chem.Soc.2002,124, (17) Ishikawa,H.;Sugiyama,M.;Kishi,T.;Kira,M.;Mikami,N.; Kajimoto,O.;Reddy,A.M.Chem.Phys.2002,283, (18) Ishikawa,H.;Sugiyama,M.;Shimanuki,Y.;Tajima,Y.;Setaka, W.;Kira,M.;Mikami,N.J.Phys.Chem.A2003,107, (19) Ishikawa,H.;Sugiyama,M.;Baba,I.;Setaka,W.;Kira,M. Mikami,N.J.Phys.Chem.A2005,109, (20) Ishikawa,H.;Sugiyama,M.;Setaka,W.;Kira,M.;Mikami,N. Phys.Chem.Chem.Phys.2007,9, (21) Ebata,T.InNonlinearSpectroscopyforMolecularStructure Determination;Field,R.W.;Maier,J.P.;Tsuchiya,S.,Eds.; BlackwelScience:Oxford,1998;pp (22) Tanabe,S.;Ebata,T.;Fuji,M.;Mikami,N.Chem.Phys.Let. 1993,215, (23) Ebata,T.;Mizuochi,N.;Watanabe,T.;Mikami,N.J.Phys. Chem.1996,100, (24) Gaussian03program package,revisiond.01,frisch,m.j.et al.gausian,inc.,walingfordct,2004. (25) Plat,J.R.J.Chem.Phys.1949,17, (26) Ishikawa,S.;Ebata,T.;Mikami,N.J.Chem.Phys.1999,110, (27) Ayote,P.;Bailey,C.G.;Weddle,G.H.;Johnson,M.A.J. Phys.Chem.A1998,102, (28) Choi,J.-H.;Kuwata,K.T.;Cao,Y.-B.;Okumura,M.J.Phys. Chem.A1998,102, (29) Maeyama,T.;Yagi,I.;Murota,Y.;FujiA.;Mikami,N.J. Phys.Chem.A2006,110, (30) Sakota,K.;Yamamoto,N.;Ohashi,K.;Saeki,M.;Ishiuchi,S.; Sakai,M.;FujiM.;Sekiya,H.Chem.Phys.2002,283, ( 受理日 2007 年 10 月 10 日 ) 石川春樹氏は,2003 年の分子構造総合討論会 ( 京都 ) における研究発表, シアノフェニルジシランの分子内電荷移動反応における微視的溶媒和効果 電荷移動状態の安定化と反応速度の変化 などの業績により奨励賞を受賞され, 翌 2004 年の分子構造総合討論会 ( 広島 ) において 分子内電荷移動反応に対する分光学的アプローチ 分子内電荷移動にねじれは必要か と題する奨励賞受賞講演を行われました 本稿は, その研究内容の解説です 石川春樹 ( いしかわはるき ) 所属 : 神戸大学大学院理学研究科化学専攻専門分野 : レーザー分光学, 反応物理化学連絡先 : 神戸市灘区六甲台町 1-1 電子メール :haruki@kobe-u.ac.jp Page8of8

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