TI 34P02K11-01

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1 Technical Information ASTMAC 入門書 ( 基礎編 ) TI 34P02K11-01 TI 34P02K 初版 (YK) 版 (YK)

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3 はじめに i 本書は初めて ASTMAC でシステム構築する人のための入門書です ただ読むだけではなく, 簡単なシステムを実際に作成しながらシステム構築の基本的な考え方と操作方法を習得することを目的にしています 基礎編では最初に ASTMAC の構造やツールの紹介をしています そして, 例題として 流量監視システム を取り上げ,ASTMAC のメイン機能であるデータの収集と表示を実習します また, 実習を通して 数値表示 トレンドグラフ 帳票出力 メッセージ表示 の基本機能を習得します いずれも作業手順を 1step づつ記述してありますので,Windows の基本的な操作方法 ( キーボードの操作, マウスでの操作など ) がわかれば楽に進めることができます 全体に, あくまでも システム構築の基本的な流れ, ツールの操作方法の習得 を目的にしているため, リファレンス的な要素は少なくなっていますが, 各例題の前に,ASTMAC の用語や概念を簡単にまとめてみました 実習に取り掛かる前に, こちらをご一読される事をお勧めします また, 図版を多くして, 手順をシンプルに記述することを心がけたために, やや説明不足になっている面があり, それをコラムという形で補っています 基本的な用語の解説や操作のヒントなどですが, 内容が 難しい と感じた場合は飛ばしても作業手順には影響しませんので, こちらは後日, ゆっくり読まれても大丈夫だと思います 今回取り上げた例題は, 現場でのシステム構築手順とはやや異なります システム構築においてもっとも重要な設計やフィールド機器との接続が省かれていますし, 作成したシステムの動作確認も PC 上でのシミュレートとなります All Rights Reserved. Copyright 2001, Yokogawa Electric Corporation

4 ii 著作権および商標 著作権 本書の著作権は横河電機株式会社に帰属します 本書をコピーしたり, 第三者に譲渡, 販売, 頒布 ( パソコン通信のネットワークを通じて通信により提供することを含みます ) したりすることを禁止します また, 無断でビデオテープその他に登録, 録画することも禁止します 商標ならびにライセンスソフトウェアについて ASTMAC は, 横河電機株式会社の登録商標です Ethernet( イーサネット ) は, 米国ゼロックス社の登録商標です MELSEC および MELSECNET は, 三菱電機株式会社の登録商標です SYSMAC は, オムロン株式会社の登録商標です その他, 本文中に使われている会社名 商品名は, 各社の商標または登録商標です 本文中の各社の登録商標または商標には,TM, マークは表示しておりません

5 iii ASTMAC 入門書 ( 基礎編 ) TI 34P02K 版 目次 はじめに...i 著作権および商標...ii 目次...iii 1. ASTMACとは ASTMACソフトウェア基本構造 ( 全体図 ) I/Oオブジェクトの役割 データサーバの役割 アプリケーションフォームの役割 ビルダとツールの紹介 オブジェクトビルダ グラフィックビルダ メッセージ管理 システムメッセージ アプリケーションメッセージ コントロールオブジェクトメッセージ オプションパッケージ 例題 : 流量監視 システム作成の前に モード確認 シャットダウン システムランチャ 例題の手順 実習 : オブジェクトビルダでの作業 オブジェクトビルダの起動 I/Oオブジェクトの定義 コントロールオブジェクトの定義 保存と開く オブジェクトビルダでの作業 ( トレンド定義 ) ヒストリビルダの起動 ヒストリブロックの追加 グループの定義 保存とヒストリビルダの終了 オブジェクトビルダでの作業 ( 帳票定義 )... 37

6 2.5.1 帳票ビルダの起動 ブロックの収集データ設定 ブロック設計 - 締め切り集計タブ 保存 テンプレートの編集 master.xlsへの追加 帳票定義のまとめ オブジェクトビルダでの作業 ( その他 ) I/Oシミュレートの設定 データサーバ上のVBAの使用 モード変更とデバッグ 実習 : グラフィックビルダでの作業 グラフィックビルダの起動 グラフィック画面作成の前に グラフィックコントロールの貼り付け プロパティリンク 開平演算値の表示 トレンドグラフ作成 アラームサマリの表示 保存 実行 実行ファイルの作成 実行ファイルの作成 画面アプリケーション実行ファイルの登録 ファイルの削除...75 Technical Information 改版履歴...i iv

7 1. ASTMAC とは <1. ASTMAC とは > 1 ASTMAC は FA 設備に必要な機能を搭載した HMI/SCADA ソフトウェアです 高速応答処理やマルチタスク処理を容易に実現できるのに加え, 任意のアプリケーションを構築するために VBA(Visual Basic Applications Edition) を搭載しているため, 現場の装置や設備を監視するロガーシステムはもちろん, 生産指示, 設備制御システムなど, 幅広いアプリケーションに対応します また, 従来パネル計器で対応していたループ制御と, シーケンス制御を融合させた PLC 計装システムも構築可能です 1.1 ASTMAC ソフトウェア基本構造 ( 全体図 ) ASTMAC の核となる部分の構造です 複雑そうに見えるシステムも基本はシンプルです PLC(Programable Logic Controller) などコントローラのある値が画面に表示されるときのデータの流れを見てみます アプリケーションフォーム 3 ASTMAC グラフィック画面 VBA I/O ドライバ VBA データサーバコントロールオブジェクト 2 I/O オブジェクト 1 VBA VBA 1 I/O オブジェクト (*1) に管理されている I/O ドライバが,PLC のデータを収集 2 データサーバ上に配置されたコントロールオブジェクト (*2) が,I/O オブジェクト (*1) に収集されたデータを保持 3 アプリケーションフォーム上に作成されたグラフィック画面内の部品が, コントロールオブジェクト (*2) の値を表示 *1: I/O オブジェクトについては,1.1.1 項で紹介 *2: データサーバ上に配置されたコントロールオブジェクトについては,1.1.2 項で紹介 ASTMAC は機能的に 3 層に分かれています つまり, I/O 機器との通信を担当する I/O オブジェクト 図の1 データを格納するデータサーバ 図の2 グラフィック画面など任意のアプリケーションプログラムを実現するアプリケーションフォーム 図の3 となります ASTMAC によるシステム開発とは, この各層に対して, 設定を行ったり, 表示用画面を作成したりすることを指します そして, 設定内容や作成した画面はファイルとして保存され, 操業時に実行されます

8 <1. ASTMAC とは > 2 オブジェクト 前頁に I/O オブジェクト コントロールオブジェクト という言葉がでてきました このオブジェクトとは何でしょう? ASTMAC で用いているこの オブジェクト とは, ソフトウェアの機能を部品化したものを指します I/O オブジェクト は,I/O 機器との通信機能をもった部品, コントロールオブジェクト はデータを格納する部品です この仕組みは,VB などの開発言語ですべてを手作りした場合に比べ, 次のようなメリットがあります 必要事項を定義するだけで希望する機能を実現できるので, 効率よくシステムを作成できる 開発言語で手作りした場合, 設計者によって作成プログラムが異なるが, オブジェクトの登録であれば定義内容も統一され, 改造 保守も容易になる 機能の標準部分が多いことで動作の安定が確保され, かつデバッグの工数も大幅に削減される さらに, このオブジェクトを用いるうえで必要な知識として プロパティ と メソッド について自動車を例に説明します 自動車オブジェクト プロパティ 名前 =TR-K 色 = 赤車種 = トラック乗車定員 =3 名積載量 =2t 燃料 = ガソリン メソッド 停止前進走行後進走行アイドリング 自動車を 1 つのオブジェクトとすると, 実体は自動車そのものです プロパティは色とか, 車種など外観をきめる項目や燃料など性能を決める項目です メソッドは機能 ( 動作 ) を表し, 自動車では走る, 止まるなどです このようにオブジェクトは必ず プロパティ と メソッド を持っています ユーザが青い自動車にしたいと思ったら, プロパティの色を青に変更すれば, オブジェクトである自動車本体は青い自動車になります ユーザが走らせたいと思ったら, メソッドの前進走行を呼び出すことで動作します ( 実際はアクセルを踏むということですが...) このようにオブジェクトはプロパティによって形態を定義され, メソッドを呼び出すことで動作します ASTMAC には, このようなプロパティとメソッドを持ったオブジェクトが多数用意されているので, ユーザはオブジェクトを選び用途に合わせてプロパティを変更し, 必要に応じてメソッドを呼び出すことでアプリケーションを容易に作成できます では, 次に前ページで紹介した 3 層の個々の役割について紹介します

9 <1. ASTMAC とは > I/O オブジェクトの役割 通常 PLC など I/O 機器との接続には, データの受け渡しを制御する通信プログラムが必要ですが,ASTMAC はそれらを I/O オブジェクトが標準機能として持っているためプログラミングレスで接続できます 図のように, 接続する機種に応じた I/O ドライバを I/O オブジェクトに装着することでデータの受け渡しを実現します 差し込み口 ( ソケット ) は複数あるので, 各種 I/O 機器を複数接続することが可能です また, サポートされていない任意の機器を任意のネットワークで接続する場合でもカスタムドライバを自作することで対応できます I/O オブジェクト FCN/FCJ ドライバ FA-M3 ドライバ MELSEC ドライバ カスタムドライバ I/F 最大 32 台 カスタムドライバ 任意の機器 任意のネットワーク データサーバの役割 データサーバはデータの格納庫 ( コンテナ ) です データはコントロールオブジェクトと呼ばれる形式で保存されています アプリケーションフォーム データサーバ グラフィック画面の部品 DI AI TXT DO トレンドファイル VBA データの種類 機能に応じて最適なタイプのコントロールオブジェクトを用意 例 ) DI= デジタル入力オブジェクト (1 ビット ) AI= アナログ入力オブジェクト (1 ワード ) TXT= テキストオブジェクト (128 バイト ) DO= デジタル出力オブジェクト (1 ビット ) データ I/O オブジェクト データサーバは I/O オブジェクトからデータを収集したり, 逆に書き込んだりします データはデータの種類に応じて登録した各種コントロールオブジェクトに格納され, アプリケーションフォームで利用されます なお, コントロールオブジェクトはアラーム管理やスケール変換, 積算データの算出なども標準装備しています また, コントロールオブジェクトの機能拡張を行うために VBA も装備しています ( 具体的な使用例は 2 章の実習で紹介します

10 1.1.3 アプリケーションフォームの役割 <1. ASTMAC とは > 4 グラフィック画面を始め, 上位通信や工程管理など任意のユーザアプリケーションを実現するのがアプリケーションフォームです 多数用意された高機能グラフィックオブジェクトを画面に貼り付け, データサーバ上のコントロールオブジェクトと結合することで現場の状況を的確に判断できる高精細なグラフィック画面を実現できます 上位通信や工程管理などのアプリケーションもアプリケーションフォームが搭載している VBA で構築可能です システム固有の言語を覚える必要はなく, デファクトスタンダード言語である VB と同一構文でプログラムを作成できます アプリケーション工程管理フォーム上位通信 VBA グラフィック画面 VBA データサーバコントロールオブジェクト VBA VBA 任意のアプリケーションをマルチタスク構造で実行 < メリット > 処理の同時実行による高速化 独立設計による作成 保守の容易性 I/O オブジェクト これら任意のアプリケーションプログラムは, 機能毎に分割したマルチタスク構造で構築し動作させることが可能です また, マルチタスク支援パッケージを追加することでタスク間の同期処理や配列化したデータの共有なども容易に実現できます

11 <1. ASTMAC とは > 5 < アプリケーション画面例 >

12 1.2 ビルダとツールの紹介 <1. ASTMAC とは > 6 前節で ASTMAC の基本構造をご理解いただけたと思います 今度はシステムを作成する際に用いるツールを簡単に紹介します ツールの使い方や詳しい機能は 2 章の例題で取り上げますので, ここでは各ツールの役割だけ覚えてください ASTMAC には, システム構築の核となるツールとして オブジェクトビルダ と グラフィックビルダ という 2 つのビルダがあります アプリケーションフォームグラフィック画面 VBA VBA VBA グラフィックビルダ データサーバコントロールオブジェクト VBA オブジェクトビルダ I/O オブジェクト I/O ドライバ ASTMAC ビルダ (Build( 築く 組み立てる )+er) : 開発環境を示します

13 1.2.1 オブジェクトビルダ <1. ASTMAC とは > 7 オブジェクトビルダは I/O オブジェクトへ I/O ドライバを登録したり, データサーバへコントロールオブジェクトを登録するツールです コントロールオブジェクトの機能拡張のために用意されているデータサーバ上 VBA のコーディングもここで行います また, ヒストリカルトレンド機能を定義するヒストリビルダや, 日報 月報など帳票を作成するための帳票ビルダもオブジェクトビルダの中に用意されています それ以外の機能としては ビューア機能操業時とデバッグ時にコントロールオブジェクトが保持している Cv プロパティのデータを表示します ランチャ機能ヒストリビルダ, 帳票ビルダなどを起動します ( ヒストリビルダ, 帳票ビルダについては, 1.4 オプションパッケージ を参照 ) 定義情報インポート / エクスポート定義された内容を CSV ファイル ( 値をカンマで区切った形式のファイル ) にして出力 ( エクスポート ) します また, 他の CSV ファイルを読み込むこと ( インポート ) も可能です 複数のシステムを管理するのに便利です 定義情報リスト出力定義された内容をテキスト形式でファイルに出力できます また印刷もできます VBE(Visual Basic Editor) VBA(Visual Basic for Applications Edition) の開発環境です VBA でプログラミングすることにより,I/O オブジェクトからのデータを 1 次処理するこができます

14 <1. ASTMAC とは > 8 例えば, 流量データの開平演算をデータサーバで行い, アプリケーションフォームでは表示するだけにするといった使い方をします 一般に画面のプログラムは何かと複雑になりやすいので, データに関する処理はデータサーバに担当させるとシステムがすっきりするという利点があります アプリケーションフォーム 表示 開平演算値 データサーバ VBA で演算 DI AI TXT DO 流量データ I/O オブジェクト * データサーバの VBA はコントロールオブジェクトのデータ加工や同期処理を担っています 表示機能 ( 画面用フォーム ) は持ちません VBA で演算された値は, デバイスタグオブジェクトの Extra1~3 のユーザに開放したプロパティに格納され, 画面表示用部品とリンクして表示されます このように多くの機能をもつオブジェクトビルダですが, 常に I/O オブジェクトとコントロールオブジェクトに対する処理であることを覚えていてください また, 機能が多いと難しそうに感じますが,VBE 以外はプログラミングではなく, 指定された項目に値を代入する形式となっているので, 操作は簡単です

15 <1. ASTMAC とは > グラフィックビルダ グラフィックビルダの初期画面です グラフィックビルダはグラフィック画面の作成に加え, 上位通信や工程管理など様々なユーザアプリケーションを実現するためのアプリケーションプログラム作成ツールです このビルダの中で, 画面デザイン, 対応するコードの記述, デバッグ, 実行ファイル作成までを行うことができます 実行ファイルというのは, システムを操業するために実行するファイルのことです ASTMAC は 1 つのシステムで複数の実行ファイルを作成, 登録し, 同時に動作させることができます 大きなシステムでは通信やデータベースへのアクセスなど機能によりプログラムを分けて作成し, 操業時には同時に実行させることがよく行われます ( これをマルチタスク機能と呼びます 応用編で実習します ) 図のように, 画面は VB を使ったことのある方ならば, おなじみの画面です 機能もほとんど同じです 違いとしては, データサーバに関連する表示や設定ツールがあることと,VBA の仕様上の制限などが挙げられます 実行ファイルの登録 ASTMAC は生産現場で実際に動作させる状態を 操業モード と呼んでいます これに対して, システムを作成したり, テストを行ったりする状態を 開発モード と呼びます 操業モードでは, グラフィックビルダで作成したアプリケーションを始め多くのプログラムが起動され, 実行されます これらのプログラムを制御し, 実行の順番を管理するのがプロセスマネージャというプログラムです プロセスとプロセス管理については応用編でさらに詳しく説明しています

16 1.3 メッセージ管理 <1. ASTMAC とは > 10 メッセージ管理は, システムの実行中 ( 運転中 ) に発生した様々な状態変化やアラーム, エラーの情報を管理する機能を持っています システムの状態を管理することは, システム構築の上で非常に重要な要素です ASTMAC では発生源が異なる様々なメッセージ ( ユーザが作成したアプリケーションプログラムのメッセージや, システム, データサーバからのメッセージ ) をメッセージ管理サーバが一旦受けて, その後に適切な方法でユーザに通知します このようにシステム全体としてメッセージを管理することで, より正確で統一的な処理が行えます ASTMAC システムアプリケーション システムメッセージユーザメッセージユーザアラーム メッセージ管理サーバ Windows NT イベントログログメッセージログテキストテキストログログ CRT CRT CRT イベントビューアメッセージビューアダイアログ表示アラームサマリ表示 データサーバ プロセスメッセージ 音声出力プリンタ出力 プロセスアラーム イベント通知 アプリアプリケーションケーション メッセージタイプは発生源から 3 種類に分けられます また, その内容からメッセージとアラームとに分類されます アラームとメッセージの違いはオペレータの確認操作を必要とする ( アラーム ) か, しない ( メッセージ ) かです システムメッセージ アプリケーションメッセージ メッセージタイプ コントロールオブジェクトメッセージ ユーザメッセージ ユーザアラーム プロセスメッセージ プロセスアラーム メッセージの内容 ASTMAC システムの基本部分からの情報です Windows のイベントビューアで確認できます アプリケーションプログラムから発生する操業履歴や操作履歴などです 一般的にはログファイルに保存します システムに障害を与える恐れのある警告やエラーのメッセージです アラームサマリで確認できます コントロールオブジェクトが出力する操作履歴です メッセージビューアで確認できます コントロールオブジェクトが出力する警告やエラーのメッセージです アラームサマリで確認できます

17 1.3.1 システムメッセージ <1. ASTMAC とは > 11 システムメッセージは ASTMAC のシステムプログラムが発生させ, メッセージ管理サーバに通知するので, ユーザ側の設定はありません メッセージが発生した場合はメッセージ管理サーバを経由して Windows のイベントログに保存されます アプリケーションメッセージ アプリケーションメッセージはユーザがプログラミングの中で任意に発生させることができるメッセージです メッセージ送信命令 でメッセージ管理サーバに通知され, プロセスメッセージと同様に管理されるので, アプリケーションメッセージもメッセージビューアで確認できます アプリケーションメッセージとしてよく使用されるものとしては, 上位通信のエラーやファイルアクセスエラーなどです コントロールオブジェクトメッセージ コントロールオブジェクトメッセージはその名のとおり, コントロールオブジェクトに関するメッセージです 発生条件と発生時のメッセージ内容はオブジェクトビルダで定義します 例題で取り上げるアラーム表示もコントロールオブジェクトメッセージを利用します

18 1.4 オプションパッケージ <1. ASTMAC とは > 12 ASTMAC はシステムの構成や用途に応じて追加できる様々なオプションパッケージを用意しています オプションパッケージに含まれている機能のうち, 以降の例題で使用するものについて説明します オプションパッケージ一覧 < 定型処理 > テスト機能パッケージ 帳票パッケージ トレンドパッケージ マルチタスク支援パッケージ < エンジニアリング支援 > データ入力コントロール 表形式表示コントロール グラフ表示コントロール 帳票パッケージ < 機器接続ドライバ > MELSEC 接続パッケージ SYSMAC 接続パッケージ Pro-Server 接続パッケージ OPC サーバ接続パッケージ YEWMAC 接続パッケージ DARWIN 接続パッケージ 電力モニタ接続パッケージ カスタムドライバ接続パッケージ <アプリケーション対応 > FA-M3 計装パッケージ 拡張セキュリティパッケージ 操作シールドパッケージ OPC データリンクパッケージ for.net <システム規模拡張 > グレードアップキット ユーザが定めた周期でデータをファイルに保存し, 日報, 月報, 日 - 月報, ロット報 ( 任意の期間 ), 簡易バッチ報の 5 種類の帳票を作成する機能を持ちます データを保存する周期やどのような条件で収集するかなどは帳票ビルダで設定します 帳票ビルダの起動はオブジェクトビルダのメニューより行います 帳票の印刷は Microsoft-Excel で行います トレンドパッケージトレンドパッケージは, データサーバからデータを収集, 保存し, トレンドグラフとして描画する機能を持ちます また, 保存されたヒストリデータをトレンドグラフ以外の形式で表示するためのインタフェース ( ヒストリデータ収集アクセス機能 ) を提供します 帳票ビルダと同じく, データ収集の条件などはオブジェクトビルダから起動されるヒストリビルダで設定します

19 <1. ASTMAC とは > 13 テスト機能パッケージ テスト機能パッケージはデバッグ効率が向上する 3 つの機能を持ちます シミュレート機能コントローラを接続しなくても模擬データでデバッグが行えます デバイスモニタコントローラの値を I/O オブジェクトを通してモニタリングできます オブジェクトトレースコントロールオブジェクトのデータや動作をトレースしファイルに保存します タイミングに依存するバグの発見に有効です シミュレートの仕組み アプリケーションフォームデータサーバ コントロールオブジェクト毎に模擬入力データ / 実データの選択が可能 I/O オブジェクト 実データ 模擬入力データ

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21 2. 例題 : 流量監視 <2. 例題 : 流量監視 > 15 それでは, 流量監視のシステムを実際に構築してみます この例題では, システム構築の基本である PLC からデータを収集して画面へ表示するプログラム を作成し, 動作させます 帳票ビルダを用いて日報も作成します シミュレートの機能を使うので, コントローラや LAN は不要です ただし, オプションパッケージが必要で, テスト機能パッケージ, 帳票パッケージ, トレンドパッケージを使用します また, 帳票作成時には Microsoft Excel(*1) が必要です 帳票作成が不要の場合には, 帳票作成に関連する節を飛ばしてシステムを構築してください *1: Excel のバージョンは,GS 34P02H01-01 NT301AJ 帳票パッケージ を確認してください 図はアプリケーション画面の完成図です 弊社 PLC FA-M3 が現場から収集している流量データを ASTMAC が取り込み, その瞬時値をメータおよびトレンドグラフに表示します また瞬時値の開平演算結果をデジタル表示させ, 画面下段にはメッセージも表示させています

22 2.1 システム作成の前に モード確認 <2. 例題 : 流量監視 > 16 本書では,ASTMAC の新規インストール, およびライセンス登録についての説明は省略します インストール, およびライセンス登録につきましては, 別途 VDS/ASTMAC セットアップマニュアル (IM 34P02A01-02) をご覧ください では, システム作成の前にデスクトップを眺めてみましょう ASTMAC には操業モードと開発モードがあります 操業モードは作成した ASTMAC のアプリケーションを動作させるモードなので, システム作成はできません 立ち上げた PC のタスクバーを見て, 開発モードであることを確かめてください 開発モードの表示 操業モードの表示 モードの切替えは, タスクバーのアイコンを右クリックすると表示される 動作モード変更 にて行います 動作モード変更の確認ダイアログで,[ はい ]/[ いいえ ] を選択します シャットダウン 上記の 2 つのモード以外にシャットダウンモードもあります このモードは, ASTMAC のすべてのプロセスが動作していない状態で, ライセンスの登録や作成したアプリケーションのバックアップをとる時に使用します シャットダウンは, 動作モード変更 の シャットダウン を選択します 一度シャットダウンした後に再度 ASTMAC を起動する場合は,Windows をログオフして, 再ログオンするか, 再起動してください ( シャットダウンする直前のモードで起動されます ) シャットダウンモードの表示 (STARDOM アイコンの非表示状態 )

23 2.1.3 システムランチャ <2. 例題 : 流量監視 > 17 デスクトップにアイコンが表示されています このアイコンをダブルクリックするとシステムランチャが表示されます ここからスタートします ランチャのアイコン [ システム管理 ][ システム構成定義 ][ 開発ビルダ ][ 支援ツール ] をダブルクリックします すると, ツールのアイコンが表示されます システムの開発は主に [ 開発ビルダ ] に含まれているツールを使用します そして, 作成されたシステムの保存, バックアップには [ システム管理 ] を, モニタリングや検査には [ 支援ツール ] を使用します [ システム構成定義 ] は操業時の条件設定時に使用します ランチャランチャとは直訳すると 発射台 のことです 各種アプリケーションのショートカットを使いやすいようにまとめて表示することで, 必要なアプリケーションを探すことなく用いることができます

24 2.2 例題の手順 <2. 例題 : 流量監視 > 18 ここで, 作業手順を挙げておきます 大きく分けて, オブジェクトビルダでの作業とグラフィックビルダでの作業になります この作業手順と 1.2 ビルダとツールの紹介 で示した関連図を合わせて見て, ASTMAC の構造のどの部分に対する作業かを確認してください 初めて見る用語もありますが,3 層になっている構造の下の部分 ( コントローラ側 ) から作成していくことがわかると思います 1. オブジェクトビルダでの作業 1. オブジェクトビルダ起動 項 2. I/O オブジェクトの定義 項 3. コントロールオブジェクトの定義 項 4. 保存と開く 項 5. トレンド定義 2.4 節 6. 帳票定義 2.5 節 7. I/O シミュレートの設定 項 8. データサーバ上 VBA の使用 項 9. モード変更とデバッグ 項 2. グラフィックビルダでの作業 1. グラフィックビルダ起動 項 2. グラフィック画面作成の前に 項 3. グラフィックコントロール貼り付け 項 4. プロパティリンク 項 5. 開平演算値表示 項 6. トレンドグラフ作成 項 7. アラームサマリの表示 項 8. 保存 項 9. 実行 項 最後に例題で使用したファイルの削除を行います

25 2.3 実習 : オブジェクトビルダでの作業 <2. 例題 : 流量監視 > オブジェクトビルダの起動 起動 システムランチャの開発ビルダをダブルクリックし, 開発用ツールのランチャを開きます さらに, オブジェクトビルダをダブルクリックして起動します 画面の構成と名称 オブジェクトビルダの初期画面です メニュー ツールバー ワークスペース名 グループ名 ツリービュー リストビュー

26 <2. 例題 : 流量監視 > 20 オブジェクトビルダは I/O オブジェクトに I/O ドライバを, データサーバにコントロールオブジェクトを登録, 定義するツールです ツリービューには現在開いているワークスペース名とそこに含まれるグループ, I/OObject がツリー表示されます リストビューにはツリービューで選択されているフォルダに属するオブジェクトが表示されます デフォルトのワークスペース ( プロジェクト ) は WorkSpace で, I/OObject と MainGroup が用意されています I/OObject は I/O オブジェクト を格納するフォルダで, すべてのプロジェクトに必ず 1 つ存在しています MainGroup は コントロールオブジェクト を格納するデフォルトで用意されたグループフォルダです グループフォルダは [ プロジェクト (P)]-[ グループの追加 (G)] で複数作成できます ツリービューの MainGroup をクリックして見ましょう まだ中身は空っぽで, リストビューにはなにも表示されません これから作業が進むと登録されたコントロールオブジェクトの情報が表示されます 補足 <オブジェクトビルダのツールバー > オブジェクトビルダのツールバーには下記の通り各種ツールを用意しています セキュリティビルダ帳票ビルダヒストリビルダ検索モード変更 VBE 削除貼り付けコピーカット印刷上書き保存ファイルを開く新規作成

27 2.3.2 I/O オブジェクトの定義 <2. 例題 : 流量監視 > 21 まずは,I/O オブジェクトの定義を行います I/O オブジェクトの定義とは, 接続するコントローラの I/O ドライバを登録することです ここでは弊社 PLC FA-M3 を Ethernet で接続するドライバを登録する手順を記します I/O オブジェクトの追加 ツリービューで I/OObject を選択して,[ プロジェクト (P)] メニューから [I/O オブジェクトの追加 (I)] を選択します 1 選択してから 2I/O オブジェクトの追加 (I) を選択します [I/O オブジェクトの追加 ] ダイアログが開きます [ 名前 ] に 装置 A と入力します この名前が I/O オブジェクト名になります [ タイプ ] はドライバのタイプです ここでは FA-M3-Ethernet を選択します [OK] を押すと, 装置 A オブジェクトプロパティ定義画面が表示されます 以降の画面では名前, タイプの変更はできません 入力内容を確認後,[OK] ボタンを押してください

28 <2. 例題 : 流量監視 > 22 I/O オブジェクトプロパティ定義 各項目の内容は各項目の内容は I/O オブジェクトのタイプにより異なります I/O オブジェクトの名前の規則 装置 A (A は全角 ), 装置 A (A は半角 ), 装置 a みな同じ装置名として扱われます また, 数字で始まる名前, 半角のカナの含まれる名前はエラーになります 長さは最大 16 文字です ドライバ固有情報設定 次に [ ドライバ固有情報 ] タブの [ ホスト名 ] として FA-M3 の IP アドレス を入力します 接続する装置 (PLC ( など ) のネットワーク上の名前またはネットワーク上のアドレスを入力します [ ドライバ固有情報 ] のその他の項目と [ ドライバ共通情報 ][ その他 ] はデフォルトのままでかまいません ここで [OK] ボタンを押すと 装置 A の I/O オブジェクトが登録されます

29 <2. 例題 : 流量監視 > 23 I/O オブジェクト登録完了 登録されました これで,I/O オブジェクトの登録ができました 装置 A のオブジェクト名, ドライバタイプ以外の項目を変更, 確認したい場合はリストビュー上の 装置 A をダブルクリックすると, 装置 A オブジェクトプロパティ定義画面が表示されます

30 2.3.3 コントロールオブジェクトの定義 <2. 例題 : 流量監視 > 24 前項で FA-M3 用のドライバが登録できましたので, 次にその FA-M3 が持っている流量データを収集するコントロールオブジェクトを登録します コントロールオブジェクトの追加 MainGroup を選択した状態で [ プロジェクト (P)]-[ コントロールオブジェクトの追加 (O)] を選択します 1 選択してから 2 コントロールオブジェクトの追加 (O) を選択します [ コントロールオブジェクトの追加 ] ダイアログが表示されます 定義しようとしているコントロールオブジェクトの名前をここでは Y 流量 とします クラスは I/O 機器とデータを受け渡しするコントロールオブジェクトである デバイスタグ, タイプはアナログ入力 AI にして [OK] ボタンを押します グループ グループはワークスペース内の多数のコントロールオブジェクトをあるまとまり ( 例えば作業行程 ) ごとに分けて管理しやすくするためのものです オブジェクトビルダはデフォルトで MainGroup を持ちます MainGroup を削除することはできません

31 <2. 例題 : 流量監視 > 25 プロパティの設定 [ 全般 ] 続いて, 開いた画面はコントロールオブジェクト Y 流量 のプロパティ設定画面です [I/O 情報 ] に 装置 A を選択,[I/O アドレス ] に D1:1:1 を入力してください また [ スキャン方式 ] は 定周期 のままにします 補足アドレスの入力値 D1:1:1 において, 最初の D1 はデバイス種類およびそのデバイス中のアドレスを表しています 中間の1はCPU 番号を表しています FA-M3 では CPU モジュールを 4 枚まで装着できるので,CPU の特定が必要です 入力します末尾 (CPU タイプ ) の 1 は FA-M3R を表しています FA-M3 の場合には 0 を指定します プロパティの設定 [ 固有 ] 次に,[ 固有 ] タブをクリックします スケールの上下限などを下の画面に合わせて入力してください コラム参照 データを収集する周期です 2 秒にします 工業単位は m 3 /h とします アラーム表示のために True にします 上限 下限アラーム設定値は入力値の 90 以上 10 以下で, それぞれのアラームが発生する設定です 表示されていない番号はスクロールして見てください

32 <2. 例題 : 流量監視 > 26 プロパティの設定 [ シミュレーション ] 例題ではシミュレーション機能を使用しますので,[ シミュレーション ] の設定をします まず,[ シミュレートパターン ] を選択します AN05D とします それから [ シミュレート開始 ] をチェックします 1 パターンを選択します 2 チェックします 設定の内容を確認したら OK ボタンを押します 補足 < アナログデータのテストパターン > AN01D は 0 AN05D ( サイン波 ) AN02D ( データ範囲の 1% ずつ加算後に,1% ずつ減算 ) AN06D ( サイン波を 90 度遅 ) AN03D ( データ範囲の 1% ずつ加算 ) AN07D ( サイン波を 180 度遅 ) AN04D AN08D ( ランダム値 )

33 <2. 例題 : 流量監視 > 27 これで, 流量データを収集するコントロールオブジェクトが登録できました リストビューに Y 流量 が表示されます 表示されます コントロールオブジェクトのプロパティを変更, 確認する際は, リストビューに表示されている Y 流量 をダブルクリックしてください プロパティの設定画面が開きます プロパティの参照 (Read) 設定(Write) ここで行ったコントロールオブジェクトの定義はコントロールオブジェクトのプロパティをセットしていたわけですが, これはすべてのプロパティではありません 設定ダイアログに表示されないプロパティも多数あります プロパティにはデザイン時 ( システム作成時 ) に参照, 設定できる ( できない ) ものと実行時 ( 操業時 ) に参照, 設定できる ( できない ) ものとがあります, これは 参照 (Read), 設定 (Write) の属性 と呼ばれています 例えば, オブジェクト名やタイプはデザイン時には参照 設定できます しかし, 実行時には参照はできますが, 設定できません また, アラームの発生を示すプロパティ (AlmHi= 上限アラームなど ) はデザイン時, 実行時ともに参照だけで, 値の設定が一切できません アラームの発生をユーザが書き換えることはないからです この例題のようにシンプルなシステムではこの属性を意識する必要はありませんが, プログラミングを行う場合はこの属性に注意しなくてはなりません

34 <2. 例題 : 流量監視 > 保存と開く ここで, いったんファイルを保存しましょう 保存 基本的には一般のアプリケーションと変わりません [ ファイル (F)]-[ 名前を付けて保存 (A)] を選択します 名前を付けて保存 のダイアログが開いたら, ファイル名 流量監視 を入力して [ 保存 (S)] を押します [ 保存する場所 (I)] はコラム ワークスペースとプロジェクト で説明したフォルダになります Work フォルダの中の DataServer フォルダ 流量監視と入力します

35 <2. 例題 : 流量監視 > 29 *** ブレイク ( ここまでのまとめ ) *** ここまでの実習で,PLC が持つデータを定周期で収集し, コントロールオブジェクトという格納庫に収納するところまで完成しました 手順としては I/O オブジェクトやコントロールオブジェクトなど該当の部品を登録し必要事項を定義することの繰り返しです 1.1 節の ASTMAC 基本構造のうち何処に対してどのような定義を行ったのかを再確認してみてください

36 <2. 例題 : 流量監視 > オブジェクトビルダでの作業 ( トレンド定義 ) 流量監視の結果をトレンドグラフで表示するためにヒストリデータの収集定義を行います ヒストリデータとはコントロールオブジェクトが持つ各種データを一定の周期で集めたもので, ファイルとして保存されます ヒストリデータはブロックという単位で扱います ブロックは最大 32 ブロックまで定義できます 各ブロックはグループに分けられます ( 最大 4 グループ ) そのグループの中に最大 8 点のプロパティ値を設定することすることができます つまり, ヒストリブロックは最大 32 点の値を, ヒストリデータ全体では 1024 点の値を収集することができます ヒストリデータ ヒストリブロック 1 ヒストリブロック 32 グループ 1 グループ 2 グループ 3 グループ 4 コントロールオブジェクトのプロパティ値最大 8 点 このブロックやグループの定義をヒストリビルダで行います

37 <2. 例題 : 流量監視 > 31 histcollection の起動ヒストリデータの収集とトレンドグラフ表示機能はオプションパッケージの機能です そのためデバッグや操業時に動作させるためには 起動の設定 が必要です 詳しくは応用編で解説しますので, ここでは以下の手順に従って起動設定を行ってください また, 次節で取り組む帳票機能も同様ですので, ここで設定を行います システムランチャ の システム構成定義 をダブルクリックします その中の プロセスコンフィギュレータ のアイコンをダブルクリックして起動します メニューの [ オプション (O)]-[ システムオプション ] をチェックすると画面下段の設定プロセスが表示されます ここに, ファイル名 :histcollection.exe がない場合はインストールされていません また, あっても [ 起動フラグ ] が 起動しない の状態だと動作しないので, 下図の番号にしたがって 起動する に変更します 帳票パッケージも同様ですので,YfsReport.exe に対して 起動する に変更してください (histcollection.exe および YfsReport.exe ともに 起動する になっている場合は何もせず終了してください ) 変更後は, メニューの [ ファイル (F)]-[ 保存 (S)] を行い, コンピュータの再起動をします 3 チェックする 1 広げてファイル名を確認 4 押す 2histcollection が 起動しない の場合, 選択する

38 2.4.1 ヒストリビルダの起動 <2. 例題 : 流量監視 > 32 オブジェクトビルダの [ ツール (T)]-[ ヒストリビルダ (H)] を選択します ブロック名が表示されるリストビュー ヒストリビルダ初期画面

39 2.4.2 ヒストリブロックの追加 <2. 例題 : 流量監視 > 33 ヒストリデータ収集のためにヒストリブロックを作成します メニューの [ プロジェクト (P)]-[ ヒストリブロックの追加 (H)] を選択するとブロックの詳細設定ダイアログが表示されます [ 全般 ] タブはヒストリブロック全体の設定項目です 例題ではこのとおりに入力します DEMO と入力します 2 秒 と入力します 1 時間 と入力します デフォルトのまま 収集形式は収集の開始と終了の条件で, 以下の形式があります 連続形式ロータリー型操業モードになると自動的に収集を開始し, 開発モードになると停止する 収集時間を越えると古いデータに上書きしていく よって例題では, 常に最新 1 時間のデータが保存されていることになる バッチ形式ストップ型収集の開始と終了をアプリケーションフォームから指示する形式 収集時間が来るとデータ収集も停止する 収集の開始はトリガーオブジェクトを用いることも可能

40 <2. 例題 : 流量監視 > 34 バッチ形式ロータリー型収集の開始と終了をアプリケーションフォームから指示する形式 収集時間が来ても収集を終了しないで古いデータから上書きしていく 収集の開始はトリガーオブジェクト (*1) を用いることも可能 *1: トリガーオブジェクト : あるコントロールオブジェクトの Cv をトリガーオブジェクト指定することにより, その Cv が 0 以外の値をとった時にデータ収集を開始する 連続形式ロータリー型で長期保存のチェックを ON すると, 収集時間に関係なく収集データがファイル出力されます 長期保存ファイルの保持期間は別途指定可能です Cv プロパティ (Current Value) コントロールオブジェクトが内部で格納しているプロパティのうち, 最も利用されるものです 現在値を示します

41 2.4.3 グループの定義 <2. 例題 : 流量監視 > 35 [ 全般 ] の設定が終了したらグループの定義を行います [ グループ 1] タブをクリックするとオブジェクトの欄に [MainGroup] のフォルダが表示されています そのフォルダをダブルクリックすると [MainGroup] の中に含まれているコントロールオブジェクトが表示されます ダブルクリックすると Y MainGroup が開いて, Y 流量 がオブジェクト欄に表示されます さらに, Y 流量 をクリックすると, Y 流量 のプロパティ一覧が表示されます Cv プロパティをペンに追加したら [OK] ボタンを押します 1Cv プロパティを選択して 3 ペン に追加される 2 追加ボタンを押すと これで, ヒストリビルダの定義は終了です

42 2.4.4 保存とヒストリビルダの終了 <2. 例題 : 流量監視 > 36 ヒストリビルダでの定義内容を保存します オブジェクトビルダの保存と異なる点は, ファイル名を指定しないことです ヒストリビルダの定義ファイルはオブジェクトビルダで現在開いているワークスペース中に決まった名称で作成されるためです よって, 保存は常に上書き保存となり, ヒストリビルダの定義ファイルを複数持つことはできません 保存はメニューからもツールバーからもできます 保存後にヒストリビルダを終了してください ブロックとグループの決め方例題では 1 ブロック,1 グループの定義でしたが, ヒストリデータが多い場合は複数のブロックとグループに分けて定義しなくてはなりません そのときの分け方を示します ヒストリブロックというのはデータ取得の単位になります つまり, ヒストリデータはブロック毎に指定された周期でデータサーバから読み込まれます これは, データの同時性を保証するものです 例えばブロック A とブロック B の収集周期が同じ 10 秒だったとします 仮にブロック A が 00 時 00 分 00 秒にデータを収集したとすると, ブロック B は 00 時 00 分 01 秒に収集されるかもしれません ブロックが異なると収集周期が同じでも収集時刻が異なってしまうのです それならば, ブロックに分けずにすべて同じブロックに定義してしまえば と思われるかもしれませんが, データの取得はデータサーバに負担がかかるのです やはり, ブロックの定義は同時性を重視するデータ同士を同じブロックにするのが基本といえます さて, グループはどうでしょう 同じブロックに定義することにしたデータを今度はグループに分けなくてはなりません グループの一般的な使用法はトレンドグラフです よって, 最も簡単な基準は, 同じトレンドグラフに表示したいか否かということになります グループの定義画面 ( ヒストリブロック詳細ダイアログ ) で, 保存したいプロパティ値を ペン というビューに追加しました ペンというのはグラフを表示するときに色や線種を指定できるペンのことです グループの定義画面ではトレンドグラフに表示される線とデータを関連づけていたとも言えます

43 <2. 例題 : 流量監視 > オブジェクトビルダでの作業 ( 帳票定義 ) 印刷結果 帳票ビルダは印刷用のデータを定義する機能を持ちます 実際に印刷するのは Microsoft Excel ですが,ASTMAC は印刷用のマクロやテンプレートを提供しています ここでは Y 流量の日報の一部を印刷してみます 帳票用のデータもブロックで扱います 印刷したいデータをブロックに登録してブロックごとに印刷条件を設定します 作業手順は, まず帳票ビルダで収集ブロックの定義を行い, その後で印刷用のフォーマットを Microsoft Excel 上で整えます 最後に操業モードで 1 時間ほど運転して自動印字を行います 12:00 から操業し, 締め切りを 13:00 とした場合の印刷例です 時刻 Y 流量 12: : : : : : : 平均値 50

44 2.5.1 帳票ビルダの起動 <2. 例題 : 流量監視 > 38 オブジェクトビルダの [ ツール (T)]-[ 帳票ビルダ (R)] を選択すると以下の初期画面が表示されます 記録報のタイプ と ブロック名 収集ブロック番号 1 から最大 16 1 行に 1 つの収集ブロック定義内容が表示されます ブロックの全般設計 メニューの [ プロジェクト (P)]-[ 収集ブロックの追加 (R)] を選択するとブロック設計の画面が表示されます 以下に設計内容の説明を行いますので, ここでは図のとおりに入力してください 自動割付されます 日報にします 収集周期は 1 分, 記録周期は 10 分を選択します データの集計作業を行い, 自動印刷を行う時刻を設定します 実習ではデバッグ開始直前に変更します 必ずチェック 当日にします 開始を選択します

45 <2. 例題 : 流量監視 > 39 設定項目について, 説明します 記録報のタイプ 5 タイプあります 今回は日報とします 初期設定 開始 を選択するとデータの収集を操業と同時に開始します 停止 を選択すると操業開始時のデータ収集は停止状態となります 周期 収集周期 は帳票ブロックがデータを収集する間隔です 設定の単位は 分 です 記録周期 は収集したデータをファイルに書き込むタイミングを指します 設定の単位は 分 です 例題の設定では,1 分ごとにデータを収集し,10 分ごとにファイルに書き込むことになります その場合には 10 分間のデータ (10 個のデータ ) をすべて書き込むのではなく,10 個の中の最大値, 平均値, 合計などを書き込みます その際の集計方法 ( 最大値, 平均値, 合計など ) は次の [ 収集データ ] タブで設定します 締め切り日報の場合は 1 日のデータを集計し, 印刷する時刻を 締め切り時刻 といいます 月報の場合は毎日の締め切り時刻に加えて, 締め切り日 も設定します 記録報名 とは日報の場合,1 日分のデータを保存する帳票名であり, 月報の場合は 1 ヶ月分の帳票名にあたります 例えば,1999 年 10 月 1 日の日報の場合, 記録報名は D91001 となります D は日報を示します 西暦は下 1 桁, それに月 + 日となります このように記録報名自体は帳票ビルダが自動的に付けますが, その条件として, 前日 ( 前月 ) 名とするか, 当日 ( 当月 ) 名とするかをユーザが指定します

46 <2. 例題 : 流量監視 > 40 下図を見てください 締め切り時刻を深夜 0 時とした場合, それまでの測定値を収集した帳票は 前日 を指定して,D91001 を記録報名とした方が分かりやすいでしょう 下段のように締め切り時刻を 23:00 とすると記録報名は 当日 を指定することになります 実習では 1 時間ほどで締め切り処理を行うように設定しますので, 記録報名は 当日 にしておきます 月報も同様に,1 日を締め切り日にした場合は 前月 を指定します 1999 / 10 / / 10 / 02 収集期間 締め切り時刻 00: / 10 / / 10 / 02 収集期間 締め切り時刻 23:00 自動印字 自動印字 は必ず [ する ] にします 自動印刷をしない にすると印刷用のテンプレートが作成されません ここで 自動印字しない としておいて, 後で ISAM ファイルから指定の日時で印刷用 EXCEL ファイルを作成するためには, プログラミングが必要です

47 <2. 例題 : 流量監視 > 41 ISAM ファイル ( その 1) ASTMAC は帳票のデータを ISAM と呼ばれる形式のファイルに保存しています ISAM ファイル (Index Sequential Access Method) は検索キーを内部に持つファイルで, レコードと呼ばれる単位ごとの検索に便利なファイル形式です ASTMAC の帳票システムでは収集ブロックごとに 1 ファイルが作成されます 作成場所はメニューの [ プロジェクト (P)]-[ 環境設定 (E)] で設定したパスの下に作成されたフォルダの中です ファイル名もタイプごとに自動的に決められます 例えばブロック番号 2 で月報を設計したとすると C: Program Files YOKOGAWA VDS Data Report Monthly M02.yex となります 日報だと C: Program Files YOKOGAWA VDS Data Report Daily D02.yex となります帳票作成操作で ブロック名 という場合は, この M02 や D02 を指します このファイルを直にダブルクリックすると,ISAM ユーティリティが起動して, ファイルの中を見ることができます ISAM ファイルは帳票ビルダで収集ブロックの定義を行った時点 ( データ収集前 ) で作成されます ファイルのサイズは, タイプ ( 日報, 月報, ロット報 ), データの収集点数, 周期, 締め切り集計などを計算して決められます これにより, 操業中にディスクスペースが足りなくなることは防げます 記録報名 :D91001 ISAM D02.yex 記録報名 :D91002 記録報名 :D91003 ISAM ファイルと記録報名の関係

48 2.5.2 ブロックの収集データ設定 <2. 例題 : 流量監視 > 42 [ 収集データ ] タブを押します この画面ではどのデータを印刷するかを設定します 図の番号にしたがって入力してください 列名, 表示桁, 集計処理について説明します 1MainGroup のフォルダをクリックしてオブジェクト (Y 流量 ) を表示 2 Y 流量 をクリックして表示されたプロパティから C Cv を選択 4[ 追加 ] を押すと,[ 登録オブジェクト ] に表示 3 列名, 表示桁, 集計処理を入力 ( 本文を参照してください ) 列名 ASTMAC は印刷用のデータファイル (ISAM ファイル ) を作成し, データを保存しています 列名はその ISAM ファイルのフィールド名になります ここでは A と入力します ( コラム参照 ) 表示桁数値の編集桁数です 整数部 3 桁 小数部 2 桁とします インデックスインデックスはこの項目 ( 列 ) を ISAM ファイルの検索キーとするか否かの指定です ここでは使用しないのでノーチェックとします 集計処理集計処理は 平均値 とします これは,[ 全般 ] タブの [ 周期 ] で設定したタイミングでどのような処理を行い, ファイルに保存するかを示しています ここでは 平均値 なので,1 分周期で収集したデータの 10 分間の平均を記録するという設定になります

49 <2. 例題 : 流量監視 > 43 ISAM ファイル ( その 2) ISAM ファイルの構造を説明します ISAM ファイル全体は下図左のようになっています その中のデータブロックにはレコードという単位でデータが格納されています レコードの項目をフィールド名と呼びますが, データブロックを表にたとえると, レコードが行で, フィールドは列になるので, 列名とも呼ばれます ブロック設計の際に作成された ISAM ファイルには RECORD REPORT RDATETIME のレコード管理用フィールドがあらかじめ作成されています 加えて, ユーザが設定した列名 ( 実習では A でした ) がその後に設定順に続きます RECORD は属性でそのレコードの値が, 記録周期ごとの値か, 締め切り集計の平均値 or 最大値 etc... を保存します REPORT は記録報名です RDATETIME は日時 : 時刻です [ ブロック設計 ]-[ 収集データ ] タブの [ 列名 ] ISAM 管理ブロック フィールド名 ( 列名 ) レコード 1 RECORD REPORT RDATETIME A データブロック レコード 2 インデックスブロック 全体構造 レコード 3

50 2.5.3 ブロック設計 - 締め切り集計タブ <2. 例題 : 流量監視 > 44 [ 締め切り集計 ] タブを押します この画面では, 日報なら 1 日分のデータの集計方法を, 月報なら 1 月分のデータの集計方法を設定します 以下の図中の番号順に設定を行い, 最後に [OK] ボタンを押してください 3[ 追加 ] を押します [ 設定 ] に新しく 1 つ以上の V マークが付かないと 追加 ボタンは有効になりません 1 集計タイプ ( 締め切り時刻になったときに行う処理 ) を選択します 実習では 平均値 とします 2 集計対象となるオブジェクトを選択します ここをクリックして V のマークを付けます ( 再度クリックすると消えます ) 4 表示されました ブロックの設定は以上で終了です

51 2.5.4 保存 <2. 例題 : 流量監視 > 45 帳票ビルダのメイン画面に戻りましたら, 設定項目を確認して保存します 保存 保存は上書きのみとなります 帳票設定のファイルは帳票ビルダを起動したオブジェクトビルダが現在開いているワークスペース中に決まった名称で作成されるためです ( ヒストリビルダと同じ理由です ) 収集ブロックの定義は終了しましたので, 帳票ビルダは終了させてかまいません 保存を行うと,Microsoft Excel 用のテンプレートが自動作成されます 次はこのテンプレートの編集を説明します

52 2.5.5 テンプレートの編集 エクスプローラで作成されたファイルを確認します <2. 例題 : 流量監視 > 46 *Report フォルダのパスは変更可能です デフォルトで C: Program Files YOKOGAWA VDS Data Report に Template というフォルダがあります その中には master.xls と D01.xlt ( テンプレート ) の 2 ファイルが作成されています D01.xlt を Excel メニューより開いてください ( ダブルクリックすると別名ファイル D011.xlt が開かれるのでダブルクリックでは開かないでください ) Microsoft Excel の画面が表示されます 罫線を引き, 時刻と Y 流量を入力します このセル (A3) が次に設定する master ファイルの データ始点 になります 平均値との区切り用に 15 行目にも罫線を引きます *: Microsoft Excel 2007 でテンプレートを編集する場合には,Microsoft Excel 2007 を必ず [ スタート ] メニューから起動してください そして,Office ボタン -[ 開く ] メニューからテンプレートを開いてください エクスプローラからダブルクリックして開くと,[ 上書き保存 ] メニューを選択しても, テンプレートはテンプレート標準フォルダ上に保存されます

53 <2. 例題 : 流量監視 > 47 これが実際の印刷のテンプレートになりますので, 印刷用のタイトルや項目名, 罫線など収集データ以外のものを入力します 時刻 と Y 流量 は ISAM ファイルのフィールドの並び順に依存します 例題ではユーザが設定したフィールド ( フィールド名を A としました ) は 1 つだけでしたが, フィールドを複数設定した場合, その順番はブロック設計の [ 収集データ ] タブで設定した順番どおりにする必要があります 複数フィールド ( 列 ) の場合 例 帳票ビルダブロック設計 [ 収集データ ] タブ * ISAM ファイルの RECORD と REPORT フィールドは管理データなので印字されません RDATETIME のみ時刻データとして印字されます ISAM ファイルのフィールド 登録オブジェクト列名 :A 列名 :B 列名 :C RECORD REPORT RDATETIME A B C EXCEL のテンプレート 時刻流量 A 流量 B 流量 C 入力が終了したら上書き保存します テンプレートの場合, 上書き保存を選んでも必ず保存のダイアログが表示されます そこにデフォルトで表示されているファイル名, ファイルを保存するフォルダおよび, 保存ファイルの形式は Excel のデフォルトになっていることが多いので, 上書き保存となるようにもとのファイル名, パス, 形式をしっかり指定してから保存してください

54 2.5.6 master.xls への追加 <2. 例題 : 流量監視 > 48 同じフォルダに master.xls があります このファイルはマクロが動作するときに ISAM ファイルからどのデータを検索し, 前項で作成したテンプレートのどこから ( どのセルから ) データを埋めていくのかを定義しておくファイルです EXCEL でマクロを含んだファイルを開くと警告メッセージが表示されることがありますが, かまわず開いてください マクロを有効にする (E) を選択します master.xls を開くと Block name data start cell などあらかじめ項目が表示されています 各項目の下にブロック名やテンプレートのセルを指定します テンプレートファイル D01.xlt を見ながら, 設定すると分かりやすいかもしれません [Block name] は D01 です [data start cell] は A3 にします ( テンプレートの A3 セルを指します ) 先のテンプレートで A 列は 時刻 の列になっていました ISAM ファイルの RDATEDAIME 以降をテンプレートの A3 から割り付けるという意味になります [Closing data start cell] は A15 にします ( テンプレートの A15 セルを指します ) master.xls を上書き保存して, 帳票印刷の設定はすべて終了です

55 2.5.7 帳票定義のまとめ 日報の出力例と関連する設定項目をまとめました 罫線や項目名 ( 時刻, タンク A, 最大値など ) はテンプレートファイルにより編集可能 <2. 例題 : 流量監視 > 49 時刻タンク A タンク B 温度 記録周期 : 60 分に設定 締め切り時刻 : 0:00 に設定 1:00 2:00 3:00 4:00 23:00 00: 締め切り集計 : 最大値, 最小値平均値を設定 最大値最小値平均値 収集周期 =10 分, 集計処理 = 平均値に設定したとすると,6 データ (60 分間 ) の平均値

56 <2. 例題 : 流量監視 > 50 マニュアル印刷 自動印刷を する に設定したので, 締め切り時刻には印刷されるわけですが, 締め切り時刻を待たなくてもマニュアル印刷できます 帳票ビルダの画面で最右端に [ 自動印刷 ] という列があります 操業中にダブルクリックすると, もちろんデータは途中までの値ですが, 帳票が印刷されます or 操業中に手動で印刷 or 表示する場合は, ここをダブルクリック ただし, 帳票ビルダの環境設定画面で [ マニュアル印刷 表示 ] の欄を [ 表示 ] にした場合は印刷ではなく,MS-EXCEL が起動して帳票の表示のみとなります

57 <2. 例題 : 流量監視 > オブジェクトビルダでの作業 ( その他 ) I/O シミュレートの設定 I/O オブジェクトを登録し, コントロールオブジェクトを定義して, ヒストリデータ, 帳票と設定してきました この例題で必要となるオブジェクトビルダの設定はほぼ完了しました ここまでのところをデバッグするためにシミュレート機能を設定します オブジェクトビルダの [ ツール (T)]-[ オプション (O)] を選択します オプションダイアログの [I/O コンフィグレーション ] タブを見てください チェックします I/O シミュレーション の項目はシミュレーション入力を利用する場合は ON にします これは I/O オブジェクトに対する入力がシミュレーションか, 実データかという設定ではなく, 実データに加えてシミュレーション入力を利用するか否かの設定になります コントロールオブジェクトのプロパティ設定時に, シミュレート開始 にチェックをして シミュレートパターンの選択 を行いましたが, そこで シミュレート開始 のチェックをはずせば, そのコントロールオブジェクトは実データで入力されることになります チェックを確認したら,[OK] を押して, オブジェクトビルダを上書き保存します

58 2.6.2 データサーバ上の VBA の使用 VBE 画面表示 <2. 例題 : 流量監視 > 52 ここで簡単なプログラムを書いてみましょう データサーバ上の VBA を使用して, コントロールオブジェクトの流量データから開平演算値を求め, その値をプロパティにセットするコードを記述します この開平演算値は最終的にはグラフィック画面に表示されます ( 例題の完成図にも表示してあります ) オブジェクトビルダの [ ツール (T)]-[VBE(E)] を選択すると,VBE の画面が表示されます VBE は VBA によるプログラミングを行う環境を指します プロジェクトエクスプローラを開く プロパティウインドウを開く オブジェクトコンボボックス プロシージャコンボボックス プロジェクトエクスプローラ コードウインドウ ( ここにコードを書きます ) コードウインドウの表示はプロジェクトエクスプローラの MainGroup をダブルクリックします プロパティウインドウ VBA: Visual Basic Applications Edition VBE: Visual Basic Editor VBE が開いたとき, ここにあるすべてのウインドウが表示されているとは限りません メニュー V の [ 表示 (V)] から選択するか, ツールバーのアイコンをクリックして表示してください コードの入力 オブジェクトコンボボックスで Y 流量 を選択すると自動的に Cv_Change( ) のプロシージャ定義が表示されます Y 流量 を選択

59 <2. 例題 : 流量監視 > 53 そこに以下のコードを入力します Private Sub Y 流量 _CvChange() Y 流量.Extra1 = Sqr ( Y 流量.Cv / 100 ) * 100 End Sub 1 行追加 見慣れない単語が並びますが,1 つ 1 つの単語 (Private や Sub) は今のところは呪文だと思ってください Y 流量 _CvChange() というのは,Y 流量の Cv( 現在値 ) が変化したときに自動的に呼び出される一連の手続きでプロシージャと呼ばれます つまり,Private Sub Y 流量 _CvChange() ~ End Sub の間に式を書くと,Y 流量の Cv が変化したときに, この中の式が順に ( といってもこの場合は 1 行だけですが ) 実行されるのです VBA の書き方の規則で, Y 流量.Cv と書くと Y 流量の Cv 値を指します Extra1 というのはプロパティの 1 つで, 変数が入る空の箱です Y 流量.Extra1 と書くことで, Y 流量の Extra1 となります Extra1 はユーザが自由に使えるプロパティです A = B という式は A と B が等しいという意味と B を A に代入する という意味があります 例題の式を見てください Sqr は です 計算結果を Extra1 に代入しています

60 2.6.3 モード変更とデバッグ <2. 例題 : 流量監視 > 54 I/O オブジェクト コントロールオブジェクトの登録から始まりヒストリデータの定義, そして VBA のコード記述までオブジェクトビルダで作成する項目は一通り完了しました ここまでのところを確認する意味でシミュレート機能を使い, デバッグしてみましょう オブジェクトビルダの [ ツール (T)]-[ モード変更 (M)] を選択してください 今までは デザインモード だったはずです これをデバッグモードに変更します モード変更時に 保存をしてから行ってください というメッセージが表示されたら,[OK] を押してオブジェクトビルダ画面で 上書き保存 してからモード変更を行ってください

61 <2. 例題 : 流量監視 > 55 モード変更するとオブジェクトビルダの VBE 画面が表示されますからプログラミングの結果をプロパティウインドウで確認します VBE 画面のプロパティウインドウはコントロールオブジェクトのプロパティを表示しています 右上の を押して Y 流量 を選択します Cv 値と Extra1 の値が変化しているのがわかりますか 押して選択 注目! 注目! データサーバのモード オブジェクトビルダはデータサーバに対する動作モードの変更も行っています デザイン - デバッグ のモード変更はオブジェクトビルダのモードですが, ランタイム への変更はシステム全体のモード変更にもなります システム全体のモードには 開発モード と 操業モード があります システムの 開発モード はデータサーバの デザインモード, システムの 操業モード はデータサーバの ランタイムモード だと考えてください そして, デバッグモードはその中間に位置し, 主に VBA のプログラムデバッグを行うモードと考えてください オブジェクトビルダの起動 デザインモード モード変更 開発モード デバッグモード モード変更 操業モード モード変更 システムの操業モードへの切り替え ランタイムモード 以上で, オブジェクトビルダでの作業はすべて終了しました オブジェクトビルダのメイン画面でもう一度, 保存をしておきましょう

62 2.7 実習 : グラフィックビルダでの作業 <2. 例題 : 流量監視 > 56 今度はグラフィックビルダを使用して, 今まで定義してきたデータを表示させるアプリケーションフォームを作成します オブジェクトビルダは前頁の状態のままにしておきます グラフィックビルダの起動 起動 グラフィックビルダを起動します オブジェクトビルダと同じ開発ビルダのランチャでグラフィックビルダのアイコンをダブルクリックします オブジェクトビルダが起動していない状態でグラフィックビルダを起動すると, エラーが表示されますが, 警告のダイアログを [OK] で進んでいくと起動可能です 画面の構成と名称 グラフィックビルダ画面の例です ツールやウインドウの配置は自由ですので, 異なっているかも知れません プロジェクト名 グラフィックオブジェクト 実行ボタン メニュー VBE アイコン ツールバー プロパティ オブジェクトエクスプローラ プロパティリンク Page オブジェクト ツールボックス レイアウトウインドウ パレット ポインタで指したツールの名前が表示されます

63 2.7.2 グラフィック画面作成の前に <2. 例題 : 流量監視 > 57 データサーバ上に登録したコントロールオブジェクトの各データを今から作成するグラフィックビルダで使用するための定義を行います 1. メニューバーから [ ツール ]-[ データサーバ名登録 ] を選択します 2. 有効 / 無効 のチェックボックスを ON にします 3. 更新ボタンを押すことでデータサーバとの接続が有効になります 1 チェックします 2 押します 3 押します

64 2.7.3 グラフィックコントロールの貼り付け レイアウトウインドウ <2. 例題 : 流量監視 > 58 レイアウトウインドウはこれから作成する表示画面がモニタ上のどこに表示されるかを示しています また, ウインドウサイズも変更できます この図ですと実行したときに画面左上ということになります 試しに, ツールバーの実行ボタンを押してみましょう 画面上に何もないウインドウが表示されたと思います 画面左上の停止ボタンを押すと, もとの画面にもどります VBE を表示 プロジェクトの実行 プロジェクトの中止 見やすいと思う位置にレイアウトウインドウ上の画面を移動させます マウスポインタを画面上に持っていくとポインタが十字の形になるので, ドラッグしてください 確認は再度ボタンを押してください これをドラッグすると位置が変更されます 縁をドラッグするとサイズが変更されます レイアウトウインドウがなかったらメニューの [ 表示 (V)] を選択してください オブジェクトエクスプローラから下を選択することで, 必要なウインドウやツールボックスが表示されます また, 不要になったら通常のウインドウと同様に閉じたり, サイズを小さくしたりできます 選択して表示

65 <2. 例題 : 流量監視 > 59 コントロールを貼り付ける Page オブジェクトを見てください Page オブジェクト サイズ変更のハンドル グリッドのあるウインドウが Page オブジェクトです その外側のウインドウは Page オブジェクトを表示するためのウインドウです 画面サイズはサイズ変更のハンドルをドラッグすると変更できます レイアウトウインドウを表示しておいて, Page オブジェクトのサイズを変更するとレイアウト画面も連動して変化します ここに,Y 流量を表示するための RSGauge コントロールを貼り付けます グラフィックビルダではこのように貼り付ける部品をコントロールと呼びます ツールボックスの RSGauge コントロールを選択して, マウスポインタが十字線になったら Page1 の上でドラッグします 適当なサイズの四角を書くとそれがメータの絵になります 貼り付けはこれで OK です 1RSGauge をクリックする 2Page1 の上でドラッグして, 離すと絵が表示される 貼り付けたコントロールをクリックするとコントロールにブルーのハンドルが表示されます この状態が 選択さ更する場合にはこのハンドルをドラッグします れた状態 です 表示サイズを変更する場合にはこのハンドルをドラッグします

66 <2. 例題 : 流量監視 > 60 プロパティの確認 貼り付けたコントロールのプロパティウインドウを見てみましょう 例題ではデフォルトの値を使用しますので, ここでの入力は不要です 余裕がありましたら, 試しに変更してみるとプロパティの機能がよくわかります 選択されたオブジェクトの名前とタイプ RSGauge1 オブジェクト名 RSGauge オブジェクトタイプ 例題ではデフォルトの名前をそのまま使用しますが, 通常は用途に合わせたわかりやすい名前にします 以下の項目に入力してもプロパティは設定できますが, ここをクリックするとプロパティページが表示されます プロパティページでの設定は, 値を変更するとグラフィック表示も対応して変化するのでイメージが得やすいようです

67 2.7.4 プロパティリンク <2. 例題 : 流量監視 > 61 メータに表示するデータを定義します 本実習では, メータの指針 (Value プロパティ ) にデータサーバ上に登録したコントロールオブジェクト Y 流量 の現在値 (Cv プロパティ ) を割り付けます さらにメータの名前 (Caption プロパティ ) に Y 流量 のオブジェクト名 (ObjName プロパティ ) を割り付けます このように,2 つのオブジェクトのプロパティどうしを結び付けることを プロパティリンク といいます RSGauge Caption プロパティ データサーバのオブジェクト Y 流量 ObjName プロパティ Value プロパティ CV プロパティ 50.0

68 <2. 例題 : 流量監視 > 62 データサーバの確認 オブジェクトエクスプローラを見てください 開いていくとコントロールオブジェクト Y 流量 があります これがオブジェクトビルダで作成したデータサーバのオブジェクトです + をクリックする 開くと右図のように, データサーバのコントロールオブジェクトが見える Value プロパティのリンク Y 流量 をさらにクリックしてプロパティを表示し, メータの Value プロパティとデータサーバのコントロールオブジェクト Y 流量の Cv 値 をリンクさせます プロパティの一覧が表示されていなかったら + をクリックしてください 2ドラッグして, 1Y 流量の Y Cv を選択します 3 メータの絵の上で離します Data タブにしておきます 4この画面が表示されるので Value を確かめて OK をを押します ます 注意 (! [ 表示 (V)]-[ オプション (O)] で プロパティリンクのドロップ時にプロパティのリストをポップアップ のチェックボックスが OFF になっていると, この プロパティ選択 ダイアログが表示されないので,ON にしてください

69 <2. 例題 : 流量監視 > 63 プロパティリンクのウインドウを見てください Value の接続先が表示されています グラフィックビルダで定義したコントロール :RSGauge1 の Value オブジェクトビルダで定義したデータサーバ上のコントロールオブジェクト :Y 流量の Cv ASTMAC.MyDataserver.MainGroup.Y 流量.Cv システム名 データサーバ名オブジェクトグループ名 コントロールオブジェクト名 つまり,Page1.RSGauge1 の Value はシステム名 :ASTMAC のデータサーバ名 :MyDataserver のオブジェクトグループ名 :MainGroup のコントロールオブジェクト名 :Y 流量のプロパティ名 :Cv と接続したことになります これで,Value のプロパティリンクができました プロパティ名 Caption プロパティのリンク Caption は 見出し のことです Y 流量の ObjName ( オブジェクト名 ) をそのままメータの名前として表示します Cv のプロパティリンクと同様に,Y 流量の ObjName プロパティをメータの絵の上にドラッグしてください プロパティ選択 画面が開き, Caption を選択して,[OK] を押します これで,Caption のプロパティリンクができました

70 <2. 例題 : 流量監視 > 64 プロパティリンクでの注意 その 1 プロパティリンクは 2 つのオブジェクト ( データサーバのコントロールオブジェクト と グラフィックビルダのグラフィックコントロール ) のプロパティ同士を関連付ける作業です もともと関連があるものをリンクするので名称や意味合いが似ていることが多いようです ( 例題の Value と Cv も似ています ) どちらのオブジェクトのプロパティなのかを常に意識してリンクしてください その 2 プロパティリンクを削除したいときは, プロパティリンクのウインドウの対象となるプロパティ上で右クリックして, 削除を選択してください 確認メッセージが表示されますので,OK を押してください プロパティリンクのウインドウで対象となるプロパティが選択状態だからと, いきなり DEL キーを押すと,Page に貼り付けられていたコントロールごと削除されてしまうので注意してください ( もし削除してしまったら,Ctrl+Z で復旧できます ) 右クリックすると表示される

71 2.7.5 開平演算値の表示 <2. 例題 : 流量監視 > 65 メータの下に Y 流量 の開平演算値を表示します 新しくデータコントロールを貼り付けて, その Value プロパティと Y 流量の Extra1 プロパティ をリンクします 1 データコントロールを選択します Y 3 Y 流量 の開平演算値が格納されている Extra1 を選択します 4 ドラッグしてデータコントロールの上で離します 2 ドラッグして描画します 5Value を確認したら OK を押します その他の描画 完成図 ( 本章冒頭 ) には 開平演算値 というタイトルや, m3/h という工業単位が表示されています これらは以下の手順で作成することができます タイトル 開平演算値 は, ラベルコントロールを貼り付けてプロパティウインドウを用いてラベルコントロールの Caption プロパティに 開平演算値 と入力します ( ラベルコントロールはツールボックスの [A] のツールです プロパティウィンドウの表示は貼り付けたラベルコントロール上で右クリックし プロパティ を選択します ) 工業単位も上記と同様に作成できますが, ラベルコントロールの Caption プロパティに直接単位を書き込むのではなく, Y 流量 の EngUnit をリンクしてみてください また, プロパティウインドウの Font プロパティでフォントサイズ等を指定することができます

72 2.7.6 トレンドグラフ作成 <2. 例題 : 流量監視 > 66 次にトレンドグラフを作成します グラフが大きいので Page を十分大きく広げておいてください トレンドグラフの貼り付け いままでの表示コントロールと同じく,TreX2 を選択し, ドラッグします サイズは文字が重ならない程度に広げてください TreX2 モードの確認オブジェクトビルダの [ モード変更 ] を開き, デバッグモード であることを確認してください ( デザインモード の場合は デバッグモード に変更しておいてください)

73 <2. 例題 : 流量監視 > 67 トレンドグラフのプロパティ設定 貼り付けたトレンドグラフの上で右クリックして [Property...] を選択します 1 リアルタイムトレンドを選択 2 DEMO!Group1 を選択 3 60 分と入力 4OK を押します まず, 収集グループ をコンボボックスから DEMO!Group1 を選択します 選択すると ペン の各項目の情報が表示されます 次に 期間 を 60 分 に設定します あとはデフォルトのままでかまいません OK ボタンを押してください 設定が終了しますと画面のトレンドグラフにグラフの形が現れます ここでの入力項目を少し説明します タイプ リアルタイムトレンド と ヒストリカルトレンド があります リアルタイム はその名のとおり, 現在の値を表示していきます 短期監視に向いています ヒストリカル はリアルタイムでのグラフ更新も可能ですが, 保存されているヒストリデータからもグラフ表示ができます その際は, データ取得の [ 基点 ] と [ 期間 ] の入力が必要です 長期監視に向いています 基点と期間の関係 時間 期間 基点

74 <2. 例題 : 流量監視 > 68 収集グループヒストリビルダで設定したブロックとグループです 基点 期間 周期トレンドグラフの期間は基点から過去に対して考えます リアルタイムトレンド の基点は常に現在になるので, 入力できません また, ここで設定した期間 周期にしたがってデータを収集し, 表示しするので, ヒストリビルダで指定した期間 周期は参照されません ヒストリカルトレンド では基点と期間を指定します 周期はヒストリビルダで設定したヒストリブロックの値に従うので, ここでの入力はできません オブジェクト割り付け [ 収集グループ ] で指定したグループの [ ペン ] を自動的に割り付けます ここにチェックすると [ ペン ] のリストに [ オブジェクト名称 ] 他が表示されます オブジェクト情報取得オブジェクトビルダで Y 流量を定義した際に,[ 固有 ] タブで設定した項目を自動的に参照して付加する機能です これにより [ 工業単位 ] や [ 上限 ][ 下限 ] などがセットされます 以上を入力したら,[OK] を押してください 他の項目はデフォルトにします 画面にグラフが表示されます ( 表示されたグラフは設定条件の確認用で, 入力データを表示したものではありません )

75 2.7.7 アラームサマリの表示 <2. 例題 : 流量監視 > 69 アラームサマリは, プロセスアラーム, ユーザアラームをリアルタイムに表示するための機能です オブジェクトビルダで Y 流量の上下限値を設定したことを思い出してください シミュレートのデータが上下限値を越えると, 画面にアラームが表示されるようにします AlamFsX2 コントロールの貼り付け 発生したアラームを表示するための AlamFsX2 コントロールを貼り付けます 1 選択して 2 ドラッグします AlamFsX2 コントロールのプロパティ貼り付けた AlamFsX2 コントロールの上で右クリックして [Property...] を選択します プロパティページのうち,[ 接続 ] タブを選択して入力してください その他のタブの項目はデフォルトとします 1 コンピュータ名を入力します 3 追加を押します 2 チェックします 4 表示されます

76 <2. 例題 : 流量監視 > 70 接続のプロパティはメッセージ管理サーバとの接続を意味します この例題ではネットワーク環境ではないので, 自分のコンピュータ名を入力します ( 自分のコンピュータ名の場合には空欄のままでも可 ) 入力が終わりましたら,[OK] ボタンを押してください アラームサマリの設定は終了です アラーム上下限値の設定実習では, アラームの上下限値をオブジェクトビルダで設定しました 実際のシステムでは, 上下限値を固定値ではなく, ラインの種類や状況に応じて, ユーザが入力し設定できるようにすることが多いようです 初期値 ( デフォルト ) としてオブジェクトビルダで設定しておき, 稼動中はアラーム設定画面で変更します 参考までに簡単なアラーム設定画面作成手順を挙げておきます アラーム設定画面を作成する メニューの [ 挿入 ]-[Page] を選択すると新規 Page が表示される 新規 Page( 以下 Page2) にテキストボックスを 2 つ貼り付けて, ラベル 上限値 と 下限値 を付ける さらに CommandButton を2つ貼り付け,Caption をそれぞれ 設定 キャンセル にする ( 下図参照 ) 設定 ボタンをダブルクリックして表示されたコードウインドウに以下のコードを追加します Page1( 例題で作成している画面 ) にも CommandButton を貼り付けて,Caption を アラーム設定 にする ダブルクリックして表示されたコードウインドウの関数に次のコードを追加します Page2.Show 実行時, アラーム設定のボタンを押すと,Page2 が表示されます そこに上下限値を設定して 設定 を押すと上下限の設定値が変更されます Label TextBox CommandButton ダブルクリックするとプロシージャ名が表示される ダブルクリックするとプロシージャ名が表示される 追加 追加

77 2.7.8 保存 <2. 例題 : 流量監視 > 71 ここまでを保存しましょう 操作はオブジェクトビルダと同じです メニューの [ ファイル (F)]-[ プロジェクトに名前を付けて保存 (A)] を選択します オブジェクトビルダと同様に, デフォルトのパスの下の Application フォルダ 拡張子 (.ygp) はあってもなくてもよい 注 : デフォルトのパスは変更可能です ファイル名に 流量監視 と入力し,[ 保存 ] ボタンを押します 実行 これで一通りの設定が終了しました さあ, 動かしてみましょう ツールバーの中に実行ボタンがありますので押します メータとグラフは動いていますか? 開平演算値は更新されていますか? メータの値が 10 以下または 90 以上になるとアラームサマリにメッセージが表示されます プロジェクトの実行 プロジェクトの中止 VBE を表示 プロジェクトを停止させるには, 画面上にある停止ボタンを押します 画面のデザイン上の問題や動かないコントロールが存在した場合などは, プロジェクトを停止させ, 修正してからまた, 実行させましょう

78 2.8 実行ファイルの作成 <2. 例題 : 流量監視 > 72 ここでは実行ファイルの作成方法を紹介します デバッグモードでの実行は, グラフィックビルダからプログラムを起動していたのですが, 実行ファイルを作成することでグラフィックビルダなしに,Windows から起動できるようになります ASTMAC の操業モードでプログラムを実行するためにはこの実行ファイルを作成し, プロセスコンフィギュレータに登録しなくてはなりません ( プロセスコンフィギュレータについては応用編で解説します ) 先程定義した日報の自動印字は操業モードでのみ動作します この動作確認を行うためにも実行ファイルを登録してみましょう 1[ ファイル (F)]-[ 実行ファイルの作成 ] を選択 / S 3[ 保存 (S)] を押す 2[ 実行ファイルの作成 ] ダイアログで実行ファイル名を入力 ( ここでは 流量監視.Ygr とします

79 2.8.1 実行ファイルの作成 <2. 例題 : 流量監視 > グラフィックビルダの [ ファイル ]-[ 実行ファイル ] を選択します 2. 実行ファイルの作成ウィンドウにおいてファイル名を, 先程保存したグラフィック画面名と同じで拡張子が ygr 流量監視.ygr として保存します

80 2.8.2 画面アプリケーション実行ファイルの登録 <2. 例題 : 流量監視 > 74 まず, システムランチャ の システム構成定義 をダブルクリックします その中の プロセスコンフィギュレータ のアイコンをダブルクリックして起動します 流量監視.Ygr の登録を行います 図の番号に従って入力してください 1 チェックをつける 2 ファイル名を入力 [ 参照 ] を 流量監視.Ygr を選択 3[ 追加 ] を押す 4 表示の確認 * 実行ファイルはグラフィックビルダの実習の最後で作成済みです モードを ランタイム にする オブジェクトビルダでモードを ランタイム とし,1 時間以上実行すると, 指定した時刻で自動印刷されます 印刷結果を確認したら終了です また, C: ProgramFiles YOKOGAWA VDS Data Report Daily フォルダの中に D01.yex が作成されます これが ISAM ファイルで, ダブルクリックすると ISAM ユーティリティで中を見ることができます

81 3. ファイルの削除 <3. ファイルの削除 > 75 ここで,ASTMAC のファイル構成を見ながら例題の後始末をします エクスプローラで開いたフォルダの例です ここを開くとグラフィックビルダで作成した 流量監視 のプログラムファイルが格納されている オブジェクトビルダで作成した 流量監視 のプロジェクト オブジェクトビルダで作成した流量監視のファイルはすべて Yokogawa VDS Work DataServer 流量監視 の中に作成されています つまり, プロジェクトごとにフォルダが作成されてデータファイルが管理されています グラフィックビルダで作成したアプリケーションは Yokogawa VDS Work Application の中に 流量監視.ygp で保存されています この例題で作成したファイルをすべて削除したい場合は, オブジェクトビルダで作成した流量監視のフォルダ ( とその中身 ) とグラフィックビルダで作成した 流量監視.Ygp を削除してください また, 実行ファイルを作成した場合は 流量監視.Ygr も削除してください

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83 i Technical Information 改版履歴 資料名称 : ASTMAC 入門書 ( 基礎編 ) 資料番号 : TI 34P02K 年 3 月 / 初版 /R3.01 以降新規発行 02 年 11 月 /2 版 /R4.11 以降改訂 10 年 6 月 /3 版 /R6.30 以降 * 改訂 *:Technical Information 記載内容と対応しているソフトウェアのリリース番号 対応する範囲は次の改訂版が発行されるまで 著作者 発行者 横河電機株式会社 IA マーケティングセンター PAPMK 部横河電機株式会社 東京都武蔵野市中町 記載内容は, お断りなく変更することがあります