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1 上原記念生命科学財団研究報告集, 25 (2011) 130. 大腸菌 srna による遺伝子抑制機構の解明 森田鉄兵 Key words:srna, 大腸菌,RNA 抑制, 転写後制御, 糖リン酸ストレス 鈴鹿医療科学大学薬学部薬学科生物系薬学 緒言遺伝子発現が調節されることは, 生物が環境に適応する上で重要なプロセスである. 近年, 幅広い生物種で遺伝子発現調節を担う低分子の機能性 RNA(small RNA; srna) の存在が明らかになりつつある.sRNA の多くは mrna に作用し, 遺伝子の発現を調節する. 転写開始を調節する転写因子と合わせて, このように srna が遺伝子発現を調節することは, 遺伝子発現ネットワークの巧妙なコントロールを可能にしている. 大腸菌 SgrS は 227 nt からなる srna である. 糖リン酸蓄積時に合成が誘導される SgrS はグルコース透過装置タンパク質 (IICB Glc ) をコードする ptsg mrna を標的とし, その発現を抑制する.SgrS による ptsg mrna 抑制系において,SgrS は 2 つのタンパク質因子と複合体を形成し,ptsG mrna を抑制する. これまでの解析からそれぞれの役割として,i) SgrS は ptsg mrna の翻訳開始領域と部分的に塩基対を形成することで ptsg mrna の翻訳を阻害する ( この翻訳阻害が ptsg mrna 抑制の主体である ),ii) RNA 結合タンパク質である Hfq は SgrS/ptsG mrna 間の塩基対形成を促進させる,iii) エンドリボヌクレアーゼである RNase E は SgrS に標的化された ptsg mrna を分解することが判明している 1,2). また鉄イオン枯渇時に合成が誘導される RyhB による sodb mrna 抑制系においても,3 つの因子が上述と同様に機能することを示した 1). これらの結果は,mRNA 抑制において翻訳阻害が第一義的であるという点で真核生物での mirna と相同性を示す. その一方で,miRNA は mrna 抑制因子として機能するタンパク質因子を標的 mrna 上へとリクルートさせるガイド RNA の機能を主な役割として考えられているが, 大腸菌 srna においては RNA 間に形成される塩基対が直接 mrna の翻訳を阻害し遺伝子の発現を抑制する. この点は,sRNA による遺伝子抑制系において生物種特有の性質があることを示している. 本研究では, さらに深く大腸菌 srna の作用メカニズムの解明を目指し,1. 翻訳阻害における SgrS/ptsG mrna 間の塩基対の意義,2.Hfq/RNase E 間相互作用の詳細な位置の決定を中心に研究を進めた. 方法 結果および考察 1. 翻訳阻害における SgrS/ptsG mrna 間の塩基対の意義これまでの解析より,SgrS/ptsG mrna 間に形成される塩基対が ptsg mrna の翻訳阻害の原因であることを示した 2). そこで本研究では, さらに RNA/RNA 塩基対による翻訳阻害の分子メカニズムの解明を目指し,ptsG mrna と塩基対を形成する SgrS 領域に対応する合成 RNA( 以下 Oligo) を準備し,in vitro での ptsg mrna の翻訳に対する影響を解析した ( 図 1A). 翻訳産物を検出する目的で FLAG タグを付加するように設計した ptsg-flag mrna, および gfp-flag mrna( コントロール ) を Oligo と混合し 70 で処理することで RNA 間の塩基対形成を促した. これまでの解析から同処理が Hfq の機能と同等の役割を果たすことを示している 2). その後 PURESYSTEM と混合し,ptsG-FLAG mrna の翻訳を解析した.PURESYSTEM は翻訳に必要な因子をそれぞれ独立に精製し再構成させた無細胞 in vitro 翻訳系である. 反応後, ウエスタンブロッティングにより解析した結果, 全長 SgrS 同様に,SgrS 塩基対形成領域 31 nt,20 nt,14 nt に対応する Oligo31,20,14 は,ptsG-FLAG mrna の翻訳を特異的に阻害した ( 図 1B,C). その一方で,in vivo の解析から明らかになっている SgrS/ptsG mrna 間の塩基対形成に影響を及ぼす点変異を導入した Oligo31-G176C,G178C は ptsg- FLAG mrna の翻訳には影響を与えなかった ( 図 1B). また Oligo13,12 が ptsg-flag mrna の翻訳に与えた影響はわずかであり, それより短い Oligo は ptsg-flag mrna の翻訳を阻害しなかった ( 図 1D). 32 P でラベルした ptsg- 1

2 FLAG mrna を用いてゲル移動度シフト実験を行った結果 Oligo14 では ptsg-flag mrna の移動が確認された一方 で Oligo13 12 では ptsg-flag mrna の部分的な移動が またそれより短い Oligo では ptsg-flag mrna の移動 は確認されなかった 図 1E これらの結果より ptsg mrna の翻訳阻害に十分な SgrS 領域が 14 塩基 12 塩基対 であ 3) ることが示された 図 1 ptsg mrna の翻訳阻害に十分な SgrS 領域は 14 塩基 12 塩基対 である 3) (A) ptsg mrna/sgrs 間に形成される塩基対と実験で用いた合成 RNA Oligo を示した ptsg mrna の SD 配列 および開始コドンを下線で示した 実験結果から明らかにした ptsg mrna の翻訳阻害に十分な SgrS 領域を 白抜きで示した 用いた Oligo は株式会社医学生物学研究所に合成を委託した (B)(C)(D) SgrS あ る い は 図 に 示 す Oligo そ れ ぞ れ 0.4 pmol と ptsg-flag mrna gfp-flag mrna それぞれ 0.2 pmol を混合し 70 で 5 分間 その後に緩やかに 30 まで温度を下げた 処理した後に PURESYSTEM で 40 分間反応させた 抗 FLAG 抗体を用いたウエスタンブロッティングにより翻訳産物を解析した (E) 32P 標識した ptsg-flag mrna 0.2 pmol を Oligo 0.2 pmol と混合し 70 で処理した後に ゲルシフ トアッセイにより RNA 間の結合を解析した 次に Hfq 存在下において ptsg-flag mrna の翻訳に対する Oligo の影響を解析する目的で ptsg-flag mrna gfp-flag mrna 合 成 RNA お よ び 精 製 し た Hfq-HIS を 混 合 し 30 で 5 分 間 反 応 さ せ た 後 PURESYSTEM により ptsg-flag mrna の翻訳を解析した 解析の結果 全長 SgrS で Hfq 存在下でのみ ptsg-flag mrna の特異的な翻訳阻害が観察されたのに対して Oligo31 では Hfq 存在下においても ptsg-flag mrna の翻訳は 影響を受けなかった 図 2A 3) これらの結果は Oligo31 に対応する SgrS 領域は Hfq との相互作用には不十分であることを 示している またこれは SgrS の Hfq 結合領域の決定につながる重要な結果であると考えられる 2

3 Oligo の解析の中から興味深い結果が得られた. それぞれの mrna, および Oligo20, あるいは Oligo14 を混合し,37 で 5 分間反応させた後に PURESYSTEM により ptsg-flag mrna の翻訳を解析した結果, 全長 SgrS,Oligo31 とは異なり,Oligo20,14 で ptsg-flag mrna の強い翻訳阻害が観察された ( 図 2B). 同条件下で, 32 P でラベルした ptsg- FLAG mrna を用いてゲル移動度シフト実験を行った結果, 全長 SgrS,Oligo31 に比べ,Oligo20,14 と ptsg-flag mrna との強い結合が確認された ( 図 2C). これらの結果は,Oligo20, あるいは 14 に対応する SgrS 領域まで SgrS を短くすることで,Hfq 非存在下においても ptsg mrna の翻訳が阻害されることを強く示唆している 3). この点は,Hfq による srna/ mrna 間の塩基対形成促進のメカニズムの解明につながると考える. すなわち, 全長 SgrS においては Oligo14 に対応する領域はそれ以外の領域により通常は閉鎖状態にあり,Hfq が結合することによりその領域が開鎖されるというモデルが考えらえる. 今後, それぞれの Oligo, また SgrS の RNA 構造などを解析し比較すること, またこれまでの知見も含め他の srna において同様のストラテジーで分析することで,Hfq による srna/mrna 間の塩基対形成促進モデルの全容の解明につなげる. 図 2. Oligo/ptsG mrna 間の塩基対形成に対する Hfq の影響の解析 3). (A) 実験で用いた Hfq は C 末端に HIS タグが付加された組換え体を精製して用いた.SgrS, あるいは Oligo31( それぞれ 0.4 pmol) を ptsg-flag mrna,gfp-flag mrna( それぞれ 0.2 pmol) と混合し, また Hfq(0.8 pmol) を添加した ( 偶数レーン ). 混合物を 30 で 5 分間処理し, その後に PURESYSTEM で 40 分間反応させた. 抗 FLAG 抗体を用いたウエスタンブロッティングにより翻訳産物を解析した. (B) SgrS, あるいは図に示す Oligo( それぞれ 0.4 pmol) を ptsg-flag mrna,gfp-flag mrna( それぞれ 0.2 pmol) と混合し,30 で 5 分間処理した. その後に PURESYSTEM で 40 分間反応させた. 抗 FLAG 抗体を用いたウエスタンブロッティングにより翻訳産物を解析した. (C) 32P 標識した ptsg-flag mrna(0.2 pmol) を Oligo(0.2 pmol) と混合し 70 で処理した後に, ゲルシフトアッセイにより RNA 間の結合を解析した. 2.Hfq/RNase E 間相互作用の詳細な位置の決定 RNase E は全長 1061 アミノ酸からなるエンドリボヌクレアーゼであり,C 末端領域 (scaffold 領域 ) にいくつかのタンパク質因子が結合することが示されている (RNA degradosome, 図 3A). またこれまでの解析より,Hfq(/sRNA) も RNase E の scaffold 領域に結合することを示した 4). そこで本研究では,Hfq の RNase E 結合領域を詳細に決定する目的で,scaffold 領域を C 末端から段階的に欠失させた変異 RNase E 組換え体の発現系を構築し,sRNA に標的化された mrna 分解, および免疫沈降による共沈実験により,Hfq/RNase E 組換え体の結合を解析した.RNase E 組換え体は,C 末端を欠失させると同時に抗 FLAG 抗体が認識するタグ配列が付加されるように, 染色体上の rne 遺伝子を組み換えて構築した.SgrS によ 3

4 り標的化された ptsg mrna の分解に対する RNase E の C 末端欠失の影響を解析する目的で グルコース非代謝アナログ である α-metylglucoside MG あるいは glucose を添加した後 10 分後にそれぞれの変異株の培養液から調製した全 RNA を ptsg mrna あるいは SgrS をそれぞれに認識する DNA プローブを用いてノーザンブロッティングにより解析した 解析 の結果 RNase E の および アミノ酸領域を持つ変異 RNase E 組換え体を発現する変異株で 野 生株と同様に MG を添加した条件下で ptsg mrna は速やかに分解された 図 3B その一方で これまでに示された rne701-flag 株の結果と同様に RNase E の アミノ酸領域を持つ変異 RNase E 組換え体を発現する変異株では MG を添加した条件下においても ptsg mrna の速やかな分解は起こらなかった 図 3B 次に それぞれの培養液から細 胞粗抽出液を調製し 抗 FLAG 抗体を用いて RNase E 組換え体を免疫沈降させ 共沈したタンパク質因子をウエスタンブ ロッティングにより解析した 解析の結果 RNase E に結合する代表的なタンパク質因子 RhlB enolase PNPase は これまでの知見とほぼ一致する RNase E 領域での結合が確認された 図 3C 750 アミノ酸まで C 末端を欠失させた RNase E 組換え体は Hfq と結合した 図 3C その一方で RNase E710-FLAG は RNase E701-FLAG と同様に Hfq との 結合は確認されなかった 図 3C 以上の結果を合わせると SgrS に標的化された ptsg mrna を分解するのには RNase E の 領域と Hfq の結合が必要であることを強く示唆している 図 3A 5) また RNase E の C 末端を段階的に欠失 させることにより Hfq の結合量が減少していったことから Hfq は RNase E の 領域に加えて 領域にも結 合していると考えられる 今後は Hfq/RNase E の結合に必要な Hfq 領域の同定 あるいはそれらの結果をもとに SgrS/Hfq/ RNase E による ptsg mrna 分解の in vitro 再構成にチャレンジし srna による mrna 分解の詳細な分子機構の解明 につなげる 図 3 RNase E/Hfq 間の機能的結合領域の決定 5) (A) RNase E の全長と結合因子の結合部位を示した RNase E の アミノ酸領域は Arginine-rich RNA binding domain である RNase E の scaffold 領域 アミノ酸領域 に結合する代表的なタンパク質因子 の結合位置を上部に示した 本研究で示した Hfq の機能的結合部位を下部に示した (B) 図に示す株を A600=0.6 まで培養し 最終濃度 0.2%になるように glucose Glc あるいは α-metylglucoside を 添加した その後 10 分間培養を継続し RNA 試料を調製した 15µg ptsg mrna あるいは 5µg SgrS の RNA をノーザンブロッティングにより解析した (C) A600=0.6 まで培養し 細胞粗抽出液を調製した 抗 FLAG 抗体ビーズを用いて RNase E 組換え体を免疫沈降 させた それぞれ図に示すタンパク質を認識する抗体を用いて沈降画分をウエスタンブロッティングにより解析した 4

5 共同研究者 本研究の共同研究者は, 鈴鹿医療科学大学薬学部薬学科の饗場弘二, および名古屋大学大学院理学研究科の牧貴美香, 池田幸樹, 大鷹弘紀である. 本研究にご支援いただきました上原記念生命科学財団に深く感謝申し上げます. 文献 1) Aiba, H.:Mechanism of RNA silencing by Hfq-binding small RNAs. Curr. Opin. Microbiol., 10: , ) Maki, K., Uno, K., Morita, T. & Aiba, H.:RNA, but not protein partners, is directly responsible for translational silencing by a bacterial Hfq-binding small RNA. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 105: , ) Maki, K., Morita, T., Otaka, H. & Aiba, H.:A minimal base-pairing region of a bacterial small RNA SgrS required for translational repression of ptsg mrna. Mol. Microbiol., 76: , ) Morita, T., Maki, K. & Aiba, H.:RNase E-based ribonucleoprotein complexes: mechanical basis of mrna destabilization mediated by bacterial noncoding RNAs. Genes Dev., 19: , ) Ikeda, Y., Yagi, M., Morita, T. & Aiba, H.:Hfq binding at RhlB-recoginition region of RNase E is crucial for the rapid degradation of target mrnas mediated by srnas in Escherichia coli. Mol. Microbiol., 79: ,

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