第 8 章代謝概論 8.1 はじめに 代謝 (metabolism): 栄養素 生体成分の構築 8.2 異化と同化 講義用補助資料 の獲得 異化 (catabolism): 外界から取り込んだ物質 ( 食物 ) を分解し, より簡単な化合物に変 え エネルギーを取り出す過程 発生するエネルギーで,A

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1 第 8 章代謝概論 8.1 はじめに 代謝 (metabolism): 栄養素 生体成分の構築 8. 異化と同化 講義用補助資料 の獲得 異化 (catabolism): 外界から取り込んだ物質 ( 食物 ) を分解し, より簡単な化合物に変 え エネルギーを取り出す過程 発生するエネルギーで, がつくられる ( 例 ) ΔG = 870 kj 同化 (anabolism): カルボン酸 アミノ酸 二酸化炭素などの簡単な化合物から, より複 雑な化合物をつくる過程 ( 例 ) 植物や光合成細菌の光合成 8.3 物質代謝とエネルギー化学反応における自由エネルギー変化 (ΔG): ΔG = ΔG 生成物 ΔG 反応物 = ΔG + RT ln ([ 生成物 ]/[ 反応物 ]) ΔG, 標準自由エネルギー変化 (5,1 気圧, 濃度は 1 M) 複雑な化合物 (, アミノ酸, 脂肪酸など ) 異化 同化 簡単な化合物 (,, 3 など ) 図 1 異化と同化 生体系では, 水素イオン濃度 [ + ] = 1 M(p=0) の代わりに p=7.0([ + ]=10-7 M) を生化学的標準状態と定め,ΔG の代わりに ΔG を用いる 発エルゴン反応 活性錯合体 吸エルゴン反応 活性錯合体 反応物 ΔG<0 ΔG>0 生成物 発エルゴン反応 : ΔG が負の反応 放出される自由エネルギー 種々の仕事に利用 細胞内で最も重要な発エルゴン反応の 1 つは の加水分解反応である + + P i ΔG ' = 30.5 kj (= 7.3 kcal) 吸エルゴン反応 : ΔG が正の反応 ひとりでには起きにくく, 外からの仕事 ( エネルギー ) が必要 ( 例 ) D-glucose + P i D-glucose 6-phosphate ΔG ' = kj エネルギー的に不利な反応をどうする? 発エルゴン反応と同時に行うことで吸エルゴン反応を進行させることができる ( これを反応のという ) ( 例 ) D-glucose + D-glucose 6-phosphate + ΔG ' = 16.7 kj 8.4 アデノシン三リン酸 高エネルギー化合物 : 生成物 反応物 図 発エルゴン反応と吸エルゴン反応 する化 合物のこと そのような結合を結合という は 全ての生物の高エネルギー通貨 と呼ばれる は 貯蔵用のエネルギー ではない これに対して, グリコーゲンやトリグリセリド ( 脂肪 ) は エネルギーの貯蔵物質 異化代謝で を再生できる タンパク質糖質脂質 表 1 高エネルギー化合物 化合物 ΔG (kj/mol) ホスホエノールピルビン酸 ,3-ビスホスホグリセリン酸 49.4 アセチルリン酸 43.1 ホスホクレアチン 43.1 /AMP 3. / リン酸 0.9 フルクトース 6-リン酸 リン酸 13.8 グリセロール 3-リン酸 9. 図 3 の構造 エネルギー代謝でつくられる の利用 1 運動 : 化学反応の推進 : 3 物質やイオンの輸送 : 尿素, +P 解糖, 呼吸 図 4 エネルギー代謝 1 運動 生合成 3 物質の輸送 1

2 基礎代謝 (basal metabolism, BM) 基礎代謝量とは 生きていくのに最低限必要なカロリー のこと 活動をしない = 寝ている状態 基礎代謝 筋肉の緊張や各臓器が働くために必要なエネルギー 基礎代謝量 0.6 = 1 日に必要なカロリー体重 50 kg の女性 100 kcal 必要 もし,1 日に消費されるエネルギーがすべて として供給されるとしたら, の合成量は 15 kg にもなる 100 x 507 = 15,000 g 異化代謝と 獲得 の獲得手段 1 発酵 : 乳酸 + 38 kj ( 基質レベルのリン酸化 ) 呼吸 : kj ( 酸化的リン酸化 ) 3 光合成 : 太陽の光エネルギー ( 光リン酸化 ) 4 化学合成 : kj 8.6 生体酸化 呼吸と酸化的リン酸化 生体酸化分解の原理 ミトコンドリア (mitochondria) マトリックス (matrix): TA 回路, 脂肪酸の 酸化, 尿素回路の一部の酵素 ( 肝 ), ミトコンドリア DA,tRA, リボソームなどが存在 膜間腔 (intermembrane space): ヌクレオチドをリン酸化する酵素やシトクロム c などが存在 内膜 (inner membrane): 折りたたまれてクリステ (cristae) を形成 ほとんどのイオンはこの膜を通過できない 呼吸鎖の電子伝達系酵素群, 合成酵素, マトリックス内外への物質輸送を調節するタンパク質などが存在 ミトコンドリアでの炭素の燃焼ミトコンドリアはアセチル-oA を酸化してエネルギーを生み出す 1アセチル-oA の炭素を TA 回路で燃やして二酸化炭素にする 水素を や FAD の形で補酵素に捕捉する 3 呼吸鎖で や FAD を酸化して水にする この過程で, がつくられる 合成の駆動力は, ミトコンドリア内膜をはさん脂質で形成されるプロトン濃度勾配と電荷勾配 β- 酸化 膜間腔 表 性 年齢階層別基礎代謝基準値 年齢 男 女 基準体重 kcal/kg / 日 基準体重 kcal/kg / 日 1~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 以上 膜間腔 糖質 解糖 ピルビン酸 アセチル-oA タンパク質 アミノ酸 マトリックス 図 7 ミトコンドリアの写真 ( 上 ) と構造 クリステ 内膜 外膜 内膜 マトリックス I II III IV e - e - e - FAD TA 回路,β 酸化, 解糖 e - 図 6 呼吸鎖と電子伝達 + P i ase + GTP TA 回路 FAD 呼吸鎖 ミトコンドリア 図 5 生体酸化分解の原理 8.6. TA 回路 ( クエン酸回路 ) ここにアシル基が結合 補酵素 A(oA) TA 回路の目的 (1) アセチル基の炭素を酸化 に変換する ( 反応 4と5) () アセチル基の水素 還元型の補酵素とに変換 ( 反応 4~7,9) (3) アミノ酸代謝 回路 糖新生など, 他の多くの経路の仲立ちをする 代謝の交差点 TA 回路の正味の反応式 ( 呼吸鎖を勉強してから の分子数を記入しよう ) 3 -oa FAD + GDP + P i FAD + GTP + -oa

3 FAD + + リンゴ酸 フマル酸 FAD コハク酸 オキサロ酢酸 FAD GTP GTP 6 GDP + P i 呼吸鎖と電子伝達系 3 oa アセチル-oA oa 6 -oa スクシニル -oa クエン酸 図 8 TA( クエン酸 ) 回路 cis-アコニット酸 3 イソクエン酸 oa 5 α-ケトグルタル酸 [ 目的 (1)]1~5 アセチル基の - 結合を直接切断するのは困難である そこで TA 回路の最初の反応でアセチル -oa をオキサロ酢酸と縮合させて 6 化合物 ( クエン酸 ) に変え, その後,1 つずつ を切り離して 4 化合物にする 結果として, アセチル基を完全に分解したことになる [ 目的 ()]4~7,9 8 つの水素原子は 3 分子の (+ + ) と 1 分子の FAD に変えられる また GTP 1 分子も生じる [ 目的 (3)] オキサロ酢酸, ケトグルタル酸, スクシニル -oa, フマル酸, リンゴ酸が種々の代謝経路と密接に関連している + + : シトクロム c + yt c 複合体 I oq 複合体 Ⅲ e - 複合体 IV e - Fe-S Q Fe-S c 1 a-u e - FM b a 3-u e - Fe-S e- e - 複合体 Ⅱ FAD FAD コハク酸フマル酸 FAD oq Fe 3+ Fe + Fe 3+ Fe + Fe フラビン酵素ユビキノン yt b yt c1 yt c yt a yt a3 e - FAD oq Fe + Fe 3+ Fe + Fe 3+ Fe + ½ 図 9 電子伝達系の全体像 ( 上 ) と反応 ( 電子が 個移動した時 ) + は複合体の隙間を通って膜間スペースへ運ばれる 膜間スペース 内膜 マトリックス / 図 10 補酵素 Q(oQ) FAD 6 + や FAD を水にする過程で, ミトコンドリア内膜にあるタンパク質複合体 I, III, IV は, ミトコンドリアのマトリックスから膜間腔にプロトン ( + ) を汲み出す ( つまり, 複合体 I, III, IV は ) 膜間腔の高濃度のプロトンはミトコンドリア内膜にある 合成酵素 (ase) の中を通ってマトリックスに戻ってくる このとき, とリン酸から がつくられる ( 後述 ) + リン酸 + 3

4 電子伝達系複合体の構成と 合成 複合体 Ⅰ デヒドロゲナーゼ or -oq レダクター ) oq + oq G o = 71 kj/mol 複合体 I を電子が通過すると,4 つの + が膜間腔へ運ばれる 複合体 Ⅱ コハク酸デヒドロゲナーゼ or コハク酸 oq レダクターゼ FAD + コハク酸 + oq FAD + oq + フマル酸 G o =.9 kj/mol Fe 複合体 Ⅲ ( シトクロム bc 1 または oq- シトクロム c レダクターゼ ) oq + cyt c(fe 3+ ) oq + cyt c(fe + ) + + G o = 41 kj/mol) 電子が複合体を通過する間に,4 つの + が膜間腔へ運ばれる シトクロム c 内膜の表在タンパク質 複合体 III のシトクロム c 1 と複合体 IV に交互に結合し 1 つずつ電子を運ぶ 複合体 Ⅳ シトクロム c オキシダーゼシトクロム c からの電子は複合体 IV を経て, 最終受容体である酸素 ( ) に渡され, 水が生じる 4 cyt c(fe + ) cyt c(fe 3+ ) + G o = 110 kj/mol 電子が複合体を通過する間に, つの + が膜間腔へ運ばれる 酸化的リン酸化 (xidative phosphorylation) 酸化的リン酸化の化学浸透説 P. Mitchell(1961 年 ) 提唱 電子伝達系の過程でマトリックス側から膜間スペースへ + の移動 ミト コンドリア内膜を隔てて + の が形成される 電子伝達で放 出されたエネルギーは電気化学的ポテンシャル ( +) として蓄えられるこ とになる この + による + の流れが 合成に利用される このような 合成の仕組みを リン酸化という heme c 図 11 シトクロム c の構造 + + 電子伝達系 ( 複合体 I-IV) [ + ] 高 [ + ] 低 合成酵素 ( 複合体 V) 3 + 図 1 酸化的リン酸化 ( 合成 ) の仕組み F F o 外膜 膜間スペース 内膜 マトリックス + P i F 1 マトリックス側 F o ase は回転触媒! 1 個の + の移動で 10 回転する 個の + の移動で 1 回転し, を 1 分子つくる FAD 6 + 図 13 ウシ心筋ミトコンドリアの F 1 +P i 膜間スペース側 図 14 呼吸鎖の複合体 V ( 合成酵素,+-ase) のモデル膜貫通部 F o はサブユニット a,b,c から成り,ab c 1 の構成をとる a は + チャネルを形成 a,b は膜に固定されているが,c は膜内を自由に回転できる F 1 部の 鎖はサブユニット c と結合しており,c が回転すると 鎖も回転する +P i +P i +P i +P i + L L + T + L T T T L P i +P i +P i 図 15 合成のしくみ 解説 + がチャネルを通過するとサブユニット c が回転 c と結合している 鎖が回転 鎖は非対称的であるため固定された 鎖と衝突 鎖の立体構造を変化させる 鎖は や に対する親和性が異なる 3 つの立体構造をとる 1( オープン ), 基質と結合しない状態,L( ルース ), 基質と弱く結合する状態,3T( タイト ), 基質と強く結合する状態 鎖はこれらの構造を交互にとりながら, + P i を に変える 1 個の + がマトリックス側へ移動する毎に 鎖は 10 回転 それにつれて, 鎖の立体構造は 1 つの状態から次の状態に変化 3 個の + が移動して 鎖が 1 回転する毎に,1 分子の がつくられる このような触媒を, 回転触媒という 4

5 1 分子のアセチル -oa から TA 回路 呼吸鎖で何分子の がつくられる? 8.6. の TA 回路の正味の反応式の下の空欄に 分子数を記入せよ 脱共役剤 ( アンカップラー, uncoupler) 電子伝達系と酸化的リン酸化は, それぞれ独立の機能単位,4-ジニロトフェノールやバリノマイシンは, には影響を与えずに, 酸化的リン酸化だけを阻害,4-ジニロトフェノールは疎水性の弱酸で, + 運搬体として膜を通過し, + 勾配を解消 バリノマイシンは 陽イオン運搬体として同様の作用をする このような 薬物をという グリオキシル酸回路植物と一部の微生物にだけ存在する経路 発芽中の植物種子にはグリオキシソーム (glyoxysome) と呼ばれる小器官があり, グリオキシル酸回路はその中で行われる アセチル -oa がグリオキシル酸回路に入ると, 通常の TA 回路ならば 分子の が放出される経路を迂回し, イソクエン酸からリンゴ酸とコハク酸を生成するため, 炭素数の減少を伴わないでオキサロ酢酸に至ることができる 従って, グリオキシル酸回路は代謝経路ではなく, 特殊化した代謝経路として利用される グリオキシル酸回路全体の反応は次のようになる 3 -oa + ( ) oa-s アセチル-oA グリオキシル酸 イソクエン酸の開裂によって生じるコハク酸はグリオキシソームでは代謝されず, ミトコンドリアに運ばれて TA 回路でオキサロ酢酸に変えられる オキサロ酢酸は糖新生の出発物質である 糖新生 PEP 6-リン酸 アセチル -oa クエン酸 cis- アコニット酸 イソクエン酸 オキサロ酢酸 クエン酸 M + バリノマイシン図 16 脱共役剤 cis- アコニット酸 オキサロ酢酸 リンゴ酸 oa グリオキシル酸 アセチル oa - オキソグルタル酸 スクシニル oa リンゴ酸 フマル酸 TA 回路 イソクエン酸 - オキソグルタル酸 フマル酸 コハク酸 コハク酸 スクシニル oa グリオキシソーム ミトコンドリア 図 17 グリオキシル酸回路の模式図赤で示す部分がこの回路の特徴である - オキソグルタル酸とスクシニル oa の生成段階 ( ともに, が放出され炭素数が減少する段階 ) がバイパスされている この回路に入ったアセチル oa は全て炭素数の増加につながる事に着目せよ 食べ過ぎた食物の行方脂肪からはをつくれない! ase は回転触媒! 糖質タンパク質 アミノ酸 尿素 余った糖質 余ったアミノ酸 グリコーゲン貯蔵 脂肪酸 余った脂肪酸 脂肪 貯蔵 脂質 グリセリン 余ったグリセリン 図 18 食べすぎたら太る 5

6 第 9 章糖質の代謝 9. 糖の異化代謝 9..1 解糖 (glycolysis)0. 乳酸発酵 11 不可逆 1 Mg + を消費 [ エノールピルビン酸 ] ピルビン酸 の生産 ( 基質レベルの 10 リン酸化 ) 不可逆 Mg 乳酸 を再生 アルコール発酵 アセトアルデヒド + + クエン酸 6- リン酸 フルクトース 6- リン酸 不可逆 3 PFK Mg + α β α β 炭素間で切れる を消費 PFK はアロステリック酵素 この段階が解糖の律速 ホスホエノールピルビン酸 9 -ホスホグリセリン酸 8 13 エタノール を再生 1 ヘキソキナーゼ, グルコキナーゼ ホスホイソメラーゼ 3 ホスホフルクトキナーゼ (PFK) 4 アルドラーゼ 5 トリオースリン酸イソメラーゼ (TIM) 6 グリセルアルデヒド 3- リン酸デヒドロゲナーゼ 7 ホスホグリセリン酸キナーゼ 8 ホスホグリセリン酸ムターゼ 9 エノラーゼ 10 ピルビン酸キナーゼ 11 乳酸デヒドロゲナーゼ (LD) 1 ピルビン酸デカルボキシラーゼ 13 アルコールデヒドロゲナーゼ (AD) フルクトース 1,6- 二リン酸 4 + を消費 の生産 ( 基質レベルのリン酸化 ) 6 3- ホスホグリセリン酸 7 Mg + ジヒドロキシアセトンリン酸 (DAP) 5 グリセルアルデヒド + P + + i 3-リン酸 (GAP) 1,3-ジホスホグリセリン酸無機リン酸 FAD 図 1 解糖 (glycolysis) 経路と乳酸 アルコール発酵 酸素分圧が低い条件 ( 乳酸かアルコールになる 発酵がピルビン酸で止まらない理由は 解糖 (1~10) の正味の反応 的条件 ) では発酵が起き, は最終的に P i ピルビン酸 乳酸発酵 (1~11) の正味の反応 P i 乳酸 + 6 ため FAD FAD + FAD 酵素の名称と働き キナーゼ(kinase): 基の転移反応を触媒 補酵素として を必要とする 例 ) イソメラーゼ(isomerase), ムターゼ : 異性化を触媒 アルドラーゼ(aldolase): アルドール縮合反応を触媒 デカルボキシラーゼ: 脱炭酸反応を触媒 デヒドロゲナーゼ(dehydrogenase): 反応を触媒 補酵素としてやが必要

7 9.. の完全酸化 酸素が十分にある条件 ( 的条件 ) では, は二酸化炭素と水になる (1)( 解糖 ) ピルビン酸 () ピルビン酸 アセチル -oa (3)(TA 回路 ) アセチル -oa FAD + GTP GTP (4)( 呼吸鎖 ) ピルビン酸 oa ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体 の酸化 6 3 FAD の酸化 図 3 ピルビン酸の脱炭酸 4 3--oA アセチル -oa 18 (1) は細胞質,()~(4) はミトコンドリア内で行われる 合計すると, P i 分子のアセチル -oa TA 回路 + 呼吸鎖 1 細胞質で生じた のミトコンドリアへの輸送 ( ミトコンドリアへの入り方に つある ) 細胞質で生じた ( 解糖反応 6 など ) はミトコンドリア内膜を通れないので, その水素 () はシャトル系を利用してミトコンドリア内へ取り込まれる GTP 解糖 ピルビン酸 ピルビン酸 アセチル-oA TA 回路 細胞質ゾルのグリセロール -3- リン酸デヒドロゲナーゼ 細胞質 /FAD 呼吸鎖 FAD 図 の完全酸化 アスパラギン α- ケトグルタル酸 オキサロ酢酸 グルタミン酸 細胞質ゾル リンゴ酸 細胞質ゾル ジヒドロキシアセトンリン酸 グリセロール -3- リン酸 ミトコンドリアのグリセロール -3- リン酸デヒドロゲナーゼ α- ケトグルタル酸グルタミン酸 マトリックス マトリックス アスパラギン 筋肉や脳ではグリセロールリン酸シャトルを使う この場合, は FAD に置き変わるので 呼吸鎖で を 分 子しかつくれない 従って, の完全酸化の式は次のようになる P i 以外の糖の代謝 嫌気的代謝はなぜ必要か? オキサロ酢酸 図 4 リンゴ酸 - アスパラギン酸シャトル ヘキノキナーゼ フルクトキナーゼフルクトースフルクトース 1-リン酸 筋肉 フルクトース 6- リン酸 解糖系へ 肝臓 発酵 ( 嫌気的 ) 呼吸 ( 好気的 ) 38 マンノース 6- リン酸 ヘキノキナーゼ マンノース リンゴ酸 ガラクトース グリセルアルデヒド + DAP 解糖系へ ガラクトキナーゼ 嫌気的代謝はの無駄使い? いいえ! 図 5 グリセロールリン酸シャトルこの場合, は FAD に置き換わる E-FAD, 酵素結合型補酵素 FAD 1( 解糖 ) の の目減り分 グリセルアルデヒド 3- リン酸 解糖系へ フルクトース 6- リン酸 1- リン酸 解糖系酵素は細胞質に高濃度に存在 生産速度は, 酸化的リン酸化よりも 100 倍も速い 短距離走ではもっぱら乳酸発酵で を供給 筋線維 (1) 速筋線維 ( 白筋線維 ): 解糖に依存 ミトコンドリアが少ない 短距離ランナー, ニワトリ, ヒラメ () 遅筋線維 ( 赤筋線維 ): ミトコンドリアに富むので赤い 長距離ランナー, 渡り鳥, マグロ 7

8 9..3 ホスホグルコン酸経路 ( ペントースリン酸経路 ) 6- リン酸 グルコノラクトン 6-リン酸 6-ホスホグルコン酸リブロース 5-リン酸 図 7 ホスホグルコン酸経路 ( 前半 ) ホスホグルコン酸経路は, 解糖の 6-リン酸から分岐した経路 経路の前半は,1 生合成用の還元型補酵素 の供給と, 核酸合成に必要なリボース 5-リン酸の合成が目的 6-リン酸 + + リボース 5-リン酸 リボース 5- リン酸 核酸合成 経路の後半は,3 三炭糖 ~ 七炭糖の相互変換が目的 は多量に必要だが, 通常の細胞ではリボース 5-リン酸はそれほど必要ではない そこで, リボース 5-リン酸を変換して解糖系に戻すのが目的 リブロース 5- リン酸 リボースリン酸リボースリン酸 - イソメラーゼ 3-エピメラーぜ の利用 やの合成, 光合成, 解毒 ( 薬物代謝 ) などに必要 リボース 5- リン酸 キシルロース 5- リン酸 トランスケトラー 6- リン酸 リブロース 5- リン酸 グリセルアルデヒド 3- リン酸 セドヘプツロース 7- リン酸 フルクトース 6-リン酸 リボース 5-リン酸キシルロース 5-リン酸 トランスアルドラー フルクトース 1,6- 二リン酸 グリセルアルデヒド 3- リン酸 フルクトース 6- リン酸 エリトロース 4- リン酸 解糖 トランスケトラー グリセルアルデヒド 3- リン酸 キシルロース 5- リン酸 ピルビン酸 図 8 ホスホグルコン酸経路 ( 後半 ) 図 9 解糖とホスホグルコン酸経路の関係 ホスホグルコン酸経路を全部で 6 回まわったときの全体の反応は, 次のようになる 6- リン酸 P i 分子から を 1 分子つくれる また, の炭素は全て に酸化されている! しかも, 酸 化剤は水!( 燃やすのに酸素は不要 省エネシステム ) 8

9 9.3 糖の生合成 糖新生 (glyconeogenesis) アミノ酸, 乳酸, ピルビン酸, オキサロ酢酸, グリセリンなど を生合成 この経路の大部分は解糖の逆反応 10a 乳酸 + + 解糖で不可逆な段階 =1,3,10 迂回路や別の反応を利用する ピルビン酸 アミノ酸 10 の逆反応は 段階の迂回路 10a b 1 と 3 の逆反応 (1 と 3 ) は加水分解 酵素名 : 10a, ピルビン酸カルボキシラーゼ 10b, ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ 3, フルクトースビスホスファターゼ 1, 6- ホスファターゼ + P i 迂回路 9 オキサロ酢酸 10b GTP GDP ホスホエノールピルビン酸 アミノ酸 P i 1 加水分解 6-リン酸 1 の酵素は, 肝臓と腎臓にしか存在しない - ホスホグリセリン酸 糖新生はで行われる! コリ回路 乳酸が過剰に筋肉に蓄積すると組織の p を低下させ, いわゆる 疲れ や こり といった現象を引き起こす また, 血液中の乳酸濃度が高くなると血液の緩衝力を超え,p が低下する コリ (ori) 回路はそれらを解消するためのもの 運動で生じた乳酸は血流で肝臓へ運ばれ, 糖新生でへ戻された後, 再び血流で筋肉へ運ばれて利用 (G. T. ori 女史が提案した 1947 年, ノーベル賞 ) 8 3-ホスホグリセリン酸 7 Mg + フルクトース 6-リン酸 P i 3 加水分解 フルクトース 1,6- 二リン酸 ,3-ジホスホグリセリン酸 グリセルアルデヒド P i 3-リン酸 (GAP) 5 ジヒドロキシアセトンリン酸 (DAP) 図 11 コリ回路 - アラニン回路 高脂肪食や飢餓時 体タンパク質の分解 糖新生 でを生産する タンパク質の分解で生じたアミノ酸はアラニンに変えられ 血流で肝臓へ運ばれる 糖新生でへ戻された後, 再び血流で筋肉へ ( - アラニン回路 ) タンパク質 100g= 58g がつくれる 脂肪酸から糖新生は起こらない その理由は脂肪酸の代謝のところで勉強しよう 図 10 糖新生の経路 図 1 - アラニン回路 9

10 9.3. 光合成 (photosynthesis) 高等植物や緑藻 ( 青色細菌 ) が葉緑体 ( クロロプラスト ) 内で行う, 二酸化炭素の固定反応 + [ ] + 葉緑体 (chloroplast) の構造と光合成 外部境界膜と透過性の低い内部境界膜がある 内部はストロマと呼ばれ, 高濃度の酵素, 環状 DA, リボソームが存在 ストロマには膜で包まれたチラコイドという構造物が存在 光合成 つの段階に分けられる 1 明反応 (light reaction): 光のエネルギーを利用して を 酸素 にするとともに, の還元に必要な をつくる段階 暗反応 (dark reaction): から種々の 段階 明反応 (light reaction) 光合成で発生する酸素 ( ) は に由来 と をつくる 図 13 葉緑体の構造 光 + 糖類, t/ 年 が光合成の場 S S 硫黄細菌 + P i 光受容体と補助色素 光を受け取る受容体は, クロロフィル a, b という緑色の色素 中心に Mg + が配位 3 3 Mg フィトール基 3 光の色 クロロフィルb の場合 (hl a) 図 14 クロロフィル a,b の構造ポルフィリン環の側鎖に違いがある 大部分のクロロフィルは光を集めるアンテナ 吸収 された光子のエネルギーはアンテナクロロフィル間 を励起エネルギーとして移動し *, 極めて励起エネ ルギーが低い反応中心クロロフィルに集められる * 蛍光としては放出されない クロロフィルが吸収できない波長の光を集めるために, - カロテンのようなカロテノイド類 ( 黄 ~ 橙 ), フィコエリトリン中のフィコエリトロビリン ( 赤 ) やフィコシアニン中のフィコシアノビリン ( 青 ) のような別の色素も使われる 明反応の光化学系 (PS) 複合体 L - カロテン (carotene) 図 17 補助色素の構造 PS II 複合体 4e- PQ P 3 3 図 19 明反応のモデル フィコエリトロビリン (phycoetythrin) 光 反応中心クロロフィル二量体図 15 反応中心クロロフィルへのエネルギーの移動 光光 ストロマ側 Fd 酸素発生複合体 e - cyt-b 6 cyt-f L e - PS I 複合体 PQ: プラストキノン, yt: シトクロム, P: プラストシアニン, Fd: フェレドキシン 図 18 クロロフィル a,b および補助色素の吸収スペクトル FAD en zyme チラコイド膜 チラコイド内 図 16 光の色と物の色 ( 補色 ) 光合成の機能単位は, 光化学系 (Photosystem, PS)I,II と呼ばれるタンパク質とクロロフィルや補助色素の複合体で, チラコイド膜に埋め込まれている また, タンパク質と結合した色素分子で構成される集光性複合体 (L) がある

11 光リン酸化 (photophosphorylation) 光化学系 II における水 分子の酸化シトクロム b 6-f 複合体 プロトン濃度勾配 (p 勾配 * ) を利用して, 葉緑体 合成酵素 ( + 輸送 ase) が とリン酸から 1 分子の を 合成する ( ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化と同じ ) これを光リン酸化 * チラコイド膜が Mg+ や l- を通すために電荷的中性は保たれている 従って, 合成の駆動力は p 勾配だけに依存する 計 1 + がストロマからチラコイド内に生成または取り込まれる ミトコンドリア p7 p8 葉緑体 p5 p7 p8 チラコイド膜を挟んでのプロトン濃度勾配形成 (p の差は 3.5 にも達する ) という 明反応 + + Pi 3 + ase F 1 ストロマ F o クロロプラストが 8 光子を吸収 1 分子の と 分子の,1 + が移動 1 + =4,=6( 合計 10) 1 光子の吸収 =1.5 に相当 暗反応 (dark reaction) alvin サイクル, または還元的ペントースリン酸回路ともいう と を用いて, から糖質を合成する過程 暗反応は 段階に分けられる 還元的合成過程 段階 1~4 3 回 この過程の後半は糖新生と同じ 3 ( リブロース-5-リン酸 + ) 6 分子のグリセルアルデヒド-3-リン酸 (GAP) 9 ( 段階 1と3),6 + + ( 段階 4) 再生過程 段階 5~11 この過程はホスホグルコン酸経路と大変良く似ている 1 分子の GAP 糖の合成 ( 光合成生成物 ) 残りの 5 GAP 糖の組み替え 3 分子のリブロース -5- リン酸を再生 以上,3 サイクルの全体の反応 : GAP P i ホスホグリセリン酸キナーゼ P 4 グリセルアルデヒド 3- リン酸デヒドロゲナーゼ P P 3() 3() 3() 3( + ) P 6(3-ホスホグリセリン酸 ) 6(1,3-ビスホスホグリセリン酸 ) 6( グリセルアルデヒド 3-リン酸, GAP) 3 リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ (Rubisco) 二酸化炭素の固定 P P 図 1 暗反応 (alvin サイクル ) P チラコイド 図 0 + -ase による 合成 1GAP は光合成産物をつくるのに利用 残りの 5GAP は,3 分子のリブロース 5- リン酸の再生 5~11 に使う 6 アルドラーゼ P セドヘプツロース 7- リン酸 5 トリオースリン酸イソメラーゼ P P 3( リブロース 1,5-ニリン酸, RuBP) フルクトース 1,6-ビスリン酸 ( ジヒドロキシアセトンリン酸 ) 3 3() 7フルクトース-1,6-4 1ホスホリブロキナーゼ 6アルドラーゼ 3() P i ビスホスファターゼ P 7 P フルクトース 6-リン酸 P (F6P) 1GAP 3( リブロース 5-リン酸, Ru5P) 10リブロース-5-リン酸 6 3 P 3-エピメラーゼ 9トランスケトラーゼセドヘプツロース 1,7-ビスリン酸 11リボース-5-リン酸 5 4 イソメラーゼ 8セドヘプツロース-1,7-ビスホスファターゼ P i P エリトロース 4-リン酸 P P (E4P) リボース -5- リン酸 (R5P) ( キシルロース 5- リン酸 ) トランスケトラーゼ 6 1GAP GAP 3 GAP リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ ( 略称 Rubisco) リブロースビスリン酸カルボキシラーゼは光合成の要となる酵素で, 葉緑体タンパク質の 15%( ストロマ可溶性タンパク質の 50%) を占める 自然界に最も多量に存在する酵素である この酵素はリブロース 1,6- ビスリン酸のカルボキシル化を触媒するだけでなく, 効率は低いものの, 酸素添加反応も触媒する

12 9.3.3 グリコーゲンおよびデンプンの合成 グリコーゲンの合成 ( 鎖延長 ) 吸エルゴン反応 + P i 6- リン酸 1- リン酸 UTP PP i UDP- ( 化合物 ) + UDP- グリコーゲン (n 残基 ) UDP グリコーゲン (n+1 残基 ) グリコーゲンの分岐 分岐酵素 α-1,6 結合の形成 グリコーゲンの分解 + P i グリコーゲン (n 残基 ) 1-リン酸グリコーゲン (n-1 残基 ) デンプンの合成 ( 植物 ) 基本的には上と同じ ただし,UTP の代わりに用いる を 6- リン酸 UTP 1

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