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1 平成 26 年 5 月 30 日日本口腔衛生学会シンポジウム エピジェネティクス - ゲノムに上書きされた情報 - 大阪大学大学院生命機能研究科時空生物学医学系研究科幹細胞病理学 仲野徹

2 エピジェネティクス入門 エピジェネティクスとは何か? エピジェネティクスの物質基盤 エピジェネティクスの関係する生命現象 エピジェネティクスの医学への応用 エピジェネティクスの将来像

3 あいのこ の不思議 : ラバとケッテイ タイゴンとライガー ラバ Mule タイゴン Tiglon ロバ ウマ トラ ライオン ケッテイ Hinny ライガー Liger ウマ ロバ ライオン トラ

4 ゲノムインプリンティングの発見 単為発生 単為発生胚 Azim Surani Davor Solter 核移植 雌核発生胚 胎生致死 受精 正常胚 核移植 胎仔 胎盤 母親由来の核 = maternal genome 父親由来の核 = paternal genome 雄核発生胚 胎生致死

5 Fetal origins of coronary heart disease. The Barker Hypothesis Studies in humans have shown that men and women whose birth weights were at the lower end of the normal range, who were thin or short at birth, or who were small in relation to placental size have increased rates of coronary heart disease. Barker DJ, BMJ, 1995 The Dutch Famine of : a pathophysiological model of long-term consequences of wasting disease. 倹約表現型 Exposure to famine during gestation resulted in increases in impaired glucose tolerance, obesity, coronary heart disease, atherogenic lipid profile, hypertension, microalbuminuria, schizophrenia, antisocial personality and affective disorders. Exposure to famine during childhood resulted in changes in reproductive function, earlier menopause, changes in insulin-like growth factor-i and increases in breast cancer. Kyle UG, Pichard C., Curr Opin Clin Nutr Metab Care, 2006

6 エピジェネティックス制御 DNA 塩基配列によらない表現型や遺伝子発現の変化エピジェネティクス制御における二つの分子基盤 epi = on, after, in addition DNA メチル化 Epigenesis( 後生説 ) Epigenetics how genes might interact with their surroundings to produce a phenotype "the study of the mechanisms of temporal and spatial control of gene activity during the development of complex organisms" ヒストン修飾 DNA の塩基配列の変化を伴わずに 染色体における変化によって生じる 安定的に受け継がれうる表現型 Nature 2006

7 エピジェネティック ランドスケープ Conrad Waddington ( ) 全能性細胞 筋肉細胞 血液細胞 神経細胞

8 核移植によるリプログラミング ( 初期化 ) Gurdon and Colman, Nature 1999

9 ips 細胞

10 エピジェネティック ランドスケープ Conrad Waddington ( ) 体細胞核移植 : ドリー ips 細胞 STAP 細胞??? 全能性細胞 筋肉細胞 血液細胞 神経細胞

11 エピジェネティックス制御 DNA 塩基配列によらない表現型や遺伝子発現の変化エピジェネティクス制御における二つの分子基盤 epi = on, after, in addition DNA メチル化 Epigenesis( 後生説 ) Epigenetics how genes might interact with their surroundings to produce a phenotype "the study of the mechanisms of temporal and spatial control of gene activity during the development of complex organisms" ヒストン修飾 DNA の塩基配列の変化を伴わずに 染色体における変化によって生じる 安定的に受け継がれうる表現型 Nature 2006

12 遺伝子の発現 : セントラルドグマ transcription translation

13 遺伝子の発現制御機構 転写因子

14 エピジェネティックス制御 DNA 塩基配列によらない表現型や遺伝子発現の変化エピジェネティクス制御における二つの分子基盤 epi = on, after, in addition DNA メチル化 Epigenesis( 後生説 ) Epigenetics how genes might interact with their surroundings to produce a phenotype "the study of the mechanisms of temporal and spatial control of gene activity during the development of complex organisms" ヒストン修飾 DNA の塩基配列の変化を伴わずに 染色体における変化によって生じる 安定的に受け継がれうる表現型 Nature 2006

15 ヒストンコード : ヒストンテールの修飾 ヘテロ八量体 アセチル化 メチル化 Grewal et al, Science, 2003

16 ヒストンの化学的修飾 ヒストン修飾ヒストンアミノ酸残基転写への影響 アセチル化リジン H3 (9, 14, 18, 56), H4 (5, 8, 12, 16), H2A, H2B 活性化 リン酸化セリン / スレオニン H3 (3, 10, 28), H2A, H2B 活性化 メチル化アルギニン H3 (17, 26), H4 (3) 活性化 メチル化リジン H3 (4, 36, 79) 活性化 H3 (9, 27), H4 (20) 抑制化 ユビキチン化リジン H2B (120) 活性化 H2A (119) 抑制化 P ac ac ac ub1 P N-S G R G K Q G C K A R A K H2A K T E S H H K A K G K -C ac ac P ac ac ub1 N-P E P A K S K G S K K K A H2B K A V T K Y T S S K -C me ac me ac me ac me P me me P P ac me ac ac me P ac me N-A R T K R K S T K R K K R K S K K K H3 P me ac ac ac ac me N-S G R G K G G K G L G K G G A K R H R K V H4

17 ヒストンのアセチル化による転写の活性化 : 1 HAT:Histone acetyl transferase ヒストンアセチル転移酵素 HDAC:Histone de-acetylase ヒストン脱アセチル化酵素

18 ヒストンのアセチル化による転写の活性化 : 2 書き手消し手読み手

19 ヒストンのメチル化による転写の制御 H3K4 H3K9 H3K27 H3K79 モノメチル化活性化活性化活性化活性化 ジメチル化抑制化抑制化活性化 トリメチル化活性化抑制化抑制化活性化 アセチル化活性化活性化

20 ヒストン修飾とその酵素 Covalent modifications H3K4 methylation H3K9 methylation H3K27 methylation H3K36 methylation H3K79 methylation H3K14 acetylation H3K18 acetylation H3K18 acetylation H4K5 acetylation H4K8 acetylation H4K12 acetylation H2AK119 ubiquitination H3K4me demethylase H3K9me demethylase H3K27me demethylase H3K36me demethylase Enzymes SET7/9, MLL, Smyd3 SUV39H1&H2, G9a, SETDB1, Ash1 EZH2 SETD2/HYPB, NSD1 DOT1L TAF1, CREBBP&p300, MOZ&MORF, PCAF&hGcn5 CREBBP&p300 CREBBP p300, Tip60, HBO1 p300, Tip60, HBO1 CREBBP&p300, Tip60, HBO1 Ring1B LSD1 (me2, me1), JARID1A&1B&1C (me3, me2) LSD1 (me2), JHDM2&JHDM3 (me2, me1) UTX, JMJD3 (me3, me2) JHDM1 (me2, me1), JHDM3 (me2, me1) (Bhaumik SR et al., Nat Struct Mol Biol, 11:1008, 2007)

21 DNA メチル化 DNA メチル化酵素 シトシン DNA methyl transferase (Dnmt) 5- メチル化シトシン 受動的脱メチル化 m 5 - C G G C - 5 m DNA 複製 維持メチル化 Dnmt1 m 5 - C G G C C G G C - 5 m DNA 複製 m 5 - C G G C C G G C - 5 de novo メチル化 Dnmt3

22 DNA メチル化による転写の阻害 転写因子結合を阻害 DNA メチル化認識タンパクを介した抑制 Klose RJ. and Bird AP., Trends Biochem Sci. (2006)

23 エピジェネティクスのキモ 我々の体には およそ 2 万個の遺伝子がある 200 種類あまりの細胞があり すべての細胞でゲノムは同じであるが それぞれの細胞には 細胞に固有の遺伝子発現パターンがある その遺伝子発現を制御しているのがエピジェネティクスである エピジェネティクスにはヒストン修飾と DNA メチル化がある ヒストンがアセチル化されると 遺伝子発現は活性化される DNA がメチル化されると 遺伝子発現は抑制される

24 ヒストンのアセチル化 と DNA メチル化 のキモ ヒストンのアセチル化も DNA のメチル化も薬剤で変えることができる! ヒストン脱アセチル化酵素 (HDAC) 阻害剤 脱アセチル化を阻害する = マイナス マイナスでプラスにヒストンのアセチル化が亢進する遺伝子発現が活性化される DNA メチル化阻害剤 ( アザシチジン ) DNA メチル化状態が低下する 遺伝子発現が活性化される

25 付箋と伏せ字によるエピジェネティクスのたとえ 太郎は花子が好き花子は太郎がきらい太郎と次郎は友だち花子は次郎が好き次郎と花子は結婚した太郎は花子にふられた太郎と次郎は喧嘩した次郎は太郎をなぐさめた 太郎は花子が好き花子は太郎がきらい太郎と次郎は友だち花子は次郎が好き次郎と花子は結婚した太郎は花子にふられた太郎と次郎は喧嘩した次郎は太郎をなぐさめた 活性的付箋 = 読み取る 抑制的付箋 = 読まない 伏せ字 = 読めない 太郎は花子が好き花子は太郎がきらい太郎と次郎は友だち花子は次郎が好き次郎と花子は結婚した太郎は花子にふられた太郎と次郎は喧嘩した次郎は太郎をなぐさめた 太郎は花子が好き花子は太郎がきらい太郎と次郎は友だち花子は次郎が好き次郎と花子は結婚した太郎は花子にふられた太郎と次郎は喧嘩した次郎は太郎をなぐさめた

26 いろいろな生命現象におけるエピジェネティクスの関与 アサガオの雀斑 女王バチへの成長 プレーリーハタネズミの 一夫一婦制 かわいがりかた によるストレス応答への影響 記憶と学習

27 HDAC 阻害剤による 一夫一婦制 の促進 オキシトシン受容体 バソプレッシン受容体の発現亢進

28 DNA メチル化の阻害で女王になる ロイヤルゼリー 新規 DNA メチル化の阻害

29 新生仔期の かわいがられ方 とストレス反応 かわいがられる 海馬におけるセロトニンの増加 コルチゾール受容体の DNA メチル化低下 コルチゾールによるフィードバックの亢進 視床下部 下垂体 副腎系

30 エピジェネティック制御の関与する疾患 Disease Locus /protein Main genetic defect Molecular phenotype Angelmann syndrome 15q11- q13 Prader-Willi syndrome 15q11- q13 Beckwith-Wiedman syndrome Deletions, UPD, IC methylation abnormalities Deletions, UPD, IC methylation abnormalities 11p15.5 Deletions, UPD, IC methylation abnormalities Loss of imprinting (LOI) ICF syndrome * DNMT3B Point mutations Genomic hypomethylation LOI LOI Rett syndrome MeCP2 Point mutations Fragile X syndrome FMR1 CGG repeat expansion, CGG and promoter methylation ATR-X ATR-X Point mutations, splicing alteration FSHD 4qter? Protein inactivation, promoter silencing * Immunodeficiency, Centromeric region instability, and Facial anomalies syndrome Scarano et al, J Cell Physiol, 2005

31 DNA メチル化と発がん 中心体 中心体周辺のヘテロクロマチン ( 高メチル化状態 ) がん抑制遺伝子プロモーター ( 低メチル化状態 ) 低メチル化 高メチル化 染色体組換え遺伝子不安定 癌抑制遺伝子の発現抑制 悪性腫瘍 Sigma-Aldrich 社 HP から改

32 新規 DNA メチル化酵素の異常と急性骨髄性白血病 Exome sequencing identifies somatic mutations of DNA methyltransferase gene DNMT3A in acute monocytic leukemia Yan et al, Nature Genetics, 2011

33 エピジェネティクス創薬の成功例 - MDS ( 骨髄異形成症候群 ) と CTLC ( 皮膚 T 細胞リンパ腫 ) の治療 - DNA メチル化阻害剤 ヒストン脱アセチル化阻害剤 5-azacytidine decitabine (5-aza-2 -deoxy-cytidine) SAHA など DNA メチル化の低下 ヒストンアセチル化の上昇 ターゲット遺伝子の発現上昇? 他の疾患への適応可能性 他のヒストン修飾酵素阻害剤の可能性

34 エピジェネティクスからエピゲノムへ at a cost of $100,000 Nature, 2009 "Epigenomes are changeable, programmable and will feed us the bottom line on how the genome works" Rob Martienssen "The human genome is singular and finite, but the human epigenome is almost infinite - the epigenome changes in different states and different tissues" Philip Avner

35 エピジェネティクス関連論文の急激な増加 エピジェネティクス辞典 : 羊土社

36 発生 分化 老化 疾患とエピジェネティクス 1. 発生 分化細胞分化はエピジェネティクス制御そのものである まずは200 種類ある細胞のエピゲノム解析 どのようにしてエピジェネティックプログラムが進行するのか 2. リプログラミングクローン動物 ips 細胞作出でのエピジェネティクス変化 エピジェネティック操作によるリプログラミング効率の向上 3. がん発生 進展に関与 DNA の全体的な低メチル化と特定の部位の高いメチル化 エピジェネティックスを利用した新しい診断法の開発 予防の可能性 エピジェネティック創薬へ 4. 生活習慣病 精神疾患 老化など状況証拠の存在 Baker s Hypothesis 一卵性双生児データベースの活用 どの組織でどのような異常が原因なのか

図 1 ヘテロクロマチン化および遺伝子発現不活性化に関わる因子ヘテロクロマチン化および遺伝子発現不活性化に関わる DNA RNA タンパク質 翻訳後修飾などを示した ヘテロクロマチンとして分裂酵母セントロメアヘテロクロマチンと哺乳類不活性 X 染色体を 遺伝子発現不活性化として E2F-Rb で制御

図 1 ヘテロクロマチン化および遺伝子発現不活性化に関わる因子ヘテロクロマチン化および遺伝子発現不活性化に関わる DNA RNA タンパク質 翻訳後修飾などを示した ヘテロクロマチンとして分裂酵母セントロメアヘテロクロマチンと哺乳類不活性 X 染色体を 遺伝子発現不活性化として E2F-Rb で制御 第 2 章エピジェネティクスと遺伝子発現制御機構 6. ヘテロクロマチン化の分子機構 定家真人, 中山潤一 ヘテロクロマチンは DNA RNA タンパク質からなる高度に凝縮した構造であり 真核生物染色体の維持に必須の領域であるセントロメア テロメアの機能に重要な役割を果たしている 分子レベルの詳細な研究により ヘテロクロマチン化に関わる分子群およびその機構は 発生 分化や細胞周期などに依存した遺伝子特異的な発現の不活性化と共通点が多いことが明らかにされてきた

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