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1 石井研雑誌会 No 新井博之 Neisseria gonorrhoeae における cbb 3 oxidase の CcoP サブユニットと cytochrome c 2 を介した微好気呼吸と脱窒のリンク

2 背景 1 Neisseria gonorrhoeae (gocococcus, 淋菌 ) -proteobacteria の病原性菌末端酸化酵素は cbb 3 -type cytochrome c oxidase のみ微好気性 ( 高い呼吸活性で酸化ストレスを回避 ) 銅型 NIR (ania) と qnor からなる不完全な脱窒系を持つ微好気呼吸と脱窒が同時に起こる 類縁菌の Neisseria meningitidis (meningococcus, 髄膜炎菌 ) は好気性で酸素濃度の高い部位 ( 上気道 ) に棲み着く

3 背景 2 N. gonorrhoeae が持つ cytochrome c cytochrome c 1 : bc 1 complex のサブユニット CcoP: cbb 3 oxidase のサブユニット CcoO: cbb 3 oxidase のサブユニット cytochrome c 4 (cyca): 末端酸化酵素への電子供与体 cytochrome c 5 (cycb): 末端酸化酵素への電子供与体 cytochrome c (cycp): NO- 結合タンパク 活性窒素ストレス耐性 cytocrome c peroxidase (Ccp): 活性酸素ストレス耐性 cytochrome c 2 (ccca): 機能未知 ( 破壊すると好気生育が若干良くなる ) CycP, Ccp, 銅型の NIR は外膜リポタンパクであり 内膜上の bc 1 complex から電子がどのようにペリプラズムを通って伝達されるのかは不明である

4 好気呼吸鎖

5 heme-copper oxidoreductase superfamily 青い部分が CcoP

6 Neisseria gonorrhoeae の 3 ヘムタイプの cbb 3 oxidase CcoP サブユニットは亜硝酸還元に関与する A physiologically significant role in nitrite reduction of the CcoP subunit of the cytochrome oxidase cbb 3 from Neisseria gonorrhoeae A. Hopper, N. Tovell,and J. Cole FEMS Microbiol. Lett., 301, (2009) Structural alterations in a component of cytochrome c oxidase and molecular evolution of pathogenic Neisseria in humans M. Aspholm et at. PLoS Pathogens, 6, e (2010)

7 N. gonorrhoeae の CcoP にはヘム結合部位が 3 つある (N. meningitidis の CcoP は 2 つ ) 通常 cbb 3 oxidase の CcoP サブユニットは 2 つの heme c を持っているが N. gonorrohoeae の CcoP は heme c 結合部位 (CXXCH) が 3 箇所ある 3 つ目の heme c 結合部位は 長く伸びた C 末部位にある CcoP と cytochrome c が融合したのか? Organization of the neisserial cconoqp locus and domain architectures of c type multiheme CcoPs.

8 CcoP の 3 番目の heme c は好気呼吸活性には必要ない 3 番目の heme c 結合部位 (CXXCH) の Cys 残基 His 残基を Ala に置換した変異は 好気生育 (a) と酸素還元活性 (b) に影響しない 酸素還元活性

9 CcoP の 3 番目の heme c は亜硝酸還元に関与する 野生型 変異型 NaNO 2 添加 野生型 変異型 3 番目の heme c がないと NIR 活性が低下する NIR の発現量は変わらない (Western) 亜硝酸還元活性 3 番目の heme c 結合部位 (CXXCH) の Cys 残基 His 残基を Ala に置換した変異株では 亜硝酸消費活性が低下し 脱窒の生育が悪くなる

10 3 ヘム型 CcoP は cyt.c 5 (NIR への電子ドナー ) の機能を相補する 亜硝酸定量微好気生育 (+ 亜硝酸脱窒 ) 野生型 N. meningitidis (di-heme CcoP)( ) 野生株の di-heme CcoP を tri-heme CcoP に置換した株 ( ) c5 株の di-heme CcoP を tri-heme CcoP に置換した株 ( ) c5 株 (di-heme CcoP)( ) N. meningitidis (di heme CcoP を持つ ) の cyt. c5 欠損株は亜硝酸還元活性を示さないが di heme CcoP を N. gonorrhoeae の tri heme CcoP と置換すると 活性が回復する tri heme CcoP( の 3 番目の heme c) は NIR への電子ドナーとして働く?

11 3 ヘム型 CcoP の 3 番目の heme c 領域は cyt.c 5 の C 末側 heme c 領域に由来する? cytochrome c 5 はヘムを 2 つ持ち C 末側の heme c 領域が N. gonorrhoeae の CcoP の 3 番目の heme c 領域と相同 cytochrome c 5 の C 末側の heme c 領域を tir heme CcoP の 3 番目の heme c 領域と交換した di heme タンパクも NIR への電子ドナーとして働く (data not shown)

12 まとめ 1 N. gonorrhoeae と N. meningitidis の呼吸鎖電子伝達系 N. gonorrhoeae のみが持つ

13 Neisseria gonorrhoeae における電子伝達系と cytochrome c 2 の生理的役割 A critical role for the ccca gene product, cytochrome c 2, in diverting electrons from aerobic respiration to denitrification in Neisseria gonorrhoeae A. C. Hopper, Y. Li, and J. A. Cole, J. Bacteriol., 195, (2013)

14 cytochrome c 2 遺伝子 (ccca) のホモロジー解析 N. gonorrhoeae の nitrite reductase と cytochrome c 2 の融合型 nitrite reductase を持つ菌がいる 下線部分が cytochrome c 2 の配列四角がヘム c 結合配列

15 N. gonorrhoeae の nitrite reductase (NIR) と cytochrome c 2 の融合型 nitrite reductase を持つ菌がいる heme c binding site N. gonorrhoeae Nitrite reductase (AniA) cyt. c 2 (CccA) ~72% ~61% Moraxella catarrhalis 等 Nitrite reductase heme c binding site cytochrome c 2 は NIR への電子供与体ではないか?

16 cytochrome c 2 は NIR への電子供与体として働く? 野生株 (+NO 2- ) ( ) c2 株 (+NO 2- ) ( ) 野生株 (-NO 2- )( ) c2 株 (-NO 2- ) ( ) cyt. c2 欠損株では 脱窒の生育が悪くなり 亜硝酸消費速度が低下する

17 cytochrome c 2 は NIR への電子供与体として働く? tri heme CcoP の 3 番目の heme c 欠失株 (ccop C368A) cyt. c2 欠損株 ( c 2 ) 両者の二重変異株で 同程度に硝酸還元活性が下がる CcoP と cyt. c2 は同一の電子伝達系を構成している

18 cytochrome c 4 と c 5 は ともに NIR への電子供与体として働く 野生株 ( ) c2 c4( ) c4( ) cyt. c4 欠損株では 脱窒の生育が悪くなり 亜硝酸消費速度が低下する c4( ) 野生株 ( ) c2 c4( ) 野生株 ( ) c2 c5( ) c5( ) c2 c5( ) c5( ) cyt. c5 欠損株では 脱窒の生育が悪くなり 亜硝酸消費速度が低下する 野生株 ( )

19 cytochrome c 4 と c 5 は ともに NIR への電子供与体として働く cyt. c4 欠損株 ( c 4 ) と cyt. c5 欠損株 ( c 5 ) で亜硝酸還元活性が下がる ( c 4 c 5 の二重変異株は取れない ) cyt. c4 と cyt. c5 は 両方とも NIR への電子供与体である

20 c 2 -c 4 c 2 -c 5 の関係 ( 亜硝酸還元活性 ) 野生株 ( ) c2 c4( ) c4( ) cyt. c4 欠損株では cyt. c2 変異により 亜硝酸還元が回復する c4( ) 野生株 ( ) c2 c4( ) cyt. c2 が cyt. c5 から NIR への電子伝達に阻害的に働く? 野生株 ( ) c2 c5( ) c5( ) c2 c5( ) c5( ) cyt. c5 欠損株では cyt. c2 変異の影響は少ない 野生株 ( )

21 c 2 -c 4 c 2 -c 5 の関係 ( 亜硝酸還元活性 ) cyt. c5 欠損株では cyt. c2 変異により亜硝酸還元活性が下がる cyt. c4 欠損株では cyt. c2 変異により 亜硝酸還元が回復する

22 c 2 -c 4 c 2 -c 5 の関係 ( 酸素還元活性 ) cyt. c2 は酸素還元に関係ない ( むしろネガティブに働く ) cyt. c4 欠損株では cyt. c2 変異により 酸素還元活性が上昇する cyt. c5 欠損株では cyt. c2 変異により酸素還元活性が下がる NIR と同様

23 cyt. c 5 の N 末側の heme c と CcoP の第 3 の heme c が NIR への電子ドナーになる cyt. c5 の C 末側 heme c 部位 または CcoP の第 3 の heme c 結合部位を破壊すると 亜硝酸還元活性が低下し 両方の変異で 亜硝酸還元活性が非常に低くなる 野生株 ( ) c4 の C 末側 heme c 部位を削除 + CcoP の第 3 heme c 結合部位を破壊 ( ) cyt. c5 の C 末側 heme c と CcoP の第 3 の heme c が 独立に NIR への電子ドナーとして働く?

24 cyt. c 5 の N 末側の heme c と CcoP の第 3 の heme c が NIR への電子ドナーになる cyt. c5 の C 末側 heme c 部位 または CcoP の第 3 の heme c 結合部位を破壊すると 亜硝酸還元活性が低下し 両方の変異で 亜硝酸還元活性が非常に低くなる cyt. c5 の C 末側 heme c と CcoP の第 3 の heme c が 独立に NIR への電子ドナーとして働く?

25 まとめ 2-1 N. gonorrhoeae の推定電子伝達経路 1. cyt. c4 と cyt. c5 は 独立して酸素還元 亜硝酸還元への電子伝達を担う 2. cyt. c5 の C 末側 heme c と CcoP の第 3 の heme c が NIR への電子ドナーとして働く 3. c4, CcoP, c2 が NIR への電子伝達系を構成する

26 まとめ2-2 CcoPの第 3hemecと cytochrome c 2 の存在意義は? 酸化還元状態により 酸素還元 ( 好気呼吸 ) と亜硝酸還元 ( 脱窒 ) のバランスをとる N. gonorrhoeae が N. meningitidis よりも微好気で棲息するのに有利になる cbb 3 oxidase のコア複合体 (CcoNOP) は CcoQ と結合すると酸素還元 cyt. c2 と結合すると亜硝酸還元へ電子を伝達するように制御されているのでは? cyt. c2 の発現量が少ない (c4 の 1/10) ということ以外の根拠はないが P. aeruginosa では 好気と嫌気で cbb 3 complex のサイズが違うことが観察されており cbb3 の欠損で 嫌気の生育が良くなることも知られているので 何か関係があるかも知れない

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