要 旨 トランスポーターは 基質となる内因性 外因性物質の細胞膜を介した取り込みや排出を司ることにより それらの細胞内外での濃度比を規定する そのため 疾患部位に発現するトランスポーターやその基質を利用して 当該部位を標的とした疾患治療や 病態の変化を追跡するバイオマーカーに応用できる可能性がある

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1 要 旨 トランスポーターは 基質となる内因性 外因性物質の細胞膜を介した取り込みや排出を司ることにより それらの細胞内外での濃度比を規定する そのため 疾患部位に発現するトランスポーターやその基質を利用して 当該部位を標的とした疾患治療や 病態の変化を追跡するバイオマーカーに応用できる可能性がある 演者らは solute carrier (SLC) の一つ organic cation/carnitine transporter 1 (OCTN1/SLC22A4) に着目し 当該トランスポーターが種々の病態変化ないし健康の維持に関与することを示唆するデータを得た 1.OCTN1 欠損マウスを用いたメタボローム解析 OCTN1 は幅広い有機カチオン性化合物を細胞内に取り込み ほとんどの臓器に発現する しかし生体内で輸送する基質は不明であったため 遺伝子欠損マウス (octn1-/-) を作製したが 野生型 (WT) と比べ明確な phenotype が見出せなかった そこで トランスポーターが細胞内外の基質濃度比を規定することを考慮し 血液と臓器に含まれる生体内物質の一斉定量を行った 結果 食物由来の抗酸化物質 ergothioneine (ERGO) が WT に存在し octn1-/-には存在しないことを突き止めた ERGO はあらゆる臓器に数 µm から数百 µm 存在し ( 図 1) このことは OCTN1 が ubiquitous に発現することと対応した 一方で octn1-/-ではいずれの臓器にも検出されなかった ( 図 1) この原因は腎での再吸収の欠損であった ERGO は OCTN1 の良好な生体内基質であることがわかった 1)

2 2-4) 2. 腸肝炎症時の OCTN1 の役割 哺乳類体内では ERGO は生合成されず食物から摂取される 一方 OCTN1 遺 伝子は魚類 両生類 鳥類など ERGO を生合成しない種でよく保存されている 従って OCTN1 は ERGO を体内に取り込むトランスポーターと考えられる そこ で ERGO が抗酸化物質であることに着目し酸化ストレスと関連する病態との関 連について検討した 食物由来 ERGO が高濃度で曝露される消化器に着目し 種々の病態モデルを作製した 小腸虚血再灌流モデルでは WT に比べ octn1-/- は脆弱であった デキストラン硫酸誘発腸炎モデルでも octn1-/- の方が体重減少 等が顕著であった ジメチルニトロサミンやコンカナバリン A 誘発肝線維化モデ ルでも WT に比べ octn1-/- では肝臓での線維化 ( 図 2) や酸化ストレス ( 図 3) が顕著 であった

3 さらに WT においてこれら病態モデル臓器中 ERGO 濃度や OCTN1 発現量は正常時より増加していた 以上の結果は OCTN1 がこれら臓器の炎症に対する防御に働くことを示唆し その働きの一部に ERGO が関与する可能性を示す OCTN1 の発現上昇はクローン病患者回腸や NASH 患者肝臓でも観察され OCTN1 の役割を支持した 病態時に役割を果たすと考えれば 通常の飼育環境下で octn1-/-が明確な phenotype を示さないことも説明できる クローン病患者や腸炎モデルマウス血液中の食物由来 ERGO 濃度は 健常人や非炎症マウスに比べ顕著に低下した この原因の一つに ERGO が小腸細胞間液に集積する炎症細胞に取り込まれることが示唆された 一方 肝では線維化で活性化した星細胞に OCTN1 が強く発現した OCTN1 による ERGO の取り込みと抗酸化作用は 炎症や線維化に働くこれら細胞で見られるものと考えられる 3. 中枢神経系における OCTN1 の役割 2,5-7) [3H]ERGO を静注後の脳 / 血漿中濃度比は WT octn1-/-ともに 0.4~0.5 である この値は脳の capillary space より大きく ERGO が脳内へ分布することを示す一方 両マウスで差がないので OCTN1 以外のメカニズムで血液脳関門を通過すると考えられる 一方で 食物由来 ERGO は WT の脳全体で 10 µm 程度含まれる一方 octn1-/-には検出されない ( 図 1) このことから ERGO は脳に到達後 実質細胞内に取り込まれると考えた 実際 OCTN1 はヒトおよびマウス神経細胞に発現し マウス培養神経細胞での ERGO の取り込みが確認された グリアには明確な発現は認められなかった 神経細胞の容積が脳全体の 10% 以下と考えれば 食物由来 ERGO は神経細胞内に数百 µm の高いレベルで存在すると考えられる OCTN1 の機能的発現は多分化能を有する神経幹細胞 (NSC) にも観察された マウス大脳皮質由来 NSC に ERGO を添加すると 神経細胞マーカー陽性細胞の割合を増加させ アストロサイトマーカー陽性細胞の割合を減少させた ( 図 4) 他の抗酸化物質ではそのような作用が見られなかったことから ERGO の作用は抗酸化作用とは異なる可能性がある ERGO による神経新生は ERGO を多く含む食物であるタモギタケのエキス末を摂取させたマウス in vivo でも確認された ERGO やタモギタケエキス末をマウスに摂取させたところ 自発運動量に変化がない一方 強制水泳試験や尾懸垂試験における無動時間が対照群と比較し有意に短縮された 不安の指標に変化がなかったことから 抗不安作用とは異なる機序で抗うつ作用が発揮されるものと考えられる

4 4. まとめ OCTN1 は食物由来の抗酸化物質を取り込むため生体に備わっていると仮定すると そこに何らかの生理的意義が考えられる 抗酸化物質は体内に多種類存在しており その意義は限定的とも考えられたが 少なくとも病態時には ERGO の抗酸化作用が重要である可能性 さらには抗酸化以外の作用を示す可能性もある ERGO はヒトが日常摂取し体内に高濃度存在することから その役割の解明は病態の治療 健康増進の両面で重要と考えられる 一方 OCTN1 はこれまで クローン病 リウマチ 無症候性聴覚障害との関係が報告されており 病気と関連する disease transporter とも考えられる 基質等を使った病気の診断法 治療法の開発も期待される 参考文献 1. Kato Y, Kubo Y, Iwata D, Kato S, Sudo T, Sugiura T, Kagaya T, Wakayama T, Hirayama A, Sugimoto M, Sugihara K, Kaneko S, Soga T, Asano M, Tomita M, Matsui T, Wada M, Tsuji A. Gene knockout and metabolome analysis of carnitine/organic cation transporter OCTN1. Pharm Res. 2010, 27: Sugiura T, Kato S, Shimizu T, Wakayama T, Nakamichi N, Kubo Y, Iwata D, Suzuki K, Soga T, Asano M, Iseki S, Tamai I, Tsuji A, Kato Y. Functional expression of carnitine/organic cation transporter OCTN1/SLC22A4 in mouse small intestine and liver. Drug Metab Dispos. 2010, 38: Shimizu T, Masuo Y, Takahashi S, Nakamichi N, Kato Y. Organic cation transporter

5 Octn1-mediated uptake of food-derived antioxidant ergothioneine into infiltrating macrophages during intestinal inflammation in mice. Drug Metab Pharmacokinet. 2015, 30: Tang Y, Masuo Y, Sakai Y, Wakayama T, Sugiura T, Harada R, Futatsugi A, Komura T, Nakamichi N, Sekiguchi H, Sutoh K, Usumi K, Iseki S, Kaneko S, Kato Y. Localizatoin of Xenobiotic Transporter OCTN1/SLC22A4 in Hepatic Stellate Cells and Its Protective Role in Liver Fibrosis. J Pharm Sci. 2016, 105: Nakamichi N, Taguchi T, Hosotani H, Wakayama T, Shimizu T, Sugiura T, Iseki S, Kato Y. Functional expression of carnitine/organic cation transporter OCTN1 in mouse brain neurons: possible involvement in neuronal differentiation. Neurochem Int. 2012, 61: Ishimoto T, Nakamichi N, Hosotani H, Masuo Y, Sugiura T, Kato Y. Organic cation transporter-mediated ergothioneine uptake in mouse neural progenitor cells suppresses proliferation and promotes differentiation into neurons. PLoS One. 2014, 9:e Nakamichi N, Nakayama K, Ishimoto T, Masuo Y, Wakayama T, Sekiguchi H, Sutoh K, Usumi K, Iseki S, Kato Y. Food-derived hydrophilic antioxidant ergothioneine is distributed to the brain and exerts antidepressant effect in mice. Brain Behav Apr 22:e [Epub ahead of print].

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子として同定され 前立腺癌をはじめとした癌細胞や不死化細胞で著しい発現低下が認められ 癌抑制遺伝子として発見された Dkk-3 は前立腺癌以外にも膵臓癌 乳癌 子宮内膜癌 大腸癌 脳腫瘍 子宮頸癌など様々な癌で発現が低下し 癌抑制遺伝子としてアポトーシス促進的に働くと考えられている 先行研究では ヒ 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 髙田愛子 論文審査担当者 主査北川昌伸副査山岡昇司 清水重臣 論文題目 Dkk-3 induces apoptosis through mitochondrial and Fas death receptor pathways in human mucinous ovarian cancer cells ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > Wnt シグナルの阻害因子

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グルコースは膵 β 細胞内に糖輸送担体を介して取り込まれて代謝され A T P が産生される その結果 A T P 感受性 K チャンネルの閉鎖 細胞膜の脱分極 電位依存性 Caチャンネルの開口 細胞内 Ca 2+ 濃度の上昇が起こり インスリンが分泌される これをインスリン分泌の惹起経路と呼ぶ イ 薬効薬理 1. 作用機序 アナグリプチンはジペプチジルペプチダーゼ -4(DPP-4) の競合的かつ可逆的な選択的阻害剤である インクレチンであるグルカゴン様ペプチド-1(GL P-1) 及びグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド (GI P) は グルコース依存的なインスリン分泌促進作用やグルカゴン分泌抑制作用等 ( 主にGLP-1の作用 ) を有するが 24) DPP-4により分解されて活性を失う

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