Weekly金融市場2019年04月05日

Save this PDF as:
 WORD  PNG  TXT  JPG

Size: px
Start display at page:

Download "Weekly金融市場2019年04月05日"

Transcription

1 219 年 4 月 5 日号 調査第二部 来週の注目材料 木村俊文 イベント 国際通貨基金 (IMF) の世界経済見通し (9 日 ):19 年の成長率が 3 度目の下方修正となるか 欧州中央銀行 (ECB) 理事会 (1 日 ): 景気判断を下方修正するか 米連邦公開市場委員会 (FOMC) の議事要旨 (1 日 ): どんな議論でハト派色が強まったのか 2 ヶ国 地域 (G2) 財務相 中央銀行総裁会議 (11~12 日 ): 当局者の発言に注目 米主要企業の 1~3 月期決算発表 :16 年 4~6 月期以来の減益見通しだが 実際はどうか 米中協議 :4 週以内に合意か 英国の欧州連合 (EU) 離脱 :12 日が離脱期限 経済指標 国内 1 日 機械受注 (2 月 ) :4 ヶ月ぶりの前月比プラスに転じるか 米国 12 日 ミシガン大学消費者信頼感 (4 月 ) : 急悪化からの持ち直しが続くか 中国 12 日 貿易収支 (3 月 ) : 輸出大幅減が持ち直すか 内需をみる上で輸入にも注目 マーケットの動き 今週の実績 5 日午前来週の予想 長期金利 (1 年国債 (#354) 利回り %) -.65~ 横ばい ( 資料 )Bloomberg より作成 ( 注 ) 来週の予想は当社予想 株価 ( 日経平均株価 円 ) 21,471.12~21, , 上昇 為替レート (1 ドル = 円 ) 11.82~ 円安 来週のスケジュール (4/8~4/12) 月日国内の予定海外の予定 4 月 8 日 ( 月 ) 国際収支 経常収支(2 月 ) (4p に予測掲載 ) 消費者態度指数(3 月 ) 景気ウォッチャー調査(3 月 ) 黒田日銀総裁挨拶 ( 支店長会議 ) 4 月 9 日 ( 火 ) 国庫短期証券 (6M) 入札 (2.3 兆円 ) 5 年利付国債入札 (1.9 兆円 ) 4 月 1 日 ( 水 ) 機械受注(2 月 ) (4p に予測掲載 ) 企業物価(3 月 ) (4p に予測掲載 ) 黒田日銀総裁挨拶 ( 第 94 回信託大会 ) 米 製造業新規受注 (2 月 ) 経済協力開発機構 (OECD) 景気先行指数 (2 月 ) IMF 世界経済見通し (WEO) 公表米クラリダ FRB 副議長講演 欧 ECB 理事会 ドラギ総裁会見 欧欧州連合 (EU) 臨時首脳会議 米 消費者物価(3 月 ) 月次財政収支(3 月 ) 米 FOMC 議事録 (3/19-2 開催分 ) 4 月 11 日 ( 木 ) マネーストック(3 月 ) 中 生産者物価(3 月 ) 消費者物価(3 月 ) 流動性供給入札 (.5 兆円 ) 米 生産者物価(3 月 ) 米 新規失業保険申請件数(4 月 6 日週 ) 米 失業保険継続受給者数(3 月 3 日週 ) 米 G2 財務相 中銀総裁会議 ( ワシントン ~12 日 ) 米米韓首脳会談 4 月 12 日 ( 金 ) 国庫短期証券 (3M) 入札 (4.3 兆円 ) 中 貿易収支(3 月 ) 英 EU 離脱期限 欧 鉱工業生産(2 月 ) 米 ミシガン大学消費者信頼感(4 月 ) 米 IMF 世界銀行春季総会 ( ワシントン ~14 日 ) お知らせ 今回号から図表を変更するなど より分かりやすい紙面になるようリニューアルしました お気づきの点やご意見 ご要望がございましたら お気軽にお寄せください 調査第二部木村 まで 無断転載を禁ず 本資料は 信頼できると思われる各種データに基づき作成しておりますが その正確性 完全性を保証するものではありません 本資料は情報提供を目的に作成されたものであり 投資のご判断等はご自身でお願い致します

2 1. 今週のレビューと来週の指標予測 南武志 1 今週のレビュー 新年度がスタートしたと同時に 平成 最後の 1 ヶ月となるなど 今回の 4 月は複雑な 1 ヶ月 である そして 皇太子殿下の天皇即位とともに始まる 5 月 1 日からの新元号が 令和 に決まった 大化 以降 漢籍を出典とする元号が続いてきたが 248 番目として初めて国書 ( 万葉集 ) からの出典となるなど 安倍 首相らしいといえる とはいえ 3 年非公開とされた選考過程などが翌日にはすべてマスコミで報じられる など 情報管理の甘さも気になるところだ 残念ではあるが 機密を漏洩した犯人は一応探しておいた方 がいいのではないか 一方 注目の日銀短観 3 月調査によれば 代表的な大企業製造業の業況判断 DI は前回 から 7 ポイントの 12 であった 事前の市場予 想をやや上回る悪化幅であり 直近ピーク (17 年 12 月 26) から既に 14 ポイントも下がってい る 業種別には 汎用機械 ( 前回から 27 ポイ ント ) 非鉄金属 ( 同 21 ポイント ) 石油 石炭 製品 ( 同 19 ポイント ) の悪化が目立った 先 行きはさらに悪化して 16 年 9 月調査以来の一桁台 (8) の予想である いわゆる 加重平均 DI からは 雇用人員 資本設備の不足感が高いものの 17 年末以降は不足感が強まる状況にはないことも見てとれ る こうした中 18 年度の設備投資計画 ( 全産業 + 金融機関 土地投資額を除く ソフトウェア 研究開発 を含む ) は 製造業と金融機関を中心に 前年度比 8.1% へ下方修正された ( 非製造業は上方修正 ) 19 年度については同.7% と増加見込みであるが 先行きの景気情勢次第では下方修正される可能性も低 くない 以下 短観以外の今週発表された経済指標を確認してみよう 2 月の家計調査によれば 2 人以上世 帯 実質消費支出 ( 変動調整値 ) は前年比 1.7% と 3 ヶ月連続の増加であった GDP ベースの民間消費に 近い CTI マクロ ( 総消費動向指数 ) では前月比.1% と 2 ヶ月連続の上昇で 1~2 月平均は 1 ~12 月平均を.2% 上回っている 一方 3 月 の乗用車販売台数 ( 含む軽 ) は前年比 5.3% と 2 ヶ月連続の減少 内訳は 普通が同 5.6% と 3 ヶ月ぶり 小型が同 5.8% と 4 ヶ月連 続 軽も同 4.6% と 2 ヶ月連続で すべて減 少 季節調整後の水準も 34.1 万台と 16 年 6 月 (33.4 万台 ) 以来の水準まで減少するなど 自動車販売は不調である (% ホ イント ) 短観 : 雇用 生産設備過不足感とインフレ率 (% 前年比 ) -3 ( 見通し ) 3 雇用 生産設備判断 ( 全規模全産業 左目盛 ) (1, 台 ) 全国消費者物価 ( 生鮮食品及びエネルギーを除く総合 消費税要因を除く 右目盛 ) 2 年 21 年 22 年 23 年 24 年 25 年 26 年 27 年 28 年 29 年 21 年 211 年 212 年 213 年 214 年 215 年 216 年 217 年 218 年 219 年 乗用車販売台数 ( 含む軽 ) の推移 季節調整で抽出された TC 要因 季節調整値 年 215 年 217 年 219 年 ( 資料 ) 自販連 全軽自協の資料より作成 ( 備考 ) 季節調整済 (X-12-ARIMA) 2 月の毎月勤労統計によれば 現金給与総額は前年比.8% と 2 ヶ月連続の減少となった 内訳は 所定内給与が同.1% 所定外給与が同.5% 特別に支払われた給与が同 34.2% と すべて減 消の費駆税け増込税み前 反動減 不足 過剰 ( 資料 ) 日本銀行 総務省統計局の統計資料より作成 ( 注 ) 雇用 生産設備判断 DI を 2:1 で加重平均

3 少している 実質賃金も同 1.1% と 2 ヶ月連続の減少 また 総労働時間も同.6% と 3 ヶ月連続の減少で そのうち所定外労働時間は同 1.8% と 4 ヶ月連続の減少 時間当たり賃金は 17 年 1 月以来の前年比下落となるなど 冴えない結果であった 最後に 4 月 1 日時点の全国レギュラーガソリン販売価格は 円 / と 前週から.5 円値上がりした (7 週連続 ) 前年比は 2.1% で 加 (21 年 12 月 =1) 時間あたり賃金の推移 15 1 名目ベース実質ベース 年 26 年 27 年 28 年 29 年 21 年 211 年 212 年 213 年 214 年 215 年 216 年 217 年 218 年 ( 資料 ) 厚生労働省 ( 注 ) 現金給与総額を総労働時間で除したものの 12 ヶ月移動平均 速しつつある なお 水準的には 直近ピークの 1 月下旬 (16 円 ) からまだ 14 円低い 219 年

4 南武志 2 来週発表予定の経済指標 2 月の国際収支統計 4 月 8 日 ( 月 )8:5 < 当社予測 > 経常収支 : 原系列 2 兆 8,27 億円 前年比 32.9% (1 月 :6,4 億円 1.4%) 季節調整済 2 兆 616 億円 前月比 12.5%(1 月 :1 兆 8,33 億円 12.2%) 2 月の通関貿易収支は 3,349 億円と 5 ( 億円 ) 国際収支の動向 25, ヶ月ぶりの黒字となったが 国際収支 2, 統計ベースの貿易収支でも 6,68 億円 15, と 2 ヶ月ぶりの黒字が予想される サー 1, ビス収支も 1,88 億円と 3 ヶ月ぶりの黒 5, 字になる見込みだ 所得収支は円高 が修正されたこともあり 2 兆 468 億円 -5, の黒字と 4 ヶ月ぶりの 2 兆円台が予想 -1, 経常収支される 以上から 経常収支は約 2.8 兆 -15, 円と 7 ヶ月ぶりの 2 兆円台乗せとなる -2, だろう 3 月の企業物価 4 月 1 日 ( 水 )8:5 < 当社予測 > 国内企業物価 : 前年比 1.1%(2 月 :.8%) 前月比.2%(2 月 :.2%) 3 月の為替レートは月間平均で 1 ドル =111.2 円と前年水準 (16 円 ) と比べて円安だったほか 原油価格も持ち直しが見られており 年末から年始にかけて強まった円高 原油安による物価下押し効果は一旦解消した 一方で 全国的に天候に恵まれた地域が多かったことで生鮮野菜など農産物は値下がりしているほか 一部工業製品の在庫積み上がりによる下落圧力が高まっていると思われる 以上を踏まえると 国内企業物価は前年比 1.1% と 3 ヶ月ぶりに 1% 台を回復するだろう 21 年 211 年 212 年 213 年 214 年 215 年 216 年 217 年 218 年 219 年 ( 資料 ) 財務省 日本銀行 ( 注 ) 季節調整済 (% 前年比 ) 年 26 年 国内企業物価と在庫率の推移 (215 年 =1) 国内企業物価 ( 左目盛 ) 14 在庫率指数 ( 鉱工業 右目盛 6ヶ月先行 ) 月の機械受注 4 月 1 日 ( 水 )8:5 < 当社予測 > 船舶 電力を除く民需 : 前月比 1.8%(1 月 : 5.4%) 前年比 5.8%(1 月 : 2.9%) 日銀短観 (3 月調査 ) によると 18 年度の設備投資計画 ( 全産業 + 金融保険業 土地投資額を除く ソフトウェア 研究開発を含む ) は前年度比 8.1% と前回 12 月調査時から下方修正されたが 業種別には製造業と金融保険業で下方修正 非製造業では上方修正された 中国向けの工作機械や半導体などの輸出減が 製造業の設備投資行動を慎重化させている様子が確認できた 関連指標をみると 2 月の工作機械受注 ( 内需 ) は前月比 12.%( 当総研による季節調整後 ) と 6 ヶ月連続の減少かつ減少率が加速した半面 鉱工業出荷の資本財 ( 除く輸送機械 2 月 ) は同 2.6% と 4 ヶ月ぶりの上昇と まちまちの結果であった 3 ヶ月連続でコア機械受注が減少したことの反動も期待され 2 月分では小幅の増加と予想する 27 年 28 年 ( 資料 ) 経済産業省 日本銀行 ( 注 ) 消費税要因を除くベース 29 年 21 年 211 年 212 年 213 年 214 年 215 年 貿易 サービス収支第一次所得収支 216 年 217 年 218 年 219 年

5 2. 国内市場 市場概況 (4/1~4/5 前場 ) 佐古佳史 1 日発表の日銀短観は事前予想を下回ったが 新元号 令和 のご祝儀相場となった他 米中通商協議についての楽観的な見方が広がるなか 米中の製造業 PMI が堅調な値となったことで世界経済の先行きに対する懸念が和らぎ 日経平均株価は上昇基調で推移した 加えて 先週までのリスクオフの巻き戻しから米国時間 1 日に米 1 年債利回りが 1bp 上昇したことに伴い 1 日の 1 ドル =11 円前後から 2 日以降は 111 円半ばへと円安へ振れたことも株価上昇の追い風となった 4 日は S&P5 指数が半年ぶりの高値をつけたことが好感され日経平均にも買いが入った 5 日前引けは期間を通じて 2.78% の上昇となる 21, 円をつけた 東証株価指数 17 業種別では 機械が 6.% 鉄鋼 非鉄が 5.7% と強い 債券市場では 世界経済の先行きに対する先週までの悲観的なムードが改善されるなか 海外金利が上昇したことを受け 新発 1 年物国債利回りは上昇 4~5 日前場にかけて -.5%~-.4% のレンジで推移しており 期間を通じては 5.5bp 上昇 また 2 日の 1 年債と 4 日の 3 年債入札はともに金利低下のなかでも堅調な結果で 3 日の日銀オペも 応札倍率が全ゾーンとも 2 倍台に納まり 投資家の債券需要が確認された (%) 新発 1 年物国債利回りの推移.2 ( 円 ) 日経平均の推移 22,5 25 日移動平均 2 日移動平均 , 21,5 21, 2,5.1 2 月 13 日 2 月 26 日 3 月 11 日 3 月 25 日 4 月 5 日 2, 2 月 13 日 2 月 26 日 3 月 11 日 3 月 25 日 4 月 5 日 (%) 日本国債のイールドカーブ 19/4/5 19/3/8 19/1/3 18/1/ ( 年 ) 1 週前差 1ヶ月前差 3ヶ月前差 ( 年 ) ( 円 ) ドル円の推移 日移動平均 2 日移動平均 19 2 月 13 日 2 月 26 日 3 月 11 日 3 月 25 日 4 月 5 日 ( 資料 )Bloomberg より農中総研作成

6 ADP 3 GDP ~3 2.27

7 3-2. 海外市場 ( 欧州 中国 ) 市場概況 (3/29~4/4) ( 欧州 ) 山口勝義 ( 中国 ) 王雷軒 欧州 国債市場では 3 月 29 日にメイ首相の EU 離脱協定案が議会採決で三たび否決されたこともあり 週初までは 合意なき Brexit 懸念で利回りは低水準にとどまった その後は米中通商協議が進展するとの期待感の強まりや また 4 月 2 日に メイ首相が EU に対し離脱交渉期限の延長を要請する方針を明らかにするとともに膠着打開に向け労働党党首と協議する意向を示したことなどを受け 全般に利回りは上昇し ドイツ 1 年国債利回りも 3 日にはプラス圏に戻った しかし 4 日発表の 2 月ドイツ鉱工業受注指数が約 2 年ぶりの大幅なマイナスとなったことなどで この日には各国で幾分利回りは低下し ドイツ 1 年国債利回りも再度マイナスとなった 期間を通じ 1 年ゾーンで ドイツ国債は 6bp 英国債は 9bp 利回りが上昇した 一方 株式市場では ストックス欧州 6 指数は 2.9% 上昇した このうち主要セクター別では 自動車 部品が 8.5% 銀行が 5.6% テクノロジーが 4.7% の各上昇 などとなった 中国 米中通商協議 (3 月 28~29 日 4 月 3 日 ~) の進展期待が急速に高まった また 3 月の製造業 PMI( 統計局 31 日 ) が 5.5 と市場予想を大きく上回り 4 ヶ月ぶりに 5 を回復したほか 財新中国サービス業 PMI(3 日 ) も 54.4 と 1 年 2 ヶ月ぶりの高水準となったことから 景気減速への警戒感が和らいだ さらに 4 日 1 日から企業減税が実施され 当局による景気下支え策に対する期待感から 上海総合指数は 5 営業日続伸 期間を通じては約 8.4% の上昇となった ( 資料 )Bloomberg より農中総研作成

8 4. 指標分析 注目点 南武志 量的 質的金融緩和の開始から 6 年経過 213 年 4 月 4 日に 量的 質的金融緩和 が導入されていから丸 6 年が経過した 全国消費者物価で測 って前年比 2% と設定した物価安定目標の早期達成を目指すという日本銀行の強い意志とともに それを 実現するための大規模な緩和措置 ( これまでにない規模での国債 リスク性資産の買入れ ) を導入することで 根雪のように凍りついたデフレマインドを払拭させようという試みであったが 現時点では1% の物価上昇率すら安定的に達成できていない もちろん 効果は全くなかったわけでもなく 超緩和的な金融環境の下 超円高状態から解放され 日本経済は非常に緩やかだったが 景気の良い状態が長期間続いた 以下では この6 年間を簡単に振り返りつつ 成果が上がらなかった原因を考察したい まず 6 年間の主要指標の変化をみる 13 異次元緩和下での主要指標の推移 4 名目 GDP( 左目盛 ) と 当初 4 年間はターゲットであったマネタマネーストック (M2 左目盛) 全国消費者物価 ( コア 左目盛 ) 12 時間当たり賃金 ( 左目盛 ) 3 リーベースは3.7 倍に膨らんだ ( 年率マネタリーベース ( 右目盛 ) 25.7%) 一方 マネーストック(M2) は 倍にとどまっている ( 同 3.4%) 日銀の資金供給の増加ペースほど企業の借り入 1 1 れ需要は盛り上がらず 大部分は超過準備として蓄積された また マイナス金利 年 214 年 215 年 216 年 217 年 218 年政策の導入直後はイールドカーブが極 ( 資料 ) 内閣府 総務省統計局 厚生労働省 日本銀行 ( 注 )213Q1=1 端にフラット化 (= 利鞘の圧縮 ) し 銀行の貸出意欲を阻害した可能性も否定できない また 名目 GDPは 1.1 倍 ( 年率 1.7%) コアCPIは1.5 倍 ( 年率.9%) にとどまった 大胆な金融緩和を続けても なぜ経済 物価に 劇的な 改善がもたらされなかったか については立場によって様々な意見がある リフレ派は 需要不足を補うだけの十分な財政政策が打たれず また14 年 4 月の消費税率引上げが消費を冷え込ませ 期待インフレ率の改善にブレーキを掛けた というだろう 一方 アンチ リフレ派は そもそも金融政策は 紐 のようなもので 引き締めには効果がある ( 紐で引っ張ることはできる ) が 緩和の効果は不透明 ( 紐で押すことは難しい ) 特に量的緩和の波及経路は不透明 というのがコンセンサスであろう 日銀は日本の予想物価上昇率は適合的な期待形成の要素が強く 14 年秋以降の原油暴落などがその引上げを抑制したと分析し 粘り強く緩和的な環境 ( 実質金利をマイナス状態にする ) を続けることで 効果を上げようとしている とはいえ 日銀だけの政策で物価安定目標を達成できると信じる人は少ない 生鮮食品やエネルギーの急騰で消費マインドが悪化し 需要減退が起きるたびに もっと賃上げ率が高ければ と考える人は多いだろう 政府は企業団体からの根強い要望に応じ 法人税率を大幅に引き下げ それを原資とした賃上げを要請してきたほか この数年は 官製春闘 を主導してきたが 企業経営者の賃上げに消極的な態度を改めることはできなかった 賃金と物価との関連性を踏まえると 賃上げ率が労働生産性の改善率を上回らなければ インフレ率は高まらない 幸い ( 本当は不幸だが ) この6 年間の労働生産性の伸びはかなり低調 ( 年率.2%) で 賃金上昇率はそれを上回っている ( 同.7%) もうしばらく経てば 物価上昇率が高まるのかどうか注目だが マーケットはそれほど気が長くないだろう