11.22, ET2013 D-Case の実証評価の取り組み 山本修一郎 DEOS Project, 名古屋大学 2013 Dependable Embedded OS R&D Center

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1 11.22, ET2013 D-Case の実証評価の取り組み 山本修一郎 DEOS Project, 名古屋大学

2 主な話題 (2) DEOSにおけるD-Caseの位置づけ パターンライブラリの構成 適用事例 今後の展開

3 (3) D-CASE の位置づけ

4 (4) DEOS プロセスと D-Case, D-Script 合意形成 変化対応サイクル 開発 要求抽出 リスク分析 ステークホルダ合意 設計 実装 検証 テスト D-Case D-Script 合意記述データベース 障害対応 原因究明 迅速対応 未然回避 障害対応サイクル 目的変化 環境変化 予兆検知 障害発生 通常運用 説明責任遂行

5 (5) D-Case の例 ( システム参照モデル分解パターン ) 主張 前提 戦略 証拠

6 (6) D-Case の全体構成例 DEOS プロセス プロセス D-Case DEOSプロセス DEOS D-Case DEOS プロセスD-Case 要件定義 要件定義 D-Case 開発プロセス 設計製造 設計 D-Case 製造 D-Case 開発 D-Case 試験 試験 D-Case サービス戦略 サービス戦略 D-Case サービス設計 サービス設計 D-Case 運用プロセス サービス移行サービス運用 サービス移行 D-Case サービス運用 D-Case 運用 D-Case 継続的サービス改善 サービス改善 D-Case

7 (7) D-CASE パターンライブラリ

8 (8) D-Case パターンの構成 証拠文書 運用監視 D-Script 迅速対応 証拠分解 説明対象 D-Case 説明 対象分解対象の表記法参照モデル分解対象が持つ共通構造 再分解 条件分解推論分解 既存 D-Case

9 議論分解パターンの分類 (9) 分類対象分解条件分解参照モデル分解推論分解 説明対象物の構成に基づいて主張を分解対象条件に基づいて主張を分解参照モデルに基づいて主張を分解背理法や帰納法によって主張を分解 証拠分解主張を証拠によって分解 ( 説明 ) 再分解 既存の D-Case を用いて主張を分解

10 (10) パターンライブラリの構成 パターン分類 記述法 15 参照モデル 11 条件 7 推論 5 証拠 11 再利用 2 説明 アーキテクチャ, 機能, 属性, 完全化, プロセス, プロセス依存関係, 階層化, データフロー図, ビュウ, ユースケース, 要求, 状態遷移, 運用要求, シーケンス図, ビジネスモデル DEOS プロセス, リスク, 組み込みシステム, コモンクライテリア, 要求テンプレート, システム境界, 欠陥モード, 非機能要求グレード, テストケース, 問題フレーム,ITIL プロセス ECA, 条件判断, 代替案選択, 矛盾解消, 平衡化, 改善, 明確化 帰納法, 消去法, 否定推論, 反駁 法制度, 形式的証明, モデル検査, 試験成績書, 合意文書, レビュ報告書, シミュレーション, 評価報告書, 説明書, モニタノード, 文書 水平分解 垂直分解 注 ) モニタノードに D-Script を対応付けることにより 監視条件からの逸脱に迅速対応

11 完全分解パターンの例 (11) すべてのリスクごとに 下位の主張に分解

12 属性分解パターンの例 (12)

13 ユースケース分解パターンの例 (13)

14 条件選択分解パターンの例 (14)

15 矛盾解決分解パターンの例 (15)

16 代替案比較分解パターンの例 (16)

17 組み込みシステム参照モデル分解パターンの例 (17)

18 セキュリティ CC 分解パターンの例 (18)

19 ITIL プロセス分解パターンの例 (19)

20 帰納推論分解パターンの例 (20)

21 (21) D-CASE 適用事例

22 (22) 実証評価研究会

23 (23) D-Case 活用事例 分野 事例 適用組織 自動車 エンジン制御開発への適用 石崎直哉氏 ( トヨタ ) 衛星 超小型人工衛星への適用 田中康平氏 (NESTRA) ロボット ロボットの衝突安全性保証 加賀美聡氏 ( 産総研 ) ロボット ETロボコンへの適用 伊東敦氏 ( 富士ゼロックス ) ロボット ETロボコン要件定義 宇都宮浩之氏 ( デンソークリエイト ) ポータル 非機能要件保証 名古屋大学 ビジネス 受入テスト十分性保証 名古屋大学

24 (24) エンスト D-Case 例 石崎直哉氏 トヨタにおけるエンスト評価 開発のフ ロセスを D-Case に実装

25 (25) 超小型人工衛星への適用例 2. アシュアランスケースを記述 1. 保証範囲を定義 田中康平氏 3. 記述結果をチェック システムエンジニアリングの V-model に沿って, 段階的にアシュアランスを記述

26 (26) ロボットの衝突安全性保証例 加賀美聡氏

27 (27) ET ロボコンへの D-Case 導入効果例 要求から要素技術とその検証結果まで容易に辿れる D-Case 記述方法 下位ゴールが満たされればその上位ゴールも満たされる ゴール 名称図形要素説明 ストラテジ コンテクスト エビデンス 光の幅変化の影響を受けない E7 バンド調整による輝度値の補正結果の検証結果 P5 最短経路で走行 実現手段を検討 PD ライントレース E1 コース形状に沿った走行軌跡の検証結果 太陽光の影響を受けない 外乱光除去フィルタによる軽減率の検証結果 目標 1: 各コースともに25 秒短い時間で走行 P5 システムが達成すべき性質 実現方針を検討 できるだけ最速 (3 点倒立走行で最大前進値 ) で走行 実現手段を検討 カーブで外輪は最大速度で内輪は速度を下げる 各車輪の速度のログ エビデンスによって上位ゴールを保証する 親ゴールを達成するアプローチの観点 ゴールやストラテジを議論する前提情報 ゴールが成り立つことの証跡 光 ( 明るさ ) リスク対策を検討 水銀灯の影響を受けない 走行体を後方へ倒して斜面での転倒を防ぐ 斜面の傾きと転倒しない走行体傾斜角度の検証結果 ローパスフィルタによる軽減率の検証結果 エビデンスに E マークが付加されているものは この後のページでその証跡を示す 示す証跡は重要度を考慮して選択した スペースの都合上 D-Case は分割して掲載している 目標 3: リタイアせず完走 外部要因を検討 単体テストを自動化して機能拡張時のテスト時間を削減できる UT 報告書 ( テスト実行回数 ) リタイアしない 地区大会で新たに発見したリスク及び対策を追加 摩擦 リスク対策を検討 摩擦によらず指定速度で走行できる E16 PI 速度制御の検証結果 電池残量 リスク対策を検討 残量によらず指定速度で走行できる P5 開発者ごとの作業量を軽減 実現手段を検討 リタイアしない 時間をかけずに総合優勝する 効率的な開発 ルックアップゲート 効率的な開発 効率化の方針ごとに検討 バグを発生させない 実現手段を検討 目標要素ごとに検討 モデルでエクセレント 記載を省略 短い時間で走行 目標 8: 設計図からコードを並行開発ドメインを分割して並行に自動生成できる分担作業できる E2 E4 BridgePointによるドメイン WBS E3 コード自動生成率分析結果目標 6: DSLでの走行 P3 P2 工数削減戦略コード生成時間改善率 P3 総合優勝 ガレージイン 評価要素ごとに検討 修正の度に単体テストできる 走行で優勝 優勝するための要素ごとに検討 目標 2: 難所すべてクリア 難所ごとに検討 ドリフトターン UT 報告書 コード解析結果 トップゴール ボーナスステージで最高タイムを獲得 シーソー 手戻りを防ぐ 実現手段を検討 イタレーション開発で走行体を理解しながら要件を獲得できる 要件管理表 WBS E5 E9 階段 ルックアップゲート リスク対策を検討 姿勢変更時に倒れない PID 尻尾制御の検証結果 P5 目標 5: 上流工程で不具合検出設計図を検証できる 走行戦略 : 灰色マーカーからガレージまでの距離を指定して停車する (P4) モデル検査によるステートマシン / タスクスケジューリングの網羅検証結果 ガレージの入口を誤らない マーカーエッジチェンジによる灰色検知精度の検証結果 ステートマシン図 (P3) E6 走行戦略 : 走行体を倒して ライントレースによりゲートをくぐる (P4) 緩やかな停車の検証結果 クラス図 (P2) タスク設計 (P3) Verifierによるフレームワークの設計検証結果 P3 P3 走行体角度を変更してもライントレースできる 傾斜時輝度補正の E10 検証結果 P5 ガレージイン リスク対策を検討 壁に衝突しない 走行距離精度の検証結果 E8 直進しても脱輪しない角度で階段をのぼれる E11 垂直入射の検証結果 P5 ターン経路探索時にペットボトルの位置を誤解しない ソナー指向性実験結果 ターン経路検知 リスク対策を検討 誤った位置でドリフトを開始しない 停車すべき位置への停車率の検証結果 ドリフトターン ポイントごとに検討 階段 ポイントごとに検討 ドリフト走行 階段のぼり 90 度ターン階段くだり リスク対策を検討 直進してペットボトル間を走行できるよう旋回できる 指定した旋回角精度の検証結果 リスク対策を検討リスク対策を検討リスク対策を検討 階段をのぼるときにバランスを崩さない E12 よいしょのぼりの検証結果 P5 P4 シーソー シーソー接地の衝撃に耐えられる リスク対策を検討 E15 設定ジャイロ値と接地成功率の検証結果 P4 速度不足で段差をのぼれない 必要速度の検証結果 急旋回して走行路を保てる E13 設定 P 係数と旋回成功率の検証結果 P4 前提条件 : 直進 旋回性能が高いため 3 点倒立走行をする 走行戦略 : ターン経路をソナーで決めて 旋回 直進でペットボトル間を通過する (P4) 旋回位置まで正確に直進できる 走行距離精度の検証結果 前提条件 : シーソー上での 3 点倒立走行は転倒のリスクが高いため 2 輪走行をする シーソーダブルをクリアする 指定距離で停車してシーソーから落下しない 走行距離精度の検証結果 伊東敦氏 走行戦略 :2 輪で走行し シーソーの傾きに応じてジャイロ補正して走行体をブレーキする (P4) E14 シーソーに乗り上げたことを判断できる 衝撃検知の検証結果 前提条件 : 階段をのぼる際にはバランスを保ちやすいため 3 点倒立走行をする 走行戦略 : 階段のぼりは 3 点倒立走行 90 度ターンはライントレースで通過する (P4) 階段をおりるときにバランスを崩さない 2 輪走行の走行成功率 P5 直進しても脱輪しない角度でシーソーにのぼれる 進入角度と成功率の検証結果 階段をおりた後に走行路を見失わない 階段通過後のライン復帰成功率 2013 Fuji Xerox Co., Ltd. All rights reserved.

28 (28) ET ロボコンへの適用例 宇都宮浩之氏 DENSO CREATE INC.

29 (29) 非機能要求の定量評価指標の D-Case による保証 可用性を達成している 可用性の特性を達成している 可用性特性で説明する 特性指標について説明 特性指標を達成している 参考 ) 非機能要求グレード 特性指標を達成している証拠

30 テスト十分性に対する D-Case 作成手順 (30) 要求仕様要求記述表要求逸脱分析表 結合テスト項目正常系一覧 結合テスト項目例外系一覧 テスト D-Case

31 (31) テスト十分性確認 D-Case( 一般形 )

32 (32) 今後の展開

33 (33) 高信頼 ADM の課題 準備 ADM フェーズ Assured ADM 1 アーキテクチャリポジトリでの証拠文書と保証ケースの格納 2 ディペンダビリティ委員会での主張間の優先順位の合意 A. アーキテクチャビジョン 1 ディペンダビリティスコープ定義 2 主張の定量評価尺度定義 3 保証ケース能力評価 4 ディペンダビリティパラメタ定義 B. ビジネスアーキテクチャ 1 ディペンダビリティ原則定義 2BA 保証ケース作成 3BA 保証ケースレビュ C. 情報システムアーキテクチャ 1IA 保証ケース作成 2IA 保証ケースレビュ D. 技術アーキテクチャ 1TA 保証ケース作成 2TA 保証ケースレビュ E. ソリューション 1BA, IA, TA 保証ケースを統合 2 一貫性を確認 F. 移行計画 G. 実装監督 1 運用管理の保証ケース作成 2 ディペンダビリティパラメタ価値分析 1 保証ケースの証拠を作成 2 プロセス保証ケースの証拠を作成 3 網羅的に主張と証拠の関係を確認 4 運用に対する保証ケースをレビュ H. アーキテクチャ変更管理 要求管理 1 運用保証ケースの証拠を管理 2 主張の不成立への対応策の確認 3 保証ケースによるリスク管理 4 保証ケースによる障害分析 保証ケースの主張と要求の追跡管理 参考 ) The Open Group, Dependability through Assuredness Standard, 2013

34 d* フレームワーク (34)

35 (35) 組織構造の例 サービスが安全に提供されている サービスは安全である サービスで利用するコンポーネントは安全である コンポーネントは安全である 顧客 安全な提供 サービス提供者 コンポーネントの安全な開発 コンポーネント開発者 安全基準の下でサービスは安全である サービス安全性評価 第三者機関 コンポーネント安全性評価 安全基準の下でコンポーネントは安全である 安全評価は公正である 35

36 d* フレームワークによる組織間の責任関係 (36) 36

37 (37) D-Case 部会の狙い D-Case 実証評価研究を D-Case 部会として継続 D-Case の教育 D-Case 適用支援技術の研究 開発 D-Case 統合環境の試行評価 D-Case 技術適用技術導入上の課題解決 ディペンダビリティ技術推進協会 D-Case 部会 ディペンダビリティ技術推進協会参加企業 法人個人 ニーズ, 導入上の課題有効性評価 37

38 D-Case の実証評価の取り組み 山本修一郎 DEOS Project, 名古屋大学

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