明星大学 40 cm反射望遠鏡を使用した 太陽系外惑星の観測的研究 12S1-074 矢口聖 明星大学理工学部総合理工学科物理学系 1

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1 明星大学 40 cm反射望遠鏡を使用した 太陽系外惑星の観測的研究 12S1-074 矢口聖 明星大学理工学部総合理工学科物理学系 1

2 要旨 1995 年 スイスのミシェル マイヨールらによって 初めて太陽系外惑星が発見された それから約 20 年経った現在 観測機器の精度の向上や 様々な検出法により約 2000 個の太陽系外惑星が見つかっている その検出法で代表的は 恒星の速度ふらつきを検出するドップラー分光法 惑星の公転により恒星のわずかな減光を検出するトランジット法がある これら二つの検出法で惑星が検出されれば 惑星の質量 断面積 密度などの重要な情報を得ることができる 本研究では トランジット法を用いて明星大学天文台による太陽系外惑星の検証を行った その結果 WASP-33b は 10 月 25 日のトランジット開始予報時刻に約 2% の減光 終了予報時刻に増光が見られた また HAT-P-32b は 11 月 28~29 日の開始予報時刻に 2~3% の減光が見られ またデータにばらつきはあるものの 終了予報時刻に増光が見られていたため 結論として明星大学天文台で精密測光が可能であることが分かった 2

3 目次 1. 序論 1-1 太陽系外惑星 1-2 検出方法 トランジット法 ドップラー法 アストロメトリ法 マイクロレンズ法 直接撮像法 2. 観測機器 2-1 反射望遠鏡 2-2 冷却 CCDカメラ 3. 観測 4. 解析 4-1 熱雑音処理 4-2 フラット処理 4-3 測光 5. 結果 5-1WASP-33b 5-2HAT-P-32b 6. 考察 7. 結論 8. 謝辞 9. 参考文献 3

4 1 序論 1-1 太陽系外惑星 系外惑星は 太陽系の外にある恒星を周回する惑星のことである 系外惑星の探索は 19 世紀の終わりから報告されていて 1930 年代から長期的な探索がなされたがなかなか発見には至らなかった しかし 1992 年に電波観測から PSR B というミリ秒パルサーを回る惑星が見つかり 三年後の 1995 年に スイスのジュネーブ天文台の Michael Mayor と大学院生の Didier Queloz が ぺガスス座 51 番星 (51 Pegasi) を周回する惑星をドップラー法で発見した 主系列星を周回する惑星の発見はこれが世界初だった この時発見された惑星は 木星質量の 0.46 倍 軌道長半径が 0.052AU 公転周期が 4.23 日の 太陽系内の惑星と比べ 想定を上回る特徴を持っていた このような惑星はホットジュピター ( 図 1) と呼ばれている 惑星の特徴が水星や地球とは違ったということが 系外惑星の最初の発見を遅らせる結果となった 図 1: ホットジュピターの HD b のイメージ図引用 : その発見から約 20 年が経ち 系外惑星の発見数は 2015/12/01 現在 2000 個を超えた 系外惑星が多数発見される検出法は 惑星の公転による主星の減光を検出するトランジット法が約 1200 個 恒星のふらつきを検出するドップラー法が 600 個程で それ以外は他の検出法により発見されている トランジット法による検出でこれだけの数が発見できたのは 2009 年に打ち上げたケプラー衛星 ( 図 2) による 宇宙からのトランジット観測によるところが大きい 図 2: ケプラー衛星 引用 :NASA/JPL 4

5 1-2 検出方法 トランジット法地上から太陽を観測していると 月が太陽の前を横切り影になることで減光する日食という現象がおこる それと同じように 太陽系外の恒星と周回する惑星が影となり恒星の光がわずかに減光することがある これがトランジット ( 食 ) である トランジットの観測には 日食と同じように 惑星系を地球から見る方向が 惑星軌道面とほぼ一致していることが必要で 惑星が公転しているため減光は周期的に起こる ( 図 3) 図 3: トランジット法の簡易図 惑星が横切り始めると 明るさ が減少する 引用 : 新天文学太陽系外惑星 また その時の減光量は 惑星の半径 ( 恒星の半径 に比例する 例えば太陽系外から太陽を観測しているとき木星が横切ると 木星の半径 1 は太陽半径の約であるため 太陽は 1% 程減光する 系外惑星の公転による恒星の減 10 光量は ホットジュピターでも 1%~3% 程度なので 標準星 ( 増減光しない恒星 ) のフ ラックス比が 1% 以下になるよう観測することが必要となる トランジット法での観測で知ることのできる情報は恒星の減光だけではなく トラン ジットの継続時間や長期間の観測から惑星の公転周期も知ることができる 加えて 恒 星の半径 R1 が 他の観測から分かっていれば 減光量 ΔF/F とし 惑星の半径 R2 は ) 2 R2 = R1 ΔF F 5

6 で求めることができる また軌道半径 a は ケプラーの第三法則を用いて 周期 T と し 恒星の質量 M とすると と求めることができる ドップラー法 T 2 = 4π GM a3 3 a = GM 4π T2 惑星が中心星である恒星の周りを公転すると 惑星の重力の影響を受け お互いの共 通の重心を楕円軌道で公転する この速度ふらつきを 恒星の波長の変化として検出す る方法がドップラー法 ( 視線速度法 もしくは動径速度法 ) である ドップラー法は 1995 年に主系列星を回る系外惑星の最初の発見をした検出法であ る ケプラー衛星のトランジット法での結果が出る前の 2010 年頃まで最も発見数の多 い検出法だった この方法は 主系列星が発する可視光中の金属吸収線の高分散分光観 測によって検出する 吸収線は恒星が地球から見て遠ざかっていれば赤色にシフト 近 づいていれば青色にシフトするため この波長の変化を検出することで速度を決定する ( 図 4) この検出法からは sini を掛けた惑星質量の下限値 msini 軌道長半径 a が計算によ り算出できる 惑星の質量 m 恒星の質量 M 軌道傾斜角 i 周期 T 万有引力定数 G 速度振幅 K 軌道離心率 e とすると 惑星質量の下限値は 3 msini = T 3 K M 2πG 2 1 e 2 から求めることができる また軌道長半径 a は にある式から求められる 図 4: 系外惑星の重力により恒星が共通重心を周回している 恒星が地球から見て遠ざかっていれば赤色 近づいていれば青色にシフトする 6

7 1-2-3 アストロメトリ法 アストロメトリ法とは ドップラー法と同じように惑星の重力で恒星がふらつくこと から間接的に惑星を見つける方法である この二つの検出法の違いは ドップラー法は 恒星の速度ふらつきを見ているのに対し アストロメトリ法は恒星の位置ふらつきを見 ていることである 例えば 木星の重力による太陽の位置ふらつきは 観測者が 10pc 離れていたとする と 最大 0.5mas(milli-arcsecond 一秒角の ) だけふらつく この値は非常に小さく 地上観測では 大気揺らぎで約 100mas の位置決定精度しかないためこの方法では検出 が難しく 現在まで新しい系外惑星は発見されていない マイクロレンズ法光は質量の大きい天体の重力により曲げられ 天体がまるでレンズのような働きをする それを重力レンズ効果という 重力レンズ効果は 大質量の銀河などだけではなく 近くにある恒星同士でも起こることがあり この時光源となる恒星の光は レンズとなる恒星によって増光されるが 増光された恒星が惑星を伴っていた場合 増光の見え方に違いが生じる これがマイクロレンズ法である ( 図 5) この検出法では これまでに約 40 個の系外惑星を発見している 変光の大きさは トランジット法よりも大きいが わずかな期間しか変光しないという特徴がある 図 5: 観測者から見た マイクロレンズ法の様子 左が惑星を伴っていない場合で 右が惑星を伴っている場合 引用 : 7

8 1-2-5 直接撮像法これまでの検出方法が間接的に惑星の存在を示す間接法であるのに対し 直接撮像法はコロナグラフと呼ばれる撮像装置などを用いて恒星の光を除去し直接系外惑星を検出しているので その名の通り直接法といえるだろう ( 図 6) 観測機器の進歩により 2004 年 2M1207 という天体から VLT(Very Large Telescope) を使って直接撮像法での系外惑星が見つかり その後現在までに約 60 個の系外惑星が発見されている この検出方法には 高感度 高解像度 高コントラストの三つの性能が必要で技術的に難しいところもあるが 観測できた時の恩恵も大きい まず 他の観測法と比べるとこの方法は中心の恒星から遠い位置にある惑星を見ることができる トランジット法やドップラー法が数 AU までの検出であるのに対し 直接撮像では 10AU 以遠の惑星を検出できる また 得られる情報が多いことも特徴であり 観測データからは光度 色 スペクトル が得られる これらのデータから 惑星の大気組成や温度を知ることができる GJ 504 b 図 6: すばる望遠鏡 HiCIAO で撮影した GJ 504 を周回する系外惑星の GJ504b 引用 : gallery/198 8

9 2 観測装置 2-1 反射望遠鏡 観測には 明星大学天文台にある 西村製作所製 40cm リッチー クレチアン式反射望遠鏡を使用した 性能は以下の通りである 口径 cm 集光力 倍 実視極限等級 等級 焦点距離 nm 分解能 秒 有効最高倍率 倍 重量 約 800kg 図 7: 明星大学天文台 40cm 反射望遠鏡 9

10 2-2 冷却 CCD カメラ 観測で使用した冷却 CCD(Charge Coupled Device) カメラは ビットラン社の BN-82L である ピクセル数は ピクセルサイズは μm 受光面積は mm フィルターはジョンソンフィルターの R バンドを使用した 図 8: 冷却 CCD カメラ BN-82L 図 9:BN-82L の量子効率 引用 : 10

11 図 10: 使用したフィルターの透過率 11

12 3 観測 本研究では WASP-33b と HAT-P-32b の二天体の観測を行った それら天体の諸情報と本観測の撮影枚数や時間を以下に記載する WASP-33b は別名 HD15082 b とも呼ばれる 2010 年スーパー WASP (Wide Angle Search for Planets) でトランジット法により発見された スーパー WASP は 全天の 15 等級までの系外惑星の通過を観測しようというプロジェクトで 北半球ではカナリア諸島ラ パルマ島のロケ デ ロス ムチャーチョス天文台 南半球では南アフリカ共和国の南アフリカ天文台で観測が行われている また WASP-33 の特徴として 惑星を持つ恒星で初めて発見された たて座 δ 型変光星である WASP-33 のトランジットによる減光率は フラックス比で約 2% の減光が起こる たて座 δ 型変光星は たて座のδ 星のような特徴を持つ変光星である 脈動変光星の一つで 動径脈動と非動径脈動の二つの要因で変光するという特徴を持つ 数時間で 0.003~0.9 等級の範囲で変光するが 恒星によってそれらは大きく異なる WASP-33 の諸情報 観測 2015 年 10 月 12 日 25 日 座標 RA=02h26m51.08s DE= 周期 ± [day] 等級 V 等級 8.14 等級 トランジットの深さ 等級 10/12 撮影 WASP-33b 撮影時間 20:00~22:20 ライトフレームの撮影枚数 120 枚 積分時間 1 分 ダークフレームの撮影枚数 10 枚 フラットフレームの撮影枚数 3 枚 10/25 撮影 WASP-33b 撮影時間 1:11~5:04 ライトフレームの撮影枚数 390 枚 積分時間 30 秒 ダークフレームの撮影枚数 10 枚 フラットフレームの撮影枚数 5 枚 12 N

13 HAT-P-32 は The Hungarian Automated Telescope Network (HATNet) というプロジェクトで トランジット法により発見された HATNet は ハーバード スミソニアン天体物理学センターが管理している六台の全自動式小型望遠鏡で構成されたプロジェクトである 2006 年に初の惑星を検出し スーパー WASP とは競合関係にある HAT-P-32 の諸情報 観測 2015 年 11 月 28 日 座標 RA=02h04m10.24s DE= 周期 [day] 等級 V 等級 等級 トランジットの深さ 等級 11/28~11/29 撮影 HAT-P-32 観測時間 23:38~4:33 ライトフレームの撮影枚数 471 枚 積分時間 30 秒 ダークフレームの撮影枚数 10 枚 フラットフレームの撮影枚数 5 枚 これらの天体を決定した理由は 観測できる位置にいたこと 光度が 6~12 等級であったこと ( 冷却 CCD が飽和する程明るくなく 積分時間が 1 分で十分に撮影することのできる等級 ) トランジットの深さが 2% 以上であること 近くに標準星があること 観測時間中にトランジットするという条件から決定した また次章で詳しく説明するが トランジット天体を解析する上で天体の明るさの基準として 同画像内に二つの標準星が写るように撮影した 標準星の選定には simbad を使用し 変光しない恒星であることと トランジット天体と同程度の等級の天体を選びこれを標準星とした 13

14 4 解析 目標の天体を撮影した画像 ( ライトフレーム ) の解析手順は以下の通りである 1. 熱雑音処理をするためにシャッターを閉じた状態で撮影する画像 ( ダークフレーム ) を撮影 2. フラット処理をするために均一な明るさの光源を撮影する画像 ( フラットフレーム ) を撮影 3. 1 と 2 をライトフレームに対して ステライメージを使って処理 4. 処理した画像を すばる画像処理ソフトマカリを使ってアパーチャー測光をして解析 これらについて説明していく 4-1 熱雑音処理 CCD カメラは 全く光の無い状態でもノイズが生じる これは暗電流という熱的に発生する電流で この電流が CCD 内で信号として出力されることで 画像に小さな点として映し出される 天体観測で用いられる冷却 CCD カメラは CCD 素子を冷却することで熱的な暗電流ノイズを軽減するものである 暗電流ノイズは露出時間が長いほど多く現れるため 天体写真のように長時間の露出が必要となる時に大きな問題となる この問題を取り除くために行うことが ダークフレームによる減算処理である ダークフレームは ライトフレームと同じ撮影時間 同じ環境で 望遠鏡に蓋をし ( もしくはカメラのシャッターを閉じたまま ) 真っ暗な状態を撮影したものである この画像の中には ライトフレームに出力されたノイズだけがあるので この画像を使えばライトフレームから暗電流ノイズを引くことができる ( 図 10) 本研究では 撮影終了後に望遠鏡に蓋をし 使用した R バンドフィルターのダークフレームを 10 枚撮影し ステライメージで加算平均したものを使用した 14

15 図 10: ダークフレームを使用してノイズを引いた様子 上がライトフレームで 下がステライメージを使ってダークフレームを引いた画像 目標天体の周囲にあるぽつぽつとあるノイズが除去出来ているのが分かる 4-2 フラット処理 ライトフレームには 熱雑音処理で取り除いたノイズ以外にも不要なデータが混在する 例えば 反射望遠鏡に付いているごみや CCD カメラに付いているごみ または光学系に起因する 口径食による周辺減光などがある これらは均一な光の状態であるフラットフレームでライトフレームを割ることで規格化し これらの光学系による不均一さを除去する フラットフレームは 同光学系 同フィルター 同環境において 均一的な光源を撮影することで得られる フラットフレームの撮影には様々な方法があり 朝方薄明時や 夕方薄明時に撮影するスカイフラット ドーム内で一様光源を作り撮影するドームフラットなどがある 今観測では朝方の薄明時を使うスカイフラットを採用した 撮影は ライトフレーム撮影時と同環境で 天体が写らないことと画像内のカウント値の平均が 10000~20000 の範囲の値になるように撮影した また ダークも同じ積分時間で 10 枚撮影し ステライメージで処理した 図 11: 今観測のフラットフレーム 積分時間 3 秒を 5 枚加算平均した 15

16 4-3 測光 天体の測光解析にはいくつかの方法があるが 本研究ではマカリを用いて測光をしたのでアパーチャー測光を行った アパーチャー測光は 画像全体にある画素に記録された様々な光 (SKY) を SKY 内径 幅を決めることで 目標の天体の値から差し引くという測光方法である つまり 図 12 にあるように 計測したい目標天体のある恒星径を含んだ SKY 内径 ( 薄いグレーの部分 ) を決め 恒星径 ( 薄いグレー + 濃いグレーの部分 ) から差し引いている 図 12: アパーチャー測光の概念図 引用 : 天文教育 2010 年 5 月号 (Vol.22 No.3) 図 13: 実際の測光の様子 この測光では赤丸が恒星径で 24 ピクセル 真中の青丸が SKY 内 径で 28 ピクセル 外側の青丸が SKY 幅で 5 ピクセルで測光している 16

17 本研究では 目標天体と画像内で目標天体と近い標準星を二つ決めて測光している これは大気の影響や 都心からの人口光などの影響を除去するためである これらのカ ウント値からフラックス比として計算した その計算法は以下である 目標星のカウント値目標星のフラックス比 = 標準星 1 のカウント値 + 標準星 2 のカウント値 17

18 5 結果 5-1 WASP-33b WASP-33 標準星 1 N E 標準星 2 図 14: 実際に撮影した WASP-33 と 二つの標準星 フィルターは R バンドで撮影 グラフにある START CENTER END の赤軸は それぞれトランジット開始予報時刻 トランジット中央予報時刻 トランジット終了予報時刻を表している トランジットの予報時刻は Exoplanet Transit Database(ETD) の時刻を使用した この予報時刻は太陽系外惑星と確定した論文のトランジット検出日に 惑星の公転周期を加えた値から予報している 18

19 1.18 START CENTER 1.16 フラックス比 :00:00 20:30:00 21:00:00 21:30:00 22:00:00 22:30:00 日本標準時 [JST] 図 15: 2015 年 10/12 20:00~22:20 に撮影した WASP-33b のグラフ X 軸が日本標準時で Y 軸がフラックス比 START CENTER END フラックス比 :00:00 1:30:00 2:00:00 2:30:00 3:00:00 3:30:00 4:00:00 4:30:00 5:00:00 日本標準時 [JST] 図 16:2015 年 10/25 1:11~5:04 に撮影した WASP-33b のグラフ X 軸が日本標準時で Y 軸がフラックス比 19

20 5-2 HAT-P-32b 標準星 2 HAT-P-32 標準星 1 N E 8 8 図 17: 実際に撮影した HAT-P-32 と 二つの標準星 フィルターは R バンドで 撮影 20

21 0.224 START CENTER END フラックス比 ユリウス日 ( 日 ) 日 図 18: 11/28~29 23:38~4:33 に撮影した HAT-P-32 のグラフ X 軸がユリウス日から 日した値で Y 軸がフラックス比 ユリウス日は 1 メモリ (0.04 日 ) で 0.96 時間を表す 21

22 6 考察 10/12 WASP-33b についてトランジット開始 高度の低さからばらつきが大きく 確認できなかった また 21:16 頃から大きく増光しているのが分かる これについての考察は後述する 10/25 トランジット開始 約 2% の減光が確認できる トランジット終了 ばらつきは大きいものの 増光しているのが分かる :00:00 21:00:00 22:00: :00:00 2:00:00 3:00:00 4:00:00 5:00:00 図 19a 図 19b 図 19c 図 19a は 図 15 に 4 区間移動平均の近似曲線をつけたもの 図 19b は 図 16 に 4 区間移動平均の近似曲線をつけたもの 図 19c は Exoplanet Transit Database Blythe Guvenen & Noah Sebastian より先行研究のデータである 横軸はユリウス日 縦軸は等級となっている 22

23 11/28~29 HAT-P-32b についてトランジット開始 約 2 3% の減光が確認できる トランジット終了 高度の低さからばらつきが非常に大きくなっているが 平均して 見ると増光している傾向が見られる 図 20a 図 20b 図 20a は 図 18 に 4 区間移動平均の近似曲線をつけたもの 図 20b は Exoplanet Transit Database Mark Salisbury より先行研究のデ ータである 横軸はユリウス日 縦軸は等級となっている 23

24 高度によるばらつきについて 三回の観測の高度と方位はそれぞれ下記の通りである 観測日と天体名 観測時間 高度の変化 方位 ( 観測開始時 ) 10/12 WASP-33b 20:00~22: ~ 東北東 10/25 WASP-33b 1:11~5: ~ 西北西 11/28~29 HAT-P-32b 23:38~4: ~ 北西 これらの情報から 東の空では高度約 55 以下の時データでばらつきが起こり 西の 空では高度約 35 以下でデータのばらつきが見られている 本研究での観測場所は 東側が東京都心方向 西側が八王子方向であるので 人口光の影響が強いと思われる都 心側が高度のより低い位置でデータのばらつきが見られるのは妥当である 10/12 WASP-33b 観測時の後半の増光について WASP-33b のデータは 前述した通り 21:16 辺りから大きく増光している それに ついて考察する 増光した理由についていくつか考えられる 画像内で目標天体が移動したため増光した WASP-33 がたて座 δ 型変光星であるために増光が起こった 一つ目について これは明星大学天文台の赤道儀のズレによって起こっている この 移動によって増光が起こるためには 原因として 1, フラット補正が悪く適用され 増 光した 2, 人口光からの影響や 画像内の位置による明るさの違い 3, 目標星の増光 の三つが考えられる まず 1 について 右図ではフラット補正 をしたグラフとしない グラフを比較した 図 21: 10/12 WASP-33b の比 較 上がフラット補正 を行ったグラフで下が フラット補正を行って いないグラフ この二つのグラフを 比べると フラット補 1.18 フ 1.16 ラ 1.14 ッ 1.12 クス 1.1 比 フラックス比 ユリウス日 ( 日 ) 24

25 正を行わなかったグラフは 行ったグラフと比べるとフラックス比の値がやや小さくなったことや X 軸が 8.04 付近で落ち込んできているということが分かるが 同様に増光が見られるため フラット補正が悪く適用されたことからの増光ではないことが分かる 次に 2 について 人口光からの影響だとしても 画像内の位置による明暗の違いであるため それを知るために 目標天体のすぐ隣をアパーチャー測光し その位置が増光しているかどうか検証した WASP-33 標準星 図 22: 中心に光る天体が WASP-33 その隣にある標準星 を測光した 図 22 にある標準星 3 を測光し また 結果と同様標準星 1 と標準星 2 も測光し 同様 の計算からフラックス比を出した その結果を下のグラフに表した フ ラ ック ス比 :10:00 21:40:00 日本標準時 [JST] 22:10:00 図 23:10/12 WASP-33b の増光し始めた時間から 標準星を目標星としてフラックス比 を計算したグラフ X 軸は日本標準時 Y 軸はフラックス比 25

26 このグラフから 標準星が約 2% 程度の増光が見られるため 画像内で増光しているといえる しかし 実際のデータでは 約 6~7% の増光がされているため この影響だけではない 3 について 目標星の増光については WASP-33 がたて座 δ 型変光星であることから考える これについては E.Herrero,J.C.Morales,I.Ribas,and R. Naves 著の WASP-33: the first δ Scuti exoplanet host star から引用した この論文では 約 68 分周期でセミ振幅が約 等級の増減光が起こることが示されている しかし 本研究で起こった増光は 等級では約 0.08 等級の変化があったため この先行研究とは別の増光が起こっていたと考えられる 図 24: WASP-33: the first δ Scuti exoplanet host star より WASP-33b のトラン ジットを観測し そのデータから予想光度曲線を引いたもの X 軸は時間 Y 軸は等級 を表している セミ振幅は約 1mmag 周期は約 68 分 26

27 7 結論 10/25 WASP-33b の観測ではトランジット開始予報時刻に減光し 終了時刻にばらつきはあったものの 増光が確認できた また 11/28~11/29 の HAT-P-32b の観測でも 開始時刻に減光が確認でき 終了時刻にも平均してみると増光した傾向が見られた これらの観測結果から 明星大学天文台で約 2~3% 精密測光ができたといえる しかし 10/12 WASP-33b では 高度の低さからデータにばらつきが生じ また 21:16 辺りからの増光については 目標天体自体が増光していることは分かったが その原因については分からなかった また 今観測ではまだまだ問題点も多く それについて列挙して結論とする 新しい冷却 CCD カメラ (BN-82L) を使ったため 特性評価がされていない 本研究では冷却温度を-20.0 で観測したが 処理した画像にはわずかにノイズがあったため 温度を下げて観測するべきだったか 画像内の目標星と標準星の距離が近かった 大気成分や 人口光の影響を小さくするためには標準星が近い位置になければ除去できない 目標星を選ぶときに吟味すべきだった フラット補正がうまく適応されていない p26 で行ったように フラット補正による違いはあまり見られない しかし 画像では周辺減光が残っていたため フラット補正の撮影の仕方 処理の仕方を見直すべきであった 積分時間が長すぎた 本研究では 1 分 30 秒での撮影を行ったが 先行研究では数秒での観測もあったため 短くするべきだったか 27

28 8 謝辞 本研究を行う上で 多くの方々にお世話になりました 研究についてのアドバイスや相談を聞いて頂いた小野寺幸子先生 井上一先生 天文台での観測方法や 機材の使い方などを教えて頂いた日比野先生 可視光観測の基礎を教えて頂いた 埼玉大学の大朝先生 トランジット観測の基礎や研究の相談を聞いて頂いた兵庫県立大学の伊藤洋一先生と 研究室の皆さま方 様々な面でお世話になった 天文研究室の先輩方 そしてお互いで教え合い 高め合い 楽しめ合えたゼミの皆様 これまで本当にお世話になりました 心より感謝を申し上げます ありがとうございました 28

29 9 参考文献 田村元秀 (2015) 太陽系外惑星 日本評論社 惑星系に名前を! The Extrasolar Planets Encyclopaedia simbad Exoplanet Transit Datebase Kimura Shinji 2006 E.Herrero,J.C.Morales,I.Ribas,and R. Naves 2011 A&A 526, 29

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