九州大学伊都キャンパス開校と学研都市 その2

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1 日本都市計画学会九州支部支部ニュース No.62 (2012 年 5 月発行 ) 福岡市東区箱崎 6 丁目 10 番 1 号 九州大学大学院人間環境学研究院都市 建築学部門内公益社団法人日本都市計画学会九州支部事務局 日本都市計画学会九州支部ホームページ 持続可能な都市を目指してーデンマーク オールボー市 東海大学 梶田佳孝 オールボー市の全世帯数の 56% が自動車を 1 台又は複数台を保有している 自転車の保有者数は 1000 人あたり約 800 台である 1. はじめに北欧のデンマークでは 福祉国家であるとともに 早くから地球規模での環境 エネルギー問題にも取り組んできている ここでは デンマークの地方都市であるオールボー市の持続可能な都市に向けた取り組みを紹介する オールボー コペンハーゲン 図 1 オールボー市の位置と行政区域 2. オールボー市の概況オールボー市は デンマークのユトランド半島の北部のカテガット海峡と北海を結ぶ細長く入り組んだ形状をした全長約 180km のリムフィヨルドの東部で リムフィヨルドを挟んで位置している 首都のコペンハーゲンから直線で約 220km 飛行機で約 45 分である ( 図 1 写真 1) 港湾 工業都市として発展しているほか 北ユトランド地域の経済 文化 教育の中心都市として 重要な役割を果たしている 夏の平均気温は高くても 20 度前後であり 冬は 0 度前後である また 風が強いのが特徴的である 2007 年の地方自治体の改編により 271 市が 98 市に再編された時には オールボー市は周辺の 3 市を統合し 現在では 市全体の人口は 197,426 人 市の中心部の人口は 123,432 人となっている 市全体の人口は デンマーク国内全体の 3.57% を占め コペンハーゲン オーフスに次ぐ 第 3 の人口規模である また 面積は 1,144km 2 で 人口密度は 172 人 /km 2 となっている (2010 年 1 月時点 ) 九州 7 県の人口密度 人 /km 2 (2012 年 4 月現在 ) と比べると 約半分である 市の中心部にリムフィヨルドがあるため 橋 (1933 年 ) や海底トンネル ( 高速道路 )(1966 年 ) によって結ばれている なお 写真 1 オールボー市中心部 3. 持続可能な都市への取り組み (1) オールボー憲章とオールボー コミットメントオールボー市は 長年にわたって持続可能な都市づくりに積極的なヨーロッパの自治体の一つであり ヨーロッパの主要な議題に地域の持続可能性を位置づける努力に関与し 1994 年のオールボー憲章の採択に貢献している 1992 年にリオデジャネイロで開催された 地球サミット のアジェンダ 21 を踏まえて 1994 年に欧州の自治体を中心にした約 600 の団体がデンマーク オールボー市に集まり 第 1 回ヨーロッパサステイナブルシティ会議を開催された オールボー憲章は この時に採択され 環境の保全を中心として経済発展 社会的公正 平等を実現するサステナブル都市の実現を誓

2 ったもので ローカル アジェンダの策定などを求めている ヨーロッパ全土で 2500 以上の地方自治体によって署名されている このオールボー憲章は 1 持続可能性に向けてのヨーロッパ都市のあり方についての宣言 2 欧州持続可能な都市づくりキャンペーンについて 3ローカル アジェンダ 21の策定と推進の 3 部構成となっている 2004 年には地域の持続可能性に関する取り組みが評価され オールボー憲章 のフォローアップとして 憲章を確実に実施するために 憲章作成で中心的な役割をしていた ICLEI( 国際環境自治体協議会 ) が中心となって 持続可能指標を掲げるオールボー コミットメントを採択している オールボー コミットメントは これまで 650 をこえる自治体によって署名され その数は着実に増加している オールボー コミットメントでは 1. ガバナンス 2. 持続可能性に向けたマネジメント 3. 自然の共有財 4. 責任ある消費とライフスタイルの選択 5. 計画とデザイン 6. より良い移動 より少ない交通量 7. 健康のためのローカルアクション 8. 活気がある持続可能な地域経済 9. 社会的公平と正義 10. グローバルからローカルへの 10 項目を設定し 各項目で具体的な目標があげられている これに同意をした自治体は 1 年以内に持続可能な取り組みに関する現状報告の作成 2 年以内に持続可能な開発のための継続的な努力の個々の目標値の設定や行動計画を策定 議会承認し 実行する その後 モニタリングなどを行い 評価報告書を作成することになっている (2) オールボー市での取り組み 1 持続可能なモビリティオールボー市では上記を踏まえて 交通分野では 1993 年から EU のプロジェクトに参加しながら オールボー市では様々な取り組みを実施している 主な取り組みとして 1998 年には市中心部を通る道路が写真 2 のように自動車交通を抑制するように改良され 通行が公共交通 歩行者 自転車に制限されている 改良前改良後 写真 2 自動車交通抑制のための道路改良 ( 市中心部 ) 写真 3 ハイブリットバス ( 左 ) バス専用道( 右 ) 写真 4 バス接近情報 ( 左 ) 駐車場情報( 右 ) 写真 5 自転車専用道 ( 左 ) レンタサイクル( 右 ) また ハイブリットバスの導入 ( 写真 3) やバイオ燃料のバスでの利用 バス専用道 ( 写真 3) などのバス優先システム 駐車場情報システム ( 写真 4) 中心部と郊外部の自転車専用レーンの設置 ( 写真 5) バス接近情報システム ( 写真 4) 市中心部で物流車を規制

3 する環境ゾーンの設定 速度抑制ゾーンの設定 レンタサイクル 職場でのカーシェアリング 学校での自転車利用キャンペーン 自動車利用を控えるための通勤行動プラン作成などのモビリティ マネジメントが実施されている さらには 今後は LRT の導入の検討などがされている 持続可能なモビリティ 2010 ( オールボー市 ) によれば オールボー市の交通手段別の利用状況は 自動車運転 45% 自動車同乗 13% 徒歩 19% 自転車 15% 公共交通 5% その他 3% である 徒歩 自転車 公共交通の利用者割合は自動車に比べて 少ないが これらの取り組みを積極的に推進し 徒歩 自転車 公共交通の利用者割合の増加を目指している 2 港湾地区の再開発プロジェクトオールボー市は 港湾 工業都市ではあるが 1990 年代からは携帯電話や無線通信業が発達するなどで 近年 港湾地区などでは工場などが閉鎖されている これらの跡地や駐車場を利用して 港湾地区を活性化するための再開発プロジェクトが進んでいる 地区計画が策定され 整備が行われている これらの再開発の中で 市中心部のフィヨルド沿い南側の再開発地区 (1km) を図 2 に示す NordKraft( ノルドクラフト )( 写真 6) は 工場の建物の骨組みをそのまま利用しながら ホール 体育館 映画館などに加え カフェやレストランがあり 定期的に展示会やサークル活動などが開催されている Utzon Park にある Utzon Center ( ウッツォン センター )( 写真 6) は 幼少期をオールボーで過ごし オーストラリア シドニーにあるオペラハウスを設計した建築家ヨーン ウッツォンの設 計による展示会場である オールボー大学の建築学科のデザインスタジオ 図書館 ホール レストラン等がある ホールでは パブリックコメントのため 市民に将来の都市デザイン案を展示 公開する場所ともなっている その他 市民が憩える Swimming Pool( プール )( 写真 7) Jomfru Ane Park( 公園 )( 写真 8) Toldbad Plads( 広場 )( 写真 8) がある House of music ( コンサートホール ) などは まだ整備されていないが これらは人が集まり 憩える施設であり 都市中心部の空間の魅力を創出している 写真 6 NordKraft( 左 ) Utzon Center( 右 ) 写真 7 Swimming Pool 写真 8 Jomfru Ane Park( 左 ), Toldbad Plads( 右 ) 図 2 市中心部のフィヨルド沿い南側地区の再開発プロジェクト

4 第 7 回日本都市計画学会九州支部幹事会議事録日時 : 平成 24 年 2 月 3 日 ( 金 ) 16:00~17:30 場所 : 西日本ビル5F 会議室出席者 : 中村宏, 辰巳浩, 内田晃, 内田智昭, 梶田佳孝, 坂井猛, 柴田久, 長聡子, 堤昌文, 寺町賢一, 永家忠司, 橋本信幸, 日暮光一郎, 円山琢也 (14 名 ) 議事内容 1. 前回幹事会議事録確認 ( 辰巳 ) 添付議事録に基づき 前回の会議内容を確認した 2. 理事会の報告 ( 中村 ) 平成 23 年度 12 月理事会の議決事項として 会員の入退会 研究委託案件の確定報告 (4 件 ) 英文論文誌の取り扱い方針 日本造園学会との講演会の共催要請に関する審議結果について報告があった また 建設系 7 学会会長懇談会 第 1 回会長アドバイザリー会議 第 1 回定時総会の予定概要 H23 年度決算 H24 予算等の素案 各委員会の活動状況 ( 市長会との共催シンポジウム開催予定 都市計画 CPDの概要 機関紙の特集予定 今後のイベント開催予定 学会賞 特別功労賞選考のスケジュール等 ) 各支部の活動報告等について紹介がなされた 3. 支部だよりについて ( 寺町 ) 平成 23 年度第 3 回九州支部都市計画サロンの開催概要について 学会機関紙掲載用の原稿案として提示され 審議の結果 原案通り承認された 平成 23 年度第 4 回九州支部都市計画サロンの開催概要については支部だよりへの掲載は行わないこととし 次号は 2/18 開催予定の平成 23 年度九州支部主催シンポジウムの開催概要を掲載することが提案され 審議の結果承認された 4. 支部ニュースについて ( 長 ) 熊本市の黒部氏から投稿された支部ニュース NO.61(2 月発行予定 ) 政令指定都市移行に向けた熊本市の都市づくり の原案が提示され 審議の結果 原案通り承認された 5. 支部主催シンポジウムについて ( 永家 ) シンポジウム進行表( 案 ) が提示され 講演の時間を短く ( 幸山市長 30 分 溝上教授 40 分 ) し パネルディスカッションの時間を長く (120 分 ) すべきいう意見が出され 変更することとなった 中村支部長 佐藤副支部長の他 当日スタッフメンバー ( 内田晃 内田智 長 永家 日暮 円山 熊本大学学生数名 ) 集合時間 集合場所が確認された 6. 平成 24 年度新規研究分科会の審査結果 ( 柴田 ) 資料に基づき 審査結果が提示され 原案通り承認された 7. 平成 24 年度九州支部総会について ( 中村 ) 資料により平成 24 年度の日程 会場 当日スケジュールが提示された 第 1 回幹事会 九州支部選出の会長アドバイザリー会議も同日開催することが確認された 特別講演会の講演者については本部からの招聘を予定しているが現時点では未定であり 人選は執行部に一任することとなった 8. 後援依頼について ( 長 ) 資料により 平成 23 年度日本風景街道大学 に関する後援依頼資料が紹介された ( 支部幹事によるメール審議での承認済 ) 9. 会計報告 ( 内田智 ) 資料に基づき 現時点の会計状況について報告がなされた 10. その他 ( 功労表彰 名誉会員 )( 中村 ) 支部顧問について候補者要件等を調査する等 支部長を中心に関係者で推薦について検討することとなった 第 8 回日本都市計画学会九州支部幹事会議事録日時 : 平成 24 年 3 月 22 日 ( 木 ) 16:00~17:30 場所 : 西日本ビル会議室出席者 : 中村宏, 辰巳浩, 天本徳浩, 内田智昭, 坂井猛, 長聡子, 堤昌文, 永家忠司, 橋本信幸, 日暮光一郎, 円山琢也 (11 名 )

5 議事内容 1. 前回幹事会議事録確認 ( 辰巳 ) 添付議事録に基づき 前回の会議内容を確認した 2. 理事会の報告 ( 中村 ) 平成 23 年度公益社団法人移行認定後第 5 回理事会の議決事項として 会員の入退会 研究受託 (18 件 ) 平成 23 年度前期事業報告 決算 ( 第二次素案 ) 平成 24 年度事業計画 予算 ( 最終素案 ) 常置委員会委員の交代が了承されたことが報告された また 次年度より 予算案検討 支部総会開催の前倒しについて検討されていることが報告された また報告協議事項として 平成 24 年度定時総会の予定 学会への寄付の受け皿の検討 鹿島学術振興財団への応募要請等が報告された 常置委員会からの主な報告として 2013 年度論文発表会について 法政大学が決定し 日程が 2013 年 11 月 16~17 11 月 9~10 日の 2 案で検討されていること 24 年度終了時に新たなウェブサイト立ち上げ予定であること 学会賞 功績賞 国際交流賞 名誉会員の議決予定等が報告された 3. 支部主催シンポジウムの開催報告 ( 永家 ) 資料に基づき 平成 24 年 2 月 18 日 ( 土 ) に熊本大学で開催した支部主催シンポジウムについて参加者属性 参加者意見が報告された 当該シンポジウムの開催報告として作成された支部だより原稿 ( 案 ) が提示され 審議の結果 原案通り了承された 4. ポスターセッションの実施について ( 長 ) 資料に基づき 平成 24 年 4 月 14 日 ( 土 ) の定時総会に引き続き開催予定のポスターセッションについて 現在のエントリー状況 (3/21 現在 13 件 ) 等が報告された より多くのエントリーがなされるよう 幹事による招請を行うことが確認された 5. 支部長賞について ( 長 ) 資料に基づき 支部長賞の受賞者が報告された 過年度は 卒論中心での参加であったが 今年度 創設後 2 年の学部生からの応募がなされている 今後 参加資格について検討を行うことが確認された 6. 総会資料 ( 案 ) について ( 辰巳 ) 資料に基づき 出席幹事において平成 24 年度定時総会資料を確認した 名義後援の 全国町並みゼミ福岡大会 については 6 月開催の行事であり 今年度の後援内容には含めないことが確認された 7.20 周年記念事業企画について ( 坂井 ) 資料に基づき 3 会場ごとのプログラム スケジュール ( 案 ) ついて説明があり 内容が確認された 平成 24 年度の新執行部において 引き続き講演者等 詳細事項について検討することが確認された 8. 後援依頼 (1 件 ) について ( 長 ) 資料に基づき 後援依頼内容が説明され 審議の結果 支部の後援が了承された 9. 会計報告 ( 内田智 ) 資料に基づき 平成 23 年度見込み決算について報告がなされた 10. その他 平成 24 年度支部総会後の特別講演会の講師については 中井常務理事で決定していることが確認された アドバイザリー会議を支部総会前(13:00~) に開催することが確認された アドバイザリー会議の進め方については中村支部長により検討されることが確認された 次回幹事会は 4 月 14 日 ( 土 )12:30 より開催する ( 於 : 九州大学西新プラザ ) 支部ニュースに関する問合せ 連絡先支部ニュースに関するお問い合わせやご意見等がございましたら下記までご連絡ください 各種イベント ( シンポジウムや講演会等 ) のお知らせ等を掲載することも可能です 案内文を下記までお寄せください 公益社団法人日本都市計画学会九州支部事務局 TEL : FAX : cpij-q@arch.kyushu-u.ac.jp

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