酵素消化低分子化フコイダン抽出物の抗ガン作用増強法の開発

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1 LMF 研究会 低分子化フコイダンの抗腫瘍効果に関する 最新研究 平成 25 年 2 月 23 日 九州大学大学院農学研究院生命機能科学部門システム生物学講座細胞制御工学分野白畑實隆

2 現在のガンの治療とその課題 外科的療法再発や免疫力低下の可能性 進行度合いによる限界 放射線療法ガンの種類による感受性の違い 治療に時間を要する 抗ガン剤療法副作用 薬剤耐性の問題 機能性食品などを用いた補完代替医療 治療の効果を増強させることが狙い しかし 有効性や作用メカニズムが十分明らかになっていない

3 酵素消化低分子化フコイダン抽出物の 細胞表面糖鎖構造変化を伴う ガン細胞死誘導効果

4 フコイダン ワカメ コンブ モズクなどの褐藻類から抽出される硫酸化多糖の一種 主に L- フコースが α1-3 結合で数十から数十万個も結合した化合物で 平均分子量は約 2,~3, OH CH 3 O O フコイダン (Fucoidan) O O CH 3 OH HO 3 SO O O CH 3 OH HO 3 SO CO 2 H O O O CH 3 OH OH OH OH OH フコイダンの基本構造 フコイダンによる主な抗腫瘍効果 O アポトーシス誘導作用 免疫賦活作用 血管新生抑制作用

5 目的 ガン化 ガン細胞の悪性化に伴い糖鎖発現あるいは糖鎖構造が変化することが報告されている ガン化 悪性化 Malignant alteration Change of sugar chain structures 正常細胞ガン細胞悪性化したガン細胞 糖鎖 ガン細胞? フコイダン フコイダンのガン細胞死誘導効果の検証 ガン細胞表面糖鎖構造に及ぼす効果 ならびにその作用メカニズムの解析!

6 酵素消化低分子フコイダン抽出物 Preparation トンガ王国産モズク有機酸抽出 / 脱塩処理高分子フコイダン ( 分子量 : 約 2 万 ~3 万 ) グリコシダーゼ処理 トンガ王国産モズク (Cladosiphon novae-caledniae Kylin) 酵素消化低分子化フコイダン抽出物 ( 分子量 : 約 5) (Fucoidan Extract : FE) Components Fucose 62.1 % Xylose 1.5 % Mannose 6. % Glucose 3.5 % Galactose 3.3 % Uronic acid 14.6 % Sulfate group 14.5 %

7 糖鎖の分岐度の評価 高度な分岐構造 ( 悪性 ) 分岐構造の減少? PHA-L4 PHA-L4 減少? Con A FE 処理 Con A 増加? FE 処理 :Mannose :N-acetylglucosamine :β-1,6-glcnac

8 FE の各種ガン細胞への細胞死誘導効果の検証 使用した細胞 ヒト線維肉腫由来細胞株 HT18 ヒト肺腺ガン由来細胞株 A549 正常ヒト線維芽細胞 TIG-1 2x1 4 cells/ml で播種 実験方法 各濃度 FE 添加 MEM 培地と交換 Incubation (24 h 前培養 ) Cell counter で細胞数測定 (5 日間 ) Incubation day 1 day 2 day 3 day 4 day 5 day

9 Cell number (x1-3 cells/ml) FE のガン細胞死誘導効果 1 HT18 1 A549 1 TIG Day Day Day Cancer cells Nomal cells FE 処理による ガン細胞への細胞死誘導効果が確認された 正常細胞においては 多少増殖が抑えられるものの 細胞数の減少は確認されなかった

10 実験方法 FE による細胞表面糖鎖構造変化の解析 使用した細胞 ヒト線維肉腫由来細胞株 HT18 ヒト肺腺ガン由来細胞株 A549 正常ヒト線維芽細胞 TIG-1 IN Cell Analyzer 1 測定で用いた蛍光試薬 Hoechst solution FITC-Casein (Control) FITC-Con A FITC-PHA-L4 各濃度 FE 添加 MEM 培地と交換 IN Cell Analyzer 1 測定 Incubation (24 h 前培養 ) Incubation 各種レクチン h 48 h

11 FITC fluorescence intensity FITC-PHA-L4 FITC-Con A Cell number (cells/5 fields) Cell area mean (mm 2 ) FITC-Casein FE による HT18 細胞の細胞表面糖鎖構造変化 FE mg/ml FE mg/ml 1. mg/ml FE mg/ml

12 FITC fluorescence intensity FITC-PHA-L4 FITC-Con A Cell number (cells/5 fields) Cell area mean (mm 2 ) FITC-Casein FE による A549 細胞の細胞表面糖鎖構造変化 FE mg/ml FE mg/ml 1. mg/ml FE mg/ml

13 FITC fluorescence intensity FITC-PHA-L4 FITC-Con A Cell number (cells/5 fields) Cell area mean (mm 2 ) FITC-Casein FE による正常細胞 TIG-1 の細胞表面糖鎖構造変化 4 25 FE mg/ml 1. mg/ml FE mg/ml FE mg/ml

14 実験方法 FE による細胞タンパク質糖鎖構造変化の解析 使用した細胞 ヒト線維肉腫由来細胞株 HT18 ヒト肺腺ガン由来細胞株 A549 正常ヒト線維芽細胞 TIG-1 生育に影響の出ない最大濃度.2-.3 mg/ml.5 mg/ml.5 mg/ml 各濃度 FE 添加 MEM 培地 Incubation (24 h 前培養 ) Incubation Protein extraction 各レクチン Western blotting (Lectin blot) HRP-Con A HRP-PHA-L4 LAS-1 で測定 h 24 h 48 h

15 PHA-L4/b-actin Con A/b-actin HT18 細胞のタンパク質糖鎖構造変化 HRP-Con A HRP-PHA-L4 12 kd FE.25.3 mg/ml b-actin 8 FE mg/ml FE 処理によって濃度依存的にCon Aの結合が増加し PHA-L4の結合が減少する 傾向を示した FE.25.3 mg/ml

16 PHA-L4/b-actin Con A/b-actin A549 細胞のタンパク質糖鎖構造変化 HRP-Con A HRP-PHA-L4 kd b-actin 1 FE.5 mg/ml FE.5. 5 mg/ml 8 FE 処理によって 6 Con A の結合が増加する傾向を 4 示し PHA-L4 の結合が減少する 2 傾向を示した FE.5 mg/ml

17 PHA-L4/b-actin Con A/b-actin 正常細胞 TIG-1 のタンパク質糖鎖構造変化 HRP-Con A HRP-PHA-L4 kd FE.5 mg/ml b-actin FE.5. 5 mg/ml FE 処理によって 6 Con A 及び PHA-L4 の結合が 4 減少する傾向を示した 2 FE.5 mg/ml

18 総括 FEはガン細胞に細胞死を誘導する 正常細胞では 増殖は抑制するが細胞死までは誘導しない FE 処理によって ガン細胞のCon A 結合型糖鎖の発現の増加 及びPHA-L4 結合型糖鎖の発現の減少傾向が確認された FEにより 細胞表面糖鎖のN- 型糖鎖の分岐が減少したことで マンノースが露出したことを示している 正常細胞では FE 処理による糖鎖発現の傾向はガン細胞のものとは異なる FEによる一連の細胞表面糖鎖構造の変化は ガン細胞において見られる Malignant alteration PHA-L4 FE treatment Con A :Mannose :N-acetylglucosamine PHA-L4 Con A PHA-L4 Con A :β-1,6-glcnac

19 酵素消化低分子化フコイダン抽出物と抗ガン剤 との併用による抗腫瘍作用増強効果

20 実験に用いている抗ガン剤について カルボプラチン (CBDCA) 抗腫瘍効果のメカニズムはシスプラチンとほぼ同じで ガン細胞の 2 本の DNA 鎖と結合す ることで DNA の複製を阻害して ガン細胞を死滅させる パクリタキセル (PAC) 微小管に結合して安定化させ脱重合を阻害することで ガン細胞の分裂を阻害する 5- フルオロウラシル (5-FU) 細胞が分裂 増殖する際に必要な代謝物質の代わりにガン細胞に取り込まれることで その DNA の合成を阻害するという特徴を持つ

21 目的 抗ガン剤と FE 併用による抗腫瘍作用増強効果の検討 FE による抗ガン剤由来細胞死からの正常細胞保護効果検討

22 実験方法 A549 細胞 ( ヒト肺腺ガン細胞 ) TIG-1 細胞 ( ヒト線維芽細胞 ) 播種 24 時間前培養 FE 抗ガン剤処理 48 時間培養 IN Cell Analyzer 1 Hoechst 染色後 IN Cell Analyzer 1 を用いて解析 WST-1 染色後 細胞の代謝活性を測定

23 A549 細胞における FE の効果 (CBDCA) 細胞生存率 CBDCA (17 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) WST-1 CBDCA (17 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) CBDCA (552 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) CBDCA (552 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml)

24 A549 細胞における FE の効果 (5-FU) 細胞生存率 WST-1 5FU (19 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) 5FU (19 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) 5FU (5 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) 5FU (5 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml)

25 A549 細胞における FE の効果 (PAC) 細胞生存率 WST-1 PAC (.3 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) PAC (.3 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) PAC (.6 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) PAC (.6 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml)

26 TIG-1 細胞における FE の効果 (CBDCA) 細胞生存率 CBDCA (5 mg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) WST-1 CBDCA (5 mg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) CBDCA (1 mg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) CBDCA (1 mg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml)

27 TIG-1 細胞における FE の効果 (5FU) 細胞生存率 WST-1 5-FU (5 mg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) 5-FU (5 mg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) 5-FU (1 mg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) 5-FU (1 mg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml)

28 TIG-1 細胞における FE の効果 (PAC) 細胞生存率 Pac (2.4 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) WST-1 Pac (2.4 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) PAC (8.6 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml) Pac (8.6 μg/ml)+fe (.2,.4 mg/ml)

29 小括 A549 細胞 FE 及び各種抗ガン剤の併用処理において FE 処理濃度 (.2 mg/ml.4 mg/ml) 依存的に抗腫瘍作用増強効果を確認することができた TIG-1 細胞 FE を併用することにより CBDCA 及び 5-FU による細胞毒性軽減効果を確認することができた PAC に関しては FE による細胞毒性軽減効果は見られず 逆に細胞毒性を強める結果となった

30 実験方法 A549 細胞 ( ヒト肺腺ガン細胞 ) TIG-1 細胞 ( ヒト線維芽細胞 ) 播種 24 時間前培養 FE 抗ガン剤処理 48 時間培養 測定タンパク質 Cdc2: cell division cycle 2 細胞周期の G1/S と G2/M の移行に不可欠の M 期促進因子 リン酸化されると M 期への移行が阻害される p53: リン酸化された p53 タンパク質は DNA の損傷をチェックして細胞周期を停止させる ライセート回収後 ウェスタンブロッティングにより検討

31 A549 細胞における細胞周期関連タンパク質の発現 p-cdc2 (34kD) CBDCA 5-FU PAC β-actin (47kD) CBDCA (μg/ml) FE (mg/ml) FU (μg/ml) 5 FE (mg/ml) PAC (μg/ml) FE (mg/ml) p-cdc2/β-actin

32 TIG-1 細胞における細胞周期関連タンパク質の発現 p-p53 (53kD) CBDCA p-cdc2 (34kD) CBDCA PAC β-actin (47kD) CBDCA (mg/ml) CBDCA (mg/ml) PAC (μg/ml) FE (mg/ml) FE (mg/ml) FE (mg/ml) p-p53/β-actin p-cdc2/β-actin

33 小括 A549 細胞 FE 及び各種抗ガン剤との併用において細胞周期関連タンパク質である p-cdc2 の上昇が確認できた PAC に関しては FE の濃度依存的に p-cdc2 の上昇が確認できた TIG-1 細胞 FE 及び CBDCA(5 mg/ml) との併用において FE 濃度依存的に p-p53 の減少を確認することができた FE 及び CBDCA PAC との併用において p-cdc2 の発現がほとんど見られなかった

34 総括 A549 細胞 FE 及び各種抗ガン剤との併用において抗腫瘍作用増強効果が確認できた 細胞周期関連タンパク質である cdc2 のリン酸化上昇がこの現象の原因の一つとして考えられる 臨床において化学療法の 1 つとして各種抗ガン剤を使用する際に FE を併用することで 抗ガン作用を増強させる可能性が示唆された TIG-1 細胞 FE 及び CBDCA 5-FU との併用において細胞毒性軽減効果ができた CBDCA に関しては FE を併用させることによる p53 cdc2 のリン酸化減少が原因の一部であると考えられる 5-FU に関しても同様のことが示唆された PAC に関しては FE を併用させることにより cdc2 のリン酸化減少を確認することができたが それ以上に違う経路における細胞毒性が強く出ているため細胞保護効果が示されないと考える

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