法務研究第8号

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1 第一東京弁護士会刑事弁護委員会編 国選弁護活動の手引き 上訴審編 ( 以下 手引き という ) の紹介を兼ねて レジメは末尾添付 植村立郎 * 1 はじめに 1) 上訴審弁護の充実の必要性刑事弁護にも常に様々な課題がありますが 現在の課題の 1 つとして 上訴審弁護の充実があります 専ら 刑事裁判の経験しかなかった私が 今夏 御依頼を受けて 弁護士会主催の研究会で 2 回 上訴審弁護を含んだ内容の講演を致しましたのも 上記課題が背景にあるものと理解しています ではなぜ 今 上訴審弁護の充実が求められているかと考えてみますと 2 つの視点があるように思います 1 つは 上訴審弁護を担当する個々の弁護人の上訴審弁護人としての能力に懸念が生じている 換言すれば 上訴審弁護人としてスキルアップが求められている点だと思います 他の 1 つは 裁判員裁判の開始を契機として 1 審の充実が一段と叫ばれ 同時に そうした充実した 1 審を前提とした上訴審の在り方として 上訴審の事後審性の徹底が叫ばれている といった時代の要請を体現した形での上訴審弁護の実現が求められている 換言すれば 上訴審弁護を担当している弁護人の意識改革が求められている こういった 2 つの視点があるように考えています そのため 本日のお話しも みなさんに対して 上訴審弁護人としてスキルアップと意識改革を図ることを動機付けし その実践をお手伝いすることに尽きます * 学習院大学法科大学院教授 79

2 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) 2) スキルアップの必要性と手引き作成の経緯等アスキルアップの必要性意識改革の点は 事後審性の関係で後に述べますので ここではスキルアップの必要性について述べます 既にお話しした上訴審弁護人の能力に対する懸念にも 2 つの面があります 1 つは 弁護士経験がある程度有る弁護人の質に問題のある場合があり 上訴審におけるいわゆる不適切弁護の事例が発生し続けている点です その主要な問題点は 1 接見等を実行せずに被告人との意思疎通を的確に図っていないこと 2 上訴審弁護に対する理解 知識不足 弁護人としての能力不足 の 2 点であるように考えています そのため 各弁護士会においても 会員弁護士に対する研修等の形で不適切弁護対策を講じておられますから 改善されていくものと思われます 他の 1 つは 弁護士成り立ての新人弁護士が上訴審に関する知識のないまま上訴審弁護を担当する事例が生じている点です 知識がないという点では最初の問題点と変わりませんが こちらは 弁護士としてスタートしたばかりなのであって 元々知識が欠けている点で 弁護士になった後に適切に知識を充実 強化してこなかった前者の問題点とは異なっていると言えます 新人弁護士のそれぞれの自己研鑽を通じてこの懸念が自ずと払拭されていく可能性は当然ありますが 新人弁護士は毎年生まれますので その点では 恒常的な問題点でもあるのです 他方 そういった新人弁護士がその後も知識を充実 強化していかなければ 最初の問題点に還元されていきますから 全体として 最初が肝心ということになります イ手引き作成の経緯ベテラン 新人を問わず 早急に上訴審弁護に関する知識を充実 強化するにはどうしたら良いかということになりますが その対策の 1 つとして 上訴審弁護に関する手引き書の存在が想定されます その想定の実現策として 冒頭に掲げました手引き書が作られた次第です ウ手引き活用の勧め手引きは 70 頁あまりのコンパクトなものですから 全体を通読した上で上訴審弁護に活用してもらうことを期待しています しかし 多忙な弁護士 80

3 さんはそれすらできないかもしれない ということで 冒頭に注意則を掲げています それが 上訴審弁護の 10 箇条 です 上訴審弁護のエッセンスを纏めてありますから これを読んでおけば 上訴審弁護に備えることができると考えています 上訴審弁護について不安になったら 何はともあれ 上訴審弁護の 10 箇条 を読んで下さい また 手続の全体のイメージを持つのも重要ですから 手引き 1 頁 44 頁によって 上訴審の手続の流れを予め確認しておいて下さい 2 控訴審弁護 1) 事後審の弁護だとの意識を持とう ( 手引き 6 頁 ) ア意識改革の必要性 1 基本は 原審での主張 立証を前提として 被告人の意向を踏まえて 原審の審理 判決を争うこと上記の視点は 上訴審弁護人としての意識改革が求められている点でもあります 従前から 事後審性の意識を持った弁護士さんも少なくなかったのですが 現在は 裁判所を含めて 事後審性の徹底が求められていますから 弁護人としても 事後審性に徹するという意識改革が一段と求められていると言えます では 事後審性に徹した弁護とは何かと言えば 1 審の審理充実を前提とすれば 弁護人が 控訴審で新たな主張をしたり 新たな事実の取調べを求めたりする必要は原則としてないはずであって 専ら 被告人の意向を踏まえて 原審で行われた弁護人の主張 立証に対して原審 原判決が適切に対応 評価していない点を中心として控訴趣意で指摘することになるはずです その中心的視点は 原審 原判決にある論理則違反 経験則違反に着目することといえます ( 事実誤認の意義とその判示方法を説示した最決平成 24 年 2 月 13 日刑集 66 巻 4 号 482 頁 手引き 40 頁等参照 ) より具体的にいえば 原審の審理 判決がおかしいと感じることと それを控訴審で主張 立証できることとは同一ではない 事後審性的視点から見直してみる必要がある と言えましょう そして 原判決後に生じた事由等を主張の根拠とする場合 81

4 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) には そのことを明示し 同時に 法 382 条の 2 の やむを得ない事由 の存在も明確に主張する必要があります しかし そんなことを言われても 1 審で適切な主張 立証がされていないと適切な控訴審弁護はできない といった反論がすぐにされかねません そういった実務感覚は的を射たものといえますが まさに そのためにこそ 1 審の審理充実が上訴審弁護の前提として求められているという関係にあります 私の経験でも 1 審での主張 立証の不備を感じる面が多々あって 控訴審における主張 立証に様々な工夫を強いられることがありますが 控訴審において 1 1 審の主張 立証を全く無視した形で いわば新規まき直しとして 独自の主張 立証をする 2 原判決の判断はそっちのけで 被告人側の主張だけを展開し これを認めていない原判決は不当だ などと主張する といったことが許される状況には全くないことを自覚しておく必要があります この自覚は 控訴事件を受任する しない との判断をすべき時点から既に必要となっているのです 2 当事者追行主義への対処裁判員裁判の実施を契機として 当事者追行主義も強調されています 当事者が主体的に訴訟を進めていけば 自ずと 裁判所が行使する職権の範囲 程度もぐっと狭まっていきます とにかく何でも主張し 事実取調べ請求をしておけば 裁判所が適当に処理してくれるだろう 何とかなるだろう などといった裁判所頼りの気持ちから控訴審の弁護活動を行っても そういった甘い期待に沿った扱いを受けることにはならない ということを明確に認識しておくべきです 弁護人としては 主張すべきことはきちんと主張するのが 当事者追行主義の出発点となると考えています しかし 何でも主張すれば良いといったことではないことも当然です 例えば 被告人の反省振りを量刑不当の主軸として主張しているのに 証拠関係から明らかに不合理な弁解を強調するなどすれば 反省振りの評価程度を低下させる逆効果を生むこともあり得えます また 被告人や事件に対する理解力 洞察力不足から 事案に即した主 82

5 張ができない 乏しい 裁判所に認められる可能性のない主張を様々に展開する 一般論 被告人の意向と関係のない独自の自説を長々と展開する などといった不適切な主張が行われることも 懸念されるところです そのため 主張する しない の選別が重要事となってきますから そのための能力を涵養する必要があります 自白事件でも 例えば 1 検察官の主張とは異なる事実関係 ( 動機 経緯 態様等 ) が証拠から認められる場合 2 被告人の言い分にもそれなりの根拠があって その言い分を酌んで主張した方が良い場合 などがあり得ますから 適切な控訴趣意が作成されることが望まれます また 当然のことながら 原判決の量刑事情の挙げ方 評価が不適切などといった形の事後審的な主張は積極的に行われるべきです このように 控訴審弁護においても 被告人と意思疎通を図りつつ 自己責任の観点から訴訟を進行させていくことが一層求められることになっていますから 弁護人の法曹としての力量が一段と問われることになります なお 裁判員裁判では行為責任主義が強調され 被告人の反省の情などといった いわゆる一般情状が量刑判断に与える影響は限定的なものとなっていますから 控訴趣意の作成 破棄の予測 などといった場面では そのことに留意しておく必要があります イ 1 審との訴訟構造の違いを理解しておく控訴審は いわば訴訟のプロの活躍段階の手続ですから 1 審とは異なり 被告人は 出頭義務を負いません ( 法 390 条 ) し 弁論能力もありません ( 法 388 条 ) し 最終意見陳述もできません ( 手引き 11 頁 ) 弁護人として被告人の利益を的確に代弁することへの自覚が求められていると言えます そして 控訴審弁護人としての最大の課題は 控訴趣意書を作る ( 被告人側の控訴事件 ) 答弁書を作る( 検察官控訴事件 ) ことにありますから 充実した内容の書面の作成が求められていると言えます ウ控訴審の実情を理解しておく被告人側の控訴事件の破棄率が 10% を切っており ( 手引き 17 ~ 18 頁 平成 24 年では 7.9% 以下次頁までの間で で示した人数や% は同年度のもの ) 他方 検察官控訴事件では その破棄率の高さを自覚しておこう 83

6 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) 補足しますと 法曹時報の各年度の 2 月号に登載されております 刑事事件の概況 によれば 控訴審の終局人員は 平成 18 年の 9344 人から平成 23 年の 7005 人 6619 人 へと約 2300 人減少し 破棄自判の割合は 平成 18 年の 15.8% から平成 23 年の 9.7% 8.6% へと 6.1% も減少し 1 割を切りました ちなみに 裏腹の関係にある控訴棄却の判決は 平成 18 年の 62.5% から平成 23 年の 70.5% 71.6% へと 破棄自判の減少率を若干上回る 8% 増加しています 次に 申立人別の破棄率を見ますと 被告人側申立控訴事件の破棄率は 平成 18 年の 14.7% から平成 22 年に 1 割を切って 9.9% になり 平成 23 年はさらに減って 9.0% 7.9% になり 全体の破棄自判率の減少にほぼ相当する 5.7% 減少しました 他方 検察官申立控訴事件の破棄率は 平成 18 年の 69.4% から平成 22 年には 65.5% へと減少しましたが 平成 23 年には 71.6% 71.9% と増加しました 検察官控訴は事件が元々少ないので 事件数の変化が比率に影響する割合が相対的に高くなりますから 過度な断定は危険ですし 検察官控訴事件の中には 原判決に 1 必要的没収を欠いている 2 再度の執行猶予が付けられない刑期の懲役刑の執行を再度猶予した 3 未決勾留日数を過算入した などの過誤があって 必ず破棄されることになる事案が一定数含まれていることになりますから 検察官控訴事件の破棄率の高さを端的に問題にするのは相当ではありません それらを前提にした上で申しますと 検察官の控訴申立事件は 平成 18 年の 258 件から 平成 22 年が 142 件 平成 23 年は 102 件 114 件 と 150 件余り減少し 控訴事件の絞り込みが窺われます 控訴理由では 量刑不当が 54.0% から 30.4% 43.9% へ減少し 事実誤認が 32.4% から 49.0% 32.5% へ増加しています 裁判員裁判を踏まえ 量刑判断はある程度 1 審裁判所の裁量に委ね 事実認定は争う といった傾向が看取されます そういった絞り込みの結果が 上記のような破棄率の上昇に繋がったのかも知れません 私は これまでも 裁判員裁判における控訴事件の破棄率の見込みについ 84

7 て 被告人側の控訴事件は現在と同程度の割合で生じると仮定しますと 事後審性の徹底化が進めば その破棄率はこれまでより下がると思います 特に いわゆる刻み破棄 ( 典型例は 控訴審で示談ができたので 破棄して原判決の刑を 2 ヶ月減らすといった破棄 刑の短期の減刑 ) を原則として行わない運用が一般的になれば その分だけでも破棄率が減少することになります 他方 裁判員裁判に対する検察官控訴については これまでにも増して謙抑的な運用がされているようにうかがわれますが そのような運用を背景としてされる検察官控訴は 全体として対象事件がより絞り込まれて厳選されている分 逆に破棄率は高まることも予想可能な事態といえます そうなりますと 現在以上に破棄率に差が生じてしまう可能性があります といった指摘をしておりますが 上記の結果は 私の見込みに沿ったものとなっています そして 上記のような控訴審の有り様は 全体として控訴事件の終局人員が減少する中で破棄率も減少してますから 控訴審が第 1 審の判断を維持する傾向が強まっているといえましょう しかも 被告人側申立控訴事件の破棄率が 1 割を切った低い水準に留まっているということは 控訴審弁護の充実によって 被告人側控訴事件の破棄率を可能な限り高めていくことが望まれることになりますので 引き続き弁護人の努力が期待されています 同時に 控訴審における弁護活動に限界があることもうかがわれますから 翻って 第 1 審の弁護の充実が一層求められることになっているといえます いずれにしましても 弁護士として控訴審の弁護を受任するに当たっては 被告人側控訴事件の場合には破棄率が上記の程度に留まっていることを 他方 検察官控訴事件の場合には破棄率が上記の程度に高いことを それぞれ十分認識しておき 被告人に過度な期待を抱かせないようにすることも肝要です また 1 回結審が原則で ( 手引き 12 頁 ) 審理予定時間も通常 30 分であること 裁判所側が弁護人の事実取調べ請求に対して消極的な有り様 ( 手引き 32 頁 ) をも念頭に置いておく必要があります 85

8 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) 2) 事前の作業ア記録の早期把握 1 審の記録を早期に把握する必要があります これは控訴審弁護のスタート事項ですが 必ずしも容易なことではありません 原審弁護人からの記録の引き継ぎを適切に行っていない事例が依然としてあるようですから 控訴審の弁護人になられたら 原審の弁護人と連絡を取って 必要な記録の引き継ぎを必ず受けるようにして下さい これは 弁護人にとって無用な記録の謄写事務をしなくてすむようになるだけでなく 被告人はもとより 裁判所 検察官にとっても 弁護人が適切な弁護活動を行う基礎資料を得ていることになる点で 大変有益なことなのです 留意されたいのは 今申しております記録には 裁判所の記録となっているもの ( これは 裁判所で記録を謄写することによっても入手可能 ) だけでなく 1 審で 検察官から証拠開示はされていても証拠請求に至らなかった証拠 証拠請求はされたが却下されるなどして取り調べられていない証拠など 1 審弁護人が入手してはいても裁判所の記録とはなっていないものも含まれますから 1 審弁護人からの記録の引き継ぎの実践 ( 手引き 4 頁 ) が肝要です また 控訴審における証拠開示 ( 手引き 12 頁 40 頁 ) も その必要性に応じて検討 実践することが求められていると言えます 例えば 私の経験でも 1 審で取り調べられていなかった証拠物の開示を受けたことがあります なお 手引き 40 頁には 控訴審の弁護人は最高裁の量刑検索システムを利用することができないことを前提とした記述があります しかし これは誤りで 控訴審弁護人も利用できますので 上記量刑検索システムを積極的に活用して 事前の準備を充実させてください イ事実取調べ請求事実取調べ請求に関しては 1 事後審性の徹底の延長線上にある事柄として 法 382 条の 2 による やむを得ない事由 の疎明の実行が厳格に求められるようになっていることを自覚しておくこと 2 1 審とは異なり 被告人 86

9 質問もその請求が必要なこと 3 請求証拠の番号は 控訴審での新たな番号であって 1 審からの連続番号ではないこと 4 30 分の審理枠の 1 回結審を前提として 人証の範囲や所要時間を絞り込むこと 5 事実取調べが行われないと 弁論をする機会もないこと ( 法 393 条 4 項 手引き 11 頁 ) 等を留意しておく必要があります 4の点を補足しますと 漫然と 30 分 1 時間といった長時間の所要時間や 原審での取調べを経ている証人の再尋問を請求しても まず認められませんから 請求の必要性を絞り込むと同時に その必要性を的確に主張する必要があります 3) 控訴趣意書ア控訴趣意書の作成控訴趣意書の作成には手引きを参照願いたい ( 手引き 21 頁 見本は手引き 57 頁 ) が 被告人との意思疎通 ( 接見 面会 手引き 15 頁 記録の差し入れ 手引き 20 頁 * 8 他方 弁護人の適正管理 罰則等 法 281 条の 3 ~ 281 条の 5) の重要性を自覚し 被告人の 1 審の審理や判決に対する不満を的確に把握し ( 手引き 15 頁 ) その内容を控訴趣意書へ反映させることが肝要です 他方 提出期限を徒過してしまうと 決定による控訴棄却 ( 法 386 条 1 項 1 号 ) となるから そういった事態に陥らないようにしよう そして 控訴趣意書提出期間経過後の補充書では 控訴趣意書で主張していない控訴理由は主張できません 新たな主張を補充書頼りにしようとしても それは不可能なことです そのため 控訴趣意書作成の段階では そのことも意識して 控訴趣意書の内容が適切な構成となっているかを確認しておく必要があります 他方 控訴趣意と異なる趣旨の主張でない場合には 控訴趣意書提出期限後であっても 控訴趣意補充書 ( 手引き 22 頁 ) を活用することができます また 控訴趣意と異なるものであっても どうしても裁判所の判断を求めたい事項の場合には 当該主張に対して裁判所による職権判断を求める余地は残されている ( 手引き 23 頁 * 9) 87

10 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) イ被告人作成の控訴趣意書被告人が控訴趣意書を作成している場合もあります その場合には 手引き 23 頁にもありますが 弁護人としては 法律専門家としてその控訴趣意書の内容を点検した上で 控訴趣意として提出するのか 被告人の陳述書として証拠として請求するのか その両方とするのか あるいは 被告人の言い分を弁護人なりに構成し直して 弁護人の控訴趣意補充書として提出するのか など選択肢はいろいろありますから どういった取扱いとするのかも 被告人と打ち合わせておく必要があります ウ控訴趣意書作成の着眼点 ( 手引き 25 頁 ) と主張の仕方法 377 条以下の控訴理由を適切に理解する 控訴趣意の中心は 事実誤認 ( 法 382 条 ) 量刑不当( 法 381 条 手引き 27 頁 ) 訴訟手続の法令違反( 法 379 条 ) 法令解釈適用の誤り( 法 380 条 手引き 29 頁 ) である 理由不備 理由齟齬 ( 手引き 28 頁 ) の主張内容は絶対的控訴理由 ( 法 378 条 4 号 ) に相応するものであるべき ( 手引き 25 頁 ) なお これらについては以下で論理的な順序ではなく実務的な頻度に即して付言するので ここでは 絶対的控訴理由 ( 法 378 条 4 号 ) とされている理由不備 理由齟齬 ( 手引き 28 頁 ) について述べます 理由不備 理由齟齬は 法 44 条 335 条 1 項 2 項に照らして絶対的控訴理由として主張するのに相当する事柄について主張すべきです ( 手引き 25 頁 ) ささいな食い違い 誤りといったものまで主張するのは 被告人側の他の主張の印象も損なう危険性を帯びることになります 主張の仕方は 総花的でなくポイントに即して主張すべきです また 法 397 条 1 項 2 項の違いを意識し ( 手引き 25 頁 ) 主張の根拠を明示する 新たな証拠に基づく主張については手引き 29 頁を参照願いたい エ量刑不当 ( 法 381 条 手引き 27 頁 ) 1 破棄を求める類型を意識して主張を整理量刑不当の控訴趣意が実務的に多いので説明します 1 項破棄を目指すのか 2 項破棄を目指すのか ( 原判決破棄の根拠となるのが法 397 条の 1 項か 2 項かによる区別です ) その双方を目指すのか を明確に意識して主張を 88

11 整理する必要があります 漫然と様々な事情を総花的 並列的に論じて原判決の破棄を求めるというのでは 原判決の量刑判断の問題性も明らかとならず 説得力に乏しいことになります そのため この 3 類型を意識して整理して主張する必要があるのです 1 項破棄を目指す場合には 原審で取り調べられた証拠に基づいて 原判決の量刑に関する事実認定 評価等を争うことになります また そういった主張を前提として原判決の量刑が重いことを主張することになりますから どのように重いのかも 可能なら具体的に主張するのが望まれます しかし そうはいっても 実刑の判決に対して執行猶予を求める場合にはその旨が明示しやすいですが 実刑自体は争わずに刑期の短縮 減刑を求める場合には 具体的に何年以下の刑とまでは主張できずに できるだけ軽い刑をといった抽象的な主張にとどめざるを得ない事案もありましょう いずれにしましても 今申しましたような観点が明示された構成の趣意になっているのかを確認する必要があります また 被告人の言い分に即して 1 審での主張を改める場合には 被告人が真に言いたかったことが適切に原判決に評価されなかった点を的確に拾い出し それらの点に対して 適正な評価の在り方などを具体的に提示しつつ被告人側の主張を展開していく などといった訴訟活動が求められます 近年のように法改正が頻繁な場合には 例えば 当該事件の罪について法定刑が引き上げられているときは その法改正後の犯行に対してされた原判決は当然改正法の法定刑に準拠してされているわけですから その法改正前の法定刑を前提としてされた裁判例を量刑資料として引用するときは そういった法定刑の変化を考慮してもなお原判決の量刑の不当性を根拠づける裁判例である旨も説明する必要があります このように 自己の主張の不利な部分も率直に提示した上で 自己の主張を展開するのが本来形といえましょう ところが 当該法改正前の時期の裁判例を引用しつつ 他方 当該法改正のことには何ら言及せずに当該法改正の前後を問わず同一視点から量刑不当を論じる事例も見受けられます このような主張は 1 項破棄の主張として 89

12 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) は裁判所に対して適切な説得力を持たないわけです しかも 当該法改正のことを知らない被告人その他の関係者には 改正前の軽い刑の裁判の方が妥当なのだとの誤った認識 期待を抱かせかねない点でも有害です 2 2 項破棄を求める控訴趣意 ( 手引き 33 頁 ) 実践頻度の高い 2 項破棄を求める控訴趣意について説明します 2 項破棄を求める趣意は 基本形としては 原判決の量刑判断を前提として 原判決後に生じた事由だけをもっぱら論じることになります そうは申しましても 多くの事件では 原判決の量刑判断を全面的に肯定できるということにはならないでしょうから 異論のある点を 例えば 量刑判断の前提事実の認定に異論がある 量刑事由の評価に異論がある などと指摘することになりましょう そうなりますと 純粋に 2 項破棄を求める事案というのは限られたものになりますが それは原判決に不満を持って上訴することからすれば むしろ自然なことといえます 他方 第 1 審の審理充実を前提としますと 事後審の控訴審において 単に原判決後に生じた事情であるということだけで その立証が常に許される ということにはなりません 例えば 1 審では 1 示談成立の見込みがなかった 2 被告人の社会内更生の基盤となる情状証人の出現が予測できなかった などの理由から 当該事情の立証ができなかった 当該事情の出現を前提とした弁護活動ができなかった ことなどを主張 疎明しないと 当該事情に関する立証自体認められないおそれがあります 換言しますと 出現が予測できた 見込めた事情は 原審の審理 判決に反映させるのが本来であって 控訴審では やむを得ない事由 の存在が求められているのです このように第 1 審の審理充実を前提とした主張の組立てを自覚的に行う必要があります この系としては 原審で出現が予測できた 見込めた事情であっても 原判決で考慮されている範囲を超える部分が原判決後に生じていることを理由として 2 項破棄を求める主張 立証ができる場合があり得ます この典型は 原判決で既に 示談成立が見込まれること 被告人に就職の見込みがあること などといった形で被告人に有利に量刑上考慮されている事情について 90

13 原判決後に実際に成立した示談 実現した就職が 原審での見込みを大幅に上回る内容 好条件のものであったことなどを主張して 原判決が考慮した程度を上回る より大きな量刑上の考慮を求める主張 立証を行う場合です このように 漠然とした形で量刑不当を求めるのではなく 当該量刑事情について原判決でどの限度まで認定 考慮されているのかを明らかにした上で 必要な反駁を行って 原判決後の事情を主張して 2 項破棄を求めるべきなのです オ事実誤認 ( 法 382 条 ) 事実誤認については 個別事案に応じた創意と工夫が必要です 最高裁判例で 控訴審における事実誤認の審査の視点として 原判決にある論理則違反 経験則違反の点が重視されるようになっています そのため 原判決のこの認定はおかしい 間違っている などと 単に事実認定が誤っている旨を主張するのでは足りず 当該誤認が論理則違反 経験則違反によるものである旨を明示して主張する必要があります 例えば 原判決は事実を誤認していて その誤りは経験則に違反しているといった形で主張をまとめることが肝要です また 原審記録に基づく主張が原則であって ( 援用も必要 法 382 条 ) 弁論終結後の事情についてはやむを得ない事由の存在を明示して主張する必要があること ( 疎明資料の添付も必要 法 382 条の 2 ただし 控訴趣意書に直接添付せずに 事実の取調べとして証拠請求の形をとるのが一般的かと思われます ) を十分自覚して 原判決の判断と絡ませる形で自己の主張を展開する必要があります 審理不尽 も独立した控訴趣意として主張されたこともありましたが 特に近年では 独立した控訴趣意としては主張もされないし認められもしない といった扱いが一般的になってきているように思いますから 審理不尽を主張したい場合には 事実誤認等の控訴趣意の理由を基礎付けるものなどとして主張することになります カ訴訟手続の法令違反 ( 法 379 条 ) ここでは 事実誤認との区別の点だけ述べます 事実誤認と訴訟手続の法 91

14 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) 令違反との区別がされていない趣意書がみられます 例えば 原審で取り調べられた証拠の証拠能力を争ったり 原審の証拠決定の適否を争ったりして そういった主張を基に弁護側が望んでいる証拠状態を前提として原判決の事実認定を争う場合に 事実誤認として主張されることがあります しかし この主張は 原審で取り調べられた証拠を前提として原判決の事実認定を争っているわけではありませんから ( こういう前提で原判決の事実認定を争うのが事実誤認の主張です ) 事実誤認ではなく 訴訟手続の法令違反として構成されるべきです 最終的に原判決の事実認定を問題としていても ごくおおざっぱに言えば 原審で取り調べられた証拠を前提として主張するのが事実誤認の主張ですから 原審で取り調べられた証拠を前提としないものは 事実誤認の主張には当たらないのです そして 原審で取り調べられた証拠の証拠能力を争っていたりすれば 訴訟手続の法令違反の主張に当たります キ法令適用の誤り ( 法 380 条 手引き 29 頁 ) 法令の適用関係に関する主張は 適切に活用されてはいないような印象を受けています 私の経験でも この点は問題だから 控訴趣意でも指摘されていれば その主張も前提として検討してみようと思って控訴趣意書を読むと 何も指摘されていない といったことが何度もありました このように 的確な主張を行うことは 事案の検討を深めることになって有益です そうはいっても 弁護人の主張は被告人の意向に沿ったものであることが望まれるわけですから 被告人の意向と関係なく 違憲論その他の弁護人の日頃の持論を展開する といったことは 基本的には避けるのが相当だと思います 要は 主張すべきはきちんと主張し 控える主張は控えるという メリハリの効いた主張をするのが良いと考えていますが その際は 被告人の利益を中心に判断されるべきでしょう 4) 控訴審弁護の三種の神器控訴趣意を作成する基となる資料 情報は何かと言えば 原判決 原審記録 被告人の 3 つになります これらが控訴審弁護の基本的な事柄であって 92

15 しかも その弁護の有力な手がかりを与えてくれるものですから 私は控訴審弁護の三種の神器などと言っております ア原判決 ( 原判決の問題発見の 3 類型 ) 控訴審で問題となる原判決には 3 つの類型があるように考えています 第 1 類型は 原判決を読んだだけで この点は問題だと気付く場合です もっとも この気付き方にもレベルがあります 誰でも気付く事柄もありますが 原判決が提示している事件の全体像等 様々な事柄を考慮して初めて気付く その意味で高度なものまで含まれています 例えば 発生頻度のある誤りに関する知識があると そういった点検の見方も違ってきます まず 自白と補強証拠との関係で典型例を示します 無免許運転の事案では 皆さん御承知のように判例は 無免許の点と運転行為の点の双方について補強証拠が必要だとしています そのため このいずれかについて 補強証拠が証拠の標目に挙げられていないかを点検してみます 無免許運転 1 件だけの事件ですと そういった過誤はあまり生じないでしょうが 複数の無免許運転事案が起訴されていたりすると ある事実について 無免許の補強証拠が欠けていたり 運転行為に関する補強証拠が欠けている といったことに気付くことがあります このように 補強証拠の有無といった明確な視点を持って判決を点検すると そうでない場合に比べて過誤や不備を発見できる割合が高まるのです 常習累犯窃盗の事案では 前科の存在が構成要件となっていますから 証拠の標目に前科調書が挙げられているかを確認する必要があります そういった前科の多くは累犯前科ともなっていましょうから 原判決のどこかに前科調書が上がっていることはありましょうが きちんと点検しておくのが望まれます もっとも 補強証拠に関しては 薬物事案における 法定の除外事由 については 補強証拠不要とされていて 補強証拠ともいえる いわゆる 無資格性 に関する証拠が請求されていない事案もありますから こういった事案では 補強証拠がないことに気付いても そのことで控訴理由が生じてくることにはなりません 93

16 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) 次に 判決文全体を理解して発見できる問題点としては 例えば 法令の適用では自首減軽がされているのに 罪となるべき事実には自首に関する記載がない場合です これなどは 減軽するとはいえ 犯罪事実とは直接関係のない任意的減軽事由ですから 罪となるべき事実には記載しなくても良いとの考えもありましょうが 弁護人としては 控訴趣意として指摘したいところです 証拠の標目 ( 併合罪の犯罪事実ごとに区別して記載されていない場合 ) や法令の適用 ( 刑法 47 条ただし書が落ちていたり 刑法 14 条 2 項が落ちていたりなど ) が適切でない場合もあります 第 2 類型は 原審記録を読み 原判決とを対照して初めて気付く問題点があります これは 次に述べます原審記録といわばドッキングした形で発見できる態様の問題点といえます 例えば 証言の信用性に関する原判決の判断は 判決文を読む限りは それなりに了解可能な説示がされていて 問題がないように感じられ 記録を読んでみて なるほどと 原判決の判断の正当性を追体験できることは勿論あるわけです しかし 当該証人の速記録を原判決の説示と対照しつつ読み進めると 原判決の説示の誤りに気付いたり 信用性の評価に疑問が出てきたりし それらが積み重なって 全体として原判決には問題があるとの思いに至る といった推移をたどることもあります これは 原判決を読む限りは 通常気付きようのない問題点なわけですから 記録を読む重要性が高いことを示唆する問題点ともいえます 原判決は原判決 記録は記録 といった形で分断的に処理するのではなく 原判決と対照しつつ 更にいえば 原判決の説示に沿う証拠に気付いたら その丁数を手控え用の判決に付記する などといった形で記録を読むと 記録を何度も読み返す手間が省けますし 後から 特定の問題点について記録に当たって検討する必要が生じたときにも すぐに必要な箇所を探し出せるといった点でも 執務の効率化に役立つものと考えています 翻って考えますと 記録を読んで得られる心証 評価と判決の説示とが全部とまでは行かないとしても 少なくとも大筋において一致しているのが健 94

17 全な判決内容だと思われますから この第 2 類型に該当する原判決は 判決書としてみた場合には 記録の内容と判決の説示とが齟齬している不適切な部類に属するということになります このことは 判決書だけでなく 控訴趣意書にも同様に当てはまります 趣意書の指摘が記録に沿ったものでないと 趣意が認められることにならないのは容易に理解されましょう 記録を読んで認定 評価したことを的確に文章化することは必ずしも容易なことではありませんが プロとしては 常にその実現を目指して研さんを深めることが求められているといえます 他方 裁判員裁判では 判決の説明が簡潔になってきていますから この第 2 類型に該当する判決が増える危険性もないとは言い切れません 仮に 原判決が第 2 類型に当たると思われた場合には そのことを的確に控訴趣意で指摘して頂けると 当該事件の趣意書として適切なものとなるだけではく 今後の第 1 審判決がより良いものとなっていくのに寄与することになる点でも 良い影響が出るのではないかと考えています 第 3 類型は 第 1 類型と第 2 類型の複合型です 例えば 判決を読んだ段階では まあ こんな判断もあるかなあと思いながらも 今ひとつしっくりこない 記録を読んでもう一度考えてみよう といった内容の判決である場合が典型例といえます そして 記録を読むと しっくりこなかった点がしっくりきた場合には 原判決は説示に若干問題があっても その判断の結論には誤りがなかったということになりますから 裁判所側からすれば 結果オーライ的な位置付けができます 逆に 記録を読んだら やはり問題だったということも 勿論有り得るところです 判決を読むだけでその内容が理解できるようにするのが基本形ですし 今例示しましたのは 判決の説示に問題が残っている事案でした しかし 記録が大部であるなどして事案複雑な場合には 判決も長文となっていたり 説明も様々な事項が絡み合っていたりして 判決を一読しただけでは 説示の意義や判断の当否等が分からないといった場合もあります 記録と独立した形で判決を読んでいるだけでは判決自体の内容の把握が困難な事案です そういった事案でも 記録を読んだ後に再度原判決を読んでみると 原判決 95

18 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) の説示は的を射たものであったり 結果的に問題がなかったことが判明したりすることもあります 他方 原判決の説示に元々問題があったことが記録を読んで一層明らかになったり 原判決の説示の理解が一層困難となったりして 原判決の問題点が明らかとなることもありましょう そういった場合の対応も 第 1 類型と第 2 類型への対応を合わせて行えば良いことになりますから 一つだけ付言します 疑問に思ったり しっくりこなかったりした点は こまめにメモしておいたり 手控え用の判決に書き込んでおいたりすることが肝要です これは 備忘のためもありますが そういったことをすることで 記録を読む視点が提供されて 効率的に記録を読めるようになるからです 特に 大部な記録の場合には 記録を読み終えた段階では 最初に読んだ部分の詳細な内容を覚えていないこともあり得ますから 記録から的確な情報を得ておくことが 特に重要となってくるのです イ原審記録 1 第 1 分類の重要性記録の引き継ぎの重要性は既に述べましたので ここでは記録の読み方について説明します 原判決と対照しつつ記録を読むことは述べましたが それ以外では 手続部分が重要であることを認識して下さい 第 1 分類の手続部分にきちんと目を通す必要があります 例えば 裁判官が交代しているのに公判調書には更新手続がされた旨の記載がない などといったことを発見することができるからです ただ 公判調書の作成には様々な技術的な要素も加わっていますから 慣れないと記載内容の意義を的確に理解し その不備を発見するといったことは 容易にできることではありません 特に現在では実務修習期間が短くなっていますから 弁護人となる前の経験としての公判調書への馴染みも その分少なくなっていると思われますので なおさらでしょう だからといって あきらめていては事態は打開されません まずは 規則 44 条に公判調書の記載要件が定められていますから 適宜 参照しながら記録を読むようにされると 徐々に 公判調書に書かれたことが理解できて 不備な点にも気付くことができるようになるでしょう 地道な 96

19 努力が肝要です また 審判の枠組みとなる追起訴 訴因変更 釈明等は 丹念に確認する必要があります 追起訴については 数が少ないとその確認に手間も余りかかりませんが 詐欺事件 窃盗事件等で追起訴が多く また 各起訴状に書かれている公訴事実も多いと 全体として その確認にはかなりの手間と時間がかかることになります 裁判所を信用して手抜きをする といったことでは 貴重な控訴趣意を発見できなくなることもあり得ますから 少なくとも一回は丁寧に確認したいものです 裁判所の方でも 個々の認定事実の末尾に当該事実に対応する起訴状を特定して付記したりする配慮がされている事例も増えています こういった判決の場合には確認の手間がその分軽減されます 他方 そうではない判決の場合で 多数の起訴状のどの事実がこの認定事実なのかがなかなか分からない といったことが起こってきます 分かりやすい判決というのは 読みやすい判決でもある必要があります このことは 弁護人が作る書面の場合にも同様に当てはまります 自分が論じているのは 記録のどこに根拠があるのかを明らかにしておくと 読む側もその点検が容易ですが そうではないと 読む負担がそれだけ増えてしまいます 沢山の事実が認定されている場合には パソコンのコピー機能を活用して判決が書かれていることがあり得ます そのため 他の事件の認定事実ではあっても 当該事件では起訴されていない事実関係が誤って認定された形になっていたり 他の事件では構成要件要素となっていても 当該訴因では無用な事実が構成要件要素として認定されていたり 同じ誤字が何度も出てきたり などといった過誤が生じていることが絶無ではありません このように 訴因が多い事案でも丹念に起訴状と認定事実を対照していきますと そういった作業をしないときには気付かない事柄に気付き 当初は想定していなかった控訴趣意の手がかりが得られるといったこともあり得ます 訴因変更 釈明についても同様のことが当てはまります 起訴状と異なる点を中心に補足します 訴因変更については IT 化の影響で 部分的な訴 97

20 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) 因変更であっても 当該部分を特定してそこだけ訴因変更するといった方式は 口頭で訴因変更がされる場合を除くと 少数の事例になり 訴因変更の該当部分の長短にかかわらず 全文変更する方式が増えています 裁判所としても 変更された全部の事実が当該訴因変更請求書記載の事実として表示されているわけですから 便利な面はあります しかし どの点が訴因変更されたのかが手続的に明らかにされていないと その確認には注意深さを求められることが少なくありません こういった事案でも 実際は検察官が口頭で説明しているのでしょう その説明が調書化されていないことによって 今お話したような手間が生じていると私は考えていますが 記録の点検に当たっては おろそかにできない点です なお 口頭でされた訴因変更や釈明は 公判調書に記載されているだけで 独立した書面があるわけではありません そのため 調書の該当箇所の記載を見落としますと 変更前の訴因を前提として あるいは 釈明がされているのを無視した形で 控訴趣意が構成されていることになります 現にそういった事案もないわけではありませんから 手続調書を慎重に点検しておく必要性の高さを示唆する事態といえましょう 2 証拠等関係カードの活用例えば 原審弁護人から 一括して手持ち記録の引き継ぎを受けたとします その場合には その記録の中には 原審で証拠として取り調べられた証拠だけでなく 既にお話ししたようなそれ以外の証拠も含まれている可能性があります そのため 証拠等関係カードを参照しながら 引き継ぎを受けた手持ち記録を点検して 証拠調べがされた証拠と それ以外の証拠などに仕分けをする必要があります 私の経験でも こういった作業にもそれなりの手間がかかりますが その手間を惜しんではならないのです ところが 当該証拠全てが原審で取り調べられているとの前提で控訴趣意書が作成されている事例が絶無ではありませんから 上記点検を励行して下さい 仕分けといいますと 証拠等関係カードの 公訴事実の別 の欄もきちんと見ておく必要があります 当該証拠がどの事実との関係で取り調べられているのかを確認しておく必要があるからです 証拠の標目に掲げられている 98

21 証拠が実は別の起訴事実との関係で取り調べられたものだった などといったことに気付くこともあります こういったことは 追起訴事実についても立証する予定で取り調べられていた証拠について 追起訴があった後に 立証趣旨を拡張して 当該追起訴事実にも立証範囲を拡張することを怠ったために生じていることもあります また 控訴趣意書を作成するに当たっても 公訴事実の別を確認しておくことで 当該事実との関係では取り調べられていない証拠に基づいて主張を構成する誤りを回避することもできます 勿論 証拠の採否を巡って本格的に訴訟手続の法令違反の主張をしよう といった場合には 証拠等関係カードだけでなく へんてつされている 検察官や弁護人の主張書面等を併せて点検する必要も生じます この添付書類のへんてつは 技術的な要請もあるためでしょうが どの書面がどの証拠の関係のものなのか ときとして 分かりにくくなっていることがありますから 証拠等関係カードの関係記載を参照しつつ 注意深く点検する必要があります 3 証拠検討のポイント証拠の検討については 先ほども厚い記録に関して少しお話しましたが 裁判員裁判が始まって大きな変化が生じ 重大事件でも記録の薄いことが多くなり 記録の厚い事件は単独事件に見られる割合が高まっています そこで まず 記録の薄い重大事件についてお話します 記録を読む負担は大幅に軽減され 証拠検討のポイントが 厳選された証拠を基にして どのように原判決の事実認定の心証を検証するか に変わってきています 直接証拠による認定型の場合には 原判決が依拠している直接証拠で当該認定ができるかを検討することになりましょう それとの関連で 争いのない事実として説示されている事実が本当にそうなのか 争いのある事実が原判決のように認定できるのか 争いのない事実と認定された争いのある事実とを総合して 原判決のような事実認定ができるのか などといったことを検討していくことになりましょう 間接証拠による認定型の場合にも 間接事実そのものの認定については 99

22 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) 直接証拠による認定と変わりはありませんから 間接事実を基にした認定について付言します 間接事実積み上げ型といわれる認定の場合には 個々の間接事実がどの程度の確度で認められると原判決で判断されているかをまず確認し 当該証拠でそのように認定できるのかを検討する必要があります 次に そのような間接事実を総合して原判決のような認定が可能なのかを検討する必要があります また 事実上の推定が活用されている場合には 当該推定の前提事実の構成が適正か 当該推認に合理性があるか などといった観点から原判決の認定過程を当該証拠に基づきながら検証していくことになります こういった点を詳しく説明していきますと 事実認定プロパーの問題となってきますから 今回はこの程度と致します なお 私の経験でも 証拠が厳選されている分 捜査段階の供述に変遷がある証人について その変遷状況が殆ど立証されていない場合に 控訴審で どのような立証が可能なのか 引き続いての検討課題となっているように感じています 次に 厚い記録の場合にも 原判決の問題点を発見し また 原審記録に基づいた控訴趣意書を作成するためにも 証拠の検討は慎重に行う必要があります 被告人からの情報等で 控訴趣意の方向性が既にあるような場合には その主張に関係する証拠部分の丁数を控えるだけでなく 速記録の該当部分をパソコンに入力していく など様々な工夫を同時に行いつつ記録を読んでいくと 全体として効率的な記録読みができることになりましょう 他方 まず 記録を読んでから控訴趣意を検討していこうといった場合もありましょう そういった場合には 丹念に記録を 1 回読んで それから控訴趣意を考えよう といった方法は丁寧です 特に 事後審性の徹底との関係では 控訴審の主張の根拠となる証拠は 原審で取り調べられた ないし 請求を却下されたものに限られることになりますから 適切な控訴趣意を構成するためには 記録を十分に読み込んでおくことが求められることになります しかし 私は 記録を読む回数はできるだけ少ない方が良いと考えています それは手抜きの勧めではなく 効率的に記録を読んだ方が良いということです 厚い記録の中にある特定の証拠の記載を後から探し出そうとす 100

23 ると 少なからぬ時間と手間を要してしまい 他の作業の進行を妨げる結果になることがあります 効率的に記録を読むには 読むに当たっての羅針盤があった方が便利です つまり 証拠を読む前に 手続部分は判決も含めて読んでいるわけですから 漠然としたものであっても 控訴趣意のイメージができていることがあります それを羅針盤とするのです まだ そういったイメージができていない場合には 証拠を読む前に それまでの情報を基にしてイメージを作ってみるのです 例えば あの事実認定は争えそうだとか あの証拠決定は争えそうだとか といった漠然としたものでも十分です そういったイメージを羅針盤として 証拠を読んでいくのが良いと思っています 控訴趣意が決まっているわけではありませんから 記録を読むポイントは ぼんやりした部分を含んでいます それでも そのイメージしたポイントに沿って記録を読むと 関係する証拠に気付く確率が高まりますし 手控えも効率よく作成できて 後からの点検も効率的にできることが少なくありません 他方 このような手法に対しては 不当な 予断と偏見 をもって記録を読むことになり 適切とはいえない などといった批判を受けそうです しかし 私は 偏見 はともかく 予断 といいますか 事前の情報を基にして組み立てた予測 洞察 といったものは 決して否定的なものとして位置付けられるべきではなく より積極的なものとして位置付けられるべきものと考えています 物事を始めるに当たっては 自分なりの見通しを持って始める方が良いことであって 予断 に問題があるのではなく その後に継続的に行うべき 予断 に対する検証過程が適切に行われているか 否かを問題とすべきだと考えてます 話を戻します 先ほど述べましたイメージを持ちながら記録を読み進めますと 次第にそのイメージが膨らみ 同時に 関係証拠によって着実に裏付けられて 本格的な控訴趣意に発展していく といったことが生じ 良い成果が得られることもありましょう しかし そういった良い成果が得られなくても 格別差し支えはないのです 記録を読む重点は そのイメージの正当性を確認することだけではない 101

24 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) からです 最終目標は 本格的な控訴趣意 そこまでいかなくても その契機を得ることにあるからです そのため イメージは大事にしながらも 個々の証拠を読んで 必要を感じた都度 イメージの検証 修正 撤回 新たなイメージの案出等 このイメージの控訴趣意への進化に向けた様々な作業を行う必要があるのです 勿論 これらの作業をする過程で それまで軽視していた証拠を再評価する必要が生じたりして 既に読んだことになっている証拠を再度確認するこいととが必要となるときも出てきます それを厭ってはいけないのですが 私は こういったイメージを持たないで いわば白紙の状態で記録を読むより 全体として効率的になるように考えております 今述べました事柄の関係でも 心証と判決内容に齟齬がないことは 判決として良いものといえるだけでなく 控訴趣意書の作成にも好影響を及ぼすのです ウ 被告人 1 被告人は控訴趣意決定の情報源被告人は原判決に不満を持っているわけですから 控訴審における弁護方針を決めるに当たって重要な情報を持っているのが自然なことといえます 弁護人としては 被告人から的確にその持っている情報を得ることが肝要です そこで得られた情報が控訴趣意の基盤となることは 十分あり得るところです 特に 外国人の被告人 精神障害 特異な性向等のある被告人などでは その言い分が原審で的確に理解され 汲み上げられて 弁護人から主張され 裁判所の判断を経ているとは限らない場合があり得ますから そういったことがなかったかも含めて 的確な情報を得る必要があり そのための配慮と工夫を要する場合があり得ます その手段としては 時機をとらえた接見の実践の重要性は改めて指摘するまでもありませんが 手紙等の通信手段 控訴趣意書の案の差し入れ等を活用して 信頼関係を構築 発展させる工夫と配慮は これまでも様々に指摘されているところです 他方 被告人の不満の中には 原審での手続 原判決の判断等に関する誤解から生じたものもあり得ますから その場合には その誤解を解消するこ 102

25 とに心がけるべきでしょう そして 誤解の解消された被告人の不満が適切なものに純化されれば 適切な控訴審弁護を行うことも その分容易にできることになります また 弁護人は 法律専門家として控訴趣意書を作成するわけですが 被告人の意思に反する控訴趣意書は陳述できませんから この面からも 被告人の考え 意見を確認しておく必要もあるわけです そして 弁護人が作成した控訴趣意書の内容を被告人に確認させることも必要です このことは 被告人との意思疎通を確実にする意味でも重要なことです 2 被告人との応接被告人との応接についても 既に一部お話しましたが 原審記録等の情報があることで 第 1 審に比べて楽かといえば必ずしもそうはいえないように思います 控訴審の被告人は 一般的には 1 審で確定した被告人に比べて 被告人としての経験を重ねていて 刑事の手続を被告人なりに知っており 自分なりの考え 主張をする存在である割合が高いように思います そして その考え 主張が適切な控訴趣意に構成できるものであれば問題はないのですが そうとばかりはいえない というより 控訴趣意としては およそ不適法な内容だったり 裁判所からその主張が認められる余地のないものであったり 詳細ではあっても結局何を言いたいのか判然としないものであったり など 控訴趣意として構成するのに問題のある場合が一定割合で含まれているといえます 例えば 被告人が長文の しかもその趣旨が判然としない控訴趣意書を作成していて その書面を控訴趣意書として陳述する といった場合には 裁判所から 控訴の趣意について釈明を受けることになりましょうから 被告人と打ち合わせて 言い分を確認しておく必要がありますが そういった類型の控訴趣意書を作成する被告人の言わんとするところを的確に理解するには 困難を伴うことも少なくないものと推測しています また そういった被告人の場合には 論理的な説明をするだけでは簡単に納得してもらえず ちょっとしたきっかけから 信頼関係を大きく損なうこともないとはいえません 逆に 被告人が頻繁な接見を求めてくるなど 応 103

26 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) 接に多大な困難を伴う場合もあり得ます 各事案に応じて 各弁護人なりの工夫と配慮で 困難な事態が乗り越えられているように受け止めておりますが 本当に応接困難に陥った事案では 辞任も一つの選択です しかし それは 次の弁護人に負担を先送りするだけに過ぎないときが十分あり得ます そういった場合には 弁護人が陥っている状況を裁判所に率直に説明して国選弁護人の複数選任を求めることが 事態の打開に繋がることもあり得ます 私の経験でも 国選弁護人を 2 人とする複数選任によって事件が進行できたことがありました 他方 弁護人の中には 折衝が上手でなく 相手の言うことをよく聞かない人も見受けられます こういった点は 研修をしたらすぐ改善されるといったものではありませんから 当該弁護人に対し 改善に向けて 日頃の様々な形での周囲からの働きかけが肝要でしょう 5) 控訴審におけるその他の事項ア控訴審における未決算入 ( 手引き 16 頁 ) 保釈について被告人側のみの控訴事件の場合には 破棄されたときだけ未決が法定通算されますが ( 法 495 条 2 項 2 号 ) 検察官控訴事件の場合には 検察官が上訴した以降の未決が法定通算されます ( 同項 1 号 ) 法定通算の場合には主文で未決に関する言い渡しをすることはありませんから 未決算入の有無 程度を気にかけている被告人には その旨説明しておくのが相当です また 身柄関係の書類の点検も重要です 身柄関係について違法な点を発見して控訴趣意として主張するためだけでなく 控訴審で保釈請求をすることもありましょうから 身柄の経緯もきちんと把握しておく必要があります そして 被告人が 第 1 審で保釈されていたり 別件で服役していたりした場合には 算入できる未決が皆無だったり ごく限られた日数だったりすることもありますから 原判決の未決算入に誤りがないかを点検しておく必要もあります 保釈に関しては 高裁の部によって対応が違うような話も聞きますが 弁護人が持っている情報で裁判所にも伝えておいた方が良い情報は 適宜伝えた方が良いように思います 書面では説明し切れていない事項等があれば 104

27 面談を求めて裁判所に直接説明した方が良いと考えています ただ 密室状態での話になりますから 裏交渉のような不明朗な内容を伴わないようにする必要はあるように考えております イ控訴の取下げ ( 法 359 条 ) による訴訟の終了 ( 手引き 19 頁 ) 1 審と異なり 被告人が控訴を取り下げると ( 法 359 条 ) 訴訟が終了してしまい 再上訴も禁止されている ( 法 361 条 ) し 取下げの撤回も認められませんから 控訴の取下げは影響が大きい訴訟行為です そのため 特に重大事件では被告人の慎重な対処が望まれますが 独特の心理状態に陥ったりするためか 慎重な対処をせずに控訴を取り下げてしまい その後思い直してその取下げの効果を争う といった事件がないわけでもありません 弁護人としては 被告人が控訴取下げの意向を示したら その真意を十分に見極め 慎重な対処が必要なことを助言することが望まれます また 未決算入の関係でも 控訴を取り下げると 未決を算入することはできませんから 判決で控訴棄却を受ける場合より不利になることがあり得ます そういった点についても 情報提供すべきでしょう 6) 裁判員裁判事件の控訴審手続 ( 手引き 36 頁 ) ア受任に当たっての留意事項裁判員裁判事件は証拠調べが厳選されているので 裁判所の記録は通常の事件より薄い場合が少なくない そのため その記録だけを前提として 裁判員裁判は扱いやすいなどといった誤解をもって受任する弁護人も見られなくはない しかし 既に述べたように 裁判員裁判では 原審で開示されていても裁判所の記録とはなっていない未提出記録が圧倒的に多いから ( 手引き 36 頁 * 13) そういった未提出記録も含めた全記録を前提とすれば 通常の事件より難易度は高い ( 手引き 37 頁 ) のが むしろ通例ではないでしょうか 私の経験でも 原審での未提出記録が圧倒的に多く この未提出記録の検討に多大な時間と労力を要したことがあります イ控訴趣意書作成に当たっての留意事項事後審性の徹底がまさに該当する事件なので 控訴審としては 事実認定 量刑共に原審尊重の視点が強いことになります そのため 弁護人としては 105

28 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) 論理則 経験則違反の有無の視点からの検討 ( 手引き 41 頁 ) が肝要です ウ新証拠の請求 ( 手引き 43 頁 ) 裁判員裁判は公判前整理手続を経ていますから 法 316 条の 32 により 事後的な証拠請求が制限されています そのため 控訴審における弁護人の主張や立証が この事後審性の徹底といった視点に耐え得るものとなっているのか といった検証を着実に行い 適切に対処しておく必要性が高まっています 7) 検察官控訴事件の弁護規則 243 条 1 項は 弁護人に対して答弁書の提出を義務付けていませんが 弁護人としては 答弁書を提出するのは義務だと考えておくべきです 先ほど述べましたように 検察官控訴事件の破棄率が高まりますと 被告人側の言い分を適切に主張して破棄を回避する役割を果たすものとして 答弁書の重要性は高まります また 勿論 検察官の立証方針に応じて 被告人側の反証を検討 準備することも重要なことですが 同時に 検察官の立証がやむを得ない事由を備えたものなのかを厳正に点検し 必要な反駁を行っていくことも肝要です 特に 裁判員裁判の第 1 審では 既にお話しましたように公判前整理手続終了後は立証制限がありますからなおさらです 8) 双方控訴事件の弁護双方控訴事件の弁護は 被告人控訴事件 検察官控訴事件における弁護の競合型となります 記録は同じですから 2 倍とまではいかないでしょうが 手間がかかります 被告人側の控訴趣意書の内容と 検察官控訴事件における被告人側の答弁書の内容とが齟齬しないように点検する必要もあります 同じ論点であればそういった齟齬が生じるおそれは少ないかもしれませんが 少し視点の変わった論点の場合には 一歩引いて考えてみないと 実質的に齟齬している主張をしていることを看過しているときがあり得ますから 適切な点検が肝要です 106

29 3 上告審弁護について 1) 上告趣意等上告理由の制限 ( 法 405 条 手引き 45 頁 見本は手引き 64 頁 )= 憲法違反 ( 手引き 47 頁 いわゆる B 規約違反との関係は 48 頁 * 17) と判例違反 ( 手引き 48 頁 ) 職権破棄 ( 法 411 条 手引き 48 頁 ) 上告受理の申立て( 法 406 条 規則 257 条 手引き 50 頁 具体例の紹介あり ) 等控訴審と異なる点を中心にお話しします 上告審では 上告理由が憲法違反と判例違反とに限定されていますから ( 法 405 条 ) この事由を根拠とした主張を展開すべき事案では そのような主張がされるのは当然のことです 他方 当該事件に即して考えると 憲法違反も 判例違反も見当たらない といった場合に 無理に憲法違反や判例違反の主張をしてみても 説得力が高まることには通常ならないと思います そして 例えば 当該事案で 被告人が不満としていて 真に争いたい点が事実誤認であったとしますと 肝心の 事実誤認の主張の説得力を削ぐことにもなりかねません そのため こういった事案では 法 411 条の職権破棄を念頭に置いて 同条に即した主張をするのが良いと考えています また 法令の解釈に関する重要な事項があると考えられる場合には 法 406 条 規則 257 条の上告受理の申立ても可能です 個人的には 以前は 被告人側による上告受理の申立ては経験しませんでしたが 近時は時々みられるようになっていましたから 活用できる事案では選択肢の一つとなることもありましょう ちなみに 平成 23 年では 上告受理申立 不受理件数ともに 39 件で 跳躍上告はなかったということです 2) 上告審の構造被告人に対する召還義務なし ( 法 409 条 手引き 45 頁 ) 遠隔地所在の被告人 ( 手引き 44 頁の 4 46 頁 ) 公判顕出 方式( 手引き 49 頁 ) 上告審では 被告人に対する召還義務がなく 法廷にも被告人席はありません そのため 原審が東京高裁以外であっても 身柄の移動はありませんから 遠隔地所在の被告人を対象として弁護しなければならない事態が生じ 接見に替わる手紙等の手段で意思疎通を図っていく必要性が高まりることを 107

30 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) あらかじめ認識しておく必要があります ( 手引き 44 頁の 4 46 頁 ) また 上告審での事実取調べは 通常の証拠調べ方式ではない 公判顕出 の方式であり ( 手引き 49 頁 証人尋問 被告人質問 書証の取調べといった控訴審までの証拠調べ方法は行われていないということ ) そのため 事実取調べの結果の利用も 破棄自判無罪までの限度で許される扱い ( 手引き 49 頁 破棄自判有罪には用いられない ) となっていることにも留意する必要があります 4 異議 判決訂正の申立 ( 法 415 条 2 項 手引き 52 頁 異議申立書の見本は手引き 71 頁 ) 上告審は最終審ですから 最高裁の判断が示されると それ以上不服申立をする余地はなく 直ちに確定するのが原則形です しかし 判決 決定の各裁判形式に応じて 確定を延ばす手段がないわけではないので 執行猶予の取消しを免れたいと望む被告人等に対しては 手引きの記載を参考にして必要な助言をする必要があります 5 おわりに私の本日のお話しも手助けとなって みなさんがこれから一層充実した上訴審弁護を実践なさることを期待致しております ご清聴有り難うございました 以上 108

31 109

32 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) ( レジメ ) 上訴審弁護について 平成 25 年 10 月 26 日植村 第一東京弁護士会刑事弁護委員会編 国選弁護活動の手引き上訴審編 ( 以下 手引き という ) の紹介を兼ねて 1 はじめに 1) 上訴審弁護の充実の必要性 2) スキルアップの必要性と手引き作成の経緯等アスキルアップの必要性イ手引き作成の経緯ウ手引き活用の勧め ( 上訴審弁護について不安になったら 手引きの 上訴審弁護の 10 箇条 を読もう 手続の流れを確認しよう 手引き 1 頁 4 4 頁 ) 2 控訴審弁護 1) 事後審の弁護だとの意識を持とう ( 手引き 6 頁 ) ア意識改革の必要性 1 基本は 原審での主張 立証を前提として 被告人の意向を踏まえて 原審の審理 判決を争うこと 中心的視点として 原審 原判決にある論理則違反 経験則違反に着目すること ( 事実誤認の意義とその判示方法を説示した最決平成 24 年 2 月 13 日刑集 66 巻 4 号 482 頁 手引き 40 頁等参照 ) 2 当事者追行主義への対処イ 1 審との訴訟構造の違いを理解しておく 訴訟のプロの活躍段階の手続 被告人は 出頭義務を負わず ( 法 390 条 ) 弁論能力がなく( 法 388 条 ) 最終意見陳述もできない ( 手引き 11 頁 ) 控訴審弁護人としての最大の課題は 控訴趣意書等を作ることにある * 第一東京弁護士会刑事弁護委員会編 国選弁護活動の手引きき という ) の紹介を兼ねて 上訴審編 ( 以下 手引 110

33 ウ控訴審の実情を理解しておく 被告人側の控訴事件の破棄率が 10% を切っていること ( 手引き 17 ~ 18 頁 ) 1 回結審が原則で ( 手引き 12 頁 ) 審理予定時間も通常 30 分であること等 2) 事前の作業ア記録の早期把握 1 審弁護人からの記録の引き継ぎの実行 ( 手引き4 頁 ) 控訴審における証拠開示 ( 手引き 12 頁 40 頁 ) も? イ事実取調べ請求 1 法 382 条の 2 による やむを得ない事由 の疎明の厳格な実行 2 被告人質問もその請求が必要なこと 3 請求証拠の番号は 控訴審での新たな番号であって 1 審からの連続番号ではないこと 4 30 分の審理枠の 1 回結審を前提として 人証の範囲や所要時間を絞り込むこと 5 事実取調べが行われないと 弁論をする機会もないこと ( 法 393 条 4 項 手引き 11 頁 ) 等に留意 3) 控訴趣意書ア控訴趣意書の作成 ( 手引き 21 頁 見本は手引き 57 頁 ) 控訴趣意書の作成には 被告人との意思疎通 ( 手引き 15 頁 記録の差し入れ 手引き 20 頁 * 8 弁護人の適正管理 罰則等 法 281 条の 3 ~ 281 条の 5) が重要で 被告人の 1 審の審理や判決に対する不満を的確に把握し ( 手引き 15 頁 ) その内容を控訴趣意書へ反映させることが肝要である 提出期限厳守 ( 提出期限徒過と決定による控訴棄却 法 386 条 1 項 1 号 ) 控訴趣意補充書の活用 ( 手引き 22 頁 ) 裁判所による職権判断を求める余地 ( 手引き 23 頁 * 9) イ被告人作成の控訴趣意書の取扱 ( 手引き 23 頁 ) ウ控訴趣意書作成の着眼点 ( 手引き 25 頁 ) と主張の仕方控訴趣意の中心は 事実誤認 ( 法 382 条 ) 量刑不当( 法 381 条 手引き 27 頁 ) 訴訟手続の法令違反( 法 379 条 ) 法令解釈適用の誤り( 法 380 条 手引き 29 頁 ) 理由不備 理由齟齬 ( 手引き 28 頁 ) の主張内容は 絶対的控訴理由 ( 法 378 条 4 号 ) に相応するものであるべき ( 手引き 25 頁 ) 111

34 学習院法務研究第 8 号 (2014 年 ) 主張の仕方は 1 総花的でなくポイントに即して主張 2 法 397 条 1 項 2 項の違いを意識し ( 手引き 25 頁 ) 主張の根拠を明示 新たな証拠に基づく主張 ( 手引き 29 頁 ) エ量刑不当 ( 法 381 条 手引き 27 頁 ) 1 破棄を求める類型を意識して主張を整理 2 2 項破棄を求める控訴趣意 ( 手引き 33 頁 ) オ事実誤認 ( 法 382 条 ) カ訴訟手続の法令違反 ( 法 379 条 ) キ法令適用の誤り ( 法 380 条 手引き 29 頁 ) 4) 控訴審弁護の三種の神器ア原判決 ( 原判決の問題発見の 3 類型 ) イ原審記録 1 第 1 分類の重要性 2 証拠等関係カードの活用 3 証拠検討のポイントウ被告人 1 被告人は控訴趣意決定の情報源 2 被告人との応接 5) 控訴審におけるその他の事項ア控訴審における未決算入 ( 手引き 16 頁 ) 保釈についてイ控訴の取下げ ( 法 359 条 ) による訴訟の終了 ( 手引き 19 頁 ) 6) 裁判員裁判事件の控訴審手続 ( 手引き 36 頁 ) ア受任に当たっての留意事項 1 通常の事件より難易度は高く ( 手引き 37 頁 ) 2 原審での未提出記録が圧倒的に多いこと ( 手引き 36 頁 * 13) イ控訴趣意書作成に当たっての留意事項控訴審が事実認定 量刑共に原審尊重の視点が強いから 論理則 経験則違反の有無の視点からの検討が肝要 ( 手引き 41 頁 ) ウ新証拠の請求 ( 手引き 43 頁 ) 7) 検察官控訴事件の弁護答弁書 ( 規則 243 条 1 項 ) を必ず提出すること 8) 双方控訴事件の弁護 112

35 3 上告審弁護について 1) 上告趣意等上告理由の制限 ( 法 405 条 手引き 45 頁 見本は手引き 64 頁 )= 憲法違反 ( 手引き 47 頁 いわゆる B 規約違反との関係は 48 頁 * 17) と判例違反 ( 手引き 48 頁 ) 職権破棄( 法 411 条 手引き 48 頁 ) 上告受理の申立て( 法 406 条 規則 257 条 手引き 50 頁 具体例の紹介あり ) 等 2) 上告審の構造被告人に対する召還義務なし ( 法 409 条 手引き 45 頁 ) 遠隔地所在の被告人 ( 手引き 44 頁の 4 46 頁 ) 公判顕出 方式( 手引き 49 頁 ) 4 異議 判決訂正の申立 ( 法 415 条 2 項 手引き 52 頁 異議申立書の 見本は手引き 71 頁 ) 5 おわりに 以上 113

上訴審における刑事弁護について c 控訴趣意補充書との関係 ⑵ 量刑不当 ( 法 381 条 ) a 破棄を求める類型を意識して主張を整理することが肝要 b 2 項破棄を求める控訴趣意 c 刑の一部執行猶予 ( 刑法 27 条の 2) との関係 d 原審と主張が変わる場合 ⑶ 事実誤認 ( 法 38

上訴審における刑事弁護について c 控訴趣意補充書との関係 ⑵ 量刑不当 ( 法 381 条 ) a 破棄を求める類型を意識して主張を整理することが肝要 b 2 項破棄を求める控訴趣意 c 刑の一部執行猶予 ( 刑法 27 条の 2) との関係 d 原審と主張が変わる場合 ⑶ 事実誤認 ( 法 38 論説 上訴審における刑事弁護について 弁護士 前東京大学法科大学院非常勤講師 植村立郎 Ⅰ. はじめに Ⅱ. 控訴審の現状 1 事実取調べ率 被告人側控訴事件の破棄率の低下等 ⑴ 事実取調べ率の低下 ⑵ 被告人側控訴事件の破棄率の低下 ⑶ 検察官控訴事件の破棄率の高さ ⑷ 補足 2 上訴審弁護における弁護過誤事例の紹介等 3 上訴審での国選弁護を適正に行うにこころざしは, 高い志の保持と上訴審弁護のスキルアップが必要なこと

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