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1 報道機関各位 2017 年 3 月 30 日 東北大学大学院医学系研究科 難聴に対する遺伝子治療の可能性 成体の内有毛細胞に高率かつ低侵襲に遺伝子を導入する方法の確立 研究概要 成人になってから発症する感音難聴には現在でも有効な治療法がないため 新しい治療法の研究開発が求められています 難聴に対する治療法の有力な候補の一つが 内耳の細胞に対するウイルスを用いた遺伝子導入法です 東北大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉 頭頸部外科学分野鈴木淳 ( すずきじゅん ) 非常勤講師 橋本研 ( はしもとけん ) 大学院生 マサチューセッツ眼科耳鼻科病院 (Massachusetts Eye & Ear Infirmary)M. Charles Liberman 教授 Luk H. Vandenberghe 助教らのグループは 新規に開発したウイルスによる遺伝子導入法と低侵襲な手術を組み合わせることで 聴力を悪化させずに成体マウスの内有毛細胞に高率に遺伝子を導入する方法を確立しました 今回確立した方法により 騒音性難聴や加齢性難聴といった成人発症の感音難聴に対する遺伝子治療の効果を 様々な疾患モデルマウスを利用して評価できる可能性があります アデノ随伴ウイルスは既にヒトに対して臨床応用されていることから 本研究がこれまで効果的な治療法がなかった感音難聴に対する遺伝子治療の開発に寄与することが期待されます この研究結果は 2017 年 4 月 3 日午前 10 時 ( 日本時間 3 日午後 6 時 ) に英国の科学誌 Scientific Reports 電子版に掲載されます 本研究は アメリカ国立衛生研究所からの研究費 Decibel Therapeutics からの寄付金 Tom and Helene Lauer からの寄付金の支援を受けて行われました 研究のポイント 成体マウスの内有毛細胞に高率に遺伝子を導入する方法を確立した ウイルス投与により 有毛細胞数やシナプス数の減少 聴力の悪化をきたさなかった 感音難聴に対する遺伝子治療の可能性を広げる成果

2 研究内容 成人になってから発症する感音難聴注 1 ( 騒音性難聴 加齢性難聴 突発性難聴など ) には現在でも有効な治療法がないため 新しい治療法の研究開発が求められています 内耳注 2 の蝸牛に存在する内有毛細胞は 音の機械的刺激を受け取り 電気信号に変換して脳に伝える重要な役割を担います 内有毛細胞の障害は様々な感音難聴の原因となるため ウイルスを用いた遺伝子治療の有望なターゲット細胞とされています しかしながら 基礎研究に用いられるマウスの内耳は極めて小さく 更に硬い骨に囲まれていることから 成体マウスの内耳を傷つけずにウイルスを投与することは困難でした 蝸牛をターゲットとした遺伝子治療のウイルスベクター注 3 として アデノ随伴ウイルス (AAV) 注 4 が広く用いられてきました しかし このウイルスにはいくつもの型があり 遺伝子を導入できる細胞の種類 効率が異なります 今までに多くのウイルス型が研究に利用されてきましたが 蝸牛の構成細胞 特に内有毛細胞に高率に遺伝子を導入することは困難でした そこで今回 特殊なウイルス型 ( 現存するアデノ随伴ウイルスの祖先が持っていたカプシド注 5 を持つウイルス ) を新規に作成し 蝸牛障害を起こしにくい後半規管を経由したウイルス投与法と組み合わせることで 低侵襲かつ効率的な遺伝子導入法の確立を行いました まず 蛍光タンパク質を発現するように遺伝子改変したウイルス (AAV -EGFP) を後半規管から投与することによって 聴力障害 ( 聴性脳幹反応注 6 :ABR の閾値上昇 ) や蝸牛有毛細胞数の減少をきたさないことを確認しました 続いて 音響曝露で最も障害を受けやすいとされる蝸牛の内有毛細胞シナプスの数と シナプス数の変化を反映するとされる ABR の第 1 波の振幅にも変化がないことを確認しました 最後に すべての内有毛細胞で蛍光タンパク質が発現することを確認しました これはすなわち 聴力の悪化をきたすことなく すべての内有毛細胞に遺伝子導入が可能であることを示しています 本研究で確立した遺伝子導入法と様々な難聴の疾患モデルマウス注 7 を利用することで 今まで困難であった成人発症の感音難聴に対する遺伝子治療の評価が可能になると考えられます

3 図 1: 内耳の構造とウイルス投与経路の模式図 蝸牛に対する遺伝子導入効率と侵襲性は 1 正円窓経由 : 遺伝子導入効率 : 中 侵襲性 : 中 2 蝸牛経由 : 遺伝子導入効率 : 高 侵襲性 : 高 3 半規管投与 : 遺伝子導入効率 : 低 侵襲性 : 低とされ これまで 3 の方法は使用されてこなかった 図 2: AAV -EGFP を後半規管から投与した後の聴力検査結果 聴性脳幹反応 (ABR) の閾値はウイルス投与により有意な変化がなかった

4 図 3: AAV -EGFP を後半規管から投与した後の蝸牛組織像 ウイルスは蛍光タンパク質を発現するように改変している ウイルス投与後 2 週間で全ての内有毛細胞と多くの外有毛細胞に蛍光タンパク質の発現を確認できた 図 4: 今後の展望

5 用語説明 注 1. 感音難聴 : 難聴の中で 蝸牛から大脳に至るまでの経路に問題が生じて発症するもの 蝸牛の障害が原因で生じることが多いとされる 注 2. 内耳 : 耳の最も奥に存在する 音や平衡感覚を感知する器官 蝸牛 前庭 半規管の三つの部分から構成される 注 3. ウイルスベクター : ウイルスの病原性に関する遺伝子を除去し 導入したい外来の遺伝子を組み込んだもの 遺伝子を目的の細胞に運ぶ 運び屋 になる 注 4. アデノ随伴ウイルス (AAV): 分裂細胞と静止状態の細胞の何れにも感染できる能力を有する ヒトでの病原性が報告されておらず 免疫応答も非常に弱いため 遺伝子治療のウイルスベクターとして広く使用されている 注 5. カプシド (capsid): ウイルスゲノムを取り囲むタンパク質の外殻のこと 注 6. 聴性脳幹反応 (ABR): 音刺激で得られる脳幹部での電位を記録したもの ABR を測定することにより マウスにおいても聴力の評価が可能である 注 7. 疾患モデルマウス : 遺伝子改変 投薬 物理的刺激などを加えることによって ヒトの疾患と同様の症状を起こすようにしたマウス 論文題目 Title: Cochlear gene therapy with ancestral AAV in adult mice: complete transduction of inner hair cells without cochlear dysfunction Authors: Jun Suzuki, Ken Hashimoto, Ru Xiao, Luk H. Vandenberghe and M. Charles Liberman 日本語タイトル : 祖先アデノ随伴ウイルスを用いた成体マウスに対する蝸牛遺伝子治療 : 蝸牛障害をきたさずにすべての内有毛細胞に遺伝子導入を行う方法著者名 : 鈴木淳 橋本研 Xiao R Vandenberghe LH Liberman MC 掲載誌 :Scientific Reports お問い合わせ先 ( 研究に関すること ) 東北大学大学院医学系研究科非常勤講師鈴木淳 ( すずきじゅん ) 電話番号 : E メール :j_suzuki1212@orl.med.tohoku.ac.jp ( 報道に関すること ) 東北大学大学院医学系研究科 医学部広報室講師稲田仁 ( いなだひとし ) 電話番号 : FAX 番号 : E メール :pr-office@med.tohoku.ac.jp

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