InstallShield 実践トレーニング ~ InstallShield 2016 ~ Samp

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1 ~ InstallShield 2016 ~

2 目次 第 1 章ターゲットシステムの環境に適したインストーラーを作成する Windows Installer での条件設定 Windows Installer のプロパティ 条件の形式 インストール要件とシステム検索 インストール要件 システム検索 多言語対応のインストーラー 多言語インストーラー 多言語インストーラーの作成 ローカライズ bit オペレーティングシステムをターゲットにする bit アプリケーションと 64bit アプリケーション bit アプリケーションのインストール 第 2 章 インストール中に実行するカスタマイズ処理を実装する カスタムアクション インストールシーケンスとアクション 様々なカスタムアクション テキストベースのファイルの編集 テキストファイルの変更 第 3 章 ユーザーインターフェイスをカスタマイズする ダイアログの編集 ダイアログのコントロールイベント コントロール条件 レイアウトの変更 コントロールの追加 ダイアログボックスの作成 第 4 章 1 つのインストーラーで複数のパッケージやランタイムを配布する 再配布可能ファイルの配布 / 複数製品のインストール InstallShield で提供されている機能 マージモジュール マージモジュール InstallShield 前提条件 InstallShield 前提条件 独自の前提条件の作成 スイートインストーラー スイートインストーラー スイートプロジェクトの作成 第 5 章 アップデートとトラブルシューティング アップグレードの基本 アップグレードの種類 アップデートのトラブルシューティング アップデート時のトラブル ログファイルの取得と確認

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4 第 1 章 ターゲットシステムの環境に適した インストーラーを作成する 3

5 1.1 Windows Installer での条件設定 Windows Installer のプロパティ InstallShield では ターゲットシステムのインストール要件やコンポーネントのインストール要件などインストーラーに様々な条件を指定できます これらの条件は Windows Installer のプロパティを使用して判定することができます Windows Installer は インストーラーの実行時に OS の情報やインストールに関する情報をプロパティに格納します 例 ) オペレーティングシステムのプロパティ VersionNT WindowsNT 系のオペレーティングシステムのバージョン ServicePackLevel Windows サービスパックのバージョン SystemLanguageID システムのデフォルト言語 ( ロケール ) MsiNTProductType ユーザーのプロパティ Privileged UserLanguageID LogonUser 必須のプロパティ ProductCode ProductLanguage ProductVersion ProductName Windows の製品タイプ 昇格した権限で動作しているかどうか ユーザーのデフォルト言語 ログオンしているユーザー名 製品コード製品の言語製品のバージョン製品名 参考 Property Reference 4

6 1.1.2 条件の形式 ほとんどの条件は MSI のプロパティ値と固定値を比較します 条件は [ プロパティ オペレータ 値 ] の形式で表されます 条件を組み立てる時にオペレータに比較演算子や論理演算子 を使うことができます 比較演算子 論理演算子 大文字と小文字を区別しない = 等しい not 右側の条件を満たさない <> 等しくない and 左側と右側の条件を同時に満たす > より大きい or 左側と右側の条件のうち少なくとも 1 >= 等しいか より大きい つを満たす < より小さい xor 左側と右側の条件のうちどちらか 1 つ <= 等しいか より小さい だけを満たす 例えば プロパティ VersionNT プロパティは ( メジャー OS バージョン * 100)+ マイナー OS バージョン の値が 定義されます 条件 [VersionNT=603] はターゲットシステムが Windows 8.1 Windows 10 Windows Server 2012 R2 も しくは Windows Server 2016 である場合に 真になります また 条件でプロパティ名だけを指定した場合 ( オペレータまたは値なしで ) 条件は単純にプロパティの存在有無を判断します 例えば 条件 [VersionNT] はプロパティ VersionNT が値を持っている場合に真になります ( インストールは Windows NT ベースのシステム上で実行されます ) 1 つの条件内で論理式を組み合わせるため 論理演算子を使用できます VersionNT=603 And MsiNTProductType=1 は ターゲットシステムが Windows 8.1 Windows 10 の時 真になります プロパティはあらかじめ用意されているものだけでなく 自分で作成したプロパティ (MYPROPERTY など ) も使用できま す 5

7 1.2 インストール要件とシステム検索 インストール要件 InstallShield のプロジェクトアシスタントには [ インストール要件 ] のページがあります 特定のターゲットマシンでのみインストールが実行されるように ひとつもしくは複数の OS を指定することができます ここで 設定したインストール条件は IDE の [ 一般情報 ] ビューで [ インストール条件 ] に設定されます 条件が満たされ なかったときに表示されるメッセージは [ インストール条件 ] で変更もできます インストール条件は MSI データベースの LaunchConditions テーブルに格納されます システム検索 InstallShield では ターゲットシステムの環境を確認するシステム検索という機能があります システム検索を使用すると 実行時にターゲットシステム上のファイルを検索し 見つけた場合にはファイルのフルパスをプロパティに格納できます また レジストリ XML ファイル Windows フォルダーの INI ファイルからのデータの読み出しもできます 図は ターゲットシステム上の Program Files フォルダーにある isdev.exe という実行ファイルを検索する設定例です 6

8 TIPS プロジェクトアシスタントの [ インストール要件 ] ページでは あらかじめいくつかのシステム検索設定を用 意してあり チェックをつけるだけでこの機能を利用できます 実践 NOTE [ システム検索 ] ビューでの設定は AppSearch テーブルに書き込まれます 実行時には AppSearch アクショ ンが検索に関係するテーブルを読み込み 指定したファイルやレジストリや INI ファイルの情報を指定したパ ブリックプロパティに格納します このプロパティはレジストリ値を書き込むのに使用したり コンポーネント やアクションの条件として使用したりできます システム検索を利用して以下のレジストリの Version 値が 2.0 以上の場合 インストールを続行します Version 値が 2.0 未満の場合には メッセージを表示してインストールを中断します HKEY_LOCAL_MACHINE Software Networld AppSearch 値 :Version 1) [ 動作とロジック ]-[ システム検索 ] ビューにて 右クリックから [ 追加 ] を選択し システム検索ウィザードを 起動します 2) [ ようこそパネル ] を次へ進めると [ 検索する対象を指定してください ] パネルが表示されるので レジストリエ ントリ を選択し [ 次へ ] ボタンをクリックします このパネルでファイルやフォルダーを検索するか レジストリ値を読み出すかなど指定できます 7

9 3) [ 検索方法を指定してください ] パネルが表示されるので 検索する [ レジストリルート ][ レジストリキー ] を指 定し [ 次へ ] ボタンをクリックします レジストリルート HKEY_LOCAL_MACHINE レジストリキー Software Networld AppSearch レジストリ値 Version レジストリの 64 ビットの部分を検索 オン 4) [ この値の処理方法を指定ください ] パネルでは 値を保存するプロパティの名前とインストール条件でこのプロパティを使用するかを選択します値を保存するプロパティ FINDVER 追加オプション プロパティに値を保存し インストール条件でこのプロパティを使用 検索が成功すると FINDVER プロパティには TRUE が設定されます 8

10 中略

11 第 2 章 インストール中に実行する カスタマイズ処理を実装する 23

12 2.1 カスタムアクション インストールシーケンスとアクション シーケンスとアクション Windows Installer は あらかじめ定義されている標準アクションとユーザーが独自に定義したカスタムアクションでインストールロジックを制御しています 標準アクションは Windows プログラミングの Windows API のようなものです 標準アクションについては Windows Installer は動作を知っているので 標準アクションの名前をシーケンス内に指定するだけで済みます また カスタムアクションは Windows Installer がネイティブでサポートしていない処理を行うときに使用します カスタムアクションを作成すると Windows Installer はそのカスタムアクションをインストール中に実行します Windows Installer のカスタムアクションはプログラムのユーザー定義関数のようなものです そして これらのアクションを呼び出す順番を定義したメインプログラムのようなものをインストールシーケンスと呼びます インストールシーケンスは 以下の 2 つのシーケンスにより構成されます ユーザーインターフェイスシーケンスターゲットシステムやユーザーからの情報取得 ダイアログボックスを表示するアクションを含む ユーザーのコンピューターへは一切変更を加えない 実行シーケンスターゲットシステムに変更を加える ユーザーインターフェイスは表示しない NOTE サイレントインストールを実行したときには Windows Installer はユーザーインターフェイスシーケンスをスキップします ダイアログアクションでは Windows Installer はダイアログを表示します 実行シーケンスではダイアログアクションを使えません 24

13 インストールシーケンス InstallShield では [ カスタムアクションとシーケンス ] ビューでインストールシーケンスを確認できます インストールシーケンスの [ ユーザーインターフェイスシーケンス ] と [ 実行シーケンス ] は順番に並べたアクションの連続で構成されます プロパティ シーケンス番号 条件 コメント 内容 シーケンスでアクションが実行されるタイミングを決定 シーケンス番号の小さい 順にアクションを実行 アクションの条件を指定 インストール時に条件が成立したアクションのみ実行 InstallShield のプロジェクトに保存されるだけで インストール時には使用されな い また シーケンスの最初の 3 つのアクションはマイナスのシーケンス番号です マイナスのシーケンス番号は Windows Installer では特別な意味を持っていて 通常のシーケンスでは実行されずインストールの終了時にインストールの戻り値に 依存して実行されます アクション名 シーケンス 番号 インストールの戻り値と実行されるアクション SetupCompleteSuccess -1 戻り値が 1 のとき このアクションを実行 インストールが成功したときに 戻り値 1 を返す SetupInterrupted -2 戻り値が 2 のとき このアクションを実行インストールが中断されたときに 戻り値 2 を返す SetupCompleteError -3 戻り値が 3 のとき このアクションを実行インストール中にエラーが発生し インストールが終了したときに 戻り値 3 を返す - -4 戻り値が 4 を戻すこともあり そのときシーケンス番号 -4 のアクション ( この例には存在しない ) を実行インストールが一時停止したときに 戻り値 4 を返す 25

14 中略

15 第 3 章 ユーザーインターフェイスを カスタマイズする 39

16 3.1 ダイアログの編集 InstallShield では標準で多くのダイアログボックスが用意されており [ ユーザーインターフェイス ]-[ ダイアログ ] ビュ ーで編集を行うことができます [ ダイアログ ] ビューには [ 動作 ] ノードと [ 言語 ] ノードの 2 つのノードがあり [ 動作 ] ノードではダイアログのインターフェイス動作を編集し [ 言語 ] ノードではレイアウトの編集を行います ダイアログのコントロールイベント ダイアログの [ 動作 ] ノードでは そのダイアログに含まれるコントロール ( 名前とタイプ ) が表示されます 特定のコントロールを選択すると [ イベント ] 設定にダイアログのコントロールイベントが表示されます 40

17 中央ペインでコントロールを選択すると 右ペインの [ イベント ] でコントロールに関連付けされているコントロールイベントを参照することができます コントロールイベントの設定イベントの種類条件イベントの引数 イベントの引数イベントの設定では イベントの種類 条件 イベントの引数 を指定します イベントの引数は 選択するイベントによって設定できる項目が異なります また イベントの [ 条件 ] フィールドではイベントを実行する条件を指定します コンポーネントやカスタムアクションの条件と違って コントロールイベントの [ 条件 ] を空白にすると イベントは実行されません コントロールイベントが常に実行されるように指定するには 条件に [1] を入力します 特定の条件を満たすときだけ実行するには SHOWMSG=1 のようにプロパティを使用して条件を設定することができます なお コントロールイベントは MSI データベースの ControlEvent テーブルに書き込まれます 実際に よく使われるコントロールイベントは次の 4 つになります イベント NewDialog SpawnDialog DoAction SetProperty イベントの種類 内容 条件 現在のダイアログを閉じ [ ダイアログ名 ] フィールドに指定されているダイアログを表示 通常 ダイアログの順番を制御する [ 戻る ] および [ 次へ ] ボタンに関連付けされる 現在の子ダイアログの [ ダイアログ名 ] フィールドに表示されているモーダルダイアログを 表示 通常 モーダルダイアログの [ インストールを中断してもよろしいですか?] を表示する [ キャンセル ] ボタンがあるダイアログに使用される 現在のダイアログは開いたままで このダイアログを表示する [ アクション ] フィールドに表示されているカスタムアクションを起動 このコントロールイベントを使うことで シーケンステーブルに このイベントを挿入せずにカスタムアクションを起動可能 [ プロパティ ] フィールドに表示された値にプロパティの値を設定 コントロールイベントでプロパティの値をクリアするには アクションの引数を {}( 中括弧内にスペースを入れず ) に設定 41

18 中略

19 第 4 章 1 つのインストーラーで複数の パッケージやランタイムを配布する 57

20 4.1 再配布可能ファイルの配布 / 複数製品のインストール InstallShield で提供されている機能 InstallShield は Visual C++ ランタイムや.NET Framework など一般的によく利用されるサードパーティー製の再配布可 能ファイルを含んでいて それらを簡単にインストールに組み込むことができます 製品と共に再配布可能ファイルをインストールしたり 複数製品やテクノロジーフレームワークをインストールしたりするために さまざまな機能を提供しています 以前は別製品やランタイムをインストールするための専用の機能がなかったために カスタムアクションや InstallScript 関数の LaunchAppAndWait 関数などからインストーラーを呼び出す処理を実装するケースが多くありました しかし 一度 に一つの.msi ファイルしか実行できないという Windows Installer の制限もあり 希望の動作が実現できないケースも少 なくありませんでした 前提条件や MSI 連鎖パッケージ スイートインストーラーなどの新しい機能では このような問題を回避することができま す それぞれの機能にはメリット / デメリットがあるので どの機能が最も適しているかを検討して 使用することをおすすめ します 58

21 4.2 マージモジュール マージモジュール InstallShield には多数のマージモジュールが付属しており 既存のマージモジュールを簡単にインストーラープロジェクトにマージできます また 独自のマージモジュールを作成して 他の開発グループに配布することもできます 下の図はマージモジュールをダイレクト編集モードで開いたものです マージモジュールには機能はなく コンポーネントの構成やカスタムアクションの設定だけが行われているため マージモジュールだけでインストールを行うことはできません InstallShield では [ 再配布可能ファイル ] ビューで機能との関連付けをして インストールを行います 59

22 中略

23 Copyright (C) 2017 Networld Corporation InstallShield は Flexera Software 社の商標または登録商標です その他すべての会社名および製品名はそれぞれの所有者の商標です 本テキストの一部または全てを無断で複写転載することは禁止されています 本テキストの内容は将来予告なく変更されることがあります 1 版 2017 年 3 月 株式会社ネットワールド 東京都千代田区神田神保町 住友商事神保町ビル