日本機械学会環境工学部門 NEE 研究会第 7 回講演討論会 2004 年 6 月 11 日 建築分野における風関連の数値解析 ( 株 ) 大林組技術研究所片岡浩人 概 要 建築分野における風関連の数値解析として 市街地内の風環境予測 ならびに風力発電量予測のために実施する局所風況予測を紹介する 風

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1 建築分野における風関連の数値解析 ( 株 ) 大林組技術研究所片岡浩人 概 要 建築分野における風関連の数値解析として 市街地内の風環境予測 ならびに風力発電量予測のために実施する局所風況予測を紹介する 風環境予測では 計画建物の建設に伴う周辺市街地内の風環境の変化を予測する事が目的となる そこで G ISデータから計画地周辺の数値計算用三次元街区モデルの作成し 計算結果と最寄りの気象観測データから風環境評価結果 ( ランク値 ) を求める事ができる 一連の機能を備えた風環境シミュレータ Zephyrus( ゼフィルス ) を開発した ここでは解析方法の概要と 実在市街地を対象としたベンチマークテストの結果を紹介する 一方の局所風況予測では 新エネルギー 産業技術開発気候 (NEDO) のプロジェクトとして開発した局所風況予測システムLAWEPS(Local Area Wind Energy Prediction System) について述べる LAWEPSでは 水平スケール500km 程度の1 次領域から同 1km 程度の5 次領域までの5 段階の領域を1 方向のネスティングにより接続し GPV データ (0km 格子の数値予報出力値 ) を起点として 風力発電サイト近傍の風況を予測する 特に 従来の線型モデルでは予測困難な急峻な地形周りでの予測精度の向上に主眼をおいている 国内複数の地点で年平均風速の実測と比較したところ 誤差 10% 以内というプロジェクト当初の目標を達成した また 非定常な乱流現象を扱うLES(Large Eddy Simulation) 計算の事例として 境界層乱流中での角柱周辺気流の予測例も併せて紹介する 1. 風環境予測 1.1 背景 ビル風 003 年 10 月 8 日大阪高裁において 近隣に建設された高層マンションによって強風が生じ 転居を強いられたとして訴えた住民側の損害賠償請求を認める判決が下された 1) 本判決は建物建設に伴う強風 いわゆる ビル風 による被害を認めた初の判決である ビル風 は1960 年代の超高層建物の出現によって一般に認知されるようになった しかし必ずしも超高層建物の周囲に限られる現象ではなく 周辺建物の平均高さをある程度以上越える高さの建物であれば その周辺では ビル風 が発生し得る ただし ビル風 には 例えば平均風速 m/s 以上といった数値的な定義はなく あ 表 -1 風速出現頻度に基づく風環境評価尺度 ( 村上らの評価基準にランク4を追加 ) 強風による影響対応する空間ランクの程度用途の例 1 3 最も影響を受けやすい場所 住宅地の商店街 野外のレストラン 影響を受けやす住宅街 公園い場所 比較的影響を受けにくい場所 事務所街 日最大瞬間風速と許容される超過頻度 10[m/s] 15[m/s] 0[m/s] 10% (37 日 ) % (80 日 ) 35% (18 日 ) 0.9% (3 日 ) 3.6% (13 日 ) 7% (6 日 ) 0.08% (0.3 日 ) 0.6% ( 日 ) 1.5% (5 日 ) 4 ランク 3 以上の頻度 ここで示す風速値は地上 1.5m 高さで定義例えばランク1の用途では 日最大瞬間風速が10m/sを越える日が年間 37 日以下であれば許容される くまでも建物に起因する 周辺街区内よりも相対的に強い不快な風を指すだけである 1.1. 風環境評価尺度強風によって発生する障害は 風速の変動や最大瞬間風速による事が多い そこで強風の発生頻度 すなわちある風速に対してそれを越える風速が出現する超過確率 ( もしくはそれ以下の風速の累積頻度 ) によって風環境を評価することが妥当とされている また対象によって歩行者などの人体に対する影響を評価する日常的風環境評価と 建物への物理的影響を評価する強風災害的評価とに別けることができる 日常的風環境評価のための代表的なものとして 村上 ) 式と呼ばれる風環境評価尺度がある 同尺度では 瞬間風速と歩行者の不快感の関係を調査し 表 1に示すよう日最大瞬間風速の出現頻度毎に分類している 一方の強風災害的評価については 具体的な尺度が存在しない 今後 この観点から提案が待たれる 建物周辺気流の予測方法風環境予測には 風洞実験 机上検討 流体計算の三通りの方法が用いられてきた このうち最も予測精度が高いとされているのが風洞実験である しかし一般に縮尺模型の製作や実験自体にコストや手間がかかり ある程度以上の規模の物件でないとなかなか実施されない 机上検討は 既往の風洞実験結果から該当する案件に最も建物形状が似た例を探し出し予測を行う方法で コストはかからないものの予測の精度は実験に比べると劣る 流体計算による予測は 風洞実験と机上検討の中間に位置する手法で 特に近年のパーソナルコンピュータ (PC) の高性能化によって風洞時実験と比肩しうる精度の計算 1

2 が可能となってきた しかし市販の流体解析コードを用いた予測は 使いこなすのに専門知識を必要とし また建物の三次元モデル化や計算格子の生成に手間を要するので 必ずしも短期間で実施で出来るわけではない そこで計画建物や周辺建物のモデリングから数値流体計算 風環境の評価まで PC 上で一貫して作業できる風環境シミュレータ Zephyrus( ゼフィルス ) の開発を行った 同ソフトでは 一般の設計者でも予測が可能なように計算条件の設定を自動化し 市販の電子地図を用いて計画建物や周辺建物のモデル化を簡易化し さらに直交等間隔格子の採用で格子生成作業を単純化した ここではまず Zephyrus で用いられている数値解析手法を説明する 次に実在の街区を対象とした予測結果を風洞実験結果と比較し 予測精度の検証を行った事例を紹介する 1. 基礎式対象となる流れ場を 非圧縮性の定常流れ場と仮定し 以下に示すレイノルズ平均された擬似圧縮性法による基 3) 礎式を採用する p t u i x i 0 面の流束は三次精度の風上差分により求める 建物形状を正確に再現するには 建物表面に沿って構造もしくは非構造格子を生成する必要がある しかし 短期間でこのような格子分割を行うことは 現状では不可能である そこで計算格子は直交格子とし 水平方向に等間隔 垂直方向に不等間隔格子を用いることとする この場合 格子形状と建物形状が一致しないため 体積 5) 積分の際にFAVOR 法に従う 1.4 重合格子直交等間隔格子の場合 例えば計画建物の近傍をより高精度に予測しようとすると 計算領域全体の格子解像度が上がってしまう そこで 複数の直交格子を重ね合わせ 計算領域全体と計画建物近傍で異なる格子解像度 6) のもとで計算が出来るよう重合格子法を採用した 格子間では図 -1に示すような双方向のネスティングを行う すなわち詳細領域 ( 内側の格子 ) の外周部では 最寄りの全体領域 ( 外側の格子 ) の格子点の値から線型補間により与える 一方外側の格子では 重なり合った部分の格子点の値を内側の格子点の値から線型補間より求める 以上の操作を各繰り返し計算毎に行う u i t u j u i x i p 3 k t S ij F i k t u j k t k k P k F k t u j t k C 1 P k C F x i x, y, z u i u,, w S ij 1 u i u j u P x k i t u j u i i x i F i C f au i u j F k u i F i F k C p F k k t 0.09 k C C 1.9 a 1.5 C f 0.5 C p.0 ここで はレイノルズ平均された値 は擬似圧縮性係数 (1) 式の定常解が得られると 連続の式中の圧力の時間微分項が消滅し 非圧縮性が保たれる F i F k 4) F はそれぞれ樹木の影響をモデル化した項で 各項中のC f は葉の抵抗係数 a は葉面積密度 ( 樹冠単位体積当たりの葉の片側面積の和 ) C p は樹木による乱流エネルギー消散に関するモデル定数 1.3 離散化手法 (1) 式を有限体積法を用いて離散化する 各物理保存量はコントロールボリューム (CV) の中心で定義した CV 界 (1) 1.5 境界条件 7) 風上境界では 建築物荷重指針に従って式 () に示す流入気流分布を与える ここでU(z) は高さ z [m] における絶対値風速 [m/s] U(z G ) は境界層厚さ z G における風速 べき指数 と地表面粗度区分の関係を表 -に示す 建物表面ならびに地表面では 滑面での対数則を用いる U(z) U(z G )min(z, z G )/z G 0.05 k 0.1U(z G ) min(z, z G )/z G 1/ k U 1.6 計算制度の検証 図 -1 重合格子 計算例 1 対象街区図 -に計算領域として 地図データより作成された三次元モデルと 比較対象となる風洞実験模型を示す 対象地域は河川に沿った工場地帯で 低層建物主 z 表 - 流入境界条件のパラメータ 粗度区分 I II III IV V z G [m] ()

3 計算モデル 風洞実験模型 (scale:1/400) 図 `- 解析対象となる街区モデル 体の街区が隣接している 計算領域全体 (1st Grid) の大きさは880m 880m 詳細領域(nd Grid) の大きさは400m 75m 地図データにない計画建物は 配置計画図をCRT 上で地図データと重ね合わせ 外形をマウスクリックにより入力した 格子分割詳細領域を5m 全体領域を10mの水平格子解 像度で離散化した 高さ方向の領域は150mとし 不等間隔に30 個の格子に分割 ( 最小格子幅 1m) 分割した 計算結果計算は粗 度区分 III 16 風向で行った 領域内に設けた75 点の評価点 16 風向の風速比 ( 最寄りの気象観測所の風速に対する風速の比 ) の 同領域を対象とした風洞実験結果 ( 模型縮尺 1/400) との相関を図 -3に示す 図 -3 実験結果との風速比の相関図より 高風速側評価点 75 点 16 風向では計算結果が実験値より15 0% 程度大きく評価する傾向がみられ 一方低風速側ではばらつきが大きくなり 実験値を下回るポイントも多くなる 風洞で用いた気流分布ならびに建物模型の形状が 計算とは完全には一致していないことが 予測誤差の原因として考えられる 1.6. 計算例 解析対象と格子分割そこで 建物形状並びに流入気流分布を 風洞実験に用いた街区模型のCADデータならび 8) に風洞内気流測定結果にあわせた計算を行った例を示す 同計算は 建築学会 流体数値計算による風環境評価ガイドライン作成 WG のベンチマークテストの一環として行われたもので 1/50の風洞実験と共に 市販の汎用コードを用いた非構造格子による計算結果との比較も行った 対象となる街区のモデルを図 -4に 計算格子を図 -5に示す 格子解像度はZephyrusの場合 全体が水平解 像度 5m 計画地周辺がm 両格子の合計は約 51 万 一方の非構造格子の場合には 建物表面を0.6m のプリズム要素で分割し 総要素数は約 80 万 計算結果現地の図 -4 解析用のCADモデル主風向である風向 NNEの時の風速比の相関を図 -6に示す 計画建物の風下に位置する後流域ではばらつきが大きく かつ全般に計算結果の方が実験よりも低い風速比を示す傾向にある 一方それ以外の場所では 実験結果との対応は良い 後流域での差は 実験で用いたサーミスタ風速計がスカラー風速の平均値を測定するのに対して 計算では平均速度ベクトル場から風速を求めている事に一因がある 一方 Zephyrusと非構造格子を用いた結果には大きな差はなく 十分な格子解像度であれば直行等間隔格子を用いた計算結果でも遜色のない事が示された 気象官署における観測値をもとに村上式のランク評価を求めたのが図 -7である 風洞実験と数値計算の双方に基づく評価結果は全般的に良い対応を示している 以上の実在市街地を対象とした 例から 低風速域での図 -5 格子分割図 ( 左 :Zephyrus 右: 非構造格子 ) 図 -6 風速比の相関風向 NNE 評価点 80 点 ( 左 :Zephyrus 右: 非構造格子 ) 図 -7 村上式によるランク評価結果 ( 左 : 風洞実験結果 右 :Zephyrus) 3

4 解析精度に課題を残すものの 本来の目的である強風域の予測は達成している モデルの開発を行うとともに モデルの作成および検証のためのデータ取得を目的として風洞実験と野外観測を 実施した 1.7 まとめと今後の課題 000 年 6 月にZephyrusを社内で運用開始してから これまでに約 60 件 (004 年 5 月末時点 ) の予測を実施し 事実上 実用化の域に達している 一方 建築学会 流体数値計算による風環境評価ガイドライン作成 WG において 計算領域の大きさや格子解像度 境界条件の設定方法など 最低限クリアーすべき条件の明示を試みている 今後はこのガイドラインを活用することで Zephyrus 開発の本来の目標にあったように 専門家だけでなく設計者の手による風環境の予測へと道を開きたい. LAWEPSの概要..1 モデルの構成風況に影響を及ぼすさまざまな現象を適切に考慮するためには その現象スケールに見合ったモデルを用いる必要がある そこで表 -3に示す5 段階のモデルを接続して一方向のネスティングを行い 計算結果を次の領域の境界条件として受け渡す 大規模地形やメソスケール規模の気象現象を対象としたモデル ( 気象モデル 1 3 次領域 z* 座標系 ) と 小規模地形や植生の影響を考慮したモデル ( 工学モデル 4 5 次領域 一般曲線座標系 ) という 方程. 風力発電量予測 式系や座標系の異なる領域を接続することに 本計算手 法の特徴がある.1 背景 00 年に批准された京都議定書に基づいて 1990 年を基準として008 年から01 年の間に 温室効果ガスの発生量を6% 削減することが目標となった これにあわせて 003 年に新エネルギー特別措置法が施行され 再生可能エネルギーの導入促進が図られることとなった この中 あるいは見方を変えれば 気象モデルで従来の現地風観測に相当する情報を取り出し 工学モデルで風力発電サイト予定地の風況を予測する事に相当する また工学モデルでNavier-Stokes 方程式を解くことにより 従来の線型理論に基づいた手法では予測誤差の伴う複雑地形まわりの気流を予測することとなる でも風力発電は010 年時点での導入目標を300 万 kwに設 定した (003 年 9 月の時点で総設備容量 45 万 kw) 表 -3 接続する領域の詳細 上記の目標を達成するためには 風況 風車設置のための立地条件 連系可能な既存電力系統までの距離等の 領域 水平規模 格子間隔 モデルおよび対象となる主な現象 項目を考慮の上 適地の選定を行わなくてはならない 1 次 500km 5km < 気象モデル > 特に風況は風力発電事業の採算制を大きく左右する 次 100km 1km 高低気圧 海陸風 大規模従来 風況予測には現地の風観測データと 線型解析 3 次 50km 500m 地形等の影響 解に基づくモデルであるWASP 9) やAVENU 10) が 取り扱い 4 次 10km 100m < 工学モデル > 小規模地形 の簡便さもあり 広く用いられてきた しかしながら我 5 次 1km 10m 植生 地表面状態等の影響 が国の地理的な条件を考えると 欧米などに比べて地形.. 気象モデル (1 次 3 次領域 ) の起伏が激しいため対象地域によっては予測精度が不十気象モデルには日本気象協会の局地気象モデル (ANE 分となる可能性が指摘されてきた 11) また1997 年に新エ MOS) に改良を加えたものを利用している 同モデルではネルギー 産業技術開発気候 (NEDO) が 風力発電新技術運動量の輸送方程式の他に温位 水分混合比の輸送方程開発可能性調査 1) において風力発電事業者に対して行式も解き 鉛直方向の運動方程式には静水圧近似を用いったアンケート結果でも 上記の線型モデルによる予測 が実際とあわない あるいは我が国の実情にあわせた風 ている 乱流に対しては Mellor-Yamadaのレベル.5 13) を改良した中西のclosure model 況予測モデルの必要性を指摘する声が高かった を用いた また1 次領域ではGPVデータを初期値とし 3 時間毎に同データを境界以上の経緯をふまえて NEDOの研究プロジェクトの 一環として 我が国のような複雑 地形上においても精度良く風況を 予測できる新たな局所風況予測モ デルLAWEPS(Local Area Wind E nergy Prediction System) を構築す ることとなった 最終的な目標は 勾配 5% 以上の地形条件を含む すべての地域に適用可能 でかつ 年平均風速の予測誤差 10% 以 内 とした この目標達成のため には 数値流体力学 (CFD) に基づく 図 -8 気象モデルによる予測結果 (001 年 8 月 15 日 1:00 地上 10m) 4

5 図 -9 山越え気流で考慮すべき流れ場の要素条件として更新させながら解析を行っている 図 -8に気象モデルによる潮岬周辺の風況の予測結果を示す..3 工学モデル (4 次 5 次領域 ) 図 -9は山越え気流の予測で考慮すべき種々の流れ場を示したものである 剥離や再付着を伴う乱流場の精緻な予測には 現状ではLES(Large Eddy Simulation) の利用が望ましい しかし実用の観点からは レイノルズ平均に基づくモデル (RANSモデル) の使用は避けられない そこで長野 服部によって提案された線型型の改良 k-εモデル 15) を採用した 式 (3) にその要点を示す 有面積当たりの全葉面積を表す値で 植物の種類に応じて4 8の値をとる LAI を樹木の高さ H canopy で割ることで 単位体積当たりの葉面積密度 a が求められる LAI と H canopy は現地調査に基づく設定が望ましい ただし便宜上 両者を土地利用区分毎図 -10 潮岬周辺の4 次領域に定義し また季節変 ( 図中の長方形は5 次領域 ) 化にも対応した 工学モデルの検証のため 図 -10に示す潮岬の 箇所のポイントでの野外観測データとの比較を行った 風速の鉛直分布の比較を図 -11に示す いずれの場所でも観測データの対応は良い t C k m m 1 1 C s s 1 S S ij S ij S ij 1 u i k ij ij ij 1 u i C s 0.4 u j x i s u j x i S ここで m は乱流の時間スケールを表している 長野 服部は m に通常のk-εモデルで使用される時間スケール k / と平均流の速度勾配によって決まる時間スケール s との調和平均から得られる 混合時間スケールを乱れの時間スケールとした なお (3) 式は 元々低レイノルズ型のモデルとして提案されたものを 壁面近傍でLo g Law 型のwall functionを用いた場合にも利用できるように拡張したものである LAWEPSでは地形や利用状況に応じて両者の使い分けが可能である..4 樹木キャノピーモデル樹木の有無は地表面の気流に大きな影響を及ぼす そこで 樹木キャノピーモデルを工学モデルに組み込んだ モデル式はZephyrusの基礎式 (1) に示した F i F k F と同じである ただし 森林のような群落の樹木を扱うので 以下に示すような値を用いることとした a (3) LAI H canopy C fi 0. C P (4) ここで LAI は葉面積指数 (Leaf Area Index) で 単位地上専 図 -11 工学モデルの検証結果 (000 年 1 月 15 日 15:00)..5 年平均風速の算出方法従来のWASPなどのモデルでは 観測データをもとに流入気流をいくつかのパターンで代表させ パターン毎の予測値に各パターンの年間出現頻度をかけることで 年平均風速を求めている しかし年間の流入条件を複数のパターンに分類することは必ずしも容易ではない 一方 時系列的に現象を追跡し時間平均値として年平均風速を求めることができれば パターン分類の問題は生じない しかし1 年間の風況を365 日 4 時間の非定常解析で再現することは 特に工学モデルの実行の上で現実的ではない 1 年間を等間隔にサンプリングした日数ならびに時間で代表させることが必要となる そこで全国の気象官署の観測データから 任意に設定した日数または時間間隔で間引いたデータで年平均風速を求め 全データを用いた場合との比較を行った その結果 日数については6 日毎に 1 日を1 時 18 時 4 時 翌朝 6 時の4 時刻で代表させることで 妥当な誤差範囲に抑えられることが解った 従って年間の風況を 60 日 4 時刻の40ケースで代表させる.3 予測結果の検証以上の手法を用いて求めた年平均風速の値を 観測値 5

6 表 -4 予測結果の検証地上 30mの年平均風速の比較 地点 潮岬沖縄県岩手県鹿児島県 Site A Site B 伊是名島住田町根占町 地形の特徴 半島南端の7 半島東側の離島内陸の北上山中の大隅半島の 0m 崖上山中平地複雑地形急峻地形 実測 [m/s] LAWEPS (+3.77) (-.80) (+1.15) (-.83) (+4.71) 計算値 [m/s] WASP ( 予測誤差 [%]) (-31.10) (+1.40) (-11.0) (+30.00) (-0.33) AVENU (-17.10) (+6.70) ならびに既存の線型モデルによる予測値と共に表 -4に示す いずれの地点も周辺に5% 以上の傾斜地が存在する場所である また線型モデルによる予測では 最寄りの気象官署またはアメダスの観測データを用いた いずれの地点でもLAEPSによる予測値は年平均風速で10% 以内の誤差に納まり プロジェクト当初の目標を達成した 一方の線型モデルでは 予測精度の良い地点がある一方で 崖上にある潮岬のSite Aのようには30% 以上の予測誤差が生じ 総じて予測精度にばらつきがある.4 まとめ広領域の気象現象を対象とした気象モデルと 地形まわりの小スケールの現象を対象とした工学モデルを接続することで 風力発電適地選定のために必要な風況予測手法の開発を行い 予測精度 10% 以内という当初の目標が達成された また風力発電量は LAWEPSの出力から風況曲線を求めることで予測可能である ただし 風車の安全性や耐久性に影響を与える気流の乱れ あるいは風車の後流の影響など 本プロジェクトの対象外ではあるが 風力発電適地選定に重要な要素が今後の検討課題として残った なお本プロジェクトの成果品であるLAWEPSの工学モデルならびに気象モデルのデータは 日本気象協会より実費で配布されている 詳しくは o.go.jp/nedo/top.htmlを参照のこと 3. 境界層乱流の LES による予測 3.1 はじめに 1 章で述べたように風環境評価の指標となる風速は日最大瞬間風速である しかし現在は 風洞実験や数値計算で得られた平均風速にガストファクター ( 突風率 ) をかけて 最大瞬間風速を求めている また 章の最後で述べたように 風車の安全性や耐久性の評価には気流の乱れが重要となる 同様に建築構造物に加わる風荷重は 壁面や屋根面に作用する平均風圧だけでは決められず ピーク風圧や変動のスペクトル形状を考慮する必要がある このような 風速変動に伴う現象把握には RANS 系のモデルは適さず LESで予測を行うことになる 3. 境界層乱流の生成風洞実験では 風洞の床面にラフネスブロック等を設置して 粗面上に発達する境界層乱流を生成している 数値計算で同様のプロセスを経て境界層乱流を生成することは現実的ではない 16) 筆者らはLundらの乱流境界層の生成法を簡略化し 予め指定された平均速度分布のもとで 計算領域の風上境界で変動流入を与える方法を提案した 17) 以下にその概要を示す まず計算領域の風上側に変動流入風生成の為の領域 ( ドライバ部 ) を設ける このドライバ部では風方向 (x 方向 ) ならびに風直角方向 (y 方向 ) に周期境界条件を課し 鉛直方向 (z 方向 ) には床面をno-slip 天井面をfree-slipとしてチャンネル流れを解く ただし 出口の風速の瞬時値 u をそのまま流入に戻さずに 平均成分 u と変動成分 u に分離し 予め決められた平均速度分布に加えた上で 流入条件とする. 式で表すと(5) 式となる u inlt (y, z,t) u inlt (z) ( ) {u recy (y,z,t) u recy (y,z)} inlt (y, z,t) ( ) recy (y, z,t) w inlt (y, z,t) ( ) {w recy (y, z,t) w recy (y, z)} (5) ( ) 1 a( b) 1 tanh (1 b) b tanh a z / Lund らの本来の手法ではドライバ入り口 ( 添字 inlt) と出口 ( 添字 recy) 間での境界層厚さ の発達を考慮して 鉛直方向のリスケーリングを行っている ここでは通常の風洞実験気流の場合 その変化は無視し得るものとみなし その代わり減衰関数 ( ) を用いて 必要以上上空に境界層が発達するのを防いでいる 3.3 角柱まわりの気流分布ここでは富永らの4:1:4 ( 見付幅 B: 奥行きD: 高さH, 18) D=5cm, U H =5.13m/s) の角柱周りの風洞実験結果を対 19) 象としたLESの結果を紹介する 図 -1に計算に用いた格子分割図を示す x/h=-11~-3をドライバ部として用いた 解析は非定常擬似圧縮性の基礎式を三次元一般曲線座標上に変換し 有限体積法により行う 乱れのSGS 成分 6

7 a) スカラー風速の平均値 b) 平均風速ベクトルの絶対値 図 -1 角柱まわりの計算格子 ( 総格子点数 50,17). c) ( u k) 0.5 /U H d) 修正後の相関 図 -13 流入気流条件. e) 平均速度ベクトル分布 f) 最大瞬間風速ベクトル図 -15 z / H =0.065 水平断面内平均風速 z/h=0.065 z/h=0.15 図 -16 水平断面内のガストファクター分布 図 -14 平均速度分布 ( 上 : 鉛直中心断面下 : 水平面 ). に対するモデルを用いる代わりに三次精度の風上差分 ( 数値粘性はUTOPIAスキームの半分 ) でその代用とする 生成された流入気流分布を図 -13に 角柱周辺気流分布を図 -14にそれぞれ示す 流入気流では 上空の乱れの分布に課題を残すが 角柱高さ以下 ( z / H <1) の範囲では ほぼ実験条件を再現している また角柱周辺の平均気流分布も同様に良く再現されている ここで z / H =0.065の水平断面内に着目し 表面付近での風環境がどういう状態であるか考察する まず 通常の風環境予測を対象とした風洞実験で用いられるサーミスタ風速計の測定値として得られるスカラー風速の平均値と RANS 系のモデルを用いた解析で得られる時間平均風速ベクトルの分布を比較する 定義より 角柱風下の 図 -17 ガストファクターと平均風速の相関低風速領域で両者の差がでる そこで変動風速から求めた乱れエネルギー k で修正を行ったのがc) で d) に示すように両者の相関は改善される また最大瞬間風速となる時の風速ベクトルf) を平均ベクトル分布 d) と比べると 角柱風上側に風上方向への逆流に伴う変動が原因となる突風が吹くことが解る 次に図 -16に示した水平断面内のガストファクターの分布と 平均スカラー風速との相関を図 -17に示す 図中の曲線は 高森ら 0) が風洞実験から求めた両者の相関を表す近似曲線式である 実験では市街地模型を対象とし 7

8 ているが 同近似式と本計算結果の対応は良い 4. まとめ 建築分野における風関係の数値解析として 環境予測と風況予測の例を紹介した 乱流にRANSモデルを用いた解析は 最近のPCの高性能化に伴って 計算時間の面では実用化の域に達している また 汎用ソフトによる解析では 解析条件の設定や現象のモデル化にそれなりの知識や経験を要するが ZephyrusやLAWEPSのように 目的となる現象に特化することで これらをある程度簡略化できる 一方 建築構造物の風荷重予測にはLESによる予測が必要となる 本稿では触れなかったが 現在建築学会で作成中の 建築物の耐風設計のための流体計算ガイドブック ( 主査田村哲郎東京工業大学教授 ) では 同目的のためのLES 解析例を紹介する予定である ただし 解析時間を考えると未だ実用化段階とは言えない 風洞実験に置き変わるためには ハード ソフト両面で飛躍的なの進歩が要求される 5. 謝辞 Zephyrus( ゼフィルス ) の開発には ( 株 ) 石川義高氏 ( 株式会社 CSK) の多大な協力を得た また風洞実験結果との比較には 持田灯助教授 ( 東北大 ) を主査とする建築学会 流体数値計算による風環境評価ガイドライン作成 WG における成果を利用させていただいた また局所風況予測システムLAWEPSに関する部分は 村上周三教授 ( 慶應大学 ) を研究代表とするプロジェクト研究メンバーの研究成果を筆者の責任でまとめたものである 末筆ながら 関係各位に謝意を表する 参考文献 1) あべの総合法律事務所 : 堺市風害事件 ( ビル風被害 ) 大阪高裁判決 ( 全文 ), 1=fugaijiken-osakakousai15108.htm ) 村上 岩佐 森川 : 市街地低層部における風の性状と風環境評価に関する研究 (III) 居住者の日誌による風環境調査と評価尺度に関する研究 日本建築学会論文報告集, No.35, pp.74 84, (1983.3) 3) Chorin, A. J. : A Numerical method for solving incompressible viscous flow problems, J. Comp. Physics Vol., pp. 1~6, (1967) 4) 加藤, 持田, 吉野, 村上 :Canopyモデルを組み込んだ k-εモデルによる単独樹木周辺の風速分布の予測 日本建築学会大会学術講演梗概集 D-1, pp. 99~930, (001.9) 5) Hirt, C. W.:Volume-fraction techniques : powerful tools for wind engineering J. Wind Engineering, No. 5, pp. 333~344, (199.8) 6) 諏訪, 藤井, 湯浅, 佐野 : 重合格子法を用いた建築物周辺気流の数値解析, 日本建築学会計画系論文集, No. 488, pp. 43 5, ( ) 7) 日本建築学会 : 建築物荷重指針 同解説, (1993) 8) 張本, 片岡, 義江, 富永, 持田 : 建物周辺気流のCFD 予測に関するベンチマークテスト ( その4), 日本建築学会大会学術講演梗概集 ( 環境 II), pp , (003.9) 9) Sandström, S. : WASP-a comparison between model simulations and measurements, Wind Energy Report WE 94:, Dept. of Meteorology, Uppsala University, (1994) 10) Lissaman, P. B. S., Foster, D. R., Rumbaugh, J. H. and Boulder, C.:Technical description of AVENU, Proc. Annual Meeting of ASES, pp.19-, (1989) 11) 千代田デームス アンド. ムーア( 株 ): 大型風力発電システムの開発局所風況予測手法に関する調査, 平成 10 年度 NEDO 委託業務成果報告書, (1999) 1) NEDO 新エネルギー技術開発部 : 第 1 回 離島用風力発電システム等技術開発 ( 事後評価 ) 分科会資料, (003) 13) Mellor, G. L. and Yamada, T. : Development of a turbulence closure model for geophysical fluid problem, Rev. Geophys. Space Phys., 0.4, pp , (198) 14) Nakanishi, M.:Improvement of the Mellor Yamada turbulence closure model based on Large-Eddy Simulation data, Boundary Layer Meteorol., No. 00, Pp , (001) 15) Nagano, Y. and Hattori, H. : A new low-reynoldsnumber turbulence model with hybrid time-scales of a mean flow and turbulence for complex wall flows, Proc. 4 th Int. Symp. On Turbulence, Heat Mass Transfer, (003.10) 16) Lund, T. S., Wu, X. and Squires, K. D.:Generation of turbulent inflow data for spatially-developing boundary layer simulatios, Journal of Computational Physics, No.140, pp , (1998) 17) 片岡, 水野 : 流入変動風を用いた三次元角柱周りの気流解析, 建築学会計画系論文集, No.53, pp.71-77, (1999.9) 18) 白澤, 富永, 義江, 持田, 吉野, 片岡, 野津.:CFDを利用した高層建物周辺の風環境予測手法の開発 ( その), 日本建築学会技術報告集, No. 18, pp , (003.1) 19) 片岡 : 建物周辺気流のLES, 日本建築学会大会学術講演梗概集 D-, pp. 759~760, (003.9) 0) 高森, 西村 : ビル風評価のガストファクターについて接近流の乱れ強さの影響, 日本建築学会大会学術講演梗概集 ( 構造 I), pp. 113~114, (00.8) 8

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