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1 ハエで何が分かるのか? ハエを使った遺伝性小児難病研究 東京医科歯科大学難治疾患研究所分子細胞生物学分野 佐藤淳

2 今日のトピック 1) ヒトとショウジョウバエ 何故ショウジョウバエを使うのか? 2) ショウジョウバエを用いた難治疾患研究 偽性低アルドステロン症 Ⅱ 型を例にして

3

4 ウィトルウィウス的人体図 掌は指 4 本の幅と等しい 足の長さは掌の幅の 4 倍と等しい 肘から指先の長さは掌の幅の 6 倍と等しい 2 歩は肘から指先の長さの 4 倍と等しい 身長は肘から指先の長さの 4 倍と等しい ( 掌の幅の 24 倍 ) 腕を横に広げるた長さは身長と等しい 髪の生え際から顎の先までの長さは身長の 1/10 と等しい 頭頂から顎の先までの長さは身長の 1/8 と等しい 首の付け根から髪の生え際までの長さは身長の 1/6 と等しい 肩幅は身長の 1/4 と等しい 胸の中心から頭頂までの長さは身長の 1/4 と等しい 肘から指先までの長さは身長の 1/4 と等しい 肘から脇までの長さは身長の 1/8 と等しい 手の長さは身長の 1/8 と等しい 顎から鼻までの長さは頭部の 1/3 と等しい 髪の生え際から眉までの長さは頭部の 1/3 と等しい 耳の長さは顔の 1/3 と等しい 足の長さは身長の 1/6 と等しい

5 脊椎動物の初期発生 受精卵

6 体の設計図 全ての生物の基本設計図は ゲノム にある ヒトチンパンジーイヌマウス魚 ( ゼブラフィッシュ ) 魚 ( ハイギョ ) ショウジョウバエ ゲノムの大きさ ( 塩基対 ) 3.0x x x x x x x10 8 遺伝子の数 ゲノムサイズと遺伝子の数は 進化とは関係無い! 遺伝子のネットワークが重要! 基本となるネットワークは同じものを使っている

7 例 1)Pax6 遺伝子ファミリー 眼を作る遺伝子群 脊椎動物 頭索動物 尾索動物 棘皮動物 ( ナメクジウオ ) ( ホヤ ) ( ウニ ヒトデ ) 節足動物 有爪動物 ( 昆虫 ) ( カギムシ ) 環形動物軟体動物扁形動物触手冠動物 ( ミミズ ヒル ) ( タコ イカ ) ( プラナリア ) ( 箒虫 ) 刺胞動物 ( イソギンチャク クラゲ )

8 Eyeless eyeless は 眼の選択遺伝子 ホメオドメイン型の転写因子をコードする wild type eyeless 変異体 ショウジョウバエの遺伝子は 変異体の表現型から名付けられている eyeless の異所発現

9 野生型ゼブラフィッシュ Pax6 変異 Pax6 変異ゼブラフィッシュ ヒトでの Pax6 欠損

10 例 2)Hox 遺伝子群 初期発生において 前後軸に沿って発現し 区分けに関与する ショウジョウバエ初期胚 ショウジョウバエ ほ乳類 Hox a Hox b Hox c Hox d ほ乳類初期胚

11 例 3) シグナル伝達経路 Wnt シグナル伝達経路 様々な組織の発生 分化に重要 大腸ガンなど 多くのガンに関与 TGF シグナル伝達経路 細胞の増殖や分化シグナルとして作用 ガンの悪性化に関与 Wnt/Wingless 分泌タンパク質 TGF /Decapentaplegic LRP6/Arrow Frizzled 受容体 TGFR I/Thickvein TGFR II/Punt Dishevelled Axin GSK3/Sgg APC 細胞内シグナル伝達分子 -Catenin/Armadillo Smad/Mad Co-Smad/Medea TCF/LEF/Pangolin 転写因子

12 例 4) Hedgehog シグナル伝達経路 様々な組織の発生 分化に必須 手足の小指の位置決定や 毛包の形成と阻害に関与 分泌タンパク質 Sonic Hedgehog/Hedgehog 受容体 Patched Smoothened 細胞内シグナル伝達分子 Fused Kif7/Costal2 ショウジョウバエ初期胚 転写因子 Gli/Ci 増毛剤 育毛剤への応用? マウスでの Hedgehog 阻害剤の塗布

13 モデル動物 どんな動物がどのような研究のモデル動物として使われているのか? サルブタ イヌ マウス ニワトリ魚類 ( メダカなど ) 両生類 ( カエルなど ) 昆虫 ( ハエなど ) 線虫 酵母大腸菌 行動学移植 発生 分化発生 分化シグナル伝達経路発生 分化発生 分化 細胞内機能 ( 細胞分裂など ) 基本機構 (DNA 複製など )

14 ショウジョウバエを研究に用いることの利点 1. 世代交代が早い : 一世代約 10 日遺伝学が使いやすい cf) マウス : 3 ヶ月ヒト : 20 年? 2. 遺伝学的ツール様々な遺伝学的ツールが利用可能バランサー染色体 P 因子など 3. 入手の容易さストックセンター ( アメリカ 京都 スイス ) 検疫が不要 ( 通常小包で送れる!) 4. データベース Flybase.org にて ほとんど全ての情報がサーチ可能 (5. ランニングコストが安い!)

15 ショウジョウバエの一生

16 ショウジョウバエでどんな研究がされてきたのか? 記憶 学習など 母性効果 神経ネットワークの再生 初期発生 ホルモンによる発生制御 形態形成 器官形成など

17 今日のトピック 1) ヒトとショウジョウバエ 何故ショウジョウバエを使うのか? 2) ショウジョウバエを用いた難治疾患研究 偽性低アルドステロン症 Ⅱ 型を例にして

18 遺伝性疾患 一部は 先天性疾患とも呼ばれる 単一遺伝子病 染色体異常 多因子遺伝疾患に分けられる 染色体異常は 染色体に異常が起こっていることから来る 例 ) ダウン症候群小人症 多因子遺伝疾患では 複数の遺伝子の変異が重なることで 発症する 例 ) 家族性腫瘍生活習慣病 単一遺伝子病では 一つの遺伝子の変異により起こり 変異が遺伝するため 子孫でも同じ病気が発症する 例 ) ハンチントン病フェニルケトン尿症ヌーナン症候群原発性免疫不全症候群 ( 一部 ) 血友病

19 単一遺伝子病 一つの遺伝子の変異により発症する 遺伝子変異は 遺伝子の欠失や不全だけでなく 不完全な機能喪失や新たな機能を獲得している場合もある このため 変異により 遺伝子の機能がどう変わったかは個々に調べる必要がある さらに 発症原因を探索するためには 原因遺伝子そのものの役割 機能を知る必要がある 例 ) フェニルケトン尿症 : フェニルアラニン水酸化酵素の遺伝子に変異 ( 機能欠失 ) ヌーナン症候群 : Ptpn11 遺伝子の変異 ( シグナル調節能の異常 )

20 偽性低アルドステロン症 厚生労働省により 特定疾患にも指定されている難病である 高血圧症が主な症状であるが 高カリウム血症 低ナトリウム血症 高レニン血症 腎臓からの塩類喪失等のアルドステロン分泌不全と症状が似ているが 血中のアルドステロン濃度は低下していないことから 偽性低アルドステロン症と名付けられた I 型と II 型に分けられているが I 型では他の症状はあまり見られない 一方 II 型では 高血圧症以外の症状として 精神発達遅延 低身長 歯や骨の発育不全等を伴い 小児期より 30 歳以下の成人で発症する I 型は 食塩投与により症状が改善することが分かっている II 型の患者の内 症状が軽い患者では 食塩制限やサイアザイド系利尿薬の処方で改善することが知られている I 型 II 型共に常染色体優性遺伝形式を取ることから 単一遺伝子病であると考えられ 原因遺伝子として I 型では アルドステロン受容体遺伝子 (I 型 A) 及びナトリウムチャネル遺伝子 (I 型 B) が II 型では WNK1 及び WNK4 が単離された

21 偽性低アルドステロン症 II 型 II 型の高血圧症の発症機構 WNK1/WNK4 SPAK/OSR1 Na,K,Cl 共輸送体 1) WNK1もしくはWNK4の変異により WNK1もしくはWNK4の機能が増強 2) Na,K,Cl 共輸送体の調節がおかしくなることで 血中の塩濃度が変化し 高血圧に II 型のその他の病態 1) 精神発達遅延 2) 低身長 3) 歯や骨の発育不全 いまだに発症原因が分からず しかし 単一遺伝子病であることから WNK1 もしくは WNK4 が何かしているはず! WNK1/WNK4 の機能をもっと知らないと分からない モデル動物を使って 研究してみよう!

22 ショウジョウバエ WNK 遺伝子 WNK 遺伝子ファミリーは 線虫から ハエ カエル 魚 マウス ヒトまで存在 脊椎動物では 4 つの WNK 遺伝子 (WNK1~4) があるが ハエには 1 つだけ hwnk hwnk2 hwnk3 hwnk4 DWNK 95.9% 97.0% 95.9% 94.8% ショウジョウバエの WNK 遺伝子は まだ誰も解析していなかった

23 Gal4-UAS 系 ( 過剰発現系 ) A P

24 ヒト WNK とショウジョウバエ WNK の機能は同じ 野生型 ショウジョウバエ WNK の過剰発現 ヒト WNK の過剰発現

25 ショウジョウバエ WNK は腹部形成に関与 野生型 機能欠失型 WNK 過剰発現 PHAII Awh 変異体 腹部形成不全の表現型は Arrowhead(Awh) 遺伝子の変異体と同じ表現型!

26 Awh は 脊椎動物の Lhx8 遺伝子ファミリーの 1 つ Awh hlhx MQILSRCQGLMSEECGRTTALAAGRTRKGAGEEGLVSPE 39 mlhx8 1 MYWKSDQMFVCKLEGKEVPELAVPREKCPGLMSEECGRPAALAAGRTRKGAGEEGLVNPE Awh MKTELRSCAACGEPISDRFFLEVGGCSWHAHC 32 hlhx8 40 GAGDEDSCSSSAPLSPSSSPRSMASGSGCPPGKCVCNSCGLEIVDKYLLKVNDLCWHVRC 99 mlhx8 61 GAGDEDSCSSSAPLSPSSSPQSMASGSVCPPGKCVCSSCGLEIVDKYLLKVNDLCWHVRC *.**..*.*...*.*...**..* Awh 33 LRCCMCMCPLDRQQSCFIRERQVYCKADYSKNFGAKCSKCCRGISASDWVRRARELVFHL 92 hlhx8 100 LSCSVCRTSLGRHTSCYIKDKDIFCKLDYFRRYGTRCSRCGRHIHSTDWVRRAKGNVYHL 159 mlhx8 121 LSCSVCRTSLGRHTSCYIKDKDIFCKLDYFRRYGTRCSRCGRHIHSTDWVRRAKGNVYHL 180 *.*..*...*.*..**.*...**.**...*..**.*.*.*...******...*.** Awh 93 ACFACDQCGRQLSTGEQFALMDDRVLCKAHY---LETV----EGGTTSSDEGC---DGDG 142 hlhx8 160 ACFACFSCKRQLSTGEEFALVEEKVLCRVHYDCMLDNLKREVENGNGISVEGALLTEQDV 219 mlhx8 181 ACFACFSCKRQLSTGEEFALVEEKVLCRVHFDCMLDNLKREVENGNGISVEGALLTEQDV 240 *****..*.*******.***...***..*...*...*.*...*.**...*. Awh 143 YHKSKTKRVRTTFTEEQLQVLQANFQIDSNPDGQDLERIASVTGLSKRVTQVWFQNSRAR 202 hlhx8 220 NHPKPAKRARTSFTADQLQVMQAQFAQDNNPDAQTLQKLAERTGLSRRVIQVWFQNCRAR 279 mlhx8 241 NHPKPAKRARTSFTADQLQVMQAQFAQDNNPDAQTLQKLAERTGLSRRVIQVWFQNCRAR 300.*...**.**.**..****.**.*..*.***.*.*...*..****.**.******.*** Awh 203 QKKHI---HAGKNKIREPEGSSFARHINLQLTYSFQNNAQNPMHLNGSKAGLYPTHESSM 259 hlhx8 280 HKKHVSPNHSSSTPVTAVPPSRLSPPMLEEMAYSAYVPQDGTMLTALHSYMDAHSPTTLG 339 mlhx8 301 HKKHVSPNHSSSAPVTAVPSSRLSPPMLEEMAYSAYVPQDGTMLTALHSYMDAHQQLLDS 360

27 Lhx8 の機能 1) 口蓋部の形成初期胚において 口ができる部分で発現 Lhx8 の機能喪失マウスでは 口蓋裂様の表現型が得られる また 歯根の形成に関与する 2) アセチルコリン性神経の分化前脳基底部において アセチルコリン性神経 ( コリン作動性神経 ) の分化に重要 Lhx8 の機能欠失マウスでは 記憶障害が起こる これらの表現型は 偽性低アルドステロン症 II 型の病態と関連がありそう! 歯根の形成不全 : 歯や骨の発育不全に関係? アセチルコリン性神経への分化 : 精神発達遅延との関係? まずは WNK1 及び WNK4 が上記の Lhx8 の機能に関係するかを調べる

28 培養細胞を用いた実験 Neuro2A細胞は マウスの神経芽細胞腫由来の細胞 培養液にレチノイン酸を加えることで アセチルコリン性神経等に分化させる ことができる 野生型 Neuro2A Lhx8欠失型 Neuro2A WNK1/WNK4欠失型 Neuro2A WNK1/WNK4の機能欠失型Neuro2A細胞では Lhx8の機能欠失型と同様 神経突起の伸長が抑制されている

29 まとめ 1) 本研究により 我々は WNK シグナル伝達経路が生物種を越えて 広く保存されていることを示した 2) ショウジョウバエの WNK の解析から 新たな下流因子 Arrowhead を単離し また 脊椎動物でも Lhx8 が WNK の下流で機能していることを示した 3) Lhx8 がアセチルコリン性神経の分化に関与することから WNK シグナル伝達経路も アセチルコリン性神経の分化に関与することを明らかにした 4) 以上の結果と 偽性低アルドステロン症 II 型の高血圧症以外の病態を考え合わせると 精神発達遅延や歯や骨の発育不全といった病態も WNK が原因であると考えることができ 偽性低アルドステロン症 II 型の他の病態にも WNK シグナル伝達経路が関わる可能性を示した始めての結果である

30 謝辞 本研究は 以下の方々の助けをお借りして 行いました この場を借りて 感謝申し上げます 澁谷浩司 ( 東京医科歯科大学 ) Andrew Tomlinson (Columbia University) 千原崇裕 ( 東京大学 ) 森口徹生 ( 東京医科歯科大学 ( 現 : 北海道大学 )) 田賀哲也 ( 東京医科歯科大学 ) 鹿川哲史 ( 東京医科歯科大学 ) 満友陽子 ( 東京医科歯科大学 ) 山中智子 ( 東京医科歯科大学 ) 文部科学省科学技術振興機構

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