プログラミング基礎

Transcription

1 C プログラミング Ⅰ 条件分岐 : if 文, if~else 文

2 条件分岐 条件分岐とは ある条件が成立したときとしないときで処理の内容を変更する場合に応じた, 複雑な処理を行うことができる 条件分岐 yes 成績が良かったか? no ご褒美に何か買ってもらう お小遣いが減らされる C 言語では,if 文,if~else 文,if~else if~else 文,switch 文で条件分岐の処理を実現できる 2

3 関係演算子と条件 条件 って何? さまざまな状況を表すための概念 場合に応じた処理 に用いる 条件の例 成績がよかったら 成績がいまひとつ 旅行に行く 勉強する 条件の表し方 プログラムでは条件も 式 で表す 条件式の値 条件が満たされる ( 成り立つ ) 場合 真 (true) 満たされない ( 成り立たない ) 場合 偽 (false) 条件を用いると状況に応じて処理を変えることができる. 条件 : よい成績である 90 点の場合 60 点の場合 80 点以上なら よい 成績とすると 80 点以上なので条件は 真 80 点未満なので条件は 偽 この場合, プログラムでは条件 80 点以上である を式として表す 3

4 関係演算子と条件 C 言語で記述できる 条件 二つの数の大, 小, 等価など 比較する数を 関係演算子 で結んで表記する例 : 3 > 1, 3 < 1 など 条件式は評価され, 条件が満たされて ( 成り立って ) いれば 真 満たされて ( 成り立って ) いなければ 偽 の値をとる 条件式の演算も通常の式の演算と同じ 関係演算子関係演算子 条件 : 3 > 1 条件 : 1 > 3 真 評価値 偽 評価値 4

5 関係演算子と条件 関係演算子 右表参照 関係演算子利用の注意点 条件式に変数を含む場合は, 変数の値によって式の評価値が異なる = ( 代入演算子 ) と == ( 関係演算子 ) を混同しない 条件式の値 代入演算子 (=) と混同しないように注意 関係演算子使用例意味 == a == b b が a に等しい!= a!= b b が a に等しくない > a > b b より a が大きい >= a >= b b より a が大きいか等しい < a < b b より a が小さい <= a <= b b より a が小さいか等しい 条件が偽のとき条件式の値は 0 となる条件が真のとき条件式の値は 0 以外の数値 ( 通常は 1 ) となる C 言語では数値の 0 を 偽 0 以外を 真 として扱う 5

6 関係演算子と条件 いろいろな条件式 変数に格納されている値との比較 a 6 == 6 a 1 == b 6 真 変数の値によって評価する 偽 変数同士でそれぞれに格納されている値によって評価する 式の評価結果を比較 a > > 10 真 式との比較の場合, 式の評価結果との比較となる 6

7 条件分岐 : if 文 if 文 条件式が真の場合に処理を行う if 文の書式 if( 条件式 ){ 文 1; 文 2; : 真条件式文 1 偽 文 2 : 条件式が真の場合のみ { ブロック内の文を実行する 1 条件式の判定 2 条件式の判定結果が真 (true) の場合, { ブロック内の文を実行 3 条件式の判定結果が偽 (false) の場合, { ブロック内の文は実行しない 7

8 条件分岐 : if 文 if 文のプログラム例 入力値によって処理を変える 1: 2: 3: 4: 5: 6: 7: 8: 9: 10: 11: 12: 13: 14: #include <stdio.h> int main(void) { printf("a = "); scanf("%d", &a); if(a == 1){ printf(" 入力された値は 1 です. n"); printf(" n"); return 0; 1 キーボードから整数値を入力し, a に格納 2 a に格納されている値が 1 かどうかを判定 (1 と等しいか判定 ) 2-1 a が 1 である (1 と等しい ) とき printf 文を実行 2-2 a がでない (1 と等しくない ) とき何もしない 3 printf(" n"); を実行 実行結果 a = 1[Enter] 入力された値は1です. 実行結果 a = 0[Enter] 入力によって結果が異なること 8

9 条件分岐 : if 文 フローチャート プログラムの処理の流れを図式化したもの start 入力値によって処理を変える a = 1: 2: 3: 4: 5: 6: 7: 8: 9: 10: 11: 12: 13: 14: #include <stdio.h> int main(void) { printf("a = "); scanf("%d", &a); if(a == 1) { printf(" 入力された値は 1 です. n"); printf(" n"); return 0; 変数 a に値を入力 if a == 1 偽 end 真 入力された値は 1 です. プログラムのフローチャート 9

10 条件分岐 : if 文 if 文のプログラム例 入力値によって処理を変える 1: 2: 3: 4: 5: 6: 7: 8: 9: 10: 11: 12: 13: 14: #include <stdio.h> int main(void) { printf("a = "); scanf("%d", &a); if(a == 1) printf(" 入力された値は 1 です. n"); printf(" n"); return 0; 条件が真の場合に行う文が 1 つのみの場合には { は書かなくてもよい ただし, 見やすいプログラムを書くために必ず字下げする 10

11 論理演算子 ( 基本編 ) 論理演算子 条件を組み合わせて複雑な条件をつくることができる 論理演算子 名前 使用例 意味 && 論理積 (AND) ( 条件 1) && ( 条件 2) 条件 1と条件 2がともにtrueのとき true 論理和 (OR) ( 条件 1) ( 条件 2) 条件 1または条件 2がtrueのとき true! 否定 (NOT)!( 条件 ) 条件がfalseのとき true 条件を組み合わせた例 5 > 3 && 3 == 4 a == 6 a >= 12! (a == 6) 右辺が偽なので, 条件式全体も偽となる a に格納されている値が 6 または a に格納されている値が 12 以上のとき真 a に格納されているが 6 以外のとき真 11

12 論理演算子を用いた複雑な条件による条件分岐 複雑な条件による分岐 複雑な条件による分岐 1: 2: 3: 4: 5: 6: 7: 8: 9: 10: 11: 12: 13: 14: #include <stdio.h> int main(void) { printf("a = "); scanf("%d", &a); if(a >= 5 && a <= 10) { printf(" 入力値は 5~10 の値です. n"); printf(" n"); return 0; 1 キーボードから整数値を入力し, a に格納 2 a に格納されている値が 5 以上かつ 10 以下かどうか判定 ( 5 から 10 の間の値か判定 ) 以上かつ 10 以下であるとき printf 文を実行 以上かつ 10 以下でないとき何もしない 3 printf(" n"); を実行 実行結果 a = 7[Enter] 入力値は5~10の値です. 実行結果 a = 0[Enter] 12

13 論理演算子を用いた複雑な条件による条件分岐 フローチャート 複雑な条件による分岐 1: 2: 3: 4: 5: 6: 7: 8: 9: 10: 11: 12: 13: 14: #include <stdio.h> int main(void) { printf("a = "); scanf("%d", &a); if(a >= 5 && a <= 10) { printf(" 入力値は 5~10 の値です. n"); printf(" n"); return 0; if start a = 変数 a に値を入力 a >= 5 && a <= 10 偽 end 真 入力値は 5~10 の値です. プログラムのフローチャート 13

14 条件分岐 : if~else 文 if~else 文 条件式が真, 偽のそれぞれの場合に指定した処理を行う if~else 文の書式 if( 条件式 ){ 文 1-1; 文 1-2; : else { 文 2-1; 文 2-2; : 真条件式文 1-1 偽 文 2-1 文 2-2 : 文 1-2 : 1 条件式の判定 条件式が真の場合と偽の場合で実行する文が異なる 2 条件式の判定結果が真の場合, 文 1 を実行 3 条件式の判定結果が偽の場合, 文 2 を実行 14

15 条件分岐 : if~else 文 if~else 文のプログラム例 入力値によって処理を変える (if~else 文 ) 1: 2: 3: 4: 5: 6: 7: 8: 9: 10: 11: 12: 13: 14: 15: #include <stdio.h> int main(void) { printf("a = "); scanf("%d", &a); if(a == 1){ printf(" 入力された値は 1 です. n"); else { printf("1 以外が入力されました. n"); printf(" n"); return 0; 1 キーボードから整数値を入力し, a に格納 2 a に格納されている値が 1 かどうかを判定 2-1 a が 1 であるとき 入力された値は 1 です." を表示 2-2 a が 1 でないとき 1 以外が入力されました." を表示 3 " " を表示 実行結果 a = 1[Enter] 入力された値は1です. 実行結果 a = 0[Enter] 1 以外が入力されました. 15

16 条件分岐 : if~else 文 フローチャート 入力値によって処理を変える (if~else 文 ) 1: 2: 3: 4: 5: 6: 7: 8: 9: 10: 11: 12: 13: 14: 15: 16: #include <stdio.h> int main(void) { printf("a = "); scanf("%d", &a); if(a == 1){ printf(" 入力された値は 1 です. n"); else { printf("1 以外が入力されました. n"); printf(" n"); return 0; 偽 1 以外が入力されました. if start 整数を入力してください. 変数 a に値を入力 a == 1 end 真 入力された値は 1 です. プログラムのフローチャート 16

17 講義のまとめ 講義内容 関係演算子と条件 if 文とif~else 文論理演算子 ポイント 関係演算子を使って条件を作成する if 文,if~else 文を使って条件に応じた処理を行うことができる論理演算子を使って複雑な条件を作成できる 17