焼損した建築材料の識別に関する検証
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- ゆきさ りゅうとう
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1 消防技術安全所報 5 号 ( 平成 7 年 焼損した建築材料の識別に関する検証 中田季位 *, 望月真 *, 山本真靖 ** *, 鳥谷淳 概要火災調査業務では 焼損及び水損が激しい場合又は延焼状況が特異な火災の場合には 建築材料の特定が困難な場合がある しかしながら 焼損した建築材料については 分析データの蓄積が少ないことに加え 不燃材料の解析手法が確立されていない また 建築物には様々な不燃材料が使用されており 火災現場では火災時に受けた熱及び消火水等により 形態及び化学構造が変化することも考えられる そこで本検証では 火災鑑定業務をより適正にまた 効率的に遂行するため 疑似的に焼損及び水損させた各種不燃材料の解析手法等を確立し 火災現場で使用されている不燃材料を特定することを目的として 不燃材料を電気炉及び直接火炎で加熱した後 水に浸けたものと水に浸けなかったものの試料を作成し 各種分析装置を用いて分析した 本検証結果より 疑似的に焼損及び水損させた各種不燃材料の解析手法等を確立し 火災現場から採取した不燃材料の特定及び識別が可能となった 今後 不燃材料に関する火災調査業務において 本解析手法を活用することができる はじめに火災調査業務では 焼損及び水損が激しい場合又は延焼状況が特異な火災の場合には 建築材料の特定が困難な場合がある しかしながら 焼損した建築材料については 分析データの蓄積が少ないことに加え 不燃材料の解析手法が確立されていない また 建築物には様々な不燃材料が使用されており 火災現場では火災時に受けた熱及び消火水等により 形態及び化学構造が変化することも考えられる 石膏ボード グラスウール ロックウール ケイカル板 A 社 C 社 E 社 G 社 B 社 D 社 F 社 H 社 漆喰 モルタル GRC 検証目的本検証では 火災鑑定業務をより適正にまた 効率的に遂行するため 疑似的に焼損及び水損させた各種不燃材料の解析手法等を確立し 火災現場で使用されている不燃材料を特定することを目的とする 3 検証内容及び検証方法 ⑴ 試料不燃材料を7 種類 [ 石膏ボード グラスウール板 ( 以下 グラスウール という ) ロックウール板( 以下 ロックウール という ) ケイ酸カルシウム板( 以下 ケイカル板 という ) 漆喰 モルタル ガラス繊維混入セメント板 ( 以下 GRC という)] その種類ごとに販売シェアの高い 社の製品 (GRCのみ製法の異なるもの) 計 種類を選定し 一辺が6から7cmの正方形の大きさとした ( 写真 参照 ) I 社 K 社 M 製法 J 社 L 社 N 製法 写真 各種不燃材料の写真 ⑵ 加熱方法 ア 電気炉による加熱 各試料は写真 の卓上型電気炉 ( 東京硝子器械株式会 社 ) を用い 温度は 及び 時間は 時間 時間 時間及び 時間で割り振り 温度と時間それぞれ全ての条件で加熱した 電気炉の仕 様を次に示す 炉内寸法:W; D; H; mm 使用温度: 最高 常用 発熱体: カンタル A- 線 * 危険物質検証課 ** 調布消防署 5
2 電源: V 制御方式:PID 制御方式イ火炎による加熱各試料は写真 3の火炎防護性試験機 ( 株式会社大栄科学精器製作所 ) で直接火炎 ( 加熱面約 65 ) により 時間加熱した 写真 卓上型電気炉写真 3 火炎防護性試験機 ⑶ 水損方法及び乾燥方法前 ⑵で加熱したものを水道水に 3 秒間浸した後 写真 の恒温槽 ( 株式会社いすゞ製作所 ) により 環境下で一昼夜乾燥させた ⑷ 光学顕微鏡による形態観察各試料の形態観察を行うため 写真 5の光学顕微鏡 ( 株式会社ニコン ) で観察した 写真 恒温槽写真 5 光学顕微鏡 ⑸ エネルギー分散型蛍光 X 線分析装置による元素分析各試料の元素分析を行うため 写真 6のエネルギー分散型蛍光 X 線分析装置 (Energy dispersive X-ray fluorescence spectrometer 以下 ED-XRF という) を用いた 次に 測定条件等を示す 使用機器:JSX-3EV ( 日本電子株式会社 ) 加速電圧:5 kv 雰囲気: 真空 コリメータ:3. mm エネルギー範囲:~ kev 検出範囲: Na( ナトリウム )~ 9 U( ウラン ) ⑹ エネルギー分散型 X 線分析装置付き走査電子顕微鏡による元素分析各試料の元素分析を行うため 写真 7のエネルギー分散型 X 線分析装置付き走査電子顕微鏡 (Scanning electron microscope with energy dispersive X-ray spectrometer 以下 SEM-EDS という) を用いた 次に 測定条件等を示す 使用機器:JSM-639LAJED-3 ( 日本電子株式会社 ) 加速電圧:5 kv 雰囲気: 高真空 信号:SEI( 二次電子像 ) 倍率:8 倍 検出範囲: 5 B( ホウ素 )~ 9 U( ウラン ) 写真 6 ED-XRF 写真 7 SEM-EDS ⑺ X 線回折装置による成分分析各試料の成分分析を行うため 写真 8の X 線回折装置 (X-ray diffractometer 以下 XRD という) を用いた 次に 測定条件等を示す 使用機器:MiniFlex6 ( 株式会社リガク ) 反射角度:5~85 deg サンプリング幅:. deg スキャンスピード: deg/s 管電圧: kv 管電流:5 ma ⑻ フーリエ変換赤外分光光度計による成分分析各試料の成分分析を行うため 写真 9のフーリエ変換赤外分光光度計 (Fourier transform infrared spectrophotometer 以下 FT-IR という) を用いた 次に 測定条件等を示す 使用機器:NICOLET is (Thermo Fisher SCIENTIFIC 社 ) 分解能: cm - スキャン回数:3 回 測定方式:ATR( 全反射法 ) プリズム: ダイヤモンド写真 8 XRD 写真 9 FT-IR 検証結果及び考察 ⑴ 各試料の測定結果例として 石膏ボード C 社製グラスウール E 社製ロックウール G 社製ケイカル板 K 社製モルタル及び M 製法のGRCについて 測定結果をまとめたものをそれぞれ表 表 表 3 表 表 5 及び表 6に示す なお 石膏ボードは A 社製及びB 社製で測定結果に全く違いが見られなかった また C 社製グラスウールに関して 加熱温度 において 水損無の試料は作成できなかった 表 表 表 3 表 表 5 及び表 6 から 各不燃材料の特定は可能であることがわかった 更に 各項目に関して注目すれば 加熱温度及び加熱時間の識別もある程度可能であった また 火炎で加熱したものは 電気炉により 及び で加熱したものと類似した結果が得られた 6 6
3 表 石膏ボードの測定結果 (A 社製 B 社製とも同様 ) 硬く 黄色い紙で覆われている CaSO H O 硬く 覆っている紙が残存する CaSO /H O 硫酸カルシウム特有 硫酸塩の吸収帯 ある程度硬く 紙は残存しないヒビは入らない 脆く ヒビが入る CaSO 硫酸塩の吸収帯 火炎 ある程度硬く 紙は残存しない 表面にわずかなヒビが入る 表 C 社製グラスウールの測定結果 黄色のスポンジの様な硬さ 茶色のスポンジの様な硬さ ナトリウム (Na) マグネシウム (Mg) アルミニウム (A ) 白色の綿の様な硬さ チタン (Ti) 解析不能 Si-O の伸縮振動 マンガン (Mn) の吸収帯 緑色と灰色 丸い ウエハースの様な硬さ 緑色 丸く宝石の様な硬さ 緑色と灰色 丸い ウエハースの様な硬さ ストロンチウム (Sr) 及び は 検出されない場合もある 緑色 硬い 周囲がゴツゴツ 緑色 平ら 硬い 周囲 : 赤く充血の様 中央 : 緑色 薄平ら 硬い 火炎 白色の綿の様な硬さ : 試料作成不能 7 7
4 表 3 E 社製ロックウールの測定結果 灰色, 通常の段ボールの様な硬さ 黒みがかった灰色 湿った段ボールの様な硬さ ナトリウム (Na) 解析不能 Si-O の伸縮振動 Al-O の伸縮振動の吸収帯 灰色石綿の様な硬さ マグネシウム (Mg) 濃い灰色若干反る一部硬質化する チタン (Ti) SiO Si-O 及び Al-Oの伸縮振動 Ca(Al Si O 8 ) が重なった吸収帯 SiO マンガン (Mn) 黒色反るコンクリートの様な硬さ Ca(Al Si O 8 ) CaSiO 3 Si-Oの伸縮振動 Al-Oの伸縮振動の吸収帯 火炎 茶色 石綿の様な硬さ解析不能 :Ca(Al.6Mg )[(Al.3Si.77) O 7] 表 G 社製ケイカル板の測定結果 白い 硬い薄い茶色硬い灰色ある程度硬い薄い黄色がかった白色脆い CaSiO 3 CaSO CaSiO 3 CaSO Ca SiO 硫酸カルシウム特有 炭酸塩 硫酸塩 メタケイ酸塩の吸収帯炭酸塩 硫酸塩 メタケイ酸塩の吸収帯炭酸塩 硫酸塩 メタケイ酸塩 オルトケイ酸塩の吸収帯 白色脆い CaSiO 3 CaSO Ca SiO 硫酸塩 メタケイ酸塩 オルトケイ酸塩の吸収帯 火炎 灰色 ある程度硬い煤の様なもの付着 CaSiO 3 CaSO 炭酸塩 硫酸塩 メタケイ酸塩の吸収帯 8
5 表 5 K 社製モルタルの測定結果 濃い灰色 非常に硬い茶色がかった灰色非常に硬い薄い灰色非常に硬い赤みがかった薄い灰色硬い ナトリウム (Na) マグネシウム (Mg) Ca(OH) Ca SiO SiO Ca(Al Si O 8 ) Ca SiO SiO Ca(Al Si O 8 ) O-Hの伸縮振動 炭酸塩 Si-Oの伸縮振動 Al-Oの伸縮振動の吸収帯炭酸塩 Si-Oの伸縮振動 Al-Oの伸縮振動の吸収帯炭酸塩 Si-Oの伸縮振動 Al-Oの伸縮振動 オルトケイ酸塩の吸収帯 強く赤みがかった薄い灰色硬い チタン (Ti) Ca SiO SiO Ca(Al Si O 8 ) Si-Oの伸縮振動 Al-Oの伸縮振動 オルトケイ酸塩の吸収帯 火炎 灰色非常に硬い は検出されない場合もある Ca SiO SiO Ca(Al Si O 8 ) 炭酸塩 Si-Oの伸縮振動 Al-Oの伸縮振動の吸収帯 表 6 M 製法のGRCの測定結果 火炎 濃い灰色 非常に硬い赤みがかった濃い灰色非常に硬い濃い灰色非常に硬い茶色がかった薄い灰色硬い茶色硬い灰色非常に硬い チタン (Ti) ジルコニウム (Zr) ナトリウム (Na) マグネシウム (Mg) Ca(OH) Ca SiO SiO Ca(Al Si O 8 ) Ca SiO SiO Ca(Al Si O 8) Ca SiO SiO Ca(Al Si O 8 ) Ca SiO SiO Ca(Al Si O 8) O-Hの伸縮振動 炭酸塩 Si-Oの伸縮振動 Al-Oの伸縮振動の吸収帯炭酸塩 Si-Oの伸縮振動 Al-Oの伸縮振動 オルトケイ酸塩の吸収帯 Si-Oの伸縮振動 Al-Oの伸縮振動 オルトケイ酸塩の吸収帯炭酸塩 Si-Oの伸縮振動 Al-Oの伸縮振動 オルトケイ酸塩の吸収帯 9
6 次に 本検証で用いた不燃材料の特定及び識別をするにあたって 注目すべき化学変化を図 ~ 図 6に示す ア石膏ボード石膏ボードの加熱による化学変化を図 に示す キ GRC GRCの加熱による化学変化を図 6に示す 図 石膏ボードの加熱による化学変化 図 6 GRC の加熱による化学変化 イグラスウールグラスウールに関しては 加熱及び水損による化学変化は見られなかった ウロックウール本検証では 明確な化学変化を特定することは出来なかった エケイカル板ケイカル板の加熱による化学変化を図 に示す 図 ケイカル板の加熱による化学変化オ漆喰漆喰の加熱及び水損による化学変化を図 3に示す ⑵ 火災現場から採取した不燃材料の特定及び識別火災現場から採取した不燃材料について 特定及び識別ができるか検証した なお 以下の対照試料 ( 石膏ボード ) に関して 加熱時間及び水損の有無の識別は困難であることから 各加熱温度において加熱時間 時間で水損有のものを示した 火災現場から採取した3つの不燃材料をそれぞれ 試料 O 試料 P 及び 試料 Q とする ア形態観察試料 O 試料 P 試料 Q 及び対照試料 (A 社製石膏ボードののもの並びに 及び で 時間加熱した水損有のもの ) の外観及び光学顕微鏡の観察結果を写真 に示す 表 及び写真 から 試料 Oは で加熱したもの 試料 Pは または で加熱したもの 試料 Qは で加熱したものに類似していた 試料 O 試料 P 図 3 漆喰の加熱及び水損による化学変化 試料 Q のもの カモルタル K 社製モルタルの加熱による化学変化を図 に示す で 時間 ( 水損有 ) で 時間 ( 水損有 ) 図 K 社製モルタルの加熱による化学変化 L 社製モルタルの加熱及び水損による化学変化を図 5 に示す で 時間 ( 水損有 ) で 時間 ( 水損有 ) 図 5 L 社製モルタルの加熱及び水損による化学変化 光学顕微鏡 mm 写真 外観及び光学顕微鏡の観察結果 ( 左 : 外観 右 : 光学顕微鏡 )
7 イ ED-XRF 測定結果 前アの不燃材料及び対照試料 (A 社製石膏ボードの加 熱前のもの及び で 時間加熱した水損有のもの ) の ED-XRF 測定結果を表 7 に示す 表 及び表 7 から 試料 O 試料 P 及び試料 Q は A 社 製石膏ボードと構成元素及び比率がほぼ一致した 表 7 ED-XRF 測定結果 S( 硫黄 ) Ca( カルシウム ) 質量 % モル % 質量 % モル % 試料 O 試料 P 試料 Q のもの で 時間 ( 水損有 ) ウ 試料 SEM-EDS 測定結果 前アの不燃材料及び対照試料 (A 社製石膏ボードの加 熱前のもの並びに 及び で 時間加熱した水損有のもの ) の SEM-EDS 測定結果を表 8 に示す 構成元素 表 及び表 8 から 試料 O 試料 P 及び試料 Q は 構 成元素について 全ての条件の A 社製石膏ボードと ま た比率に関して 及び で加熱したものとほぼ 一致した なお 対照試料に関して 加熱温度の上昇に ともない の比率が減少していくが このことは図 に示したとおり 水和物が脱水していくことに起因していると考えられる 表 8 SEM-EDS 測定結果 構成元素 O( 酸素 ) S( 硫黄 ) Ca( カルシウム ) 試料 質量 % モル % 質量 % モル % 質量 % モル % 試料 O 試料 P であった 図 7 及び図 8から 試料 O 及び試料 P の成分は CaSO /H O 図 9から 試料 Qの成分はCaSO ( 主成分 ) 及びCaSO /H Oであった 更に 図 図 図 図 及び表 から 試料 O 及び試料 Pは で加熱されたもの 試料 Qは 未満ではあるがそれに近い温度で加熱されたものであることが分かった 強度 (cps) 強度 (cps) 試料 O 6 8 CaSO /HO 6 8 θ(deg) 図 7 試料 O の XRD 測定結果 試料 Q 6 8 CaSO CaSO /HO 6 8 θ(deg) 図 9 試料 Q の XRD 測定結果 強度 (cps) 強度 (cps) 図 8 試料 P の 図 試料 P 6 8 CaSO /HO 6 8 θ(deg) XRD 測定結果 6 8 CaSO HO 6 8 θ(deg) のものの XRD 測定結果 試料 Q のもの で 時間 ( 水損有 ) で 時間 ( 水損有 ) で 時間 ( 水損有 ) で 時間 ( 水損有 ) エ XRD 測定結果前アの不燃材料及び対照試料 (A 社製石膏ボードののもの並びに 及び で 時間加熱した水損有のもの ) の XRD 測定結果を それぞれ順に 図 7 図 8 図 9 図 図 及び図 に示す なお A 社製石膏ボードの 及び で 時間加熱した水損有のものの XRD 測定結果は で加熱したものと同様 強度 (cps) 図 時間水損有 6 8 CaSO /HO 6 8 θ(deg) で 時間加熱 した水損有のものの XRD 測定結果 強度 (cps) 図 時間水損有 6 8 CaSO 6 8 θ(deg) で 時間加熱した水損有のものの XRD 測定結果
8 オ FT-IR 測定結果前アの不燃材料及び対照試料 (A 社製石膏ボードののもの並びに 及び で 時間加熱した水損有のもの ) の FT-IR 測定結果を図 3 に示す 図 3 から 以下の吸収帯が観察できた ),),3),) 36~355 cm - 付近に硫酸カルシウム特有の吸収帯 355~3 cm - 付近に硫酸カルシウム特有の吸収帯 7 cm - 付近に硫酸カルシウム特有の吸収帯 6 cm - 付近に硫酸カルシウム特有の吸収帯 5~ cm - 付近に硫酸塩の吸収帯表 及び図 3 から 対照試料に関して 以下のことが分かった 36~355 cm - 付近 355~3 cm - 付近及び 6 cm - 付近の硫酸カルシウム特有の吸収帯は のもの及び で加熱したものに見られるが 以上で加熱したものには見られない 7 cm - 付近の硫酸カルシウム特有の吸収帯は のものにしか見られない 5 cm - 付近の硫酸塩特有の吸収帯は 全てにおいて見られる 以上のことを踏まえ 前アの不燃材料を解析した 試料 O 及び試料 Pは 36~355 cm - 付近 355~3 cm - 付近及び 6 cm - 付近に硫酸カルシウム特有の吸収帯並びに 5~ cm - 付近に硫酸塩の吸収帯が見られる また これらの吸収帯波形は対照試料の で加熱したものに非常に類似していた 試料 Qは 5~ cm - 付近に硫酸塩の吸収帯が見られ その吸収帯波形は対照試料の で加熱したものに非常に類似していた %T %T %T %T %T %T %T %T 試料 O 試料 P 試料 Q 時間 水損有 時間 水損有 時間 水損有 時間 水損有 カ識別結果前ア~オより 試料 O 及び試料 Pは で加熱された石膏ボードであることが分かった また 試料 Qは 未満ではあるがそれに近い温度で加熱された石膏ボードであることが分かった これらのことから 本検証で確立した解析手法等により 火災現場で使用されていた不燃材料を石膏ボードと特定すること及び加熱された温度の識別が可能であった 5 まとめ ⑴ 疑似的に焼損及び水損させた各種不燃材料を形態観察及び各分析装置で分析することにより 解析手法等を確立させた ⑵ 確立した解析手法等を用いることにより 火災現場から採取した不燃材料の特定及び識別はほぼ可能である ⑶ 火炎防護性試験機により 直接火炎 ( 約 65 ) で加熱したものは 電気炉で 及び で加熱したものと類似した結果が得られたことから 火災現場から採取した不燃材料を解析し 本検証で用いた電気炉の加熱温度と比較することにより 火災現場から採取した不燃材料の周辺温度を推測することができる ⑷ 火災現場から採取した不燃材料の特定及び識別に関して 同じ不燃材料においても メーカーや製品等の違いから 本検証で得た解析手法等と完全に一致しないことも考えられる 6 おわりに今後 不燃材料に関する火災調査業務等において 本解析手法等が広く活用され 多くの方々の役に立てることを切望する 最後に 本検証を実施するにあたって 協力して下さった各社及び関係団体の方々に心から深く感謝致します [ 参考文献 ] ) George Socrates : Infrared and Raman Characteristic Group Frequencies JOHN WILEY & SONS,LTD ) Silverstein Bassler Morrill: 有機化合物のスペクトルによる同定法第 5 版 株式会社東京化学同人 99 3) 田隅三生 :FT-IR の基礎と実際第 版 : 株式会社東京化学同人 99 ) M.Hesse, H.meier, B.zeeh: 有機化学のためのスペクトル解析法第 版 株式会社化学同人 3 3 Wavenumbers(cm - ) 図 3 FT-IR 測定結果
9 Study on the Identification of the Building Materials Damaged by Fire Hidenori NAKADA *, Makoto MOCHIZUKI *, Masayasu YAMAMOTO **, Sunao TORIYA * Abstract In fire investigation work, when fire or water damage is severe, or when the state of fire spread is not ordinary, it may be difficult to identify building materials. As a matter of fact, not only is there little analytical data actually gathered regarding fire-damaged building materials, but also no analytical method has been established for noncombustible materials. In addition, a wide range of noncombustible materials are used in buildings, and factors such as the heat of fire and the water used for firefighting may change both the form and the chemical structure of materials. To achieve a higher degree of accuracy and efficiency in fire appraisal work, this study established the methods of analyzing the noncombustible materials that have been damaged intentionally by fire and water with the goal of identifying the noncombustible materials found at fire scenes. Noncombustible materials were heated using an electric furnace and a direct flame, and then were either soaked or not soaked in water to be created as samples, which were then analyzed using various types of analytical devices. As a result, this study led to the establishment of the methods for analyzing a wide range of different types of noncombustible materials that were damaged intentionally by fire and water, and also to the actual specification/identification of the noncombustible materials taken from the site of an actual fire. These methods are now available in analyzing noncombustible materials during fire investigation. *Hazardous Materials Identification Section **Chofu Fire Station 3
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参考資料 標準試料データ目次 クリソタイル標準試料 JAWE111 108 アモサイト標準試料 JAWE211 113 クロシドライト標準試料 JAWE311 118 クリソタイル標準試料 JAWE121 123 アモサイト標準試料 JAWE221 131 クロシドライト標準試料 JAWE321 139 アンソフィライト標準試料 JAWE411 147 トレモライト標準試料 JAWE511 155
X線分析の進歩36 別刷
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⑴ ⑵ ⑶
- 108 - ⑴ ⑵ ⑶ ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ - 110 - ⑴ ⑵ ⑶ - 111 - ⑷ ⑴ ⑸ ⑹ ⑵ ⑶ - 112 - ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ ⑴ ⑵ - 115 - - 116 - - 117 - - 118 - - 119 - - 120 - ⑴ - ⑴ ⑴ ⑵ ⑴ ⑵ ⑵ ⑴ ⑵ ⑴ ⑵ - 122 - - 123 - ⑴ ⑵ ⑴ ⑵ ⑶ - 124 - ⑷ - 125 -
⑴ ⑵ ⑶
- 108 - ⑴ ⑵ ⑶ ⑴ ⑶ ⑵ ⑷ ⑴ ⑵ - 110 - ⑶ - 111 - ⑷ ⑴ ⑸ ⑹ ⑵ ⑶ - 112 - ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ ⑴ ⑵ - 115 - - 116 - - 117 - - 118 - ⑴ - 119 - - 120 - ⑴ ⑴ ⑵ ⑴ ⑵ ⑵ - 121 - ⑴ ⑵ ⑴ ⑵ - 122 - - 123 - ⑴ ⑵ ⑴ ⑵ - 124 - ⑶ - 125
123 ( 17 120 18 ) ( - 1 - - 2 - ⑴ ⑵ - 3 - - 4 - ⑴ - 5 - ⑵ - 6 - ⑶ - 7 - ⑴ ⑵ ⑶ - 8 - - 9 - - 10 - - 11 - ⑴ ⑵ ⑶ - 12 - ⑴ - 13 - ⑵ 12-14 - - 15 - - 16 - - 17 - - 18 - ⑴ ⑵ - 19 - ⑴ ⑵ ⑶ - 20 - ⑷ ⑸ ⑹ - 21 -
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-1 - -2 - ⑴ ⑵ -3 - ⑶ -4 - ⑴ ⑵ ⑶ -5 - ⑷ 6,268 16 23,256,247.299 39.48 8,385. 34 35 2 2,117. 34 4 3,936 8 16,544,761.1 28.8 5,625. 927 35 14 1,689. 927 6 872 6 7,765,329.122 13.18 3,83. 554 17 7 2,211. 554
0 001212 112468 1 10 2 11 12 13 3 14 15 ⑴ ⑵ ⑴ ⑵ ⑴ ⑵ ⑴ 4 ⑵ 5 6 ⑴ ⑴ ⑴ ⑵ 7 ⑶ ⑷ ⑵ ⑴ 8 ⑵ ⑴ 9 ⑴ ⑵ ⑴ ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ ⑴ ⑵ ⑴ ⑵ ⑵ 10 11 ⑷ ⑴ ⑵ ⑶ ⑵ ⑷ ⑸ ⑴ ⑴ ⑵ ⑴ ⑵ ⑶ 12 ⑵ ⑵ ⑴ ⑵ ⑶ ⑴ ⑵ 13 ⑶ ⑴ ⑵ ⑴ ⑵ ⑴ 14 ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ ⑴ ⑵ ⑴ ⑵ ⑵ 15
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26 -15 - -5 5 15 2-22 78-125 -85 19-25 -22 54 34 12 193 182 195-19 68 ⑴ ⑵ ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ ⑸ ⑴ 2 3 4 5 6 7 17.8 31.7.2 2.9 23.4 3.8 49.7 63.6 8.3 6.1 7.3 14.2 4.5 15.5 7.4 6.6 15.4 13.9 7.7
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1 42 1 3 25 11 23 42 1 5 42 1 5 25 338 144 42 2 1.8 25 11 23 42 2 1 2m 3 2 4 7 3 1,000 43 1 2 45 42 1 5 35 35 35 120 12 144 4 1 1 5m2m 10m2m 5m2m 4m5m 5m2m 5m2m 144 4 1 2 144 4 1 3 144 4 1 5 42 1 5 10
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* * * * * * * 要旨 : キーワード : 1. はじめに 2. 融雪 融氷剤による物理 化学的劣化現象の特徴 393 Table 1 Chemical compositions of ordinary Portland cement and crushed andesitic stone(%) * * * * Table 2 Types of alkaline and alkaline
1/120 別表第 1(6 8 及び10 関係 ) 放射性物質の種類が明らかで かつ 一種類である場合の放射線業務従事者の呼吸する空気中の放射性物質の濃度限度等 添付 第一欄第二欄第三欄第四欄第五欄第六欄 放射性物質の種類 吸入摂取した 経口摂取した 放射線業 周辺監視 周辺監視 場合の実効線 場合
1/120 別表第 1(6 8 及び10 関係 ) 放射性物質の種類が明らかで かつ 一種類である場合の放射線業務従事者の呼吸する空気中の放射性物質の濃度限度等 添付 第一欄第二欄第三欄第四欄第五欄第六欄 放射性物質の種類 吸入摂取した 経口摂取した 放射線業 周辺監視 周辺監視 場合の実効線 場合の実効線 務従事者 区域外の 区域外の 量係数 量係数 の呼吸す 空気中の 水中の濃 る空気中 濃度限度
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2 1 ⑴ 2 ⑵ 3 ⑴ ⑵ 4 5 ⑴ ⑵ 6 ⑶ 7 ⑴ ⑵ ⑶ 8 ⑷ ⑸ ⑴ ⑵ 9 10 11 ⑴ ⑵ 12 13 14 15 16 17 ⑶ 18 ⑴ ⑵ ⑶ 19 20 21 22 23 24 25 26 27 ⑴ 10 ⑵ ⑴ 28 ⑶ ⑴ ⑴ ⑴ ⑵ 29 ⑶ ⑷ ⑸ 30 ⑹ ⑺ ⑻ ⑼ ⑽ ⑾ 31 ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ 32 ⑴ ⑵ 33 34 35 36 37 38 39 40
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