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1 新 川 高 校 情 報 科 の 取 り 組 み ~e-learning システム 導 入 とこれからの 展 望 ~ 札 幌 新 川 高 等 学 校 早 苗 雅 史 1 はじめに 高 校 必 修 科 目 の 未 履 修 問 題 が 大 きな 話 題 となっている 教 科 情 報 をまともに 教 えていない 学 校 の 多 い ことが 白 日 の 下 にさらされた この 事 実 は 以 前 からわかっていたことであるが, 実 態 は 予 想 以 上 にひどかっ た,という 印 象 である ある 道 立 高 校 の 教 頭 が 受 験 に 必 要 のない 教 科 が 本 当 に 必 要 か ( 道 新,10 月 29 日 付 )というコメントを 述 べていた この 言 葉 が 現 在 の 情 報 のおかれている 現 状 を 物 語 っているといえる 日 経 BP10 月 17 日 付 の 情 報 教 育 という 新 しい 格 差 の 現 実 (2) 情 報 の 授 業 が 退 屈 と 苦 行 の 分 化 を 強 い る という 記 事 の 中 で, 次 のような 記 述 がある クラスでひとまとめにして,Word や Excel の 実 習 と 称 し, まずは 入 力 と 教 えているのが, 情 報 の 授 業 の 実 態 のように 思 えてならない ( 中 略 ) 果 たして,それで 情 報 化 の 進 展 に 主 体 的 に 対 応 で きる 能 力 と 態 度 を 育 てることができるのだろうか 教 科 情 報 をまともに 教 えていない 学 校 が 多 い 上 に, 教 えていてもまともな 内 容 で 教 えていない,そん な 現 状 が 浮 かび 上 がってくる さて, 本 校 での 実 践 も 3 年 を 経 過 して,あらためて 教 科 情 報 の 必 要 性 とこれからの 可 能 性 を 実 感 して いるところである 教 科 の 特 性 上, 教 材 や 教 授 法 を 時 代 に 合 わせて, 毎 年 更 新 していかなくてはならない 今 年 度 は 新 たに, 情 報 の 収 集 と 分 析 分 野 において 新 聞 データベースを 導 入 した 座 学 の 評 価 という 面 に 関 して,e-Learning システムを 導 入 した 本 レポートではその e-learning システムに 関 する 部 分 を 紹 介 する 2 本 校 の 学 習 環 境 本 校 では 2 年 次 に 情 報 C を 2 単 位, 全 員 履 修 させている 教 員 は 専 任 1 名 ( 他 教 科 と 兼 任 )と 講 師 1 名 の 2 名 があわせて 8 クラスを 受 け 持 っている 全 ての 授 業 は 実 習 も 含 めてサポートなしの 状 況 で 行 ってい るため, 生 徒 一 人 ひとりへの 個 別 の 対 応 は 十 分 にはできない 電 子 ペンを 用 いた OA ボードで 説 明 センターモニターを 用 いた 一 斉 授 業 ハード 面 では 2 人 に 1 台 のセンターモニターを 備 えていて, 教 員 側 の 説 明 を 受 けながら 実 習 することがで きる また,センターモニターでの 説 明 のほかにプロジェクタを 用 いた OA ボードでの 提 示 もあり, 必 要 時 にモニターに 書 き 込 みながら 説 明 する このほか, 生 徒 用 に 2 人 に 1 台 のスキャナ,ムービーカメラ,1 人 1 1

2 台 のタブレットなどを 備 えている また, 最 近 は 携 帯 電 話 のメモリにストックされているデータを 用 いるこ とが 多 いため,リーダ ライタを 1 人 に 一 台,ミニ 対 応 も 8 台 を 備 えている コンピュータ 教 室 は 2 教 室 あり, 普 通 教 科 用 にも 同 じ 環 境 で 1 教 室 が 整 備 されている ソフト 面 ではビジネス 用 のソフトの 他,ドロー 系,フォトレタッチ 系 のソフトやアニメーション 用 のソフ トなどが 備 わっている 学 習 時 間 内 に 課 題 をこなせなかった 生 徒 のために, 朝 昼 放 課 後 にコンピュータ 教 室 を 開 放 している 今 年 度 はコンスタントに 教 室 が 埋 まっている 状 況 が 続 いている 意 外 と 朝 の 利 用 率 も 高 い 3 家 庭 での 学 習 環 境 毎 年 2 年 生 を 対 象 に 4 月 に 行 っているアンケート 調 査 によると, 本 校 生 徒 の 家 庭 でのパソコン 保 有 率 は 94%,インターネット 回 線 率 は 87%という 高 い 数 値 を 示 している 自 分 専 用 のパソコンを 持 つ 生 徒 も 25%と, 4 人 に 一 人 となっている このことからも 家 庭 でもパソコン(またはインターネット)を 用 いた 学 習 が 可 能 な 生 徒 がほとんどということになる 0% 50% 100% パソコン 保 有 率 ( 家 庭 ) ある 94.2 ない 5.8 パソコン 保 有 率 ( 個 人 ) ある 25.3 ない 74.7 インターネット 回 線 率 ある 87.0 ない 13.0 家 庭 での 学 習 環 境 ( 対 象 者 : 新 川 高 校 2 年 生, 実 施 時 期 :2006 年 4 月, 回 答 総 数 :292) パソコンを 個 人 でどのように 利 用 しているかという 調 査 では,インターネット 利 用 という 割 合 が 圧 倒 的 に 多 い 以 前 に 比 べ,ワープロや 表 計 算 の 利 用 率 が 減 ってきているというのも 特 徴 的 である 100.0% ホームページ 作 成 74.7% 80.0% 60.0% 40.0% 20.0% インターネット 閲 覧 42.8% ワープロ 43.2% サウンド ソフト 19.9% ペイント 系 ソフト 32.2% メールソフト 32.5% ワープロ 表 計 算 データベース プレゼンテーション ペイント 系 ソフト ドロー 系 ソフト 3 次 元 グラフィックス プログラミング インターネット 閲 覧 メール ホームページ 作 成 サウンドソフト マルチメディア 作 成 0.0% よく 使 用 した たまに 使 用 した 使 用 していない よく 分 からない アプリケーションソフト 使 用 状 況 ( 学 校, 自 宅 を 問 わない) 詳 しいアンケート 結 果 は Web を 参 照 していただきたいが,このアンケート 結 果 にもあるように, 家 庭 での インターネットを 用 いた 学 習 環 境 はすでに 整 ってきているといえる インターネットの 持 つ 時 間 と 場 所 の 制 約 の 除 去 という 特 徴 を, 有 効 的 に 活 用 する 状 況 も 可 能 となってきている 2

3 4 オリジナル 副 教 材 情 報 ノート を 用 いた 学 習 指 導 本 校 の 学 習 内 容 は 表 にあるとおりである 実 習 時 間 の 方 が 多 めになっているが, 座 学 部 分 は 当 初 から 重 視 している 部 分 で, 年 間 20 時 間 ほどを 割 り 当 てている 教 科 書 は 実 習 部 分 をあまり 取 り 入 れていないものを 採 用 している 実 習 部 分 は 各 学 校 の 実 態 により 大 きく 内 容 が 異 なるためである 授 業 用 として 教 科 書 をベースにしたオリジナル 副 教 材 情 報 ノート を 作 成 している この 情 報 ノート は 教 科 書 の 内 容 をベースに, 書 き 込 み 式 となっている 座 学 時 実 習 時 序 章 実 習 を 受 けるに 当 たってのオリエンテーション 1 第 1 節 社 会 と 情 報 2 情 報 活 用 の 基 礎 1 第 2 節 情 報 機 器 とコンピュータ 第 1 章 情 報 のディジタル 化 第 1 回 テキストエディタ 第 2 回 ワープロソフト 第 1 節 情 報 のディジタル 化 のしくみ 第 3 回 表 計 算 ソフト 5 第 2 節 情 報 機 器 の 種 類 と 特 性 第 4 回 ペイント フォトレタッチソフト1 第 3 節 情 報 機 器 を 活 用 した 表 現 方 法 第 2 章 情 報 通 信 ネットワークとコミュニケー ション 第 1 節 情 報 通 信 のしくみ(2 時 間 ) 第 5 回 ペイント フォトレタッチソフト2 第 6 回 ドローソフト1 第 7 回 ドローソフト2 第 8 回 ドローソフト3 15 第 2 節 情 報 通 信 の 効 率 的 な 方 法 6 第 9 回 ペイント フォトレタッチソフト3 画 像 の 圧 縮 ファイルの 圧 縮 と 解 凍 第 3 節 コミュニケーションにおけるネットワ ークの 活 用 第 10 回 ムービーソフト1 第 11 回 ムービーソフト2 第 12 回 演 習 (4 時 間 ) 第 3 章 情 報 の 収 集 発 信 と 個 人 の 責 任 情 報 発 信 の 基 礎 1 第 1 節 情 報 の 公 開 保 護 と 個 人 の 責 任 第 1 回 スライドの 作 成 4 第 2 節 ネットワークを 活 用 した 情 報 の 収 集 第 2 回 画 像 グラフの 作 成, 挿 入 8 発 信 (3 時 間 ) 第 3 回 アニメーションの 設 定 第 4 章 情 報 化 の 進 展 と 社 会 への 影 響 第 1 節 社 会 で 利 用 されている 情 報 システム 2 第 4 回 演 習 (4 時 間 ) 第 5 回 発 表 (グループ, 全 体 各 1 時 間 ) 第 2 節 情 報 化 が 社 会 に 及 ぼす 影 響 定 期 考 査 2 情 報 の 収 集 と 分 析 1 第 1 回 情 報 検 索 の 基 礎 3 第 2 回 小 論 文 作 成 (2 時 間 ) 情 報 発 信 の 基 礎 2 第 1 回 テキストの 表 示 第 2 回 画 像 の 挿 入 第 3 回 表 の 作 成 10 第 4 回 リンク 第 5 回 フレームの 作 成 第 6 回 演 習 (5 時 間 ) 情 報 の 収 集 と 分 析 2 第 1 回 データの 並 べ 替 えと 抽 出 第 2 回 クロス 集 計 (4) 第 3 回 関 数 を 利 用 した 統 計 処 理 第 4 回 グラフを 利 用 した 分 析 情 報 活 用 の 基 礎 2 データの 保 存 CD ラベル 制 作 1 座 学 と 実 習 の 学 習 内 容 一 覧 教 師 の 説 明 用 にオリジナルのプレゼンテーションを 用 意 し, 前 面 には OA ボード, 生 徒 側 にはセンターモ ニターを 用 いて 授 業 が 進 められる OA ボードからの 書 き 込 みもセンターモニターに 直 接 投 影 される 生 徒 は 説 明 を 受 けながら 情 報 ノート に 随 時 書 き 込 んだり, 用 意 された 設 問 を 解 いたりして 時 間 内 にノ 3

4 ートを 完 成 させるようにしている ただ 単 に 話 を 聞 くだけでなく, 座 学 の 授 業 にも 作 業 させる 形 をとる ことで, 授 業 の 活 性 化 を 図 っている 今 年 から 授 業 の 最 後 15 分 くらいを 用 いて 確 認 テストを 実 施 している 後 でまた 述 べるが,この 確 認 テス トに e-learning システムを 用 いている 1 回 に 10 問 ~15 問 くらいの 選 択 式 の 問 題 を 生 徒 は 解 き 提 出 する 提 出 すると, 提 出 した 解 答 の 正 誤 状 況 や 成 績, 全 体 の 中 の 順 位 などを 即 座 に 知 ることができる また, 管 理 者 は 全 体 の 成 績 を 一 覧 にして 取 得 することができるようになっている 座 学 用 オリジナルテキスト 情 報 ノート 2007 の1ページ 年 間 の 進 度 計 画 にそって Web 上 からも 同 じものを 閲 覧 することができ, 同 時 に PDF ファイルでもダウン ロードすることができる Web 上 で 全 ての 授 業 の 内 容 や 評 価 基 準 を 公 開 することで, 新 教 科 の 不 安 を 解 消 す ると 同 時 に, 教 材 のデータベース 化 を 狙 っている 定 期 考 査 は 2 回 実 施 し, 授 業 での 学 習 内 容 ( 実 習 部 分 を 含 めて)を7 割, 情 報 倫 理 ( 副 教 材 として 使 用 )3 割 を 出 題 している 解 答 は,マークシート 方 式 で 行 なっている 内 容 は 単 に 言 葉 の 知 識 を 問 うものではなく, 正 誤 問 題 を 中 心 として,じっくりと 考 えさせる 問 題 を 中 心 に 作 問 している 結 果 は 個 人 成 績 表 として 返 却 マークシートのため, 誤 答 分 析 などが 簡 単 にできるメリットがある 5 Web とタイアップした 独 自 の 学 習 ノート 実 習 に 関 しても 本 校 の 環 境 に 即 したオリジナルテキストを 作 成 している 画 像 等 の 実 習 用 にカラー 印 刷 し なければならず,そのためテキストは 50 冊 だけ 用 意 し 教 室 に 常 時 置 いている 放 課 後 のコンピュータ 教 室 開 放 時 にも, 実 習 ノートを 手 元 において 気 軽 に 作 業 できる 形 になっている また, 実 習 ノートはバインダー 式 になっていて, 毎 年 コンテンツを 更 新 できるようになっている 実 習 用 オリジナルテキスト 情 報 ノート の1ページ 内 容 としてはできるだけ 幅 広 い 分 野 を 網 羅 できるようにしている 具 体 的 には,1 様 々なアプリケーショ ンソフトを 用 いた 情 報 活 用 の 基 礎,2プレゼンテーションソフトを 用 いた 情 報 発 信 の 基 礎,3 新 聞 データベ ースを 用 いた 情 報 の 収 集 と 分 析,4 表 計 算 ソフトを 用 いた 情 報 の 収 集 と 分 析,5Web ページ 作 成 のための 情 報 発 信 の 基 礎,の 5 つからなっている 実 際 の 実 践 例 を 具 体 的 に 取 り 上 げてみる 上 の 画 像 はペイント フォトレタッチソフトを 用 いた 画 像 の 加 工 の 実 習 用 テキストの 一 部 である 次 のようなステップで 1 時 間 の 課 題 を 作 成 させる 4

5 1 女 の 子 の 画 像 をベジェ 曲 線 でトレースする 2 トレースしたパスを 選 択 範 囲 に 変 換 して 保 存,コピーする 3 背 景 画 像 にフィルタを 用 いて 加 工 する 4 切 り 取 り,コピーした 女 の 子 の 画 像 を 背 景 画 像 に 貼 り 付 ける 5 合 成 した 画 像 にテキスト 文 字 を 追 加 レイヤー 効 果 を 加 えて 完 成 実 際 に 手 軽 で, 興 味 を 引 く 実 習 となった また, 実 習 時 にはパスやレイヤー,フィルタといった 基 礎 用 語 の 解 説 も 同 時 に 行 なった 実 習 風 景 プレゼンテーション 全 体 発 表 毎 時 間 の 課 題 は PDF ファイルに 変 換 して 提 出 させている 提 出 されたデータが 問 題 なければ 承 認 印 を, 問 題 がある 場 合 は 問 題 箇 所 を 指 摘 して, 再 提 出 させる PDF ファ イルでの 提 出 は 多 いに 役 立 っている 下 に 実 際 に 実 習 で 作 成 した 生 徒 作 品 の 一 部 を 載 せているが, ホームページ 制 作 による 作 品 は, 新 川 高 校 情 報 科 の Web ページ から 見 ることができるので, 是 非 参 照 していただきたい また, 毎 年 積 み 重 なった 全 ての 作 品 は 次 の 学 年 の 生 徒 が 参 照 することができ,それらを 参 考 にして,よりオリジナリティー の 高 い 作 品 が 生 まれてきている PDF ファイルによる 課 題 の 提 出 マルチメディア 作 品 プレゼンテーション 作 品 Web ページ 作 品 5

6 6 興 味 関 心 を 引 くための 工 夫 教 科 情 報 においては, 教 える 側 にとって, 教 える 喜 びと 大 変 さが 同 居 したそんな 両 面 が 存 在 する 教 科 としての 歴 史 が 浅 く, 確 固 たる 指 導 内 容 体 制 が 確 立 されていない 点 があるからである 逆 に,だからこ そ 自 分 なりの 工 夫 の 余 地 がまだまだ 残 されている そんな 工 夫 のいくつかを 次 にあげる 1 教 科 通 信 情 報 BOX 教 科 情 報 における 様 々なトピックスを 教 科 通 信 としてまとめたものである 様 々な 情 報 はインターネ ットを 用 いれば 簡 単 に 手 に 入 れることができる そのためのナビゲータとしての 働 きが,この 教 科 通 信 情 報 BOX である 実 習 用 のテキストの 一 部 として 閲 覧 できるようになっている 2 作 品 集 My Favorite Gallary 情 報 活 用 の 基 礎 では 様 々なアプリケーションソフトを 用 いて 作 品 作 りを 行 う 作 品 作 りの 参 考 となる ようなサンプル 作 品 を 集 めたページである 情 報 BOX の 1 ページ My Favorite Gallary のトップページ 3JavaScript を 用 いた 情 報 教 材 Tips 集 教 科 情 報 を 学 習 する 上 で,あると 便 利 な 教 材 を 集 めている 様 々な 話 題 を JavaScript を 用 いて 学 習 す ることができる 4 色 に 関 する 情 報 COLOR MEMO 画 像 処 理 を 行 ううえで, 色 に 関 する 知 識 は 大 変 重 要 である 作 品 にあった 色 の 選 択 や 色 の 名 前 に 関 す る 知 識 を 学 ぶことができる 情 報 教 材 Tips 集 の 1 ページ COLOR MEMO の 1 ページ 7 e-learning システムの 導 入 本 校 では 06 年 10 月 に 千 歳 科 学 技 術 大 学 (CIST)と 高 大 連 携 を 結 び,e-Learning システムを 教 科 情 報 の 中 で 活 用 できることになった 道 内 では 12 校 目 の 提 携 校 で, 教 科 情 報 での 連 携 は 初 となる Moodle や NetCommons などのシステムが 高 校 現 場 にも 顔 を 出 し 始 めたが, 本 校 で 千 歳 科 学 技 術 大 学 のシス テムを 導 入 した 大 きな 理 由 は 次 の 点 である 大 学 側 でシステムを 用 意 してくれるため, 高 校 側 で 新 たにシステムを 構 築 する 必 要 がない LMS(Learning Management System) 機 能 やレポート 提 出 機 能,BBS 機 能 といった 様 々なコミュニケー ション 機 能 を 備 え, 以 前 より 大 幅 に 使 いやすくなった 6

7 長 年 積 み 重 ねた 豊 富 なコンテンツを 利 用 できると 同 時 に, 新 たなコンテンツ 作 成 も 学 校 側 で 内 容 を 提 供 すれば, 作 成 は 大 学 側 で 行 ってくれる e-learning システムの 概 要 についてここでは 割 愛 するが,このシステムの 全 てが 万 能 なわけではないのは 当 然 である しかし, 生 徒 の 学 習 活 動, 更 には 指 導 者 にとっての 知 識 管 理 機 能,そしてコミュニケーション 機 能 としての 役 割 などは, 導 入 して 間 もない 本 校 においても 既 になくてはならない 存 在 となってきた 8 テスト 管 理 機 能 の 活 用 特 に,CIST の 様 々な 機 能 の 中 で, 本 校 ですぐに 実 践 したのがテスト 機 能 である 授 業 の 最 後 に 確 認 テスト として 15 分 ほど 実 施 する 学 習 者 はテストの 解 答 を 提 出 した 後 に, 問 題 の 正 誤 情 報 と 得 点, 順 位, 平 均 点, 成 績 上 位 者 ( 上 位 20 名 )といった 情 報 を 手 に 入 れることができる 管 理 者 はテスト 受 験 者 の 成 績 一 覧 を 瞬 時 に データ として 手 に 入 れることができるため, 評 価 資 料 の 一 部 として 活 用 できる 教 科 情 報 においては 座 学 が 敬 遠 されがちで, 座 学 の 授 業 自 体 をやっていない 学 校 もあるようである 本 校 では 前 述 の 通 り, 座 学 の 活 性 化 のために,オリジナルの 書 き 込 み 式 教 材 情 報 ノート とプレゼンをメ インに 座 学 授 業 の 活 性 化 を 図 ってきた そして,この e-learning システムを 用 いた 確 認 テストの 導 入 により, 授 業 スタイルの 確 立 が 図 られたといえる 来 年 度 はこの 確 認 テストをメインにして, 定 期 考 査 が 廃 止 できるかどうかを 検 討 していくつもりである テスト 問 題 の 選 択 テスト 問 題 テストの 成 績 画 面 学 習 状 況 の 時 系 列 データ E-Learning システムを 用 いた 授 業 風 景 7

8 9 レポート 箱 機 能, 連 絡 メッセージ 機 能 の 活 用 実 習 の 課 題 を 提 出 させる 方 法 として レポート 管 理 機 能 が 用 意 されている 特 にこの 機 能 の 有 効 な 点 は 家 庭 で 課 題 を 作 成 したときにも 利 用 できる 点 である 教 師 側 から 提 示 されたレポート 課 題 の 内 容 や 提 出 期 限 などが TOP 画 面 に 表 示 され, 生 徒 は 課 題 が 出 ている ことを 確 認 することができる 課 題 をクリックすると, 提 示 された 課 題 内 容 とレポートの 提 出 フォームが 表 示 される インターネット 環 境 があればどこからでも 課 題 をサーバーへ UP することができる 仕 組 みになっ ている 本 校 では 課 題 の 提 出 が 毎 時 間 あり, 更 に 演 習 などに 時 間 がかかる 課 題 もあるため, 時 間 内 に 課 題 を 消 化 で きない 生 徒 も 多 い 朝 昼 休 み 放 課 後 に PC 教 室 を 開 放 しているが,それでも 時 間 が 足 りない 生 徒 もいる そのため 家 に 持 ち 帰 り, 課 題 を 完 成 させる 生 徒 もいる そうした 場 合 に 便 利 な 機 能 となっている 電 子 学 習 システムトップ 画 面 レポート 課 題 の 詳 細 10 これからの 展 望 CIST の e-learning システムの 本 校 での 活 用 は,まだ 始 まったばかりである テスト 機 能 の 活 用 はすぐに 軌 道 にのり,なおかつ 授 業 の 一 環 としてすでになくてはならないものとなっている 更 に 現 在 の 本 校 の 学 習 活 動 において 不 十 分 な 点 を 補 充 したり,より 便 利 な 環 境 を 作 るために, 以 下 の 点 を 現 在 計 画 している 1 生 徒 へのフィードバック 機 能 とブリーフケース 機 能 レポート 箱 機 能 では 課 題 を UP するだけであったが,それを 評 価 してもう 一 度, 教 師 側 から 生 徒 へ 返 却 できるシステムの 構 築 また, 家 庭 と 学 校 とのデータの 持 ち 運 びのための ブリーフケース のよう な 機 能 の 作 成 特 に 2 点 目 に 付 いては, 現 在 データの 持 ち 運 びには USB メモリの 貸 し 出 しを 行 っている が, 数 の 制 限 もあり 苦 慮 しているところである 現 在 のシステムは 課 題 の 提 出 はできるが,UP したデー タを DL することはできない この 点 を 改 良 していただければと 思 う 2 大 学 からの 授 業 支 援 情 報 発 信 の 基 礎 における FLASH を 用 いたプレゼン 制 作 の 実 施 CIST の e-learning システムは FLASH を 用 いている そのノウハウを 高 校 現 場 にも 生 かしていきたいと 考 える その 際 にテレビ 会 議 システムを 通 した 講 義 ができないかを 検 討 する 3コンテンツの 共 同 制 作 高 校 情 報 分 野 のコンテンツ( 教 科 書, 演 習 )の 作 成 特 に 映 像 での 配 信 は 効 果 的 と 考 える 実 習 の 手 順 等 を 映 像 で 配 信 することで, 教 師 の 役 割 は 主 体 からサポートへ 変 化 する いつも 実 習 時 に 一 人 しかいないた め, 満 足 なサポートができない 現 状 を 変 えるいい 方 法 といえる 4 他 教 科 での 利 用 先 ほど 述 べたように 本 校 生 徒 の 家 庭 でのパソコン 保 有 率 は 非 常 に 高 い こうした 環 境 を 日 常 の 家 庭 学 習 に も 利 用 していくことがすぐにでも 可 能 である また 他 教 科 の 先 生 方 からのコンテンツ 提 供 なども, 申 し 出 があれば 可 能 である 8

9 11 さいごに コンテンツ 型 の e-learning システム 導 入 には 懐 疑 的 な 部 分 が 多 かった それは CIST の 実 践 例 報 告 を 見 た 場 合, 一 般 教 科 において e-learning システムを 一 斉 授 業 に 無 理 に 導 入 しようとしているものが 目 につい たからである e-learning システムはあくまで Personal な 使 い 方 をするべきで, 一 斉 授 業 の 中 でのプレゼン 型 の 使 用 法 はあまり 効 果 がないのではないだろうか 本 校 で 真 っ 先 に 使 用 した 機 能 はテスト 機 能 である 取 り 組 みやすく, 効 果 が 期 待 できるからである 今 回 の CIST のシステム 導 入 は, 数 ある 機 能 のうちのごく 一 部 分 しか 使 用 していないが,これからも 長 く 続 けて いける,そんな 必 要 性 と 可 能 性 を 十 分 感 じている 以 前 の 機 能 に 比 べ, 教 師 側 と 学 生 側 とのコミュニケーション 機 能 が 圧 倒 的 に 整 備 され,より LMS として の 形 を 装 備 したシステムとなった そんな 点 を 今 後 はより 日 常 的 に 活 用 していく 必 要 があろう 本 校 では 情 報 の 専 任 はいない かくいう 私 も 籍 は 他 教 科 である そんな 中, 毎 年 変 わる 教 材 内 容, 膨 大 な 量 の 課 題 の 評 価 など, 情 報 に 費 やす 時 間 は 大 きい 教 師 の 負 担 軽 減 を 助 けるものではない とシス テム 開 発 者 の 小 松 川 先 生 はいうが,このシステムの 導 入 は 現 場 にとっては 大 きな 手 助 けとなっている 使 っ ている 現 場 の 労 力 削 減,そして 学 習 効 果 向 上 がなされているだけでも,とても 魅 力 あるシステムといえる CIST を 用 いた 情 報 としての 取 り 組 みは 本 校 が 始 めてであるが,この 輪 を 全 国 にも 広 げていきたいと 考 え る < 参 照 サイト> 札 幌 新 川 高 校 情 報 科 数 学 とソフトウエア INFORMATION 情 報 ノート 千 歳 科 学 技 術 大 学 e カレッジ 9