化学物質の環境リスク評価 第8巻

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1 [8]チタン 及 びその 化 合 物 8 チタン 及 びその 化 合 物 1. 物 質 に 関 する 基 本 的 事 項 (1) 分 子 式 分 子 量 構 造 式 1) チタン 物 質 名 : チタン CAS 番 号 : 化 審 法 官 報 公 示 整 理 番 号 : 化 管 法 政 令 番 号 : RTECS 番 号 :XR 元 素 記 号 :Ti 原 子 量 :47.87 換 算 係 数 :1 ppm = 1.96 mg/m 3 ( 気 体 25 ) 主 なチタン 化 合 物 は 以 下 の 通 りである No 物 質 名 CAS 番 号 化 審 法 官 報 公 示 整 理 番 号 RTECS 番 号 分 子 量 化 学 式 2) 酸 化 チタン ( 酸 化 チ タンとして) TiO 3) 二 酸 化 チタン ( 酸 化 チ タンとして) XR TiO 2 4) 二 酸 化 チタン (アナタース) BV TiO 2 5) 二 酸 化 チタン (ルチル) VM TiO 2 6) 三 酸 化 二 チタン ( 酸 化 チ タンとして) XR Ti 2 O 3 7) 四 塩 化 チタン XR TiCl 4 (2) 物 理 化 学 的 性 状 チタンおよび 主 なチタン 化 合 物 の 性 状 は 以 下 の 通 りである No 化 学 式 性 状 1) Ti 銀 色 の 固 体 又 は 灰 色 の 無 定 型 粉 末 である 1) 2) TiO 黄 黒 色 の 等 軸 晶 系 晶 である 2) 製 法 により 褐 色 青 色 などを 示 す 3) 3) TiO 2 無 色 正 方 晶 系 の 結 晶 である 2) 結 晶 構 造 としてアナタース(アナタ ーゼ) ルチル ブルッカイトがある 4) 4) TiO 2 (アナタース) 低 温 安 定 の 正 方 晶 系 晶 である 2) 黒 褐 色 の 正 方 晶 系 である 3) 5) TiO 2 (ルチル) 高 温 安 定 の 正 方 晶 系 晶 である 2) 無 色 から 黒 色 までの 種 々の 色 を 示 す が 純 粋 なものは 無 色 である 3) 6) Ti 2 O 3 黒 紫 色 の 六 方 晶 系 である 3) 1) 7) TiCl 4 透 明 な 液 体 又 は 淡 黄 色 の 液 体 2) である 1

2 No 化 学 式 融 点 沸 点 密 度 1) Ti ) ) ) ) 4.5 g/cm 3 (25 ) 2) 2) TiO ) ),3) >3000 2),5) 4.95 g/cm 3 5) 4.93 g/cm 3 2) 3) TiO ) 2),3) 3000 以 上 で 分 解 4.0 g/cm 3 5) 3) 1640 で 溶 融 4.17 g/cm 3 2) 4) TiO 2 3) 1640 で 溶 融 3) 3000 以 上 で 分 解 3.9 g/cm 3 5) (アナタース) 5) TiO ) 2500~3000 5) 4.23 g/cm 3 5) (ルチル) 3) 1640 で 溶 融 3) 3000 以 上 で 分 解 6) Ti 2 O ) 2130 で 融 解 せずに g/cm 3 5) 3) 分 解 7) TiCl ) -30 1), 2) ),5) 136 1) g/cm 3 5) No 化 学 式 蒸 気 圧 log Kow 解 離 定 数 1) Ti 2) TiO 3) TiO 2 4) 5) TiO 2 (アナタース) TiO 2 (ルチル) 6) Ti 2 O 3 7) TiCl mmHg(=1330Pa) (20 ) 5) No 化 学 式 水 溶 性 ( 水 溶 解 度 ) 1) Ti 水 に 不 溶 1) 2) TiO 水 に 不 溶 2) 3) TiO 2 水 に 不 溶 2) 4) TiO 2 (アナタース) 5) TiO 2 (ルチル) 6) Ti 2 O 3 冷 水 温 水 に 不 溶 3) 7) TiCl 4 冷 水 に 可 溶 で 温 水 では 分 解 する 2) 熱 水 により 加 水 分 解 されて 難 溶 性 の オキシ 塩 化 物 TiCl 3 OH TiCl 2 (OH) 2 TiCl(OH) 3 および 水 酸 化 物 Ti(OH) 4 を 生 ずる 3) (3) 環 境 運 命 に 関 する 基 礎 的 事 項 1 大 気 大 気 中 のチタン 化 合 物 ( 例 えば 二 酸 化 チタン)は 粒 子 状 態 で 存 在 し 粒 子 状 のチタン 化 合 物 は 乾 性 沈 着 または 湿 性 沈 着 により 大 気 から 除 かれる 6) 気 相 中 の 四 塩 化 チタンは 直 ち 2

3 に 反 応 して 塩 酸 塩 や 二 酸 化 チタンを 生 成 する 6) 2 水 域 環 境 中 での 主 な 酸 化 数 は 4 価 で 低 い 酸 化 状 態 ( 例 えば 0 価 3 価 )でも 存 在 するが 直 ちに 酸 化 されて 4 価 になる 6) 単 純 な 水 溶 性 Ti イオンでは 存 在 せず 酸 性 では TiO + 2 Ti(OH) 2+ 2 中 性 では 溶 解 性 Ti イオンは 水 和 したチタン 酸 化 物 や 不 溶 性 のオキソニウム 塩 となる 6) 二 酸 化 チタンは 化 審 法 の 既 存 化 学 物 質 安 全 性 点 検 により 高 濃 縮 性 ではないと 判 断 されて いる 7) 生 物 濃 縮 係 数 (BCF)は 以 下 の 通 りである <1.1~9.6( 試 験 生 物 :コイ 試 験 期 間 :6 週 間 試 験 濃 度 :2.0 mg/l) 7) <10( 試 験 生 物 :コイ 試 験 期 間 :6 週 間 試 験 濃 度 :0.2 mg/l) 7) 3 土 壌 チタン 化 合 物 は 主 に 不 溶 性 酸 化 物 や 水 和 酸 化 物 で 存 在 するため 土 壌 中 では 移 動 しない 6) (4) 製 造 輸 入 量 及 び 用 途 1 生 産 量 輸 入 量 等 チタン 及 びその 化 合 物 の 化 学 物 質 の 製 造 輸 入 量 に 関 する 実 態 調 査 における 製 造 ( 出 荷 ) 及 び 輸 入 量 を 表 1.1~ 表 1.3 に 示 す 8), 9), 10) 表 1.1 平 成 13 年 度 における 製 造 ( 出 荷 ) 及 び 輸 入 量 酸 化 チタン チタン 酸 バリウム 物 質 名 称 製 造 ( 出 荷 ) 及 び 輸 入 量 100,000~1,000,000t/ 年 未 満 1,000~10,000t/ 年 未 満 表 1.2 平 成 16 年 度 における 製 造 ( 出 荷 ) 及 び 輸 入 量 酸 化 チタン チタン 酸 バリウム 物 質 名 称 製 造 ( 出 荷 ) 及 び 輸 入 量 100,000~1,000,000t/ 年 未 満 1,000~10,000t/ 年 未 満 表 1.3 平 成 19 年 度 における 製 造 ( 出 荷 ) 及 び 輸 入 量 酸 化 チタン チタン 酸 バリウム 物 質 名 称 製 造 ( 出 荷 ) 及 び 輸 入 量 100,000~1,000,000t/ 年 未 満 1,000~10,000t/ 年 未 満 注 : 値 は 官 報 公 示 整 理 番 号 ごとに 集 計 されたものを 示 す 3

4 酸 化 チタンの 生 産 量 の 推 移 を 表 1.4 に 示 す 11) 表 1.4 酸 化 チタンの 生 産 量 の 推 移 平 成 ( 年 ) 生 産 量 (t) 253, , , , ,228 アナタース 型 47,585 44,438 38,960 39,071 39,481 ルチル 型 205, , , , ,747 2 輸 入 量 チタンの 酸 化 物 チタン 及 びその 製 品 (くずを 含 む)の 輸 入 量 の 合 計 値 の 推 移 を 表 1.5 に 示 す 17) 表 1.5 輸 入 量 の 推 移 平 成 ( 年 ) 輸 入 量 (t) a) 15,169 22,830 24,632 20,180 18,623 平 成 ( 年 ) 輸 入 量 (t) a) 22,152 19,039 20,866 25,477 26,301 a) 普 通 貿 易 統 計 ( 尐 額 貨 物 (1 品 目 が 20 万 円 以 下 ) 見 本 品 等 を 除 く) 品 別 国 別 表 より 集 計 3 輸 出 量 チタンの 酸 化 物 チタン 及 びその 製 品 (くずを 含 む)の 輸 入 量 の 合 計 値 の 推 移 を 表 1.6 に 示 す 17) 表 1.6 輸 出 量 の 推 移 平 成 ( 年 ) 輸 入 量 (t) a) 48,037 45,118 47,588 43,801 46,603 平 成 ( 年 ) 輸 入 量 (t) a) 54,261 51,565 53,053 57,175 52,173 a) 普 通 貿 易 統 計 ( 尐 額 貨 物 (1 品 目 が 20 万 円 以 下 ) 見 本 品 等 を 除 く) 品 別 国 別 表 より 集 計 4 用 途 微 粒 子 状 酸 化 チタンの 主 な 用 途 は 化 粧 品 シリコーンゴム UV カットの 塗 料 プラスチ ック 繊 維 磁 気 テープ トナー セラミックス 自 動 車 塗 料 その 他 化 学 品 インクジェッ ト 用 インキとされている 12) 四 塩 化 チタンの 主 な 用 途 は 金 属 チタンの 製 造 原 料 顔 料 塗 料 ポリエチレン 重 合 触 媒 とされている 12) チタン 酸 バリウムの 主 な 用 途 は 電 子 部 品 (セラミックコンデンサー EL(エレクトロルミ ネセンス))とされている 12) 4

5 平 成 19 年 における 酸 化 チタンの 用 途 別 国 内 需 要 量 を 表 1.7 に 示 す 13) 表 1.7 酸 化 チタンの 用 途 別 国 内 需 要 量 ( 平 成 19 年 ) 用 途 平 成 19 年 塗 料 74,423 ゴム 1,966 化 学 繊 維 2,978 インキ 顔 料 35,231 合 成 樹 脂 18,295 製 紙 10,140 その 他 17,435 平 成 21 年 7 月 14) および 平 成 21 年 8 月 15) における 酸 化 チタンの 用 途 別 出 荷 量 を 表 1.8に 示 す 表 1.8 酸 化 チタンの 用 途 別 出 荷 量 [t] 用 途 合 計 アナタース 型 ルチル 型 平 成 21 年 7 月 平 成 21 年 8 月 平 成 21 年 7 月 平 成 21 年 8 月 平 成 21 年 7 月 平 成 21 年 8 月 塗 料 4,216 3, ,035 3,637 ゴム 化 繊 インキ 顔 料 2,912 2, ,550 2,184 合 成 樹 脂 1, 製 紙 電 子 セラミック その 他 ( 硝 子 用 触 媒 用 その 他 ) 計 10,002 8,651 1,760 1,419 8,242 7,232 金 属 チタンの 主 な 用 途 としては 配 管 塔 漕 類 熱 交 換 機 の 設 備 材 が 挙 げられており その ほか 建 築 材 料 自 動 車 二 輪 車 のマフラー 医 療 用 材 料 や 民 生 品 などにも 用 いられている 16) (5) 環 境 施 策 上 の 位 置 付 け チタン 及 びその 化 合 物 は 有 害 大 気 汚 染 物 質 に 該 当 する 可 能 性 がある 物 質 に 選 定 されている 5

6 2.ばく 露 評 価 環 境 リスクの 初 期 評 価 のため わが 国 の 一 般 的 な 国 民 の 健 康 や 水 生 生 物 の 生 存 生 育 を 確 保 する 観 点 から 実 測 データをもとに 基 本 的 には 化 学 物 質 の 環 境 からのばく 露 を 中 心 に 評 価 する こととし データの 信 頼 性 を 確 認 した 上 で 安 全 側 に 立 った 評 価 の 観 点 から 原 則 として 最 大 濃 度 により 評 価 を 行 っている (1) 環 境 中 への 排 出 量 本 物 質 は 化 学 物 質 排 出 把 握 管 理 促 進 法 ( 化 管 法 ) 第 一 種 指 定 化 学 物 質 ではないため 排 出 量 及 び 移 動 量 は 得 られなかった (2) 媒 体 別 分 配 割 合 の 予 測 環 境 中 におけるチタン 及 びその 化 合 物 の 化 学 形 態 は 明 らかでないため 媒 体 別 分 配 割 合 の 予 測 を 行 うことは 適 切 ではない したがって チタン 及 びその 化 合 物 の 媒 体 別 分 配 割 合 の 予 測 は 行 わなかった (3) 各 媒 体 中 の 存 在 量 の 概 要 本 物 質 の 環 境 中 等 の 濃 度 について 情 報 の 整 理 を 行 った 媒 体 ごとにデータの 信 頼 性 が 確 認 さ れた 調 査 例 のうち より 広 範 囲 の 地 域 で 調 査 が 実 施 されたものを 抽 出 した 結 果 を 表 2.1 に 示 す 表 2.1 各 媒 体 中 の 存 在 状 況 媒 体 幾 何 平 均 値 算 術 平 均 値 最 小 値 最 大 値 検 出 下 限 値 検 出 率 調 査 地 域 測 定 年 度 文 献 一 般 環 境 大 気 µg/m a) 8/8 全 国 ) a) 12/12 全 国 ) 室 内 空 気 µg/m a) 9/9 全 国 ) a) 2/2 東 京 都 ) 食 物 µg/g /49 c) ) 飲 料 水 地 下 水 µg/l µg/l 土 壌 µg/g b) 54 b) b) - - /78 全 国 - 6) 公 共 用 水 域 淡 水 µg/l a) 10/10 茨 城 県 ) d) 公 共 用 水 域 海 水 µg/l 底 質 ( 公 共 用 水 域 淡 水 ) 底 質 ( 公 共 用 水 域 海 水 ) 魚 類 ( 公 共 用 水 域 淡 水 ) µg/g µg/g µg/g 6

7 媒 体 魚 類 ( 公 共 用 水 域 海 水 ) µg/g 幾 何 平 均 値 算 術 平 均 値 最 小 値 最 大 値 検 出 下 限 値 検 出 率 調 査 地 域 測 定 年 度 文 献 貝 類 ( 公 共 用 水 域 淡 水 ) µg/g 貝 類 ( 公 共 用 水 域 海 水 ) µg/g 注 :a) 公 表 されていない b) 原 著 の 値 を 転 記 濃 度 データは 各 調 査 地 点 (78 地 点 )の 平 均 値 による 集 計 値 ではなく 各 サンプル(514 検 体 )の 濃 度 データを 集 計 したもの 調 査 地 点 は 森 林 が 最 も 多 いが 農 地 も 含 まれている c) 調 査 対 象 66 名 のうち 食 事 とともに 薬 品 を 提 供 された 試 料 は 除 いた49 名 を 集 計 した d) 0.2 µmフィルターろ 過 水 (4) 人 に 対 するばく 露 量 の 推 定 ( 一 日 ばく 露 量 の 予 測 最 大 量 ) 一 般 環 境 大 気 及 び 食 物 の 実 測 値 を 用 いて 人 に 対 するばく 露 の 推 定 を 行 った( 表 2.2) 化 学 物 質 の 人 による 一 日 ばく 露 量 の 算 出 に 際 しては 人 の 一 日 の 呼 吸 量 飲 水 量 食 事 量 及 び 土 壌 をそれぞれ 15 m 3 2 L 2,000 g 及 び 0.15 g と 仮 定 し 体 重 を 50 kg と 仮 定 している 表 2.2 各 媒 体 中 の 濃 度 と 一 日 ばく 露 量 媒 体 濃 度 一 日 ば く 露 量 大 気 一 般 環 境 大 気 µg/m 3 程 度 (2006) µg/kg/day 程 度 室 内 空 気 データは 得 られなかった データは 得 られなかった 平 水 質 飲 料 水 データは 得 られなかった データは 得 られなかった 地 下 水 データは 得 られなかった データは 得 られなかった 均 公 共 用 水 域 淡 水 データは 得 られなかった データは 得 られなかった 食 物 µg/g 程 度 (2000) 1.6 µg/kg/day 程 度 土 壌 5400 µg/g 程 度 ( 算 術 平 均 値 ) 16 µg/kg/day 程 度 大 気 一 般 環 境 大 気 0.2 µg/m 3 程 度 (2006) 0.06 µg/kg/day 程 度 室 内 空 気 データは 得 られなかった データは 得 られなかった 最 水 質 大 飲 料 水 データは 得 られなかった データは 得 られなかった 地 下 水 データは 得 られなかった データは 得 られなかった 値 公 共 用 水 域 淡 水 データは 得 られなかった データは 得 られなかった 食 物 0.11 µg/g 程 度 (2000) 4.4 µg/kg/day 程 度 土 壌 µg/g 程 度 78 µg/kg/day 程 度 人 の 一 日 ばく 露 量 の 集 計 結 果 を 表 2.3 に 示 す 吸 入 ばく 露 の 予 測 最 大 ばく 露 濃 度 は 一 般 環 境 大 気 のデータから 0.2 µg/m 3 程 度 となった 経 口 ばく 露 の 予 測 最 大 ばく 露 量 は 食 物 及 び 土 壌 のデータから 算 定 すると 82 µg/kg/day 程 度 となった 7

8 表 2.3 人 の 一 日 ばく 露 量 媒 体 平 均 ばく 露 量 (μg/kg/day) 予 測 最 大 ばく 露 量 (μg/kg/day) 大 気 一 般 環 境 大 気 室 内 空 気 飲 料 水 水 質 地 下 水 公 共 用 水 域 淡 水 食 物 土 壌 経 口 ばく 露 量 合 計 総 ばく 露 量 (5) 水 生 生 物 に 対 するばく 露 の 推 定 ( 水 質 に 係 る 予 測 環 境 中 濃 度 :PEC) 本 物 質 の 水 生 生 物 に 対 するばく 露 の 推 定 の 観 点 から 水 質 中 濃 度 を 表 2.4 のように 整 理 した 水 質 のデータは 得 られなかった 表 2.4 公 共 用 水 域 濃 度 水 域 平 均 最 大 値 淡 水 データは 得 られなかった データは 得 られなかった 海 水 データは 得 られなかった 注 : 淡 水 は 河 川 河 口 域 を 含 む データは 得 られなかった 8

9 3. 健 康 リスクの 初 期 評 価 健 康 リスクの 初 期 評 価 として ヒトに 対 する 化 学 物 質 の 影 響 についてのリスク 評 価 を 行 った なお チタン 及 びその 化 合 物 の 化 学 形 態 や 水 溶 性 不 溶 性 等 で 分 けた 評 価 はせず チタンと して 評 価 した (1) 体 内 動 態 代 謝 二 酸 化 チタン(TiO 2 )を 0.25%の 濃 度 で 餌 に 添 加 してラットに 投 与 した 結 果 7 日 間 で 投 与 量 の 92%が 糞 中 に 排 泄 され そのほとんどが 2 日 以 内 の 排 泄 であった 1) 12.5 mg/kg/day の TiO 2 ( 粒 子 径 0.5 µm)を 10 日 間 強 制 経 口 投 与 したラットでは 体 内 の Ti 粒 子 は 腸 間 膜 のリンパ 組 織 で 最 も 多 くみられ 次 いで 大 腸 や 腹 膜 肝 臓 にもあり 小 腸 や 脾 臓 肺 でもわずかにみられ たが 心 臓 や 腎 臓 にはなかった 体 内 への 取 り 込 みは 投 与 量 の 11.9%と 見 積 もられたが 胃 や 大 腸 等 の 組 織 を 除 外 しても 6.5%が 吸 収 されたことになり ポリスチレンラテックスの 微 粒 子 を 投 与 した 場 合 の 吸 収 率 と 同 程 度 であった 2) また ラットに 平 均 粒 子 径 µm の TiO 2 (5,000 mg/kg)を 単 回 強 制 経 口 投 与 して 2 週 間 後 に 体 内 濃 度 を 調 べたところ 吸 収 され たチタンの 残 留 は 主 に 肝 臓 や 脾 臓 腎 臓 肺 でみられ 肝 臓 肺 の 濃 度 は 0.08 µm 群 腎 臓 の 濃 度 は µm 群 脾 臓 の 濃 度 は µm 群 でそれぞれ 有 意 に 高 かった 3) マウスに 60 mg/kg の TiO 2 (0.015 µm)を 静 脈 内 投 与 して 5 分 72 時 間 1 ヵ 月 後 の 体 内 濃 度 を 調 べた 結 果 5 分 後 の 濃 度 は 肝 臓 で 最 も 高 く 腎 臓 や 肺 脾 臓 ではその 数 十 分 の 一 であった 時 間 の 経 過 とともに 肝 臓 や 腎 臓 肺 の 濃 度 は 減 尐 し 肝 臓 では 1 ヶ 月 で 約 30% 減 尐 したが 脾 臓 では 逆 に 増 加 した 4) 44 Ti(TiCl 4 )を 静 脈 内 又 は 腹 腔 内 に 投 与 したマウスでは 体 内 の 放 射 活 性 の 半 減 期 は 平 均 642 日 (593~732 日 )であったが 強 制 経 口 投 与 したマウスでは 体 内 の 放 射 活 性 は 24 時 間 後 にバックグラウンドレベルになったことから 消 化 管 からの 吸 収 は 無 視 できる 程 度 と 考 えられた 5) 44 Ti(TiCl 4 )を 静 脈 内 投 与 したヒツジでは 血 漿 の 放 射 活 性 は 急 速 に 減 尐 して 約 4 時 間 後 には 投 与 直 後 の 50%になったが その 後 の 減 尐 は 緩 慢 で 48 時 間 後 も 18.4%が 血 漿 に 残 存 していた 強 制 経 口 投 与 では 48 時 間 後 までの 糞 中 及 び 消 化 管 内 容 物 から 94~98%の 放 射 活 性 が 回 収 され 消 化 管 からの 吸 収 率 は 5% 未 満 と 考 えられた 6) 空 気 動 力 学 的 質 量 中 央 粒 径 (MMAD)が 1.0 µm のアナタース 型 TiO 2 を 16.5 mg/m 3 MMAD が 0.83 µm のルチル 型 TiO 2 を 19.3 mg/m 3 の 濃 度 でラットに 7 時 間 吸 入 させた 結 果 ばく 露 終 了 時 の 肺 沈 着 量 はアナタース 型 で 136 µg ルチル 型 で 151 µg であり 有 意 差 はなかった また 日 後 の 肺 に 残 留 していた TiO 2 量 にもアナタース 型 及 びルチル 型 で 有 意 差 はなく 肺 クリアランスの 半 減 期 は 51 日 及 び 53 日 であり 肺 の 細 胞 応 答 性 にも 有 意 差 はなかった 7) TiO 2 の 超 微 粒 子 (0.02~0.03 µm)88 mg/m 3 微 粒 子 (0.2 µm)274 mg/m 3 をラット( 鼻 部 )に 5 日 間 (6 時 間 / 日 ) 吸 入 させた 試 験 では 粒 子 は 吸 入 時 に 凝 集 状 態 となって 各 群 の MMAD は µm となり 0.1 µm 未 満 の 質 量 分 画 は 0.5% 0.05%しかなかった 5 14 日 後 の 肝 臓 腎 臓 脾 臓 脳 では TiO 2 は 検 出 限 界 値 未 満 (ND)であったが 肺 縦 隔 リンパ 節 では TiO 2 の 蓄 積 が みられ その 量 は 肺 で 圧 倒 的 に 多 く 超 微 粒 子 群 よりも 微 粒 子 群 で 数 倍 以 上 多 かった 電 子 顕 微 鏡 による 観 察 では TiO 2 粒 子 は 主 に 肺 胞 や 気 管 支 内 腔 肺 胞 マクロファージ 内 にあったが 超 微 粒 子 微 粒 子 とも 吸 入 時 と 同 サイズの 凝 集 粒 子 のままで 再 分 散 してはいなかった 8) ラットに 超 微 粒 子 (0.021 µm) 又 は 微 粒 子 (0.25 µm)の TiO 2 を 約 23 mg/m 3 の 濃 度 で 12 週 間 (6 時 間 / 日 5 日 / 週 ) 吸 入 させた 試 験 では MMAD は µm であり 12 週 までの 肺 の TiO 2 9

10 沈 着 量 に 有 意 差 はなかったが 肺 洗 浄 後 も 肺 に 残 存 していた TiO 2 と 肺 門 リンパ 節 の TiO 2 をあわ せた 分 画 の 割 合 は 12 週 後 の 超 微 粒 子 群 で 有 意 に 高 く 週 後 も 有 意 に 高 い 状 態 で 持 続 し 肺 クリアランスの 半 減 期 は 超 微 粒 子 群 で 501 日 微 粒 子 群 で 174 日 であって 超 微 粒 子 群 が 約 3 倍 長 かった また 両 粒 子 群 とも 肺 門 リンパ 節 の TiO 2 量 は 64 週 までの 観 察 期 間 内 に 一 貫 して 増 加 したが その 量 は 超 微 粒 子 群 の 方 がはるかに 多 かった この 結 果 は ばく 露 濃 度 は 同 じで も 超 微 粒 子 では 粒 子 の 絶 対 数 が 多 く 超 微 粒 子 は 肺 胞 上 皮 経 由 で 肺 間 質 内 に 取 り 込 まれて 沈 着 するために 肺 残 留 量 が 多 くなり 特 に 吸 入 後 再 分 散 する 性 質 の 粒 子 では 残 留 が 多 くなるこ とを 示 している 9) TiO 2 (0.1~0.4 µm)を mg/m 3 の 濃 度 で 2 年 間 (6 時 間 / 日 5 日 / 週 ) 吸 入 させた 試 験 では MMAD は 1.5~1.7 µm であり 粒 子 の 大 部 分 は 細 気 管 支 周 囲 及 び 肺 血 管 周 囲 組 織 内 の 粉 じん 細 胞 中 に 蓄 積 していたが 一 部 の 粒 子 は 気 管 支 周 囲 のリンパ 管 や 肺 血 管 から 全 身 の 循 環 系 に 入 り ばく 露 濃 度 に 対 応 して 肝 臓 の 小 葉 周 辺 や 脾 臓 の 白 脾 髄 などにも 移 動 することが 示 された 10) 超 微 粒 子 の TiO 2 を 含 む 日 焼 け 止 め 剤 を 4 日 間 で 16 回 前 腕 部 に 塗 布 して 皮 膚 への 浸 透 を 調 べ た 試 験 では 角 質 層 上 部 の 毛 包 に 浸 入 した TiO 2 粒 子 がみられたが その 総 量 は 塗 布 量 の 1%に も 満 たないものであった 11) また 粒 子 径 0.02 µm の TiO 2 ( 立 方 状 ) 0.01~0.015 µm の 粒 子 径 だが 凝 集 して 約 0.1 µm になった TiO 2 ( 針 状 ) 0.1 µm の TiO 2 ( 針 状 )をそれぞれ 1.8 mg ボラ ンティアの 前 腕 部 に 6 時 間 塗 布 した 後 にパンチ 生 検 法 で 採 取 した 皮 膚 試 料 を 顕 微 鏡 で 観 察 した 結 果 TiO 2 粒 子 は 角 質 層 の 最 外 層 にみられただけであった 12) なお 超 微 粒 子 の TiO 2 をリボ ゾーム 化 して 塗 布 すると 角 質 層 への 浸 入 深 度 が 増 加 した 13) (2) 一 般 毒 性 及 び 生 殖 発 生 毒 性 1 急 性 毒 性 表 3.1 急 性 毒 性 二 酸 化 チタン(TiO 2 ) 14) 動 物 種 経 路 致 死 量 中 毒 量 等 ラット 経 口 LD > 25,000 mg/kg ラット 経 口 LD 50 > 20,000 mg/kg ラット 経 口 LD 50 > 12,000 mg/kg ラット 経 口 LD 50 > 10,000 mg/kg マウス 経 口 LD 50 > 10,000 mg/kg ラット 吸 入 LC > 6,820 mg/m 3 (4 hr) ラット 吸 入 LC > 3,560 mg/ m 3 (4 hr) ラット 吸 入 LC > 2,290 mg/ m 3 (4 hr) ハムスター 経 皮 LD 50 > 10,000 mg/kg ウサギ 経 皮 LD > 10,000 mg/kg 注 :( ) 内 の 時 間 はばく 露 時 間 を 示 す 三 塩 化 チタン(TiCl 3 ) 15) 動 物 種 経 路 致 死 量 中 毒 量 等 ラット 経 口 LD 50 4,300 mg/kg 10

11 四 塩 化 チタン(TiCl 4 ) 16) 動 物 種 経 路 致 死 量 中 毒 量 等 ラット 経 口 LD mg/kg ラット 吸 入 LC 50 1,100 mg/m 3 (2hr) ラット 吸 入 LC 50 1,300 mg/ m 3 (1hr) ラット 吸 入 LC 50 3,000 mg/ m 3 (30 min) ラット 吸 入 LC 50 5,500 mg/ m 3 (15 min) ラット 吸 入 LC 50 36,000 mg/ m 3 (5 min) ラット 吸 入 LC 50 18,000 mg/ m 3 (2 min) ラット 吸 入 LC mg/ m 3 (4hr) ラット 吸 入 LC mg/ m 3 (2hr) ウサギ 経 皮 LD 50 3,160 mg/kg 注 :( ) 内 の 時 間 はばく 露 時 間 を 示 す 二 酸 化 チタン(TiO 2 )が 眼 に 入 ると 発 赤 を 生 じる 17) 四 塩 化 チタン(TiCl 4 )は 眼 皮 膚 気 道 に 対 して 腐 食 性 を 示 す 経 口 摂 取 すると 腐 食 性 を 示 し 蒸 気 を 吸 入 すると 肺 水 腫 を 起 こすことがある 吸 入 すると 咽 頭 痛 や 咳 灼 熱 感 息 切 れ 息 苦 しさを 生 じ 経 口 摂 取 すると 灼 熱 感 や 腹 痛 ショック 又 は 虚 脱 眼 や 皮 膚 に 付 くと 痛 みや 発 赤 熱 傷 を 生 じる 18) なお TiCl 4 の 毒 性 は 水 と 反 応 して 生 じた 塩 化 水 素 によるもの と 考 えられており 19) チタンそのものの 毒 性 とは 異 なることから TiCl 4 は 本 評 価 の 対 象 外 と する 2 中 長 期 毒 性 ア)Fischer 344 ラット 及 び B6C3F 1 マウス 雌 雄 各 50 匹 を 1 群 とし %の 濃 度 で 二 酸 化 チタン(TiO 2 )を 餌 に 添 加 して 13 週 間 投 与 した 結 果 ラット マウス ともに 死 亡 はなく 体 重 増 加 への 影 響 もなかった また 組 織 にも 投 与 に 関 連 した 影 響 は なかった 20) この 結 果 から NOAEL をラットで 10%(5,000 mg/kg/day 程 度 ) 以 上 マウ スで 10%(13,000 mg/kg/day 程 度 ) 以 上 とする イ)TiO 2 をモルモット(2 匹 )に 0.6 g/day ウサギ(2 匹 )とネコ(2 匹 )に 3 g/day イヌ(1 匹 )に 9 g/day として 390 日 間 経 口 投 与 した 結 果 一 般 状 態 等 に 悪 影 響 はなく 組 織 への 影 響 もなかった 21) ウ)Fischer 344 ラット 及 び B6C3F 1 マウス 雌 雄 各 50 匹 を 1 群 とし %の 濃 度 で TiO 2 を 餌 に 添 加 して 103 週 間 投 与 した 結 果 ラットでは 一 般 状 態 や 生 存 率 体 重 組 織 への 影 響 はなかった マウスでもほぼ 同 様 の 結 果 であったが 雄 の 生 存 率 が 103 週 後 の 各 群 で %であったのに 対 し 雌 では %であり 有 意 な 減 尐 傾 向 にあった 20) こ の 結 果 から ラットで NOAEL を 5%(2,500 mg/kg/day 程 度 ) 以 上 とする マウスでは 5% 群 (6,500 mg/kg/day 程 度 )の 雌 の 生 存 率 低 下 は 有 意 (P 0.01)と 試 算 されたが 過 去 に 実 施 した 同 系 統 の 雌 の 対 照 群 での 生 存 率 の 範 囲 内 にあったこと 雌 の 対 照 群 の 生 存 率 が 他 に 比 べて 高 かったことを 考 慮 し NOAEL 等 の 評 価 をしなかった エ)Ficher 344 ラット 雌 雄 各 50 匹 を 1 群 とし TiO 2 で 被 覆 した 雲 母 (TiO 2 28% 雲 母 72%) を %の 濃 度 で 餌 に 添 加 して 130 週 間 投 与 した 結 果 生 存 率 や 体 重 血 液 臨 床 生 化 学 成 分 への 影 響 はなく 130 週 後 の 生 存 数 は 雌 雄 ともに 5% 群 で 最 も 多 かったが 5% 11

12 群 の 雄 で 26/50 匹 に 副 腎 髄 質 過 形 成 がみられ その 発 生 率 は 有 意 に 高 かった このため 1 2% 群 で 未 検 鏡 であった 組 織 切 片 も 含 めて 再 検 査 したところ 5% 群 での 副 腎 髄 質 過 形 成 の 発 生 率 は 依 然 として 有 意 に 高 かったが 対 照 群 との 差 は 半 減 し 腫 瘍 も 含 めた 副 腎 髄 質 で の 増 殖 性 病 変 の 発 生 率 は 5% 群 と 対 照 群 でほぼ 同 じであり 投 与 に 関 連 した 影 響 はなかった と 判 断 された 22) この 結 果 から NOAEL を 5%(2,500 mg/kg/day 程 度 ) 以 上 とする オ)Fischer 344 ラット 雌 65 匹 B6C3F 1 マウス 及 び Syrian Golden ハムスター 雌 各 73 匹 を 1 群 として mg/m 3 の TiO 2 (MMAD: 1.4 µm)を 13 週 間 吸 入 (6 時 間 / 日 5 日 / 週 )させた 結 果 いずれの 種 も 50 mg/m 3 以 上 の 群 の 気 管 支 肺 胞 洗 浄 液 で LDH や 好 中 球 等 の 増 加 組 織 では 肺 胞 上 皮 と 間 質 の 線 維 化 などを 認 め ラット>マウス>ハムスターの 順 で 強 く 現 れた 23, 24) 次 に 雌 25 匹 を 1 群 として 超 微 粒 子 の TiO 2 ( 粒 子 径 µm MMAD: 1.37 µm)を mg/m 3 の 濃 度 で 13 週 間 吸 入 (6 時 間 / 日 5 日 / 週 )させた 結 果 10 mg/m 3 群 のラット 及 びマウスで 肺 の 炎 症 を 認 め 10 mg/m 3 群 のラットでは 肺 胞 道 周 辺 の 粒 子 貪 食 マクロファージの 集 積 部 で 肺 胞 上 皮 増 殖 や 化 生 軽 度 の 間 質 線 維 化 などが 13 週 間 の 回 復 期 間 中 にも 進 展 したが マウスでは 組 織 への 影 響 はほとんどなく ハムスターで は 肺 の 炎 症 も 組 織 への 影 響 もなかった 24, 25) ラット 及 びマウスでは 一 般 的 な 微 粒 子 の TiO 2 では 50 mg/m 3 以 上 の 群 超 微 粒 子 の TiO 2 では 10 mg/m 3 群 で 肺 のクリアランスが 過 負 荷 と なっており 微 粒 子 50 mg/m 3 群 の 肺 負 荷 量 は 超 微 粒 子 10 mg/m 3 群 の 約 5 倍 程 度 であったが 組 織 の 反 応 は 微 粒 子 50 mg/m 3 群 と 超 微 粒 子 10 mg/m 3 群 とで 類 似 しており 粒 子 の 表 面 積 ( 微 粒 子 8 m 2 /g: 超 微 粒 子 49 m 2 /g)で 表 した 両 群 の 肺 負 荷 量 も 同 程 度 であった 24) この 結 果 か ら NOAEL をラット マウスで 2 mg/m 3 (ばく 露 状 況 で 補 正 :0.4 mg/m 3 ) ハムスターで 10 mg/m 3 (ばく 露 状 況 で 補 正 :1.8 mg/m 3 )とする カ)Fischer 344 ラットの 雌 雄 288 匹 を 1 群 として 0 5 mg/m 3 の TiO 2 (MMAD: 1.1 µm)を 最 長 で 24 ヶ 月 間 吸 入 (6 時 間 / 日 5 日 / 週 )させた 結 果 一 般 状 態 や 生 存 率 体 重 臨 床 生 化 学 成 分 肺 を 含 む 主 要 臓 器 の 重 量 や 組 織 に 影 響 はなかった 26) この 結 果 から NOAEL を 5 mg/m 3 (ばく 露 状 況 で 補 正 :0.9 mg/m 3 ) 以 上 とする キ)Charles River CD ラット 雌 雄 各 100 匹 を 1 群 とし mg/m 3 の TiO 2 (MMAD: 1.5~1.7 µm)を 24 ヶ 月 間 吸 入 (6 時 間 / 日 5 日 週 )させた 結 果 一 般 状 態 や 生 存 率 体 重 に 影 響 はなかったが 10 mg/m 3 以 上 の 群 で 鼻 炎 鼻 腔 前 部 の 扁 平 上 皮 化 生 気 管 炎 の 発 生 率 に 有 意 な 増 加 を 認 めた また 肺 では 10 mg/m 3 以 上 の 群 で 肺 炎 肺 胞 細 胞 の 過 形 成 50 mg/m 3 以 上 の 群 で 絶 対 及 び 相 対 重 量 の 増 加 肺 胞 タンパク 症 肺 胞 の 細 気 管 支 化 コレス テリン 肉 芽 腫 膠 原 線 維 化 胸 膜 炎 の 発 生 率 に 有 意 な 増 加 を 認 めた 27) この 結 果 から LOAEL を 10 mg/m 3 (ばく 露 状 況 で 補 正 :1.8 mg/m 3 )とする ク)Wistar ラット 雌 288 匹 を 1 群 とし 超 微 粒 子 の TiO 2 ( 粒 子 径 0.014~0.040 µm MMAD: 0.80 µm)を mg/m 3 の 濃 度 で 4 ヶ 月 間 吸 入 (18 時 間 / 日 5 日 / 週 )させた 後 に mg/m 3 を 4 ヶ 月 間 さらに mg/m 3 を 16 ヶ 月 間 吸 入 させた 結 果 ばく 露 群 の 時 間 加 重 平 均 濃 度 は 9.9 mg/m 3 であった 9.9 mg/m 3 群 の 死 亡 率 (60%)は 対 照 群 (42%)に 比 べて 高 く 体 重 は 有 意 に 低 かった 9.9 mg/m 3 群 では 肺 重 量 が 増 加 して 18 ヶ 月 後 には 約 4 倍 となり 肺 クリアランスの 半 減 期 は 有 意 に 増 加 し 気 管 支 肺 胞 洗 浄 液 検 査 ではばく 露 に 関 連 した 影 響 がみられ 細 気 管 支 - 肺 胞 移 行 部 の 過 形 成 肺 間 質 の 線 維 化 は 9.9 mg/m 3 群 のほぼ 全 数 に みられた 28) また NMRI マウス 雌 160 匹 を 1 群 とし 超 微 粒 子 の TiO 2 ( 粒 子 径 0.014~ 12

13 0.040 µm MMAD: 0.80 µm)を mg/m 3 の 濃 度 で 4 ヶ 月 間 吸 入 (18 時 間 / 日 5 日 / 週 ) させた 後 に mg/m 3 を 4 ヶ 月 間 さらに mg/m 3 を 5.5 ヶ 月 間 吸 入 させた 結 果 ばく 露 群 の 時 間 加 重 平 均 度 は 10 mg/m 3 であり 10 mg/m 3 群 の 死 亡 率 (33%)は 対 照 群 (10%) に 比 べて 高 く 体 重 は 有 意 に 低 く 肺 重 量 は 約 4 倍 増 加 した 28) この 結 果 から LOAEL をラットで 9.9 mg/m 3 (ばく 露 状 況 で 補 正 :5.3 mg/m 3 ) マウスで 10 mg/m 3 (ばく 露 状 況 で 補 正 :5.4 mg/m 3 )とする ケ)Syrian Golden ハムスター 雌 雄 各 132 匹 を 1 群 とし 0 40 mg/m 3 の TiO 2 (MMAD: 1.1 µm) を 4 ヶ 月 間 吸 入 (6 時 間 / 日 5 日 / 週 )させ 5 ヶ 月 から 0 30 mg/m 3 に 下 げて 18 ヶ 月 まで 吸 入 させた 結 果 ばく 露 群 の 時 間 加 重 平 均 濃 度 は 32 mg/m 3 であった 一 般 状 態 や 生 存 率 体 重 血 液 臨 床 生 化 学 成 分 に 影 響 はなかったが 32 mg/m 3 群 の 雄 は 3 ヶ 月 後 雌 は 9 ヶ 月 後 の 検 査 時 から 肺 の 相 対 重 量 に 有 意 な 増 加 を 認 め 分 葉 好 中 球 数 の 増 加 とリンパ 球 百 分 率 の 減 尐 は 軽 度 だが 有 意 差 があり 肺 の 軽 度 の 炎 症 反 応 を 示 していた また 32 mg/m 3 群 では 気 管 支 肺 胞 洗 浄 液 検 査 からも 肺 の 慢 性 炎 症 が 明 らかであり 組 織 検 査 では 肺 胞 で 多 巣 性 の 多 形 核 白 血 球 浸 潤 細 気 管 支 - 肺 胞 移 行 部 で 過 形 成 肺 で 線 維 化 肺 に 関 連 したリン パ 節 でリンパ 系 細 胞 の 過 形 成 がいずれも 高 い 発 生 率 でみられた 29) この 結 果 から LOAEL を 32 mg/m 3 (ばく 露 状 況 で 補 正 :5.7 mg/m 3 )とする コ)Fischer 344 ラット 雄 19 匹 を 1 群 とし 微 粒 子 (0.25 µm) 又 は 超 微 粒 子 (0.021 µm)の TiO 2 を 約 23 mg/m 3 の 濃 度 で 12 週 間 (6 時 間 / 日 5 日 / 週 ) 吸 入 させた 試 験 では MMAD は µm であったが 肺 の 炎 症 反 応 は 超 微 粒 子 群 でより 強 く 現 れ 64 週 後 には 対 照 群 と 同 程 度 になったものの 炎 症 反 応 の 回 復 は 超 微 粒 子 群 で 明 らかに 遅 かった 9) 一 方 Sprague-Dawley ラット 雄 20 匹 を 1 群 とし TiO 2 の 微 粒 子 (ルチル 型, 0.3 µm) 又 は 超 微 粒 子 ( 棒 状 のアナタース 型 µm 又 は 粒 状 のアナタース 型 0.01 µm)を 1 5 mg/kg の 用 量 で 単 回 気 管 内 投 与 し 3 ヶ 月 間 観 察 した 試 験 では 微 粒 子 と 超 微 粒 子 で 炎 症 反 応 の 程 度 に 違 いはなかった 30) しかし ルチル 型 の 微 粒 子 又 は 超 微 粒 子 アナタース 型 と ルチル 型 を 混 合 (8:2)した 超 微 粒 子 を 用 いて 同 様 に 気 管 内 投 与 して 観 察 した 結 果 ルチ ル 型 の 微 粒 子 又 は 超 微 粒 子 では 一 過 性 の 炎 症 が 生 じただけであったが アナタース 型 混 合 物 では 肺 の 炎 症 反 応 や 細 胞 毒 性 増 殖 作 用 がより 強 く 現 れ 結 晶 構 造 の 違 いによる 表 面 活 性 の 差 が 重 要 な 要 因 であることが 示 唆 された 31) 超 微 粒 子 は 凝 集 能 が 非 常 に 強 く 通 常 は 凝 集 して 微 粒 子 径 の 二 次 粒 子 として 存 在 してい る このため 加 圧 式 噴 霧 法 を 用 いて TiO 2 の 超 微 粒 子 を Wistar ラット 雄 に 4 週 間 (6 時 間 / 日 5 日 / 週 ) 吸 入 させた 試 験 では 吸 入 時 の TiO 2 の 粒 子 径 は µm 粒 子 数 は 個 /ml であり 3 ヶ 月 後 まで 観 察 したが 肺 の 炎 症 は 生 じず 炎 症 線 維 化 関 連 遺 伝 子 の 発 現 変 化 もなかった 32, 33) 超 微 粒 子 の 生 体 影 響 では 化 学 物 質 の 重 量 濃 度 の 他 にも 個 数 や 表 面 積 形 状 ラジカ ル 発 生 に 係 わる 表 面 活 性 などが 関 与 しているのは 明 らかであるが 影 響 評 価 を 行 う 上 でど のような 用 量 計 量 値 (dose metrics)を 用 いるべきかに 関 しては 未 だ 議 論 の 途 上 にある 34) 3 生 殖 発 生 毒 性 ア)Fischer 344 ラット 及 び B6C3F 1 マウス 雌 雄 各 50 匹 を 1 群 として %の 濃 度 で TiO 2 13

14 20) を 餌 に 添 加 して 103 週 間 投 与 した 試 験 Ficher 344 ラット 雌 雄 各 50 匹 を 1 群 とし TiO 2 で 被 覆 した 雲 母 (TiO 2 28% 雲 母 72%)を %の 濃 度 で 餌 に 添 加 して 130 週 間 投 22) 与 した 試 験 Fischer 344 ラット 雌 雄 各 50 匹 を 1 群 として 0 5 mg/m 3 の TiO(MMAD: , 35 ) µm)を 24 ヶ 月 間 吸 入 (6 時 間 / 日 5 日 / 週 )させた 試 験 Syrian Golden ハムスター 雌 雄 各 132 匹 を 1 群 として 0 40 mg/m 3 の TiO 2 (MMAD: 1.1 µm)を 4 ヶ 月 間 吸 入 (6 時 間 / 日 5 日 / 週 )させ 5 ヶ 月 から 0 30 mg/m 3 にさげて 18 ヶ 月 まで 吸 入 させた 試 験 29) Charles River CD ラット 雌 雄 各 100 匹 を 1 群 とし mg/m 3 の TiO 2 (MMAD: 1.5~1.7 27) µm)を 24 ヶ 月 間 吸 入 (6 時 間 / 日 5 日 週 )させた 試 験 では いずれも 雌 雄 の 生 殖 器 に 影 響 はなかった イ)Long-Evans BLU ラットの 雌 雄 5 組 を 1 群 とし %の 濃 度 で 飲 水 に 添 加 したチタ 36) ン 酸 塩 ( 明 記 されていないが 別 報 からシュウ 酸 チタンカリウムと 思 われる)を 投 与 しながら 尐 なくとも 9 ヶ 月 齢 以 上 まで 自 由 に 繁 殖 させ 第 1~3 回 の 出 産 で 得 られた 仔 を 次 世 代 の 繁 殖 群 として 同 様 の 操 作 を 繰 り 返 した 3 世 代 試 験 の 結 果 チタンの 影 響 として % 群 の F 1 ( 仔 )で 成 長 阻 害 F 2 ( 仔 )で 成 長 阻 害 及 び 若 齢 期 死 亡 F 3 ( 仔 )で 成 長 阻 害 の 発 生 率 に 有 意 な 増 加 を 認 め 性 比 ( 雄 / 雌 )は F 1 の 1.43 から F 2 の 1.18 F 3 の 0.60 へと 減 尐 したとした 報 告 があった 37) しかし 結 果 の 記 載 が 不 十 分 なために 不 明 な 点 が 多 く 組 織 の 検 査 も 未 実 施 であり 奇 形 についても 試 験 方 法 の 項 では 評 価 項 目 にあがっていたが 結 果 の 記 載 はなかった ウ) 三 塩 化 チタン(TiCl 3 )の 経 口 LD 50 は 4,300 mg/kg であったが その 1/5 量 を 水 で 希 釈 し て 1 群 5~6 匹 の Wistar ラット 雌 に 妊 娠 日 のいずれかに 単 回 強 制 経 口 投 与 し 妊 娠 5 日 に 屠 殺 して 対 照 群 の 胚 の 細 胞 数 と 比 較 した 結 果 妊 娠 3 日 に 投 与 した 群 で 8 細 胞 期 の 胚 数 が 有 意 に 尐 なく 2 細 胞 期 の 胚 数 が 有 意 に 多 かった また LD 50 の 1/10 量 を 妊 娠 1 日 1 ~2 日 の 2 日 間 1~3 日 の 3 日 間 強 制 経 口 投 与 して 妊 娠 5 日 に 屠 殺 した 場 合 には 妊 娠 1 ~2 日 に 投 与 した 群 で 8 細 胞 期 の 胚 数 が 有 意 に 尐 なく 妊 娠 1~3 日 に 投 与 した 群 では 4 細 胞 期 及 び 8 細 胞 期 の 胚 数 が 有 意 に 尐 なく 2 細 胞 期 の 胚 数 が 有 意 に 多 かった 15) 4 ヒトへの 影 響 ア)アメリカの TiO 2 製 造 工 場 で 1984 年 以 前 に 1 年 以 上 雇 用 され TiO 2 ばく 露 のあった 1,756 人 の 男 性 労 働 者 を 対 象 とした 調 査 では 1935 年 から 1983 年 までの 間 に 211 人 の 死 亡 があっ たが 心 血 管 系 疾 患 や 呼 吸 器 系 疾 患 消 化 器 系 疾 患 等 による 死 亡 数 に 有 意 な 増 加 はなかっ た また 1984 年 の 時 点 で 慢 性 呼 吸 器 疾 患 のあった 労 働 者 88 人 を 症 例 とし 呼 吸 器 疾 患 の ない 健 康 な 898 人 を 対 照 としたコホート 内 症 例 対 照 研 究 では TiO 2 のばく 露 レベルをもと に 4 群 に 分 けてオッズ 比 を 算 出 したが いずれも 有 意 な 増 加 はなかった さらに 1984 年 に 336 人 の TiO 2 ばく 露 労 働 者 と 62 人 の 非 ばく 露 労 働 者 について 胸 部 X 線 検 査 を 実 施 した 結 果 労 働 者 群 の 19 人 (5.6%) 非 ばく 露 群 の 3 人 (4.8%)に 胸 膜 肥 厚 /プラークの 陽 性 所 見 を 認 め 各 群 の 2 人 に 疑 いがあったが 陽 性 所 見 の 22 人 を 症 例 とし 陰 性 所 見 の 272 人 を 対 照 としたコホート 内 症 例 対 照 研 究 では ばく 露 レベルをもとに 労 働 者 を 3 群 に 分 けて オッズ 比 を 算 出 したが いずれも 有 意 な 増 加 はなかった 38) 著 者 らは TiO 2 のばく 露 濃 度 として 非 ばく 露 を 0~1 mg/m 3 低 濃 度 を>1~4 mg/m 3 中 14

15 濃 度 を>4~9 mg/m 3 高 濃 度 を>9~20 mg/m 3 非 常 に 高 濃 度 を 20 mg/m 3 超 に 区 分 していた が この 結 果 から 尐 なくとも 20 mg/m 3 以 内 であれば 健 康 影 響 は 生 じないと 考 えられため NOAEL を 20 mg/m 3 (ばく 露 状 況 で 補 正 :4 mg/m 3 )とする イ)アメリカの TiO 2 製 造 工 場 (4 ヶ 所 )で 1960 年 から 2000 年 末 までの 間 に 尐 なくとも 6 ヶ 月 以 上 雇 用 され TiO 2 ばく 露 の 可 能 性 のあった 労 働 者 4,241 人 ( 男 性 3,832 人 )を 対 象 にし た 調 査 では この 間 に 533 人 が 死 亡 していたが 州 内 の 死 亡 率 をもとにした 標 準 化 死 亡 比 (SMR)は 0.8(95%CI: 0.8~0.9)で 有 意 に 低 く 呼 吸 器 系 疾 患 等 の 非 腫 瘍 性 疾 患 の SMR にも 有 意 な 増 加 はなかった また ばく 露 レベルから 労 働 者 のばく 露 を 低 中 高 の 3 群 に 分 け 心 血 管 系 疾 患 又 は 呼 吸 器 系 疾 患 の 相 対 リスクを 求 めた 結 果 いずれの 相 対 リスク にも 有 意 な 増 加 はなかった 39) ウ)ヨーロッパの 6 カ 国 (フィンランド フランス ドイツ イタリア ノルウェー イギ リス)にある 11 ヶ 所 の TiO 2 製 造 工 場 で 1927~1969 年 から 1995~2001 年 までの 雇 用 記 録 をもとに 1 年 以 上 雇 用 された 労 働 者 の 中 から 1990 年 以 降 に 雇 用 された 労 働 者 や 雇 用 期 間 が 不 明 な 労 働 者 非 製 造 部 門 の 労 働 者 等 を 除 外 した 15,017 人 ( 男 性 14,331 人 )を 対 象 にし た 調 査 では 1950~1972 年 から 1997~2001 年 までの 期 間 に 2,652 人 ( 男 性 2,619 人 女 性 33 人 )が 死 亡 しており 標 準 化 死 亡 比 (SMR)は 男 性 で 0.87(95%CI: 0.83~0.90) 女 性 で 0.58(95%CI: 0.40~0.82)で 男 女 ともに 有 意 に 低 く 心 血 管 系 疾 患 や 呼 吸 器 系 疾 患 肝 硬 変 等 の 非 腫 瘍 性 疾 患 の SMR にも 有 意 な 増 加 はなかった また ばく 露 レベルから 労 働 者 を 4 群 に 分 け 呼 吸 器 系 疾 患 の 相 対 リスクを 求 めた 結 果 有 意 な 増 加 はなかった 40) エ) 肉 芽 腫 性 肺 疾 患 と 診 断 された 45 才 の 男 性 労 働 者 はアルミニウム 精 錬 工 場 の 溶 鉱 炉 で 13 年 間 働 いており アルミニウムと 亜 鉛 の 合 金 製 造 時 に 放 出 される 種 々の 金 属 ヒュームや 粉 塵 にばく 露 されていた 5 年 前 から 空 咳 を 伴 った 呼 吸 困 難 がみられるようになり 最 初 は 労 働 時 に 限 られたが 次 第 に 一 日 中 みられるようになった 男 性 は 肺 結 核 患 者 と 接 触 歴 はな く その 他 の 既 往 歴 もなかった 診 察 では 両 肺 野 で 吸 気 性 の 断 続 ラ 音 胸 部 X 線 検 査 では 線 維 性 小 結 節 がび 漫 性 に 両 肺 とも 下 肺 野 により 多 く 認 められ 呼 吸 機 能 検 査 では 軽 度 の 拘 束 性 換 気 障 害 があったが 結 核 菌 及 びおたふくかぜの 皮 膚 試 験 結 果 は 陰 性 であり 喀 痰 に 病 原 菌 はなかった 気 管 支 ファイバースコープ 検 査 では 気 道 に 重 度 でび 漫 性 の 紅 斑 がみら れ 肺 の 下 葉 から 採 取 した 生 検 試 料 にはアルミニウムや 鉄 チタン 亜 鉛 鉛 等 の 金 属 か ら 成 る 粒 子 が 多 く( 個 /cm 3 )あった このため 塩 化 チタン 塩 化 アルミニウム 硫 酸 ニッケル 硫 酸 バリウムを 用 いてリンパ 球 幼 若 化 試 験 を 1 年 にわたって 4 回 実 施 した ところ 塩 化 チタンでのみ 2 回 の 陽 性 反 応 がみられ 他 の 金 属 では 反 応 がなかったことか ら チタンのばく 露 と 肉 芽 腫 性 疾 患 の 関 連 が 示 唆 された 41) オ) 金 属 チタン 製 造 工 場 の 断 面 調 査 では 2 週 間 の 調 査 期 間 に 出 勤 していた 製 造 部 門 の 労 働 者 209 人 ( 還 元 工 程 78 人 粉 砕 洗 浄 工 程 73 人 点 検 補 修 58 人 )を 対 象 として 実 施 した 還 元 工 程 では 四 塩 化 チタン 蒸 気 やオキシ 塩 化 チタン(TiOCl 2 ) TiO 2 粒 子 粉 砕 洗 浄 工 程 ではチタンや 塩 化 ナトリウム 塩 酸 の 混 合 エアロゾルのばく 露 があり 咳 や 痰 慢 性 気 管 支 炎 等 の 訴 えは 粉 砕 洗 浄 工 程 の 労 働 者 で 多 く 次 いで 還 元 工 程 の 労 働 者 の 順 であり 各 群 の 訴 えに 有 意 な 差 はなかったが 診 察 時 のラ 音 の 発 生 率 は 粉 砕 洗 浄 工 程 の 労 働 者 で 有 意 に 多 かった 努 力 肺 活 量 の 1 秒 量 と 年 令 や 身 長 総 喫 煙 年 数 には 有 意 な 関 連 があり これら を 調 整 すると 還 元 工 程 での 作 業 は 24 ml/ 年 の 1 秒 量 減 尐 (p = 0.07)となった 胸 部 X 線 15

16 所 見 では 各 群 に 特 有 の 変 化 はなかったが 全 労 働 者 の 17%にみられた 胸 膜 肥 厚 の 発 生 率 は 10 年 以 上 作 業 した 労 働 者 で 有 意 に 高 かった 労 働 者 の 中 の 12 人 にはアスベストばく 露 の 履 歴 もあったが この 12 人 だけでみても また 12 人 を 除 外 した 残 りの 労 働 者 でみても 胸 膜 肥 厚 の 発 生 率 は 10 年 以 上 作 業 した 労 働 者 で 有 意 に 高 いままであった なお 胸 膜 肥 厚 の 有 無 によって 2 群 に 分 けた 労 働 者 間 で 訴 えのあった 症 状 の 出 現 率 や 診 察 所 見 肺 機 能 に 有 意 な 差 はなかった 42) カ) 鉄 鋼 工 場 や 鉛 銅 精 錬 所 化 学 石 油 化 学 工 場 によって 汚 染 されたベルギーの 14 都 市 で 過 去 6 年 間 に 記 録 された 出 生 238,221 例 自 然 流 産 30,579 例 について 妊 娠 中 毒 や 自 然 流 産 早 産 死 産 先 天 性 奇 形 早 期 の 新 生 児 疾 患 や 死 亡 の 発 生 率 と 大 気 中 飲 料 水 中 土 壌 中 の 各 種 汚 染 物 質 との 関 連 を 検 討 した 調 査 では 43) チタンは 飲 料 水 中 の 対 象 物 質 として 検 討 されていたが 何 らかの 関 連 が 示 唆 された 物 質 リストの 中 には 入 っていなかった (3) 発 がん 性 1 主 要 な 機 関 による 発 がんの 可 能 性 の 分 類 国 際 的 に 主 要 な 機 関 での 評 価 に 基 づく 本 物 質 の 発 がんの 可 能 性 の 分 類 については 表 3.2 に 示 すとおりである 表 3.2 主 要 な 機 関 による 発 がんの 可 能 性 の 分 類 (TiO 2 ) 機 関 ( 年 ) 分 類 WHO IARC (2006) 2B ヒトに 対 して 発 がん 性 があるかもしれない EU EU - EPA - USA ACGIH (1996) A4 ヒトに 対 する 発 がん 性 物 質 として 分 類 できない NTP - 日 本 日 本 産 業 衛 生 学 会 - ドイツ DFG - 2 発 がん 性 の 知 見 遺 伝 子 傷 害 性 に 関 する 知 見 in vitro 試 験 系 では TiO 2 は 代 謝 活 性 化 系 (S9) 添 加 の 有 無 にかかわらずネ ズ ミ チ フ ス 菌 44, 45) 44) 大 腸 菌 マウスリンパ 腫 細 胞 (L5178Y) 46) で 遺 伝 子 突 然 変 異 チャイニーズ ハムスター 卵 巣 (CHO-WBL) 細 胞 で 染 色 体 異 常 47) 47) 及 び 姉 妹 染 色 分 体 交 換 チャイニー 48) ズハムスター 卵 巣 (CHO-K5) 細 胞 で 小 核 を 誘 発 しなかった また S9 無 添 加 の 枯 草 菌 49) マウス 繊 維 芽 細 胞 (C3H10T1/2) 50) で DNA 傷 害 ラット II 型 肺 胞 上 皮 細 胞 (RLE-6TN) 51) 52) で 遺 伝 子 突 然 変 異 ラット 肝 細 胞 ( 初 代 培 養 )で 不 定 期 DNA 合 成 ヒト 肺 線 維 芽 細 53) 胞 (WI-38)で DNA 合 成 の 阻 害 シリアンハムスター 胚 細 胞 ( 初 代 培 養 )で 小 核 54) を 誘 発 しなかったが S9 無 添 加 のチャイニーズハムスター 卵 巣 (CHO-K1) 細 胞 で 姉 妹 染 色 分 体 交 換 及 び 小 核 を 誘 発 した 55) TiO 2 の 超 微 粒 子 では S9 無 添 加 のヒト B 細 胞 リンパ 芽 56) 球 様 細 胞 (WIL2-NS)で 遺 伝 子 突 然 変 異 DNA 傷 害 小 核 ヒトリンパ 球 で 姉 妹 染 色 16

17 57) 58) 57, 58) 分 体 交 換 DNA 傷 害 小 核 シリアンハムスター 胚 細 胞 ( 初 代 培 養 )で 小 核 を 誘 発 した in vivo 試 験 系 では TiO 2 を 経 口 投 与 又 は 注 射 したショウジョウバエで 伴 性 劣 性 致 死 突 然 59) 60) 変 異 経 口 投 与 したショウジョウバエで 体 細 胞 突 然 変 異 ラットで 肝 細 胞 の DNA 傷 61) 62) 害 を 誘 発 しなかった 腹 腔 内 投 与 したマウスで 骨 髄 の 染 色 体 異 常 姉 妹 染 色 分 体 63) 64) 交 換 を 誘 発 しなかったが 小 核 については 誘 発 した 報 告 と 誘 発 しなかった 報 告 54) 65) に 分 かれた 100 mg/kg を 気 管 内 投 与 したラットで 15 ヶ 月 後 の 肺 胞 上 皮 細 胞 (II 型 )で 遺 伝 子 突 然 変 異 の 発 生 率 に 有 意 な 増 加 がみられたが その 程 度 は 同 用 量 の 石 英 やカーボンブラ ックを 投 与 した 場 合 に 比 べて 著 しく 低 かった 51) TiO 2 の 超 微 粒 子 を 2 年 間 吸 入 させたラッ トでばく 露 に 関 連 した DNA 付 加 体 の 生 成 はみられなかった 66) なお TiO 2 による 遺 伝 子 傷 害 性 の 主 な 原 因 の 一 つとして 活 性 酸 素 種 (ROS)による 酸 化 ストレスが 考 えられている 51, 56, 57, 58, 67, 68) 実 験 動 物 に 関 する 発 がん 性 の 知 見 Fischer 344 ラット 及 び B6C3F 1 マウス 雌 雄 各 50 匹 を 1 群 とし %の 濃 度 で TiO 2 を 餌 に 添 加 して 103 週 間 投 与 した 結 果 ラットの 雄 で 外 皮 系 の 角 化 棘 細 胞 腫 雌 で 甲 状 腺 の C 細 胞 腺 腫 又 は 癌 の 発 生 率 に 有 意 な 増 加 傾 向 雄 で 白 血 病 の 発 生 率 に 有 意 な 減 尐 傾 向 が みられたが いずれも 有 意 差 のある 変 化 ではなかった マウスの 雌 では 甲 状 腺 の 濾 胞 細 胞 腺 腫 の 発 生 率 に 有 意 な 減 尐 傾 向 がみられたが 発 生 率 に 有 意 差 はなかった 20) Fischer 344 ラット 雌 雄 各 60 匹 を 1 群 とし TiO 2 で 被 覆 した 雲 母 を %の 濃 度 で 餌 に 添 加 して 130 週 間 投 与 した 結 果 130 週 後 も 生 存 していた 雄 の 10/17 10/16 13/16 22/25 匹 雌 の 16/23 7/12 7/16 17/20 匹 に 単 核 細 胞 白 血 病 がみられ その 発 生 率 は 雄 の 5% 群 で 有 意 に 高 かった しかし 試 験 期 間 中 に 死 亡 したラットを 含 めた 全 数 でみると 有 意 な 発 生 率 の 増 加 を 示 した 腫 瘍 はなかった 22) CD-1 マウス 雌 雄 各 54 匹 を 1 群 とし 可 溶 性 の 四 価 Ti(シュウ 酸 チタンカリウム)を %の 濃 度 で 飲 水 に 添 加 して 生 涯 にわたって 投 与 した 結 果 体 重 増 加 や 生 存 率 に 影 響 は なく 肺 を 含 む 主 要 臓 器 での 腫 瘍 発 生 率 にも 増 加 はなかった 36) Fischer 344 ラット 雌 雄 各 50 匹 を 1 群 として 0 5 mg/m 3 の TiO 2 (MMAD: 1.1 µm)を 24 ヶ 月 間 吸 入 (6 時 間 / 日 5 日 / 週 )させ さらに 6 週 間 飼 育 した 結 果 対 照 群 の 3/100 匹 5 mg/m 3 群 の 2/100 匹 に 肺 腫 瘍 の 発 生 があり このうち 腺 癌 は 各 1 匹 にみられた 26, 35) Wistar ラット 雌 100 匹 を 1 群 とし 超 微 粒 子 の TiO( 2 粒 子 径 0.014~0.040 µm MMAD: 0.80 µm)を mg/m 3 の 濃 度 で 4 ヶ 月 間 吸 入 (18 時 間 / 日 5 日 / 週 )させた 後 に mg/m 3 を 4 ヶ 月 間 さらに mg/m 3 を 16 ヶ 月 間 吸 入 (24 ヶ 月 間 の 時 間 加 重 平 均 9.9 mg/m 3 ) させ その 後 6 ヶ 月 間 飼 育 した 結 果 9.9 mg/m 3 群 の 細 気 管 支 - 肺 胞 移 行 部 で 20/100 匹 に 角 質 嚢 腫 様 の 扁 平 上 皮 腫 瘍 3/100 匹 に 扁 平 上 皮 癌 4/100 匹 の 腺 腫 13/100 匹 に 腺 癌 の 発 生 を 認 めたが 対 照 群 では 1/217 匹 に 腺 癌 がみられただけで 9.9 mg/m 3 群 での 肺 腫 瘍 の 発 生 率 は 有 意 に 高 かった 28) Charles River CD ラット 雌 雄 各 100 匹 を 1 群 とし mg/m 3 の TiO 2 (MMAD: 1.5~1.7 µm)を 24 ヶ 月 間 吸 入 (6 時 間 / 日 5 日 週 )させた 結 果 250 mg/m 3 群 の 雄 12/77 17

18 匹 雌 13/74 匹 で 細 気 管 支 - 肺 胞 移 行 部 の 腺 腫 雄 1/77 匹 雌 13/74 匹 で 肺 の 扁 平 上 皮 癌 を 認 め このうち 雌 の 3 匹 には 両 タイプの 肺 腫 瘍 があった なお 対 照 群 では 雄 の 2/79 匹 に 細 気 管 支 - 肺 胞 移 行 部 の 腺 腫 がみられただけであり mg/m 3 群 も 対 照 群 と 同 程 度 であった 27) しかし その 後 の 新 しい 診 断 基 準 によって 増 殖 性 の 扁 平 上 皮 病 変 を 見 直 し たところ 扁 平 上 皮 癌 は 250 mg/m 3 群 の 雌 1 匹 に 認 められただけで 他 のほとんどは 角 質 嚢 腫 であり 2 例 が 扁 平 上 皮 化 生 であった 69) NMRI マウス 雌 80 匹 を 1 群 とし 超 微 粒 子 の TiO( 2 粒 子 径 0.014~0.040 µm MMAD: 0.80 µm)を mg/m 3 の 濃 度 を 4 ヶ 月 間 吸 入 (18 時 間 / 日 5 日 / 週 )させた 後 に mg/m 3 を 4 ヶ 月 間 さらに mg/m 3 を 5.5 ヶ 月 間 吸 入 (13.5 ヶ 月 間 の 時 間 加 重 平 均 10 mg/m 3 ) させ その 後 9.5 ヶ 月 間 飼 育 した 結 果 肺 腫 瘍 の 発 生 率 に 有 意 な 増 加 はなかった 28) Syrian Golden ハムスター 雌 雄 各 50 匹 を 1 群 とし 0 40 mg/m 3 の TiO 2 (MMAD: 1.1 µm) を 4 ヶ 月 間 吸 入 (6 時 間 / 日 5 日 / 週 )させ 5 ヶ 月 から 0 30 mg/m 3 にさげて 18 ヶ 月 まで 吸 入 させ その 後 23 ヶ 月 まで 飼 育 した 結 果 肺 腫 瘍 は mg/m 3 群 の 雌 1 匹 で 細 気 管 支 - 肺 胞 移 行 部 に 小 さな 腺 腫 を 認 めただけであった なお 対 照 群 の 4% mg/m 3 群 の 17%の 前 胃 で 扁 平 上 皮 乳 頭 腫 がみられたが 同 時 に 実 施 したトナーばく 露 の 3 濃 度 群 陽 性 対 照 とした 二 酸 化 ケイ 素 (SiO 2 ) 群 でも 13~19%にみられ 濃 度 依 存 性 もなかったこ とから 老 化 に 伴 う 自 然 発 生 に 粉 塵 による 刺 激 が 加 わった 結 果 と 考 えられた 29) 雌 の Wistar ラットに 3 mg の TiO 2 を 15 回 又 は 20 回 ( 隔 週 ごとに 数 回 / 週 ) 気 管 内 投 与 し 生 涯 にわたって 飼 育 した 結 果 肺 腫 瘍 の 発 生 率 は 15 回 投 与 で 5% 20 回 投 与 でも 3%と 低 かった 70) しかしその 後 各 群 48 匹 の 雌 の Wistar ラットに 6 mg の TiO 2 ( 粒 子 径 0.09~0.2 µm)を 10 回 又 は 20 回 気 管 内 投 与 し 生 涯 にわたって 飼 育 した 結 果 26 週 以 上 生 存 したう ちの 30% 64%に 肺 腫 瘍 がみられ 悪 性 腫 瘍 は 14% 25%にあった 超 微 粒 子 TiO 2 ( 粒 子 径 0.01~0.03 µm)を 用 いて 3 mg を 5 回 又 は 6 mg を 5 回 6 mg を 10 回 気 管 内 投 与 して 生 涯 にわたって 飼 育 した 場 合 には 各 群 の 52% 67% 70%に 肺 腫 瘍 がみられ 悪 性 腫 瘍 は 31% 50% 46%にあった いずれの 場 合 も 主 な 良 性 腫 瘍 は 腺 腫 及 び 角 質 嚢 腫 悪 性 腫 瘍 は 腺 癌 及 び 扁 平 上 皮 癌 であり 対 照 群 では 肺 腫 瘍 の 発 生 はなかった なお 先 に 実 施 した 試 験 での 腫 瘍 の 発 生 率 が 3~5%と 低 かった 原 因 として 組 織 切 片 の 作 成 数 が 3~5 枚 と 尐 な かったことが 原 因 と 考 えられた 71) また 雌 の Wistar CRP/WU ラットに TiO 2 の 微 粒 子 ( 粒 子 径 0.25 µm)10 mg を 6 回 又 は 超 微 粒 子 (0.021 µm)6 mg を 5 回 気 管 内 投 与 し 2.5 年 後 まで 飼 育 した 結 果 微 粒 子 群 及 び 超 微 粒 子 群 での 肺 腫 瘍 の 発 生 率 は 目 視 で 21% 50% 組 織 病 理 学 的 検 査 で 27% 66%であ ったが 対 照 群 での 発 生 率 は 5~6%であった 同 時 に 実 施 した 石 炭 粉 末 (4.0 µm)や 炭 坑 粉 じん(2.3 µm) 石 英 粒 子 (2.6 µm) シリカ(0.014 µm) 溶 媒 として 用 いた 生 理 食 塩 水 を 気 管 内 投 与 した 場 合 の 結 果 とあわせて 検 討 すると 目 視 による 肺 の 腫 瘍 発 生 率 と 顆 粒 球 数 又 はマクロファージ 数 との 間 には 良 い 関 連 がみられたが TiO 2 の 超 微 粒 子 群 では 腫 瘍 発 生 率 が 高 く 顆 粒 球 数 やマクロファージ 数 が 尐 なかったために こ の 関 連 か ら 外 れ て い た 72) 上 記 のように 微 粒 子 であるか 超 微 粒 子 であるかを 問 わず ラットでは TiO 2 の 吸 入 又 は 気 管 内 投 与 で 肺 腫 瘍 の 発 生 がみられたが マウスやハムスターでは 発 生 せず ラットの 肺 クリアランスに 対 して 粒 子 投 与 量 が 過 負 荷 での 腫 瘍 の 発 生 であったことに 注 意 が 必 要 18

19 である ヒトに 関 する 発 がん 性 の 知 見 アメリカの TiO 2 製 造 工 場 で 1984 年 以 前 に 1 年 以 上 雇 用 され TiO 2 ばく 露 のあった 1,756 人 の 男 性 労 働 者 を 対 象 とした 調 査 では 1935 年 から 1983 年 までの 間 に 211 人 の 死 亡 があっ たが 全 腫 瘍 や 呼 吸 器 系 腫 瘍 肺 がんによる 死 亡 数 に 有 意 な 増 加 はなかった また 1956 年 から 1985 年 の 間 に 発 生 したがん 患 者 数 ( 呼 吸 器 肺 泌 尿 器 リンパ 系 悪 性 黒 色 腫 その 他 )についてみても 有 意 な 増 加 はなかった 38) アメリカの TiO 2 製 造 工 場 (4 ヶ 所 )で 1960 年 から 2000 年 末 までの 間 に 尐 なくとも 6 ヶ 月 以 上 雇 用 され TiO 2 ばく 露 の 可 能 性 のあった 労 働 者 4,241 人 ( 男 性 3,832 人 )を 対 象 にし た 調 査 では この 間 に 533 人 が 死 亡 していたが 州 内 の 死 亡 率 をもとにした 標 準 化 死 亡 比 (SMR)は 0.8(95%CI: 0.8~0.9)で 有 意 に 低 かった SMR の 有 意 な 増 加 を 示 した 腫 瘍 は なく 肺 がんの SMR は TiO 2 ばく 露 に 伴 って 増 加 せず 最 も 高 いばく 露 を 受 ける 作 業 に 従 事 していた 労 働 者 の SMR(0.7 95CI: 0.6~0.9)も 有 意 に 低 かった また ばく 露 レベルか ら 労 働 者 を 低 中 高 ばく 露 の 3 群 に 分 けて 全 腫 瘍 又 は 肺 腫 瘍 の 相 対 リスクを 求 めた 場 合 にも 有 意 な 増 加 はなかった 39) ヨーロッパの 6 カ 国 (フィンランド フランス ドイツ イタリア ノルウェー イギ リス)にある 11 ヶ 所 の TiO 2 製 造 工 場 で 1927~1969 年 から 1995~2001 年 までの 雇 用 記 録 をもとに 1 年 以 上 雇 用 された 労 働 者 の 中 から 1990 年 以 降 に 雇 用 された 労 働 者 や 雇 用 期 間 の 不 明 な 労 働 者 非 製 造 部 門 の 労 働 者 等 を 除 外 した 15,017 人 ( 男 性 14,331 人 )を 対 象 にし た 調 査 では 1950~1972 年 から 1997~2001 年 までの 期 間 に 2,652 人 ( 男 性 2,619 人 女 性 33 人 )が 死 亡 しており 全 死 因 の SMR は 男 性 で 0.87(95%CI: 0.83~0.90) 女 性 で 0.58(95% CI: 0.40~0.82)であり 男 女 ともに 有 意 に 低 かった 男 性 では 肺 がんの SMR 1.23(95%CI: 1.10~1.38)に 有 意 な 増 加 がみられたが 肺 がんによる 死 亡 率 は 雇 用 期 間 や TiO 2 推 定 累 積 ばく 露 量 とともに 増 加 しなかった また 対 象 とした 労 働 者 の 1/3 強 で 現 在 の 喫 煙 データ の 利 用 が 可 能 であったことから 喫 煙 者 に 限 って 検 討 したところ フィンランド ドイツ イタリアの 3 カ 国 では 対 象 労 働 者 での 有 病 率 の 方 が 全 国 平 均 よりも 高 かった さらに 雇 用 期 間 が 5 年 未 満 の 労 働 者 を 除 外 すると SMR は 1.13(95%CI: 0.99~1.29)に 減 尐 した この ため これらの 結 果 は TiO 2 による 肺 がんの 発 生 を 示 唆 するものではないと 考 えられた 40) と 結 論 されている カナダのモントリオールで 1979 年 から 1985 年 の 間 に 肺 がんと 診 断 された 35~70 才 の 男 性 がん 患 者 857 人 を 症 例 群 ランダムに 抽 出 した 健 康 な 男 性 市 民 533 人 と 肺 以 外 の 部 位 の 男 性 がん 患 者 533 人 を 対 照 群 とした 症 例 対 照 調 査 では 症 例 群 の 33 人 対 照 群 の 42 人 に TiO 2 職 業 ばく 露 の 履 歴 があったが 肺 がんのオッズ 比 は 0.9(95%CI: 0.5~1.5)であり 推 定 されたばく 露 の 頻 度 やレベル 期 間 との 間 にも 明 らかな 傾 向 はなかった また 5 年 以 上 にわたって 中 程 度 以 上 のばく 露 があった 人 達 に 限 ってみてもオッズ 比 は 1.0(95%CI: 0.3~ 2.7)であり 数 名 については TiO 2 ヒュームやその 他 のチタン 化 合 物 のばく 露 があったが 肺 がんのリスクはこれらの 物 質 についても 有 意 に 増 加 しなかった 73) また 上 記 モントリオールの 男 性 肺 がん 患 者 857 人 健 康 な 男 性 市 民 533 人 を 集 団 対 照 19

20 肺 以 外 の 部 位 の 男 性 がん 患 者 1,349 人 を 患 者 対 照 とした 研 究 I さらに 1995 年 から 2001 年 に 肺 がんと 診 断 された 35~75 才 の 肺 がん 患 者 1,236 人 ( 男 性 765 人 女 性 471 人 )を 症 例 健 康 な 市 民 1,512 人 ( 男 性 899 人 女 性 613 人 )を 集 団 対 照 とした 研 究 II の 症 例 - 対 照 研 究 を 実 施 したが いずれもチタンのばく 露 に 伴 うオッズ 比 の 有 意 な 増 加 はなく 研 究 Iと II をプールして 検 討 してもオッズ 比 に 有 意 な 増 加 はなかった 74) (4) 健 康 リスクの 評 価 1 評 価 に 用 いる 指 標 の 設 定 非 発 がん 影 響 については 一 般 毒 性 及 び 生 殖 発 生 毒 性 等 に 関 する 知 見 が 得 られている 発 がん 性 については 動 物 実 験 で 発 がん 性 を 示 唆 する 結 果 が 得 られているものの ヒトでの 知 見 は 十 分 でなく ヒトに 対 する 発 がん 性 の 有 無 については 判 断 できない このため 閾 値 の 存 在 を 前 提 とする 有 害 性 について 非 発 がん 影 響 に 関 する 知 見 に 基 づき 無 毒 性 量 等 を 設 定 する こととする 経 口 ばく 露 については 中 長 期 毒 性 ウ)のラットの 試 験 から 得 られた TiO 2 の NOAEL 2,500 mg/kg/day 以 上 ( 影 響 のなかった 最 大 用 量 )が 信 頼 性 のある 最 も 低 用 量 の 知 見 と 判 断 し 2,500 mg/kg/day(チタンとして 1,500 mg/kg/day)を 無 毒 性 量 等 に 設 定 する 吸 入 ばく 露 については ヒトへの 影 響 のア)の 知 見 から 得 られた TiO 2 の NOAEL 20 mg/m 3 ( 労 働 者 に 影 響 のなかった 濃 度 )をばく 露 状 況 で 補 正 した 4 mg/m 3 (チタンとして 2.4 mg/m 3 ) が 信 頼 性 のある 最 も 低 濃 度 の 知 見 と 判 断 し これを 無 毒 性 量 等 に 設 定 する 2 健 康 リスクの 初 期 評 価 結 果 表 3.3 経 口 ばく 露 による 健 康 リスク(MOE の 算 定 ) ばく 露 経 路 媒 体 平 均 ばく 露 量 予 測 最 大 ばく 露 量 無 毒 性 量 等 MOE 飲 料 水 経 口 1,500 mg/kg/day ラット 食 物 + 土 壌 18 µg/kg/day 程 度 82 µg/kg/day 程 度 370 注 :ばく 露 量 及 び 無 毒 性 量 等 はチタンとしての 値 を 示 す 経 口 ばく 露 については 食 物 と 土 壌 を 摂 取 すると 仮 定 した 場 合 チタンの 平 均 ばく 露 量 は 18 µg/kg/day 程 度 予 測 最 大 ばく 露 量 は 82 µg/kg/day 程 度 であった 無 毒 性 量 等 1,500 mg/kg/day と 予 測 最 大 ばく 露 量 から 動 物 実 験 結 果 より 設 定 された 知 見 であるために 10 で 除 し さらに 発 がん 性 を 考 慮 して 5 で 除 して 求 めた MOE(Margin of Exposure)は 370 となる 従 って 本 物 質 の 経 口 ばく 露 による 健 康 リスクについては 現 時 点 では 作 業 は 必 要 ないと 考 えられる 表 3.4 吸 入 ばく 露 による 健 康 リスク(MOE の 算 定 ) ばく 露 経 路 媒 体 平 均 ばく 露 濃 度 予 測 最 大 ばく 露 濃 度 無 毒 性 量 等 MOE 吸 入 環 境 大 気 µg/m 3 程 度 0.2 µg/m 3 程 度 2, mg/m 3 ヒト 室 内 空 気 注 :ばく 露 濃 度 及 び 無 毒 性 量 等 はチタンとしての 値 を 示 す 20

21 吸 入 ばく 露 については 一 般 環 境 大 気 中 の 濃 度 についてみると チタンの 平 均 ばく 露 濃 度 は µg/m 3 程 度 予 測 最 大 ばく 露 濃 度 は 0.2 µg/m 3 程 度 であった 無 毒 性 量 等 2.4 mg/m 3 と 予 測 最 大 ばく 露 濃 度 から 発 がん 性 を 考 慮 して 5 で 除 して 求 めた MOE は 2,400 となる 従 って 本 物 質 の 一 般 環 境 大 気 の 吸 入 ばく 露 による 健 康 リスクについては 現 時 点 では 作 業 は 必 要 ないと 考 えられる なお ナノ 材 料 としての 二 酸 化 チタンについては その 粒 子 が 極 めて 小 さいために 代 謝 動 態 や 毒 性 等 が 異 なると 考 えられることから ばく 露 情 報 等 を 踏 まえ 別 途 リスク 評 価 の 必 要 性 について 検 討 する 必 要 がある [ 判 定 基 準 ] MOE=10 MOE=100 詳 細 な 評 価 を 行 う 候 補 と 考 えられる 情 報 収 集 に 努 める 必 要 があると 考 えられる 現 時 点 では 作 業 は 必 要 ないと 考 えられる 21

22 4. 生 態 リスクの 初 期 評 価 水 生 生 物 の 生 態 リスクに 関 する 初 期 評 価 を 行 った (1) 水 生 生 物 に 対 する 毒 性 値 の 概 要 本 物 質 の 水 生 生 物 に 対 する 毒 性 値 に 関 する 知 見 を 収 集 し 生 物 群 ( 藻 類 甲 殻 類 魚 類 及 び その 他 )ごとに 整 理 すると 表 4.1 のとおりとなった なお 二 酸 化 チタン(TiO 2 )の 毒 性 値 のうち ナノ 粒 子 の 影 響 を 調 べることを 目 的 とした 知 見 は 除 外 している 表 4.1 水 生 生 物 に 対 する 毒 性 値 の 概 要 分 類 急 性 慢 性 毒 性 値 [μg Ti/L] 硬 度 [mg /L] 生 物 名 生 物 分 類 エンドポイント / 影 響 内 容 ばく 露 期 間 [ 日 ] 試 験 の 信 頼 性 採 用 の 可 能 性 文 献 No. 対 象 物 質 ( 結 晶 構 造 ) 藻 類 10,100 不 明 Pseudokirchneriella subcapitata 緑 藻 類 NOEC GRO(FCC) 3 D C 4) TiO 2 35,900 不 明 Pseudokirchneriella subcapitata 緑 藻 類 EC 50 GRO(FCC) 3 D C 4) TiO 2 甲 殻 類 165,000 約 250 Daphnia magna オオミジンコ EC 50 IMM 2 D C 4) TiO 2 (アナタース) >599,000 不 明 Daphnia magna オオミジンコ EC 50 IMM 2 B C 1)-4940 TiO 2 魚 類 >12,000 不 明 Oryzias latipes メダカ LC 50 MOR 2 D C 4) TiO 2 >1,000,000 >1,000,000 >30,000 軟 水 Danio rerio 汽 水 塩 分 5.0 汽 水 塩 分 25.3 その 他 20,000 不 明 Fundulus heteroclitus Fundulus heteroclitus Tetrahymena pyriformis ゼブラフィッ シュ( 胚 ) NOEC MOR ~ふ 化 後 4 C C 1) TiO 2 (>99.0% アナタース) マミチョグ TL 50 MOR 4 C C 1)-3731 TiO 2 マミチョグ TL 50 MOR 4 C C 1)-3731 TiO 2 テトラヒメナ 属 IC 50 GRO 9 時 間 B C 1) TiCl 4 試 験 の 信 頼 性 : 本 初 期 評 価 における 信 頼 性 ランク A: 試 験 は 信 頼 できる B: 試 験 は 条 件 付 きで 信 頼 できる C: 試 験 の 信 頼 性 は 低 い D: 信 頼 性 の 判 定 不 可 E: 信 頼 性 は 低 くないと 考 えられるが 原 著 にあたって 確 認 したものではない 採 用 の 可 能 性 :PNEC 導 出 への 採 用 の 可 能 性 ランク A: 毒 性 値 は 採 用 できる B: 毒 性 値 は 条 件 付 きで 採 用 できる C: 毒 性 値 は 採 用 できない エンドポイント 影 響 内 容 EC 50 (Median Effective Concentration) : 半 数 影 響 濃 度 IC 50 (Median Inhibition Concentration) : 半 数 阻 害 濃 度 LC 50 (Median Lethal Concentration) : 半 数 致 死 濃 度 NOEC (No Observed Effect Concentration) : 無 影 響 濃 度 TL 50 (Median Tolerance Limit) : 半 数 生 存 限 界 濃 度 GRO (Growth) : 生 長 ( 植 物 ) 成 長 ( 動 物 ) IMM (Immobilization) : 遊 泳 阻 害 MOR (Mortality) : 死 亡 ( ) 内 : 毒 性 値 の 算 出 方 法 FCC (Final Cell Concentration[or Counts]): 試 験 終 了 時 の 藻 類 細 胞 密 度 (または 細 胞 数 )より 求 める 方 法 試 験 の 信 頼 性 および 採 用 の 可 能 性 は 確 認 していないが ナノ 材 料 に 関 する 国 内 外 資 料 5), 6) 他 よ り ナノ 粒 子 状 二 酸 化 チタンを 用 いて 実 施 された 水 生 生 物 に 対 する 毒 性 試 験 の 結 果 を 整 理 する と 表 4.2 のとおりとなった 22

23 表 4.2 ナノ 粒 子 状 二 酸 化 チタンを 用 いて 行 われた 水 生 生 物 に 対 する 毒 性 試 験 結 果 の 概 要 分 類 急 性 慢 性 毒 性 値 [µg/l] 硬 度 [mg /L] 生 物 名 生 物 分 類 エンドポイント / 影 響 内 容 ばく 露 期 間 [ 日 ] 文 献 No. 結 晶 構 造 藻 類 984 不 明 Pseudokirchneriella subcapitata 緑 藻 類 NOEC GRO(FCC) 3 4) 不 明 5,830 不 明 Pseudokirchneriella subcapitata 緑 藻 類 EC 50 GRO(FCC) 3 4) 不 明 16,000 不 明 Pseudokirchneriella subcapitata 緑 藻 類 EC 50 GRO(FCC) 3 4) %ルチル 21,000 不 明 32,000 不 明 44,000 不 明 >50,000 不 明 Pseudokirchneriella subcapitata Desmodesmus subspicatus Desmodesmus subspicatus 緑 藻 類 EC 50 GRO(FCC) 3 4) 緑 藻 類 EC 50 GRO 3 4) 緑 藻 類 EC 50 GRO 3 4) %ルチル 21%アナタース 20%ルチル 80%アナタース 20%ルチル 80%アナタース Desmodesmus subspicatus 緑 藻 類 EC 50 GRO 3 4) %アナタース 61,000 不 明 Pseudokirchneriella subcapitata 緑 藻 類 EC 50 GRO(RATE) 3 4) %ルチル 87,000 不 明 Pseudokirchneriella subcapitata 緑 藻 類 EC 50 GRO(RATE) 3 4) %ルチル 21%アナタース 甲 殻 類 3,000 約 250 Daphnia magna オオミジンコ NOEC REP 21 4) ルチル 5,500 中 硬 度 Daphnia magna オオミジンコ LC 50 MOR 2 1) >10,000 中 硬 度 Daphnia pulex ミジンコ LC 50 MOR 2 1) >10,000 中 硬 度 Ceriodaphnia dubia ニセネコゼミジン コ LC 50 MOR 2 1) アナタース (ろ 過 処 理 ) 20%ルチル 80%アナタース 20%ルチル 80%アナタース 35,306 約 250 Daphnia magna オオミジンコ EC 50 IMM 2 4) アナタース >100,000 不 明 Daphnia magna オオミジンコ EC 50 IMM 2 4) %ルチル 21%アナタース >100,000 不 明 Daphnia magna オオミジンコ EC 50 IMM 2 4) %ルチル >100,000 不 明 Chydorus sphaericus マルミジンコ LC 50 IMM 2 4) ルチル+アナター ス 混 合 ( 比 不 明 ) >100,000 不 明 Thamnocephalus platyurus 無 甲 目 LC 50 MOR 1 4) 不 明 >500,000 中 硬 度 Daphnia magna オオミジンコ LC 50 MOR 2 1) 魚 類 >10,000 中 硬 度 Danio rerio ゼブラフィッシュ LC 50 MOR 2 1) >100,000 不 明 Oncorhynchus mykiss ニジマス LC 50 MOR 4 4) アナタース ( 超 音 波 処 理 ) 20%ルチル 80%アナタース 79%ルチル 21%アナタース >100,000 不 明 Oncorhynchus mykiss ニジマス LC 50 MOR 4 4) %ルチル その 他 >500,000 軟 水 Danio rerio 10,000~ 100,000 エンドポイント ゼブラフィッシュ ( 胚 ) NOEC MOR ~ふ 化 後 4 1) %アナタース Hydra attenuata ヒドラ 属 EC 50 MPH 4 4) 不 明 EC 50 (Median Effective Concentration) : 半 数 影 響 濃 度 LC 50 (Median Lethal Concentration) : 半 数 致 死 濃 度 NOEC (No Observed Effect Concentration) : 無 影 響 濃 度 影 響 内 容 GRO (Growth) : 生 長 ( 植 物 ) 成 長 ( 動 物 ) IMM (Immobilization) : 遊 泳 阻 害 MOR (Mortality) : 死 亡 MPH (Morphology) : 形 態 変 化 23

24 ( ) 内 : 毒 性 値 の 算 出 方 法 RATE : 生 長 速 度 より 求 める 方 法 ( 速 度 法 ) FCC (Final Cell Concentration [ or Counts]): 試 験 終 了 時 の 藻 類 の 細 胞 密 度 (または 細 胞 数 )より 求 める 方 法 (2) 予 測 無 影 響 濃 度 (PNEC)の 設 定 本 物 質 については 本 初 期 評 価 に 採 用 可 能 な 有 害 性 情 報 は 得 られず 予 測 無 影 響 濃 度 (PNEC) を 設 定 できなかった (3) 生 態 リスクの 初 期 評 価 結 果 表 4.3 生 態 リスクの 初 期 評 価 結 果 水 質 平 均 濃 度 最 大 濃 度 (PEC) PNEC PEC/ PNEC 比 公 共 用 水 域 淡 水 データは 得 られなかった データは 得 られなかった µg/l 公 共 用 水 域 海 水 データは 得 られなかった データは 得 られなかった 注 :1) 水 質 中 濃 度 の( ) 内 の 数 値 は 測 定 年 度 を 示 す 2) 公 共 用 水 域 淡 水 は 河 川 河 口 域 を 含 む - [ 判 定 基 準 ] PEC/PNEC=0.1 PEC/PNEC=1 現 時 点 では 作 業 は 必 要 ないと 考 えられる 情 報 収 集 に 努 める 必 要 があると 考 えられる 詳 細 な 評 価 を 行 う 候 補 と 考 えられる 本 物 質 の 環 境 中 濃 度 本 初 期 評 価 に 採 用 可 能 な 有 害 性 情 報 は 得 られず 生 態 リスクの 判 定 は できなかった 生 態 毒 性 データが 得 られたチタン 化 合 物 (ナノ 粒 子 状 物 質 は 除 く)の 水 溶 解 度 は 低 く 本 初 期 評 価 で 採 用 できる 知 見 は 得 られなかったが 収 集 したデータの 限 りでは 有 害 性 は 認 められて いない 一 方 ナノ 粒 子 状 の 二 酸 化 チタンに 関 しては 評 価 方 法 が 確 立 されていないため 評 価 を 行 っていない 本 物 質 については 有 害 性 情 報 の 集 積 や 評 価 方 法 の 確 立 がなされた 後 に 改 めてリスク 評 価 を 検 討 することとする 24

25 5. 引 用 文 献 等 (1) 物 質 に 関 する 基 本 的 事 項 1) 越 後 谷 悦 郎 ら( 監 訳 )(1986): 実 用 化 学 辞 典 朝 倉 書 店. 2) 大 木 道 則 ら(1989): 化 学 大 辞 典 東 京 化 学 同 人. 3) 化 学 大 辞 典 編 集 委 員 (1963): 化 学 大 辞 典 ( 縮 刷 版 ) 共 立 出 版. 4) IPCS (1982): Environmental Health Criteria 24. Titanium. 5) Sidney L. Phillips (1997): Properties of Inorganic Compounds: Version 2.0,Boca Raton, CRC Press. (CD-ROM). 6) Hazardous Substances Data Bank (HSDB), ( 現 在 ). 7) ( 独 ) 製 品 評 価 技 術 基 盤 機 構 : 既 存 化 学 物 質 安 全 性 点 検 データ. 8) 経 済 産 業 省 (2003): 化 学 物 質 の 製 造 輸 入 量 に 関 する 実 態 調 査 ( 平 成 13 年 度 実 績 )の 確 報 値,( 現 在 ) 9) 経 済 産 業 省 (2007): 化 学 物 質 の 製 造 輸 入 量 に 関 する 実 態 調 査 ( 平 成 16 年 度 実 績 )の 確 報,( 現 在 ). 10) 経 済 産 業 省 (2009): 化 学 物 質 の 製 造 輸 入 量 に 関 する 実 態 調 査 ( 平 成 19 年 度 実 績 )の 確 報 値,( 現 在 ). 11) 経 済 産 業 省 : 化 学 工 業 統 計 年 報, ( 現 在 ). 12) 化 学 工 業 日 報 社 (2010):15710 の 化 学 商 品. 13) シーエムシー 出 版 (2009): 内 外 化 学 品 資 料 2008 年 度 版 F ファイル:F31-01-E ) 日 本 酸 化 チタン 工 業 会 : 統 計. ( 現 在 ). 15) 日 本 酸 化 チタン 工 業 会 : 統 計. ( 現 在 ). 16) ( 独 ) 石 油 天 然 ガ ス 金 属 鉱 物 資 源 機 構 (2008): 鉱 物 資 源 マ テ リアル フロー2007, ( 現 在 ). 17) 財 務 省 : 貿 易 統 計, ( 現 在 ). (2)ばく 露 評 価 1) 環 境 省 水 大 気 環 境 局 大 気 環 境 課 (2009): 平 成 20 年 度 大 気 汚 染 状 況 について( 有 害 大 気 汚 染 物 質 モニタリング 調 査 結 果 ). 2) 環 境 省 水 大 気 環 境 局 大 気 環 境 課 (2008): 平 成 19 年 度 地 方 公 共 団 体 等 における 有 害 大 気 汚 染 物 質 モニタリング 調 査 結 果 について. 3) 環 境 省 水 大 気 環 境 局 大 気 環 境 課 (2007): 平 成 18 年 度 地 方 公 共 団 体 等 における 有 害 大 気 汚 染 物 質 モニタリング 調 査 結 果 について. 4) 環 境 省 水 大 気 環 境 局 大 気 環 境 課 (2003): 平 成 14 年 度 地 方 公 共 団 体 等 における 有 害 大 気 汚 染 物 質 モニタリング 調 査 結 果 について. 25

26 5) 環 境 省 (2001): 平 成 12 年 度 土 壌 摂 食 量 調 査 報 告 書. 6) Akira Takeda, Kazuhiko Kimura and Shin-ichi Yamasaki (2004) : Analysis of 57 elements in Japanese soils, with special reference to soil group and agricultural use. Geoderma. 119(3-4): ) 松 永 武, 柳 瀬 信 之, 半 澤 有 希 子, 都 築 克 紀, 長 縄 弘 親 (2007) : 有 害 性 金 属 元 素 の 降 雤 時 河 川 流 出 機 構. JAEA-Research (3) 健 康 リスクの 初 期 評 価 1) Lloyd, L.E., B.E. Rutherford and E.W. Crampton (1955): A comparison of titanic oxide and chromic oxide as index materials for determining apparent digestibility. J. Nutr. 56: ) Jani, P.U., D.E. McCarthya and A.T. Florence (1994): Titanium dioxide (rutile) particle uptake from the rat GI tract and translocation to systemic organs after oral administration. Int. J. Pharm. 105: ) Wang, J., G. Zhou, C. Chen, H. Yu, T. Wang, Y. Ma, G. Jia, Y. Gao, B. Li, J. Sun, Y. Li, F. Jiao, Y. Zhao and Z. Chai (2007): Acute toxicity and biodistribution of different sized titanium dioxide particles in mice after oral administration. Toxicol. Lett. 168: ) Sugibayashi, K., H. Todo and E. Kimura (2008): Safety evaluation of titanium dioxide nanoparticles by their absorption and elimination profiles. J. Toxicol. Sci. 33: (Erratum in: J. Toxicol. Sci Dec;33(5): ) 5) Thomas, R.G. and R.F. Archuleta (1980): Titanium retention in mice. Toxicol. Lett. 6: ) Miller, J.K., F.C. Madsen and S.L. Hansard (1976): Absorption, excretion, and tissue deposition of titanium in sheep. J. Dairy Sci. 59: ) Ferin, J. and G. Oberdörster (1985): Biological effects and toxicity assessment of titanium dioxides: anatase and rutile. Am. Ind. Hyg. Assoc. J. 46: ) Van Ravenzwaay, B., R. Landsiedel, E. Fabian, S. Burkhardt, V. Strauss and L. Ma-Hock (2009): Comparing fate and effects of three particles of different surface properties: nano-tio 2, pigmentary TiO 2 and quartz. Toxicol. Lett. 186: ) Ferin, J., G. Oberdörster and D.P. Penney (1992): Pulmonary retention of ultrafine and fine particles in rats. Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 6: ) Lee, K.P., H.J. Trochimowicz and C.F. Reinhardt (1985): Transmigration of titanium dioxide (TiO 2 ) particles in rats after inhalation exposure. Exp. Mol. Pathol. 42: ) Lademann, J., H. Weigmann, C. Rickmeyer, H. Barthelmes, H. Schaefer, G. Mueller and W. Sterry (1999): Penetration of titanium dioxide microparticles in a sunscreen formulation into the horny layer and the follicular orifice. Skin Pharmacol. Appl. Skin Physiol. 12: ) Pflücker, F., V. Wendel, H. Hohenberg, E. Gärtner, T. Will, S. Pfeiffer, R. Wepf and H. Gers-Barlag (2001): The human stratum corneum layer: an effective barrier against dermal uptake of different forms of topically applied micronised titanium dioxide. Skin Pharmacol. Appl. Skin Physiol. 14(Suppl. 1):

27 13) Bennat, C. and C.C. Müller-Goymann (2000): Skin penetration and stabilization of formulations containing microfine titanium dioxide as physical UV filter. Int. J. Cosmet. Sci. 22: ) European Commission (2000): IUCLID Dataset. Titanium dioxide. Year 2000 CD-ROM edition. 15) Malik, B., A.O. Prakash and M. Rai (2000): Effect of titanium exposure on embryonic development during pre-implantation period in rats. Indian. J. Exp. Biol. 38: ) European Commission (2000): IUCLID Dataset. Titanium tetachloride. Year 2000 CD-ROM edition. 17) IPCS (2002): International Chemical Safety Cards Titanium dioxide. 18) IPCS (2004): International Chemical Safety Cards Titanium tetachloride. 19) IPCS (1982): Environmental Health Criteria 24. Titanium. 20) National Cancer Institute (1979): Bioassay of titanium dioxide for possible carcinogenicity. CAS No NCI-CG-TR ) Lehman, K.B. and L. Herget (1927): Studies on the hygienic characteristics of titanium dioxide and titanium white. Chem. Ztg. 51: (in German). Cited in: IPCS (1982): Environmental Health Criteria 24. Titanium. 22) Bernard, B.K., M.R. Osheroff, A. Hofmann and J.H. Mennear (1990): Toxicology and carcinogenesis studies of dietary titanium dioxide-coated mica in male and female Fischer 344 rats. J. Toxicol. Environ. Health. 29: ) Bermudez, E., J.B. Mangum, B. Asgharian, B.A. Wong, E.E. Reverdy, D.B. Janszen, P.M. Hext, D.B. Warheit and J.I. Everitt (2002): Long-term pulmonary responses of three laboratory rodent species to subchronic inhalation of pigmentary titanium dioxide particles. Toxicol. Sci. 70: ) Hext, P.M., D.B. Warheit, J. Mangum, B. Asgharian, B. Wong, E.Bermudez and J. Everitt (2002): Comparison of the pulmonary responses to inhaled pigmentary and ultrafine titanium dioxide particles in the rat, mouse and hamster. Ann. Occup. Hyg. 46(Suppl. 1): ) Bermudez, E., J.B. Mangum, B.A. Wong, B. Asgharian, P.M. Hext, D.B. Warheit and J.I. Everitt (2004): Pulmonary responses of mice, rats, and hamsters to subchronic inhalation of ultrafine titanium dioxide particles. Toxicol. Sci. 77: ) Muhle, H., B. Bellmann, O. Creutzenberg, C. Dasenbrock, H. Ernst, R. Kilpper, J.C. MacKenzie, P. Morrow, U. Mohr, S. Takenaka and R. Mermelstein (1991): Pulmonary response to toner upon chronic inhalation exposure in rats. Fundam. Appl. Toxicol. 17: ) Lee, K.P., H.J. Trochimowicz and C.F. Reinhardt (1985): Pulmonary response of rats exposed to titanium dioxide (TiO 2 ) by inhalation for two years. Toxicol. Appl. Pharmacol. 79: ) Heinrich, U., R. Fuhst, S. Rittinghausen, O. Creutzenberg, B. Bellmann, W. Koch and K. Levsen (1995): Chronic inhalation exposure of Wistar rats and two different strains of mice to diesel engine exhaust, carbon black, and titanium dioxide. Inhal. Toxicol. 7: ) Muhle; H., B. Bellmann; O. Creutzenberg; W. Koch; C. Dasenbrock; H. Ernst; U. Mohr; P. Morrow and R. Mermelstein (1998): Pulmonary response to toner, TiO 2 and crystalline silica upon chronic inhalation exposure in Syrian Golden Hamsters. Inhal. Toxicol. 10:

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