Microsoft PowerPoint - 資料3 酸化チタン (Ⅳ)の健康障害防止措置について

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さゆりあさぶき
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1 資料 3 化学物質のリスク評価に係る意見交換会 ( H ) 酸化チタン (Ⅳ) の健康障害防止措置について厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室長穴井達也

2 酸化チタン (Ⅳ) の検討経緯厚生労働省のリスク評価制度有害物ばく露作業報告制度の創設 ( 平成 18 年 1 月 ) 化学物質の有害性情報及びばく露情報をもとにリスクを評価リスクが高いものについて必要な規制を実施国によるリスク評価リスク評価対象物質の選定有害性情報の収集 ( 国 ) ばく露実態調査 ( 国 ) 有害性評価健康障害防止措置検討会リスク評価 ( 初期詳細 ) 有害物ばく露作業報告 ( 国 ) ばく露評価特別則による措置 ( 局排特殊な作業の管理作業環境測定特殊健診等 ) について検討酸化チタンナノ粒子ナノ粒子除く生産量用途発がん性 13,490 t (2010) 173,904 t (2013) 化粧品塗料トナー外添剤光触媒他塗料印刷インキ化粧品着色料製紙歯科材料他 IARC:2B (2010) * ナノ非ナノの別なし 2 次評価値に採用した濃度勧告日本産衛学会 0.3mg/ m3 ( ナノ粒子として 2013) 日本産衛学会 1mg / m3 ( 吸入性粉じんとして ) 左記の制度に即して有害性調査及びばく露実態調査と学会が示す許容濃度等を踏まえたリスク評価を経て H28 年度から措置検討会を開始 H21 年度有害物ばく露作業報告 H22 年度 23 年度ばく露実態調査塗料として使用する粉体塗装作業 ( ナノ粒子以外 ) 酸化チタン ( ナノ粒子 ) を製造時のフルイ分け作業で高いばく露を測定 H23 年度初期リスク評価労働者の健康障害リスク ( 以下リスク ) 高い H24 年度ばく露実態調査 ( ナノ粒子 ) 日本産衛学会の勧告値 0.3mg/ m3 ( ナノ粒子 ) を上回る個人ばく露濃度を測定 H25 年度ばく露実態調査 ( 再追加ナノ粒子 ) H27 年度詳細リスク評価 ( ナノ粒子 ) リスク高い ( 最大ばく露量 > 二次評価値 0.3mg/ m3 ) H27 年度ばく露実態調査 ( 追加ナノ粒子以外 ) H28 年度詳細リスク評価 ( ナノ粒子以外 ) リスク高い ( 最大ばく露量 > 二次評価値 1mg/ m3吸入性粉じんとして ) H28 年度健康障害防止措置検討会での検討開始 H29 年度関係事業場へのアンケート実施ヒアリング実施中 (H ~)

3 1 酸化チタンのリスク評価 3

4 基本情報等基本情報 ( 酸化チタン (Ⅳ) としての情報 ) 名称 : 酸化チタン (Ⅳ) 化学式 :TiO 2 分子量 :79.9 CAS 番号 : ( 酸化チタン ) ( ルチル型 ) ( アナターゼ型 ) 安衛法名称等を通知すべき有害物粉じん則粉状の酸化チタンを袋詰めする場所における作業外観 : 無色 ~ 白色の結晶性粉末密度 : 3.9~4.3g/cm 3 沸点 : 2500~3000 融点 : 1855 溶解性 ( 水 ): 水に溶けない生産量等 ( 酸化チタンとしての情報 ) 生産量 :173,904 t (2013 年 ) 輸入量 : 15,195 t (2013 年 ) 用途 : 塗料化合繊のつや消し印刷インキ化粧品乳白ガラス有機チタン化合物原料ゴム / プラスチックの着色リノリューム用顔料絵の具クレヨン陶器の釉薬製紙コンデンサー溶接棒被服剤歯科材料レザー石鹸捺染顔料皮革 ( なめし剤 ) アスファルトタイル 4

5 酸化チタンの粒子の種類酸化チタンルチル形アナタース形 *1 非ナノ材料であり顔料酸化チタンとも称する *2 表面処理はコーティングとも称する資料 : 日本酸化チタン工業会ナノナノ以外 *1 ナノナノ以外 *1 表面処理 *2 あり表面処理 *2 無し表面処理 *2 あり表面処理 *2 無し表面処理 *2 あり表面処理 *2 無し表面処理 *2 あり表面処理 *2 無し 5

6 有害性情報の概要発がん性ヒトに対する発がん性が疑われる (IARC:2B( ヒトに対する発がんの可能性がある )) 急性毒性経口毒性 : LD 50 5,000mg/kg 体重以上 ( ラット ) 皮膚腐食性 / 刺激性 : 判断できない眼に対する重篤な損傷性 / 刺激性 : 判断できない皮膚感作性 : 判断できない呼吸器感作性 : 報告なし生殖毒性 : 判断できない反復投与毒性 : 肺機能等 ( 酸化チタン (Ⅳ) のすべての粒子に対する情報 ) 6

7 (1) 酸化チタン ( ナノ粒子 ) の詳細リスク評価有害性評価結果許容濃度等 ACGIH TLV-TWA :10mg/m 3 ( 酸化チタン (Ⅳ) 全体を対象 ) 日本産業衛生学会許容濃度 :0.3mg/m 3 評価値一次評価値 : 0.023mg/m 3 二次評価値 : 0.3mg/ m 3 ( 酸化チタン ( ナノ粒子を対象 )) 日本産業衛生学会が勧告している許容濃度を二次評価値とした 7

8 ばく露実態調査の結果 15 事業場の 46 人の労働者に実施個人ばく露測定データの最大値 ( 実測値 ) mg/m 3 全データ ( 定量下限未満を除く ) の区間推定上側限界値 ( 計算値 ) mg/m 3 単位 :mg/m 3 用途等対象物質の製造他製剤の製造を目的とした原料としての使用対象事業場数個人ばく露測定スポット測定作業環境 (A) 測定測定数最大値単位作業場所数最大値単位作業場所数最大値合計

9 ばく露評価結果 9

10 (1) 酸化チタン ( ナノ粒子 ) の詳細リスク評価結果リスク評価結果の概要有害性評価結果二次評価値 : 0.3mg/m 3 ばく露評価結果リスク評価における個人ばく露測定 : 46 人個人ばく露測定の最大値が 1.644mg/m 3 となり二次評価値を上回った < リスク高い > 個人ばく露最大値が二次評価値を上回った酸化チタン ( ナノ粒子 ) のもつ物性や作業の様態から酸化チタン ( ナノ粒子 ) を製造している事業場における充填又は袋詰め作業はリスクが高いと認められた 10

11 (2) 酸化チタン ( ナノ粒子を除く ) の詳細リスク評価有害性評価結果許容濃度等 ACGIH TLV-TWA :10mg/m 3 ( 酸化チタン (Ⅳ) 全体を対象 ) 日本産業衛生学会許容濃度 : 評価値第 2 種粉塵 ;1mg/m 3 ( 吸入性粉塵 ) 4mg/m 3 ( 総粉塵 ) 一次評価値 : なし発がん性の可能性がありかつ遺伝毒性が判断できないことから生涯過剰発がんレベルに相当するばく露濃度が設定できない二次評価値 : 1mg/ m 3 日本産業衛生学会が勧告している許容濃度を二次評価値とした 11

12 ばく露実態調査の結果 17 事業場の 59 人の労働者に実施個人ばく露測定データの最大値 ( 実測値 ) 3.1 mg/m 3 全データ ( 定量下限未満を除く ) の区間推定上側限界値 ( 計算値 ) 1.4 mg/m 3 単位 :mg/m 3 用途等対象事業場数個人ばく露測定スポット測定作業環境 (A) 測定測定数最大値単位作業場所数最大値単位作業場所数最大値対象物質の製造対象物質を含有する製剤その他の物の製造を目的とした原料としての使用顔料染料塗料又は印刷インキとしての使用合計

13 ばく露評価結果 13

14 酸化チタン ( ナノ粒子を除く ) の詳細リスク評価結果リスク評価結果の概要有害性評価結果二次評価値 : 1mg/m 3 ばく露評価結果リスク評価における個人ばく露測定 : 59 人個人ばく露測定の最大値が 3.1mg/m 3 となり二次評価値を上回った < リスク高い > 個人ばく露最大値が二次評価値を上回った酸化チタン ( ナノ粒子を除く ) を粉体塗装する作業はリスクが高いと認められ粉体塗装を行っている事業場に共通する問題と考えられた 14

15 今後の対応酸化チタンは吸入による健康障害のおそれがあると考えらればく露実態調査の結果から高いリスクが作業工程に共通して確認されたことからその製造取扱作業において労働者の健康障害防止措置の検討が必要 < 検討における留意点 > 酸化チタン ( ナノ粒子 ) の充填又は袋詰め酸化チタン ( ナノ粒子を除く ) の粉体塗装作業において二次評価値を超える個人ばく露測定結果が出ていることこれまで測定に用いてきた個人ばく露測定方法や作業環境測定方法ではナノ粒子とそれ以外の粒子の区別がつけられないこと 15

16 ( 参考 ) バイオアッセイ研究センターによる酸化チタンの長期発がん試験試験物質 : 酸化チタン ( ナノ粒子アナターゼ型 ) 試験方式 : ラット及びマウスを用いた吸入による 2 年間試験 ( 週 5 日 1 日 6 時間全身ばく露 ) 試験期間 : 平成 29~30 年度本試験 31 年度解剖等による結果の分析とりまとめ結果の報告 : 平成 32 年度以降の有害性評価小検討会へ報告論文は IARC( 国際がん研究機関 ) へ提供注 : バイオアッセイ研究センターは吸入による長期発がん試験を実施できる我が国で唯一の機関世界的に見ても 4 機関しかない

17 2 酸化チタンの措置検討 17

18 化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会 ( 措置検討会 ) とは重篤な健康障害のおそれのある有害化学物質について労働者のばく露状況等の関係情報に基づき行ったリスク評価に基づき健康障害発生のリスクが高い作業等についてはリスクの程度に応じて特別規則による規制を行う等のリスク管理を講じる化学物質のリスク評価は科学的中立的に行う必要があるが特別規則等による規制については対策の実現可能性等も考慮して導入する以上についての要否その内容の検討を行う場

19 当面の措置検討スケジュール H リスク評価結果の復習措置検討シートを使った進め方の確認 H29.5~7 関連団体へのアンケート調査 H29.8~9 アンケート結果とりまとめ H 団体ヒアリング ( 酸化チタン工業会印刷インキ工業連合会 ) H 団体ヒアリング ( 塗装協同組合連合会パウダーコーティング協同組合塗料工業会 ) H 団体ヒアリング ( 溶接協会化粧品工業連合会ビジネス機械情報システム産業協会 ) H 予定団体ヒアリング ( 酸化チタン工業会 ) これ以降ヒアリング等に基づく論点整理論点の議論

20 ヒアリングでの事業者からの意見要望 < 業界共通 > 規制については高ばく露量でリスクの高い工程作業に限定してほしい酸化チタンが措置の対象とされた場合消費者に悪い印象を与え風評被害による悪影響も懸念されることから規制に関する情報の発信には細心の配慮をお願いしたい < 個別業界 > 印刷インキ製品における酸化チタン ( ルチル形非ナノ表面処理あり ) は樹脂等に分散した状態 ( 液体状 ) にあるため規制対象外が妥当と考える

21 ヒアリングでの事業者からの意見要望 ( つづき ) IARC( 国際がん研究機関 ) で評価された酸化チタンは未処理のチタンであり表面処理した塗料用チタンとは異なる粉体塗料は幾重にもコーティングされており酸化チタン特有のリスクは極めて小さい ( 表面処理されさらに樹脂でコーティングされているため容易に酸化チタンが露出しない仮に露出すれば分散できず商業ベースに乗らない ) 粉体塗料の粒径は平均 30~50μm で細かい粒子はほとんどない

22 ヒアリングでの事業者からの意見要望 ( つづき ) 化粧品製造の現場の作業環境測定を行った結果二次評価値を超えなかったこと 50 年以上の化粧品製造において酸化チタンばく露による労働者の健康被害は発生していないこと国際競争力の観点から化粧品について適用除外としてほしい溶接棒やフラックスには原料の一部にチタンが入っているが溶接ヒューム中には酸化チタンが単体として存在しておらずまた粉じん則により呼吸用保護具が必須となっていることからばく露する可能性がなく溶接作業は適用除外としてほしい酸化チタンを含有するトナーから酸化チタンが脱離してばく露する可能性は様々な試験により著しく低いことがわかっており印刷コピー等で使用する作業は適用除外してほしい

23 ヒアリングでの専門委員関心事項酸化チタンには表面処理品が種々ありそれぞれヒトへの健康影響も異なるのであれば酸化チタンで一括りにはできないのではないかそれぞれの類型ごとの毒性についてのデータはあるかコーティングは酸化チタンの表面積のすべてをカバーしているか否かコーティングはヒトの体内ではがれ得るか否かなど製造粉砕工程での粉じん発散インキとして印刷された後の粉じん発散などライフサイクルを通じた粉じん発散はどうなっているか

24 ヒアリングでの専門委員関心事項 ( つづき ) 粉体塗料の粒径は平均 30~50μm で細かい粒子はほとんどない一般に粉体塗料の粒径は大きいことはわかるが実際に空気中を漂っているのは吸入性粒子など粒径が小さいものであることがばく露実態調査の測定でわかっている作業環境中のデータはないか関心事項についてデータがあれば提供していただきたい

25 ( 参考 ) 近年の措置検討物質の検討期間措置内容と適用除外業務三酸化二アンチモン (H27.8~H28.8) 委員による事業場 (2 カ所 ) の視察を含む管理第 2 類物質特別管理物質 H29.6 施行適用除外 : 樹脂等により固形化された物を取り扱う業務ナフタレン (H26.7~12) 特定第 2 類物質特別管理物質 H27.11 施行適用除外 : 液体状のナフタレンを製造又は取り扱う業務の一部リフラクトリーセラミックファイバー (H26.7~12) 管理第 2 類物質特別管理物質 H27.11 施行適用除外 : バインダーにより固形化された物その他の粉じんの発散を防止する処理が講じられた物を製造又は取り扱う業務ジメチル -2,2- ジクロロビニルホスフェイト (DDVP) (H25.7~9) 特定第 2 類物質特別管理物質 H26.11 施行適用除外 : 製造又は取り扱う業務のうち成形加工又は包装以外の業務

26 26 リスク評価検討会(事業場でのばく露実態調査等)健康障害防止措置検討会パブリックコメント(リスクコミュニケーション)労政審議会への諮問答申(安全衛生分科会)公布施行特化則改正の標準的な手続き ( 参考 ) 特化則改正の標準的な手続き

27 ご清聴有り難うございました 27

有害性総合評価

別冊 6 初期リスク評価書 No.55( 初期 ) ニトロメタン (Nitromethane) 目次本文 1 別添 1 有害性総合評価表 6 別添 2 有害性評価書 9 別添 3 ばく露作業報告集計表 20 別添 4 測定分析法 21 2011 年 7 月厚生労働省化学物質のリスク評価検討会 1 物理的性状等 (1) 化学物質の基本情報名称 : ニトロメタン別名 :Nitrocarbol 化学式