公 的 年 金 のバランスシート アプローチにおける 将 来 推 計 モ デ ル の 構 造 と 概 念 関 西 学 院 大 学 大 学 院 経 済 学 研 究 科 大 学 院 研 究 員 横 山 寛 和 構 成 1.バランスシート アプローチの 有 効 性 と 将 来 推 計 モデルの 基 本 思

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1 関 西 学 院 大 学 産 業 研 究 所 KG-SANKEN Discussion Paper No. 3 KG-SANKEN DISCUSSION PAPER SERIES KG-SANKEN No.3 公 的 年 金 のバランスシート アプローチにおける 将 来 推 計 モデルの 構 造 と 概 念 関 西 学 院 大 学 大 学 院 経 済 学 研 究 科 大 学 院 研 究 員 横 山 寛 和 2008 年 10 月 関 西 学 院 大 学 産 業 研 究 所 Insiue for Indusrial Research, Kwansei Gauin Universiy 兵 庫 県 西 宮 市 上 ヶ 原 一 番 町 TEL: FAX: アドレス:sanen@wansei.ac.jp URL: hp://gsain.wansei.ac.jp/sanen.hml

2 公 的 年 金 のバランスシート アプローチにおける 将 来 推 計 モ デ ル の 構 造 と 概 念 関 西 学 院 大 学 大 学 院 経 済 学 研 究 科 大 学 院 研 究 員 横 山 寛 和 構 成 1.バランスシート アプローチの 有 効 性 と 将 来 推 計 モデルの 基 本 思 想 2. 推 計 モデルの 概 要 3. 被 保 険 者 数 の 推 計 方 法 4. 標 準 報 酬 ( 月 ) 額 ブロック 5. 保 険 料 収 入 ブロック 6. 年 金 給 付 額 ブロック 7. 制 度 間 移 転 補 助 金 ブロック 8. 集 計 ブロック 9. 推 計 モデルの 特 徴 と 課 題 1. バランスシート アプローチの 有 効 性 と 将 来 推 計 モデルの 基 本 思 想 本 稿 は 横 山 (2007)の 中 で 示 した わが 国 の 公 的 年 金 財 政 の 将 来 推 計 モデルの 内 容 を 表 し たものである 公 的 年 金 制 度 改 革 において 将 来 推 計 は 制 度 論 と 並 んでその 方 向 を 決 定 する 上 できわめて 重 要 である したがって より 精 度 の 高 い 推 計 を 行 うだけではなく その 推 計 結 果 をどう 評 価 するかも 非 常 に 重 要 になる 1 公 的 年 金 財 政 のバランスシート アプローチは 公 的 年 金 制 度 の 持 続 可 能 性 を 評 価 する 手 法 の 一 つである 具 体 的 には 一 時 点 の 確 定 資 産 である 積 立 金 残 高 ( 年 金 制 度 の 累 積 黒 字 に 相 当 する)および 確 定 債 務 である 過 去 債 務 ( 過 去 から 現 在 にかけて 被 保 険 者 が 拠 出 した 保 険 料 に 基 づいて 約 束 した 年 金 給 付 の 支 払 い 義 務 )だけではなく 被 保 険 者 が 現 在 から 将 来 に 掛 けて 拠 出 する 保 険 料 および 将 来 債 務 ( 現 在 から 将 来 にかけて 被 保 険 者 が 拠 出 する 保 険 料 に 応 じて 約 束 する 支 払 い 義 務 )を 現 在 価 値 に 換 算 し ストック 化 してバランスシートにまとめた ときに 債 務 超 過 になるかどうかで 持 続 可 能 性 を 評 価 する アメリカの Social Securiy Trusee ecms1019@wansei.ac.jp 1 なお 本 文 および 図 の 一 部 は 横 山 (2007)と 重 複 している - 1 -

3 は このように 作 成 されたバランスシートから 導 出 される 二 つの 指 標 具 体 的 には he open group unfunded obligaion および he closed group unfunded obligaion を 用 いて 公 的 年 金 財 政 の 持 続 可 能 性 を 評 価 している he open group unfunded obligaion は すべての 世 代 を 含 めたバランスシートから 算 出 される 債 務 超 過 額 ( 年 金 純 債 務 :unfunded obligaion)を he closed group unfunded obligaion は 過 去 世 代 ( 現 在 の 年 金 受 給 世 代 )および 現 役 世 代 ( 現 在 保 険 料 を 拠 出 している 世 代 )のみで 作 成 したバランスシートから 算 出 される 債 務 超 過 額 を 表 している 2 このアプローチは 政 府 はある 一 時 点 で 債 務 超 過 であっても 通 時 的 にその 債 務 超 過 を 解 消 することができる 確 かな 見 込 みがあるならば 持 続 可 能 性 はないとは 言 えないという 考 え 方 に 基 づいている わが 国 の 公 的 年 金 制 度 は 実 質 的 に 賦 課 方 式 で 運 営 されていることに 加 え て 当 期 の 給 付 と 当 期 の 保 険 料 収 入 が 別 々に 決 まるために 一 時 点 では 常 に 債 務 超 過 になる ことが 予 定 されている したがって わが 国 の 公 的 年 金 制 度 の 持 続 可 能 性 は 現 行 制 度 の 基 本 設 計 を 維 持 したまま 存 続 する 限 り 一 時 点 の 確 定 債 務 と 確 定 資 産 だけに 着 目 しているだけ では 明 らかにできないために 上 で 示 したようなバランスシートを 用 いて 分 析 しなければな らない また 公 的 年 金 制 度 は 実 質 的 に 賦 課 方 式 で 運 営 されているために 世 代 間 の 負 担 配 分 のバランスは 常 に 関 心 事 となる he closed group unfunded obligaion は それを 現 在 価 値 ベースで 明 らかにすることができるため 尐 子 高 齢 化 が 進 んでいる 社 会 においては 重 要 な 指 標 となる 本 稿 の 推 計 モデルは わが 国 の 公 的 年 金 制 度 のバランスシートを 制 度 ごと 作 成 し he open group unfunded obligaion および he closed group unfunded obligaion を 算 出 することお よびその 変 化 のメカニズムを 明 らかにすることを 目 的 としている そのために わが 国 の 公 的 年 金 制 度 具 体 的 には 国 民 年 金 制 度 厚 生 年 金 制 度 共 済 年 金 制 度 および 基 礎 年 金 制 度 の 制 度 間 移 転 を 含 む 基 本 的 な 枠 組 みに 可 能 な 限 り 沿 うことができるように 構 築 した 3 2 ただし he closed group unfunded obligaion は わが 国 のような 賦 課 方 式 を 取 り 入 れ ている 年 金 制 度 においては 発 生 することが 前 提 とされているため 存 在 することそれ 自 体 は 問 題 にならない この 指 標 は 特 に 賦 課 方 式 の 年 金 制 度 が 資 源 配 分 に 及 ぼす 影 響 へ 言 及 する ときに 有 力 な 指 標 である 3 ただし 国 家 公 務 員 共 済 組 合 連 合 会 等 拠 出 金 収 入 などの 共 済 年 金 から 厚 生 年 金 への 制 度 間 移 転 は 推 計 に 含 めなかった これらの 拠 出 金 は 厚 生 年 金 給 付 のうち 厚 生 年 金 に 統 合 され た 共 済 年 金 被 保 険 者 期 間 にかかる 部 分 に 対 して 拠 出 される 制 度 間 移 転 であり 結 果 的 に 相 殺 されるためである しかし 本 稿 のモデルを 共 済 年 金 も 含 めたものに 拡 張 するときには 考 慮 しなければならない このことは 今 後 の 課 題 としたい - 2 -

4 具 体 的 な 推 計 方 法 については 被 保 険 者 数 の 推 計 は 将 来 分 は 基 本 的 に 厚 生 労 働 省 年 金 局 厚 生 年 金 国 民 年 金 平 成 16 年 財 政 再 計 算 結 果 ( 以 下 年 金 財 政 再 計 算 )を 踏 襲 し 過 去 分 は 基 本 的 に 八 田 小 口 (1999)が 開 発 した OSU モデルを 踏 襲 している 年 金 給 付 額 の 推 計 は 基 本 的 に 深 尾 金 子 中 田 蓮 見 (2006)および 深 尾 蓮 見 中 田 (2007)が 開 発 した RIETI モデルを 踏 襲 した しかし OSU モデルおよび RIETI モデルは 容 易 に 入 手 すること ができるとは 言 えない 資 料 を 利 用 している 部 分 や 推 計 方 法 等 が 明 確 に 述 べられていない 部 分 がある 本 稿 はそれらを 補 うために 広 く 公 開 されている 資 料 のみを 利 用 して 推 計 するこ とができるようにモデルを 改 良 変 更 した かつては 公 的 年 金 制 度 に 関 するデータは 入 手 困 難 であると 言 われていたが 特 に 近 年 では 情 報 公 開 が 進 み 公 開 されている 資 料 のみを 利 用 しても 十 分 に 実 用 に 耐 えることができる 将 来 推 計 が 可 能 になっている 4 本 稿 の 構 成 は 以 下 の 通 りである 次 節 では わが 国 の 公 的 年 金 制 度 における 基 本 的 な 資 金 の 流 れを 概 観 し 推 計 モデルの 基 本 構 成 および 全 体 のフローチャートを 述 べる 第 3~8 節 は 具 体 的 な 推 計 手 法 を 述 べる 第 9 節 は 推 計 モデルの 特 徴 を 述 べた 後 に OSU モデル および RIETI モデルとの 違 いを 述 べ 最 後 に 推 計 モデルの 課 題 について 述 べる 2. 推 計 モデルの 概 要 2.1. わが 国 の 公 的 年 金 制 度 の 特 徴 制 度 を 分 析 するときにはその 制 度 設 計 を 十 分 に 理 解 する 必 要 がある わが 国 の 公 的 年 金 制 度 における 資 金 の 基 本 的 な 流 れは 図 2-1 で 表 すことができる (1) 各 年 金 制 度 の 被 保 険 者 は 加 入 している 年 金 制 度 に 保 険 料 を 支 払 う (2) 国 民 年 金 厚 生 年 金 および 共 済 年 金 はそれぞれ 積 立 金 を 所 有 しており それらから 運 用 益 を 得 る (3) (1) (2)を 財 源 として 各 年 金 制 度 は 基 礎 年 金 拠 出 金 を 被 保 険 者 数 (あるいは 保 険 料 納 付 者 数 )に 応 じて 基 礎 年 金 に 支 払 う 5 (4) 基 礎 年 金 拠 出 金 に 対 して 国 庫 から 基 礎 年 金 拠 出 金 国 庫 負 担 金 ( 単 に 国 庫 負 担 と 呼 ばれる 4 OSU モデルや RIETI モデルも 公 開 されている 資 料 から 推 計 することを 目 的 として 開 発 されたモデルだが OSU モデルでは 情 報 公 開 請 求 が 必 要 なデータを 利 用 している 部 分 が あり RIETI モデルは 社 会 保 障 審 議 会 年 金 数 理 部 会 から 提 供 を 受 けた 年 金 財 政 再 計 算 の 中 間 資 料 を 利 用 して 推 計 を 行 っている 部 分 がある 5 基 礎 年 金 拠 出 金 とは 1986 年 改 革 で 新 設 された 制 度 間 移 転 である 厚 生 年 金 および 共 済 年 金 の 被 保 険 者 はこの 制 度 間 移 転 をもって 基 礎 年 金 の 受 給 資 格 を 得 る また 第 3 号 被 保 険 者 分 は 扶 養 者 が 加 入 する 被 用 者 年 金 制 度 が 拠 出 金 を 負 担 する - 3 -

5 ことが 多 い)が 各 年 金 制 度 へ 繰 り 出 される (5) 各 年 金 制 度 は 過 去 の 保 険 料 の 拠 出 実 績 に 基 づいて 約 束 した 年 金 を 上 で 述 べた 収 入 を 財 源 として 給 付 する (6) みなし 基 礎 年 金 に 対 して 基 礎 年 金 から 各 年 金 制 度 へ 基 礎 年 金 交 付 金 が 支 払 われる 67 (7) これらを 年 金 制 度 ごとに 集 計 した 結 果 黒 字 ならば 積 立 金 の 積 み 増 しが 行 われ 赤 字 な ら 積 立 金 を 取 り 崩 す 図 2-1 わが 国 の 公 的 年 金 制 度 のおける 資 金 の 流 れ 厚 生 年 金 被 保 険 者 保 険 料 厚 生 年 金 厚 生 年 金 給 付 見 なし 基 礎 年 金 厚 生 年 金 受 給 者 公 費 負 担 運 用 益 積 立 金 ( 国 民 年 金 ) 基 礎 年 金 交 付 金 積 立 積 立 金 ( 厚 生 年 金 ) 運 用 益 積 立 基 礎 年 金 拠 出 金 国 民 年 金 被 保 険 者 保 険 料 国 民 年 金 公 費 負 担 基 礎 年 金 交 付 金 基 礎 年 金 拠 出 金 基 礎 年 金 基 礎 年 金 見 なし 基 礎 年 金 国 民 年 金 受 給 者 国 庫 基 礎 年 金 交 付 金 基 礎 年 金 拠 出 金 積 立 積 立 金 ( 共 済 年 金 ) 共 済 年 金 被 保 険 者 保 険 料 公 費 負 担 共 済 年 金 運 用 益 共 済 年 金 給 付 見 なし 基 礎 年 金 共 済 年 金 受 給 者 Source) 横 山 (2007) わが 国 の 公 的 年 金 制 度 の 特 徴 は 3 点 が 挙 げられるだろう 1 点 目 は 一 階 部 分 (1s ier: Redisribuive Scheme)の 基 礎 年 金 および 二 階 部 分 (2nd ier:insurance)の 報 酬 比 例 部 分 (Earning Relaed Scheme)から 構 成 される 二 階 建 て 方 式 で 構 築 されていることである 基 礎 年 金 は 基 本 的 に 定 額 負 担 定 額 給 付 である 二 階 部 分 は 賃 金 水 準 に 応 じて 保 険 料 を 負 担 6 みなし 基 礎 年 金 とは 1986 年 以 前 の 旧 法 に 基 づいて 算 定 された 年 金 給 付 のうち 1986 年 以 降 の 新 法 の 基 礎 年 金 に 相 当 する 部 分 である 7 基 礎 年 金 交 付 金 とは みなし 基 礎 年 金 に 対 して 基 礎 年 金 から 各 年 金 制 度 へ 支 払 われる 交 付 金 である - 4 -

6 し 現 役 時 代 の 給 与 水 準 に 応 じて 給 付 を 受 ける 2 点 目 は 職 域 によって 加 入 している 年 金 制 度 が 異 なることである 具 体 的 には 基 本 的 に 民 間 企 業 の( 主 に 正 規 ) 雇 用 者 は 厚 生 年 金 制 度 に 加 入 し 国 家 公 務 員 地 方 公 務 員 および 私 立 学 校 教 職 員 は 共 済 年 金 (それぞれ 国 家 公 務 員 共 済 組 合 地 方 公 務 員 共 済 組 合 および 私 立 学 校 教 職 員 共 済 組 合 に) 加 入 する 厚 生 年 金 と 共 済 年 金 は 合 わせて 被 用 者 年 金 と 呼 ばれる それ 以 外 は 国 民 年 金 に 加 入 する 3 点 目 は 基 礎 年 金 の 給 付 財 源 を 国 民 年 金 厚 生 年 金 および 共 済 年 金 が 拠 出 する 基 礎 年 金 拠 出 金 によっ て 調 達 し その 算 出 方 法 を 通 してこれら 三 つの 年 金 制 度 が 相 互 に 結 びついていることである 各 年 金 制 度 が 負 担 する 基 礎 年 金 拠 出 金 は 各 年 金 制 度 の 保 険 料 納 付 者 数 で 決 まる 2.2. 推 計 モデルの 基 本 構 成 これらの 特 徴 を 推 計 に 反 映 するため 本 稿 は 推 計 モデルを 図 2-2 のように 構 成 した 具 体 的 には 毎 年 のキャッシュ フローである 保 険 料 年 金 給 付 および 制 度 間 移 転 ( 基 礎 年 金 拠 出 金 )を 推 計 するブロック それらの 基 礎 値 となる 被 保 険 者 数 および 標 準 報 酬 額 ( 賃 金 ) を 算 出 するブロックおよび 全 体 の 集 計 を 行 う 集 計 ブロックを 設 置 した 図 2-2 推 計 モデルの 基 本 構 成 被 保 険 者 ブロック 人 口 被 保 険 者 数 標 準 報 酬 ブロック 賃 金 標 準 報 酬 ( 月 ) 額 保 険 料 ブロック 厚 生 年 金 保 険 料 国 民 年 金 保 険 料 制 度 間 移 転 ブロック 基 礎 年 金 拠 出 金 国 庫 負 担 年 金 給 付 ブロック 厚 生 年 金 給 付 基 礎 年 金 給 付 集 計 ブロック 積 立 金 運 用 益 収 支 被 保 険 者 数 ブロックおよび 標 準 報 酬 ブロックは 共 に 保 険 料 ブロックおよび 年 金 給 付 ブロッ クに 連 結 されている 上 で 述 べたように わが 国 の 公 的 年 金 制 度 は 過 去 の 保 険 料 拠 出 実 績 に 基 づいて 将 来 の 給 付 を 約 束 している 厚 生 年 金 保 険 料 は 標 準 報 酬 額 に 保 険 料 率 を 乗 じて 決 定 され 厚 生 年 金 給 付 額 は 被 保 険 者 期 間 の 標 準 報 酬 ( 月 ) 額 に 基 づいて 決 定 される 国 民 年 金 保 険 料 は 定 額 の 保 険 料 を 負 担 し 基 礎 年 金 給 付 は 定 額 の 給 付 を 受 ける したがって - 5 -

7 被 保 険 者 数 ( 保 険 料 納 付 者 数 )および 標 準 報 酬 ( 月 ) 額 が 決 まれば 保 険 料 収 入 および 年 金 給 付 を 推 計 することができる また 被 保 険 者 数 ブロックは 年 金 給 付 ブロックと 共 に 制 度 間 移 転 ブロックへ 連 結 されて いる 基 礎 年 金 拠 出 金 は 国 民 年 金 厚 生 年 金 および 共 済 年 金 が 基 礎 年 金 へ 拠 出 する 制 度 間 移 転 であり 当 期 の 基 礎 年 金 給 付 を 各 年 金 制 度 の 保 険 料 納 付 者 数 に 応 じて 分 担 する 制 度 である そして 基 礎 年 金 拠 出 金 国 庫 負 担 金 は 基 礎 年 金 拠 出 金 の 一 定 割 合 である したがって 基 礎 年 金 給 付 額 および 保 険 料 納 付 者 数 が 決 まれば 制 度 間 移 転 額 が 算 出 することができる 最 後 に 保 険 料 ブロック 年 金 給 付 ブロックおよび 制 度 間 移 転 ブロックは 集 計 ブロック に 連 結 されている 保 険 料 ブロック 年 金 給 付 ブロックおよび 制 度 間 移 転 ブロックで 推 計 し たキャッシュ フローに 集 計 ブロックで 推 計 した 各 年 金 制 度 の 積 立 金 運 用 益 を 加 えれば 当 期 収 支 が 算 出 することができる 2.3. 推 計 の 手 順 上 で 述 べたように わが 国 の 公 的 年 金 制 度 の 将 来 推 計 は 推 計 の 基 礎 となる 被 保 険 者 数 およ び 標 準 報 酬 ( 月 ) 額 を 推 計 することから 始 まる それらが 決 まれば 保 険 料 および 年 金 給 付 を 推 計 することが 可 能 になる 基 礎 年 金 給 付 額 が 決 まれば 被 保 険 者 数 と 合 わせて 制 度 間 移 転 を 推 計 することが 可 能 になる 最 後 に 積 立 金 運 用 益 を 推 計 すれば 毎 期 のキャッシュ フ ローが 確 定 する それらを 集 計 すればバランスシートを 作 成 することが 可 能 になる したが って 推 計 は 1 被 保 険 者 数 ( 保 険 料 納 付 者 数 ) 2 標 準 報 酬 額 3 年 金 保 険 料 4 年 金 給 付 額 5 制 度 間 移 転 6 集 計 の 順 に 行 う 全 体 の 推 計 手 順 は 図 2-3 に 示 した 各 ブロックで は 以 下 で 述 べる 手 順 に 従 って 推 計 を 行 う 被 保 険 者 数 ブロック 被 保 険 者 数 ブロックでは 年 齢 階 層 別 人 口 の 時 系 列 データを 男 女 別 に 作 成 し それらを 用 いて 各 年 金 制 度 の 被 保 険 者 数 ( 第 1 号 被 保 険 者 については 保 険 料 納 付 者 数 )を 推 計 する 最 後 に それらをコーホートデータに 変 換 する (1) 年 齢 階 層 別 人 口 の 作 成 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 日 本 の 将 来 推 計 人 口 ( 平 成 18 年 12 月 推 計 ) および 総 務 省 統 計 局 わが 国 の 推 計 人 口 ( 大 正 9~ 平 成 12 年 ) から 年 齢 階 層 別 人 口 (20 歳 以 上 64 歳 未 満 5 歳 刻 み)の 時 系 列 データ(1942~2105 年 度 )を 作 成 する (2) 年 齢 階 層 別 総 人 口 の 分 割 (1)で 作 成 した 年 齢 階 層 別 人 口 を 被 用 者 年 金 被 保 険 者 ( 第 2 号 被 保 険 者 ) 第 1 号 被 保 険 者 および 国 民 年 金 第 3 号 被 保 険 者 に 分 割 する - 6 -

8 (3) 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 の 分 割 (2)で 算 出 した 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 を 厚 生 年 金 被 保 険 者 および 共 済 年 金 被 保 険 者 に 分 割 する (4) 国 民 年 金 保 険 料 納 付 率 の 算 出 厚 生 労 働 省 がホームページで 公 開 している 平 均 法 定 免 除 率 平 均 申 請 免 除 率 平 均 保 険 料 納 付 率 社 会 保 険 庁 国 民 年 金 の 加 入 納 付 状 況 および 国 民 年 金 被 保 険 者 実 態 調 査 から 国 民 年 金 保 険 料 の 年 齢 階 層 別 納 付 率 および 申 請 免 除 率 を 算 出 する (5) 国 民 年 金 保 険 料 納 付 者 数 の 算 出 (2)で 推 計 した 第 1 号 被 保 険 者 数 法 定 免 除 率 (4)で 推 計 した 年 齢 階 層 別 納 付 率 および 年 齢 階 層 別 申 請 免 除 率 から 国 民 年 金 保 険 料 納 付 者 数 を 推 計 する (6) 第 3 号 被 保 険 者 の 分 割 (2)で 推 計 した 第 3 号 被 保 険 者 を 厚 生 年 金 分 および 共 済 組 合 分 に 分 割 する (7) コーホートデータ( 出 生 年 度 別 5 年 ごと)への 変 換 (3) (5)および(6)で 作 成 した 年 齢 階 層 別 被 保 険 者 数 ( 保 険 料 納 付 者 数 )をコーホートデ ータへ 変 換 する 標 準 報 酬 ブロック 標 準 報 酬 ブロックでは 年 齢 階 層 別 賃 金 ( 現 金 給 与 )から 厚 生 年 金 保 険 料 および 給 付 額 の 根 拠 となる 標 準 報 酬 ( 月 ) 額 を 推 計 し それらをコーホートデータに 推 計 する (8) 年 齢 階 層 別 標 準 報 酬 ( 月 ) 額 の 算 出 厚 生 労 働 省 賃 金 構 造 基 礎 調 査 ( 以 下 賃 金 センサス)に 収 録 されている 年 齢 階 層 別 所 定 内 給 与 年 齢 階 層 給 与 階 級 別 労 働 者 数 きまって 支 給 される 現 金 給 与 および 厚 生 労 働 省 がホームページで 公 表 している 標 準 報 酬 月 額 の 平 均 の 長 期 時 系 列 データから 1942~ 2105 年 度 の 年 齢 階 層 別 標 準 報 酬 ( 月 ) 額 の 平 均 を 算 出 する (9) コーホートデータ( 出 生 年 度 別 5 年 ごと)への 変 換 (8)で 算 出 した 年 齢 階 層 別 標 準 報 酬 ( 月 ) 額 の 平 均 をコーホートデータへ 変 換 する 保 険 料 ブロック 保 険 料 ブロックでは 被 保 険 者 数 推 計 ブロックおよび 標 準 報 酬 推 計 ブロックの 推 計 結 果 を 利 用 して 国 民 年 金 保 険 料 および 厚 生 年 金 保 険 料 を 推 計 する (10) 厚 生 年 金 保 険 料 の 推 計 (7)で 算 出 した 厚 生 年 金 被 保 険 者 数 および(9)で 算 出 した 標 準 報 酬 額 の 平 均 から 厚 生 年 金 保 険 料 を 算 出 する - 7 -

9 (11) 国 民 年 金 保 険 料 の 推 計 (7)で 推 計 した 国 民 年 金 保 険 料 納 付 者 数 から 国 民 年 金 保 険 料 を 算 出 する 図 2-3 推 計 のフローチャート 厚 生 年 金 積 立 金 賃 金 人 口 国 民 年 金 積 立 金 厚 生 年 金 被 保 険 者 第 2 号 被 保 険 者 第 3 号 被 保 険 者 厚 生 年 金 分 第 3 号 被 保 険 者 共 済 年 金 被 保 険 者 第 3 号 被 保 険 者 共 済 年 金 分 第 1 号 被 保 険 者 国 民 年 金 保 険 料 納 付 者 被 保 険 者 標 準 報 酬 標 準 報 酬 厚 生 年 金 給 付 厚 生 年 金 保 険 料 基 礎 年 金 給 付 国 民 年 金 保 険 料 保 年 険 金 料 給 付 国 庫 負 担 基 礎 年 金 拠 出 金 制 度 間 移 転 厚 生 年 金 積 立 金 運 用 益 厚 生 年 金 収 支 国 民 年 金 収 支 国 民 年 金 積 立 金 運 用 益 集 計 年 金 給 付 ブロック 年 金 給 付 ブロックでは 被 保 険 者 数 推 計 ブロックおよび 標 準 報 酬 推 計 ブロックの 推 計 結 果 を 利 用 して 基 礎 年 金 給 付 額 厚 生 年 金 給 付 額 厚 生 年 金 給 付 の 所 得 代 替 率 ネット 賃 金 スラ イド 率 およびマクロ 経 済 スライド 率 を 推 計 する (12) 勤 労 所 得 の 平 均 実 効 税 率 の 推 計 OECD Naional Accouns Vol.II Deailed Table および OECD Revenue Saisics から 社 会 保 険 料 を 含 む 勤 労 収 入 の 平 均 実 効 税 率 を 推 計 する (13) 標 準 的 厚 生 年 金 給 付 額 の 推 計 (9)で 推 計 した 標 準 報 酬 額 から 2004 年 改 革 で 想 定 している 標 準 的 厚 生 年 金 給 付 額 (20 歳 から 60 歳 まで 各 年 齢 階 層 の 平 均 賃 金 を 得 ていた 場 合 の 厚 生 年 金 給 付 額 )を 算 出 する (14) 厚 生 年 金 の 所 得 代 替 率 の 推 計 (8)で 算 出 した 平 均 賃 金 (12)で 算 出 した 勤 労 所 得 税 の 平 均 実 効 税 率 および(13)で 推 計 した 標 準 的 厚 生 年 金 給 付 額 から 厚 生 年 金 の 所 得 代 替 率 を 推 計 する - 8 -

10 (15) ネット 賃 金 スライド 率 およびマクロ 経 済 スライド 率 の 推 計 (8)で 推 計 した 平 均 賃 金 (12)で 推 計 した 勤 労 所 得 税 の 平 均 実 効 税 率 および で 推 計 した 年 金 被 保 険 者 数 からネット 賃 金 上 昇 率 およびマクロ 経 済 スライド 率 を 推 計 する (16) 厚 生 年 金 給 付 の 推 計 (7)で 推 計 した 厚 生 年 金 被 保 険 者 数 および(9)で 推 計 した 標 準 報 酬 ( 月 ) 額 から 厚 生 年 金 給 付 額 を 推 計 する (17) 基 礎 年 金 給 付 の 推 計 (7)で 推 計 した 各 年 金 制 度 の 被 保 険 者 数 ( 第 1 号 被 保 険 者 の 場 合 は 保 険 料 納 付 者 数 )から 基 礎 年 金 給 付 額 を 推 計 する 制 度 間 移 転 ブロック 制 度 間 移 転 ブロックでは 年 金 給 付 ブロックで 推 計 した 基 礎 年 金 給 付 額 および 被 保 険 者 数 ブロックで 推 計 した 各 年 金 制 度 の 被 保 険 者 数 ( 第 1 号 被 保 険 者 については 保 険 料 納 付 者 数 ) から 各 制 度 が 負 担 する 基 礎 年 金 拠 出 金 および 各 制 度 への 基 礎 年 金 拠 出 金 国 庫 負 担 金 を 推 計 す る (18) 基 礎 年 金 拠 出 金 の 推 計 (3) (5)および(6)で 推 計 した 各 年 金 制 度 の 被 保 険 者 数 ( 第 1 号 被 保 険 者 の 場 合 は 保 険 料 納 付 者 数 )および(17)で 推 計 した 基 礎 年 金 給 付 額 から 基 礎 年 金 拠 出 金 総 額 および 各 年 金 制 度 の 分 担 額 を 算 出 する (19) 基 礎 年 金 拠 出 金 国 庫 負 担 金 の 算 出 (18)で 推 計 した 各 年 金 制 度 が 負 担 する 基 礎 年 金 拠 出 金 から 各 年 金 制 度 が 得 る 基 礎 年 金 拠 出 金 国 庫 負 担 金 を 算 出 する 集 計 ブロック 集 計 ブロックでは 国 民 年 金 および 厚 生 年 金 積 立 金 残 高 から 国 民 年 金 および 厚 生 年 金 の 積 立 金 運 用 益 を 算 出 した 後 に 保 険 料 収 入 額 年 金 給 付 額 基 礎 年 金 拠 出 金 および 基 礎 年 金 拠 出 金 国 庫 負 担 金 と 合 わせて 毎 年 の 収 支 ( 積 立 金 の 増 減 )を 確 定 させ それらを 現 在 価 値 に 換 算 し バランスシートを 作 成 する (20) 厚 生 年 金 積 立 金 運 用 益 の 算 出 厚 生 年 金 積 立 金 残 高 から 厚 生 年 金 の 積 立 金 運 用 益 を 算 出 する (21) 国 民 年 金 積 立 金 運 用 益 の 算 出 国 民 年 金 積 立 金 残 高 から 国 民 年 金 の 積 立 金 運 用 益 を 算 出 する (22) 厚 生 年 金 の 集 計 - 9 -

11 (10) (16) (18) (19)および(20)から 厚 生 年 金 の 収 支 を 計 算 する (23) 国 民 年 金 の 集 計 (11) (17) (18) (19)および(21)から 国 民 年 金 の 収 支 を 計 算 する 3. 被 保 険 者 数 の 推 計 方 法 3.1. 被 保 険 者 数 の 推 計 の 基 本 的 な 考 え 方 各 年 金 制 度 の 被 保 険 者 数 の 推 計 における 基 本 的 な 考 え 方 は 図 3-1 に 示 している 具 体 的 には (1) 個 人 ( 総 人 口 )が 労 働 市 場 に 参 加 する( 労 働 力 人 口 )のかそれとも 参 加 しない( 非 労 働 力 人 口 )のか ( 2) 労 働 市 場 に 参 加 するなら 第 1 号 被 保 険 者 になるのか それとも 第 2 号 被 保 険 者 になるのか (3) 労 働 市 場 に 参 加 しないのなら 第 1 号 被 保 険 者 になるのかそ れとも 第 3 号 被 保 険 者 になるのか (4) 第 2 号 被 保 険 者 になるなら 厚 生 年 金 に 加 入 するの か それとも 共 済 年 金 に 加 入 するのかである 8 図 3-1 被 保 険 者 数 推 計 の 考 え 方 非 労 働 力 第 3 号 被 保 険 者 総 人 口 労 働 力 第 1 号 被 保 険 者 第 2 号 被 保 険 者 共 済 年 金 被 保 険 者 厚 生 年 金 被 保 険 者 被 保 険 者 数 の 推 計 において 利 用 している 最 も 重 要 な 資 料 は 社 会 保 障 審 議 会 年 金 数 理 部 会 公 的 年 金 財 政 状 況 報 告 である 本 稿 では 公 的 年 金 財 政 状 況 報 告 を 利 用 することがで 8 厳 密 に 言 えば 第 1 号 被 保 険 者 になるのか それとも 第 2 号 被 保 険 者 になるのかについ ては 企 業 に 就 職 する( 被 用 者 となる)のか それともしない( 被 用 者 にならない)のか 被 用 者 となるなら 就 職 するのが 厚 生 年 金 あるいは 共 済 年 金 適 応 事 業 所 か それともそう でないのか 適 応 事 業 所 に 就 職 するのであれば 正 規 雇 用 ( 第 2 号 被 保 険 者 )なのか それと も 非 正 規 ( 第 1 号 被 保 険 者 )となるのかを 考 慮 しなければならない しかし 本 稿 では 簡 略 化 のためにこのプロセスを 省 略 している なお 非 正 規 雇 用 であっても 就 業 時 間 が 同 一 事 業 所 の 正 規 雇 用 者 の 就 業 時 間 の 4 分 の 3 以 上 であれば 第 2 号 被 保 険 者 となる

12 きる 年 度 (1999~2006 年 度 )は その 中 に 収 録 されている 値 を 実 績 値 として 利 用 して いる 9 利 用 できない 年 度 は 将 来 分 は 2006 年 度 の 過 去 分 は 1999 年 度 の 公 的 年 金 財 政 状 況 報 告 から 得 られる 比 率 が 現 在 から 将 来 にかけて 一 定 である あるいは 過 去 から 現 在 に かけて 一 定 であったと 仮 定 して 推 計 している ただし 過 去 分 は 将 来 分 の 推 計 値 の 推 移 か ら 算 出 している 部 分 もある その 場 合 は その 都 度 推 計 方 法 を 述 べる 以 下 では このよう な 考 え 方 に 基 づいた 被 保 険 者 数 の 推 計 方 法 を 述 べる 3.2. 厚 生 年 金 および 共 済 年 金 被 保 険 者 数 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 将 来 の 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 は 3.1.の(1) 及 び(2)に 従 い (3.1) 式 から 推 計 する 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 = 総 人 口 労 働 力 率 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 a, a, a, a, 労 働 力 人 口 a, ただし a: 年 齢 階 層 a = 15~19,,60~64 : 年 度 = 2007,,2105 総 人 口 は 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 日 本 の 将 来 推 計 人 口 ( 平 成 18 年 12 月 推 計 ) (3.1) を 利 用 した 労 働 力 率 は 年 金 財 政 再 計 算 を 踏 襲 し 厚 生 労 働 省 職 業 安 定 局 労 働 力 人 口 の 推 移 推 計 ( 平 成 15 年 7 月 推 計 ) を 利 用 した 10 各 年 齢 階 層 の 労 働 力 人 口 に 占 める 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 の 割 合 は 年 金 財 政 再 計 算 を 踏 襲 して (1) 被 保 険 者 の 年 齢 が 30 歳 未 満 か それとも 30 歳 以 上 か 30 歳 以 上 の 場 合 は (2) 基 準 年 度 末 時 点 ( 本 稿 では 2006 年 度 )で 30 歳 以 上 か それとも(3)30 歳 未 満 かに よって 分 ける (1)30 歳 未 満 の 場 合 は 2006 年 度 の 公 的 年 金 財 政 状 況 報 告 から 算 出 し た 20~24 歳 および 25~29 歳 の 値 が 将 来 にかけて 一 定 で 推 移 すると 仮 定 する 30 歳 以 上 の 場 合 は ( 2 ) 基 準 年 度 末 時 点 で 30 歳 以 上 の 世 代 は 基 準 年 度 の 値 が 将 来 にかけて 一 定 で 推 移 すると 仮 定 する (3) 基 準 年 度 末 時 点 で 30 歳 未 満 の 世 代 は 基 準 年 度 の 30~34 歳 の 値 が 現 在 から 将 来 にかけて 一 定 で 推 移 すると 仮 定 する 過 去 分 は 将 来 分 よりも 単 純 化 して (3.2) 式 から 推 計 する 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 = 総 人 口 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 a, a, a, 総 人 口 a, ただし = 1942,,1998 (3.2) 総 人 口 は 総 務 省 わが 国 の 推 計 人 口 ( 大 正 9~ 平 成 12 年 ) を 利 用 した 総 人 口 に 占 める 被 9 ただし 公 的 年 金 財 政 状 況 報 告 の 値 は 正 確 にはサンプル 調 査 であり 実 績 値 ではない 10 ただし 労 働 力 人 口 の 推 移 推 計 は 2030 年 までの 推 計 となっている 本 稿 では 2031 年 以 降 は 2030 年 の 労 働 力 率 で 一 定 になると 仮 定 する

13 用 者 年 金 被 保 険 者 数 の 割 合 は OSU モデルを 踏 襲 し 1999~2030 年 度 の 総 人 口 に 占 める 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 の 割 合 の 指 数 曲 線 から 1942~1998 年 度 の 予 測 値 を 算 出 する 厚 生 年 金 被 保 険 者 数 および 共 済 年 金 被 保 険 者 数 厚 生 年 金 および 共 済 年 金 被 保 険 者 数 は 3.1.の(4)に 従 い (3.3) 式 から 推 計 する 厚 生 年 金 共 済 年 金 被 保 険 者 数 a, 厚 生 年 金 共 済 年 金 被 保 険 者 数 = 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 a, a, 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 a, (3.3) 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 に 占 める 厚 生 年 金 ( 共 済 年 金 ) 被 保 険 者 数 の 割 合 は 将 来 分 は 2005 年 度 の 公 的 年 金 財 政 状 況 報 告 から 得 られる 値 が 現 在 から 将 来 に 掛 けて 一 定 で 推 移 すると 仮 定 する 過 去 分 は 1999 年 度 の 公 的 年 金 財 政 状 況 報 告 から 得 られる 値 が 過 去 から 現 在 にかけて 一 定 であったと 仮 定 する 3.3. 国 民 年 金 被 保 険 者 数 第 1 号 被 保 険 者 数 第 1 号 被 保 険 者 数 は 過 去 分 および 将 来 分 ともに OSU モデルおよび RIETI モデルを 踏 襲 し 総 人 口 に 総 人 口 に 占 める 第 1 号 被 保 険 者 の 割 合 を 乗 じて 推 計 する 具 体 的 には (3.4) 式 から 推 計 する 11 第 1 号 被 保 険 者 数 = 総 人 口 第 1 号 被 保 険 者 数 a, a, a, 総 人 口 a, (3.4) 総 人 口 に 占 める 第 1 号 被 保 険 者 数 の 割 合 は 2007 年 度 以 降 は 2006 年 度 の 値 が 将 来 にかけて 一 定 であると 仮 定 し 1998 年 度 以 前 は 1999 年 度 の 値 がそれまで 一 定 であったと 仮 定 する 国 民 年 金 保 険 料 納 付 者 数 国 民 年 金 保 険 料 納 付 者 数 は 第 1 号 被 保 険 者 数 から 法 定 免 除 者 数 申 請 免 除 者 数 および 保 険 料 未 納 者 数 を 引 いて 算 出 する 具 体 的 には (3.5) 式 から 算 出 する 国 民 年 金 保 険 料 納 付 者 数 a, = 第 1 号 被 保 険 者 数 a, 1 法 定 免 除 率 1 保 険 料 納 付 率 a, 1 申 請 免 除 率 a, (3.5) 11 本 来 なら 図 3-1 に 従 うことが 望 ましい しかし 現 実 には 未 加 入 者 が 存 在 しているた めに 図 3-1 に 厳 密 に 従 えば 第 1 号 被 保 険 者 数 を 過 大 推 計 する 可 能 性 がある そのため 本 稿 はプロセスを 一 部 省 略 して 推 計 を 行 った

14 法 定 免 除 率 は 厚 生 労 働 省 がホームページで 公 開 している 平 均 法 定 免 除 率 の 長 期 時 系 列 デー タを 利 用 する 12 申 請 免 除 率 は 厚 生 労 働 省 がホームページで 公 開 している 平 均 申 請 免 除 率 の 長 期 時 系 列 デ ータおよび 社 会 保 険 庁 国 民 年 金 被 保 険 者 実 態 調 査 から 得 られる およ び 2004 年 度 の 年 齢 階 層 別 申 請 免 除 率 を 利 用 して 推 計 する 平 均 申 請 免 除 率 は 年 齢 階 層 別 申 請 免 除 率 の 対 20~24 歳 の 申 請 免 除 率 比 α a を 利 用 すれば(3.6) 式 によって 定 義 することがで きる 平 均 申 請 免 除 率 = 55~59 a=20~24 申 請 免 除 率 a 第 1 号 被 保 険 者 数 13 a 第 1 号 被 保 険 者 数 = 55~59 a=20~24 α a 申 請 免 除 率 20~24 第 1 号 被 保 険 者 数 a 第 1 号 被 保 険 者 数 (3.6) α a = 申 請 免 除 率 a 申 請 免 除 率 20~24 そして (3.6) 式 を(3.7) 式 に 変 形 する 申 請 免 除 率 20~24 = 平 均 申 請 免 除 率 55~59 a=20~24 第 1 号 被 保 険 者 数 α a 第 1 号 被 保 険 者 数 a (3.7) (3.7) 式 より 全 体 の 平 均 申 請 免 除 率 およびα a を 特 定 化 できれば (3.8) 式 から 年 齢 階 層 別 申 請 免 除 率 を 推 計 することができる 申 請 免 除 率 = α a a 申 請 免 除 率 (3.8) 20~24 α a は および 2004 年 度 は 国 民 年 金 被 保 険 者 実 態 調 査 に 収 録 され ている 値 から 算 出 する 1994 年 度 以 前 は 1995 年 度 のα a が 過 去 から 現 在 にかけて 一 定 であ ったと 仮 定 する 2005 年 度 以 降 は 2004 年 度 の α a が 将 来 にかけて 一 定 であると 仮 定 する 12 この 方 法 では 年 齢 階 層 別 の 法 定 免 除 率 を 考 慮 できないため 正 確 な 推 計 結 果 が 得 られな くなる しかし この 値 は 最 大 でも 5% 程 度 であるため その 影 響 は 推 計 結 果 の 信 頼 性 を 著 しく 損 なうほどのものにはならないと 考 えられる 13 (3.6) 式 の 被 保 険 者 数 からは 法 定 免 除 者 数 が 除 かれているため 厳 密 には 次 のように 定 義 される 申 請 免 除 者 数 平 均 申 請 免 除 率 = 第 1 号 被 保 険 者 数 法 定 免 除 者 数

15 および 2003 年 度 のα a は および 2004 年 度 の 値 を 線 形 補 間 して 算 出 する 14 保 険 料 納 付 率 は 2001~2006 年 度 は 社 会 保 険 庁 国 民 年 金 の 加 入 納 付 状 況 に 収 録 さ れている 値 を 利 用 する 2000 年 度 以 前 および 2007 年 度 以 降 は 申 請 免 除 率 と 同 様 の 手 法 で 推 計 する 年 齢 階 層 別 保 険 料 納 付 率 の 対 20~24 歳 の 保 険 料 納 付 率 比 β a を 利 用 すれば 平 均 納 付 率 は(3.9) 式 のように 定 義 することができる 平 均 納 付 率 = 55~59 a=20~24 納 付 率 a 第 1 号 被 保 険 者 数 15 a 第 1 号 被 保 険 者 数 = 55~59 a=20~24 β a 納 付 率 20~24 第 1 号 被 保 険 者 数 a 第 1 号 被 保 険 者 数 (3.9) β a = 納 付 率 a 納 付 率 20~24 (3.9) 式 は (3.6) 式 と 同 様 に (3.10) 式 に 変 形 する 平 均 納 付 率 20~24 = 平 均 納 付 率 55~59 a=20~24 第 1 号 被 保 険 者 数 β a 第 1 号 被 保 険 者 数 a (3.10) 申 請 免 除 率 と 同 様 に (3.10) 式 より 全 体 の 平 均 保 険 料 納 付 率 およびβ a 特 定 化 できれば (3.11) 式 から 年 齢 階 層 別 保 険 料 納 付 率 が 得 られる 納 付 率 = β a a 納 付 率 (3.11) 20~24 平 均 保 険 料 納 付 率 は 厚 生 労 働 省 がホームページで 公 表 している 長 期 時 系 列 データを 2004 年 度 まで 利 用 することができる 2007 年 度 以 降 は 70%で 推 移 すると 仮 定 する 16 β a は 1995 および 1998 年 度 は 国 民 年 金 被 保 険 者 実 態 調 査 に 収 録 されている 値 からから 算 出 する 1994 年 度 以 前 は 1995 年 度 の 値 が 過 去 から 現 在 にかけて 一 定 であったと 仮 定 する および 2000 年 度 は および 2001 年 度 の 値 から 線 形 補 間 して 算 出 14 このような 方 法 で 推 計 を 行 ったのは 国 民 年 金 被 保 険 者 実 態 調 査 はアンケート 調 査 であり そこから 得 られる 全 体 の 平 均 申 請 免 除 率 が 厚 生 労 働 省 が 公 表 しているものと 一 致 しないためである 15 この 第 1 号 被 保 険 者 数 からは 法 定 免 除 分 および 申 請 免 除 分 は 除 かれている 16 年 金 財 政 再 計 算 では 将 来 の 平 均 納 付 率 が 80%まで 回 復 すると 仮 定 している 本 稿 は それよりも 低 い 値 を 想 定 している

16 する 2007 年 度 以 降 は 2006 年 度 の 国 民 年 金 の 加 入 納 付 状 況 から 得 られる 値 が 将 来 にかけて 一 定 であると 仮 定 する ただし この 手 法 で 推 計 を 行 えば 平 均 納 付 率 を 上 昇 させ ていくと 納 付 率 が 100%を 超 える 年 齢 階 層 が 現 れる その 場 合 は 納 付 率 が 98%を 超 えてし まう 年 齢 階 層 の 納 付 率 を 98%として (3.12) 式 から 20~24 歳 の 保 険 料 納 付 率 を 算 出 する 17 平 均 納 付 率 20~24 平 均 納 付 率 第 1 号 被 保 険 者 数 0.98 = b 5~b 1 a=20~24 55~59 a=b~b+4 β a 第 1 号 被 保 険 者 数 a ただし b: 平 均 納 付 率 が 100%を 超 えてしまう 年 齢 第 1 号 被 保 険 者 数 a (3.12) 第 3 号 被 保 険 者 数 国 民 年 金 第 3 号 被 保 険 者 数 は 女 性 のみであると 仮 定 し 18 男 性 の 第 2 号 被 保 険 者 の 内 被 扶 養 者 となっている 配 偶 者 がどれだけいるかという 視 点 から 推 計 する 具 体 的 には (3.13) 式 から 推 計 する 国 民 年 金 第 3 号 被 保 険 者 数 a, = 男 性 国 民 年 金 第 2 号 被 保 険 者 数 女 性 国 民 年 金 第 3 号 被 保 険 者 数 a, a, 男 性 国 民 年 金 第 2 号 被 保 険 者 数 a, (3.13) 女 性 第 3 号 被 保 険 者 数 の 対 男 性 第 2 号 被 保 険 者 数 比 は 過 去 分 は OSU モデルを 踏 襲 し 1999 ~2030 年 度 の 値 の 指 数 曲 線 から 得 られる 予 測 値 を 利 用 する 将 来 分 は 2006 年 度 の 値 が 将 来 にかけて 一 定 で 推 移 すると 仮 定 する 第 3 号 被 保 険 者 の 厚 生 年 金 分 と 共 済 年 金 分 への 按 分 第 3 号 被 保 険 者 の 厚 生 年 金 対 応 分 および 共 済 年 金 対 応 分 は 男 性 の 厚 生 年 金 被 保 険 者 に 対 する 厚 生 年 金 分 の 第 3 号 被 保 険 者 の 比 率 と 男 性 の 共 済 年 金 被 保 険 者 数 に 対 する 共 済 年 金 分 の 第 3 号 被 保 険 者 の 比 率 が 同 じであると 仮 定 して (3.14) 式 から 推 計 する 厚 生 年 金 分 共 済 年 金 分 国 民 年 金 第 3 号 被 保 険 者 数 a, 男 性 厚 生 年 金 共 済 年 金 被 保 険 者 数 = 国 民 年 金 第 3 号 被 保 険 者 数 a, a, 男 性 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 a, (3.14) 17 上 限 を 98%としているのは 1975~1980 年 の 平 均 納 付 率 が 95% 程 度 であることおよび 100%は 常 識 的 にあり 得 ないことを 考 慮 したことによる 18 これは 第 3 号 被 保 険 者 が 男 性 であるケースが 女 性 であるケースと 比 較 してきわめて 尐 ないためである この 仮 定 は RIETI モデルと 同 様 である

17 3.4. 過 去 分 の 調 整 2004 年 度 以 前 の 被 保 険 者 数 は 総 務 省 統 計 局 日 本 の 長 期 時 系 列 より 制 度 別 および 男 女 別 に 総 数 が 得 られる 過 去 分 の 推 計 値 を 実 績 値 に 合 わせるために 本 稿 では 各 年 度 の 制 度 別 男 女 別 総 被 保 険 者 数 の 推 計 値 と 実 績 値 の 比 率 を 年 齢 階 層 別 被 保 険 者 数 に 乗 じる 標 準 報 酬 ( 月 ) 額 ブロック 標 準 報 酬 ( 月 ) 額 は 厚 生 年 金 被 保 険 者 の 月 額 賃 金 ( 厚 生 労 働 省 賃 金 構 造 基 本 調 査 で はきまって 支 給 される 現 金 給 与 に 相 当 する)に(2003 年 度 以 降 は) 賞 与 を 加 え それらを 標 準 報 酬 ( 月 ) 額 表 に 従 って 変 換 することによって 得 られる そのとき 標 準 報 酬 月 額 表 には 上 限 と 下 限 があり 平 均 賃 金 を 利 用 すれば 当 期 の 保 険 料 収 入 および 将 来 の 年 金 給 付 を 過 大 推 計 してしまう 可 能 性 があるため 年 齢 階 層 別 標 準 報 酬 額 を 以 下 の 方 法 に 従 って 推 計 する 上 で 述 べたように 年 齢 階 層 別 標 準 報 酬 額 の 平 均 を 算 出 するためには 年 齢 階 層 別 きまって 支 給 される 現 金 給 与 が 給 与 階 級 別 に 必 要 である しかし 賃 金 構 造 基 本 調 査 ( 以 下 賃 金 センサス )には 年 齢 階 層 別 所 定 内 給 与 階 級 別 労 働 者 数 しか 得 られない そのために 本 稿 では(4.1) 式 から 得 られる 値 によって 代 用 する きまって 支 給 される 現 金 給 与 a,w = 所 定 内 給 与 の 階 級 値 きまって 支 給 される 現 金 給 与 a,w 所 定 内 給 与 ただし a = 年 齢 階 層 a a (4.1) w = 所 定 内 給 与 階 級 年 齢 階 層 別 きまって 支 給 される 給 与 および 年 齢 階 層 別 所 定 内 給 与 は 賃 金 センサス 平 成 15~19 年 度 より 2003~2006 年 度 のものを 計 算 する 年 齢 階 層 別 所 定 内 給 与 階 級 の 階 級 値 は 各 所 定 内 給 与 階 級 の 中 央 の 値 とする 年 齢 階 層 別 標 準 報 酬 額 の 平 均 (2005 年 度 は 標 準 報 酬 月 額 も)は (4.1) 式 の 結 果 に 賞 与 を 加 えたものを 標 準 報 酬 額 に 変 換 し 年 齢 階 層 別 所 定 内 給 与 階 級 別 労 働 者 数 を 利 用 して 算 出 する 20 過 去 (1942~2002 年 度 )の 標 準 報 酬 月 額 は 2005 年 度 の 標 準 報 酬 月 額 の 推 計 値 および 厚 生 労 働 省 が 公 開 している 標 準 報 酬 月 額 の 平 均 の 長 期 時 系 列 データ 利 用 して 標 準 報 酬 月 額 の 平 均 の 上 昇 率 が 年 齢 階 層 にかかわらず 同 じであると 仮 定 して (4.2) 式 から 算 出 する 標 準 報 酬 月 額 の 平 均 a, = 標 準 報 酬 月 額 の 平 均 a,2005 標 準 報 酬 月 額 の 平 均 標 準 報 酬 月 額 の 平 均 2005 (4.2) 19 このような 調 整 は OSU モデルおよび RIETI モデルでも 行 われている 20 賞 与 が 年 間 給 与 の 3 ヶ 月 分 であるとする 仮 定 は OSU モデルと 同 じである

18 将 来 (2007 年 度 以 降 )の 年 齢 階 層 別 標 準 報 酬 額 の 平 均 は その 上 昇 率 が 年 齢 階 層 にかかわ らず 名 目 賃 金 上 昇 率 と 同 じであると 仮 定 して 2006 年 度 の 年 齢 階 層 別 標 準 報 酬 額 の 平 均 に 名 目 賃 金 上 昇 率 を 乗 じて 算 出 する 保 険 料 収 入 ブロック 5.1. 厚 生 年 金 の 保 険 料 収 入 厚 生 年 金 の 保 険 料 収 入 は 各 年 齢 階 層 の 標 準 報 酬 額 の 合 計 に 保 険 料 率 を 乗 じて 算 出 する 各 年 齢 階 層 の 標 準 報 酬 額 の 合 計 は 年 齢 階 層 別 標 準 報 酬 額 の 平 均 に 年 齢 階 層 別 被 保 険 者 数 を 乗 じて 算 出 する 具 体 的 には(5.1) 式 から 推 計 する 64 厚 生 年 金 保 険 料 収 入 = 標 準 報 酬 額, 保 険 料 率 = = 標 準 報 酬 額 の 平 均, 被 保 険 者 数, 保 険 料 率 = 15 ただし : 出 生 年 保 険 料 率 は 平 成 16 年 改 革 で 決 定 されたスケジュールに 従 って 2004 年 度 の 13.58%から 毎 年 0.358%ずつ 引 き 上 げ 2017 年 度 に 18.3%になるとする (5.1) 5.2. 国 民 年 金 保 険 料 収 入 国 民 年 金 保 険 料 収 入 額 は 年 齢 階 層 別 国 民 年 金 保 険 料 納 付 者 数 に 保 険 料 単 価 を 乗 じて 算 出 する 具 体 的 には (5.2) 式 から 推 計 する 国 民 年 金 保 険 料 収 入 = 国 民 年 金 保 険 料 単 価 国 民 年 金 保 険 料 納 付 者 数 59 = 20 保 険 料 単 価 は 平 成 16 年 度 改 革 で 決 定 されたスケジュールに 従 って 2004 年 度 から 毎 年 280 円 ずつ 引 き 上 げ 2017 年 度 に 16,900 円 になるとする, (5.2) 6. 年 金 給 付 額 ブロック 6.1. 厚 生 年 金 給 付 額 老 齢 厚 生 年 金 給 付 額 (1) 報 酬 比 例 部 分 厚 生 年 金 給 付 の 推 計 の 全 体 の 手 順 は 図 6-1 にまとめた 報 酬 比 例 部 分 の 算 定 式 は(6.1) 式 21 過 去 の 名 目 賃 金 上 昇 率 と 標 準 報 酬 月 額 の 平 均 の 上 昇 率 を 見 る 限 り 両 者 の 間 に 明 らかな 差 はないためこのような 仮 定 を 置 いた

19 である 報 酬 比 例 部 分 = 平 均 標 準 報 酬 月 額 給 付 乗 率 被 保 険 者 期 間 平 均 標 準 報 酬 月 額 = (6.1) 式 から (6.2) 式 が 得 られる 標 準 報 酬 額 再 評 価 率 被 保 険 者 期 間 (6.1) 報 酬 比 例 部 分 = 標 準 報 酬 額 再 評 価 率 給 付 乗 率 (6.2) (6.2) 式 から 厚 生 年 金 の 報 酬 比 例 部 分 の 給 付 額 は 再 評 価 後 の 標 準 報 酬 額 の 合 計 に 給 付 乗 率 を 乗 じたものであることがわかる このことから 各 コーホートの 報 酬 比 例 部 分 の 支 給 開 始 年 度 の 給 付 額 (その 年 の 報 酬 比 例 部 分 の 発 生 額 )は(6.3) 式 から 推 計 することができる 報 酬 比 例 部 分 の 発 生 額,T = 報 酬 比 例 部 分,T,i +64 = 標 準 報 酬 額 i =+15,,i 再 評 価 率 給 付 乗 率 (6.3) = 給 付 乗 率 再 評 価 率 標 準 報 酬 額 T 年 の 報 酬 比 例 部 分 の 給 付 額 は 前 年 度 の 給 付 額 から 失 権 分 を 引 き それに 当 期 のスライド 率 を 乗 じて 算 出 する 具 体 的 には(6.4) 式 から 推 計 する 厚 生 年 金 給 付 額 T i,,i = 年 金 給 付 額,T (6.4) = 年 金 給 付 額,T 1 1 失 権 率 T 1 + スライド 率 T + 新 規 発 生 額 T 失 権 率 は 全 て 年 金 財 政 再 計 算 pp.378~387 を 利 用 している 再 評 価 率 は 基 準 年 度 以 前 に 受 給 を 開 始 する 場 合 は 過 去 の 再 評 価 率 表 の 値 を 利 用 する 基 準 年 度 以 降 に 受 給 を 開 始 する 場 合 は 基 準 年 度 以 降 のものはスライド 率 (マクロ 経 済 スライド あるいはネット 賃 金 スラ イド)を 支 給 開 始 年 度 から 遡 って 乗 じて 推 計 する 22 具 体 的 には(6.5) 式 から 算 出 する 再 評 価 率 y = スライド 率 T =y ただし T: 年 金 支 給 開 始 年 度 TB: 基 準 年 度 y > TB (6.5) 22 マクロ 経 済 スライドの 説 明 は 年 金 財 政 再 計 算 pp を 参 照 されたい

20 基 準 年 度 以 前 のものは 基 準 年 度 の 再 評 価 率 表 に 掲 載 されている 値 に 基 準 年 度 から 支 給 開 始 年 度 のスライド 率 の 積 を 乗 じて 算 出 する 具 体 的 には(6.6) 式 から 算 出 する 23 再 評 価 率 = TB 再 評 価 率 y y T =TB スライド 率 マクロ 経 済 スライド 率 は 公 式 には(6.7) 式 で 定 義 されている y TB (6.6) マクロ 経 済 スライド 率 = ネット 賃 金 上 昇 率 + スライド 調 整 率 スライド 調 整 率 = 公 的 年 金 被 保 険 者 数 の 減 尐 率 平 均 余 命 伸 び 率 ネット 賃 金 上 昇 率 は OSU モデルを 基 に (6.8) 式 から 算 出 する 24 ネット 手 取 り 賃 金 上 昇 率 = 1 ネット 手 取 り 賃 金 ネット 手 取 り 賃 金 ネット 手 取 り 賃 金 = 平 均 賃 金 勤 労 所 得 税 社 会 保 険 料 含 む の 平 均 実 効 税 率 1 (6.7) (6.8) 平 均 賃 金 は 賃 金 センサス に 収 録 されているきまって 支 給 される 現 金 給 与 に 名 目 賃 金 上 昇 率 を 乗 じて 将 来 分 を 算 出 する 勤 労 収 入 の 平 均 実 効 税 率 は M e n d o z a, R a z i n a n d T e s a r (1994)および C a r e y a n d T c h i l i n g u i r i a n (2000)を 基 に O E C D N a i o n a l A c c o u n s V o l. I I D e a i l e d T a b l e および R e v e n u e S a i s i c s を 利 用 して (6.9) 式 か ら 2005 年 度 の 値 を 推 計 する 25 勤 労 所 得 の 平 均 実 効 税 率 家 計 所 得 の 平 均 実 効 税 率 賃 金 給 与 + 社 会 保 険 料 の 自 己 負 担 分 = 100 賃 金 給 与 家 計 所 得 の 平 均 実 効 税 率 (6.9) 個 人 家 計 所 得 利 益 譲 渡 益 税 = 100 非 法 人 企 業 の 純 利 益 + 利 子 配 当 投 資 収 益 + 賃 金 給 与 2006 年 度 以 降 は OSU モデルを 踏 襲 し 年 金 保 険 料 の 増 大 分 を 2005 年 度 の 値 に 上 乗 せする 名 目 賃 金 上 昇 率 は 年 金 財 政 再 計 算 と 同 様 に 2008 年 までは 1.9% 2009 年 以 降 は 2.1% としている 平 均 余 命 の 伸 び 率 は 年 金 財 政 再 計 算 と 同 様 に 0.3%としている 公 的 年 TB 23 再 評 価 率 y は 2006 年 の 再 評 価 率 表 のものを 利 用 している 24 OSU モデルは 勤 労 所 得 の 平 均 実 効 税 率 を 考 慮 していない 25 この 推 計 手 法 は 被 用 者 賃 金 給 与 資 産 所 得 および 個 人 企 業 の 事 業 所 得 の 平 均 実 効 税 率 がすべて 同 じであると 仮 定 している このような 仮 定 を 置 いているのは Revenue Saisics からは 被 用 者 賃 金 給 与 所 得 税 資 産 所 得 税 および 個 人 企 業 の 事 業 所 得 税 の 合 計 しか 得 られ ないためである

21 金 被 保 険 者 数 減 尐 率 は 被 保 険 者 数 ブロックで 求 めた 公 的 年 金 被 保 険 者 数 から 算 出 する 図 6-1 厚 生 年 金 給 付 の 推 計 手 順 賃 金 標 準 報 酬 額 再 評 価 被 保 険 者 数 再 評 価 発 生 率 老 齢 年 金 分 標 準 報 酬 額 合 計 障 害 年 金 分 集 計 死 亡 率 加 給 年 金 老 齢 年 金 発 生 額 給 付 乗 率 発 生 率 スライド 率 死 亡 率 集 計 失 権 率 スライド 率 遺 族 年 金 分 遺 族 年 金 発 生 額 再 評 価 発 生 率 給 付 乗 率 加 給 年 金 集 計 障 害 等 級 発 生 率 スライド 率 障 害 年 金 発 生 額 給 付 乗 率 失 権 率 加 給 年 金 老 齢 年 金 給 付 額 遺 族 年 金 給 付 額 障 害 年 金 給 付 額 割 引 率 割 引 率 割 引 率 現 在 価 値 現 在 価 値 現 在 価 値 集 計 集 計 集 計 (2) 定 額 部 分 定 額 部 分 の 算 定 式 は (6.10) 式 である 特 別 支 給 の 厚 生 年 金 の 定 額 部 分 = 給 付 単 価 給 付 乗 率 被 保 険 者 期 間 (6.10) (6.10) 式 は 平 均 標 準 報 酬 月 額 が 給 付 単 価 に 置 き 換 わっていること 以 外 は 報 酬 比 例 部 分 の 算 定 方 法 と 同 じであり 被 保 険 者 期 間 について 報 酬 比 例 部 分 と 同 じ 方 法 を 利 用 することができ る したがって 各 コーホートの 支 給 開 始 年 度 の 給 付 額 ( 特 別 支 給 の 厚 生 年 金 の 定 額 部 分 の 発 生 額 )は(6.11) 式 から 推 計 することができる 特 別 支 給 の 厚 生 年 金 の 定 額 部 分 の 発 生 額,T +64 = 給 付 単 価 T 給 付 乗 率 被 保 険 者 数 =+15 毎 年 の 給 付 額 は 報 酬 比 例 部 分 と 同 様 に(6.4) 式 から 推 計 することができる 26 i,,i (6.11) 26 ただし 特 別 支 給 の 定 額 部 分 は 64 歳 までの 支 給 であり かつ 1994 年 改 革 で 2000 年 よ

22 障 害 厚 生 年 金 障 害 厚 生 年 金 の 給 付 額 は 障 害 年 金 発 生 時 までの 平 均 標 準 報 酬 額 被 保 険 者 期 間 給 付 乗 率 および 障 害 等 級 にかかる 乗 率 の 積 である 被 保 険 者 期 間 は 障 害 年 金 発 生 までのそれが 300 ヶ 月 未 満 であれば 300 ヶ 月 とされる しかし 利 用 可 能 な 既 存 の 資 料 から 障 害 年 金 発 生 時 ま での 被 保 険 者 期 間 を 特 定 化 することは 極 めて 困 難 である この 問 題 に 対 応 するために 本 稿 では 障 害 年 金 の 発 生 年 齢 が 45 歳 未 満 か それとも 45 歳 以 上 かによって 分 けて 推 計 を 行 っている 障 害 年 金 の 発 生 年 齢 が 45 歳 未 満 の 場 合 は 被 保 険 者 期 間 が 300 ヶ 月 未 満 (25 年 未 満 )かつ25 障 害 年 金 発 生 年 齢 14 30に 従 うと 仮 定 し て (6.12) 式 から 推 計 する 27 被 保 険 者 が 45 歳 未 満 の 時 に 障 害 厚 生 年 金 受 給 者 になった 場 合 の 発 生 額,T 3 T = 標 準 報 酬 額 D=1 =+15 i,,i 障 害 発 生 率 1 25 T T (6.12) 給 付 乗 率 等 級 割 合 D 等 級 乗 率 D ただし D: 障 害 等 級 発 生 年 齢 が 45 歳 以 上 の 場 合 の 発 生 額 は 被 保 険 者 期 間 が 25 年 (300 ヶ 月 )を 超 えていると 仮 定 して (6.13) 式 から 推 計 する 被 保 険 者 が 45 歳 以 上 の 時 に 障 害 厚 生 年 金 受 給 者 になった 場 合 の 発 生 額,T 3 T = 標 準 報 酬 額 D=1 =+15 等 級 乗 率 D i,,i 障 害 発 生 率 T 給 付 乗 率 等 級 割 合 D (6.13) 障 害 年 金 給 付 額 の 算 定 にかかる 標 準 報 酬 額 は 障 害 年 金 発 生 年 齢 までの 標 準 報 酬 額 の 合 計 に 年 金 財 政 再 計 算 pp に 記 載 されている 各 年 齢 の 障 害 発 生 力 を 乗 じて 算 出 する 毎 年 の 障 害 年 金 給 付 額 は(6.4) 式 に 従 う 遺 族 厚 生 年 金 遺 族 厚 生 年 金 の 算 定 方 法 は 被 保 険 者 が 死 亡 したのか それとも 老 齢 年 金 あるいは 障 害 り 3 年 ごとに 1 歳 ずつ 支 給 開 始 を 遅 らせること 2017 年 以 降 に 年 金 支 給 開 始 年 齢 に 達 する 世 代 からは 完 全 に 廃 止 することが 決 定 されている 障 害 年 金 発 生 年 齢 14 30とは 本 稿 では 15 歳 から 44 歳 までの 最 大 30 年 間 を 25 年 に 換 算 し 直 すという 意 味 である

23 年 金 受 給 者 が 死 亡 したのかよって 算 定 方 法 が 異 なる 被 保 険 者 が 死 亡 した 場 合 は 死 亡 まで の 平 均 標 準 報 酬 額 被 保 険 者 期 間 および 給 付 乗 率 の 積 に 0.75 を 乗 じて 算 出 される すなわち 障 害 等 級 に 応 じた 乗 率 の 代 わりに 0.75 を 乗 じること 以 外 は 障 害 年 金 の 算 定 方 法 と 同 じであ る 被 保 険 者 が 死 亡 するまでの 被 保 険 者 期 間 が 300 ヶ 月 未 満 なら 被 保 険 者 期 間 を 300 ヶ 月 と することも 障 害 年 金 と 同 じである したがって 被 保 険 者 の 死 亡 年 齢 が 45 歳 未 満 ならば 被 保 険 者 期 間 が 300 ヶ 月 未 満 かつ 25 遺 族 年 金 発 生 年 齢 14 30に 従 うと 仮 定 して (6.14) 式 から 推 計 する 被 保 険 者 が 45 歳 未 満 で 死 亡 した 場 合 の 遺 族 厚 生 年 金 金 発 生 額,T T = 標 準 報 酬 額 = i 1 T 14 30,,i 死 亡 脱 退 力 T 遺 族 年 金 発 生 力 T 25 給 付 乗 率 0.75 (6.14) 被 保 険 者 の 死 亡 年 齢 が 45 歳 以 上 65 歳 未 満 ( 老 齢 年 金 支 給 開 始 前 )ならば 被 保 険 者 期 間 が 25 年 (300 ヶ 月 ) 以 上 であると 仮 定 して (6.15) 式 から 推 計 する 被 保 険 者 が 45 歳 以 上 で 死 亡 した 場 合 の 遺 族 厚 生 年 金 発 生 額,T T = 標 準 報 酬 額 = i,,i 死 亡 脱 退 力 T 遺 族 年 金 発 生 力 T 給 付 乗 率 (6.15) 年 金 受 給 者 の 死 亡 によって 発 生 した 場 合 は 老 齢 年 金 の 場 合 は 老 齢 厚 生 年 金 の 報 酬 比 例 部 分 の 給 付 額 に 0.75 を 乗 じて 障 害 年 金 の 場 合 は 障 害 年 金 給 付 額 に 0.75 を 乗 じて 算 出 され る 具 体 的 には 老 齢 年 金 受 給 者 が 死 亡 した 場 合 は(6.16) 式 から 障 害 年 金 受 給 者 が 死 亡 し た 場 合 は(6.17) 式 から 推 計 する 老 齢 年 金 の 受 給 者 が 死 亡 した 場 合 の 発 生 額,T = 老 齢 厚 生 年 金 給 付 額 失 権 率 遺 族 年 金 発 生 率 0.75 (6.16),T T 障 害 年 金 の 受 給 者 が 死 亡 した 場 合 の 発 生 額,T = 障 害 年 金 受 給 額 失 権 率 遺 族 年 金 発 生 率 0.75 (6.17),T T T 遺 族 年 金 発 生 力 は 年 金 財 政 再 計 算 pp , , に 従 うと 仮 定 する 毎 年 の 遺 族 厚 生 年 金 給 付 額 は(6.4) 式 に 従 う なお 各 世 代 の 遺 族 厚 生 年 金 受 給 者 は RITEI モ デルと 同 様 に 配 偶 者 ( 女 性 )で 男 性 被 保 険 者 との 年 齢 差 が 3 歳 であると 仮 定 し 死 亡 失 権 率 を 乗 じる また 発 生 した 遺 族 年 金 額 の 内 5 分 の 3 が 被 保 険 者 の 一 つ 下 のコーホート 5 分 の 2 が 被 保 険 者 と 同 一 のコーホートが 受 給 すると 仮 定 する 男 性 被 保 険 者 と 配 偶 者 の 年 齢 差 については 年 金 財 政 再 計 算 p.392 の 年 齢 相 関 を 参 照

24 加 給 年 金 老 齢 厚 生 年 金 分 これらに 加 えて 本 稿 は 加 給 年 金 も 考 慮 する 老 齢 年 金 分 は 公 的 年 金 財 政 状 況 報 告 平 成 11 年 度 と 平 成 16 年 度 を 比 較 して 60~64 歳 期 の 受 給 権 者 数 は 55~59 歳 期 の 被 保 険 者 数 の 10% 減 65~69 歳 期 の 受 給 権 者 数 が 60~64 歳 期 の 受 給 権 者 数 の 15% 増 という 傾 向 が 見 られたため 先 に 求 めた 厚 生 年 金 の 被 保 険 者 数 に 年 金 財 政 再 計 算 pp の 年 金 受 給 権 者 一 人 あたり 加 給 年 金 対 象 者 数 割 合 を 乗 じて 受 給 者 数 を 推 計 した 障 害 厚 生 年 金 分 障 害 年 金 分 は 配 偶 者 が 受 給 する 場 合 と 子 が 受 給 する 場 合 があり それぞれのケースにつ いて 給 付 単 価 に 加 給 年 金 受 給 者 数 を 乗 じて 推 計 する 具 体 的 には (6.18) 式 から 算 出 する 加 給 年 金 給 付 額 = 加 給 年 金 給 付 額 配 偶 者 + 加 給 年 金 給 付 額 子 加 給 年 金 給 付 額 配 偶 者 子 (6.18) = 給 付 単 価 配 偶 者 子, 加 給 年 金 受 給 者 数 配 偶 者 子, 加 給 年 金 受 給 者 数 は 当 期 の 障 害 厚 生 年 金 受 給 者 数 に 配 偶 者 にかかる 加 給 年 金 発 生 率 およ び 子 供 にかかる 加 給 年 金 発 生 率 をそれぞれ 障 害 厚 生 年 金 発 生 数 に 乗 じて 配 偶 者 が 受 給 する 件 数 および 子 が 受 給 する 件 数 を 算 出 する 具 体 的 には (6.19) 式 から 算 出 する 加 給 年 金 受 給 者 数 配 偶 者 子, = 障 害 年 金 受 給 者 数 (6.19) 加 給 年 金 発 生 率 配 偶 者 子, 障 害 厚 生 年 金 受 給 者 数 は 前 期 の 障 害 厚 生 年 金 受 給 者 数 から 失 権 分 を 引 き 新 規 発 生 数 を 加 えて 算 出 する 具 体 的 には (6.20) 式 から 算 出 する 障 害 厚 生 年 金 受 給 者 数, = 障 害 厚 生 受 給 者 数, 1 1 失 権 率 1 + 障 害 厚 生 年 金 発 生 数, 障 害 厚 生 年 金 発 生 数 は (6.21) 式 から 推 計 することができる (6.20) 障 害 厚 生 年 金 発 生 数, = 厚 生 年 金 被 保 険 者 数, 障 害 脱 退 率 (6.21) 遺 族 厚 生 年 金 分 遺 族 厚 生 年 金 分 は 障 害 年 金 分 と 同 様 に 給 付 単 価 に 加 給 年 金 受 給 者 数 を 乗 じて 算 出 す されたい また この 仮 定 は 八 田 小 口 (1999)と 同 様 である 29 老 齢 厚 生 年 金 にかかる 加 給 年 金 の 推 計 は OSU モデルに 近 い 方 法 を 採 用 している 一 方 RIETI モデルは 加 給 年 金 の 毎 年 の 平 均 給 付 額 の 実 績 値 に 基 づいて 推 計 を 行 っている

25 る 具 体 的 には (6.22) 式 から 推 計 する 加 給 年 金 給 付 額 = 給 付 単 価 加 給 年 金 受 給 者 数, (6.22) 加 給 年 金 受 給 者 数 は 障 害 年 金 分 と 同 様 に(6.23) 式 から 推 計 する 加 給 年 金 受 給 者 数, = 遺 族 年 金 受 給 者 数, 加 給 年 金 発 生 率 (6.23) 遺 族 厚 生 年 金 受 給 者 数 は 前 期 の 受 給 者 数 から 失 権 分 を 引 き 当 期 の 新 規 発 生 分 を 加 えて 算 出 する 具 体 的 には(6.20) 式 から 算 出 する 遺 族 厚 生 年 金 受 給 者 数, = 遺 族 厚 生 年 金 受 給 者 数, 1 1 失 権 率 1 + 遺 族 厚 生 年 金 発 生 数, (6.24) 遺 族 厚 生 年 金 発 生 数 は 被 保 険 者 の 死 亡 によって 発 生 するケースと 年 金 受 給 者 の 死 亡 によ って 発 生 するケースがある 厚 生 年 金 被 保 険 者 の 死 亡 によって 発 生 する 場 合 は 当 期 の 被 保 険 者 数 に 年 金 財 政 再 計 算 に 収 録 されている 死 亡 脱 退 率 を 乗 じて 死 亡 脱 退 数 を 算 出 し その 値 に 遺 族 年 金 発 生 率 を 乗 じて 算 出 する 具 体 的 には (6.25) 式 から 算 出 する 遺 族 厚 生 年 金 発 生 数 厚 生 年 金 被 保 険 者 の 死 亡, = 厚 生 年 金 被 保 険 者 数, 死 亡 脱 退 率 遺 族 年 金 発 生 率 (6.25) 障 害 年 金 受 給 者 の 死 亡 によって 発 生 する 場 合 は (6.26) 式 から 障 害 厚 生 年 金 受 給 者 の 死 亡 による 遺 族 厚 生 年 金 発 生 数 を 算 出 する 遺 族 年 金 発 生 数 障 害 年 金 受 給 者 の 死 亡, = 障 害 年 金 受 給 者 数, 1 失 権 率 1 遺 族 年 金 発 生 率 1 老 齢 年 金 受 給 者 の 死 亡 によって 発 生 する 加 給 年 金 は 規 模 が 極 めて 小 さいため 省 略 した (6.26) 6.2. 基 礎 年 金 給 付 額 老 齢 基 礎 年 金 基 礎 年 金 給 付 額 の 推 計 手 順 は 図 6-2 にまとめた 老 齢 基 礎 年 金 給 付 額 は (6.27) 式 から 決 定 されている 保 険 料 納 付 月 数 基 礎 年 金 給 付 額 = 給 付 単 価 最 大 加 入 月 数 (6.27) 各 コーホートの 支 給 開 始 年 の 総 給 付 額 (その 年 度 の 老 齢 基 礎 年 金 発 生 額 )は (6.28) 式 から 推 計 することができる 老 齢 基 礎 年 金 給 付 額,T = 一 人 当 たり 給 付 額,T 人 口,T ただし T= 支 給 開 始 年 度 (6.28) 一 人 あたり 給 付 額 は 各 コーホートの 平 均 保 険 料 納 付 月 数 を 利 用 すれば (6.29) 式 から 算 出 す ることができる

26 一 人 当 たり 給 付 額,T = 給 付 単 価 平 均 保 険 料 納 付 月 数 T 最 大 保 険 料 納 付 月 数 = 給 付 単 価 T = 給 付 単 価 T 保 険 料 納 付 者 数, =+20 = 人 口 +59 = , 人 口, =+20 保 険 料 納 付 者 数,,i =+20 人 口, 人 口, 12 保 険 料 納 付 月 数,,i i = 国 民 年 金 保 険 料 納 付 者 数, + 第 2 号 被 保 険 者 数, + 第 3 号 被 保 険 者 数, (6.29) (6.29) 式 は 各 コーホートの 一 人 あたり 老 齢 基 礎 年 金 給 付 額 は 理 論 的 には 各 コーホート の 最 大 保 険 料 納 付 可 能 月 ( 年 ) 数 に 対 してどれだけ 保 険 料 納 付 実 績 があったかによって 定 義 することができることを 表 している 図 6-2 基 礎 年 金 給 付 の 推 計 手 順 被 保 険 者 数 納 付 率 ( 第 1 号 被 保 険 者 のみ) 発 生 率 保 険 料 納 付 月 数 保 険 料 納 付 者 数 障 害 年 金 発 生 数 最 大 納 付 月 数 死 亡 率 発 生 率 給 付 単 価 スライド 率 老 齢 年 金 発 生 額 給 付 単 価 遺 族 年 金 発 生 数 遺 族 年 金 発 生 額 給 付 単 価 スライド 率 障 害 年 金 発 生 額 障 害 等 級 老 齢 年 金 給 付 額 失 権 率 割 引 率 スライド 率 加 給 年 金 遺 族 年 金 給 付 額 失 権 率 割 引 率 加 給 年 金 障 害 年 金 給 付 額 失 権 率 割 引 率 現 在 価 値 現 在 価 値 現 在 価 値 集 計 集 計 集 計

27 老 齢 基 礎 年 金 給 付 額 は 前 期 の 年 金 給 付 額 から 失 権 分 を 引 き スライド 率 を 乗 じた 値 に 新 規 発 生 額 を 加 えたものである 具 体 的 には (6.30) 式 から 推 計 する 老 齢 基 礎 年 金 給 付 額 T = 老 齢 基 礎 年 金 給 付 額,T = 老 齢 基 礎 年 金 給 付 額,T スライド 率 T 1 失 権 率 T 1 (6.30) + 新 規 発 生 額 T 失 権 率 は 年 金 財 政 再 計 算 p.420 に 収 録 されているものを 利 用 する 障 害 基 礎 年 金 障 害 基 礎 年 金 受 給 者 は 障 害 等 級 に 応 じた 定 額 単 価 に 加 えて 子 の 数 に 応 じた 加 給 年 金 を 受 給 する したがって 障 害 年 金 給 付 額 は 障 害 等 級 に 応 じた 給 付 単 価 に 障 害 等 級 別 受 給 者 数 を 乗 じて 算 出 する 具 体 的 には(6.31) 式 から 推 計 する 障 害 基 礎 年 金 給 付 額 = 障 害 年 金 給 付 額, 2 = 給 付 単 価,D 障 害 基 礎 年 金 受 給 者 数, 障 害 等 級 割 合 D=1 D (6.31) 障 害 基 礎 年 金 受 給 者 数 は 前 期 の 受 給 者 数 から 失 権 分 を 引 き その 値 に 新 規 発 生 数 を 加 え る 具 体 的 には (6.32) 式 から 算 出 する 障 害 基 礎 年 金 受 給 者 数, = 障 害 基 礎 年 金 受 給 者 数, 1 1 失 権 率 1 + 障 害 基 礎 年 金 発 生 数, (6.32) 障 害 年 金 新 規 発 生 数 は 年 金 制 度 男 女 およびコーホート 別 に 障 害 年 金 発 生 年 齢 時 の 被 保 険 者 数 に 障 害 年 金 発 生 率 を 乗 じて 算 出 する 30 (6.33) 式 から 算 出 する 障 害 基 礎 年 金 発 生 数, = 被 保 険 者 数, 障 害 年 金 発 生 率 (6.33) 障 害 年 金 発 生 率 失 権 率 および 等 級 割 合 は 年 金 財 政 再 計 算 pp に 記 載 されている 値 を 利 用 する 加 給 年 金 は (6.32) 式 で 推 計 した 障 害 年 金 受 給 者 数 に 加 給 年 金 発 生 率 を 乗 じて 加 給 年 金 発 生 数 を 算 出 し その 値 に 子 の 数 に 応 じた 給 付 単 価 を 乗 じて 推 計 する 具 体 的 には (6.34) 式 から 算 出 する 30 ここでは 障 害 年 金 の 受 給 要 件 を 満 たしていると 仮 定 している

28 加 給 年 金 給 付 額 障 害 基 礎 年 金 分 = 加 給 年 金 給 付 額 障 害 基 礎 年 金 分, = 第 1 2 子 の 給 付 単 価 障 害 基 礎 年 金 受 給 者 数, 第 1 2 子 の 発 生 率 (6.34) + 第 3 子 以 降 の 給 付 単 価 障 害 基 礎 年 金 受 給 者 数, 第 3 子 以 降 の 発 生 率 加 給 年 金 発 生 率 は 年 金 財 政 再 計 算 p.427 に 収 録 されているものを 利 用 する 遺 族 基 礎 年 金 遺 族 基 礎 年 金 は 子 のある 配 偶 者 に 給 付 されるケースと 第 1 子 に 給 付 されるケースがあ る 子 のある 配 偶 者 に 給 付 される 場 合 は 配 偶 者 に 定 額 単 価 が 給 付 され 子 供 の 数 に 応 じて 加 給 年 金 が 給 付 される 子 に 給 付 される 場 合 は 第 1 子 に 定 額 単 価 が 給 付 され 第 2 子 以 降 はその 数 に 応 じて 加 給 年 金 が 給 付 される そのため 遺 族 基 礎 年 金 給 付 額 は 子 のある 配 偶 者 に 給 付 されるケースおよび 第 1 子 に 給 付 されるケースに 分 けて 遺 族 年 金 受 給 者 数 に 給 付 単 価 を 乗 じて 推 計 する 具 体 的 には (6.35) 式 から 算 出 する 遺 族 基 礎 年 金 給 付 額, = 遺 族 基 礎 年 金 給 付 額, = 受 給 者 が 配 偶 者 の 場 合 の 給 付 単 価 受 給 者 が 配 偶 者 の 場 合 の 受 給 者 数, (6.35) + 受 給 者 が 第 1 子 の 場 合 の 給 付 単 価 受 給 者 が 第 1 子 の 場 合 の 受 給 者 数, 当 期 の 遺 族 年 金 受 給 者 数 は 前 期 の 受 給 者 数 から 失 権 分 を 引 いた 値 に 新 規 発 生 数 を 加 え て 推 計 する 具 体 的 には (6.36) 式 から 算 出 する 配 偶 者 第 1 子 が 受 給 者 の 場 合 の 受 給 者 数, = 配 偶 者 第 1 子 が 受 給 者 の 場 合 の 受 給 者 数, 1 1 失 権 率 1 (6.36) + 配 偶 者 第 1 子 が 受 給 者 の 場 合 の 新 規 発 生 数, 失 権 率 は 年 金 財 政 再 計 算 p.424 に 収 録 されている 値 を 利 用 する 遺 族 基 礎 年 金 の 受 給 開 始 時 の 配 偶 者 および 第 1 子 の 年 齢 は 年 金 財 政 再 計 算 p.425 に 収 録 されている 年 齢 相 関 を 利 用 する 遺 族 年 金 新 規 発 生 数 は 発 生 年 齢 時 の 被 保 険 者 数 に 死 亡 脱 退 率 を 乗 じ さらに 遺 族 年 金 発

29 生 率 を 乗 じて 算 出 する 31 具 体 的 には(6.37) 式 から 推 計 する 遺 族 基 礎 年 金 受 給 者 が 配 偶 者 子 供 の 場 合 の 新 規 発 生 数, = 納 付 者 数, 死 亡 脱 退 力 受 給 者 が 配 偶 者 子 供 の 場 合 の 遺 族 年 金 発 生 力 (6.37) 死 亡 脱 退 率 および 遺 族 年 金 発 生 率 はそれぞれ 年 金 財 政 再 計 算 p.416 p.419 に 収 録 され ているものを 利 用 する 加 給 年 金 は 受 給 者 が 配 偶 者 の 場 合 は 第 1 および 2 子 までと 第 3 子 以 降 の 間 で 受 給 者 が 第 1 子 の 場 合 は 第 2 子 と 第 3 子 以 降 の 間 で 給 付 額 が 異 なる そのため 遺 族 年 金 受 給 者 が 配 偶 者 である 場 合 と 第 1 子 である 場 合 に 分 け それぞれ 受 給 者 の 年 齢 に 対 応 する 加 給 年 金 発 生 率 を 受 給 者 数 に 乗 じて 加 給 年 金 受 給 者 数 を 算 出 し その 値 に 給 付 単 価 を 乗 じて 推 計 する 具 体 的 には 受 給 者 が 配 偶 者 の 場 合 は(6.38) 式 から 第 1 子 の 場 合 は(6.39) 式 から 推 計 する 配 偶 者 が 遺 族 基 礎 年 金 を 受 給 する 場 合 の 加 給 年 金 給 付 額 = 配 偶 者 が 遺 族 基 礎 年 金 を 受 給 する 場 合 の 加 給 年 金 給 付 額, = 第 1 2 子 の 給 付 単 価 遺 族 基 礎 年 金 受 給 者 数 配 偶 者, (6.38) 第 1 2 子 の 発 生 率 + 第 3 子 以 降 の 給 付 単 価 遺 族 基 礎 年 金 受 給 者 数 配 偶 者, 第 3 子 以 降 の 発 生 率 第 1 子 が 遺 族 基 礎 年 金 を 受 給 する 場 合 の 加 給 年 金 給 付 額 = 第 1 子 が 遺 族 基 礎 年 金 を 受 給 する 場 合 の 加 給 年 金 給 付 額, = 第 2 子 の 給 付 単 価 遺 族 基 礎 年 金 受 給 者 数 第 1 子, (6.39) 第 2 子 の 発 生 率 + 第 3 子 以 降 の 給 付 単 価 遺 族 基 礎 年 金 受 給 者 数 第 1 子, 第 3 子 以 降 の 発 生 率 加 給 年 金 発 生 率 は 年 金 財 政 再 計 算 p.426 に 収 録 されているものを 利 用 する 7. 制 度 間 移 転 補 助 金 ブロック 7.1. 基 礎 年 金 拠 出 金 基 礎 年 金 拠 出 金 は 当 期 の 基 礎 年 金 給 付 財 源 を 各 年 金 制 度 に 保 険 料 納 付 者 数 に 応 じて 分 担 する 制 度 である 具 体 的 には 当 期 の 基 礎 年 金 給 付 額 と 当 期 の 保 険 料 納 付 者 数 ( 基 礎 年 31 ここでは 障 害 年 金 と 同 様 に 遺 族 年 金 の 受 給 要 件 を 満 たしていると 仮 定 している

30 金 拠 出 金 算 定 対 象 者 数 )の 商 ( 基 礎 年 金 拠 出 金 単 価 )と 各 年 金 制 度 の 当 期 の 基 礎 年 金 拠 出 金 算 定 対 象 者 数 の 積 が 各 年 金 制 度 が 負 担 する 当 期 の 基 礎 年 金 拠 出 金 となる したがって 基 礎 年 金 拠 出 金 の 厚 生 年 金 分 担 分 および 国 民 年 金 分 担 分 は (7.1) 式 から 算 出 する 基 礎 年 金 拠 出 金 厚 生 年 金 分 = 基 礎 年 金 拠 出 金 単 価 厚 生 年 金 被 保 険 者 数 + 第 3 号 被 保 険 者 数 厚 生 年 金 分 基 礎 年 金 拠 出 金 国 民 年 金 分 = 基 礎 年 金 拠 出 金 単 価 国 民 年 金 保 険 料 納 付 者 数 基 礎 年 金 拠 出 金 単 価 = 基 礎 年 金 拠 出 金 算 定 対 象 者 数 = 基 礎 年 金 給 付 費 用 基 礎 年 金 拠 出 金 算 定 対 象 者 数 基 礎 年 金 給 付 費 用 国 民 年 金 保 険 料 納 付 者 数 + 第 2 号 被 保 険 者 数 + 第 3 号 被 保 険 者 数 (7.1) 7.2. 基 礎 年 金 国 庫 負 担 金 基 礎 年 金 国 庫 負 担 金 は 各 年 金 制 度 が 負 担 する 基 礎 年 金 拠 出 金 に 対 する 補 助 金 であり 基 礎 年 金 拠 出 金 の 一 定 割 合 が 国 の 一 般 会 計 から 支 出 される 各 年 金 制 度 へ 支 出 される 基 礎 年 金 国 庫 負 担 金 は (7.1) 式 から 算 出 した 各 年 金 制 度 が 負 担 する 基 礎 年 金 拠 出 金 に 国 庫 負 担 率 を 乗 じて 算 出 する 具 体 的 には(7.2) 式 から 算 出 する 基 礎 年 金 国 庫 負 担 金 国 民 年 金 分 厚 生 年 金 分 共 済 年 金 分 = 基 礎 年 金 拠 出 金 国 民 年 金 分 厚 生 年 金 分 共 済 年 金 分 国 庫 負 担 率 (7.2) 国 庫 負 担 率 は 平 成 16 年 改 革 によって 2005~2009 年 にかけて 3 分 の 1 から 2 分 の 1 へ 引 き 上 げることが 決 定 されているので 2009 年 度 に 2 分 の 1 に 達 するように 2005~2009 年 度 にかけて 毎 年 30 分 の 1 ずつ 引 き 上 げる 具 体 的 には 下 の(7.3) 式 のように 設 定 する 2008 年 度 まで 国 庫 負 担 率 = 年 度 以 降 国 庫 負 担 率 = 1 2 (7.3) 8. 集 計 ブロック 8.1. 積 立 金 運 用 益 積 立 金 運 用 益 は 各 年 金 制 度 が 保 有 する 積 立 金 の 前 期 の 期 末 残 高 に 運 用 利 回 りを 乗 じて 算 出 する したがって 積 立 金 運 用 益 は 下 の(8.1) 式 から 算 出 する 厚 生 年 金 国 民 年 金 積 立 金 運 用 益 = 厚 生 年 金 国 民 年 金 積 立 金 期 末 残 高 (8.1) 運 用 利 回 り

31 8.2. 当 期 の 積 立 金 期 末 残 高 当 期 の 積 立 金 期 末 残 高 は 前 期 の 期 末 残 高 に 当 期 収 支 を 加 えて 算 出 する 厚 生 年 金 の 支 出 は 厚 生 年 金 給 付 および 基 礎 年 金 拠 出 金 であり 収 入 は 保 険 料 収 入 基 礎 年 金 拠 出 金 国 庫 負 担 金 および 積 立 金 運 用 益 である 国 民 年 金 の 支 出 は 基 礎 年 金 拠 出 金 であり 収 入 は 保 険 料 収 入 基 礎 年 金 拠 出 金 国 庫 負 担 金 および 積 立 金 運 用 益 である したがって 各 年 金 制 度 の 積 立 金 期 末 残 高 は 厚 生 年 金 は(8.2) 式 から 国 民 年 金 は(8.3) 式 から 得 られる 厚 生 年 金 積 立 金 期 末 残 高 = 厚 生 年 金 積 立 金 期 末 残 高 1 + 厚 生 年 金 収 入 総 額 厚 生 年 金 支 出 総 額 厚 生 年 金 支 出 総 額 = 厚 生 年 金 給 付 額 + 基 礎 年 金 拠 出 金 厚 生 年 金 収 入 総 額 = 保 険 料 収 入 + 基 礎 年 金 拠 出 金 国 庫 負 担 金 + 積 立 金 運 用 益 国 民 年 金 積 立 金 期 末 残 高 = 国 民 年 金 積 立 金 期 末 残 高 1 + 国 民 年 金 収 入 総 額 国 民 年 金 支 出 総 額 国 民 年 金 支 出 総 額 = 基 礎 年 金 拠 出 金 国 民 年 金 収 入 総 額 = 保 険 料 収 入 + 基 礎 年 金 拠 出 金 国 庫 負 担 金 + 積 立 金 運 用 益 (8.2) (8.3) 以 上 の 方 法 で 2007~2105 年 度 のキャッシュ フローを 推 計 する 年 金 財 政 再 計 算 と 同 じ 前 提 条 件 の 下 で 得 られる 厚 生 年 金 および 国 民 年 金 の 推 計 結 果 を それぞれ 表 8-1 およ び 表 8-2 に 示 している 収 入 合 計 保 険 料 運 用 益 表 8-1 厚 生 年 金 財 政 の 将 来 見 通 し 基 礎 年 金 国 庫 負 担 金 合 計 支 出 給 付 基 礎 年 金 拠 出 金 収 支 積 立 金 残 高 (10 億 円 ) Trus Fund Raio ,242 26,621 4,106 6,515 38,946 25,916 13,030-1, , ,354 31,836 3,961 7,557 43,181 28,067 15, , ,379 35,710 4,603 8,066 40,990 24,858 16,131 7, , ,890 38,455 6,052 8,384 41,652 24,884 16,768 11, , ,612 40,788 7,918 8,906 44,582 26,771 17,811 13, , ,248 41,837 9,953 9,459 49,721 30,803 18,918 11, , ,379 42,594 11,604 10,182 56,728 36,363 20,364 7, , ,911 43,696 12,681 10,534 62,324 41,256 21,067 4, , ,970 44,999 13,268 10,703 67,388 45,982 21,405 1, , ,581 46,481 13,383 10,717 71,807 50,374 21,433-1, , ,515 47,856 13,060 10,599 75,400 54,201 21,199-3, , ,780 49,000 12,269 10,511 79,112 58,090 21,023-7, , ,576 50,224 10,955 10,397 81,933 61,140 20,793-10, , ,160 51,799 9,172 10,189 84,302 63,924 20,377-13, , ,585 53,706 6,991 9,887 85,727 65,952 19,775-15, , ,850 55,783 4,503 9,564 86,827 67,700 19,127-16, , ,867 57,899 1,706 9,262 87,993 69,468 18,524-19,126 34, ,036 60, ,020 89,591 71,551 18,041-20,555-65, ,104 62, ,835 91,658 73,989 17,669-20, , ,509 64, ,663 93,834 76,508 17,325-20, ,

32 収 入 合 計 保 険 料 運 用 益 表 8-2 基 礎 年 金 財 政 の 将 来 見 通 し 基 礎 年 金 国 庫 負 担 金 合 計 支 出 基 礎 年 金 拠 出 金 収 支 積 立 金 残 高 (10 億 円 ) Trus Fund Raio ,626 2, ,074 4,149 4, , ,905 2, ,274 4,547 4, , ,038 2, ,377 4,753 4, , ,021 2, ,428 4,857 4, , ,939 1, ,500 5,001 5, , ,821 1, ,610 5,221 5, , ,772 1, ,795 5,589 5, , ,616 1, ,903 5,806 5,806-1,190 6, ,389 1, ,980 5,960 5,960-1, ,302 1, ,009 6,018 6,018-1,716-8, ,164 1, ,971 5,941 5,941-1,778-17, ,013 1, ,922 5,844 5,844-1,831-26, ,882 1, ,877 5,754 5,754-1,872-35, , ,826 5,653 5,653-1,887-45, , ,759 5,519 5,519-1,875-54, , ,683 5,367 5,367-1,851-63, , ,602 5,203 5,203-1,823-73, , ,528 5,055 5,055-1,802-82, , ,470 4,941 4,941-1,793-91, , ,425 4,849 4,849-1,787-99, 推 計 モデルの 特 徴 と 課 題 9.1. 推 計 モデルの 特 徴 他 のモデルとの 比 較 本 稿 のモデルの 特 徴 は 公 表 されている 資 料 のみを 利 用 し かつ OSU モデルと 同 様 に Excel スプレッドシートで 構 築 していることである したがって 入 手 が 困 難 な 資 料 および 高 度 なプログラム 技 術 を 必 要 としていないため 非 常 に 使 い 勝 手 がよい 本 稿 のモデルと OSU モデルおよび RIETI モデルとの 違 いは 2 点 が 挙 げられる 1 点 目 は 第 1 号 被 保 険 者 の 保 険 料 納 付 率 および 保 険 料 申 請 免 除 率 である OSU モデルおよび RIETI モデルは 年 齢 階 層 別 納 付 率 には 触 れていない しかし 社 会 保 険 庁 国 民 年 金 の 加 入 納 付 状 況 によれば 納 付 率 は 若 年 者 ほど 低 く 年 齢 階 層 が 高 いほど 高 い 社 会 保 障 審 議 会 年 金 数 理 部 会 公 的 年 金 財 政 状 況 報 告 を 見 ると 第 1 号 被 保 険 者 の 年 齢 階 層 別 分 布 は 若 年 者 (20~24 歳 )が 最 も 高 く 年 齢 階 層 が 上 がるにつれて 下 がり 50 歳 代 になると 再 度 上 昇 している したがって 納 付 率 がすべての 年 齢 階 層 で 同 じと 仮 定 すると 保 険 料 収 入 お よびとコーホート 別 の 納 付 月 数 を 過 大 推 計 する 可 能 性 がある 本 稿 は このことを 考 慮 し 年 齢 階 層 別 申 請 免 除 率 および 年 齢 階 層 別 納 付 率 を 推 計 した 2 点 目 は 障 害 年 金 および 遺 族 年 金 の 推 計 方 法 である OSU モデルおよび RIETI モデル は 障 害 年 金 および 遺 族 年 金 の 受 給 者 数 が 各 世 代 の 一 定 割 合 存 在 していると 仮 定 している のに 対 し 本 稿 では 年 金 財 政 再 計 算 の 年 齢 別 障 害 年 金 発 生 率 死 亡 率 遺 族 年 金 発 生 率 を 用 いて 老 齢 年 金 給 付 額 の 推 計 プロセスに 障 害 年 金 および 遺 族 厚 生 年 金 給 付 額 の 推 計 プロ

33 セスを 組 み 込 んでいる これらの 詳 細 については 表 9-1 にまとめた 表 9-1 推 計 モデルの 比 較 OSUモデル RIETIモデル 本 稿 被 用 者 年 金 平 成 11 年 年 金 財 政 再 計 算 の 推 計 結 果 を 平 成 4 年 日 本 の 将 来 推 被 保 険 者 数 計 人 口 中 位 推 計 で 除 して 加 入 率 を 人 口 労 働 力 率 将 来 分 労 働 力 人 口 逆 算 し 平 成 9 年 日 本 の 将 来 推 被 保 険 者 数 : 厚 生 労 働 省 の 推 計 結 果 計 人 口 ( 以 下 平 成 9 年 推 計 ) 中 位 推 計 に 乗 じる 過 去 分 1995~2025 年 度 の 加 入 率 の 推 計 値 の 対 数 から 指 数 曲 線 を 導 出 し 過 去 の 加 入 率 の 予 測 値 を 算 出 する * 厚 生 年 金 と 共 済 組 合 を 別 々に 推 計 年 金 財 政 再 計 算 に 従 い 2004 年 度 末 の 労 働 力 人 口 に 占 める 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 の 割 合 および 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 に 占 める 厚 生 年 金 被 保 険 者 数 の 割 合 が 将 来 にかけて 不 変 と 仮 定 し 新 人 口 推 計 の 推 計 値 に 乗 じる OSUモデルに 準 拠 * 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 を 厚 生 年 金 と 共 済 年 金 に 分 割 被 保 険 者 数 将 来 分 1992 年 度 末 の 総 人 口 に 占 める 国 民 年 被 保 険 者 数 金 被 保 険 者 数 の 割 合 が 将 来 にわたっ 人 口 人 口 て 不 変 と 仮 定 して 平 成 9 年 推 計 の 推 計 値 に 乗 じる 被 保 険 者 数 : 厚 生 労 働 省 の 推 計 結 果 OSUモデルに 準 拠 国 民 年 金 過 去 分 納 付 率 1990 年 度 末 の 総 人 口 に 占 める 国 民 年 金 被 保 険 者 数 の 割 合 が 過 去 から 現 在 にかけて 不 変 と 仮 定 する 納 付 率 が100%だった 場 合 の 積 立 金 残 高 の1995 年 度 の 推 計 値 と 公 表 された 積 立 金 との 差 から1995 年 度 の 未 納 率 を34%とし 2025 年 度 に かけて24%まで 低 下 し 2025 年 度 以 降 は24%で 一 定 とする 不 明 OSUモデルに 準 拠 納 付 率 の 公 表 値 から 2005 年 度 ( 過 去 分 は2001 年 度 )の 年 齢 階 層 別 納 付 率 の 対 20~24 歳 の 納 付 率 比 を 算 出 し その 値 が 将 来 ( 過 去 から 現 在 )にかけて 不 変 と 仮 定 し 平 均 納 付 率 (~2004 年 度 は 実 績 値 2005 年 度 以 降 は70%)と 一 致 する 20~24 歳 の 納 付 率 を 算 出 する 保 険 料 総 賃 金 保 険 料 率 総 賃 金 保 険 料 率 総 標 準 報 酬 額 保 険 料 率 平 均 受 給 額 受 給 者 数 給 付 額 被 用 者 年 金 平 均 受 給 額 : 平 均 加 入 月 数 から 推 計 総 標 準 報 酬 額 給 付 乗 率 受 給 者 数 : 被 保 者 数 から 推 計 at 納 付 者 数 a a 国 民 年 金 被 用 者 年 金 給 付 額 の 推 計 手 法 に 準 拠 定 額 単 価 T 1 人 口 at T 1 人 口 a a 総 標 準 報 酬 額 給 付 乗 率 定 額 単 価 T at 納 付 者 数 人 口 人 口 a a 1 at T 1 a a 9.2. 推 計 モデルの 課 題 本 稿 の 推 計 方 法 には データ 不 足 によって 推 計 が 極 めて 困 難 な 点 については 制 度 の 枠 組 みに 極 力 沿 うように 仮 定 計 算 を 行 っているという 限 界 がある 具 体 的 には 障 害 厚 生 年 金 および 遺 族 厚 生 年 金 ( 被 保 険 者 が 老 齢 年 金 支 給 開 始 前 に 死 亡 したことで 発 生 するケース) 給 付 額 の 推 計 方 法 である 先 に 述 べたように 障 害 厚 生 年 金 および 遺 族 厚 生 年 金 給 付 額 は 受 給 者 の 保 険 料 納 付 月 数 によって 給 付 額 を 決 定 しなければならない しかし 障 害 厚 生 年 金 お よび 遺 族 厚 生 年 金 発 生 時 の 保 険 料 納 付 月 数 を 利 用 可 能 な 統 計 資 料 から 特 定 化 することは 極 めて 困 難 である 32 したがって 本 稿 では 障 害 厚 生 年 金 および 遺 族 厚 生 年 金 の 発 生 年 齢 が 32 公 的 年 金 財 政 状 況 報 告 には 年 齢 階 層 別 の 平 均 加 入 者 期 間 のデータが 含 まれている が 被 保 険 者 期 間 が 不 連 続 な 者 については 全 加 入 者 期 間 が 含 まれていないケースがある また 調 査 時 点 で 厚 生 年 金 被 保 険 者 ではない 者 については 統 計 に 含 まれていないなどの 限 界 があるため 本 稿 では 利 用 しなかった

34 45 歳 未 満 である 場 合 は 納 付 月 数 を 300 ヶ 月 とした 45 歳 以 上 老 齢 年 金 支 給 開 始 年 齢 未 満 であった 場 合 は 発 生 年 齢 までの 各 コーホートの 総 標 準 報 酬 額 ( 再 評 価 後 )と 障 害 厚 生 年 金 あるいは 遺 族 厚 生 年 金 発 生 率 の 積 に 給 付 乗 率 を 乗 じて 発 生 額 を 推 計 した したがって 障 害 厚 生 年 金 あるいは 遺 族 厚 生 年 金 給 付 額 の 推 計 値 は 過 大 推 計 になっている 可 能 性 がある また 老 齢 厚 生 年 金 給 付 額 は 本 来 なら 年 金 支 給 開 始 年 齢 前 に 発 生 した 障 害 厚 生 年 金 およ び 遺 族 厚 生 年 金 給 付 に 対 応 する 標 準 報 酬 額 を 差 し 引 いてから 推 計 するべきだが 上 で 述 べた 理 由 で 正 確 な 値 を 推 計 することが 困 難 なため 差 し 引 かずに 推 計 している したがって 老 齢 厚 生 年 金 給 付 額 についても 過 大 推 計 していることになる Reference Carey, David and Harry Tchilinguirian(2000), Average effecive ax raes on capial, labour and consumpion, OECD Economic Deparmen Woring Papers No.258 (hp:// Gohale, Jagadeesh and Ken Smeers(2005), Measuring Social Securiy's Financial Problems, NBER Woring Paper, No.11060, January (hp:// Mendoza, Enrique G., Assaf Razin and Linda L. Tesar(1994), "Effecive ax raes in macroeconomics: Cross-counry esimees of ax raes on facor incomes and comsumpion," Journal of Moneary Economics 34, pp Social Securiy Trusee(2003), 2003 Social Securiy Trusees' Repor, Washinon, DC (hp:// Social Securiy Trusee(2004), 2004 Social Securiy Trusees' Repor, Washinon, DC (hp:// 厚 生 労 働 省 年 金 局 (2005), 国 民 年 金 厚 生 年 金 平 成 16 年 年 金 財 政 再 計 算 結 果, 法 研 (hp:// 西 沢 和 彦 (2003), 年 金 大 改 革 - 先 送 り はもう 許 されない-, 日 本 経 済 新 聞 社 八 田 達 夫 小 口 登 良 (1999), 年 金 改 革 論 - 積 み 立 て 方 式 へ 移 行 せよ-, 日 本 経 済 新 聞 社. 深 尾 光 洋 金 子 能 宏 中 田 大 悟 蓮 見 亮 (2006), 年 金 制 度 をより 持 続 可 能 にするための 原 理 原 則 と 課 題, RIETI Discussion paper Series 06-J-12 (hp:// 深 尾 光 洋 蓮 見 亮 中 田 大 悟 (2007), 尐 子 高 齢 化 ライフサイクルと 公 的 年 金 財 政, RIETI Discussion paper Series 07-J-19 (hp:// 横 山 寛 和 (2007), 厚 生 年 金 制 度 の 持 続 可 能 性 -バランスシート アプローチによる 持 続 可 能