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1 第 41 回 東 北 鍼 灸 学 会 青 森 大 会 ( 八 戸 市 ) 平 成 19 年 9 月 鍼 灸 臨 床 研 修 会 講 演 第 2 席 腰 痛 福 島 県 鍼 灸 師 会 三 瓶 真 一 はじめに 開 業 鍼 灸 院 にて 腰 痛 はもっとも 来 院 頻 度 の 多 い 疾 患 であろう 海 外 では 生 涯 罹 患 率 が 84.1% 年 間 罹 患 率 が 48.9%(1998,Cassidy)という 報 告 があり Anderson(1992)は すべての 労 働 者 の 60%はその 仕 事 中 に 腰 痛 を 一 度 は 経 験 し その 90%の 者 は 短 期 間 の 就 労 不 能 の 時 期 を 有 し 腰 痛 化 の 慢 性 化 は 10%ある と 報 告 して いる このように 腰 痛 は 人 類 にとって 実 になじみが 深 い 上 に 鍼 灸 治 療 がよく 奏 功 する 疾 患 でもある 手 軽 に 治 療 を 受 けられる 開 業 鍼 灸 院 に 腰 痛 の 患 者 が 多 い 理 由 だと 考 える 腰 痛 は 鍼 灸 治 療 が 良 い 効 果 を 現 す 疾 患 ではあっても 大 きく 分 けていくつかの 原 因 に 分 けられ 治 癒 までの 経 過 も 様 々である 原 因 や 経 過 が 異 なる 腰 痛 のタイプをよく 学 び 自 信 を 持 って 患 者 に 対 応 することができれば 繁 盛 繁 栄 する 経 営 が 約 束 されるのみならず 鍼 灸 治 療 が 評 価 を 上 げ 国 民 的 医 療 となることができるものと 信 じる 数 年 前 より 旧 鍼 灸 臨 床 指 導 者 講 習 会 ( 臨 床 研 )から 鍼 灸 臨 床 研 修 会 と 名 を 変 え ま た 内 容 も 腰 痛 と 下 肢 痛 を 同 じ 単 位 でくくるなど 大 きな 変 化 をもたらしている 今 回 依 頼 さ れた 内 容 はあくまでも 腰 痛 であるが 都 合 上 一 部 下 肢 痛 の 範 囲 まで 内 容 が 及 ぶことがあ るのであらかじめご 了 承 頂 きたい 腰 痛 を 起 こす 代 表 的 疾 患 で 鍼 灸 治 療 が 効 果 があると 思 えるものを 下 記 の 通 り 挙 げてみ た その 病 態 や 特 徴 を 記 す 1. 椎 間 関 節 性 腰 痛 5. 変 形 性 脊 椎 症 2. 筋 筋 膜 性 腰 痛 6. 脊 椎 すべり 症 3. スフ ランク ハ ック 7. 腰 椎 圧 迫 骨 折 4. 姿 勢 性 腰 痛

2 1, 椎 間 関 節 性 腰 痛 急 性 症 ---- 椎 間 関 節 捻 挫 ---- 関 節 包 断 裂 および 炎 症 症 状 慢 性 症 ---- 椎 間 関 節 症 関 節 症 性 変 化 ( 滑 膜 充 血 滑 膜 炎 症 関 節 軟 骨 変 性 骨 棘 形 成 など) 急 性 症 はぎっくり 腰 として 発 症 することが 多 い 慢 性 症 は 関 節 症 性 変 化 を 基 盤 とした 慢 性 痛 で 中 年 期 以 降 の 発 症 が 多 い 疼 痛 範 囲 は 下 位 腰 椎 の 高 さである ( 図 1) 急 性 症 ---- 椎 間 関 節 捻 挫 急 性 腰 痛 の 代 表 的 疾 患 (ギックリ 腰 ) 強 い 疼 痛 性 の 運 動 制 限 起 き 上 がり 痛 (+) 靴 下 の 着 脱 痛 (+) 腰 椎 の 疼 痛 性 側 彎 前 彎 減 少 腰 椎 の 前 屈 側 屈 後 屈 が 疼 痛 性 運 動 制 限 慢 性 症 ---- 椎 間 関 節 症 発 症 年 齢 は 中 高 年 が 多 い 腰 痛 下 肢 痛 ( 足 関 節 までの 範 囲 ) 起 床 時 痛 (+) 靴 下 の 着 脱 痛 (+) 図 1 疼 痛 の 範 囲 腰 椎 の 疼 痛 性 側 彎 前 彎 減 少 腰 椎 の 前 屈 側 屈 後 屈 が 疼 痛 性 運 動 制 限 圧 痛 は L4-5 椎 間 関 節 部 L5-S 椎 間 関 節 部 へ 多 発 しばしば 臀 部 に 関 連 痛 や 圧 痛 あり ( 図 2) 急 性 症 --- 椎 間 関 節 部 の 関 節 包 の 過 伸 展 断 裂 出 血 炎 症 腰 部 の 捻 挫 として わかりやすく 簡 潔 に 説 明 する 図 2 圧 痛 慢 性 症 --- 関 節 軟 骨 の 摩 耗 消 失 辺 縁 部 の 骨 増 殖 関 節 や 靱 帯 の 肥 厚 や 弛 緩 関 節 の 変 形 滑 膜 の 炎 症 関 節 症 変 化 として わかりやすく 簡 潔 に 説 明 する

3 2, 筋 筋 膜 性 腰 痛 急 性 症 ----ギックリ 腰 ( 筋 筋 膜 の 過 伸 展 筋 筋 膜 の 部 分 断 裂 ) 慢 性 症 ---- 慢 性 腰 痛 ( 筋 緊 張 攣 縮 循 環 障 害 酸 素 欠 乏 疲 労 物 質 ) 疼 痛 の 範 囲 は 上 位 腰 椎 から 背 部 付 近 と 広 く 椎 間 関 節 性 腰 痛 とは 明 らかに 範 囲 が 異 な る ( 図 3) 急 性 発 症 の 場 合 ギックリ 腰 の 代 表 的 疾 患 で 疼 痛 大 ( 急 性 ) 慢 性 は 筋 肉 疲 労 による 鈍 痛 重 だるさが 主 体 ( 慢 性 ) 重 量 物 の 挙 上 体 の 捻 転 起 床 時 に 突 然 発 症 ( 急 性 ) 疼 痛 域 は 上 位 腰 椎 脊 柱 起 立 筋 外 縁 部 に 多 く 出 現 ( 図 3) 腰 椎 の 疼 痛 性 側 彎 前 彎 減 少 腰 椎 の 前 屈 側 屈 後 屈 が 疼 痛 性 運 動 制 限 圧 痛 は 多 裂 筋 脊 柱 起 立 筋 外 縁 部 外 腹 斜 筋 ときに 殿 筋 部 に 現 れることもある ( 図 4) 図 3 疼 痛 の 範 囲 急 性 症 --- 腰 背 筋 の 筋 や 筋 膜 の 過 伸 展 部 分 断 裂 などの 損 傷 にもとづく 炎 症 など 腰 部 の 筋 (スジ)の 捻 挫 スジ 違 え 急 性 の 筋 肉 痛 として わかりやすく 簡 潔 に 説 明 する 慢 性 症 --- 筋 肉 の 疲 労 などによる 循 環 ( 血 行 ) 障 害 慢 性 の 炎 症 疲 労 によるコリ などと わかりやすく 簡 潔 に 説 明 する 図 4 圧 痛

4 3,スプラング バック 棘 間 靱 帯 棘 上 靱 帯 の 損 傷 ギックリ 腰 として 発 症 する 下 位 腰 椎 正 中 部 を 中 心 に 痛 みを 訴 える ( 図 5) ただし 同 一 レベルの 高 さの 椎 間 関 節 部 に 圧 痛 が 見 られない 疼 痛 発 生 部 位 や 圧 痛 が 下 位 腰 椎 正 中 付 近 (L4-5) 十 七 椎 (L5-S)に 著 名 な 圧 痛 ただし 同 一 高 位 の 椎 間 関 節 部 や その 他 の 部 位 に 圧 痛 のないこと ( 図 6) 前 屈 痛 などが 強 陽 性 叩 打 痛 が 陰 性 圧 迫 骨 折 と 区 別 できる 腰 椎 正 中 に 強 い 痛 みを 感 じるため 患 者 は 脊 髄 が 悪 いのでは? と 不 安 を 感 じることが 多 い 痛 みを 感 じる 場 所 圧 痛 がある 部 位 は 脊 髄 ではなく 背 ぼね または 腰 椎 を 繋 いでいるスジ( 靱 帯 )を 痛 めたものである などと 痛 みを 起 こしている 原 因 がス ジ( 靱 帯 )の 炎 症 であることを 強 調 する 図 5 疼 痛 の 範 囲 図 6 圧 痛

5 4, 姿 勢 性 腰 痛 長 年 にわたる 日 常 生 活 中 の 不 良 姿 勢 などが 原 因 腰 部 の 前 彎 が 増 強 し 背 部 は 逆 に 後 彎 し 丸 くなる ( 図 7) 痛 みは 下 位 腰 椎 椎 間 関 節 部 や 上 位 腰 椎 外 側 の 脊 柱 起 立 筋 などにみられる 慢 性 腰 痛 強 い 疼 痛 性 の 運 動 制 限 はほとんど 認 められない 徐 々に 発 症 し 慢 性 の 経 過 腰 椎 の 前 彎 が 増 強 ( 図 7 8) 軽 度 の 自 発 痛 を 訴 えるが 痛 みは 激 しくはなく 一 方 的 に 進 行 はしない ( 多 くは 鈍 痛 で だるい つっぱり 感 など) しかも 疼 痛 域 が 広 範 囲 痛 みが 下 位 腰 椎 椎 間 関 節 部 にあるものは 椎 間 関 節 症 の 関 与 も 考 えられる 腰 椎 の 前 彎 増 強 と 円 背 凹 円 背 ( 図 7 8) 腰 椎 の 運 動 痛 は 軽 度 他 の 診 察 所 見 は 陰 性 が 多 い 圧 痛 は 腎 兪 志 室 L4-5 椎 関 関 節 部 L5-S 椎 関 関 節 部 など 姿 勢 性 腰 痛 のみの 症 状 と 所 見 を 有 する 場 合 は 筋 肉 の 血 液 循 環 障 害 筋 疲 労 筋 拘 縮 による 痛 み 椎 間 関 節 部 の 圧 痛 が 著 明 な 場 合 椎 間 関 節 性 腰 痛 として 対 応 下 位 腰 椎 に 階 段 変 形 がある 場 合 がみられるが 患 者 の 訴 える 腰 痛 との 関 与 がないと 考 えら れる 場 合 は 特 にその 対 応 を 慎 重 にとること 器 質 的 で 不 可 逆 的 な 要 素 は 患 者 を 不 安 にさせるおそれがある 図 7 腰 椎 の 前 彎 増 強 ( 左 )と 正 常 ( 右 ) 図 8 腰 椎 の 前 彎 増 強

6 姿 勢 性 腰 痛 のみの 症 状 と 所 見 を 有 する 場 合 は 筋 肉 の 血 液 循 環 障 害 筋 疲 労 筋 拘 縮 による 痛 み 椎 間 関 節 部 の 圧 痛 が 著 明 な 場 合 椎 間 関 節 性 腰 痛 として 対 応 下 位 腰 椎 に 階 段 変 形 がある 場 合 がみられるが 患 者 の 訴 える 腰 痛 との 関 与 がないと 考 えら れる 場 合 は 特 にその 対 応 を 慎 重 にとること 器 質 的 で 不 可 逆 的 な 要 素 は 患 者 を 不 安 にさせるおそれがある 5, 変 形 性 脊 椎 症 主 に40 歳 以 上 の 中 高 年 齢 層 に 発 症 する 慢 性 腰 痛 X 線 で 特 徴 的 な 骨 変 形 ( 骨 棘 形 成 など)がみられる (ただし 椎 体 の 骨 棘 形 成 は 50 歳 代 男 性 では90% 女 性 では80%に 見 られる) しかし ほかに 腰 痛 の 原 因 がみられない 加 齢 によって 引 き 起 こされた 脊 柱 およびその 周 囲 組 織 の 病 変 を 一 括 して 言 ったもの 椎 間 板 の 変 性 椎 体 の 変 形 や 循 環 障 害 椎 間 関 節 の 関 節 症 性 変 化 靱 帯 の 緊 張 や 肥 厚 傍 脊 柱 筋 の 疲 労 などが 重 なって 発 症 する 複 合 障 害 中 高 年 層 に 現 れる 慢 性 の 腰 痛 下 肢 痛 としびれ 起 床 時 痛 動 作 開 始 時 痛 同 一 姿 勢 で 痛 みが 誘 発 長 時 間 の 立 位 と 歩 行 で 痛 む 腰 椎 の 前 彎 減 少 腰 椎 可 動 域 の 制 限 特 に 後 屈 制 限 下 肢 伸 展 挙 上 テストや 神 経 学 的 所 見 は 陰 性 が 多 い 腰 部 筋 の 緊 張 圧 痛 硬 結 圧 痛 は 腎 兪 志 室 L4-5 椎 関 関 節 部 L5-S 椎 関 関 節 部 陽 関 など 疼 痛 域 が 下 位 腰 椎 の 高 さにあり 圧 痛 が 下 位 の 椎 間 関 節 部 に 検 出 されるものは 椎 間 関 節 性 腰 痛 として 対 応 する 疼 痛 域 が 上 位 腰 椎 の 高 さにあり 最 長 筋 や 腸 肋 筋 部 に 検 出 されるものは 慢 性 の 筋 筋 膜

7 性 腰 痛 として 対 応 する 前 彎 増 強 が 著 明 で 脊 柱 起 立 筋 が 広 範 囲 に 緊 張 しているものは 姿 勢 性 腰 痛 として 対 応 する 加 齢 による 退 行 性 変 化 が 原 因 ではあっても トシのせい と 言 ってはならない 6, 脊 椎 すべり 症 棘 突 起 の 触 診 で 階 段 変 形 として 触 れる 分 離 骨 折 による 分 離 すべり 症 と 骨 折 を 伴 わない 仮 性 すべり 症 がある ( 図 9,10) ほとんどの 腰 椎 分 離 症 は 成 長 期 である10~15 歳 くらいで 発 症 する 疲 労 骨 折 である この 時 期 にスポーツを 行 っていた 者 の 発 症 率 は していなかったものに 比 べ3 倍 になると いわれている 図 9 分 離 すべり 症 図 10 仮 性 すべり 症 下 位 腰 椎 に 階 段 変 形 が 見 られる ( 図 11) 腰 椎 の 前 彎 が 増 強 する 場 合 も 多 い ( 図 11) 図 11 前 彎 増 強 と 階 段 変 形

8 脊 椎 すべり 症 の 固 有 の 症 状 というものは 少 なく 腰 部 や 殿 部 の 痛 みであることが 多 い 前 彎 増 強 が 著 明 なケースが 多 く 脊 柱 起 立 筋 が 広 範 囲 に 緊 張 しているものは 姿 勢 性 腰 痛 と して 対 応 する 椎 体 の 不 安 定 に 起 因 して 椎 間 関 節 症 が 現 れてくるので 椎 間 関 節 性 腰 痛 として 対 応 できる ケースも 多 い 不 治 の 病 とイメージさせる 腰 椎 のズレに 触 れる 場 合 は 慎 重 に 7, 腰 椎 圧 迫 骨 折 転 落 交 通 事 故 重 量 物 落 下 などによる 椎 体 の 骨 折 ( 圧 潰 ) ( 図 12) 開 業 鍼 灸 院 では 閉 経 期 後 の 女 性 の 骨 粗 鬆 症 による 圧 迫 骨 折 が 圧 倒 的 に 多 い 自 力 で 来 院 できる 患 者 は 適 応 ( 外 傷 性 など 症 状 の 甚 だしいものは 整 形 外 科 など 専 門 医 に 任 せる) 胸 腰 椎 移 行 部 に 多 発 身 長 の 短 縮 円 背 亀 背 胸 椎 後 彎 と 腰 椎 前 彎 の 増 強 ( 凹 円 背 ) 叩 打 痛 (+) 自 力 で 来 院 できるケースの 場 合 多 くは1ヶ 月 くらいで 症 状 の 緩 解 をみるが ほかの 腰 痛 と 比 べて 経 過 が 長 いので 骨 折 を 隠 さぬ 方 がよい シビレを 切 らした 患 者 が 整 形 外 科 に 行 き 病 態 を わかったとき 信 用 を 失 うことがある 骨 折 とはいえ 骨 に 軽 いひびが 入 った 程 度 で 徐 々に 痛 みは 取 れてきます と 対 応 する 図 12 腰 椎 圧 迫 骨 折 福 島 県 白 河 市 字 北 登 リ 町 5-1 三 瓶 鍼 療 院 三 瓶 真 一

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