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2 令和 2 年 11 月 19 日 薬事 食品衛生審議会 食品衛生分科会 分科会長村田勝敬殿 薬事 食品衛生審議会 食品衛生分科会添加物部会 部会長佐藤恭子 食品添加物の指定等に関する薬事 食品衛生審議会 食品衛生分科会添加物部会報告について 令和 2 年 10 月 13 日付け食品衛生分科会長から付議された 下記の事項について 当部会において審議を行った結果を別添 1 から 4 までのとおり取りまとめたので こ れを報告する 記 1.DL- 酒石酸カリウムの添加物としての指定の可否について 2.DL- 酒石酸カリウムの添加物としての規格基準の設定について 3. キチングルカンの添加物としての指定の可否について 4. キチングルカンの添加物としての規格基準の設定について 5. 亜硫酸水素アンモニウム水の添加物としての指定の可否について 6. 亜硫酸水素アンモニウム水の添加物としての規格基準の設定について 7. ビニルイミダゾール ビニルピロリドン共重合体の添加物としての指定の可否について 8. ビニルイミダゾール ビニルピロリドン共重合体の添加物としての規格基準の設定について

3 ( 別添 1) DL- 酒石酸カリウムの食品添加物の指定に関する部会報告書 今般の添加物としての新規指定及び規格基準の設定の検討については 厚生労働大臣より要請し た添加物の指定に係る食品健康影響評価が食品安全委員会においてなされたことを踏まえ 添加物 部会において審議を行い 以下の報告を取りまとめるものである 1. 品目名和名 :DL- 酒石酸カリウム英名 :Dipotassium DL-Tartrate CAS 番号 :- 2. 構造式 分子式及び分子量 構造式 : 分子式及び分子量 : C 4H 4O 6K 用途 製造用剤 ( 除カルシウム剤 除酸剤 ) 4. 概要及び諸外国での使用状況等 ⑴ 概要添加物 DL- 酒石酸カリウム は L- 酒石酸カリウムとD- 酒石酸カリウムの2 種類の鏡像異性体が等量存在するラセミ体とされる DL- 酒石酸カリウムはワイン 1 中で2 価の陰イオンである酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) とカリウムイオンに解離した後 酒石酸イオンはワイン中のカルシウムイオンと難溶性のラセミ体の塩 (DL- 酒石酸カルシウム ) となり 結晶が形成されて沈降するとされている その結果 DL- 酒石酸カリウムにより ワイン中の過剰なカルシウムを除去できるとされる ⑵ 諸外国での使用状況等 欧州連合 (EU) では ワイン 2 製造工程において DL- 酒石酸又は DL- 酒石酸カリウムを過 1 本報告書では ( 赤 白 ) ワイン はぶどう酒と同様の意味で使用し ぶどう酒以外の果実酒や穀物等を主原料として発酵させた日本酒等を含む場合は ワイン類 と記載している 2 EU 法 1308/2013 の ANNEX VII PART II Categories of grapevine products によると ワインは 粉砕されているか否 かにかかわらず 新鮮なぶどう又はグレープマストを発酵させたものと定義されている 1

4 剰なカルシウムを沈殿させる目的で使用することが認められている 3 米国及びオーストラリアでは DL- 酒石酸カリウムで処理されたワインを EU 域内から輸入 し 国内で流通させることができる 5. 添加物としての有効性 ⑴ 除カルシウム剤及び除酸剤としての機能ワインは 酒石酸等の有機酸並びにカリウム及びカルシウム等の陽イオンを含んだアルコール飲料である ワイン中に過剰のカルシウムが含まれると 瓶詰された製品中で徐々に酒石 ( 酒石酸水素カリウム及び酒石酸カルシウム等 ) が形成されることがある 酒石発生を防止するためには ワイン中のカルシウム濃度を低く保持することが一つの方法である DL- 酒石酸カリウムは ワインに添加することにより DL- 酒石酸イオンとカリウムイオンに解離し DL- 酒石酸イオンとワイン中のカルシウムイオンが会合することでDL- 酒石酸カルシウムが形成され ワイン中のカルシウムを除去することができる添加物とされている ( 反応式 1) また DL- 酒石酸カリウムの添加によって生じたカリウムイオンは ワイン中の酒石酸イオン及び水素イオンと結合してL- 酒石酸水素カリウムを形成し 沈降することにより 除酸効果も示すとされている なお DL- 酒石酸イオンは DL- 酒石酸の解離によっても生成することが知られており DL- 酒石酸カリウムと同様にワイン中のカルシウム除去の機能を持つとされている ( 反応式 2) DL- 酒石酸カリウム及びDL- 酒石酸によりカルシウム除去される機構は 以下のように考えられている 反応式 1 Ca 2+ + DL-TK 2 DL-TCa + 2K + ( 遊離状態または L-THKとして沈降 ) 反応式 2 Ca 2+ + DL-TH 2 DL-TCa + 2H + ただし DL-TK 2:DL- 酒石酸カリウム DL-TH 2:DL- 酒石酸 DL-TCa:DL- 酒石酸カルシウム L-THK: 酒石酸水素カリウム 上述したように DL- 酒石酸カリウムのカルシウム除去剤としての機能は DL- 酒石酸イ オンによるものであるとされているため DL- 酒石酸カリウムの有効性は DL- 酒石酸を用 いて得られた試験結果から検討することができると考える 3 EU では ワイン類に使用可能な添加物は EU 法 1129/2011 において規定されるほか EU 法 2019/934 等においても 条件とともに規定されている

5 なお 以下に列挙する理由により 除カルシウム剤としては DL- 酒石酸よりDL- 酒石酸カリウムの有用性が高いと考えられる 1 DL- 酒石酸よりもDL- 酒石酸カリウムの方が水への溶解度が高い ( 表 1) 2 DL- 酒石酸カリウムは DL- 酒石酸と比較して ワインのpHを上げるため DL- 酒石酸カルシウムの形成を早める ( ワイン中のpHが高い方が DL- 酒石酸カルシウムの形成が早まることが知られている ( 表 2)) 3 DL- 酒石酸カリウムは ワインにカリウムイオンを供給することで L- 酒石酸水素カリウムの結晶沈殿を促進し 酒石の析出防止につながる 4 3のとおり生成したL- 酒石酸水素カリウムの結晶が種晶となり DL- 酒石酸カルシウムの結晶の生成を助けることで よりカルシウムの除去が期待できる 4 5 表 1: 酒石酸塩の水 (100g) に対する溶解度の比較 物質名 L 体 DL 体 可溶量 (g) 水温 ( ) 可溶量 (g) 水温 ( ) 酒石酸 酒石酸カリウム 酒石酸カルシウム *: 酒石酸 酒石酸カリウム及び酒石酸カルシウムの水 100g に対する溶解度を示している DL- 酒石酸カリウム は DL- 酒石酸よりも溶解度が高い 表 2: ワインに DL- 酒石酸を添加した際の ph と DL- 酒石酸カルシウムの結晶沈殿までの時 ワインの ph 6 間の関係 ワイン中での DL- 酒石酸カルシウムの結晶沈殿までの時間 3.4 以下 25 日経過後で最大で理論値の 75% の DL- 酒石酸カルシウム沈殿しか発生し 3.4~3.6 なかった 25 日間で理論値の DL- 酒石酸カルシウム沈殿が発生した 3.6 以上 8 日間で理論値の DL- 酒石酸カルシウム沈殿が発生した *: ワインの ph と DL- 酒石酸の添加による DL- 酒石酸カルシウムの結晶沈殿までの時間との関係についての試 験結果である ワイン中の ph(dl- 酒石酸添加前 ) が 3.6 以上の場合に DL- 酒石酸イオンがカルシウム除去に極 めて有効であることを示している また ph が 3.6 以下の条件下では 沈殿が発生するまでの時間が長くなるととも に沈殿の回収率が低下している 4 表中の 可溶量 は 水 100g に溶ける溶質の質量 (g) を示す 室温に近い水温のデータを基本的に使用し 溶解度の低い物質では 低い水温のデータを引用したとされている 5 化学大辞典編集委員会 化学大事典 共立出版 SUDRAUD P., CHRETIEN D., GAYE J, Essais de produits oenologiques nouveaux., Rapport des activités de recherches, Insitut d Oenologie. Université de Bordeaux Ⅱ.,

6 以上を前提に 表 3 では 異なる量の DL- 酒石酸をワインに添加し DL- 酒石酸の添加量 とカルシウム除去量の関係について検討した試験結果を示している 7 表 3:DL- 酒石酸を添加した時のカルシウム除去 DL- 酒石酸の添加量 (mg) ( 添加割合 (%)) 142 (25%) 285 (50%) 428 (75%) 570 (100%) (%) 1140 (200%) カルシウム除去量 (mg) *:ph3.4~3.6 のワインにおいて 100mg のカルシウムを除去するために必要な DL- 酒石酸添加量の理論値は 375mg とされている 152mg/L のカルシウムを含有するワイン 1L に対して 理論的必要量である 570mg を基準 として種々の割合で DL- 酒石酸を添加した際のカルシウム除去量を示したものである 表中の 添加割合 (%) は DL- 酒石酸の添加量 570mg を基準とした場合の添加割合を示している その結果 いずれの場合においても DL- 酒石酸の添加によりワイン中のカルシウム量が減少していることから 確かにDL- 酒石酸が ワインに対するカルシウム除去効果を有することがわかる 加えて ワイン中のカルシウムの約 2.8 倍量に相当する428 mgのdl- 酒石酸を添加するまでは 添加するDL- 酒石酸の量に対して比例的にカルシウム除去量が増加するが それ以上の添加量では比例的に増加しないことが示されている また 諸外国ではワイン醸造の教科書として使用されている書籍 8 においては カルシウム濃度の約 3 倍量 9 のDL- 酒石酸を使用することを推奨している ワイン中に含有されるカルシウム量 (mg) の3 倍量を超えるDL- 酒石酸を添加しても 除去されるカルシウム量は比例的に増加せず 逆にワイン中へのDL- 酒石酸の残存量が増え 瓶詰後のワインで酒石発生の原因となるとされている 表 3の結果では カルシウム量の約 3 倍量のDL- 酒石酸を用いることで ワイン中のカルシウムの約 70% にあたる量を除去できており この結果は ワイン製造における慣習とおおむね一致している 以上より DL- 酒石酸カリウムは 目標とするカルシウム除去量を踏まえて 酒石発生も 想定して過剰とならないよう適切に添加量を設定して使用した際に ワインの品質管理上十分 なカルシウムの除去効果が得られると考えられる ⑵ 食品中での安定性 DL- 酒石酸カリウムは 水への溶解度が高く ワイン中では直ちに溶解し 2 個のカリウムイオンと1 個の酒石酸イオンに解離する 酒石酸イオンは ワイン中のカルシウムと難溶性の酒石酸カルシウムを生成し 沈降する ワインへ添加されたDL- 酒石酸カリウムから生じた酒石酸イオンは そのほとんどがDL- 酒石酸カルシウムとなり 結晶沈殿としてろ過等に 7 J. Ribéreau-Gayon, E. Peynaud, P. Sudraud, P. Ribéreau-Gayon, Traité d œnologie, Science et Technique du Vin., Tom 4, DUNOD, Yair Margalit, Concepts in Wine Technology, mg のカルシウムを除去するために必要な DL- 酒石酸添加量の理論値は 375mg とされており 100mg のカルシウムの 3/4 を目標とする場合 必要な DL- 酒石酸添加量の理論値は 281mg となり 100mg の約 3 倍量となる

7 より除去される ⑶ 食品中の栄養成分に及ぼす影響ワイン中のカリウムを増加させる可能性がある ただし 増加したカリウムは酒石形成 (L - 酒石酸水素カリウム ) を促し 析出物は貯蔵中や瓶詰前の冷却及びろ過処理で除去される よって 添加したDL- 酒石酸カリウムに由来するカリウムが全て増加量に反映されるわけではない また カリウムについては過剰に摂取しても尿中に排泄されることから ワインとしての栄養成分への影響はほぼ無視できると考えられる 6. 食品安全委員会における評価結果添加物としての指定及び規格基準設定のため 食品安全基本法 ( 平成 15 年法律第 48 号 ) 第 24 条第 1 項第 1 号の規定に基づき 令和元年 10 月 9 日付け厚生労働省発生食 1009 第 3 号により 食品安全委員会に対して意見を求めたDL- 酒石酸カリウムに係る食品健康影響評価については DL- 酒石酸カリウムが添加物として適切に使用される場合 安全性に懸念はない との評価結果が令和 2 年 9 月 15 日付け府食第 622 号で通知されている 上記食品健康影響評価結果の概要は以下のとおり ⑴ 安全性に係る知見の概要 DL- 酒石酸カリウムの体内動態については 動物間の種差が示唆されていること及び吸収率はラットよりヒトの方が低いと考えられることから 評価に当たっては種差に留意すべきとされた in vitroの復帰突然変異及び染色体異常試験の結果がいずれも陰性であったことから DL - 酒石酸カリウムには生体にとって特段問題となるような遺伝毒性はないと判断された DL- 酒石酸水素カリウムの13 週間反復投与試験 ( ラット ) について評価した結果から NOAEL は60mg/kg 体重 / 日 (DL- 酒石酸として ) と判断された 入手したヒトにおける知見からはNOAELを得ることはできないと判断した 以上のことから DL- 酒石酸のNOAELは60mg/kg 体重 / 日と判断された ⑵ 一日摂取量の推計等 DL- 酒石酸の摂取量推計等については ぶどう酒中のカルシウム濃度を最大である210mg/ Lとし これに対する推奨量に基づいた除去処理を想定し ぶどう酒に残存するDL- 酒石酸は 46.7mg/Lと推計された これに生産量統計調査に基づく摂取量を合わせて DL- 酒石酸摂取量は mg/kg 体重 / 日 10 と推計された 10 ぶどう酒に残存する DL- 酒石酸の推計量である 46.7mg/L に 飲酒習慣のある者を考慮した 1 人当たりのぶどう酒推定一日摂取量である 48.2mL/ 人 / 日をかけると 2.25mg/ 人 / 日となり これを成人の平均体重である 55.1kg で割ると mg/kg 体重 / 日となる 生産量統計調査に基づく摂取量の推計では DL- 酒石酸の推定一日摂取量を mg/ 人 / 日としている これを成人の平均体重である 55.1kg で割ると mg/kg 体重 / 日となる これらの推定摂取量を足し合わせると DL- 酒石酸の摂取量は mg/kg 体重 / 日と推計される (46.7 mg/l 48.2 ml/ 人 / 日 )/(55.1 kg/ 人 ) + ( mg/ 人 / 日 )/(55.1 kg/ 人 ) = mg /kg 体重 / 日

8 ⑶ 食品健康影響評価添加物 DL- 酒石酸カリウム 由来のDL- 酒石酸の摂取量は少ないと考えられることから ばく露マージンを用いた評価が実施された 添加物 DL- 酒石酸カリウム の使用に係るDL- 酒石酸の我が国における推定一日摂取量 (0.0409mg/kg 体重 / 日 ) を勘案すると NOAELである60mg/kg 体重 / 日 (DL- 酒石酸として ) との間に十分なマージンが存在することから 添加物として適切に使用される場合 添加物 DL- 酒石酸カリウム に由来するDL- 酒石酸は安全性に懸念がないと判断された 上述のカリウムイオン及び酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) に対する評価を踏まえ 添加物 D L- 酒石酸カリウム が添加物として適切に使用される場合 安全性に懸念がないと判断された 7. 新規指定について DL- 酒石酸カリウムについては 食品安全委員会における食品健康影響評価を踏まえ 食品衛生法 ( 昭和 22 年法律第 233 号 ) 第 12 条の規定に基づく添加物として指定することは差し支えない 8. 規格基準の設定について 食品衛生法 ( 昭和 22 年法律第 233 号 ) 第 13 条第 1 項の規定に基づく規格基準については 次 のとおりとすることが適当である ⑴ 使用基準について 諸外国での使用状況 添加物としての有効性 食品安全委員会の食品健康影響評価結果 摂 取量の推計等を踏まえ 以下のとおり使用基準を設定する ( 使用基準案 ) 11 DL- 酒石酸カリウムは ぶどう酒以外の食品に使用してはならない ⑵ 成分規格 保存基準について 成分規格を別紙 1 のとおり設定する ( 設定根拠は別紙 2 のとおり EU 規格等との対比表は別 紙 3 のとおり ) 11 使用基準にいうぶどう酒とは 酒税法 ( 昭和 28 年法律第 6 号 ) 第 3 条第 13 号に規定する果実酒又は同条第 14 号に規定する甘味果実酒に該当し ぶどうを主原料とするものを指す

9 ( 参考 ) これまでの経緯 令和元年 10 月 9 日 厚生労働大臣から食品安全員会委員長宛てに添加物の指定に係る食品健 康影響評価を依頼 ( 厚生労働省発生食 1009 第 3 号 ) 令和元年 10 月 15 日 第 761 回食品安全委員会 ( 要請事項説明 ) 令和 2 年 9 月 15 日食品安全委員会から食品健康影響評価の結果の通知 ( 府食第 622 号 ) 令和 2 年 10 月 13 日 薬事 食品衛生審議会へ諮問 令和 2 年 10 月 14 日 薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会 薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会 氏 名 所 属 石見佳子 東京農業大学農生命科学研究所教授 工藤由起子 国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部長 桒形麻樹子 国立医薬品食品衛生研究所安全性静物試験研究センター毒性部第二室長 笹本剛生 東京都健康安全研究センター食品化学部長 佐藤恭子 国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部長 杉本直樹 国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部第二室長 瀧本秀美 国立研究開発法人医薬基盤 健康 栄養研究所国立健康 栄養研究所栄養疫学 食育研究部長 戸塚ゆ加里 国立研究開発法人国立がん研究センター研究所発がん 予防研究分野ユニット長 中島春紫 明治大学農学部農芸化学科教授 原 俊太郎 昭和大学薬学部教授 二村睦子 日本生活協同組合連合会組織推進本部長 三浦進司 静岡県立大学食品栄養科学部教授 吉成浩一 静岡県立大学薬学部薬学科教授 部会長

10 ( 別紙 1) DL- 酒石酸カリウム Dipotassium DL-Tartrate dl- 酒石酸カリウム C 4H 4K 2O 6 分子量 Dipotassium (2RS,3RS)-2,3-dihydroxybutanedioate 定義本品は L- 酒石酸カリウムとD- 酒石酸カリウムの等量混合物である 性状本品は 無 ~ 白色の結晶 粉末又は粒である 確認試験 ⑴ 本品の水溶液 (1 10) は 旋光性がない ⑵ 本品は カリウム塩 ⑴の反応及び酒石酸塩の反応を呈する 純度試験 ⑴ 鉛 Pb として5µg/g 以下 (0.80g 第 3 法 比較液鉛標準液 4.0mL フレーム方式 ) ⑵ ヒ素 As として3µg/g 以下 (0.50g 第 1 法 標準色ヒ素標準液 3.0mL 装置 B) ⑶ シュウ酸塩 C 2H 2O 4 として 100µg/g 以下本品を乾燥し その 0.100gを量り 硫酸試液 (0.01mol/L) を加えて溶かして正確に 20mL とし 検液とする 別にシュウ酸二水和物 0.140gを量り 硫酸試液 (0.01mol/L) を加えて溶かして正確に 1000mL とする この液 1mL を正確に量り 硫酸試液 (0.01mol/L) を加えて正確に 200mL とし 比較液とする 検液及び比較液をそれぞれ 10µL ずつ量り 次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行う 検液及び比較液のシュウ酸のピーク面積を自動積分法により測定するとき 検液のシュウ酸のピーク面積は 比較液のシュウ酸のピーク面積より大きくない 操作条件検出器紫外吸光光度計 ( 測定波長 210nm) カラム充塡剤 8µm の液体クロマトグラフィー用陽イオン交換樹脂 (H 型 ) カラム管内径 6~8mm 長さ 30cm のステンレス管必要な場合には カラム管を2 本連結して用いてもよい ガードカラムカラム管と同一の内径で同一の充塡剤を充塡したものカラム温度 50 溶離液硫酸試液 (0.01mol/L) 流量 0.6mL/ 分乾燥減量 4.0% 以下 (105 4 時間 ) 保存基準気密容器に入れ 保存する 試薬 試液等

11 1. 試薬 試液 硫酸試液 (0.01mol/L) 硫酸試液 (1mol/L)10mL に水を加えて 1000mL とする (L- 酒石酸カリウムの成分規格 ( 案 ) とともに既に提案されている )

12 ( 別紙 2) DL- 酒石酸カリウム成分規格設定の根拠 DL- 酒石酸カリウムの成分規格は EU の規格が無いため OIV 規格 (Potassium-D,L-tartrate 国際ブドウ ワイン機構 Organisation internationale de la vigne et du vin Oeno 42/2000 COEI- 1-POTRAC) JECFA 規格 (DL- 酒石酸 ) 及び公定書規格 (DL- 酒石酸ナトリウム及びDL- 酒石酸 第 9 版食品添加物公定書 2018) を参照し設定した 名称 OIV 規格は Potassium D,L-tartrate の名称であるが 公定書のDL- 酒石酸ナトリウム及びDL - 酒石酸規格の名称を参照し 和名を DL- 酒石酸カリウム 英名を Dipotassium DL- Tartrate 別名を dl- 酒石酸カリウム とした 定義 本品の本質を示すため L- 酒石酸カリウムと D- 酒石酸カリウムの等量混合物 とした 化学式 化学名 CAS 登録番号及び分子量化学式は OIV 規格を参照し C 4H 4K 2O 6 とした 化学名は IUPAC 名を基に記載した CAS 登録番号は 設定されていないため記載無しとし 分子量は 原子量表 (2010) より計算し とした 性状 OIV 規格及び要請品の検証結果に基づき 無 ~ 白色の結晶 粉末又は粒 とした 確認試験 OIV 規格では旋光性の項は設定されていないものの L- 体との区別のための沈殿試験が設定されており JECFA 及び公定書のDL- 酒石酸ナトリウムやDL- 酒石酸規格では設定されていることから 本規格案ではL- 体との区別が可能な旋光性の項を設定した 検液の調製濃度は 公定書のDL- 酒石酸ナトリウム及びDL- 酒石酸規格の濃度を採用した 定性試験の項は OIV 規格では設定されていないが 公定書のDL- 酒石酸ナトリウム及びDL- 酒石酸規格で設定されていることから カリウム塩 (1) の反応及び酒石酸塩の反応を呈する と設定した 純度試験 OIV 規格と同様に 鉛 ヒ素及びシュウ酸塩を設定した 鉛及びヒ素は それぞれ OIV 規格値を参照して公定書の書きぶりとし 5µg/g 以下及び3µg/g 以下とした シュウ酸塩は OIV 規格値を参照して公定書の書きぶりとし 100µg/g 以下とした シュウ酸塩の試験法は DL- 酒石酸カリウム中のシュウ酸として 100µg/g 以下であることの確認が可能な液体クロマトグラフィーによる分析法を検討し

13 試験法として採用した 乾燥減量 乾燥条件は OIV 規格と同じ 時間を採用した 規格値は OIV 規格では 1% 以下である が 要請品の検証結果を踏まえ 4.0% 以下とした 保存基準 OIV 規格では記載されており JECFA 規格では設定されていないが 潮解性が高く 保存基準を設定 する方が良いと考えられるため 気密容器に入れ 保存する とした 本規格では設定しない項目 含量 OIV 規格で定められていないことから 本規格案においても設定しないこととした ph( 液性 ) 及び融点 ph( 液性 ) は 公定書のDL- 酒石酸ナトリウム及びDL- 酒石酸規格では設定されているが OIV 規格では設定されていないことから 本規格案においても設定しない 融点は JECFA 及び公定書のD L- 酒石酸規格では設定されているが OIV 規格では設定されていないことから 本規格案において設定しない 純度試験 ( 溶状 水銀 ナトリウム 硫酸塩 易酸化物 ) OIV 規格では溶状 水銀及びナトリウムの項目が設定されているが 公定書のDL- 酒石酸規格では設定されていないことから 本規格案では設定しない また JECFA 及び公定書のDL- 酒石酸規格及び公定書のDL- 酒石酸ナトリウム規格では 硫酸塩及び易酸化物の項目が設定されているが OIV 規格では設定されていないことから 本規格案では設定しない 強熱残分及び定量法強熱残分は JECFA 及び公定書のDL- 酒石酸規格では設定されているが OIV 規格では設定されていないことから 本規格案では設定しない また 含量規格を設定しないため 定量法は不要であり設定しない

14 ( 別紙 3) DL- 酒石酸カリウムの規格対比表 本規格 ( 案 ) OIV JECFA 公定書公定書 名称 ( 英名 ) ( 別名 ) DL- 酒石酸カリウム (Dipotassium DL-Tartrate) (dl- 酒石酸カリウム ) Dipotassium tartrate (Dibasic potassium tartrate) DL- Tartaric Acid DL- 酒石酸ナトリウム (Disodium DL -Tartrate) (dl- 酒石酸ナトリウム ) DL- 酒石酸 (DL-Tartaric Acid) (dl- 酒石酸 ) (Properties L- 酒石酸カリ の項の記載 : 定義 ウムとD- 酒石酸カリウムの等 D,L- 酒石酸又はラセミ酒石酸 量混合物 の二カリウム 塩 ) 含量設定しない % 以上 ( 乾燥物 ) 98.5% 以上 ( 乾燥物 ) 99.5% 以上 ( 乾燥物 ) 無色又は半透 無色の結晶又は 性状 無 ~ 白色の結晶 粉末又は粒 白色の結晶又は微粒状の白色粉末 明の結晶又は白色粉末であり においは 無色の結晶又は白色の結晶性の粉末 白色の結晶性の粉末であり においがなく 酸 ない 味がある 確認試験 水溶液 (1 水溶液 (1 水溶液 (1 10) 水溶液 (1 旋光性 10) は 旋 - 10) は 旋光 は 旋光性がな 10) は 旋光性 光性がない 性がない い がない カリウム塩 ⑴ ナトリウム塩の 定性試験 の反応及び酒石酸塩の反応を呈 - 酒石酸塩の反応を呈する 反応及び酒石酸塩の反応を呈す 酒石酸塩の反応を呈する する る ( その他 ) 設定しない L 体と区別する沈殿試験 融点 :200 ~ 206 ( 分解 ) ph: (1.0g 水 20m) 液性 : 水溶液 (1 10) は 酸性融点 :200~ 206 ( 分解 )

15 鉛 5µg/g 以下 5mg/kg 未満 2mg/kg 以下 2µg/g 以下 2µg/g 以下 ヒ素 3µg/g 以下 3mg/kg 未満 - 3µg/g 以下 3µg/g 以下 シュウ酸 塩 シュウ酸として 100µg/g 以下 ( 乾燥物 ) シュウ酸として 100mg/kg 未満 ( 乾燥物 ) ( その他 ) 設定しない 溶状 : 水によく溶ける水銀 :1mg/kg 未満ナトリウム : 1% 未満 ( 炎光光度法 ) 溶状 : 水によく溶け エタノールに溶けにくい硫酸塩 : 0.05% 以下易酸化物 : 陰性 溶状 : ほとんど澄明 (1.0g 水 20mL) 硫酸塩 : 0.019% 以下易酸化物 : 陰性 硫酸塩 : 0.048% 以下易酸化物 : 陰性 乾燥減量 4.0% 以下 ( 時間 ) 1% 以下 (105 4 時間 ) 0.5% 以下 (P 2O 5 使用 3 時間以上乾燥 ) 0.5% 以下 (105 4 時間 ) 0.5% 以下 (3 時間 ) 強熱残分 : 強熱残分 : ( その他 ) 設定しない - 0.1% 以下 定量法 : 滴定 0.1% 以下 定量法 : 滴定 定量法 : 滴定 保存基準 気密容器に入 れ 保存 密封容器に入 れ 保存 - - -

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17 別添 1 添加物評価書 DL- 酒石酸カリウム 2020 年 9 月 食品安全委員会

18 目次頁 審議の経緯... 2 食品安全委員会委員名簿... 2 食品安全委員会添加物専門調査会専門委員名簿... 2 要約... 4 Ⅰ. 評価対象品目の概要 用途 主成分の名称 分子式及び構造式 分子量 性状等 製造方法 安定性 起源又は発見の経緯 我が国及び諸外国等における使用状況 我が国及び国際機関等における評価 評価要請の経緯及び添加物指定の概要 Ⅱ. 安全性に係る知見の概要 体内動態 毒性 Ⅲ. 一日摂取量の推計等 現在の摂取量 使用基準策定後の摂取量 Ⅳ. 食品健康影響評価 < 参照 >

19 審議の経緯 2019 年 10 月 9 日 厚生労働大臣から添加物の指定に係る食品健康影響評価に ついて要請 ( 令和元年 10 月 9 日厚生労働省発生食 1009 第 3 号 ) 関係書類の接受 2019 年 10 月 15 日 第 761 回食品安全委員会 ( 要請事項説明 ) 2020 年 2 月 27 日 第 174 回添加物専門調査会 2020 年 3 月 18 日 第 175 回添加物専門調査会 2020 年 5 月 25 日 第 176 回添加物専門調査会 2020 年 6 月 22 日 第 177 回添加物専門調査会 2020 年 8 月 4 日 第 786 回食品安全委員会 ( 報告 ) 2020 年 8 月 5 日から 2020 年 9 月 3 日まで国民からの意見 情報の募集 2020 年 9 月 9 日 添加物専門調査会座長から食品安全委員会委員長へ報告 2020 年 9 月 15 日 第 790 回食品安全委員会 ( 報告 ) ( 同日付け厚生労働大臣に通知 ) 食品安全委員会委員名簿 (2018 年 7 月 1 日から ) 佐藤洋 ( 委員長 ) 山本茂貴 ( 委員長代理 ) 川西徹吉田緑香西みどり堀口逸子吉田充 食品安全委員会添加物専門調査会専門委員名簿 (2019 年 10 月 1 日から ) 梅村隆志 ( 座長 ) 頭金正博 ( 座長代理 ) 石井邦雄石塚真由美伊藤裕才宇佐見誠杉山圭一祖父江友孝髙須伸二髙橋智瀧本秀美多田敦子戸塚ゆ加里 2

20 中江大西信雄北條仁松井徹横平政直 < 専門参考人 > 伊藤清美 ( 武蔵野大学薬学部薬物動態学研究室教授 ) 3

21 要約 製造用剤として使用される添加物 DL- 酒石酸カリウム (CAS 登録番号 : なし ) について 各種試験成績等を用いて食品健康影響評価を実施した 評価に用いた試験成績は DL- 酒石酸 DL- 酒石酸塩 酒石酸又は酒石酸塩を被験物質とした体内動態 遺伝毒性 急性毒性 反復投与毒性 ヒトにおける知見等に関するものである 本委員会としては 添加物 DL- 酒石酸カリウム を経口投与された際に体内で生じると予測されるカリウムイオン及び酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) について 検討を行った カリウムイオンについては 過去に評価が行われており その後新たな知見が認められていないことから 新たな体内動態及び毒性に関する検討は行わなかったが カリウムがヒトの血中 尿中及び各器官中において広く分布する物質であること 栄養素として摂取すべき目標量 (18 歳以上の男女で 2,600~3,000 mg/ 人 / 日以上 ) が定められていること並びに添加物 DL- 酒石酸カリウム からのカリウムの推定一日摂取量 (1.17 mg/ 人 / 日 ) が現在のカリウムの推定一日摂取量 (2,362 mg) の % と非常に少ないことを総合的に評価し 本委員会としては 添加物として適切に使用される場合 添加物 DL- 酒石酸カリウム に由来するカリウムは安全性に懸念がないと判断した 酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) については 酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) を生じると予測される DL- 酒石酸及び DL- 酒石酸塩に関する知見を用いて総合的に評価することとした DL- 酒石酸カリウムの体内動態については ラットの腎臓において不溶性である DL- 酒石酸のカルシウム塩の蓄積が示唆されているが 動物間の種差が示唆されていること及び吸収率はラットよりヒトの方が低いと考えられることから 評価に当たっては種差に留意すべきと考えた in vitro の復帰突然変異及び染色体異常試験の結果がいずれも陰性であったことから DL- 酒石酸カリウムには生体にとって特段問題となるような遺伝毒性はないと判断した DL- 酒石酸水素カリウムの 13 週間反復投与試験 ( ラット ) について評価した結果 Inoue ら (2015) の報告では DL- 酒石酸水素カリウム 0.5% 投与群において 尿中の白血球値及び蛋白濃度の増加傾向が認められたこと並びに病理組織学的所見を踏まえ 腎臓への有害影響が生じていたと考えられたことから NOAEL はこの報告の 0.125% 投与群から算出した 60 mg/kg 体重 / 日 (DL- 酒石酸として ) と判断した 入手したヒトにおける知見からは NOAEL を得ることはできないと判断した 以上のことから 本委員会としては DL- 酒石酸の NOAEL を 60 mg/kg 体重 / 日と判断した 4

22 DL- 酒石酸の摂取量推計等については 指定等要請者の説明を踏まえ 過大な見積りとなる可能性はあるが ぶどう酒中のカルシウム濃度を最大である 210 mg/l とし これに対する推奨量に基づいた除去処理を想定し ぶどう酒に残存する DL- 酒石酸は 46.7 mg/l と推計した これに生産量統計調査に基づく摂取量を合わせて DL- 酒石酸摂取量は mg/kg 体重 / 日と推計した 本委員会としては 添加物 DL- 酒石酸カリウム は 使用基準 ( 案 ) の下 ぶどう酒中の過剰なカルシウムを DL- 酒石酸カルシウムとして沈殿させ除去することを目的とし 添加した本品目の大半がろ過等で取り除かれることが論文で示されていることを踏まえ 添加物 DL- 酒石酸カリウム 由来の DL- 酒石酸の摂取量は少ないと考えた 加えて 添加物 DL- 酒石酸カリウム の摂取量に関しては 1DL- 酒石酸 DL- 酒石酸ナトリウム及び DL- 酒石酸水素カリウムが指定添加物であって 食品添加物としての使用経験があるが これまでに安全性に関して特段の問題が指摘されていないこと 2 摂取量推計において ぶどう酒中のカルシウム濃度が最大であると仮定していることから 前述の推定一日摂取量が過大な見積りとなっており 実際の摂取量はそれより少ないと考えられること 3ぶどう酒中で酒石酸のL 体からD 体が少量生成し DL- 酒石酸が本品目の添加前からぶどう酒中に存在し 従前より摂取されていることを考慮する必要があると考えた 以上より 添加物 DL- 酒石酸カリウム 由来の DL- 酒石酸の摂取量は少ないと考えられることから 本委員会としては ばく露マージンを用いた評価を実施することとした 添加物 DL- 酒石酸カリウム の使用に係る DL- 酒石酸の我が国における推定一日摂取量 ( mg/kg 体重 / 日 ) を勘案すると NOAEL である 60 mg/kg 体重 / 日 (DL- 酒石酸として ) との間に十分なマージンが存在することから 添加物として適切に使用される場合 添加物 DL- 酒石酸カリウム に由来する DL- 酒石酸は安全性に懸念がないと判断した 本委員会としては 上述のカリウムイオン及び酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) に対する評価を踏まえ 添加物 DL- 酒石酸カリウム が添加物として適切に使用される場合 安全性に懸念がないと判断した 5

23 Ⅰ. 評価対象品目の概要 1. 用途製造用剤 ( 参照 1) 2. 主成分の名称和名 :DL- 酒石酸カリウム英名 :Dipotassium DL-Tartrate CAS 登録番号 : なし ( 参照 1 2 3) 3. 分子式及び構造式 C 4 H 4 O 6 K 2 L- 酒石酸カリウム 及び鏡像異性体 ( 参照 2 3 4) 4. 分子量 ( 参照 2 3) 5. 性状等今般 厚生労働省に DL- 酒石酸カリウム の添加物としての指定及び規格基準の設定を要請した者 ( 以下 指定等要請者 という ) による成分規格案では DL - 酒石酸カリウムを L- 酒石酸カリウムとD- 酒石酸カリウムの等量混合物 と定義し 性状は 本品は 無色の結晶又は白色の結晶性の粉末である としている ( 参照 2) なお L 体及びD 体のような2 種類の鏡像異性体が等量存在し 旋光性を示さない混合物をラセミ体という すなわち DL- 酒石酸カリウムはラセミ体であり旋光性を示さない 6. 製造方法指定等要請者は 添加物 DL- 酒石酸カリウム の製造方法について フマル酸を過マンガン酸カリウムで酸化し DL- 酒石酸を得て 水酸化カリウム又は炭酸カリウムで中和して得られる としている ( 参照 2 5) 7. 安定性指定等要請者は 冷涼で換気のよい場所で直射日光を避け密封保管すれば安定 6

24 である とし 水に易溶 (100g の水 (25 ) に 103g が可溶 1 ) としている ( 参照 ) また DL- 酒石酸及び DL- 酒石酸塩の水 100 g に対する溶解度は表 1のとおりである ( 参照 5 8) 表 1 DL- 酒石酸及び DL- 酒石酸塩の水 100 g に対する溶解度物質名可溶量 (g) 水温 ( ) DL- 酒石酸カリウム 103 DL- 酒石酸 DL- 酒石酸水素カリウム DL- 酒石酸カルシウム 注 ) 化学大辞典 (2006) の記載に基づき 水 100g に対する溶解度に換算 注 25 指定等要請者は DL- 酒石酸カリウムはワイン 2 中で2 価の陰イオンである酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) とカリウムイオンに解離した後 酒石酸イオンはワイン中のカルシウムイオンとラセミ体の塩 (DL- 酒石酸カルシウム ) を形成し このカルシウム塩の溶解度が極めて低いため 結晶が速やかに形成されて沈降すると説明している ( 参照 2 9) 8. 起源又は発見の経緯酒石酸はブドウ果汁に含まれる主要な有機酸の一つである 酒石酸には L 体 D 体 メソ体の3 種類の光学異性体が存在するが 天然に存在する酒石酸は一般的にL 体である しかし ワインの熟成中にL 体からD 体が少量生成することも知られている ( 参照 2 8) DL- 酒石酸は 19 世紀前半の酒石酸の構造解明の研究中に見出された 天然の酒石酸塩を強熱することで光学的に不活性な有機酸が得られるが この光学的に不活性な有機酸は L 体及びD 体の酒石酸が1:1で混合したラセミ体 つまり DL - 酒石酸であることが判明した ラセミ体は L 体又はD 体それぞれ単独からなる結晶と比較して 溶解度などで異なる性質を持ち 瓶詰のワイン中に生成する酒石 3 には カルシウム塩として DL- 酒石酸カルシウムが含まれることも知られている なお 指定等要請者は DL- 酒石酸カリウムの特徴として ワイン中の過剰なカル 1 化学大辞典 (2006) の記載に基づき 水 100g 当たりの溶解量に換算 2 食品衛生法上 使用基準における 果実酒 は ぶどう酒 りんご酒 なし酒等果実を主原料として発酵させた酒類とされている ( 昭和 50 年 7 月 25 日付け環食化第 32 号厚生省環境衛生局庁通達 ) 本評価書では ( 赤 白 ) ワイン はぶどう酒と同様の意味で使用し ぶどう酒以外の果実酒や穀物等を主原料として発酵させた日本酒等を含む場合は ワイン類 と記載している 3 指定等要請者は 酒石について 難溶性の酒石酸水素カリウムや酒石酸カルシウム等からなる と説明している 7

25 シウムを除去できると説明している ( 参照 ) 9. 我が国及び諸外国等における使用状況 (1) 我が国における使用状況我が国においては DL- 酒石酸カリウムは添加物として指定されていない なお DL- 酒石酸カリウムに関連する物質として DL- 酒石酸 DL- 酒石酸ナトリウム及び DL- 酒石酸水素カリウムは添加物として指定されており いずれも使用基準は設定されていない ( 参照 ) (2) 諸外国等における使用状況 1 コーデックス委員会 DL- 酒石酸カリウムは 食品添加物に関するコーデックス一般規格 (GSFA 4 ) のリストに収載されていない ( 参照 ) ( 参考 ) L- 酒石酸 L- 酒石酸ナトリウム及びL- 酒石酸カリウムナトリウムは GSFA のリストに収載されている これらの使用対象食品及びその使用上限について リンゴ酒及びペリー ( 食品分類 ) では 最大使用基準値として 2,000 mg/kg( 酒石酸として ) ワイン( ブドウ以外 ) ( 食品分類 ) では 最大使用基準値として 4,000 mg/kg( 酒石酸として ) の使用等が認められている ただし ブドウ酒 ( 食品分類 ) の記載はない ( 参照 ) 2 米国における使用状況 DL- 酒石酸カリウムは 一般に安全とみなされる (GRAS) 物質のリストに収載されていない ( 参照 14) ( 参考 ) L- 酒石酸 L- 酒石酸ナトリウム L- 酒石酸水素カリウム及びL- 酒石酸カリウムナトリウムは GRAS 物質のリストに収載されている ( 参照 14) 3 欧州連合 (EU) における使用状況ワイン 5 製造工程において DL- 酒石酸又は DL- 酒石酸カリウムを過剰な 4 本文中で用いられた略称については 別紙に名称等を示す 5 Council Regulation(EC) No 479/2008 の ANNEX IV CATEGORIES OF GRAPEVINE PRODUCTS によると ワインは 粉砕されているか否かにかかわらず 新鮮なぶどう又はグレープマストを発酵させたものと定義されている 8

26 カルシウムを沈殿させる目的で使用することが認められている 6 なお 使用に当たっては ワイン製造の専門家又は知識のある技術者の監督下で行うこと等が規定されている ( 参照 ) 4 オーストラリア及びニュージーランドにおける使用状況オーストラリア及びニュージーランドでは Australia New Zealand Food Standards Code において 酒石酸カリウム ( 旋光性は不明 ) は ワイン 発泡ワイン及び強化ワイン (Wine, Sparkling wine and fortified wine) ( 食品分類 ) 7 については 適正製造規範 (GMP) 下での使用が認められている ( 参照 17) 10. 我が国及び国際機関等における評価 (1) 我が国における評価食品安全委員会において 添加物 DL- 酒石酸カリウム の評価はなされていない 添加物 DL- 酒石酸カリウム の構成イオンであるカリウムイオンについては 食品安全委員会は 添加物評価書 硫酸カリウム (2013) において 以下のように評価をしている ( 参照 18) 入手したカリウム塩を被験物質とした毒性試験成績からは NOAEL を得られる知見はないと判断したが カリウムがヒトの血中 尿中及び各器官中において広く分布する物質であること 多くのカリウム塩が既に添加物として指定され 長い食経験があること ヒトに塩化カリウムを投与した試験において特段の有害影響が認められなかったこと 栄養素として摂取すべき目標量 (18 歳以上の男女で 2,700~3,000 mg/ 人 / 日 ) が定められていること及び添加物 硫酸カリウム からのカリウムの推定一日摂取量 ( カリウムとして 33.4 mg) が 現在のカリウムの一日摂取量 (2,200 mg) の約 1.5% と非常に少ないことを総合的に評価し 添加物として適切に使用される場合 添加物 硫酸カリウム に由来するカリウムは安全性に懸念がないと判断した ( 引用終わり ) また 食品安全委員会は 添加物評価書 硫酸アルミニウムアンモニウム 硫酸アルミニウムカリウム (2017) において 以下のように評価をしている ( 参照 19) 硫酸イオン及びカリウムイオンについては 添加物 硫酸カリウム の評価 6 EU では ワイン類に使用可能な添加物は Council Regulation (EU) No 1129/2011 において 規定されるほか Council Regulation(EC) No 606/2009 等においても 条件とともに規定されている 7 Standard Definitions used throughout the Code の Definitions particular foods において ワインはぶどうを発酵させて得られたものであると定義されている 9

27 書 (2013) 及び添加物 硫酸亜鉛 の評価書 (2015) で体内動態及び毒性に係る知見が検討されており その結果 安全性に懸念を生じさせるような知見は認められていない また その後 新たな知見が認められていないため 本評価書では体内動態及び毒性の検討は行わないこととした ( 引用終わり ) (2) 国際機関等における評価 1 JECFA における評価 DL- 酒石酸カリウムの安全性評価は確認できなかった DL- 酒石酸カリウムに関連する物質として DL- 酒石酸のほか DL- 酒石酸塩に関する評価がなされており 次のとおり取りまとめられている FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議 (JECFA) は 1977 年の第 21 回会合において L- 酒石酸水素ナトリウム及び DL- 酒石酸水素ナトリウムを評価した結果 DL- 酒石酸水素ナトリウムの十分な長期反復投与試験がないこと DL- 酒石酸水素ナトリウムの高用量投与では L- 酒石酸水素ナトリウムの投与で認められなかった腎臓への影響が認められたことから DL- 酒石酸水素ナトリウムの ADI を設定できないとしている ( 参照 20 21) JECFA は 1983 年の第 27 回会合において DL- 酒石酸並びにそのアンモニウム カルシウム及びマグネシウム塩について評価を行い DL- 酒石酸のアンモニウム カルシウム及びマグネシウム塩については食品添加物としての用途に関する情報が不明であったことから さらなる情報を求めることされた また 毒性に関するデータが準備されなかったことから ADI を設定できないとされた ( 参照 22) 2 米国における評価指定等要請者から 添加物 DL- 酒石酸カリウム の米国における評価に関する資料は提出されていない 3 欧州における評価欧州食品科学委員会 (SCF) は 1990 年 第 25 回会合において L- 酒石酸及び DL- 酒石酸並びにそれらのカリウム ナトリウム及びカリウムナトリウム塩について それまでの JECFA の報告書等を基に評価を行った その結果 L- 酒石酸及びその塩については JECFA の設定したグループ ADI 0~ 30 mg/kg 体重 (L- 酒石酸として ) を是認した 他方 DL- 酒石酸及びその塩については その時点で確認されたデータは ADI を設定するには不十分であると結論付けた ( 参照 ) 2020 年 欧州食品安全機関 (EFSA) の食品添加物及び香料に関する科学パネル (FAF パネル ) は L- 酒石酸並びにそのカリウム ナトリウム カリウ 10

28 ムナトリウム及びカルシウム塩の再評価結果を公表した 再評価の結果 ラットにL- 酒石酸水素ナトリウムを投与した試験結果 (Hunter ら (1977)) を引用し NOAEL は最高用量である 3,100 mg/kg 体重 / 日 (L- 酒石酸としておおよそ 2,440 mg/kg 体重 / 日 ) とした また 酒石酸の体内動態において ヒトの吸収率がラットに比べて小さいことを考慮すると 不確実係数として通常用いている 100 ではなく 10 とすることが適切と評価し ADI を 240 mg/kg 体重 / 日と設定した ( 参照 25) 11. 評価要請の経緯及び添加物指定の概要今般 添加物 DL- 酒石酸カリウム について 厚生労働省に添加物としての指定及び規格基準の設定の要請がなされ 関係書類が取りまとめられたことから 食品安全基本法 ( 平成 15 年法律第 48 号 ) 第 24 条第 1 項第 1 号の規定に基づき 食品安全委員会に対して 食品健康影響評価の要請がなされたものである 厚生労働省は 食品安全委員会の食品健康影響評価結果の通知を受けた後に 添加物 DL- 酒石酸カリウム について 表 2 のとおり使用基準を設定し 添加物としての指定及び規格基準の設定の可否等について検討するとしている ( 参照 26) 表 2 添加物 DL- 酒石酸カリウム の使用基準案添加物名使用基準案 DL- 酒石酸カリ DL- 酒石酸カリウムは 果実酒 ( ぶどうを主原料として発酵ウムさせたものに限る ) 以外の食品に使用してはならない 11

29 Ⅱ. 安全性に係る知見の概要指定等要請者によれば DL- 酒石酸カリウムはワイン中で2 価の陰イオンである酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) とカリウムイオンに解離すると説明している また 酒石酸カリウムは胃内条件下 (ph1.2) では 84.4±10.6% 腸管内条件下 (ph7.3) では 91.3±8.5% まで解離が起こる そのため 酒石酸カリウムを経口投与した際も胃又は腸内で同様に各イオンに解離し 別々に吸収されるものと予想されるとしている ( 参照 2 27) このことから 添加物 DL- 酒石酸カリウム の体内動態及び毒性については 経口投与された際に体内で生じると予測されるカリウムイオン及び酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) について 検討を行うこととした 酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) については 酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) を生じると予測される DL- 酒石酸及び DL- 酒石酸塩に関する知見を用いて総合的に評価することとした また カリウムイオンについては 添加物評価書 硫酸カリウム (2013) で体内動態及び毒性に係る知見が検討されており その結果 安全性に懸念を生じさせるような知見は認められていない また 添加物評価書 硫酸アルミニウムアンモニウム 硫酸アルミニウムカリウム (2017) では 添加物評価書 硫酸カリウム (2013) の後 新たな知見は認められていないため 安全性に懸念のある知見はないとされている さらに その後 新たな知見は認められていないため 本評価書では 体内動態及び毒性の検討は行わないこととした ( 参照 ) 1. 体内動態 DL- 酒石酸カリウムを被験物質とした体内動態試験成績は提出されず 酒石酸カリウムとしては 排泄 ( 旋光性不明 ) に関するもののみであったが 上述のとおり DL- 酒石酸及び DL- 酒石酸塩を被験物質とした試験成績を用いて 総合的に検討を行うこととした (1) 吸収 1 吸収 ( ヒト )(Chadwick ら (1978);Tobacco Documents Library(1996) 及び JECFA(2019) で引用 ) 健常成人 ( 男性 28~45 歳 5 名 ) に 5 µci の DL-[1,4-14 C] 酒石酸ナトリウムを摂取させ 呼気中の [ 14 C] 二酸化炭素並びに尿中及び糞便中の DL- [ 14 C] 酒石酸由来の放射活性を測定する試験が実施されている 実験には 担体として 又は 10.0 g のL- 酒石酸ナトリウムと 12.5 g のD-キシロースを含有する水溶液が用いられた その結果 DL-[ 14 C] 酒石酸の放射活性を 100% としたときの各排泄経路への排泄率は 投与後 7 時間までで 呼気中に [ 14 C] 二酸化炭素として 46.2% 尿 12

30 中に未変化の DL-[ 14 C] 酒石酸 ( 以下 未変化体 という ) として 12.0% 糞便中に 4.9% であった Chadwick ら (1978) は D-キシロースと未変化体の尿中排泄の時間経過が類似していることから 酒石酸は受動輸送により吸収されていると推察している また 経口摂取後の尿中に未変化体として 12.0% 静脈投与( 性別不明 1 名 ) 後の尿中に未変化体として 63.8% が認められたことから 経口摂取時の酒石酸としての吸収率は低く 経口摂取をした場合の腸からの吸収率は約 18% と計算し 摂取された酒石酸については 体内の組織又は腸内細菌で約 81% ( それぞれ 約 4% 又は約 77%) 代謝されると計算している ( 参照 32) 2 吸収 ( ラット )(Chadwick ら (1978);Tobacco Documents Library(1996) 及び JECFA(2019) で引用 )( 再掲 (1)1) ラット ( 系統 性別不明 )3 群に 20 µci の DL-[1,4-14 C] 酒石酸ナトリウムを 3 つの異なった投与経路 ( 腹腔内投与 経口投与又は盲腸への直接投与 ) で摂取させ 呼気中の [ 14 C] 二酸化炭素並びに尿中及び糞便中の DL-[ 14 C] 酒石酸由来の放射活性を測定する試験が実施されている 実験には 担体としてL - 酒石酸ナトリウム (18.8 mg/kg) を含有する水溶液が用いられた その結果 DL-[ 14 C] 酒石酸の放射活性を 100% としたときの各排泄経路への排泄率は 腹腔内投与時には 尿中に未変化体として 63.1% 呼気中に[ 14 C] 二酸化炭素として 9.4% であった 経口投与時には 尿中に未変化体として 51.0% 呼気中に[ 14 C] 二酸化炭素として 21.8% であった 盲腸への直接投与時には 尿中に 1.4% 呼気中に[ 14 C] 二酸化炭素として 66.6% であった Chadwick ら (1978) は これらの結果を受け ラットにおいて おそらく腸内細菌の働きにより 投与した酒石酸塩の一部は腸内で炭酸水素塩に代謝されたものと考察している また 腸管からの吸収率は 約 81% と計算している ( 参照 32) (2) 分布 1 分布 ( ラット )(Down ら (1977);JECFA ( 及び 2019 で引用 ) SD 系 CFY ラット ( 雄 各群 10 匹 ) に L-[ 14 C] 酒石酸水素ナトリウム又は DL-[ 14 C] 酒石酸水素ナトリウム (2.73 g/kg 体重 / 日 ) を 7 日間強制経口投与する試験 ( 試験 1) 及び SD 系 CFY ラット ( 雄 各群 8 匹 ) に L-[ 14 C] 酒石酸水素ナトリウム又は DL-[ 14 C] 酒石酸水素ナトリウム (2.57 g/kg 体重 / 日 ) を 7 日間強制経口投与する試験 ( 試験 2) が実施されている 各試験の DL-[ 14 C] 酒石酸水素ナトリウムに関する結果は以下のとおりである 13

31 < 試験 1> 最終投与の 3 時間後の全身オートラジオグラフィーにおいて 主に胃腸管 肝臓 腎臓 ( 皮質及び髄質 ) 及び骨で放射活性が認められた Down ら (1977) は 腎臓 ( 皮質及び髄質 ) で放射活性が認められたことは 腎臓における蓄積を示すものと考察している 腎臓への蓄積は少なくとも 192 時間後まで局在していた また 骨では 試験期間中を通して放射活性が認められた 全血中の放射活性は最終投与の 3 時間後で最大となった また 血漿中の放射活性は最終投与の 3 時間後で最大となり 2 相性に減少し 半減期は血漿中で 15 及び 58 時間後となった さらに 投与 24 時間の間では 全血及び血漿中の放射活性は L-[ 14 C] 酒石酸水素ナトリウム投与群よりも DL-[ 14 C] 酒石酸水素ナトリウムで高かった Down ら (1977) は 放射活性の第 1 相の変化は未変化体とその代謝物の速やかな組織への移行とクリアランスを示しているとしている 骨中の放射活性は 最終投与の 12 時間後に最大となり L-[ 14 C] 酒石酸水素ナトリウム投与群よりも速やかに低下した Down ら (1977) は 投与量の 0.8% が骨中に局在したと見積もっている < 試験 2> 最終投与の 6 時間後に摘出した腎臓に水を加えてホモジナイズし 遠心分離したサンプルを作成し 分離後の水溶性分画 酸処理後の水溶性分画及び残滓の放射活性を測定したところ 酸処理後の水溶性分画のみに放射活性を持つ物質が認められた Down ら (1977) は この結果について 可能性としてより不溶性である DL - 酒石酸のカルシウム塩が存在していたものと考察している ( 参照 33) (3) 代謝 1 参考資料 ( ラット ) 以下の知見については 被験物質が DL- 酒石酸塩類ではないことから 参考資料として記載する 代謝 ( ラット )(Chasseaud ら (1977);JECFA(2019) で引用 ) SD 系 CFY ラット ( 経口投与群は雄 3 匹 雌 3 匹 静脈内投与群は性別不明 ) に L-[ 14 C] 酒石酸水素ナトリウムを 400 mg/kg 体重で強制経口投与又は静脈内投与する試験が実施されている その結果 尿 糞便及び呼気への排泄率は 経口投与では投与 48 時間以内にそれぞれ 及び 15.6% であった また同量を静脈内投与した結果ではそれぞれ 及び 7.5% であった 雌雄の結果は類似したものであ 14

32 った これらの結果から Chasseaud ら (1977) は ラットへの経口投与により相当量が吸収され また 両投与法ともに 組織中で一部が [ 14 C] 二酸化炭素に代謝されたと考察している ( 参照 34) 2 参考資料 ( ヒト腸内細菌 ) 以下の知見については DL- 酒石酸塩類ではなく ヒト腸内細菌による代謝に関する知見となることから 参考資料として記載する 代謝 ( ヒト腸内細菌 )(Chadwick ら (1978))( 再掲 (1)1) 健常成人 ( 性別不明 5 名 22~61 歳 ) より新鮮便を採取し 1.5 倍量の 15.4 mmol/l の塩化ナトリウム溶液と混和した後 その液 50 ml に 250 mmol/l のL- 酒石酸ナトリウム溶液を 30 ml 加えて 37 の嫌気的条件下で培養し 24 時間後までのL- 酒石酸の残存濃度を調べる試験が実施されている その結果 L- 酒石酸の半減期は約 4 時間であったとされている ( 参照 33) (4) 排泄 1 排泄 ( ヒト )(Charles ら (1957)) ヒト (15 人 性別不明 ) にL- 酒石酸 D- 酒石酸若しくは DL- 酒石酸を 2 g 経口摂取又はL- 酒石酸ナトリウム若しくはD- 酒石酸ナトリウム 750 mg を筋肉内注射し 12 時間後の尿から回収された酒石酸量を調べる試験が実施されている その結果 L- 酒石酸 D- 酒石酸及び DL- 酒石酸の経口摂取及び筋肉内注射後の尿中排泄率は 表 3のとおりであった 表 3 酒石酸投与後の尿中排泄率 DL - 酒石酸 ( 経口摂取 :4 例 ) L- 酒石酸 ( 経口摂取 :4 例 筋肉内注射 : 4 例 ) D- 酒石 経口摂取 筋肉内注射 投与量 (g) 2 尿量 (ml) 酒石酸として の排泄率 (%) 注投与量 (g) 尿量 (ml) 酒石酸として の排泄率 (%) 注投与量 (g)

33 酸 ( 経口摂取 :1 例 筋肉内注射 : 2 例 ) 尿量 (ml) 酒石酸として ND ND 1.86 の排泄率 (%) ND: 検出されず注 ) 筋肉内注射においては 酒石酸に換算した量 Charles ら (1957) は 症例数は少ないものの 経口摂取時において DL- 酒石酸投与群はD- 酒石酸投与群より多く尿中に酒石酸として排泄されるが L- 酒石酸投与群よりは少ないと指摘している ( 参照 35) 2 排泄 ( ヒト )(Lord ら (2005);JECFA(2019) で引用 ) 酒石酸 ( 旋光性不明 ) を含有する食品を避けた食事をさせた被験者 ( 性別不明 23 名 ) において 24 時間尿を採取後 食事制限することなく 2.0 g/l の酒石酸を含有するぶどうジュース 280 ml(10 オンス ) 8 を摂取させて 24 時間尿を採取し それら尿中に含まれる酒石酸量を液体クロマトグラフィー質量分析法で測定する試験が実施されている その結果 クレアチニン補正した平均尿中酒石酸濃度は 酒石酸摂取前の 7.4 µg/mg クレアチニンから 282 µg/mg クレアチニンへと増加し 最小でも 131 µg/mg クレアチニンを示した Lord ら (2005) は 尿中酒石酸濃度には食事由来の酒石酸量が大きく影響を及ぼしており 腸内細菌や酵母により産出される量は微々たるものであると考察している ( 参照 36) 3 排泄 ( ヒト )(Regueiro ら (2014); JECFA(2019) で引用 ) 健常成人 ( 男性 白人 各群 7 名 平均年齢 30.7 歳 (21~50 歳 )) に 夕食時に表 4に示すようなスケジュールで 1,737 mg/l の酒石酸 ( 旋光性不明 ) を含有する赤ワインを摂取させ 翌朝 尿中の酒石酸量を液体クロマトグラフィー質量分析法で測定する無作為割付クロスオーバー試験が実施されている なお ワイン非摂取期間中は 被験者にはワイン又はぶどうを原料とする製品の摂取を回避させている 8 当初 28mL(10 oz) とされていたが The American Association for Clinical Chemistry では Lord らにより オンスから ml への換算に誤りがあったとして訂正されている 本評価書では訂正後の値を記載した なお JECFA(2019) では 酒石酸として 2g/L 含まれている 即ち 560mg が含有されていると記載しているが 原著では 590mg と記述されている 16

34 表 4 クロスオーバー摂取の方法試験群 1 群非摂取 7 日 ワイン 300 ml 非摂取 7 日 ワイン 200 ml 非摂取 7 日 ワイン 100 ml 2 群非摂取 7 日 ワイン 200 ml 非摂取 7 日 ワイン 100 ml 非摂取 7 日 ワイン 300 ml 3 群非摂取 7 日 ワイン 100 ml 非摂取 7 日 ワイン 300 ml 非摂取 7 日 ワイン 100 ml 注 ) 各ワイン摂取量からの酒石酸の推定摂取量 : ワイン 100mL( 酒石酸 174 mg ) ワイン 200mL( 酒石酸 347 mg ) ワイン 300mL( 酒石酸 521 mg ) その結果 尿中クレアチニン量で補正した尿中酒石酸量は ワインの 又は 300 ml 摂取後には 非摂取期間後と比較して有意に増加したが 1 ~3 群におけるワイン摂取の順序の違いは 結果に影響を及ぼさなかった また ワイン摂取量と尿中酒石酸量との間には強い相関性 ( 相関係数 r s =0.9220) が認められた ( 参照 37) 4 排泄 ( ヒト )(Petrarulo ら (1991); JECFA(2019) で引用 ) 地中海周辺地域における一般的な食習慣を有する健常成人 ( 対照群 :19 名 ( 男性 11 名 女性 8 名 ) 平均年齢 37.5 歳 ) 特発性カルシウム結石症(ICaSF) 患者 (ICaSF 患者群 :33 名 ( 男性 19 名 女性 14 名 ) 平均年齢 40.2 歳 ) 及び菜食主義者 ( 菜食主義者群 :26 名 ( 男性 13 名 女性 13 名 ) 平均年齢 35.1 歳 ) から採取した 24 時間尿について 尿中の酒石酸濃度 ( 旋光性不明 ) をイオンクロマトグラフィー法で測定した試験が実施されている その結果 各群の 24 時間尿中の平均酒石酸排泄量及びそのクレアチニン補正値は 表 5のとおりとなった 表 5 24 時間尿中の酒石酸排泄量の平均値及びそのクレアチニン補正値 酒石酸排泄量 (µmol/24 時間 ) 対照群 ICaSF 患者群 菜食主義者群 補正値 酒石酸排泄 補正値 酒石酸排泄 (µmol 酒石 量 (µmol 酒石 量 酸 /mmol ク (µmol/24 酸 /mmol ク (µmol/24 レアチニン ) 時間 ) レアチニン ) 時間 ) 補正値 (µmol 酒石酸 /mmol クレアチニン ) 男性 1, 女性 全例 なお 酒石酸排泄量の平均値は ICaSF 患者間で男性が女性より有意に多く 男女全例の比較では菜食主義者群が対照群より有意に少なかった 17

35 Petrarulo ら (1991) は 菜食主義者群において地中海周辺地域における一般的な食習慣を有する健常成人 ( 対照群 ) と比較して 尿中酒石酸濃度が有意に低かったことから 尿中への酒石酸の排泄量は食事の構成成分に大きく依存していると考察している また 聞取り調査の結果によると ワイン ぶどう又はぶどう飲料を摂取した場合には 酒石酸の排泄量は 1.0 mmol/24 時間を超えている可能性が示された 一方 15% の被験者で尿中の酒石酸濃度が検出限界未満であったことから 酒石酸の由来は専ら外因性であることが示唆されると考察している さらに 尿中酒石酸塩はカルシウム結石形成の阻害因子とされているが 食事によって対照群でも ICaSF 患者群でも尿中酒石酸排泄は大きく異なることから 尿中酒石酸排泄量と ICaSF の発症には関連性はないと考えられる ( 参照 38) 5 排泄 ( ラット モルモット ウサギ イヌ )(Underhill ら (1931); JECFA (1977) で引用 ;JECFA (2019) で引用 ) ラット ( 系統 雌雄不明 7 匹 ) モルモット( 雌雄不明 各群 2~5 匹 ) ウサギ ( 系統 雌雄 匹数不明 ) 及びイヌ ( 雌雄 匹数不明 ) を 24 時間絶食後に 酒石酸をそれぞれ 400 mg/kg 体重 100~800 mg/kg 体重 26.5~265 mg/kg 体重及び 100~2,000 mg/kg 体重の用量で酒石酸カリウムナトリウム ( ロッシェル塩 9 )( 旋光性不明 ) として強制経口投与し 酒石酸の尿中排泄率を調べる試験が実施されている なお ウサギ ( 系統 雌雄 匹数不明 ) については 24 時間絶食後に 50~300 mg/kg 体重の酒石酸を強制経口投与した試験も実施されている その結果 酒石酸の尿中排泄率は 表 6のとおりとなった ( 参照 39) 表 6 酒石酸の尿中排泄率 被験物質酒石酸カリウムナトリウム 投与量 (mg 酒 尿中排泄率 (%) 石酸 /kg 体重 ) ラット モルモット ウサギ イヌ ~ ~32 100<106> * 9~27 <10~13> * 83~ <212> * 14~18 <8~20> * 86~ ~85 11~18 注 1 92~99 ( 平均 68) 注 2 42~ ~14 1,000 注 3 53~71 9 指定等要請者が引用している岩波理化学事典第 5 版によると 酒石酸ナトリウムカリウムの説明部分に 四水和物が普通に得られ ロッシェル塩 (Rochelle salt) という との説明がある 18

36 1,500 注 4 49~67 2,000 注 5 37 酒石酸 50 90~ ~ ~ ~3 *< > 内は ウサギにおける投与量及び尿中排泄率を示す 注 1: 尿細管ネクローシス及びわずかな下痢症状 (1 例 ) わずかな腎臓の変化(1 例 ) 注 2:60 mg 酒石酸 /kg 体重投与群でわずかな腎臓の変化 (3 例 ) わずかな腎臓の変化及び下痢症状(1 例 ) 注 3:1,000 mg 酒石酸 /kg 体重投与群でわずかな腎臓の変化 (1 例 ) わずかな腎臓の変化及び下痢症状(1 例 ) 下痢症状 (1 例 ) 注 4:1,500 mg 酒石酸 /kg 体重投与群でわずかな腎臓の変化 (1 例 ) わずかな腎臓の変化及び下痢症状(2 例 ) 注 5:2,000 mg 酒石酸 /kg 体重投与群で中程度の腎臓の変化及び下痢症状 (1 例 ) 6 排泄 ( ラット )(Sabboh ら (2007)) Wistar ラット ( 雄 各群 8 匹 ) に基礎飼料 1 kg 中に酒石酸カリウム 10 ( 旋光性不明 )47.9 g を含む混合餌又は基礎飼料を 21 日間摂食させる試験が実施されている その結果 15 g/kg 餌 ( カリウムとして ) を摂食させた酒石酸カリウム摂食群において 尿中への酒石酸イオン排泄量は 2.20 mmol/24h であった また 対照群と比較して 尿量が増加し 尿中のリン酸イオン及びクエン酸イオンの排泄量は有意に増加した 一方 尿中へのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの排泄量は有意に減少した なお Sabboh ら (2007) は 尿中酒石酸イオン排泄量について 摂取量の半分程度であるとの考えを本報告内に記載している ( 参照 40) (5) 体内動態のまとめ Chadwick ら (1978) は DL- 酒石酸ナトリウムを用いた試験を実施し 経口摂取した場合のヒトとラットにおける酒石酸としての吸収率及び尿中未変化体排泄率に差異があることを報告している また ヒトにおいては 摂取された酒石酸塩の吸収率が低いこと及び経口摂取した酒石酸塩の多くが腸において分解されることから 未変化体 ( 酒石酸 ) として吸収される量は少ないと考察している ( 参照 32) Down ら (1977) は ラットに DL- 酒石酸水素ナトリウムを経口投与した場合 腎臓において不溶性である DL- 酒石酸のカルシウム塩が存在した可能性を指摘している ( 参照 33) Charles ら (1957) は L- 酒石酸 D- 酒石酸又は DL- 酒石酸を用いたヒトでの試験を実施し DL- 酒石酸投与群は L- 酒石酸投与群よりも 酒石酸と 10 指定等要請者は L- 酒石酸カリウム及び DL- 酒石酸カリウムの食品添加物新規指定のための概要書において L- 酒石酸カリウムと記載している 19

37 しての尿中排泄が少ないことを指摘している ( 参照 35) 上記の報告を踏まえ 本委員会としては DL- 酒石酸カリウムの体内動態については ラットの腎臓において不溶性である DL- 酒石酸のカルシウム塩の蓄積が示唆されているが 動物間の種差が示唆されていること及び吸収率はラットよりヒトの方が低いと考えられることから 評価に当たっては 種差に留意すべきと考えた 20

38 2. 毒性 DL- 酒石酸カリウムを被験物質とした毒性試験成績は提出されなかったが 上述 (Ⅱ. 安全性に係る知見の概要 ) のとおり DL- 酒石酸及び DL- 酒石酸塩を被験物質とした試験成績を用いて 総合的に検討を行うこととした なお 必要に応じて 酒石酸及び酒石酸塩を被験物質とした試験成績も参照した (1) 遺伝毒性 1 DL- 酒石酸及び DL- 酒石酸塩 DL- 酒石酸及び DL- 酒石酸塩並びに酒石酸及び酒石酸塩を被験物質とした遺伝毒性の試験成績は表 7 及び表 8のとおりである 表 7 DL- 酒石酸及び DL- 酒石酸塩に関する遺伝毒性の試験成績 指 試験種 試験対象 被験物質 用量等 試験結果 参照文献 標 類 遺伝子 復帰突然変異試験 細菌 (Salmonella typhimurium DL - 酒石酸 最高用量 10 mg/plate 陰性 ( 代謝活性化系の有無にかかわ 藤田及び佐々木 ( 1990 )( 参照 41) 突 ( in TA97 TA102) らず ) 然変異 vitro) 細菌 (S.typhimurium TA98 TA100 DL - 酒石酸水素カリウム 最高用量 5,000 µg/plate 陰性 ( 代謝活性化系の有無にかかわ H22 厚生労働省委託試験 ( 参照 42) TA1535 TA1537 Escherichia coli WP2uvrA) らず ) 染色 染色体異常試 チャイニーズ ハムスター肺由来線維芽 DL - 酒石酸 最高用量 1,400 µg/ml 陰性 ( 代謝活性化系の有 H23 厚生労働省委託試験 ( 参照 体験細胞 (CHL/IU 細 24 及び 48 時間無にかかわ異 ( in 胞 ) 連続処理らず ) 43) 常 vitro) チャイニーズ ハムスター肺由来線維芽細胞 (CHL/IU 細胞 ) DL - 酒石酸水素カリウム 最高用量 2,000 µg/ml 24 及び 48 時間連続処理 陰性 ( 代謝活性化系の有無にかかわらず ) H22 厚生労働省委託試験 ( 参照 44) 表 8 酒石酸 酒石酸塩に関する遺伝毒性の試験成績 指標染色体異常 試験種 試験対象 被験物質 用量等 試験結果 参照文献 類 染色体異常試 チャイニーズ ハムスター肺線維芽細胞 酒石酸水素カリウ 最高用量 2 mg/ml 陰性 験 (in (V79 細胞 ) vitro) ム ( 旋光性不明 ) 代謝活性化系非存在下 24 及び 48 時間連続処理 欧州化学物質庁 (ECHA ) (1984)( 参照 45) 21

39 2 参考資料以下の知見については 酒石酸又は酒石酸塩そのものの遺伝毒性を評価する目的で実施されたものではないため 参考資料として記載する 指標 遺伝子突然変異 表 9 酒石酸 酒石酸塩に関する遺伝毒性の試験成績 ( 参考資料 ) 試験種 試験対象 被験物質 用量等 試験結果 参照文献 類 復帰突 細菌 酒石酸 約 2.5 然変異 (S.typhimurium ( 旋光性不 mg/plate 試験 (in TA98 TA100) vitro) 明 )550 で1 分間加熱 細菌酒石酸アン約 2.5 (S.typhimurium モニウム mg/plate TA98 TA100) ( 旋光性不明 )550 で 1 分間加熱 陰性 ( 代謝活性化 Yoshida and 系の有無にかか Okamoto わらず ) (1982)( 参照 46) TA100: 陰性 ( 代 Yoshida and 謝活性化系の有 Okamoto 無にかかわらず )(1982)( 参照 ) TA98: 陽性注 46) ( 代謝活性化系 有の場合のみ ) 注 )Yoshida and Okamoto(1982) によると 酒石酸アンモニウムを含むいくつかのアンモニウム塩の熱分解産物を被験物質として一用量で実施された復帰突然変異試験において 酒石酸及び S.typhimurium TA100 株を用いた結果は陰性であったが S.typhimurium TA98 株を用いた結果は 酒石酸アンモニウムを含むアンモニウム塩のほとんどが 約 2.5 mg/plate で陽性となったと報告されている Yoshida and Okamoto(1982) はタンパク質 アミノ酸及び糖の熱分解物並びにアンモニウム塩との反応生成物を評価する目的で 550 の熱を加えた上で試験が実施されていること 酒石酸ではなくアンモニウムの熱分解産物が被験物質であったと考えられること 同じ試験条件において被験物質を酒石酸とした場合には陰性だったこと及び他の報告 ( 非加熱条件下での同じ復帰突然変異試験 (in vitro) や in vivo の試験を含む ) において酒石酸 酒石酸塩で陰性であったことも踏まえると 本報告の結果は 酒石酸そのものの遺伝毒性を示唆したものではないと考えられるとしている 本委員会としては in vitro の復帰突然変異及び染色体異常試験の結果がいずれも陰性であったことから DL- 酒石酸カリウムには生体にとって特段問題となるような遺伝毒性はないと判断した (2) 急性毒性 1 酒石酸 酒石酸塩 ( 旋光性不明 ) 旋光性が不明な酒石酸 酒石酸塩を被験物質とした急性毒性に関する試験成績は表 10 のとおりである 表 10 酒石酸 酒石酸塩に関する単回経口投与試験における LD 50 値 動物種 ( 系統 性別 ) 被験物質 LD50 (mg/kg 体重 ) 参照文献 ラット ( 系統不明 雄 ) 酒石酸 ( 旋光性不明 ) > 5,000 ECHA(1975)( 参照 47) ラット (SD 雌) 酒石酸 ( 旋光性不明 ) > 2,000 ECHA(2010)( 参照 48) 22

40 ラット (SD 雌 ) 酒石酸カルシウム ( 旋光性不明 ) > 2,000 ECHA(2011)( 参照 49) 2 参考資料以下の知見では LD 50 値以外の知見となることから 参考資料としている 表 11 酒石酸 酒石酸塩に関する単回経口投与試験における試験結果 動物種 ( 系統 性別 ) 被験物質 致死量等 参照文献 マウス ( 系統不明 酒石酸ナトリウム 19 mm/kg Locke ら (1942); JECFA 雌雄 ) ( 旋光性不明 ) 注 1) (LD10) (1974,1977 及び 2019) で引用 ( 参照 50) ウサギ ( ニュージー 酒石酸ナトリウム 23 mm/kg(48 時間以 Locke ら ( 1942 ); ランドホワイト種 ( 旋光性不明 ) 内に7 匹のうち 43% が JECFA(1974,1977 及 び 雄 ) 注 2) 死に至る量 ) 2019) で引用 ( 参照 50) イヌ ( 性別不明 ) L- 酒石酸 DL- 5,000 mg/kg 体重 ( 致死 Sourkes and Koppanyi 3) 酒石酸注 量 ) (1950);JECFA(1974,1977 及び 2019) で引用 ( 参照 51) 注 1) 原著では LD10 のみが記載されており LD50 は記載されていない JECFA(1974,1977 及び 2019) で は LD10 について 4,360 mg/kg bw と記載されている ( 参照 ) なお 原著では酒石酸ナトリウ ムの分子量 230 投与量 19 mm/kg と記載されており これらを掛け合わせると 4,370 mg/kg となる 注 2)JECFA(1974,1977 及び 2019) では 5,290 mg/kg bw を経口投与すると 7 匹中 3 匹が死に至ったと 記載されている ( 参照 ) 注 3) 原著では d- 及び dl- 酒石酸と記載されている (3) 反復投与毒性 13 週間反復投与試験 ( ラット )(Inoue ら (2015)) Fisher344 ラット ( 雌雄 各群 10 匹 ) に DL- 酒石酸水素カリウムを表 12 のとおり投与群を設定して 13 週間混餌投与する試験が実施されている ( 基礎飼料 :CRF-1) 表 12 投与群の設定用量設定 (%) 0( 対照群 ) g/kg 体重 / 日 (DL- 酒石酸水素カリウムとして ) 雄雌 注 ) 注 ) 注 ) それぞれ 0.125% の値から比例換算で算出 注 ) 注 ) 各投与群で認められた毒性所見は表 13 のとおりである 23

41 表 13 毒性所見 投与群 毒性所見 雄 雌 2.0% 腎相対重量の増加 腎絶対及び相対重量の増加 投与群 最終体重の減少 腎皮質又は髄質の一部又は複数箇所に不規則な管腔を示す遠位尿細管が存在 腎皮質又は髄質の一部に不規則な形状物を貪食する異物巨細胞の出現 腎皮質の一部に不規則な形状の貪食物を有する異物巨細胞の出現とその周囲の炎症及び尿細管の再生変化 0.5% 以上の投与群 尿中の白血球値及び蛋白濃度の増加傾向 尿中の酒石酸濃度の用量依存的な増加 尿中の白血球値及び蛋白濃度の増加傾向 また 有意でないものの 0.5% 投与群の雄雌各 1 例で 腎皮質及び髄質の一部に不規則な管腔を示す遠位尿細管が存在し 0.5% 投与群の雄 1 例で 腎皮質及び髄質の一部に不規則な形状物を貪食する異物巨細胞の出現が見られた 以上の結果から Inoue ら (2015) は 本試験における DL- 酒石酸水素カリウムの NOAEL を 0.125% 投与群における雄で g/kg 体重 / 日 雌で g/kg 体重 / 日になると結論付けている ( 参照 54) 本委員会としては DL- 酒石酸水素カリウム 0.5% 投与群において 尿中の白血球値及び蛋白濃度の増加傾向が認められたこと並びに病理組織学的所見を踏まえ 腎臓への有害影響が生じていたと考えられたことから 本試験における DL- 酒石酸水素カリウムの NOAEL を 0.125% 投与群における雄で 60 mg/kg 体重 / 日 雌で 65 mg/kg 体重 / 日 11 (DL- 酒石酸として ) と判断した (4) 発がん性本委員会としては DL- 酒石酸及び DL- 酒石酸塩の投与による発がん性については 試験が行われたとの報告が認められないことから 評価できないと判断した 11 第 9 版食品添加物公定書 ( 厚生労働省消費者庁 ) を参照し DL- 酒石酸水素カリウムの分子量 (188.18) と酒石酸の分子量 (150.09) から算出した 24

42 参考資料以下の知見では L- 酒石酸水素ナトリウムを被験物質としていることから 参考資料とした 2 年間反復投与 発がん性併用試験 ( ラット )(Hunter ら (1977);JECFA( 及び 2019) にて引用 ) CFY ラット ( 雌雄 各群 35 匹 ) に L- 酒石酸水素ナトリウムを表 14 のとおり投与群を設定して 2 年間混餌投与する試験が実施されている ( 基礎飼料 : 不明 ) 表 14 投与群の設定 (Hunter ら (1977) より ) L- 酒石酸水素ナトリウム L- 酒石酸 ( 換算 ) 用量 ( 混餌濃度 (ppm)) 0( 対照群 ) 25,600 42,240 60,160 76,800 摂取量 (g/kg 雄 注 ) 体重 / 日 ) 雌 用量 (ppm) 0 20,000 33,000 47,000 60,000 摂取量 (g/kg 雄 注 ) 体重 / 日 ) 雌 注 ) 摂餌量から換算した対象被験物質の摂取量 その結果 各投与群において腫瘍が発生した程度は CFY ラットで腫瘍が自然発生する程度と同等であった ( 参照 55) JECFA(1977 及び 1978) は Hunter ら (1977) の報告と同様の記載内容となるハンチントンリサーチセンター (HRC) の報告書 ( 未公開資料 ) を引用し 発がん性の根拠を認めなかったとしている ( 参照 20) (5) 生殖発生毒性本委員会としては DL- 酒石酸及び DL- 酒石酸塩の投与による生殖発生毒性については 試験が行われたとの報告が認められないことから 評価できないと判断した 参考資料以下の知見は L- 酒石酸を被験物質として用いて実施している試験であることから 参考資料とした 1 発生毒性試験 ( マウス )( レビュー )(ECHA) ECHA は 経済協力開発機構 (OECD) テストガイドライン 414( 発生毒性 12 JECFA(1977) では Hunter ら (1977) の報告としては引用されておらず HRC の非公表の報告書として引用して評価している 25

43 試験 ) と同様の試験法により実施された研究データ (1973 著者 タイトル不明 ) について 以下のとおり引用している ( 参照 56) 妊娠 CD-1 マウス ( 各群 20~23 匹 ) に L- 酒石酸を表 15 のとおり投与群を設定して 妊娠 6 日から 15 日まで強制経口投与を行い 妊娠 17 日に帝王切開する試験が実施されている 表 15 投与群の設定 L- 酒石酸用量 (mg/kg 体重 / 日 ) 0( 対照群 ) 著者は 本試験において 最高用量として 274 mg/kg 体重 / 日までの用量を投与した結果 着床や母動物及び胎児の生存に対する明確な影響が認められなかったこと並びに胎児の内臓所見及び骨格所見の発生頻度について対照群と比較して差は認められなかったことを報告している また 酒石酸は 最高用量においてもマウスに対して母体毒性及び胎児毒性 / 催奇形性を有さないと報告している マウスの胎児に対する発生毒性の NOAEL は 約 274 mg/kg 体重 / 日と報告している ( 参照 56) 当該試験と考えられるものとして JECFA(1977) は Food and Drug Research Labs, Inc.(FDRL) が 1973 年に取りまとめた非公開の研究があり 酒石酸 ( 旋光性不明 ) をマウスに 274 mg/kg/ 日 10 日間投与し 着床への影響 母動物及び胎児の生存に対する影響は認められなかったことを報告している ( 参照 21) JECFA(2019) は この結果を受け 酒石酸は胎児の内臓及び骨格のいずれにおいても試験の最高用量でも催奇形性は認められなかったと考察している また NOAEL は判断していない ( 参照 52) 2 発生毒性試験 ( ラット )( レビュー )(ECHA) ECHA は OECD テストガイドライン 414( 発生毒性試験 ) と同様の試験法により実施された研究データ (1973 著者 タイトル不明) について 以下のとおり引用している なお 本試験の位置づけは GLP 適合試験ではないものの 米国 FDA による評価を受けたこと及び GRAS 物質としての酒石酸評価時の主要な発生毒性試験であることが記載されている 妊娠 Wistar ラット ( 各群 19~24 匹 ) に L- 酒石酸を表 16 のとおり投与群を設定して 妊娠 6 日から 15 日まで強制経口投与を行い 妊娠 20 日に帝王切開する試験が実施されている 表 16 投与群の設定 L- 酒石酸用量 (mg/kg 体重 / 日 ) 0( 対照群 ) 注 ) このほか 陽性対照として 250 mg/kg のアスピリンを妊娠雌 22 匹に投与 26

44 その結果 L- 酒石酸投与群の着床数 吸収胚数 生存母動物数 生存胎児数及び死亡胎児数並びに胎児の内臓所見及び骨格所見について 対照群と比較して差は認められなかった 著者は 本試験において 最高用量として 181 mg/kg 体重 / 日までの用量を投与した結果 着床や母動物及び胎児の生存に対する明確な影響が認められなかったこと及び胎児の内臓所見や骨格所見の発生頻度について対照群と比較して差は認められなかったことを報告している また ラットの母体毒性及び胎児に対する発生毒性の NOAEL は 181 mg/kg 体重 / 日以上であることを報告している 以上のことから L- 酒石酸は ラットに対して発生毒性を有さないと結論付けている ( 参照 57) 当該試験と考えられるものとして JECFA(1977) は FDRL が 1973 年に取りまとめた非公開の研究があり 酒石酸 ( 旋光性不明 ) をラットに 181 mg/kg/ 日 10 日間投与し 着床への影響並びに母動物及び胎児の生存に対する影響は認められなかったことを報告している ( 参照 21) JECFA(2019) は この結果を受け 酒石酸は胎児の内臓及び骨格のいずれにおいても試験の最高用量でも催奇形性は認められなかったと考察している また NOAEL は判断していない ( 参照 52) (6) ヒトにおける知見 1 介入研究 (Gold and Zahm(1943);JECFA(1974 及び 2019) で引用 ) 酒石酸ナトリウム ( 旋光性不明 ) について 酒石酸ナトリウム 10 g/ 回で処方されている患者 43 名 ( 性別不明 ) を対象にして 介入研究が実施されている その結果 酒石酸ナトリウム処置群における 379 回の服用 (1 人平均 8.81 回 ) に対して 服用後 24 時間以内の排便が 308 回 (81.3%) 認められたと報告している また 同報告内において 酒石酸ナトリウム処置群における 379 回の服用に対して 望ましくない影響として 吐き気又は嘔吐 6 回 (1.6%) 痙攣 8 回 (2.1%) が報告されている ( 参照 58) 2 症例報告 ( レビュー )(ECHA) ECHA は Gonnio(1910) について 以下のとおり引用している 50~60 g の酒石酸 ( 旋光性不明 ) を摂取した成人 2 名 ( 性別不明 ) の死亡症例の報告が行われている 摂取後に認められた症状は 喉及び胃の激しい熱感 嘔吐 下痢並びに腎臓の様々な障害であった また 1 名では腎臓において急性炎症が認められ 2 名とも死亡が確認された ( 参照 59) 27

45 3 症例報告 (Robertson and Lönnell(1968);JECFA(1977 及び 2019) で引用 ) 胃潰瘍の治療が 12 年前に終了している 51 歳の男性 ( 菓子職人 ) が 酒石酸 ( 旋光性不明 ) を約 50% 含有する水溶液 ( 酒石酸として約 30 g と表記されており詳細不明 ) を誤飲し 摂取後 24 時間までに下痢及び両側の腰椎痛が発症したが 放置したため徐々に症状が悪化し 来院時には乏尿性の瀕死の状態となり 腹膜透析を実施したものの数時間以内に死亡した症例の報告が行われている 死亡時の尿検査では 尿比重 尿たんぱく質及び尿糖が検出され アシドーシス及び 7.2 meq/l の高カリウム血症が認められ 血清クレアチニン量は 20.5 mg/dl に増加し 赤血球沈降速度は 77 mm/ 時であった 死亡 48 時間後に実施された剖検の所見では 主な病変は腎臓にて認められた 病理組織学的検査の所見では 腎病変は主に皮質に局在し フィブリノイド壊死を示す梗塞性変化 腎内小動脈内の血栓及び尿細管の変性が認められた ( 参照 60) JECFA(1977 及び 2019) は 本報告について 30 g の酒石酸を摂取した後で致死性の管状神経原性疼痛が生じた症例として引用している ( 参照 21 52) 4 参考資料以下の知見では 被験物質の組成やばく露経路の詳細が明確でないことから 参考資料としている コホート研究 ( レビュー )(ECHA) ECHA は Moscato ら (1983) について 以下のとおり引用している 酒石酸製造工場において 酒石酸 ( 旋光性不明 ) に職業上ばく露している勤務者 ( 酒石酸ばく露群 性別不明 )44 名 13 及びばく露していない勤務者 ( 対照群 性別不明 )30 名を対象にして 各種症状について調べるコホート研究が実施されている その結果 表 17 に示す症状が認められている 表 17 酒石酸製造工場における勤務者で認められた症状 試験群 鼻咽頭 皮膚 眼 消化管 歯 酒石酸 20 名 34 名 23 名 21 名 27 名 ばく露群 44.5% 77.3% 52.3% 47.7% 61.4% 13 ECHA によると 74 名だが Moscato ら (1983) の報告では 44 名と記載されている 28

46 対照群 2 名 6 名 8 名 13 名 11 名 6.7% 20.0% 26.7% 43.3% 36.7% 鼻咽頭及び皮膚の症状について 酒石酸ばく露群では対象群と比較して有意に増加していた また ばく露群において高い頻度で発症した症状は 鼻咽頭の症状 ( 鼻閉塞 かゆみ くしゃみ 嗅覚障害 鼻血 喉の痛み及び発声障害 ) 及び皮膚症状であった Moscato(1983) は 皮膚での刺激による異常の大部分が手で発症しており 粉状酒石酸に接触したことに起因しているとし 歯 胃及び気管支においては ばく露群と非ばく露群で差は認められなかったと報告している ( 参照 61) 5 ヒトにおける知見のまとめ入手したヒトに係る知見からは 酒石酸 30 g 以上の一回摂取で死亡例が認められ 10 g 程度の一回摂取で吐き気 嘔吐 痙攣が認められた しかし これらの事例では DL- 酒石酸カリウムが添加物として適切に使用された場合の摂取量範囲よりも高用量であるため 本委員会としては ヒトの知見に基づく NOAEL を得ることはできないと判断した (7) 毒性のまとめ本委員会としては in vitro の復帰突然変異及び染色体異常試験の結果がいずれも陰性であったことから DL- 酒石酸カリウムには生体にとって特段問題となるような遺伝毒性はないと判断した DL- 酒石酸水素カリウムの 13 週間反復投与試験 ( ラット ) について評価した結果 Inoue ら (2015) の報告では DL- 酒石酸水素カリウム 0.5% 投与群において 尿中の白血球値及び蛋白濃度の増加傾向が認められたこと並びに病理組織学的所見を踏まえ 腎臓への有害影響が生じていたと考えられたことから NOAEL はこの報告の 0.125% 投与群から算出した 60 mg/kg 体重 / 日 (DL- 酒石酸として ) と判断した 発がん性及び生殖発生毒性については DL- 酒石酸及び DL- 酒石酸塩の投与による試験が行われたとの報告が認められないことから 評価できないと判断した 入手したヒトにおける知見からは NOAEL を得ることはできないと判断した 29

47 Ⅲ. 一日摂取量の推計等 Ⅱ. 安全性に係る知見の概要から 添加物 DL- 酒石酸カリウム の一日摂取量の推計等を検討するに当たっては DL- 酒石酸及びカリウムについて検討を行った 1. 現在の摂取量 (1)DL- 酒石酸 1 生産量統計調査に基づく摂取量食品の安全確保推進研究事業 ( 平成 28 年度厚生労働科学研究費補助金事業 ) 食品添加物の安全性確保のための研究 における 生産量統計調査を基にした食品添加物摂取量の推計に関わる研究 ( 第 11 回最終報告 )(2017 年 3 月 ) によれば 指定添加物である DL- 酒石酸 DL- 酒石酸水素カリウム及び DL - 酒石酸ナトリウムの食品向け出荷量は それぞれ DL- 酒石酸が 403 kg DL - 酒石酸水素カリウムが 0 kg DL- 酒石酸ナトリウムが 0 kg であり 出荷量のある DL- 酒石酸の使用査定量は 400 kg と報告されている この報告書において 廃棄等で経口的に摂取されない食品添加物の量を 20% と見積り 使用査定量の 80% を実際に摂取される量とみなして年間摂取量とし 2013 年度の総人口 12,700 万人から 1 人当たりの推定一日摂取量は mg/ 人 / 日と推定されている ( 参照 62) 2 マーケットバスケット調査に基づく摂取量伊藤 (2007) によるマーケットバスケット調査において 加工食品及び生鮮食品に由来する酒石酸 ( 食品添加物由来と天然由来の総量 ) の 1 人当たりの一日摂取量は それぞれ加工食品に由来する酒石酸が 35.2 mg/ 人 / 日 生鮮食品に由来する酒石酸が 29.9 mg/ 人 / 日であり 合計 65.1 mg/ 人 / 日と報告されている ( 参照 63) 指定等要請者は ぶどう酒の主要な有機酸である酒石酸には光学異性体が存在し 天然には L 体の状態で存在するがワインの貯蔵熟成中にわずかにD 体に変化し ラセミ体の結晶 (DL- 酒石酸カルシウム ) が生成すると説明している ( 参照 2) また 指定等要請者の引用する岩波理化学辞典 (1971) によると 酒石酸塩について 天然に存在するのはL 体のみとされている ( 参照 8) 本委員会としては 1 及び2を踏まえ 伊藤 (2007) らの報告における酒石酸の摂取量はL- 酒石酸が主体であると考えられること マーケットバスケット調査における DL- 酒石酸の摂取量は不明であることから 生産量統計調査に基づく摂取量を現在の DL- 酒石酸の摂取量とすることとした 30

48 (2) カリウム指定等要請者は 厚生労働省の 平成 29 年国民健康 栄養調査 を引用し カリウムの摂取量として 20 歳以上の男性で 2,382 mg/ 人 / 日 20 歳以上の女性で 2,256 mg/ 人 / 日 20 歳以上の男女で 2,315 mg/ 人 / 日 国民全体では 2,250 mg/ 人 / 日と説明している ( 参照 2 64) また 平成 30 年国民健康 栄養調査 によれば 20 歳以上の男女で 2,362 mg/ 人 / 日である ( 参照 65) 2. 使用基準策定後の摂取量 (1) 対象食品の摂取量添加物 DL- 酒石酸カリウム の使用は 表 2の使用基準により 果実酒 ( ぶどうを主原料として発酵させたものに限る ) に限られることから 添加物 DL - 酒石酸カリウム の対象食品の摂取量は ぶどう酒の摂取量に基づき検討を行った 国税庁平成 30 年度分酒類販売 ( 消費 ) 数量等の状況表 ( 都道府県別 ) によれば 2018 年度果実酒及び甘味果実酒 14 の販売 ( 消費 ) 数量は それぞれ 352,046 kl/ 年及び 9,955 kl/ 年であり 合計は 362,001 kl/ 年であるとされる ( 参照 66) 指定等要請者は 果実酒にはブドウのほかリンゴ ナシなどの果実を原料とするものもあるものの ブドウを原料としたものが主であるとし 過大な見積りにはなるが 果実酒及び甘味果実酒の販売 ( 消費 ) 数量を我が国におけるぶどう酒の年間飲酒量とみなしている ( 参照 2) 指定等要請者の推計を踏まえると 我が国におけるぶどう酒の年間飲酒量 (362,001 kl/ 年 ) を成人人口 (104,013 千人 ) で除した値を成人 1 人当たりのぶどう酒の年間飲酒量と仮定し 1 日当たりに換算すると 成人 1 人当たりのぶどう酒推定一日摂取量は 9.54 ml/ 人 / 日と推計した ( 参照 66) さらに ぶどう酒が特定の集団に嗜好されて摂取され 摂取量に差が生じる可能性を考慮し 平成 30 年国民健康 栄養調査において 飲酒習慣のある者 ( 週に 3 日以上 飲酒日 1 日当たり清酒換算で 1 合以上飲酒すると回答した者 ) の割合 (19.8%) を成人人口に乗じて計算した場合 当該対象者全てがぶどう酒を摂取したと仮定した 1 人当たりのぶどう酒推定一日摂取量は 48.2 ml/ 人 / 日と推計した ( 参照 64) このため 本委員会としては ぶどう酒が特定の集団に嗜好されて摂取される可能性を考慮し 飲酒習慣のある者から算出した 48.2 ml/ 人 / 日を 1 人当たりのぶどう酒推定一日摂取量とする 14 第 761 回食品安全委員会資料 ( 厚生労働省提出資料 ) によれば 使用基準 ( 案 ) の果実酒には 酒税法における甘味果実酒が含まれるとしている 31

49 (2) 製造用剤としての摂取量 1 DL- 酒石酸指定等要請者は Martini(1968) を引用し 1 mol/l のカルシウムイオンと 1 mol/l の DL- 酒石酸カリウムが反応して 1 mol/l の DL- 酒石酸カルシウム及び 2 mol/l のカリウムイオンが生成し DL- 酒石酸カルシウムは沈降すると説明している ( 参照 2 67) また Ribéreau-Gayon ら (1982) を引用し ph3.4~3.6 のワインにおいて 含有されるカルシウム 100 mg を 100% 除去するために必要となる DL- 酒石酸の理論添加量が 375 mg であり カルシウム除去を最も効果的に行うために カルシウム含有量の 3/4 程度のカルシウム量除去を目標とした処理が推奨されていると説明している ( 参照 2 68) 指定等要請者は DL- 酒石酸カリウムがぶどう酒中で2 価の陰イオンである酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) とカリウムイオンに解離することを踏まえ DL- 酒石酸を添加した場合のカルシウムの除去効果から DL- 酒石酸カリウムを添加した場合のカルシウムの除去効果を推定しており カルシウム 152 mg/l を含有するぶどう酒 1 L に DL- 酒石酸を添加したときのカルシウム除去量の結果を表 にまとめている カルシウム除去効果は 添加量が少なくぶどう酒中カルシウムを部分的に除去する場合であるほど効果的であることや これより少ないと沈殿が遅くなり 多いと沈殿しない状態の DL- 酒石酸が残存する可能性があることに触れ ぶどう酒中カルシウム含有量の 3/4 程度を目標とした処理が推奨できると説明している 表 18 DL- 酒石酸によるカルシウムの除去量 DL- 酒石酸の添加量 [mg] 注 ( 添加割合 [%] ) 142 (25%) 285 (50%) 428 (75%) 570 (100%) 855 (150%) 1,140 (200%) 除カルシウム量の理論値 [mg] カルシウム除去量 [mg] 理論値に対するカルシウム除去量の割合 [%] 注 )DL- 酒石酸の添加量 570 mg を基準とした添加割合 [%] さらに DL- 酒石酸の添加割合 75% の理論値に対するカルシウム除去量の割合が 92.1% とされていることから 残り 7.9% に相当する DL- 酒石酸については カルシウムと会合せず 遊離の状態でぶどう酒中に残存していると推測している ( 参照 2) 15 指定等要請者が作成した表から一部改変 32

50 これらを踏まえ 指定等要請者は ぶどう酒中のカルシウム濃度が最大 210 mg/l であると報告されていることから このカルシウムを上述の推奨量に基づき 除去する場合の DL- 酒石酸の添加量は mg/l であり このうちぶどう酒に残存する DL- 酒石酸量は 7.9% に相当する 46.7 mg/l となると説明している ( 参照 2 69) また 指定等要請者は ワイン中のカルシウム濃度として 赤ワインでは 60 mg/l 白ワインでは 80 mg/l を超えると瓶詰ワインに酒石酸カルシウムの生成による酒石の沈殿が発生することが多いと説明し 日本のワインの場合 過剰カルシウムの除去前のカルシウム含量は ベリー A 種ワインで 90 mg/l 程度であることから その 3/4 量に相当する 68 mg/l のカルシウムを除去すべく DL- 酒石酸を 253 mg/l となるよう添加し カルシウムを除去することで ワイン中に残存するカルシウムは 30 mg/l 程度と 沈殿の問題が発生しない範囲 ( 赤ワイン :60 mg/l 以下 ) になると説明している ( 参照 ) 本委員会としては 指定等要請者の説明を踏まえ 過大な見積りとなる可能性はあるが ぶどう酒中のカルシウム濃度を最大である 210 mg/l とし これに対する推奨量に基づいた除去処理を想定し 表 18 に基づきぶどう酒に残存する DL- 酒石酸量が 7.9% である場合を仮定し推計した その結果 ぶどう酒に残存する DL- 酒石酸は 46.7 mg/l 16 と推計した 以上のことから 2.(1) で算出した 1 人当たりのぶどう酒推定一日摂取量 (48.2 ml/ 人 / 日 ) を踏まえ ぶどう酒からの DL- 酒石酸の推定一日摂取量は mg/ kg 体重 / 日と推計した また 1.(1)1 生産量統計調査に基づく DL- 酒石酸摂取量を合計すると 使用基準策定後の DL- 酒石酸摂取量は mg/kg 体重 / 日 17 と推計した 2 カリウム 2.(2)1 に基づき ぶどう酒に残存する DL- 酒石酸量を 46.7 mg/l とした場合 分子量等で換算すると 添加物 DL- 酒石酸カリウム 由来のカリウムの推定一日摂取量は mg/kg 体重 / 日 18 (1.17 mg/ 人 / 日 ) と推計される これは 1.(2) の 20 歳以上の男女のカリウム摂取量 (2,362 mg/ 人 / 日 ) に比べて 0.050% であった なお 日本人の食事摂取基準 (2020 年版 ) によれば 世界保健機関(WHO) のガイドラインにおける血圧 心血管疾患等の生活習慣病の予防のための推奨 mg(1 L のぶどう酒中のカルシウム最大量 ) 3/4 375 mg/100 mg = mg 17 第 9 版食品添加物公定書 ( 厚生労働省消費者庁 ) を参照し 酒石酸の分子量 (150.09) カリウムの原子量 ( ) から算出した 33

51 カリウム摂取量 (3,510 mg/ 日 ) と現在の日本人の成人 (18 歳以上 ) におけるカリウム摂取量の中央値 (2,168 mg/ 日 ) の中間値 (2,839 mg/ 日 ) を根拠に 18 歳以上の男女におけるカリウム摂取の目標量は 2,600~3,000 mg / 日以上と算定されている また カリウムは多くの食品に含まれているが 腎機能が正常であり 特にカリウムのサプリメントなどを使用しない限りは 過剰摂取になるリスクは低いと考えられ 耐容上限量は設定しないとされている ( 参照 71) 34

52 Ⅳ. 食品健康影響評価添加物 DL- 酒石酸カリウム の体内動態及び毒性については 経口投与された際に体内で生じると予測されるカリウムイオン及び酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) について 検討を行うこととした カリウムイオンについては 過去に評価が行われており その後新たな知見が認められていないことから 体内動態及び毒性に関する検討は行わなかったが カリウムがヒトの血中 尿中及び各器官中において広く分布する物質であること 栄養素として摂取すべき目標量 (18 歳以上の男女で 2,600~3,000 mg/ 人 / 日以上 ) が定められていること及び添加物 DL- 酒石酸カリウム からのカリウムの推定一日摂取量 (1.17 mg/ 人 / 日 ) が現在のカリウムの推定一日摂取量 (2,362 mg) の % と非常に少ないことを総合的に評価し 添加物として適切に使用される場合 添加物 DL- 酒石酸カリウム に由来するカリウムは安全性に懸念がないと判断した 酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) については 酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) を生じると予測される DL- 酒石酸及び DL- 酒石酸塩に関する知見を用いて総合的に評価することとした DL- 酒石酸カリウムの体内動態については ラットの腎臓において不溶性である DL- 酒石酸のカルシウム塩の蓄積が示唆されているが 動物間の種差が示唆されていること 吸収率はラットよりヒトの方が低いと考えられることから 評価に当たっては種差に留意すべきと考えた 遺伝毒性については in vitro の復帰突然変異及び染色体異常試験の結果がいずれも陰性であったことから DL- 酒石酸カリウムには生体にとって特段問題となるような遺伝毒性はないと判断した DL- 酒石酸水素カリウムの 13 週間反復投与試験 ( ラット ) について評価した結果 Inoue ら (2015) の報告では DL- 酒石酸水素カリウム 0.5% 投与群において 尿中の白血球値及び蛋白濃度の増加傾向が認められたこと並びに病理組織学的所見を踏まえ 腎臓への有害影響が生じていたと考えられたことから NOAEL はこの報告の 0.125% 投与群から算出した 60 mg/kg 体重 / 日 (DL- 酒石酸として ) と判断した 入手したヒトにおける知見からは NOAEL を得ることはできないと判断した 以上のことから 本委員会としては DL- 酒石酸の NOAEL は 60 mg/kg 体重 / 日と判断した 摂取量推計等については 指定等要請者の説明を踏まえ 過大な見積りとなる可能性はあるが ぶどう酒中のカルシウム濃度を最大である 210 mg/l とし これに対する推奨量に基づいた除去処理を想定し 表 18 に基づきぶどう酒に残存する DL- 酒石酸量が 7.9% である場合を仮定し ぶどう酒に残存する DL- 酒石酸は 46.7 mg/l と推計した これに生産量統計調査に基づく DL- 酒石酸摂取量を合わせて 使用基準策定後の DL- 酒石酸摂取量は mg/kg 体重 / 日と推計した 35

53 本委員会としては 添加物 DL- 酒石酸カリウム は 使用基準 ( 案 ) の下 ぶどう酒中の過剰なカルシウムを DL- 酒石酸カルシウムとして沈殿させ除去することを目的とし 添加した本品目の大半がろ過等で取り除かれることが論文で示されていることを踏まえ 添加物 DL- 酒石酸カリウム 由来の DL- 酒石酸の摂取量は少ないと考えた 加えて 添加物 DL- 酒石酸カリウム の摂取量に関しては 1DL- 酒石酸 DL- 酒石酸ナトリウム及び DL- 酒石酸水素カリウムが指定添加物であって 食品添加物としての使用経験があるが これまでに安全性に関して特段の問題が指摘されていないこと 2 摂取量推計において ぶどう酒中のカルシウム濃度が最大であると仮定していることから 前述の推定一日摂取量が過大な見積りとなっており 実際の摂取量はそれより少ないと考えられること 3ぶどう酒中で酒石酸のL 体からD 体が少量生成し DL- 酒石酸が本品目の添加前からぶどう酒中に存在し 従前より摂取されていることを考慮する必要があると考えた 以上より 添加物 DL- 酒石酸カリウム 由来の DL- 酒石酸の摂取量は少ないと考えられることから 本委員会としては ばく露マージンを用いた評価を実施することとした 添加物 DL- 酒石酸カリウム の使用に係る DL- 酒石酸の我が国における推定一日摂取量 ( mg/kg 体重 / 日 ) を勘案すると NOAEL である 60 mg/kg 体重 / 日 (DL- 酒石酸として ) との間に十分なマージンが存在することから 添加物として適切に使用される場合 添加物 DL- 酒石酸カリウム に由来する DL- 酒石酸は安全性に懸念がないと判断した 本委員会としては 上述のカリウムイオン及び酒石酸イオン (L 体及びD 体 ) に対する評価を踏まえ 添加物 DL- 酒石酸カリウム が添加物として適切に使用される場合 安全性に懸念がないと判断した 36

54 < 別紙 : 略称 > 略称 名称等 ECHA The European Chemicals Agency: 欧州化学物質庁 EFSA European Food Safety Authority: 欧州食品安全機関 EU European Union: 欧州連合 FAF パネル The EFSA Panel on Food Additives and Flavourings:EFSA の食 品添加物及び香料に関する科学パネル FDRL Food and Drug Research Labs, Inc. GMP Good Manufacturing Practice: 適正製造規範 GRAS Generally Recognized as Safe: 一般的に安全とみなされる GSFA Codex General Standard for Food Additives: 食品添加物に関する コーデックス一般規格 HRC Huntingdon Research Centre: ハンチントンリサーチセンター ICaSF Idiopathic calcium stone formers: 特発性カルシウム結石症 JECFA Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives : FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議 OECD Organization for Economic Co-operation and Development: 経済 協力開発機構 SCF Scientific Committee for Food: 欧州食品科学委員会 WHO World Health Organization: 世界保健機関 37

55 < 参照 > 1 厚生労働省 : L- 酒石酸カリウム DL- 酒石酸カリウム メタ酒石酸 及び 炭酸カルシウム の食品安全基本法第 24 条に基づく食品健康影響評価について, 第 761 回食品安全委員会 (2019 年 10 月 15 日 ) 2 独立行政法人酒類総合研究所 :L- 酒石酸カリウム及び DL- 酒石酸カリウムの食品添加物新規指定のための概要書,2020 年 2 月 20 日 3 厚生労働省 : 第 9 版食品添加物公定書,2018, , Derewenda ZS: On wine, chirality and crystallography. Acta Cryst, 2008; A64: 化学大辞典編集委員会 : 化学大辞典, OIV: International Oenological Codex Potassium D, L-tartrate, Sigma-Aldrich: 安全データシート 25510, 岩波書店 : 岩波理化学辞典第 3 版, Zoeckein BW, Fugelsang KC, Gump BH, Nury FS: Wine Analysis and Production, 朝倉書店 : 有機化学用語事典, 厚生労働省 : 食品衛生法施行規則, 公益財団法人日本食品化学研究振興財団 : 各添加物の使用基準及び保存基準,2017 年改正 13 Codex Alimentarius: GENERAL STANDARD FOR FOOD ADDITIVES CODEX STAN Adopted in Revision 1997~ FDA: Code of Federal Regulations Title 21 Part 184, EU: Commission regulation (EU) No 1129/2011 of 11 November 2011 amending Annex II to Regulation (EC) No 1333/2008 of the European Parliament and of the Council by establishing a Union list of food additives. Official Journal of the European Union, 2011: 295, EU: Commission regulation (EC) No 606/2009 of 10 July 2009 laying down certain detailed rules for implementing Council Regulation (EC) No 479/2008 as regards the categories of grapevine products, oenological practices and the applicable restrictions. Official Journal of the European Union, 2009: 193, FSANZ: Australia New Zealand Food Standards Code Standard1.3.1 Food Additives 18 食品安全委員会 : 添加物評価書硫酸カリウム, 2013 年 1 月 19 食品安全委員会 : 添加物評価書硫酸アルミニウムアンモニウム 硫酸アルミニウムカリウム, 2017 年 12 月 20 WHO: Technical report series 617, Evaluation of certain food additives, Twentyfirst report of the FAO/WHO Expert Committee on Food Additives, WHO: Food additive series12, Summary of toxicological data of certain food additives, WHO: Technical report series 696, Evaluation of certain food additives, Twentyseventh report of the FAO/WHO Expert Committee on Food Additives, EFSA: Scientific opinion on the safety of the complexation product of sodium tartrate and iron(iii) chloride as a food additive. EFSA Journal, 2015; 13(1): EC: Reports of the scientific committee for food (Twenty-fifth series), EFSA: Scientific opinion on the re-evaluation of L(+)-tartaric acid (E 334), sodium tartrates (E 335), potassium tartrates (E 336), potassium sodiumtartrate 38

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