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1 日時 : 9/21( 火 )1 講目授業テーマ : 生命科学第 3 回 : 細胞核担当 : 鈴木健史主な項目 : 細胞核の構造, 機能. 目的 : 細胞核の構造と機能を理解する. 行動目標 : クロマチンおよびヌクレオソームを図示し説明できる. 核小体の機能を説明できる. 学習目標と要点 : 1. 細胞核の構造核膜と呼ばれる2 層の生体膜によって細胞質と隔てられている. 細胞核内には核小体という区域があり, 核小体以外の部分を核質という. 核と細胞質間で物質輸送は, 核膜孔という核膜に空いた穴を介して行われる. 核内では,DNA 分子がヒストン蛋白質に巻き付いた状態で存在しており, これをクロマチン (chromatin; 染色質 ) という. ユークロマチン (euchromatin; 正染色質 ): 緩んだ,RNA 転写活性が高い部位. ヘテロクロマチン (heterochromatin; 異質染色質 ): 固く凝集した, 転写を行わない部位. 2. 核の形態形状は基本的に球形で, 大きさは通常直径が 3~10 μm 程度. 多細胞動物を構成する体細胞はすべてがまったく同じ遺伝情報 (DNA) を含んでいるが, 細胞の種類によって細胞核の大きさは大きく変化する. 3. 細胞核の数 1 細胞につき1つが基本だが, 合胞体や多核体のような多核細胞も存在する. 4. クロマチンの構造クロマチンは, ヌクレオソームという基本単位が連なった線維状構造をしている. ヌクレオソームは, DNA がヒストンの8 量体 ( ヒストンオクタマー ) に2 重に巻きついたもので, ヌクレオソームが数珠つなぎに連なったものをヌクレオソーム線維 (10 nm 線維 ) という. ヌクレオソーム線維はジグザグに折り畳まれて太くなり, クロマチン線維 (30 nm 線維 ) を形成して核内に納められている. 5. 核小体核小体は, リボソーム RNA(rRNA) を合成する核内区画で, タンパク質と RNA でできており被膜で覆われていない小さな球状構造をもつ. 6. 核膜の構造と機能 ( 核膜孔 ) 核膜の内膜と外膜が融合する場にあり, 細胞質と核質を連絡する穴を核膜孔という. 核 - 細胞質間の物質の輸送はすべてこの核膜孔を介して行われる. 7. 細胞核の機能遺伝情報の保護 格納 : 使わない遺伝子領域を仕分け, ヘテロクロマチンとして格納する mrna 生産 :mrna 前駆体の転写 + スプライシングによるイントロンの除去リボソーム生産 ( 核小体 ): リボソーム RNA(rRNA) の転写 + リボソームの構築課題 : 1. ヌクレオソームについて図を描いて説明しなさい. 2. ユークロマチンとヘテロクロマチンの違いを説明しなさい. 3. 核膜とミトコンドリア膜の構造の違いについて説明しなさい. 4. 核小体の機能について説明しなさい. 1

2 細胞核の要旨 by suzuki 細胞核の構造細胞核 (cell nucleus) は, 真核生物の細胞を構成する細胞小器官のひとつで, 遺伝情報すなわち DNA を保持し遺伝子発現の調節を行う. 核膜と呼ばれる2 層の生体膜によって細胞質と隔てられている. 細胞核内には核小体というリボソームのサブユニットを合成する区域があり ( 後述 ), 核小体以外の部分を核質という. 核と細胞質間で物質輸送は, 核膜孔という核膜に空いた穴を介して行われる. 核内には, 遺伝情報であるゲノム DNA のほかにさまざまな核タンパク質および RNA が含まれている. 遺伝情報は, 核内で DNA から mrna( メッセンジャー RNA) に転写される. 核内には, 糸状に連なった DNA 分子がヒストンタンパク質に巻き付いた状態で存在しており, これをクロマチン (chromatin; 染色質 ) という. 塩基性色素で濃く染まるヘテロクロマチンと, 薄く染まるユークロマチンの2つの部位があり, 遺伝子発現活性が異なる. ユークロマチン (euchromatin; 正染色質 ): 緩んだ RNA 転写活性が高い部位. ヘテロクロマチン (heterochromatin; 異質染色質 ): 固く凝集した転写を行わない部位. 細胞核の構成成分 ( 核小体以外 ) クロマチン (chromatin): ゲノム DNA + ヒストン ( 精子ではプロタミン ) RNA:mRNA,tRNA(transfer RNA),noncoding-RNA( 切除されたイントロンなど ) などヌクレオチド :DNA や RNA の材料となる. タンパク質 :DNA 合成酵素,RNA 合成酵素, 転写因子, ヒストンアセチル化酵素, ヒストン脱アセチル化酵素,DNA 修復酵素などカハールボディ (Cajal body): 直径 0.2~2 µm の核内構造体で,RNA ポリメラーゼなど転写因子を含んでいる. 転写活性の高い細胞の核内に見られる. PML ボディ :PML タンパク質を含む直径 0.5 µm 程度の構造体で, 細胞周期の制御に関係する. 注 :PML タンパク質 = 前骨髄球性白血病腫瘍抑制タンパク質 (promyelocytic leukemia tumor suppressor protein) 核スペックル : スプライシング因子群を貯蔵しており, 転写された RNA のスプライシングを行う. スプライソソーム (spliceosome): タンパク質と RNA の複合体で, イントロンを除去する核膜の膜タンパク質 : 核膜孔複合体,LINC 複合体など核骨格 : ラミン, 核内アクチンなど 核の形態多細胞動物を構成する体細胞は, 基本的にすべてがまったく同じ遺伝情報 (DNA) を含んでいるが, 細胞の種類によって細胞核の大きさは大きく変化する. また, 形状は基本的に球形だが, 細胞の種類によって変化し, 楕円体 ~ 細長い棒状, 扁平なものなどさまざまなものが存在する. このため, 組織学などでは, 細胞核の形状や大きさが組織細胞を同定するための指標のひとつになっている. ヒトの組織細胞で特徴的な核形態のを持つもの顆粒球 ( 好中球など ): 分葉核. 大きさは中程度. 単球 : ハート形 ~ 馬蹄形の核を持つ. 前赤芽球, 前骨髄球 : 球形だが直径 12~20 μm にもなる巨大な核を持つ. 2

3 巨核球 : 細胞の直径 35~160 μm にもなる巨大な細胞で, 直径 12~20 μm の核を複数個持つ. 細胞核の大きさは, 通常直径が 3~10 μm 程度だが, 含まれる DNA の量 (1 倍体と2 倍体,G1 期と G2 期など ) や, 遺伝子の転写活性が反映されている. 例えば, 一次精母細胞に比べると1 倍体の精子細胞の核は小さい. また, 多種類の遺伝子を活発に転写する細胞は,DNA の緩んだユークロマチンが多く, 細胞核は大きくふくよかな形状を示す. 一方, 転写活性の低い, あるいはごく限られた遺伝子のみを発現する細胞では,DNA が固く凝集したヘテロクロマチンが多く, 細胞核は小さくコンパクトである. 核膜には LINC 複合体 (Linker of nucleus and cytoskeleton) が存在し, これによって核膜の裏打ち構造であるラミン線維が細胞質のアクチン線維や微小管に結びつけられている. つまり,LINC 複合体によって細胞核が細胞骨格系に繋留されるので, 細胞の形状に合わせて細胞核の形状が変化するのである. しかし, 細胞骨格系への繋留は張力しか生じないので, 楕円体 ~ 細長い棒状および扁平な核の形状はうまく説明できるが, 単球の馬蹄形核や顆粒球の分葉核など, くびれた形状の核については説明できない. 馬蹄形核や分葉核など一般的な球形と大きく異なる形状の核については, その存在意義, および, それらが形作られるための仕組みについて, ほとんど何もわかっていない. まめ知識 : 顆粒球分葉核が何故分葉するのかについては仮説が存在する. 顆粒球は骨髄の造血巣でつくられた後, 洞様血管 ( 類洞 ) の小孔を通過しなければ血流中に入れないが, この説では, この小孔の通過に核分葉が不可欠であるという. つまり, 分葉核の核分節は 動きやすさ の指標のひとつで, 分節数に応じて核の幅が細くななり, 類洞壁小孔の通過が容易になるというのである. 骨髄球や赤芽球, 巨核球のように大きい核の細胞は, 直径 4~5 μm の類洞小孔を通過できず血流中に入ることはない. しかし, 同じ骨髄でつくられる単球やリンパ球は核が分葉しておらず, 少しくびれただけの馬蹄形だったり単純に小さかったりすることで類洞壁の小孔の通過に成功しており, 顆粒球の核だけが分葉する理由を説明できていない. 細胞核の数 1 細胞につき1つが基本だが, 合胞体や多核体のような多核細胞も存在する ( 基礎生命科学の講義を参照 ). 細胞核の個数を1つに限定するための仕組みがあると考えられているが, よくわかっていない. まめ知識 : 単細胞原生生物のゾウリムシやテトラヒメナは, 細胞内に大核と小核の2つの核を持っている ( キノコなど担子菌類の二核細胞とは違うので注意 ). 小核は数対の染色体を含む2 倍体の核だが, 大核は数十倍体に相当する大量の DNA を含んでいる. 小核は, 全体がヘテロクロマチンで遺伝子発現をまったく行っておらず, 核小体も存在しない. 栄養増殖時は普通に有糸分裂し娘細胞に分配され, 有性生殖時には組み換えをともなう減数分裂を行い次世代に遺伝子を伝える. このため, 小核を生殖核ということもある. 一方大核は, 全体がユークロマチン様で遺伝子発現を盛んに行っている. 核膜は核膜孔に富んでおり, 核 - 細胞質間の物質のやりとりが盛んに行われている. 栄養増殖時は2 分裂し, 娘細胞にゲノム DNA がほぼ均等に分配されるが, 有性生殖時には消化されてしまい, 大核の遺伝情報は次世代に伝わらない. 有性生殖後に小核由来の配偶子核が接合子内で融合して新しい小核となり, それが分裂して大核が新たにつくられるのである. 生殖核に対比させて, 大核を栄養核という. クロマチンの構造ヒトの場合, ゲノム DNA は 60 億塩基対におよび総延長は2m にもなる. これを直径 5~10 μm 程度の細胞核に収納するための構造がクロマチンで, 長大な DNA 分子をヒストンなどの塩基性タンパク質に巻き付けて折り畳み小さな核に収納すると同時に, 必要に応じて特定の遺伝子領域を展開させて遺伝子の mrna の転写を促進する機能を担っている. 通常の細胞では, ヒストンという塩基性タンパク質と DNA によって構成されるヌクレオソームという基 3

4 本単位が連なった線維状構造をしている. ヌクレオソームは,DNA がヒストンの8 量体 ( ヒストンオクタマー ) に2 重に巻きついたもので,DNA によりヌクレオソームが数珠つなぎに連なったものをヌクレオソーム線維 (10 nm 線維 ) という. ヌクレオソーム線維はジグザグに折り畳まれて太くなり, クロマチン線維 (30 nm 線維 ) を形成して核内に納められている. クロマチンは, 核内で均質な状態で存在するのではなく, 特定の遺伝子領域などが集まった機能構造 ( 核内ドメイン ) を形成して収納されている. また, 凝集の度合いによりヘテロクロマチンとユークロマチンに分類され, セントロメアやテロメアなど遺伝子が存在しない領域や, 転写活性のない領域は固く凝集しヘテロクロマチンを形成する. 一方, 遺伝子の転写が活発な領域は, 凝集の度合いが低くユーロクロマチンを形成する. 多細胞生物では, 機能分化した細胞が集まって組織 器官 系を構築しており, 細胞ごとに発現する遺伝子の種類が異なっている. このため, ユークロマチンやヘテロクロマチンの各領域に含まれる遺伝子の種類も, 細胞ごとに異なっている. 一般的に, 多種類のタンパクを盛んに合成する細胞は, ユークロマチンの比率が高く, クロマチンが緩んでいるため細胞核が大きい. 逆に, 限られた種類のタンパク質を僅かに合成する細胞は, 固く凝集したヘテロクロマチンの比率が高く細胞核も小さい. クロマチン構造は, 細胞分裂期に入ると, コンデンシンによってさらに組織的に折り畳まれてコンパクトに凝縮した染色体構造に変換される. なお脊椎動物では, 精子のクロマチンはヒストンの代わりにプロタミンという塩基性タンパク質が DNA に結合しており, ヘテロクロマチンよりも固くコンパクトに凝集する. 染色体テリトリー染色体構造は分裂期にのみ観察可能で, 間期はほどけたクロマチン線維が無秩序に入り混じった状態で存在すると考えられていた.1988 年台後半になって蛍光 in situ ハイブリダイゼーション法 (FISH) などの蛍光顕微鏡技術や画像解析技術が飛躍的に発展し, 間期の細胞核において染色体が高度に区画化されたドメイン構造をとることが明らかになった. この染色体の区画化構造を染色体テリトリーという. 染色体テリトリーの構築メカニズムやその核内配置がどのように制御されているのかは未解明であるが, 染色体テリトリーが遺伝子発現の調整および細胞の機能分化に深く関与すると考えられている. 核小体核小体は, タンパク質と RNA でできており被膜で覆われていない小さな球状の構造体で, クロマチンをほとんど含まず, 染色性が他の核質と比較して薄いので明瞭に見分けることができる. ほとんどすべての細胞の細胞核内に存在するが, 有核赤血球や精子など一部の細胞の核内には存在しない. また, 細胞分裂の前中期 ~ 後期では消失する. ひとつの核内に1~ 数個程度の核小体を含むことが多く, タンパク合成の盛んな細胞では核内にしめる核小体の割合が大きくなる. 核小体は, リボソーム RNA(rRNA) を合成する核内区画で,rRNA に加えて,rRNA の遺伝子すなわち rdna をコードするクロマチンを含んでいる.rDNA は, 各種 rrna 遺伝子が一列に配列した転写単位が, 100 回以上繰り返された反復配列領域としてゲノム上に存在し, この rdna の反復配列領域を中心に核小体が形成されるのである. なお, この繰り返し回数は細胞の老化にともない少なくなるなど, 細胞の状態で大きく変動する. タンパク質としては, 転写因子や RNA 合成酵素に加えてリボソームタンパク質を大量に含んでおり, 転写された rrna は直ちにリボソームタンパク質と会合し, 核小体内でリボソームのサブユニットが構築される. なお, 材料となるリボソームタンパク質は, 他のタンパク質と同様に細胞質で合成された後に, 核膜孔を通して核内に輸送される. また, 核小体で作られたリボソームのサブユニットは核膜孔を通して細胞質に運ばれ, 細胞質で完全なリボソームに組み上げられてタンパク質合成装置として機能する. 核小体を構成するものゲノムDNA 成分 :rdna( ゲノム上の高度反復配列として存在 ) フリーの核酸成分 :rrna(rdna の転写産物 ) 4

5 タンパク質成分 : リボソームタンパク質 ( 細胞質から運ばれてくる ) リボソームのサブユニット :40S サブユニット,60S サブユニット 核膜の構造と機能 ( 核膜孔 ) 核膜の内膜と外膜が融合する場にあり, 細胞質と核質を連絡する穴を核膜孔という. 核 - 細胞質間の物質の輸送はすべてこの核膜孔を介して行われる. 核膜孔には直径 120 nm の核膜孔複合体 (nuclear pore complex:npc) が位置する. 核膜複合体は,150 種ものタンパク質で構成される巨大なタンパク質複合体である. 細胞核あたりの核膜孔の数は, 核の大きさや細胞の活性などによって大きく変化し, 増殖中のヒト細胞では約 2,000~5,000 コで, その密度は 10~20 コ /μm 2 となる. 分子量 30,000 以下の低分子の物質やイオンは核膜孔を自由に通過するが, 転写因子などの大きいタンパク質や,mRNA や trna, リボソームなどの巨大分子は輸送担体となるタンパク質, およびインポーチンやエクスポーチンなどの輸送受容体タンパク質と結合し,GTP のエネルギーを使って能動的に輸送される. 核内のタンパク質はすべて, 細胞質で合成された後に核内に輸送される. これらのタンパク質には, アミノ酸配列内に, 核局在シグナル (nuclear localization signal:nls) というアミノ酸 10 コ程度からなる配列が含まれている. この核タンパク質の NLS にインポーチンが結合して, これを核に運び込む. 逆に, 核内の物質を細胞質に運ぶ場合には, エクスポーチンという輸送受容体タンパク質が, タンパク質あるいは輸送担体タンパク質の核外移行シグナル (nuclear export signal: NES) に結合し, 核外に運ぶ. 核外への移行は, 低分子量 G タンパク質の1 種である RanGTP がエクスポーチンに結合することから始まる. これによりエクスポーチンの立体構造が変化して積み荷タンパクの NES との親和性が高まる. 積み荷タンパクが結合すると,RanGTP + エクスポーチン + 積み荷タンパクの複合体が, 核膜孔を通って核外へ搬出される. 細胞質で GTP が加水分解され GDP になり, 積み荷タンパクがエクスポーチンから解離する.RanGDP( 分子量が 25,000 程度と小さいため核膜孔を自由に通過できる ) は核内に戻り,GTP のエネルギーを消費して Ran-GTP になり再利用される. エクスポーチンは NLS を持っており, インポーチンにより核内に戻る. 一方, 核内への移行は, インポーチンが NLS を持つ積み荷タンパク質に結合することから始まる. インポーチン + 積み荷タンパクの複合体は核膜孔を通って核内に輸送され, 細胞質でインポーチンが RanGTP と結合し, 積み荷タンパクがインポーチンから解離する.RanGTP + インポーチンの複合体は, 核膜孔を通って細胞質に戻され, 細胞質で GTP が加水分解され GDP になりインポーチンが解離する. 解離したインポーチンは, 次の積み荷タンパク質の核内移行に再利用される. 参考知識 : 低分子量 G タンパク質 (samll G-protein): 低分子量 G タンパク質は分子量が2~3 万のタンパク質で,GDP 結合型と GTP 結合型の2つの状態をとり, 細胞内シグナル伝達系の分子スイッチとしてはたらく.GTP 結合型は, 他のタンパク質に結合してその活性を ON にするのにはたらき,GDP 結合型は逆に OFF にする. 細胞増殖や遺伝子発現, 細胞運動, 小胞輸送などの細胞機能を制御するさまざまな分子種が見出されており, それらは5つのファミリーに分類される. その1つに Ras ファミリーがある.Ras(Rat sarcoma) は, 最初に見つかった低分子量 G タンパク質で, がん遺伝子としてラットの肉腫から単離された.Ran は,Ras ファミリーに属する低分子量 G タンパク質で,Ras-related nuclear protein の略である. 細胞核の機能細胞核は, 遺伝子 DNA を保護 格納すると同時に, 遺伝子 DNA が機能する場を提供する. 分化した細胞では発現する遺伝子の種類が限られ, 発現しない遺伝子は仕分けられて, 凝集した状態すなわちヘテロクロマチンとして保護 格納される. ヘテロクロマチンではヒストンがアセチル化しておらず固く凝集するが, ユークロマチンではヒストンがアセチル化あるいはメチル化しており固く凝集しない. このようにヒストン 5

6 の修飾は, クロマチンの凝集度に関わり, 発現する遺伝子の仕分けに関与する. また,DNA のメチル化が遺伝子発現の抑制に働くなど, ヒストンや DNA に対するさまざまな化学修飾が, 発現する遺伝子の種類を決定している. ユークロマチンでは, 遺伝子領域の塩基配列を鋳型としてメッセンジャー RNA(mRNA) が合成される. mrna の合成を転写といい,mRNA の塩基配列は T が U になる以外は遺伝子 DNA の塩基配列と同じである ( ただし鋳型配列の相補配列である ). このためには, 転写因子というタンパク質複合体が RNA 合成酵素とともに DNA 配列上の転写調節領域に結合する必要があり, さらに少し離れた塩基配列上のエンハンサー配列にのる転写活性化因子の働きにより転写が開始する. ヘテロクロマチンでは,DNA が固く畳み込まれているため, 転写因子が DNA に結合できず遺伝子の転写がおこなわれない. 真核生物では mrna は最初, イントロン (intron) というタンパク質をコードしない塩基配列を含んでおり, これを mrna 前駆体 (pre-mrna) という.mRNA 前駆体は, 転写後直ちにイントロンが除去され, 成熟 mrna となる. これをスプライシングという. スプライシングは細胞核内のスプライセオソームで行われ, 成熟 mrna は核膜孔を介して細胞質に輸送される. なお, イントロンに対し, 除去されず成熟 mrna に残り, アミノ酸配列に翻訳される遺伝子配列をエクソンという. 細胞核の機能遺伝情報の保護 格納 : 使わない遺伝子領域を仕分け, ヘテロクロマチンとして格納する mrna 生産 :mrna 前駆体の転写 + スプライシングによるイントロンの除去リボソーム生産 ( 核小体 ): リボソーム RNA(rRNA) の転写 + リボソームの構築 細胞核は何から遺伝情報を保護しているのか?( 真核生物が核質を細胞質から隔離する理由 ) 真核生物の遺伝子はイントロンを含んでおり,mRNA 前駆体の塩基配列をそのまま翻訳すると, まともなタンパク質を合成できない. つまり mrna 前駆体が細胞質に出てしまうと, リボソームに出会ってそのままの状態で翻訳されてしまい, まったく役に立たないタンパク質が合成されてしまうのである. 核膜によって mrna 前駆体をリボソームのある細胞質から隔離することにより, スプライシングを行う場所としての核質という空間が確保できるのである. この点でいうと, 細胞核 ( 核膜 ) は, リボソームから mrna 前駆体の持つ遺伝情報を守っているということになる. まめ知識 : イントロンは, 切り出し方次第で新しいタンパク質を生み出す 遺伝子のつぎはぎ の機能があり, 同じ遺伝子から互いに関係のある一連のタンパク質が作れる. これを選択的スプライシング (alternative splicing) といい, 例えば,5 つのエクソンからなる遺伝子は, 理論的にはイントロンの切り出し方によって 16 種類ものタンパク質を作り出すことが可能である. ヒトゲノムに含まれる遺伝子数は2 万 1787 個に過ぎないが, イントロンの選択的スプライシングによって,6 万を超える多様なタンパク質が作られている. 発展知識 : 細胞核を持つ真核生物は爆発的に進化し, 細胞の機能分化を伴う多細胞生物化にも成功して, 極めて多様な生物圏を構築した. 一方, 細胞核を持たない原核生物はすべてが単純な細胞構造で, 多細胞生物化にはほぼ完全に失敗している. 原核生物もまったく進化しなかったわけではなく, 極限的な環境を含む地球環境のほとんどすべてでそれぞれの環境に適応した原核生物の種が存在する. しかし, ほぼすべてが太古の細胞とほとんど同じ単純な単細胞体制のままで, 一部の多細胞型の原核生物も, 細胞集団を維持するため一部の細胞が初歩的な機能分担をする程度に留まっている. 真核生物が複雑化できた理由のひとつとして, 細胞核が真核生物の進化に与えた影響を考えてみよう. 細胞核は上述したように mrna 前駆体がそのまま翻訳されないようにリボソームから隔離する機能を持つ. これはイントロンの除去など mrna を加工する余裕を与えただ 6

7 けでなく, これによって翻訳すべき RNA とそうでない RNA を仕分ける機能も発達したものと考えられる. さらに, クロマチンの修飾により転写させる領域と転写できない領域もつくられた. 転写調節因子による発現調節に, これらの仕組みが加わったことより, 発現する遺伝子と発現しない遺伝子の区別を細胞ごとに変更できるようになり, 細胞の分化能力が著しく発展し, 複雑な多細胞生物が誕生できたのであろう. ところで, 翻訳されない遺伝子として, 特定の機能を持つ遺伝子が核内で重複した際に, 遺伝情報の一部が壊れた偽遺伝子がつくられることがある. 偽遺伝子は発現しないため, 環境の選択圧がかからず突然変異が蓄積しやすい. このため, 偽遺伝子は, 本来持っていた特定の機能が改変された新しい遺伝子を生じさせるベースになり得る. 減数分裂における組み換えなどで, 偽遺伝子由来の新しい遺伝子が再度発現できるようになった場合, それが生存に不利でなければそれは生物個体に定着するし, もし有利であれば交配によって速やかに種内に広がり種に進化をもたらすと考えられる. また, 偽遺伝子の転写産物が機能遺伝子の転写産物に貼り付いてその発現を抑制するという, 新しいタイプの遺伝子発現調節機構も発見されている. このように, 偽遺伝子の存在を許すという機能を細胞核が持ったことが, 真核生物の複雑化を可能にし, 進化を加速したと考えられる. 原核生物も, 転写調節因子による遺伝子発現調節機構を持つが, ヘテロクロマチンのような転写が抑制されたゲノム領域がなく, リボソームが転写産物を直ちに翻訳してしまうため転写後の調節も難しく, 細胞の高度な機能分化が望めない. また原核生物は, 壊れた遺伝子を偽遺伝子として保持しにくい上に, イントロンが ( ほとんど ) なく減数分裂も行わないので, 遺伝子の機能領域を組み合わせて新しい遺伝子をつくるような進化が起こりにくい. 7

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