報 交 木 羽, 寺 田, 本 浄, 松 本, 飴 野 濃 度 相 関 ト リ ク ス に よ る 河 底 で い 試 料 の 相 関 駐 の 検 討 9 A 罫 P P. Fig.l Map showing the sampling stations aleng streams of rivers

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1 8 濃 度 相 関 トリク ス に よ る 河 底 で い 試 料 の 相 関 性 の 検 討 * 木 羽 敏 泰, 寺 田 喜 久 雄, 本 浄 高 治, 松 本 健 **, 飴 野 清 (97 年 7 月 日 受 理 ) 神 通 川 上 流 の 高 原 川 本 川 及 び 支 川, 梓 川 上 流 の 上 高 地 周 辺 及 び 旧 平 金 鉱 山 廃 坑 を 中 心 と す る 小 入 賀 川 上 流 よ り 採 取 し た 河 底 で い 3 試 料 の, イ オ ン 交 換 水 で 懸 濁 す る 部 分 に つ き, 銅, 鉛, 亜 鉛, カ ド ミ ウ = ッ ケ ル バ, ル ト, ビ ス v ス, 銀 ヒ, 素 及 び ア ン チ モ ン 含 量 を 定 量 し た. こ れ ら 巨 0 元 素 の 濃 度 ム, (ppm ) に つ い て 濃 度 比 ト リ ク ス を 作 成 し, 次 い で そ れ ぞ れ 2 個 の 試 料 間 の 濃 度 比 ト リ ク ス の 比 ト リ ク ス を 求 め, こ れ ら ト リ ク ス の 各 項 の 数 値 の うち, 符 合 判 定 基 準 / M 丿 ゴ, 色 り M に つ い て, M 菷 L 及 び M.3 に あ て は ま る も の の 数 を 求 め た, こ れ よ り 各 試 料 相 互 間 の 相 関 ト リ ク ス を 作 成 し, 各 河 川 の 合 流 点 近 傍 地 点 に つ い て の 相 関 性 を 典 型 的 な 0 の 場 合 に つ い て 示 し た 緒 言 河 川 の 上 流 か ら 下 流 に 至 る 多 数 の 地 点 で 採 取 さ れ た 水 ま た は 河 底 た い 積 物 な ど の 一 連 の 試 料 に つ い て 化 学 分 析 を 行 い, 分 析 値 を 相 互 に 比 較 し て 試 料 問 の 関 連 性 を 求 め よ う とす る と き,あ る 特 定 の 元 素 の 濃 度 の み に 着 目 す る と, 流 下 途 中 に お い て 希 釈 さ れ た り, 濃 縮 さ れ た りす る 場 合 が あ る の で, 数 値 相 互 間 の 関 連 性 は 全 な, ただ 分 析 値 を 並 べ た に す ぎな い こ と に な る. 現 在 で もな お 環 境 試 料 の 分 析 に お い て 関 連 性 の な い 数 値 の ら 列 を しば し ば 見 うけ る 試 料 の 相 互 関 連 性 を 検 討 す る うえ で, 河 川 試 料 に 限 らず 種 々 の 場 合 に つ い て, 試 料 に 含 ま れ る 2 元 素 の 濃 度 の 比 を 求 め, こ れ ら を 相 互 に 比 較 す る こ と が 有 意 義 で あ る と され て き た ) a ) こ の 比 を 2 元 素 に 限 ら ず, 更 に 多 元 素 間 に つ い て 求 め れ ば 試 料 相 互 の 関 連 性 の み な らず, 汚 染 調 査 な ど に お け る 発 生 源 の 究 明 や 希 釈 物 質 の 寄 与 の 判 定 な ど に も 役 立 つ で あ ろ う.Dams ら ) に よ っ て 鑑 識 や 大 気 中 の 浮 遊 ば い じ ん に 適 用 さ れ た 多 元 素 比 較 法 は Anders > に よ っ て 短 距 離 の 水 路 の 底 で い の 分 析 値 を 基 に した 試 料 の 相 互 関 連 性 の 検 討 に 利 用 され た 放 射 化 分 析 に よ っ て ヒ 素, ア ン チ モ ン, 銅, 亜 鉛, 金, カ ド ミ ウ ム, 水 銀 及 び ク ム に っ い て の 各 試 料 中 の 濃 度 を 求 め, こ れ らを 検 討 の 基 本 に し て い る 本 研 究 に お い て は 入 工 的 汚 染 が 比 較 的 少 な い と 思 わ れ る 山 岳 地 帯 の 比 較 的 長 距 離 の 河 川 に つ い て, そ の 底 で い 試 料 を 採 取 し, 化 学 分 析 を 実 施 し, そ の 分 析 値 を 基 に 河 * 金 沢 大 学 理 学 部 化 学 教 室 石 川 県 金 沢 市 丸 の 内 ** ( 現 在 ) 金 沢 大 学 医 学 部 法 医 学 教 室 石 川 県 金 沢 市 宝 町 川 合 流 点 付 近 に お け る 相 互 関 連 性 に つ い て 検 討 し よ う と し た. 対 象 と し た 地 域 は FSg に 示 す 長 野, 岐 阜, 富 山 の 3 県 に ま た が る. 特 に 神 通 川 上 流 に お い て 高 原 川, 宮 川 合 流 点 よ り 上 流 の 高 原 川 本 川 及 び 支 川 に つ い て, ま た 梓 川 上 流 の 上 高 地 地 域 と 旧 平 金 鉱 山 廃 坑 を 中 心 とす る 小 八 賀 川 上 流 を 重 点 に お い た. 各 地 点 で 得 た 試 料 に つ て は 後 に 述 べ る よ うに 分 別 処 理 を 行 い, 懸 濁 物 と し て 河 川 を 流 下 し 得 る 可 能 性 の あ る も の を 取 り 分 け て, い そ れ ら を 分 析 試 料 と し た. 分 析 値 を 求 め,ま た 相 互 比 較 の 対 象 と し た の は 銅, 鉛, 亜 鉛, カ ド ミウ ム, ニ ッ ケ ル, パ ル ト, ビ ス ス, 銀, ヒ 素, ア ン チ モ ン の 0 元 素 で あ る 各 試 料 に つ い て 得 られ た こ れ ら 0 元 素 の 濃 度 (ppm ) に つ い て 濃 度 比 ト リ ク ス を 作 成 し, 次 い で そ れ ぞ れ 2 個 の 試 料 間 の 濃 度 比 ト リ ク ス を 除 し た 比 ト リ ク ス を 求 め, こ れ らの ト リ ク ス の 各 項 の 数 値 の う ち, 符 合 判 定 基 準 / M 丿 ゴ(k, の M に つ い て, M =. 及 び M =.3 に あ て は ま る も の の 数 を 求 め た こ れ よ り 各 試 料 相 互 間 の 相 関 ト リ ク ス を 作 成 し て 比 較 し た. 各 河 川 の 合 流 点 近 傍 地 点 に つ い て の 相 関 性 を 0 の 場 合 に つ い て 示 し た. 2 実 験 2 試 料 採 販 973 年 7 月 9 日 7 月 23 日 に わ た り, Fjg に 示 す 各 地 点 に お い て 河 流 の 中 央 部 に 近, 人 為 的 汚 染 を 受 け に い と 思 わ れ る 個 所 に て, れ き, 砂, 細 で い 及 び 水 分 の 混 じ た 河 底 土 を 約 00g lkg 採 取 し, ポ リ エ チ レ ン 試 料 袋 に 入 れ て 実 験 室 に 持 ち 帰 っ た 採 取 と 同 時 に 水 温 及 び 気 温 を 測 定 し, 特 記 す べ き 現 場 の 状 況 が あ

2 報 交 木 羽, 寺 田, 本 浄, 松 本, 飴 野 濃 度 相 関 ト リ ク ス に よ る 河 底 で い 試 料 の 相 関 駐 の 検 討 9 A 罫 P P. Fig.l Map showing the sampling stations aleng streams of rivers れ ば 記 録 した. 採 取 期 間 中 は 快 晴 で あ り, 水 の 状 況 で あ っ た. 河 流 は や や 渇 2 3 化 学 分 析 分 析 試 料 0.Og を 0 ml 白 金 ざらに 精 ひ ょ う し, 混 合 酸 { 硝 酸 0ml, 過 塩 素 酸 0 ml, 硫 酸 ( 十 22 分 析 試 料 の 調 製 各 採 取 試 料 は ポ リ エ ヂ レ ン 袋 か らす べ て H ビ 一 カ ー に 移 し, 水 の あ る も の に つ い て は そ の ph を 測 定 し た. 水 の な い も の に つ い て は イ オ ン 交 換 水 を 試 料 の / 2 容 の 水 で 覆 わ れ る よ う に 加 え, か き 混 ぜ た 後 ph を 測 定 し た, 次 い で イ オ ン 交 換 水 を ビ ーカ ーを 満 たす ほ ど に 加 え, ガ ラ ス 棒 で 激 しか き 混 ぜ た 約 (2 3) min 放 置 す る と, こ い し 及 び 粗 粒 は 沈 降 す るが 懸 濁 性 微 細 粒 子 は な お 浮 遊 し て, 水 層 は 濁 っ て い る こ の 水 層 を 濁 りと と も に 3 且 ビーカ ーに 移 す 試 料 か ら 濁 りが 出 な な る ま で こ の 操 作 を 繰 り 返 して, 試 料 か ら 遊 離 す る 懸 濁 物 をす べ て 移 す. 3 ビ ーカ ーに 集 め られ た 懸 濁 物 を 含 む 水 を 00 ml 遠 心 管 に 順 次 移 し,3000 rprn に て 30 min 遠 心 し, 懸 濁 物 を 管 底 に 沈 降 させ る 上 澄 水 を 捨 て, 沈 降 物 は 少 量 の イ オ ン 交 換 水 を 用 い て 蒸 発 ざ ら に 洗 い 出 し,00 C に て 蒸 発 乾 固 し, 更 に 0DG の 乾 燥 器 内 で 乾 燥 させ た こ れ を 分 析 試 料 と し た 別 に X 線 回 折 に よ る 鉱 物 組 成 の 検 討 を 行 うた め, 面 に 薄 層 塗 布 し た も の を 用 い た. ぬ れ た 状 態 の 沈 降 物 を デ ッ キ グ ラ ス 表 ) 20ml } 6 ml を 加 え, フ ッ 化 水 素 酸 ml を 加 え, 加 熱 分 解 す る 蒸 発 乾 固 放 冷 す る. 塩 酸 ま た は 硝 酸 に 溶 解 し た 後, 銅, 亜 鉛, カ ド ミ ウ ム, 鉛, バ ル ト, ケ ル, ビ ス ス, 銀 に つ い て は 原 子 吸 光 光 度 法 で 6 ), 硫 酸 に 溶 解 した 後 ヒ 素 に つ い て は 銀 一 DDTC 一 ピ リ ジ ン 比 色 法 で 7) 0), ア ン チ モ ン に つ い て は ダ ミ ン B 法 } ls ) を 用 い て 定 量 した. 2 X 線 回 折 得 られ た 懸 濁 物 分 析 試 料 の 鉱 物 組 成 パ タ ーン を 比 較 す る た め, 乾 燥 前 の ぬ れ た 試 料 を デ ッ キ ガ ラ ス に 塗 布 し, 理 学 電 機 製 GEIGERFLEX で X 線 回 折 図 形 を 得 た. 3 化 学 分 析 の 結 果 3 結 果 と 討 論 Fig. に 示 す 各 地 点 で 得 られ た 試 料 に つ い て 0 元 素 に つ い て 定 量 を 行 っ た 結 果 を Table に 示 す. 3 2X 線 回 折 の 結 果 い ずれ の 試 料 に っ い て も 石 英, 斜 長 石, 緑 で い 石, 白 雲 母 の tf 一 クが 認 め られ, 特 長 的 に 他 と 著 し 異 な っ た ニ ッ

3 20 BUNSEK. KAGAKu VQL 2 ( 量 97 ) Table l Concentrationsof metals in ppm for samplcs of river sediments Locition8ample No. Cu Pb Zn Cd Nl 甼 B As Sb Ta ]Lahara r 圭 ver area 且 亅 を 6 70 M 日 } ア D 288 B3. 且 Kamikochi area S 2 量 i 且 26 Soil 28 B A2u3a river arca Area of ruins of Hiragane rnine 3i 毘 A 了 ca of ruins of Hirayu m 玉 ne Pit mud 220 8a 跏 踟 閑 伽 60 細 脚 m 勁 m060bo 且 黔 ー 7000 江 釦 0 鬻 娜 0LI B 籃 2 0 ト ! 000 ヒ[ ド2 L 噸 78 ヒ ヒ η % M! 圏 6 藍 唱 B 坊 8 盟 B7209 鴉 203 % U 路 餌 0m0 ぐ 22I 製 量 2i23 夏 L 匚 量 量 夏 且 麁 聖 四! 聞 3 Pa 艮 娼 2! 弼 姓 MgD 瓱 弼 H 玲 B 佃 卸 掃 n 66 弱 跡 別 跖 瓰 凶 6 睡 盟 別 67 I I 7 8 η d 羅 斜 膵 娼 6% 姻 62 姻 9 Fukuji area 3B Scal of 3 3 hot spring Gamada river arca S a 63 9 b Takahara rivcr arca S 認 禰 蠏 鑑 谿 認 柵 060 ー 里 2 巳 ー ー 昌 リ 2 ワ 冒 23D6B ぐ 30 呂 7 り ぐ 躑 飢 あ 28 η n63 嗣 3D2 222 螺 n 翅 ぐー ぐ I 6 mm 認 齣 枷 6 8B 886 旧 諡 B 毘 P 跡 ρ Takahara river area,near Kamioka mine 旦 躑 sooo 唾 SO 6 B2 37 7Miya rivcr 3 6 嵎 爛 鶸 ー の2 唱 372 ヒ童 尸 0 6 内 0 ヒ 69 蹌 938 匸 i I 6 且 2 7ワ 卿 冊 oo808 7 弼 NII-Electronic 甲 Library N 工 工 一

4 報 文 木 羽, 寺 田, 本 浄, 松 本, 飴 野 濃 度 相 関 ト リ ク ス に よ る 河 底 で い 試 料 の 相 関 性 の 検 討 2 組 成 の も の は 存 在 しな か っ た.No 26,No 27 は 河 底 で い で な 焼 岳 の 噴 出 物 の 風 化 した 土 じ ょ うで あ り, 回 折 図 で は 緑 で い 石 の ピーク が 認 め られ な か っ た 化 学 分 析 値 で も = ッ ケ ル の 含 有 率 が 低 い. これ らを 除 い て, 各 試 料 は 鉱 物 組 成 の 面 に お い て 特 異 的 な 化 学 組 成 の も の を 含 む と 考 え られ な い の で, 化 学 分 析 値 に よ っ て の 相 互 関 連 性 を 検 討 す る こ と は 差 し 支 え な い と 判 断 され る. (ppm ) o leo, / e 0 As e 0 o D 0 0DO 0D SC downward upward San ple No SC 9 姻 Fig.2V ii f th 鵬 廿 伽 f i i 榔 i th r 一 記 dim n 謡 g T kha a ive Tho m 箆 in ccrurse ; OFecCl じ r {low 忌 ng i 篇

5 22 BUNSEKI KAGAKU VoL 2 (!97 ) (Cu / Cu )A { A } 一 ( Pb /Cu )A (Pb /Pb )A (Zn / Gu ) A ( Zn /Pb )A (Zn / Zn )A (Cd / Cu )A (cd! Pb ) A (cd /zn )A (Ni/Cu )A (N Pb )A (Ni / Zn ) A (Co / Cu )A ( Go / Pb ) A ( Go!zn )A (Bi / Cu )A (Bi / Pb ) A ( Bi /Zn )A (Ag /Cu )A (Ag / Pb )A (Ag / Zn ) A (As / Cu ) A (As/Pb )A (As /Zn ) A (Sb /Cu )A (Sb/Pb ) A (Sb / Zn )A (Cd / Gd )A (Ni/Cd )A (Go / Cd ) A (B 童 Cd)A (Ag / Gd )A ( As /Cd ) A (Sb / Cd )A (Ni / Ni ) A (Co /Ni)A (GD / Co )A (Bi/Ni )A ( Bi/Co ) A (Ag /Ni ) A ( AgGo )A (As /Ni )A (As/Co )A (Sb /Ni)A (SbCo ) A (Bi / Bi )A (Ag /Bi)A (As / Bi ) A (Sb! Bi)A 3 3 流 下 過 程 での 変 動 の 比 較 と し M =.3 と す る と Fig 2 は 最 も 流 下 距 離 の 長 い 高 原 川 と そ れ に 流 入 す る 支 流 の 河 底 で い に つ き, 7 種 の 元 素 の 濃 度 を 図 示 し た も の で あ る. 距 離 に つ い て の 記 載 は 省 略 したが, 図 か ら 相 関 性 を 判 断 す る こ と は 困 難 で あ る. これ らの 3 相 関 トリクス の 作 成 Table l に 示 され た IO 元 棄 の 濃 度 に つ い て, 各 試 料 ご と に 上 の よ うな 濃 度 比 ト ワ ク ス を 作 成 し, 各 項 に つ い て は 計 算 に よ っ て そ の 数 値 を 求 め る 対 角 線 に 相 当 す る (Cu /Cu ) A,(Pb / Pb )A, (Zn / zn ) A な どは 当 然.00 と な る. 次 に A 試 料 に つ い て の 各 項 の 数 値 を B 試 料 の そ れ に よ っ て 除 し た, 二 試 料 間 の 比 ト リ ク ス を 作 る こ の 場 合 も 対 角 線 に あ た る 部 分 の 数 値 は LOO とな る. こ の ト リ ク ス の 各 項 の 数 値 が..00 に 極 め て 近 い も の は 元 素 の 濃 度 比 に つ い て 相 関 性 が 大 きい と い え る. 符 合 判 定 基 準 を 一 般 に (lim ) 各 項 の 数 値 M + ( ) 0.77 各 項 の. 数 値.3, ( 2 ) M. と し た と き は 0.66 各 項 の 数 値. t ( 3 ) め 範 囲 内 に あ る も の は 同 一 の 性 質 を 示 す も の と 判 定 さ れ る. ト リ ク ス 各 項 の 数 値 の うち, 上 記 (2 ) の 範 囲 内 に あ る も の の 数 を 数 え る 元 来 ト リク ス の, 全 数 値 の 数 は 0 0 t IOO 個 で あ る が, 対 角 線 に あ た る 0 個 は.00 で あ る か ら,.こ れ ら の 数 を 除 き, 対 角 線 を 対 称 線 とす る 対 称 部 分 の 片 方 を 省 い た の が 上 記 の 三 角 ト リ ク ス で あ る か ら, 比 較 さ れ る 数 値 の 数 は 個 と な る. こ の の うち 何 個 が (2 ) 及 び ( 3 ) の 範 囲 に あ る か を 数 え,そ の 数 を で 除 した もの を 相 関 数 と い う. 試 料 A と B, A と C, A と D と い う 組 み 合 わ せ で, 上 述 の 濃 度 比 ト リクス, そ の 比 の トリ ク ス と い う 手 順 を ふ ん で 相 関 数 を 求 め, こ れ を 次 の 表 の よ うに 記 載 す る と, 各 試 料 相 互 間 の 相 関 関 係 が 数 値 で 一 覧 で き る {Aii } { B ゴノ} (Gu /Gu )A (Cu / Cu ) B. (Pb / Cu )A ( Pb / Pb ) A (Pb / Cu ) B ( Pb /Pb )B (Zn /Cu >A ( Zn / Pb ) A (Zn / Zn )A (zn / Cu ) B ( zn /Pb )B (Zn / zn ) B (cdcu )A (cd /Pb )A (Gd /zn )A (Cd /Cd )A (cd / cu )B (Gd /Pb ) B (cdlzn )B (Cd / cd )B (NiC ) ( Ni /Pb ) (Ni / z ) ( Ni!cd ) (Ni / Ni) (Ni /G ) (Ni / Pb ) (Ni/z ) ( NiCd ) (Ni / Ni ) (C /c ) (C /Pb)A (G6 /z ) ( c Cd) ( G /Ni )., 一. (G /G μ ) (G /Pb) (C /z ) (C / Cd ) (c / Ni) (Bi / G ) ( Bi /Pb ) (Bi/Z ) (B 三!Cd ) (Bi / Ni ).._ (Bi/G ) (Bi / Pb ) (Bi/z ) (Bi/Cd ) ( Bi / Ni ) (Ag / C ) (Ag / Pb ) (Ag / z ) ( Ag!Cd ) ( Ag / Ni )A.. ( Ag / cu )B (Ag / Pb ) B (Ag /zn ) B (Ag / Gd ) B (Ag /Ni ) B,.o,.,., o 響,,.,.,, ゆo 卩 r. 幽 o}., 辱 7 or Oo, P,09 師.,, 噌

6 報 文 木 羽, 寺 田, 本 浄, 松 本, 飴 野 濃 度 相 関 ト リ ク ス に よ る 河 底 で い 試 料 の 相 関 性 の 検 討 23 Sample A B ABCDEF ZAA (.0 ) ZABZACZADZAE ZBB (.O ) ZBCZBDZBE Zcc (.0) ZCDZCE ZDI (.0 ) ZDE 3 相 関 性 の 検 討 今 回 取 り 扱 づ た 試 料 数 は 3 に 達 し, こ れ ら す べ て に つ い て の 相 関 ト リ ク ス を 示 し て 論 議 す る こ と は む しろ 地 球 化 学 的 論 議 に 走 る お そ れ があ る の で, こ こ で は 極 め て 近 接 し た 地 点 に お け る 試 料 間 の 相 関 に つ い て 示 す. Table 2 は そ れ ら の 結 果 を 示 す.こ れ ら の 相 関 に つ い て 詳 細 な 地 形 を 示 す の が Fig.3 で あ る. こ れ ら に つ 以 下 に 検 討 を 加 え る. 例 Il 蔵 柱 川 が 高 原 川 に 合 流 す る 場 所 で あ り, C D Table 2 Correlation 皿 atrices fo some 9 oups い て 本 川 で あ る 高 原 川 の 底 土 に つ い て は の 聞 に 相 関 性 が 極 め て 大 き い. と の 間 に も 相 当 高 い 相 関 が あ る 例 II 双 六 川 が 高 原 川 に 合 流 す る 場 所 で あ り, と の 相 関 が 極 め て 高 い こ と, 及 び と の 相 関 も 同 程 度 に 高 い こ と か ら, 双 六 川 か ら 相 当 量 の 土 砂 が 本 川 に 流 入 し て い て, の 下 流 に あ る ダ ム に よ っ て 平 均 的 に た い 積 さ れ て い る も の と 推 察 さ れ る. 例 III 下 佐 谷 が 高 原 川 に 合 流 し て 約 27km 下 流 に あるダ ム に 流 れ こ む 地 点 で あ り, と の 間 に 相 当 高 い 相 関 が 見 られ る 一 方 と の 相 関 は こ れ よ りや や 低 い が, 下 佐 谷 発 電 所 ダ ム か ら 本 流 へ るもの と 考 え られ る. の 土 砂 の 流 入 が 相 当 あ 例 v 笠 谷 が 高 原 川 へ 合 流 す る 場 所 で あ る が, の 相 関 は 低 い. 一 方 と の 間 に は か な り 高 い 相 関 が あ る. 更 に と の 相 関 が 低 い こ とか ら, 笠 谷 と 高 原 川 の 土 砂 は 異 質 の もの で あ り, か つ, 笠 谷 か ら 高 原 川 本 川 へ の 土 砂 の 流 入 は, か な り 小 規 模 で あ る と 推 定 され る, 例 V 梓 川 が 大 正 池 を 経 て,0km 下 流 の 沢 渡 ま で 流 下 す る 範 囲 で あ る と の 極 め て 高 い 相 関 が 明 白 で あ る. 一 方 と の 間 に も か な り 高 い 相 関 が 見 ら れ, 梓 川 の 河 底 土 砂 は, 焼 岳 の 土 質 の 影 響 を 相 当 程 度 に 受 け て い る も の と 推 察 さ れ る. しか し, 大 正 池 の 底 土 の 流 下 が 最 も 著 し い と 考 え られ る. 例 VI 平 金 鉱 山 廃 坑 ず り 場 上 流 か ら, 約 3.km 下 流 の ダ ム に 至 る 岩 井 谷 と 小 支 川 を 含 む 地 点 で あ る と の 相 関 が 極 め て 高, の 間 に も 高 い 相 関 が 認 め ら れ る, 従 っ て, 下 流 の ダ ム 上 に た い 積 した 底 土 ( か っ 色 of samples (Example ) No. 3 且.oo ( Loo ) 0, (D,22 > ( Loo ) 0, ) (O,33 ) ( 00 ) ( Examplc m ) No. 且 OI 2.oo 0t23 (LDD ) O.SU L0000 (o.33 ) ( ヌ o.3 四 ( O.2 00 ) ( 3ラ (Exarnplc V ) No. 7 7t,co (.oo > 蹣 (0.8 ) 29 O.M (O.38 ) No (Loo ) 0.8 ( 0.8 ) 0.3 (0.lD Ne. 890 Example VII ) 37LDO 田 IS N oooo.oo ( 且.oo) 0,2.00 (0. 盟 ) ( 量 00 ) s9.oo (.oo ) O.8.00 (0. り (.00 ) (Example IX ) s.oo 9 0 (Loo ) o.22 ( 0,le ) 0.38 (O.2 ) Loo (.oo ) 0.2 LDO ( 0.Sl ) (LOO ) ( Example 匸 r ) No. 6 7.oo 678 (.OD ) 0. 匚 oooo (0.36 ) ( 匸 0,9 00% (o.0 ) ( 27 No, 6 (.oo ) 0.20 ( D. ) 0, (0.2 ) No. 3s33 (Examp 匸 o V } Loo 且 6 8 oooo ( ラ.oo (Loo ) 0,8.00 (0.09 ) (.00 ) ( Examptc V 工 ) 3LOD 33 3 ( LOD ) o.3 (0.8 ) 0.6 些 (o.38 ) Loo (.oo ) o,2.oo (0 22 ) ( LOO ) ( Examplc VIII ) No. 6 7 妬 7 No,.oo ( LOO } 0.29.OD (o. 烈 } ) (oo ) 且.OD (0.3 ) ( 0,27 } (.OD ) ( Example X ) Loo 6 77 ( Loo ) 0. (o.22 ) 0.27 ( 0.n ) Th v 山 i p h h s f M = t3 Loo (.00 ) 0.36 ( o.ve ) 7 d 器 ) 粘 土 ) は, 平 金 廃 坑 付 近 の 土 質 に 代 表 さ れ る こ の 付 近 一 帯 の 土 砂 が 岩 井 谷 に 流 れ 込 ん で 運 搬 され た も の と い z よ う, 例 VII ; 平 湯 大 滝 及 び, 合 流 す る 手 前 の 地 点 で あ る. と 及 び そ の 下 流 の 高 原 川 と 福 地 川 の の 間 に 明 白 な 相 関 は 見 ら れ な い. こ れ は, 平 湯 大 滝 と 地 点 の 間 に 平 湯 温 泉 が あ り, こ の 水 の 運 ぶ 土 砂 が 相 当 量 高 原 川 へ 流 入 す る 結 果, あ ろ う. 質 の 異 な る も の に な る こ とを 示 唆 す る も の で 例 VIII 蒲 田 川 上 流 の 左 俣 谷, 穴 毛 谷 の 合 流 点 付 近 と 3km 下 流 の 新 穂 高 温 泉 上 流 の 外 谷 の 系 統 で あ り, と の 相 関 性 は 余 り 高 い と は い え な い,しか し の 相 関 性 は か な り 高 い. 例 IX ; 蒲 田 川 と 高 原 川 が 合 流 す る 場 所 で ある. 両 河 川 の 底 土 の 間 に 高 い 相 関 が な い に も か か わ らず, と 及 び と の 間 に 同 程 度 の か な り 高 い 相 関 が 見 られ る こ

7 The Japan Society for Analytical Chemistry 2 BUNSEKI XAaA'KU Vol, 2- (9V) ExampleI Exarnplell ExempleV lrd MA ExampleM Eiamp]e rv -lifii?l'i-'l"il 'Il8" " ;iiiilliiili Illliisisc Gt'` i,,.\k Fig. 3-a Detailed maps for examples I to V in table 2 tt ' Ilrample Vl Example VII ExampteX.].,,.. I;k' Examp]e IX -.-".... KEDANI'-'""'rl x' HIDARIMATADANI,,, shm-hodaka,s 'l''i'. IItiiiiliilii Q"xxE"-ST'! k N,/2i., $ t t' Fig.3-b Detailedmaps for examples VI to X in table 2 NII-Electronic Library

8 報 文 木 羽, 細, 本 浄 淞 本, 矚 濃 齟 関 b ク に よ る 河 底 で い 試 料 の 相 関 性 の 検 討 2 とか ら, 両 河 川 か ら 同 程 度 の 量 の 土 砂 が 本 川 に 流 入 し, の 下 流 に あ る ダ ム に よ っ も の と 考 え る こ とがで きる. 例 X 高 原 川 及 び 宮 川 と e て 平 均 的 に た い 積 さ せ られ た それ らが 合 流 す る 神 通 川 の 新 猪 谷 ダ ム に た い 積 し た 底 土 で あ る に 相 当 高 い 相 関 が あ り, の 間 の 相 関 は そ れ よ りもや や 低 い が な お か な り 高 い. 一 方 両 河 川 の 底 土 間 の 相 関 は や や 低 い の で, 新 猪 谷 ダ ム に た い 積 した 土 砂 は, 高 原 川 水 系 に 由 来 す る もの が 優 勢 で, 宮 川 に よ っ て 運 ば れ た もの と 平 均 化 さ れ た も の で あ る と 推 察 され る. 結 言 人 工 的 汚 染 が 比 較 的 少 な い と 思 わ れ る 山 岳 地 帯 の, 較 的 長 距 離 の 河 川 に つ い て, そ の 底 で い 試 料 を 採 取 し, 懸 濁 物 と して 河 川 を 流 下 し 得 る 可 能 性 の あ る も の を 取 り 分 け て, 銅, 鉛, 亜 鉛, カ ド ミ ウ ム, ニ 比 ッ ケ ル, ぐ ル ト, ビ ス ス, 銀, ヒ 素, ア ン チ モ ン の 0 元 素 の 分 析 を 行 っ た. こ れ ら の 濃 度 に つ い て, 各 河 川 の 合 流 点 近 働 地 点 の 試 料 間 の 濃 度 相 関 ト リ ク ス を 作 成 し て, 相 関 性 を 検 討 し た 結 果,0 例 の 中 8 例 ま で, 高 度 の 相 関 性 が 得 られ, 他 の 低 い 相 関 性 が 認 め ら れ た 2 例 と と も に, 辺 の 地 理 的 また は 地 質 学 的 関 係 とも よ 合 致 す る 結 論 が 得 られ た. こ こ に 用 い た 濃 度 相 関 トリク ス の 手 法 は, 河 川 の 上 流 か ら 下 流 に 至 る 多 数 の 地 点 で 採 取 さ れ た 水, ま たは 河 底 た い 積 物 な ど の 試 料 間 の 関 連 性 や, 汚 染 調 査 な どに お け る 発 生 源 の 究 明 な ど に, も た らす も の と 考 え られ る 周 信 頼 度 の 高 い 知 見 を 本 研 究 に 要 し た 経 費 は 文 部 省 指 定 研 究 人 間 の 生 存 に か か わ る 自 然 環 境 に 関 す る 基 礎 的 研 究 の う ち 浜 口 博 東 京 大 学 教 授 を 班 長 と す る 親 銅 元 素 の 地 表 付 近 に お け る 行 動 に 関 す る 化 学 的 研 究 よ り 支 出 さ れ た. 記 し て 謝 意 を 表 す る D 助 の の の の 灘 無 纖 嬲 黠 隅 噛 m 文 艦 凡 鵬 Jr 庶 認 温 血 端 犠 邸 鑑 献 ce 伽 レ T 鈎 E 磊 リ ビ ワ嬲 き 畷 叢 7hA ラ. 星 ヨ 激 λ 益 調 星, 謝 R ム 勢 フlJ ). e 押 8 ニ ー l 8リの,, w 66 傭 卿 ー9 3 σ97珎 分 楯 ( 柳 の ポ リ ( 共 立 出 版 ). 保 田 和 雄, 長 谷 川 敬 彦 de ; 原 子 吸 光 分 析, (972), ( 講 談 社 ). 7 ) V.Vasok, V.Sedivec ; C 加 π 菖.ゐ 臼 6 り,, 3 (92) 8 ) D.Liedc an, J.E.Bowen, 0 LMilner Anat.C ゐem., 3, 202 (99). 9 ) P.G.J ffe y Chemi al M f thod R ck A 7Sis, P.i 20 ( 970 ), (P g m n P ess) 0 ) H.Onishi,E.B.Sandell Geechim.Cosmoahim. A ta, 7, ( 互 9) ) F.N.Ward,H.W.Lakin Anal.Chem. 26, il68 (9 ). 203 ) C.L.Luke ibid.,, 26 (93). ) A.A.A レ Sibaai, A G.Figg ;Anat st, 98t 732 ( 亘 973 ) Gencric rdlatiensh 圭 ps am ns 8a 血 Ple60f river sed 洫 lents wi h 出 e ald of concent 皿 tien correla do 皿 鵬 t =. ToshiyasuK 匚 臼 A, Kilcuo TERLADA, Takaharu H Ken MA 割 M T and Kiy hi AMEN, h ar 黯 濫 麟 蝋 離 畑 u 恕 誰 騨 鷲 檗 懸 溜 盤 饕 糠 器 ;, g h, 面 al. al t d 鵲 鱧 { 欝 盤 St 澀 mech nism P tiip 血 9 血 血 fl w f t am a w as the transfer of materials 洫 the environment. Th p dy rns th ver b m φ i 一 器 瀦 諡 欟 嬲 器 奪, c 蟹 躍 盤 VariOUS trace elements Th, i.e,tigt c ected th ive 一 edim t mp e fr 皿 th ri 岱 ing 山 ugh 山 m unt in f 出 middl J 卿 a.th w tcr 岬 dd 副 f 止, mp 且 酬 bmitt d t the ch cal an lyses fbrten clements, Cu, Pb, Zn, Cd, Ni,Co,Bi, Ag, 誰 譲 謙 諜 瓢 騾 鷲 轟 饗 鼎 黜 蠶 瓢 fc 監 嬲 嬲 齪 欝 a 娜 f 血 i 研 nd 出 e 鰰 路 Rd tidy iw, r,el d n f u d 洫 th th tw ex mpl c d b i,, p c d i m f h 9 hi 脚 and 9 gical reasons. (Rece 三 vcd JuLy l,97) KeUWOirls River scdlment Water suspended material Concentra 丘 on corrcla on matnx