構 造 設 計 は 地 盤 の 分 析 から 始 まり 架 構 の 創 造 それを 裏 づけ る 構 造 計 算 そして 施 工 用 の 設 計 図 作 成 現 場 監 理 までを 含 むた いへん 幅 の 広 い 仕 事 です その 内 容 は 経 験 に 基 づく 工 学 的 判 断 から 時

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1 構 造 設 計 の 絵 解 き 版

2 構 造 設 計 は 地 盤 の 分 析 から 始 まり 架 構 の 創 造 それを 裏 づけ る 構 造 計 算 そして 施 工 用 の 設 計 図 作 成 現 場 監 理 までを 含 むた いへん 幅 の 広 い 仕 事 です その 内 容 は 経 験 に 基 づく 工 学 的 判 断 から 時 に 高 度 な 数 学 までを 必 要 とし 一 般 の 方 々には 縁 遠 い 仕 事 かもしれませんが 財 産 や 生 命 にまで 関 わる 重 要 な 役 割 を 担 っています この 機 会 にいくら かでも 御 理 解 いただければと その 一 端 をマンガにしてみました 多 少 専 門 用 語 も 入 っていますが 大 よそのようすは 御 理 解 いただ けるかと 思 います

3 建 物 の 構 造 とは 何 ですか? どんな 建 物 にも 人 間 の 骨 に あたる 骨 組 みがあります 建 築 の 骨 組 みが 構 造 です 仕 上 げ( 表 皮 )で 隠 れてしまい 直 接 見 えないのですが 建 築 を 造 る 重 要 な 要 素 です

4 構 造 設 計 者 はどこにいるの? 住 宅 ( 建 売 など) 住 宅 ( 建 築 家 に 依 頼 ) 皆 さんのまわりの 建 物 を 考 えてみます 戸 建 て 住 宅 は 大 工 さん ( 工 務 店 )や 住 宅 メー カー( ハウス)が 設 計 するケースと 建 築 家 と 構 造 設 計 者 な どが 協 力 して 設 計 する ケースがあります 大 工 さんや 住 宅 メーカーが 設 計 構 造 は 標 準 仕 様 として 考 慮 されて いるが 地 盤 などの 個 々の 条 件 に は 十 分 に 対 応 できないケースもある 建 築 家 が 設 計 構 造 設 計 者 が 協 力 構 造 は 個 々の 条 件 に 応 じて 検 討 される デザイン 構 造 仕 様 設 備 デザイン 構 造 設 計 者 設 備

5 構 造 設 計 者 はどこにいるの? ビルディングは 設 計 事 務 所 や 建 設 会 社 の 中 でいろいろ な 分 野 の 専 門 家 が 協 力 して 設 計 をします 構 造 設 計 者 は そのチーム の 一 員 で 建 物 の 骨 組 み 計 画 を 担 当 しています ビルディングなど 設 計 事 務 所 や 建 設 会 社 がまとめる 意 匠 設 計 構 造 設 計 設 備 設 計 デザイン 構 造 設 計 者 設 備

6 設 計 全 体 の 流 れ 仕 事 の 依 頼 構 造 設 計 の 具 体 的 な 流 れ を 説 明 する 前 に まず 意 匠 設 計 ( 建 築 家 ) 構 造 設 計 設 備 設 計 の3 分 野 が 協 力 して 作 業 する 建 築 設 計 全 体 の 流 れを 簡 単 に 説 明 します 設 計 は 大 きく1~4の4 段 階 に 分 けられます 1 建 物 規 模 のチェック( 基 本 計 画 ) 2 計 画 案 の 作 成 ( 基 本 設 計 ) 3 施 工 用 図 面 作 成 ( 実 施 設 計 ) 4 施 工 チェック ( 工 事 監 理 など) 完 了

7 Ⅰ) 設 計 全 体 の 流 れ 1 基 本 計 画 ( 建 物 規 模 のチェック; 予 算 や 法 規 制 をもとに 概 略 の 高 さや 面 積 を 決 定 ) 事 業 性 を 重 視 環 境 配 慮 施 主 施 主 意 匠 設 計 者 構 造 設 計 者 仕 事 の 依 頼 を 受 けると 建 築 家 は 敷 地 の 法 的 条 件 ( 高 さ 制 限 容 積 率 など)や 予 算 から 建 物 高 さや 床 面 積 の 概 略 を 決 め 建 築 主 と 概 要 を 相 談 します 設 備 設 計 者 例 : 商 業 地 域 建 ぺい 率 :80% 容 積 率 :200%

8 Ⅰ) 設 計 全 体 の 流 れ 2 基 本 設 計 : 概 略 平 面 立 面 断 面 図 概 算 工 事 費 の 算 出 基 本 計 画 で 決 めた 建 物 規 模 を 前 提 に 計 画 案 を 作 り 上 げる 作 業 で す 階 数 高 さ 間 取 り デザイン 構 造 形 式 設 備 仕 様 などを 建 築 主 と 定 期 的 に 打 合 せをしながら 案 を 詰 めていきます 最 終 的 に 概 算 工 事 費 を 算 出 し 予 算 内 に 納 まって いるかを 確 認 します

9 Ⅰ) 設 計 全 体 の 流 れ 3 実 施 設 計 : 建 築 図 設 備 図 構 造 図 構 造 計 算 書 確 認 申 請 ダイヤフラム SN490C 厚 36 柱 :BCP x700x25 外 壁 受 け [-100x50 F.PL-SN490B t=25,300x600 HTB 2x3-M24 基 本 設 計 案 が 建 築 主 に 承 認 されると 実 施 設 計 に 入 ります 実 際 に 建 設 する 中 央 H-700x300x12x25 梁 端 部 H-700x300x14x28 ノンスカラップ 溶 接 W.PL t=16,300x600 HTB 2x6-M24 ための 詳 細 な 図 面 を 証 明 するための 計 算 書 図 面 や いろいろな 性 能 計 算 書 を 作 成 します 最 終 段 階 では 役 所 による 法 的 な チェック( 確 認 申 請 確 認 申 請 )が 必 要 となります 計 算 書

10 Ⅰ) 設 計 全 体 の 流 れ 4 工 事 監 理 : 仕 上 げ 部 材 の 詳 細 な 設 計 製 品 検 査 等 工 事 が 設 計 図 通 りに 行 わ れているかを 建 築 主 に 代 わって 確 認 するのは 設 計 者 の 最 後 の 重 要 な 仕 事 です 資 材 の 製 作 や 搬 入 等 の 関 係 で 生 じる 細 かい 修 正 などを 施 工 者 といっしょに なって 調 整 し を 目 指 します

11 基 本 計 画 1-1 構 造 性 能 (クライテリア クライテリア)の 確 認 ここからは 構 造 設 計 にしぼって 仕 事 の 内 容 を 説 明 します 基 本 計 画 フェーズでは 各 部 屋 の 用 途 に 応 じた 床 荷 重 などの 構 造 性 能 を 建 築 主 と 一 緒 に 決 定 します 構 造 性 能 の 例 床 荷 重 遮 音 性 能 ( 壁 の 仕 様 RC 乾 式 など) 遮 音 性 能 ( 床 の 仕 様 重 量 衝 撃 音 ) 耐 震 性 能 耐 風 性 能 耐 久 性 能 耐 火 性 能

12 基 本 計 画 1-2 床 荷 重 kn/m2 建 築 にとって 重 要 な 性 能 の 一 つは 床 (スラブ)の 耐 荷 重 です 平 面 計 画 のス ケッチの 段 階 で 各 部 屋 の 床 荷 重 を 大 まかに 決 定 しま す 余 裕 を 持 った 荷 重 設 定 をしておけば 将 来 の 用 途 変 更 等 にも 対 応 できます

13 基 本 計 画 1-3 建 築 主 との 対 話 建 築 主 との 対 話 の 様 子 荷 重 条 件 耐 震 性 能 床 振 動 などの 構 造 性 能 について わかり 易 く 建 築 主 に 説 明 をし 十 分 に 理 解 をしてもらうこと が 重 要 です

14 基 本 計 画 1-4 耐 震 性 能 (エネルギー 吸 収 個 所 ) 耐 震 構 造 耐 震 構 造 耐 震 の 仕 組 み 建 物 を 支 える 梁 が 損 傷 し 地 震 エネルギーを 吸 収 する 地 震 国 日 本 では どのような 耐 震 構 造 を 採 用 するかは 重 要 なポイントです 主 に 耐 震 構 造 制 振 構 造 免 震 構 造 が あり 性 能 やコストが 違 うので 初 期 段 階 で 建 築 主 に 説 明 することが 必 要 です 地 震 時 の 揺 れなど 地 面 の2~3 倍 で 揺 れ 建 物 内 の 家 具 も 損 害 を 受 ける 制 振 構 造 免 震 構 造 建 物 は 柱 梁 で 支 え 制 振 部 材 が 地 震 エネルギーを 吸 収 する 建 物 下 に 免 震 層 を 作 り 地 震 に 共 振 しない 構 造 にする 揺 れは 耐 震 構 造 と 大 きく 変 わらないが 主 体 構 造 の 損 害 は 制 振 部 材 に 限 定 される 地 面 より 揺 れは 著 しく 小 さくなり 建 物 内 の 家 具 の 損 害 も 少 ない

15 基 本 設 計 2-1 基 本 設 計 の 一 般 的 に 全 体 のまとめ 役 となる 意 匠 設 計 者 が 建 築 主 と 合 意 した 基 本 計 画 案 予 算 工 程 をチームに 説 明 します 構 造 設 計 者 は, 建 物 の 高 さ 制 限 階 高 天 井 高 さ スパン 設 備 スペースとの 干 渉 など, 様 々な 条 件 との 整 合 を 図 りなが ら 空 間 をどのように 作 るか 即 ち 架 構 計 画 を 行 います 基 本 計 画 案 では 柱 や 梁 といった 構 造 部 材 はまだ 決 まっていません 建 物 の 中 の 必 要 な 空 間 をどのように 作 っていく か 構 造 設 計 の 一 番 の 要 である 作 業 で す

16 基 本 設 計 2-2 建 設 予 定 地 の 地 盤 分 析 地 盤 に 関 する 調 査 項 目 地 理 ( 地 震 履 歴, 周 辺 活 断 層, 地 層 構 成 ) 地 盤 特 性 ( 支 持 地 盤, 卓 越 周 期, 水 位, 液 状 化 強 度 ) 地 盤 の 状 況 や 過 去 の 地 震 記 録 から 建 物 用 途 や 規 模 に 応 じて どのよう な 基 礎 にするかは 建 物 にとって 重 要 な 項 目 です 地 盤 調 査 の 方 法 を 調 査 会 社 に 指 示 調 査 結 果 を 分 析 し 杭 基 礎 等 の 建 物 支 持 方 式 を 決 めます 液 状 化 のチェックも 構 造 設 計 者 の 仕 事 です 調 査 結 果 に 基 づき, 建 物 を 支 える 地 盤 の 決 定 基 礎 形 式 の 決 定 耐 震 設 計 方 針 の 策 定 等 を 行 います 地 盤 調 査 地 盤 調 査 結 果 例

17 基本設計 架構形式を決める前に どのよ うな材料 部材が適切かを建設 地の条件や規模に応じて検討し ます ここに示す４つが代表的な 構造形式です ②-3 架構計画 架構計画 構造形式 基本的な構造形式 木造 ＲＣ造 木材を用いる構造 伝統木造 軸組工法 2ｘ4工法などがある 耐火性能や強度の観点 から主に低層建築に 用いられる 環境負荷の点では最も 効率が良い 圧縮に強いコンクリート を鉄筋で補強した構造 鉄骨造に比べて経済性 が高く耐久性 耐火性 にすぐれる 一般的に梁スパン10m 程度までの中低層建物 に 用いられる Ｓ造 引張力に強く 高強度の 鋼材を用いた構造 強度が高いので 高層ビ ルやロングスパン梁に用 いられる 火災に弱いので 耐火被 覆が必要 ＳＲＣ造 鉄筋コンクリートの中に鉄 骨を挿入した構造 高層ビルやロングスパン 梁に用いられる 完成 基本計画 基本設計 実施設計 工事監理

18 基 本 設 計 2-4 架 構 計 画 ~ 骨 組 み 形 式 基 本 的 な 骨 組 み 形 式 必 要 な 空 間 や 開 口 を 確 保 しながら 床 をどのように 支 え 地 震 に 耐 えるか が 構 造 で 一 番 大 切 な 架 構 計 画 です どのような 空 間 をどのような 架 構 で 作 るかは 建 築 家 との 共 同 作 業 です ここに 示 したのは その 代 表 例 です 純 ラーメン 構 造 耐 震 壁 付 ラーメン 構 造 壁 式 構 造 ブレース 構 造 吊 り 構 造 スーパーフレーム 構 造 コア 付 ラーメン 構 造 チューブ 構 造

19 基 本 設 計 2-5 架 構 計 画 ~ 空 間 の 創 造 A 下 図 のような 角 地 に 建 つ5 階 建 ての 店 舗 兼 事 務 所 ビルを 例 に 架 構 計 画 を 紹 介 します 人 通 りの 多 い1F 店 舗 と 2 階 以 上 の 事 務 所 スペースをどのよ うな 空 間 にするか 意 匠 設 計 といっ しょに 色 々な 案 を 練 っていきます C 柱 と 梁 がしっかりつながっ た 剛 な 架 構 柱 や 梁 が 太 く なるが 地 震 に 耐 える 壁 が 必 要 なく 間 取 りがしやすい 事 務 所 約 20m 最 上 階 をトラス 構 造 とした 架 構 1F 店 舗 の 通 り 側 の 柱 を 無 くせるので 通 りと 店 舗 の 境 界 のないデザインが 可 能 B 店 舗 D 建 物 両 サイドに 筋 交 い(ブレー ス)を 入 れた 架 構 居 室 内 の 柱 なしで 設 計 できるので 間 取 りの 自 由 度 が 非 常 に 大 きい 建 物 四 隅 の 角 柱 を 無 く した 架 構 眺 望 の 良 い 角 部 屋 が 可 能 となる

20 基 本 設 計 2-6 架 構 計 画 2 建 物 には, 建 物 の 重 力, 地 震 力, 台 風 の 風 圧 に 耐 えながら 人 々が 安 全 かつ 快 適 に 過 ごすために 快 適 な 空 間 たわんだり 揺 れない 長 い 年 月 に 基 礎 や 床 が 傾 かない 中 小 地 震 では, 壊 れないが 500 年 に1 度 程 度 の 大 地 震 では, 多 少 壊 れるが, 倒 壊 しない などの 構 造 性 能 が 最 低 限 必 要 です このような 構 造 性 能 を 高 めること はコストUPやデザイン 性 快 適 性 とは 一 般 的 に 相 反 しますが これ らの 条 件 の 中 で 建 物 毎 に 最 適 解 を 何 処 にするかが 構 造 設 計 の 難 しさです C C B B A A 建 物 重 量 によって 生 じる 部 材 の 圧 力 や 変 形 を 解 析 する C 基 本 計 画 では 柱 や 梁 の 大 体 の 寸 法 を 決 めな ければなりません 経 験 的 に 決 めたり 図 のよう な 代 表 的 な 架 構 の 解 析 を 行 い 決 定 します B 地 震 力 によって 生 じる 部 材 の 圧 力 や 変 形 を 解 析 する 赤 : 加 力 前 黒 : 加 力 後 A 柱 A

21 基本設計 ②-7 架構計画 例 ちょっとブレイク 事例を紹介します 地下鉄の出入り口です 意匠 構造が 協力して今までにないシャープな形態 を作り出しています

22 基 本 設 計 2-8 基 本 設 計 案 の 提 示 構 造 設 計 者 は 床 荷 重 耐 震 性 能 耐 風 性 能 といった 構 造 性 能 に ついて 説 明 が 必 要 です 特 に 耐 震 性 能 については 中 小 地 震 の 時 大 地 震 の 時 について 構 造 部 材 や 壁 天 井 窓 ガラスなどの 状 況 を 説 明 します 実 施 設 計 に 入 っての 変 更 は 計 算 と 図 面 の 修 正 が 必 要 になります 基 本 設 計 の 中 身 をきちんと 建 築 主 へ 説 明 し 理 解 を 得 ることが 大 切 です 基 本 設 計 案 構 造 説 明 ( 例 )

23 基 本 設 計 2-9 概 算 コストの 算 出 意 匠 構 造 設 備 の 基 本 設 計 資 料 に 基 づいて 建 物 建 設 概 算 コストを 算 出 します コスト 計 算 は, 一 般 的 に 専 門 の 積 算 事 務 所 が 担 当 します 建 築 主 へ 基 本 設 計 案 と 概 算 コスト を 提 出 します 予 算 に 合 わない 場 合, 基 本 計 画 の 修 正 仕 様 調 整 などを 行 います 建 築 主 の 予 算 に 合 わせた 経 済 的 な 設 計 とすることも 構 造 設 計 の 重 要 な 役 割 です 山 留 工 事 内 訳 地 業 工 事 内 訳 仮 設 工 事 内 訳 プロジェクト 新 築 工 事 単 価 仮 設 工 事 60,000 小 計 地 業 工 事 山 留 工 事 型 枠 工 事 コンクリート 工 事 鉄 筋 工 事 鉄 骨 工 事 小 計 既 製 コンクリート 防 水 タイル 石 金 属 20,000 15,000 35,000 30,000 40,000 20,000 2,000 8,000 1,000 15,000 金 額 30,000 10,000 7,500 17,500 15,000 20,000 10,000 1,000 4, ,500 木 製 建 具 ガラス 左 官 小 計 電 気 衛 生 空 調 20,000 15,000 13,000 80,000 15,000 20,000 10,000 7,500 15,000 40,000 7,500 10,000

24 実 施 設 計 3-1 実 施 設 計 の 決 定 した 基 本 計 画 に 基 づき 実 施 設 計 構 造 計 算 をします 全 体 架 構 だけでなく 2 次 部 材 外 装 材 ガ ラスサッシなど 仕 上 材 の 設 計 も 構 造 設 計 が 協 力 して 行 います 主 な 実 施 設 計 の 内 容 建 物 全 体 及 び 各 部 分 が 安 全 であることを 裏 付 ける 計 算 書 の 作 成 実 際 に 建 物 を 建 てるため の 設 計 図 の 作 成 意 匠 設 備 担 当 者 と 詳 細 な 寸 法 の 調 整 間 柱 とサッシの 調 和

25 実 施 設 計 3-2 構 造 計 算 1 杭 の 設 計 2 基 礎 の 設 計 3 地 下 床 版 の 設 計 4 地 下 壁 の 設 計 5 柱 梁 の 設 計 6 耐 震 壁 の 設 計 7 柱 梁 接 合 部 の 設 計 8 小 梁 の 設 計 9スラブの 設 計 10 間 柱 の 設 計 11 耐 風 梁 の 設 計 12 庇 の 設 計 13 階 段 の 設 計 14 仕 上 げ 部 材 との 取 り 合 い 15PCa 版 の 設 計 16 設 備 機 器 架 台 の 設 計 17よう 壁 の 設 計 18その 他 建 物 は 杭 太 梁 柱 壁 小 梁 床 等 いくつもの 構 造 部 材 から 成 り 立 っていま す それぞれの 部 材 の 大 きさや 鉄 筋 など を 決 め 計 算 で 確 認 します

26 実 施 設 計 3-3 構 造 計 算 1 杭 の 設 計 計 算 の 一 例 です ビルの 重 量 は コンクリートの 杭 で 地 下 深 くの 堅 い 地 盤 に 支 持 させなければな りません 支 持 地 盤 は 深 さが 一 様 ではなく 1 本 1 本 長 さや 太 さを 検 討 しなければなりません 一 方 で 何 10 本 もの 杭 を 別 々にすると 施 工 ミス を 招 く 原 因 にもなります いくつかのグループに 分 け 安 全 性 経 済 性 そ して 施 工 者 が 間 違 えないような 設 計 が 大 切 です

27 実 施 設 計 3-4 構 造 計 算 (モデル 化 ) 5 柱 梁 の 設 計 ( 構 造 解 析 ) 柱 梁 といった 主 要 部 材 の 設 計 で は 建 物 全 体 をコンピュター 上 で モデル 化 し 解 析 を 行 います コ ンピューター 上 では 大 きな 柱 や 梁 も 両 端 にバネがついた 線 材 要 素 で 表 されます 地 震 力 小 梁 からの 荷 重 スラブからの 荷 重 地 震 力 地 盤 杭 のモデル 化 地 震 力 小 梁 からの 荷 重 地 震 力 地 盤 杭 のモデル 化 スラブからの 荷 重 梁 部 材 モデル 地 盤 杭 のモデル 化 モデル 化

28 実 施 設 計 3-5 構 造 計 算 ( 構 造 解 析 ) 5 柱 梁 の 設 計 コンピューター 上 で 重 力 や 地 震 力 を 加 える ことにより 柱 や 梁 がどのような 状 態 になる かをシミュレーションします 中 小 地 震 では 各 部 材 が 壊 れないこと 大 地 震 には それら が 部 分 的 に 壊 れても 全 体 が 壊 れないことが 最 低 条 件 です この 解 析 により 各 階 の 地 震 力 に 対 する 強 度 ( 保 有 水 平 耐 力 )を 求 めます 幅 が 広 い 部 分 ほど 力 が 集 中 している 事 を 示 しています 柱 や 梁 の 交 差 部 に 近 いほど 幅 が 広 くなっています 60tm 60tm 地 震 力 -70tm 20t 地 震 力 15t 45tm -70tm 20t 地 震 力 -52tm 地 震 力 構 造 解 析

29 実 施 設 計 3-6 構 造 計 算 ( 中 小 地 震 時 : 強 度 の 検 定 ) 5 柱 梁 の 設 計 中 小 地 震 に 対 しては 各 部 材 に 生 じる 力 が 安 全 率 を 含 む 許 容 値 以 内 である こと 各 層 の 変 形 が 許 容 値 以 内 である ことを 確 認 します 地 震 や 台 風 雪 など いろいろな 荷 重 条 件 があるので どの 条 件 が 各 部 材 強 度 を 決 めるかを 判 断 する 必 要 があります 60tm 60tm 地 震 力 地 震 力 20t -70tm 地 震 力 地 震 力 -52tm 15t 45tm -70tm 20t 各 部 材 の 許 容 強 度 構 造 解 析

30 実 施 設 計 3-7 構 造 計 算 ( 大 地 震 時 : 層 の 強 度 の 検 定 ) 耐 震 構 造 では 大 地 震 を 受 けた 後 柱 や 梁 床 にひびわれや 傾 きが 残 ります この ように 多 少 の 損 害 は 出 ても 建 物 が 倒 壊 し ない 強 度 を 保 有 水 平 耐 力 と 呼 びます こ の 強 度 が 建 築 基 準 法 で 決 められた 必 要 強 度 以 上 あることをチェックします 保 有 水 平 耐 力 ( 各 階 の 強 度 ) 必 要 保 有 水 平 耐 力 ( 最 低 必 要 な 強 度 ) 550t > 400t 650t > 450t

31 実 施 設 計 3-8 構 造 計 算 構 造 計 算 ( 実 際 の 計 算 書 ) 計 算 書 は 設 計 図 を 証 明 する 重 要 な 書 類 です

32 実 施 設 計 3-9 構 造 図 の 作 成 構 造 解 析 や 各 部 材 の 計 算 で 決 め た 部 材 寸 法 等 を 施 工 者 に 適 切 に 伝 えるための 構 造 図 を 作 成 します 1コンクリート コンクリートの 各 部 位 における 仕 様 書 : 杭 基 礎 地 下 地 上 部 土 間 2 鉄 筋 の 仕 様 決 定 材 質 検 8 査 柱 方 部 法 材 の リスト 指 示 17 仕 上 げ 部 材 との 取 り 合 い 詳 細 図 3 現 場 打 ちコンクリート コンクリートに 対 9 する 梁 部 特 材 別 リスト な 指 示 18PCa 版 受 け 詳 細 図 4 杭 伏 せ 図 杭 リスト 10 柱 脚 部 詳 細 図 19 設 備 機 器 架 台 詳 細 図 11 小 梁 リスト 5 基 礎 伏 せ 図 基 礎 リスト 20 鉄 骨 詳 細 図 6 一 般 階 伏 せ 図 7 軸 組 み 図 12スラブリスト 13 間 柱 耐 風 梁 リスト 14 階 段 図 15 鉄 筋 コンクリート 詳 細 図 16 庇 の 設 計

33 実 施 設 計 3-10 構 造 図 の 作 成 ( 一 般 階 伏 図 ) 6 一 般 階 伏 図 構 造 部 材 の 平 面 図 を 一 般 的 に 伏 図 と 呼 びます 各 階 の 柱 と 梁 の 部 材 番 号 スラブの 部 材 と 床 の 高 さ を 示 しています

34 実 施 設 計 3-11 構 造 図 の 作 成 ( 梁 部 材 リスト) 9 梁 部 材 リスト 各 部 材 毎 を 各 階 毎 に 両 端 部 と 中 央 に 分 け て 部 材 サイズを 示 して います

35 実 施 設 計 3-12 構 造 図 の 作 成 ( 配 筋 詳 細 図 ) 15 鉄 筋 コンクリート 詳 細 図 鉄 筋 が3 次 元 で 交 わり 力 が 集 中 する 柱 や 梁 の 接 合 部 は 耐 震 設 計 でももっとも 重 要 な 部 分 です 力 の 伝 達 現 場 での 配 筋 コンクリート 打 設 がす べて 上 手 く 行 って 性 能 を 発 揮 できます 構 造 設 計 者 の 経 験 無 しに 決 められない 部 分 です

36 実 施 設 計 3-13 配 筋 詳 細 図 2 15 鉄 筋 コンクリート 詳 細 図 鉄 筋 コンクリート 構 造 の 柱 と 梁 の 接 合 部 の 詳 細 図 と 実 際 の 配 筋 です 部 屋 の 間 取 りな どにより 梁 は 柱 心 に 合 うとは 限 りません 配 筋 の 工 夫 が 必 要 です

37 実 施 設 計 3-14 鉄 骨 詳 細 図 15 鉄 骨 詳 細 図 鉄 骨 構 造 のブレース 接 合 部 詳 細 図 と 実 際 の 写 真 です 高 さやスハ ンの 違 いで 各 節 点 へ のブレースの 角 度 は 違 ってき ます 鉄 筋 詳 細 と 同 様 に 構 造 設 計 の 重 要 なポイントです

38 実 施 設 計 3-15 仕 上 げ 材 設 備 機 器 との 調 整 この 他 にも 意 匠 設 計 設 備 設 計 との 調 整 事 項 を 考 慮 して 図 面 を 作 っていきます 建 築 にとって 安 全 は 大 切 ですが デザイン や 居 心 地 も 同 じくらい 重 要 です その 中 で 最 適 解 が 求 められます その 他 の 項 目 階 段 の 設 計 / 庇 の 設 計 /サイン 看 板 などの 設 計 / 吊 り 材 の 設 計 / 外 壁 の 設 計 / 天 井 の 強 度 確 認 / 各 種 設 備 基 礎 の 設 計 / 設 備 配 管 との 納 まり 調 整 / 設 備 機 器 の 耐 震 設 計 最 低 900mmはないと, 設 計 できないんだけどな~ ここの 梁 せいは 700mmに 抑 えてくれ ないとダクトが 通 らな いのですが ここだけ 天 井 を 少 し 下 げら れないか 検 討 してみます

39 実 施 設 計 3-16 確 認 申 請 設 計 図 建 築 指 導 課 確 認 申 請 書 受 付 構 造 計 算 書 消 防 長 同 意 審 査 構 造 計 算 適 合 性 判 定 設 計 内 容 が 法 律 に 合 っ ているかどうかの 審 査 を 受 けなければなりません この 手 続 きを 建 築 確 認 申 請 といいます 確 認 確 認 済 証 交 付 工 事 着 手

40 工 事 監 理 4 工 事 監 理 1 工 事 監 理 例 ( 構 造 設 計 ) 総 合 図 / 躯 体 図 / 各 種 工 作 図 支 持 地 盤 の 確 認 立 会 い 施 工 計 画 鉄 骨 工 事 計 画 コンクリート 調 合 計 画 型 枠 検 査 配 筋 検 査 他 どんなにすばらしい 架 構 計 画 が できても 建 築 主 が 求 めている ものは 出 来 上 がった 建 築 です 建 築 主 の 信 頼 に 応 えるために 設 計 者 は 鉄 筋 や 鉄 骨 が 設 計 者 の 意 図 どおりに 製 作 施 工 さ れているかを 監 理 する 義 務 があ ります

41 工 事 監 理 4 工 事 監 理 2 工 事 サポート 例 ( 構 造 設 計 ) 施 工 に 伴 う 躯 体 補 強 設 計 施 工 時 の 安 全 性 についての 助 言 施 工 ミスなどによる 補 修 設 計 着 工 後 に 決 まる 仕 上 材 などに 合 わ せた 納 まり 調 整 建 築 主 の 変 更 要 請 に 対 する 対 応 他 工 事 が 設 計 図 どおりであるこ とを 確 認 する 以 外 にも 上 記 のような 設 計 者 判 断 が 必 要 な 項 目 があります 設 計 者 は 工 事 監 理 者 と 協 力 して 施 工 者 をサポートしなければ 建 物 は 出 来 上 がりません

42 工 事 監 理 4 工 事 監 理 3 仕 上 部 材 との 調 整 などの 例 ( 構 造 設 計 ) 実 際 の 工 事 では, 仕 上 げ 部 材 の 下 地 鉄 骨, 設 備 配 管 との 干 渉 など 図 面 レベルでは 気 づか ない 色 々な 調 整 事 項 があり, 構 造 図 どおりに 行 かない 所 だ らけです 設 計 者 は 最 後 まで 現 場 から 目 が 離 せません

43 工 事 やっと 建 物 の です! 写 真 は 屋 根 までを 園 庭 とした 幼 稚 園 の 建 築 です 建 築 家 と 構 造 設 計 者 そして 色 々な 人 が 施 工 に 関 わって 子 供 たちの 笑 顔 いっぱいの 空 間 が 完 成 しました 竣 工 式 の 写 真 や のイメージ イメージに 相 応 しい 写 真

44 まとめ 構 造 設 計 の 絵 解 き:まとめ 1. 基 本 計 画 : 建 築 主 に 構 造 性 能 を 分 かりやすく 伝 え, 求 められる 空 間 を 把 握 する 2. 基 本 設 計 : 求 められているニーズに 対 して, 安 全 で 快 適 な 空 間 を 創 造 具 現 化 する 3. 実 施 設 計 : 創 造 した 空 間 を 現 実 に 作 るための 図 面 作 成 やその 検 証 を 行 う 4. 工 事 監 理 : 図 面 だけでは 伝 達 できない 内 容 を, 施 工 者 と 共 有 し 品 質 を 確 認 する 構 造 設 計 の 内 容 を 少 しは 御 理 解 頂 きましたか? 雨 風 や 地 震 などから 生 活 空 間 を 守 りながら, 快 適 な 空 間 を 創 造 する そして,それが するまでしっかりとサポート する 大 切 な 仕 事 です 出 展 : 日 本 建 築 学 会 編 建 築 の 構 造 設 計 -そのあるべき 姿 (2010 年 8 月 刊 )