目 次 目 次...i 図 表 目 次...vi ケニア シリングの 対 アメリカ ドル 為 替 レート...viii 調 査 地 写 真...ix 序 章 アフリカにおける コミュニティ 主 体 の 保 全...1 第 1 節 研 究 の 背 景 課 題...1 (1) 研 究 の 背 景 : 野

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1 コミュニティ 主 体 の 保 全 を 通 じた 地 元 住 民 と 野 生 動 物 の 共 存 可 能 性 ケニア 南 部 アンボセリ 生 態 系 に 暮 らす マサイの 事 例 から 2011 年 度 東 京 大 学 学 位 論 文 目 黒 紀 夫

2 目 次 目 次...i 図 表 目 次...vi ケニア シリングの 対 アメリカ ドル 為 替 レート...viii 調 査 地 写 真...ix 序 章 アフリカにおける コミュニティ 主 体 の 保 全...1 第 1 節 研 究 の 背 景 課 題...1 (1) 研 究 の 背 景 : 野 生 動 物 保 全 における コミュニティ 主 体 の 保 全... 1 (a) 野 生 動 物 保 全 におけるパラダイム 転 換 (b) 新 パラダイムの 複 数 性 と 共 存 の 忘 却 (c) 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり からの 問 い 直 し (2) 研 究 課 題 :2 つの かかわりの 変 化 に 基 づく 共 存 可 能 性 の 検 討... 6 第 2 節 研 究 の 分 析 視 点...7 (1) 先 行 研 究 レビュー: 野 生 動 物 保 全 におけるパラダイム 転 換 の 内 実...7 (a) 要 塞 型 保 全 (fortress conservation) (b) 統 合 的 保 全 開 発 プロジェクト(integrated conservation and development projects) (c) コミュニティ 主 体 の 保 全 (community-based conservation) (d) コミュニティ 保 全 (community conservation) (e) コミュニティ 主 体 の 自 然 資 源 管 理 (community-based natural resource management (f) ローカル コモンズ 研 究 における 熟 議 複 数 性 志 向 のアプローチ (deliberation-and- plurality-oriented approaches) (2) 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 を 分 析 する 3 つの 視 点...27 (a) 便 益 (b) 権 利 (c) 対 話 (3) 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわりの 変 化 を 分 析 する 2 つの 視 点...38 (a) 狩 猟 (b) 被 害 第 3 節 調 査 方 法...47 i

3 (1) 調 査 地 の 選 定...47 (2) 現 地 調 査 の 方 法...48 第 4 節 本 論 文 の 構 成...48 第 1 章 対 象 民 族 地 域 の 概 要...51 第 1 節 マサイ 社 会 の 概 要...51 (1) マサイの 社 会 構 造 と 生 業...51 (2) ケニア マサイ 社 会 の 変 容...58 (3) キマナ 集 団 ランチの 概 況...61 (a) 社 会 (b) 農 耕 の 拡 大 (c) 共 有 地 分 割 後 の 生 業 第 2 節 ケニアにおける 野 生 動 物 保 全 の 歴 史 的 展 開...67 (1) ケニアの 野 生 動 物 保 全 史...67 (a) 植 民 地 期 (b) 独 立 後 (c) 野 生 動 物 公 社 時 代 (2) 本 論 文 で 取 り 上 げる 事 例 について...75 第 2 章 アンボセリ 生 態 系 における 野 生 動 物 保 全 の 展 開...79 第 1 節 アンボセリ 開 発 計 画 に 至 る 道...79 (1) 植 民 地 支 配 下 における 野 生 動 物 保 全 の 様 相...79 (2) 白 人 研 究 者 の 主 導 による アンボセリ 開 発 計 画 の 成 立...82 (3) 国 立 公 園 建 設 後 の 野 生 動 物 保 全...86 第 2 節 コミュニティ 野 生 動 物 サンクチュアリという 試 み...88 (1) ケニア 野 生 動 物 公 社 による コミュニティ 主 体 の 保 全 の 推 進...88 (2) 経 営 主 体 の 交 代 にともなう 経 済 的 便 益 の 変 化...90 (3) 経 済 的 便 益 の 使 途...93 (4) マネージャー 追 い 出 し 騒 動...95 (a) 地 元 住 民 による 説 明 (b) 会 社 マネージャーによる 説 明 ii

4 第 3 節 コンサーバンシーをめぐる 交 渉...99 (1) 国 際 NGO の 意 図...99 (2) 地 元 集 会 を 通 じた 契 約 締 結 までのプロセス (a) プロジェクト 開 始 期 の 説 明 内 容 (b) 観 光 会 社 との 契 約 をめぐる 議 論 (3) 契 約 直 前 に 生 じた 衝 突 (a) 最 終 確 認 の 場 における 混 乱 (b) 仕 組 まれた 抵 抗 によって 遅 れた 契 約 締 結 (4) 契 約 締 結 後 のコンサーバンシーをめぐるトラブル (a) 二 重 契 約 問 題 (1): 委 員 長 による 私 的 な 観 光 開 発 (b) 二 重 契 約 問 題 (2): 道 路 工 事 会 社 による 採 掘 工 事 (c) 二 重 契 約 問 題 後 の 状 況 第 4 節 サンクチュアリの 新 たな 管 理 経 営 主 体 の 選 択 (1) オフィシャル の 分 裂 (2) 第 3 候 補 の 選 択 を 通 じた 問 題 の 解 決 (3) 会 社 決 定 から 契 約 締 結 まで 第 5 節 利 害 関 係 者 間 での 対 話 状 況 (1) 外 部 者 の 野 生 動 物 保 全 に 関 する 発 言 (2) 地 元 住 民 自 身 による 野 生 動 物 という 存 在 の 整 理 (3) 地 元 住 民 と 外 部 者 の 間 の 意 見 の 応 酬 第 3 章 コミュニティ 主 体 の 保 全 を 通 じた 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 第 1 節 便 益 : 経 済 的 便 益 獲 得 後 の 地 元 住 民 の 認 識 (1) 便 益 基 盤 のアプローチ をめぐる 論 点 (2) アンボセリ 開 発 計 画 に 見 られる 便 益 基 盤 のアプローチ の 可 能 性..128 (3) 地 元 住 民 が 求 める 野 生 動 物 保 全 (a) 便 益 還 元 の 効 果 (b) 野 生 動 物 保 全 の 意 味 (c) サンクチュアリの 成 果 と 野 生 動 物 の 便 益 被 害 (4) 便 益 により 実 現 された 地 域 発 展 の 意 味 第 2 節 権 利 : 私 的 土 地 所 有 者 としての 地 元 住 民 の 行 為 (1) 権 利 基 盤 のアプローチ を 踏 まえた 議 論 の 可 能 性 iii

5 (2) 私 的 土 地 所 有 権 獲 得 後 の 生 業 (3) 地 元 住 民 の 生 業 戦 略 (a) 農 牧 混 合 を 続 ける 長 老 (1) (b) 農 牧 混 合 を 続 ける 長 老 (2) (c) 脱 遊 牧 化 する 若 者 (d) 教 師 を 目 指 す 若 者 (e) 観 光 業 を 起 業 した 男 性 (f) 観 光 業 に 従 事 する 男 性 (4) 地 元 住 民 にとっての 観 光 業 と 野 生 動 物 から 便 益 を 得 るための 実 行 能 力 (5) 権 利 獲 得 に 伴 う 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 第 3 節 対 話 : 繰 り 返 される 集 会 の 成 果 (1) 熟 議 的 プロセスの 可 能 性 と 危 険 性 (2) 対 話 の 空 間 への 住 民 参 加 の 変 化 (3) 対 話 の 諸 争 点 をめぐる 地 元 住 民 と 外 部 者 の 態 度 (a) 便 益 と 被 害 の 争 点 化 (b) HWC の 根 本 的 理 由 をめぐる 認 識 の 齟 齬 (c) 保 全 観 のズレにまつわる 争 点 (4) 対 話 空 間 の 真 正 性 (1):インフォーマルな 場 における 説 明 (a) 農 牧 混 合 を 続 ける 長 老 (1) (b) 農 牧 混 合 を 続 ける 長 老 (2) (c) 脱 遊 牧 化 する 若 者 (d) 教 師 を 目 指 す 若 者 (e) 観 光 業 を 起 業 した 男 性 (f) 観 光 業 に 従 事 する 男 性 (g) 小 括 (5) 対 話 空 間 で 展 開 される 言 説 の 真 正 性 (2): 野 生 動 物 が 意 味 する 種 類 第 4 節 かかわりの 変 化 : 便 益 を 起 点 とする 変 化 の 連 鎖 の 両 義 性 (1) 便 益 権 利 対 話 の 連 鎖 (2) 地 域 発 展 面 での 貢 献 と 野 生 動 物 保 全 の 忘 却 第 4 章 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわりの 変 化 からの 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 の 再 検 討 第 1 節 キマナにおける 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわりの 変 化 (1) 新 パラダイムにおける 便 益 とかかわりの 位 置 付 け (2) 牧 畜 民 としての 野 生 動 物 とのかかわり iv

6 (a) ライオン 狩 猟 と 祝 宴 (b) マサイにとっての 狩 猟 の 意 味 (c) 狩 猟 と 回 避 を 通 じて 形 成 される 距 離 と 緊 張 感 を 伴 う 共 存 (3) 今 日 のキマナにおける 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり (a) 農 耕 開 始 後 の 地 元 住 民 の 被 害 認 識 (b) 狩 猟 の 停 止 に 伴 う 野 生 動 物 の 行 動 の 変 化 (4) 野 生 動 物 は 第 2 のウシ という 言 説 第 2 節 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわりの 変 化 からの 再 検 討 (1) 野 生 動 物 保 全 の 外 来 的 定 義 (2) 管 理 としての 狩 猟 の 可 能 性 (3) アンボセリにおける 共 存 対 象 としてのアフリカゾウ (4) 牧 畜 民 か 農 牧 民 か 終 章 コミュニティ 主 体 の 保 全 を 通 じた 地 元 住 民 と 野 生 動 物 の 共 存 の 可 能 性 第 1 節 前 章 までのまとめ 第 2 節 コミュニティ 主 体 の 保 全 を 通 じた 共 存 の 可 能 性 (1) コミュニティ 主 体 の 保 全 における 自 然 なつながり (2) 自 然 なつながり の 本 質 主 義 的 側 面 (3) 狩 猟 再 興 の 可 能 性 (a) 技 術 知 識 (b) 生 業 (c) 社 会 (d) 心 理 (4) 共 存 の 作 法 としての コミュニティ 主 体 の 保 全 第 3 節 今 後 の 課 題 (1) 複 眼 的 歴 史 的 分 析 を 通 じたローカルな プロセスの 記 述 の 試 み (2) 共 存 志 向 から 分 断 容 認 への 転 換 (3) コミュニティ/ 地 域 を 超 える トランスローカル な 野 生 動 物 保 全 参 照 文 献 一 覧 謝 辞 v

7 図 表 目 次 図 0-1 CBNRM の 諸 活 動 と 保 全 の 便 益 のつながり...19 図 1-1 マサイの 地 域 集 団...41 図 1-2 ロイトキトク 県...53 図 1-3 アンボセリ 国 立 公 園 における 年 間 降 水 量 (1973~99)...54 図 1-4 ケニアおよびアンボセリにおける 野 生 動 物 保 全 の 展 開...68 図 2-1 アンボセリ 生 態 系 における 水 開 発...71 図 年 3 月 における 野 生 動 物 の 分 布...74 図 2-3 アンボセリ 生 態 系 におけるアフリカゾウの 個 体 数...78 図 2-4 キリマンジャロ 重 要 地 域...90 図 つの 要 素 の 結 果 と 関 係 性 図 4-1 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわりの 変 化 図 4-2 アンボセリ 国 立 リザーブの 記 章 表 0-1 CC の 諸 アプローチといくつかの 鍵 となる 特 徴...13 表 0-2 害 獣 に 対 する 寛 容 度 を 形 作 る 諸 要 因...36 表 1-1 マサイの 社 会 空 間 組 織 の 概 要...44 表 1-2 図 1-2 中 の 各 地 域 の 面 積 登 録 メンバー 数...53 表 1-3 家 畜 の 所 有 規 模...57 表 2-1 ケニアの 主 な 国 立 公 園 リザーブの 入 場 者 数...81 表 つの 管 理 経 営 主 体 の 下 でのサンクチュアリの 便 益...83 表 3-1 サンクチュアリ 新 設 に 賛 成 / 反 対 する 理 由 表 3-2 サンクチュアリの 成 果 表 3-3 サンクチュアリの 建 設 目 的 表 3-4 ゾウに 関 する 意 見 表 3-5 取 り 組 まれるべき 保 全 活 動 表 3-6 保 全 を 担 うべき 主 体 表 3-7 世 帯 レベルの 受 益 感 と 野 生 動 物 の 評 価 の 関 係 表 3-8 農 耕 の 開 始 年 表 3-9 農 地 で 雇 用 される 民 族 表 3-10 開 発 プログラムへの 地 元 住 民 の 参 加 のあり 方 表 3-11 地 元 住 民 による 被 害 の 争 点 化 表 3-12 共 存 可 能 / 不 可 能 な 野 生 動 物 の 種 類 表 4-1 マサイの 野 生 動 物 利 用 表 4-2 アンボセリ 国 立 公 園 における 植 生 の 変 化 表 4-3 地 域 発 展 のために 必 要 なもの vi

8 ケニア シリングの 対 アメリカ ドル 為 替 レート 参 考 表 ケニアシリング(Ksh.)の 対 アメリカ ドル(US$) 為 替 レート 年 為 替 レート (Ksh., =US$ 1) 出 典 :IMF IFS CD-ROM 外 務 省 ウェブ サイト (http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisak u/enjyo/kenya_tk.html) Wikipediaウェブ サイト (http://en.wikipedia.org/wiki/tables_of_historica l_exchange_rates_to_the_usd#references) vii

9 調 査 地 写 真 アンボセリ 国 立 公 園 の 風 景 (アンボセリ 沼 周 辺 にいたゾウ 2008 年 8 月 9 日 筆 者 撮 影 ) アンボセリ 国 立 公 園 の 風 景 ( 上 と 同 じ 場 所 にいたシマウマとヌー 08 年 8 月 9 日 筆 者 撮 影 ) viii

10 アンボセリ 国 立 公 園 の 風 景 ( 沼 から 離 れた 場 所 で 望 遠 を 使 わずに 点 在 するシマウマを 撮 影 したもの 04 年 10 月 26 日 筆 者 撮 影 ) アンボセリ 国 立 公 園 に 並 ぶ 観 光 客 の 車 ( 屋 根 が 開 き 立 って 野 生 動 物 を 見 ることができる 08 年 8 月 9 日 筆 者 撮 影 ) ix

11 キマナ 町 ( 舗 装 道 路 電 線 は 2009~10 年 にかけて 開 通 10 年 7 月 24 日 筆 者 撮 影 ) キマナ 町 の 定 期 市 ( 背 後 はキリマンジャロ 山 06 年 4 月 25 日 筆 者 撮 影 ) x

12 キマナ 町 の 定 期 家 畜 市 (キマナ 以 外 の 集 団 ランチから 集 まる 人 びとの 場 合 洋 服 ではなく 布 を 身 にまとっている 人 が 多 い 06 年 4 月 25 日 筆 者 撮 影 ) キマナ 町 周 辺 の 道 路 ( 舗 装 工 事 が 行 われる 前 の 状 態 07 年 10 月 25 日 筆 者 撮 影 ) xi

13 マサイの 集 落 ( 伝 統 的 な 土 壁 草 葺 きの 家 屋 がいくつか 見 られる 集 落 08 年 2 月 27 日 筆 者 撮 影 ) 家 屋 を 作 る 女 性 ( 形 や 屋 根 のトタンは 伝 統 的 ではないが 木 の 柱 枝 を 組 んだ 上 に 土 と 牛 糞 を 混 ぜたもので 壁 を 作 っていくやり 方 は 伝 統 的 である 09 年 7 月 9 日 筆 者 撮 影 ) xii

14 結 婚 式 に 参 加 する 地 元 住 民 ( 髪 を 赤 く 染 めているのは 戦 士 の 証 明 であり ビーズ アクセ サリを 全 員 が 身 に 付 けている 06 年 11 月 11 日 筆 者 撮 影 ) 結 婚 式 での 調 理 風 景 ( 大 人 数 の 料 理 を 調 理 するため 家 屋 外 に 調 理 場 が 作 られている 06 年 11 月 11 日 筆 者 撮 影 ) xiii

15 ウシの 解 体 ( 結 婚 式 でと 殺 されたウシを 各 部 位 に 分 けている 06 年 11 月 11 日 筆 者 撮 影 ) ウシの 調 理 ( 上 で 分 けられた 各 部 位 を 木 の 枝 で 固 定 し 焼 いている 06 年 11 月 11 日 撮 影 ) xiv

16 乾 季 の 放 牧 風 景 (ヤギ ヒツジの 群 れを 成 人 男 性 が 放 牧 これらの 放 牧 が 行 われているの はキマナ 集 団 ランチ 内 でも 放 牧 地 として 分 割 された 土 地 である 08 年 2 月 27 日 筆 者 撮 影 ) 乾 季 の 放 牧 風 景 (ウシの 群 れを 数 人 の 児 童 が 放 牧 06 年 10 月 25 日 筆 者 撮 影 ) xv

17 乾 季 の 放 牧 風 景 ( 家 畜 の 餌 となるアカシア Acacia Tortilis の 実 を 牧 童 の 尐 年 が 落 としている 10 年 8 月 10 日 筆 者 撮 影 ) 雨 季 の 放 牧 風 景 ( 乾 季 に 比 べて 地 表 に 緑 が 多 い 08 年 11 月 10 日 筆 者 撮 影 ) xvi

18 壊 れた 給 水 場 ( 地 下 の 水 道 管 から 水 が 漏 れたことで 牧 草 が 一 時 的 に 生 えている 06 年 10 月 27 日 筆 者 撮 影 ) 雨 季 の 降 雨 後 (まとまった 雨 が 降 ると 地 表 はこのような 状 態 に 06 年 5 月 8 日 筆 者 撮 影 ) xvii

19 キマナ 川 ( 撮 影 時 は 雨 季 が 本 格 的 には 始 まっておらず 水 量 は 乾 季 のそれに 近 いと 思 われる 06 年 11 月 11 日 筆 者 撮 影 ) キマナ 町 近 くの 泉 ( 撮 影 は 乾 季 だが 一 年 中 このように 水 を 湛 えている 日 常 的 に 周 囲 の 人 びとが 水 汲 みや 家 畜 の 水 遣 りで 訪 れる 08 年 2 月 23 日 筆 者 撮 影 ) xviii

20 灌 漑 水 路 (AWF の 援 助 により 最 近 に 舗 装 されたもの キマナ 町 を 中 心 として 張 り 巡 らされ ている 08 年 10 月 30 日 筆 者 撮 影 ) 灌 漑 水 路 から 水 を 組 む 子 どもたち(ここに 見 られるような 容 器 が 一 般 的 に 水 汲 み 貯 蔵 に 使 われている 09 年 7 月 12 日 筆 者 撮 影 ) xix

21 灌 漑 されたばかりの 農 地 ( 農 耕 民 族 が 耕 しているタマネギ 畑 で 苗 の 植 え 付 けには 20 人 ほど の 人 間 が 日 雇 いされていた 05 年 1 月 8 日 筆 者 撮 影 ) マサイの 農 地 ( 第 3 章 以 降 で 紹 介 する K の 農 地 05 年 1 月 18 日 筆 者 撮 影 ) xx

22 マサイの 農 地 ( 上 と 同 じ K の 農 地 を 乾 季 に 撮 影 したものだが 奥 にはメイズ 手 前 にはイ ンゲンマメが 育 っている 08 年 8 月 26 日 筆 者 撮 影 ) トマトの 集 荷 (K の 農 地 で 収 穫 されたトマトで 最 終 的 にはナイロビに 運 ばれて 売 られるとい う これよりも 大 きなトラックが 集 荷 に 用 いられることも 多 い 05 年 1 月 15 日 筆 者 撮 影 ) xxi

23 ゾウに 荒 らされた 農 地 ( 最 も 一 般 的 な 農 作 物 であるメイズをゾウは 好 むといわれる 08 年 8 月 29 日 筆 者 撮 影 ) ゾウに 荒 らされた 農 地 ( 農 地 に 見 える 凹 みはゾウの 足 跡 家 屋 が 農 地 のすぐ 脇 にある 08 年 9 月 11 日 筆 者 撮 影 ) xxii

24 集 落 近 辺 に 現 れたシマウマ( 人 間 を 見 ても 特 に 逃 げたりはしない 08 年 3 月 2 日 筆 者 撮 影 ) 水 場 に 落 ちているゾウの 糞 ( 日 常 的 に 地 元 住 民 とその 家 畜 が 利 用 しているキマナ 町 近 くの 水 場 には 真 新 しいゾウの 糞 が 落 ちていた 09 年 1 月 12 日 筆 者 撮 影 ) xxiii

25 キマナ サンクチュアリ(ゼブラ ロッジの 受 付 建 物 8 年 10 月 30 日 筆 者 撮 影 ) キマナ サンクチュアリ(ゼブラ ロッジ 内 の 観 光 客 用 宿 泊 施 設 ダブルが 基 本 で 中 には ベッドとシャワー トイレなどが 設 置 されている 08 年 10 月 30 日 筆 者 撮 影 ) xxiv

26 キマナ サンクチュアリ(レオパルド ロッジの 受 付 建 物 08 年 9 月 20 日 筆 者 撮 影 ) キマナ サンクチュアリ(レオパルド ロッジ 内 の 観 光 局 が 宿 泊 する 施 設 08 年 9 月 20 日 筆 者 撮 影 ) xxv

27 キマナ サンクチュアリ( 右 は 1996 年 2 月 28 日 にオープンしたことを 記 した 碑 左 はオ ープン 年 に 英 国 旅 行 作 家 組 合 から 送 られた 記 念 碑 06 年 5 月 3 日 筆 者 作 成 ) キマナ サンクチュアリのセスナ(ASC が 購 入 したものでモンバサとの 間 を 往 復 している 08 年 2 月 22 日 筆 者 撮 影 ) xxvi

28 外 部 者 との 集 会 (AWF がキマナ 町 近 くで 開 いた 集 会 の 様 子 08 年 2 月 28 日 筆 者 撮 影 ) 外 部 者 との 集 会 (KWS と AWF がコンサーバンシーの 委 員 会 との 間 で 開 いた 集 会 の 様 子 11 年 3 月 9 日 筆 者 撮 影 ) xxvii

29 壊 れた 電 気 柵 ( 電 線 が 破 断 し 柱 が 倒 されたまま 数 年 にわたって 放 置 されているキマナ 電 気 柵 の 一 部 08 年 3 月 3 日 筆 者 撮 影 ) 壊 れた 電 気 柵 (キマナ 川 の 近 くに 建 てられた 電 気 柵 が 洗 濯 物 を 干 すために 使 われていた 08 年 9 月 20 日 筆 者 撮 影 ) xxviii

30 共 有 地 分 割 の 地 図 ( 土 地 測 量 師 が 作 成 したもの 08 年 9 月 20 日 筆 者 撮 影 ) 共 有 地 分 割 の 地 図 ( 一 部 を 拡 大 して 撮 影 したもの 区 画 番 号 に 加 えてそれらの 各 辺 の 長 さ も 書 きこまれている 08 年 9 月 20 日 筆 者 撮 影 ) xxix

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32 序 章 アフリカにおける コミュニティ 为 体 の 保 全 第 1 節 研 究 の 背 景 課 題 (1) 研 究 の 背 景 : 野 生 動 物 保 全 における コミュニティ 为 体 の 保 全 (a) 野 生 動 物 保 全 におけるパラダイム 転 換 一 般 に スウェーデン 王 国 のストックホルムで 1972 年 に 開 催 された 国 連 人 間 環 境 会 議 (United nations Conference on the Human Environment) において 環 境 が 国 際 的 なイシュ ーとして 浮 上 し(Sacks, 1992=1996: 45) その 20 年 後 にブラジル 連 邦 共 和 国 のリオ デ ジ ャネイロにおいて 開 かれた 環 境 と 開 発 に 関 する 国 連 会 議 (United Nations Conference on Environment and Development) では 生 物 多 様 性 条 約 が 承 認 されたことで 生 物 多 様 性 保 全 に 向 けたグローバルな 取 り 組 みの 緊 急 的 な 必 要 性 が 認 められることになった( 赤 嶺, 2007: 279) この 流 れの 中 で 野 生 動 物 保 護 のグローバル 化 ( 池 谷, 2008: 297)も 進 行 しており 1 アフリカにおいては アフリカゾウ(Loxodonta africana, 以 下 ゾウ)やクロサイ(Diceros bicornis) シロサイ(Ceratotherium simum) ライオン(Panthera leo)あるいはゴリラ(gorilla gorilla) チンパンジー(Pan troglodytes)といった 先 進 国 の 人 間 に 野 生 を 連 想 させる ような 大 型 哺 乳 類 や 絶 滅 危 惧 種 を 中 心 に 野 生 動 物 保 全 が 実 施 されてきた 今 日 アフリカ の 多 くの 国 において 野 生 動 物 保 全 は 国 家 が 制 定 する 公 的 な 法 制 度 を 前 提 に 近 代 的 な 科 学 技 術 を 駆 使 する 形 で 取 り 組 まれているが それは 20 世 紀 後 半 以 降 の 西 欧 列 強 諸 国 による 植 民 地 化 を 契 機 としている ただし 植 民 地 時 代 の 野 生 動 物 保 全 はナショナル( 植 民 地 政 府 )がローカル( 地 元 アフ リカ 人 コミュニティ)を 一 方 的 に 管 理 するという 単 純 な 構 造 ではなかった アフリカ 大 陸 に 暮 らす 人 びとの 社 会 に 共 通 する 特 性 として 峯 (2010: 9)は 移 動 性 を 挙 げるが ロー カル レベルには 複 数 のアフリカ 系 の 先 住 民 がいることも 珍 しくない 一 方 で 保 全 を 実 行 する 中 央 派 遣 の 行 政 官 以 外 にも 白 人 入 植 者 がいたりする 訳 であり 保 全 の 法 制 度 はそれら の 人 びとの 関 係 の 中 で 弾 力 的 に 運 用 される 場 合 も 珍 しくなかった また ナショナルなレ ベルで 植 民 地 政 府 によって 決 定 される 保 全 政 策 についても 宗 为 国 本 国 の 政 府 国 民 だけ でなく 周 囲 のヨーロッパ 諸 国 の 政 府 人 びとの 思 惑 も 強 く 関 係 していた そうした 意 味 1 赤 嶺 (2007: 279)は グローバル( 全 球 ) 化 時 代 の 特 徴 は モノや 資 本 人 情 報 などが こ れまでにない 速 さで 地 球 上 を 行 き 交 うことだと 説 明 される くわえて さまざまな 分 野 でグロ ーバル スタンダード( 世 界 標 準 基 準 )が 設 けられ ローカルな 制 度 が 淘 汰 されつつあることも 全 球 化 時 代 の 特 徴 である と 述 べている また 池 谷 (2008: )はアメリカ 式 の 国 立 公 園 制 度 と 国 連 教 育 科 学 文 化 機 関 (United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization, UNESCO) が 指 定 する 世 界 遺 産 制 度 その 中 でも 特 に 自 然 遺 産 が 自 然 保 護 動 物 保 護 を 考 え る 際 の 世 界 の 常 識 になりつつあるのが 現 状 である としている ただし 両 者 ともに そうした グローバル スタンダードを 一 方 的 に 押 し 付 けることを 批 判 しており 世 界 各 地 に 見 られる 多 様 な 資 源 利 用 者 の 文 化 ( 赤 嶺, 2007: 280)や 動 物 と 人 間 との 共 存 関 係 ( 池 谷, 2008: 318)に 踏 まえて それぞれの 地 域 に 適 した 自 然 資 源 管 理 / 野 生 動 物 保 全 を 構 想 することが 必 要 だと 指 摘 している 1

33 で アフリカの 野 生 動 物 保 全 は 当 初 から 重 層 性 を 備 えていたということができる 後 述 す る 野 生 動 物 保 全 のパラダイム 転 換 によって コミュニティ 为 体 が 志 向 されるようになっ た 今 日 では 保 全 に 関 与 する 利 害 関 係 者 間 の 関 係 性 はより 複 雑 度 を 増 しているが ローカ ルからグローバルに 至 るさまざまなスケールに 跨 って 多 様 な 利 害 関 係 者 が 互 いに 影 響 を 及 ぼし 合 い 交 渉 し 合 いながら 取 り 組 まれている 点 で 変 わりはない(Davies et al. eds., 2007; Fabricius et al. eds., 2004; Gibson, 1999; Hulme and Murphree eds., 2001; 岩 井, 2009; Neumann, ; 西 崎, 2009; Steinhart, 2006; Suich et al. eds., 2009, 安 田, 2010) そうした 中 で 1990 年 代 には 野 生 動 物 保 全 の 分 野 でパラダイム 転 換 が 生 じたとされる 2 旧 パラダイムは 一 般 的 に 要 塞 型 保 全 (fortress conservation) あるいは 柵 と 罰 金 (fences and fines) アプローチなどと 呼 ばれる それは 守 るべき 自 然 を 保 存 (preservation) 3 するた めに それを 要 塞 のように 柵 などで 物 理 的 に 囲 い 込 み そこに 不 法 侵 入 し 破 壊 的 行 為 を 行 う 地 元 住 民 に 対 しては 罰 金 を 科 し 処 罰 することで 排 除 しようとするアプロー チである(Adams and Hulme, 2001: 10-12; Wells et al., 1992: 1) これに 対 して 野 生 動 物 保 全 の 新 パラダイムとして Western and Wrights eds.(1994)が 提 起 したのが コミュニティ 为 体 の 保 全 (community- based conservation, 以 下 CBC) である CBC は 人 間 と 自 然 の 共 存 を 究 極 的 な 目 標 とするが 具 体 的 には 保 全 の 費 用 を 負 担 している 人 びとに 注 目 することに より トップ ダウンで 中 央 为 導 の 保 全 を 引 っくり 返 す(reverse top-down, centre-driven conservation by focusing on the people who bear the cost of conservation) ことを 意 図 している (Western and Wright, 1994: 7) 別 の 表 現 としては CBC は 地 元 コミュニティによる [ 地 元 コミュニティ] 4 のための [ 地 元 コミュニティ]とともに 行 う 自 然 資 源 あるいは 生 物 多 様 性 の 保 護 (natural resources or biodiversity protection by, for, and with the local community) を 意 味 している(Western and Wright, 1994: 7) 5 2 Western(2003)だけでなく これ 以 降 本 文 で 取 り 上 げる 諸 文 献 からも 明 らかなように(Child ed., 2004; Hulme and Murphree eds., 2001l Wells et al., 1992; Western and Wright eds., 1994) 新 パラダ イムの 基 礎 となる 実 践 的 な 活 動 は 1960 年 代 から 試 みられており パラダイム 転 換 の 以 前 から 要 塞 型 保 全 の 限 界 とそれに 代 わる 新 たなアプローチの 必 要 性 を 理 解 している 白 人 も 尐 なからずい たことになる ただし そうした コミュニティ 为 体 志 向 のアプローチが 具 体 的 に 野 生 動 物 保 全 の 新 パラダイム と 位 置 付 けられ それを 明 示 的 に 標 榜 するような 取 り 組 みが 広 く 見 られる ようになったのは 本 稿 で 取 り 上 げる 諸 概 念 が 明 確 に 提 起 される 90 年 代 以 降 だといえる 3 環 境 倫 理 学 者 の 鬼 頭 (1996: 40)によれば 保 存 とは からの 保 護 を 意 味 している 生 物 の 特 定 の 種 や 原 生 自 然 を 損 傷 や 破 壊 から 人 間 のためというよりも むしろ 人 間 の 活 動 を 規 制 しても 保 護 しようという 考 え を 意 味 する そして この 保 存 に 対 置 される 語 として 保 全 (conservation) があり それは にそなえた 節 約 というように 最 終 的 には 人 間 の 将 来 の 消 費 のために 天 然 資 源 を 保 護 するということ を 意 味 する( 鬼 頭, 1996: 40) この 定 義 に 従 えば 要 塞 型 保 全 はあくまで 保 存 であって 保 全 ではないことになる ただし 本 研 究 が 参 照 する 先 行 研 究 においては 後 述 する CC が 端 的 に 論 じているように 自 然 の 本 質 的 価 値 に 基 づ く 原 生 的 自 然 の 保 護 ( 保 存 )も 保 全 に 含 まれるものとして 議 論 が 蓄 積 されている そこで 本 研 究 では 保 存 も 保 全 に 含 まれるものとして 議 論 を 進 めてゆく 4 以 下 鍵 括 弧 ( )で 示 される 文 献 からの 直 接 引 用 や 調 査 対 象 者 の 語 りへの 中 に 挿 入 された 大 括 弧 ([]) 内 の 言 葉 は 筆 者 による 注 記 を 意 味 する 5 自 然 科 学 的 な 立 場 からすると 本 研 究 も 含 めた CBC CC CBNRM の 議 論 は 野 生 動 物 の 個 体 数 を 直 接 に 保 全 するための 方 策 を 具 体 的 に 論 じていない 点 で 保 全 (の 議 ) 論 と 呼 ぶことに 違 和 感 を 持 たれるかもしれない しかし 人 間 と 自 然 を 二 分 法 的 に 分 離 して 考 えることがいかに 非 2

34 (b) 新 パラダイムの 複 数 性 と 共 存 の 忘 却 CBC の 概 念 化 に 際 しては 1960 年 代 以 降 に 世 界 中 で 取 り 組 まれてきた 住 民 参 加 /コミュ ニティ 为 体 を 志 向 する 自 然 保 護 の 事 例 が 参 照 されており それらの 分 析 を 踏 まえた 理 論 構 築 に 加 えて 推 薦 事 項 (recommendations) (Wright, 1994)や いくつかの 大 きな 課 題 (a few big challenges) (Western et al., 1994)も 列 挙 されている 6 とはいえ それがパラダイムと して 受 け 入 れられ 実 践 の 機 会 が 増 加 する 中 では 事 例 研 究 も 積 み 重 ねられてきた 90 年 代 も 後 半 になると その 理 論 面 実 施 面 での 問 題 点 や 修 正 すべき 点 がさまざまに 指 摘 されるよ うになっており 例 えば Agrawal and Gibson(1999: 630)は CBC の 核 であるところの コ ミュニティ(communities) 概 念 について それを 小 規 模 な 空 間 的 単 位 として 均 質 的 な 社 会 構 造 として 共 有 された 規 範 として(as a small spatial unit, as a homogenous social structure, and as shared norms) 想 定 することの 危 険 性 を 指 摘 しており 7 Hackel(1999: 731)は 民 为 为 義 を 掲 げる CBC が 野 生 動 物 の 保 全 を 最 上 位 目 標 に 置 く 限 り 広 範 な 土 地 を 生 息 地 として 必 要 とする 野 生 動 物 を 保 全 するために 地 元 住 民 の 土 地 利 用 を 非 民 为 的 な 形 で 制 限 せざるを 得 ない 点 を 指 摘 している また Hulme and Murphree(1999)は CBC を 超 える 新 たな 概 念 として 持 続 可 能 性 や 新 自 由 为 義 といった 当 時 においては 新 しいアイデアを 取 り 入 れるこ とで 新 しい 保 全 (new conservation) を 提 起 している そして 新 しい 保 全 の 発 展 形 として Hulme and Murphree eds.(2001)において コミュニティ 保 全 (community conservation, 以 下 CC) が 構 想 されており そこでは CBC も 含 めた 多 様 な コミュニティ 为 体 の アプローチを 包 摂 することが 企 図 されている パラダイム 転 換 の 内 容 と 是 非 新 パラダイムに 基 づく 取 り 組 みの 評 価 がさまざまに 議 論 される 中 では CBC の 定 義 自 体 が 研 究 者 で 異 なる 場 合 もあれば(Barrow and Murphree, 2001; Western and Wright, 1994) 同 じ 取 り 組 みが 異 なる 名 称 のアプローチの 事 例 として 言 及 される ことも 起 きている(Barrett and Arcese, 1995; Metcalfe, 1994; Taylor, 2009) 確 かに CBC を 名 乗 る 取 り 組 みが 現 実 に 機 能 していないとして 要 塞 型 保 全 への 回 帰 を 为 張 する 論 者 は 存 在 しており(Oates, 1999=2006) 要 塞 型 保 全 の 典 型 例 である 国 立 公 園 の 数 が 減 尐 傾 向 に ある 訳 でもない 8 しかし 大 多 数 の 研 究 者 は コミュニティ 为 体 の 路 線 を 維 持 すること 現 実 的 であるかは 保 全 生 物 学 (conservation biology)においても 指 摘 されている 訳 であり(Primack, = ) 本 研 究 (が 参 照 する 先 行 研 究 )もまた 保 全 論 の 重 要 な 一 区 画 を 占 め るものと 考 えられる 6 推 薦 事 項 は 文 化 参 加 資 源 の 所 有 権 政 策 制 度 技 能 知 識 の 移 転 ドナー 地 域 (ア フリカ アジア ラテン アメリカ 開 発 途 上 国 の 各 項 から 成 る)の 各 項 目 に 即 して 3~7 個 の 事 項 が 挙 げられており 課 題 についても 生 態 経 済 南 の 価 値 北 の 倫 理 (values of the South, ethics of the North) 政 策 のそれぞれについて 記 述 があるが 詳 細 はここでは 割 愛 する 7 これへの 対 処 法 として Agrawal and Gibson(1999: )は コミュニティ(とされるもの の) 内 部 の 非 均 質 性 と コミュニティ 内 部 で 繰 り 広 げられる 日 常 的 な 種 々の 行 為 そしてコミュ ニティ 内 部 だけでなくその 外 に 展 開 されている 制 度 に 着 目 することで 神 話 的 な(mythic) CBC の 想 定 を 克 服 すべきとしている 8 本 研 究 の 調 査 対 象 地 域 に 位 置 しているアンボセリ 国 立 公 園 (Amboseli National Park)をめぐっ ては 2005 年 に 当 時 の 大 統 領 が 国 立 公 園 を 国 立 リザーブ(national reserve)に 格 下 げ しよう としたものの 多 数 の 野 生 動 物 保 全 NGO の 反 対 に 遭 うという 事 態 が 生 じた 格 下 げ が 実 現 す れば 保 護 区 の 管 轄 権 はケニア 全 土 の 保 護 区 野 生 動 物 を 管 轄 する 公 社 ( 今 日 では 中 央 省 庁 から 3

35 を 支 持 しており 9 各 国 の 政 策 目 標 としても 住 民 参 加 や コミュニティ 为 体 といった 新 パラダイムに 即 した 事 項 が 打 ち 出 されることの 方 が 一 般 的 といえる とはいえ コミュ ニティ 为 体 という 言 葉 で 言 い 表 される 内 容 は 1 つの 理 論 体 系 へと 収 束 しておらず 新 パ ラダイムと 呼 び 得 る 1 つの 確 固 たるアプローチが 成 立 しているといい 難 いのも 事 実 である (Berkes, 2007; Brown, 2003; Child, 2004b; 2009e; Fabricius et al., 2004; Goldman, 2003; Hackel, 1999; Hulme and Murphree, 2001a; Jones and Murphree, 2004; Newmark and Hough, 2000) アフリカ 野 生 動 物 保 全 の 文 脈 においては 1999 年 に 考 案 された 新 しい 保 全 以 降 新 自 由 为 義 的 な 保 全 アプローチの 議 論 が 増 加 しているが(Child ed., 2004; Hulme and Murphree eds., 2001; Suich et al. eds., 2009) Western and Wright eds.(1994)が 提 起 しているオリジナル な CBC 概 念 とそれらの 新 たなアプローチの 間 には 根 本 的 な 差 異 も 見 られる それは CBC を 嚆 矢 とする 新 パラダイムを 標 榜 して 現 実 に 取 り 組 まれているプロジェクトの 多 くが 便 益 基 盤 のアプローチ(benefit-based approaches) (Kideghesho et al., 2007: 2214)という 言 葉 で 括 られるのに 対 して 2000 年 代 に 示 されてきた 新 自 由 为 義 的 な コミュニティ 为 体 の 自 然 資 源 管 理 (community- based natural resource management, 以 下 CBNRM) が 権 利 基 盤 のアプローチ(a rights-based approach) を 自 称 している 点 に 象 徴 的 に 現 れている 南 部 ア フリカ 諸 国 における 取 り 組 みを 事 例 とする CBNRM の 枞 組 みでは 野 生 動 物 から 経 済 的 便 益 を 獲 得 するための 手 段 として 市 場 が 重 要 視 されており 野 生 動 物 は 市 場 価 格 に 応 じて 土 地 所 有 者 によって 適 切 に 管 理 され 消 費 的 に 利 用 販 売 される(べき) 商 品 である(Child, 2004b; 2009e; Jones and Murphree, 2004) そこでは CBC が 当 初 の 議 論 において 目 標 としてい た 人 間 と 野 生 動 物 の 共 存 という 視 点 は 全 く 失 われている ただし 共 存 という 視 点 の 欠 落 は 必 ずしも 新 自 由 为 義 的 なアプローチを 採 ったが 故 の 問 題 ということではない CBNRM ではなく CBC を 为 に 参 照 して 実 践 される 便 益 基 盤 の アプローチ の 事 例 研 究 の 多 くにおいては 経 済 的 便 益 を 還 元 することで 地 元 住 民 の 野 生 動 物 保 全 や 政 府 機 関 公 的 保 護 区 への 意 見 がいかに 肯 定 的 なものへと 変 化 したかが 検 討 さ れているが(Holmes, 2003; Kideghesho et al., 2007) そこにおいては 地 元 住 民 と 野 生 動 物 の 共 存 が 可 能 となっているのかという 点 についての 分 析 は 展 開 されずにいる 例 えば Gadd (2005: 59)は 同 一 民 族 でも 従 事 する 生 業 が 異 なれば 害 獣 への 寛 容 度 に 差 があることを ま た Infield(1988: 39-44)は 世 帯 の 近 代 化 10 や 公 教 育 の 就 学 度 合 いが 野 生 動 物 保 全 への 意 見 に 差 を 生 じさせることを 明 らかにしている けれども 定 量 的 調 査 に 基 づくそれらの 議 論 の 束 縛 が 強 く 実 態 としては 半 官 半 民 というよりも 官 に 近 い)から 県 議 会 に 移 る 訳 であり 尐 な くとも 経 済 的 便 益 の 権 限 移 譲 は 実 行 されることになるが 野 生 動 物 保 全 NGO は 県 議 会 の 管 理 能 力 の 低 さを 理 由 に 格 下 げ に 反 対 した 一 連 の 顛 末 は 目 黒 (2007)を 参 照 のこと 9 南 部 アフリカでは 国 立 公 園 の 管 理 を 民 間 部 門 に 委 ねる 商 業 化 (commercialization) (Harpe et al., 2004)の 試 みがなされており 国 立 公 園 の 管 理 受 託 を 仕 事 とする 民 間 会 社 が 設 立 され 各 国 政 府 と 交 渉 を 実 際 に 行 ってもいる(Fearnhead, 2009) これらは これまで 公 的 部 門 が 担 当 して きた 保 護 区 管 理 に 市 場 原 理 を 導 入 しようとする 動 きであり それを 一 概 に コミュニティ 为 体 と 呼 び 得 るかどうかについては 研 究 者 間 でも 意 見 が 分 かれると 思 われる とはいえ 要 塞 型 保 全 の 典 型 である 国 立 公 園 制 度 に 対 して その 牙 城 を 突 き 崩 そうとする 動 きが 現 に 展 開 されてい るのもまた 事 実 である 10 Infield(1988: 27)が 調 査 世 帯 の 伝 統 的 / 近 代 的 な 度 合 いを 計 るために 設 けた 調 査 項 目 として は 自 転 車 やラジオなどの 近 代 的 財 (a modern asset) の 所 有 家 畜 売 却 の 経 験 世 帯 内 の 起 業 化 教 師 看 護 婦 などの 人 数 伝 統 的 なコミュニティ 内 の 役 職 に 従 事 する 人 間 の 数 などがある 4

36 では 便 益 基 盤 のアプローチ が 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわりや 地 元 住 民 が 野 生 動 物 に 対 して 見 出 す 価 値 観 が 具 体 的 にどのように 変 化 し 得 るのかを 明 らかにすることはできてい ない 即 ち アフリカの 野 生 動 物 保 全 をめぐっては 複 数 のアプローチが 並 立 ないし 乱 立 している 現 況 においてパラダイム 転 換 の 原 点 にあった 人 間 と 野 生 動 物 の 共 存 というテ ーマが 忘 れ 去 られていることになる (c) 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり からの 問 い 直 し 一 方 ヒトと 動 物 の 関 係 学 において 人 間 と 野 生 動 物 の 関 係 性 が 改 めて 問 われるようにな る 際 には 問 題 の 基 本 的 な 構 成 要 素 として 野 生 動 物 人 間 社 会 11 の 3 つが 挙 げられるが ( 池 谷 ら, 2008: 8) その 議 論 から 導 出 される 今 日 のグローバル 化 した 野 生 動 物 保 全 を 地 域 的 に 考 える 際 の 枞 組 み とは 野 生 動 物 の 生 態 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわり の 3 者 間 の 相 互 関 係 を 考 察 するアプローチに 他 ならない( 池 谷, 2008: ) 12 人 文 社 会 科 学 の 立 場 からヒトと 動 物 の 関 係 や 地 元 住 民 と 野 生 動 物 の 共 存 の 可 能 性 を 検 討 しようとする 時 には この 3 つの 中 でも 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかか わり と 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわり の 2 つ(の 関 係 性 )が 分 析 対 象 となる 13 このヒ トと 動 物 の 関 係 学 の 視 点 から 野 生 動 物 保 全 の 新 パラダイムの 議 論 ( 本 研 究 では 具 体 的 に は 次 節 で 詳 述 する CBC CC CBNRM を 指 すものとする)を 振 り 返 るならば それらが 为 に 議 論 してきたのは 国 際 支 援 を 受 けながら 外 発 的 に 実 施 される 開 発 プロジェクト 政 府 政 策 としての 野 生 動 物 保 全 を 通 じて 地 元 住 民 は 経 済 的 便 益 を 受 益 できているか そうした 成 果 の 結 果 として 外 部 者 の 意 向 に 沿 うような 意 見 を 地 元 住 民 が 持 つに 至 ったかといった 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわり だといえる その 一 方 で Western and Wright eds.(1994) が CBC の 最 終 目 標 と 設 定 する 人 間 と 野 生 動 物 の 共 存 という 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のか かわり のあり 様 については 議 論 が 展 開 されてこなかったことになる また 池 谷 (2008: )は 上 述 の 3 つの 視 点 を 統 合 するに 際 しては 三 つの 要 素 間 の 関 係 を 歴 史 的 に 把 握 すること ( 池 谷, 2008: 298)が 重 要 だと 述 べているが 14 外 部 者 と 地 11 ここでいう 社 会 には ローカルな 地 域 社 会 からインターナショナルな 国 際 社 会 まで が 含 まれると 考 えられる 12 正 確 には 池 谷 (2008: 297)は 野 生 動 物 の 生 態 地 域 住 民 と 動 物 とのかかわり 国 家 と 地 域 住 民 とのかかわり の 3 つに 言 及 している だが 3 点 目 については CBC に 限 らずアフリカ における 野 生 動 物 保 全 の 歴 史 を 紐 解 けば 野 生 動 物 保 全 を 为 導 するアクターとして 国 際 援 助 機 関 や 国 際 NGO さらには 観 光 会 社 という 民 間 企 業 が 重 要 な 役 割 を 果 たしていることは 明 らかであ る そこで 本 研 究 では 本 文 に 記 した 形 に 語 句 を 修 正 した 13 野 生 動 物 保 全 の 先 行 研 究 ( 並 びに 本 研 究 )において 野 生 動 物 の 生 態 が 全 く 無 視 されてい る 訳 ではなく 既 存 の 保 護 区 が 所 定 まらない 資 源 (fugitive resource) (Child, 2009e: 432)であ るところの 野 生 動 物 の 生 息 地 のごく 一 部 しか 保 護 し 得 ないという 問 題 は CBC に 限 らず CC や CBNRM でも 意 識 されている ただし 池 谷 (2008: 298)が 野 生 動 物 の 生 態 を 対 象 とする 学 問 領 域 として 挙 げる 生 態 学 の 専 門 的 な 議 論 は CBC や CBNRM の 为 たる 論 点 ではなく そうした 情 報 は 人 間 社 会 側 の 問 題 を 論 じる 際 の 前 提 条 件 ないし 二 次 的 情 報 として 扱 われている 本 研 究 に おいても 野 生 動 物 の 生 態 に 関 する 生 態 学 動 物 行 動 学 的 な 先 行 研 究 は 必 要 に 応 じ 参 照 する 14 かかわり 方 の 歴 史 的 変 遷 と かかわり 方 の 地 域 的 差 異 ( 池 谷 ら, 2008: 13)や 野 生 動 物 の 変 化 の 視 点 と 人 類 の 文 化 の 多 様 性 とその 変 化 を 見 る 視 点 ( 池 谷 ら, 2008: 17)の 重 要 性 も ヒ トと 動 物 の 関 係 学 において 指 摘 されている このヒトと 動 物 の 関 係 学 の 枞 組 みと 親 和 性 が 高 い 議 論 に 市 川 (2003: 54-55)の 3 つの 生 態 学 があるが これについては 本 文 中 で 後 述 する 5

37 元 住 民 のかかわり に 議 論 のスコープを 絞 ってきた 野 生 動 物 保 全 の 先 行 研 究 では 当 然 な がら 2 つの かかわり の 間 で 生 じる 相 互 作 用 を 歴 史 的 な 視 点 から 描 くことは 試 みられて こなかった 15 この 点 で 日 本 のアフリカ 地 域 研 究 の 先 行 研 究 の 中 には CBC を 標 榜 するよ うな 保 全 活 動 において 形 成 される/ 押 し 付 けられる 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわり が 在 来 の 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり にいかなる 影 響 を 及 ぼしているのかを 分 析 した 業 績 も 散 見 される( 服 部, 2010; 岩 井, 2009; 西 崎, 2008; 安 田, 2010) その 中 でも タンザニ ア 連 邦 共 和 国 の 北 西 部 に 位 置 するセレンゲティ 国 立 公 園 (Serengeti National Park)の 近 隣 に 暮 らすイコマ(Ikoma)を 事 例 とする 岩 井 (2008; 2009)は 地 元 住 民 が 弱 者 の 武 器 (weapons of the weak) (Scott, 1985)も 駆 使 しながら 狩 猟 を 通 じた 野 生 動 物 とのかかわり を 維 持 しつつ 最 近 では 近 代 的 な 法 制 度 に 則 って 敵 対 的 な 外 部 者 とのかかわり を 断 とうとし ている 点 まで 描 き 出 している ただし 岩 井 (2009: 8-13)が 分 析 の 視 座 とする 生 活 シス テム 分 析 16 は 次 節 で 述 べる CBC や CC CBNRM といった 諸 概 念 間 の 論 理 構 成 の 差 異 を 反 映 していない つまり 1990 年 代 以 降 に 为 として 欧 米 で 展 開 されてきた 野 生 動 物 保 全 の 新 パラダイムの 複 数 性 を 前 提 に 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわり と 地 元 住 民 と 野 生 動 物 の かかわり の 相 互 関 係 性 を 論 じることは 未 だ 試 みられてこなかったことになる (2) 研 究 課 題 :2 つの かかわりの 変 化 に 基 づく 共 存 可 能 性 の 検 討 本 研 究 の 課 題 は 多 様 な 利 害 関 係 者 が 関 与 して 展 開 される 今 日 のグローバル 化 した 野 生 動 物 保 全 の 中 でも CBC の 理 念 に 基 づき 取 り 組 まれる 活 動 が その 当 初 の 目 標 である 地 元 住 民 と 野 生 動 物 の 共 存 関 係 の 構 築 に 寄 与 し 得 るのかどうかを 検 討 することである この 課 題 検 討 に 際 して 本 研 究 では CBC の 出 発 点 ともいえるケニア 共 和 国 南 部 アンボセリ 生 態 系 を 事 例 として いわゆる 野 生 動 物 保 全 の 新 パラダイムが 重 視 する 項 目 に 基 づき 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 を 検 討 することに 加 え 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわりの 変 化 の 分 析 結 果 も 踏 まえて 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 を 再 検 討 することも 行 う 本 研 究 が 探 究 するのは 地 元 住 民 が 野 生 動 物 との 共 存 を 受 け 入 れる 態 度 を 示 しているかい ないかという 事 実 ではなく 従 来 の 野 生 動 物 保 全 の 議 論 において 重 要 視 されてきた 要 因 が 15 歴 史 的 な 視 点 から 野 生 動 物 保 全 を 扱 った 先 行 研 究 としては ポリティカル エコノミーの 視 点 からケニア ザンビア 共 和 国 ジンバブエ 共 和 国 の 保 全 政 策 の 転 換 と 実 施 を 論 じた Gibson (1999)や 植 民 地 時 代 の 行 政 資 料 も 用 いてタンザニア 連 邦 共 和 国 とケニアの 保 全 政 策 が 地 元 住 民 の 生 業 野 生 動 物 利 用 に 及 ぼした 影 響 をそれぞれ 分 析 した Neumann( )や Steinhart (2006)がある 特 に Neumann( )は Scott(1976=1999)を 始 めとする モラル エ コノミー(moral economy) の 議 論 を 分 析 枞 組 みに 援 用 しており 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわ り と 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり の 相 互 関 係 を 描 き 出 している だが これらの 先 行 研 究 においては 野 生 動 物 保 全 のパラダイム 転 換 は 研 究 の 为 題 とはいい 難 く 転 換 後 の 保 全 政 策 が 地 元 住 民 の 暮 らし 資 源 利 用 に 及 ぼす 影 響 についての 議 論 も 希 薄 である 16 岩 井 (2009: 8-13)は 野 生 動 物 保 全 をめぐる 議 論 を 地 元 住 民 と 自 然 環 境 ( 資 源 )の 関 係 性 を 問 う 自 然 生 態 システム 論 と 地 元 住 民 とそれを 取 り 巻 く 政 治 経 済 要 因 政 治 経 済 システム 論 に 分 けた 上 で それらの 断 絶 を 克 服 し 両 論 を 接 合 する 方 法 論 として 生 活 システム 分 析 を 提 示 する 端 的 にいえば 生 活 システムとは 地 域 住 民 の 生 活 を 中 心 としながら 生 活 の 基 盤 とな っている 資 源 である 自 然 環 境 との 関 係 そして 社 会 を 構 成 している 世 帯 や 地 域 集 団 国 家 にいた る 複 層 的 な 人 間 集 団 の 社 会 関 係 を 総 体 としてとらえる 概 念 である ( 岩 井, 2009: 8) なお 岩 井 (2009)が CBNRM に 言 及 していないのは その 元 となる 博 士 論 文 の 提 出 が 2004 年 であり 執 筆 段 階 では Suich et al. eds.(2009)も Child ed.(2004)も 未 刊 行 だったからだと 考 えられる 6

38 どのように 作 用 した 結 果 として そうした 共 存 への 賛 否 が 形 作 られているのかを 分 析 する ことであり 更 には 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわりの 変 化 という 視 点 がその 分 析 に 際 してどれほどの 意 味 を 持 ち 得 るのかを 考 察 することである 本 研 究 において 共 存 (coexistence) は 人 間 ( 特 には 地 元 住 民 )と 野 生 動 物 が 物 理 的 空 間 的 な 隔 離 なしに 同 じ 土 地 上 の 資 源 をともに 利 用 しながら 暮 らす 様 態 と 定 義 す る ただし CBC が 目 標 とするのは 上 の 意 味 での 共 存 が 事 実 として 成 立 することに 留 まら ず 自 然 なつながり(natural connections) (Western, 2009; Western and Wright eds., 1994)と 呼 ばれる 共 存 を 維 持 する 仕 組 みが 地 元 社 会 に 形 成 されることまでを 視 野 に 入 れている そこで 地 元 住 民 と 野 生 動 物 との 共 存 可 能 性 を 検 討 する 本 研 究 では (1)ケニアの CBC と 位 置 付 けられる 諸 事 例 を 通 じて 生 起 する 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 を 経 て (2) 地 元 住 民 が 野 生 動 物 との 共 存 に 対 していかなる 態 度 行 為 を 執 るようになっているのか CBC や CBNRM などの 新 パラダイムが 想 定 する 通 りに 地 元 住 民 が 保 全 を 支 持 するようにな っているのかを 検 討 する その 後 に (3) 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 を 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわりの 変 化 の 視 点 から 再 考 した 上 で (4)CBC が 共 存 関 係 の 成 立 に 向 けて 重 視 する 自 然 なつながり の 実 現 可 能 性 あるいは 理 論 的 妥 当 性 を 吟 味 することを 経 て 今 後 の 野 生 動 物 保 全 のあり 方 を 考 えることとする 第 2 節 研 究 の 分 析 視 点 (1) 先 行 研 究 レビュー: 野 生 動 物 保 全 におけるパラダイム 転 換 の 内 実 それを 保 全 の 新 パラダイム(the new conservation paradigm) ( Western and Wright, 1994: 10)と 呼 ぶか 新 しい 正 統 派 的 学 説 (a new orthodoxy) ( Hulme and Murphree, 2001a: 2)と 呼 ぶかは 論 者 によって 違 えども およそ 1990 年 代 に 野 生 動 物 保 全 を 規 定 する 基 本 的 枞 組 み に 大 転 換 が 生 じたという 点 で 多 くの 研 究 者 が 共 通 の 理 解 を 持 っている 本 項 ではそのパラ ダイム 転 換 の 具 体 的 な 内 容 についての 説 明 を 行 うが 前 項 でも 述 べたようにパラダイム 転 換 の 後 に 唯 一 絶 対 的 な 新 パラダイムが 確 立 した 訳 ではなく その 内 部 に 複 数 の 立 場 がある という 時 には 個 別 的 な 論 点 に 関 しては 相 反 する 見 解 が 示 されていることも 珍 しくない 点 に 注 意 することが 必 要 である 本 項 では 以 下 旧 パラダイムである 要 塞 型 保 全 を 説 明 した 後 に 旧 パラダイムと 新 パラダイムの 中 途 に 位 置 すると 考 えられる 統 合 的 保 全 開 発 プ ロジェクト(integrated conservation and development projects, 以 下 ICDPs) 17 の 説 明 を 行 う 次 いで 新 パラダイムとして 1994 年 に 第 1 に 提 起 された コミュニティ 为 体 の 保 全 (CBC) その 後 2001 年 以 降 に 提 示 されてきた コミュニティ 保 全 (CC) と コミュニティ 为 体 の 自 然 資 源 管 理 (CBNRM) を 取 り 上 げる また CC CBNRM のようにアフリカの 野 生 動 物 保 全 を 専 らの 事 例 としている 訳 ではないものの CBC や CC の 問 題 意 識 の 理 解 の 上 に CBNRM とは 異 なる 新 たな コミュニティ 为 体 の 保 全 アプローチの 発 展 形 を 模 索 する 試 み として ローカル コモンズ 研 究 における 熟 議 複 数 性 志 向 のアプローチ(deliberation-and- 17 研 究 者 により 統 合 的 保 全 管 理 プロジェクト の 略 字 は ICDP と ICDPs の 2 つがあるが 本 研 究 では Wells et al.(1992)に 基 づき 後 者 に 表 記 を 統 一 する 7

39 pluralistic-oriented approaches) を 取 り 上 げる なお ICDPs CBC CC CBNRM に 関 して は その 一 部 は 以 下 本 文 中 でも 取 り 上 げるが 研 究 者 によって 異 なる 意 味 で 同 じ 概 念 が 用 いられたり 複 数 の 概 念 が 混 同 して 参 照 されたりすることもある そこで 特 に 断 りのない 限 り 本 研 究 において ICDPs は Wells et al.(1992)において 論 じられている 内 容 を CBC は Western and Wright eds.(1994) CC は Hulme and Murphree eds.(2001) そして CBNRM は Child ed.(2004)および Suich et al., eds.(2009)において 構 想 されている 各 アプローチをそ れぞれ 指 すものとする (a) 要 塞 型 保 全 (fortress conservation) いわゆる 野 生 動 物 保 全 の 旧 パラダイムは 要 塞 型 保 全 や 柵 と 罰 金 アプローチ(Wells et al., 1992: 1)または 威 圧 的 保 全 (coercing conservation) ( Peluso, 1993)などと 呼 ばれる が 本 項 ではその 中 でも 最 も 一 般 的 と 思 われる 要 塞 型 保 全 という 語 を 以 下 では 用 いて ゆく Adams and Hulme(2001: 10)によれば その 基 本 的 戦 略 は 特 定 の 区 域 から 人 間 を 排 除 することで 野 生 動 物 を 守 ろうとすることであり その 具 体 的 な 手 法 としては アメリカ 式 の 国 立 公 園 制 度 を 典 型 例 とする 自 然 保 護 区 の 創 設 を 通 じた 人 間 活 動 の 制 限 や 特 定 地 域 への 人 間 の 居 住 の 禁 止 消 費 的 利 用 の 禁 止 などによる 人 間 活 動 の 影 響 の 最 小 化 が 挙 げられ る 以 降 で 取 り 上 げる 新 パラダイムとの 対 比 で 挙 げられる 要 塞 型 保 全 の 政 策 面 での 特 徴 としては それが 国 家 による 統 制 に 基 づくこと(Hulme and Murphree, 2001a: 2; Peluso, 1993: 199) トップ ダウンで 中 央 为 導 的 な 保 全 (top-down, center-driven conservation) (Western and Wright, 1994: 7)であること また 哲 学 的 に 自 然 の 本 質 的 価 値 を 基 礎 とす る(philosophically grounded in the intrinsic values of nature) (Jones and Murphree, 2004: 63)た めに 地 元 住 民 は 環 境 を 悪 化 させる 存 在 (degraders of the environment) (Hulme and Murphree, 2001a: 1)と 見 做 され 地 理 的 ( 保 護 区 内 からの 排 斥 )かつ 政 治 的 ( 政 治 的 意 思 決 定 プロセ スからの 排 除 )な 排 除 の 対 象 として 抑 圧 を 受 け 続 けてきたことなどが 挙 げられる(Adams and Hulme, 2001: 12) そうした 排 除 は 不 可 避 的 に 地 元 住 民 に 対 して 困 難 (hardship) (Wells et al., 1992: 1)あるいは 保 全 の 費 用 (the costs of conservation) (Western and Wright, 1994: 7) を 強 いることになってきたが そうした 受 苦 は 保 全 の 名 の 下 に 正 当 化 されるか 存 在 自 体 が 等 閑 視 されてきた こうした 要 塞 型 保 全 は 本 質 的 に 野 生 (the wild) (Adams and Hulme, 2001: 11)の 保 存 を 目 指 す 取 り 組 みと 理 解 することができる ただし その 典 型 例 である 国 立 公 園 制 度 が アフリカの 多 くの 国 に 導 入 されるようになったのは 植 民 地 化 から 数 10 年 の 後 第 2 次 大 戦 の 後 であり Adams and Hulme(2001: 10)のように 要 塞 型 保 全 がアフリカの 植 民 地 化 の 直 後 から 1990 年 代 のパラダイム 転 換 まで 実 行 されてきたと 考 えることには 無 理 がある 岩 井 (2008: )はケニア タンザニアの 野 生 動 物 保 全 の 歴 史 を 自 然 保 護 区 導 入 の 時 代 (20 世 紀 初 頭 ~1970 年 代 ) 原 生 自 然 保 護 の 時 代 (1970 年 代 ~80 年 代 ) 住 民 参 加 型 保 全 の 時 代 (1990 年 代 ~) という 3 つの 時 期 に 区 分 した 上 で 第 1 期 は 白 人 ハンターの ための 猟 獣 保 護 の 時 代 と 位 置 付 けている 当 時 の 行 政 資 料 によれば 植 民 地 化 当 初 のケ ニアにおいてアフリカ 系 の 地 元 住 民 は 白 人 のアフリカ 到 着 以 前 から 野 生 動 物 と 共 存 してき た 存 在 と 見 做 されており 彼 ら 彼 女 らが 大 量 に 保 護 区 内 に 居 住 していても 野 生 動 物 保 全 の 観 点 から 問 題 視 されていなかったという(Parker and Smith, 2001: 11) 岩 井 (2008)も 参 照 8

40 しているタンザニアの 植 民 地 時 代 の 行 政 資 料 を 丹 念 に 追 った Neumann( )や 植 民 地 時 代 の 担 当 官 の 証 言 を 集 めた Parker and Bleazard eds.(2001)にも 同 種 の 記 述 は 繰 り 返 し 見 られるだけでなく Child(2009b: 20)によれば 南 部 アフリカにおける 地 元 住 民 と 国 立 公 園 の 関 係 も 常 に 敵 対 的 であった 訳 ではなく 第 2 次 大 戦 前 であれば 公 園 のワーデン はしばしばアフリカ 人 コミュニティよりも 白 人 ハンターの 方 がはるかに 野 生 動 物 にとって 脅 威 であると 感 じていた(Prior to World War II, park wardens often felt that white hunters were far more of a threat to wildlife than African communities) という また 本 研 究 の 対 象 地 であ るアンボセリ 生 態 系 の 歴 史 は 次 章 で 記 述 するが そこにおいても 要 塞 型 保 全 が 植 民 地 化 と 同 時 に 確 立 された 訳 ではなく 岩 井 (2008)の 時 期 区 分 こそがアフリカにおいては 一 般 的 に 妥 当 すると 考 えられる (b) 統 合 的 保 全 開 発 プロジェクト(integrated conservation and development projects) Child(2009b: 20)が 指 摘 するように 中 央 ( 植 民 地 ) 政 府 がどのような 方 針 を 採 用 して いようと 保 護 区 管 理 野 生 動 物 保 全 の 実 際 の 権 威 は 現 場 のワーデンの 手 の 中 にあった (authority was in the hands of field wardens) というのが 実 態 であり 岩 井 (2008)のいう 原 生 自 然 保 護 の 時 代 (1970 年 代 以 前 ) にあっても 後 のパラダイム 転 換 につながる コミュ ニティ 为 体 を 意 図 するような 取 り 組 みは 世 界 各 地 で 行 われていた Wells et al.(1992: 1) は そうした 世 界 中 の 19 事 例 18 の 知 見 を 踏 まえた 保 護 区 管 理 のための 新 アプローチ(new approaches to protected area management) として 統 合 的 保 全 開 発 プロジェクト(ICDPs) を 提 起 している ICDPs が 提 案 される 背 景 として Wells et al.(1992: 1)が 言 及 するのは 多 くの 重 要 な 保 護 区 が 大 規 模 な 開 発 プロジェクトや 農 地 の 拡 大 密 猟 違 法 伐 採 燃 料 採 集 などによって 深 刻 かつ 増 大 する 务 化 (serious and increasing degradation) に 直 面 している 事 態 である ICDPs は 1980 年 代 前 半 に 登 場 した 持 続 可 能 な 開 発 (sustainable development) の 議 論 を 踏 まえて 保 全 と 開 発 を 結 び 付 けることを 意 図 しており 保 護 区 が 長 期 的 な 成 功 を 収 めるためには 地 元 住 民 の 協 力 と 支 援 が 必 要 であると 論 じるが その 一 方 で 保 護 区 周 辺 住 民 による 保 護 区 内 の 自 然 資 源 更 の 更 なる 収 奪 (further exploitation of natural resources in the protected area) をいかに 防 ぐかが 为 要 な 関 心 事 とされている(Wells et al., 1992: 2-3) この 点 で ICDPs において 地 元 住 民 は 依 然 として 自 然 破 壊 的 な 存 在 と 認 識 されており 保 護 区 と は 破 壊 者 たる 人 間 を 排 除 して 自 然 を 保 護 する 要 塞 との 位 置 付 けになる ICDPs の 具 体 的 な 構 成 要 素 として 挙 げられるのは 保 護 区 管 理 (protected area management) 保 護 区 周 辺 へのバッファー ゾーン(buffer zones around protected areas) 地 元 の 社 会 的 経 済 的 開 発 (local social and economic development)の 3 つである 保 護 区 管 理 の 具 体 的 な 内 容 としては 生 物 資 源 の 目 録 作 成 やモニタリング 違 法 活 動 を 取 り 締 まるためのパトロール インフラストラクチャーの 整 備 環 境 教 育 が 挙 げられる(Wells et al., 1992: 25) バッファ ー ゾーンについては 多 様 な 定 義 が 乱 立 している 中 ではその 設 置 によって 地 元 住 民 にど の 程 度 の 生 物 的 社 会 的 便 益 を 還 元 し 得 るのかが 不 確 かだとされるが そこにおいて 持 続 の 事 例 が 位 置 する 国 は ブルキナ ファソ ブルンディ 共 和 国 ケニア マダガスカル 共 和 国 (2 事 例 ) ニジェール 共 和 国 ルワンダ 共 和 国 タンザニア ザンビア インドネシア 連 邦 共 和 国 (2 事 例 ) ネパール 連 邦 民 为 共 和 国 (2 事 例 ) タイ 王 国 コスタ リカ 共 和 国 (2 事 例 ) メキシコ 合 衆 国 (2 事 例 ) ペルー 共 和 国 である 9

41 的 な 形 で 一 般 的 に 認 められる 資 源 利 用 としては 伝 統 的 な 方 法 を 用 いた 狩 猟 漁 撈 落 枝 の 収 集 果 樹 の 採 取 季 節 的 な 家 畜 放 牧 などが 挙 げられる(Wells et al., 1992: 25-26) また 地 元 の 社 会 的 経 済 的 開 発 は ICDPs をそれ 以 前 の 保 全 プロジェクトから 区 別 する 重 要 な 点 とされるが 保 護 区 内 の 生 物 多 様 性 の 保 全 を 目 的 とする ICDPs においてはあくまで 地 域 開 発 とは この 目 的 [ 保 護 区 内 の 生 物 多 様 性 保 全 ]を 達 成 するための 1 つの 手 段 (a means of achieving this goal) という 位 置 付 けに 置 かれている(Wells et al., 1992: 29) 1990 年 代 前 半 における ICDPs の 画 期 的 な 点 としては 住 民 参 加 および 保 全 と 開 発 の つながり を 前 面 に 打 ち 出 している 点 がある この 内 後 者 については 保 全 と 開 発 の 両 方 を 実 現 しようとする 点 で ICPDs が 確 かに 一 種 の 新 しさを 備 えていたことは 間 違 いないが そこでいう 開 発 の 具 体 的 なイシューとして 取 り 上 げられるのは 保 護 区 の 建 設 に 関 して 地 元 住 民 が 失 った 経 済 的 損 失 への 補 償 と 代 替 (compensation and substitution)のみであり 開 発 は 実 質 的 には 保 全 という 最 上 位 目 標 のために 地 元 住 民 が 失 わざる( 奪 われざる)を 得 ない 損 失 を 補 う 行 為 を 意 味 するに 留 まっている(Wells et al., 1992: 30) 実 際 補 償 代 替 とは 別 に 農 村 開 発 の 軌 跡 の 記 録 (the rural development track record)が 整 理 される 中 で 鍵 となる 教 訓 (key lessons) の 第 1 に 挙 げられるのは 農 村 開 発 は 政 府 のプロジェクトへの 関 与 が 強 い 時 に 最 も 成 功 する(Rural development was most successful when government commitment to the project was strong) というものである(Wells et al., 1992: 28) 19 また 住 民 参 加 に 関 しても 先 行 研 究 においてこの 語 が 曖 昧 に 用 いられてきた 点 を 批 判 して 明 確 な 定 義 を 与 えてはいるものの(Wells et al., 1992: 42) 20 基 本 的 に 保 護 区 内 に 存 在 する 資 源 へのアクセスは 否 定 される 方 向 性 にあり 住 民 参 加 を 通 じて 地 元 住 民 が 保 護 区 内 の 資 源 管 理 に 能 動 的 にかかわるような 筋 道 は 示 されていない 後 述 する CBC と 比 較 す ると この 地 元 住 民 の 能 動 性 の 否 定 こそが ICDPs の 大 きな 特 徴 であり 地 元 住 民 と 自 然 の 共 存 ではなく 両 者 の 分 断 を 明 確 に 志 向 している 点 からしても そこでいう 野 生 動 物 保 全 と は コミュニティ 为 体 に 取 り 組 まれ 実 践 される 活 動 というよりも 地 元 住 民 の 一 応 の 参 加 なり 権 利 を 認 めつつも 外 部 者 が 目 標 を 設 定 し 为 導 する 外 発 的 な 活 動 だといえる これら の 点 を 踏 まえるならば 確 かに ICDPs は 要 塞 型 保 全 とはいくつかの 点 で 対 照 的 なアプ ローチを 採 ってといえるものの あくまで 保 護 区 内 をより 効 果 的 に 保 全 するために 地 元 住 民 の 資 源 利 用 を 制 限 しようとしている 点 で それは コミュニティ 为 体 を 志 向 する 野 生 動 物 保 全 の 新 パラダイムには 含 み 得 ないと 考 えられる Wells et al.(1992) 以 後 の ICDPs の 議 論 としては Newmark and Hough(2000: 585)はア 19 鍵 となる 教 訓 としては 他 に 国 レベルでの 適 切 な 法 制 度 の 構 築 の 重 要 性 社 会 学 的 調 査 (sociological studies)を 農 村 開 発 計 画 に 用 いることの 不 適 切 さ 統 合 的 アプローチが 設 定 する 目 標 の 過 大 さなどが 言 及 されている これらの 項 目 からしても ICDPs が 中 央 为 導 を 意 図 している ことが 分 かるだろう 20 Wells et al.(1992: 42)は 住 民 参 加 の 定 義 として Cernea(1985: 10)を 引 用 しているが そ れは 人 びとをエンパワーメントすることで 自 らの 能 力 を 動 員 できるようになったり 受 動 的 な 为 体 ではなく 社 会 的 なアクターとなったりすること また 資 源 管 理 や 意 思 決 定 自 分 たちの 生 活 に 影 響 する 諸 活 動 をコントロールできるようになること(empowering people to mobilize their own capacities, be social actors rather than passive subjects, manage the resources, make decisions, and control the activities that affect their lives) というものである だが 地 元 住 民 が 保 護 区 内 の 資 源 利 用 を 行 うことは ICDPs では 認 められておらず エンパワーメントの 結 果 として 地 元 住 民 が コントロール 可 能 となる 自 分 たちの 生 活 に 影 響 する 諸 活 動 が 何 であるのかは 曖 昧 である 10

42 フリカ 野 生 動 物 保 全 の Brown(2002: 6)は 生 物 多 様 性 保 全 の 新 アプローチ/パラダイムと して ICDPs を 取 り 上 げている だが そうした 議 論 においては ICDPs が 住 民 参 加 や 保 全 と 開 発 のつながり の 重 要 性 を 提 起 している 点 が 要 点 として 指 摘 されてはいるもの の 保 全 の 開 発 に 対 する 優 先 や 自 然 破 壊 者 としての 地 元 住 民 像 には 言 及 されていない ま た Wells and McShane(2004: 513)は CBC なども 含 んだ 社 会 的 経 済 的 開 発 目 標 を 伴 う 現 場 ベースの 保 全 のための 実 用 的 で 集 合 的 な 記 述 (a viable collective description for site-based conservation with social or economic development goals) を ICDPs と 呼 ぶものの そこにおい ても 地 元 住 民 への 否 定 的 評 価 は 撤 回 されている 総 じて 最 近 の 保 護 区 管 理 の 議 論 におい て ICDPs が 取 り 上 げられる 際 には ICDPs はもっぱら 次 項 で 述 べる CBC と 共 通 する 特 徴 を 基 に 記 述 されることが 多 く CBC とは 異 なる 点 は 言 及 されないことが 多 くなっている (c) コミュニティ 为 体 の 保 全 (community-based conservation) Western and Wright eds.(1994) 21 において 定 式 化 された コミュニティ 为 体 の 保 全 (CBC) は 1960 年 代 後 半 から 90 年 代 にかけて 増 大 してきた 科 学 技 術 为 義 への 不 信 や 開 発 におけ る 草 の 根 志 向 人 権 先 住 民 運 動 などの 影 響 を 受 けて 形 成 されてきたアプローチである (Western and Wright, 1994: 4-6) ICDPs が 基 本 的 には 保 護 区 内 の 資 源 の 破 壊 枯 渇 ( 特 に 保 護 区 周 辺 住 民 が 原 因 と 考 えられるもの)をいかに 防 ぐかを 議 論 の 出 発 点 に 置 いているのに 対 し CBC は 旧 来 の 野 生 動 物 保 全 のあり 方 を 支 えてきた 価 値 観 ( 科 学 技 術 为 義 専 門 家 为 義 西 洋 中 心 为 義 )それ 自 体 を 疑 う 視 点 を 備 えている 点 に 大 きな 特 徴 がある 22 そうした CBC を 支 える 理 念 は 地 元 住 民 が 意 思 決 定 に 参 加 し 便 益 を 受 益 することで 保 全 の 努 力 に 対 する[ 地 元 住 民 の] 敵 意 が 弱 められる(local participation in decisions and benefits could reduce hostility toward conservation efforts) というものである(Western and Wright, 1994: 4) Western and Wright(1994: 7)によれば 旧 来 のトップ ダウンで 中 央 为 導 型 の 保 全 アプローチを 反 転 させることを CBC は 意 図 している 訳 だが 保 全 活 動 を 遂 行 する 上 で 用 いられる 技 法 が 古 いか 新 しいか その 取 り 組 みが 地 元 コミュニティの 内 部 から 生 起 したものか 外 部 者 が 提 案 したものかといった 点 が 特 には 重 要 視 されない 一 方 で ある 取 り 組 みが CBC と 呼 ばれ 得 る ためには 最 終 的 に 地 元 コミュニティへと 便 益 が 還 元 されることが 必 要 だとされる CBC にとっての 中 心 的 な 指 針 (its central precept) とは 保 護 为 義 や 人 間 と 自 然 の 分 離 とはまるで 異 なる 人 びとと 自 然 の 共 存 [を 目 指 すこと](The coexistence of people and nature, as distinct from protectionism and the segregation of people and nature) であり(Western and Wright, 1994: 8) そこにおいて 保 全 の 推 進 力 (the driving force of conservation) となるべ きとされるのは 地 元 住 民 が 抱 くイニシアティブと 技 能 (skills)である(western, 1994c: 553) また Western(1994c: 550)は CBC の 下 では 保 全 と 開 発 は 矛 盾 するものではなく 互 いに 補 い 合 うような 関 係 にあると 述 べているが その 一 方 で 自 然 資 源 の 持 続 的 な 利 用 と 生 物 多 様 性 の 保 全 とでは 異 なる 評 価 基 準 が 必 要 となる 可 能 性 を 認 め CBC の 取 り 組 み 自 体 は 目 21 同 書 は 1993 年 にアメリカのヴァージニア アーリー ハウス(Airlie House)で 開 かれた 国 際 会 議 のプロシーディングスとして 出 版 されたものである(Western, 2009: 88) 22 科 学 为 義 へ 疑 似 を 呈 した 文 献 としてはレイチェル カーソン(Rachel Carson)の 沈 黙 の 春 (Silent Spring) とエーリッヒ 夫 妻 の 手 になる 人 口 爆 弾 (The Population Bomb) が 挙 げられて いる(Western and Wright, 1994: 4-5) 11

43 的 方 法 が 何 であれ 究 極 的 には 最 終 的 な 結 果 は 本 当 に 保 全 [の 状 況 ]が 改 善 されたか という 点 から 計 られなければならない(Whatever the goals and methods, the end result ultimately must be measured in terms of real conservation improvements) と 述 べている(Western, 1994b: 509) その 上 で CBC の 成 否 を 究 極 的 に 判 断 する 際 の 基 準 として それぞれのコミ ュニティが 抱 く[ 保 全 への] 熱 望 にどれだけ 深 く 努 力 が 埋 め 込 まれているか また その メンバーの 努 力 によってどれだけ 効 果 的 にそれ[ 保 全 ]が 支 えられているか(how deeply the effort is embedded in each community s aspirations and how effectively its members efforts sustain it) という 点 を 検 討 しなければならないとしている(Western, 1994b: 510) なお CBC は 保 全 を 便 益 開 発 よりも 上 位 目 標 とする 点 で ICDPs と 似 た 立 場 にあるよう に 見 えるが ICDPs の 目 指 す 保 全 が 実 質 的 には 保 護 区 内 の 生 物 多 様 性 の 保 存 を 意 味 している のに 対 して CBC において 保 全 という 言 葉 で 想 起 されるのは 動 植 物 への 利 他 的 な 関 心 で はなく 人 びとの 必 要 性 に 基 づき 先 史 時 代 から 実 践 されてきた 活 動 である(Western and Wright, 1994: 1) 23 Western and Wright eds.(1994)の 中 では CBC における 保 全 の 定 義 は 明 確 に 書 かれてはいないが そこにおける 保 全 とは 野 生 動 物 をそれ 自 身 の 価 値 に 基 づいて 保 存 する ことに 留 まらず 地 元 住 民 にとっての 便 益 あるいはニーズに 基 づく 利 用 も 一 定 程 度 は 含 む 行 為 を 意 味 しているように 思 われる(Western and Wright, 1994: 8) CBC がなすべきは 地 元 コミュニティが 自 然 資 源 を 管 理 する 力 を 取 り 戻 すようにすること 並 びに 保 全 活 動 を 通 じて 彼 ら 彼 女 らの 経 済 的 な 福 祉 を 改 善 することだとされるが(Western and Wright, 1994: 7) 地 元 コミュニティや 土 地 所 有 者 の 権 利 を 認 めさえすれば 問 題 は 解 決 す るという 楽 観 論 は 明 確 に 否 定 されている(Western and Wright, 1994: 10) 即 ち 前 提 として 伝 統 的 コミュニティ(traditional communities) においては 権 利 責 任 実 行 能 力 の 3 つ が 統 合 され 相 互 に 結 び 付 けられ 自 然 なつながり と 呼 ばれる 個 人 の 行 為 に 対 する 共 同 体 的 な 賞 罰 のフィード バックが 機 能 していたと 考 えられている(Western, 2009: 89; Western and Wright, 1994: 10) 24 ただし 1990 年 代 前 半 にあっては 今 日 [ 外 界 から] 孤 立 して 存 在 するコミュニティなどない(no community today stand alone) (Western and Wright, 1994: 9) という 認 識 こそが CBC の 前 提 とされており 市 場 経 済 の 浸 透 とともに 自 然 なつながり が 衰 退 している 状 況 下 では 安 易 に 地 元 住 民 の 権 利 を 認 めることによって 自 然 環 境 の 破 壊 が 促 進 される 危 険 性 が 意 識 されている(Western and Wright, 1994: 10) 25 また CBC は 従 来 23 Western(1994b: 507)は 経 済 的 な 実 態 を 無 視 するための 言 い 訳 として 無 形 の 価 値 [という 口 実 ]を 放 さないでいるのは 社 会 的 に 酷 薄 である(latching on to intangible values as an excuse for ignoring economic realities is socially callous) という 記 述 に 続 けて エンパワーメントや 参 加 自 覚 教 育 といったものは CBC の 本 質 的 な 構 成 要 素 となり 得 るかもしれないが それらの 結 果 と して 地 元 住 民 が 自 分 たちの 直 面 する 物 質 的 物 理 的 な 困 難 を 解 消 することが 可 能 になることは 滅 多 にないと 述 べてもいる 24 自 然 なつながり は Western and Wright eds.(1994)のタイトルにもなっているが 同 書 中 では 必 ずしも 明 確 に 概 念 定 義 されていない ここでは Western(2009: 89)における 自 然 なつ ながり を 踏 まえて 記 述 しているが これに 基 づく 共 存 関 係 のあり 方 可 能 性 については 終 章 で 改 めて 取 り 上 げる 25 Western(1994b: 508)は 外 部 者 とは 異 なる 認 識 評 価 であったとしても 伝 統 的 で 非 識 字 の 社 会 (traditional and illiterate societies) は 保 全 に 伴 う 費 用 と 便 益 を 衡 量 できると 書 いており 地 元 住 民 が 一 定 の 合 理 的 な 判 断 力 を 持 っていることも 同 時 に 指 摘 している この 点 からも 地 元 住 民 を 一 概 に 自 然 破 壊 者 と 見 做 し 彼 ら 彼 女 らへの 権 限 移 譲 を 議 論 から 完 全 に 除 外 している ICDPs 12

44 の 野 生 動 物 保 全 を 失 敗 に 導 いた 最 大 の 原 因 は 多 様 な 利 害 関 係 者 間 に 見 られる 利 害 関 心 の 食 い 違 いの 結 果 (result of mismatched interests) (Western, 1994b: 500)だと 考 えており 地 元 と 外 部 の 利 害 関 心 が 釣 り 合 う 状 況 でローカルなイニシアティブを 築 き 上 げること(to build up local initiatives in cases where local and outside interests match) が CBC の 目 的 とされ ており(Western, 1994b: 500) 外 部 者 の 存 在 を 無 視 して コミュニティ 为 体 の 野 生 動 物 保 全 を 実 現 することは 困 難 だという 理 解 がその 根 底 には 存 在 してもいる CBC における 地 元 住 民 と 外 部 アクター 社 会 の 関 係 について 整 理 すると トップ ダウ ンからボトム アップへの 転 換 が 明 確 に 为 張 されてはいるものの 政 府 が 保 全 から 一 切 身 を 引 くことを 求 めている 訳 ではない むしろ 旧 パラダイム 下 で 執 ってきた 地 元 住 民 への 威 圧 的 態 度 を 改 め より 補 助 的 な(supportive) ( Western, 1994b: 500) 役 割 多 様 な 利 害 関 係 者 が 行 うさまざまな 活 動 を 調 整 し 統 合 する 働 きが 期 待 されている(Western, 1994c: 553) Wright(1994: 528)も 資 源 所 有 権 を 非 国 有 化 (denationalization) して 地 元 住 民 に 権 利 を 委 譲 する 選 択 肢 と 同 時 に 両 者 が 協 力 して 協 同 管 理 (comanagement) を 行 うことを 推 薦 事 項 として 併 記 している 26 その 一 方 で 市 場 に 関 しては 自 由 貿 易 の 問 題 は まさし く 自 己 決 定 とコミュニティ 保 全 にとって 脅 威 である(The problems of free trade are no less a threat to self-determination and community conservation) (Western, 1994c: 553)とされており CBC は 環 境 や 地 元 住 民 の 関 心 事 への 配 慮 を 欠 くままに 野 生 動 物 保 全 が 市 場 経 済 の 原 理 に 呑 みこまれることには 強 い 危 機 感 を 表 明 している CBC という 語 句 は Western and Wright eds.(1994) 以 後 さまざまな 研 究 者 によって 参 照 議 論 されてきているが 本 研 究 においてそれらの 間 に 見 られる 語 句 定 義 の 異 同 の 綿 密 な 確 認 は 行 えていない ただし 前 述 の 通 り 野 生 動 物 保 全 のパラダイム 転 換 /CBC 以 後 に 具 体 的 に 取 り 組 まれるようになった 保 全 アプローチは 便 益 基 盤 のアプローチ (Kideghesho et al., 2007: 2214)という 言 葉 で 括 られる その 基 本 的 な 前 提 は 保 全 から 得 られる 目 に 見 え て 実 体 的 な 便 益 は 地 元 住 民 が 自 らの 態 度 を 変 え 保 全 のための 奮 闘 を 支 持 し 自 らの 行 為 を 保 全 の 目 標 に 適 したように 調 節 するために 本 質 的 に 必 要 な 動 機 面 での 要 因 である (tangible benefits from conservation are vital motivational factors for local people to change their attitudes, support conservation efforts, and align their behaviours with conservation goals) (Kideghesho et al., 2007: 2214)というものである そこにおいて CBC は 人 間 と 野 生 動 物 の 共 存 を 目 指 すアプローチというよりも 専 ら 便 益 還 元 を 通 じて 地 元 住 民 の 保 全 肯 定 的 な 態 度 を 作 り 出 すことを 目 指 すアプローチへと 矮 小 化 されてき (d) コミュニティ 保 全 (community conservation) 1990 年 代 半 ば 以 降 ICDPs や CBC に 関 する 多 数 の 事 例 研 究 理 論 的 議 論 が 蓄 積 されてき たが Hulme and Murphree(1999)が 提 起 した 新 しい 保 全 の 発 展 形 として Hulme and Murphree eds.(2001)において 提 示 されている 新 しい 保 全 の 枞 組 みが コミュニティ 保 全 とは 認 識 が 大 きく 異 なることが 分 かる 26 Wright(1994: 528)は 政 府 が 充 分 な 管 理 能 力 を 持 たないために 資 源 がオープン アクセス 化 する 傍 らで 地 元 コミュニティに 保 全 を 実 行 する 能 力 があるならば 非 国 有 化 を 行 うべきだと 述 べる 一 方 で 資 源 所 有 者 が 抱 える 短 期 的 なニーズと 長 期 的 な 観 点 から 資 源 管 理 に 社 会 的 に 求 められるものとのバランスを 取 るための 一 策 として 協 同 管 理 が 有 効 たり 得 るとしている 13

45 (CC) である 27 Adams and Hulme(2001: 13)によれば CC とは 保 全 の 目 的 は 地 元 住 民 が 果 たす 役 割 を 重 視 して 自 然 資 源 に 関 する 意 思 決 定 は 行 う[べきだ]という 戦 略 に 則 って 追 求 されるべきだとする 原 理 または 実 践 (those principles and practices that argue that conservation goals should be pursued by strategies that emphasize the role of local residents in decision-making about natural resources) であると 定 義 される それは 法 律 や 公 的 機 関 を( 例 えば トップ ダウンからボトム アップへと) 変 更 すれば 済 む 問 題 ではなく 社 会 的 政 治 的 な 権 力 の 再 配 分 というマクロな 社 会 変 化 の 一 端 を 占 める 事 象 である(Hulme and Murphree, 2001: 4) CC には 3 つの 国 際 社 会 を 起 源 とする 革 新 的 なアイデア(radical ideas of international provenance) が 導 入 されているが その 1 番 目 に 挙 げられるのは 純 粋 に 政 府 中 心 という よりもむしろ 保 全 はコミュニティを 伴 うべき(conservation should involve the community rather than being purely state-centric) という 考 えであり それはアフリカ 人 を 自 然 の 破 壊 者 としてではなく 地 元 の 英 雄 (local heroes) と 捉 える 視 点 の 転 換 を 意 味 する(Hulme and Murphree, 2001: 1) また 第 2 のアイデアは 持 続 可 能 な 開 発 であり それは 保 全 の 意 味 内 容 が 保 存 から 持 続 可 能 な 利 用 へと 変 化 したことを 意 味 する そして 最 後 に 言 及 される のが 20 世 紀 末 に 広 範 に 流 布 した 新 自 由 为 義 である つまり 人 びとを 保 全 に 向 かわせるイ ンセンティブを 構 築 する 上 では 市 場 が 重 要 な 役 割 を 担 うとの 考 えであり 使 わなければ 失 うだけ(use it or lose it) という 観 念 あるいは もし 種 や 生 息 地 を 保 全 しようとするな らば それらは 市 場 から 隔 離 されてはならない(if species or habitats are to be conserved then they must not be isolated from the market) といった 为 張 へとつながってゆく 28 始 めの 2 つは CBC の 为 張 と 特 には 矛 盾 しないが 29 3 点 目 の 新 自 由 为 義 は 前 項 の 最 後 に 見 たように 自 由 貿 易 に 対 する 警 戒 感 を 隠 さない CBC とは 明 らかに 対 照 的 である CC は ICDPs や CBC CBNRM の 他 に コミュニティ 野 生 動 物 管 理 (community wildlife management) や 協 働 管 理 (collaborative management) といったアプローチを 全 て 含 むだ 27 Hulme and Murphree(1999)と Hulme and Murphree eds.(2001)の 中 間 に 位 置 する 文 献 として 東 アフリカ 3 ヶ 国 (ケニア タンザニア 連 邦 共 和 国 ウガンダ 共 和 国 )における CC の 政 策 実 践 をレビューした Barrow et al.(2000)があると 考 えられる 同 書 の 序 文 において その 一 部 は 当 時 既 に 印 刷 中 であった(と Barrow et al., 2000: iv に 書 かれている)Hulme and Murphree eds. (2001)に 基 づくとのことだが 内 容 的 には Hulme and Murphree eds.(2001) 以 上 に 東 アフリ カに 関 する 記 述 が 豊 富 ではあるものの CC の 理 論 構 成 についての 説 明 は 乏 しい よって 本 研 究 では CC については Hulme and Murphree eds.(2001)に 依 拠 して 議 論 を 進 めることとする 28 これに 続 けて Hulme and Murphree(2001: 1)は それら[ 種 や 生 息 地 といった 保 全 の 対 象 ] は 市 場 へとさらされなければならない なぜなら それらのユニークさと 稀 尐 さは[ 高 い 水 準 で の] 商 品 価 格 の 維 持 をもたらし 保 全 を 促 進 するからだ(they must be exposed to it as their uniqueness and scarcity lead to valorization and thus promote conservation) と 書 いている また CC が 新 たな 野 生 動 物 保 全 のアプローチとして 広 範 な 支 持 を 得 た 理 由 として Adams and Hulme(2001: 15-18) は CC が 保 全 を 持 続 可 能 な 開 発 と 結 び 付 ける 枞 組 みであること 地 元 コミュニティが 公 共 政 策 の 設 計 実 施 に 関 与 することの 重 要 性 を 論 じていること 開 発 分 野 における 支 配 的 言 説 の 転 換 期 と 重 なったこと 市 場 を 通 じた 開 発 という 考 えを 踏 まえていること そして 保 護 区 の 中 だけで は 野 生 動 物 保 全 が 完 結 し 得 ない 点 を 明 らかにしている 点 を 挙 げている 29 地 元 住 民 による( 保 護 区 内 の) 自 然 資 源 の 利 用 を 可 能 な 限 り 取 り 除 くことでこそ 保 全 ( 実 質 的 に 保 存 )が 達 成 されるとする ICDPs の 立 場 からすると 持 続 可 能 な 利 用 という 観 点 は 極 めて 大 きな 転 換 あるいは 容 易 には 受 け 入 れ 難 い 議 論 を 意 味 するだろう 14

46 けでなく 30 要 塞 型 保 全 の 要 素 を 取 り 入 れる 必 要 性 をも 認 めており 枞 組 みとして 包 摂 しようとする 内 容 は 非 常 に 幅 広 い(Adams and Hulme, 2001: 22) 31 この 概 念 としての 幅 広 さに 対 応 して CC において 保 全 という 言 葉 には 生 命 中 心 的 (biocentric) な 意 味 合 いと 人 間 中 心 的 (anthropocentric) な 意 味 合 いの 両 要 素 が 同 時 に 含 まれ 得 ると 考 えられている (Adams and Hulme, 2001: 14) 生 命 中 心 的 な 保 全 が 自 然 の 本 質 的 価 値 や 人 間 以 外 の 生 物 種 の 権 利 やニーズに 基 づく [ 野 生 動 物 ]それ 自 身 のための 保 全 (conservation for its sake) を 意 味 する 一 方 で 人 間 中 心 的 な 保 全 は 人 びとの 権 利 やニーズ 便 益 のために 実 践 さ れる 活 動 であり 持 続 可 能 な 利 用 も 含 まれる(Adams and Hulme, 2001: 14) それらは 非 使 用 価 値 のための 保 全 (conservation for non-use values) 並 びに 使 用 価 値 のための 保 全 (conservation for values) という 言 葉 で 言 い 換 えられもする CC には 使 用 価 値 あるいは 非 使 用 価 値 のどちらか 片 方 だけに 基 づく 保 全 活 動 もあれば 両 者 を 異 なる 割 合 で 含 むような 保 全 活 動 も 含 まれており(Adams and Hulme, 2001: 14-15) 32 そうであればこそ CC が 具 体 的 に 意 味 し 得 る 内 容 アプローチの 範 囲 は 非 常 に 多 岐 にわたることになる そうした 状 況 において Barrow and Murphree(2001: 31-34)は CC の 代 表 的 な 類 型 として 表 0-1 にその 特 徴 が 記 されている 3 つのアプローチ 即 ち 保 護 区 アウトリーチ(protected area outreach) 協 働 管 理 (collaborative management) そして コミュニティ 为 体 の 保 全 (community-based conservation) を 挙 げている 33 保 護 区 アウトリーチ は 国 有 地 国 有 資 源 を 対 象 として 生 態 系 生 物 多 様 性 の 保 全 を 目 的 とする 生 命 中 心 的 な 活 動 であり 地 元 住 民 に 対 する 便 益 還 元 は 二 次 的 な 位 置 付 けに 置 かれる(Barrow and Murphree, 2001: 33) 協 働 管 理 は 地 元 住 民 の 生 活 上 重 要 な 位 置 を 占 めるにもかかわらず 国 が 管 理 所 有 する 土 地 に 位 置 する 自 然 資 源 を 対 象 として 地 元 住 民 が 国 との 間 で 合 意 を 形 成 し 協 力 して 30 コミュニティ 野 生 動 物 管 理 という 語 を 用 いた 先 行 研 究 としては Jones(1999)があるが 彼 は 後 述 する CBNRM の 文 献 の 中 で 複 数 の 章 を 執 筆 しており コミュニティ 野 生 動 物 管 理 は CBNRM に 含 まれ 得 ると 思 われる 協 働 管 理 は CC の 1 類 型 として 位 置 付 けられることにな る 概 念 だが その 詳 細 は 本 文 中 で 後 述 する 31 ただし CC における 要 塞 型 保 全 の 位 置 付 けについては 曖 昧 さが 残 っているように 思 われ る なぜなら Adams and Hulme(2001: 10)において CC は 要 塞 型 保 全 への 対 抗 言 説 (a counter-narrative) であると 明 記 されているものの 同 章 の 別 の 箇 所 では 今 日 の 差 し 迫 ったイ シューとは いかにして 要 塞 型 保 全 と CC の 要 素 とを 含 む[2 つの] 戦 略 を 関 連 付 け 調 和 させ るかであって どちらが 常 に 他 方 よりも 勝 っているかを 証 明 することではない(The pressing contemporary issue is how to relate and mix strategies that incorporate elements of fortress conservation and community conservation, not to prove that one is always better than other) ( Adams and Hulme, 2001: 22)とされているからである 後 者 でいうところの CC と 結 び 付 けられるべき 要 塞 型 保 全 の 要 素 が 何 を 意 味 するのかについては 明 確 には 書 かれておらず 現 状 としては 本 文 で 後 述 する 類 型 化 などから 推 察 するしかないだろう 32 とはいえ 住 民 の 参 加 とその 生 計 を 重 視 する CC においては 完 全 に 生 命 中 心 的 で 地 元 住 民 にとって 使 用 価 値 も 非 使 用 価 値 も 全 く 認 められないような 保 全 はそれには 含 まれない 33 これとは 異 なる CC の 類 型 として Adams and Hulme(2001: 15)は 消 費 的 / 非 消 費 的 利 用 のた めの 保 全 という 軸 と 地 元 コミュニティが 資 源 に 対 して 持 つ 力 の 強 弱 という 軸 の 2 つから 資 源 保 全 のための CC(CC to conserve resource, 消 費 的 利 用 のための 保 全 で 地 元 に 認 められるのは 弱 い 力 ) 発 展 実 現 のための CC(CC to achieve development, 消 費 的 利 用 のための 保 全 で 地 元 に 認 められるのは 強 い 力 ) 野 生 動 物 保 護 のための CC(CC to protect wildlife, 非 消 費 的 利 用 のた めの 保 全 で 地 元 に 認 められるのは 弱 い 力 ) 保 全 達 成 のための CC(CC to achieve conservation, 非 消 費 的 利 用 のための 保 全 で 地 元 に 認 められるのは 強 い 力 ) という 4 類 型 を 導 出 している 15

47 表 0-1 CCの 諸 アプローチといくつかの 鍵 となる 特 徴 保 護 区 アウトリーチ 協 働 管 理 コミュニティ 主 体 の 保 全 目 的 生 態 系 生 物 多 様 性 種 の 保 全 いくらかの 生 業 面 での 便 益 を 伴 う 保 全 持 続 可 能 な 地 元 の 生 計 所 有 権 / 土 地 保 有 権 国 有 地 国 有 資 源 ( 例 : 国 立 公 園 森 林 猟 獣 リザーブ) 特 定 の 資 源 に 関 してコミュニ ティとの 間 に 協 働 管 理 に 向 け た 仕 組 みがある 国 有 地 複 雑 な 保 有 権 と 所 有 権 に 関 す る 取 り 決 めが 存 在 法 律 上 か 実 質 上 か 地 元 の 資 源 利 用 者 が 土 地 資 源 を 所 有 国 が 最 後 の 手 段 としていくらかのコント ロールを 行 う 場 合 も 管 理 の 特 徴 資 源 管 理 に 関 しては 国 が 全 てを 決 定 する 国 有 資 源 に 関 して 国 と 利 用 者 集 団 の 間 に 合 意 が 存 在 管 理 に 関 する 取 り 決 めが 決 定 的 に 重 要 保 全 は 土 地 利 用 の1つの 要 素 であり 地 元 経 済 の 開 発 に 強 調 が 置 かれる 東 南 部 アフリカ における 中 心 地 東 アフリカでは 一 般 的 だが 南 部 アフリカに おいてはわずか 東 アフリカが 取 り 組 みの 中 心 であるが 南 部 アフリカでもい くらかは 見 られる 南 部 アフリカにおいては 主 流 だが 東 アフリカでも 増 加 している 出 典 :Barrow and Murphree(2001: 32) 保 全 に 当 たる 活 動 を 意 味 する 協 働 管 理 は 地 元 住 民 の 直 接 的 な 資 源 利 用 が 認 められる 点 で 保 護 区 アウトリーチ と 大 きく 異 なり 人 間 中 心 的 な 要 素 がより 前 面 に 打 ち 出 さ れているアプローチである ただし いくらかの 生 業 面 での 便 益 を 伴 う 保 全 (conservation with some rural livelihood benefit) が 目 標 とされるときに そこにおける 保 全 および 便 益 の 具 体 的 な 程 度 内 容 については 利 用 者 集 団 間 ( 地 元 住 民 と 国 との 間 )での 取 り 決 め 次 第 と される 3 番 目 の 類 型 として 提 示 される CBC は 資 源 利 用 者 が 法 律 上 または 事 実 上 に 所 有 する 土 地 資 源 を 対 象 として 持 続 可 能 な 生 計 を 維 持 推 進 することを 目 的 として 行 われ る 保 全 活 動 を 意 味 する 野 生 動 物 の 持 続 可 能 性 の 担 保 という 条 件 が 付 くものの 消 費 的 利 用 も 含 めた 野 生 動 物 利 用 を 積 極 的 に 押 し 進 めようとする 姿 勢 に 加 えて(Barrow and Murphree, 2001: 34) 活 動 の 中 心 地 が 東 部 アフリカではなく 南 部 アフリカとされる 点 からも 分 かるよ うに ここでいわれる CBC とは Western and Wright eds.(1994)によって 定 式 化 された CBC とは 全 く 異 なる 概 念 であり 実 態 としては 次 項 で 取 り 上 げる CBNRM に 近 い 概 念 となって いる(Hulme and Murphree, 2001a: 2) この 類 型 化 に 関 しては 政 府 以 外 の 外 部 アクターの 位 置 付 けが 不 明 確 である 点 や 34 私 有 地 共 有 地 上 で 生 命 中 心 的 な 保 全 が CC として 展 開 される 可 能 性 が 未 想 定 である 点 など からして 35 CC が 含 み 得 る 全 ての 保 全 アプローチを 包 括 しているとはいい 難 い 果 たして 34 Barrow and Murphree(2001: 33)は 協 働 管 理 の 説 明 の 中 で 保 護 区 管 理 に 関 係 する 複 数 の 利 害 関 係 者 の 参 加 を 示 唆 しており 場 合 によっては それは 民 間 企 業 と 地 元 コミュニティまたは 保 全 当 局 の 間 の 協 力 関 係 を 意 味 すると 書 いている ただし 表 0-1 では そうした 地 元 住 民 (= 資 源 利 用 者 )とも 国 家 とも 異 なるアクターは 利 害 関 係 者 として 記 載 されていない 35 笹 岡 (2011)は 自 然 資 源 管 理 のこれまでの 議 論 において 超 自 然 的 なエージェンシー(agency) が 持 続 的 な 資 源 管 理 を 実 現 する 上 で 重 要 な 役 割 を 果 たし 得 る 点 が 等 閑 視 されてきたとしている が 野 生 動 物 保 全 においても 事 態 は 同 様 であり ここにおける Barrow and Murphree(2001: 32) に 限 らず 新 パラダイムの 多 くの 議 論 においても 便 益 開 発 が 重 視 され 過 ぎる 中 で 地 元 住 民 にと 16

48 そうした 点 を Barrow and Murphree(2001)が 意 図 的 に 無 視 しているのか それとも 暫 定 的 な 理 論 構 築 の 中 で 結 果 的 に 含 み 損 ねているだけなのかは 分 からないが ICDPs や CBC と 比 較 した 時 に 理 論 面 で CC がそれら 先 行 する 概 念 と 異 なる 重 要 な 点 としては 個 々の 現 場 にお いて 目 指 されるべき 保 全 の 内 容 は 潜 在 的 に 多 様 な 幅 を 持 ち 得 るものであり どのような 保 全 のあり 方 を 目 標 と 設 定 するかをアプリオリに 定 めることはできないという 指 摘 がある ICDPs にとっては 保 全 とは 実 質 的 に 保 護 区 内 の 自 然 を 保 存 することをほぼ 一 意 的 に 意 味 し ており それは 保 護 区 アウトリーチ とほぼ 同 意 だと 考 えられる また Western and Wright eds.(1994)が 提 示 する CBC は 地 元 住 民 への 便 益 を 重 要 視 しつつも 保 全 こそが 究 極 的 な 評 価 基 準 であると 定 めており そこでは 本 当 に 保 全 と 便 益 開 発 が 両 立 可 能 なのか CBC が 認 め 得 る 開 発 行 為 に 一 定 の 枞 ( 保 全 の 進 展 を 阻 まない 範 囲 での 開 発 行 為 )が 存 在 するの ではないかという 点 は 全 く 触 れられていない それに 対 して CC は 保 全 の 意 味 として 生 命 中 心 的 と 人 間 中 心 的 の 2 つの 側 面 があることを 明 示 し 両 者 が 常 に 背 反 する 訳 で はないことを 述 べつつ 現 実 問 題 として 両 者 のバランス 次 第 で 多 数 のアプローチが 具 体 的 に 採 り 得 ることを 示 している このように 保 全 の 言 葉 が 持 ち 得 る 多 様 性 を 計 る 指 標 をそ の 理 論 に 導 入 している 点 に CC の 意 義 がある このように 多 様 な 取 り 組 みを 含 み 得 る CC をどのように 評 価 するのかという 点 に 関 して Hulme and Murphree(2001b: )は CC に 関 与 する 多 様 な 利 害 関 係 者 をコミュニティ 官 僚 地 方 政 府 NGO ドナー 民 間 企 業 というカテゴリーに 整 理 した 上 で それらの 類 型 内 の 多 様 性 にも 留 意 しつつ 誰 が 勝 ち 誰 が 負 けるのか(who wins and who loses) につ いて 分 析 を 行 っている 続 けて 保 全 と 開 発 の 両 面 にわたる CC の 目 標 達 成 度 を 計 るための 評 価 基 準 として 環 境 効 率 貧 困 削 減 衡 平 (poverty reduction, equity) 制 度 発 展 (institutional development)の 4 つを 挙 げるが(Hulme and Murphree, 2001b: ) そこで 論 じられる のは 各 評 価 基 準 それ 自 体 の 理 論 的 な 内 実 というよりもこれまでに 取 り 組 まれてきた CC の まとめに 留 まっている 36 なお 保 全 という 言 葉 でいかなる 対 象 をどのような 状 態 へと 導 く って 意 味 のある 生 命 中 心 的 な 保 全 あるいは 直 接 的 な 使 用 価 値 とは 矛 盾 するような 保 全 活 動 の 可 能 性 が 詳 細 に 論 じられることは 管 見 の 限 り 見 られない 36 環 境 に 関 しては 自 然 科 学 的 な 面 における CC の 環 境 保 全 への 貢 献 度 合 いは 不 確 かとしつつも 地 元 住 民 はより 保 全 と 両 立 可 能 な 行 動 を 選 択 するようになったと 肯 定 的 な 評 価 を 一 応 は 下 して いる ただし 環 境 面 の 成 否 を 語 る 前 提 として 不 可 欠 な 目 標 とされる 保 全 の 状 態 意 味 がアフ リカの 野 生 動 物 保 全 においては 曖 昧 だとも 記 されている 効 率 については 野 生 動 物 のハンティ ング 観 光 利 用 が 拡 大 傾 向 にある 中 で そうした 経 済 活 動 が 政 府 为 導 からコミュニティ 志 向 へと 性 質 を 変 化 させてきている 点 が 指 摘 されている ここでは 地 元 住 民 の 経 済 的 な 収 入 だけでなく 農 作 物 被 害 のような 費 用 の 面 も 考 慮 する 必 要 性 が 言 及 されているだけでなく 土 地 利 用 の 面 で 野 生 動 物 が 農 耕 や 牧 畜 に 打 ち 勝 てるのは 比 較 的 に 珍 しい 環 境 下 においてのみ(only in relatively rare circumstances) ( Hulme and Murphree, 2001: 288)だともされている 特 に 後 者 に 関 しては CC の 適 用 可 能 性 に 一 定 の 条 件 を 認 めている 記 述 という 意 味 で 重 要 であろう また 貧 困 削 減 に 関 しては それは 経 済 の 量 的 成 長 や 効 率 性 の 向 上 だけでは 捉 え 切 れない 開 発 の 一 側 面 を 考 察 する ための 視 点 とされるが CC が 貧 困 削 減 の 面 で 及 ぼしている 影 響 を 正 確 に 論 じるために 必 要 な 情 報 は 未 だに 充 分 に 集 まっていないとして 評 価 はなされていない 衡 平 に 関 しては 観 光 業 が 発 展 した 時 の 利 益 分 配 に 加 えて 便 益 をいかにより 貧 しい 地 元 住 民 へと 還 元 するための 公 正 な 協 力 関 係 の 構 築 が 今 後 の 探 究 すべき 事 項 として 挙 げられている 最 後 に 制 度 発 展 については 地 元 住 民 の 生 計 に 関 しては 明 らかな 進 展 がみられたが 保 全 に 関 しては 目 標 が 定 まっていないとして 明 確 な 判 定 が 下 されていない 17

49 ことが 目 指 されているのかを 明 確 にする 必 要 があるという 点 は CC の 議 論 において 繰 り 返 し 指 摘 されているが Hulme and Murphree(2001b: 290)は そうした 価 値 判 断 を 左 右 する 視 点 として 評 価 者 が 市 場 (における 見 えざる 手 の 作 用 )を 信 頼 するかどうかが 挙 げら れている これは 即 ち CC を 基 礎 づける 革 新 的 なアイデア として 言 及 されている 新 自 由 为 義 であるが それが 保 全 のあり 方 を 既 定 するアイデアとして 妥 当 であるかについては 議 論 の 余 地 があることを 認 識 していることになる (e) コミュニティ 为 体 の 自 然 資 源 管 理 (community-based natural resource management) Hulme and Murphree eds.(2001)において ICDPs や CBC を 包 括 する 幅 広 い 枞 組 みとして CC が 提 起 される 時 そこでは 保 全 の 多 義 性 と 恣 意 性 が 意 識 されていた 訳 だが その 後 の 議 論 においては ICDPs と CBC あるいはそれらと CC の 理 論 的 な 差 異 を 踏 まえずに 一 緒 くた にする 研 究 者 も 存 在 する 37 そうした 状 況 においては CC もまた 時 に 便 益 基 盤 のアプロ ーチ という 括 りに 含 まれることになってしまうが CC に 含 まれる 1 つの 保 全 アプローチ として コミュニティ 为 体 の 自 然 資 源 管 理 (CBNRM) (Adams and Hulme, 2001: 13; Hulme and Murphree, 2001a: 2; Jones and Murphree, 2004: 63)が Child ed.(2004)と Suich et al. eds. (2009)において 新 自 由 为 義 的 な 装 いの 下 に 提 起 されている 38 Child(2009d: 187)は CBNRM が 地 域 においては 異 なる 概 念 を 意 味 し 得 ることを 認 めた 上 で 南 部 アフリカにおい て 長 年 野 生 動 物 保 全 に 携 わってきた 自 らを 中 心 とする 研 究 者 集 団 が 用 いる CBNRM の 意 味 を 権 限 移 譲 を 強 く 打 ち 出 している 権 利 基 盤 のアプローチに 含 まれる 一 連 の 経 済 政 治 組 織 に 関 する 諸 原 理 の 略 記 (shorthand for a set of economic, political and organizational principles within a strongly devolutionary rights-based approach) と 定 義 している Western(2003: 13)によれば 要 塞 型 保 全 の 限 界 は 欧 米 よりも 先 に 1960 年 代 のアフリカの 現 場 におい て 意 識 されるようになり それへの 対 応 として 新 たな 保 全 アプローチが 東 アフリカと 南 部 37 例 えば Holmes(2003: 305)は 柵 と 罰 金 アプローチに 代 わる 新 たな 保 全 アプローチとし て Wells et al.(1992) Western and Wright eds.(1994) Hulme and Murphree eds.(2001)の 全 て を 一 緒 くたに 参 照 しており それらの 間 の 差 異 については 一 切 の 言 及 を 行 っていない 38 コミュニティ 为 体 を 志 向 する 近 年 のアフリカ 野 生 動 物 保 全 の 取 り 組 みを CBNRM という 言 葉 を 用 いて 議 論 した 文 献 に Fabricius et al. eds.(2004)もあるが Child ed.(2004)や Suich et al. eds.(2009)に 比 べてアフリカの 野 生 動 物 保 全 を 念 頭 に 置 いたモデル 構 築 とはいい 難 いため 本 研 究 においてそのレビューは 行 わない ただし 同 書 に 収 められた 南 部 アフリカの 事 例 研 究 の 中 には 地 元 住 民 が CBNRM に 参 加 する 動 機 として 新 自 由 为 義 者 が 軽 視 無 視 してきた 側 面 があ ることを 指 摘 している 論 考 も 多 く 参 考 になる 例 えば 価 格 所 有 権 補 完 性 パラダイム の 基 盤 として 参 照 されているジンバブエとナミビア 共 和 国 の 内 の 前 者 に 関 して Sibanda(2004: 255)は 金 銭 的 な 便 益 も 得 ていなければプログラムの 内 容 すら 理 解 していないにもかかわらず 伝 統 的 な 価 値 観 即 ち 彼 ら 彼 女 らは[プロジェクトに 皆 で 参 加 することで]コミュニティの 一 部 でありたいと 考 えていた(they wanted to be part of the community) ことが 理 由 となって 地 元 住 民 がプロジェクトに 参 加 していた 事 実 を 報 告 している これは 経 済 性 を 最 重 要 視 する CBNRM に 対 して 社 会 的 文 化 的 価 値 が 重 要 な 参 加 要 因 となり 得 る 点 を 明 らかにしている また Nott et al.(2004: 207)は ナミビアのコンサーバンシーにおいても 経 済 的 利 益 の 分 配 や 用 途 をめぐり そうした 事 柄 に 不 慣 れな 参 加 者 ( 地 元 土 地 所 有 者 ) 間 で 合 意 形 成 が 容 易 には 作 れない 問 題 を 指 摘 している なお ここで 取 り 上 げる 新 自 由 为 義 的 な CBNRM に 先 駆 する 新 しい 保 全 (Hulme and Murphree, 1999) CC(Hulme and Murphree eds., 2001) 以 外 の 議 論 としては 野 生 動 物 の 持 続 可 能 な 利 用 を 私 的 権 利 の 保 障 によって 担 保 しようとする Prins et al. eds.(2000)の 議 論 がある 18

50 アフリカのそれぞれの 地 域 において 別 個 に 構 想 されるようになったという 東 アフリカに おける 事 例 とは まさに 本 研 究 が 後 に 取 り 上 げることとなるケニア 南 部 アンボセリ 生 態 系 におけるディヴィッド ウェスタン(David Western)が 中 心 となって 展 開 した 活 動 であり それは CBC(Western and Wright eds., 1994)へと 連 なることになる 39 それとは 異 なる 流 れ として 挙 げられるのが 南 部 アフリカのジンバブエ 共 和 国 においてブライアン チャイル ド(Brian Child, Child ed., 2004 の 編 者 )らによって 開 始 された 消 費 的 利 用 をより 重 視 したア プローチであり それを 踏 まえて 構 築 されたのがここで 取 り 上 げる CBNRM である した がって CC が ICDPs や CBC の 議 論 の 発 展 型 であるように CBNRM が CBC あるいは CC を 踏 まえて 構 想 された 訳 ではない むしろ CBNRM の 根 拠 となる 事 例 が 要 塞 型 保 全 への アンチ テーゼとして 60 年 代 以 降 に 試 行 錯 誤 されてきた 一 連 の 取 り 組 みである 点 を 踏 まえ るならば それは CBC とは 異 なる 場 所 形 で 同 時 期 (1960 年 代 末 )から 継 続 されてきた 活 動 に 基 づく もう 1 つの コミュニティ 为 体 のアプローチと 位 置 付 けることができる 40 南 部 アフリカ 諸 国 の 中 でも CBNRM 政 策 を 先 駆 的 に 発 展 させ 突 出 した 経 済 的 生 態 的 な 成 功 (the outstanding economic and ecological success) (Jones and Murphree, 2004: 64)を 収 めたてきたとされるのはジンバブエとナミビア 共 和 国 である 両 国 において 野 生 動 物 の 消 費 的 利 用 を 認 める 政 策 が 採 られてきたのは 60 年 代 以 降 であり 41 そこにおいて 消 費 的 利 用 を 伴 う 保 全 が 为 として 展 開 されたのは 私 有 地 であった(Barnes and Jones, 2009: 115; Child, 2009c: 132) CBNRM の 代 表 例 と 位 置 付 けられるジンバブエの CAMPFIRE(Communal Areas Management Programme for Indigenous Resources, 在 来 資 源 のための 共 有 地 管 理 プロジェク ト)においても それは 私 有 地 上 で 成 功 してきたモデルを 共 有 地 上 へ 適 用 する 試 みであり (Child, 2009a: 10) ケニア 南 部 の 牧 畜 民 コミュニティを 起 源 とする CBC と CBNRM とでは 社 会 的 な 背 景 がそもそも 大 きく 異 なる 南 部 アフリカの 野 生 動 物 保 全 を 基 盤 とする 新 自 由 为 義 的 な CBNRM の 基 本 的 な 枞 組 みは Child ed.(2004)において 整 えられている 権 限 移 譲 を 通 じた 野 生 動 物 への 地 域 化 された 所 有 権 レジーム(localized regimes of proprietorship) の 確 立 が CBNRM の 目 的 とされる 時 その 核 に 据 えられるのが 価 格 所 有 権 補 完 性 パラダイム(price-proprietorship-subsidiarity 39 Western が CBC の 概 念 化 に 重 要 な 役 割 を 果 たしている 点 は Western and Wright eds.(1994)と いう 形 で 筆 頭 編 者 を 務 めている 点 に 加 えて 同 書 全 26 章 中 5 章 ( 内 1 章 は 共 同 執 筆 の 筆 頭 著 者 ) を 執 筆 している 点 からも 明 らかであろう また 次 文 で 取 り 上 げる CBNRM に 関 する Child の 役 割 については Child ed.(2004)の 序 章 と 終 章 を 執 筆 している 点 に 加 えて Suich et al. eds.(2009) の 第 2 編 者 であると 同 時 に 同 書 全 26 章 中 7 章 ( 同 書 は 全 4 部 構 成 だが いずれの 部 においても Child が 最 低 1 章 )を 執 筆 している 点 から 窺 えるだろう 40 ただし CBNRM を 扱 う Child ed.(2004)と Suich et al. eds.(2009)に 加 えて CBC を 議 論 し た Western and Wright eds.(1994)にも 寄 稿 している 研 究 者 としてマーシャル マーフリー(Marshall W. Murphree)がおり Jones and Murphree(2004: 81)がコミュニティを 議 論 する 際 には CBC の 議 論 の 中 で Murphree(1994: 405)が 示 唆 した 内 容 が 参 照 されてもいる しかし 以 下 の 本 文 か らも 明 らかなように CBNRM と CBC ではその 論 理 構 成 は 大 きく 異 なっており Child ed.(2004) や Suich et al. eds.(2009)において Western and Wright eds.(1994)は 全 く 参 照 されていない 41 Child, G(2004: 9)によれば 南 部 アフリカは 人 口 密 度 が 低 く 資 源 管 理 の 必 要 性 が 乏 しい 地 域 であったため 白 人 入 植 前 の 伝 統 的 社 会 には 野 生 動 物 保 全 を 意 図 した 制 度 が 未 発 達 だったという そのため 保 全 は 植 民 地 政 府 によって 長 らく 担 われてきたが 1960 年 代 の 半 ばになると 保 護 区 内 で 展 開 される 観 光 業 に 民 間 資 本 が 参 入 するようになったという(Child, G., 2004: 20) 19

51 paradigm) 即 ち 高 い 市 場 価 格 を 持 つ 野 生 動 物 の 私 的 所 有 権 を 確 定 し 権 利 所 有 者 の 自 由 な 権 利 行 使 を 保 障 することによってこそ 持 続 的 管 理 が 達 成 されるのであり そこにおける 政 府 の 介 入 は 必 要 最 小 限 に 留 められなければならないという 考 えである(Child, 2004b: 235; Jones and Murphree, 2004: 64-67) 42 このパラダイムの 根 底 には 高 い 価 値 を 有 する 野 生 動 物 を 対 象 としてジンバブエとナミ ビアで 展 開 されてきた 保 全 政 策 に 共 通 する 4 つの 要 素 が 存 在 している それは 具 体 的 には 保 全 パラダイムとしての 持 続 可 能 な 利 用 経 済 的 道 具 为 義 (economic instrumentalism) 権 限 移 譲 为 義 (devolutionism) 集 合 的 所 有 権 である 43 経 済 的 道 具 为 義 から 導 出 される 命 題 に は 野 生 動 物 が 経 済 的 に 競 合 的 になり 得 ない 場 合 他 の 土 地 利 用 によって 野 生 動 物 が 置 き 換 えられることが 受 け 入 れられねばならない(where wildlife cannot be made economically competitive, its displacement by other forms of land use must be accepted) というものがあるが Jones and Murphree(2004: 63)によれば 要 塞 型 保 全 において 保 全 が 目 的 人 びとのニ ーズ 充 足 が 手 段 とされるのに 対 し CBNRM においてはニーズ 充 足 こそが 目 的 であって 保 全 はそのための 手 段 だと 位 置 付 けられる 44 権 限 移 譲 为 義 の 下 で 実 際 に 移 譲 されるべき 内 容 は 権 限 移 譲 としてのエンパワーメント つまり 管 理 する 権 利 受 益 する 権 利 そして 捨 てたり 販 売 したりする 権 利 (the empowerment of devolution: the right to manage, the right to benefit and the right to dispose or sell) (Jones and Murphree, 2004: 65-66)である アプリオリ に 保 全 を 開 発 や 便 益 よりも 上 位 に 置 く 生 命 中 心 为 義 的 な ICDPs や CBC とは 極 めて 対 照 的 に CBNRM は 権 利 所 有 者 である 地 元 住 民 の 選 択 を 最 も 重 視 している 点 で 人 間 中 心 的 な 立 場 を 明 確 に 採 用 している 45 また Jones and Murphree(2004: 75)では CBNRM をめぐ 42 なお 同 パラダイムの 背 景 として Jones and Murphree(2004: 64)は 私 的 土 地 所 有 者 への 権 限 移 譲 を 通 じて 実 現 した 生 態 的 経 済 的 成 功 (ecological and economic success through devolution to private landowners) を 共 同 体 的 な 文 脈 (communal context) へ 転 換 することが 必 要 視 される ようになった 歴 史 的 経 緯 を 挙 げている つまり CBC が( 第 2 章 で 詳 述 するように) 当 初 から 地 域 社 会 ( コミュニティ )を 対 象 に 試 みられたのとは 異 なり CBNRM は コミュニティ 为 体 を 名 乗 ってはいるものの その 起 源 は 個 人 志 向 の 取 り 組 みだったことになる 43 持 続 可 能 性 ( 持 続 可 能 な 開 発 )については CC でも 言 及 されているが ここでは 技 術 的 に 最 適 な 持 続 可 能 な 利 用 の 方 法 として 順 応 的 管 理 (adaptive management)が 挙 げられている 経 済 的 道 具 为 義 に 関 して Jones and Murphree(2004: 65)は 南 部 アフリカの 農 村 部 において 持 続 可 能 な 利 用 へと 人 びとを 向 かわせる 为 要 な 動 機 は 経 済 的 便 益 であり 野 生 動 物 の 未 来 は それが 経 済 的 に 競 合 的 な 土 地 利 用 となる 政 治 的 文 脈 においてのみ 保 障 されるだろう(the future of wildlife could only be ensured in a policy context where wildlife could be made an economically competitive form of land use) とした 上 で 農 耕 や 牧 畜 を 有 利 にする 政 府 の 補 助 金 課 税 政 策 の 撤 廃 を 求 めている また 権 限 移 譲 为 義 の 具 体 的 内 容 は 本 文 中 に 記 したとおりだが それは 補 完 性 の 原 則 に 従 って 導 出 されているという 集 合 的 所 有 権 は 私 有 地 における 成 功 経 験 を 共 有 地 へ 転 換 するための 理 論 にかかわる 事 項 であり 具 体 的 にはローカル コモンズ 研 究 を 参 照 する 必 要 性 を 述 べている 44 正 確 には Jones and Murphree(2004: 63)はここで 要 塞 型 保 全 と CC を 対 比 して 議 論 を 展 開 させている そこにおいて CC は 功 利 为 義 的 で 人 間 中 心 的 (utilitarian and anthropocentric) な アプローチと 説 明 されているが これは 人 間 中 心 的 と 生 命 中 心 的 の 両 方 の 用 を 含 む 形 で Hulme and Murphree eds.(2001)において 構 想 された CC を 誤 解 した 記 述 と 思 われる 基 本 的 に Child ed.(2004)の 中 で CC それ 自 体 が Hulme and Murphree eds.(2001)に 即 して 説 明 されては おらず Jones and Murphree(2004: 63)の 説 明 も CC と CBNRM を 同 一 視 している 印 象 を 受 ける 45 Jones and Murphree(2004: 65)は 責 任 は 権 威 と 所 有 権 を 伴 う 形 で 地 元 住 民 に 与 えられるべき だと 述 べるが これは 責 任 と 実 行 能 力 を 欠 くままに 地 元 住 民 の 権 利 を 認 めることに 消 極 的 な 20

52 る 諸 要 素 の 関 連 性 が 図 0-1 のように 整 理 されている 46 図 の 内 容 に 関 しては 議 論 の 余 地 が 残 っているように 思 われるが こうした 要 素 間 関 係 のモデルを 具 体 的 に 提 示 し 得 ている 点 は CBC や CC と 比 べて CBNRM の 大 きな 特 徴 の 1 つである 生 物 多 様 性 保 全 の 増 加 野 生 動 物 の 増 加 生 息 地 の 増 加 否 定 的 影 響 の 減 尐 動 物 の 再 導 入 価 値 の 増 加 競 合 する 土 地 利 用 の 再 考 制 限 要 因 の 減 尐 密 猟 の 減 尐 過 剰 収 穫 の 減 尐 害 獣 との 軋 轢 の 減 尐 保 護 の 増 加 態 度 の 変 化 収 入 と 便 益 の 増 加 の ド 増 ナ 加 ー / 民 間 投 資 所 有 権 の 再 構 築 文 化 的 価 値 の 再 興 自 覚 の 増 加 市 場 への アクセスの 増 加 持 続 可 能 な 収 穫 出 典 :Jones and Murphree(2004: 75) 図 0-1 CBNRMの 諸 活 動 と 保 全 の 便 益 のつながり Western and Wright(1994: 10)と 対 照 的 である 前 者 (CBNRM)の 立 場 が 特 に 問 題 視 するのは 地 元 住 民 の 権 利 ( 野 生 動 物 から 便 益 を 得 る 可 能 性 )を 否 定 しておきながら 保 全 活 動 への 参 加 を 求 めるようなアプローチであるが 逆 に 後 者 (CBC)が 危 惧 するのは 負 担 を 強 いられてきたから といって 責 任 実 行 能 力 を 確 認 しないままに 一 足 跳 びで 権 限 移 譲 を 進 めることで 破 壊 的 活 動 が 引 き 起 こされる 事 態 である 経 済 的 道 具 为 義 を 採 用 する CBNRM の 論 理 としては 地 元 住 民 が 保 全 ( 利 用 )しようと 思 わない 野 生 動 物 は 排 除 されてもしようがないことになるが 自 由 貿 易 のよ うなグローバルな 市 場 経 済 における 商 品 としてではなく 共 存 対 象 として 野 生 動 物 を 扱 う CBC に おいては 基 本 的 に 野 生 動 物 の 排 斥 は 望 ましくない 行 為 と 映 ることになる 46 Jones and Murphree(2004: 75)が 図 0-1 の 出 典 として 挙 げる Stuart-Hill and Taylor(in preparation) はこれまでに 公 刊 されていない それが 所 収 される 予 定 となっている Parks in Transition vol.2 は Parks in Transition(Child ed., 2004)の 姉 妹 本 である Suich et al. eds.(2009)を 指 していると 思 わ れるが Suich et al. eds.(2009)にそのような 題 名 の 章 は 含 まれていない 21

53 Child ed.(2004)においては 価 格 所 有 権 補 完 性 パラダイム に 基 づく 新 自 由 为 義 的 な CBNRM の 枞 組 みを 踏 まえ 国 立 公 園 を 典 型 例 とする 公 的 保 護 区 中 心 の 野 生 動 物 保 全 のあり 方 を 批 判 的 が 検 討 されている そこにおいて CBNRM の 将 来 的 な 課 題 としては 権 限 移 譲 の 更 なる 実 現 コミュニティ レベルにおける 集 合 的 な 資 源 管 理 制 度 の 探 究 自 然 資 源 が 持 つ 多 様 な 経 済 的 価 値 への 対 処 が 言 及 されている(Jones and Murphree, 2004: 86-95) また Child ed.(2004)の 5 年 後 にその 姉 妹 本 (a sister volume) (Child, 2009a: 3)として 出 版 された Suich et al. eds.(2009)では 所 定 まらない 資 源 (fugitive resources) (Child, 2009e: 432)である 野 生 動 物 に 関 して 南 部 アフリカ 諸 国 における 保 全 の 歴 史 と 現 況 47 を 踏 まえて 政 府 为 導 私 有 地 上 コミュニティ 为 体 48 の 各 観 点 から 総 合 的 な 議 論 が 展 開 されている そ の 結 論 章 に 該 当 する Child(2009e)では 3 つの 概 念 モデルが 提 起 されているが 第 1 に 提 示 されるのが 野 生 動 物 の 総 体 的 優 位 モデル(a model for wildlife s comparative advantage) で ある そこでは 年 間 降 水 量 が 600~700mm を 下 回 る 農 耕 不 適 地 においては 政 府 の 政 策 介 入 がなければ 野 生 動 物 が 最 も 利 益 をもたらし 得 るのだが 現 実 には 政 府 による 牧 畜 産 業 向 けの 補 助 金 と 野 生 動 物 利 用 の 制 限 が 課 される 結 果 として 土 地 所 有 者 にとって 野 生 動 物 保 全 を 行 うインセンティブが 阻 害 されていることが 南 部 アフリカの 事 例 を 基 に 示 されている (Child, 2009e: ) 第 2 のモデルは 価 格 連 鎖 と 野 生 動 物 経 済 (value chains and the wildlife economy) と 呼 ば れる それは 野 生 動 物 が 生 み 出 す 経 済 的 便 益 のどの 程 度 が 誰 の 手 にわたっているのかを 検 討 するためのモデルであり これに 基 づく 現 状 分 析 を 通 じて 地 元 住 民 が 得 ている 取 り 分 と 同 時 に 野 生 動 物 を 基 盤 としてどれほどの 規 模 の 経 済 活 動 ( 雇 用 機 会 や 税 収 )が 全 体 として 展 開 されているのかが 検 討 されることになる(Child, 2009e: ) そして 最 後 のモデルは 野 生 動 物 のような 所 定 まらない 資 源 を 管 理 するための 制 度 (institutions for managing fugitive natural resources such as wildlife) であり それは 土 地 所 有 者 集 団 国 の 3 層 から 構 成 される 環 境 ガヴァナンスのモデルである このガヴァナンス モデルにおいて 第 1 層 を 構 成 する 土 地 所 有 者 に 対 しては 野 生 動 物 に 対 する 排 除 の 権 利 (rights of exclusion) (Child, 2009e: 434) 即 ち 他 者 からの 干 渉 を 受 けることなく 完 全 に 自 由 に 野 生 動 物 を 管 理 用 益 販 売 する 権 利 を 委 譲 することが 求 められる 49 ただし 権 限 移 譲 は 責 任 次 第 で 決 まってくる 規 律 付 けられたプロセスである(Devolution is a disciplined process contingent upon responsibilities) ( Child, 2009e: 433)との 記 述 もあり 第 2 層 に 該 当 する 集 団 レベルで 定 められる 規 則 や 制 限 に 従 うことが 求 められることになる その 第 2 層 47 Suich et al., eds.(2009)は 概 観 と 結 論 を 含 む 全 6 章 から 構 成 されるが Child ed.(2004)で 取 り 上 げられていなかったトピックとしては 複 数 の 国 にまたがって 設 置 が 進 められている 国 境 を 超 えた 公 園 (transfrontier parks) がある 48 CBNRM が 最 良 の 機 能 を 果 たすのは それ[ 野 生 動 物 ]が 対 面 的 な 交 流 を 行 うのに 充 分 な 小 さ さであり 口 述 が 一 般 的 な 社 会 に 適 した 技 術 に 基 づく 説 明 責 任 [を 果 たすこと]や 情 報 の 内 的 な フィード バックが 多 くあるようなコミュニティによって 管 理 されている 場 合 (where it is managed by communities small enough to interact face-to-face, and where there are many internal feedback loops of accountability and information that use techniques appropriate to oral societies) だと Child(2009d: 190)は 述 べている 49 土 地 所 有 者 に 認 められるべき 権 利 としては 本 文 で 挙 げているような 項 目 に 加 えて 法 の 施 行 を 行 い 野 生 動 物 の 地 域 で 武 器 を 提 携 する 権 利 (the authority to undertake law enforcement and carry weapons in wildlife areas) も 含 まれている(Child, 2009e: 434) 22

54 として 具 体 的 に 想 定 されているのは 移 動 性 の 高 い 野 生 動 物 のモニタリングや 生 息 地 の 保 護 管 理 を 効 率 的 に 行 うための 集 団 である 地 所 有 者 フォーラム(landholder forum)ないしは コンサーバンシー(conservancies) 50 である その 为 要 な 役 割 は 野 生 動 物 の 移 動 性 に 伴 って 生 起 する 外 部 性 への 対 処 であり 例 えば 野 生 動 物 の 個 体 数 が 過 剰 になることで 放 牧 地 の 务 化 が 生 じたり 狩 猟 頭 数 が 適 正 値 を 超 えることで 個 体 数 の 減 尐 が 起 きたりしないように 管 理 することである そして 第 3 層 はナショナル レベルに 該 当 するが 紛 争 の 調 停 仲 介 や 下 層 ( 第 1 層 第 2 層 )における 集 合 行 為 が 失 敗 した 場 合 の 最 終 手 段 として 国 が 果 たすべき 機 能 が 挙 げられている ただし このモデルにおいては 野 生 動 物 に 関 する 権 利 をでき 得 る 限 り 小 さな 土 地 単 位 へと 委 譲 することが 第 1 に 求 められており 最 小 単 位 であ るところの 土 地 所 有 者 個 人 よりも 上 位 に 位 置 する 組 織 や 制 度 は 土 地 所 有 者 各 人 を 起 点 と する 任 意 の 上 向 きの 権 限 移 譲 / 任 務 委 託 のプロセス(a process of discretionary upward delegation) (Child, 2009e: 432)を 経 ることで 初 めて その 正 当 性 が 認 められることになる CBC や CC において 市 場 原 理 に 強 い 信 頼 を 置 く 新 自 由 为 義 が 否 定 的 に 評 価 される 可 能 性 が 明 確 に 認 められているのとは 対 照 的 に(Hulme and Murphree, 2001b: 290; Western, 1994c: 553) CBNRM にあっては 新 自 由 为 義 は 強 固 に 支 持 されており アダム スミス(Adam Smith) の 見 えざる 手 (invisible hand) が 生 物 多 様 性 保 全 を 誘 導 する 上 で 重 要 な 動 因 となり 得 る と 为 張 されたり(Child, 2004b: 249) チャールズ ダーウィン(Charles Robert Darwin)い うところの 適 者 生 存 (survival of the fittest) を 引 用 して 順 応 や 新 化 が 今 日 の 野 生 動 物 保 全 には 必 要 であるとの 論 が 展 開 されたりしている(Child, 2009e: 427) 51 Child(2004b: 253) は CBNRM が 市 場 価 値 の 高 い 野 生 動 物 が 豊 富 で 農 耕 不 適 地 が 広 い 土 地 における 経 験 から 考 案 されている 点 を 認 めつつも 南 部 アフリカ 式 のアプローチが 地 理 的 に 限 定 されていると 考 える 理 由 はない(There is no reason why the southern African approach to conservation is locally specific) として その 普 遍 性 を 为 張 してもいる ただし Child ed.(2004)や Suich et al. eds. (2009)において 提 示 されているデータは 国 あるいは 地 方 行 政 レベルの 定 量 的 なものが 多 く いわゆるコミュニティ レベルの 実 態 についての 記 述 は 極 めて 限 定 的 である 50 コンサーバンシーとは 南 部 アフリカで 多 く 見 られる 民 間 保 護 区 の 1 形 態 であり 複 数 の 私 的 土 地 所 有 者 がそれぞれの 私 有 地 を 合 わせて 設 立 した 保 護 区 を 意 味 する(Bond et al.,2004: 33) ケニアの 場 合 マサイを 始 めとする 牧 畜 民 の 土 地 であれば 私 有 地 よりも 共 有 地 において 野 生 動 物 保 全 が 展 開 されることが 多 かったこともあり コンサーバンシーという 語 は( 共 有 地 分 割 が 進 行 する) 最 近 まで 用 いられる 機 会 は 尐 なかった 本 研 究 の 事 例 の 1 つがコンサーバンシーであるが それは 私 有 地 の 集 まりであり 共 有 地 上 に 設 立 されたコミュニティ サンクチュアリとは 異 なる 51 CBNRM の 議 論 の 中 には 野 生 動 物 の 存 在 価 値 (existence value of wildlife) や 美 的 観 賞 力 (aesthetic appreciation) あるいは 文 化 的 価 値 (cultural value) といった 言 葉 によって 野 生 動 物 が 持 ち 得 る 非 市 場 価 値 の 重 要 性 が 言 及 されることがあることはある(Jones and Murphree, 2004: 74-75) しかし Child ed.(2004)や Suich et al. eds.(2009)においてそうした 側 面 が 市 場 価 値 と 同 程 度 に 具 体 的 あるいは 論 理 的 に 分 析 され 説 得 的 な 議 論 が 展 開 されている 箇 所 は 見 当 た らない むしろ 前 者 の 最 終 章 において Child(2004b: 250)は [ 地 元 住 民 の 野 生 動 物 保 全 への] インセンティブは 現 実 の 価 値 を 反 映 する インセンティブ 为 導 の 保 全 は 野 生 動 物 や 他 の 自 然 資 源 が 商 業 的 に 成 功 し 得 る[ような 価 値 を 備 えている] 状 況 において 力 強 いものである(Incentives reflect real values. Inventive-led conservation is powerful where wildlife and other natural resources are commercially viable) と 述 べており あくまで 重 要 視 されているのは 市 場 を 通 じて 実 現 される 価 値 ( 便 益 )である 23

55 (f) ローカル コモンズ 研 究 における 熟 議 複 数 性 志 向 のアプローチ(deliberation-andplurality-oriented approaches) CBC は 地 元 住 民 と 複 数 の 外 部 者 の 間 に 生 じる 利 害 関 心 の 食 い 違 い が 従 来 の 保 全 活 動 の 最 大 の 失 敗 理 由 だと 考 えるからこそ(Western, 1994b: 500) 地 元 住 民 に 便 益 を 提 供 するこ とでローカルな 保 全 イニシアティブを 醸 成 しようとする 傍 らで 地 元 住 民 と 外 部 者 の 間 に おける 利 害 の 調 和 (local and outside interests match) の 必 要 性 にも 言 及 している(Western, 1994b: 500) そこにおいて CBC の 推 進 にとって 問 題 となる 食 い 違 い は 経 済 的 次 元 だ けに 留 まらず 地 元 文 化 の 複 雑 さと 多 様 性 (complexity and diversity of local culture) (Wright, 1994: 525)もまた 重 要 であるにもかかわらず 従 前 の 保 全 の 議 論 から 抜 け 落 ちてきた 点 と して 指 摘 されている しかし そうした 利 害 関 心 や 文 化 的 な 価 値 意 識 が 異 なる 人 びとの 間 で 合 意 形 成 意 思 決 定 を 進 めていく 上 で 有 効 なアプローチとしてどのような 方 策 があるの かについては Western and Wright eds.(1994)では 具 体 的 な 議 論 は 展 開 されていない 52 ま た CC においては 地 元 住 民 にとって 重 要 な 資 源 ( 野 生 動 物 )が 国 有 資 源 ないし 国 有 地 上 に 存 在 する 場 合 に 資 源 利 用 者 と 保 全 当 局 が 協 同 して 管 理 に 当 たるあり 方 が 協 働 管 理 と 呼 ばれる(Barrow and Murphree, 2001: 32-33) それは CC の 典 型 的 類 型 の 1 つであり そこ において 両 者 の 協 働 のあり 様 を 具 体 的 に 規 定 するのは 利 害 関 係 者 間 の 複 雑 な 保 有 権 と 所 有 権 に 関 する 取 り 決 め(complex tenure and ownership arrangements) であるとされるが 具 体 的 にどのようなプロセスでそうした 複 雑 な 取 り 決 めが 構 築 し 得 るのかについての 現 実 的 な 説 明 が 展 開 されているとはいい 難 い 53 そもそも Hulme and Murphree(2001b: )によれば アフリカの 野 生 動 物 保 全 につ いては 目 標 とする 状 態 が 政 策 的 に 明 確 化 されていないことが 多 く 取 り 組 みを 客 観 的 に 評 価 することに 困 難 が 伴 うという ここで 仮 に 野 生 動 物 に 見 出 される 価 値 を 経 済 的 なもの に 限 定 したとしても 慣 習 的 に 野 生 動 物 を 直 接 に 消 費 的 利 用 してきた 地 元 住 民 と 非 消 費 的 な 観 光 利 用 を 通 じて 金 銭 収 入 の 獲 得 を 目 指 す 外 部 者 ( 典 型 的 には 中 央 政 府 )との 間 に 競 合 関 係 が 生 じることは 容 易 に 想 定 できるし( 岩 井, 2009; 山 極, 2008) そうした 対 立 を 根 底 に 野 生 動 物 をめぐる 文 化 価 値 観 の 差 異 が 横 たわることで 対 立 はより 深 刻 なものとなり 得 る ことは 先 行 研 究 からも 明 らかである(Duffy, 2000; Neumann, ; 安 田, 2009) そう であればこそ グローバル 化 が 進 展 しより 多 種 多 様 なアクターが 関 与 するようになってい る 今 日 の 保 全 を 検 討 する 際 には 価 値 の 複 数 性 を 前 提 として 議 論 を 進 めるべきであろう 地 域 社 会 /コミュニティのレベルにおける 共 同 体 的 な 自 然 資 源 管 理 を 議 論 してきたロー カル コモンズ 研 究 では 非 均 質 的 な 地 元 コミュニティに 加 えて 多 数 の 外 部 アクターが 関 52 Western and Wright eds.(1994)の 最 終 章 ( Western, 1994c)の 節 題 は 絶 望 から 希 望 へ(From despair to hope) 我 々の 心 を 変 えること(Changing our minds) 自 覚 から 行 動 へ(From awareness to action) 役 割 の 交 代 (Changing roles) そして 新 たなヴィジョン(A new vision) であるが そこで 展 開 されている 内 容 は 前 章 までの 考 察 を 踏 まえた 新 たな 理 論 的 アプローチの 構 築 という よりも 生 物 多 様 性 保 全 の 重 要 性 を 前 提 にいかに 各 人 が 内 面 的 にも 外 面 的 にも 改 めるべきかとい う 多 分 に 倫 理 的 な 議 論 である 53 協 働 管 理 を 結 ぶ 手 続 きとして 地 元 住 民 にとって 重 要 な 資 源 の 特 定 公 的 に 利 害 関 係 者 間 で 結 ぶ 契 約 内 容 に 関 する 交 渉 管 理 責 任 を 負 うローカルな 为 体 の 組 織 化 といった 事 項 が 挙 げら れもするが これらのプロセスを 具 体 的 に 実 行 ないし 分 析 考 察 を 進 めるに 際 して 具 体 的 な 指 標 なり 留 意 点 などについての 記 述 は 欠 けている(Barrow and Murphree, 2001: 33) 24

56 与 する 状 況 が 今 日 の 自 然 資 源 管 理 の 前 提 として 認 識 されるようになっており そうした 現 場 における 合 意 形 成 に 向 けた 方 策 として 熟 議 (deliberation)が 注 目 されている(Berkes, 2007; Brown, 2003: 90; Folke et al., 2005: 450; McCay, 2002: ; Stern et al., 2002: ) 54 これらの 議 論 の 中 でも 熟 議 の 議 論 を 積 極 的 に 展 開 しているものとして ここでは Brown (2003)と Berkes(2007)を 取 り 上 げる 55 Brown(2003: 89)は 1980 年 代 以 降 に 広 まった 生 物 多 様 性 保 全 の 政 策 実 践 における 新 たな 方 向 性 を 人 間 志 向 のアプローチ(peopleoriented approaches) と 呼 んでいるが その 具 体 例 として ICDPs や CBC CBNRM に 言 及 し つつも それら 全 てを 包 摂 するより 高 次 の 概 念 として 新 しい 保 全 (Hulme and Murphree, 1999)を 取 り 上 げている 56 Brown(2003: 89)は 新 しい 保 全 が 挙 げる 3 つの 転 換 点 に 言 及 した 上 で それが 保 全 と 開 発 の 両 面 において 成 功 を 収 めるために 必 要 な より 本 質 的 な 変 化 (more fundamental changes) の 1 つとして 意 思 決 定 プロセスを 熟 議 的 で 包 括 的 な プロセス(deliberative inclusionary process) へと 変 容 させることを 为 張 している 57 そこで Brown(2003: 90)がいうところの 熟 議 は 端 的 には 注 意 深 い 考 慮 あるいは 議 論 (careful consideration or discussion) を 意 味 している より 具 体 的 には 熟 議 的 で 包 括 的 な プロセス に 参 加 するアクターは 他 のアクターが 相 互 に 異 なる 立 場 にあることを 認 識 し そうした 他 者 の 異 なる 立 場 に 敬 意 を 抱 きつつ 自 分 自 身 だけでなく 他 の 利 害 関 係 者 の 価 値 観 や 選 好 を 熟 考 評 価 することが 期 待 されている そうしたコミュニケーション プロセ スにおける 重 要 な 狙 いは 価 値 観 または 選 好 の 変 容 (transformation of values or preferences) (Brown, 2003: 90)であり それが 実 現 することで 人 びとの 間 の 合 意 形 成 が 促 進 されると 考 えられている 58 このように Brown(2003: 90)が 熟 議 的 で 包 括 的 なプロセス を 提 起 す 54 ローカル コモンズ 研 究 のこれまでの 研 究 史 に 関 しては Feeny et al.(1990) Agrawal(2002) 三 俣 (2010)を 参 照 のこと 55 McCay(2002: )は 利 害 関 係 者 間 における 合 意 形 成 に 向 けたコミュニケーションの 中 で 形 成 される 理 解 や そこで 展 開 される 言 説 に 潜 む 社 会 的 文 化 的 側 面 を 論 じる 中 で 熟 議 に 言 及 し ているが 熟 議 の 具 体 的 な 内 容 に 関 する 明 示 的 な 説 明 は 乏 しい また Stern et al.(2002: ) は McCay(2002)も 所 収 されている Ostrom et al. eds.(2002)の 最 終 章 であるが そこにおける 熟 議 の 議 論 も McCay(2002)などの 所 収 の 章 における 議 論 をまとめる 形 に 留 まっている 56 Brown(2003)は ICDPs や CBC CBNRM に 関 して 具 体 的 な 文 献 を 挙 げていないので その 理 解 が 本 研 究 で 取 り 上 げてきた Wells et al.(1992)や Western and Wright eds.(1994) Child ed. (2004) Suich et al. eds.(2009)と 一 致 しているのか 正 確 には 分 からない また Brown(2003) は 新 しい 保 全 を 新 パラダイムの 包 括 的 代 表 的 枞 組 みとして 取 り 上 げている 訳 だが それを 取 り 上 げておいて CC については 言 及 しない 理 由 は 不 明 である 57 Brown(2003: 89)は 他 に 異 なる 知 識 価 値 観 世 界 観 についてのより 複 数 的 な 理 解 (more pluralist understandings of different knowledges, values and worldviews) と より 動 態 的 順 応 的 統 合 的 なアプローチを 支 援 する 制 度 (institutions to support a more dynamic, adaptive and integrated approach) の 必 要 性 にも 論 じている 前 者 に 関 しては 利 害 関 係 者 間 の 意 見 立 場 の 違 いの 根 底 に 横 たわる 価 値 観 世 界 観 の 相 違 を 注 視 することの 重 要 性 を 説 いている 自 然 資 源 を 対 象 とす る 革 新 的 な 管 理 制 度 は 異 なる 知 の 体 系 が 相 互 交 流 する 中 で 生 まれることが 多 いとの 認 識 の 上 に 異 なる 知 のあり 様 を 現 場 に 即 して( 伝 統 知 や 外 来 知 科 学 知 と 明 確 に 定 義 できないような) 融 合 知 (fusion knowledge) へと 組 み 換 える 事 の 重 要 性 を 論 じている(Brown, 2003: 90) 後 者 に 関 しては 不 確 実 性 や 不 可 逆 性 といった 特 質 を 持 つ 複 雑 系 としての 生 態 系 を 保 全 すると 同 時 に 多 様 な 利 害 関 係 者 の 価 値 観 を 反 映 させるための 仕 組 みとして 社 会 学 習 (social learning)を 原 理 とす る 柔 軟 で 順 応 的 な 制 度 が 構 築 される 必 要 があるとしている 58 熟 議 的 包 括 的 なプロセス のための 具 体 的 手 法 として Brown(2003: 90)が 挙 げるのは 市 25

57 る 理 由 としては 従 来 の 人 間 志 向 のアプローチ が 利 害 関 係 者 間 に 見 られる 複 数 の 知 識 や 価 値 観 世 界 観 の 存 在 を 軽 視 してきたという 認 識 があり(Brown, 2003: 89) この 点 で Brown(2003)の 議 論 はまさに Western and Wright eds.(1994)における 利 害 関 心 の 食 い 違 い の 問 題 により 踏 み 込 んだものと 位 置 付 けることができる つまり 新 しい 保 全 への 統 合 的 で 複 数 的 なアプローチ(integrated and pluralistic approaches to new conservation) (Brown, 2003: 91)が 必 要 とされる 現 在 では 利 害 関 係 者 をめぐって 存 在 するさまざまな 複 数 性 を 統 合 し 意 思 決 定 を 行 うことが 必 要 だが そのための 手 法 として 熟 議 が 有 用 という 論 旨 である また Berkes(2007)はグローバル 時 代 における CBC のあり 方 を 論 じる 中 で 今 日 の 生 物 多 様 性 保 全 にかかわるアクターは 重 層 的 であり 各 アクターはそれぞれが 位 置 するスケ ールによって 異 なる 観 点 と 利 害 関 心 を 持 っていることを 指 摘 している 59 複 数 の 利 害 関 係 者 の 間 には 目 的 意 識 のズレ 即 ち 多 様 な 目 的 (multiple objectives) (Berkes, 2007: 15189)が 否 応 なく 存 在 するということが 前 提 であり それへの 対 応 策 として 示 されるのが 熟 議 を 通 じた 広 範 で 複 数 的 なアプローチ(a broad pluralistic approach) (Berkes, 2007: 15188)で ある それは 具 体 的 には 相 互 の 目 的 意 識 や 価 値 観 それに 人 と 生 態 系 の 関 係 についての 互 いの 理 解 や 意 見 情 報 を 交 換 することを 意 味 しており そうして 集 団 的 に 話 し 合 いとも に 考 えることを 通 じて 多 数 のアクター 間 で 協 力 関 係 を 構 築 しようとするアプローチを 意 味 する なお Berkes(2007: 15190)は 熟 議 を [ 人 びとが]コミュニケーションを 交 わし 争 点 を 提 起 し 集 合 的 にそれらの 論 点 について 熟 考 するプロセス そのプロセスにおいて 多 様 な 関 係 者 たちは 議 論 や 意 見 や 見 解 の 交 換 に 参 加 し [そうして 獲 得 交 換 した] 情 報 に ついて 思 案 したり 結 果 を 評 価 したりするとともに 互 いに 相 手 の 説 得 を 試 みる(processes for communication and for raising and collectively considering issues in which the various parties engage in discussions, exchange observations and views, reflect on information, assess outcomes, and attempt to persuade each other) ことと 定 義 している 彼 が 熟 議 を 重 要 視 する 理 由 として は どんな 生 物 多 様 性 保 全 であっても それが 成 功 を 収 めるには 重 層 性 という 特 質 を 備 え たリンケージ[ 利 害 関 係 者 間 のつながり 協 力 関 係 ]と 多 数 の 協 力 者 が 不 可 欠 である(the multilevel nature of linkages and multiple partners required for any biodiversity conservation project to be successful) (Berkes, 2007: 15192)という 認 識 が 持 たれている ここからも 分 かるよう に 熟 議 と 並 んで Brown(2003)と Berkes(2007)が 重 要 視 する 点 として 複 数 的 pluralist(ic) な 利 害 関 係 者 の 参 加 / 関 与 とそれらの 間 での 協 力 というものがある 民 陪 審 員 参 加 型 農 村 開 発 法 各 種 のワークショップ ウォーキング グループなどである な お Brown(2003: 90)における 包 括 ( 的 ) の 意 味 は これらの[ 熟 議 的 で 包 括 的 な]プロ セスに 異 なる 参 加 者 を 含 める 行 為 (the action of including different participants in these processes) というかなり 単 純 (であるが 故 に 曖 昧 )なものである 59 Berkes(2007)は ICDPs や CBNRM も CBC に 含 めて 議 論 を 展 開 している 最 近 であれば こ れらの 諸 概 念 を 明 確 に 使 い 分 ける 研 究 者 は 稀 であるが Berkes(2007)に 関 して 問 題 と 思 われる のは Western and Wright eds.(1994)の 提 起 する CBC が 政 府 为 導 の 旧 パラダイムへの 対 抗 上 あたかもコミュニティ レベルだけに 着 目 してそのレベルに 留 まる 保 全 活 動 を 称 揚 しているかの ような 印 象 を 与 えかねない 点 である Berkes(2007: 90)は CBC がコミュニティ レベル 以 上 の スケールを 視 野 に 入 れることの 重 要 性 を 説 いており この 指 摘 自 体 は 確 かに 妥 当 であろうが Western and Wright eds.(1994)が 地 元 コミュニティと 外 部 社 会 ( 政 府 市 場 )との 結 び 付 きを 前 提 に CBC を 構 想 していた 点 に 全 く 触 れていないのはレビューとしては 不 適 切 であろう 26

58 Brown(2003)と Berkes(2007)とでは 具 体 的 に 着 目 する 内 容 が 知 識 や 価 値 観 世 界 観 と 目 的 利 害 関 心 という 形 で 異 なってはいるものの どちらも 多 様 な 利 害 関 係 者 間 における 食 い 違 い を 克 服 するための 手 段 として 多 様 な 人 びとの 広 範 な 包 括 の 上 に 熟 議 を 論 じ ている 点 では 共 通 している それは オリジナルな CBC の 議 論 が 地 元 住 民 と 外 部 者 の 間 に おける 利 害 関 心 の 食 い 違 い を 指 摘 するに 留 まっていたのに 比 べて それを 具 体 的 に 分 析 ないし 克 服 するために 用 い 得 る 視 点 の 導 入 を 図 っている 点 で 新 しい 本 研 究 では 以 下 ではこうしたアプローチを 熟 議 複 数 性 志 向 のアプローチ と 呼 ぶこととする (2) 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 を 分 析 する 3 つの 視 点 野 生 動 物 保 全 の 新 パラダイムとして 一 定 程 度 の 首 尾 一 貫 性 を 持 って 構 成 された 理 論 的 な モデルとしては Western and Wright eds.(1994)による CBC Hulme and Murphree eds.(2001) による CC そして Child ed.(2004)と Suich et al. eds.(2009)において 論 じられている CBNRM が 挙 げられる 60 これら 新 パラダイムが 要 塞 型 保 全 とは 異 なるアプローチとし て 自 己 規 定 する 際 に 前 提 となるのは 公 的 保 護 区 は 野 生 動 物 の 広 範 な 生 息 地 生 態 系 の 一 部 をカバーするに 過 ぎず 保 全 は 要 塞 を 超 えて 展 開 されなければならないという 認 識 であり 更 には 地 元 住 民 は 生 態 系 の 1 構 成 要 素 であり 彼 ら 彼 女 らの 生 活 実 践 や 権 利 な ども 視 野 に 入 れた 保 全 を 構 想 しなければ 生 息 地 生 態 系 レベルの 保 全 は 十 全 には 行 えない という 理 解 である しかし 前 項 で 明 らかにしたように 必 ずしも 先 行 研 究 において 明 記 されていないものの そうした 共 通 認 識 の 上 に 各 論 者 が 構 築 したアプローチの 間 にはさま ざまな 異 同 が 見 られる ケニアを 事 例 として CBC の 理 念 に 基 づき 取 り 組 まれる 活 動 が その 当 初 の 目 標 である 地 元 住 民 と 野 生 動 物 の 共 存 関 係 の 構 築 に 寄 与 し 得 るのかどうかを 検 討 すること を 課 題 と する 本 研 究 において 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 と 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のか かわりの 変 化 の 2 つの 分 析 視 点 を 設 定 することは 既 に 述 べた その 内 の 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 即 ち 新 パラダイムの 理 念 に 基 づき 実 施 される 保 全 活 動 が そう した 外 発 的 な 野 生 動 物 保 全 に 対 する 地 元 住 民 の 態 度 ないし 行 為 をいかに 変 化 せしめたかを 検 討 するに 際 しては 前 項 で 取 り 上 げた 各 アプローチにおいて 中 核 に 据 えられる 3 つの 論 点 便 益 権 利 対 話 ( 熟 議 )を 分 析 視 点 に 設 定 する ただし 本 研 究 でこれら 3 つを 分 析 視 点 とする 時 に 目 指 すのは 従 来 は 別 個 に 議 論 されがちだった 3 つの 分 析 視 点 が 1 つの 事 例 の 中 でどのように 関 係 し 合 っているのかを 歴 史 的 なパースペクティブの 下 で 検 討 する ことである 以 下 で 述 べるように 便 益 基 盤 のアプローチ において 地 元 住 民 の 権 利 が 議 論 されているように これら 3 つの 視 点 は 各 アプローチの 中 に 程 度 重 要 性 は 異 なれども 含 まれている そうであればこそ 単 純 に 便 益 や 権 利 対 話 は 効 果 があるのかを 別 個 に 問 うのではなく その 関 係 性 を 考 慮 することが 求 められるはずである 旧 パラダイムたる 要 塞 型 保 全 が 生 命 中 心 的 = 野 生 動 物 のため 一 辺 倒 の 保 全 であ るのに 対 して 新 パラダイムは 程 度 の 差 こそあれ 人 間 中 心 的 = 地 元 住 民 のため の 保 全 (への 転 換 )を 掲 げており コミュニティ 为 体 という 言 葉 に 相 応 しいだけのローカルな 60 ICDPs については 前 述 のように 自 然 保 護 区 内 の 生 物 多 様 性 の 保 存 を 目 的 とし 地 元 住 民 の 排 除 を 意 図 している 点 で 新 パラダイムとはいい 難 いことから 以 下 では 取 り 上 げない 27

59 イニシアティブが 醸 成 され 実 践 的 な 活 動 が 取 り 組 まれることを 目 標 とする 点 では 共 通 し ている 61 そこにおいて 地 元 住 民 が 野 生 動 物 から 具 体 的 な 便 益 を 獲 得 する(できる)こと がイニシアティブ 形 成 のために 不 可 欠 だという 理 解 は 新 パラダイムに 共 通 しているとい える 便 益 基 盤 のアプローチ から 得 られた 知 見 については 次 項 で 詳 述 するが 外 発 的 な 取 り 組 みが 事 実 として 便 益 を 生 み 出 しているのか その 上 で 地 元 住 民 が 野 生 動 物 の 持 つ 資 源 としての 価 値 を 理 解 しているのかといった 点 を 検 討 することは 地 元 住 民 の 意 識 や 活 動 の 変 化 の 有 無 を 理 解 するためにも 不 可 欠 な 作 業 と 考 えられる ただし 便 益 を 重 視 しつつも CBC と CBNRM で 大 きく 意 見 が 異 なるのが そこにおける 地 元 住 民 の 権 利 の 扱 いである 端 的 にいえば 前 者 が 地 元 住 民 の 権 利 よりも 便 益 還 元 を 重 視 するのに 対 して 後 者 は 権 限 移 譲 が 適 切 に 行 われれば 地 元 住 民 は 自 発 的 自 律 的 に 便 益 を 獲 得 すると 想 定 している 新 自 由 为 義 に 基 づく CBNRM の 目 標 は あくまで 地 元 住 民 の 生 計 向 上 であって 野 生 動 物 との 共 存 ではないが 既 往 の 便 益 基 盤 のアプローチ の 事 例 研 究 の 多 くは 便 益 を 受 益 した 後 の 地 元 住 民 の 態 度 を 为 には 検 討 してきたのであって 地 元 住 民 自 身 が( 外 部 支 援 が 行 われる 前 に) 野 生 動 物 から 便 益 を 得 られるのかという 点 については 特 に 観 光 業 という 極 めて 近 代 的 な 経 済 活 動 を 通 じて 利 益 を 上 げることに 成 功 している(し 得 る)のかという 点 についての 検 討 が 充 分 に 行 われてきたとはいい 難 い CBC において 野 生 動 物 への 権 利 に 関 する 議 論 が 手 薄 な 一 方 62 南 部 アフリカにおける 過 去 半 世 紀 ほどの 経 験 から 構 築 された CBNRM が 自 らの 普 遍 性 を 为 張 する 時 権 利 は 今 後 の 野 生 動 物 保 全 のあり 方 を 考 える 上 では 無 視 できない 視 点 だといえる ここで 便 益 基 盤 のアプローチ は 目 に 見 えて 実 体 的 な 便 益 の 還 元 提 供 を 権 利 基 盤 のアプローチ は 排 除 の 権 利 の 委 譲 認 定 を 活 動 目 的 にそれぞれ 据 えている 訳 だが 熟 議 複 数 性 志 向 のアプローチ が 問 題 視 するのは 便 益 や 権 利 を 通 じて 実 現 され るべき 保 全 のあり 方 が 1 つとは 限 らないという 点 である 利 害 関 心 の 食 い 違 い を 問 題 視 する CBC や 保 全 の 目 標 をアプリオリに 設 定 することは 恣 意 性 を 免 れ 得 ないとする CC と 比 べると 補 完 性 の 原 則 を 掲 げて 地 元 住 民 の 権 利 をその 他 のアクターの 権 利 よりも 優 先 視 する CBNRM においては 熟 議 = 対 話 を 通 じた 意 見 認 識 のすり 合 わせは 一 見 不 要 にも 思 える しかし 野 生 動 物 が 多 様 な 経 済 的 便 益 を 生 み 出 し 得 るのであればこそ(Emerton, 2001) 63 そこにおいて 認 識 のズレが 生 じ 得 る 可 能 性 は 存 在 するはずであるし 事 実 として 複 数 の 外 部 アクターがかかわる 中 で 外 発 的 な 形 で 保 全 が 試 行 されているのであれば 利 害 61 野 生 動 物 保 全 の 新 パラダイムを 指 す 日 本 語 表 記 としては 岩 井 (2009)や 安 田 (2010) 山 越 (2006)は CC(の 片 仮 名 表 記 )を 用 いているが 服 部 (2004)や 岩 井 (2008) 小 林 (2001, 2008) 西 崎 (2004, 2007) 安 田 (2008, 2009)では CBC(Western and Wright eds., 1994)を 出 典 として 住 民 参 加 型 保 全 という 訳 語 が 用 いられることが 多 い 新 パラダイムの 多 くに 基 づく 事 例 の 実 態 としては 外 発 的 に 構 想 された 保 全 活 動 に 地 元 住 民 が 参 加 するという 構 図 のものが 多 いこ とは 事 実 だが 尐 なくともその 理 念 として 目 指 されるのは 参 加 を 超 えて 为 体 となること だと 考 えられる 本 研 究 において CBC を コミュニティ 为 体 の 保 全 と 訳 しているのも そう した 認 識 に 基 づいていることをここで 付 言 しておく 62 ここには CBC が 野 生 動 物 以 外 の 自 然 資 源 生 物 多 様 性 を 事 例 にしているという 事 情 もある 63 Emerton(2001: 210)は 野 生 動 物 の 経 済 的 便 益 を 大 きく 使 用 価 値 (use values) と 非 使 用 価 値 (non-use values) に 2 分 した 上 で 前 者 を 更 に 直 接 価 値 (direct values) 間 接 価 値 (indirect values) オプション 価 値 (option values) の 3 つに 分 類 し 後 者 に 該 当 する 価 値 として 存 在 価 値 (existence values) を 挙 げている 28

60 関 係 者 間 における 各 種 の 認 識 の 齟 齬 ( 何 が 便 益 か 認 められるべき 権 利 とは 何 か 目 指 す べき 保 全 はどういう 状 態 かなど)の 有 無 を 確 認 し 対 話 が 見 られるならばそれによって 齟 齬 が 解 消 の 方 向 に 向 かっているのかどうかを 検 討 することは 新 自 由 为 義 的 な 人 間 像 の 適 用 可 能 性 の 吟 味 という 意 味 も 含 めて 必 要 と 考 えられる 本 研 究 の 基 本 的 な 課 題 は CBC の 検 討 であり それを 提 示 した Western and Wright eds. (1994)において 権 利 や 対 話 に 関 する 議 論 が 充 分 に 展 開 されているとはいい 難 い しかし CBC の 理 論 としての 妥 当 性 を 分 析 する 上 では そこにおいて 論 じられている 内 容 と 同 時 に 論 じられていない 事 項 を 検 討 することもまた それ 以 降 の 議 論 の 発 展 を 踏 まえて 新 たなア プローチを 模 索 する 上 では 必 要 な 手 順 と 思 われる そこで これら 3 つの 視 点 に 即 して 検 討 すべき 課 題 群 を 近 隣 領 域 の 先 行 研 究 も 参 照 しながら 以 下 では 整 理 してゆく なお 第 3 章 ではこれら 3 つの 視 点 各 個 からの 分 析 を 行 った 後 に かかわりの 変 化 (の 分 析 )とい うことでそれらの 間 の 関 係 性 連 続 性 を 考 察 するが そこでは プロセス 志 向 のアプロー チ(process-oriented approaches) ( 荒 木, 2011; Mosse, 1998)や 特 定 の 構 造 下 で 発 揮 される 地 元 住 民 の 行 為 性 創 発 性 に 関 する 議 論 (Hickey and Mohan eds., 2004=2008) あるいは 開 発 プロジェクトの 副 次 効 果 ( 黒 崎, 2010; 2011)といった 視 点 を 踏 まえることで 開 発 介 入 としての 保 全 が 作 り 出 す 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわり(の 変 化 ) は 決 して 前 者 から 後 者 へと 一 方 向 的 に 押 し 付 けられるものではなく 後 者 の 側 からの 反 応 も 含 めた 双 方 向 的 な 関 係 にあることに 留 意 する (a) 便 益 CBC は 旧 パラダイムの 下 で 保 全 の 費 用 ( Western and Wright, 1994: 7)を 一 方 的 に 負 わされてきた 地 元 住 民 が 抱 く 野 生 動 物 保 全 への 敵 意 は 意 思 決 定 プロセスへの 参 加 あるい は 野 生 動 物 から 得 られる 便 益 の 還 元 によって 解 消 できると 考 えている 地 元 住 民 は 対 象 の 価 値 を 知 れば 知 るほどに 保 全 活 動 の 正 当 性 を 理 解 するようになるという 想 定 や(Western, 1994b: 500) 保 全 とは 本 来 的 に 人 びとのニーズに 基 づく 活 動 であるとする 認 識 (Western and Wright, 1994:1) また ある 取 り 組 みが CBC と 呼 び 得 るかを 判 断 する 基 準 として 手 法 の 伝 統 性 やイニシアティブの 内 発 性 ではなく 経 済 的 便 益 還 元 の 有 無 を 挙 げている 点 からして も(Western and Wright, 1994: 7) 地 元 住 民 に 具 体 的 で 有 形 な 便 益 を 提 供 することこそが コ ミュニティ 为 体 の 保 全 イニシアティブ 実 践 活 動 の 実 現 に 向 けた 鍵 と 理 解 されているこ とが 分 かる CBNRM は 外 部 者 が 为 導 的 な 役 割 を 果 たす 形 で 経 済 的 便 益 を 地 元 住 民 に 提 供 することよりも 地 元 住 民 への 野 生 動 物 に 対 する 十 全 な 権 限 移 譲 を 为 張 している 点 で CBC とは 意 見 が 異 なる しかし それもあくまで 地 元 住 民 が 獲 得 する 経 済 的 便 益 は 市 場 を 用 い ることで 最 大 化 でき 外 部 者 の 不 必 要 な 介 入 を 排 除 し 地 元 住 民 の 権 利 を 保 障 する 方 が 最 終 的 により 多 くの 経 済 的 便 益 を 確 保 できるという 新 自 由 为 義 的 な 考 え( 価 格 所 有 権 補 完 性 パラダイム )に 基 づいている 訳 であり 便 益 を 必 要 視 している 点 に 変 わりはない(Child, 2004b; 2009e; Jones and Murphree, 2004) また CC においても 野 生 動 物 が 道 具 的 で 経 済 的 な(instrumental and economic) (Barrow and Murphree, 2001: 29) 価 値 を 持 つかどうかが 地 元 住 民 にとっての 为 要 な 関 心 事 であると 考 えられている 以 上 から 明 らかなように 野 生 動 物 を 通 じて 地 元 住 民 が 実 体 的 経 済 的 な 便 益 を 獲 得 し 得 るという 事 実 が 保 全 の 前 提 である と 理 解 している 点 で 野 生 動 物 保 全 の 新 パラダイムの 理 解 は 共 通 している 29

61 1990 年 代 以 降 新 パラダイムに 基 づく 実 践 的 取 り 組 みの 効 果 結 果 が 便 益 基 盤 のアプ ローチ (Kideghesho et al., 2007: 2214)として 検 証 される 中 では CBC と CC が 同 一 視 され たり(Homes, 2003) CBNRM が 根 拠 とする 事 例 が 取 り 上 げられたりもしてきた(Barrett and Arcese, 1995; Gibson and Marks, 1995; Infield, 1988) Kideghesho et al.(2007: 2214)は 便 益 基 盤 のアプローチ の 妥 当 性 を 検 証 してきた 先 行 研 究 を 態 度 研 究 (attitudinal studies) と 呼 んでもいるが そうした 先 行 研 究 は 地 元 住 民 の 保 全 活 動 や 政 府 組 織 公 立 保 護 区 への 態 度 意 見 を 調 査 することから 便 益 還 元 提 供 の 効 果 を 検 証 している その 結 果 としては 被 害 によって 便 益 の 効 果 が 打 ち 消 される 事 態 や(Adams and Infield, 2003; Archabald and Naughton-Treves, 2001; Holmes, 2003; Gadd, 2005; Gillingham and Lee, 1999) 便 益 の 内 容 獲 得 方 法 に 関 する 情 報 不 足 が 引 き 起 こす 否 定 的 作 用 (Holmes, 2003; Infield and Namara, 2001) 便 益 が 提 供 されたとして 地 元 住 民 の 要 求 期 待 を 満 たせない 可 能 性 (Gibson and Marks, 1995) 不 公 正 な 便 益 分 配 の 負 の 影 響 (Gadd, 2005; Holmes, 2003) 意 思 決 定 への 不 参 加 に 起 因 する 否 定 的 感 情 (Songorwa, 1999) 慣 習 的 な 直 接 利 用 を 禁 止 することに 伴 う 反 感 (Gibson and Marks, 1995; Infield, 1988) 国 際 援 助 に 頼 った 取 り 組 みの 持 続 可 能 性 への 危 惧 (Barrett and Arcese, 1995)などが 示 されてきた とはいえ さまざまな 要 因 が 複 合 的 に 影 響 している 現 場 にあっては 経 済 的 便 益 の 還 元 が 一 定 の 保 全 肯 定 的 な 効 果 を 発 揮 していることも 確 認 さ れており(Adams and Infield, 2003; Holmes, 2003; Gillingham and Lee, 1999) Kideghesho et al. (2007: 2227)もその 結 論 として 便 益 基 盤 のアプローチ の 重 要 性 を 認 めている 64 Walpole and Thouless(2005: 137)は 非 消 費 的 な 利 用 方 法 であるサファリ 観 光 を 用 いた コ ミュニティ 为 体 のアプローチが 成 功 するための 決 定 的 条 件 として 充 分 な 量 の 便 益 適 切 な 便 益 の 分 配 便 益 と 保 全 活 動 との 明 確 なつながりを 挙 げるが 65 アフリカの 全 ての 土 地 で 観 光 開 発 が 可 能 とは 限 らず それを 経 済 的 便 益 獲 得 の 为 たる 手 段 と 想 定 する 新 パラダイ ムに 普 遍 性 を 見 出 すことはできないとの 指 摘 がある(Hackel, 1999: 730; 西 崎, 2009: 71) 後 者 の 指 摘 が 正 しいことは エチオピアを 事 例 とする 西 崎 (2009)の 研 究 からも 明 らかだが 本 研 究 の 調 査 地 は 第 2 章 で 説 明 する 通 りに 20 世 紀 を 通 じて 東 アフリカを 代 表 する 観 光 地 として 発 展 してきた 場 所 であり 現 在 にあってもケニアを 代 表 する 観 光 地 の 1 つというこ とができる その 意 味 では 本 研 究 は 観 光 開 発 の 可 能 性 が 充 分 にあり それを 通 じた 便 益 の 創 出 に 期 待 を 寄 せ 得 る 場 所 における 新 パラダイムの 妥 当 性 を 検 討 していることになる 64 便 益 基 盤 のアプローチ または 態 度 研 究 はアフリカ 以 外 の 地 域 を 対 象 としても 蓄 積 さ れているが そうした 中 でも 特 に 成 功 事 例 として 言 及 されることの 多 いものとして ネパー ル 連 邦 民 为 共 和 国 を 事 例 とする Mehta and Heinen(2001)がある そうしたアフリカ 以 外 におけ る 先 行 研 究 も 含 めて 議 論 を 整 理 したものとしては Holmes(2003: )の 表 が 参 考 になる 65 Walpole and Thouless(2005)は コミュニティ 为 体 の 観 光 業 (community-based tourism) とい う 言 葉 を 用 いるが Wells et al.(1992)や Western and Wright eds.(1994)を 参 照 した 上 で それ らを 新 自 由 为 義 的 な 開 発 政 策 の 過 去 数 10 年 の 失 敗 を 踏 まえた 保 全 と 開 発 に 対 する 共 同 的 アプ ローチ(communal approaches to conservation and development) ( Walpole and Thouless, 2005: 134) と 位 置 付 けており ナミビアやザンビアにおける 取 り 組 みも 含 めている また 本 文 で 記 した 3 つの 条 件 が 成 立 する 可 能 性 が 高 い 状 況 として 高 い 観 光 業 のポテンシャル 野 生 動 物 に 起 因 する 軋 轢 の 小 ささ 機 会 費 用 の 小 ささ コミュニティ の 明 確 さ 総 合 的 な 公 私 の 協 力 関 係 (public-private partnerships) ローカルな 起 業 便 益 と 保 全 の 明 確 なつながり 成 果 に 基 づく 便 益 の 多 寡 便 益 の 使 途 の 適 切 性 汚 職 のない 強 いリーダーシップ 文 化 的 価 値 に 基 づく 支 持 制 限 履 行 に 向 けた 強 力 なメカニズムを 挙 げている(Walpole and Thouless, 2005: ) 30

62 こうした 便 益 基 盤 のアプローチ において 議 論 が 不 充 分 な 点 として 便 益 獲 得 後 に 地 元 住 民 が 執 る 行 為 と 地 元 住 民 が 賛 否 を 示 す 保 全 の 具 体 的 内 容 が 指 摘 できる 第 1 の 点 に ついて Holmes(2003: 65)は 便 益 基 盤 のアプローチ を 事 例 とする 先 行 研 究 の 多 くは 各 種 の 便 益 還 元 や 保 全 活 動 の 対 象 となった 地 元 住 民 の 表 面 的 な 態 度 (attitudes)(の 変 化 )は 検 証 しても 具 体 的 な 行 為 面 での 変 化 (behavioural changes)にまでつながっているのかど うかを 確 認 しておらず 本 当 に 便 益 還 元 の 結 果 として 保 全 面 での 進 展 が 見 られたのかが 不 明 なままである 点 を 批 判 している ただし Holmes(2003: 312) 自 身 が 態 度 と 資 源 利 用 の 間 の 連 関 (associations between attitudes and resource use) ということで 具 体 的 に 言 及 して いるのは 国 立 公 園 内 での 森 林 資 源 の 採 取 方 法 ( 落 葉 枝 や 枯 死 木 を 採 集 している 割 合 )で あって 獲 得 した 経 済 的 便 益 の 用 途 までは 明 らかにされていない また これは Holmes (2003) 以 外 の 便 益 基 盤 のアプローチ にも 当 てはまるのだが 地 元 住 民 が 一 定 の 経 済 的 便 益 を 得 たこととそれに 伴 う 態 度 資 源 利 用 の 変 化 が 分 析 されてはいるものの そこで 獲 得 された 便 益 が 彼 ら 彼 女 らの 生 活 にどの 程 度 の 意 義 を 持 っているのか その 結 果 として 開 発 または 発 展 と 呼 び 得 るほどの 目 立 った 質 的 な 変 化 が 地 元 住 民 の 生 活 に 生 じているのか どうかは 明 らかにされていないという 問 題 もある また 2 点 目 について 真 崎 (2010: )は 開 発 援 助 の 現 場 では 言 語 が 本 来 的 に 持 つ 多 義 性 曖 昧 性 によって 支 援 者 被 支 援 者 間 で 認 識 のズレが 生 じることは 避 け 難 く そう した 言 語 の 自 由 66 を 前 提 に 国 際 協 力 を 運 営 することが 必 要 だと 論 じている ケニアにお いて 公 的 に 取 り 組 まれる 野 生 動 物 保 全 の 内 容 が 時 代 とともに 変 化 するプロセスは 次 章 で 述 べるが Goldman(2003: 852)はタンザニアのマサイ(Maasai) 社 会 を 事 例 に 外 部 者 (タ ンザニア 国 立 公 園 局, TANAPA)が CBC を 意 味 して 用 いていた 保 全 (conservation) とい う 言 葉 を 地 元 住 民 が 野 生 動 物 だけを 保 存 すること(preservation of wild animals only) と 誤 解 していた 事 態 を 報 告 している あくまで 野 生 動 物 保 全 のパラダイム 転 換 が 研 究 者 や 実 践 家 政 策 立 案 者 の 世 界 で 生 じた 変 化 である 時 要 塞 型 保 全 に 伴 う 保 全 の 費 用 を 長 年 にわたり 負 わされてきた 地 元 住 民 が そうした 外 部 者 側 の 考 え 態 度 の 変 化 を 理 解 し さらにはその 変 化 を 信 用 受 容 しているかは 保 証 の 限 りではない そうであればこそ 果 たして 地 元 住 民 がどのような 保 全 を 支 持 あるいは 拒 否 しているのかを 確 認 すること 抜 きに 便 益 の 効 果 を 評 価 することはできないだろう 67 なお 地 元 住 民 と 外 部 者 の 間 に 見 られる 各 種 の 認 識 のズレの 解 消 については 対 話 の 視 点 から 別 途 分 析 は 行 う 66 真 崎 (2010: 104)はジャック デリダ(Jacques Derrida)のいう 言 語 の 自 由 の 例 として 筆 者 は 生 まれてから 24 歳 になるまで 大 阪 で 暮 らしていた しかしそれ 以 降 は 国 内 外 を 転 々と していて 大 阪 に 住 んだことがない それでも 未 だに 大 阪 弁 が 抜 けないので 友 人 知 人 の 多 く は 大 阪 人 と 見 なしている では 10 歳 まで 大 阪 にいて その 後 は 別 の 場 所 に 住 んでいる 人 は? あるいは 大 阪 生 まれではなくても 大 学 時 代 からずっと 大 阪 に 居 を 構 え 在 住 歴 15 年 になる 人 は? このように 突 き 詰 めて 考 えるならば どういう 人 を 大 阪 人 と 呼 ぶのかは 実 に 曖 昧 か つ 多 義 的 である という 説 明 を 付 している また 同 様 の 関 心 に 基 づく 先 行 研 究 として 中 米 ニ カラグア 共 和 国 における 若 年 妊 娠 予 防 のプロジェクトを 事 例 に 開 発 のことば が 人 々のこ とば として 受 け 入 れられるために 必 要 な 翻 訳 のプロセスを 考 察 する 佐 藤 峰 (2011)がある 67 便 益 獲 得 後 の 行 為 と 保 全 の 内 容 という 2 つの 視 点 は CBC がその 目 的 ( 人 間 と 野 生 動 物 の 共 存 )に 照 らして 具 体 的 な 取 り 組 みを 評 価 する 際 の 基 準 として 提 示 する 真 実 の 保 全 の 進 展 (real conservation improvement) や 地 元 住 民 の 共 存 に 向 けた 熱 望 と 努 力 の 検 証 という 側 面 を 強 く 持 っている(Western, 1994b: ) 31

63 以 上 の 先 行 研 究 のレビューを 基 に 便 益 という 視 点 から 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわ りの 変 化 を 分 析 する 際 に 検 討 すべき 具 体 的 課 題 を 整 理 すると 以 下 のようになる 野 生 動 物 保 全 の 結 果 として 地 元 住 民 が 客 観 的 に 獲 得 するようになった 経 済 的 便 益 の 内 容 経 済 的 便 益 の 受 益 が 確 認 されたとして その 後 で 地 元 住 民 が 野 生 動 物 保 全 の 取 り 組 み に 対 して 示 す 賛 否 とその 理 由 地 元 住 民 が 賛 成 ないし 拒 否 する 野 生 動 物 保 全 の 具 体 的 な 内 容 獲 得 した 経 済 的 便 益 の 使 途 も 含 めて 地 元 住 民 が( 便 益 獲 得 後 に) 実 施 している 行 為 の 内 容 と その 保 全 開 発 両 面 における 結 果 (b) 権 利 CBC がその 理 念 として 意 思 決 定 と 便 益 への 地 元 参 加 (local participation in decisions and benefits) (Western and Wright, 1994: 4)を 特 筆 するのに 対 し CC がその 定 義 の 中 で 殊 更 に 言 及 するのは 自 然 資 源 に 関 する 意 思 決 定 において 地 元 住 民 が 果 たす 役 割 (the role of local residents in decision-making about natural resources) (Adams and Hulme, 2001: 13)であり 便 益 への 地 元 参 加 よりも 意 思 決 定 への 地 元 参 加 を 重 要 視 していることが 分 かる CBNRM も CC と 同 様 の 立 場 にあり 外 発 的 な 便 益 還 元 ではなく 土 地 所 有 者 個 々 人 への 権 限 移 譲 の 必 要 性 を 強 調 している その 一 方 で CBC が 責 任 実 行 能 力 を 持 たない 地 元 住 民 の 権 利 を 認 めることに 否 定 的 な 姿 勢 を 示 している 点 に 関 しては(Western and Wright, 1994: 10) CC は 生 命 中 心 的 な 側 面 を 人 間 中 心 的 側 面 よりも 優 先 する 類 型 を 保 護 区 アウトリーチ という 形 で 提 示 しており 生 物 多 様 性 や 生 態 系 を 保 全 するために 地 元 住 民 の 権 利 を 制 限 す る 必 要 性 が 存 在 することを 認 めていることになる(Barrow and Murphree, 2001: 32) ところ が 経 済 的 道 具 为 義 を 採 用 し 保 全 を 人 びとの 生 活 ニーズを 充 足 させるための 手 段 と 位 置 付 ける CBNRM は 民 为 为 義 と 押 し 付 けられた 保 全 は 決 して 相 伴 わない(Democracy and imposed conservation simply do not go together) (Child, 2004b: 233)と 为 張 している 68 CBNRM において 自 然 に 対 する 個 人 の 市 民 的 かつ 政 治 的 な 権 利 (the civil and political rights of individuals toward nature) ( Child, 2009e: 428)と 呼 ばれ 民 为 为 義 の 名 の 下 にその 保 障 が 最 重 視 されている 排 除 の 権 利 としての 権 能 を 十 全 に 備 えた 野 生 動 物 の 私 的 所 有 権 のこと である ただし CBC も CC も 大 きくは 東 西 冷 戦 終 結 後 の 民 为 化 の 流 れに 位 置 付 けられる 考 えで あり(Adams and Hulme, 2001: 16-17; Western and Wright, 1994: 6-7) 民 为 为 義 をそれらが 軽 視 している 訳 でも CBNRM だけが 殊 更 に 民 为 为 義 を 標 榜 している 訳 でもない 足 立 (2009: 5) は 環 境 問 題 と 民 为 为 義 の 関 係 を 論 じる 中 で 民 为 为 義 は 必 ずしも 持 続 可 能 な 発 展 を 保 証 し 68 こうした 価 値 判 断 の 背 後 には 野 生 動 物 の 相 対 的 優 位 モデル に 示 される 南 部 アフリカの 広 い 範 囲 にわたって 野 生 動 物 が 農 耕 や 牧 畜 以 上 に 経 済 的 に 優 れた 土 地 利 用 となり 得 るとの 認 識 が 存 在 しているだろう(Child, 2009e: ; Jones and Murphree, 2004: 76-77) とはいえ 経 済 的 道 具 为 義 を 採 用 する CBNRM においては 地 元 住 民 が 経 済 合 理 的 な 観 点 から 保 全 を 選 択 しな い 可 能 性 は 認 められている 32

64 ないし 民 为 为 義 が 持 続 可 能 な 発 展 の 不 可 欠 の 前 提 条 件 というわけでもない と 断 じてい るが 69 各 アプローチが 提 示 する 民 为 为 義 に 対 してさまざまに 疑 問 が 呈 されているのが 実 情 である 例 えば Hackel(1999: )は CBC が 生 命 中 心 的 な 定 義 を 採 用 し 開 発 よ りも 保 全 を 優 先 する 限 り 地 元 住 民 の 権 利 は 生 物 多 様 性 の 保 全 のために 制 限 されざるを 得 ず その 点 で CBC は 自 らが 掲 げる 民 为 为 義 の 理 念 と 矛 盾 せざるを 得 ないと 論 じている また Büscher(2010: 48)は 南 部 アフリカにおける 多 国 間 的 な 国 境 を 越 えた 保 全 地 域 (transfrontier conservation areas) プロジェクトを 事 例 として それがアプリオリに 新 自 由 为 義 の 思 想 を 基 盤 としている 点 で 価 値 偏 向 的 であるにもかかわらず そうした 恣 意 的 な 価 値 判 断 の 存 在 を 隠 蔽 する 脱 政 治 (anti-politics) の 戦 略 を 当 局 が 駆 使 することで それが 生 み 出 す 不 平 等 な 構 造 が 問 題 化 されずにいる 点 を 批 判 している 70 民 为 为 義 概 念 それ 自 体 が 政 治 学 者 の 間 でもさまざまに 解 釈 議 論 されている 今 日 にあっ て( 千 葉, 2000; Cric, 2002=2004; Dahl, 1998=2001; 齋 藤, 2008; 篠 原, 2004; 田 村, 2008) 野 生 動 物 保 全 と 民 为 为 義 の 関 係 まで 論 じる 余 裕 は 本 研 究 にはないが 野 生 動 物 保 全 における 権 利 の 意 義 を 検 討 するというのであれば 第 1 に 取 り 上 げられるべきは 権 利 基 盤 のアプロ ーチ を 自 称 する CBNRM の 核 となる 理 論 価 格 所 有 権 補 完 性 パラダイム だろう しかし 本 研 究 が 事 例 とするケニアでは 野 生 動 物 は 全 て 政 府 の 所 有 物 (state property)で あるだけでなく(Kameri-Mbote, 2002: 30) 狩 猟 が 法 律 により 全 面 的 に 禁 止 されており CBNRM が 排 除 の 権 利 として 特 に 重 視 する 消 費 的 利 用 の 権 利 が 地 元 住 民 に 認 められる 可 能 性 は 現 状 としてはゼロである 71 そうであればこそ ケニアは 新 自 由 为 義 の 立 場 から 野 生 動 物 部 門 が 中 央 によって 統 御 され 厳 しく 制 限 されている(the wildlife sector is centrally 69 足 立 (2009)が 民 为 为 義 の 近 視 眼 という 言 葉 で 殊 更 に 強 調 しているのは 将 来 世 代 に 対 する 責 任 が 確 固 たる 倫 理 として 体 現 されていない され 難 い 状 況 であり これに 対 して 自 己 中 心 的 相 互 調 整 の 実 質 化 活 性 化 公 共 マインドの 育 成 強 化 公 共 の 問 題 を 公 共 的 観 点 か ら 考 えること 自 己 抑 制 原 理 を 内 在 化 させた 民 为 为 義 といった 諸 論 点 を 敶 衍 している 70 Büscher(2010: 34)は 政 治 (politics)を 社 会 的 で 熟 議 的 なプロセス そこにおける 複 数 のア クターによる 意 思 決 定 が 社 会 的 もしくは 公 共 的 な 結 果 を 決 める(the social, deliberative e process with which actors make decisions that determine social or public outcomes) と 定 義 した 上 で そこに おいて 脱 政 治 は この 社 会 的 で 熟 議 的 な[ 政 治 ]プロセスを 廃 棄 すること そして 意 思 決 定 と /あるいは 社 会 的 公 共 的 な 結 果 を 予 め 決 定 する ことを 目 指 す(Anti-politics, then, aims to do away with this social, deliberative process and to predetermine decisions and/or social and public outcomes) と 説 明 している Büscher(2010: 34)は 脱 政 治 を 脱 民 为 为 義 的 (anti-democratic) な 戦 略 ないし 行 為 としており Schedler(1997)が 提 起 する 脱 政 治 の 4 類 型 を 参 照 している 即 ち 技 術 的 専 門 家 による 合 理 的 な 費 用 便 益 分 析 の 結 果 に 基 づき 政 治 的 選 択 は 為 されるべきと する 道 具 的 脱 政 治 (instrumental anti-politics) 効 用 最 大 化 を 目 指 す 経 済 人 (homo economicus) と 個 人 を 見 做 して 公 的 / 公 共 的 な 事 象 の 私 化 を 为 張 する 反 倫 理 的 脱 政 治 (amoral anti-politics) 民 为 为 義 的 な 政 治 的 議 論 (democratic political debate)を 通 じて 目 的 結 果 を 定 めようとする 倫 理 的 脱 政 治 (moral anti-politics) そして 民 为 为 義 的 な 熟 議 /コミュニケーションにおいて 大 切 な 言 葉 がイメージや 一 種 のパフォーマンスによって 換 骨 奪 胎 された 美 的 脱 政 治 (aesthetic anti-politics) である 71 ただし バッファロー(Syncerus caffer)やシマウマ(equus burchelli) ヌー(Connochaetes taurinus) インパラ(Aepyceros melampus)など 一 般 的 には 家 畜 というよりも 野 生 動 物 として 考 えられる 動 物 が 一 部 の 商 業 的 な 牧 場 (ランチ)で 人 工 的 に 飼 育 繁 殖 されており F2 世 代 以 降 の 個 体 の 肉 は 首 都 ナイロビのホテルやレストランにおいて( 为 として 外 国 人 観 光 客 向 けに) 提 供 されている( 小 林, 2008: 532) 33

65 controlled and heavily regulated) ( Child, 2009c: 137) 国 として 批 判 されるのである したが って ケニアのアンボセリ 生 態 系 を 事 例 とする 本 研 究 において 権 利 基 盤 のアプローチ の 妥 当 性 を( 価 格 所 有 権 補 完 性 パラダイム を 念 頭 に 置 くような 形 で) 検 証 すること は その 提 唱 者 支 持 者 からすれば 容 認 し 難 い 行 為 となろう だが 土 地 保 有 権 の 強 さや 所 有 権 の 期 間 は 保 全 に 関 してコミュニティが 抱 く 見 方 にとっ て 中 心 的 な 重 要 性 を 持 っている なぜなら それらは 将 来 に 向 けた 投 資 を 動 機 付 けるもの だからである(The strength of tenure, the duration of this ownership, is central to a community s conservation perspectives since it shapes the incentives to invest in the future) という Barrow and Murphree(2001: 30-31)の 为 張 にもあるように 野 生 動 物 それ 自 体 を 所 有 できずとも 土 地 所 有 権 が 変 化 することで 地 元 住 民 の 行 為 や 外 部 者 との 関 係 性 が 変 化 することは 十 二 分 に 考 えられる むしろ 権 限 移 譲 を 通 じて 保 全 の 費 用 と 便 益 が 権 利 所 有 者 (または 野 生 動 物 の 生 息 地 レベルで 結 成 された 土 地 所 有 者 集 団 )において 内 部 化 され より 経 済 的 に 効 率 的 な 保 全 が 実 施 されるようになると CBNRM が 論 じている 時 (Child, 2004a: 4; 2009d: 188) 議 論 している 所 有 権 の 対 象 は 土 地 と 野 生 動 物 とで 異 なっているものの CC も CBNRM も 野 生 動 物 保 全 に 関 連 する 権 利 を 獲 得 することで 地 元 住 民 が 新 たな 選 択 肢 を 持 つようになり 事 態 が 変 化 する 可 能 性 を 認 めている 点 では 共 通 している 岩 井 (2008)は 最 近 のタンザニア 北 部 における 動 きとして 土 地 所 有 権 を 盾 に 地 元 住 民 が 裁 判 訴 訟 を 起 こし 非 友 好 的 な 外 部 者 ( 観 光 会 社 )を 村 の 土 地 から 排 除 する 実 践 的 活 動 が 広 まりつつあることを 報 告 している これなどは 野 生 動 物 所 有 権 とは 異 なる 権 利 を 活 用 することで 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわ りの 変 化 が 引 き 起 こされる 可 能 性 があることを 如 実 に 示 しているが 所 有 権 を 重 視 する CBNRM の 枞 組 みの 中 には こうして 土 地 をめぐる 権 利 が 変 化 することで 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわり が 変 化 する 可 能 性 は 含 まれていない CBC と CBNRM が 市 場 経 済 を 前 提 とした 地 元 住 民 への 権 限 移 譲 に 関 して 対 照 的 な 立 場 を 表 明 しているといっても どちらも 権 利 を 得 た 地 元 住 民 が 野 生 動 物 に 対 してその 権 利 を 十 二 分 に 行 使 することを 想 定 している 点 では 同 様 であり 地 元 住 民 の 自 由 裁 量 に 任 せた 時 に それが 資 源 破 壊 につながるか 持 続 的 利 用 をもたらすかという 結 論 が 異 なっているのである ここで CBC と CBNRM の 結 論 が 異 なっているのは CBC が 地 元 住 民 の 責 任 や 実 行 能 力 の 欠 如 を 重 く 見 ているのに 対 し CBNRM は 外 部 者 の 手 引 きがなくとも 地 元 住 民 は 経 済 合 理 的 な 判 断 を 行 えると 見 做 しているからである ここで 両 者 が 目 標 とする 保 全 のあり 方 が 恣 意 的 であることは 措 くとしても 72 野 生 動 物 を 地 元 住 民 にとって 魅 力 的 な 資 源 と 見 做 してい る 点 でも 共 通 している しかし 便 益 の 視 点 とも 関 連 するが 果 たして 地 元 住 民 が 野 生 動 物 を 資 源 として 認 めているのか その 利 用 可 能 性 をどのように 認 識 しているのか また 仮 に 有 用 性 を 認 めているとしても 他 の 生 業 の 選 択 肢 と 比 較 してどの 程 度 に 肯 定 的 に 評 価 しているのかといった 点 の 検 討 が 必 要 であろう 72 CBC においては 目 標 とされる 共 存 が 必 ずしも 明 確 に 定 義 されておらず そこでいう 責 任 や 実 行 能 力 が 具 体 的 に 何 を 指 すのかが 曖 昧 であり 事 例 研 究 のレベルでどのように 評 価 を 行 うべき かは 定 かではない 一 方 CBNRM に 関 していえば 新 自 由 为 義 が 想 定 するような 経 済 人 的 な 行 動 選 択 を 東 アフリカの 牧 畜 民 が 基 本 的 な 行 動 原 理 としているかどうかについては 多 数 の 先 行 研 究 からして 疑 わしい( 湖 中, 2006; 太 田, 2002a; 2002b; 曽 我, 2004; 孫, 2004) 34

66 ケニアの 事 例 に 基 づく 本 研 究 において 権 利 基 盤 のアプローチ が 想 定 する 通 りの 意 味 で 権 利 ( 権 限 移 譲 )の 効 果 を 論 じることは 行 えない しかし 本 研 究 が 対 象 とするケニ ア 南 部 のマサイ 社 会 では 20 世 紀 後 半 以 降 土 地 所 有 権 の 構 造 が 大 きく 変 化 してきており 野 生 動 物 の 生 息 地 である 土 地 の 所 有 権 が 変 化 し 私 有 化 されることの 影 響 を 検 討 するには 適 している 権 利 という 分 析 視 点 からは 以 下 に 挙 げた 課 題 群 を 検 討 することとしたい 土 地 所 有 権 の 変 化 ( 特 には 最 近 の 私 的 土 地 所 有 権 の 獲 得 )の 後 に 地 元 住 民 が 所 持 する 土 地 利 用 の 選 択 肢 および 実 際 の 選 択 状 況 複 数 の 土 地 利 用 に 対 する 地 元 住 民 の 評 価 とその 理 由 私 的 土 地 所 有 権 獲 得 に 伴 う 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 の 有 無 (c) 対 話 強 調 する 論 点 や 重 視 する 度 合 いの 違 いはあれども 利 害 関 係 者 間 における 対 話 交 渉 の 必 要 性 は CBC CC CBNRM のいずれにおいても 認 められている だが 便 益 基 盤 のアプ ローチ においては 外 部 者 の 意 図 する 保 全 への 地 元 住 民 の 賛 否 が 検 討 されることが 専 らで あり 地 元 住 民 が 求 める 保 全 の 内 実 は 直 接 的 な 検 討 課 題 とはなっていない また 権 利 基 盤 のアプローチ では 経 済 的 な 便 益 の 多 寡 あるいは 野 生 動 物 個 体 数 の 個 体 数 保 護 区 の 数 といった 目 に 見 える 数 値 的 データから 成 否 が 語 られることが 多 く Nott et al.(2004: 207) が 指 摘 するような 土 地 所 有 者 間 での 合 意 形 成 の 失 敗 の 問 題 は 論 じられていない 近 年 のロ ーカル コモンズ 研 究 において 熟 議 複 数 性 志 向 のアプローチ という 形 で 熟 議 の 導 入 が 論 じられる 背 景 には 地 元 住 民 を 中 心 とする 利 害 関 係 者 の 重 層 性 入 れ 子 構 造 の 下 では 駆 け 引 き 騙 し 合 いといったような 意 味 での 交 渉 としての 対 話 ではなく 根 本 的 な 価 値 観 または 選 好 の 変 容 を 伴 うようなコミュニケーション プロセスとしての 熟 議 を 実 現 す ることが 今 日 の 環 境 ガヴァナンスにおいては 必 要 という 認 識 がある 73 なお 熟 議 と 対 話 を 同 義 と 見 做 し 得 るかどうかは 政 治 学 者 の 間 でも 意 見 が 分 かれているが(cf. 田 村, 2010: 8) 熟 議 として 認 められるべきコミュニケーションのあり 方 についてさまざまな 意 見 が 応 酬 さ れている 状 況 を 踏 まえ 本 研 究 では 対 話 を 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 を 分 析 する 第 3 の 視 点 として 設 定 する 1990 年 代 以 降 それまでの 投 票 と 多 数 決 を 中 心 とする 民 为 为 義 論 や 私 的 利 益 の 実 現 を 目 指 す 政 治 像 へのアンチ テーゼとして 単 なる 多 数 決 でものごとを 決 めるのでなく 相 互 の 誠 実 な 対 話 を 通 じて 異 なる 立 場 の 人 々の 間 に 合 理 的 な 一 致 点 を 探 っていこう ( 山 田, 2010: 28)とするアプローチとして 熟 議 民 为 为 義 (deliberative democracy)が 提 起 され 議 論 が 重 ねられてきた( 篠 原, 2004; 田 村, 2008; 山 田, 2010) 74 そこで 求 められる/ 目 指 される 73 例 えば Holmes(2003: 312)は 政 府 職 員 との 交 流 頻 度 が 多 い 地 元 住 民 ほど 便 益 の 内 実 を 詳 し く 理 解 し 保 全 活 動 にも 協 力 的 になることを 示 しており Goldman(2003: 852)は 直 接 の 対 話 によ って 外 部 者 の 意 図 への 誤 解 が 解 消 された 事 実 を 報 告 している しかし それらが 扱 っているのは 正 確 な 情 報 伝 達 によって 地 元 住 民 の 外 部 者 への 誤 解 が( 部 分 的 に) 解 けたという 事 実 であり 価 値 観 または 選 好 の 変 容 が 成 立 したかまでは 議 論 されていない 74 熟 議 民 为 为 義 が 成 立 する 背 景 として 田 村 (2008)は 再 帰 的 近 代 化 の 問 題 を 重 視 しているが それを 思 想 面 から 捉 えるならば 超 越 論 的 転 回 言 語 的 転 回 解 釈 学 的 転 回 に 続 く 第 4 の 転 回 即 ち コミュニケーション 的 転 回 ( 高 田, 2011)の 1 つの 事 例 と 位 置 付 けられるだろう 35

67 態 度 については 相 手 が 何 を 言 おうとも 自 分 の 意 見 だけをかたくなに 为 張 することは 熟 議 や 対 話 ではない ( 田 村, 2010: 7)とされ その 営 みには 他 者 の 意 見 に 納 得 したなら ば 自 分 の 意 見 を 変 えていくことも 含 まれ ( 田 村, 2010: 7)なければならないとされる つまり 熟 議 においては 誰 が 何 を どのように 語 る のかと 同 時 に 人 びとが 他 者 の 発 言 を 適 切 に 聴 く ことができているのかどうかが 問 題 なのであり( 齋 藤, 2008: 92-99; 山 田, 2010: 35-39) 75 そうした 双 方 向 的 なコミュニケーションと 自 らの 発 言 や 思 考 を 省 みる ことを 通 じて 選 好 の 変 容 ( 田 村, 2008: 34)が 生 じることこそが 大 切 なのだと 考 えられて いる( 篠 原, 2004: 158; 山 田, 2010: 27) そうであればこそ 熟 議 は 共 同 の 学 習 過 程 ( 齋 藤, 2000: 34)と 表 現 されたりするのである 熟 議 民 为 为 義 に 関 する 経 験 的 実 証 的 研 究 は 日 本 を 含 めた 先 進 国 において 取 り 組 まれて いるが( 井 手, 2011; 尾 内, 2011; 篠 原, 2004; 田 村, 2008; 2010) 野 生 動 物 保 全 の 現 場 におけ る 対 話 を 具 体 的 な 語 りや 議 論 の 応 酬 まで 含 めて 観 察 分 析 した 先 行 研 究 は 管 見 の 限 り 見 当 たらない ただし 環 境 保 全 をめぐって 地 元 住 民 と 外 部 者 ( 为 には 行 政 )の 間 で 展 開 され るコミュニケーションを 観 察 し そこにおける 対 話 のあり 様 を 検 討 してきた 研 究 領 域 とし て 日 本 の 環 境 社 会 学 における 公 論 形 成 の 場 (arena of public discourse) の 議 論 がある その 先 行 研 究 では 形 式 的 に 設 置 された 対 話 空 間 において 行 政 が パターナリスティック なレトリック ( 足 立, 2001: 167)を 駆 使 することで 地 元 住 民 の 反 論 を 封 じたり 実 質 的 な 対 話 を 拒 絶 したりしている 実 態 や 76 状 況 の 定 義 のズレ ( 脇 田, 2001: 177)が 解 消 されない ために 建 設 的 対 話 が 行 われずに 終 わる 事 例 が 報 告 されている 77 また 土 屋 (2004: ) は 廃 棄 物 処 理 施 設 を 事 例 に 科 学 的 かつ 客 観 的 な 議 論 を 志 向 する 行 政 によって 議 論 が 専 門 的 になる 中 で 地 元 住 民 の 受 苦 の 来 歴 や 思 い が 排 除 される 構 造 を 明 らかにしている が 平 川 (2004: 113)は 逆 に 地 元 住 民 が 自 分 たちの 生 活 実 感 環 境 認 識 に 基 づく オルタ ナティブ ストーリー を 語 ることで 合 意 形 成 が 促 進 される 可 能 性 を 指 摘 している 山 田 (2010: 36-37)は まっとうな 熟 議 / 対 話 となるために は 聞 こえている だけ の 状 況 と きちんと 聴 いている ( 傾 聴 している) 状 況 を 区 別 する 必 要 があるとして 相 手 に 耳 を 傾 ける ことと 相 手 の 言 いなりになる ことを 分 けて 考 えることが 重 要 だとしている ま た 齋 藤 (2008: 96)は 聴 くという 行 為 は おそらく 見 ること 以 上 に 自 らをヴァルナラブル にする 行 為 である というのも 聴 くという 行 為 は 他 者 の 声 や 言 葉 を 他 者 にとっての 世 界 の 受 けとめ 方 を 自 らのうちへ 引 き 入 れる 行 為 であり 他 者 と 自 己 の 間 にある 差 異 や 抗 争 のみならず 自 己 と 自 己 との 間 の 抗 争 をも 露 わにする 行 為 だからである と 述 べている 76 長 良 川 河 口 堰 問 題 において パターナリスティックなレトリック を 駆 使 する 行 政 の 姿 勢 を 足 立 (2001: 167)は 科 学 的 データを 提 示 しながら 議 論 の 公 開 性 や 発 話 権 と 発 話 時 間 の 平 等 性 という 対 話 の 原 則 を 遵 守 しているかどうかさえ 関 心 を 払 えば あとは 自 分 た ちの 一 方 的 な 説 明 をくりかえす と 表 現 している そこでは 一 方 的 な 説 明 が 繰 り 返 され るばかりで 地 元 住 民 の 質 問 の 意 図 に 合 致 した 回 答 が 説 明 されているかさえどうでもよいよ うな 態 度 を 行 政 が 示 している 77 脇 田 (2001: )は 状 況 の 定 義 のズレ を 地 域 環 境 問 題 の 集 合 的 定 義 過 程 における 社 会 的 認 識 のズレ と 説 明 しており 具 体 的 にズレるポイントの 例 として 何 が 問 題 なのか? い かに 解 決 すべきなのか? といった 内 容 を 挙 げている 78 公 論 形 成 の 場 で 合 意 が 形 成 されたとしても 管 理 行 為 を 継 続 する 中 では 一 時 の 合 意 を どの 時 点 まで 担 保 し 何 を 根 拠 に 新 たな 合 意 形 成 を 開 始 すべきかという 継 続 性 と 可 能 性 のジレン マ が 避 け 難 い 点 を 平 川 (2005: 170)は 指 摘 している 対 話 を 行 うことで 常 に 合 意 が 形 成 され るとは 限 らずそれがアポリアに 陥 る 可 能 性 は 政 治 学 においても 指 摘 されているが( 齋 藤, 2000: 36

68 一 方 開 発 学 における 参 加 型 開 発 の 分 野 における 参 加 の 空 間 (space for participation) の 議 論 では 対 話 空 間 をめぐる 権 力 作 用 に 注 意 する 必 要 性 が 指 摘 されており(Cornwall, 2004=2008) Gavenda(2004=2008: 63)は 参 加 の 空 間 を 閉 じられた 空 間 (closed spaces) 招 かれた 空 間 (invited spaces) 請 求 された/ 設 けられた 空 間 (claimed/created spaces) の 3 つに 類 型 化 している 79 そこでは 参 加 の 空 間 ( 公 論 形 成 の 場 ) の 創 設 为 体 を 問 う ことによって 対 話 に 潜 む 権 力 性 の 根 拠 を 明 らかにすることが 可 能 になると 考 えられている が 例 えば 森 林 保 護 プロジェクトを 進 める 行 政 官 によって 設 けられた 近 代 的 な 集 会 に 参 加 出 席 した 際 に 普 段 の 陽 気 さを 失 い うつろな 眼 差 し で 無 言 にたたずむカメルーン 共 和 国 の 狩 猟 採 集 民 バカ ピグミー(Baka Pygmies)の 姿 は( 服 部, 2010: 179) 地 域 の 歴 史 的 文 脈 を 捨 象 して 外 部 者 が 一 方 的 に 創 設 する 招 かれた 空 間 の 持 つ 危 険 性 を 端 的 に 示 し ている 80 池 田 (2005: 7)は 環 境 正 義 を 論 じる 中 で 正 当 化 をめぐる 対 立 や 紛 糾 の 中 からしか 浮 か び 上 がってこない 論 点 が 現 実 には 存 在 することを 述 べており 脇 田 (2009: 11-12)は 公 論 形 成 の 場 において 多 様 な 状 況 理 解 問 題 意 識 が 衝 突 する 中 では 特 定 の[ 状 況 の] 定 義 が 巧 妙 に 排 除 ないしは 隠 蔽 され あるいは 特 定 の 定 義 に 従 属 ないしは 支 配 されることに より 抑 圧 されてしまう 可 能 性 が 存 在 することを 指 摘 している つまり 具 体 的 な 論 点 の 強 調 選 択 と 排 除 ズレ ( 脇 田, 2009: 11)の 中 でも 特 に 排 除 の 機 制 を 把 握 するため には フォーマルな 対 面 的 議 論 の 場 を 観 察 するだけでなく インフォーマルな 場 における 地 元 住 民 の 为 張 や 行 動 も 踏 まえて 分 析 を 行 わなければならない 81 Cornwall(2004=2008: 102, 34-36) 対 話 の 結 果 が 具 体 的 な 合 意 に 至 らずとも 利 害 関 係 者 間 の 認 識 の 差 異 が 明 確 に 理 解 され ることでローカルな 実 践 が 生 じる 可 能 性 や( 武 中, 2008: 150) 合 意 できないという 不 合 意 を 利 害 関 係 者 が 共 通 認 識 として 持 つことで 対 話 が 将 来 に 向 けて 継 続 される 場 合 もあり 得 ることは 公 論 形 成 の 場 の 先 行 研 究 において 示 されている( 黒 田, 2007: 168) 79 閉 じられた 空 間 とは 外 部 には 非 公 開 な 形 で 特 定 の 参 加 者 の 間 だけで 意 思 決 定 が 行 われる 空 間 を 招 かれた 空 間 は 政 府 や 国 際 機 関 NGO によって 設 置 された 空 間 であり 一 般 の 人 びと が 参 加 のためにそこに 招 かれる 空 間 でもある 請 求 された/ 設 けられた 空 間 とは 弱 者 が 強 者 に 対 して 請 求 対 抗 しようとして 設 けられる 空 間 あるいは 弱 者 自 身 が 独 自 に 創 設 する 空 間 のことである(Gavenda, 2004=2008: 64) 80 ここで 服 部 (2010: 182)がいう 地 域 の 文 脈 としては 焼 畑 農 耕 民 コナベンベとバカとの 間 の 歴 史 的 関 係 に 基 づき 形 成 されてきた 政 治 的 経 済 的 な 格 差 の 存 在 がある(なお 同 論 考 は 参 加 の 空 間 論 を 念 頭 に 置 いて 書 かれたたものではない) なお インドネシア 共 和 国 を 为 たるフィ ールドとする 井 上 (2009: 20)は 顔 の 見 える 程 度 の 小 グループによる 熟 議 しかも 森 林 地 域 に 住 む 人 々や 外 部 者 を 含 むグループによる 熟 議 の 場 では むしろ 発 言 者 の 社 会 的 地 位 が 発 言 力 を 決 めてしまうことのほうが 多 いのではなかろうか との 想 定 の 下 で かかわり の 程 度 に 基 づ くアリーナにおける 決 定 権 の 差 別 化 を 応 関 原 則 (commitment principle) として 提 示 している ( 井 上, 2009: 11) 誰 が どの 程 度 の 決 定 権 を 持 つべきかという 問 題 については 宮 内 編 (2006) において レジティマシー の 問 題 として 議 論 されており 例 えば 草 原 管 理 を 事 例 とする 藤 村 (2006: 118, 122)は 現 実 に 働 きかけをもつ 者 たち あるいは 結 果 を 引 き 受 ける という 覚 悟 や 責 任 を 備 えた 人 びとに 認 められる 発 言 力 としてのレジティマシーを 描 き 出 している 81 鈴 木 (2008: 56-60)は ニホンザルの 農 作 物 被 害 を 事 例 として 被 害 認 識 の 先 鋭 化 プロセス を 分 析 する 中 で 1 日 常 レベル 2 被 害 発 生 時 3 低 次 意 思 表 示 場 面 ( 集 会 単 位 での 会 合 等 ) 4 高 次 意 思 表 示 場 面 ( 協 議 会 など) という 段 階 に 分 けて 被 害 認 識 の 形 成 発 展 ( 解 消 ) の 起 こり 得 る 点 を 指 摘 している 鈴 木 (2008)によれば 1 日 常 レベル では 肯 定 と 否 定 の 両 方 の 感 情 を 持 つ 地 元 住 民 も 2 被 害 発 生 時 には 否 定 的 意 見 ばかりを 表 面 化 しがちなために 37

69 109)は 地 元 住 民 が 参 加 の 空 間 に 現 れる 中 で 弱 者 の 武 器 を 駆 使 することもある 点 を 指 摘 しており 参 加 者 の 思 惑 行 為 によって 参 加 の 空 間 は 創 設 者 の 意 図 とは 別 の 対 話 ではなく 騙 し 合 いの 場 になり 得 ることを 意 味 しているが 弱 者 の 武 器 の 典 型 例 とし てサボタージュが 挙 げられる 点 を 踏 まえるならば(Scott, 1985:29) 対 外 的 なコミュニケー ション 空 間 とそれ 以 外 の 空 間 との 関 係 性 まで 視 野 に 入 れることが 必 要 である 今 日 のケニアでは 野 生 動 物 保 全 に 関 して 地 元 住 民 と 外 部 者 の 間 で 集 会 が 開 かれること は 珍 しくなく 本 研 究 の 調 査 地 においても 地 元 住 民 と 複 数 の 外 部 者 との 間 で 話 し 合 いが 1 ヶ 月 と 空 けずに 開 かれることも 珍 しくない 本 研 究 では 過 去 における 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわり に 関 しては 先 行 研 究 術 に 拠 ることになるが 特 に 最 近 の 事 例 においては 話 し 合 いの 場 における 直 接 観 察 の 結 果 も 用 いつつ 以 下 に 記 す 内 容 について 検 討 することで 対 話 の 視 点 からの 分 析 とする 対 話 の 空 間 の 創 設 为 体 とそこにおける 地 元 住 民 の 参 加 のあり 方 対 話 の 空 間 で 確 認 される 諸 論 点 に 対 する 地 元 住 民 外 部 者 双 方 の 態 度 フォーマルな 対 話 の 空 間 で 展 開 される 地 元 住 民 の 言 説 の 真 正 性 価 値 観 または 選 好 の 変 容 を 通 じた 地 元 住 民 と 外 部 者 の 間 における 共 通 の 目 的 意 識 の 醸 成 の 有 無 (3) 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわりの 変 化 を 分 析 する 2 つの 視 点 市 川 (2003: 54)は 地 球 環 境 問 題 を 現 場 に 即 して 考 えるため 地 域 における 自 然 と 人 間 の 関 係 を 理 解 する ための 枞 組 みとして 3 つの 生 態 学 を 提 起 している それは 具 体 的 には 文 化 生 態 学 歴 史 生 態 学 政 治 生 態 学 の 3 つを 意 味 するが それぞれは 人 間 と 自 然 とのあいだの 物 質 的 精 神 的 直 接 的 間 接 的 関 係 のすべて 地 域 における 人 間 自 然 関 係 の 共 時 的 側 面 の 総 体 に 関 わる 探 究 人 間 と 自 然 の 相 互 作 用 の 歴 史 具 体 的 には 自 然 のなかに 刻 印 された 人 為 と 文 化 の 跡 を 読 むこと 地 域 のミクロなレベルにおける 人 間 自 然 関 係 を 民 族 関 係 や 国 家 システムさらには 国 際 的 な 政 治 経 済 体 制 などのより 広 い 社 会 の 政 治 経 済 的 枞 組 及 びそこにおける 力 関 係 と 関 連 させて 考 察 するもの を 意 味 している( 市 川, 2003: 54-55) 池 谷 (2003: 22-23)は 3 つの 生 態 学 を 踏 まえて 人 間 と 環 境 の 関 係 をモ デル 化 する 中 で 自 然 社 会 の 核 心 であるところのモデルの 中 心 に 人 間 による 資 源 利 用 と 人 間 以 外 の 自 然 ( 直 接 利 用 される) という 2 つの 項 目 を 置 いている その 上 で 3 つの 生 態 学 の 中 でも 人 間 による 直 接 的 な 資 源 利 用 に 最 も 強 く 関 係 する 文 化 生 態 学 を 説 明 する 中 で 生 業 に 着 目 することで 世 界 各 地 域 における 環 境 問 題 が 理 解 できると 述 べてい る( 池 谷, 2003: 23) こうした 議 論 からは 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり を 理 解 する 起 点 として 利 用 あるいは 生 業 が 有 効 であることが 示 唆 される 集 落 内 では 負 の 感 情 ばかりが 伝 播 共 有 されがちであり それが 3 低 次 意 思 表 示 場 面 4 高 次 意 思 表 示 場 面 において 異 なる 価 値 観 を 持 つアクター( 専 門 家 自 然 保 護 関 係 者 など)と 接 す る 中 で 更 に 先 鋭 化 されて 発 信 されるとしている 公 論 形 成 の 場 / 参 加 の 空 間 とは ここでい う3ないし4のレベルに 相 当 しており 鈴 木 (2008)の 議 論 を 踏 まえるならば それ 以 外 の 日 常 的 でインフォーマルな 場 面 における 地 元 住 民 の 認 識 に 着 目 する 必 要 が 明 らかであろう 38

70 調 査 対 象 民 族 であるマサイの 伝 統 的 な 生 業 は 牧 畜 であり 家 畜 と 野 生 動 物 の 関 係 として 肉 食 動 物 による 食 害 に 加 えて 草 食 動 物 からの 病 気 の 伝 播 も 考 えられる 82 ただし 地 元 住 民 と 野 生 動 物 との 間 に 持 たれる 直 接 的 なかかわりであり 野 生 動 物 保 全 の 文 脈 や 両 者 の 共 存 関 係 を 考 察 する 上 で 重 要 となってくるのは 狩 猟 と 被 害 という 形 でのかかわりだと 考 えられ る 実 際 ヒトと 動 物 の 関 係 学 において 人 間 と 野 生 動 物 の 間 に 見 られる 利 用 的 なかかわり の 3 類 型 として 挙 げられるのは 食 糧 / 自 給 品 商 品 83 観 光 資 源 84 であるが( 池 谷 ら, 2008: 6-7) そうした 利 用 は 狩 り 殺 す ないし 追 い 捕 まえる という 狩 猟 行 為 を 抜 きにしては 成 立 し 得 ない また 池 谷 (2009b: 44)は 日 本 の 温 帯 林 (マタギ) アフリカの 熱 帯 砂 漠 (サン San/ブ ッシュマン Bushman) 極 北 のツンドラ(チュクチ Chukchi)における 狩 猟 の 参 与 観 察 から 狩 猟 という 生 活 実 践 において 技 術 知 識 : 捕 獲 のための 知 恵 生 業 : 人 が 生 きるための なりわい 社 会 : 人 と 人 を 結 びつける 絆 心 理 : 精 神 世 界 とのつながり が 互 いに 不 可 分 な 形 で 結 び 付 き 合 っていることを 指 摘 している 池 谷 (2009b)が 観 察 対 象 としているの はマサイ 以 上 に 生 業 としての 狩 猟 に 深 く 従 事 している 民 族 であり その 議 論 を 一 般 にウシ 牧 畜 民 と 見 做 されるマサイに 適 用 することが 妥 当 かは 疑 問 が 残 る しかし たとえ 個 別 文 化 の 本 源 にかかわることがなくても 生 業 活 動 なくしてはその 文 化 は それを 支 える 人 びとともに 存 続 しえない ( 松 井, 2011: 3)とされる 時 に 85 マサイ 以 上 に 狩 猟 を 生 業 活 動 として 営 んできた 人 びとから 抽 出 されてきた 要 素 を 牧 畜 民 にとっての 狩 猟 の 意 味 を 考 える 視 点 として 用 いることは 過 大 にはなり 得 ても 過 小 にはなり 得 ないと 思 われる 一 方 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 に 関 して 前 者 からの 働 きかけに 対 する 後 者 の 側 の 行 為 性 为 体 性 を 伴 う 反 応 に 着 目 することが 必 要 なのと 同 様 に 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり においても 野 生 動 物 から 人 間 へと 向 かう 働 きかけを 無 視 することはできず 82 Western( : 81)はアンボセリ 生 態 系 に 暮 らすマサイの 言 葉 として 沼 地 で 家 畜 を 放 牧 する 時 にバッファローから 東 海 岸 熱 (east coast fever)を 伝 染 される 危 険 性 があることを 記 し ている また Homewood and Rodgers( : 183)によれば 誕 生 間 もないヌーの 幼 獣 から は 悪 性 のかぜ(malignant catarrhal fever)を 伝 染 され 易 いということに 加 え ダニを 介 して 家 畜 は 野 生 動 物 から 各 種 の 伝 染 病 を 受 け 取 る 危 険 性 を 持 っている 83 ここでいう 商 品 には 食 料 や 装 身 具 に 加 えて 呪 術 の 材 料 の 売 買 も 含 まれている( 池 谷, 2008: 7) 84 一 般 に 余 暇 活 動 としての 観 光 (tourism) とは 観 光 客 にとって 非 日 常 的 な 名 所 名 物 など を 見 たり 普 段 は 体 験 できない 娯 楽 余 暇 活 動 を 行 うために 旅 行 する 活 動 を 意 味 している( 古 川 松 田, 2003: 14-17; 吉 見, 2007: 8) いわゆる サファリ( 観 光 ) は 野 生 動 物 を 眺 めるだけの 非 消 費 的 利 用 法 であるが 池 谷 (2008: 7)はここでハンティング ツーリズム(スポーツ ハンテ ィング)を 観 光 資 源 の 利 用 法 として 挙 げているが そこで 注 意 を 促 しているように 今 日 でもア フリカの 多 くの 国 でその 経 済 性 から( 時 に 持 続 可 能 な 保 全 アプローチとして)スポーツ ハ ンティングは 実 施 されている( 安 田, 2009: ) なお サファリ(safari) とはスワヒリ 語 で 旅 を 意 味 する 言 葉 である 85 松 井 (2011: 3)は 生 業 活 動 (subsistence activities)が 民 族 の 個 別 文 化 の 本 源 にかかわる と 即 断 することは 避 けている ただし そうはいいつつも 松 井 (2011: 3-5)は 生 業 活 動 が 個 別 文 化 とその 担 い 手 たる 人 びとを 物 質 的 に 養 うだけでなく 労 働 の 組 織 化 という 形 で 人 びとの 社 会 関 係 を 作 り 出 す 契 機 になり 得 るとともに 生 産 物 を 市 場 (マーケット)に 供 出 することから 外 部 と の( 経 済 的 な) 交 流 を 生 み 出 す 起 点 にもなり 得 ること また 生 活 信 条 や 信 仰 宗 教 といった 世 界 観 にもかかわり 得 ることを 指 摘 しており 生 業 活 動 は 土 地 の 人 びとの 現 在 形 の 生 活 世 界 す なわち 生 きる 世 界 へのもっとも 確 実 な 手 がかりとなりうるのである と 述 べている 39

71 この 点 で 被 害 は 共 存 を 考 える 上 で 極 めて 重 要 な 意 味 を 持 ち 得 る これまで ローカル コ モンズ 研 究 を 始 めとする 自 然 資 源 管 理 論 において 中 心 的 に 問 われてきたのは 資 源 の 再 生 力 を 上 回 る 過 剰 利 用 によってその 枯 渇 が 引 き 起 こされるのをいかに 防 ぐかであり そこに おいては 人 びとの 資 源 利 用 をいかにマイナス 方 向 に 制 御 するかが 問 題 とされてきた 86 ま た 自 然 保 護 における 基 本 的 な 対 概 念 は 保 全 (conservation) 保 存 (preservation) であ り 87 現 実 には 保 全 / 保 存 介 入 保 護 に 賛 成 / 反 対 の 2 2=4 通 りのアプロー チに 整 理 し 得 るとする 森 岡 (1999: 39-41)の 議 論 において 立 てられている 問 いも あくまで 人 間 の 手 による 自 然 への 介 入 あるいは 保 護 への 賛 否 である 88 確 かに 自 然 は 本 来 的 にある 種 の 負 荷 ( 丸 山, 1997: 152)を 人 間 社 会 に 及 ぼす 存 在 だ との 指 摘 も 見 られるが 研 究 面 では 野 生 動 物 の 保 護 と 獣 害 問 題 は 別 の 文 脈 で 捉 えられてき たというのが 実 情 といえる( 鬼 頭, 2009b: 276) だが 野 生 動 物 管 理 学 における 人 間 と 野 生 動 物 の 軋 轢 が 多 くの[ 生 物 ] 種 の 地 球 規 模 での 減 尐 を 決 定 付 けてきたことに 疑 いはな い(There can be no doubt that human-wildlife conflict has driven global declines of many species) (Woodroffe et al., 2005b: 388)という 为 張 からは 狩 猟 という 地 元 住 民 から 野 生 動 物 に 向 か う 働 きかけと 同 時 に 人 間 と 野 生 動 物 の 軋 轢 の 典 型 例 である 被 害 ( 獣 害 )という 地 元 住 民 が 野 生 動 物 から 受 ける 働 きかけも 検 討 する 必 要 があることが 分 かる 確 かに 野 生 動 物 と ともに 生 きることは 野 生 動 物 によって 引 き 起 こされる 被 害 とその 生 息 地 を 他 の 利 用 へと 転 換 しないことによる 機 会 費 用 という 形 で 費 用 を 伴 うことを 我 々は 認 識 しなければなら ない(we must also recognize that living with wildlife has costs, both in terms of the damage caused by wildlife, and the opportunity costs of not converting wildlife areas to other uses) (Woodroffe et al., 2005: 405)という 野 生 動 物 管 理 学 における 为 張 に 対 しては それが 地 元 住 民 と 野 生 動 物 の 出 会 いを 一 概 に 否 定 的 なものと 見 做 しがちな 点 に 注 意 する 必 要 がある( 西 崎, 2007: 239) この 点 で 鬼 頭 (1996: )が 指 摘 するように 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり は 両 者 から 双 方 向 的 に 相 手 方 に 向 けられる 働 きかけの 総 体 として 理 解 することが 必 要 である と 同 時 に そこにおいては 当 事 者 の 認 識 をも 理 解 することが 要 求 される( 丸 山, 1997: ; 松 井, 1997: vii-x; 野 本, 2010: 16) そのため 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわりの 変 86 Hardin(1968)の コモンズの 悲 劇 (the tragedy of the commons) 以 降 のローカル コモンズ 研 究 において 議 論 されてきたのは 私 的 所 有 公 的 所 有 とは 異 なる 共 的 な 土 地 / 資 源 所 有 権 の 下 で 集 合 的 に 持 続 的 な 資 源 管 理 をいかにして 達 成 するかであり(Agrawal, 2002; Feeny et al., 1990) 人 びとによる 資 源 の 過 剰 利 用 をいかにマイナス 方 向 に 制 御 するかが 問 題 とされてきた これに 対 し 最 近 では 自 然 資 源 の 過 尐 利 用 ( 利 用 量 の 低 下 管 理 行 為 の 衰 退 )の 問 題 を 意 識 的 に 論 じる 流 れも 出 てきているが( 宮 内 編, 2009) 三 俣 (2010: 225)も 指 摘 するように コモンズは 一 般 的 に 排 除 性 が 低 く 控 除 性 が 高 い 環 境 資 源 またはそれを 共 同 協 働 で 管 理 する 制 度 を 意 味 してきた 87 森 岡 (1999: 32-33)は 保 全 は 人 間 に 被 害 が 及 ばないようにするために 自 然 環 境 を 保 護 するのだ という 論 理 を 保 存 は 自 然 環 境 は それ 自 体 貴 重 で 尊 い 価 値 をもっている だから 自 然 環 境 を 保 護 するのだ という 論 理 をそれぞれ 意 味 するとしている 88 森 岡 (1999)の 議 論 における 1 つの 要 点 は 従 来 は 二 項 対 立 的 に 捉 えられてきた 保 全 と 保 存 の 概 念 に 対 して 介 入 保 護 に 賛 成 / 反 対 という 視 点 を 持 ち 込 むことで 現 実 の 運 動 に 際 して 両 者 が 協 調 する 余 地 が 生 じ 得 ることを 示 した 点 にある さらに 森 岡 (1999: 53)は 人 間 と 自 然 の 二 項 対 立 図 式 のみによって 人 間 と 自 然 のかかわりあいをとらえることの 危 険 性 を 指 摘 した 上 で もっと 多 様 な 人 間 と 自 然 の 関 係 性 を 見 ることの 重 要 性 にも 言 及 しており そこでは 人 間 が 一 方 的 に 自 然 を 保 護 / 開 発 するといった 捉 え 方 は 否 定 されている 40

72 化 を 記 述 するに 際 しては 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 の 時 のように 複 数 の 分 析 視 点 ( 狩 猟 と 被 害 )を 別 々に 検 討 するのではなしに 地 元 住 民 の 狩 猟 が 野 生 動 物 の 側 に 及 ぼす 影 響 や 被 害 を 受 ける 地 元 住 民 が 見 せる 対 応 そして 彼 ら 彼 女 らが 野 生 動 物 に 対 し て 抱 く 認 識 まで 視 野 に 入 れて そこにおける かかわりの 全 体 性 ( 鬼 頭, 1996: 126)に 近 付 くことを 試 みたい 以 下 では そのための 準 備 として 狩 猟 と 被 害 という 2 つの 分 析 視 点 に 関 する 議 論 を 更 なる 先 行 研 究 レビューを 踏 まえ 敶 衍 する (a) 狩 猟 文 化 生 態 学 が 人 間 自 然 関 係 の 共 時 的 側 面 の 総 体 を 対 象 とするという 時 そこで 具 体 的 に 挙 げられる 関 係 性 には 物 質 的 精 神 的 直 接 的 間 接 的 なものがあるが( 市 川 2003: 54) 池 谷 (2009b: 44)は 狩 猟 に 着 目 することで 狩 猟 ( 採 集 ) 民 たる 地 元 住 民 の 暮 らしを 支 える 技 術 知 識 生 業 社 会 心 理 がそこにおいて 結 び 付 いているとの 分 析 を 展 開 して いる 一 方 市 川 (2008: 167)は 狩 猟 採 集 民 に 加 えて 焼 畑 農 耕 民 や 牧 畜 民 も 事 例 に 含 みな がら 文 化 や 生 業 自 然 環 境 に 応 じて 食 用 とされる 野 生 動 物 の 種 類 はさまざまであるが 狩 猟 対 象 となる 複 数 の 動 物 種 の 間 に 見 られる 重 要 性 の 差 異 は 生 息 密 度 という 生 態 的 な 条 件 に 加 えて 狩 猟 法 や 人 びとの 選 好 といった 文 化 社 会 的 な 側 面 によっても 左 右 されることを 論 じている 狩 猟 採 集 民 を 为 たる 事 例 としては 狩 猟 によって 獲 得 された 獣 肉 が 時 に 端 から 見 ると 意 味 のないように 分 配 ( 北 西, 2001: 89)されたりすることで 結 果 的 に 食 物 の 平 準 化 や 社 会 関 係 の 強 化 が 調 節 されることが 示 されてきたが( 北 西, 2010) 男 性 による 狩 猟 の 成 功 が 狩 猟 者 たる 男 性 自 身 に 特 別 な 名 誉 を 与 えるだけでなく 狩 猟 に 直 接 は 参 加 しない 女 性 にも 非 日 常 的 な 喜 ばしい 体 験 を 提 供 することもある( 岩 井, 2009: 94) また 狩 猟 を 共 に 行 うことで 男 性 間 に 特 別 な 関 係 が 形 成 されるだけでなく( 西 崎, 2009: ) 獲 得 して きたトロフィーが 地 域 社 会 内 の 権 力 者 に 贈 与 されることで 社 会 関 係 の 構 築 に 寄 与 すること もある( 増 田, 2005: ) こうした 先 行 研 究 を 踏 まえるならば 狩 猟 が 持 ち 得 る 食 糧 獲 得 以 外 のさまざまな 意 味 に ついては 狩 猟 の 対 象 となる 野 生 動 物 の 種 類 や 狩 猟 の 前 後 に 実 践 される 種 々の 儀 礼 的 行 為 を 追 究 することで 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり を 文 化 的 社 会 的 な 側 面 まで 視 野 に 入 れて 多 面 的 に 描 き 出 し 得 ることが 分 かる ただし これだけでは 調 査 地 における 地 元 住 民 にとっての 狩 猟 という 行 為 の 意 味 を 論 理 的 に 記 述 するには 不 充 分 に 思 われる そこで 狩 猟 の 意 味 を 分 析 する 際 には ヒトと 動 物 の 関 係 学 において 人 間 と 野 生 動 物 の 関 係 を 中 心 的 に 議 論 してきた 学 問 領 域 と 位 置 付 けられる 89 文 化 人 類 学 における 人 間 活 動 の 3 分 類 つま りは 労 働 (labour) 儀 礼 (ritual) 遊 び(play)を 視 点 として 採 用 したい 文 化 人 類 学 にお いて 一 般 的 には 労 働 は 人 間 が 生 きていくために 必 要 な 物 品 を 調 達 し それを 生 物 体 と しての 人 間 が 摂 取 する 行 動 を 意 味 しており 儀 礼 には 労 働 を 宗 教 面 呪 術 面 が 促 進 し また 人 間 相 互 間 の 交 流 を 円 滑 にするさまざまな 行 動 が 含 まれ そして 前 二 者 をとり 去 った 残 りの 領 域 で 余 暇 行 動 とよんでもよい ものが 遊 びだとされる( 青 柳, 1994: 11-12) 野 生 動 物 の 生 態 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわり のそ れぞれを 为 に 扱 ってきた 学 問 領 域 として 池 谷 (2008: )は 生 態 学 文 化 人 類 学 ( 民 族 学 ) 文 化 地 理 学 政 治 学 行 政 学 を 挙 げている 90 儀 礼 が 基 本 的 に 社 会 的 な 行 為 であることは 論 を 俟 たないだろうが 生 業 としての 労 働 が 人 び 41

73 狩 猟 採 集 民 社 会 において 狩 猟 に 生 業 としての 労 働 的 な 意 味 に 加 えて 遊 戯 的 な 性 格 が 備 わ っている 点 が 多 くの 研 究 者 によって 指 摘 されており そこでは 成 果 を 常 に 伴 うとは 限 らな い 子 どもの 狩 猟 さえもが 遊 びと 生 業 活 動 の 中 間 に 位 置 する 活 動 群 だとされてきた( 亀 井, 2010: 104, ) 一 方 民 俗 学 においては 生 活 の 周 縁 的 な 領 域 に 成 立 する 生 業 ( 菅, 1998: 243)であり 経 済 的 な 重 要 性 が 低 く 遊 びの 要 素 が 強 い 生 業 的 活 動 が マイナー サブシステンス と 呼 ばれており それは 対 象 とする 自 然 資 源 の 時 間 的 空 間 的 な 限 定 性 や 技 術 技 法 上 の 制 約 年 間 的 な 周 期 性 季 節 性 といった 特 徴 を 備 えることの 結 果 として 身 体 全 体 を 通 して 自 然 との 直 接 的 な 関 わりを 体 験 させ ( 松 井, 1998: 267)る 活 動 だと 理 解 さ れている 鬼 頭 (2009a: 18-20)は この マイナー サブシステンス を 遊 び 仕 事 と 翻 訳 91 した 上 で その 遊 び 仕 事 も 含 む 形 で 形 成 される 労 働 から 遊 びに 至 る 連 続 スペクト ラムこそが 人 間 と 自 然 の 生 身 の 関 係 性 即 ち 社 会 的 経 済 的 リンク と 文 化 的 宗 教 的 リンク が 不 可 分 に 結 び 付 いた 人 間 と 自 然 との かかわりの 全 体 性 を 再 構 築 する 上 で 重 要 な 役 割 を 果 たすはずだと 社 会 的 リンク 論 に 即 して 論 じている 92 ただし 遊 び が 労 働 と 儀 礼 の 二 者 をとり 去 った 残 りの 領 域 と 定 義 される 事 実 を 踏 まえるならば( 青 柳, 1994: 12) 労 働 遊 び 仕 事 /マイナー サブシステンス 遊 びという 連 続 スペクトラム だけによって 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり の 物 質 的 精 神 的 関 係 を 総 合 的 に 理 解 す ることが 可 能 と 考 えることは 困 難 である 93 儀 礼 と 遊 びの 間 の 類 似 性 については 遊 (= 遊 び)と 聖 ( 儀 礼 )を 同 一 視 する Huizinga (1938=1973)の 議 論 を 批 判 する Caillois( =1990)の 遊 の 定 義 もまた 形 式 的 に は 遊 だけでなく 聖 にも 該 当 する 点 からも 明 らかである 94 ただし だからといって 儀 礼 の 視 との 社 会 的 結 合 の 契 機 となり 得 る 一 方 で( 松 井, 2011: 3-4) 遊 びが 一 般 的 に 社 会 性 を 持 つ 点 につ いても 遊 戯 論 の 古 典 である Caillois( =1990: 82-88)によって 既 に 明 らかにされている つまり 労 働 儀 礼 遊 びという 視 点 から 人 びとの 行 為 を 分 析 するといっても それは 何 も 行 為 为 体 たる 各 個 人 がどのように 考 え 感 じているかといった 個 人 的 な 次 元 に 留 まる 訳 ではない 91 鬼 頭 (1996)では マイナー サブシステンス という 語 が 用 いられていたが 鬼 頭 (2009a: 19)では マイナー サブシステンス は 文 化 人 類 学 や 民 俗 学 のなかで その 学 問 のなかで 精 緻 な 議 論 と 定 義 がなされており 社 会 的 リンク 論 のように より 動 的 (ダイナミック)なかた ちで 2 つのリンクの 統 合 的 再 構 築 にかかわる 議 論 のなかの 中 心 的 な 概 念 として 使 うのは 本 来 の 学 問 的 な 意 味 から 逸 脱 してしまう 可 能 性 がある として マイナー サブシステンス に 代 わっ て 遊 び 仕 事 という 語 を 用 いている 92 鬼 頭 (1996: )は 人 間 と 自 然 のつながりの 基 本 的 要 素 として 社 会 的 経 済 的 リンクと 文 化 的 宗 教 的 リンクの 2 つのネットワークがあると 考 える その 上 で 自 然 と 人 間 との 間 のか かわりのベクトルに 関 係 して 人 間 から 自 然 に 向 かう( 人 間 にとっては) 能 動 的 な 人 間 の 働 きか けを 生 業 自 然 から 人 間 に 向 かう 受 動 的 な 働 きかけを 生 活 と 定 義 している そこにおい ては 人 間 が 社 会 的 経 済 的 リンクと 文 化 的 宗 教 的 リンクのネットワークの 中 で 総 体 と しての 自 然 とかかわりつつ その 両 者 が 不 可 分 な 人 間 自 然 系 の 中 で 生 業 を 営 み 生 活 を 行 っ ている 一 種 の 理 念 型 の 状 態 を かかわりの 全 体 性 と 呼 び 生 身 の 自 然 との 関 係 のあり 方 と して 定 義 する と 述 べている( 鬼 頭, 1996: ) 93 人 間 と 自 然 のかかわりの 全 体 を 把 握 しようとする 際 に 提 示 される 基 本 的 な 視 点 としては 物 質 的 / 精 神 的 直 接 的 / 間 接 的 ( 市 川, 2003: 54) あるいは 社 会 的 経 済 的 / 文 化 的 宗 教 的 ( 鬼 頭, 2009a: 16-19)といった 対 照 的 な 2 項 目 がある ただし こうした 視 点 が 常 に 二 項 対 立 的 にの み 語 られる 訳 ではないことは 前 記 の 議 論 からも 明 らかであろう 94 遊 びについては Huizinga(1938=1973)や Caillois( =1990)を 嚆 矢 とする 先 行 研 究 の 中 では 特 に 後 者 によって 競 争 (agôn) 運 (alea) 模 擬 (mimicry) 眩 暈 (ilinx)という 42

74 点 が 無 用 になる 訳 ではない 丸 山 (2006: )は ニホンザル(Macaca fuscata)が 古 くから 天 界 と 地 上 を 往 来 する 生 き 物 として 神 々の 意 向 を 人 間 に 知 らせる 仲 介 役 神 の 使 いとして 畏 怖 神 聖 視 の 対 象 となってきたことを 論 じる 中 で ニホンザルが 薬 剤 の 原 料 と して 利 用 してきた 事 実 に 触 れて むしろ 神 聖 視 されていたからこそ 実 際 に 利 用 する 対 象 になっていたともいえるだろう と 述 べている また 人 間 と 野 生 動 物 のどちらも 霊 魂 を 持 つ 同 種 の 存 在 であると 考 える 極 北 のイヌイット 社 会 の 場 合 ハンターは 野 生 動 物 に 対 して 敬 意 を 払 い 狩 猟 された 肉 を 周 囲 の 人 びとと 分 かち 合 って 食 べることが 求 められてい る その 背 景 には イヌイットにとって 真 なる 食 べ 物 (niquinmarik/niqituinnaq) ( 大 村, 2009: 113)である 野 生 動 物 が 人 間 の 元 に 近 付 くようになるには 狩 猟 した 野 生 動 物 を 適 切 な 儀 礼 を 経 て 人 びとと 分 かち 合 いながら 食 することで その 霊 魂 が 再 び 現 世 に 生 まれ 変 わること を 手 助 けすることが 必 要 という 考 えがある 訳 だが( 岸 上, 2008: 147) そこにおいて 狩 猟 を 介 して 成 立 する 地 元 住 民 と 野 生 動 物 の 間 の 儀 礼 的 信 仰 的 な 関 係 性 は 大 地 (nuna) ( 大 村, 2011: 70)と 称 されるイヌイットの 生 活 世 界 全 体 を 秩 序 付 けるシステムを 理 解 する 上 で 極 めて 重 要 である なお 儀 礼 は 呪 術 的 宗 教 的 な 要 素 を 要 件 として 定 義 されることが 珍 しくないが( 青 柳, 1994: 11; 佐 々 木, 1991: 155) その 一 方 で 文 化 のなかの 形 式 化 された 行 動 の 広 い 範 囲 ( 梶 原, 1994: 213)と より 広 い 意 味 合 いで 定 義 されることもある 本 研 究 では 儀 礼 と 遊 びの 連 続 性 を 意 識 した 上 で 基 本 的 には 後 者 の 広 い 意 味 で 儀 礼 という 語 を 用 いる なぜならば 行 為 選 択 の 自 由 自 発 性 が 遊 びの 要 件 の 中 でも 特 に 基 本 的 項 目 とされる 時 (Caillois, =1990: 34) この 儀 礼 をより 広 く 意 味 付 ける 定 義 を 用 いることで 必 ずしも 呪 術 的 宗 教 的 な 理 由 に 基 づかないながらも 社 会 的 制 度 的 に 定 式 化 され 義 務 化 された 行 為 を( 儀 礼 と して) 混 乱 なく 論 じることができるからである 95 牧 畜 を 为 たる 生 業 とするマサイ 社 会 では 通 常 時 であれば 獣 肉 目 当 ての 生 業 狩 猟 に 従 事 することは 文 化 的 社 会 的 に 否 定 されるが(Galaty, 1982) その 傍 らで 家 畜 や 人 びとに 4 つの 重 要 な 分 析 視 点 が 提 示 されている また Caillois( =1990: 40)が 遊 びの 基 本 的 定 義 として 挙 げる 要 素 は 以 下 の 6 つである 即 ち 自 由 な 活 動 であること 隔 離 された 活 動 であ ること 未 確 定 の 活 動 であること 非 生 産 的 活 動 であること 規 則 のある 活 動 であること 虚 構 の 活 動 であること この 定 義 は Huizinga(1938=1973)のそれとかなりの 程 度 で 重 なり 合 うが これら 6 要 素 の 全 てを 完 全 に 備 えていなければ 遊 びと 呼 び 得 ないとまではされておらず ある 程 度 の 概 念 の 揺 らぎは 認 められている なお Huizinga(1938=1973)が 遊 と 聖 を 同 一 視 している のに 対 して Caillois( =1990: )は 遊 とは 内 容 よりも 形 式 が 重 要 な 意 味 を 持 つ 活 動 であるが それとは 反 対 に 聖 とは 形 式 以 上 に 内 容 こそが 問 題 となる 活 動 だと 捉 え 両 者 を 区 別 している(ここから 聖 俗 遊 というヒエラルキーの 議 論 が 構 想 されることになる) 遊 び に 関 する 研 究 蓄 積 に 関 して 亀 井 (2009)は これまでの ヒトの 遊 びの 研 究 史 は 大 きく 遊 び の 普 遍 論 者 の 系 譜 と 遊 びの 個 別 文 化 論 者 の 系 譜 の 2 つの 流 れに 分 けられるとしており Huizinga(1938=1973)や Caillois( =1990)を 前 者 に 位 置 付 けているが 両 者 を 統 合 するような 議 論 は 未 構 築 だという 95 労 働 と 遊 びの 中 間 領 域 として 遊 び 仕 事 が 想 定 できるように 遊 びと 儀 礼 との 間 で 遊 び 儀 礼 のような 中 間 項 を 想 定 することも 不 可 能 ではないと 思 われる だが それを 行 うには 研 究 者 によってさまざまに 定 義 される 遊 びや 儀 礼 に 関 する 更 なる 先 行 研 究 レビューが 必 要 に 思 われ るが この 点 は 本 研 究 の 今 後 の 課 題 の 1 つである とりあえず 本 研 究 に 置 いては 儀 礼 を 上 述 の ように 脱 呪 術 的 脱 宗 教 的 な 形 で 定 義 することで 議 論 を 進 めてゆきたい 43

75 危 害 を 加 える 恐 れのある 野 生 動 物 を 殺 すことや 装 飾 品 などの 材 料 を 獲 得 するための 狩 猟 は 行 われてきた Homewood and Rodgers( : 79)によれば マサイが 狩 猟 を 行 う のは 儀 礼 上 の 必 要 性 に 迫 られた 時 や 飢 饉 発 生 時 に 限 られており そこには 自 分 たちの 土 地 と 野 生 動 物 に 対 する 倫 理 的 責 任 感 という 積 年 の 哲 学 (a long-standing philosophy of moral responsibility towards their lands and its wildlife) があるという 96 また Western( : 146)は 野 生 の 動 物 は 我 々の 第 2 のウシだ(Wild animals were our second cattle) という アンボセリ 生 態 系 のマサイの 言 葉 から 彼 ら 彼 女 らが 害 獣 に 対 して 寛 容 さを 抱 いていると の 理 解 を 示 している しかし これらの 为 張 は 物 質 的 経 済 的 レベルにおける 費 用 便 益 に 加 えて 認 識 レベルにおける 正 負 両 側 面 を 含 め 地 元 住 民 が 国 立 公 園 野 生 動 物 を 許 容 できる/できないバランスというものを 検 討 した 岩 井 (2009)のような 総 合 的 な 考 察 97 の 上 に 展 開 されている 訳 ではなく 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり の 分 析 としては 不 充 分 で ある それに 対 して 本 研 究 では 狩 猟 が 具 体 的 に 実 行 される 前 後 の 状 況 も 含 め そこにお いて 人 びとが 執 り 行 う 活 動 に 労 働 儀 礼 遊 びとしていかなる 意 味 が 認 められるのか そ うした 意 味 によって 人 びとの 行 動 がどのように 編 成 されているのかを 検 討 することを 通 じ て 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり(の 変 化 ) を 分 析 してゆく (b) 被 害 アメリカで 興 った 野 生 動 物 管 理 学 においては 個 体 数 管 理 生 息 地 管 理 被 害 管 理 の 3 つが 野 生 動 物 の 持 続 的 管 理 を 目 指 す 上 での 为 要 な 学 問 的 課 題 に 据 えられてきた( 室 山, 2003: 78) そこでは 前 2 者 を 通 じて 野 生 動 物 の 個 体 数 を 適 切 な 状 態 に 保 つことと 並 んで その 野 生 動 物 が 人 間 社 会 にもたらす 被 害 をより 効 率 的 効 果 的 に 防 除 するための 手 法 が 科 学 的 に 探 求 されてきた それが 1980 年 代 に 入 ると 野 生 動 物 管 理 における 人 間 の 次 元 (human dimensions of wildlife management, 以 下 HD) への 関 心 が 高 まりを 見 せるが 桜 井 江 成 (2010: 17)によれば 野 生 動 物 管 理 を 実 践 するための 実 学 の 中 で 社 会 科 学 的 アプロー チを 行 うものが HD であり 一 般 市 民 や 利 害 関 係 者 の 意 見 やニーズを 反 映 させた 野 生 動 物 管 理 を 実 現 するために 必 要 な 知 識 の 集 積 と 理 論 の 体 系 化 がその 目 標 である という この 変 化 とともに 野 生 動 物 管 理 学 における 学 問 的 な 中 心 課 題 も 科 学 的 技 術 的 な 観 点 から 効 率 的 効 果 的 な 資 源 管 理 をいかに 計 画 実 行 するかという 点 から 人 間 社 会 に 被 害 をもた らす 野 生 動 物 との 共 存 を 実 現 するために 必 要 な 施 策 は 何 か そのための 民 为 为 義 的 な 合 意 形 成 をいかに 構 想 するかといった 点 に 移 行 してきた(Brown, P., 2009; Decker et al., 2009; 桜 井 江 成, 2010) 98 HD が 興 隆 する 中 では 地 元 住 民 が 害 獣 に 対 して 抱 く 寛 容 度 (tolerance) 96 ここで Homewood and Rodgers( )が 参 照 している L. Ole Parkipuny(1981, 1983)は 未 刊 行 資 料 ( 修 士 論 文 )であり 具 体 的 な 記 述 内 容 は 確 認 できていない 97 岩 井 (2009: 154)は タンザニア 北 西 部 セレンゲティ 国 立 公 園 の 周 辺 に 暮 らすイコマ(Ikoma) の 人 びとが 農 作 物 被 害 を 受 けつつも 1950 年 代 以 前 において 野 生 動 物 の 存 在 を 許 容 できていた 理 由 つまりは 被 害 というマイナス 要 因 を 相 殺 するプラス 要 因 として 狩 猟 信 仰 民 話 出 会 い を 挙 げている ここでいう 出 会 い とは 非 日 常 的 な 長 距 離 の 移 動 の 途 上 滅 多 に 見 か けない 大 型 獣 を 見 かけたりすることを 指 す たとえバッファローやライオンのような 危 険 な 種 類 であっても 遠 目 に 見 かけるだけならよい 思 い 出 のひとつ ( 岩 井, 2009: 92-93)になっていたと いう 98 本 項 では 充 分 に 議 論 を 展 開 できていないが HD は 基 本 的 にアメリカ 社 会 を 前 提 として 立 論 さ 44

76 の 大 小 にどのような 生 態 的 社 会 的 経 済 的 要 因 が 影 響 しているのかが 重 要 な 研 究 テーマ となってきたが(Naughton-Treves and Treves, 2005: 266) 野 生 動 物 管 理 学 における 寛 容 度 研 究 は 野 生 動 物 保 全 における 便 益 基 盤 のアプローチ と 重 複 する 形 で 取 り 組 まれてきてお り その 結 果 は 表 0-2 にまとめられている 表 0-2 害 獣 に 対 する 寛 容 度 を 形 作 る 諸 要 因 高 い 寛 容 度 低 い 寛 容 度 社 会 的 経 済 的 要 因 土 地 の 入 手 可 能 性 豊 富 稀 尐 野 生 動 物 の 所 有 権 神 野 生 動 物 自 身 コミュニティ 政 府 エリート 対 応 する 戦 略 多 様 制 限 なし 狭 い 厳 しい 制 限 損 失 を 負 担 する 社 会 単 位 コミュニティ 集 団 個 人 世 帯 労 働 力 の 入 手 可 能 性 豊 富 安 価 稀 尐 高 価 野 生 動 物 の 価 値 高 い( 猟 獣 観 光 業 など) 低 い( 害 獣 ) 農 作 物 への 投 下 資 本 労 働 力 低 い 高 い 被 害 の 種 類 生 業 作 物 商 業 作 物 家 畜 代 替 的 な 収 入 多 様 なし 生 態 的 要 因 野 生 動 物 の 体 長 小 さい 非 脅 迫 的 大 きい 危 険 収 穫 期 に 対 する 襲 撃 の 時 期 早 い 遅 い 野 生 動 物 の 群 れのサイズ 単 独 大 きい 被 害 のパターン 曖 昧 明 瞭 害 獣 の 農 作 物 に 対 する 選 好 狭 い 1 種 類 のみ いずれの 種 類 も 農 作 物 の 被 害 部 位 葉 のみ 果 実 塊 茎 髄 穀 粒 襲 撃 の 概 日 性 昼 間 夜 間 襲 撃 時 の 農 作 物 被 害 自 己 限 定 的 無 制 限 襲 撃 の 頻 繁 さ 稀 習 慣 的 出 典 :Naughton-Treves and Treves(2005: 266) れたものであり 一 般 市 民 や 利 害 関 係 者 の 意 見 やニーズを 反 映 させた 野 生 動 物 管 理 という 時 に 为 として 想 定 されている 人 間 像 ( 自 律 的 市 民 像 )や 野 生 動 物 の 利 用 方 法 (レクリエーション 的 な 利 用 ) そして 民 为 为 義 に 対 する 強 い 信 奉 からして 本 研 究 が 対 象 とするアフリカを 始 め とする 非 アメリカ 社 会 に その 議 論 をそのままに 適 用 することはできないと 思 われる また 近 年 HD(を 念 頭 に 置 いた 野 生 動 物 管 理 学 )の 教 科 書 的 書 物 も 刊 行 されているが(Manfredo et al. eds., 2009) 日 本 の 環 境 社 会 学 などの 近 隣 領 域 に 比 べると 議 論 の 体 系 化 の 途 上 にあり HD オリジ ナルといい 得 るような 理 論 などが 提 示 されている 訳 でもない 本 研 究 で HD の 扱 いが 小 さいのは 以 上 の 理 由 による 45

77 HD というアプローチの 普 及 と 軌 を 一 にして 害 獣 管 理 (vertebrate pest management) と いう 人 間 による 野 生 動 物 の 一 方 的 な 統 制 を 想 起 させる 言 葉 に 代 わり 人 間 と 野 生 動 物 の 軋 轢 (human-wildlife conflict) (の 解 消 解 決 )という 両 者 の 共 存 を 前 提 とする 表 現 が 用 いら れるようになってきたが(Woodroffe et al., 2005a: 1-2) 表 0-2 に 示 されるような 寛 容 度 に 関 する 研 究 が 为 として 定 量 的 な 調 査 分 析 を 通 じて 明 らかにされてきたのに 対 し 日 本 の 事 例 ではあるが 野 本 (2010: 16-18)は 歴 史 的 な 人 と 野 生 動 物 の 多 面 的 なかかわりが 尐 なく とも 霊 性 親 和 性 害 獣 性 実 用 性 の 重 なり 合 いの 中 で 展 開 されてきたことを 示 している 99 また 地 元 住 民 が 害 獣 に 対 して 抱 く 感 情 が 被 害 時 と 平 常 時 ( 鈴 木, 2007: 189) あるい は 捕 獲 前 と 捕 獲 後 ( 丸 山, 2006: ) 地 元 住 民 内 での 日 常 的 な 会 話 の 場 面 と 被 害 経 験 を 共 有 しない 外 部 者 に 向 けて 発 話 される 状 況 との 間 などに 応 じて( 鈴 木, 2008: 58-60) 大 きく 変 化 し 得 ることが 明 らかにされている 鈴 木 (2007: 190)は 下 北 半 島 を 事 例 に ニホンザ ルが 農 作 物 を 食 べたとして その 全 てが 地 元 住 民 によって 被 害 ( 食 害 )として 認 識 されて いる 訳 ではないこと 即 ち そこには 被 害 と 認 識 されないサルの 食 害 被 害 と 認 識 され るが 許 容 される 被 害 許 容 されない 食 害 という 幅 があることを 示 している 便 益 と 被 害 のバランスのあり 方 は 便 益 基 盤 アプローチ においても 繰 り 返 し 問 われてきた 点 である が こうした 定 性 的 な 先 行 研 究 の 成 果 からは 一 定 量 の 経 済 的 便 益 の 還 元 が 即 座 に 保 全 イ ニシアティブにつながるとは 限 らないことと 同 様 目 に 見 える 物 理 的 な 損 害 が 常 に 野 生 動 物 の 排 除 へと 地 元 住 民 を 動 かす 訳 ではなく 害 をもたらす 野 生 動 物 との 共 存 を 地 元 住 民 が 受 け 入 れる 可 能 性 が 存 在 することが 示 されている 100 本 研 究 の 調 査 地 には ゾウやライオンといった 絶 滅 が 危 惧 される 一 方 で 生 業 に 留 まらず 人 間 にまで 直 接 の 被 害 をもたらす 点 で 地 元 住 民 との 間 に 大 きな 軋 轢 を 持 ちかねない 野 生 動 物 が 生 息 しており(Osborn and Hill, 2005; Thirgood et al., 2005) 被 害 の 危 険 性 は 現 に 存 在 し てきたと 考 えられる それ 故 被 害 を 狩 猟 と 並 ぶ 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり(の 変 化 ) の 分 析 視 点 に 設 定 することは 妥 当 と 思 われるが 分 析 と 考 察 を 進 めてゆく 上 では 客 観 的 計 測 が 困 難 な 物 理 的 な 被 害 量 それ 自 体 を 検 証 すること 以 上 に 地 元 住 民 が 抱 く 被 害 認 識 ( 鈴 木, 2008)に 着 目 する 99 野 本 (2010: 17-19)は 人 間 と 野 生 動 物 の 関 係 の 中 でも 被 害 ( 害 獣 性 )に 関 する 側 面 を 分 析 する ための 村 落 社 会 学 ( 民 俗 学 ) 的 な 枞 組 みとして 民 俗 構 造 を 提 示 する 民 俗 構 造 は 被 害 に 対 する 即 物 的 対 応 ( 伝 統 的 対 応 と 現 代 的 対 応 に 下 位 区 分 される)と 信 仰 心 意 的 対 応 の 結 び 付 きとして 定 義 されるが 多 様 な 鳥 獣 に 関 する 民 俗 構 造 が 野 本 (2010: 18-19) において 整 理 されている 100 鈴 木 (2008: 56)は 獣 害 を 社 会 問 題 としてとらえるなら 野 生 動 物 による 影 響 量 は 間 接 要 因 であり むしろそれを 受 けて 発 生 する 被 害 認 識 の 強 さが 獣 害 問 題 を 形 成 していると 考 えるこ ともできる と 述 べているが 丸 山 (2006: 208)が 指 摘 するように 被 害 を 許 容 するような 地 元 住 民 の 発 言 が 積 極 的 な 受 容 というわけではなく ある 種 のあきらめに 近 い 可 能 性 も 存 在 しており 被 害 認 識 の 検 証 を 行 うに 当 たってはそれ 相 応 の 注 意 が 必 要 である とはいえ 第 2 章 でも 述 べるように ケニアでは 植 民 地 支 配 の 下 での 要 塞 型 保 全 の 負 の 記 憶 から 地 元 住 民 は 野 生 動 物 保 全 それ 自 体 に 強 い 不 信 感 を 持 っている 状 況 にあり 物 理 的 被 害 を 取 り 巻 く 社 会 的 歴 史 的 文 脈 に 注 意 することも 必 要 である 46

78 第 3 節 調 査 方 法 (1) 調 査 地 の 選 定 本 研 究 が 調 査 対 象 とするのは ケニア 共 和 国 リフト ヴァレー 州 ロイトキトク 県 (Rift Valley Province Loitokitok District, km 2 ) 101 に 位 置 するキマナ 集 団 ランチ(Kimana Group Ranch, 251.2km 2 )である ロイトキトク 県 は 南 側 で 隣 国 タンザニアに 接 しているが 一 般 に アンボセリ 生 態 系 (Amboseli ecosystem)と 呼 ばれる 範 囲 は このロイトキトク 県 にほぼ 相 当 する 地 元 住 民 はナイロート 語 系 のマサイ(Maasai)であるが ロイトキトク 県 はその 名 前 の 由 来 ともなっているロイトキトク サブ 地 域 集 団 が 歴 史 的 にテリトリーとしてきた 土 地 である(マサイ 社 会 については 次 章 にて 詳 述 ) 今 日 東 アフリカを 代 表 する 自 然 保 護 区 の 多 くは 牧 畜 民 のテリトリー 内 やその 周 辺 に 位 置 するが 特 にマサイのテリトリー(いわゆるマサイランド)には 大 型 哺 乳 類 も 含 めた 多 様 な 野 生 動 物 が 生 息 しており アンボセリはケニアのマサイ マラ(Maasai Mara)やナイ ロビ(Nairobi) タンザニアのセレンゲティ(Serengeti)やンゴロンゴロ(Ngorogoro)と 並 んで 世 界 的 に 有 名 な 野 生 動 物 観 光 地 となっている したがって 今 日 の 東 アフリカにおけ る 野 生 動 物 保 全 を 考 えていく 上 でマサイは 第 一 義 的 な 重 要 性 を 持 っている 民 族 であり 新 パラダイムに 基 づく 取 り 組 みが 数 多 く 取 り 組 まれている 対 象 でもある そうであればこそ 本 研 究 から 得 られる 知 見 はアンボセリ 以 外 のマサイ 社 会 における 取 り 組 みを 考 察 改 善 す る 上 で 重 要 な 知 見 を 提 供 し 得 るだろう なお 一 般 にウシ 牧 畜 民 と 見 做 されるマサイだが 今 日 では 定 住 化 や 農 耕 化 市 場 経 済 への 取 り 込 みが 現 に 進 行 している この 点 でいえば アンボセリ 生 態 系 はケニアでも 観 光 開 発 の 歴 史 が 長 い 上 に キマナ 集 団 ランチを 中 心 とし た 地 域 では 農 耕 が 20 世 紀 を 通 じて 拡 大 してきた 事 情 もある 同 様 の 変 化 はマサイランドの 他 地 域 でも 生 じており 本 研 究 から 得 られる 知 見 はそうした 他 事 例 への 適 用 可 能 性 も 持 っ ていることになる アンボセリ 生 態 系 はアフリカ 最 高 峰 のキリマンジャロ 山 (5,895m)を 眺 望 できる 土 地 柄 であるため イギリスによる 植 民 地 化 ( 保 護 領 化 ) 以 前 からヨーロッパ 人 のスポーツ ハ ンティングの 場 所 として 注 目 を 集 めており 植 民 地 支 配 の 開 始 とともに 自 然 保 護 区 が 設 置 されるようになり その 後 も 新 たな 保 全 アプローチ( 国 立 公 園 制 度 の 導 入 CBC の 推 進 など)が 採 用 されるたびにその 影 響 を 受 けてきた 場 所 である それに 加 えて 更 に 野 生 動 物 保 全 の 先 駆 的 新 パラダイムである CBC は 1960 年 代 後 半 から 1980 年 代 にかけてアンボ セリで 白 人 研 究 者 が 試 みた 取 り 組 みに 基 づいて 構 想 されている(Western, 2003; Western and Wright, 1994) この 点 でアンボセリは 広 範 なマサイランドの 中 でも CBC 揺 籃 の 地 として 特 別 な 地 位 を 占 めている また 1990 年 代 にケニアで CBC が 推 進 された 際 には 当 地 の 共 有 地 上 にコミュニティ サンクチュアリが 建 設 されており それはケニア CBC の 先 駆 例 と 見 做 され 国 際 的 な 注 目 を 集 めてもきた その 後 も 民 間 企 業 による 観 光 開 発 や 国 際 NGO によ る 保 全 プロジェクトが 展 開 されており グローバル 化 とともにより 複 雑 化 多 様 化 重 層 化 (cf. 脇 田, 2009: 20)する 今 日 の 野 生 動 物 保 全 をめぐる 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわり 101 ロイトキトクは 2007 年 まではカジァド 県 (Kajiado District)に 属 する 郡 (Division)だった が 同 年 の 行 政 改 革 に 伴 い 県 へと 格 上 げされた 国 境 沿 いの 町 ロイトキトクが 新 しい 県 庁 所 在 地 であり カジァド 県 自 体 は 元 ロイトキトク 郡 を 除 いた 残 りの 地 域 から 現 在 は 構 成 されている 47

79 と 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり の 変 化 を 多 様 な 要 因 ( 分 析 視 点 )の 関 連 性 や 複 数 の 時 間 的 に 前 後 する 事 例 の 連 続 性 まで 含 めて 分 析 するには 相 応 しい 地 域 といえる 102 (2) 現 地 調 査 の 方 法 本 研 究 にかかわるケニアにおける 現 地 調 査 は 2005 年 8 月 より 11 年 3 月 にかけて 断 続 的 ながら 合 計 499 日 間 かけて 行 った 103 調 査 を 行 うに 際 してはキマナ 集 団 ランチ 在 住 のマサ イ 男 性 を 調 査 助 手 として 同 行 し 筆 者 の 英 語 あるいはスワヒリ 語 をマサイ 語 に 地 元 住 民 のマサイ 語 (あるいは 時 にスワヒリ 語 )をスワヒリ 語 または 英 語 に 翻 訳 した 現 地 調 査 の 中 での 情 報 収 集 の 方 法 としては 二 次 資 料 の 収 集 の 他 に 当 地 におけるマサ イ 社 会 の 慣 習 や 地 元 コミュニティの 歴 史 については 地 元 住 民 の 中 でもそうした 事 情 に 詳 し いとされる 年 長 者 や 集 団 ランチの( 元 ) 委 員 に 聞 き 取 りを 行 った 野 生 動 物 保 全 をめぐる 外 部 者 との 交 渉 については 集 団 ランチの( 元 ) 委 員 に 加 えて 外 部 者 と 地 元 住 民 の 間 で 通 訳 的 役 割 を 果 たす(した) 人 物 や 外 部 者 に 雇 用 され 直 接 的 なかかわりを 持 つに 至 った 人 たちを 対 象 として 半 構 造 インタビューを 行 った また 無 作 為 抽 出 した 地 元 世 帯 を 対 象 とする 質 問 票 調 査 を 2008 年 10 月 に 行 い 地 元 住 民 の 土 地 所 有 面 積 やその 利 用 状 況 家 畜 頭 数 などに 加 えて 保 全 活 動 観 光 開 発 の 評 価 や 便 益 に 対 する 認 識 野 生 動 物 との 共 存 に 関 する 意 見 観 光 業 を 始 めとする 複 数 の 生 業 / 職 業 に 関 する 評 価 などを 調 べた 集 団 ランチ の 中 でも 人 びとによって 選 択 される 生 業 戦 略 は 一 様 ではないが 07 年 に 始 め 11 年 の 最 後 の 調 査 まで 継 続 的 に 地 元 に 見 られる 複 数 の 生 業 戦 略 のそれぞれの 典 型 と 思 われる 世 帯 ( 为 ) を 相 手 に 生 業 および 野 生 動 物 に 関 する 聞 き 取 りを 行 った その 傍 ら CBC を 進 めようとす る 外 部 者 と 地 元 住 民 との 間 に 開 かれる 話 し 合 いの 場 に 参 加 し そこで 問 題 となっている 論 点 やそうした 問 題 に 対 する 双 方 の 発 言 内 容 や 態 度 あるいは 具 体 的 にどのような 形 でコミ ュニケーションが 成 立 しているのかいないのかも 調 査 した 第 4 節 本 論 文 の 構 成 第 1 章 では まず 調 査 対 象 とするウシ 牧 畜 民 マサイの 社 会 の 概 要 として その 一 般 的 な 社 会 構 造 と 生 業 を 先 行 研 究 に 拠 りつつ 説 明 する 次 いで ケニアに 暮 らすマサイの 植 民 102 本 研 究 のための 現 地 調 査 を 遂 行 するに 当 たっては 以 下 の 研 究 資 金 を 利 用 している 公 益 信 託 四 方 記 念 地 球 環 境 保 全 研 究 助 成 基 金 ( 平 成 17 年 度 ) 東 京 大 学 学 術 研 究 活 動 等 奨 励 事 業 ( 国 外 平 成 18 年 度 後 期 分 ) 国 土 緑 化 推 進 機 構 緑 と 水 の 森 林 基 金 ( 平 成 18 年 度 申 請 为 体 は 東 京 大 学 大 学 院 農 学 生 命 科 学 研 究 科 森 林 科 学 専 攻 林 政 学 研 究 室 ) また 文 部 科 学 省 科 学 研 究 費 補 助 金 と しては 特 別 研 究 員 奨 励 費 ( 平 成 年 度 DC1)と 特 定 領 域 研 究 持 続 可 能 な 発 展 の 重 層 的 環 境 ガバナンス ( 代 表 : 植 田 和 弘 )を 利 用 している 103 ケニアにおけるフィールド 調 査 は 以 下 の 期 間 に 行 った 2005 年 8 月 30 日 から 9 月 12 日 11 月 11 日 から 12 月 8 日 2006 年 4 月 19 日 から 5 月 17 日 8 月 14 日 から 23 日 10 月 21 日 から 11 月 18 日 2007 年 3 月 7 日 から 12 日 7 月 7 日 から 8 月 7 日 8 月 19 日 から 9 月 27 日 2008 年 2 月 17 日 から 3 月 10 日 8 月 16 日 から 2009 年 1 月 20 日 7 月 2 日 から 8 月 3 日 8 月 17 日 から 9 月 20 日 2010 年 7 月 14 日 から 8 月 13 日 9 月 12 日 から 9 月 18 日 2011 年 2 月 9 日 から 2 月 13 日 2 月 28 日 から 3 月 18 日 48

80 地 化 後 の 歴 史 と 調 査 対 象 であるキマナ 集 団 ランチの 概 況 を 説 明 する そして 章 の 最 後 では ケニアにおける 野 生 動 物 保 全 の 歴 史 的 展 開 を 説 明 し それ 以 降 の 章 で 取 り 上 げることにな る 事 例 の 位 置 付 けも 説 明 する 本 章 と 第 1 章 が 本 研 究 の 導 入 部 に 当 たり 第 2 章 はそれ 以 降 の 分 析 考 察 の 対 象 である 事 例 を 説 明 する 章 であるが そこではアンボセリ 生 態 系 キマナ 集 団 ランチにおける 野 生 動 物 保 全 の 歴 史 を CBC の 起 源 ないし 実 行 例 であるところの 4 つの 事 例 に 即 して 説 明 する 事 例 として 取 り 上 げるのは 国 立 公 園 に 基 づく 保 全 計 画 への 代 替 案 として 1973 年 に 完 成 し た アンボセリ 開 発 プラン(Development Plans for Amboseli) ケニア CBC の 先 駆 例 として 96 年 にキマナ 集 団 ランチ 上 でオープンしたキマナ コミュニティ 野 生 動 物 サンクチュアリ (Kimana Community Wildlife Sanctuary) 21 世 紀 に 入 り 国 際 NGO の 为 導 下 で 地 元 住 民 が 土 地 を 集 めて 設 立 したオスプコ コンサーバンシー(Osupuko Conservancy) そして キマナ サンクチュアリの 新 たな 経 営 为 体 となるべき 観 光 会 社 の 選 択 をめぐって 集 団 ランチ 内 で 生 じた 混 乱 とその 解 消 である 第 3 章 と 第 4 章 は 先 に 示 した 分 析 視 点 に 基 づき 第 2 章 で 提 示 した 事 例 から 外 発 的 な 保 全 活 動 の 成 果 と 新 パラダイムの 先 行 研 究 において 示 唆 される 理 論 の 妥 当 性 を 検 討 する 第 3 章 では 第 2 章 で 説 明 した 複 数 の 事 例 を 通 じた 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわりの 変 化 の 結 果 として 野 生 動 物 との 共 存 に 地 元 住 民 が 同 意 するようになっているのかについて 便 益 権 利 対 話 の 3 つの 視 点 更 に それら 3 つの 要 素 間 の 関 係 性 という 観 点 から 分 析 を 行 う そして 第 4 章 では 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわりの 変 化 ということで 牧 畜 を 为 たる 生 業 としていた 時 代 から 農 耕 に 従 事 する 現 在 にかけて 両 者 の 関 係 性 がどのように 変 質 し てきたのかを 狩 猟 と 被 害 を 介 した 相 互 交 渉 に 着 目 しながら 分 析 する そして 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわりの 変 化 を 踏 まえて 前 章 で 確 認 されることになる 地 元 住 民 と 外 部 者 の 間 の 認 識 上 の 齟 齬 について そこですれ 違 っている 両 者 の 野 生 動 物 保 全 に 関 する 認 識 や 为 張 の 妥 当 性 を 検 証 する 終 章 では 第 3 章 第 4 章 における 分 析 考 察 の 結 果 をまとめた 後 野 生 動 物 保 全 の 新 パ ラダイムの 中 でも 地 元 住 民 と 野 生 動 物 の 共 存 を 明 確 に 目 的 とする CBC が その 目 的 達 成 の ために 重 要 と 考 える 自 然 なつながり (の 再 興 )の 可 能 性 あるいはその 視 点 の 妥 当 性 それ 自 体 を 検 証 する そして 本 研 究 が 事 例 とするケニアという 国 の 持 つ 特 殊 性 を 確 認 するこ とで ここまでの 議 論 から 得 られた 知 見 を 他 地 域 の 事 例 に 応 用 する 際 に 留 意 すべき 点 を 整 理 する そうして 本 研 究 の 最 後 の 節 においては 地 元 住 民 と 野 生 動 物 のかかわり に 着 目 することで 見 えてきた 今 後 の 課 題 を 述 べることで 本 研 究 の 終 幕 とする 49

81 範 例 国 名 地 名 地 域 集 団 名 36 E. 38 E. 40 E. マルサビット 2 N. マサイのテリトリー 国 境 km サンブル チャムス イシオロ 0 ウアシ ンキシュ シリア プルコ ダマット キーコニョキエ ロイタイ ナイロビ カプティエ ケニア 共 和 国 2 S. プルコ ロードキラーニ 2 S. サレイ マタパト セレンゲトゥ アリュ ーシャ スィキラリ ロイトキトク キリマンジャロ 山 4 S. タンザニア 連 邦 共 和 国 キソンゴ 6 S. パラクユ インド 洋 パラクユ 34 E. 36 E. 38 E. 図 1-1 マサイの 地 域 集 団 出 典 :Galaty(1993: 71) 50

82 第 1 章 対 象 民 族 地 域 の 概 要 第 1 節 マサイ 社 会 の 概 要 (1) マサイの 社 会 構 造 と 生 業 マサイ(Maasai)とは 一 般 的 に 東 ナイロート 語 群 マー 系 の 言 語 を 話 し Il-Maasai 1 と 自 称 する 人 びとを 指 しており( 河 合, 2000: 635) 2 現 在 ではケニアからタンザニアにかけて 100 万 人 以 上 の 人 びとがマー 語 を 話 しているとされる( 米 田 ら, 2011: 50) マサイは 現 在 の ケニアとエチオピア 連 邦 民 主 共 和 国 の 国 境 地 帯 に 当 たる 乾 燥 地 域 から 16~17 世 紀 にケニ ア 中 央 部 の 牧 草 地 帯 へ 移 動 その 後 18 世 紀 にはタンザニア 北 部 のセレンゲティやンゴロ ンゴロ また アンボセリも 含 めたキリマンジャロ 山 の 裾 野 に 至 る 広 大 な 地 域 をそのテリ トリーとするに 至 ったとされる(Galaty, 1993: 63; Sutton, 1993: 39) 3 マサイ 社 会 にはその 全 体 を 統 べる 集 権 的 な 政 治 機 構 は 存 在 せず その 代 わりに 20 前 後 の 地 域 集 団 (ol-osho, pl. il-oshon)が 各 々のテリトリーを 管 理 してきた 4 ( 図 1-1) マサイ 社 会 のクランに 関 しては 赤 褐 色 の 去 勢 牛 (odomongi) 半 族 のマケセン(il-makesen) モレリ アン(il-molelian) ターロセロ(il-ta(a)rosero)と 黒 い 牡 牛 (orok-kiteng) 半 族 のルクマ イ(il-ukumai) レイセール(il-aiser)の 5 つが 最 初 のクラン(original clans) とされて いる(Sankan, 1971: 2=1989: 10-12) これらの 半 族 は 伝 承 上 のマサイの 最 初 の 男 性 が 持 っ ていたとされる 2 人 の 妻 の 息 子 を 開 祖 としており 赤 褐 色 の 去 勢 牛 半 族 の 3 クランは 1 人 目 の 妻 ナドモンギ(Nadomongi, 直 訳 すると 赤 い 去 勢 牛 の 人 )の 3 人 の 息 子 を 黒 い 牡 牛 半 族 の 2 クランは 2 人 目 の 妻 ナロキテング(Narokiteng, 直 訳 すると 黒 い 牡 牛 の 人 ) 1 以 下 本 文 中 においてマー 語 は 斜 体 で 記 すが 地 域 集 団 名 に 関 しては 先 行 研 究 に 習 ってマー 語 の 接 頭 辞 を 省 略 して 記 すので 斜 体 にはしていない( 前 章 でそうであったように 参 照 する 先 行 研 究 で 調 査 対 象 となっている 民 族 の 母 語 も 斜 体 で 記 す) ただし 動 植 物 の 名 前 の 後 に 書 かれて いる 斜 体 の 単 語 は 全 て 学 名 である また 斜 体 でないアルファベット 文 の 中 にはケニアの 公 用 語 であるスワヒリ 語 の 文 言 も 含 まれている なお 本 研 究 におけるマサイ 語 の 綴 りは 可 能 な 限 りマー 語 の 辞 書 である Mol(1996)に 従 っているため 一 部 の 文 献 中 でその 著 者 が 用 いている 綴 りとは 異 なる 綴 りが 本 論 文 中 では 書 かれている 箇 所 もある 2 世 界 民 族 学 事 典 では 实 際 の 発 音 に 近 い マーサイ という 項 目 名 になっている 日 本 人 研 究 者 の 中 でも マサイ と マーサイ の 両 方 の 表 記 が 見 られるが 筆 者 の 調 査 地 における 感 覚 としては 日 本 語 の 長 音 ( ー )を 入 れるほどに 音 を 伸 ばしているようには 聞 こえないため 表 記 としては マサイ を 採 用 する 3 Sutton(1993: 39)は 遅 くとも 1700 年 前 後 に 北 ケニアからナクル 周 辺 への 移 動 が 起 きたとして いるが Galaty(1993: 68)はこうした 移 動 によってサンブル(Samburu)やチャムス(Chamus) がその 他 のマサイ 本 隊 から 分 岐 したのは 16 世 紀 末 だとしている 栗 本 (2009: 101)は 16 世 紀 初 頭 にはケニア 山 とキリマンジャロ 山 に 挟 まれた 地 域 にまでマサイの 大 隊 は 到 達 しており 17 ~18 世 紀 にさらに 四 方 に 拡 大 して 広 大 な 草 原 を 占 有 するに 至 ったとしている 4 Galaty(1993: 71)は マサイの 地 域 集 団 と 題 する 地 図 上 に 19 の 名 前 を 記 入 しており Sommer and Vossen(1993: 30)は 22 の 名 前 を 挙 げている ただし それらの 中 にはキソンゴ(Kisongo) の 下 位 集 団 とされ 本 研 究 が 調 査 対 象 ともするロイトキトク(Loitokitok)サブ 地 域 集 団 も 挙 げ られていたりする 状 況 であり 厳 格 にその 数 を 定 めることは 困 難 である 51

83 の 2 人 の 息 子 の 子 孫 とされる 实 際 のマサイ 社 会 には これらに 並 ぶ 第 6 のクランとして 伝 説 上 の 出 自 ( 開 祖 に 当 たる 人 物 )が 曖 昧 なレイタヨック(il-aitayok)クランも 存 在 する(Mol, 1996: 20-21; Southgate and Hulme, 2000: 92-93; Spencer, : 19) これらのクランは 複 数 の 地 域 集 団 にわたって 分 布 しており クランのつながりが 緊 急 時 における 他 地 域 集 団 の 資 源 へのアクセスの 獲 得 や(Spencer, : 19) 結 婚 や 葬 式 といった 人 生 の 節 目 とな る 重 要 な 儀 礼 に 必 要 な 諸 物 ( 特 にウシ)の 確 保 のために 利 用 されたりもするが(Potcanski, 1999: ) 5 普 段 の 日 常 的 な 生 業 や 土 地 管 理 において 基 本 的 単 位 となるのは 地 域 集 団 または その 下 位 集 団 である 近 隣 集 団 (en-kutoto, pl. in-kutot(ot))である(homewood and Rodgers, : 45; Spencer, : 19)( 表 1-1) 6 表 1-1 マサイの 社 会 空 間 組 織 の 概 要 小 世 帯 (household, ol-marei) 集 落 (boma, en-kang) ウシが 所 有 される 中 心 的 単 位 自 律 的 な 意 思 決 定 が 行 われる 単 位 高 い 移 動 性 を 有 する 柔 軟 性 を 有 する( 季 節 に 応 じて 分 裂 再 結 合 ) 生 活 力 を 備 える( 人 間 と 家 畜 のバランス) ( 男 性 の) 妻 や 子 どもの 家 というサブ ユニットから 構 成 される 集 住 の 単 位 放 牧 などの 家 畜 管 理 を 協 力 して 行 う 単 位 食 物 シェアリングの 強 い 規 定 を 持 つ 家 事 の 相 互 扶 助 が 行 われる 単 位 近 隣 集 団 (neighbourhood/locality, en-kutoto) 広 範 な 協 力 や 情 報 交 換 が 行 われる 社 交 性 の 範 囲 地 元 の 牧 草 水 資 源 を 共 同 利 用 管 理 人 や 物 が 互 いに 流 入 流 出 し 合 う 関 係 の 中 核 となる 人 間 集 団 大 地 域 集 団 (section, ol-osho) マサイ 社 会 (Maasai-society/ethnic group) 放 牧 を 共 同 で 行 う 最 大 の 単 位 資 源 の 変 動 を 許 容 できる 広 さを 備 える 理 論 的 には 全 構 成 員 に 対 して 土 地 や 資 源 が 開 かれている 年 齢 階 梯 制 度 を 伝 統 的 に 統 括 してきた 最 大 の 単 位 イデオロギーの 単 位 言 語 と 文 化 を 共 有 深 刻 なストレス 下 では 外 部 者 に 対 して 全 体 でアクセスを 制 限 出 典 :Grandin(1991: 22) 5 現 在 のロイトキトク 県 においてクランが 重 要 な 役 割 を 果 たす 場 面 としては 葬 式 委 員 会 の 結 成 がある 通 常 誰 かが 死 亡 すると その 故 人 と 同 じクランに 属 し 生 前 から 関 係 が 深 かった 数 人 の 同 クランの 人 びとが 委 員 会 を 結 成 し 葬 式 に 必 要 な 費 用 を 集 めることになる 最 近 では 出 稼 ぎ 先 で 不 慮 の 事 故 や 病 気 で 死 亡 することもあるが そうした 場 合 には 遺 体 を 地 元 である ロイトキトク 県 まで 運 ぶために 必 要 な 資 金 集 めをいかに 迅 速 に 集 めるかが 委 員 の 重 要 な 仕 事 と なっている( 死 亡 先 で 遺 体 を 保 持 しておくためにも 費 用 がかかるため 可 能 な 限 り 素 早 い 資 金 調 達 が 必 要 ) 6 キマナ 集 団 ランチの 北 に 位 置 するインビリカニ 集 団 ランチおよびそのさらに 北 に 続 くオルカ ラカラ(Olkarkar) メルエシの 2 集 団 ランチ(Merueshi)における 1980 年 時 点 での 近 隣 集 団 の 構 成 は 以 下 の 通 りである インビリカニでは 1 近 隣 集 団 に 平 均 約 7.8 集 落 約 20.7 世 帯 248 人 が 含 まれ オルカラカラでは 平 均 約 3.0 集 落 約 7.8 世 帯 約 86 人 メルエシでは 平 均 約 2.5 集 落 約 4 世 帯 約 53 人 であった(Grandin et al., 1991: 62) 52

84 なお 本 研 究 の 調 査 地 であるロイトキトク 県 に 暮 らすマサイは 図 1-1 にも 示 されている ようにロイトキトク 地 域 集 団 として 紹 介 されることもあるが 正 式 にはタンザニアにその 大 部 分 が 暮 らすマサイ 社 会 最 大 の 地 域 集 団 キソンゴ(Kisongo)の 下 位 集 団 (sub-section)で ある キソンゴ 地 域 集 団 の 本 隊 から 離 れていることから 先 行 研 究 においてもロイトキト ク 自 身 が 地 域 集 団 として 半 ば 独 立 した 扱 いを 受 けることもあるが(Galaty, 1993: 71; Sommer and Vossen, 1993: 30) 後 述 する 年 齢 階 梯 制 度 に 関 する 重 要 な 儀 礼 や 役 職 については 今 日 で もキソンゴ 地 域 集 団 の 一 員 として 振 る 舞 っている 7 マサイは 一 般 的 にいって 東 アフリカのウシ 牧 畜 民 ( 遊 牧 民 )と 位 置 付 けられており( 池 谷, 2006: 4-5; 松 井, 2001: 20; 梅 棹, 1976: 122) 農 耕 や 狩 猟 採 集 に 従 事 する 人 びとを 蔑 視 す る 気 風 を 持 ってウシおよびヤギ ヒツジといった 家 畜 の 飼 養 (ロバを 荷 役 用 に 飼 育 するこ ともある)を 生 業 の 柱 としてきたといわれる( 河 合, 2000: 635) しかし 現 实 にはマー 語 を 母 語 とし クランや 年 齢 階 梯 制 度 といった 社 会 制 度 をウシ 牧 畜 が 主 たる 生 業 である 他 の 地 域 集 団 と 共 有 しつつも 牧 畜 以 上 に 農 耕 や 狩 猟 採 集 を 生 業 の 柱 とする 人 びともいる(Spear, 1993; Waller, 1993) 8 農 耕 や 狩 猟 採 集 を 営 まずウシ 牧 畜 を 生 業 の 柱 とする 大 多 数 のマサイの 場 合 ケニア 北 部 の 牧 畜 民 と 比 べて 比 較 的 に 豊 富 な 年 間 降 水 量 の 下 でウシを 中 心 とする 牧 畜 に 強 く 専 念 してきた( 太 田, 1998: 302) 9 そうした 地 域 集 団 では ウシには 経 済 的 価 値 に 加 えて 文 化 的 社 会 的 な 価 値 も 認 められており 人 生 の 節 目 となる 通 過 儀 礼 においてウシ の 屠 殺 と 肉 食 は 必 須 の 行 為 であるだけでなく 婚 資 や 賠 償 としてもウシを 用 いてきており (Sankan, 1971=1989; Spencer, ) それらの 点 から ウシの 民 (people-of-cattle) (Galaty, 1982)などとも 呼 ばれてきた 10 牧 草 と 水 を 求 めて 季 節 に 応 じて 誘 導 的 に 居 住 地 を 移 すマサイ 社 会 にあっては 伝 統 的 に 土 地 所 有 の 概 念 は 見 られず(Campbell, 1993: 258) そのテリトリー 内 の 土 地 は 地 域 集 団 また は 近 隣 集 団 によって 共 同 体 的 な 管 理 がなされてきた 即 ち 放 牧 地 は 基 本 的 には 成 牛 用 仔 ウシ 用 小 家 畜 (ヤギ ヒツジ) 用 の 3 つに 分 けられた 上 で その 中 に 雤 季 に 主 に 利 用 7 マサイ 社 会 において 特 に 重 要 な 成 人 儀 礼 を 開 始 する 場 合 であれば ロイトキトク 地 域 集 団 から タンザニアのキソンゴ 地 域 集 団 の 本 体 へと 数 人 の 代 表 者 団 を 送 り そこにおいて 前 回 の 成 人 儀 礼 の 際 に 封 印 され 予 言 者 の 許 に 預 けられていたナイフの 封 が 解 かれる 場 面 に キソンゴ 地 域 集 団 の 一 員 として 立 ち 会 うこととなる この 開 封 の 儀 式 を 経 て キソンゴ 地 域 集 団 は 新 たな 年 齢 組 の 組 織 に 向 けて 成 人 儀 礼 を 開 始 することが 可 能 となるのだが ロイトキトクの 代 表 者 はタンザニアか らケニア(アンボセリ)へと 戻 り 無 事 にキソンゴ 地 域 集 団 として 割 礼 を 開 始 することが 許 され る 状 況 になったことを 人 びとに 告 げる そうすると アンボセリの 人 びとは 各 集 落 の 年 長 者 の 判 断 の 下 で 割 礼 の 施 術 を 男 子 に 執 り 行 うことになる 8 本 文 で 引 用 した 松 井 (1998; 2001)は 一 般 に 民 と 表 記 される 民 族 集 団 が 1 つの 生 業 だけに 特 化 して 生 活 を 立 てている 訳 ではないことを 指 摘 しており 例 えば 野 生 動 物 の 狩 猟 を おこなう 牧 畜 民 はごくふつうであって 砂 漠 の 遊 牧 民 の 多 くは バッタを 捕 って 大 量 に 消 費 した り 季 節 的 にとれるキノコを 重 宝 したりしている と 述 べている( 松 井 1998: 248) 9 東 アフリカ 牧 畜 民 の 生 態 と 社 会 を 包 括 的 にレビューした 先 行 研 究 として 佐 藤 俊 (1984)がある 生 業 複 合 の 視 点 も 取 り 入 れながら 多 数 の 東 アフリカ 牧 畜 民 が 比 較 されているが 分 布 域 と 年 間 降 水 量 の 関 係 からも( 佐 藤 俊, 1984: 60) マサイが 水 の 面 でめぐまれた 環 境 に 暮 らしていることは 確 認 できる 10 マサイ 社 会 における 一 連 の 通 過 儀 礼 に 関 しては Spencer( )が 詳 細 な 記 録 を 残 して おり それぞれの 儀 礼 において 屠 殺 されたウシの 各 部 位 がどのような 属 性 の 人 びとに 分 配 される のかといった 点 についても 細 かい 記 述 を 行 っている(Spencer, : ) 53

85 する 区 域 と 乾 季 に 利 用 する 区 域 を 設 定 していくやり 方 が 執 られた そうした 中 では 特 定 の 地 域 が 植 生 を 回 復 させるために 利 用 禁 止 となることもあれば 集 落 周 辺 に 特 定 の 家 族 集 落 のみが 利 用 できる 小 規 模 な 放 牧 リザーブ(ol-opololi/ol-okeri)が 設 定 されることもあ ったが そうした 利 用 制 限 の 实 施 設 置 の 是 非 は 地 域 / 近 隣 集 団 の 長 老 たちによって 判 断 されてきた(Galaty, 1992: 27; Grandin et al., 1991: 62; Southgate and Hulme, 2000: 82) アンボ セリ 生 態 系 においても 乾 季 の 放 牧 地 と 雤 季 の 放 牧 地 放 牧 リザーブが 区 別 されてきただ けでなく 乾 季 の 放 牧 地 に 関 してはさらに 季 節 の 前 半 に 利 用 する 区 域 と 後 半 に 利 用 する 区 域 を 分 けることが 行 われてもきた(Grandin et al., 1991: 61) 季 節 に 応 じて 放 牧 地 の 利 用 制 限 が 敶 かれる 前 提 として それぞれの 集 落 が 各 季 節 に 居 住 する 場 所 について 地 域 内 ( 近 隣 集 団 レベル)で 一 定 の 合 意 があり 新 しい 土 地 に 季 節 居 住 しようとする 際 にはその 地 に 先 実 がいないかどうかを 確 認 する 必 要 があった(Galaty, 1992: 27; Homewood and Rodgers, : ) ロイトキトク 地 域 集 団 (アンボセリ 生 態 系 )の 場 合 であれば 乾 季 の 放 牧 地 として 利 用 されてきた 場 所 としては アンボセリ 沼 を 中 心 とする 水 場 (1974 年 の 国 立 公 園 建 設 に 伴 い 基 本 的 に 利 用 が 不 可 能 に)と 北 東 部 のチュ ル ヒルズ( 丘 の 頂 上 部 はチュル ヒルズ 国 立 公 園 となっている)が 挙 げられる 雤 季 の 集 落 の 立 地 場 所 についても 各 家 族 が 一 定 の 定 住 場 所 を 持 っており 雤 季 で 降 雤 に 恵 まれた 年 であれば 充 分 な 牧 草 や 水 に 容 易 にアクセスできるため そのシーズン 中 は 定 住 箇 所 に 家 族 全 員 で 集 住 したら 引 っ 越 しを 行 わずに 済 むこともあったという それでも 乾 季 となる と 家 畜 用 の 牧 草 や 水 が 不 足 することになり 成 人 男 性 が 牧 草 と 水 を 求 めて 家 畜 とともに 集 落 を 離 れて 長 期 にわたる 遊 動 を 行 うことが 一 般 的 だった その 際 には 後 に 残 される 年 長 者 や 女 子 供 が 摂 取 するミルクなどを 摂 取 するために 数 頭 の 雌 ウシや 小 家 畜 が 残 された マサイ 社 会 は 年 齢 階 梯 制 度 (age-grade system)に 基 づき 組 織 されており 約 15 年 を 周 期 に 地 域 集 団 ごとに 開 かれる 成 人 儀 礼 を 一 緒 に 受 けることで マサイの 未 成 年 男 子 は 1 つの 年 齢 組 (ol-aji, pl. il-ajijik)を 組 織 することになる 11 それ 以 降 は 新 たな 年 齢 組 が 約 15 年 ごとに 組 織 されるのと 入 れ 替 わりに 年 齢 階 梯 を 1 段 ずつ 集 団 で 上 ってゆくことになる Spencer(1993: 142)はマサイの 男 性 を 牧 童 (herdboys) 独 身 戦 士 (bachelor murran) 既 婚 長 老 (married elders)の 3 種 類 に 分 けているが ここでいう 牧 童 とは 成 人 儀 礼 である 割 礼 11 一 般 に マサイの 年 齢 組 は 時 期 をずらして 一 連 の 成 人 儀 礼 を 受 ける 2 つの 年 齢 集 団 (ol-porror, pl. il-porori)から 構 成 される(Sankan, 1971=1989: 10) それらは 伝 承 上 の 最 初 の 2 人 の 妻 (1 人 目 は 集 落 を 入 って 右 手 に 2 人 目 は 左 手 に 家 を 建 てたとされる)にちなんで 先 に 儀 礼 を 受 ける 集 団 が 右 手 派 (e-mur-ata e tatene) 遅 れて 受 ける 集 団 が 左 手 派 (e-mur-ata e kedianye) と 呼 ばれる ただし 本 研 究 が 対 象 とするロイトキトク(サブ) 地 域 集 団 においては これらの 区 別 はなく 全 ての 男 子 が 一 斉 に 儀 礼 を 受 ける これはロイトキトクだけというよりもキソンゴ 地 域 集 団 全 体 に 当 てはまる 特 徴 であるが この 理 由 について 地 元 の 年 長 者 の 中 には かつて 右 手 派 と 左 手 派 の 間 で 戦 争 が 起 きたため 二 度 とそうした 争 いが 起 きないように 年 齢 集 団 の 別 をなくしたのだと 述 べる 者 もいた 12 Spencer( : 6)は 同 様 の 3 区 分 に 対 して 尐 年 時 代 (boyhood) 青 年 時 代 (moranhood) 長 老 時 代 (elderhood)という 語 を 当 てている Spencer( : 57)によれば マサイの 子 どもは 割 礼 までは 男 女 の 性 差 によらず 一 緒 に 通 過 儀 礼 を 経 験 するが 割 礼 の 後 に 年 齢 組 が 組 織 されるのは 男 性 だけである Spencer( : 29)は 割 礼 を 受 けることで 女 性 は 尐 女 時 代 (girlhood)から 妻 時 代 (wifehood)へと 移 行 すると 記 しており Hodgson( : 26)は それを 年 尐 の 女 性 (young girls, endito, pl. intoyie)から 年 長 の 祖 母 (old grandmother, koko)への 進 54

86 を 経 験 しておらず 所 属 する 年 齢 組 も 持 たない 未 成 年 の 子 どもである Sankan(1971=1989: 97-98)によれば マサイの 子 どもは 4~5 歳 の 頃 で 仔 ウシや 仔 ヤギ 仔 ヒツジの 世 話 が か ろうじて 出 来 る 程 度 であり 5~7 歳 で 大 きめの 仔 ウシを 世 話 したり 大 人 とともに 成 牛 の 放 牧 に 出 かけたりするようになり 12~15 歳 で 一 人 前 の 牧 人 と 見 なされるようになると いう 一 方 Grandin et al.(1991: 72)は マサイの 子 どもは 3~4 歳 で 集 落 周 辺 における 幼 獣 の 簡 単 な 世 話 を 手 伝 うようになり 6~7 歳 で 小 家 畜 の 専 任 の 牧 人 (a full-time herder) となり 8~9 歳 で 仔 ウシ 11 歳 で 成 牛 を 世 話 するようになるとしている マサイの 女 性 は 父 または 夫 の 年 齢 階 梯 に 属 する 存 在 と 見 なされる 牧 童 が 割 礼 を 経 て( 独 身 ) 戦 士 となる 訳 だが 戦 士 階 梯 に 位 置 する 年 齢 組 は 1 つだけで あり それを 卒 業 した 年 齢 組 は 全 て( 既 婚 ) 長 老 階 梯 に 位 置 付 けられることになる 当 然 長 老 階 梯 には 複 数 の 年 齢 組 が 含 まれることになる ここで 戦 士 (ol-murrani, pl. il-murran) は 財 産 と 人 命 の 保 護 者 (Sankan, 1971=1989: 52)あるいは マサイの 家 畜 群 の 守 護 者 (defenders of Maasai herds) ( Spencer, 1993: 150)と 位 置 付 けられる 存 在 であるが ヤギや ヒツジといった 小 家 畜 以 上 にウシを 守 ることこそがその 重 要 な 責 務 だと 考 えられている (Spencer, : 108) 14 戦 士 は 家 族 が 暮 らす 集 落 から 離 れ 自 分 たちだけの 戦 士 の 集 落 (i-manyat oo l-murran) を 作 りそこで 暮 らすが 15 戦 士 の 集 落 は マサイの 男 子 が 行 と 書 いている ロイトキトク 地 域 集 団 における 女 性 の 扱 いは 基 本 的 にこの 通 りである 13 割 礼 の 实 際 の 施 術 を 行 ってきたのは ドロボー(Dorobo)またはトロボー(Torrobo)と 呼 ば れる 人 びとである 彼 ら 彼 女 らはマー 語 を 話 し クランや 年 齢 階 梯 制 度 も 共 有 するが 狩 猟 採 集 を 主 たる 生 業 とする(Galaty, 1982: 6-7; Spear, 1993a: 12; Spencer, : 73) ドロボー/ト ロボーという 呼 称 は ウシを 待 たない 貧 しい 人 びと(poor people without cattle) (Spear, 1993a: 7)を 意 味 しており ドロボーは 貪 欲 (Spencer, : 73)で 節 操 がなく(Spear, 1993a: 12) 下 品 で 卑 しい 意 気 地 なしな 人 びとであるからこそ(Galaty, 1982: 6) 割 礼 という 汚 らわしい (polluting) (Spear, 1993a: 12) 行 為 も 対 価 欲 しさに 行 うと 考 えられてきた(Spencer, : 73) 従 来 ドロボー/トロボーは 何 らかの 理 由 で 家 畜 を 失 い 貧 しい 境 遇 に 陥 った 人 びと(マ サイ)と 考 えられてきたが 最 近 では マサイがテリトリーを 拡 大 しウシ 牧 畜 を 主 たる 生 業 に 採 用 する 中 でも 従 来 同 様 に 狩 猟 採 集 を 生 業 の 柱 にし ウシ 牧 畜 民 化 したマサイとの 間 で 蜂 蜜 などの 交 易 を 行 ってきた 集 団 と 考 えられている(Sutton, 1993: 49-51) 現 在 のロイトキトク 県 では 正 確 な 割 合 は 不 明 だがロイトキトク 町 の 病 院 で 割 礼 手 術 を 受 けることも 特 段 に 珍 しくはない 14 右 手 派 左 手 派 の 区 別 がある 地 域 集 団 の 場 合 一 般 的 に 左 手 派 は 右 手 派 から 7 年 前 後 遅 れて 割 礼 を 受 けることになるが(Galaty, 1993: 80; Spencer, : 97) Spencer ( : 139)によれば 割 礼 が 開 始 されて 約 5 年 後 に 右 手 派 は 昇 級 式 (eunoto) を 経 験 し 下 級 戦 士 (ol-kilia, pl. il-kiliani)から 上 級 戦 士 (ol-morijoi, pl. il-molijo)へと 移 行 する 上 級 戦 士 も 戦 士 階 梯 に 属 してはいるが それは 長 老 階 梯 への 移 行 時 期 準 備 段 階 と 考 えられてお り 戦 士 としての 役 割 は 下 級 戦 士 である 左 手 派 に 託 される( 昇 級 式 の 経 験 後 にマサイの 男 性 は 結 婚 を 始 める Sankan, 1971=1989: 55-57) なお 新 たな 年 齢 組 が 正 式 に 組 織 されるのは 右 手 派 と 左 手 派 を 1 つの 年 齢 組 へと 統 合 する 結 合 式 (olngesher) を 経 てである 15 割 礼 後 であっても 家 族 の 家 畜 を 世 話 するために 戦 士 の 集 落 には 居 住 せずに 父 親 の 集 落 に 留 まり 続 ける 集 落 に 住 まない 戦 士 (ileshomorot) (Spencer, : 87)もいれば 父 親 が 戦 士 となった 子 どもにすぐに 牛 乳 を(1 人 で) 飲 ませることで 未 熟 な 長 老 (olngusaniki) へ と 階 梯 を 上 げ 同 様 に 家 内 労 働 力 を 確 保 しようとする 場 合 もある(Spencer, : 80) Spencer( : 86-87)によれば 北 部 の 地 域 集 団 では 实 際 に 全 ての 戦 士 がそれ 用 の 集 落 で 暮 らしたりもするが 南 部 では 父 親 の 集 落 に 留 まり 家 畜 の 世 話 に 従 事 するモランも 一 定 程 度 いるという そこでいう 北 部 と 南 部 の 境 界 がどの 辺 りなのかについては 特 に 記 述 がないが マタ パトは 南 部 に 含 まれるようである(Spencer, : 87) 55

87 一 人 前 の 長 老 となるために 必 要 な 敬 老 精 神 や 社 会 性 を 学 習 する 空 間 であり(Spencer, : 82) 家 畜 の 管 理 という 日 常 的 な 生 産 活 動 から 自 由 な 立 場 で 同 輩 と 暮 らすその 集 落 は マサイ 社 会 の 理 想 である 分 かち 合 いと 民 主 主 義 的 な 議 論 意 思 決 定 (sharing and of democratic debate and decision-making) (Homewood and Rodgers, : 55)が 实 践 され る 場 あるいは マサイにとっての 理 想 である 全 体 性 / 全 一 性 が 集 合 的 に 表 象 される[ 空 間 ](a collective representation of an ideal of Maasai integrity) (Spencer, : 118)だと 考 えられている マサイ 社 会 においては 戦 士 時 代 の 重 要 な 通 過 儀 礼 を 行 う 中 で 年 齢 組 を 正 式 に 組 織 することとなり その 過 程 で 代 表 者 (ol-aiguenani, pl. il-aiguenak) も 含 めた 特 別 な 権 威 を 持 った 人 間 が 長 老 16 との 相 談 を 通 じて 選 出 されることになる 各 年 齢 組 は 上 述 した 代 表 者 を 持 ち この 人 物 には 強 い 権 威 が 認 められる ただし 代 表 者 の 権 威 の 根 拠 として 挙 げられるのは 年 齢 組 内 の 他 のメンバーの 意 見 を 良 く 聞 き 適 切 な 判 断 を 下 す 能 力 や 年 長 の 年 齢 組 の 人 間 と 自 らが 属 する 年 齢 組 の 間 の 関 係 を 良 好 に 保 つ 能 力 であり(Spencer, : ) 先 行 研 究 においては 一 般 に spokesman と 英 訳 されてきた(Homewood and Rodgers, ; Hough, 2006; Spencer, ) 代 表 者 は 年 齢 組 内 の 規 律 を 監 督 する 責 任 を 負 うが マサイ 社 会 においては 戦 士 の 勇 敢 さと 同 時 に 代 表 者 の 知 恵 冷 静 さがその 繁 栄 にとって 重 要 と 考 えられており その 死 亡 は 他 に 代 え 難 いとして 戦 争 への 参 加 が 認 められないほどである(Spencer, : 104) 話 し 合 いが 行 われる 時 も 年 長 者 の 意 見 を 代 弁 して 告 げる 以 外 では 最 終 的 な 合 意 結 論 らしきものがメンバー 間 の 議 論 から 浮 かび 上 がってくるまで 沈 黙 を 守 ることが 期 待 されて いる(Spencer, : 105) 17 年 齢 組 の 中 の 代 表 者 以 外 に 年 齢 組 内 で 特 別 な 権 威 を 持 つ 職 位 として Sankan(1971=1989: 22-25)と Mol(1996: 37)が 共 通 して 挙 げるのは 去 勢 牛 のと 殺 役 (ol-opoloshi/ol-opising ol-kiteng) 植 樹 役 (ol-out(u)no) 革 紐 を 切 り 出 す 役 (ol-oboru en-keene) の 3 つである 18 去 勢 牛 のと 殺 役 は 割 礼 の 施 術 に 先 だって 行 われ る 去 勢 牛 の 角 を 掴 む(en-kibungata e mouo/olkiteng) 儀 礼 に 際 して 選 ばれる この 儀 礼 の 中 でと 殺 する 立 派 な 去 勢 牛 を 提 供 する 人 物 であり これ 以 後 は 代 表 者 を 助 けて 年 齢 組 を 取 りまとめてゆくことになる 人 物 である(Sankan, 1971=1989: 24) 植 樹 役 と 革 紐 を 16 マサイ 社 会 にあっては ある 年 齢 組 に 対 して 2 つ 上 の 年 齢 階 梯 に 属 する 年 齢 組 は 火 起 こし 棒 (ol-piron, pl. il-pironito) のパトロンなどと 呼 ばれる これは 成 人 儀 礼 の 開 始 終 了 時 期 など を 2 つ 上 の 年 齢 組 が 決 めるとともに 儀 式 それ 自 体 も 取 り 仕 切 ったりするからであり 成 人 儀 礼 の 中 で 火 起 こし 棒 のパトロンはその 名 の 通 り 新 たな 年 齢 組 に 命 を 吹 き 込 む 火 を 焚 くこともす る(Spencer, 1993: 144) マサイ 社 会 には 2 つの 火 起 こし 棒 のパトロン クライアント 関 係 のラインが 存 在 する 訳 だが 一 般 にこの 2 つの 集 団 の 間 には 現 在 の 権 力 構 造 を 維 持 しようとす る 側 と( 新 しい) 年 齢 組 の 結 成 昇 級 によって 権 力 構 造 を 変 えようとする 側 という 形 で 政 治 的 な 敵 対 関 係 が 生 じ 易 い(Homewood and Rodgers, : 49-50; Spencer, : ) 17 話 し 合 いを 通 じて 適 切 な 問 題 解 決 の 案 が 出 てきた 時 には 代 表 者 はそれを 明 確 化 し 自 らの 権 威 をもって 話 し 合 いに 決 着 を 付 けようとするのであり その 際 に 代 表 者 の 提 案 を 受 け 付 け ない 戦 士 に 対 しては 力 強 く 反 対 したりもするという(Spencer( : 105) 18 それ 以 外 に Sankan(1971=1989: 22-25)は 年 齢 組 の 命 名 役 ( 対 応 するマー 語 は 未 確 認 ) を Mol(1996: 37)は マントの 番 人 (ol-orrip ol-kila) と 供 犠 儀 礼 の 火 の 番 人 (ol-orrip ol-asar) を 挙 げているが これらの 役 職 についてはロイトキトクでは 存 在 しないようである 聞 き 取 り を 行 った 年 長 者 たちからは こうした 役 職 についてはマサイランドの 中 にも 地 域 ( 集 団 ) 差 が 存 在 しており 他 の 地 域 集 団 の 話 なのではないかといわれた 56

88 切 り 出 す 役 は 下 級 戦 士 (ol-kilia, pl. il-kiliani)が 上 級 戦 士 (ol-morijoi, pl. il-molijo)とな るために 経 験 する 昇 級 式 (eunoto) の 際 に 選 ばれる Eunoto は 直 立 させる(erect)/ まっすぐに 植 える(plant upright) といった 意 味 を 持 つマー 語 であり それはつまり 新 し い 年 齢 組 がこの 儀 礼 をもって 結 成 されることを 意 味 しており 戦 士 時 代 の 壮 観 な 絶 頂 (the spectacular climax of moranhood) と 表 現 されるほどに マサイ 社 会 にあっては 重 要 かつ 盛 大 な 儀 礼 である(Spencer, : 139) 植 樹 役 は 昇 級 式 を 取 り 仕 切 る 儀 礼 長 であ り この 儀 礼 を 経 て 年 齢 組 で 最 初 に 結 婚 することになる また 革 紐 を 切 り 出 す 役 は 植 樹 役 の 補 佐 であり 植 樹 役 に 次 いで 昇 級 式 の 中 で 妻 を 娶 ることになる 人 物 である ロイトキトク(サブ) 地 域 集 団 の 場 合 は 代 表 者 が 各 年 齢 組 においてモレリアン ク ランから 2 人 ライセールとレイタヨックからは 1 人 ずつが 選 出 されるが モレリアンが 2 人 の 代 表 者 を 持 つのは 地 域 集 団 内 で 人 口 が 他 2 クランよりも 多 く 地 理 的 に 広 範 囲 に 分 布 しているためである 19 去 勢 牛 のと 殺 役 はロイトキトク 内 に 1 人 ながら 選 ばれる 植 樹 役 と 革 紐 を 切 り 出 す 役 はキソンゴ 地 域 集 団 全 体 で 1 人 ずつが 選 ばれ 基 本 的 には タンザニアの 側 に 暮 らす 人 びとの 間 から 選 ばれるため ロイトキトクの 側 にはいないとい う Sankan(1971=1989: 24)は 植 樹 役 の 権 威 は 代 表 者 の 権 威 には 及 ばないとして いるが ロイトキトク 地 域 集 団 の 年 長 者 への 聞 き 取 りによれば 植 樹 役 の 方 が 代 表 者 よりも 権 威 が 強 いと 考 えている 者 もいた 年 齢 組 間 で 何 か 問 題 が 生 じた 際 などは 双 方 の 年 齢 組 の 代 表 者 が 話 し 合 って 問 題 解 決 を 図 ることになるが 日 常 生 活 の 中 で 身 近 に 代 表 者 がいない 場 合 や 敢 えて 代 表 者 に 相 談 するまでもないようなレベルの 問 題 に 関 しては その 地 域 の 年 長 者 が 話 し 合 って 問 題 解 決 意 思 決 定 の 中 心 的 な 役 割 を 担 ってきた マサイ 社 会 では 戦 士 にのみ 適 用 されるタブー(en-turuj, pl. in-turuja)が 存 在 するのと 同 時 に 戦 士 にのみ 許 される 特 権 が 存 在 する タブーとしては 牛 乳 を 1 人 で 飲 んではいけ ないということと 女 性 の 眼 前 で 肉 を 食 べてはいけない( 女 性 の 手 が 触 れた 肉 は 食 べてはい けない)ということの 2 つがある(Sankan, 1971=1989: ; Spencer, : 79) それに 対 して 戦 士 の 特 権 としては 他 民 族 他 地 域 集 団 を 襲 い 家 畜 を 強 奪 するレイディ ング(raiding)とライオン 狩 猟 (ol-amayio, pl. il-mayio)を 行 う 権 利 が 第 1 に 挙 げられる おおよそのところ モレリアンはククからインビリカニにかけての 地 域 を レイセールはイ シネッティ(Isineti, インビリカニ 集 団 ランチ 南 部 でキマナ 集 団 ランチとの 境 界 に 当 たる 地 域 ) レイタヨックはアンボセリ( 現 在 の 国 立 公 園 を 中 心 とした 地 域 )をそれぞれテリトリーとしてい るという 成 人 儀 礼 は 3 クラン 合 同 で 催 されるが その 中 で 代 表 者 の 選 出 は 各 クランに 分 か れて 行 われることになる 代 表 者 選 出 の 際 にその 人 物 がどの 集 団 ランチに 所 属 するかが 問 題 となることはなく そのため 2010 年 に 筆 者 が 聞 き 取 りを 行 った 際 にはキマナ 集 団 ランチ 内 に は 代 表 者 は 1 人 も 居 住 していない 状 況 だった 20 レイディング ライオン 狩 猟 以 外 の 特 権 としては 槍 に 黒 い 柄 を 取 り 付 けたり 盾 に 自 らの 勇 敢 さを 示 すサインを 記 したりすること 家 畜 囲 いの 中 央 で 踊 ること 女 性 と 遊 ぶこと また ブッ シュの 中 で 家 畜 を 殺 して 肉 を 食 べることや 怒 りに 震 えること 他 地 域 から 侵 入 してきた 家 畜 泥 棒 に 対 して 地 域 を 守 ることなどが 先 行 研 究 では 挙 げられている(Spencer, : 68, 84) この 他 にも 年 長 者 への 尊 敬 が 重 視 されるマサイ 社 会 において 戦 士 は em-pikas(pl.: im-pikasun) と 呼 ばれる 示 威 集 団 を 結 成 し 自 らの 年 齢 組 に 加 入 する 尐 年 を 徴 収 したり 自 分 たちの 集 落 に おいて 料 理 などを 作 る 女 性 や 家 畜 牛 乳 を 一 方 的 に 要 求 しては 欲 しい 物 を 力 ずくで 手 に 入 れた りする お 願 いしたり 乞 うたりせずに 欲 しいと 思 ったものは 見 つけ 次 第 強 奪 する (Sankan, 1971=1989: 74; Spencer, : 86-89, )ことも 認 められてきたとされる 57

89 これらの 特 権 には 自 分 たちのテリトリーを 防 衛 したり 逆 にそれを 拡 大 したりする 意 味 あるいは 生 活 の 基 盤 である 家 畜 を 守 る 目 的 があり(Sankan, 1971=1989: 68, 79; Sutton, 1993: 41) 家 畜 が 肉 食 獣 に 襲 われた 場 合 には 近 場 の 戦 士 がすぐに 集 められ 報 復 のライオン 狩 猟 へと 出 発 したという そこにはマサイ 社 会 の 守 護 者 としての 義 務 的 な 役 割 が 含 まれてもい ると 考 えられるが レイディングやライオン 狩 猟 によって 戦 士 は 他 では 得 難 い 財 産 や 社 会 的 名 声 を 獲 得 することができる 訳 であり そうであればこそ 戦 士 階 梯 に 属 する 時 期 は 男 らしさの 最 高 潮 (a climax of male virility) (Spencer, : 68)ともいわれるのである 戦 士 から 長 老 へと 年 齢 階 梯 を 上 がることでマサイの 男 性 は 結 婚 を 行 えるようになるが 結 婚 後 に 男 性 が 第 1 に 考 えるべき 対 象 は 自 らが 属 する 年 齢 組 から 自 分 の 妻 や 子 どもなどの 家 族 へと 変 わり 長 老 の 役 目 として 家 畜 の 管 理 も 含 めた 生 業 家 事 全 般 の 監 督 をしなければ ならなくなる(Homewood and Rodgers, : 52; Spencer, 1993: 152) (2) ケニア マサイ 社 会 の 変 容 ケニアは 1895 年 にイギリスの 保 護 領 となるが 21 この 過 程 で 現 在 のケニアとタンザニア を 分 かつ 国 境 線 がイギリスとドイツの 話 し 合 いの 結 果 として 勝 手 に 引 かれ マサイもケニ ア 側 とタンザニア 側 に 分 断 されることとなった ロイトキトク マサイはキソンゴ 地 域 集 団 の 本 隊 とは 異 なる 植 民 地 の 統 治 下 に 置 かれるようになった 訳 だが 1904 年 に 保 護 領 政 府 はマサイとの 間 に 協 定 (agreement)を 結 び ケニア 中 央 部 のライキピア(Laikipia) 地 域 に 北 部 マサイ リザーブ(Northern Masai Reserve) 22 を 現 在 のカジァド 県 西 部 に 南 部 マサイ リザーブ(Southern Masai Reserve)を 設 立 し それらの 敶 地 外 に 暮 らすマサイの 地 域 集 団 は どちらかのリザーブへと 強 制 移 住 させる 方 針 を 採 った これらのリザーブの 土 地 について は マサイが 1 つの 人 種 として 存 在 し 続 ける 限 り(so long as the Masai as a race shall exist) はマサイのテリトリーとして 権 利 を 保 障 し 続 けることが 04 年 に 結 ばれた 協 定 上 では 約 束 さ れていた だが 設 置 後 に 北 部 リザーブの 土 地 は 冷 涼 な 気 候 に 位 置 し 農 耕 に 適 しているこ とが 判 明 すると 保 護 領 政 府 はその 土 地 を 白 人 入 植 者 のために 確 保 することを 意 図 して 暴 力 的 に 新 たな 協 定 を 11 年 に 結 び 現 在 のロイトキトク 県 からナイバシャ(Naivasha) ナク ル(Nakuru)の 南 縁 更 にはマサイ マラへと 続 く 広 範 な 範 囲 に 南 部 リザーブを 拡 張 そ こへと 北 部 リザーブに 暮 らしていたマサイを 武 力 を 用 いて 強 制 移 住 させる 方 針 へと 転 換 した(Hughes, 2006: 5) 当 初 の 名 称 東 アフリカ 保 護 領 (East Africa Protectorate) は 1920 年 7 月 に 直 轄 植 民 地 (crown colony) へと 変 更 され これと 同 時 にケニアという 名 称 が 付 されるようになった 22 今 日 では Maasai という 綴 りが 一 般 的 だが 植 民 地 政 府 は Masai という 綴 りを 用 いていた 23 これら 2 つの 協 定 に 関 しては 予 言 師 (ol-oiboni, pl. il-oibonok)のオロナナ(olonana)がマ サイ 社 会 を 代 表 して 植 民 地 政 府 との 間 で 契 約 を 交 わした マサイ 社 会 において 予 言 師 は 特 定 の 家 系 の 人 間 ( 親 子 ) 間 で 引 き 継 がれるものであり 成 人 儀 礼 やレイディングの 時 に 助 言 ( 予 言 ) をしたり 重 要 な 役 柄 を 演 じたりするが(Sankan, 1971=1989; Spencer, ) 政 治 的 権 威 は 持 っておらず 本 来 的 に 外 部 者 との 間 で 協 定 を 独 断 で 結 べるような 存 在 ではなかった オロナ ナが 上 記 の 役 を 務 めたのは 植 民 政 府 側 が 予 言 師 の 地 位 を 誤 解 していたことに 加 えて オロナナ が 当 時 父 である 予 言 師 ムバティアニ(Mbatiany)の 死 後 その 地 位 をめぐり 兄 センテウ(Senteu) と 対 立 関 係 にあり 植 民 地 政 府 と 結 託 することで 自 らの 地 位 強 化 を 図 ったからだと 考 えられてい る(Hughes, 2006: 13-16; Ole Masharen, 2009: 36-37) 58

90 1930 年 代 に 入 ると イギリスの 植 民 地 科 学 者 の 間 で 土 壌 浸 食 が 植 民 地 開 発 を 阻 む 大 きな 障 害 として 問 題 視 されるようになり 地 元 住 民 の 誤 った 土 地 利 用 が 土 壌 侵 食 を 通 じた 砂 漠 化 を 引 き 起 こすと 考 えられていた( 水 野, 2009: 320) ケニアにおいても 30 年 代 前 半 には リフト ヴァレーのマサイランドは カンバ(Kamba)が 多 く 暮 らすマチャコス(Machakos) やキトゥイ(Kitui) トゥルカナ(Turukana)ランドを 含 む 北 部 地 域 とともに 過 放 牧 の 問 題 が 深 刻 に 懸 念 される 土 地 としてイギリス 人 に 言 及 されるようになっていた(Anderson, 2002: 135) その 後 第 2 次 大 戦 後 にイギリス 帝 国 の 勢 力 は 弱 まり また 独 立 運 動 が 盛 ん になった 50 年 代 を 経 て 63 年 にケニアはイギリスからの 独 立 を 迎 える その 傍 ら 60 年 代 にサヘル 地 域 を 襲 った 旱 魃 によって 飢 餓 が 大 きな 問 題 となると アフリカの 乾 燥 地 域 に 暮 らす 牧 畜 民 の 近 代 化 を 目 指 す 開 発 援 助 プロジェクトが 環 境 保 全 という 目 的 と 結 び 付 きながら 国 際 的 な 注 目 と 協 力 を 集 めて 取 り 組 まれるようになり ケニアに 集 団 ランチ(group ranches) 制 度 が 導 入 される 呼 び 水 ともなった( 太 田, 1998: ) 24 ケニアでは 50 年 代 に 放 牧 管 理 計 画 (grazing scheme)が 試 みられ マサイの 過 放 牧 によって 放 牧 地 が 疲 弊 して いるという( 科 学 的 な 根 拠 のない) 想 定 に 基 づき 家 畜 頭 数 の 制 限 や 放 牧 地 の 計 画 的 輪 転 の 導 入 が 試 みられていた 放 牧 管 理 計 画 を 实 施 するに 際 しては 水 場 の 建 設 なども 行 われた が 頭 数 制 限 の 考 えがマサイに 受 け 入 れられなかったためにその 試 みは 挫 折 する 結 果 とな った( 太 田, 1998: ) その 後 65~80%の 家 畜 が 死 亡 したと 推 測 される 60~61 年 の 大 旱 魃 を 受 けて(Galaty, 1980: 161) ランチング システムの 導 入 が 緊 急 の 問 題 として 検 討 されるようになった( 太 田, 1998: 303) そして 年 には 6 つの 集 団 ランチが 試 験 的 に 現 在 のロイトキトク 県 を 当 時 は 含 んでいたカジァド 県 に 設 置 され(Oxby, 1981: 45) 25 そ の 後 68 年 には 集 団 ランチ 制 度 を 定 める 土 地 ( 集 団 代 表 ) 法 (Land (Representative) Act)が 制 定 された 集 団 ランチ 制 度 の 基 本 的 な 目 的 は 広 大 な 土 地 を 利 用 してなるべく 尐 ない 労 働 力 によっ て 家 畜 を 飼 育 して 市 場 向 けの 畜 産 物 を 生 産 する ( 太 田, 1998: 301) 商 業 的 な 牧 畜 即 ち ランチング 制 度 を マサイを 始 めとするケニアの 牧 畜 民 社 会 に 導 入 することであった そ れは 近 代 的 で 効 率 的 に 肉 を 生 産 するだけでなく 環 境 保 全 型 の 牧 畜 産 業 として 構 想 されてお り 牧 畜 を 行 う 上 で 生 態 面 から 適 切 と 思 われる 面 積 を 各 集 団 に 割 り 当 てるとともに 水 場 の 建 設 や 伝 染 病 対 策 に 向 けた 融 資 を 提 供 することも 制 度 に 含 まれていた(Galaty, 1980: 160; 太 田, 1998: ; Oxby, 1981: 47-48) 集 団 ランチの 土 地 は 政 府 に 登 録 されたメンバーの 共 有 地 であるが 全 メンバーは 集 団 ランチ 全 体 の 土 地 に 対 して 平 等 な 権 利 を 持 つものとされ 24 当 時 開 発 援 助 プロジェクトを 計 画 推 進 する 先 進 国 の 人 間 は 牧 畜 民 は 環 境 保 全 に 関 し て 無 責 任 であり 伝 統 的 な 牧 畜 経 済 は 環 境 破 壊 的 である ( 太 田, 1998: 294)といった 誤 った 牧 畜 民 像 を 抱 いていた そうした 牧 畜 と 環 境 ( 保 全 / 破 壊 )の 関 係 についての 議 論 の 中 核 には 環 境 収 容 力 (carrying capacity) という 概 念 が 据 えられていたが アフリカの 乾 燥 地 域 に 対 しては 限 定 的 な 効 力 しか 持 たなかった その 理 由 として 太 田 (1998: )は 気 候 変 動 が 大 きいこと 家 畜 種 間 の 食 性 の 違 い 家 畜 飼 養 の 目 的 と 家 畜 の 摂 取 量 人 間 の 消 費 方 法 の 違 い 土 地 利 用 の 政 治 的 社 会 的 条 件 の 5 つを 挙 げている また Anderson(2002: )は 牧 草 管 理 水 管 理 持 続 可 能 性 マーケティング 間 引 き 繁 殖 病 気 経 済 合 理 性 の 各 観 点 で ヨーロッパ 人 が 抱 い ていた 考 えとアフリカの 現 場 で 求 められるやり 方 が 全 く 異 なっていた 事 实 を 整 理 している 25 これらの 平 均 面 積 は 約 160km 2 平 均 メンバー 数 は 約 60 人 ( 全 員 が 世 帯 主 ) ウシの 平 均 頭 数 は 2,000 頭 だった(Oxby, 1981: 47) 59

91 ており メンバー 個 々 人 の 具 体 個 別 的 な 土 地 区 画 への 権 利 は 存 在 しなかった 60 年 代 末 以 降 ケニアのマサイランド 全 域 において 伝 統 的 な 地 域 集 団 のテリトリーを 細 分 化 する 形 で 集 団 ランチは 設 置 される そこでマサイが 集 団 ランチを 受 け 入 れたのは 牧 畜 の 近 代 化 という 政 府 や 国 際 援 助 機 関 開 発 实 務 家 が 設 定 した 経 済 的 目 標 に 賛 同 したからでは 決 して なく 集 団 ランチを 設 立 すること 自 分 たちの 土 地 への 権 利 を 獲 得 することができるので それによって 商 業 ランチや 農 地 観 光 業 を 目 的 に 土 地 を 奪 おうとする 外 部 者 に 対 抗 できる という 政 治 的 な 思 惑 の 方 が 強 かった(Galaty, 1980) 制 度 的 には 各 集 団 ランチにはそれに かかわる 諸 事 を 統 括 する 集 団 ランチ 委 員 会 (group ranch committees)の 設 置 が 義 務 付 けられ る 一 方 集 団 ランチのメンバーとして 登 録 される 人 間 は 1 つの 集 団 ランチにしか 所 属 でき ないことになっていた(Grandin, 1991: 30) しかし 实 際 には 1 つの 家 族 の 成 員 が 複 数 の 集 団 ランチに 分 かれて 登 録 されることで 家 族 として 利 用 できる 放 牧 地 をより 広 く 確 保 す ることが 試 みられただけでなく 集 団 ランチの 創 設 後 も 以 前 と 変 わらずに 地 域 集 団 の 内 部 であれば 相 互 の 移 動 利 用 が 許 容 される 状 況 にあった( 太 田, 1998: ) 26 集 団 ランチの 設 置 が 進 められるに 先 んじて マサイランドの 各 地 で 個 人 ランチの 設 置 ( 個 人 への 土 地 分 配 )が 政 府 によって 進 められてもいたが 1970 年 代 半 ばには 集 団 ランチの 共 有 地 を 私 有 地 へと 細 分 化 する 共 有 地 分 割 も 实 行 されるようになり 81 年 に 政 府 がそれを 推 進 する 政 策 を 实 行 したことで 80 年 代 には 分 割 を 实 施 する 集 団 ランチの 数 が 一 気 に 増 加 する ことになった(Campbell et al., 2005: 780) 27 しかし 個 人 ランチ 制 度 によって 利 益 を 得 た のは 主 には 地 方 の 有 力 者 であり マサイ 社 会 内 の 貧 富 の 格 差 の 増 大 をもたらした(Galaty, 1980; Graham, 1988) なお 集 団 ランチ 委 員 会 が 設 置 され 伝 統 的 な 権 威 とは 異 なる 政 治 的 な 役 職 がマサイ 社 会 に 登 場 することとなったが 大 半 の 地 域 では 委 員 会 が 代 表 者 など の 伝 統 的 な 権 威 に 取 って 代 わるまでには 至 らなかった(Grandin, 1991: 33) 2006 年 のカジァド 県 (ロイトキトク 県 は 依 然 として 含 まれていた)では 全 52 集 団 ラン チ 中 32 ヵ 所 が 分 割 を 完 了 しており 15 ヵ 所 は 分 割 が 進 行 中 (その 内 で 7 ヵ 所 は 分 割 をめぐ り 論 争 係 争 中 )ということで 分 割 を 实 行 していない 集 団 ランチは 5 ヵ 所 だけとなって いた(Mwangi, 2007a: 819) 共 有 地 分 割 が 進 行 した 理 由 として 先 行 研 究 で 挙 げられる 内 容 と しては 融 資 を 得 るための 担 保 として 私 有 地 を 利 用 する 目 的 28 や 他 民 族 の 流 入 に 加 えてマ サイ 自 体 の 人 口 が 増 加 し 続 ける 中 で 土 地 への 権 利 を 求 める 人 間 ( 集 団 ランチメンバー) の 数 が 増 える 前 に 土 地 を 分 割 することでより 多 くの 土 地 を 私 有 地 として 確 保 しようとする 意 図 また 集 団 ランチ 制 度 の 下 における 土 地 管 理 の 非 効 率 性 への 不 満 から 個 人 の 管 理 が 望 まれるようになったといった 事 情 がある(Galaty, 1992: 28; Grandin, 1991: 35; Kimani and 26 Grandin(1991: 33)によれば インビリカニ 集 団 ランチではその 設 立 に 伴 って 伝 統 的 な 近 隣 集 団 ベースの 放 牧 管 理 が 一 旦 は 行 われなくなったが 1981~82 年 の 旱 魃 を 機 に 復 活 したという ~89 年 にかけて ダニエル モイ(Daniel Arp Moi) 大 統 領 ( 当 時 )は マサイに 対 して 集 団 ランチの 私 的 分 割 を 進 める 声 明 を 繰 り 返 し 出 しており これによって 共 有 地 分 割 の 動 きが 加 速 した 面 もある(Mwangi, 2007b: ) 大 統 領 の 主 な 主 張 としては 分 割 により 各 家 族 は 自 らの 土 地 を 開 発 することが 可 能 になる 集 団 ランチは 経 済 発 展 を 果 たし 得 るものではない 集 団 ランチ 制 度 は 将 来 的 に 軋 轢 の 原 因 になるかもしれないというものだった(Mwangi, 2007b: 896) 28 共 有 地 の 状 態 で 政 府 から 融 資 を 受 けることもできたが その 場 合 の 融 資 対 象 はあくまで 集 団 ランチ(のレベルの 取 り 組 み)であり メンバーが 個 人 的 に 土 地 を 担 保 として 融 資 を 受 け 取 るこ とは 共 有 地 分 割 以 前 では 不 可 能 だった 60

92 Pickard, 1998) 29 ただし 共 有 地 分 割 が 实 現 した 後 の 問 題 として 安 易 に 土 地 を 売 却 して しまったがために 生 活 の 基 盤 を 失 う 地 元 住 民 が 現 われてもいる(Galaty, 1992) (3) キマナ 集 団 ランチの 概 況 (a) 社 会 アンボセリ 国 立 公 園 (392km 2 )の 東 に 隣 接 するキマナ 集 団 ランチは 1972 年 に 設 立 され た その 面 積 は 251.2km 2 であり 2000 年 代 以 降 の 登 録 者 数 は 843 人 で 打 ち 止 められている ( 図 1-2 表 1-2) この 地 域 の 年 間 降 水 量 に 関 しては Western(1994a: 19)はアンボセリ 生 態 系 の 平 均 値 として 300mm Rutten(2004: 10)はキリマンジャロ 山 裾 野 などの 高 地 で 800mm 平 地 で 200mm としており アンボセリ 国 立 公 園 内 のオル トゥカイを 観 測 点 として 76~2000 年 までの 25 年 間 の 降 水 量 を 記 録 した Altmann et al.(2002)では 同 地 における 年 間 平 均 降 水 量 は 346.5mm(132.0~553.4mm, SD=120.0, 図 1-3 参 照 )となっている キマナは ロイ トキトク 地 域 集 団 内 の 集 団 ランチとしては 最 も 面 積 が 小 さいが これはキリマンジャロ 山 からの 地 下 水 が 湧 き 出 てできた 川 が 複 数 流 れるだけでなく キマナ 沼 ( 現 在 のキマナ サ ンクチュアリを 中 心 とする 範 囲 )やナメロック 沼 (ナメロック 電 気 柵 内 )といった 水 場 が 数 多 く 存 在 しており 他 地 域 ( 集 団 ランチ)よりも 水 資 源 に 恵 まれているからであった 30 キマナ 集 団 ランチはモレリアン レイセール レイタヨックの 3 クラン 31 から 構 成 されて おり 集 団 ランチ 委 員 会 の 役 員 の 中 でも 特 に 重 役 である オフィシャル(official) 32 即 ち 委 員 長 (chairman) 会 計 (treasurer) 書 記 (secretary)の 3 役 については 上 述 の 3 ク ランから 選 出 された 人 間 によって 分 担 されてきた オフィシャル 3 役 の 間 に 实 際 上 の 区 別 はなく 例 えば 本 研 究 の 調 査 期 間 中 に 委 員 長 を 務 めたレイタヨック クラン 出 身 の 年 長 者 は 英 語 が 分 からないため 外 部 者 との 交 渉 は 英 語 が 話 せる 会 計 (モレリアン)や 秘 書 (レイセール)に 専 ら 任 せていた 地 元 では オフィシャル 間 に 権 威 の 差 があるとは 特 には 考 えられていなかったが マサイ 社 会 の 伝 統 的 権 威 である 代 表 者 と 比 べると 代 表 者 のような 特 別 な 権 威 が オフィシャル には 認 められない 一 方 で 代 表 者 が 代 表 するのはロイトキトク 地 域 集 団 のレベルで 組 織 される( 自 らが 属 する) 年 齢 組 であり そ の 一 部 を 占 めるにすぎない 集 団 ランチ 内 の 揉 め 事 などは 代 表 者 が 預 かり 知 るべき 事 柄 ではないとも 考 えられている 29 最 近 にカジァド 県 内 の 4 集 団 ランチを 調 査 した Mwangi(2007b: 898)によれば 共 有 地 分 割 の 主 な 動 機 は 開 発 のために 必 要 な 権 利 の 獲 得 人 口 増 加 に 伴 う 土 地 不 足 他 民 族 に 土 地 を 失 う 危 険 性 であるという 90 年 代 の 調 査 結 果 と 大 きな 違 いはなく 後 述 するようにキマナ 集 団 ランチで 共 有 地 分 割 が 实 行 された 背 景 要 因 としても 個 人 の 開 発 願 望 や 人 口 増 加 に 伴 い 分 配 される 土 地 が 小 さくなることへの 危 惧 他 民 族 や 政 府 に 土 地 を 奪 われることへの 恐 怖 などは 共 通 している 30 ロイトキトク 地 域 集 団 内 に 集 団 ランチが 設 立 される 際 には まず 地 元 の 有 力 者 に 合 わせて 集 団 ランチの 数 と 境 界 が 定 められ その 後 に この 定 住 場 所 に 基 づいて 誰 がどの 集 団 ランチの メンバーとなるかが 割 り 振 られたという 31 長 老 ( 年 齢 不 詳 戦 士 階 梯 の 4 つ 上 の 年 齢 階 梯 に 属 していた)への 聞 き 取 りでは ロイトキ トク 地 域 集 団 内 ではそれぞれのクランが 6 つ 4 つ 8 つのサブ クランを 持 っているとのことで ある そして このサブ クランが 異 なれば 同 じクランであっても 結 婚 は 可 能 とのことである 32 スワヒリ 語 では 事 務 所 (office) は ofisi 役 人 (officer) は ofisa と 呼 ばれるが キマ ナでは 英 語 の official がスワヒリ 語 化 して 用 いられていた これら 3 役 の 他 に 委 員 会 には 副 委 員 長 (vice-chairman)の 役 もあるが オフィシャル のような 権 威 は 特 に 認 められていない 61

93 N ナイロビ エマリ モンバサ 国 境 4 県 境 集 団 ランチの 境 界 個 人 ランチ/ 私 有 地 地 域 道 路 キリマンジャロ 山 電 気 柵 0 30 km ロイトキトク 町 キマナ 町 5 6 図 1-2 ロイトキトク 県 出 典 : 筆 者 作 成 表 1-2 図 1-2 中 の 各 地 域 の 面 積 登 録 メンバー 数 種 類 名 前 面 積 (ha) 登 録 メンバー 集 団 ランチ 自 然 保 護 区 電 気 柵 1 エセレンケイ(Eselenkei) 集 団 ランチ 74,794 1,200 2 オルグルルイ(Olugulului) 集 団 ランチ 147,050 3,418 3 インビリカニ(Imbirikani) 集 団 ランチ 122,893 4,585 4 キマナ(Kimana) 集 団 ランチ 25, クク(Kuku) 集 団 ランチ 96,000 5,516 6 ロンボー(Rombo) 集 団 ランチ 38,000 3,665 7 アンボセリ 国 立 公 園 39,200-8 キマナ サンクチュアリ * 6,000 (843) 9 オスプコ コンサーバンシー* 3, キリトメ コンサーバンシー* 6, キマナ 電 気 柵 ** 全 長 38km - 12 ナメロック 電 気 柵 *** 全 長 24km - * サンクチュアリとコンサーバンシーはキマナ 集 団 ランチの 敷 地 に 含 まれるが 前 者 は 共 有 地 後 者 は ( 複 数 の) 私 有 地 の 上 に 設 立 されている ** キマナ 電 気 柵 内 の 土 地 はキマナ 集 団 ランチには 含 まれない *** ナメロック 電 気 柵 内 にはキマナ インビリカニ オルグルルイの 各 集 団 ランチの 土 地 が 含 まれる 出 典 :Ntiati(2002) Kioko et al.(2008)および 聞 き 取 りより 筆 者 作 成 62

94 降 雨 量 アンボセリ 年 ( 前 年 11 月 1 日 から 当 年 10 月 31 日 までを1 年 とする) 出 典 :Moss(2001: 146) 図 1-3 アンボセリ 国 立 公 園 における 年 間 降 水 量 (1973~99) キマナ 集 団 ランチを 貫 き 南 北 に 走 る 道 路 は ケニア 最 大 の 幹 線 道 路 であるナイロビ モ ンバサ 道 路 (Nairobi-Mombasa Highway) 上 に 位 置 するエマリ(Emali)から 県 庁 所 在 地 で あるロイトキトク 町 へと 通 じる 道 である その 道 路 沿 いに 位 置 するキマナ 町 周 辺 の 土 地 は ロイトキトク 町 も 含 めたキリマンジャロ 山 の 裾 野 部 と 一 緒 に 1954 年 以 降 に 個 人 ランチ 私 有 地 として 分 割 分 配 されてきた(Campbell, 1993: 263) キマナ 町 では 毎 週 火 曜 日 に 定 期 市 が 開 かれるが 県 内 ではロイトキトク 町 に 次 ぐ 経 済 規 模 であり 特 にキマナ 町 で 開 かれる 家 畜 市 には 県 内 の 集 団 ランチから 多 くの 家 畜 が 連 れて 来 られる 水 が 豊 富 なキマナ 集 団 ラ ンチは ロイトキトク 県 の 集 団 ランチ 内 でも 特 に 早 い 時 期 から 農 耕 が 行 われてきた 場 所 で あり 今 日 では 農 作 物 はナイロビやモンバサなどの 大 都 市 に 限 らず 空 輸 でヨーロッパ 向 け に 輸 出 されてもいる(Campbell, 1993: 265) Rutten(2004: 10)によれば ロイトキトク 県 ( 当 時 はカジァド 県 内 の 郡 )はケニアで 3 番 目 に 広 大 な 灌 漑 農 地 が 広 がる 地 域 だという (b) 農 耕 の 拡 大 植 民 地 支 配 の 開 始 に 伴 い 農 耕 適 地 を 白 人 入 植 者 のために 奪 われた 農 耕 民 は 新 たな 土 地 を 求 めてマサイランドにも 移 入 してくるようになった ロイトキトク 地 域 集 団 のテリトリ ーであれば マサイが 必 ずしも 牧 畜 で 利 用 していないキリマンジャロ 山 の 裾 野 部 にキクユ やカンバといった 農 耕 民 が 移 住 してくるようになった 流 入 してきた 農 耕 民 とマサイの 間 の 土 地 をめぐる 諍 いは 1927 年 の 行 政 文 書 にも 記 録 されており 33 農 耕 民 の 流 入 は 第 2 次 大 戦 の 時 期 も 続 きマサイとのあいだで 土 地 をめぐる 問 題 は 激 しくなった(Campbell, 1993: 261) 33 Campbell(1993: 261)における 1927 年 という 年 次 は カジァド 県 年 次 報 告 書 (Kajiado District: Annual Report)を 出 典 としているが Campbell et al.(2005: 772)ではロイトキトク 地 域 の 農 耕 は 30 年 代 に 開 始 されたと 書 かかれておりやや 矛 盾 するように 思 われる 63

95 独 立 運 動 の 高 まりを 受 けて 52 年 に 非 常 事 態 宠 言 を 政 府 が 発 すると キクユがロイトキトク 地 域 から 追 放 され マサイとの 間 の 軋 轢 は 一 時 的 ながらも 劇 的 に 減 った(Campbell, 1993: ) 34 この 時 期 に 現 在 のキマナ 町 から 国 境 沿 いにかけての 地 域 が 個 人 ランチ 私 有 地 へと 分 割 されたが 独 立 後 に 農 耕 民 は 再 び 土 地 を 探 して 移 り 住 んでくるようになり こ の 時 期 には キマナやナメロックの 両 沼 のような 平 原 部 の 水 場 周 辺 も 移 住 開 墾 の 対 象 に 含 まれるようになっていった(Campbell, 1993: 265) 35 こうした 農 耕 民 の 継 続 的 な 流 入 に 対 して 早 くも 1931 年 の 旱 魃 の 後 には 地 元 のマサイ の 中 からがチャガ(Chagga)の 協 力 を 得 て 農 耕 用 の 灌 漑 を 建 設 する 者 が 現 れていた (Southgate and Hulme, 2000: 104) この 灌 漑 農 耕 の 試 みが 成 功 したのかどうかは 定 かではな いが 特 に 周 囲 のマサイに 影 響 を 及 ぼした 様 子 は Southgate and Hulme(2000: 104)の 記 述 に は 見 られず どこまでの 成 功 を 収 めたのかは 定 かではない 個 人 ランチの 分 割 が 開 始 され る 50 年 代 の 前 半 になると ナメロック 地 域 で 灌 漑 水 路 を 設 置 し 灌 漑 農 耕 を 行 うことで 实 際 に 蓄 財 に 成 功 するマサイが 現 われた(Southgate and Hulme, 2000: ) 72~76 年 にか けて 旱 魃 が 起 きたことの 影 響 もあって 70 年 代 には 農 耕 に 着 手 するマサイが 増 加 していく この 頃 には 開 拓 の 対 象 はキリマンジャロ 山 の 裾 野 地 域 から 集 団 ランチ 内 の 川 沿 いや 沼 周 辺 の 土 地 へと 移 っていたが(Campbell et al., 2005: 774) 36 農 耕 に 着 手 するマサイが 増 加 す るとともに 土 地 それ 自 体 が 生 活 経 済 の 基 盤 として 認 識 し 始 めるようになった(Campbell, 1993: 265) キマナ 町 の 周 囲 が 遅 くとも 70 年 代 前 半 には 私 有 地 として 分 割 販 売 されてい た 一 方 で キマナ 集 団 ランチの 共 有 地 上 に 農 地 を 拓 くことについては 地 域 のリーダーで ある 年 長 者 の 許 可 さえ 得 られれば 誰 でもできたと 地 元 住 民 は 述 べており 集 団 ランチが 設 置 された 後 であってもマサイ 以 外 の 民 族 が 土 地 を 利 用 する 場 合 もあったし 耕 作 面 積 につ いての 制 限 なども 特 にはなかったとのことである また Lindsay(1987; 160)によれば 83~84 年 の 旱 魃 の 際 にキマナとオルグルルイのメンバー 計 2 人 がナメロック 沼 の 周 囲 で 灌 漑 農 地 を 大 幅 に 拡 大 させたという ここで 2008 年 8 月 28 日 に 国 際 NGO のアフリカ 野 生 動 物 基 金 (African Wildlife Foundation, 以 下 AWF)が 開 いた 水 場 の 管 理 に 関 する 集 会 の 話 を 挿 入 すると この 日 はマサイ 以 外 の 農 耕 民 も 含 めたキマナ 町 周 辺 の 灌 漑 水 路 の 利 用 者 70~80 人 ほどが 集 まったが そこではキ 年 と 51 年 に 植 民 地 政 府 は 農 耕 を 行 うことを 制 限 する 法 的 手 続 きを 進 めたが 当 時 流 入 してきた 農 耕 民 の 多 くが 結 婚 を 通 じてマサイの 親 縁 者 となっておりその 定 住 が 慣 習 的 に 認 め られていたことから その 成 果 は 乏 しかった(Campbell, 1993: 262) マサイ 社 会 が 農 耕 民 の 人 間 を 同 じマサイとして 受 け 入 れていく 過 程 については Waller(1993)を 参 照 のこと 年 までロイトキトクが 含 まれていたカジァド 県 の 人 口 増 加 を 行 政 資 料 から 整 理 した Campbell et al.(2005: 772)によれば その 人 口 は 1969 年 の 85,093 人 から 79 年 には 149,005 人 にまで 増 加 し(69 年 比 75% 増 ) 89 年 には 258,659 人 (79 年 比 74% 増 ) 99 年 には 405,000 人 (89 年 比 57% 増 )となっている 36 Western( : 99)は 1960 年 代 末 の 時 点 で 既 にキマナ 沼 周 辺 に 農 地 が 広 がり 家 屋 も 立 ち 並 ぶようになったことで 野 生 動 物 が 沼 周 辺 から 消 え 去 ったと 記 している また 81 年 9 月 にナメロック 沼 を 訪 れた 際 の 記 録 として 畑 へ 水 を 引 く 灌 漑 水 路 によって 沼 は 1975 年 以 来 半 分 の 大 きさにまで 縮 小 していた(The irrigation channels watering the shambas had shrunk the swamp by half since 1975) と 記 している こうした 農 地 の 拡 大 のどれほどがマサイによるものなのか は 不 明 だが 70 年 代 以 降 にキマナに 農 地 を 求 めて 移 住 してきたキクユの 年 長 者 に 聞 き 取 りをし た 答 えからしても その 当 時 に 農 耕 を 行 っているマサイがいたことは 事 实 のようである 64

96 マナ 集 団 ランチにおける 農 耕 の 歴 史 が 話 し 合 われた これまでキマナにおいて 農 耕 がどの ように 営 まれ 今 日 の 問 題 が 何 であるのかを 地 元 住 民 自 身 が 考 えることを AWF は 意 図 して いた 地 元 住 民 たちの 話 し 合 いのまとめとしては 1970 年 代 であれば 農 地 もまだ 尐 なく 灌 漑 の 水 も 時 間 制 限 も 特 になく 自 由 かつ 豊 富 に 使 えていたという 80 年 代 に 入 ると トマ トなどの 園 芸 農 作 物 の 栽 培 が 始 められるようになる 傍 ら 水 の 利 用 できる 量 にも 陰 りが 見 え 始 めた そして 90 年 代 になると 野 生 動 物 による 農 作 物 被 害 が 問 題 となり 始 め 2000 年 代 にはアフリカゾウとシマウマによる 被 害 が 特 に 増 加 し 収 穫 量 が 本 格 的 に 減 尐 するように なったことを 受 けて 農 作 物 被 害 が 人 びとによって 大 きな 問 題 として 認 識 されるようにな ったとまとめられていた (c) 共 有 地 分 割 後 の 生 業 キマナ 集 団 ランチでは 2000 年 代 に 入 り 共 有 地 分 割 が 实 行 されたが それはロイトキトク 地 域 集 団 内 で 最 初 の 集 団 ランチの 分 割 であった 共 有 地 分 割 の 基 本 的 な 理 由 としては 農 地 への 私 的 権 利 を 確 立 することが 意 図 されていた キマナ 町 やロイトキトク 町 を 中 心 に 他 民 族 の 流 入 が 続 くだけでなく マサイ 自 体 の 人 口 も 増 加 し 続 けている 状 況 では 他 民 族 に 土 地 を 奪 われないためと 同 時 に 人 口 が 増 え 過 ぎて 1 人 当 たりの 割 当 が 小 さくなり 過 ぎない 内 に 土 地 ( 特 に 農 地 )への 権 利 を 確 保 したいという 思 惑 から 共 有 地 分 割 が 望 まれるようにな っていった 地 元 住 民 の 中 には 国 会 議 員 から 土 地 を( 放 牧 地 として) 放 っておくと 政 府 に 奪 われるから 分 割 すべきだといわれたという 者 もおり そうした 政 治 家 の 扇 動 も 影 響 を 及 ぼしていたと 考 えられる マサイ 社 会 においては 共 用 の 放 牧 地 上 に 家 族 用 の( 半 ) 永 久 的 な 建 築 物 (permanent domestic structures) 37 を 建 てることはその 場 所 に 対 する 権 利 を 主 張 することを 意 味 しており(Grandin, 1991: 36) 集 団 ランチの 共 有 地 の 場 合 も 1 ヶ 所 に 定 住 す るために 半 永 久 的 な 家 などを 建 てることは 認 められてこなかった だが キマナ 町 が 発 展 するに 連 れて 商 店 や 市 場 学 校 がそこに 集 まり それらを 利 用 す る 機 会 が 増 えるに 従 い 地 元 住 民 は 定 住 可 能 な 土 地 を 求 めるようになってきていた 結 局 キマナ 集 団 ランチの 中 でも 学 校 や 井 戸 教 会 道 路 などの 公 共 的 な 用 途 に 充 てられてい る 土 地 と 後 述 する 野 生 動 物 サンクチュアリは 共 有 地 として 残 され それらを 除 いた 土 地 が 843 人 のメンバーに 分 割 された 各 メンバーは 2 エーカー( 約 0.8ha)の 農 地 と 60 エーカー ( 約 24ha)の 放 牧 地 を 獲 得 することになったが 農 地 は 灌 漑 水 路 も 整 備 されており 農 耕 が 既 に 拡 大 してきていたナメロック 電 気 柵 内 かキマナ 沼 の 西 側 どちらかから 分 配 された 放 牧 地 は 農 地 以 外 の 集 団 ランチの 土 地 から 分 配 されたが 分 割 に 先 んじて 測 量 師 による 土 地 計 測 と 地 図 作 成 また 土 地 境 界 を 示 す 物 の 設 置 などがされてきた 2011 年 3 月 の 時 点 で は 土 地 所 有 権 を 証 明 する 政 府 発 行 の 権 利 証 書 は 全 員 には 与 えられていなかったが 権 利 証 書 を 持 ってはいなくとも 地 元 住 民 は 互 いに 誰 が 何 番 の 土 地 を 分 配 されているかはだいた い 聞 き 知 っており 後 述 するように NGO が 私 有 地 を 集 めてコンサーバンシーを 作 ろうとし た 際 も 土 地 所 有 者 が 誰 であるかは 地 元 住 民 に 聞 くことで 容 易 に 判 明 していた 木 の 枝 を 骨 組 みに 土 と 牛 糞 を 混 ぜて 壁 を 作 り 屋 根 に 草 を 葺 く 家 屋 とは 異 なり レンガやセ メント トタンなどを 用 いた 家 屋 が ここでいう 半 永 久 的 な 建 築 物 である 38 ただし 最 近 では オフィシャル が 不 正 に 区 画 番 号 を 操 作 して 特 定 の 区 画 を 友 人 に 不 正 に 与 えたりしているために 集 団 ランチ 内 で 混 乱 が 生 じていた 65

97 2008 年 の 8~9 月 にキマナ 集 団 ランチに 暮 らすマサイ 203 世 帯 を 対 象 に 行 った 質 問 票 調 査 の 結 果 としては 調 査 対 象 世 帯 の 中 で 農 地 を 所 有 しないのは 1 世 帯 だけであり 残 りの 202 世 帯 ( 平 均 構 成 員 数 : 約 7.1 人 平 均 世 帯 内 集 団 ランチメンバー 数 : 約 1.6 人 )における 平 均 農 地 所 有 面 積 は 約 2.0ha 平 均 農 地 所 有 箇 所 数 は 1.7 であった 雤 季 の 平 均 耕 作 面 積 は 約 1.2ha 乾 季 の 平 均 耕 作 面 積 は 約 0.6ha であり 所 有 する 土 地 の 全 てを 耕 作 できないのは 利 用 時 間 が 限 られている 灌 漑 だけでは 耕 作 地 に 充 分 な 量 の 水 を 遣 れないからであった また 家 畜 の 所 有 規 模 39 は 表 1-3 の 通 りであり ウシを 1 頭 も 所 有 しない 世 帯 が 7% 確 認 されたが そうした 世 帯 であってもヤギ ヒツジは 所 有 しており これらの 家 畜 を 何 も 持 たない 世 帯 は 見 られなかった 乳 牛 の 飼 育 を 行 っている 世 帯 は 21%(42 世 帯 )であり 合 計 84 頭 の 乳 牛 を 飼 育 していた(1 世 帯 当 たり 平 均 2 頭 ) 40 その 後 09 年 から 10 年 にかけてケニア 各 地 で 大 旱 魃 が 発 生 しており アンボセリにおいても 人 生 最 悪 と 評 する 人 が 出 るほどの 深 刻 な 事 態 となった 地 元 住 民 の 中 でも 多 くの 人 びとが 家 畜 をロイトキトク 県 外 にまで 移 動 さ せる 事 態 となり 経 済 力 のある 者 であれば 借 りたトラックに 家 畜 を 乗 せてモンバサまで 移 送 させたり 家 畜 用 の 牧 草 を 金 銭 購 入 したりしていた そうしたことを 行 うだけの 経 済 力 を 持 たない 世 帯 の 場 合 は ロイトキトク 県 内 で 水 と 牧 草 を 求 めて 方 々を 移 動 したり 違 法 と 知 りつつも 西 ツァボ(Tsavo West) 国 立 公 園 内 に 家 畜 を 連 れ 込 み 水 場 牧 草 地 として 利 用 した 者 もいた 10 年 に 实 施 された 野 生 動 物 家 畜 に 関 する 航 空 機 を 用 いた 個 体 数 計 測 (aerial censes)の 結 果 からは 09 年 の 旱 魃 前 と 比 べてウシとヤギ ヒツジの 両 方 が 50~60% の 割 合 で 減 尐 していると 考 察 されている(KWS, 2010; Worden et al., 2010) 41 本 研 究 で 用 い ている 質 問 票 調 査 は この 大 旱 魃 が 発 生 するよりも 前 に 行 っているため この 影 響 は 反 映 されていない 個 人 を 相 手 とした 聞 き 取 り 調 査 の 中 では この 大 旱 魃 がアンボセリのマサ イの 暮 らしに 及 ぼす 影 響 についても 話 を 聞 いているので その 情 報 は 適 宜 参 照 する 39 家 畜 の 所 有 頭 数 は 質 問 票 調 査 聞 き 取 りからのみ 情 報 を 得 ており 实 測 は 行 っていない 地 元 住 民 の 回 答 の 中 には 約 100 頭 のような 形 で 曖 昧 さが 残 るものも 尐 なからず 見 られたが 本 研 究 の 集 計 においては 例 えば 約 100 頭 は 100 頭 として 扱 った 40 Grandin(1991: 26)は 1948~84 年 の 期 間 のカジァド 県 における 人 口 とウシ 頭 数 1 人 当 たり のウシ 所 有 頭 数 を 図 示 しているが それによれば 48 年 は 1 人 当 たり 平 均 13~14 頭 のウシを 所 有 していたものが 人 口 の 急 激 な 増 加 の 影 響 で 84 年 には 2~3 頭 にまで 減 尐 していたことになる ただし ここで 用 いられている カジァド 県 の 人 口 にはマサイ 以 外 の 民 族 の 流 入 に 伴 う 社 会 増 も 含 まれているはずなので マサイの 世 帯 における 家 畜 の 所 有 規 模 は 特 に 後 の 時 代 になるに 連 れてその 平 均 値 より 高 い 値 になっている 可 能 性 が 高 い 一 方 キマナ 集 団 ランチが 隣 接 するイ ンビリカニ 集 団 ランチに 関 して de Leeuw(1993: 41)からは 1982 年 12 月 時 の 平 均 世 帯 人 数 は 約 11 人 で 世 帯 当 たりのウシの 平 均 所 有 頭 数 は 154 頭 (1 人 当 たり 約 14 頭 ) 小 家 畜 (ヤギ ヒ ツジ)の 平 均 所 有 頭 数 は 約 7 頭 (1 人 当 たり 約 0.6 頭 )との 推 計 になる Grandin et al.(1993: 62) から 計 算 される 80 年 のインビリカニ 集 団 ランチにおける 平 均 世 帯 人 数 は 約 12 人 である 年 2 月 にアンボセリ 保 全 プログラム(Amboseli Conservation Program)が 行 ったセンサス の 対 象 範 囲 は ロンボー 集 団 ランチを 除 くロイトキトク 県 全 域 に 加 えて 北 と 西 の 隣 県 が 一 部 な がら 含 まれており 08 年 12 月 のセンサスとの 比 較 結 果 としては ウシが 66% 減 ヤギ ヒツジ が 52% 減 となっている(Worden et al., 2010: 9) また 10 年 3 月 に KWS とタンザニア 野 生 動 物 調 査 研 究 所 (Tanzania Wildlife Research Institute)が 協 力 して 行 ったセンサスは ケニア 側 ではア ンボセリとその 西 のマガディ(Magadi) タンザニア 側 ではキリマンジャロ 山 西 側 とその 西 に 続 くナトロン(Natron)をカバーしているが 07 年 ( 調 査 月 は 不 明 )との 比 較 でウシが 56% 減 ヤギ ヒツジが 62% 減 となっている(KWS, 2010: 38) 後 者 はアンボセリ 以 外 の 広 い 範 囲 も 対 象 としているため 前 者 の 方 がよりアンボセリの 实 態 に 即 していると 考 えられる 66

98 表 1-3 家 畜 の 所 有 規 模 (n=203) 頭 数 ウシ ヤギ ヒツジ n.a. 1 1 出 典 : 筆 者 作 成 キマナにおいて 一 般 的 に 耕 作 されている 農 作 物 としては メイズ(Zea mays) マメ(Vigna faba) トマト(Lycopersicon esculentum) タマネギ(Allium cepa) キャベツ(Brassica oleracea var. capitata) ケール(Brassica oleracea var. acephala)などがある 農 作 物 はキマナ 町 で 売 られる 他 に ナイロビやモンバサから 収 穫 期 に 訪 れる 買 い 付 け 人 に 売 る 者 もいれば 個 人 または 知 人 と 協 力 して 車 を 用 意 し 大 都 市 に 直 接 に 売 りに 行 く 者 もいる ナイロビやモンバ サの 農 産 物 市 場 における 価 格 はラジオで 毎 日 流 されており その 情 報 や 都 市 に 住 む 友 人 に 電 話 して 得 た 情 報 を 基 に 販 売 先 を 決 める 地 元 住 民 もいる 2009 年 末 にナイロビ モンバサ 道 路 とロイトキトクを 結 ぶ 道 路 が 舗 装 されたことで キマナ 町 からナイロビまでの 移 動 時 間 は 大 幅 に 短 縮 されるようになった 42 灌 漑 水 路 はエンペロン(Imperon)に 3 本 エレラ イ(Elerai)に 4 本 キマナ/ティコンド(Kimana/Tikondo)に 3 本 エンジョロ(Enjoro) に 1 本 それぞれ 管 理 委 員 会 が 設 置 されたものがあるが 確 認 できたエレライ 以 外 の 3 地 域 の 灌 漑 水 路 全 てにおいて 各 人 が 利 用 できる 水 量 が 既 に 尐 なくなっていることからメン バーの 新 規 加 入 は 認 められていなかった 第 2 節 ケニアにおける 野 生 動 物 保 全 の 歴 史 的 展 開 (1) ケニアの 野 生 動 物 保 全 史 (a) 植 民 地 期 ケニアは 1895 年 にイギリスの 保 護 領 となった 後 1920 年 に 直 轄 の 植 民 地 となった 保 護 領 化 以 前 から 現 在 のケニアに 対 する 植 民 地 支 配 は 1888 年 に 設 立 された 英 国 東 アフリカ 会 社 (British East Africa Company)によって 实 質 的 に 開 始 されていたが その 下 で 94 年 には 42 ナイロビからキマナまで 舗 装 前 であれば 中 型 バス( 定 員 約 50 人 )で 6~7 時 間 かかったも のが 舗 装 語 は 定 員 14 人 または 11 人 のミニバン(ケニアで 一 般 にマタツ matatu と 呼 ばれる) で 2.5~3 時 間 へと 劇 的 に 短 縮 されている 67

99 スポーツ ライセンス 規 則 (Sporting Licences Regulations)が 制 定 されており 白 人 のスポ ーツ ハンティングに 対 する 許 認 可 制 度 や 狩 猟 割 当 などの 規 制 がかけられていた(Gibson, 1999: 41; Kameri-Mbote, 2002: ) 95 年 の 保 護 領 化 とともに 規 制 の 数 と 種 類 が 増 加 す ることになるが(Gibson, 1999: 41) 早 くも 97 年 には 植 民 政 府 の 行 政 官 の 間 で 野 生 動 物 の 収 奪 的 な 利 用 が 問 題 視 されるようになり その 原 因 として 入 植 者 が 農 地 を 開 墾 拡 大 する 過 程 で 農 作 物 被 害 をもたらす 害 獣 を 積 極 的 に 狩 り 殺 している 点 が 挙 げられた( Kameri-Mbote, 2002: 88) 1901 年 にケニア ウガンダ 鉄 道 が 完 成 し 内 陸 部 の 野 生 動 物 へのアクセスが 容 易 になったことで ヨーロッパ 人 によるスポーツ ハンティングはより 盛 んになるが そ の 一 方 で 野 生 動 物 の 利 用 よりも 保 護 を 優 先 する 保 全 主 義 者 (conservationists) 43 も 運 動 を 展 開 しており 00 年 代 において 既 に 狩 猟 の 制 限 を 強 めるとともに 国 立 公 園 あるいはリザ ーブを 設 立 するための 基 金 を 創 設 することを 求 めてもいた(Kameri-Mbote, 2002: 88, 116) 1899 年 に 設 立 された 南 部 猟 獣 リザーブ(Southern Game Reserve) 44 は 同 時 期 に 設 置 され た 南 部 マサイ リザーブに 含 まれていたが 北 部 マサイ リザーブの 撤 廃 が 決 まると そ こからの 移 住 者 を 受 け 入 れるために 面 積 が 拡 大 されることになり 1906 年 に 南 部 猟 獣 リザ ーブの 面 積 も 南 部 猟 獣 リザーブとほぼ 一 致 する 範 囲 へと 拡 げられた(Lindsay, 1987: 152) つまり この 時 代 にあっては 野 生 動 物 保 全 と 先 住 民 保 護 は 同 じ 土 地 上 で 展 開 されていた ことになり そこにはアフリカ 人 ( 先 住 民 )は 野 生 動 物 と 共 存 することが 可 能 であるとい う 植 民 地 政 府 白 人 側 の 認 識 があった(Kameri-Mbote, 2002: 93) ただし 00 年 に 猟 獣 規 則 (Game Regulations)が 公 布 されると アフリカ 人 が 行 ってきた 伝 統 的 な 狩 猟 法 は 全 て 違 法 とされ 彼 ら 彼 女 らの 野 生 動 物 への 慣 習 的 なアクセスが 否 定 されただけでなく 45 トロフィ ー46 交 易 からも 締 め 出 されることとなった(Kameri-Mbote, 2002: 89, 92) 47 植 民 地 時 代 の 保 全 政 策 によって 野 生 動 物 を( 植 民 地 ) 政 府 の 所 有 物 と 位 置 付 ける 法 制 度 が 構 築 されていっ たが そこにおいて 政 府 は 公 共 の 利 益 の 守 護 者 として 野 生 動 物 を 所 有 管 理 するという 論 43 保 存 との 対 比 でいえば 保 全 は 利 用 を 伴 う 保 護 を 意 味 するが 先 行 研 究 に 限 らず 今 日 の ケニアのマス メディアにおいても 野 生 動 物 の 利 用 よりも 保 存 を 重 視 する 考 えに 立 つ 人 びと 人 間 ( 地 元 住 民 )の 生 命 生 活 よりも 野 生 動 物 の 保 護 ( 保 存 )を 要 求 する 人 間 がこう 呼 ばれる 44 Western(2002: 28)は 1899 年 に 面 積 13,000 平 方 マイル( 約 33,700km 2 )の 南 部 猟 獣 リザーブ が 1900 年 に 面 積 13,800 平 方 マイル( 約 35,700km 2 )の 北 部 猟 獣 リザーブ(Northern Game Reserve) が 設 置 されたと 記 している これに 対 し Smith(2008: 23)は 南 部 猟 獣 リザーブは 06 年 に 設 立 されたと 書 いているが Kamri-Mbote(2002: 91)は ケニア 最 初 のリザーブ(the first Kenyan reserve) の 設 立 が 1896 年 南 部 猟 獣 リザーブの 建 設 は 1902 年 と 書 いており 南 部 猟 獣 リザーブ の 成 立 年 度 については 正 確 に 何 年 とは 判 断 し 難 い ちなみに Lindsay(1987: 152)は 1906 年 に 南 部 猟 獣 リザーブの 面 積 が 拡 大 したとは 書 いているが そもそもの 設 立 年 度 は 記 していない 45 猟 獣 法 の 中 には 科 学 的 理 由 あるいは 行 政 上 重 要 な 理 由 もしくは ある 領 域 において 行 政 組 織 が 一 時 的 に 直 面 する 問 題 が 必 要 とする 限 り(for important administrative reasons, or necessitated by temporary difficulties in the administrative organization of certain territories) において アフリカ 系 住 民 が 狩 猟 を 行 うことも 一 応 は 認 められていたが 南 部 猟 獣 リザーブ 内 での 狩 猟 は 全 面 的 に 禁 止 されていた(Kameri-Mbote, 2002: 89, 91) 46 トロフィー(trophy) とは 野 生 動 物 の 皮 や 頭 角 など 狩 猟 を 通 じて 獲 得 された 記 念 品 を 意 味 しており 東 アフリカの 文 脈 では 象 牙 と 犀 角 がその 最 たるものである 47 この 当 時 の 保 全 主 義 者 の 中 には 当 時 のイギリスに 見 られた 状 況 即 ち 野 生 動 物 へのアク セスが 裕 福 で 特 権 的 な 人 びとのみに 限 定 されており 階 級 の 低 い 人 びとには 否 定 されている 状 況 が ケニアで 再 生 産 することを 避 けようとする 者 もいた(Kameri-Mbote, 2002: 88) 68

100 理 が 立 てられていた(Kameri-Mbote, 2002: 98) 07 年 に 観 光 野 生 動 物 省 (Ministry of Tourism and Wildlife)の 下 に 猟 獣 局 (Game Department, 以 下 GD)が 設 立 されると その 組 織 とし ての 实 際 的 な 目 的 は 野 生 動 物 の 保 全 というよりも 白 人 向 けのスポーツ ハンティングを 通 じた 経 済 的 利 益 の 獲 得 に 置 かれるようになり 利 用 偏 重 の 政 策 が 採 られた(Gibson, 1999: 41; Kameri-Mbote, 2002: 91) 植 民 地 政 府 は 白 人 入 植 者 が 農 作 物 被 害 をもたらす 害 獣 を 殺 すことを 認 めてはいたが アフリカ 系 の 地 元 住 民 が 野 生 動 物 を 殺 す 行 為 は 違 法 な 密 猟 とし て GD によって 取 締 りの 対 象 とされてきた(Kameri-Mbote, 2002: 92-93) GD の 下 で 白 人 による 野 生 動 物 のスポーツ ハンティングおよび 駆 除 間 引 きが 行 われ 続 ける 一 方 1903 年 にロンドンに 設 立 された 帝 国 野 生 動 物 保 存 協 会 (Society for the Preservation of the Fauna of the Empire, 以 下 SPFE)は 野 生 動 物 の 利 用 ではなく 保 存 を 求 める 運 動 を 展 開 していた 20 年 代 には ケニアからイタリア 領 東 アフリカへの 象 牙 の 密 輸 と それに 伴 うアフリカゾウの 個 体 数 減 尐 がヨーロッパ 社 会 において 大 きな 問 題 と 認 識 されるようにな り この 問 題 の 解 決 策 として アメリカ 式 の 国 立 公 園 のような 自 然 保 護 区 の 設 立 を 通 じて 野 生 動 物 を 保 存 していく 方 法 が 議 論 されるようになった(Steinhart, 2006: 176) 33 年 に ア フリカに 植 民 地 を 持 つヨーロッパ 諸 国 およびアフリカ 諸 国 との 間 で 開 かれた 国 際 会 議 にお いて 動 植 物 の 自 然 状 態 での 保 存 に 関 する 条 約 (Convention Relative to the Preservation of Fauna and Flora in their Natural State) が 合 意 されたが これによってアフリカに 植 民 地 をも つヨーロッパ 諸 国 に 対 しては その 植 民 地 においてアメリカ 式 の 国 立 公 園 あるいはそれに 類 する 野 生 動 物 保 存 のための 保 護 区 制 度 の 導 入 が 定 められることとなった(Kameri-Mbote, 2002: 33; 中 村, 2002: 56; Steinhart, 2006: 180) 48 こうした 国 立 公 園 制 度 導 入 に 向 けた 要 望 や 運 動 は 基 本 的 にイギリス 本 国 あるいは 植 民 地 であるケニアに 暮 らす 白 人 の 間 から 生 まれた ものであり 白 人 入 植 植 民 地 化 以 前 から 野 生 動 物 とともに 暮 らしてきたアフリカ 人 の 声 は 一 顧 だにされなかった(Steinhart, 2006: 188) ケニアでは 国 立 公 園 の 建 設 に 向 けて 具 体 的 な 場 所 の 選 定 や 法 制 度 の 準 備 を 進 めるため の 猟 獣 政 策 委 員 会 (Game Policy Committee)が 1938 年 に 植 民 地 政 府 によって 任 命 された (Kameri-Mbote, 2002: 95; Smith, 2008: 26) 国 立 公 園 制 度 の 導 入 は 第 2 次 世 界 大 戦 の 勃 発 に よって 停 滞 したものの 45 年 には 国 立 公 園 法 (National Park Ordinance)が 制 定 され 46 年 にはケニア 初 の 国 立 公 園 がナイロビに 設 置 された 49 国 立 公 園 がそれ 以 前 に 存 在 したリザー ブと 異 なるのは 内 部 における 直 接 的 消 費 的 な 資 源 利 用 が 禁 じられており 地 元 住 民 の 居 住 も 認 められない 点 にあった そうした 国 立 公 園 制 度 が 発 展 する 上 では 野 生 動 物 の 利 用 法 がこの 時 期 に 変 化 した 点 も 重 要 な 意 味 を 持 っていた つまり それまでであれば 野 生 動 物 を 対 象 とするサファリ( 旅 行 )は トロフィーの 獲 得 を 目 指 す 消 費 的 な ハンティ ング サファリ(hunting safaris) を 意 味 していたものが 1940 年 代 には カメラ 50 の 小 型 48 会 議 には ベルギー エジプト フランス 英 国 イタリア ポルトガル 南 アフリカ ス ーダンが 参 加 した(Kameri-Mbote, 2002: 33) なお 同 会 議 の 当 初 の 主 要 な 議 題 は スポーツ ハンティング トロフィー 交 易 のために 経 済 的 価 値 を 有 する 野 生 動 物 をいかに 保 存 し 供 給 する かであった(Kameri-Mbote, 2002: 33) 49 ケニアに 続 きタンザニアには 1948 年 ウガンダには 52 年 に 国 立 公 園 制 度 が 導 入 されている 50 カメラは 年 代 から ハンティング サファリ の 際 に 用 いられており 殺 す 前 に 撮 られた 猟 獣 の 写 真 は ハンティングで 獲 得 したトロフィーの 横 に 飾 られ 後 世 に 猟 獣 の 生 きてい た 時 の 様 子 を 伝 えるために 使 われていた(Steinhart, 2006: 139) 69

101 化 とともに 生 きた 野 生 動 物 の 姿 を 撮 影 することを 目 指 す カメラ サファリ(camera safaris) へと 転 換 するようになったのである(Steinhart, 2006: ) ケニアでは 国 立 公 園 を 管 轄 する 組 織 として 国 立 公 園 局 (Kenya National Parks, 以 下 KNP) が 設 立 されたが 51 国 立 公 園 外 に 生 息 する 野 生 動 物 を 所 管 する 組 織 として GD が 存 続 してい た 国 立 公 園 法 によって GD の 権 限 も 強 められたが GD が 担 う ハンティング サファリ (スポーツ ハンティング)を 通 じた 積 極 的 な 野 生 動 物 利 用 と KNP が カメラ サファ リ (サファリ 観 光 )の 下 で 進 める 原 生 自 然 保 護 が 並 行 する 中 では 両 組 織 が 現 場 で 行 う 活 動 も 異 なり 当 初 から 関 係 は 良 好 ではなかった( 中 村, 2002: 57) Steinhart(2006: )に よれば 1950 年 代 も 半 ば 以 降 になると 清 潔 で 折 り 目 も 正 しい 新 品 のユニフォームをキチ ンと 身 にまとう 厳 選 された KNP のレンジャーに 対 して GD のスカウトは 貧 相 ないでたち で 給 料 も 満 足 に 支 払 われておらず 統 制 も 取 れていない 集 団 というイメージが 抱 かれるよう になり その 差 がより 顕 著 なものとして 意 識 されるようになっていったという ただし 白 人 ハンターにとってケニアは 60 年 代 まで 必 要 装 備 を 全 て 備 えた 狩 猟 の 発 祥 の 地 であり メッカ(the cradle and Mecca of outfitted hunting) (Child, G, 2009: 62)であり 続 けており 消 費 的 利 用 も 国 立 公 園 制 度 導 入 の 一 方 で 継 続 されていた (b) 独 立 後 1963 年 にケニアはイギリスから 独 立 するが 野 生 動 物 保 全 の 法 制 度 に 特 に 変 化 は 見 られ ず アフリカ 人 が 植 民 地 時 代 に 奪 われた 権 利 や 土 地 への 対 応 が 何 も 行 われなかった 独 立 後 の 共 和 国 政 府 は KNP と GD の 間 に 見 られた 保 存 主 義 と 利 用 主 義 の 対 立 を 引 き 継 いだが 野 生 動 物 にかかわる 諸 事 を 統 御 する 力 とそこから 得 られる 便 益 利 権 を 国 が 独 占 する 構 造 は 変 わらずに 保 持 された(Gibson, 1999: 42; Kameri-Mbote, 2002: ) それまで 独 立 採 算 制 を 採 ってきた KNP の 評 議 委 員 会 (Board of Trustee)も 独 立 を 機 に 観 光 野 生 動 物 省 の 下 に 置 かれるようになり 国 立 公 園 の 管 理 とそこから 得 られる 利 益 に 対 する 中 央 政 府 の 支 配 が 強 化 されもした(Kameri-Mbote, 2002: 103) 1976 年 に 野 生 動 物 ( 保 全 管 理 ) 法 (Wildlife (Conservation and Management) Act)が 可 決 さ れたことで GD と KNP に 代 わり 全 国 の 野 生 動 物 保 護 区 を 管 轄 する 組 織 として 野 生 動 物 保 全 管 理 局 (Wildlife Conservation and Management Department, 以 下 WCMD)が 観 光 野 生 動 物 省 の 下 に 設 置 されることとなった WCMD 設 立 の 動 機 としては 70 年 代 に 象 牙 目 当 ての ゾウの 密 猟 が 激 化 した 点 が 挙 げられるが その 要 因 としては 石 油 危 機 に 伴 うインフレーシ ョンによって 象 牙 価 格 が 高 騰 したこと エチオピア ソマリア 間 の 戦 争 終 結 に 伴 って 生 ま れた 自 動 小 銃 (AK-47)を 所 持 する 無 職 の 青 年 群 が 密 猟 に 着 手 し 始 めたこと そして 密 猟 を 取 り 締 まるべきケニア 政 府 の 内 部 で 腐 敗 が 進 行 したことがあった(Steinhart, 2006: 215) WCMD は 観 光 野 生 動 物 省 から 充 分 な 予 算 を 割 り 当 てられず 人 材 や 装 備 を 整 えることもま まならなかったが そこに 密 猟 汚 職 に 手 を 染 める 政 治 家 からの 介 入 も 加 わったために 保 全 面 では 成 果 を 挙 げられずにいた(Gibson, 1999: 73) 52 激 増 する 密 猟 密 輸 を 有 効 に 取 り 51 KNP は 独 立 採 算 制 を 採 っており GD 以 上 に 省 庁 の 縛 りから 自 由 な 立 場 であった だが 設 立 当 初 にその 役 員 を 務 めた 全 員 がヨーロッパ 人 であった 点 からも 分 かるように ここにおいても アフリカ 系 住 民 の 存 在 移 行 は 無 視 されていた(Kameri-Mbote, 2002: 97) 52 GD と KNP が 統 合 して WCMD が 設 立 される 際 に 生 じた 人 員 面 の 問 題 としては 現 場 におけ 70

102 締 まることができないケニア 政 府 は 国 際 社 会 から 非 難 を 浴 びることとなり 主 要 なドナー である 世 界 銀 行 からも 強 い 圧 力 を 受 けた(Gibson, 1999: 74) この 結 果 として 77 年 には 大 統 領 令 によって 野 生 動 物 の 狩 猟 が 全 面 的 に 禁 止 され 翌 年 にはトロフィーなどの 野 生 動 物 商 品 を 販 売 するために 必 要 なライセンスが 全 て 取 り 消 され ケニア 国 内 からスポーツ ハ ンティング 産 業 およびトロフィー 関 係 の 商 業 が 表 立 っては 消 滅 した(Kameri-Mbote, 2002: 105; Western, 1994a: 37) しかし ケニアの 国 民 経 済 が 停 滞 する 中 で 野 生 動 物 の 消 費 的 利 用 が 禁 止 されたことによって 大 統 領 というパトロンから 受 ける 恩 恵 が 減 尐 したクライアン トたる 政 治 家 の 多 くは 象 牙 や 犀 角 の 密 猟 密 輸 に 手 を 染 めるようになり(Gibson, 1999: 73) 80 年 代 を 通 じて 野 生 動 物 の 密 猟 とそれによる 個 体 数 の 減 尐 は 変 わらずに 進 行 することとな った WCMD は 90 年 にケニア 野 生 動 物 公 社 (Kenya Wildlife Service, 以 下 KWS)へと 組 織 改 編 されるが それまでの 10 数 年 の 間 にケニアのアフリカゾウとサイの 個 体 数 は それ ぞれ 85% 97%の 割 合 で 減 尐 したと KWS(1997)は 報 告 している 53 また こうした 中 央 集 権 化 に 向 かう 動 きの 一 方 で CBC の 萌 芽 とも 呼 び 得 る 試 みが 独 立 直 後 のアンボセリ 生 態 系 において 展 開 されてもいた 次 章 で 詳 述 するが ウェスタンによ って 1973 年 に 作 成 ( 感 性 )された アンボセリ 開 発 計 画 は 生 態 系 保 全 と 地 元 社 会 への 経 済 的 便 益 の 両 立 を 目 指 した 保 全 管 理 計 画 であり この 影 響 から 75 年 には 国 連 食 糧 農 業 機 関 (United Nations Food and Agriculture Organization)と 国 連 開 発 プログラム(United Nations Development Programme)の 支 援 主 導 でケニア 野 生 動 物 管 理 プログラム(Kenya Wildlife Management Programme, 以 下 KWMP)が 实 施 されるようになった アンボセリ 開 発 計 画 は 野 生 動 物 は 公 園 外 で[ 自 らが 生 きていくために 必 要 な] 応 分 の 負 担 を 支 払 わなければ ならない(wildlife paying its way outside parks) ( Barrow et al., 2001: 62; Western, 1994a: 35) という 原 則 に 基 づいて 構 想 されており 具 体 的 には 野 生 動 物 が 保 護 区 内 に 限 らず 保 護 区 外 でも 価 値 を 持 ち 得 る 点 そうして 得 られる 便 益 を 地 元 住 民 も 含 めて 公 平 に 分 配 すること 獣 害 などの 軋 轢 に 対 処 する 必 要 性 そして 保 護 区 の 内 部 だけでなく 外 部 においても 保 全 を 实 施 しなければならない 点 などが 記 載 されていた(Kameri-Mbote, 2002: 109) そうした 旧 来 とは 異 なる 保 全 アプローチの 可 能 性 については 75 年 の 会 期 報 告 書 (Sessional Paper) 54 に おいても 取 り 上 げられたが 翌 年 に 可 決 された 野 生 動 物 ( 保 全 管 理 ) 法 には 反 映 されず 新 たに 設 立 された WCMD においても 要 塞 型 保 全 を 支 えてきた 植 民 地 時 代 に 端 を 発 する 法 制 度 が 引 き 継 がれることとなった(Kameri-Mbote, 2002: 110) KWMP の 中 では 保 全 から 得 られる 経 済 的 便 益 を 地 元 コミュニティに 還 元 する 試 みが 实 る 保 護 活 動 の 経 験 が 豊 富 な KNP 職 員 が 大 量 に 解 雇 され 利 用 活 動 を 専 らに 行 ってきた GD 職 員 が 残 されたことで 現 場 で 保 護 活 動 を 監 督 できる 人 材 が 不 足 したことに 加 えて KNP が 实 践 し てきた 現 場 中 心 の 組 織 からナイロビ 中 心 の 階 級 序 列 制 に 移 行 したことで 現 場 活 動 を 担 当 するレ ンジャーの 地 位 が 大 きく 低 下 した 点 が 挙 げられる( 中 村, 2002: 60-61) 53 Kameri-Mbote(2002: 105)は アフリカゾウについては 80 年 代 の 間 だけでも 130 万 頭 から 60 万 頭 に 半 減 したと 述 べている 他 には アフリカゾウの 個 体 数 が 73 年 の 165,000 頭 から 88 年 の 18,000 に 減 尐 したとするものや クロサイの 個 体 数 が 同 じく 73 年 の 20,000 頭 から 86 年 の 350 頭 にまで 激 減 したとするものがある(Kameri-Mbote, 2002: 119) 54 ここで 記 したような 後 の CBC の 先 駆 けともいえる 保 全 アプローチが 記 載 された 会 期 報 告 書 に ついて Kameri-Mbote(2002: 109)は 第 5 番 ( No. 5)としているのに 対 し Barrow et al.(2001: 62) では 第 3 番 (No. 3) Western(1994a: 35)は 第 2 番 (No. 2)としている 71

103 施 されもした(Kameri-Mbote, 2002: 104) もともと KWMP は 消 費 的 利 用 の 最 たるもので あるスポーツ ハンティングの 管 理 に 主 眼 を 置 いており 非 消 費 的 なカメラ サファリと しての 観 光 開 発 や 地 元 コミュニティへの 経 済 的 便 益 の 還 元 は 取 り 組 みとして 含 まれていな かったが アンボセリ 開 発 計 画 の 影 響 によってプログラムの 中 心 にそうした 新 たなアプ ローチが 据 えられた 形 へと 転 換 された(Western, 1994a: 32) この 時 代 にあっては こうし たコミュニティ 志 向 の 試 みは 外 部 主 導 の 開 発 援 助 という 形 に 留 まっていた 面 が 強 く 狩 猟 の 全 面 禁 止 でスポーツ ハンティングを 通 じた 経 済 的 利 益 の 獲 得 が 不 可 能 になったところ に WCMD 自 身 が 政 治 家 の 妨 害 などで 充 分 な 機 能 を 果 たせないがために 国 際 援 助 が 停 滞 す ると 開 発 行 為 も 停 滞 しやがては 放 棄 される 結 果 となった(Western, 1994a: 39) (c) 野 生 動 物 公 社 時 代 1980 年 代 後 半 には 改 めてケニアにおける 野 生 動 物 の 密 猟 と 象 牙 犀 角 などのトロフィー の 密 輸 が 国 際 的 に 問 題 視 されるようになり 年 に 野 生 動 物 保 全 管 理 法 が 改 正 され それ を 基 に 翌 年 には KWS が WCMD に 代 わる 組 織 として 新 設 された 初 代 長 官 には 世 界 的 に 著 名 な 人 類 学 者 であると 同 時 に 野 生 動 物 保 全 に 熱 心 なことでも 有 名 だったリチャード リー キー(Richard Leakey)が 就 任 したが 就 任 後 すぐに US$ 1 億 5,000 万 もの 資 金 援 助 を 獲 得 することにも 成 功 した(Gibson, 1999: 74) KWS は 国 内 の 国 立 公 園 国 立 リザーブおよび 保 護 区 外 の 野 生 動 物 全 の 保 全 に 責 務 を 負 う 点 では WCMD と 同 様 であるが(Kameri-Mbote, 2002: 105) WCMD の 轍 を 踏 まないように 独 立 採 算 制 が 採 られるとともに 中 央 政 府 省 庁 の 直 接 の 管 轄 下 には 置 かれず 大 統 領 にの み 応 答 責 任 を 有 することとされていた(Gibson, 1999) ただし KWS の 設 立 に 際 して 野 生 動 物 ( 保 全 管 理 ) 法 が 改 正 される 中 では 野 生 動 物 資 源 を 持 続 的 に 利 用 することで 国 民 経 済 を 発 展 させることと 同 時 に 野 生 動 物 と 同 じ 土 地 で 暮 らす 人 びとに 便 益 をもたらすこと が 新 組 織 への 責 務 として 記 されるようになった(Kameri-Mbote, 2008: 292) 多 額 の 国 際 援 助 と 大 統 領 の 強 力 な 支 持 の 下 で 長 官 となったリーキーは 野 生 動 物 に 既 得 権 益 を 持 っていた 政 治 家 の 妨 害 に 遭 いつつも 野 生 動 物 公 社 の 組 織 としての 規 律 化 能 率 化 と 国 立 公 園 の 管 理 体 制 の 強 化 を 進 めた(Gibson, 1999: ; Leakey and Morell, ) 特 に KWS は 設 立 直 後 の 時 期 に そのほぼ 全 ての 力 を 密 猟 の 取 締 りへと 向 けていたが(Leakey and Morell, : 207) 年 に 作 成 された 政 策 枞 組 み 開 発 プログラム(KWS, 1991) では 野 生 動 物 の 大 半 が 公 的 保 護 区 外 も 生 息 地 として 利 用 している 实 情 を 踏 まえて 野 生 動 物 は 公 園 外 で 応 分 の 負 担 を 支 払 わなければならない という 原 則 と 公 的 保 護 区 外 の 野 55 この 際 に 重 要 な 役 割 を 果 たしたものとして Gibson(1999: 74)は ケニアにおける 密 猟 の 問 題 を 取 り 上 げその 観 光 地 としてのイメージを 崩 した ニュー ヨーク タイムズ(New York Times)の 記 事 を 挙 げている 56 Neumann( : 6)は 1980 後 半 あるいは 90 年 代 以 降 アフリカの 野 生 動 物 保 全 行 政 において 国 立 公 園 内 で 違 法 に 資 源 利 用 を 繰 り 返 す 地 元 住 民 や 密 猟 者 への 対 抗 策 として 保 護 区 の 武 装 化 に 向 かう 一 般 的 傾 向 (a general trend toward militarizing protected areas) が 見 られることを 指 摘 している さらに Neumann(2004: )は アフリカにおける 生 物 多 様 性 保 全 が 戦 争 (war) という 比 喩 を 用 いた 言 説 によって 語 られる 中 では 違 法 活 動 に 従 事 している 人 びとを 見 つけ 次 第 射 殺 する(shoot-on-sight) ことが 正 当 化 されている 实 態 を 分 析 しているが そ の 一 例 として KWS 設 立 当 初 のリーキーの 取 り 組 みを 上 げている 72

104 生 動 物 の 生 息 地 において 地 元 住 民 の 協 力 を 得 るための 方 策 として CBC を 推 進 することが 明 記 されていた 1991 年 には 公 園 入 園 料 の 25%を 近 隣 コミュニティに 還 元 するプログラム(revenue sharing programme)が 開 始 されるとともに(Barrow et al., 2001: 67) アメリカ 国 際 開 発 局 (United States Agency for International Development, 以 下 USAID)や 欧 州 連 合 (European Union, 以 下 EU) イギリス 国 際 開 発 省 (Department for International Development) ドイツ 復 興 金 融 公 庫 (Kreditanstalt für Wiederaufbau) 日 本 国 際 協 力 機 構 (Japan International Cooperation Agency)などから 合 計 US$ 1 億 4,300 万 が 保 護 区 野 生 動 物 サービスプログラム(Protected Areas and Wildlife Service Programme)に 対 して 拠 出 され この 1 つとして USAID が 資 金 を 拠 出 した 生 物 多 様 資 源 地 域 保 全 プロジェクト(Conservation of Biodiverse Resource Areas Project, 以 下 COBRA)が 93 年 から 98 年 にかけて 实 施 された(Watson, 1999: 1, 6) 57 ま た 92 年 には 地 元 コミュニティの 便 益 となるように 保 護 区 外 で 野 生 動 物 保 全 を 進 める 部 署 としてコミュニティ 野 生 動 物 サービス 局 (Community Wildlife Service Department, 以 下 CWS)が KWS 内 に 設 置 され(Kameri-Mbote, 2002: 106) 学 校 や 病 院 水 場 の 建 設 といった 形 で 地 元 コミュニティに 野 生 動 物 の 便 益 を 還 元 する 試 みが 行 われた 58 こうした 一 連 の 取 り 組 みは 多 額 の 国 際 援 助 に 頼 ったものであったが その 結 果 として KWS は 組 織 の 体 制 整 備 密 猟 の 取 締 り CBC の 推 進 の 各 面 において 一 定 の 成 果 を 収 めた 59 だが 野 生 動 物 を 既 得 権 益 化 していた 政 治 家 の 抵 抗 の 結 果 として 94 年 にリーキーはダニエル モイ(Daniel Arap Moi) 大 統 領 ( 当 時 )の 提 示 した KWS 長 官 の 権 限 縮 小 案 を 拒 絶 し 長 官 職 を 辞 任 した(Leakey and Morell, : ; Gibson, 1999: 110) 60 そして 彼 に 代 わって 2 代 目 KWS 長 官 に 就 任 するよう 打 診 を 受 け 最 終 的 にそれを 引 き 受 けたのは アンボセリで 長 年 活 動 し アンボセリ 開 発 計 画 を 作 成 するとともに CBC の 概 念 化 においても 中 心 的 な 役 割 を 果 たしていたウェスタンだった ウェスタンは 長 官 に 就 任 すると 5 人 の 専 門 家 集 団 (Five-Person Review Group)にケニア 全 土 を 回 らせ 各 地 で 地 元 住 民 から 直 接 に 野 生 動 物 保 全 に 関 する 意 見 要 望 を 集 めることを 行 った(Western, 2002: 288) この 中 で HWC への 補 償 や 狩 猟 の 禁 止 撤 廃 が 要 望 として 出 さ れ 政 府 に 提 出 された 報 告 書 中 でも 土 地 所 有 者 に 最 大 限 の 収 入 をもたらす 手 段 として 狩 猟 を 再 開 することの 意 義 を 再 考 するよう 書 かれもした(Kameri-Mbote, 2002: 108) しかし 結 57 COBRA の 契 約 は 1992 年 に KWS と USAID で 交 わされた その 目 的 は ケニアの 自 然 資 源 の 保 全 と 持 続 的 管 理 を 通 じて 社 会 経 済 開 発 を 促 進 することであり 具 体 的 にプロジェクトを 構 成 する 取 り 組 みとしては CWP を 推 進 するための KWS の 管 理 能 力 開 発 人 的 資 本 の 開 発 コ ミュニティ 開 発 起 業 開 発 に 向 けた 資 金 拠 出 CWP に 関 する 研 究 調 査 政 策 分 析 の 4 つがあった (Watson, 1999: 4, 10) 58 CWS の 主 要 な 目 的 は 以 下 の 4 つである 即 ち 保 護 区 外 における HWC の 最 小 化 野 生 動 物 を 保 護 区 内 に 囲 い 込 もうとする 地 元 住 民 の 取 り 組 みの 阻 止 保 護 区 外 において 地 元 コミュニテ ィが 野 生 動 物 資 源 の 保 全 と 管 理 を 支 援 することの 奨 励 地 元 コミュニティが 経 済 的 に 健 全 な 野 生 動 物 関 係 のプロジェクトに 着 手 することの 奨 励 (Kameri-Mbote, 2008: 294) 59 この 結 果 として 今 日 では KWS は 軍 隊 警 察 と 並 ぶ 組 織 となっており 災 害 時 の 救 援 活 動 だ けでなく 武 力 衝 突 の 危 険 性 もある 総 選 挙 の 際 に 監 視 団 としても 働 くことが 一 般 的 に 見 られる 60 人 口 がますます 増 加 し 耕 作 可 能 な 土 地 が 減 尐 するケニアでは 野 生 動 物 は 農 作 物 や 地 元 住 民 に 危 害 を 加 え 得 るものとして 認 識 されていた そのため 保 全 に 反 対 する 立 場 を 採 る 方 が 安 定 した 政 治 的 基 盤 を 獲 得 できるという 状 況 があった(Gibson, 1999: 109) 73

105 局 狩 猟 は 今 日 まで 禁 止 され 続 けている リーキーが 国 立 公 園 外 よりも 国 立 公 園 内 の 保 全 を 重 視 したのに 比 べて ウェスタンは 保 護 区 周 辺 住 民 を 対 象 とする CBC を 拡 充 する 方 針 を 強 く 打 ち 出 しており それは 長 官 職 を 辞 したリーキーからの 批 判 を 招 くことにつながった (Kameri-Mbote, 2002: 108; Leakey and Morell, : , ; Western, : , ) 61 ウェスタンは ケニアで 最 初 の 国 立 公 園 であるナイロビ 国 立 公 園 の 創 立 50 周 年 に 当 たる 1996 年 には 公 園 を 超 えた 公 園 (Parks beyond Parks) プログラ ムを 開 始 し CBC を 通 じた 地 元 住 民 との 協 力 の 上 にケニアの 貴 重 な 野 生 動 物 の 保 全 を 目 指 す 方 針 を 強 く 発 信 した(KWS, 1997: 35) その 後 野 生 動 物 保 全 をめぐる 政 治 家 NGO の ポリティクスの 影 響 もあり ウェスタンは 98 年 に 長 官 職 を 解 任 され 再 びリーキーがその 椅 子 に 返 り 咲 くこととなった リーキーは 再 任 時 に 国 立 公 園 を 柵 で 囲 い 込 むことを 宠 言 して いたが 翌 年 に 汚 職 防 止 の 任 に 就 くため 大 統 領 府 へ 転 任 することになり その 硬 い 境 界 (hard edges) (Barrow et al., 2001: 63) 路 線 は 实 行 されずに 終 わった ケニアでは 1990 年 代 の 後 半 から 野 生 動 物 関 係 法 案 の 見 直 しが 行 われるようになり 98 年 と 2004 年 には 草 案 が 作 成 され 特 に 後 者 に 関 しては 議 会 を 通 過 したものの 大 統 領 の 同 意 が 得 られずに 終 わった(Kamri-Mbote, 2008: ) 62 その 後 06 年 に 観 光 野 生 動 物 省 が 政 策 法 律 を 見 直 すための 委 員 会 を 組 織 し 野 生 動 物 の 定 義 や 野 生 動 物 の 所 有 権 とそれに 対 する 責 任 土 地 利 用 の 転 換 に 伴 う 生 息 地 の 断 片 化 HWC と 補 償 の 問 題 便 益 の 公 平 な 分 配 狩 猟 地 方 分 権 化 権 限 移 譲 などがイシューとなってきた(Kameri-Mbote, 2008: 296) そう した 中 では 野 生 動 物 の 消 費 的 利 用 の 再 開 をめぐって 特 に 議 論 が 紛 糾 しており(Kameri-Mbote, 2008: 297) 09 年 には 野 生 動 物 ( 保 全 管 理 ) 法 案 (Wildlife (Conservation and Management) Bill) が 国 会 に 提 出 され 議 論 が 続 けられている リーキーは KWS 長 官 に 就 任 した 当 初 国 立 公 園 を 柵 で 囲 い 込 むことで 地 元 住 民 を 野 生 動 物 から 守 ると 同 時 に 野 生 動 物 を 密 猟 者 から 守 ろうとしていた(Kamri-Mbote, 2002: 106) また 2003 年 9 月 に 南 アフリカのダーバンで 開 催 された 世 界 公 園 会 議 では 先 住 民 の 土 地 権 よりも 自 然 保 護 が 優 先 されるべきだ と 述 べていた( 松 田, 2005: 85 における The Guardian, Sep. 13, 2003 の 引 用 より) Leakey and Morell( : 206)によれば 当 初 は CBC を 支 持 していたリ ーキーだが 实 際 にそれを 試 みる 中 でその 効 果 を 疑 問 に 持 つようになったとのことだが そこ で 彼 が 理 解 していた CBC とは 観 光 業 を 通 じて 地 元 コミュニティに 資 金 を 提 供 すること(local communities be given funds raised from the parks through tourism) (Leakey and Morell, : 206)であり それは Western and Wright eds.(1994)が 提 起 した CBC というよりも Barrow and Murphree(2001: 32-33)が 保 護 区 アウトリーチ として 類 型 化 したもの あるいは 新 パラダイ ムとは 呼 び 難 い ICDPs に 近 い 排 他 的 なものであった 62 Kameri-Mbote(2002: )は 98 年 草 案 は 野 生 動 物 の 所 有 権 構 造 の 変 化 や 保 全 を 担 う 組 織 の 制 度 改 変 の 必 要 性 に 触 れていない 点 で 野 生 動 物 をその 土 地 に 住 まわす 地 元 住 民 に 保 全 に 向 けたインセンティブを 提 供 できておらず 实 行 不 可 能 な(unworkable) 法 案 だと 評 価 してい る 2004 年 草 案 が 言 及 してる 事 項 としては 土 地 所 有 者 地 元 コミュニティをメンバーに 含 む 新 たな 評 議 委 員 会 の 設 立 充 分 かつ 素 早 い 補 償 を 实 現 する 条 項 / 規 定 の 制 定 コリドーの 保 護 土 地 所 有 者 への 消 費 的 利 用 権 (トロフィーの 販 売 間 引 き 狩 猟 )の 付 与 があったが この 草 案 は 議 会 を 通 過 したものの 大 統 領 に 承 諾 されなかったために 法 制 度 化 までは 至 らなかった (Kameri-Mbote, 2002: 296) 63 ケニア 最 大 の 英 字 新 聞 である Daily Nation の 2011 年 2 月 11 日 の 記 事 によれば WKS 長 官 が 同 年 8 月 の 国 会 において 法 案 が 可 決 されることを 期 待 しているとのことであり もし 法 案 が 可 決 したならば ケニア 野 生 動 物 公 社 (KWS)はケニア 野 生 動 物 制 御 局 (Kenya Wildlife Regulatory Authority) KWS 専 門 学 校 (Kenya Wildlife Service College) KWS 警 備 学 校 (Kenya Wildlife Service 74

106 現 在 ケニアの 公 的 な 自 然 保 護 区 としては KWS が 管 理 主 体 である 国 立 公 園 が 22 ヶ 所 国 立 サンクチュアリ(national sanctuaries)が 1 ヶ 所 海 洋 公 園 (marine parks)が 2 ヶ 所 と 地 方 自 治 体 ( 県 議 会 )が 管 理 主 体 である 国 立 リザーブが 24 ヶ 所 と 海 洋 リザーブ(marine reserves)が 6 ヶ 所 存 在 する 64 また 2011 年 1 月 からは 公 的 保 護 区 の 入 場 料 金 体 系 が 新 し くなり 保 護 区 間 での 入 場 料 金 の 格 差 が 大 きくなった 入 場 料 金 は 東 アフリカ 市 民 (East Africa citizens) 東 アフリカ 居 住 者 (East Africa residents) 非 居 住 者 (non residents)のカテゴリー 別 に 設 けられているが 最 も 入 場 料 が 高 い プレミアムな 公 園 (premium parks) (アンボ セリ 国 立 公 園 もこれに 含 まれる)の 場 合 であれば 東 アフリカ 市 民 ( 大 人 以 下 同 様 )が Ksh. 500(10 年 の 為 替 レートで 約 US$6 以 下 同 様 ) 東 アフリカ 居 住 者 が Ksh. 1,000( 約 US$13)の 入 場 料 であるのに 対 して 非 居 住 者 のそれは 通 常 期 (4~6 11~12 月 )で US$ 60 ハイ シーズン(1~3 7~10 月 )には US$ 75 となっている( 子 どもは 基 本 的 に 大 人 の 半 額 ) これに 対 して 最 も 入 場 料 金 が 低 い 海 洋 リザーブであれば 各 カテゴリーの 入 場 料 は 年 間 で Ksh. 100( 約 US$1) Ksh. 300( 約 US$4) US$ 15 と 約 1/3~1/5 となっている (2) 本 論 文 で 取 り 上 げる 事 例 について 本 項 では 前 項 で 概 観 したケニアの 野 生 動 物 保 全 の 歴 史 を 踏 まえて アンボセリ 生 態 系 キマナ 集 団 ランチにおける 4 事 例 の 位 置 付 けを 説 明 する( 表 1-4) 20 世 紀 前 半 アンボセ リ 生 態 系 には 猟 獣 リザーブという 形 で 自 然 保 護 区 が 設 置 されたが そこにおいて 地 元 住 民 は 野 生 動 物 と 共 存 可 能 な 存 在 と 見 做 されており 自 然 保 護 区 内 への 居 住 も 認 められていた しかし 1945 年 に 国 立 公 園 制 度 が 導 入 されるとアンボセリへの 国 立 公 園 の 建 設 も 検 討 され るようになり そうした 要 塞 型 保 全 の 動 きに 対 して 地 元 住 民 は 強 く 抵 抗 するようにな った 第 1 の 事 例 アンボセリ 開 発 計 画 は 1990 年 代 における CBC の 概 念 構 築 (cf. Western and Wright eds., 1994)において 中 心 的 な 役 割 を 果 たすことになるウェスタンが 政 府 に 加 えて 国 際 援 助 機 関 も 推 進 しようとしていた 要 塞 型 保 全 ( 国 立 公 園 建 設 )に 対 抗 して 作 り 上 げ た 代 替 的 なアンボセリの 管 理 計 画 である それは 野 生 動 物 の 生 息 地 でもある 広 大 な 生 態 系 全 体 の 保 全 と 地 元 コミュニティへの 便 益 還 元 それを 通 じた 地 元 住 民 の 保 全 への 協 力 の 達 成 を 目 指 しており 地 元 住 民 も 含 めた 多 様 な 利 害 関 係 者 との 対 話 協 力 の 上 に 73 年 にウ ェスタンが 中 心 となって 完 成 させた ウェスタンは 69 年 に アンボセリ 開 発 計 画 の 下 書 きを 地 元 住 民 に 見 せたが 国 立 公 園 建 設 に 向 けた 動 きが 一 方 にある 中 で 地 元 住 民 がウェ スタンの 提 示 する 案 にどのような 反 応 を 示 したのかについて 77 年 以 降 に アンボセリ 開 発 計 画 に 沿 う 形 で 外 発 的 な 開 発 行 為 が 实 行 されることによる 影 響 も 含 めて 検 討 する Paramilitary Academy) KWS 航 空 部 隊 (Kenya Wildlife Service Air Wing) ケニア 野 生 動 物 研 究 所 (Kenya Wildlife Research Institute)へと 機 能 分 化 するという(KWS も 存 続 ) また 10 年 2 月 に カメリ ムボテ(Patricia Kameri-Mbote)と 会 った 際 にケニアで 消 費 的 利 用 が 再 導 入 される 可 能 性 を 質 問 したが ケニアにおいてそれは 現 实 的 にはあり 得 ないだろうというのが 回 答 だった 64 この 数 値 は KWS の 公 式 ウェブ サイト(http://www.kws.org/)に 掲 載 されている 各 種 保 護 区 の 数 である これら 保 護 区 の 数 は 岩 井 (2009: 511)が 記 載 しているものと 異 なるが 岩 井 (2009: 511)が 作 成 した 表 には 具 体 的 な 保 護 区 の 名 称 が 挙 げられていないので KWS のウェブ サイト の 情 報 と 何 が 異 なるのかの 詳 細 は 不 明 である 75

107 第 2 の 事 例 は 1990 年 代 に KWS が 本 格 的 に 推 進 した CBC の 先 駆 例 として 96 年 にキマ ナ 集 団 ランチの 共 有 地 上 にオープンしたキマナ コミュニティ 野 生 動 物 サンクチュアリで ある 65 Adams and Hulme(2001: 13)は 90 年 代 に USAID を 始 めとする 国 際 援 助 機 関 の 支 援 を 受 けて 展 開 される COBRA は アンボセリ 開 発 計 画 の 経 験 を 踏 まえたプロジェクトだ と 述 べているが それに 含 まれるキマナ サンクチュアリは 地 元 コミュニティの 共 有 地 上 に 建 設 された 保 護 区 兼 観 光 施 設 であり 野 生 動 物 保 全 と 地 域 開 発 の 両 方 を 住 民 参 加 の 下 に 達 成 することを 目 指 していた 99 年 の 集 団 ランチの 年 次 総 会 では 更 なる 経 済 的 便 益 を 獲 得 するためにサンクチュアリの 経 営 を 外 部 の 民 間 観 光 会 社 であるアフリカン サファリ クラブ(African Safari Club, 以 下 ASC)へリースすることが 合 意 された この 事 例 におい て 地 元 住 民 は KWS に 加 えて 観 光 会 社 という 外 部 者 との 間 にも かかわり を 持 つように なっているが 観 光 開 発 を 通 じた 野 生 動 物 保 全 の 推 進 というケニア CBC の 典 型 的 なアプロ ーチをめぐってどのようなプロセスが 生 起 したのかを 追 う 第 3 の 事 例 は 国 際 NGO の AWF が 地 元 住 民 に 提 案 し 1 年 以 上 の 話 し 合 いを 経 て 2008 年 に 建 設 が 合 意 されたオスプコ コンサーバンシーである コンサーバンシーの 場 合 は 野 生 動 物 の 生 息 地 保 護 の 意 味 合 いが 強 く サンクチュアリほどの 経 済 的 便 益 の 還 元 は 实 現 し ていないが 共 有 地 分 割 によって 集 団 ランチの 土 地 が 共 有 地 から 私 有 地 へと 細 分 化 された ことで 外 部 者 と 地 元 住 民 のかかわり にも 変 化 が 生 じていた つまり サンクチュアリ の 場 合 であれば 集 団 ランチ( 委 員 会 )という 集 団 ( 代 表 者 )が 対 話 交 渉 契 約 の 対 象 であったものが コンサーバンシーにおいては 私 的 土 地 所 有 者 である 地 元 住 民 個 々 人 との 合 意 が 求 められるようになった 地 元 住 民 はキマナ サンクチュアリの 経 験 から 野 生 動 物 保 全 観 光 開 発 に 関 する 知 識 経 験 を 蓄 積 してきているが そうした 中 で 外 部 者 と 地 元 住 民 との 間 には 話 し 合 いの 場 が 設 置 されてきた 便 益 権 利 を 一 定 程 度 獲 得 した 後 で ど のような 対 話 を 地 元 住 民 と 外 部 者 が 交 わしているのかがこの 事 例 から 明 らかになる 最 後 の 事 例 として キマナ サンクチュアリを 再 び 取 り 上 げる そこにおけるイシュー は サンクチュアリを 管 理 経 営 する 観 光 会 社 の 選 択 をめぐって 集 団 ランチ 内 に 生 じた 分 裂 である 2000 年 以 降 サンクチュアリは ASC にリースされ 経 営 されてきたが 09 年 には その 契 約 は 切 れることになっており 集 団 ランチでは 新 しい 観 光 会 社 との 契 約 が 望 まれる ようになっていた 募 集 をかけたところ 複 数 の 観 光 会 社 が 応 募 してきたが そこにおいて 集 団 ランチのリーダーの 中 で 支 持 する 観 光 会 社 が 割 れ 地 元 に 混 乱 が 生 じた 地 元 住 民 は 複 数 の 観 光 会 社 と 話 し 合 いを 行 う 中 でさまざまな 要 求 を 提 示 してもいたが そうした 交 渉 65 Barrow et al.(2001: 67)は ケニア 初 の 共 同 体 的 な 管 理 によるコンサーバンシーは 1997 年 にキマナに 設 立 された(The country s first communally managed conservancy was established in 1997 at Kimana) と 書 いているが これは 正 しくない 正 確 には ケニアで 最 初 にオープンしたコミ ュニティ 野 生 動 物 サンクチュアリは 海 岸 州 クワレ 県 (Coast Province Kwale District)のシンバ ヒルズ(Simba Hills) 国 立 リザーブの 北 に 95 年 にオープンしたゴリーニ ムワルガンジェ コ ミュニティ ゾウ サンクチュアリ(Golini-Mwaluganje Community Elephant Sanctuary)である キマナ サンクチュアリの 場 合 共 有 地 上 に 設 立 され 地 元 住 民 が 管 理 を 行 っていたのと 比 べて ムワルガンジェ サンクチュアリの 場 合 は 複 数 の 私 有 地 上 に 設 置 されているなど 2 つのコミ ュニティ サンクチュアリは 制 度 的 には 尐 なからず 異 なる(KWS, 1997; Watson, 1999) とはいえ コミュニティ サンクチュアリ を 冠 するものとしてオープンしたのはムワルガンジェの 方 が キマナよりも 1 年 早 いという 事 实 は 残 る 76

108 を 経 て 最 終 的 には 1 つの 観 光 会 社 が 選 択 されることとなった 共 有 地 分 割 に 際 してもサン クチュアリは 共 有 地 として 残 されていたが 複 数 の 競 合 する 外 部 者 ( 観 光 会 社 )との 間 で どのようなかかわりが 築 かれ コンサーバンシーのような 形 で 私 的 土 地 所 有 権 が 意 識 され るようになるなかで 集 団 ランチとしての 合 意 形 成 がどのように 实 現 されていったのか そこで 問 題 となっていた 事 項 が 何 であるのかを 検 討 する 表 1 4 本 研 究 で 取 り 上 げる4 事 例 事 例 アンボセリ 開 発 計 画 キマナ サンク チュアリ オスプコ コン サーバンシー サンクチュアリの 会 社 交 代 契 約 受 入 年 想 定 される 外 部 者 ウェスタン 政 府 ( 大 統 領 各 省 ) KWS ASC AWF 複 数 の 観 光 会 社 対 象 となる 土 地 生 態 系 全 域 共 有 地 私 有 地 共 有 地 備 考 政 府 による 国 立 公 園 建 設 への 対 抗 案 として 作 成 CBCの 典 型 後 に 経 営 主 体 が 地 元 から 外 部 に 交 代 サンクチュアリの 経 験 と 共 有 地 分 割 の 後 に 展 開 複 数 の 競 合 する 外 部 者 の 存 在 地 元 内 での 分 裂 出 典 : 筆 者 作 成 77

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110 第 2 章 アンボセリ 生 態 系 における 野 生 動 物 保 全 の 展 開 第 1 節 アンボセリ 開 発 計 画 に 至 る 道 (1) 植 民 地 支 配 下 における 野 生 動 物 保 全 の 様 相 1880 年 代 にマサイランドを 旅 した 白 人 探 検 家 のジョセフ トムソン(Joseph Thomson)は 現 在 のアンボセリにおいて このような 乾 燥 して 埃 まみれの 平 原 で 一 体 どうして こん なにも 多 くの 野 生 動 物 が 生 きていけるのだろうか(how so much abundance of wild animals can possibly survive on the dry, dusty plains) と 驚 嘆 したという(Smith, 2008: 22 における Thomson, の 引 用 より) 95 年 の 植 民 地 化 以 前 19 世 紀 後 半 には 現 在 のケニアにおいて 白 人 に よる 大 型 猟 獣 (big game)を 対 象 とする 狩 猟 が 行 われるようになっていた(Steinhart, 2006: 61) そこにおける 狩 猟 行 為 の 担 い 手 としては スポーツとしての 一 定 の 規 則 と 高 貴 な 精 神 性 を 備 えたと 自 負 するスポーツ ハンターや 商 品 価 値 が 高 いトロフィーである 象 牙 を 目 当 て とする 象 牙 ハンターに 加 えて 狩 猟 以 外 の 目 的 でケニアを 訪 れていた 探 検 家 や 兵 士 行 政 官 宣 教 師 それに 開 拓 者 など 広 範 な 人 びと 含 まれていた(Steinhart, 2006: 69-70) ロイト キトク 地 域 集 団 のテリトリーに 相 当 する 現 在 のロイトキトク 県 は 1906 年 に 北 部 猟 獣 リザ ーブの 廃 止 に 合 わせて 南 部 猟 獣 リザーブの 面 積 が 拡 張 された 結 果 として その 一 部 に 含 ま れるようになった(Lindsay, 1987: ; Peluso, 1993: 203) 1920~30 年 代 になると 猟 銃 を 用 いてトロフィーを 獲 るスポーツ ハンティングからカメラで 写 真 を 撮 るサファリ 観 光 へと 野 生 動 物 の 利 用 方 法 が 変 化 したが(Steinhart, 2006: 139) アンボセリにおいても 24 年 には 白 人 観 光 客 を 写 真 撮 影 のための カメラ サファリ に 連 れ 出 す 観 光 形 態 が 開 始 さ れるようになり その 起 業 者 ( 白 人 )は 34 年 には 現 在 のアンボセリ 国 立 公 園 の 内 部 に 位 置 するオル トゥカイ(Ol Tukai)にキャンプ 場 も 開 設 した(Smith, 2008: 28-29) 2 33 年 に は 文 豪 アーネスト ヘミングウェイ(Ernest Hemingway)が 始 めてケニアを 訪 れており 36 年 には 彼 の 代 表 作 の 1 つに 数 えられる キリマンジャロの 雪 (The Snows of Kilimanjaro) が 執 筆 52 年 には 映 画 化 され 白 人 社 会 におけるケニアの 知 名 度 を 高 めることに 一 役 を 買 っていた(KWS, 1997: 9) 1945 年 に 国 立 公 園 制 度 が 導 入 されると ナイロビ(46 年 )やツァボ(48 年 ) ケニア 山 (Mount Kenya, 49 年 ) アバーディア(Aberdares, 50 年 )に 国 立 公 園 が 設 置 され その 内 部 における 資 源 利 用 はおろか 地 元 住 民 の 居 住 までもが 禁 止 された 野 生 動 物 が 豊 富 に 生 息 す るアンボセリは マサイ マラと 並 んで 国 立 公 園 の 建 設 が 議 論 された 地 域 であるが KNP 職 員 の 多 くはアンボセリに 国 立 公 園 が 設 立 されることを 当 然 と 見 做 していた(Lindsay, 1987: 154) しかし 国 立 公 園 の 建 設 予 定 地 は 過 去 にマサイとの 間 で 結 ばれた 協 定 に 基 づき 設 1 Through Maasailand: A Journey of Exploration Among the Snowclad Volcanic Mountains and Strange Tribes of Eastern Equatorial Africa 年 代 前 半 には アンボセリは 既 に カメラ サファリ の 名 所 としてヨーロッパ 社 会 で 高 い 知 名 度 を 獲 得 しており この 白 人 オーナーの 最 初 の 顧 客 の 1 人 は 元 ブルガリア 国 王 フェルデ ィナンド 1 世 (Ferdinand I)だったという(Smith, 2008: 28) 79

111 立 されたマサイ リザーブ 内 に 位 置 している 上 に 土 地 を 新 たに 奪 われることを 恐 れたマ サイが 激 しく 抵 抗 したことで 3 最 終 的 には 狩 猟 は 引 き 続 き 禁 止 されるものの 内 部 における 人 間 活 動 が 許 容 される 国 立 リザーブの 地 位 に 留 められた(Western, 1994a: 15-17) こうして 48 年 に 設 立 されたアンボセリ 国 立 リザーブ(3,260km 2 )は 現 在 のアンボセリ 国 立 公 園 から 西 方 に 広 がる 地 域 であったが 面 積 的 にはかつての 猟 獣 リザーブ( 約 38,000km 2 )の 1/10 以 下 であった 国 立 リザーブは KNP の 管 理 下 に 置 かれたが 4 52 年 には 猟 獣 リザーブが 廃 止 されており 国 立 リザーブ 周 囲 の 土 地 ( 猟 獣 リザーブ 含 む)であれば GD の 監 督 下 で 狩 猟 を 行 うことが 可 能 であった(Lindsay, 1987: 154) その 一 方 で 40 年 代 以 降 植 民 地 政 府 は アフリカ 土 地 開 発 プログラム(African Land Development Programme)を 開 始 し 井 戸 の 掘 削 やキリマンジャロ 山 の 麓 からの 水 道 管 の 敶 設 などを 通 じて 牧 畜 民 マサイの 定 住 化 を 試 み てもいたが 目 論 見 通 りの 成 果 は 得 られずにいた(Lindsay, 1987: 153, 図 2-1) 地 元 住 民 は 国 立 リザーブの 建 設 によって 自 分 たちの 生 活 や 権 利 が 守 られたとは 考 えて おらず むしろそれを 政 府 による 差 し 迫 った 土 地 強 奪 (impending land grab) (= 国 立 公 園 の 建 設 )の 兆 候 と 捉 え 将 来 的 に 更 に 土 地 が 奪 われることを 強 く 危 惧 していた(Western, 1994a: 17) イギリスにおいては 1950 年 にアンボセリへの 国 立 公 園 建 設 を 目 指 す 若 いゲー ム ワーデンを 主 人 公 とした 映 画 ハゲワシの 飛 ばぬ 土 地 (Where No Vultures Fly) が 上 映 され その 舞 台 となっているアンボセリのオル トゥカイは 野 生 動 物 の 観 光 地 としてさ らに 知 名 度 を 上 げた(Smith, 2008: 29) また 56 年 にはマーガレット(Margaret) 英 国 女 王 ( 当 時 )がアンボセリを 訪 れており ごく 短 時 間 でケニアを 代 表 する 野 生 動 物 の 多 くを 見 ることができる 場 所 として 揺 るぎない 名 声 を 勝 ち 得 るに 至 った(Smith, 2008: 54) Smith(2008: 40-41)によれば 観 光 開 発 が 進 む 傍 らで 1950 年 代 のアンボセリではマサ イが 他 民 族 の 侵 入 を 許 していなかったこともあり アフリカ 人 による 密 猟 は 事 実 上 なか った(there was virtually no poaching by Africans) という 5 しかし 50 年 代 は 牧 畜 民 の 過 放 牧 によって 砂 漠 が 引 き 起 こされているという 誤 った 環 境 危 機 説 が 流 布 した 時 期 であり ア ンボセリに 関 しても マサイの 過 放 牧 が 環 境 破 壊 を 引 き 起 こしているとの 言 説 が 流 れ 国 立 公 園 の 建 設 を 通 じた 野 生 動 物 保 全 を 求 める 世 論 がケニア 国 内 外 の 白 人 社 会 から 植 民 地 政 府 へと 発 せられるようになった(Smith, 2008: 67-68) 6 55 年 の 旱 魃 時 にはアンボセリ 沼 に 3 Western(1994a: 17)は この 時 にマサイがどのような 形 で 断 固 たる 抵 抗 (stiff resistance) を 行 ったのかを 具 体 的 に 記 していないが その 後 アンボセリ 国 立 公 園 の 建 設 が 提 案 実 行 され た 時 に 地 元 住 民 は 繰 り 返 し 野 生 動 物 を 狩 り 殺 すことをしていた 点 からして この 時 の 断 固 た る 抵 抗 の 具 体 的 な 内 容 も 野 生 動 物 を 殺 すことだったと 思 われる 4 当 時 アンボセリ 国 立 リザーブを 監 督 する 最 高 責 任 者 は 北 に 100km 以 上 離 れたナイロビ 国 立 公 園 に 駐 在 するワーデンであった(Smith, 2008: 32) Smith(2008: 40)が 初 めてアンボセリに 赴 任 した 52 年 の 時 点 では 25 人 のアフリカ 人 レンジャー( 大 半 がカンバ)が 働 いていた 5 前 章 で 見 たように この 時 期 には 既 にキクユを 始 めとする 農 耕 民 が 流 入 していたが そうした 移 住 者 が 主 に 定 住 開 拓 を 行 ったのはキリマンジャロ 山 の 裾 野 部 であって ここで Smith(2008) が 問 題 にしている 乾 燥 地 ( 現 在 のアンボセリ 国 立 公 園 に 含 まれるオル トゥカイを 中 心 とした 地 域 )において 農 耕 は 行 われていなかったと 考 えられる 6 Smith(2008: 68)は この 当 時 のマサイに 向 けられた 非 難 の 典 型 として 新 聞 に 掲 載 された 以 下 のようなコメントを 紹 介 している どうして マサイのウシがアンボセリの 水 飲 み 場 を 独 占 することが 許 されるだろう? マサイのウシの 大 半 には 価 値 なんてないし そんな 無 価 値 の 家 畜 なんて 間 引 いて 肉 を 売 ってしまうべきなのだ アンボセリは 国 の 財 産 なのだから そういうもの 80

112 N 井 戸 (1940s-50s) 水 槽 水 道 管 (1976) 線 路 水 道 管 (1955) 0 30 km 出 典 :Lindsay(1987: 151) 図 2-1 アンボセリ 生 態 系 における 水 開 発 マサイの 家 畜 が 集 中 しており(Lindsay, 1987: 154) 56 年 に 植 民 地 政 府 が 設 置 した 猟 獣 政 策 委 員 会 (Game Policy Committee)では アンボセリ 国 立 リザーブにおけるマサイのウシと 野 生 動 物 の 関 係 が 議 論 されるようになった(Smith, 2008: 63-64, 165) 委 員 会 は アンボセリ の 中 でも 野 生 動 物 の 水 場 として 重 要 なオル トゥカイを マサイのウシによる 利 用 から 保 護 するための 方 策 として 複 数 の 井 戸 と 家 畜 用 の 水 飲 み 場 をそこから 離 れた 場 所 に 設 置 す ることが 必 要 だと 考 えその 提 案 を 行 った(Smith, 2008: 64) この 提 案 に 基 づく 井 戸 の 掘 削 は 56 年 11 月 から 開 始 されたが 政 治 家 の 利 権 争 いの 結 果 として ロイトキトク 地 域 集 団 のテ リトリー 内 ではなく 隣 接 するマタパト 地 域 集 団 のテリトリー 内 に 位 置 する 結 果 になってし まった 3 年 後 の 59 年 に 提 出 されたレポート ケニア 猟 獣 政 策 (A Game Policy for Kenya) では として 国 のために 保 存 されるべきだ 1 つの 部 族 のためだけに 使 わせるべきではない(Why are the Maasai cattle allowed to dominate the water-holes at Amboseli? Most of their cattle are worthless and they should be made to cull them and sell the meat such as it is. Amboseli is a national asset and as such it should be preserved for the good of the nation as a whole, not just for one particular tribe) こうした 批 判 の 前 提 には マサイが 必 要 以 上 に 家 畜 を 持 つようになり 環 境 破 壊 を 引 き 起 こしているという 誤 解 があった 訳 だが Smith(2008: 68) 自 身 も 同 様 の 立 場 から マサイがこんなにも 大 量 の 雑 種 のウシを 生 業 のために 必 要 としてはいないことは 明 らかだ(There was no doubt the Maasai did not require those enormous numbers of scrub cattle for their subsistence) と 述 べている こうした 見 方 が 一 面 的 に 過 ぎることは 太 田 (1998: )および Anderson(2002: )を 参 照 のこと 81

113 アンボセリも 含 めた 国 立 リザーブを 猟 獣 リザーブに 変 更 し 管 理 主 体 を KNP から GD に 転 換 することが 提 案 されていた(Smith, 2008: 168) 猟 獣 政 策 委 員 会 は 政 府 に 対 して 当 時 の アンボセリをめぐる 野 生 動 物 保 全 上 の 懸 念 として マサイのウシによって 野 生 動 物 が 利 用 できる 資 源 が 浪 費 される 事 態 を 挙 げており 両 者 を 空 間 的 に 別 離 するような 土 地 利 用 計 画 を 立 てることで 問 題 は 解 決 できると 考 えていた 60~61 年 に 起 きた 旱 魃 は アンボセリで は 黄 色 い 農 地 の 季 節 (Em-boot En-kurma Sikitoi) と 名 付 けられるほどに 厳 しく マサイ のウシの 3/4 が 死 亡 したともいわれる(Southgate and Hulme, 2000: 79) この 結 果 アメリカ やイギリスからマサイに 対 して 食 糧 援 助 が 提 供 されたほどであり これによって 過 放 牧 の 問 題 も 解 消 されたかに 思 われた(Western, : 88-89) しかし 年 代 に 行 わ れた 水 開 発 の 結 果 として 水 資 源 へのアクセスが 改 善 されていたこともあり(Lindsay, 1987: 153) 60 年 代 末 から 70 年 代 にかけてウシの 頭 数 は 旱 魃 前 の 水 準 にまで 回 復 し むしろ そ の 急 激 な 頭 数 の 増 加 とともに 過 放 牧 による 砂 漠 化 の 可 能 性 が 改 めて 危 惧 されるようになっ た(Grandin, 1991: 26; Western, : 89) こうした 動 きの 中 で アンボセリは 1961 年 に 国 立 リザーブから 猟 獣 リザーブへと 保 護 区 としての 位 置 付 けが 変 更 され それに 伴 い 管 理 主 体 も KNP から 県 議 会 へと 変 更 された そ の 背 景 には 近 い 将 来 にケニアがイギリスから 独 立 することが 確 実 な 状 況 下 にあっては 野 生 動 物 が 独 立 後 も 生 き 延 びていけるようにするにはそれを 地 元 住 民 の 手 に 委 ねる 必 要 が あるとの 考 えがあった(Gibson, 1999: 144; Smith, 2008: 171; Western, 1994a: 17) しかし 63 年 12 月 にケニアがイギリスから 独 立 すると マサイの 戦 士 は 年 長 者 によって 人 や 家 畜 にと って 危 険 な 野 生 動 物 を 狩 猟 するよう 奨 励 され ゾウやサイ ライオンを 殺 した(Smith, 2008: ) アンボセリの 野 生 動 物 保 全 がヨーロッパを 中 心 として 強 い 関 心 を 集 めるようにな る 中 では マサイの 過 放 牧 がアンボセリを 土 砂 嵐 舞 う 黄 塵 地 帯 (dust bowl) へと 造 り 変 えているという 主 張 とともに マサイが 野 生 動 物 を 狩 り 殺 すことを 止 められない 県 議 会 に 保 護 区 管 理 を 委 ねている 現 状 が 非 難 の 対 象 となった(Western, 1994a: 18) 7 (2) 白 人 研 究 者 の 主 導 による アンボセリ 開 発 計 画 の 成 立 1940 年 代 に 植 民 地 政 府 は マサイの 強 い 抵 抗 からアンボセリへの 国 立 公 園 の 建 設 を 諦 め ていたが 独 立 後 の 共 和 国 政 府 は 68 年 に 地 元 住 民 に 対 して 代 替 的 な 水 場 を 敶 地 外 へ 建 設 することを 条 件 にアンボセリ 沼 を 中 心 とする 200 平 方 マイル( 約 500km 2 )を 国 立 公 園 とす る 計 画 を 提 案 した だが この 時 も 地 元 住 民 は 国 立 公 園 の 建 設 を 拒 否 するだけでなく 野 生 動 物 を 狩 り 殺 すことも 行 った(Western, 1994a: 25) この 補 償 を 伴 う 国 立 公 園 の 建 設 計 画 に 対 しては 野 生 動 物 保 全 に 強 い 関 心 を 持 つアメリカ 人 の 富 豪 ロイヤル リトル(Royal Little)が US$ 90,000 の 予 算 を 個 人 的 に 提 供 していただけでなく 当 時 の 有 力 な 海 外 ドナー の 1 つであるニューヨーク 動 物 学 会 (New York Zoological Society)に 加 えて アンボセリが 位 置 するカジァド 県 ( 当 時 )の 県 議 会 からの 支 持 も 既 に 獲 得 していた(Western, 1994a: 25, 7 当 時 のアンボセリで 観 光 の 目 玉 となっていた 野 生 動 物 に クロサイのガーティー(Gertie)と グラディス(Gladys) そして アフリカゾウのオディンガ(Odinga)がいたが(Smith, 2008: 51; Western, 1994a: 17) ガーティーは 1960 年 代 にマサイに 槍 で 襲 われていた(Western, 1994a: 18) 60 年 には アンボセリ 国 立 リザーブ 内 にサイは 尐 なくとも 100 頭 はいたとされるが それから 10 数 年 後 には オル トゥカイには 5 頭 しかサイは 生 き 残 らなかったという(Smith, 2008: 175) 82

114 : ) これに 対 して 地 元 住 民 は 野 生 動 物 を 自 分 たちの 土 地 に 住 まわせて いるにもかかわらず アンボセリから 何 の 報 酬 も 得 られていない 点 を 不 満 に 思 っており 更 にアンボセリ 沼 を 中 心 とする 乾 季 の 重 要 な 放 牧 地 を 奪 おうとする 国 立 公 園 の 建 設 計 画 は 受 け 入 れ 難 いものであった(Western, 1994a: 26) しかし この 時 に 地 元 住 民 が 見 せた 強 硬 な 態 度 と 野 生 動 物 を 狩 り 殺 すという 行 為 によって 保 全 主 義 者 たちはマサイが 国 立 公 園 の 建 設 を 受 け 入 れる 可 能 性 が 全 くないかのような 印 象 を 持 つようになり マサイの 意 向 を 無 視 してでも 早 急 に 国 立 公 園 を 建 設 するよう 今 まで 以 上 の 圧 力 を 政 府 にかけるようになった (Western, 1994a: 26) そして 71 年 ジョモ ケニャッタ(Jomo Kenyatta) 大 統 領 ( 当 時 ) がアンボセリへの 国 立 公 園 の 建 設 を 宣 言 することになり その 後 の 数 週 間 にわたって 地 元 住 民 のマサイが 野 生 動 物 を 狩 り 殺 すこととなった(Western, 1994a: 30) CBC の 理 論 化 に 際 して 中 心 的 な 役 割 を 果 たし その 功 もあって KWS の 第 2 代 長 官 に 就 任 したウェスタンが 野 生 動 物 の 生 態 学 的 研 究 を 行 うためにアンボセリを 最 初 に 訪 れたのは 1967 年 であるが その 翌 年 には 政 府 による 国 立 公 園 建 設 の 提 案 が 地 元 住 民 の 拒 否 と 抵 抗 を 引 き 起 こしていた(Western, 1994a: 19; : 43) 現 在 のタンザニアに 生 まれ 父 親 が 野 生 動 物 の 管 理 を 任 務 とするタンガニーカ 猟 獣 局 (Tanganyika Game Department)に 務 め ていたことから ウェスタンは 地 元 住 民 ( 特 に 狩 猟 が 禁 じられているアフリカ 系 住 民 )が 農 作 物 被 害 に 苦 しみ 憤 慨 している 様 を 幼 尐 の 頃 から 間 近 に 見 聞 きしており そうした 経 験 から 地 元 住 民 を 排 除 してでも 国 立 公 園 し 野 生 動 物 とその 生 息 地 を 保 存 しようとする 当 時 のケニア 政 府 のアプローチには 批 判 的 だった(Western, ) なぜなら 生 態 学 的 に 見 れば 国 立 公 園 は 野 生 動 物 の 乾 季 の 行 動 域 のごく 一 部 しか 含 んでおらず それだけ では 野 生 動 物 を 生 態 系 レベルで 保 全 することはできない その 上 社 会 経 済 面 についても 国 立 公 園 から 地 元 住 民 を 追 放 することは 野 生 動 物 と 同 じ 土 地 上 で 共 存 してきたマサイの 政 治 的 反 感 をさらに 強 めることを 意 味 しており 保 全 の 障 害 を 作 り 出 すだけに 思 われたから である(Western, 1994a: 25) 8 ここで 図 2-2 は 2010 年 3 月 に KWS が 行 った 野 生 動 物 の 個 体 数 調 査 (センサス)の 報 告 書 からの 抜 粋 である(KWS, 2010) 調 査 が 行 われたのは 乾 季 の 終 わりに 当 たるが アフリカゾウ 以 外 の 3 種 類 (シマウマ マサイキリン Giraffa camelopardalis tippelskirchi ヌー)の 分 布 からも 明 らかなように 野 生 動 物 はアンボセリ 生 態 系 内 の 人 工 的 な 境 界 ( 国 立 公 園 集 団 ランチなど)はおろか 県 境 国 境 をも 超 えた 広 い 範 囲 を 移 動 利 用 して 生 息 している ウェスタンは 生 態 系 レベルで 地 元 住 民 と 野 生 動 物 が 良 好 な 関 係 を 築 き 共 存 が 許 容 され ない 限 り 野 生 動 物 保 全 の 達 成 は 困 難 だと 考 え そのために 必 要 な 保 全 アプローチを 猟 獣 リ ザーブのワーデン(マサイ) 9 と 協 力 しながら 地 元 住 民 とコミュニケーションを 重 ねること 8 タンザニアの 農 村 地 帯 でアフリカ 系 住 民 と 白 人 スポーツ ハンターの 双 方 を 間 近 に 見 て 育 った Western(2002)は その 幼 尐 期 の 経 験 から 以 下 の 2 つのことを 強 く 感 じていたという 即 ち 東 アフリカに 野 生 / 原 生 自 然 (wilderness) はなく 人 間 活 動 が 自 然 の 中 に 埋 め 込 まれている ということ また 植 民 地 支 配 の 下 で 導 入 された 狩 猟 法 や 猟 獣 リザーブに 対 して 地 元 住 民 が 抱 く 敵 意 は 無 視 し 難 いほどに 強 いこと(Western, 1994a: 18-19) 9 このワーデンはマサイ マラ 国 立 リザーブが 位 置 するナロック 県 (Narok District) 出 身 であり コロラド 州 立 大 学 で 野 生 動 物 管 理 学 の 学 位 を 取 得 してもいた Western(1994a: 23)は 彼 を 野 生 動 物 と 牧 畜 民 の 共 存 について 激 しく 精 通 している(keenly aware of the coexistence of wildlife and pastoralists) 人 物 と 評 している 83

115 b マサイキリンの分布 a シマウマの分布 c ヌーの分布 d アフリカゾウの分布 出典 KWS 2010 に筆者加筆 図 年3月における野生動物の分布 赤丸は各野生動物の分布 黒線はロイトキトク県境 から探究するようになった そうして 1973 年に完成する アンボセリ開発計画 Development Plans for Amboseli で提起されている内容としては 生態系の約 6%に該当する保全上きわ めて重要な地域に大型哺乳類保護のための マサイ公園 Maasai Park を設置すること マサイ公園 の土地は将来にわたって政府が 一方的に 併合 開発することは認めら れないこと マサイ公園 における野生動物観光から得られる経済的便益は地元住民に還 元されること また 乾季の放牧地の多くと雤季の放牧地の全てを含む残りの約 94%の土 地に対する地元住民 マサイ の権利を保障すること 野生動物が マサイ公園 外のマ サイの土地にアクセスすることを認める代わりに その土地におけるマサイの野生動物利 用の権利を マサイ公園 で稼がれる経済的便益への享受権に加えて 保障するといった 諸点があった Western, 1994a: これらのアイデアの根本となる前提として掲げられ たのは 野生動物は自分が生きていくために必要な分を支払わないといけない wildlife would have to pay its way Western, 1994a: 28 というものだった 1969 年にウェスタン 1994a: 28 は アンボセリ開発計画 の草案を保全主義者や地元 84

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